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2017年2月20日月曜日

正男氏毒殺…支那「政変」引き金 カード失った習氏激怒 河添恵子氏緊急リポート―【私の論評】正男氏殺害は、支那の火薬庫旧満州に油を注ぐか?

正男氏毒殺…支那「政変」引き金 カード失った習氏激怒 河添恵子氏緊急リポート 

習近平
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件は、女性2人と男性1人が逮捕された。犯行に致死性の高いVXガスが使用された可能性が浮上し、事件の背景に注目が集まっている。こうしたなか、正男氏を擁護してきた習近平国家主席率いる支那は不気味な沈黙を続けている。貴重なカードを奪われ、大打撃を受けた習氏が激怒しているとの情報と、背後にある共産党最高指導部内の激烈な権力闘争とは。ノンフィクション作家、河添恵子氏による緊急リポート。

 正男氏がとうとう暗殺された。反共産党系メディアなどによると、古くは2004年、正男氏がオーストリア訪問中に暗殺の危機にひんしたが、現地の情報機関が事前に察知して未遂に終わったという。10年には、支那で交通事故を偽装してひき殺す計画があり、12年には北京で北朝鮮工作員とみられる者に襲われたが、支那当局が防いだとされる。

 このように、金王朝の第2代最高指導者、金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男、正男氏の暗殺計画は十数年前から蠢(うごめ)いてきた。背景には、支那政府が抱き続ける野望と、熾烈化する権力闘争が見え隠れする。

 支那にとって、北朝鮮は建国以来「兄弟国」の位置付けにある。

 江沢民元国家主席が党総書記に就任した翌年の1990年3月、初めての外遊先は北朝鮮だった。その時、現在は全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員長の張徳江氏が通訳として同行している。


 胡錦濤前国家主席も就任翌年の2004年に正日氏と会談し、「中朝友好協力関係を高める」ことで一致。習氏も08年3月、国家副主席に就任して初めて訪問した外国が北朝鮮だった。

 そして、習政権が発足(12年に党総書記、13年に国家主席選出)して以来、“朝鮮半島の植民地化”への工作を強めてきた。

 それは現在の「チャイナセブン」(=支那共産党の最高指導部、中央政治局常務委員7人)の布陣からも明らかだ。

 習氏、李克強首相に続く序列3位は、前出の張氏だが、北朝鮮の金日成総合大学経済学部で2年間の留学経験があり、支那東北3省に多い朝鮮族を含む、“朝鮮半島のエキスパート”である。序列5位の劉雲山政治局常務委員と、序列7位の張高麗筆頭副首相を合わせた3人が、「北朝鮮との関係が密接」な江沢民派なのだ。


 歴代の支那政府が「兄弟国」の金王朝に配慮してきた目的は、属国化することにある。

 そのため、支那の改革開放政策を支持する正男氏を、正日氏の後継者候補と見据えて、義理の叔父、張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を後見人とする体制の実現を目指してきた。

 ところが、金王朝の3代目に指名されたのは3男の正恩氏だった。「支那に近づきすぎた」張氏は13年12月、無残な最期を遂げる。支那政府は以来、正男氏の身辺警護をより強化してきた。

 チャイナセブン内で近年、金王朝をめぐる対立が激しくなっている。

 正恩氏のカウンターパートは劉氏だが、習一派は劉氏を含む江沢民派を完全に敵視していた。そのうえで、習氏は、オバマ米政権時代からの密約とされる「北朝鮮の核開発無力化」へ舵を切った。この1年、北朝鮮の核開発を支援する支那企業の摘発と責任者の逮捕、東北3省の幹部の首のすげ替えなどに邁進(まいしん)してきた。

 習氏は、正男氏の“出番”をひそかに伺っていたのだ。

 1月に就任したドナルド・トランプ米大統領は13日、北朝鮮が日米首脳会談に合わせて弾道ミサイルを発射したことを受け、「北朝鮮に非常に強力に対応する」と極めて強い口調で断言した。

 こうしたなか、習一派らに江沢民派が一掃されれば、正恩体制そのものが危うくなる。

 だとすれば、正恩氏にとって最大の不安要因である正男氏を、是が非でも抹殺するしかない。正恩体制を支持する江沢民派も生き残りと利権確保のため、正男氏の暗殺を許容した可能性もゼロではない。

 支那共産党最高指導部内のすさまじい権力闘争と、支那の影響力が強いマレーシアでの暗殺劇。カードを失った習氏は激怒しているとみられる。支那政府と公式メディアの不気味な沈黙は、次の一手に向けた情報収集と、策を練っている可能性がある。

 いずれにしても、正男氏が支那の野望の中で擁護され、その揚げ句、犠牲となったことは確かである。

河添恵子氏
【私の論評】正男氏殺害は、支那の火薬庫旧満州に油を注ぐか?

北朝鮮と、支那との関係でまず注目しなければならないのは、現在の支那の東北部、かつての満州国と呼ばれた地域と、北朝鮮の関係です。

特に、支那東北部では、現在急速な少子高齢化で疲弊しているということに注目すべきです。これについては、以前もこのブログにとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国東北部 急速な少子高齢化で「火薬庫」になる可能性―【私の論評】満州再独立の条件が揃った!後は、瀋陽軍区の出方次第(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただものとして、以下に朝鮮半島と、旧満州 (遼寧省、黒竜江省、吉林省)の位置関係を示す地図と、この記事からの引用を掲載します。

現在の支那経済が直面する問題の一つが、無軌道に拡大された設備投資に反し、国内外の需要が急速に弱まったことを背景にした生産過剰であることは言うまでもない。その中心が炭坑と鉄鋼であり、ともに中心は東北三省にある。
すでに賃金の遅配などの問題が起きていることは、国内メディアの報道でも明らかになっているが、現地ではもはやそれどころでない問題が持ち上がってきているようなのだ。 
その実態を明らかにしたのが2016年10月25日に放送された瀋陽テレビの報道番組である。 
タイトルは、〈東北部で人口危機が逼迫 出生率は低下 人口流出が深刻化〉だ。 
記事によれば東北部は元々出生率が低く、1982年の統計では遼寧省、吉林省、黒竜江省はそれぞれ1.773、1.842、2.062でいずれも全国平均の2.584に及ばなかった。それがいま、2010年の調査で3省の平均値が0.75まで落ちてしまったというから深刻である。 
10月19日、中国国家衛生委員会が公表した「中国流動人口発展報告2016」によれば2006から2015年に至る東北部の年平均人口増加率は、わずかに0.21%で全国平均の0.5%にはるかに及ばなかった。 
同時に進行した高齢化は深刻で、2015年の東北部の人口の年齢の中間値は43歳で、これは全国平均の38歳よりも5歳高く、全国の高齢化予測では2027年に相当する水準であるという。 
こうした人口の減少と高齢化は、当然のことながら中国がいま進めている養老保険(年金)の整備に大きなマイナスの効果を与えている。国家開発銀行の元副行長の劉国によれば東北部の年金の負担率(年金を支払う労働者と年金受給者の比率)は、1.55であり、これも全国平均の2.88にはるかに及んでいない。 
これは「火薬庫」としての東北部の火種が将来的にもなかなか消えない可能性を示唆している。
中朝の分岐点――中朝国境友誼橋
このようなことから、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、私は、旧満州地域と北朝鮮が結びつき、旧満州が支那から離脱する可能性もあり得ることをこの記事で主張しました。

そもそも、支那東北部(旧満州にあたる部分)の経済成長が滞っているのは、海に抜ける東側を北朝鮮に遮られているからだという不満が以前から支那特に旧満州には渦巻いていました。民間貿易は国境付近だけで、それも制限されれば庶民は南下し東北部はさらにさびれることになるだけです。

◆東北部の経済の全国比と衰退する理由
2015年上半期における中国東北三省のGDP成長率は「吉林省6.1%」、「黒竜江省5.1%」、「遼寧省2.6%」と全国ランキングからいくとそれぞれ最後から1番目、2番目、3番目という、非常に不名誉なものでした。全国平均7%をひとり引き下げているのは東北三省であると中国人は嘆いています。

2015年上半期における東北三省の財政収入変動に関しても、前年度同期の変動が全国平均6.6%増に対して、
遼寧省  : -22.7% 
黒竜江省 : -19% 
吉林省  : +0.9%
と、軒並みに異常なほど低いです。

個人の平均年収も、全国平均が49,969元であるのに対し
東部地域:64,239元 
西部地域:51,204元 
中部地域:46,828元 
東北地域:46,512元
と低いです。失業率も全国平均より2%高く、結果、東北の労働人口は北京、天津、河北省や山東省へと流れていき、東北部の過疎化とともに少子高齢化が極端に進んでいます。

その原因としては、もともと石炭などの資源地域であったことと、それに伴う重工業が盛んで、改革開放前の「国営企業」の占有率が高かったため、資源の枯渇とともに改革開放を伸びやかに発展させていけないことなどがあります。

それ以上に決定的なのが、北朝鮮の存在なのです。

◆改革開放を阻む北朝鮮の「鎖国」

東北部の経済発展が改革開放に見合って伸びていかないのは、ひとえに岩盤のように立ちはだかっている北朝鮮が鎖国しているからだと、支那庶民の北朝鮮への恨みは大きいです。

もし北朝鮮が改革開放を推進して、南の「深セン」のような役割を果たしてくれれば、東北経済は日中韓貿易の拠点になり、東北地方は一気に大きな経済成長を遂げるだろうと、中国の多くのメディアが北朝鮮への不満をぶちまけています。

金正恩の父親・金正日は、晩年、中国の呼びかけに応じて改革開放に乗り出そうとしたのですが、金正恩になってからは閉ざす方向にしか動いていません。

かつてこの地が満州国だったときには、現在の北朝鮮はもとより、現在の韓国も日本領であり、満州国が発展する可能性は多いにありました。やはり、支那の満州が発展するためには、朝鮮半島を支那の属国にすることが一番なのです。

中国政府寄りの香港メディア「鳳凰網」には、「中国はアメリカより先に絶対に(北)朝鮮をやっつければならない」とするブログを載せています(作者:余以為)。

そこには以下のような激しい言葉が連ねてあります。
 北朝鮮は東北アジアの中心にあり、日韓が海路を通して支那や世界と交易をできる場所にありながら、支那の東北部は北朝鮮のために、まるで「内陸」のような位置づけになっている。これこそが、東北部に経済不振をもたらしている最大の原因であり、労働人口が(南に)流出する最大の原因だ。北朝鮮問題を解決しない限り、支那がどんなに「東北振興」戦略に金を注いだところで無駄になるだけだ。 
 改革開放以来、支那経済が「南強北弱」となっているのは、北朝鮮が鎖国を続けているからに他ならない。そこでブロックされてしまっている。 
 ソ連崩壊後、ベトナムは中国を「兄貴分」と思っているが、北朝鮮は中国を兄貴分とは思っていない。核武器を発展させて、「アメリカの弟分になろうとしている」のだ! 
 アメリカが北朝鮮をやっつけて「弟分」にさせてしまう前に、中国が一刻も早く北朝鮮をやっつけて、中朝市場の一体化を推進しなければならない。そうすれば韓国だって喜ぶし、東北一帯は朝鮮半島を一体化して一気に経済発展を遂げるだろう。 
 日本が東北部に「満州国」を樹立していたとき、実は東北部の経済は発展し、日本本国の経済成長をも上回っていた。その理由は決して日本人が優秀だったからではなく、「日韓満」という三つの地域の市場が統一されて相乗効果を上げていたからだ。北朝鮮の鎖国が、がいかに東北経済発展を阻害する岸壁となっているかが分かるだろう。 
 だから、アメリカに持っていかれる前に、どんなことがあっても中国は先に北朝鮮の金王朝をやっつけなければならない。(1979年に中越戦争を起こした)トウ小平の勇気に学べ! アメリカが北朝鮮と戦うか否かに関係なく、今こそ北朝鮮(金王朝)をやっつけるチャンスだ。この機を逃すな!
これほどまでに激しい声が支那人民特にその中でも満州族の中にはあるのです。人民だけではありません。中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」も黙っていません。

◆朝鮮半島で戦争が起きても「抗美援朝」の再演はもうない

「抗美援朝」とは、朝鮮戦争時代に中国が中国人民志願軍を結成して北朝鮮に派兵したときの、「アメリカに抵抗し北朝鮮を支援しよう」という意味のスローガンです。

環球時報は「朝鮮半島で戦争が起きても“抗美援朝”は再演されない」という労木氏の評論を載せている(2016年2月17日)。それが数多くのウェブサイトに転載されています。

労木氏は、おおむね以下のようなことを書いています。
1.北朝鮮の行動は、アメリカが2020年までに兵力の60%をアジア太平洋に配備するという計画を助長し、その時期を早めている。北朝鮮の挙動は支那を威嚇することはあっても、アメリカには利益をもたらしているだけだ。 
2.北朝鮮が支那国境付近に核施設を設置しているのは、実は下心がある。北朝鮮の核施設の性能は低いので核漏洩(放射能汚染)の危険性が大きい。支那東北部には大きな脅威となる。それもあって支那は北朝鮮の非核化を必死になって叫んでいるのだが、北はどうしても言うことを聞かない。もし核開発を続けるというのなら、各施設を平壌付近に移動させてくれ。支那はもうこれ以上、すぐ隣に核の谷を作るような北の核政策を容認することはできない。 
3.中韓関係の離間工作に関して米朝は「同床異夢」ならぬ「異床同夢」を見ているのだ。目的は同じで、手段が違うだけ。アメリカは遥か遠くにいて自分は放射能汚染の危害に合わないので、平気で北朝鮮をけし掛けている。犠牲になるのは支那なのだ。 
4.民意調査を見てみろ。どれだけ多くの人民が北朝鮮を嫌っているか。北朝鮮よ、支那の安全を脅かすのはいい加減にしてくれ。もし朝鮮半島で戦争が起きても、二度と再び「抗美援朝」が再演されるとは思うな。
おおむね、以上のような論評だ。環球時報が載せたということは、支那共産党がそう考えているという何よりの証拠です。これが支那政府の本音でしょう。

事実、ネットでは96%のユーザーが北朝鮮を嫌っているというデータもあります。

支那は安保理による北朝鮮制裁決議に賛同の意を表しているのですが、北朝鮮との間の支朝国境貿易が制限あるいは完全に遮断されたときに何が起き得るのかを、これらの評論は示唆しているように思われます。

中国商務省は18日、北朝鮮からの石炭輸入を全面的に停止するとの通達をウェブサイト上で発表しました。北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁を強化する狙いがあります。

輸入禁止措置は19日から今年いっぱいとなります。北朝鮮は12日に弾道ミサイルの発射実験を行こないました。

支那は昨年4月、国連の制裁を受けて北朝鮮からの石炭輸入を停止する方針を示したのですが、核やミサイル開発に関係せず人道上不可欠な場合は除くとしていました。

米国務省の報道官は「全ての国が北朝鮮に関する決議を完全で透明な形で実行する必要がある」と強調。「北朝鮮が核開発に関する真剣な協議に復帰するように、同国の最大の貿易相手国である支那に引き続き影響力を行使するよう求めていく」としました。

今回の金正男氏の殺害によって、「火薬庫」としての支那東北部の火種が将来的にもなかなか消えない可能性が高まったと思います。なぜなら、支那としては、北朝鮮属国化としての切り札を一つ失ったことになるからです。

雪中訓練をする人民解放軍瀋陽軍区の将兵
現在支那経済はかなり減速しています。そうなると、旧満州はますます苦しい状況に追い込まれるわけで、この火薬庫を除去するために、習近平は何らかの対応を迫られることになることでしょう。

さて今回は、支那東北地方を管轄する、人民解放軍「瀋陽軍区」と北朝鮮との関係については、掲載しませんでした。

「瀋陽軍区」は、反習近平派の拠点ともなっており、これが北と通じてクーデターを計画しているという噂もあります。これについては、いずれまた、レポートするつもりです。

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2015年4月27日月曜日

習氏にクーデター危機 反腐敗運動に不満の「上海閥」残党が反撃か―【私の論評】激烈な権力抗争の果てに、中国では半年以内に政変が必ず起こる(゚д゚)!


狙われる習近平国家主席 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
中国の習近平国家主席が腐敗官僚の一掃を狙って推し進める「反腐敗運動」で、また新たな大物が葬り去られた。中国当局が、胡錦濤前指導部で軍制服組の最高位を務めた郭伯雄・前中央軍事委員会副主席(72)の身柄を拘束していたことが明らかになった。郭氏と同じく前政権で軍事委副主席を務めた徐才厚氏も昨夏に失脚している。だが、粛清をエスカレートさせる習政権への反発も軍部内で強まっており、軍事クーデターの危険がささやかれている。

郭伯雄・前中央軍事委員会副主席
共産党筋によれば、北京市内で軟禁状態にあった郭氏は今月9日、「反腐敗運動」を取り仕切る党中央規律検査委員会によって実質の身柄拘束となる「双規」を通告された。郭氏には、制服組トップの軍事委副主席に在任中、部下から多額の賄賂を受け取った疑いがあるといい、中国当局が汚職の疑いで取り調べを始めているとみられる。

富坂聰
拓殖大学海外事情研究所教授の氏は、「郭氏の失脚によって、習政権に対抗しうる有力な勢力は事実上なくなった。2月末に軍部の会計監査の徹底調査を始めた。昨年末には7大軍区の訓練の査察もスタートさせ、綱紀粛正にも乗り出している。今後さらに軍部への圧力を強めていくことになるだろう」と指摘する。

 「月刊中国」の発行人である鳴霞(めいか)氏は、「郭伯雄氏も徐才厚氏も、江沢民元国家主席と近い『上海閥』のメンバーとされる。彼らの息がかかった者が軍内にはまだたくさん残っており、生き残りのために蜂起する可能性は十分ある」と指摘する。

中国国内のみならず、国外にも不穏な動きが出ているという。

「米国で、元北京軍区対外作戦秘書長を指導者とした、習政権の打倒を目指す人民解放軍の退役軍人連盟が組織された。彼らは、中国の民主化を求めて海外に散らばった退役軍人のほか、中国国内の現役軍人ともつながっていて、軍事蜂起を呼びかけている。彼らが、『上海閥』の残党と結託し、大規模な軍事クーデターを仕掛ける事態もあり得る」(鳴霞氏)

 習政権が進める軍の覇権奪取が、新たな波乱の幕開けとなるのか。
この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】激烈な権力抗争の果てに、中国では半年以内に政変が必ず起こる(゚д゚)!

中国の権力闘争、凄まじいです。習近平は反腐敗運動などとしていますが、腐敗といえば、不正蓄財、海外への不正送金など習近平もとんでもない天文学的な量をしていますから、これは不正の摘発などではなく、完璧な権力闘争です。

上の記事にも出てきた郭伯雄氏以外にも以下のような高官が失脚しています。


中国のような独裁国家では珍しいことではありませんが、数年前までは小康状態を保っていましたが、習近平が主席になってからまた始まりました。 
習近平政権の不敗北滅運動の「主力部隊」となる共産党党中央紀律検査委員会(規律検査委員会)でも昨年は「腐敗」が多発していました。同委員会が「内輪」に対する摘発にも力を入れていること自体は健全な姿勢と評価することもできましたが、「ミイラ取りのミイラ化現象」が明らかになっていけば、国民の不信感がさらに増大する可能性もあります。

中央規律検査委員書記に王岐山氏

中国では「腐敗」問題について、まず地方または中央の共産党紀律検査委員会が「調査」を初めます。共産党には「党外追放」以上の処分をする権限はなく、同委員会が「全容をほぼ把握」と判断し、告発などと手続きをして、案件は国の機関である司法分野の扱いになります。いずれにせよ、党紀律検査委員会は不正摘発の「突破口」となる重要な組織ということになります。

しかし、摘発がうまくいったとししても、このままでは、収まりはつかないでしょう。おそらく、今年中には習近平が勝つか、上海閥や他の派閥、あるいはこれらの派閥連合の間で最終的な決着がつけられることになるでしょう。

習近平がそのまま主席を続けていれば、習近平の勝ち、習近平が失脚すれば、他派閥の勝利ということになります。私たちは、高みの見物を決め込んで、徹底的な権力抗争で中国共産党中央政府が弱体化することを楽しみに結果を待てば良いのです。どちらに転んでも、半年以内に大きな政変が起こります。

どのような結果になったにしても、このブログで以前から紹介させていただいているように、中国では最近毎年平均10万件を超える暴動があるそうですし、それに経済が停滞しつつあるにもかかわらず、政府は有効な手立てを打つこともできず、権力闘争に明け暮れているわけですから、いずれ遠からぬ将来に中国は分裂することでしょう。

中国は古代から、集合と離散を交互に繰り返し、新しい帝国が築かれて、それが分裂また、帝国を築くという歴史を繰り返してきました。そうして、古い帝国と、新しい帝国との間には、なんのつながりもなく分断されていたという歴史があります。

中国清朝最後の皇帝 愛新覚羅溥儀
現代中国もその例外となることはないでしょう。現在の中国もやがて分裂します。その時期が何時頃になるかということが問題です。習近平は、中国内ではラスト・エンペラーとも呼ばれています。現中国の最後の皇帝になるかもしれないという意味です。

確かに、習近平が現代中国の最後の主席となるということは、大いにありそうなことです。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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