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2017年2月23日木曜日

F/A-18に関し誤解を招く恐れのある東京新聞掲載記事に対する在日米海軍司令部の見解―【私の論評】またCNN報道を鵜呑みし垂れ流した東京新聞(゚д゚)!


在日海軍のエンブレム 写真はブログ管理人挿入

2017年2月17日、東京新聞は「厚木の米機FA18 6割飛べず? 部品なし修理不能 米専門誌惨状掲載」と題するF/A-18の運用状況に関する記事を掲載しました。記事には多くの憶測が含まれており、東京新聞の読者の皆様、ひいては日本国民の皆様の誤解を招き、誤った情報を与える恐れがあります。

ディフェンス・ニュースの記事で報道された任務遂行条件を満たせない航空機の割合は、前方展開海軍戦力の一員である飛行隊の即応性、とりわけアメリカの唯一の前方展開航空団である第5空母航空団に所属する、4つのスーパーホーネット飛行隊の即応性を示すものではありません。

米海軍は前方展開海軍戦力に多額の予算を投じており、最新鋭の航空機を日本に配備しています。日本に配備されている飛行隊には必要とされるリソースはすべて提供され、米海軍厚木航空施設を拠点とするスーパーホーネットは万全に整備されています。またこれらのスーパーホーネットは、米海軍の前方展開戦闘飛行隊を最大限の即応性で維持する為に必要となる、すべての部品と飛行時間を有しています。

定期的な整備や飛行時間管理など様々な要因により、個々の航空機および飛行隊の飛行スケジュールは多岐に亘っています。しかしながら、東京新聞の記事で引用されていた数字は、即応性や安全性のいずれの傾向をも反映しておりません。

東京新聞はなぜ厚木航空施設におけるスーパーホーネットの即応性に関し、米海軍に問い合わせることすらせず、米海軍航空機の即応性や日本防衛に対する米海軍の能力について憶測の記事を掲載されたのでしょうか。米海軍に事実やコメントを求めることなく東京新聞がこのような憶測を掲載されたことは残念です。東京新聞の読者の皆様、ひいては日本の国民の皆様は真実を知る権利があるのです。それはすなわち、第5空母航空団が完全に任務遂行可能であり続け、空母ロナルド・レーガンの艦上から展開し、地域に安全と安定を提供し、常に日本を防衛する即応態勢にあるという事実です。

米海軍が日米同盟について真摯に受け止めている中で、日本を拠点とする米海軍戦力の即応体制を提示する機会を頂けたことに感謝致します。新聞読者は重要であり、読者は正確な情報を知る権利があると理解しております。

第5空母航空団は引き続き空母ロナルド・レーガンの艦載機部隊として展開し、地域に安全と安定を提供するために課されたあらゆるすべての任務を遂行します。

(*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英語です。)

【私の論評】またCNN報道を鵜呑みし垂れ流した東京新聞(゚д゚)!

空母から発艦したF18
東京新聞のWeb版には、この記事が掲載されてはいませんでした。しかし、上の記事に掲載されているように、「厚木の米機FA-18 6割飛べず? 部品なし修理不能 米専門誌惨状掲載」というように東京新聞は報道したのでしょう。

だとすれば、本当に酷い報道だと思います。まずは、FA-18 がどのような戦闘機であるか、以下に基本的な情報を掲載しておきます。

すでに、運用開始から今年で34年目に入り、1,480機も製造され、米国以外でも、六カ国で運用されている戦闘機です。

このような戦闘機、しかもそれもエリート中のエリートともいわれる、空母ロナルド・レーガンの艦載機部隊のFA-18の6割が飛べないなどということはあり得ないです。これは、常識で考えても理解できます。

6割が飛べないということは、具体的には稼働率が4割ということを言っているのだと思います。しかし、この報道はにわかには信じがたいです。

おそらく、東京新聞はCNNの受け売りをしたのだと思います。実際、CNNは以下のような報道をしています。
米海軍のFA18型機、3分の2飛行出来ず 修理遅れなど

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
(CNN) 米海軍幹部は11日までに、海軍の主力戦闘機となっているF/A18型機の約3分の2が修理の遅れや部品の調達待ちで飛行が出来ない状況に陥っている実情を明らかにした。 
ウィリアム・モーラン副作戦部長(海軍大将)が米下院軍事委員会で証言した。海軍保有の航空機の半分以上を飛ばすことが出来ず、国防費増額の見通しも立たない中で、投入出来る航空機の使用回数は限度まで来ていると指摘した。 
「様々な理由に襲われ、海軍の造船所や航空機の格納施設では修理や維持管理作業を規定通りの時間内に終わらせることに苦労している」と表明。F18に限れば任務に使えない機材の数は本来あるべき水準の倍になっているとも述べた。同型機の62%が駐機を強いられているとの一部情報を確認する形ともなった。 
同機の機体寿命は約6000飛行時間を想定している。しかし、稼働させる機材が少なくなっている現状を受け、現在は8000~9000時間まで伸びているという。財源の制約やF18の後継機と位置付けられている最新型戦闘機F35の配備の遅れも作用している。
確かに、このようなことはあるのかもしれません。しかし、この記事から読み取れることは、アメリカ海軍のFA-18全体の稼働率が低いことを言っているのであって、厚木の米機FA18のこともそうであると言っているわけではありません。

実際、ブログ冒頭の在日米海軍司令部の見解では、「米海軍は前方展開海軍戦力に多額の予算を投じており、最新鋭の航空機を日本に配備しています。日本に配備されている飛行隊には必要とされるリソースはすべて提供され、米海軍厚木航空施設を拠点とするスーパーホーネットは万全に整備されています」とはっきり述べています。

これは、明らかに東京新聞の凡ミスです。やはり、在日米軍司令部に質問してから、記事を掲載すべきだったでしょう。少なくとも、空母ロナルド・レーガンの艦載機部隊のFA-18が6割も飛べない、稼働率が40%ということはないでしょう。

米軍の航空機の稼働率についてサイトでしらべてみたところ、以下のような資料がありました。


これは、残念ながら空軍の資料なので、F18-Aは掲載されていませんが、ほぼ同時期に開発され運用開始したF15、F14などは掲載されていて、その稼働率は70%台です。FA-18だけが、極端に低いということはなかなか考えにくいです。

それに、稼働率に関しては、海軍の幹部がCNNの記事のように低めにいうのにはそれなりに理由があると思います。

それは、トランプ大統領の発言に影響されたものかもしれません。実際、トランプ大統領は以下のような発言をしています。
トランプ氏、ボーイングにF18戦闘機のコスト算定要請 F35対抗機
英南部で開かれた「ファンボロー国際航空ショー」
に登場したロッキード・マーチンのF35戦闘機
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部だけ引用します。
米航空防衛大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)の最新鋭ステルス戦闘機F35にかかる費用が巨額すぎると不満を表明しているドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は22日、競合する米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)に対し、F18戦闘機を新たに導入した場合のコストを見積もるよう求めたことを明らかにした。
海軍の幹部としては、トランプ氏の発言のように、F18の改良型程度のものを導入されるようなことは、なるべく回避したいと考えるに違いありません。だからこそ、CNNの記事のように、FA-18の稼働率を低めに語ったのかもしれません。

私の考えでは、F35に切り替わることを想定して、近いうちに破棄する予定のもので、飛行させるつもりもないものも、稼働率に含めている可能性もあると思います。

しかし、これは、憶測に過ぎないのですが、かといってCNNのニュースをそのまま鵜呑みというわけにはいかないです。なぜなら、CNNは大統領選でとんでもない報道を続けて、最後の最後までヒラリー・クリントンが有利で、トランプ氏は圏外のような扱いをしたメディアです。

しかし、これが支那の空母の艦載機の稼働率が40%などといわれれば、私も鵜呑みにしたかもしれません。なぜなら、このブログには以前は以下のような記事も掲載したことがあるからです。
【緊迫・南シナ海】ベトナムが中国・人工島射程にスプラトリー諸島でロケット弾を配備 インドからミサイル購入も―【私の論評】日本の備えはベトナムよりはるかに強固、戦えば中国海軍は崩壊(゚д゚)!
中国空軍の大部分を占める時代遅れのJ-7戦闘機
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結論部分だけ以下に掲載しておきます。
(戦力外の戦闘機は外してさらに)保有していても稼動しないのは飛べないので、存在しないのと同じなので除外します。そうすると、航空自衛隊の稼働率90%、従って実数は315機です。中国空軍の稼働率推定20%、従って実数は50機です。
この記事のように、支那の戦闘機は、あまりにも旧式で戦力にならないものを除外して、低い稼働率のため実際に日々運用できる稼働機は50機にすぎないという試算もあるのです。

このように稼働率がもともと低ければ、空母艦載機なども稼働率が40%などということもあり得るわけで、最初は、東京新聞は支那の航空機の稼働率の低さと取り違えたのかとも思いましたが、どうもそうでもないようです。

それにしても、支那の航空機の稼働率は一般にかなり低いようです。20%はともかくしても、かなり低く見積もる軍事評論家が多いです。

軍事漫談家を自称しておられる、井上和彦氏もその一人です。井上氏は以下の様な試算も示していました。

---------------------------------------
        ≪飛行時間≫
         航空自衛隊 ・・・・・ 年間最低150時間
         中国空軍  ・・・・・ 年間平均 25時間

ただし、最新鋭スホーイ27の部隊でもやっと年間100間程度と推測

出展 こんなに強い自衛隊 著者: 井上和彦
---------------------------------------

年間平均飛行時間が、25時間と、航空自衛隊の1/6程度ということは、やはり航空機の稼働率があまりにも低いのでこのようなことになるということです。

それにしても、軍事評論家などが、支那の航空機の稼働率の低さや、飛行時間の低さなどを指摘しても、支那政府はそれに対する反論は全くしません。にもかかわらず、最近では外国の一民間企業であるアパホテル批判などはしています。これは本当に矛盾しています。

やはり、支那の戦闘機の稼働率は異常に低いのだと思います。だからこそ、それに対して反論すれば、様々な軍事評論家などから反論され、かえつて支那の空軍力の弱さを露呈することになるので何も言わないのだと思います。

しかし、米海軍は、東京新聞の報道に関してはすぐに反論をしました。やはり、それなりの自信があるのでしょう。

少し脱線してしまいましたが、東京新聞の報道は酷すぎです。少し調べれば分かりそうなものですが、やはり、CNNの尻馬にのって、トランプ氏を色眼鏡で報道したその姿勢は今も変わりないようです。

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2015年4月17日金曜日

麻生財務相の「参加見送り」見解、中国メディアは未練たらたら・・・「日本国内でもAIIB参加すべきの声」と報じる―【私の論評】中国小国化に向け追撃戦に転じた安倍総理(゚д゚)!

麻生財務相の「参加見送り」見解、中国メディアは未練たらたら・・・「日本国内でもAIIB参加すべきの声」と報じる

サーチナ 4月16日(木)15時27分配信

写真はブログ管理人挿入 以下同じ

中国メディアの新華社は15日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加の是非をめぐって日本の一部の政治家や学者に対して取材を行ったことを紹介し、「日本政府は早くAIIBに参加するよう」求める声があったと報じた。日本政府の同行への不参加について、麻生太郎財務相は「不透明な部分が残る」などの説明を繰り返している。

記事は前衆議院議員で元財務相の藤井裕久氏が「日本はAIIBに参加すべき」と述べ、その理由として「土木・建築業をはじめとする日本のインフラ産業にプラスの影響がある」ことを挙げたことを紹介した。

さらに藤井氏が「各国が友好関係を構築することが平和への貢献につながる」と強調し、日本が中国をはじめとする他国と手を取り合い、アジアの発展に貢献する必要があるとの見方を示したと紹介した。

続けて、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が「日本にとってもっとも理想的な状態は、アジア各国が相互協力のもとで利益を得ること」と述べたことを紹介し、日本はさまざまな形で相互協力を強化すべきであり、その観点から「日本はAIIBにどの国よりも先に参加を宣言すべきだった」と述べたと報じた。

また記事は、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之研究主幹の話として「日本がAIIBに参加すれば日本企業のアジアでの投資が促進され、日本経済にもプラスとなる」との見方を示したことを紹介し、日本国内の政治家や学者から「日本はAIIBに参加すべきとの声があがっている」との見方を示した。

中国における報道では、「自国側の主張を相手国内で発生した声で代弁」させる場合が多い。また新華社報道は当局の考えを反映したものと考えてよい。上記記事の背景には、「日本がAIIBに入らないのは痛手」との本音が見え隠れしている。(編集担当:村山健二)

【私の論評】中国小国化に向け追撃戦に転じた安倍総理(゚д゚)!

AIIBに関しては、何度かこのブログでも解説しました。その典型的なものを以下に掲載します
AIIB 独首相が日本に参加呼びかけ―【私の論評】AIIB不参加バス乗り遅れ説を語り、TPP参加絶対反対を唱える輩は明らかに中国スパイ(゚д゚)!

経済支援だけと思ったら、中国に軍事拠点づくりされてしまうという危険性もある

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事でAIBBにあせって参加する必要など全くないことを掲載しました。

なぜそうなのか、その部分のみこの記事から下に箇条書きで抜粋しつつます。
1.AIIBには、ガバナンスの点で大いに問題がある。たとえば、AIIBの融資について理事会の関与がほとんどない。中国トップがある国へのインフラ投資を政治判断したら、AIIBはプロジェクトの採算性などを度外視して融資する可能性がある
これは字面だけ見ていると何を意味するかわかりませんが、たとえば、北朝鮮への融資も十分あり得ます。あるいは、中国内や、中国近隣で中国にとって都合の良い融資を行う可能性もあります。

たとえば、鉄道・空港・港湾など、軍事施設としても有用なものですが、これらを中国の都合で行う可能性もあります。現状の中国は経済も停滞していますし、金融も空洞化していますから、軍事と言った場合、人員確保や兵器の配備にはお金をつかうかもしれませんが、鉄道・空港・港湾など大規模な投資はなかなかしにくい状況にあります。だからAIIBによって、人民解放軍が活動しやすいように、これらのインフラを整備するということも十分考えられます。

何のことはありません。どこかの国が、AIIBによって港をつくったら、そこが人民解放軍により占拠され、その国への侵略の拠点になるというとんでもないことになり得る可能性もあるのです。
2.AIIBは中国主導であり、中国がその後ろ盾になる。よって、その格付は中国と同等になる。中国の格付けは、トリプルAのアメリカ、ダブルAの日本より下のシングルAである。ということは、アメリカと日本が参加しない、AIIBの格付けは他の国際金融機関よりも低いということになる
AIIBの国際金融機関の格付けが低いということは、他の機関よりも資金調達コストが高くなり、当然貸出金利も他の国際金融機関よりも、高く設定せざるを得ないことを意味します。 アメリカと日本が参加しない限り、この問題は解決できません。このままだと、AIIBは、日米が主導するアジア開発銀行に比較すると圧倒的に不利ということになります。中国が、日米の参加を喉から手がでるほどに、欲しがっているわけです。
3.中国の金融システムは金利の自由化すら終了していない途上国並みの未熟なもので、国際金融業務のノウハウも乏しい
中国側は、国際金融業務のノウハウが乏しいため、日米が参加すれば、そのノウハウを入手できる可能性があります。日米はそれを提供しないということです。そんなものは、英国あたりができるだろうということになるかもしれませんが、確かに英国などのEU諸国は、アジアの投資に関するノウハウは乏しいです。その他の国は、そもそもそのようなノウハウはありません。

以上の3点を考えれば、日本や米国などがあせって、参加する必要性など全くありません。特に、ガバナンスの点が改善されない限り、検討する余地すら全くありません。

さて、この記事では、TPPとの関連で以下のようなことも掲載しました。
それにしても、このようなことを知ってか知らずか、AIIB不参加、バス乗り遅れ説を語る、マスコミや識者のうちで、TPP参加絶対反対を唱える人、これはもう、明らかに中国スパイです。

無論、様々な観点から、TPP参加に懸念を示すのは良いですが、AIIB参加には、さら大反対というのなら理解できますが、不参加をバス乗り遅れというのであれば、あまりに中国にとって都合の良い言い草なので、中国スパイと判断せざるを得ません。

そういう人マスコミでも、識者で結構多いです。本当にわかりやすいです。スパイならスパイらしく、もっと正体を明かさないように、言論に注意を払えといいたいです。本当にわかりやすいです。馬鹿丸出しと言いたくなります。
私自身は、TPP参加反対だからといって、それがすぐにそのことが中国スパイだとはいいませんが、TPPに反対しても、AIIB参加に猛反対というのであれば、中国スパイとは言えないと思います。不等式で表すと、反対の度合いが、AIIB > TPPというのであれば、仮にTPPに反対だとしても、日本の国益などを考慮して反対しているだけで、中国スパイではないのだと思います。

しかし、TPP参加大反対、AIIB参加大賛成というのであれば、これは100%中国スパイであると判定しても間違いないと思います。こういう発言をする人は、たとえ自分は中国スパイではないと否定したとしてもそう見られても致し方無いと思います。

では、その事例を以下に二つばかりあげておきます。

まずは、共産党の志位委員長はどうなのかといえば、以下の記事に見られるように諸手を上げて大賛成てす
アジアインフラ投資銀行への参加問題について 志位委員長が会見
ここでは、共産党志位委員長は、AIIBには絶対に参加すべきであるとの考えであることだけ掲載しておきます。詳細は、この記事をご覧下さい。

ところが一方TPPに関しては、 どうだったかといえば、下の新聞記事のように大反対でした。


ということは、志位委員長はTPP加入は大反対であり、AIIBに大賛成ということですから、上にあげた私の判定基準からいうと、志位委員長は、中国スパイということになります。そうして、こういう発言をするトップがいる組織である日本共産党も中国スパイとみなさざるをえないということになります。

実際本当に中国スパイであるのか、断定はできませんが、少なくとも上で述べたように、志位委員長や日本共産党は中国のスパイであると受け取られてもいたし方ないということになると思います。

さらに、以下に別の例をあげます。 ブログ冒頭の記事にも、元財務相の藤井裕久氏は、どうなのか検証してみます。

まずは、ブログ冒頭の記事にもあるように、藤井氏はAIIB加入に賛成です。そうして、TPP参加についても、以下の様に賛成です。 
ということは、藤井氏は少なくとも中国スパイではないということです。

藤井裕久氏

さて、麻生財務大臣は、冒頭の記事では、麻生太郎財務相は「不透明な部分が残る」などの説明を繰り返している」としていますが、これは無論のこと安倍総理は参加の意思がないのであり、麻生財務大臣に固く釘をさしているのだと思います。

というのも、麻生財務大臣には前科があるからです。そうです。8%増税のときには、「増税は国際公約である」などと国際舞台で公言したりしています。それに、それ以前から失言の多いことでも有名です。

安倍総理は、上記であげた3点については十分了解しており、現状のまま推移を見守り、AIIB参加はしないと腹を決めているのです。

それにしても、安倍総理以前の総理大臣であれば、民主党政権時代の総理大臣も、その前の自民党の総理大臣でも、下手をする喜びいさんで、AIIB参加を決めていたかもしれません。中国はそう踏んでいたのだと思います。

しかし、安倍総理はそうではありませんでした。安倍総理以前の総理大臣や政権は、中国外交では完璧に中国ペースで行われていましたが、安倍総理大臣になってからの中国外交は完璧に安倍総理ペースで行われています。

それどころか、安倍総理は中国外交に関しては、安倍総理ペースの範囲を超えて、追撃戦に移ったようです。

この追撃戦に関しては、倉山満氏が以下のようなツイートをしています。
追撃戦とはいっても、無論本当に戦争をするとか、しているということではありません。まずは、安倍総理は、白川前日銀総裁を任期前に辞任に追い込み、日銀を黒田体制にして、それまでの白川総裁の円高・デフレ政策をストップさせ、黒田総裁体制に変更し、異次元の包括的金融緩和を実行させました。

この黒田バズーカは途中で8%増税があり、国内では景気回復を送らせることになってしまいましたが、中国に対しては、甚大な影響を与えました。日本が円安に振れたことで、中国の経済は大ピンチに陥りました。

なぜかといえば、日本の超円高政策により、日本国内で部品を作成して、それを組み立てて、日本国内に販売するよりも、日本から部品を中国に輸出して、中国で部品を組み立てて、日本に輸入したほうがはるかに低コストになるという異常な状況になりました。

それどころか、日本部品向上を中国に移して、そこで組み立てて、日本輸入するとさらにコスト低減になるということで、日本の企業は中国に進出しました。これによって、中国は日本技術やノウハウを手に入れ、超円安でほぼ固定相場制の元ということで、まるでぬるま湯に浸かったかのような、絶好のコンデションで、経済発展を続けることができました。

しかし、この状況も、黒田バズーカで吹き飛んだわけです。2013年から中国経済は落ち込み始めましたが、2015年の本年は、落ち込みは明らかになり、この落ち込みはそう簡単には回復しないということから、中国ではこの状況を新常態とまで呼称するようになりました。


要するにこれからしばらくは、中国の経済は落ち込むことはあっても回復しないということです。このようにして、安倍総理は、経済によって、中国の力を削いだわけです。

しかし、倉山氏はこれだけにとどまらず、仏心を出さず、阿修羅の心で徹底的に追撃し、中国を小国に叩き落とすべきだと言っているのです。

まさに、日本がAIIBに参加するということは、仏心を出すということにほかなりません。中国としては、超円高・デフレ政策による中国支援はもう期待できないことを悟りあきらめているのでしょうが、それにしても、せめてAIIB参加による支援くらいはしてくれても良いだろうと考えていいたと思います。

それに対する、安倍総理大臣の答えは、膠も無い(にべもない)拒否です。まさに、習近平と中国共産党は、安倍総理に振り回されるどころか、追撃戦にあって、命からがらという状況に追い込まれています。このまま中国共産党中央政府が何もせずに手をこまねいていれば、中国は間違いなく、小国に叩き落ちます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

中国の今を知っていただくための雑誌を以下に掲載しました。いずれもキンドル版です。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:アメリカ<中国?」〈2015年 4/14号〉 [雑誌]
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2015年1月29日木曜日

【阿比留瑠比の極言御免】これではメディアのヘイトスピーチだ…『東京』『朝日』『毎日』偏見・無知に基づく不公正・不適切な見解―【私の論評】守旧派は現実の世界に対応できない!世界にとって不都合な安倍嫌いの守旧派戦後利得者は、消え去るのみ(゚д゚)!

【阿比留瑠比の極言御免】これではメディアのヘイトスピーチだ…『東京』『朝日』『毎日』偏見・無知に基づく不公正・不適切な見解



またかとうんざりし、気がめいった。安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年の首相談話をめぐり、27日付の東京新聞が平成7年の「村山談話」継承を求める社説でこう書いていたからである。

「首相はかつて『侵略の定義は定まっていない』と国会答弁した。侵略を正当化する意図を疑われ、国際社会の一部から『歴史修正主義的』と厳しい視線が注がれている」

朝日新聞と毎日新聞の4日付社説もそれぞれ、同様のことを指摘していた。

「自民党議員の質問に、『侵略の定義は定まっていない』と応じて批判を浴びた」(朝日)

「首相自身も『侵略の定義は定まっていない』と述べて物議を醸したことがある」(毎日)

自分たちが率先して首相を批判しておきながら、第三者が問題視しているように書く手法もいかがなものかと思うが、問題はそれだけではない。

  村山談話の発表者である村山富市元首相自身が7年10月の衆院予算委員会で、次のように答弁しているのである。

「侵略という言葉の定義については、国際法を検討してみても、武力をもって他の国を侵したというような言葉の意味は解説してあるが、侵略というものがどういうものであるかという定義はなかなかない」

さらに、民主党の野田佳彦内閣時代の24年8月の参院外交防衛委員会では、玄葉光一郎外相(現民主党選対委員長)もこう述べた。

「何が侵略に当たるか当たらないかというのは論争があるところで、そこにはある意味、価値観、歴史観が入り込む余地があるのだろう。だからなかなか明確な定義というものができないのかなと」

つまり、安倍首相はあくまで従来の政府見解をそのまま述べたにすぎない。

全く同じ趣旨のことを述べているにもかかわらず、安倍首相に限って「侵略否定」の問題発言で、村山氏や玄葉氏や外務官僚だったら問題ないというのは筋が通らない。東京、朝日、毎日各紙はこの二重基準をどう考えているのか。

こんなことを執拗(しつよう)に何度も繰り返すのだから、特定個人を標的にした悪意あるヘイトスピーチ(憎悪表現)だといわれても仕方あるまい。差別的ですらあると感じるし、少なくともフェアではない。猛省を促したい。(政治部編集委員)

上の記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】守旧派は現実の世界に対応できない!世界にとって不都合な安倍嫌いの守旧派戦後利得者は、消え去るのみ(゚д゚)!


侵略の定義は、確かに難しい。この動画のような侵略だったら、いくらあっても良いのだが・・・・・。

確かに、侵略というと観念的にはわかるのですが、では明確な定義を述べよと言われると困ってしまいます。そこで、ネットで調べてみました。

Wikipediaで検索した「侵略」の内容を以下に一部抜粋します。
侵略(しんりゃく、aggression)とは、国際法上、ある国家・武装勢力が別の国家・武装勢力に対して、自衛ではなく、一方的にその主権領土独立を侵すことを意味する。軍事学概念としての侵攻(invasion)が目的を問わず相手方勢力・領域を攻撃する行動を指すのとは異なり、相手の主権・政治的独立を奪う目的の有無に注目した用語である。また、侵略のために武力を行使して戦争を起こすことを侵略戦争と言う。
以上は、概要です。この"概要"に続き、"侵略定義の模索"、"国際連合による侵略の定義の決議"という項目が続いており、"侵略定義の模索"においては文字通り過去において定義が模索された内容について掲載されています。

"国際連合による侵略の定義の決議"を以下に引用させていただきます。
国際連合発足後、朝鮮戦争に関する討議が行われている最中の1950年11月3日、ソビエト連邦代表は侵略の用件を列挙する形で侵略の定義の決議案を提出した。しかし列挙方式か、一般的抽象表現で行うかについて争いがあり、いずれの提案も成立しなかった。その後たびたび侵略の定義に関する特別委員会が設置されて討議が行われたが、結論が出たのは24年後の1974年になってからであり、12月14日国際連合総会決議3314が成立した。 
しかしこの総会決議による定義は各国に対する拘束力はなく、現在もある国家実行を侵略と認定するのは国際連合安全保障理事会に委ねられている。国連総会で侵略の定義についての一応の合意があったことは事実ではあるが、依然としてその解釈や有効性については争いがある。 
2010年6月11日カンパラで開かれた国際刑事裁判所ローマ規程再検討会議において、国連総会決議3314を下地に規程独自の定義を盛り込んだ同規程の改正決議が採択された。同規程の改正は2012年5月現在発効していないが、ローマ規程の締約国(現在121カ国)に憲法上の手続きに則った批准を求める点で、これまでの国際条約の中で最も拘束力を持つ定義となる可能性がある。
(注:太文字、下線はブログ管理人が施したものです) 

この決議が発効したか否かをネットで調べてみましたが、発効したという事実は見当たりませんでした。

ちなみに、ミネソタ大学のサイトの人権図書館というベージに、 『侵略の定義に関する決議』の日本語訳が掲載されていたましたので、それを以下に掲載します。
第一条(侵略の定義)
 侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であ って、この定義に述べられているものをいう。 
第二条(武力の最初の使用)
 国家による国際連合憲章に違反する武力の最初の使用は、侵略行為の一応の証拠を構成する。ただし、安全保障理事会は、国際連合憲章に従い、侵略行為が行われたとの決定が他の関連状況(当該行為又はその結果が十分な重大性を有するものではないという事実を含む。)に照らして正当に評価されないとの結論を下すことができる。 
第三条(侵略行為)
 次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無に関わりなく、二条の規定に従うことを条件として、侵略行為とされる。
(a) 一国の軍隊による他国の領域に対する侵略若しくは、攻撃、一時的なものであってもかかる侵入若しくは攻撃の結果もたらせられる軍事占領、又は武力の行使による他国の全部若しくは一部の併合
(b) 一国の軍隊による他国の領域に対する砲爆撃、又は国に一国による他国の領域に対する兵器の使用
(c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖
(d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に関する攻撃
(e) 受入国との合意にもとづきその国の領域内にある軍隊の当該合意において定められている条件に反する使用、又は、当該合意の終了後のかかる領域内における当該軍隊の駐留の継続
(f) 他国の使用に供した領域を、当該他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを許容する国家の行為
(g) 上記の諸行為い相当する重大性を有する武力行為を他国に対して実行する武装した集団、団体、不正規兵又は傭兵の国家による若しくは国家のための派遣、又はかかる行為に対する国家の実質的関与
第四条(前条以外の行為)
 前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は、その他の行為が憲章の規定の下で侵略を構成すると決定することができる。
第五条(侵略の国際責任)
 政治的、経済的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。
 侵略戦争は、国際の平和に対する犯罪である。侵略は、国際責任を生じさせる。
 侵略の結果もたらせられるいかなる領域の取得又は特殊権益も合法的なものではなく、また合法的なものととし承認されてはならない。
第六条(憲章との関係)
 この定義中のいかなる規定も、特に武力の行使が合法的である場合に関する規定を含めて、憲章の範囲をいかなる意味においても拡大し、又は縮小するものと解してはならない。
第七条(自決権)
 この定義中のいかなる規定も、特に、第三条は、「国際連合憲章に従った諸国家間の友好関係と協力に関する国際法の諸原則についての宣言」に言及されている。その権 利を強制的に奪われている人民の、特に植民地体制、人種差別体制その他の形態の外国支配化の下にあ る人民の、憲章から導かれる自決、自由及び独立の権利を、また国際連合諸原則及び上記の宣言に従いその目的のために闘争し、支援を求め、かつ、これを受け入れるこれらの人民の権 利をいかなる意味においても害するものとするものではない。
第八条(想定の解釈)
 上記の諸規定は、その解釈及び適用上、相互に関連するものであり、各規定は、他の規定との関連において解されなければならない。
出典 「ベーシック条約集」 第二編
この決議、もし発効したとしたら、上の条文を見てもわかるとおり、良い悪いは別にして、画期的なものになります。おそらく、中国などは明確に侵略国家と位置づけられると思います。アメリカや、ロシアもそうなると思います。戦後侵略国家でない国、特に先進国は、日本などをはじめとするわずかの国々なる可能性が高いです。

しかし、結局は今の時点では発効してないということですから、国際的には今でも侵略の定義は曖昧であるということです。

この事実を村山富市氏も国会などで述べ、安倍総理もその事実を述べているに過ぎません。

しかし、阿比留氏が指摘しているように、 全く同じ趣旨のことを述べているにもかかわらず、安倍首相に限って「侵略否定」の問題発言で、村山氏や玄葉氏や外務官僚だったら問題ないというのは全く筋が通らないです。

阿比留氏は、東京新聞、朝日新聞、毎日新聞のことを掲載していましたが、共産党の「しんぶん 赤旗」も酷いものです。
成り立たない 安倍首相「侵略の定義」否定発言 国際社会で生きる道なくなる

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では『侵略の定義に関する決議』に関して以下のように記述しています。
 1974年12月の国連総会で採択された総会決議3314で「侵略の定義」は明確にされています。その第1条では、「侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若(も)しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使」であると明確に定義されています。この決議にもとづき「侵略犯罪」を定義した国際刑事裁判所の「ローマ規程」改正決議が2010年6月に全会一致で採択されています。
 志位和夫委員長は第7回中央委員会総会で、こうした歴代自民党首脳の「無定見な侵略戦争への無反省論」から脱して、ともかくも過去の侵略戦争と植民地支配を「国策の誤り」と認めたのが村山談話だったと指摘。「この到達点から歴史認識を大幅に後退させようという姿勢も、絶対に許されるものではありません」と強調しました。
この内容、『侵略の定義に関する決議』が発効されていないことを示していません。 発効されていないものは、無効です。これは、何も国際的な規約などに限りません、どこの国でも発効された法律などは適用されますが、発効されていないものは、無効です。

だからこそ、残念ながら、中国のチベット、ウイグル、モンゴルなどへの侵略行為は、国際機関などで侵略として糾弾されていないのです。しかし、これらの国々への中国の侵略行為は明々白々です。そもそも、もともと自分の国の領土でない他国の領土を武力で掠め取ったのですから、これは侵略の定義がどうであれ侵略以外の何ものでもありません。



それにしても、この件に関して安倍総理を批判する人たちは、何を考えているのかさっぱり理解できません。安倍総理は、戦後70年間侵略などして来なかった国の総理大臣です。この安倍総理を批判して、中国を全く非難しないのは非常に奇異です。

それにしても、日本のメディアなどによる、事実をねじ曲げててでも、安倍総理個人を攻撃するというこの暴挙、とても許せるものではありません。

現代の中国地図。自治区は、中国が戦後侵略して、版図に組み入れたもの

ここ二三日は、いわゆるイスラーム国の人質事件に関して、政府や安倍総理批判をするメディアや政治家たち対する批判を行ってきましたが、こんなことは最初からわかっていたことですが、そもそも日本の大手メディアや、一部の政治家、一部の似非識者どもには、根底に安倍憎しという感情があるため、その感情にもとづき、事実を曲げてでも、安倍総理を個人攻撃するのだと思います。


しかし、この感情の根底には一体何があるのでしょうか。それは、やはり、戦後体制というものがあるのだと思います。戦後体制によって、戦後に構築された日本国内の秩序、特に戦後利得者による秩序を守るという立場があるのだと思います。

戦後利得者らにとっては、戦後長い時間をかけて、悪い日本が侵略戦争をして戦争に負けたので、古い秩序を捨てた新世界がやってきたのであり、自分たちがその新世界の主導者であり、この地位は絶対に譲りたくないと考えているのだと思います。

これは、マスコミや政治家、官僚や一般人の中にも、そういう立場の人あるいはそういう立場に共感を覚える人々が大勢います。いわゆる、日本の左翼の主流派といわれる人々にもそういう人が大勢います。

こういう人々は、70年前に確立された戦後体制という古い構造を今でも守ろうとしています。現代のこの移り変わりの激しい時代に、どんな分野においても、70年前の構造をそのまま維持していては、制度疲労などが起こるのが当たり前のことです。

ディーゼルのCM、ヤルタ会談の写真をモチーフにしたもの。スターリン、ルーズベルト、チャーチルなど
各国の首脳が、ディーゼルのアパレルを着用した女性に魅了されている。このようなCMが許されること
自体が、すでに戦後体制は、解除されているという証でもある。終戦直後にこのようなことはできなかっただろう。
この制度疲労をそのまま放置しておけば、いずれ瓦解します。これは、日本の危機でもあります。その危機に敢然として立ち上がったのが安倍総理です。安倍総理は、第一次安倍内閣のときから、これを主張していました。

しかし、戦後体制護持派からすれば、安倍晋三氏は、自分たちの戦後利得を破壊する憎き敵です。古い体制を壊す異端者です。

言葉の厳密な意味からいうと、70年前の構造にしがみつく人たちは、守旧派であり、70年前の構造を壊そうとするのは、革新者です。

戦後利得者は、左右上下を問わずすべて、守旧派であり、安倍晋三氏のように、この体制を壊し、新たな秩序を樹立しようという人々は革新者です。そうして、従来の革新者には、ありがちなことですが、彼らはただ古いものを破壊しようとします。しかし、安倍総理は、従来型の革新者とは異なります。

安倍総理の場合は、ただ従来の革新者のように、古い体制をぶち壊すというのではなく、『美しい国』というビジョンがあります。 これに対して、戦後利得者には、何のビジョンもありません。ただただ、古い体制を守るために、それに少しでも反するものに対しては、拒否反応を露骨に示し、事実をねじ曲げてまで、反対します。

しかし、この戦後体制は、今年で戦後70年もの時を経て曖昧になってきています。

韓国でも、日本は敗戦国であるとの論議は否定されています。

たとえば、昨年11月には、中国網に、韓国世論の反発を招いている日本の集団的自衛権だが、韓国外交部高官はその保有を阻止することは困難との見解を示したことを報じています。
「国際社会は日本を戦犯国と見なさず」「集団的自衛権阻止は困難」韓国議会で討論―中国メディア
自衛隊観艦式に登場した、日本製の飛行艇
韓国・聯合ニュースによると、金奎顕(キム・ギュヒョン)第一次官は8日(昨年の11月8日)、韓国国会東北アジア歴史歪曲対策特別委員会全体会議で、「日本が集団的自衛権を保有するかどうかがではなく、行使するかどうかが問題だ」と答弁した。

安倍政権は集団的自衛権解禁を目指した動きを続けているが、韓国では朝鮮半島有事の際に自衛隊が韓国に上陸しかねないと強い反発を招いている。しかし10月25日には韓国政府高官が「集団的自衛権は国連憲章に規定された権利」と発言するなど、政府側からは日本の集団的自衛権保有そのものを阻止することは難しいとの判断が示されていた。

金第一次官の発言も政府側見解に沿ったものとみられる。米国も賛同していること、歴史問題にからめての批判も他国の理解を得ることは難しいことを説明した上で、「日本は集団的自衛権の行使にあたり周辺諸国の懸念を打ち消すべきだ」と主張。朝鮮半島及び韓国の利益に関連する際には韓国側の同意が必要と訴えることで、集団的自衛権の保有ではなく、行使のあり方について日本と折衝していく方針を示している。

答弁を受け、野党からは金第一次官の発言は集団的自衛権保有を認めているものではないかと反発する声があがった。また、「日本は戦犯国なのか普通の国なのか」との質問もあったが、金第一次官は国連憲章にはいわゆる敵国条項があるが現実に即したものではないとし、日本もドイツも敗戦国だが、国際社会はそのように遇してはいないと回答した。
もう、戦後70年も経て、あれから世界情勢はずいぶん変わっています。すでに、当時の戦勝国であった、中華民国は、今や大陸から追い出されて、台湾を拠点にしてますし、ソ連は消滅しています。また、他の先進国の力も当時からみれば、ずいぶん弱体化しています。

それに、アメリカ議会自体も日本に対する見方が変わってきています。それは、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
これも詳細は、この記事をご覧いただくものとしてして、この記事は、2012年のものです。この時点で、アメリカ議会は、すでに日本の憲法改正を認めるほうが、多数派となっているのです。

こうした状況を考えると、もうすでに戦後体制なるものは、解除されつつあると考えるべきでしょう。アメリカにとっても、もう日本が終戦直後の、日本のままであってもらっては、都合が悪いということです。他の先進国も、もはやいつまでも、日本が終戦直後の体制であることを望みはしないでしょう。

にもかかわらず、守旧派である戦後利得者どもは、日本国内でこの体制をどこまでも守り続けようと必至です。マスコミをはじめとして、多くの政治家、官僚、そうして多くの一般の人たちも、戦後利得者の利権を守ろうとするか、それに対して賛同しています。

しかし、そのようなことがいつまで続けることができるでしょうか。



古い体制とはいずれ崩れるものです。古い体制がいつまでも継続し続けられると考えるのは、守旧派だけで、いずれこういう体制は革新者によって必ず破壊されます。

彼らができることは、新しいビジョンに向かって努力することではありません。過去の体制、それも外国に無理やり作られた体制をただひたすら守り続けるだけで、できることといえば、安倍総理に罵詈雑言を浴びせることくらいです。

守旧派は古い体制を維持するだけであり、現実の世界に対応できません。世界にとって不都合な安倍嫌いの守旧派戦後利得者は、消え去るのみです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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