2014年8月28日木曜日

石破氏「無役」から一転、地方創生相の方向 大島氏は復興・環境相で調整―【私の論評】人事もままならない安倍総理の周りは本当は敵だらけ、安倍長期政権を確実にするためには?


石破茂幹事長

安倍晋三首相が9月3日に行う内閣改造・自民党役員人事で、石破茂幹事長を入閣させる方向で検討していることが27日、分かった。新設ポストの地方創生担当相として起用する方向だ。また、復興相と環境相を兼務させ、大島理森前副総裁を起用する方向で最終調整している。参院からは脇雅史参院幹事長か、岩城光英参院議院運営委員長の入閣論が浮上した。

石破氏は安全保障法制担当相としての入閣は辞退することを明言。これに対し首相は強い不快感を示した。首相は「(就任要請を)石破氏が受けなかった場合は無役だ」と周辺に語り、安保担当相以外では処遇せず、石破氏は「無役」になる公算が大きかった。

しかし、首相は石破氏を無役にすれば党内対立が深刻化しかねないと懸念し、石破氏を他の閣僚として起用する方が得策だと判断した。石破氏周辺からも他のポストの打診があれば受諾し、事態打開を図るべきだとの声も出ていた。首相は29日にも石破氏と会談する。

地方創生相は、これまで総務相が兼ねてきた地域活性化担当相と道州制担当相の業務を兼務させる方向で調整している。

【私の論評】人事もままならない安倍総理の周りは本当は敵だらけ、安倍長期政権を確実にするためには?


安倍晋三首相(自民党総裁)が9月3日に行う内閣改造と党役員人事をめぐり、石破茂幹事長の自らの処遇に関する言動に、党内から批判が強まっていました。

石破氏は、正式要請がない段階で安全保障法制担当相への就任を拒否する意向を示し、幹事長続投の希望をあからさまに語るのは、「人事権者である首相に公然と盾突いたに等しい」(党幹部)ためでした。しかし、この「石破氏の乱」は、自身を苦しい立場に追い込むことになりそうでした。

しかしながら、上の記事にあるように、首相は石破氏を無役にすれば党内対立が深刻化しかねないと懸念し、石破氏を他の閣僚として起用する方が得策だと判断したのです。

これも昨年の増税を決めたときのように、総理としては、忸怩たる思いだったでしょう。

さて、石破氏は当然のこと、来年の総裁選を狙っていることは明々白々です。

しかし、石破氏にはかなり問題があります。

あの田母神閣下が以下のようなツイートをしています。
これに続いて以下のツイートもしています。

石破氏が自虐的歴史観にどっぷと浸かっている人であることは、以前このブログでも紹介しました。その記事のURLを以下に掲載します。
石破氏、ポスト安倍狙う“秘策” 党総裁選改革案は「ゲルマンダー」―【私の論評】安部総裁の本来の勝負は平成15年の自民党総裁選!ここで石破総裁が誕生すれば「戦後体制からの脱却」は遠のき、失われた40年が始まる!(◎_◎;)
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事からいかに石破氏が自虐的歴史観にどっぷり浸かっているかがわかる部分のみを掲載します。


"石破茂氏は、総裁選での安部総理の最大の敵ですが、われわれ国民にとっても、最大の敵かもしれません。少なくとも、彼だけは、総理大臣はおろか防衛大臣にしてもいけない人物だと思います。いや、本来は、国会議員だってまともな国だったらなれないかもしれません。

その根拠を以下にあげます。その根拠というのは、石破茂氏の歴史観です。石破氏が防衛大臣だったときに、自らの歴史観を披瀝したことがあります。

この歴史観について、雑誌「2008年WILL6月号」で渡部昇一氏が石破大臣を国賊だと批判していました。

石破氏の中国の新聞に載せられたインタビュー記事は衝撃的であり、この件について当時政府が何も動かなかったことも驚愕です。中国の情報工作はますます進み、当時の石破大臣も篭絡されたのではないでしょうか?だとすれば、末恐ろしいことです。

以下にこの渡辺昇一氏の記事の一部を引用します。

渡辺昇一氏
石破大臣の国賊行為を叱る
渡部昇一

中国共産党の新聞「世界新聞報」(1/29)に駐日記者が石破茂防衛大臣の執務室でインタビューした記事を載せた。 
【石破防衛相の発言】 
●私は防衛庁長官時代にも靖国神社を参拝したことがない。第二次大戦の時に日本の戦争指導者たちは、何も知らない国民を戦線に駆り出し、間違った戦争をした。だから私は靖国神社に参拝しない、あの戦争は間違いだ、多くの国民は被害者だ。 
●日本には南京大虐殺を否定する人がいる。30万人も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという。何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だ 
●日本には慰安婦についていろいろな見解があるが、日本軍が関与していたことは間違いない。 
●日本人が大東亜共栄圏の建設を主張したことは、侵略戦争に対する一種の詭弁だ。 
●(中国は日本に対する脅威であるから対中防衛を強化せよという人たちは)何の分析もしないで、中国は日本に対する脅威だと騒いでいる。 
●日本は中国に謝罪するべきだ。
これではまるで稚拙なサヨク学生の言い草ではないか。ギルト・インフォメーションに基づく戦後自虐教育の落とし子そのものである。 
これが事実だとすれば石破茂防衛大臣に対する認識を改めねばならない。 
「WILL」編集部が石破茂防衛大臣に確認したところ、事務所から次の回答が来たという。
問 1月29日付け「世界新聞報」に石破防衛大臣の執務室での独占取材内容が掲載されているが、この取材は実際に受けたものか。 
答 実際に受けたものです。 
問 いつの時点で取材を受けたのか。 
答 平成19年11月21日(水)に取材受けいたしました。 
問 掲載された内容は、石破防衛大臣が話した事実に即しているのか。 
答 インタビューを先方が記事にまとめたものですので、事実に即していないと言うほどではありませんが、事実そのままでもありません。 
問 記事が事実に即していない場合、それに対してなんらかの対処をされたか。 
答 前の答えの通り、どのマスメディアでも発言を加工することはありますので、特別対処というほどのことはしておりません。 
いやはや、恬として恥じない石破氏はアッパレ! 
しかし、この大臣の下で働く自衛隊のみなさんの心情を考えると哀れである。 
その著書「国防」を当ブログでも紹介し、軍隊でないために行動基準がネガティブリストではないこと、軍法会議がないこと、NTP体制は「核のアパルトヘイト」だという発言を好意的に取り上げたが、所詮は単なる「軍事オタク」で国家観も歴史観も持ち合わせていないことが判明した。 
ブッシュ(父)大統領がハワイ在住の日系人の式典で「原爆投下を後悔していない
(I am not sorry)」と発言したことについて、渡部氏はいう。 
「他国に簡単に謝罪するような人間は、大統領はおろか、閣僚にも絶対になれません。それが諸外国では当たり前です」 
野党首相の村山富市は言うに及ばず、宮澤喜一、河野洋平、加藤紘一その他の謝罪外交を繰り返した政治家たちは「当たり前」ではないのである。 
石破茂防衛大臣もその一人として辞任を要求する。
それにしても、石破茂という人物は、とてもじゃないですが、安部政権の幹事長にはふさわしくない人物であることは、はっきりしています。そもそも、歴史観が駄目ですし、それに、今回増税を当たり前のど真ん中かと思っていることから、マクロ経済学も他の自民党の政治家と同レベルの低水準です。しかし、このような人物を幹事長にせざるを得ない安部総理の自民党内部での孤立無援の状況が良く理解できます。"

こんな人物は、安部総理が提示した閣僚ポストを断ったのですから、本来ならば無役で良いはずです。実際総理は、これに不快感を示しました。

しかし、安部総理は総裁になったばかりの頃から、党内に敵が多く、今後のことを考えた場合、特に長期政権を目指すにはやむなくこうした措置をとったのです。

孤立無援の安部総理は、このままだと、長期政権はおろか、来年の総裁戦にも敗れる可能性も大です。

しかし、一つだけ来年の総裁選を勝ち抜き、長期政権とできる道があります。

それに関しては、先日このブログに掲載したばかりですので、その記事のURLを以下に掲載ます。
消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 ―【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!
 これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、安倍長期政権を確実なものにするために、この記事では、安倍長期政権を確実にするためには、経済を安定させることが急務であることを掲載しました。その部分のみを以下に掲載します。

"これを考えると、やはり、増税は完璧な間違いでした。今後このままだと、8%増税の悪影響が来年3月まで続きます。そうなると、安倍政権の支持率は確実に落ちていきます。

東京オリンピック招致を決めた安部総理

そうして、来年の10%増税を実行したとしたら、安倍政権の支持率は坂道を転がり落ちるように低下していきます。それでも、何もしないとか、対処療法的な対策をしなければ、さらに景気は落ち込み、かなり落ち込み、挙句の果ては、安倍おろしがはじまり、第一位安倍内閣が崩壊したときと同じような状況に見舞われることになります。

このようなことを防ぐには、まずは、10%増税は絶対にやめること。そうして、8%増税の悪影響をなくするために、積極財政を実行することです。

積極財政とはいっても、現状では、公共工事を増やそうにも、人手不足などにより、公共工事の供給制限があるので、これは今のところ、経済対策に大きく寄与することはありません。

であれば、特に多くの人々を集めて工事をする必要のない、所得税減税や、給付金対策を行えば、かなり効果があります。"

以上のように、まずは、経済的を安定させることが、安倍長期政権の基となるのは明白です。もしも、石破氏が自民党総裁になり、総理になったとしたら、経済的にはかなり落ち込むことは間違いありません。

まず、石破氏は、他の多くの自民党議員と同じくマクロ経済音痴です。昨年、安部総理がまだ増税するしないの発表をする数ヶ月前から、記者に質問されて「自民党内では増税で決まっている」と明言しました。とんでもないことです。

本当は増税したくなかった安部総理の足を、引っ張っていました。

昨日は、夕刊フジに、『安倍ブレーン消費税10%に慎重姿勢  現時点で上げるべきではない』という、本田悦朗内閣官房参与のインタビュー記事が掲載とされていました。全く、的を射た発言だと思います。

党内の反対を押し切っても、近いうちに増税見送りの発表し、その直後に大規模な所得税減税ならびに給付金政策を公表すれば、また株価が上昇し、実体経済が良くなり、経済指標も軒並みよくなり、内閣支持率もあがります。

内閣支持率の高い総理大臣に対しては、党内からも批判の声をあげることはできません。そうなると、来年の総裁選に安部総理がまた勝つ確率がかなり高くなり、安倍長期政権にかなり近づくことになると思います。

しかし、このようにもっていくためには、最早経済論議や、識者の意見などあまり意味を持ちません。まさに、政局の駆け引きです。政局に勝つことです。

まさに、現在安部総理自身と、総理のブレーンといわれる人々の胆力が試されています。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年8月27日水曜日

【世界を斬る】中国の「不法侵入」に独自反撃できる戦力着々 自衛隊即応態勢―【私の論評】現在は、中国に尖閣を占拠する力はない、だからといって安心はできない、今からやっておくべきは法整備だ(゚д゚)!

【世界を斬る】中国の「不法侵入」に独自反撃できる戦力着々 自衛隊即応態勢
 

LCACと西部方面普通科連隊


米国防総省でも特に中国に対して強い警戒心を持っている統合参謀本部の幹部が、私にこう言った。

「われわれは、日本の自衛隊が南西諸島に新鋭の地対艦ミサイルを配備し、能力の高いレーダーを配置して中国海軍と空軍の動きを厳しく監視し、不法な侵略に対する即応態勢をとっていることに注目している。日本は、独自に中国の不法侵入に対抗する体制を整えつつある」

米統合参謀本部が注目している新しい地対艦ミサイルは、東シナ海から太平洋に出ようとする中国艦艇にとって大きな脅威になる。また、新しく設置されるレーダーは、艦艇の動きをとらえるだけでなく、中国奥地のミサイル基地を照射することも可能で、米軍に貴重な情報をもたらすと期待されている。

日高義樹氏


このほか、佐世保の相浦(あいのうら)には将来、日本の海兵隊の役割を果たす普通科連隊600人がすでに配備されている。さらに、最新鋭のアパッチヘリコプターも投入されている。

現地の自衛隊関係者が現状と将来の計画について詳しく説明してくれたが、こうした新しい兵器や装備を使用して陸上自衛隊だけでなく、海上自衛隊、航空自衛隊が協力し、大規模な戦闘訓練をくり返している。

日本では、中国の軍事力の脅威が喧伝されている。日本のマスコミは、中国の海軍力や空軍力、クルージングミサイルの力を過大に評価し、中国の軍事力の強大さを印象づけるような報道を続けている。日本の政治家らも、同盟体制にもとづき米国の援助を得なければ、日本を守ることができないと考えているかのように伝えられている。

しかし、自衛隊の現場を見ると、全く違う。新鋭ミサイルやヘリコプターなどの兵器、レーダーなどの装備、新しく配備される海兵隊、自衛隊員のモラルなど日本の自衛隊の持つすべての能力から判断すると、米統合参謀本部幹部が指摘するように日本は中国の不法な侵入に対して、米国の力を借りずに自ら戦う体制を整えつつある。

日本のマスコミは、中国に警告を与える上でも日本の戦う力を正確に伝えるべきだ。中国の軍事力を誇大に伝え、国民をいたずらに不安に陥れることはやめなければならない。

米国に頼らずとも日本が自らの領土と権利を守る力を持ちつつあることを国民に伝えることこそ、日本の安全にとって大切であると考えるべきだろう。

■日高義樹(ひだか・よしき)

【私の論評】現在は、中国に尖閣を占拠する力はない、だからといって安心はできない、今からやっておくべきは法整備だ!今のままでは、尖閣を守ったら法律違反者が大量に発生してしまう(゚д゚)!


上の記事で書かれているように、日本の自衛隊は独自に中国の不法侵入に対抗する体制を整えつつあります。

しかしながら、現在でも実は日本の自衛隊は、中国の侵攻を阻止できるほどの力があります。これは、なぜか日本ではほとんど報道されません。上の日高氏の記事でも、日本の自衛隊は、中国の「不法侵入」に独自反撃できる自衛隊即応態勢を構築しつつあるとしており、これは裏返せば、現在の自衛隊にはその態勢がないかごとき印象を与えてしまいます。

現実はそうではありません。それについては、このブログでも過去に掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載ます。
自衛隊「最新装備」実は世界最高レベルで中国軍丸裸にできる―【私の論評】いろいろな意味で中国幻想は捨て去ろう!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、日本の潜水艦製造技術が世界一であるため、スクリュー音がかなり小さく、これを捉えるのは困難であるため、日本の潜水艦は、中国がから捕捉されることなく自由に行動できます。


これに対して、中国の潜水艦は、製造技術が未熟であるため、まるで水中をドラム缶をガンガン叩きながら、巡航しているようなのもので、その動向は日本側は手を取るように知ることができます。

さらに、日本の対潜哨戒能力は世界トップ水準であり、公開されている資料では、世界一であり、中国はとても及びがつきません。

日本側は、中国の艦船、潜水艦の所在をほぼ100%把握しながら、対処することができます。それだけではありません。日本側は、潜水艦、航空機、艦船、陸上のミサイル拠点や指揮所が把握した情報のすべの情報を一元的に集約し、それを全体で活用できる態勢が整っていますが、中国側にはそれほどの情報ネットワークのインフラは整っていません。

上の記事には、掲載しませんでしたが、航空戦力については、かなり中国側も戦闘機自体は、格段に良くなってはいますが、個々の戦闘機の把握した情報を集約したり、それを個々の戦闘機で活用する体制に関しては、自衛隊と比較すると格段に劣っています。

また、戦闘機などの航空機に搭載されている、電子機器、特にレーダーに関して中国側は、数段遅れています。

そうなると、中国人民解放軍か、尖閣奪取を目的に大挙して押し寄せたとしたら、艦艇や潜水艦は、何もしないうちから、すべて海の藻屑と消えてしまいます。航空機も、一方的にパタパタ撃ち落されることになり、勝負になりません。

航空機も似たようなものです。いわば、自殺行為です。最初から勝負は決まっています。だから、今の中国は尖閣に侵攻しないというより、できないでしょう。

だからこそ、今でに南シナ海では、中国の公船は、南支那海では、武器のカバーを外しむき出しですが、尖閣付近では、カバーをつけているか武器を装着していません。実際にに武力衝突となり、海上自衛隊がでてくれば、自分たちはすぐにやられて、撃沈しまうことを恐れているです。

そうでなければ、旧ソ連のように、武器を丸出しにして、威嚇することでしょう。


尖閣付近の海上保安庁の巡視艦(後ろ、機銃装備)
同じく、手前は中国公艦(機銃なし)

南シナ海の中国公船(機銃むき出し)

尖閣付近に現れた中国公船の甲板上の写真


この事実、なぜかマスコミはほとんど報道しません。上の日高氏の記事にも、それが欠落しています。ただしくは、今でも日本の自衛隊は中国の尖閣上陸を阻止できますが、それをさらに強化しつつあるということです。

しかしながら、懸念はあります。大きくいうと、2つの大きな懸念があります。

一つ目は、今は中国が尖閣などを侵攻する力はありませんが、10年後、20年後はどうなるかわからないということです。日本の国防費は年々先細る一方ですが、中国は毎年拡張していますし、それにどんどん技術力もつけていきます。

二つ目は、いくら日本の自衛隊の技術力が高く士気が旺盛だったにしても、法的な壁があるということです。

中国の航空機が領空を侵犯したり、中国の艦船が領海を侵犯したとしても、日本にはこれを撃墜したり、撃沈したりすることがなかなかできません。それは、このような事態に直面したときの、法的整備がなされていないからです。

これについては、以下の記事がかなり参考になります。

激しくなる中国機の領空侵犯、撃墜できる法整備を
国際法を無視した侵犯機に確固たる処置を取らねば領空は守れない
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にほんの一部だけ抜粋させていただきます。

トルコ空軍のF16戦闘機

7月1日、集団的自衛権限定的容認の閣議決定がなされた。今後の法整備にもよるが、内閣が示した8事例については、対応可能になる。日本の安全保障政策にとって、大きな前進であるには違いない。 
 だが今回、「武力攻撃に至らない侵害への対応」つまりグレーゾーン事態の対応については、現行法制の問題点を改善する方向性は示されなかった。与党協議のための政治的妥協で見送られたのは誠に残念である。命令発出手続きの迅速化など運用で改善を図るとされているが、これでは対応できない事案も多くある。
 今年の3月、トルコ空軍がシリア空軍戦闘機「MIG-23」を撃墜したとのニュースが流れた。 
 シリアとの国境に接近するシリア空軍「MIG-23」戦闘機2機をトルコ空軍が発見し、戦闘機が緊急発進した。領空に接近する2機に対し、4度にわたって警告を実施したものの、内1機が領空に侵入したため、トルコ空軍「F-16」戦闘機がミサイルでこれを撃墜したというものだ。 
 シリアとトルコの間では、別に戦争状態にあるわけではない。またMIG-23による領空侵犯は武力攻撃事態でもない。トルコの領空主権が侵されただけであり、言わばグレーゾーン事態である。
 今回のトルコ空軍の行動は、国際慣例に基づいており、独立国家として正当な自衛行動である。このため、国際社会で非難は起きていない。 
 緊張が続く尖閣諸島上空では、明日にでも起こり得る事態である。航空自衛隊(以下「空自」)はトルコ空軍と同様、国際慣例に基づく行動がとれるであろうか。戦闘機の性能や操縦者の技量は全く問題ない。だが、現在の防衛法制ではそれは難しい。

やはり、空自の戦闘機がきちんと侵入機を撃墜できるようにするための法整備が必要です。どの段階で撃墜すべきか、条件を明らかにし、その条件が整った場合は、現地指揮官の裁量で撃墜できるようにすべきです。

これは、艦船も同じことです。そうして、軍事オタクのように、自衛隊の装備がどうのこうのと言う前に、一番重要なのは、これです。

この法整備なしに、中国が尖閣に攻め入ろうという試みを実行に移したとして、無論自衛隊はそれを阻止するでしょう。しかし、そのときには、法律違反をおかした政府要人、自衛隊幹部、自衛隊員が大量発生することになります。

こんな馬鹿なことはもうやめるべきです。それに、憲法改正などという悠長なこともいっておられません。無論、改憲はあたり前のどまんなかとして、今の憲法内でもできることはたくさんあるはずです。

日本国憲法においても、国民の命を守ることや自国領土を守ることを違憲としているわけではありません。やれることは、いくらでもあります。

また、集団的自衛権は、さらに中国の軍事介入を防御する上で役立つことはいうまでもありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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中国は軍事力過大評価か=ウィキリークス―【私の論評】中国の海軍力は日本にとっては、でくのぼう水準だが・・・・・!!

日本が宮古島に地対空ミサイル展開 中国の太平洋への出口封鎖する狙いか(China.org.cn)―【私の論評】このままでは第一列島線確保もままならぬ中国の蹉跌(゚д゚)!永遠に無理か?

尖閣防衛“マル秘”最新兵器のスゴい実力 地対艦ミサイル、世界最強ヘリも―【私の論評】中国に対する最大の秘密兵器は、日本経済がデフレから脱却することだ!増税しても、デフレから必ず脱却することが対中勝利に直結し中国をまともにする唯一の道だ!(◎_◎;)


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2014年8月26日火曜日

【朝日の大罪】見苦しい弁明 世界から軽蔑されかねない検証記事  国際政治学者ペマ・ギャルポ氏―【私の論評】慰安婦問題・吉田調書問題で朝日新聞を徹底的に追求し、韓国は捨て置け、彼の国はどうでも良い、本当に(゚д゚)!



以下の記事を動画化したものです。

朝日新聞・編集担当の杉浦信之氏が検証記事(5日)で書いた、「私たちは元慰安婦の証言や少ない資料をもとに記事を書き続けました。そうして報じた記事の一部に、事実関係の誤りがあったことがわかりました」という文面を読み、私は一瞬、朝日の勇気と良識に敬意を表したい、という気持ちを抱いた。朝日が自らの過ちを自白することで、日韓両国を32年に渡って関係を悪化させてきた問題の源が消えたと思ったからだ。

ところが、続く文章を読んで愕然とした。そこには、「問題の全体像がわからない段階で起きた誤りですが、裏付け取材が不十分だった点は反省します。似たような誤りは当時、国内の他のメディアや韓国メディアの記事にもありました」とあった。

この文章からは全く誠意も反省も感じられない。

他社もやっていたから…という開き直りとも思える文章は、嘘を上塗りするものだ。真実を公正に伝える義務がある新聞社としては、世界から軽蔑されておかしくない。

私は、朝日と国会に対し、次のことを提案したい。

第1に、朝日は、国民をだまし続けてきたことを率直に認めて、すべての真相と謝罪の意を、自社の紙面だけでなく、他の国内メディアにも発表すべきである。

第2に、朝日は、海外メディアに対して、誤報の訂正と自国のイメージを著しく傷つけたことへの反省の記者会見を行うべきである。

第3に、国会は調査委員会を設置して、朝日の誤報と、河野洋平官房長官談話の関係などを、徹底的に解明すべきである。韓国や中国も彼らの主張に自信があれば、日本の再調査を恐れる必要はないはずだ。

■ペマ・ギャルポ

【私の論評】慰安婦問題・吉田調書問題で朝日新聞を徹底的に追求し、韓国は捨て置け、彼の国はどうでも良い、本当に(゚д゚)!


ペマ・ギャルポ氏
上の、ペマ・ギャルポ氏の主張全くそのとおりであり、大賛成です。ギャルポ氏のように、日本の国内事情を良く知っていれば、他の国の人もこのように考えるのが当然ということだと思います。

最近では、この問題を巡って、ワシントン・ポストなどの米国紙も、似たような論評を出しています。

以下に、その記事の内容を掲載します。
米南部の政治家「韓国系に迎合」 米紙が批判
 【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は19日、南部バージニア州で、日本海の名称として韓国が主張する「東海」を州の教科書に併記することを義務づけたり、旧日本軍の従軍慰安婦に関する石碑を地方庁舎の庭園に設置したりする動きが相次いだことについて社説を掲載し、地元の政治家の韓国系有権者に対する「過剰な迎合」だと戒めた。 
 特に韓国系住民の多い同州北部から、秋の中間選挙の連邦下院議員選に出馬する候補がいずれも、教科書への「東海」併記義務づけを連邦レベルで目指すと公約していることを問題視。「日韓の争いに首を突っ込もうとしている」と指弾した。
以上の記事は、今年の8月のものです・また、以下にある方のFBの記事を引用させていただきます。

★★NYタイムズが社説を一部削除ー謝罪・訂正の可能性ー


上の画像にもでているニューヨーク・タイムズの安倍批判の記事のURLを以下に掲載しておきます。
NYタイムズ、「慰安婦への謝罪撤回の可能性」の表現削除 日本政府の抗議受け
詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事は3月のものです。

先のワシントン・ポストの記事は、朝日新聞の検証記事の後のものですが、これはそれとは全く関係なく当時の日本政府の抗議を受けてのものです。お詫びは、ないものの検証記事が出た後にさらに、どのような反応を示すのか、興味のつきないところです。

いずれにせよ、慰安婦問題に関しては、外国の視点でみても、間違いであるということがはっきりしていますし、ギャルポ紙が語るように、朝日新聞は真実を公正に伝える義務がある新聞社としては、世界から軽蔑されています。

訂正は出しても、謝罪もせず、説明も不十分な朝日新聞は、もう読む価値はないです。何十年間も読者を騙し続けてきた新聞に価値はないです。購読していない人は、今後も購読しないこと、購読している人は今後は購読をやめるべきでしょう。



さて、朝日新聞といえば、問題は慰安婦問題だけではありません、南京虐殺問題など、他にも自虐的歴史観を日本に定着させる、捏造問題はまだまだあります。

また、最近では、吉田調書問題もあります。吉田調書問題とは、このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
朝日の吉田調書報道「なぜここまで日本人貶めるのか」と作家―【私の論評】恥知らず朝日新聞は本社を北京に移し、中韓のメディアになりなさい(゚д゚)!
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、吉田調書とは、2011年3月11日の東日本大震災で東京電力福島第1原発が危機的状況に陥った際の、吉田昌郎所長(享年58)と政府のやりとりを記した極秘文書です。

朝日新聞は5月20日付の紙面で「所長命令に違反 原発撤退」というタイトルで、震災直後の3月15日に第1原発にいた所員の9割に当たる約650人が、吉田所長の待機命令に背いて10キロ南の福島第2原発に撤退したと報じました。

これに産経新聞は調書の一部を独占入手した上で、吉田所長の命令に違反し所員が勝手に現場を離れたことはないと断定しました。吉田所長から「退避」は指示されたものの、朝日新聞の言う「撤退」はなかったと強調しました。

8月19日の朝日新聞デジタルは、朝日新聞社が8月18日付で朝日新聞社の名誉と信用を傷つけたとして、産経新聞の東京編集局長と産経新聞に記事を書いたジャーナリストに抗議書を送ったと報じました。

朝日新聞は、慰安婦問題で訂正記事出した、その矢先に吉田調書でも大失態を演じたことから、ネット上では「また朝日か」「いい加減にしろ」と大ブーイングが飛び交っています。

朝日新聞の、慰安婦の事実誤認訂正以降、年間購読している一般購読者の解約が後を絶たないそうです。

このような新聞に広告を出している企業も、今後朝日に広告を出すのはやめるべきでしょう。




読者や広告が減れば、朝日は広告主や読者の要望に応じて、体質を変えるか、倒産するしかありません。

朝日新聞の幹部は、知らないと思いますが、かのドラッカーも企業は社会が許容するから、存続できるのであって、社会から許容され無くなった場合一夜で姿を消すと語っていました。

私たちは、広告を出している企業に対しても、広告掲載をやめるように圧力をかけるべきと思います。

これに関しては、私たちでもできる方法がマニュアル化されています。そのマニュアルが掲載されているURLを以下に掲載します。
朝日の広告主に電凸するぞ!①
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、実際に企業のCRS部署に対する申し入れの仕方や、文例などが掲載されています。特に、CRS部署へ申し入れると、申し入れがあったことやその内容を経営者に伝えなければならないことになつているそうで、このマニュアルなかなか実効性がありそうです。

いずれにせよ、このようなロー・クオリティー・ペーパーを読んで、自分はインテリなどと思い込み悦に入る妄想論人は別として、まともな人は、もう購読はやめるべきでしょう。

また、このような新聞に広告を出せば、かつの花王のように不買運動に苦しむことになります。

日本国内では、このような現状ですが、韓国の出方も最近は変わってきています。

韓国は歴史的にみても地政学的にみても中国の顔色をうかがいながら生きてきた国です。中国の属国としての歴史を刻み、中国への貢物と引き換えに安定を得る冊封体制の下で国を治めてきた国です。そんな国が、現在日中・日朝関係の進展を受けて、反日一辺倒では、ままららなくなってきていることを悟りつつあるようです。実際、韓国国内では、対日強硬路線一辺倒の朴政権に保守せいりょくからすら、批判が出ています。

この傾向に対してし、日本はどう動くべきでしょうか。答えは「捨て置け」です。慰安婦問題は朝日新聞の誤報訂正や韓国内での元米軍慰安婦提訴を受けて、朴政権は守勢に回らざるをえません。強気に出れば出るほど墓穴を掘ることらになります。

日本国内では、最早、表だって韓国に迎合したり、韓国に利する発言をしても、何ら反応がないどころか非難・排斥されるだけです。米国のマスコミも風向きがかわりつつあります。

韓国人の目が覚めるまで、捨て置け。ただし、その時はこないかも‥‥‥‥‥‥(゚д゚)!

日本としては、韓国と付き合わなくても、何ら困ることもありません。もともと、韓国のGDPは、東京都と同程度であり、その程度のGDPのうち、日本向けの輸出入などほんのわずかなもです。投資についても同じことですし、それに今や韓国には有望な投資先などありません。もともと、小さなパイに過ぎない韓国など相手にしなくても、代替できる国は他にいくらでもあります。

外交など何かをするということが多いですが、全く何もしないというのも選択肢の一つです。何かしないと日本側が困るということはもうなくなりました。朝日新聞が慰安婦問題て訂正を出さないでも、すんだような時代であれば、韓国の出方によっては、日本は何らかの対応をしなければならなかったですが、今や国内で朝日をはじめとする反日どバカ勢力を徹底的に叩き、韓国は「捨て置く」ことがもっと、正しい外交方針だと思います。

無論、バカ真似をすれば、それに対する抗議はすべきですが、その他、輸出入、援助、投資など何もせず、捨て置いて、その分他のの親日国とのつきあいを深めていくべぎてす。

私は、そう思います。みなさんは、どう思われますか?

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2014年8月25日月曜日

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 ―【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 


日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で、消費税率を予定通り2015年10月に10%に引き上げることに関して「反対」が63%で「賛成」の30%を上回った。7月の前回調査より賛成は6ポイント下がり、反対は4ポイント上昇した。内閣支持率は7月の前回調査より1ポイント上昇の49%で、ほぼ横ばいだった。



4月の消費税率の8%への引き上げによる影響で、4~6月の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で6.8%減少した。安倍晋三首相は7~9月の景気動向をみて判断する考え。今後は景気の下支え策が必要になる可能性がある。

安倍政権の経済政策を「評価する」は47%で前月より3ポイント上昇した。「評価しない」は34%で3ポイント下がった。経済政策を評価する人のうち、52%は予定通りの消費増税に反対と答えた。

15年10月の消費増税に反対と答えた人にどうすべきかを聞くと「引き上げるべきでない」が50%で最も多かった。「時期を遅らせるべきだ」が25%、「引き上げ幅を見直すべきだ」は21%だった。

内閣を支持する理由(複数回答)は「安定感がある」が35%で最も多い。支持しない理由(同)は「政策が悪い」が4ポイント上昇して39%で最多になった。

この記事の詳細は、こちらか(゚д゚)!

【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

安倍内閣の支持率と、増税には密接な関係がある。それは、そうだろう。まずは、有権者は例外をのぞいて、まずは経済的安定ほ望み、その後で天下国家を論じるというのが普通です。

まずは、日々の生活が安定してこそ、天下国家に目を向けます。

これについて、古谷経衡氏は以下のようなツイートをしています。
古屋氏のツイートにもある、産経新聞の記事のそのさわりだけを以下に掲載します。
安倍政権の「暴走」に感謝?! 共産が空前の党勢拡大産経新聞8月24日(日)13時35分 
 日本共産党が党勢拡大に向けて全党に号令をかけた党創立92周年をめぐる「躍進月間」(5月15日〜7月31日)で、「空前の前進」(党関係者)を果たした。集団的自衛権の行使容認はじめ安倍政権の政策をことごとく「反動的暴走」と決めつけ、それにブレーキをかけようと喧伝(けんでん)するキャンペーンが奏効したとみられる。しかし裏を返せば、党勢拡大を続けるには同党がいう「暴走」を安倍政権に続けてもらわなければ困るわけだ。
党勢拡大で大感激の志位委員長


集団的自衛権の容認、特定秘密保護法の導入など確かに、現在の我が国にとって、必要不可欠のものであり、私自身は反対はしません。多くの、保守系の人々でこれに異議を唱える人はいないでしょう。また、政治的に左でも右てもない人々は、これを頭から反対する人々はいないてじょう。

安倍総理が、2012年に総裁になった直後に行なわれた衆議院議員選挙や、昨年夏の参議院議員選挙で、安倍自民党は大勝利を収めました。

そうして、これらの二回の選挙で安部総理は、二回とも、集団的自衛権の容認や特定秘密保護法の導入などについて、選挙公約ではっきり明言しました。

だから、これらを実行しないということは、公約違反です。だから、実行すのは当然のことと思います。これについて、マスコミや野党は、国民への説明が不十分などとしています。

しかし、これらについては、安部総理は第一次安倍内閣のときもその必要性を主張してきましたし、上で述べてきたように二回の選挙でも主張してきました。そうして、安部総理になったのですから、もしこれを実行しないというのであれば、その自体が非難の対象となります。

それこそ、結局何もできなかった民主党政権のように、マニフェストをほとんど何も実行せずに、ただただ、3年間漂流して、国民から大避難を浴びたようになってしまいます。

しかし、現実的に考えれば、天下国家論を論ずるためには、先ほども述べたようにまずは、経済が安定していなければなりません。

だから、本来は、経済を悪化させる懸念のある増税などすべきではなかったのです。

このことを査証するものとして、以下の2つをあげておきます。

まず一つ目は、上でも述べたように、2012年年末の衆議院議員選挙において、安倍自民党は大勝利しました。

その原因は、はっきりしています。それまで、日銀は、ずっと金融引き締め政策をしてきましたが、安部総理は金融緩和をすると明言しました。

この明言を市場は好感して、まずは株価があがりました。その後、実際に4月から異次元の包括的金融緩和をしました。これに対して、野党や、マスコミ等一斉にこれを批判しましたが、にもかかわらず、経済指標はのきなみ良くなりました。

一時、株価は少し下がりましたが、それも落ち着き、安定した後に、参議院銀選挙が行なわれ、これでも安部自民党は、大勝利でした。

そうなんです。市場関係者はもとより、国民の多数もやはり、実体経済を良くする政党を指示するのです。

第2は、過去の池田勇人総理大臣による、所得倍増計画です。

国会で演説する池田隼人氏


所得倍増計画(しょとくばいぞうけいかく)とは1960年池田内閣の下で策定された長期経済計画です。閣議決定された際の名称は国民所得倍増計画(こくみんしょとくばいぞうけいかく)といいます。この計画では翌1961年からの10年間に名目国民所得国民総生産)を26兆円に倍増させることを目標に掲げましたが、その後日本経済は計画以上の成長に至りました。立案は経済学者の下村治氏です。

この所得倍増計画は、大成功し、10年を待たずして、本当に国民の所得は倍増しました。

この過程で何が起こったかといば、終戦直後より当時のソビエトは、戦前から日本国内にいわゆるコミンテルンというスパイを送り込み、日本国内で暗躍させ、日本国内の様々な勢力がソビエトにとって都合良く動くように様々な工作をおこなっていましたが、これが全く無力になってしまったのです。

1960年より前の時点では、国民の大多数が貧乏であり、ソビエトのコミンテルンに扇動ざれる人も大勢いましたが、経済が発展するにおよび、国民のほとんどはコミンテルンの工作にものらなくなり、やがて、日本国内におけるソビエトの力も地に落ちました。

やはり、経済がよくなって、明日への希望が生まれてしまうと、これを実現した政府に対して、反対して、わざわざコミンテルンの甘言に乗る必要もなくなってしまってのです。

この2つの事柄を思えば、やはり国内の経済対策はかなり重要です。経済か良くなれば、時の政権は安定して、様々政策を実行しやすくなるのです。

これを考えた場合、やはり、4月からの増税は大失敗でした。だからこそ、共産党のそうして、さらに来年の10%増税を決めてしまえば、かなり支持率は低下します。

私自身は、古屋氏の主張である、「保守派が天下国家論ばかりを取り上げ、格差や労働問題をなおざりにしてきたことが、共産党を利する結果になった」ということには、全面的に賛成ではありません。

私は、どちらかというと、「格差や労働問題」をなおざりにしてきたことが、その主な原因であると思います。そうして、格差、労働問題というと多くの人は、経済に目を向けず、なにやら、この問題は厚生労働省管轄の問題であると考えがちですが、そうではありません。

いくら厚生労働省が頑張ったとしても、できることは、雇用のミスマッチを是正することだけで、それ以上のことはできません。特に、雇用自体を増やすことはできません。

そうして、雇用を改善するのは、なぜか日本ではほとんどに認識されていませんが、まずは第一に日銀による、金融政策によって達成することができます。

デフレでは、雇用状況が悪化するのは当然のことです。緩やかなインフレにすることができれば、雇用は黙っていても増えます。ほんの数パーセント、インフレ率があがっただけで、日本のような国では、数百万の雇用が生まれます。

これは、事実てず。そうして、第二は、政府による積極財政です。これは、公共工事を増やすとか、減税するとか、給付金を支給するとか、いくつかの方法があります。

この二本柱が、経済を良くして、それによって、格差や労働問題はかなり改善されます。ただし、いくら経済が良くなっても、様々な社会システムの不備などがあれば、格差・労働問題は完璧には解決されず、そこで、厚生労働省の出番となるわけです。

無論、これには、民間の努力も必要ではあります。厚生労働書だけではなかなかできることではありません。しかし、厚生労働省としては、規制緩和をしたり、新たなシステムを構築したり、新たな法律を制定したりして、民間の力も借りながら実行していけばかなり良くなります。

ただし、デフレのときに日銀や、財務省抜きで、厚生労働省だけが何かを実行したとしてしても、そもそも、雇用がないわけですから、どうしようもないわけで、「格差や労働問題」を解消することはできません。何かやっても、必ず他の何かが悪くなり、結局モグラたたきにおわります。

これを考えると、やはり、増税は完璧な間違いでした。今後このままだと、8%増税の悪影響が来年
3月まで続きます。そうなると、安倍政権の支持率は確実に落ちていきます。

東京オリンピック招致を決めた安部総理


そうして、来年の10%増税を実行したとしたら、安倍政権の支持率は坂道を転がり落ちるように低下していきます。それでも、何もしないとか、対処療法的な対策をしなければ、さらに景気は落ち込み、かなり落ち込み、挙句の果ては、安倍おろしがはじまり、第一位安倍内閣が崩壊したときと同じような状況に見舞われることになります。

このようなことを防ぐには、まずは、10%増税は絶対にやめること。そうして、8%増税の悪影響をなくするために、積極財政を実行することです。

積極財政とはいっても、現状では、公共工事を増やそうにも、人手不足などにより、公共工事の供給制限があるので、これは今のところ、経済対策に大きく寄与することはありません。

であれば、特に多くの人々を集めて工事をする必要のない、所得税減税や、給付金対策を行えば、かなり効果があります。

さて、共産党が党勢拡大をしたからといって、共産党が次の政権を担うことはないでしょうし、そこまでいかなくとも、大きな影響力を持つには至らないでしう。

しかし、かつてないほどの、党勢拡大ができたのは、やはり無党派層などの一部が取り込まれているとみるべぎてす。そうして、これ自体が安倍政権に致命傷を与えることはありませんが、それにしても、これはある意味、安倍政権への警鐘であると受け止めるべきであると思います。

私は、そう思います。

皆さんは、どう思われますか?

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2014年8月24日日曜日

ドクターZは知っている STAP騒動と論文問題―【私の論評】学問の世界を歪めるどころか、とんでもない惨禍をもたらす、マスコミの『空気』醸成に乗るな、そそのかされるな、加担するな(゚д゚)!

ドクターZは知っている STAP騒動と論文問題

お昼のワイドーショーの番組に流れる笹井氏死亡のテロップ。
何やら、今の日本の状況を象徴しているような気がする。

STAP騒動で明るみにでたのは、学術界における論文のデタラメさ。こと理系におけるその杜撰さは、多くの人にとって意外感があったため、マスコミで大大的に取り上げられた。

しかし、マスコミが圧倒的な文系社会、しかも学術界とは縁遠い人々で構成されている。

マスコミは、論文を「学術界で確立したもの」と見る傾向がある。しかし、論文といっても学術誌に掲載された段階では、エンドではなくあくまでスタートであり、その論文が学術界に受け入れられることもあるし、逆に批判されることもある。

批判されるだけまだましなほうで、あまり相手にされないことがほとんど。受け入れられている場合は論文の被引用回数が多いし、批判されれば批判論文が出てきて、これも被引用回数が多くなる。

マスコミは、今回のSTAP騒動で報道の限界も露呈させた。論文掲載があくまでスタートであるにもかかわらず、STAP細胞があるかどうかを白黒をはっきりさせようとした。

しかし、今回のSTAP騒動では、記者会見という場で真偽をつけるかのようなマスコミがあったが、「素人」マスコミに科学論争の決着をつけられる実力があるわけでなく、学者に記者会見をさせてその様子をワイドショーの題材にしただけだ。STAP細胞は証明されない仮説のまま論文が違っていた公算が高いが、翻って、文系の世界はどうなのか。実はこれが、理系よりデタラメなのである。

例えば経済政策は国民にとって重要だが、それを政府に指南する経済学者。昨年秋に、そうそうたる経済学者、エコノミストが消費税増税しても影響は軽微であると話していたが、実際はそうでない。最近出てくる経済指標はどれも、「想定内」とはいえないような悪い数字ばかりだ。

おそらくマスコミは、経済学者、エコノミストが1年前に言っていたことも忘れているのだろう。今回の消費税増税は'97年と違ってアジア危機もないので、影響は限定的と言っていたのではないか。そうした主張をする経済学者、エコノミストをマスコミは使って、国民には有益でない情報をまき散らしていた。

STAP細胞は間違いでも、国民生活にはたいした影響がない。しかし、「増税の影響は軽微」と語る専門家の進言で消費税増税が行われたとしたら、国民はたまったものでない。

もっとも、それらの経済学者、エコノミストは、財務省の「ポチ」である。ポチの書いた論文のデタラメさは、素人のマスコミでもわかりそうなものだ。おっと、そのマスコミも軽減税率というエサで財務省に籠絡されているのだから、その意向を無視して記事を書けないというわけか。

『週刊現代』2014年8月30日号より

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】学問の世界を歪めるどころか、とんでもない惨禍をもたらす、マスコミの『空気』醸成に乗るな、そそのかされるな、加担するな(゚д゚)!

このブログでも、STAP騒動については、何度か掲載しましたが、いくつか記事を書いてみたものの、何やら消化不良のようなものを感じていました。

しかし、本日上記の記事を見て、なにやらすっきりしました。

そうなんです、まさに、「論文といっても学術誌に掲載された段階では、エンドではなくあくまでスタートであり、その論文が学術界に受け入れられることもあるし、逆に批判されることもある」のです。

これは、学問界の常識です。私は学生の頃生物学を学んでいました。その時経験したことからもこのことは確かです。

私は、学生だったころ、助教授(現在では、准教授)と、いわゆるポスドク(後に若くして地方大学の助教授になった人)と3人で、とはいっても、これが当時の講座の全員で、大学内で開催された学会に行きました。今から思えば、本当に贅沢な環境だったと思います。一つの講座がたった、3人ですよ。そのかわり、それなりにシンドかったですが・・・・・・・(笑)。そうして、学会での発表を聴くのはこのときが初体験でした。

3人は、自由行動することとして、時間を決めて昼には、レストランに集合して、食事をすることにしていました。そのため、私は私で、自分の聴きたい発表を聴きました。そうして、これは後でどのようなものだったのか報告することになっていました。

報告する以上、いい加減なことはできず、まともな発表と、その内容しっかりと控えておく必要がありました。

そうして、いくつかの発表を聴いてみたのですが、驚くべきことを発見しました。

いくつか、「タイトル」から非常に面白そうだったので、2つほど聴いてみましたが、これが素人目にもすぐにわかるような酷い内容で、何といえば良いのか、カルト的とも言いたくなるような内容だったので、時間の無駄と思い途中で退席しました。

このカルト的ともいえるような、発表ですが、聴いている人はわずか数人とか、多くても十数人でしたが、それでも聴いている人いるし、私が退席した後でも聴いている人は聴いていました。

さて、昼飯時に助教授(当時の年齢はおそらく38歳くらいの新進気鋭の方でした)にその話をしてみたところ、驚くことに別にその発表の内容自体を完全否定はされませんでした。

もう、随分昔の話なので、カルト的な内容の発表自体も、助教授の話も良くは覚えていませんが、そのときの助教授の話は、「確かに今カルト的に聴こえるかもしれませんが、実はそうした研究が、数十年後に世界を変えるかもしれないし、あるいは、まったくこの世から消えてしまうかもしれません。しかし、最初から全部を否定していては、学問は進展しません」というような内容でした。

世の中の人の多くは、学会での発表というとそれこそ、上の記事のSTAP細胞の論文のように「学術界で確立したもの」と見る傾向があるのではないかと思います。

私も当時は、そのように考えていて、助教授に、では私も場合によっては、あのようなカルト的な内容を発表することができるのかという質問をしたところ、先生は、「学会員となり、手続きをきちん踏んでなら、無論できます」ということでした。

学会での発表もまさしく「学術界で確立したもの」が発表されているわけではないのです。

学問界で発表されるのは学術界で確立したもの」ではない。
そんなことは学者は最初から知っている。知らないのはマスコミ?

しかし、そもそも、出鱈目を発表したとしても、まずは最初からあまり聴く人はいないですし、そのとき発表した内容も誰からも引用されず、いずれ世の中からきれいさっぱり消えるわけです。

ただし、きれいさっぱり消えたと思われていたものが、数十年後に別の学者の目にとまり、その後発展した技術やノウハウなどを用いて実験をしてみたら、本当であるどころか、画期的で次世代を切り拓くようなものであったことが再発見されることもあります。無論、そうなることは滅多にはありません。

しかし、このようなことがあるからこそ、学問の世界、特に科学の世界においては、新たな芽を摘むことにならないように、学会での発表や、論文発表など手続きさえ踏めば自由にさせているしすべての発表や論文を保存しているのです。

STAP細胞も存在する可能性も十分あり得るわけです。ただし、何かが足りなくて、再現できないのかもしれません。それは、ひょっとすると、今後の新たな技術やノウハウ、新素材などを用いると克服できるものである可能性は否定できません。

このようなことを完全否定したために、とんでもないことになり、多くの死ななくても良い生命を犠牲にしたなどという例もあります。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、研究の成果が葬られてしまい、 多くの死ななくても良い生命を犠牲にした事例に関するところのみを以下にコピペさせていただきます。
たとえば、現在医学の世界で、当たり前とされる、お産や手術のときの滅菌など、最初に提唱した医師など、誹謗中傷されて、最後には精神に異常きたして死亡しています。
その医師は、センメルヴェイス・イグナーツ・フュレプ という、ハンガリー人の医師です。1818年7月1日 、ハンガリー王国ブダ市タバーン町に生まれ、1865年8月13日、オーストリア帝国ヴィーン市デープリング町にて死去。オーストリアのウィーン総合病院産科に勤務。産褥熱、今日で言う接触感染の可能性に気づき、その予防法として医師のカルキを使用した手洗いを提唱しました。しかし存命中はその方法論が理解されず大きな排斥を受け不遇な人生のまま生涯を終えました。現在では当然の如くに採用されている消毒法及び院内感染予防の先駆者とされ、「院内感染予防の父」、「母親たちの救い主」と呼ばれています。現在その肖像画が切手としても使われています(写真下)。
センメルヴェイスの説が受け入れられなかった最大の理由は、「患者を殺していたのは医師の手である」という医師にとって受け入れがたい結論にありました。当時、センメルヴェイスの論文を読んだ医師が自殺するという事件まで起き、説を認めることは医師が大量殺人を行ってきたことを認めることになるからでした。また、彼自身が論文を書くのを苦手としたために、研究成果を論文として発表することが大きく遅れた点も不幸でした。それでも、スイスの雑誌に発表した論文がイギリスの外科医ジョゼフ・リスターに読まれ、手を消毒することで細菌感染を予防するという消毒法がもたらされました。それによって、お産や手術による死亡者が激減したことはいうまでもありません。
このような事例もあるからこそ、学問の世界では、新たな発見の芽をつむことがないように、学会での発表や、論文の執筆など、手続きを踏めば自由にできるようにしているのです。

そもそも、こうしたことは学問の前提なのですが、こうしたことをマスコミがほとんどわきまえていないため、あのようなSTAP騒動が、拡大されてしまったのだと思います。挙句の果てが、あの理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長の自殺騒動です。

マスコミは無論のことですが、多くの人々になぜ学問の世界では、手続きさえ踏めば、自由に発表ができたり、論文を出すことができるのかを理解していただきいものです。

ただし、これは学問の世界のことです。

現実社会はそうはいかない場合もあります。

ブログ冒頭の記事でも、筆者は以下のように締めくくっています。
STAP細胞は間違いでも、国民生活にはたいした影響がない。しかし、「増税の影響は軽微」と語る専門家の進言で消費税増税が行われたとしたら、国民はたまったものでない。 
もっとも、それらの経済学者、エコノミストは、財務省の「ポチ」である。ポチの書いた論文のデタラメさは、素人のマスコミでもわかりそうなものだ。おっと、そのマスコミも軽減税率というエサで財務省に籠絡されているのだから、その意向を無視して記事を書けないというわけか。
確かににそうです、STAP細胞に関しては、たとえ発表や論文掲載が過ちであったとしても、先の消毒の件のように、いたずらに多くの一般人の犠牲者を出すということはありません。もし、本当であれば、様々な可能が膨らむということです。

しかし、増税に関しては、違います。正統な経済の学会では、「学術界で確立したもの」として、デフレの際の増税は間違いです。これを正しいという人は異端とされます。正しくは、デフレのときに実施すべきは、増税ではなく、金融緩和と、積極財政です。間違っても、増税などの緊縮財政なと行うべきではありません。

また、学問の世界ではない現実世界でも、これは間違いです。

これに関しは、昨日のブログにも掲載したばかりです。その記事のURLを以下に掲載します。
GDP予想をまったくはずした熊谷亮丸氏・木下智夫氏「今度こそ当たる!年末までは絶対V字回復!なにがなんでも増税だ!」WBS-TL不満大爆発!―【私の論評】無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置け!とはいっても多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべし(゚д゚)!
詳細は、この記事を読んでいただものとして、今回の増税の特異性について以下にコピペさせていただきます。
 
しかし、今回の増税が非常にまずいのは最初からわかっていることです。どうしてまずいのか、いかにその理由をあげておきます。 
まずは、第一に日本は未だデフレから解消しておらず、デフレ下の増税は日本でははじめてのことです。これは、良くいわれていることで、いまさらという感じもしますが、以下にまとめておきます。
第一回目の3%増税のときは、日本はインフレでした。
第二回目の97年の5%増税のときも、日本はデフレ気味ではありましたが、あくまで気味というだけで少ともデフレではありませんでした。その後日銀法が改正され、98年からは、完璧にデフレのどツボにはまりました。
完璧にデフレ基調(要するに一部の例外を除き、全体では給料が下がり続ける最中)のときの増税は、今回が初めてということです。
第二に、過去2回の増税のときは、今回のようなネット増税ではありませんでした。
89年消費税創設時には、物品税が廃止され、ネット(全体)で減税でした。97年増税時には、先行減税があり、実質的には増税でも減税てもない中行われまた。しかし、今回の増税はネット(正味の)増税です。
これの悪影響がないはずはありません。唯一の救いは、昨年の4月より、日銀が異次元の包括的金融緩和に転じたことです。
しかし、それにブレーキをかけるような増税です。増税しなければ、2年から3年で日本はデフレから脱却できて、税収もあがり財政再建のめどもたったかもしれませんが、上記のような理由により、デフレからの脱却はかなり遠のくことが考えられます。
来年の10%増税もそのまま実行してしまえば、デフレ脱却のめどはたたなくなります。
日本では、何やら論理的でもなんでもないような、空気というようなものがあります。STAP騒動に関しても、そうです。マスコミなどが空気を醸成してしまうと、学問界の規範まで歪められてしまいます。

朝日新聞の空気の醸成によって、日本にはすっかり自虐的歴史観が根付いてしまいした。

それどころか、戦前などでは、本来は日本はアメリカと戦争をする必要性などなかったのに、いつの間にやら、当時の朝日新聞などの大手新聞の煽りも手伝い、米国と戦争しなければならないという空気が醸成され、本当に戦争をしてしまいました。

空気は読むな(゚д゚)!

おまけに、戦争後は、日本は米国に対して全く無謀で、勝ち目のない戦を挑んだという空気が醸成され、多くの人々がそれを今でも頑なに信じ込んでいます。

これに関しては、ここで説明していると長くなってしまうので、倉山満氏の『大間違いの太平洋戦争』、『負けるはずがなかった! 大東亜戦争』などを参照なさってください。

ただし、このようなことを言い出したのは、倉山満氏がはじめてのことではなく、アメリカの学者なども語っていたことです。ただし、倉山氏の書籍は、まずは日本語であるということで読みやすく、しかもかなり良くまとまって理解しやすくなっています。

それにしても、マスコミは学問の世界の規範を歪曲したり、経済のあり方まで歪曲します。ありとあらゆる、歪曲とそのための印象操作をします。

そうして、昔からその手口は共通しています、それは、非論理的な『空気』を醸成することです。なにやら、大勢が言っているから、それでいいやというやつです。

これには、本当に日本人は弱いです。日本は、言葉も、生活習慣も単一文化といっても良いくらいですから、良い面では人の気持を察するなどのことができますが、それが悪いところにでると、論理的に考えもせず、空気に押し流されてしまうということがあります。

これが、アメリカあたりだと、言葉も文化背景も、もともと千差万別であるため、最初から他の人の空気など読めず、しばしば議論になるということはあるものの、空気に押し流されるということはあまりありません。しかし、そのアメリカですら、日本と戦争をしなけばならないという空気が醸成され、本当は、全くする必要もなかった日米戦争に突入してしまいました。

本当に『空気』とは、恐ろしいもので、多くの人々の誤謬に導いてしまう、とんでもない代物です。

その『空気』に乗ってしまえば、私たちは、そそのかされ加担したことになります。そうであってはいけません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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「F-35戦闘機で核使用OKに」それが意味する重大な転換点 日本には“有益”といえる理由―【私の論評】日本の核抑止力強化と地域安全保障への貢献:F-35A戦闘機の核搭載がもたらす可能性

「F-35戦闘機で核使用OKに」それが意味する重大な転換点 日本には“有益”といえる理由 まとめ 2024年3月、F-35AがNATOでB61-12戦術核運用が認証された これでNATO加盟国がF-35AによるB61-12の核攻撃能力を獲得 B61-12は出力調整可能で精密誘導さ...