2012年10月7日日曜日

衝撃予測!「中国は尖閣諸島に100人単位の活動家を上陸させる」 米専門家−【私の論評】尖閣の動きは、中国権力闘争だけでなく日本政局にも密接に絡んだ動きか?

衝撃予測!「中国は尖閣諸島に100人単位の活動家を上陸させる」 米専門家:


本当に千隻の中国漁船がきて、100人が上陸たてこもりということもあり得る
【ワシントン=古森義久】尖閣諸島に対する中国側の今後の動向について、米国議会調査局で長年、同問題について研究してきたラリー・ニクシュ氏(現戦略国際問題研究所上級研究員)は5日、産経新聞のインタビューに応じて、中国側が今後100人単位の「活動家」を尖閣に上陸させて立てこもり、日本側の実効支配に挑戦する見通しが強いとの見解を語った。

 ニクシュ氏はまず中国の今後の出方について「軍事力での尖閣攻略という方法はまだその能力を有さないこともあって、ここ数年は実行に移すことはないだろうが、一つの選択肢として当然考え、そのための軍備強化を図ってはいるだろう」と述べた。

尖閣上陸というと、いつも、柄の悪い男ばかりだが、たとえば、この写真のような
便衣兵(後述)を上陸させたら、世界的にも注目を浴びるかもしれないぞ!!
同氏は同盟国としての日本にとって当面、最も警戒すべきなのは「中国政府が軍人ではない工作員を『愛国活動家』というような形で組織し、100人から数百人単位を小艦艇で尖閣に上陸させ、テントを張ったりして立てこもらせ、日本側の実効支配を否定してみせる作戦だろう」と強調した。

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【私の論評】尖閣の動きは、中国権力闘争だけでなく日本政局にも密接に絡んだ動きか?

この一連の動きは、中国政局、日本政局にも密接に絡んだ動きであると思います。中国に関しては、尖閣の動きは、中国の権力闘争の一貫であることは、間違いありません。ご存知のように中国次期主席である、習近平氏が、先月20日間にわたって、消息不明になりました。

習近平
その間に、反日デモも先鋭化しましたし、尖閣諸島をめぐる中国の動きも活発化しました。こうした動きからみて、中国共産党中央政府内の権力闘争は、私たちが、日本国内で行われている政局などは、単なるおためごかしのお遊び程度に過ぎない、激越なものであることを認識すべきです。日本では、選挙があって、政治かが選ばれますが、中国では選挙など中国建国以来なく、一応共産党大会で、首班が指名されることにはなっていますが、実質上その時々で、最も権力の強いものが、首班になるということです。


最近の中国の動きは、習近平が、すっかり権力を掌握して安定していたかに見えていた中国がそうではなかったということを如実に示しています。そうして、中国の権力闘争では、失脚する程度のことではなく、下手をすると命まで取られてしまうことにもなりかねません。こうした激越な権力闘争を乗り越えまがりなりにも、統一中国を維持するためには、「反日」を前面に出して権力の求心力を高める以外、いまの中国共産党には方法がありません。独自の政策が望めない習近平次期政権は、反日路線を継続せざるを得ません。日本企業は撤退か継続か、真剣に熟慮すべきときを迎えています。

こういう状況では、尖閣問題もさらに激越になっていくことは明らかです。上の記事のような事態は当然想定の範囲内です。さて、こうした中国の国内権力闘争は、日本の政局にも影響を与えています。それに関しては、日本国内の中国の権力闘争の激越を認識していないマスコミの報道などは、ただ現象面だけを捉えて、その本質は見抜いていません。だから、マスコミ報道は、おいておくとして、最近人気の『間違いだらけの日米近現代史』の著者である、憲政史家の倉山満氏の見方を以下に紹介します。


倉山氏のブログから一部以下に引用させていただきます。
 もはや小沢一派すら解散には反対。自分たちが落選するし、安倍総裁就任御祝儀があるうちの解散で自民党だけを勝たせるような動きに賛成するわけが無い。
 仮に、 
一、自民党が一致団結し、
二、小沢系や共産党や野党すべてが不信任案に賛成し、
 三、民主党から造反が出る、
という三つの条件を満たしたとしよう。(二と三が感動的なまでの希望的観測。一は、“今のところ”できる)
 以上のような状況で野田さんが不本意な解散に追い込まれたとする。
 私が野田さんなら、以下のことを考える。 
一、特例公債は何が何でも通す(財務省の歓心を買うため)。

二、「じゃあ、違憲だとまずいので定数是正をしましょう」などと後から言い出す。「あ、せっかく解散しようと思っているのに、邪魔するんですか?」などと言って見る。

三、上記の三条件が揃っってしまい、内閣不信任案が通る。自民党が政党助成金を受け取る前に即座に解散。軍資金が揃う前に勝負。
四、選挙序盤に某大国の便衣兵に尖閣諸島に上陸してもらう。しかも、占領してもらう。
 五、戦後初の防衛出動を発令。選挙どころではなくなる雰囲気にする(大震災の際の統一地方選挙のように)。
六、世論調査の様子を見ながら、適当なところで便衣兵に「恐れをなして退散してもらう」。ついでに、便衣兵なので北京政府は関係ない。www
七、自民党がまるで選挙活動をできなかったところで、大キャンペーン。(狂信的早期解散による自民党支持者によればマスコミは民主党の味方だったはず)
 早期解散による安倍自民党政権を迫る論者、ご都合主義的でばかばかしい。
 はっきり言っておく。特例公債の取引に年内解散を迫るバカが安倍さんのクビをしめるぞ!! 
反日デモを扇動していたのが、地元の警察署長だったことを暴露した報道
詳細は、倉山氏のブログ『倉山満の砦』をご覧になって下さい。

特に、倉山さんが上で指摘する、四、五、六など多いにありそうなことです。そうして倉山さんが、中国便意兵と関連づけたのには、それなりのわけがあると思います。それは、最近の中国大使に任命されたのは、木寺昌人官房副長官補(59)だからです。

この人選に中国各紙は、非常に好意的です。北京紙、新京報は木寺氏について「外交交渉経験は豊富だが、中国との交渉経験は多くない」と指摘。1991年~93年に外務省中国課(当時)に勤務したものの、中国語の研修を受けた「知華基地(チャイナスクール)」に属さないことなどを紹介しました。

同紙はその上で、「外交協調能力は極めて高い」とする日本メディアの評価を引用。北京青年報も「出色の協調能力は、かねてから広く好評を得ている」と伝えました。各紙は木寺氏が現在、首相官邸の一員であることに注目。野田佳彦首相の“側近”を起用したことを中国側に伝達する狙いがあり、「悪化している両国関係を改善しようという意図がある」などと分析しています。

チベット暴動のときに、チベット僧の衣服を持った人民解放軍の写真が撮影された。これに
よりチベット僧とされるものたちの乱暴狼藉は、解放軍の仕業であったことが暴露された。
木村昌人氏は、元々は外交官です。経歴などは、Wikipediaなどを調べていただくものとして、この時期に、元外交官、そうして、野田首相の側近を大使に任命するわけですから、これは、中国側も喜ぶわけです。おそらく、野田さんは、表舞台では、鷹派発言をして、裏では軟弱外交をする腹ではないかと思います。しかし、軟弱外交など、民主党政権が崩壊すれば、反故にしてしまえば良いですから、今更たいした影響もないのですが、それにしても、この大使の任命、倉山さんの上記のシナリオを十分あり得ることの、裏付けにもなると思います。

野田さん、少しでも政権の延命をはかるため、それに、次の選挙で負けるにしても、なるべく負けを小さくするためにも、上の倉山さんのシナリオを藁にもすがる思いで、採用するというシーンは十分に考えられます。

木村昌人氏
さて、確かに特例公債の取引に年内解散を迫ることには、あまり大きな意義は見出せないと思います。それに、当然当の安部さんも、「年内解散」を強調していますが、これは、少しでも民主党に対して負い目を与える作戦であって、何が何でも「年内解散」を迫るという考えはないものと思います。安部さんは、来年の衆参同時選挙に備えて、今から政権を担うつもりで着々と準備をすれば良いと思います。そうして、着実に政権交代をして総理大臣になっていただきたいと思います。

特に、いくら以前政権を長期間担っていたからといって民主党からの政権交代ということになります。そうなれば、なにもかも一気にというわけにはいかなくなります。何から具体的に手をつけたら良いのか、順番んはどうすれば良いのかなど、今から官僚などと、コミュニケーションを図りやるべきことはたくさんあります。ご存知のように、この手続きを欠いて大失敗したのが、民主党です。その教訓を生かすべきです。

そうこうするうちに、便意兵が尖閣に上陸ということにでもなれば、民主党は、これに対処できず、おたおたして醜態をさらし、さらに、国民からの支持を失うだけです。

これは、民主党が政権交代したときにも、あまりに性急なやり方を非難するために同じようなことを掲載したのですが、アメリカなどの二大政党制が、根付いている国では、政党が変わっても、政治の6割~7割は同じで、あとの3割~4割が変わるということで、政権交代のたびに何もかも180度変わるというわけではありません。その3割~4割だって、政権交代したからといって、すぐに変えるというわけではありません。

ブッシュ夫妻とオバマ夫妻
政権交代してから、すぐに変えるのではなく、昔なら1年間かけて、今だと半年くらいにもなってしまったようですが、できれば1年くらいたってから、少しずつ変えていくのが普通でした。この間、マスコミも政権交代してすぐの政府に対する批判は、謹んでいました。なぜなら、何か悪いことがあったとしても、それは、前政権のせいかもしれないからです。このようにして、政治の継続性を確保して、混乱を防いでいるのです。

日本では、二大政党制にはなっていませんし、おそらく、民主党は次の選挙で議席数を大幅に減らすでしょうから、ここしばらくは、二大政党制になるようなことはないと思います。

それにしても、アメリカの方式は、十分見習うべきと思います。とくに、民主党のように、政治の継続性を無視して、180度転換しようとか、そうしているように見せかけるためのパフォーマンスをしても意味はありません。

特に、政権交代による過度の期待を国民に持たせるべきではありません。まあ、これに関しては、国民も一度政権交代をして、過度に期待を裏切られているわけですから、あまり心配する必要はないのかもしれません。次の選挙で、過度の期待を抱かせる政党に何の疑いもなく、投票する人がいたとしたら、ただの馬鹿です。

どの政党が政権を担うにしても、初年度は、デフレ脱却+αで十分だと思います。約20年にも及ぶ、デフレに終止符を打つ目処がたてば、以前このブログにも掲載したように、大きな問題があったとして、5つ~6つに関しても、解消の目処がたちます。

考えてみれば、ここ10年は、民主党もその前の自民党も、デフレ解消に心血を注がなかったからこそ、結局、八方塞になり、身動きが取れなくなったのです。先ずは、デフレ解消が最優先課題です。

安部自民党新総裁には、すぐに政権交代するよりも、今から本当の意味での強固なシャドー・キャビネットを作っていただき、政権交代したあかつきには、着々と日本を良くするために頑張っていただきたいです。

さて、皆さんは、どう思われますか?



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2012年10月6日土曜日

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁―【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁:


日本銀行の白川方明総裁は2012年10月5日の会見で、デフレ脱却に向けた「1%の物価上昇」目標の早期達成は、欧州の債務危機の影響などで国内景気が停滞していることから、難しいとの見方を示した。これまでは、消費増税が予定されている「2014年度を含めた遠くない時期に1%に達する」としていた。

日銀はまた、この日の金融政策決定会合で金融政策の「現状維持」を決めた。白川総裁は会見で、「9月に景気シナリオを下方修正し、物価も下方修正することになる」と話した。

【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

白川総裁は、全くやる気がないようです。1%のインフレ目処を約束しておきながら、これすらも、実施せず、ただただ、日本国内のデフレと、円高を確実に守る、デフレ円高守護神の立場は絶対崩さないようです。一体どうなっているのでしょうか?現在デフレーターでみても、物価は下がりっぱなしで、とても1%なんて実現できる状態ではありません。ここで、追加緩和措置を打ち切ればとんでもないことになります。


EUの債務危機で、国内需要が停滞していることと、消費税による国内景気が停滞するというのであれば、通常は、金融緩和をするのが当たり前の真ん中です。白川総裁の言うことは、人間でいえば、癌治療をしている最中に、癌が悪化したので、有効な治療薬の投薬を中止しますといっていると同じようななものです。驚天動地の発言です。一体この人の頭の中はどうなっているのでしょうか?全く理解できません。どなたか、この常軌を逸した発言、その真意理解できる人がいたら、説明してください。

これじゃ、ますます、国内景気は落ち込むし、年末にかけて、アメリカ、EUなども大規模な金融緩和を実施するなか、日本が追加金融緩和措置をやめれば、とてつもない円高になるのは目に見えていまます。本当に全く解せない発言です。これは、ひょっとして、先日中国人民銀行総裁の、日銀が大幅に金融緩和をすることについての懸念表明への答えなのでしょうか?日銀が中国からの指令で動いていると揶揄する人たちもいますが、こうなると、この揶揄も、揶揄ではなく真実味・現実味を帯びてきました。

やっぱり、日銀は、海の向こうからの指示で動いているとしか考えられません。まあ、先日も述べたように、いまや中国は、スタグフレーションの領域に入っていますから、いくら日銀が金融引き締めを行ったところで、もう打ち出の小槌にはなりません。それにしても、中国人民銀行総裁の懸念表明にあまりに都合の良い返答ではありませんか。実際、こうしておけば、少なくとも、人民銀行総裁のご機嫌を損ねる心配はありません。しかし、そんなことで、本当に良いのでしょうか?

中国人民銀行総裁
まるで、外国の指示でうごいているかのようなこの発表の直前の日銀政策決定会議に、前原誠司財政相が出席していたはずなのに、前原さんも、この日銀の常軌を逸した暴走に対して何も抗議しなかったのでしょうか?一体何のために参加したのでしょうか?こういうときこそ、普段の番長ぶりを発揮して、徹底的に抗議すべきではなかったですか?その後、日銀の暴走を非難する声明も発表していません。

まるで、子供のお使いのような参加ですね。おそらく、金融政策のことなど何にもわからないで参加しているから、まともな発言ができなかったかもしれません。それとも、日銀の「独立性」を認めているから、思ったことを発言できなかったのかもしれません。日銀さぞや今頃、胸をなでおろしていることでしょう。

そういわれてみれば、Twitterでは、ある方が、「ウィークアップにて前原がデフレの原最大の原因は人口減少だと熱く語ってました。騙されに行ってるのでは…」とツイートしていました。デフレ、インフレとは、純粋に通貨貨幣の流通量の問題であって、人口とは全く関係ありません。全く理解できません。あの勝栄二郎元財務次官も、こんな珍説はさすがに、語っていませんでした。日銀は、この珍説、論文として最近発表したことはこのブログでも紹介しました。


それにしても、デフレの最大の原因は人口減という説は、完璧な間違いであること、すぐに看破できます。ちょっとやってみましょうか?

わかりやすくするため少し乱暴で、物騒ですが、極端に解説します。たとえば、今日本が、中性子爆弾(人間動物だけ殺傷し、他のものは傷つけないとされている)により、日本が攻撃されて、いきなり人口が半分になったとします。お金を含む有形無形の資産は、そのまま残ったとします。そうしたらどうなります?お金などは、そのまま残り人が半分になります。流通しているお金がそれまでの二倍あることになりませんか?そうして、二倍のお金は、生き残った人たちに移転します。また、相続税として国庫にもはいります。

こういうお金がいっぱいある状態を何といいますか?そう!!インフレです。この時点で、デフレ人口減説は完璧に破綻しています。それも、それまでの倍のお金が流通しているわけですから、ハイパーインフレですね。ただし、この場合、日銀は、このインフレをそのままにしておくわけはありえませんから、過剰なお金を回収して、中性子爆弾爆弾で人口が半分になる前から比較すると、半分にすることでしょう。

稀代のトンデモ本!!
いや、違うかな!!日銀の今のスタンスであれば、お金の流通量を半分にするのではなく、半分の7、8割にまで、減らして流通量を減らして、デフレ・円高路線を堅持することになるでしょう。

何しろ、人口が半分になれば、復興のため様々なことをして、人口が半分になっても、人々が豊かに暮らしていけるようにする必要があります。たとえば、必要のない建物を減らすため古い建物を壊したり、人口が半分になったことにより、場所によっては、地方自治体が、機能を失ったところもでてきて、たとえば、いくつかある村や町が維持できなくなり、一つの村に複数の村を併合したり、併合するだけではなく、併合した町のインフラを整備する必要がでてきます。また人口を増やしたりするため、様々ことにとりくまなければならくなります。また、人口が急激に増えてくれば、それなりにインフラ整備をしなければなりません。

そうなると、普通は、インフレになり、景気がかなり上向くかもしれませんが、今の日銀は、そんなことは、絶対にさせません。デフレ、円高路線で、日本が成長をするのをとめることでしょう。そんな馬鹿なと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、でも、それが、現実の現在の日銀のスタンスです。異常です。

さて、皆さんは、どう思われます。こんな日銀の暴走をいつまでも許容してはいけないと思うのは私だけでしょうか?

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2012年10月5日金曜日

危機の終わり遠い、緊縮で30年代型恐慌も-クルーグマン教授−【私の論評】日本は、はやくデフレから脱却して、世界に範を示せ!!

危機の終わり遠い、緊縮で30年代型恐慌も-クルーグマン教授

ポール・クルーグマン氏
10月3日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者で米プリンストン大学教授のポール・クルーグマン氏は3日、米国と欧州連合(EU)の金融危機の終わりは遠いとし、ドイツ主導の緊縮政策が1930年代のような経済恐慌をもたらす恐れがあるとの見方を示した。

同教授はベオグラードでの講演で、米国には「もう一弾の景気刺激」が必要で、金融当局は成長回復を支援するために「できることを全て」する必要があると指摘。欧州では単一通貨を救うため、財政同盟が必要だと述べた。

「欧州は緊縮には限界があること、これ以上の緊縮は社会を崩壊の縁に追いやるだけだということを認識しなければならない」とし、「各国に余りに多くの苦痛を与え過ぎたとドイツと欧州中央銀行(ECB)が気付くまで、いかなる国も繁栄しないだろう」と語った。

ECBも米連邦準備制度理事会(FRB)も危機対応策を打ち出している。ドラギECB総裁は無制限の国債購入の計画を示し、バーナンキFRB議長は量的緩和第3弾(QE3)実施を表明した。

クルーグマン教授は欧州について、「困難な状況にある国々への金融面の脅威・・・・・・・・・

【私の論評】日本は、はやくデフレから脱却して、世界に範を示せ!!

財政赤字だからといって、それを解消するために、増税するという考え方が正しいかどうかは、その時々の経済の状況によります。好況でインフレのときには、これは正しいです。不況で、デフレのときは間違いです。

そうして、このような間違いは、よくあることです。たとえば、日本では、通常の国であれば、不況ともみなされないような不況や円高に、輸出産業(当時は、輸出が日本全体のGDPに占める割合は8%)が悲鳴をあげ、これに対して、財政出動、金融緩和などを推し進めた結果、あのバブル崩壊を招いてしまいました。このときは、本来何もしないほうが良かったのです。おそらく、現在からみれば、多くの人が理解できると思います。その意味では、日本のバブルは決して必然的なものではありませんせでした。

次に、バブル崩壊後には、崩壊後5年くらい、最大限譲歩しても、10年くらいなら、緊縮財政、金融引き締めをしても無理はなかったた思います。しかし、ごく一部の例外を除いて、日本政府も日銀も、バブル以降ずっと緊縮財政、金融引き締めのやりっぱなしです。ちなみに、バブル崩壊後は、積極財政、金融緩和を同時に実施したということは一度もありません。一度バブルに落ち込んだらかと言って、今度は、とにかくバブルやバブル崩壊に少しでもつながりそうなことは、絶対にやらないというのが、ここ20年の日本です。まさに、「過ぎたるは及ばざるがごとし」の典型例といえます。

今世界は、恐慌を繰り返そうとしているのかもしれない
20年間もこのようなことを続けており、14年前からは、日本経済は、統計上でも完璧にデフレ状況になっているのに、いまだ、緊縮財政、金融引き締めを続けています。

しかし、この緊縮財政・金融引き締めは、どこかでやめなければなりません。それは昨日このブログに掲載した日本では、リチャード・クー氏が最初に言い始めた、「バランスシート不況」により、多くの民間企業が設備投資のための借金をしなくなったということがデフレの最大の原因であるためです。借金をしてまで、設備投資をしても自己資金を使えばできる範囲での投資しかしない、あるいは、不良債権処理のため、無借金経営をして、銀行に金を返すことばかりしているというのが、今の日本の状況だからです。個人でも同じように借金をあまりしなくなっています。

個人の生活では、借金をしないことは良いことのように思われますが、国という単位で借金をする企業、個人が少ないということは経済にとっては良いことでありません。誰も新しいことをしたくでも、できないということです。だから、まずは、国が積極財政をして、日銀も同時に金融緩和をする必要があるのです。そうして、まずは、国内のGDPそのものを増やす方向にもっていかなければなりません。そうでなければ、この不況からは、いつまでも脱出することはできません。


不況で、税収が減って、財政赤字になるからといって、税率をあげたとしても、GDPがますます減るだけで結局税収が減るだけで、ますます、財政赤字が増えるだけです。これは、当たり前の真ん中の、理論です。そうして、この理論は、2010年に日本でいえば、消費税にあたる、付加価値税を大幅増税したイギリスで、さらに不況が深刻化して、財政赤字改善の目処が全くたたない状況に追い込まれていることでも、実証されています。

そうして、上の記事のクルーグマン氏が語っているように、今のEU、アメリカなど多くの国々が、日本の二の轍を踏もうとしています。一体世界はどうしてしまったのでしょうか?


1930年代は、多くの国々が当時よりも豊かになって、GDPもはるかに大きくなったことを除いて、まるで今日と同じような状況にあります。そうです。不況になったから、財政赤字になり、これを解消するため、国によって、やりかたは異なるのですが、増税、緊縮財政、金融引き締めに走ったり、不十分な金融緩和でことたりとするという状況がまるでそっくりなのです。

世界は、1930年代の反省にたち、様々な経済学者などが、不況になれば、積極財政、金融緩和をすべきというマクロ経済学の理論を発展させてきたはずなのに、今の世界は、金融恐慌時代と同じような過ちを繰り返そうとしています。

1930年代に、日本は、同じく世界恐慌に飲み込まれ、さらに悪いことには、不況であるにもかかわず、緊縮財政、金融引き締めなどをして、経済がかなり落ち込んでいました。この落ち込みを日本では、昭和恐慌と呼んでいました。しかし、この状況を高橋是清が、典型的なリフレ政策によって、世界で一番はやく、収束させたことは、このブログでも掲載しました。

当時このように素早く、恐慌から立ち直ったのは、日本だけです。他国は、そうではありませんでした。アメリカなども、ずっと恐慌が続き、恐慌から立ち直ったのは、本格的な戦争がはじまってしばらくしてからでした。アメリカでは、大戦争を遂行するため、ヨーロッパや、太平洋に、大量の人員、大量の武器を送らなければならず、そのためには、かなりの財政出動、金融緩和をせざるおえず、実際それを実施したからこそ、恐慌から脱することができたのです。戦争がなかったとしたら、アメリカの不況はまだまだ長引いたに違いありません。

B25戦略爆撃機の最終組み立てライン
今の日本、これだけデフレが続いていれば、やることは、はっきりしています。他国が不況に陥るさなか、日本もデフレ政策を続ければ、とんでもないことになります。それは、日本だけがの問題ではありません。1930年代の日本は、経済的にみれば、まだ小さくとるにたらない存在でしたし、さらに軍備を拡張するためなど、日本国内のことだけで精一杯でした。そのため昭和恐慌を脱したとはいえ、国民の生活は豊かではありませんでした。しかし、今の日本は違います。

今世界のほとんどすべての国々が、同時に不況に陥れば、世界はまた、1930年代の世界に逆戻りです。そのようななかで、日本がデフレから脱出すれば、世界第二の経済大国に返り咲くことも可能性です。そうして、人口などから比較して、アメリカよりも規模の小さい国ですから、実質的に経済が最も強い国に返り咲くこともできるかもしれません。

そうなれば、日本は、世界経済の牽引車になることも可能です。さらに、牽引車になることができれば、日本の経済政策の正しさを証明することにもなり、他国も、自分たちの経済政策の過ちに気づき、まともな経済対策をとるようになり、世界経済も恐慌に陥らないか、陥ったとしても、昭和恐慌時代の日本のようにはやく立ち直ることができるうようになる可能性も高いです。

今まさに、日本はあらゆる意味で転換期にあると思います。日本は、もともと、大きな潜在可能性を秘めた国であるにもかかわらず、ここ20年間、デフレ政策を続けてきたために、一時的に疲弊しているにすぎません。そうして、このようなこと、日本では多くの国民、企業経営者、政治家など気づかずに、デフレを前提にものごとを考え方、八方ふさがりの閉塞感にさいなまされています。



今のような状況は、一刻もはやく終わらせ、国内だけではなく、世界に範を示すような日本になるべきです。そうして、このような文脈を理解していて、これを現時点で、最も実現することができそうな、リーダーは、現在では、安部自民党総裁だけです。残念ながら、自民党の他の総裁候補は、そのような考え方を持っていないことが、総裁選挙で明らかになったと思います。民主党などは、はなから圏外です。その他の野党のリーダーたちも似たり寄ったりです。

そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どうお考えになりますか?

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2012年10月4日木曜日

野村総研クー氏「今は消費増税すべきでない」(QUICK特別セミナー)―【私の論評】各界のリーダーが虚心坦懐にならなければ、日本は良くならない?!

野村総研クー氏「今は消費増税すべきでない」(QUICK特別セミナー) 

リチャード・クー氏
野村総合研究所の主席研究員のリチャード・クー氏は2日、QUICKと日本経済新聞社共催のセミナーで講演し「今は消費増税すべきではない」と指摘した。民間企業が実質ゼロ金利下でも借金の返済を優先する「バランスシート不況」の状態から脱しておらず、政府支出の抑制を進めれば景気が落ち込み、結果的に財政再建は失敗するとの見方を示した。
 民間の資金需要が乏しいことは「借金返済のトラウマがあるほか、キャッシュ・フローで設備投資できる状況になっているため」と説明。民間の資金需要を高める様々な努力が必要だと主張した。
 またバランスシート不況に陥っているのは日米欧に共通していると分析。欧州中央銀行(ECB)が欧州債務危機への対応として南欧諸国の国債買い入れ策を示したことについては「何もやらないよりはいいが、財政再建を買い入れの条件にしている以上、根本的な問題を解決するものではない」と指摘した。
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【私の論評】各界のリーダーが虚心坦懐にならなければ、日本は良くならない?!

リチャード・クー氏といえば、このブログでも何回か、掲載させていただいたこともありますし、この方は、普通の日本人よりも余程日本のことを知っていて、新日・知日派の筆頭ともいえる方だと思います。

以下にクー氏の、昨年の動画を掲載させていただきます。



随分前、アメリカの格付け会社による日本の国債の格付けが下がったときは、「あり得ないことだ」と格付けに関する論評をしていたことを思いだします。

以前は、WBSという報道番組にも定期的に出演されており、その頃は、良くWBSを視聴していました。最近は、ほとんど見なくなりました。

なぜなら、この番組、それこそリチャード・クー氏や、植草氏が出演していたころは、比較的まともで、見る価値のある番組でしたが、最近では、まるで民主党政府広報室のような報道、マクロ経済・マクロ金融に関しても、ほとんど誤った報道しかしなくなり見る価値を失ってしまったからです。それでも、フェルドマン氏など時々まともなことを言っていたこともありましたが・・・・・・。本当は、この番組過去には、うちの会社のことも紹介していただいたこともあるので、あまり悪口はいいたくはないのですが、あの頃からすると、変質してしまったと言わざるを得ません。


クー氏は、日本でも一番最初に日本の不況の状況が、従来普通に見られたのとは、全く性質が違うものであることを看破した一人です。それは、上の記事にもあるように、バランスシート不況というものです。これに関しては、詳細は、上の記事のリンクからご覧になってください。

私が、バランスシート不況について、はじめて知ったのは、20年以上も前に、リチャード・クー氏がWBSでそのことについて話しているのを聴いたときです。

しかし、その当時は、聴いてもすぐには理解できず、とにかく今の不況は、古今東西のものとは性格を異にするものらしいということはかなり強く印象に残りました。そうして、リチャード・クー氏のような人物が語っていることなので、全く根拠も何もなく語っていはずはないと思いました。そうして、自分でクー氏の言うことが正しいのか、誤りなのかいずれ自分ではっきりさせたいと思いました。

そうして、わからないなりに、いつかわかろうと思い、新聞などの経済記事を良く読むようなりました。しかし、今から考えてみると、当時から新聞の経済記事などはまともではなかったのだと思います。だから、読めば読むほど、クー氏の言うことが理解できず、消化不良の日々に悩まされました。


それからしばらくは、新聞記事も読んだり、テレビの経済報道などみていましたが、さらに消化不良の深みに嵌り込むばかりです。それで、しばらくは、新聞記事は斜め読み、テレビの経済番組は見ないようにしました。

そうして、リチード・クー氏が雑誌に掲載した内容、そうして、テレビなどに出演したときには、必ず見るようにしました。そうして、雑誌や、テレビなどを見たときには、何となくわかったつもりになったのですが、それでも、消化不良状態が続きました。そうこうしているうちに、1年近くが経ちました。

そうして1年以上を経過して、あるとき、不意に理解できるようになりました。どうしてわかったかというと、高校時代に習った、マクロ経済・金融に関することを再度思い出し、頭の中でいろいろ簡単なシミレーションしてみたところ、本当は、クー氏の言っていることは、当たり前の真ん中であり、全く難しくも何ともなく、難しい経済・金融の理論など知らなくても、誰でも容易に理解できるということでした。

しかし、驚いたことに、当時バランスシート不況に関することを自分の周りの人に話してみても、かなり社会的地位が高い人でさえ、あるいは金融関係の人たちでさえ、ほとんど理解していないし理解できないし理解するつもりもないという事実に気づきしまた。

そんなものなかと思っていたら、つい、数年前ですか、リチャード・クー氏の記事がサイトに掲載されていて、「私が一番最初に、バランスシート不況について気が付き、それを当時の与党の人に話してみたが、その時にすぐ私の話を理解していただいたのは、麻生太郎、亀井静香、中曽根康弘氏の3名のみだけだったと語っていました。

無論、現在では、もっと多くの人が理解しています。谷垣元総裁や、野田首相などは全く理解してませんが、安倍新総裁などははっきりと理解していると思います。ただし、今でもほとんど理解していない人もかなり存在します。

バランスシート不況の本質を多くの人が理解して来なかったからこそ、日本のデフレは、かくも長く続いてしまったのだと思います。特に、民主党になってからは、民主党の構成員のほとんどの人がこれを理解しておらず、「コンクリートから人へ」などというお粗末なスローガンで、さらに日本の経済は落ち込んでしまいました。



少数の人が理解しても、実際に、バランスシート不況を打破するために、国家としてのまともな財政政策や金融政策を実行に移すのは困難だったのだと思います。しかし、この流れも変わりつつあります。クー氏のいうバランスシート不況の事実を退けた筆頭は、最近では、増税ツイン(双子)ともいわれる、野田総理と谷垣元自民党総裁にあの手この手で、増税路線を徹底に洗脳したとされる、元財務次官勝栄二郎氏でした。しかし、勝氏は、ご存知のように、本人はもっと長い間とどまって、増税を確定までもっていきたかったようですが、それもかなわず、結局退官しました。

これは、大蔵元老たちが、勝氏に引導を渡したとされています。もともとの大蔵省には、不況の時に増税するなどという考えなどなかったはずです。これは何も大蔵省元老がどうのこうのという前に、マクロ経済の理論からいっても、そのようなことは絶対すべきでないのは、自明の理でもあります。それに、最近では、イギリスの付加価値税増税が大失敗していることからみても、あまりに自明で、本来不況のときに「増税」という考えは、異常中の異常です。

そうして、バランスシート不況を理解していれば、今すべきことは、増税ではないことが容易に理解できるはずです。イギリスは、これを理解していなかったため、付加価値税の増税に踏切り、結局現在酷いバランスシート不況に陥っています。日本での、バランスシート不況を日本は、もとより、世界も理解していなかったため、日本は20年たっても、不況から立ち直ることができず、あいかわらず、デフレのままです。そうして、世界は、イギリスをはじめ、日本の二の轍を踏もうとしています。


今回、マクロ経済政策に関しては、ここ20年近く、全く出鱈目の記事を掲載し続けた、増税を後押ししてきた日経新聞が、リチャード・クー氏の公演を実施し、さらに、新聞紙面に取り上げたということは、今までの動きが変わってきているのかもしれません。

これから財務省の勝次官が退官になったような動き、たとえば、日銀の人事等にも何か変化がでてくる前兆なのかもしれません。それとも、日経新聞は、95%の出鱈目の他に、5%の正論を新聞紙面に掲載して、反対意見も掲載しているということで、アリバイづくりをしてるだけなのかもしません。だとすれば、あまりにも悲しすぎます。

いずれにせよ、あまりにも多くの人が、クー氏のいうことを理解していないのは事実です。どうしてこんなことになってしまうのでしょうか・・・・・。これには、当然大手新聞などの報道にも問題があるのですが、多く人が虚心坦懐になることができず、自分は何でも知っているという思い込み、驕り高ぶりがあるのかもしれません。

だれしも虚心坦懐になる時が必要!!
新聞、テレビで、自分は日本のことは何でも正しく完璧に知っていると思い込んでいるのかもしれません。そうして、中には、政府や、日銀、財務省などの誤った言い分ををネットで擁護するような発言ばかりする人たちもいます。それも、突っ込めばすぐに、ボロが出るような擁護をします。このような人たちを経済評論家の上念氏は、変態御用一般人と評して揶揄しています。驕り高ぶりここに極まれりという感がします。しかし、こういう極端な人たちは例外としても、多くの人が、しかも、特に各界でリーダー的地位にある人びとが、理解しなければ、いつまでたっても、日本は良くならないと思います。

そう思うのは、私だけでしょうか、皆さんはどう思われますか?



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2012年10月3日水曜日

【日本の解き方】自民・みんな・維新が“日銀包囲網”!デフレ脱却へ法改正も―【私の論評】麻薬漬けの中国を分裂に追い込むチャンス到来か?!

【日本の解き方】自民・みんな・維新が“日銀包囲網”!デフレ脱却へ法改正も:


安倍晋三新自民党総裁は9月26日の記者会見で「長引くデフレ、円高で経済が疲弊している。この難局を打開して、強い日本、豊かな日本を作るのが私に課された使命だ」と語った。

総裁選中も、デフレ脱却を常に経済政策のトップで語り、そのための日銀法改正にも言及している。

この「日銀法改正」というのがポイントである。他の候補者は日銀に遠慮して「インフレ目標」止まりで日銀法改正には消極的だった。

安倍氏は、有志とともに日銀法改正を議員立法で提出しようとしていたが、これで自民党の正式な政策として出てくる可能性が高くなった。

安倍氏は、小泉政権の最後の2005年10月から06年9月まで官房長官、そのまま07年9月まで総理大臣を務めた。その間、06年3月に量的緩和解除、7月利上げ、07年2月に利上げと、日銀は相次いで金融引き締め措置を実施したが、安倍氏はいずれも批判的だった。

ところが、今でも同じであるが、現行の日銀法のもとでは、政府は事実上日銀の言いなりだ。なぜならば今の日銀法は、「独立性」の意味が世界標準と大きくずれているからだ。

こんな包囲ならされてみたい?
中央銀行の独立性には、目標自体も中央銀行が決める「目標の独立性」と、目標の独立性はないものの、その目標を達成するために、金利をどのくらい、いつ操作するかを決めるという「手段の独立性」がある。

世界標準では「目標の独立性」はないが、「手段の独立性」はある。ところが日銀法では「目標の独立性」まであり、この意味では世界最強の独立性が付与されている。このため、政府がいくらデフレ脱却といっても、日銀がデフレを放置していても、日銀にはペナルティーなしで責任もない。

実際、06年3月の量的緩和解除は、消費者物価上昇率前年比がマイナスにもかかわらず、日銀によって強行されたが、一切おとがめなしであった。

この状況を当時官房長官であった安倍氏はよく知っている。そこで、今の日銀法が日銀のガバナンスを確保する上で欠陥法であるとして、日銀法改正を主張しているのだ。

これまで日銀は、00年8月のゼロ金利解除と06年3月の量的緩和解除を強行、そして08年9月のリーマン・ショック後に欧米のような量的緩和をしなかったという致命的なミスを重ねているが、これらは政府が日銀に対して「インフレ目標2%」のようなしっかりした目標を与えず、その結果ガバナンスが不十分になって日銀の責任が曖昧になっているからだ。

こうした認識は、安倍氏に限らず、日本維新の会、みんなの党にも広がっており、日銀法改正に向けた勢力が拡大している。来年4月の日銀総裁任期切れまでに総選挙があれば、日銀法改正の実現可能性が高まっているだろう。

そうでなくても、日銀に対して、欧米のようなインフレ目標に基づくまともな金融政策を要求する世論の圧力は高くなるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

◆この記事、重要な内容なので、全部を掲載させていただきました。

【私の論評】麻薬漬けの中国を分裂に追い込むチャンス到来か?!

今のデフレは、随分長らく続いて、本当にもうどうしようもないレベルまできています。このデフレを克服するためには、おそらく、金融政策だけでは駄目で、大規模な財政政策も重要となってくるでしょう。しかし、金融政策は重要です。いくら、財施出動したとしても、日銀がいままでのように金融引き締めばかり実行うすれば、財政出動しても、その効果は減衰され、デフレから脱却することは困難になります。


しかし、金融緩和は、日銀の方針が変われば、すぐにもできることです。そうして、デフレから脱却できないまでも、円高はすぐにも是正できます。だから、まずは、日銀の金融政策を先に変えてしまうことが、最優先課題であると思います。なにやら、日銀は随分金融緩和を実施しているという識者も多く存在しますか、そういう方々には、この円高水準は、どうしてなのかを誰にでもわかるように説明して欲しいです。おそらく、納得のいく説明は不可能でしょう。

そうして、今のままでは、アメリカもQE3を発動するし、EUなどもするでしょうから、このまま日銀を放置しておけば、年末には、古今東西はじまって以来の日本一国だけの貨幣の価値が高騰するという規模での円高がはじまるのは、目に見えています。これだけは、絶対に避けたいものです。これを防ぐためには、世論を盛り上げて、白川総裁を任期一杯まで勤め上げさせないなどのことが需要です。

とにかく、雇用でも、円高でも、デフレでも、やることをやらない日銀に関しては、国民も、企業経営者も、官僚も、政治家も、怒り鉄拳を下して、勝栄二郎財務大臣が財務省をやめたように、辞任に追い込むというのが、筋というものです。



それに日銀といえば、このブログにも幾度か掲載したように、これまで中国に対して多大な便宜をはかってきました。どんな便宜かといえば、以下のようなものです。
日本銀行がどんなことがあっても、金融緩和をせず、金融引き締めに固執しており、特に増刷はかたくなに拒否しています。だから、中国は、過去には、国内が不況になりかけても、元を大量に刷っても、元安傾向になるため、日本に対して大量に輸出ができ、インフレ傾向となっても、あまり被害をこうむることはありませんでした。これは、まるで、打ち出の小槌を持っているようなもので、いままでは、一種の担保、安全弁のようなものであり、中国経済の発展に寄与してきました。
本当に、便利な打ち出の小槌で、これがなければ、中国は、第二の経済大国になるなどのことは全く考えられなかったと思います。私は、10年くらい前までは、中国はいずれは、総体では(個人では、未だ1/10)世界第二位の経済大国になる日もくるかもしれないと思っていました。

しかし、中国は統計が出鱈目であることと、それに、何といっても、今でもまだまだ後進的なところがあるので、しばらく無理だと思っていました。しかし、その日は皆さんもご存知のようにかなりはやくやってきました。


この日が早くやってきたのはには、それなりの背景があります。それは、中国が固定相場制という環境にあり、さらに、上記で述べたように、いくら中国が元を擦りまししたとしても、隣の国日本は、増刷どころか、金融引締めに固執しているので、どんどん元を刷っても、元安になって、日本に対してどんどん輸出できるばかりでなく、円高日本から脱出してくる日本企業や、日本からの脱出にともない、様々な技術移転などの受け入れを行い、これによって、さらに急速な経済発展が可能になったのです。

本当に、日銀は、これまで、中国にどこまでも、尽くしてきました。さて、この日銀の献身、あまりに長い間続いたので、中国は、これが当たり前のようになり、それこそ、麻薬患者が、麻薬を摂取するのが当たり前のような状態になっています。

この状況で、いきなり、日本が、増刷を含む金融緩和に走り、当たり前のことをやりはじめたら、麻薬患者から麻薬を取り上げたような状況になります。中国の経済は完璧ストップするどころか、不況の奈落に落ち込むことになります。


中国の経済を停滞させるためにも、日本は、日銀の独立性に関する間違いを正す必要があります。それに、これは、何も異常なことでもなんでもありません。独立国家である日本としては、あまりに当たり前の真ん中です。

かなり経済が落ち込めば、中国は、無理な統一はできずに、七つくらいの国に分裂する可能性が高いです。そうして、そのほうが、中国の圧政に苦しむ、他民族などにとっても良いことです。当の中国にとっても、良いことだと思います。

日本の異常な円高をストップさせ、日本の雇用を改善し、日本のデフレを終わらせ、中国の一部の富裕層に奉仕する日銀の行動は、一日もはやくやめさせるべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?そうして、このようなことは、党派などの違いを乗り越えて一日でも早く実現すべきです。日銀にような官僚の下部組織にすぎない組織が、独立して日本の金融政策を勝手に決め、独立性という名のもとに、失敗しても何ら責任をとることがないという状況は、非常に異常な状態です。この異常状況は一日もはやく是正すべきです。



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2012年10月2日火曜日

【尖閣国有化】「日本が譲歩すれば、中国のさらなる侵略招く」 米軍事専門家―【私の論評】安全保障のためにも、まずは財政・金融政策をまともにせよ!!

【尖閣国有化】「日本が譲歩すれば、中国のさらなる侵略招く」 米軍事専門家:

尖閣諸島
【ワシントン=古森義久】中国の軍事戦略を専門に研究する米有力研究機関「国際評価戦略センター」主任研究員のリチャード・フィッシャー氏は1日までに産経新聞と会見し、尖閣諸島に対する中国の攻勢と米国への意味について、「領有権紛争での中立という公式な立場は別として、どの米国政権にとっても中国による尖閣支配は台湾喪失にも近い重大な戦略的マイナスとなる」と語った。

この記事の続きは、こちらから!!


【私の論評】安全保障のためにも、まずは財政・金融政策をまともにせよ!!

上の記事全くその通りです。尖閣を失うことは、アメリカにとっても大きな損失です。ただし、アメリカにとっては、中国は市場として非常に魅力があるには、違いなく、できうれば中国も韓国のように米国の経済植民地にしたいという野望があると思います。

韓国が米国の経済植民地になっている状況については、以前もこのブログに詳細を述べましたので、ここでは、本題ではないので、述べません。詳細は、以下のURLを参照してください。

本当は、アメリカ側も中国に対して徹底的に圧力をかけたいところなのでしょうが、背後に中国経済植民地化という野望があるので、尖閣に関しても本心はつつみかくして、「他国の領土問題」には、立ち入らない旨を公表してみたり、尖閣諸島は、日米安全保障条約の対象であると表明したりで、煮え切らない態度を示しています。しかし、本心は、上の記事の軍事評論家の意見と同じなのだと思います。


中国の国家戦略においては、このブログにも以前掲載した通り、日本の西半分は、中国東海省、東半分は、日本自治区にすることを目論んでいます。日本自治にするというのは、完璧に中国の領土にしてしまえば、日本全部が、中国化してしまい、日本の良さが失われ、経済的にも、中国と同水準になってしまうおそれがあるからです。ですから、東半分は、自治区にして、日本の経済発展や、技術水準を温存して、それを中国のために活用しようという腹だと思います。

実際、以前、オーストラリアを訪れた、中国李鵬が、「もう20年もすれば、日本という国はなくなる」と発言しています。これを語った中国高官の頭の中には、中国の長期国家戦略戦略があったことは確かだと思います。


ただし、長期国家戦略など、絵に描いた餅になる可能性が高いです。たとえば、第二次世界大戦中のドイツは、あの大失敗をした、ソビエト進行のバルバロッサ作戦の末期の、あの実現しなかったモスクワ侵攻を目前に控えた時期に、ソビエト侵攻後の青写真を描いていたそうです。モスクワ侵攻後さらに、東へのシベリア侵攻や、ソビエト統治のことまで、思い描いていたそうです。しかし、これらは、全部無駄になったということは歴史上の事実が示している通りです。


中国は、長期国家戦略戦略を基本にして、物事を考えています。だから、長期では、尖閣列島を手中に収めること、次には、沖縄を手中に収めること、その次の段階では、日本の西半分をその次には、日本の東半分を手中に収めようとしているわけですから、尖閣列島を日本が手放てしまえば、この国家戦略を最終目的を達成するまで継続し続けるものと思います。

だから、第二次世界大戦中に、当時のソ連がモスクワ(ナポレオンが侵攻したときは、モスクワは陥落した)は、占領させずに直前で、反攻に転じたように、尖閣諸島に関しては、軍事力を使ってでも、絶対に譲らないという考え方が必要です。また、本当に必要なら、軍事力を行使すべきです。その覚悟を持つべきです。

モスクワ市内を行進するナポレオン軍
こういうと、多くの人は、戦争の脅威を感じるかもしれまん。でも、それは避けて通れないことかもしれません。戦争を恐れて何もしなければ、いずれ、中国は、日本国そのものを手中に収めようとします。そうして、それを許せば、いずれ、現在のチベットや新疆ウイグル自治区のようになるかもしれません。そうなってからでは遅すぎます。

そうして、冒頭の記事でも理解できるように、尖閣問題については、アメリカが前面にでることなく、日本自身になんとかしてもらいたいという願いがあるのだと思います。そうであれば、日本は、近いうちに憲法を改正して、軍隊持つべきですし、核兵器の配備も考えるべきです。

日本の軍備に関しては、多くの人びとが、中国の軍拡に関して脅威を抱き、日本の自衛隊など、中国の人民解放軍には、全く歯が立たないなどと信じ込んでいるようですが、そんなことはありません。今のところ、忠吾人民解放軍が、日本に攻め込もうと思っても、現実には、なかなかできません。

日本の対潜哨戒機
まずは、制海権を得ることはできません。なぜなら、このブログにも掲載したように、日本国の対潜哨戒能力は世界一ですし、さらに、日本の潜水艦の能力も中国をはるかにしのいでおり原潜のように、長期間潜水し続けることができない以外は、世界一といっても良い状況にあります。

現在のところ、中国側は、日本の潜水艦を補足することすらできません。さらに、驚異的な能力を持つイージス艦や、中国よりも優れた航空自衛隊もありますから、これらが連携すれば、中国艦艇や、潜水艦は、尖閣諸島領域に近づくことができません。近づけば、いつどこから攻撃されるかわからない状況になります。全く相手に気づかないうちに、次々と撃沈されるという事態におちいります。そうなると、彼らは、自国の港から一歩もでることができなるということすら考えられます。

日本のイージス艦
しかし、これもあくまで、現在を標準として語っていることです。従来は、なぜか、日本の国防費は、GDPの1%以内などされ、最近では、それすら厳格に守られることなく、日本の国防費は毎年削減されつつあます。これに対して、中国は毎年増加しています。このままでは、いずれ中国と、日本の軍事バランスは反転します。そうなってからはて遅れです。日本もできれば、原潜を4つくらいはもつべきです。原潜以外の潜水艦もあと何隻かは必要です。それに、空母も持つ必要があります。そうして、最終的には、核兵器も必要です。

中国の潜水艦、彼らは今日本とまともに戦えば生きて帰れない
そうして、このようなことをするためには、今の経済の癌であるデフレ・円高政策を放置することなく、なるべく早く解消すべきです。そのためには、すぐにも、まともな財政政策・金融政策を実施すべきです。特にに、金融政策に関しては、このブログでも、再三にわたって掲載してきたことですが、今の日銀は、まるで中国人民銀行東京支店であるかのよに、かたくなに、増刷拒否の姿勢を崩さず、金融引き締め政策ばかり続行して、デフレ・円高路線を頑なに守り続けています。この姿勢では、間接的ではあれ、中国の軍備増強にも手を貸しているようなものです。

日本は私達が守る!!

こんなことはすぐにも、やめさせ、今後は、中国のためではなく、日本のための金融政策を実施させるべきです。そうして、財政政策もまともにさせて、デフレを克服して、軍備が増強できるようにすべきです。

そう思うのはわたしだけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

     


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2012年10月1日月曜日

「あえてボーッとする」時間を作るとひらめきが生まれる~反・完全主義の教え―【私の論評】波にのまれようとしないものは、完全主義者になる?!



「完全主義」という言葉のイメージは、日本では必ずしも否定的ではないでしょう。しかし英語での完全主義(「perfectionist」)は、「自分自身や周囲を評価するときに、過剰なまでに完全性を求めること」という解釈。あまりいい意味では用いられないのだと、『今の働きが「しんどい」と思ったときの がんばらない技術』(西多昌規著、ダイヤモンド社)では説明しています。

【私の論評】波にのまれようとしないものは、完全主義者になる?!


さて上の書籍、私はまだ読んだことがないのですが、上の記事では、時間計測の重要性を述べており、以下のような記載があります。
Step 1 自分の1日の行動を書き出してみる。 
Step 2 その中で、ルーティンワークに費やしている時間をマーカーで色づけしてみる。 
Step 3 自分の一日がいかにルーティンワークで占められているか、視覚化する。 
Step 4 スケジュール帳の中に、1週間に1回、それが無理なら1カ月に1回、30分程度の「予定のない予定」を組み込んでおく。 
Step 5 その時間は、カフェなどでボーッとする「ひらめきの時間」にあてる。 
『今の働きが「しんどい」と思ったときの がんばらない技術』(108ページ)
このような時間計測に関しては、何もこの書籍が最初ではなく、あまたの書籍に掲載されていることです。このブログでも、掲載していました。いくつか、掲載されていますが、たとえば、以下の記事です。

多くの人が気づく前にやめている、ライフログの本当のメリット - ライフログの達人が教える本当に役立つ3つの「記録活用法」【奥野宣之×五藤隆介対談】―【私の論評】ライフログは仕事の役に立つ!!仕事を記録しなければ、人生大きな部分の記録が欠落する!!


詳細は、上記のURLをご覧いただくものとして、以下に時間計測に関する部分をコピペしておきます。
ドラッカーは次のように述べています。

使える時間には、「こまぎれの時間」と「まとまった時間」があります。できるだけ時間をまとめようとしても、どうしても「こまぎれの時間」は残ります。 
「まとまった時間」を有効に使うには、「こまぎれの時間」にできることはそこで終わらせておいて、「まとまった時間」に持ち込まないようにしないといけないのだと思います。
ところがそれがなかなか実践できず、「こまぎれの時間」に終わらせておけばいいようなことがはみ出してしまって、「まとまった時間」を奪っていく、そのために「まとまった時間」に本来やりたかった一番大事な作業が十分にできない、僕がよく陥ることです。
上の図で2番目に挙げた「やる必要のないことをやめる」をもっと進めないとダメだなーと思っています。 
成果につながらないのに時間がかかっていること。
これを見つけて削らないといけないのですが、それを見つけるには図で1番目に挙げた「何に使っているか時間を記録」しないとですね。

そうして、この記事では、現在では、時間を計測するなら、スマホで、ライフログ・アプリを使うことを提唱しました。今なら、スマホを持っている人なら、誰でもこうしたアプリが使えますし、それに、最近のアプリでは、実際にインプットすると、集計も即座にやってくれるので、簡単このうえないことを掲載しました。ドラッカーも現代に生きていたらスマホでの計測を推奨したと思います。

それに、現在なら、スマホでどんどん写真を撮影して、Google+のインスタントアップロードで、容量などきにせずに、どんどん写真を送ることができます。 そうして、撮影場所とか、時間も蓄積できます。忙しいときなど、仕事の内容など、どんどん写真撮影し、後から、作業の時間を見て、スマホのライフログアプリに登録することもできます。とにかく、自覚測定する方法は、ここ数年でかなり発達しました。このようなシステムを活用すれば、今では、誰でも確実に時間を測定できます。


そうして、なぜこのようなことをしなければならないのかも、この記事に掲載しました。詳細は、当該記事をみていただくものとして、上の冒頭の記事では、完全主義主義の誤りについて述べていました。だから、以下でなぜ「完全主義」ではいけないのかを中心に述べていきます。


ドラッカーは、以下のようにも述べています。
優れた者ほど間違いは多い。それだけ新しいことを試みるからである。一度も間違いをしたことのない者、それも大きな間違いをしたことのない者を、トップレベルの地位に就かしてはならない。 
間違いをしたことのない者は凡庸である。そのうえ、いかにして間違いを発見し、いかにしてそれを早く直すかを知らない。 
                                           〜P.F.ドラッカー「現代の経営」

完全主義者とは、間違うことを恐れて自分の枠から出ない人のことであり、、大きな決断を下すことができない人なのだと思います。私達は、すべて社会の中で生きています。社会とは、多くの人で成り立っています。

いろいろな社会の変化があるからこそ、その変化を活用したり利用したりして、事業を営むことができます。仕事とは、それが、会社外部のお客様や、会社内部の上司・同僚、部下であれ、とにかく多くの人びとで構成された社会を変えることです。

完璧主義者は、社会を変えることが仕事の本質であるということを理解できず、仕事そのものに重きをおき、意思決定することなく、いつまでも、仕事のための作業である、計算や、素晴らしい報告書づくり、企画書づくりなどに時間を費やすことに意義を見出す人たちなのだと思います。

私が社会人になった時、当時のある会社のトップから次のようなアドバイスをしていただいたことがありました。

「うまく波にのってスムーズに社会人生活を過ごそうとするな。怖がらずに波にのまれなさい。のまれたら、今のうちはちゃんと周りが救ってくれる。

しかし、波にのまれた経験がないままの企業人は後になってのまれた人は悲惨である。誰も助けてはくれないし、自分で脱出する術も持っていないから」

多分この経営者は波にのまれ、溺れたものの、助けられたり、自分で脱出したりしてきたのでしょう。また、多くの人を波から救ったのでしょう。そうして、この方からは、ご自身の成果などではなく、失敗談の話を良くうかがいました。

その方は、当時、企業体力が落ちた自分の会社を立派に立て直し、ある年に、上場されたことを知りました。

完全主義者は、うまくいった仕事の成果ばかりを話したがるようですが、そのような話を聞くのではなく、失敗談を聞くと、その人の人となりが見えてくるものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?



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