2017年8月9日水曜日

【北ミサイル】北朝鮮が「グアム周辺に火星12を発射」と米トランプ政権に警告 小野寺防衛相名指しで「日本列島を焦土化できる」とも―【私の論評】北朝鮮の脅威が顕著になると、円高になるのはなぜ(゚д゚)!


「火星14」発射の様子
北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍は、北朝鮮に対するトランプ米政権の軍事的圧迫を非難し、中長距離弾道ミサイルと称する「火星12」で「グアム島周辺への包囲射撃を断行する作戦案を慎重に検討している」と警告する報道官声明を発表した。朝鮮中央通信が9日、伝えた。

 声明は、作戦案が間もなく最高司令部に報告され、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が決断を下せば「任意の時刻に同時多発的、連発的に実行されるだろう」と主張。米国に「正しい選択」をし「軍事的挑発行為を直ちにやめるべきだ」と迫った。

 トランプ政権が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったり、戦略爆撃機を韓国に飛来させたりしていることに反発したもので、爆撃機の出撃基地のあるグアムをけん制して警告を送るためだとしている。火星12は、5月に試射され、グアムに届く5千キロ前後の射程があると推測されている。

 朝鮮中央通信は9日、「敵基地攻撃能力」保有の検討に言及した小野寺五典防衛相や、安倍晋三首相を名指しで非難し、「日本列島ごときは一瞬で焦土化できる能力を備えて久しい」と威嚇する記事も報じた。

【私の論評】北朝鮮の脅威が顕著になると、円高になるのはなぜ(゚д゚)!

北朝鮮で有事が発生し、日本にミサイルが飛んでくるかもしれない事態になったと普通に考えるとこれは、日本にとってはマイナスな出来事ですので、ドルが買われて、円が売られる円安になるのではと思われます。

しかし、現実にはそうではありません。本日もブログ冒頭の記事のよう似、北朝鮮の危機が有るにも関わらず、円相場は上昇しました。

東日本大震災
東日本大震災の時には、日本は大きな打撃を受けたにもかかわらず、円高になり、G7の国際協調による為替介入を招く事態になりました。

実は、日本にマイナスな東日本大震災の時にも円高になったときの理由は、以前にもこのブログに掲載したように、震災からの復興のため、復興のための資材を購入したりするため、円の需要がかなり高まったためです。

そうして、このようなことは、先進国では良くあることです。実際、東日本大震災の少し前に、オーストラリアで大水害が発生したましたが、このときもいっときオーストラリア・ドルが高騰しました。

ご存知のように、その後も円高が続きましたが、それは、円の需要が高まって円高傾向になったにもかかわらず、当時の日銀が金融緩和をせず、引き締め状況を維持したからです。2013年からは、大規模な金融緩和に踏み切ったため、それまでの超円高は是正され、円安傾向となりました。

金融緩和すれば、通貨安傾向に、金融引締めをすれば、通貨高傾向になります。為替相場は、六割がたはこれで説明がつきます。

簡単に言うと、米国が金融緩和をして、日本が金融引締めをすれば、ドル安、円高傾向になります。米国が金融引締めをして、日本が金融緩和をすれば、ドル高、円安傾向になります。

米国も、日本も金融緩和をしていれば、より量的な金融緩和の度合いが高いほうの通貨が安くなります。

そうなると、金融緩和をどんどん実施すれば、自国通貨をかなり安くできて、有利になると思われる方もいらっしゃるかもしれまんせんが、これにも限度があります。

どこまでも、金融緩和を続ければ、いずれハイパーインフレを招き、良いことはありません。だから、緩和を続けて自国通貨を安くするという、通貨戦争なる幻想はなりたちません。

日本銀行
これで、為替は6割りがたが決まってしまいます。そうして、長期的には通貨高、通貨安はこれが原因でほとんどが決まります。ただし、短期的には、様々な要素があるので、後の4割は、他の要因で決まるわけです。

しかし、今回の北朝鮮の脅威に関しては、特に日銀が北朝鮮の脅威に対応して、金融政策を実行しているわけではないにもかかわらず、北朝鮮の脅威が顕著になったときには、実際には円高傾向になっています。これは、日銀の金融政策とは関係のない動きです。ではなぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
それは、大きく3つの理由によると考えられます。

①機関投資家や海外投資家のポジション解消のため
②株価下落による海外投資家の為替ヘッジのため
③日本企業や投資家などのリパトリのため

1つずつ解説したいと思います。

円高理由その1 機関投資家や海外投資家のポジション解消
最初の円高になる理由は、リスク高まったときにおこる機関投資家や海外投資家のポジション解消の動きです。 
大きなリスクがあるときは、相場がどちらに振れるかわからないために投資家がポジションを解消してフラットにする動きが活発になります。 
トランプ政権下で円安ドル高の傾向が高かったためにドル買いのポジション持っている人が多くいて、その投資家たちがポジション解消するとドル売り円買いになり、円高になるということです。
円高理由その2 株価下落による海外投資家の為替ヘッジ
北朝鮮で有事が起こった場合は、まず間違いなく日本株が下落することが予想できます。 
その際に日本市場特有の海外投資家の取引割合が6~7割という特殊性で海外投資家の動きがドル円為替にも波及してきます。 
海外投資家が日本株を買う場合は、自国の通貨から日本円に両替して日本株を買います。 
その際に為替変動のリスクがあるために同時に日本円の売りを行います。いわゆる為替ヘッジと呼ばれるもので、日本円に両替する=日本円を買うという行為を行う場合に反対の注文の日本円を売るという取引をすることによって、為替リスクを避けるというものです。 
株価が下落した場合は、株を売る際に日本円を売るという注文を解消し、日本円を買うことになります。 
株が下落すると日本円を買う注文が入り、円高になるのです。 
さらに海外投資家が、日本株を買う場合は、レバレッジを利かせて日本円を売る注文を出します。 
株価が下落した場合は、証拠金を積み増して、ロスカットを防ぐために円買いを積み増すことも起こります。 
このように日本の株価が下落した場合に海外投資家の為替ヘッジの動きのために円高になるのです。
円高理由その3 日本企業や投資家などのリパトリ
リパトリとは、リパトリエーションの略で企業や投資家が海外から本国に資金を引き揚げることを指します。 
東日本大震災の際にも保険金の支払いなどで保険会社が海外資産の一部を日本円に買える動きが出ています。 
日本に打撃があった場合は、日本で必要なお金を集めるために海外の資産を日本円に変える動きが出てきます。 
その場合も日本円が買われて、円高傾向になります。 
東日本大震災の時には、先に述べたように、円の需要が高まったにもかかわらず、日銀が金融引締めの姿勢を崩さなかったことが、円高の主要因であったことを述べました。 
それと同時に、このリパトリを先読みしてのヘッジファンドなどの円買いが入り、さらに円高に拍車をかけました。 
北朝鮮の脅威が高まると、円高になる理由として上記の3つの動きがあると思われます。ただし、短期(1年以内)の為替はほとんどがランダムウォークであり、予測は困難です。

北朝鮮有事が起こる確率は極めて小さいと思いますので、1994年や2003年のように米国側が攻撃をあきらめるというシナリオが一番ありえそうですが、最悪のシナリオを想定しておくのも重要なことだと思います。

最後にアナリストでも意見が分かれていますので、北朝鮮有事の際に円高になるか円安になるか予想した記事を一覧にします。

私が調べた限りですので、抜け漏れ等はありますが、参考にしてください。

○円高予想

・ロイター:コラム:北朝鮮有事の円相場シミュレーション=佐々木融氏

・日経新聞:北朝鮮有事で円高どこまで 豊島逸夫の金のつぶやき

・Newsweek 「トランプ円高」が加速 朝鮮半島リスクとドル高けん制で

・MONEY VOICE 北朝鮮の隣なのに安全通貨?「無慈悲な日本円買い」はなぜ起こるのか=久保田博幸

○円安予想

・ロイター:コラム:朝鮮半島有事の「日本売り」シナリオ=斉藤洋二氏

・SnkeiBiz:最悪なら「円安」シナリオも…迫る「Xデー」 朝鮮半島有事で日本経済どうなる

・フィスコ:【市況】【フィスコ・コラム】:円:北朝鮮リスク、円はどちらに動くのか?

アナリストの記事では、円高のほうが若干多いようです。私も、その立場をとります。なぜなら、北朝鮮有事の場合でも日本が甚大な被害を受けなければ、上記で述べたようなことが繰り返されることになるからです。

さらに、このようなことはあってはならないことですが、実際に核ミサイルが日本の都市に落とされたとして、現状の北朝鮮の核では大都市の場合は、たとえ、北朝鮮が全部の核を打ち込んでも全部を破壊することは不可能であるため、かなり大きな被害にあったとしても、日本国のインフラなどの大部分は残り、いずれ復興に入るはずです。

そうなれば、東日本大震災のときと同じく、円の需要が増し、当然のことながら、円高となります。

その時に、日銀が金融緩和をすれば、円高を防ぐことができます。東日本大震災あたりまでの、日銀はしょっちゅう金融政策を間違えていましたが、13年頃からようやくまともになりました。北の脅威が顕著になれば、円高にふれることはわかりきっているので、今後はまともな政策を実行していただきたいものです。

それにしても、国家破綻に近かった、ロシア危機や韓国通貨危機、アルゼンチンのデフォルト時には、当然のことながら超通貨安に悩まされました。

日本の場合は、国家が破綻するほどの災厄に見舞われれば別ですが、そうでなければ、円高にみまわれるということですから、いかに日本が強固な基盤の上に成り立っているのか良くわかります。

北朝鮮ウォンなど、今でも価値が低いですが、北有事ということにでもなれば、国際的には紙くず同然になるものと思います。

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2017年8月8日火曜日

安売りでも売れない韓国車 「THAADだけが理由ではない」お得意さまの中国で販売激減のウラ―【私の論評】韓国車が世界的に売れない本当の理由(゚д゚)!

安売りでも売れない韓国車 「THAADだけが理由ではない」お得意さまの中国で販売激減のウラ

ヒュンダイ自動車の本社(左)とキア自動車の本社(右)。ただしキアはヒュンダイの傘下にはいっている
 韓国の自動車業界が不振にあえいでいる。最大手の現代(ヒュンダイ)自動車や傘下の起亜(キア)自動車は、中国市場での販売が6割減と壊滅状態だ。在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する中国の報復措置だけが原因ではなく、安売りに頼ってきた産業構造に問題があるとの指摘もある。

 北朝鮮が7月28日に2度目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した後、韓国がTHAADの追加配備を決めたことについて、中国の外務次官補は韓国の駐中国大使を呼んで抗議するなど、中国の韓国に対する怒りは収まっていない。

 そうしたなか、現代自の6月の中国市場での販売台数は前年同月比64%減、起亜は同62%減となった。4~6月期の最終利益も現代自が51%減、起亜が53%減と大幅減益に見舞われており、両社にとって最大のお得意さまである中国市場での不振が直撃した形だ。

 7月の数字についても聯合ニュースは「1~6月の減少幅と近いレベルの不振が予想される」とする現代・起亜関係者の話を報じた。

 韓国の政府系シンクタンク、産業研究院のリポートによると、同国の自動車産業全体でも同じ傾向で、「2012年の(沖縄県・尖閣諸島問題をめぐって)日本車が中国市場で受けた打撃よりも大きい」と分析する。

 韓国メーカーは、中国の報復措置が不振の原因と説明しているが、リポートでは「韓国メーカーの競争力低下が中国市場で苦戦している原因だ」とみる。

 日本の自動車に比べてブランドイメージが低いうえ、中国の自動車メーカーも品質や安全性が向上、競争力をつけていることが韓国車低迷の背景にあるとして、「低価格、高品質だけでなく、デザインや機能などの差別化の推進が必要だ」と提言しているのだ。

 中央日報によると、韓国は昨年の自動車生産台数でインドに抜かれて世界トップ5の座から転落したが、今年に入って7位のメキシコにも差を詰められているという。

 同紙は、2013年に日銀が量的緩和政策を実施して以来、日本の自動車メーカーが円安で得た収益を研究開発に投じたことも“日韓格差”の一因に挙げている。

 欧州市場でも、日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)交渉で大枠合意し、10%の自動車関税が協定発効から7年で撤廃される予定で、韓国車の価格優位性は風前のともしびだ。

【私の論評】韓国車が世界的に売れない本当の理由(゚д゚)!

2017年5月4日、韓国・東亜日報によると、日本に進出した唯一の韓国車ブランド・現代(ヒュンダイ)自動車の昨年の日本市場での販売台数は180台で、うち乗用車は7台、残りはすべてバスでした。一方、日本車の韓国での販売台数は3万5429台で、日本で販売された韓国車の197倍に上りました。

ただ、バスについては、日本ではここ数年、訪日外国人の増加や東京五輪開催決定により、大型観光バスの需要が急増しています。

右ハンドル仕様にするなど、日本人のニーズに
応えた現代自動車の大型バス「ユニバース」
日本メーカーは作っても作っても納車が追いつかず、その結果、ヒュンダイから購入しているケースが出ているとみられるからです。

三菱ふそうなど日本勢は「五輪前までは高水準の受注が続く」とみて、期間従業員を含む作業員の増員や休日出勤、残業の増加などで増産体制を強化する構え。ヒュンダイの大台乗せも一過性の可能性があります。

韓国輸入自動車協会によると、16年に韓国で最も売れた輸入車ブランドトップ10に、日本の3社の名前が挙がりました。7位レクサス(1万594台)、8位トヨタ(9265台)、10位ホンダ(6636台)です。

こうして韓国で日本車の販売好調が続く中、日本市場での韓国車の販売実績は惨たんたるものです。日本自動車輸入組合の統計によると、16年に日本で売れた韓国車はわずか180台で、54の輸入車ブランドの中では33位、シェアは0.05%でした。販売1位はメルセデス・ベンツ(6万7495台)で、2位BMW(5万828台)、3位フォルクスワーゲン(4万7726台)など上位5位までをドイツ車が占めました。

現代車は、韓国完成車メーカーの中で唯一01年に日本に進出したのですが、04年に販売台数2524台でピークを迎えた後は下落に転じ、10年に日本市場での乗用車販売から正式に撤退しました。

進出当初は韓流ドラマ「冬のソナタ」の主演俳優ペ・ヨンジュンを広告モデルに起用したものの、市場開拓には至りませんでした。現代車の関係者は、「日本の消費者は自国ブランドへの愛着が強く、日本車の品質や安全性が非常に高水準ということもあり、外国ブランドが入り込むのが難しい」と説明しました。

2005年ペ・ヨンジュンを広告モデルに起用し、「ソナタ」の販売を開始
日本国内で販売される現代自動車ブランドで現在残るのはバスなどの商用車のみで、10年以降、日本で売れた韓国製乗用車は、在日韓国公館で使用されるものか、一部の消費者が個人的に韓国で購入し日本で新車登録したものに限られます。

ヒュンダイの乗用車が売れなかったのは、日本の同クラスの車より高い価格設定をしたことや、当時の人気車種がコンパクトカー、ミニバンで、セダン中心のヒュンダイとのラインアップにずれがあったからです。

つまり、市場のニーズに対応しきれなかったのです。当時の韓国メディアは「閉鎖的な日本市場が撤退の原因」と報じるなど、韓国民の日本に対する被害者意識は今でも根強い。こうした意識を払拭しなければ、日本での地位向上は進まなでしょう。

さらに、ヒュンダイが悲願とする高級ブランドへの脱皮も今ひとつです。2月23日に米消費者情報誌コンシューマー・リポートが発表した自動車部門別ブランドランキングでは、日本車が7部門で最高評価を得たのに対し、ヒュンダイブランドは1部門にとどまりました。これでは、ブランド嗜好の高い日本人の支持は得にくいでしょう。

こうした状況のため、韓国自動車メーカーは日本市場への進出には否定的です。あるメーカーの関係者は「収益を出すことができない市場に入ろうとする企業はない。日本では韓国車の認知度が低く、当面は日本市場の開拓が容易ではないだろう」と述べています。

この報道に対し、韓国のネットユーザーからは「日本全体で韓国の乗用車販売がわずか7台というのは正直とても衝撃的」「年間でたった7台の販売って、笑わせる」「7台って…日本人が買ったんじゃなくて、日本に住んでいる韓国人が買ったのでは?」など、年間で乗用車販売数がわずか7台だったことに多くの驚きの声が寄せられました。

また、「国産車(日本車)の方が高性能なのに、あえて性能の低い韓国車を買う人なんていないだろう」「当然だ。僕でも日本車を選ぶ」「日本車は性能もいいし、燃費もいいからね」など、日本車に対する肯定的な意見も多く聞かれました。

一方米国での韓国車のシェアはどうなっているのかについても興味のつきないところです。それは、下のグラフをご覧になって下さい。
米国の主要メーカー新車販売台数
ヒュンダイも、キアも日本市場のように売れていないということはないのですが、2017年7月のシェアでは、ヒュンダイは3.8%、キアは4.0%に過ぎません。シェア増減では、ヒュンダイは-27.9%、キアは-5.9%とともに下落しています。

これには、何か原因がはるはずと思い調べたところ、やはり妥当な原因がありました。

それは、ヒュンダイが史上初のリコール勧告を拒否し、タイヤが突然外れるが欠陥ではないと発表したためのようです。

韓国史上初めて政府のリコール勧告を拒否し、ヒアリングを受けた上で韓国国土交通部から強制リコールを通知された現代自動車に疑惑の目が注がれています。
 
ここにきて現代自は是正計画書を提出したのですが、2度にわたるリコール勧告を拒否した姿勢に対し、同部は欠陥隠蔽(いんぺい)の可能性が排除できないとして検察に捜査を依頼しました。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は米国でのリコール措置が適切だったかを判断する調査に入りました。韓国メディアも「品質信頼度と対外イメージ失墜は避けられない」と突き放している状況です。

国紙・中央日報(日本語電子版)によると、強制リコールの対象は、欠陥が確認された現代・起亜自動車の12車種・24万台です。

大気汚染を防止する部品の欠陥で走行中にエンジンが止まる可能性がある車両と、ハブナットの欠陥でタイヤが外れる可能性がある車両だといいます。

これらの欠陥に対しては同部が技術調査や専門家審議などを経て、3月と4月に2度にわたってリコールを勧告したのですが、現代自は「安全運行に支障をきたす欠陥ではない」と拒否。 ヒアリングを経て5月に強制リコール処分の通知を受けました。

ここにいたって現代自は強制リコールにひとまず従う方針を表明したのですが、「リコール命令とわれわれが主張している無償修理は実は大きく異ならない。  
ただし、安全に関連した問題でない場合、リコールをしなくてもよいためヒアリングまで受けることになった」と釈明。欠陥が安全問題と関連するかどうかをめぐっては、依然として同部との間に温度差があることを浮き彫りにしました。

こうした欠陥の公表に後ろ向きともとれる現代自の姿勢に米国当局も動き出しました。ロイター通信によると、NHTSAが現代・起亜自動車が2015年と今年に米国で実施しました。

3回のリコール措置が適切だったかを判断するための調査に着手したといいます。リコールが不適切だったと判断されれば最高1100億ウォンの罰金が科されることになります。 

当初リコールの原因となったとみられた事故の事例を以下に掲載します。以下は2014年9月の事故です。

ガールズグループLADIES’CODE(レディースコード)のメンバーが3日、交通事故に遭い1人が亡くなり2人が重傷を負うなか、事故車両である現代車の「グランドスターレックス」のタイヤが外れてエアバックが作動しなかったことが問題になっていました。 

レデイーズコード この中のウンビとリセがなくなっている
3日、LADIES’CODE所属事務所の関係者によると、事故原因は「ソウルに移動する途中、突然タイヤが外れたため」であり「運転席、後座席などのエアバックが膨らまなかった」と明らかにしました。

韓国地上波放送局SBS(ソウル放送)のニュース番組『8時ニュース』によると、現代車関係者は「エアバックが作動するのは状況によって違う。現在、警察側でもブラックボックスを確認しているとのことなので、ひとまず警察の調査が終わってからでないと我々も内容が分からない」と話したと明かしました。

また警察は事故車両やブラックボックスなどを国立科学捜査研究院に鑑定依頼し、正確な事故原因を調査していくと説明しました。

以下が実際の事故車両の写真です。
 



左後輪のドライブシャフトが折れて、ガードレールにぶつかって、かつエアバッグが膨らまなかったそうです。

しかも、毎日経済の記事によるとこれがレンタカー屋に入って初日の車で、このLADIES' CODEというグループに貸したのがはじめてだったそうです。つまり、金属疲労などあり得ないということです。

一人が死亡、一人が重体、一人が重傷でした。後に一人が亡くなっています。この状況では、これだけで済んで幸いだったというレベルのようにみえます。

監視カメラも目撃者もいないところで事故だったということなので、事故原因は完全に判明しているわけではありません。

事故当初は車の欠陥が原因とされていたのですが、10月20日、京畿道龍仁西部警察署は、ワゴン車を運転するマネージャーのスピードの出し過ぎにより車輪が外れたと発表。実況見分でワゴン車の速度が135km/h以上出ていたとして、水原地方検察庁はマネージャーに対し、懲役2年6ヵ月を求刑。2015年1月15日に公判が開かれ、1審で1年2ヵ月の禁固刑を受けたが、翌日に控訴しました。

4月15日に開かれた控訴審で禁固1年2ヵ月、執行猶予2年、社会奉仕160時間、順法運転の講義受講40時間の判決を受けて釈放されました。

この事故自体は、車の欠陥によるものではなかったようですが、ただし疑問を持つ人も未だに多いです。

確かに、この事故車両グランドスターレックスにだけ特に脱輪が多いという情報もありませんし、通常の衝突試験もそう悪い結果ではありませんでした。しかし、車輪を固定するボルトは一定以上の強度はあるものの、一定の負荷が加わるっと破断しやすいボルトなのかもしれません。

まず、ボルトが折れている事から整備ミスという説は一蹴でできるのですが、少し調べてみると、気になる苦情が目立つ事に気がつきました。それは腐食が多いという苦情です。そして、プロペラシャフト接続部の衝撃吸収機能が落ちて未舗装の道路やスピードバンプなどを高速で繰り返し過ぎる場合、トランスミッションオイルが漏れ出る現象が発見されています。他にもフライホイールに過剰な遊びが発生するという報告もあります。

これでは、いくらあの事故が車の欠陥化によるものではないといわれても、実際に乗るのは憚られます。

このようなことと、ヒュンダイ自動車の史上初のリコール拒否も相まって、顧客に不信感をつのらせたことが、販売不振の原因であると考えられます。

これでは、世界的に韓国の車が売れなくなったのも理解できます。そうして、一見頑なに見えた日本人のブランド志向による、韓国車忌避は結局のところ正しかったのかもしれません。

今頃日本にも、米国や中国のように韓国車が大量に存在していれば、大問題になっていたかもしれません。

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2017年8月7日月曜日

【沖縄が危ない!】全国に広がる「同調圧力」「沖縄メディア化」の不気味 決まり文句乱発、思考停止に似た危うさ ―【私の論評】沖縄本島を笑えない!財務省の同調圧力(゚д゚)!

【沖縄が危ない!】全国に広がる「同調圧力」「沖縄メディア化」の不気味 決まり文句乱発、思考停止に似た危うさ 

 2009年西表島に入港した護衛艦に反対する市民団体
反基地感情が強い沖縄の土地柄を語る際、よく使われるのが「同調圧力」という言葉だ。県民が内心、「沖縄を守るには、ある程度の基地が必要」と思うことがあっても、地域、職場、家庭などでの立場上、口にできない雰囲気がある。私の経験上、「同調圧力」が最も強いのは沖縄メディアの内部であり、特に駆け出しの記者は、徹底的に反基地イデオロギーの洗礼を受ける。

 十数年前、石垣島に海上自衛隊の艦船が休養のため寄港した。当時の石垣市長はガリガリの反自衛隊で、島全体が冷たい雰囲気だったが、港に集まった記者たちも、のっけからけんか腰だった。

 新人だった私がどう記事を書くか迷っていると、他社の先輩が「こう書けばいいよ」と、過去に自衛艦が寄港した際の新聞記事を渡してくれた。「武装した軍艦が平和な島に乱入し、住民を不安に陥れている」というような内容だ。親切な先輩には現在でも感謝しているが、沖縄の記者たちは、このように現場で「成長」していく。

 そのころ学校の平和教育で、戦争の悲惨さを強調するだけの授業に疑問を感じた私は「他国の脅威についても教えるべきだ」と指摘する短いコラムを書いた。

 すると上司は「戦争体験者たちの心を傷つける気か」と頭ごなしに怒鳴りつけ、原稿はボツ。当時、「中国が尖閣諸島を奪いに来る」などと口にしようものなら極右扱いされた。

 そんな石垣島を一変させたのは、皮肉にも当の中国だ。近年、尖閣周辺で傍若無人な領海侵犯を繰り返しているため、石垣島は今や、高校生でさえ堂々と「中国は脅威だ」と発言する時代になった。メディアの「同調圧力」もほぼ消えた。

 しかし、沖縄本島では時間が止まったままのようだ。「同調圧力」が怖いのは、長い間さらされ続けていると、他人に植え付けられた先入観で物事を見る癖がついてしまうことだ。沖縄メディアの反基地報道はまるで金太郎飴であり、思考停止に似た危うさを感じる。

 本土には「同調圧力」など存在しないと思っていたが、最近の全国紙やテレビを見ると、特に憲法改正や加計学園問題で「反安倍政権」のヒステリックな論調が台頭している。

 権力批判はいいのだが、言っていることがどれもそっくりなのが気になる。「安倍一強の緩み」などといった決まり文句の乱発など、自分の足で真剣に取材しているとはとても思えない。

 「同調圧力」「沖縄メディア化」が全国的に進行しているように見えるのは、不気味な現象だ。時流に流されない冷静さを、メディアはどこまで堅持できるだろうか。=おわり

 ■仲新城誠(なかしんじょう・まこと)1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

【私の論評】沖縄本島を笑えない!財務省の同調圧力(゚д゚)!

同調圧力(どうちょうあつりょく 英: Peer pressure)とは、地域共同体や職場などある特定のピアグループ(英: Peer group )において意思決定を行う際に、少数意見を有する者に対して暗黙のうちに多数意見に合わせることを強制することを指します。

人生船出の新入社員集合写真。同じ服装同じ頭髪「クローン?」「既製品?」
少数意見を有する者に対して態度変容を迫る手段にはさまざまな方法があります。少数意見を有する者に対して物理的に危害を加える旨を通告するような明確な脅迫から、多数意見に逆らうことに恥の意識を持たせる、ネガティブ・キャンペーンを行って少数意見者が一部の変わり者であるとの印象操作をする、「一部の足並みの乱れが全体に迷惑をかける」と主張する、少数意見のデメリットを必要以上に誇張する、同調圧力をかけた集団から社会的排除を行うなどです。

日本は、ブログ冒頭の記事のように沖縄だけではなく、社会そのものに、とにかく本音でモノを雰囲気が醸し出されることがあります。組織に属する会社員は誰もが、程度の差はあれある程度感じるところではないかと思います。

本当に必要なのは忍耐なのに、我慢を美徳とし、嫌いな仕事を続ける姿を美化する。みんなと足並みを揃えて、どこか違う雰囲気を持つ人間を排他的に扱う。このようなことが、日本のあらゆる組織に多かれ少なかれ存在します。

そうして、日本には違いを間違いとみなし、周囲をコントロールして支配するという悪しき構造が根付いているようです。

実は、わが国の中枢に、自分たちにしか通じない非常識を頑なに守るため、周囲をコントロールして支配する集団がいることを御存じでしょうか。

それは何かといえば、財務省です。

安倍総理が消費増税は、予定通り行うとの発言が、新聞に掲載されていました。しかし、同時に安倍総理は同時に「デフレマインドを払拭するには至っていない。デフレから脱却すれば税収が安定的に増えていく」と述べ、デフレ脱却が最優先であると重ねて主張していました。

安倍総理
なぜ、このような発言をしなければならないのか、といえば、財務省に配慮してのことだと思います。非常識な財務省は、デフレであろうが何であろうが、何かといえば増税しようとします。そのような、財務省をいたずらに刺激したくなかったのでしょう。8%増税で大失敗した安倍総理は、10%増税をしてしまえば、日本経済はとてつもないことになり、自分自身にとっても、自民党にとっても良くないことは百も承知だと思います。

残念ながら、今の日本は、総理大臣ですら、財務省に一定の配慮しなればならないという歪な構造になっているのです。
そうして、相変わらず、多くの人間は財務省の言いなりで、まともな経済理論からするとおかしくて噴飯物の議論が、平気で公共の電波を通じて撒き散らされています。無知な政治家ならともかく、いわゆる主流派といわれる経済学者や評論家、アナリストまでそうなのですから、財務省の「同調圧力」は凄まじいものがあります。この日本という国はどこまで「財務省支配」がいきわたっているのか、本当に末恐ろしいです。

10%増税は、初歩的な間違いです。消費税率が8%から10%にあげると、それに連動して、自動的に2.5兆円×2%=5兆円の税収が上がると本当に思っている人がいることです。いや、そうとしか思えない議論をしている人がいると言った方が正確かもしれません。

典型的な例が、「社会保障の財源確保のためには10%増税が必要」「財政再建のためには10%増税が必要」等々です。私自身は、景気が良くなりすぎて、明らかにインフレとなり、さらにそれが経済に悪影響を及ぼすようになったときは、増税した方が良い場合もあることは認めます。しかし、景気が悪い時に増税すれば逆に税収が落ちることは歴史が証明することでもあり、絶対に反対です。

97年に消費税を3%から5%に上げてから、国の税収が54兆円(97年)から40兆円前後(2010年)まで落ち込んだことは記憶に新しいです。未だデフレから完璧に脱却していないここ日本で、無理やり消費税を10%に上げてその分だけ税収が上がる経済状況ではありません。

財務省が主張する、巨額の財政赤字は虚偽であることは、このブロクでにも何度か掲載してきました。しかし、この虚偽を虚偽でないと仮定してみても、財務省の言い分は間違っています。

証財政再建は「経済成長」「増税」「歳出削減」のベストミクスで達成されものです。これすらわかっていない人が多いです。もし本当に、1000兆円の借金があったとして、増税だけで返すのは不可能です。何しろ、これは消費増税400%分相当です。

歳出削減は徹底的に行うにしても一般会計予算が90兆円台だから限界があります。この大借金を持続的に何年かかっても返していくためには、経済成長による税収増しかないです。

10%増税を先送りすれば、国債の信認が低下し、国債が暴落し金利が急上昇して財政が破たんするという議論もあります。ここに至っては「笑止千万」と言わなければならないです。

これは、20年以上前から、増税したい財務省(当時は大蔵省)が国民を脅すために、「狼少年」のように言い募ってきたことですが、8%増税の大失敗が明らかになった現在でさえ、「財務省御用達」の経済学者やコメンテーターがこれを真顔で語るのには、呆れ果てて二の句が告げません。

そもそも、「国債の信認」は「経済のファンダメンタルズ」で決まり、その「ファンダメンタルズ」は頗る良いというのが厳然たる「事実」です。

すなわち、日本は最大の貯蓄超過国であり、国債はほとんど国内(96%)で極めて低金利(0.5%以下)で安定的に消化されています。日本は世界最大の債権国であり外貨準備も世界最高です。日本はまさに「強固なファンダメンタルズ」を有しています。さらに、日本の国債のほとんどは、自国通貨建てであり、とてもデフォルトするなどということはあり得ません。

たかだか10%増税を先送りしたところで「国債が暴落し長期金利が急上昇」することはありえない。そうして、上述したロジックは、財務省が2002年、日本国債の格付けが下げられた時、まさにその格付け会社に反論した、その通りのことを私が敷衍しているだけです。信じられない人は財務省のHPを見てほしい。今でも堂々とこのロジックはアップされています。財務省は、国内向けと対外向けと説明を変えているのです。完全な「二枚舌」を使っているのです。

よく日本の借金は1000兆円を超える。財政状況は最悪だ。だからこそ消費増税は必要だとも言われます。しかし、借金だけ取り出して「大変だ!大変だ!」と騒いでいる国は日本にはありません。日本には、資産も多数あります。

こういうと、資産とはいっても、土地や建物などすぐ売れないから、資産があるからといって、安心ではないなどとドヤ顔で言う人もいますが、日本の場合は純金融資産がとてつもない巨額であり、これを考慮にいれると、そもそも日本の借金はさほどではありません。

さらには、政府と日銀まで含めた総体を統合政府といいますが、統合政府ベースでは、もう日本は、借金など存在せず、黒字になっています。政府の借金だけ、統合政府ベースではみないというのでは、現実が見えなくなります。

これは、民間会社でも同じことです。あの超優良企業のトヨタですら、貸借対照表上の「借金」(負債)だけ取り出せば20兆円にのぼります。誰がそれでトヨタは破たん寸前だと評することができようか。財務省の「国の借金1000兆円」はまさにこの論理です。

統合ベースでの政府の借金の推移
かつて、麻生財務大臣は、消費増税は「国際公約」だと主張していたことがあります。これも財務省の振り付けです。日本人は「舶来」に弱い。しかし、国際社会の真意は、一国の税制に細かく注文をつけることより、「日本が経済成長して世界経済をけん引してほしいというのが、本音です。

そのためには「財政破綻してもらっては困るから増税も」という程度のことです。何が何でも予定通り増税して逆に日本経済が腰折れ、悪化したら、世界経済のけん引役も果たせず、それは困るというのが国際社会の真意でしょう。だからこそ、オバマ政権時代から、米財務長官や海外エコノミスト、メディアから「増税延期」という声が出ているのです。財務省のプロパガンダに惑わされてはいけないです。

事ほど左様に、本当に経済学的に財政学的におかしな議論がまかり通っているというのが今の日本の現状です。財務官僚が執拗に、オピニオンリーダーの所を回って、こうした「経済の非常識」「財政の非常識」を振れ回っているのです。財務省も財務省ですが、それにだまされるか、だまされたふりをしているのか、わかりませんが、したり顔でメディアでしゃべる御用学者やコメンテータの情けなさといったらありません。

彼らは、完璧に財務省の「同調圧力」に屈服しているのです。

「同調圧力」は沖縄だけの問題ではないのです。日本には様々な「同調圧力」がありとあらゆる組織に根付いているのです。

私たちは、それに屈服するわけにはいかないのです。いずれ、わが国の社会に深く根付いた「同調圧力」を払拭しなければならないのです。そうでなければ、まともな社会は構築できません。

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2017年8月6日日曜日

07年追加利上げで「逆噴射」… いまも日銀で尾を引く潜在成長率の“間違った前提”―【私の論評】モノを知らないということは本当に恐ろしいことだ(゚д゚)!

07年追加利上げで「逆噴射」… いまも日銀で尾を引く潜在成長率の“間違った前提”

 日銀は、2007年1~6月の金融政策決定会合の議事録を公表した。追加利上げをめぐる議論やサブプライムローン問題への認識がどうだったのか注目されたが、議事録から何が読み解けるだろうか。

 筆者にとって、10年前の日銀議事録はきわめて興味深い。06年3月、日銀は量的緩和を解除した。筆者は当時、総務大臣補佐官を務めていたが、「消費者物価統計が安定的にプラスになっている」という日銀の主張に対し、「消費者物価統計には上方バイアスがありプラスではない」と主張していた。そのため、06年3月時点では日銀が量的緩和解除することに反対だった。

竹中平蔵氏
 この主張は、当時の竹中平蔵総務相と中川秀直政調会長らには賛同してもらったが、与謝野馨経済財政担当相らが強く反対し、結局政府は何もアクションをとらずに、06年3月、日銀は量的緩和解除した。

中川秀直氏
 筆者は当時、官房長官だった安倍晋三氏に「この量的緩和解除により半年から1年後に景気が悪くなる」と話した。結果として、筆者の主張が正しく、安倍首相は国会でも06年3月の量的緩和解除に懐疑的な意見を述べており、それがアベノミクスの金融緩和につながっている。

官房長官時代の安倍晋三氏
 そして日銀は06年7月に無担保コールレート(オーバーナイト物)について、0%から0・25%に、07年2月に0・25%から0・5%へと利上げし、さらなる金融引き締めを行った。

 06年7月の利上げは全員一致であったが、07年2月には岩田一政副総裁が反対した。副総裁は総裁を補佐する立場であり、利上げは決定会合議長、つまり総裁の提案なので、かなり異例の事態だった。

 07年2月の金融政策決定会合の議事録をみると、岩田副総裁の苦悩が読み取れる。岩田副総裁と他の委員の意見の差は、物価の将来見通しである。岩田副総裁は物価上昇率の先行きに不透明感が強いことを強調したが、他の委員は楽観的だった。

 物価については、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比でみて、06年7~12月は小幅プラス(0・1~0・3%)であったが、07年1~6月は小幅マイナス(▲0・3~0%)だったので、岩田副総裁の懸念はもっともだった。

 その根拠として、岩田副総裁は、潜在成長率を1・7%としていることを主張していた。これは驚きである。日銀は最近まで0%台半ばと言っている。4月には上昇修正し0%台後半と言っているようだが、それでも07年当時に、執行部である副総裁が1・7%と言ったのはびっくりした。もちろん当時の議事要旨にはまったく書かれていない。

 筆者としては、この岩田副総裁の前提はまともであり、その後の物価上昇率の推移を説明できると思う。しかし、日銀としてはこの意見を取り入れることはできなかった。

 潜在GDPの天井が低いという日銀の前提が、リーマン・ショックでも他の先進国でも巨額な量的緩和が採用されたのに日銀がやらなかった遠因になったといえるだろう。そして、いまでもそれを引きずっている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】モノを知らないということは本当に恐ろしいことだ(゚д゚)!

上の記事では、当事の岩田総裁が潜在成長率を1.7%としていたことが掲載されていますが、当事から本当にこのくらい成長していれば、デフレなどにはならなかったはずです。

にもかかわらず、本来緩和政策をすべきときに、利上げという金融引締めを実行してしまったことが、日本経済の転落のはじまりです。

さて、現在の日銀はどうかいとえば、やはりまともな経済理論を忘れているようです。そうして、日銀は政策に掲げているインフレ率の2%上昇の達成時期を「'19年ごろ」と1年先延ばしにしました。

日銀は消費拡大を「緩やかに進んでいる」とポジティブに捉えていますが、物価目標はすでに、'13年の導入決定からなかなか達成できていないことから、これ以上目標を掲げ続けることに意味があるのかと疑問を呈する向きも多いです。果たして「2%」という数字目標、そして今回の達成延期にはどのような意味があるのでしょうか。

そもそも、金融政策の究極的な目標は何なのでしょうか。それは「物価の安定」ではなく、「雇用の確保」を達成することです。経済理論では、インフレ率と失業率は「逆相関」の関係にあります。インフレ率が高ければ失業率は低く、逆にインフレ率が低ければ失業率が高くなるのです。これは、フィリップス曲線としてこのブログでも過去に何度か掲載してきました。

しかし、インフレ率がいくら上がっても失業率がほとんど下がらなくなる「限界」がこの逆相関にはあります。経済政策を行っても失業率の改善に効果がなければ意味がないです。

インフレ率の上限を定めているのは、失業率を無理やり下げるために極端な金融政策を実施しようとすることを自制させるためでもあります。

安倍政権の経済政策によって、現在就業者数は200万人程度上昇し、失業率は3%程度まで改善しています。

ここで重要なのは、なかなかインフレ率が上がらなくても、失業率が低下すれば金融政策の目的は達成されているということです。

日銀はあまりこのような説明をしない。というのは、日銀自身「金融政策=雇用政策」という意識が欠けていたからだでしょう。特に、民主党政権時代に任命された総裁、副総裁、政策委員会審議委員にはこのような成果基準を念頭に置かない人がほとんどでした。

しかし、おそらく今の日銀は構造失業率を「2%台半ば」と考えを改めているはずです。そして、完全雇用を達成するためには、金融緩和は継続すべきだと判断した結果が今回の目標達成の延期です。

インフレ率上昇の達成時期を'19年としたのは、裏を返せば少なくともあと2年は金融緩和を続けるということです。それと同時に、失業率を「2%台半ば」まで下げていくとの宣言でもあるのです。

たしかに金融政策は「物価の安定」を名目として実施されることが多く、今回の日銀のインフレ目標も例に漏れないです。ただし、「物価の安定」は雇用が確保されてこそ成り立つものです。

日銀もそのことに気づいて方針転換を図っているのですから、雇用の確保のために金融緩和を続けると説明したほうが国民に対して説得力もあるはずだし、これは報道にも同様のことがいえます。メディアにはもっと金融政策のリテラシーを持ってもらいたいです。

そうして、無論のこと、政治家などにもリテラシー持ってもらいたいものです。ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏が総務大臣補佐官を務めていた当事、「消費者物価統計が安定的にプラスになっている」という日銀の主張に対し、「消費者物価統計には上方バイアスがありプラスではない」と主張していたそうで、そのため、06年3月時点では日銀が量的緩和解除することに反対していたとあります。

そうして、この主張は、当時の竹中平蔵総務相と中川秀直政調会長には理解していただいたとあります。

中川秀直氏といえば、ご存知現在週刊新潮の女性問題スクープによって辞任に追い込まれた中川俊直の父親です。中川秀直も女性スキャンダル等にまみれた政治家でした。

中川俊直氏の女性スキャンダルを報道した週刊新潮の紙面
何を隠そう第66代内閣官房長官を辞任したのは、それが理由なのです。

2000年にゴシップ雑誌に中川秀直は愛人とともに一緒に撮影された写真がスクープとして掲載されました。

また愛人と過ごしている時のビデオや音声テープまでも流出したと言われていました。それによると中川秀直と思われる人物が愛人の女性に、警察情報を垂れ流していたのです。

この問題は国会で取り上げられて、厳しく詰問されるものの、中川秀直氏は否定していました。

しかし、2000年10月27日に音声テープの声の主が自分であると認め、これらの騒動の責任をとって内閣官房長官を辞任したのです。

中川秀直氏の不倫を伝える当事の週刊誌の紙面
中川秀直氏は、このようなスキャンダルにまみれた政治家ではありましたが、経済政策にはある程度まともな見識をもちあわせていました。中川秀直氏は、上げ潮派とも呼ばれていました。

上げ潮派(あげしおは)とは、経済と財政の関係において、財政(国家)による、経済(市場)への介入を少なくすることによって経済を成長させ、成長率が上がる事で税収が自然増となり、消費税の税率を上げなくても財政が再建されるとする立場を指します。

2006年、小泉政権の下、内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策担当)与謝野馨を中心とする経済財政諮問会議は、『「歳出・歳入一体改革」中間とりまとめ』と『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』を発表しました。これらの文書では、2011年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目標として掲げており、歳出・歳入の一体改革が提唱されました。

上げ潮派は、増税を先送りし金融緩和による景気刺激策や、大胆なイノベーションなどにより経済成長が達成されることで、税収が自然増となりプライマリーバランスの黒字化が達成できると主張していました。

経済学者の高橋洋一は「上げ潮派」は、自身、中川秀直、竹中平蔵の3人しかいないと明言しています。当事は残念ながら、安倍晋三氏は未だ金融政策などを理解していると高橋洋一氏は見ていなかったのだと思います。

しかし、安倍総理は第一次安倍内閣が崩壊してから、真摯に反省をして、やはりまともな経済対策の重要性を確信したのでしょう。

経済学者の田中秀臣氏は「『上げ潮派』はサプライサイド経済学だけでなく、その正反対の立ち位置と言えるオールド・ケインジアンのローレンス・クラインに理論的根拠を策定してもらっている」と指摘しています(田中秀臣 『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』 NHK出版〈生活人新書〉、2009年、123頁)。

田中氏は「『上げ潮派』の目的は『小さな政府』の実現であり、デフレ脱却が目的ではなく、『小さな政府』達成のための一手段でしかなかったところが、この政治集団の限界であった」と指摘しています。確かに『上げ潮派』の主張と一致する、いわゆる『小さな政府』を実行するため、何もかも民営化して、たとえば「株式会社大学」を設立するような試みはほとんど全部失敗しています。

現在まともに残っている株式会社大学は、4つです。その4つもかなり機能を限定しています。
LEC東京リーガルマインド大学院大学 (2004年 株式会社東京リーガルマインド) - 「LEC東京リーガルマインド大学」として設立されたが、2013年に学部を廃止し、大学院のみを存続させ、現大学名に改称。 
デジタルハリウッド大学 (2005年 デジタルハリウッド株式会社) - 大学院のみの「デジタルハリウッド大学院大学」として設立。その後、学部を設置してデジタルハリウッド大学に改称。 
ビジネス・ブレークスルー大学 (2005年 ・2010年 株式会社ビジネス・ブレークスルー) - 大学院のみの「ビジネス・ブレークスルー大学院大学」として設立。その後、学部を設置してビジネス・ブレークスルー大学に改称。 
サイバー大学 (2007年 株式会社サイバーユニバーシティ株式会社) - ソフトバンク株式会社系列。なお本学は、全講義ともにインターネット配信形式となっており、スクーリングは一切ない。
そういった意味では、高橋洋一氏はデフレ脱却を目的としていましたから、厳密な意味では上げ潮派ではなかったといえます。そうして、その後リフレ派と呼ばれる人々が出てきて、まともな財政政策と金融政策を実行すべきことを主張しました。

しかし、いずれにせよ、当事の上げ潮派の考え方が、日銀の政策などにとりいれられていて今日に至っていれば、日本は早期にデフレから脱却できていた可能性がかなり高いです。しかし、中川秀直氏がスキャンダルに塗れて、辞任してしまうようでは、それが叶わなかったのも無理はありません。

いずれにせよ、政治家にはもっと財政政策や金融政策のリテラシーを持ってもらいたいです。現在のように未だに政治家のほとんどがリテラシーを持っていない状況では、安倍内閣が終焉を迎えれば、自民党の終焉というだけではなく、その後どの党が政権の座につこうと、超短期政権で終わり、日本は混乱します。

これに関しては、日本以外の国の人々と日本経済に関して、議論をしていると良く理解できます。多くの外国人には「何でここで量的緩和解除するのか」「金融緩和なしで財政出動して、製造業を見殺しにするのか」など日本はなぜ愚かな経済対策をやるのかといわれることがしばしばあり、何とも情けない限りです。

さらに最近では、戦後初めてといっても良いくらいの、まともな金融政策を実行する安倍政権を倒閣する動きが顕著になっており、もしそれが成功したら、政治家はもとより官僚も、マスコミも、日本はとんでもないどん底に陥ることを全く理解していないようです。

いずれ日本は、また雇用もGDPもどん底に落ちて、その後ようやっと、まともな金融政策や財政政策が重要だということに気づくのでしょうか。いや、それにさえ気付かず、どん底まで真っ逆さまに落ちていくのでしょうか。

本当に恐ろしいことです。モノを知らないということは本当に恐ろしいです。

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2017年8月5日土曜日

【痛快!テキサス親父】慰安婦像設置されたブルックヘブン市の事実歪曲はひどいぜ! 誤り正すため新たな行動起こすぜ―【私の論評】慰安婦は既に過去の問題、現在の日韓には何の問題もない(゚д゚)!


テキサス親父 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
ハ~イ! みなさん。

 俺と親友のシュン(=テキサス親父日本事務局の藤木俊一事務局長)はまだ、新たにガラクタの塊(かたまり)のような慰安婦像が設置された米南部ジョージア州ブルックヘブン市にいる。疑惑が次々に発覚して、調査が長引いているんだ。

 まず、慰安婦像設置前日の6月29日、同市の市議会(公聴会)では、俺を含めて11人が意見を披露した。そのうち、設置賛成はユダヤ人女性1人だけで、残りの10人は反対だったんだ。

 ところが、アトランタ郊外に住む日本人女性のスーさんが入手した、ブルックヘブン市議会の議事録を見てショックを受けたぜ。

 俺は公聴会で「日本だけを取り上げるのは『日本たたき』だ。女性の人権を問題にするなら、朝鮮戦争時の米軍相手の韓国人慰安婦『ヤンコンジュ(洋公主)』や、ベトナム戦争時の韓国軍相手のベトナム人慰安婦など、すべての慰安婦について碑文に書くか、国名を書かないかだ」と明確に発言した。

 ところが、議事録では、設置に反対意見を述べた10人については、名前と発言内容が1行にまとめられていたのに、賛成意見を述べたユダヤ人女性の発言内容については、極めて詳細に記してあったんだ。発言時間は「1人3分以内」と決まっていたんだぜ。

 俺は完全に「事実の歪曲(わいきょく)」だと確信した。

 7月25日にも市議会の公聴会が開かれるというので、俺たちは再び市議会に乗り込んだ。スーさんも同席するなか、次のように訴えた。

 「慰安婦像が歴史を歪曲しているように、ブルックヘブン市議会の議事録は事実を歪曲している!」

 これに対し、市議会の書記官は言い訳にならないような返答をしていた。ジョージア州には、起亜(キア)自動車の工場があり、韓国系住民が多い。市議会が汚染されていると思わざるを得なかったぜ。

ジョージア州にある起亜自動車の工場
同市は慰安婦像について、「もっと人目に付きやすいように、大きな公園へ移転する」と発表した。だが、地域住民が「慰安婦像を撤去しなければ市を訴える」と立ち上がったのが真実なんだ。強力なショックを与えなければ、歪曲・捏造(ねつぞう)癖は治らないだろうな。

 俺たちは、ブルックヘブン市に対し、新たな行動を起こす計画を弁護士や日本人の同志たちと話し合っている。次回の市議会は8月8日と22日だ。また、俺は市議会に行くことになるかもしれないな。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。来週には、ワシントンDCの米国立公文書記録管理局で調べた、ソウル市などが発見したという「朝鮮人慰安婦」の映像の真実について報告できると思う。期待してくれ。

 では、また会おう!

 ■トニー・マラーノ 評論家。1949年生まれ。テキサス州在住のイタリア系米国人。サラリーマンを定年退職後、動画サイト「ユーチューブ」などで連日、評論活動を行っている。世界のあらゆる“悪”と戦う「プロパガンダ・バスター」でもある。大変な親日家であり、日本でも圧倒的ファンを獲得している。自著・共著に『テキサス親父の「怒れ! 罠にかかった日本人」』(青林堂)、『日本は、世界の悪を撃退できる』(産経新聞出版)など。

【私の論評】慰安婦は既に過去の問題、現在の日韓には何の問題もない(゚д゚)!

慰安問題を扱いにくい嫌な問題と考える人も多いようですが、私はそうは思っていません。これについては、すでに日韓合意をしたわけですから、それ以下でも以上でもないわけで、韓国側が何を言おうが、たとえ世界中を少女像で埋め尽くそうが、それとは全く関係なく、慰安婦問題は日韓合意で解決済みであるとすれば良いのです。

その根拠については、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
ついに本音解禁した文在寅大統領 韓国、慰安婦問題で対日交渉過程の検証開始―【私の論評】日韓には何も問題はない、複雑化させれば文在寅の思う壺(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に慰安婦問題に関しては、慰安婦問題は日韓合意で解決済みとすれば良いという根拠に関する部分についてのみ引用します。
日韓は、すでに「日韓合意」の上で、すでに慰安婦問題はなくなっているわけですから、その「合意」を違えてくる相手に対しては、まともに取り合わなくても良いです。それを相手の言い分などを聴いてしまえば、ありもしない問題をあることにされ、さらに複雑化させるだけです。 
ブログ冒頭の記事にも「告げ口外交」のことが掲載されていましたが、たとえこれからも「告げ口外交」をしたとしても、それはたいした問題でもありません。朴槿恵大統領は「告げ口外交」をしていましたが、ロシアーのプーチンなどはそのような朴槿恵を軽蔑していたようです。 
たまに真に受ける外国の馬鹿な人間がいたり、習近平のようにそれを利用しようとする人間もいるかもしれません。しかし、だからといって、文在寅あたりの言うことを真に受けて、日本政府を非難しようものなら、日本側としては韓国の主張するようなことは「日韓合意で解決済みである」と伝え、「そのようなことで日本を非難するのは日本国に対する内政干渉である」と非難すれば良いだけです。 
事実そうなのですから、韓国の言い分を聴くような国や、指導者などは、かえって立場を悪くするだけです。 
このように対応しても、韓国政府の態度が改まらなかった場合には、再度大使を呼び返して、韓国とは事実上国交を断絶をしてしまえばそれだけで良いことです。 
国交を断絶したとしても、韓国にとっては失うものはかなり大きいかもしれませんが、日本にとっては、軽微です。何しろ、韓国のGDPは東京と同程度です。完璧に断交したとしても、ほとんど日本と日本人には影響はありません。 
このような対応をしておけば、いずれ文在寅政権は、短命に終わりますから、文氏も蒸し返しどころでなくなります。その後の大統領も「日韓合意」の反故に執着し、まともな経済対策を実行しないなら、韓国経済は崩壊し短期政権に終わります。今のままだと、10年もしないうちに、間違いなく韓国の現在の体制は維持できなくなります。 
慰安婦問題に関して、これ以上の対応をすれば、かえって問題を複雑化させるだけです。韓国に対する対応はなるべくシンプルにすべきです。韓国政府の反応などおかまいなしに、日本としては「日韓基本合意」で日韓の間には何も問題は存在しないという立場を堅持すべきなのです。 
この方針を違えれば、それこそ文在寅の思う壺です。
そうして、安倍総理はこの方針を貫く予定のようです。組閣の後でテレビのインタビューで慰安も問題について発言していましたが、「日韓合意に基づく」と返答していました。これは、上記で掲載したように、韓国側がいくら難癖をつけようが、世界中に少女像をたたようが、一切おかまいなしに、日韓には慰安婦問題に関して何も問題は存在しないという立場を貫き通すことを意味します。

そうして、これを主に実行するのは、河野太郎外務大臣です。

河野太郎新外務大臣
 河野伸大臣は、安倍内閣の外務大臣になったわけですから、この立場を貫き通さなければならないのです。

河野太郎外相は4日に外務省で開かれた新旧大臣交代式で「(職員の)皆さんの中には父の河野洋平外相と一緒に仕事をした経験がある人もいると思うが、河野洋平と河野太郎は人間性も考え方も全く違う」と述べ「当時の経験は横に置いて、河野太郎とお付き合いしていただきたい」とあいさつしました。

河野洋平氏といえば、官房長官時代に発表した「河野談話」が「日本政府が慰安婦の強制連行を認めた」との誤解を国内外に広める原因となっただけに、洋平氏との違いを印象付けようとしたとみられます。

交代式に出席した前任の岸田文雄自民党政調会長を前に、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意にも言及し、「岸田外交の成果は枚挙にいとまがない」と岸田氏を絶賛しました。

私自身は、河野太郎氏は、安倍総理の期待に応えて、韓国側に日韓には「慰安婦問題は存在しない」という立場を理解させるか、それを理解しないまでも、「慰安婦問題」で日本側を非難しても、何も得るものはないということを理解させることになるだろうと思います。

そうでなければ、その後の政治生命はなくなります。安倍総理は本当に良い人事を行ったと思います。これだけ、はっきりと本人にも、国民にも、また日韓に利害のある米国を含む海外に対しても、彼の達成すべき目標を明らかにした人事はないと思います。

河野太郎氏は、米国の首都ワシントンにある名門ジョージタウン大学を卒業、米議会スタッフを務めたこともある河野氏の英語は完璧です。衆院外務委員長も歴任しています。

さらに父・河野洋平元衆院議長は党内親中派の大立者であり、祖父・河野一郎元農相が旧ソ連との漁業交渉での辣腕ぶりと1956年の日ソ共同宣言発表に至る過程で裏方としての活躍は語り草となっています。

つまり、この外相人事は安倍政権が関係改善を目指す対中、対露へのメッセージにもなっているのです。加えて、ジョージタウン大学時代の友人が米議会上下院の主要委員会の首席補佐官であったり、国務省生え抜きの次官補代理クラスに就いたりしています。

安倍首相は、それらを念頭に置いて河野氏を外相に指名したのでしょう。河野氏の起用が国民レベルで評価の対象になるのかどうかは分かりません。しかし、永田町と霞が関の住人たちの間では好感されているのは事実です。

このような人脈を持つ河野氏です。韓国側に対して、父親のように、容易に屈服することはないでしょう。韓国側も予想もしなかった人事に、当初は戸惑ったか好感をもったかもしれませんが、現状では手強い相手とみていることでしょう。

さて、ブログ冒頭の記事では、「ジョージア州には、起亜(キア)自動車の工場があり、韓国系住民が多い。市議会が汚染されていると思わざるを得なかったぜ」と述べていますが、この起亜自動車、米国内で今のまま安泰に事業を続けられるかどうかは、定かではありません。

起亜自動車は韓国第2位の自動車メーカーで、2年間270万台以上の新車売上を誇ります。1998年に一度経営破綻をしていて、現在では最大手のヒュンダイ(現代)の傘下に入っています。

実質的な韓国資本の韓国メーカーは現在は同グループのみの1グループ2社となっています。

さて、実質上ヒュンダイ一社となった韓国の自動車産業ですが、これに赤信号が点灯しています。昨年は、国別の生産台数でインドに抜かれて世界トップ5から転落、メキシコにも抜かれそうという惨状です。主要産業が危機に直面しているにもかかわらず、最大手の現代(ヒュンダイ)自動車グループの労働組合が全面ストライキに突入するなど、輸出への大打撃は避けられないです。

聯合ニュースなどによると、韓国自動車産業協会の集計で、今年1~7月の韓国国内の自動車生産台数は255万1937台と、1位の中国、2位の米国、3位の日本、4位のドイツを下回り、インド(257万5311台)にも抜かれました。韓国の自動車生産がインドに後れをとったのは史上初めての事態です。

2005年以来維持してきた生産台数世界トップ5から陥落した韓国ですが、さらに中南米で最大の自動車生産拠点となったメキシコ(203万856台)の猛追を受けています。ハンギョレ新聞は、「メキシコは20年までに生産量を500万台に増やす計画であり、停滞状態にある韓国の自動車生産量を超える可能性が高い」と報じました。

最大の要因が、現代(ヒュンダイ)自動車と、グループの起亜自動車などのストライキの長期化です。


現代自グループのストは恒例行事のようになっており、今年も賃金交渉で労使が折り合わず部分ストが繰り返されました。そして今月26日に12年ぶりの全面ストに突入。生産再開のメドは立たないままです。

韓国経済は朴槿恵(パク・クネ)前政権の経済失政もあって内需が低迷しているうえ、中国に依存していた輸出も、中国経済の悪化や中韓関係の悪化もあって急減するなど外部環境も厳しいです。そうして、このブログにも何度か掲載したように、現大統領の文在寅も、マクロ経済オンチなので、韓国経済は根本的に回復することはありません。

韓進(ハンジン)海運の経営破綻、サムスン電子のスマートフォンリコールなど問題山積の韓国経済ですが、自動車産業もこのまま埋没してゆきそうです。他の産業も似たり寄ったりです。

そうして、文在寅の親北姿勢も、トランプ氏の不興を買っています。今のままでは、中国だけではなく、世界中で韓国製品の不買運動が起こるかもしれません。

そうなると、韓国は八方塞がりで、日本に対してさらに慰安婦問題を再度外交カードにして、日本に対して大攻勢をしかけるという事態も考えられます。しかし、日本側としては、どこまでも突っぱねれば良いだけです。

河野新外務大臣に頑張っていただきたいです。私自身は、慰安婦問題は、もうすでに過去の問題になりつつあると思います。

韓国がまともになれば、経済などに親切に助言しても良いと思います。ただし、経済炎上はするべきではないと思います。結局文在寅がまともな機動的財政政策と、金融政策をとらない限り、いくら経済援助をしても無駄になるからです。

朴槿恵の父親の朴正煕の時のように、多大な援助をしても経済発展することもなく、捨て金になるだけです。

このような韓国の状況をみると、ここ1〜2年のスパンで物事考えれば、テキサス親父も仕事が以前よりかなりやりやすくなると思います。

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2017年8月4日金曜日

「仕事師」ズラリ!“改造暗闘”舞台裏 中韓懐柔で河野外相起用、「石破潰し」へ側近入閣で“分断” ―【私の論評】まずは経済を良くして、国民の不安を払拭せよ(゚д゚)!

「仕事師」ズラリ!“改造暗闘”舞台裏 中韓懐柔で河野外相起用、「石破潰し」へ側近入閣で“分断” 

初閣議後の記念撮影に臨む安倍首相と閣僚=3日午後、首相官邸
安倍晋三首相が3日に第3次安倍第3次改造内閣を発足させた。内閣支持率が下落するなか、閣僚19人のうち入閣経験者11人で安定感と改革断行の姿勢を示し、自身と距離のある河野太郎前行革担当相を外相、野田聖子元総務会長を総務相兼女性活躍担当相、林芳正元防衛相を文科相に起用するなど「脱お友達」で挙党一致を目指した。「ポスト安倍」では、岸田文雄外相兼防衛相を自民党政調会長に抜擢(ばってき)して重用する一方、「反安倍」の急先鋒(せんぽう)である石破茂元幹事長の側近・周辺議員を閣内に取り込むなど、「石破潰し」ともいえる側面も見せた。

 「内閣と自民党に対し、国民の厳しい目が注がれている。私自身深く反省している。新たな気持ちで結果を出していくことによって、国民の信頼を勝ち得て、責任を果たしていきたい」

 安倍首相(自民党総裁)は3日午前、臨時総務会を党本部で開き、新体制で信頼回復に全力を挙げる考えを示した。確かに、今回の改造人事には、首相の「絶対に失敗できない」という危機感が現れていた。


 支持率下落の原因は、強引な国会運営や、未熟な閣僚による答弁がもたらした政治不信だ。閣僚の半分以上を経験者で固めたうえ、混乱が続く防衛省や文科省には、小野寺五典元防衛相や林氏といった、霞が関での評価の高い「仕事師」を置いた。6人を初入閣させ、60人を超えていた「入閣待機組」の不満も吸収した。検討された、大物民間人の起用は見送った。

 失言や暴言で自民党に多大なダメージを与えた、稲田朋美前防衛相や豊田真由子衆院議員の反省を示すため、安倍首相の出身派閥でもある細田派からの閣僚起用は極力控え、岸田派や麻生派にポストを振り分けた。

 「政権の骨格」となる麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官は続投する。

 こうしたなか、巧妙な人事手腕も見せている。

河野太郎氏
河野氏の外相起用は、今回の内閣改造で最大のサプライズといえる。

 英語が堪能で、衆院外務委員長も経験し、議員外交にも熱心な河野氏は有資格者といえる。ただ、河野氏は「党内左派の首相候補」とみられており、保守の安倍首相とは政治理念で距離があった。

 河野氏を重要閣僚に抜擢した理由について、官邸周辺は次のように分析する。

 「行革担当相時代、内閣の方針には従うなど、まず『政治家・河野太郎』を信頼している。後ろから鉄砲を撃つ石破氏とは違う。河野氏の父は『親中派』『親韓派』として有名な河野洋平元外相であり、東アジア情勢が緊迫化するなか、中国や韓国を懐柔し、党内左派も落ち着かせる効果がある。保守派は批判するだろうが、河野氏としては、中韓が仕掛ける『歴史戦』の最前線に立ち、日本の名誉を守る重い責任を負うことになる」

 河野氏は3日朝、「政権というのは国民の未来を明るくするためにしっかり頑張るものだ。支持率は、それができていればついてくる」と語った。河野氏が外相として実績を残せば、岸田氏の次の世代のホープに浮上する。石破氏には「世代交代」を感じさせる人事といえる。

野田聖子氏
「反安倍の女性闘士」とみられた野田氏の起用も、巧妙だ。

 安倍首相と野田氏は1993年初当選の同期だが、「保守とリベラル」という政治理念の違いもあり、対立してきた。ただ、昨年11月、同期当選組が集まった席で、野田氏が「これからは『安倍・野田連合vs石破』でやっていこう」と、安倍首相に呼びかけたと伝えられる。

 「安倍首相としては、来年秋の党総裁選を見据えて、『反安倍』の石破-野田連合が構築されるのを防ぐ狙いもあったのでは。一種の分割統治ではないか」(官邸周辺)

 石破氏の側近・周辺議員も閣内に取り込んだ。

 農水相に決まった斎藤健農水副大臣は、石破氏率いる「水月会」の主要メンバー。国家公安委員長兼防災担当相の小此木八郎国対委員長代理と、地方創生担当相の梶山弘志元国交副大臣は、石破氏が立ち上げた「無派閥連絡会」に所属していた。

 安倍首相は追い込まれたなかでも、考え抜いた配置をしている。

 永田町関係者は「今回の内閣改造で、官邸は支持率が急上昇するとは思っていない。手堅く、一歩一歩、政策を実行していく構えだ。一方で、ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮攻撃も示唆するなか、日本は戦後最大の試練を迎える可能性がある。『政権の安定は不可欠』と考えており、幅広い人々に支持される人材を選んだ。『有事対応内閣』という側面もある」と語っている。

【私の論評】まずは経済を良くして、国民の不安を払拭せよ(゚д゚)!

共同通信社が3、4両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は44.4%でした。前回7月の調査より8.6ポイント上昇しました。不支持は9.9ポイント減の43.2%で、ほぼ拮抗しました。今回の内閣改造、自民党役員人事を「評価する」との回答は45.5%で、「評価しない」は39.6%でした。

総務相に起用された野田聖子自民党元総務会長に「期待する」は61.6%で、「期待しない」は31.4%。外相に起用した河野太郎元行政改革担当相に「期待する」は55.6%、「期待しない」は34.8%でした。

内閣を改造した安倍晋三首相は経済再生を第一の課題に挙げました。今回の支持率の上昇は、この経済再生に対する期待の高まりであると考えられます。

しかし、各種経済調査では景気回復の判断が出ているものの、安倍政権が目指すデフレ脱却は、まだ実現していません。経済再生の道のりは、今のままでは容易でないでしょう。

安倍首相が政権交代を果たし、アベノミクスと呼ばれる経済政策を掲げたときは先行きに期待が生まれ、デフレの重い雰囲気が変わりました。それから5年近くが過ぎて当初の期待感は薄れています。

アベノミクスの当初の三本矢
その原因は、8%増税の大失敗ということは、様々な統計資料からみて明らかなのですが、増税推進派の財務省、マスコミや、多くの政治家、識者らは、多くを語りません。語れば、自分たちの失敗を認めなければならないからです。

そのためもあつてか、彼らの多くは増税の失敗を認めず、アベノミクスそのものが失敗したかのような印象操作を行っています。

そのため、当初の多くの国民の期待は、今や失望に変わろうとしています。安倍首相は厳しい現状を重く受け止め、期待を高める力を取り戻さなければならないでしょう。

デフレから抜け出すためには、平成31年10月まで増税延期というだけではなく、増税そのものをデフレから完璧に脱するだけでなく、経済に悪影響が出るほどのインフレにならない限り、無期限延期にすることを周知徹底すべきです。要するに、アベノミクスの初心に帰って、機動的な財政政策を実行することを宣言するのです。

その決意を誰にでもわかるように国民に対して示すために、消費税を5%に戻すことを宣言することなどによって、国民が将来に対して明るい予想を持てるようにすることが欠かせないです。これだけ、国民の期待感が薄れている中では、このくらいのことをしなければ、国民は納得しません。

日銀はデフレ脱却に向けて掲げた物価上昇目標の達成が遅れる要因として、企業と家計にデフレマインドが根強く残っていることを挙げていました。しかし、これは間違いです。多くの国民にデフレマインドが残っていることは事実ですが、それは、量的金融緩和が不十分だからです。

なぜなら、失業率が3%台を推移しており、最近は2%台になってはいますが、いまだ構造的失業率である2%台半ばにまで安定的に下がっていないからです。これが、安定して2%台半ばに下がるまで、追加の量的金融緩和を実施していないから、金融緩和によって雇用面では随分改善されたのですが、未だに実質賃金が目に見えてあがるという状況にはありません。

緩やかなインフレが実現すれば、たとえば同じ会社で同じ職位についていたとしても、20年もすれば賃金は倍になります。1年、2年では誤差のような上がり方かもしれませんが、20年もたつ目に見えて上がります。ただし、インフレですから、物価にスライドさせてみると、1.5倍くらいという感覚です。

また、非正規と正規労働者の賃金は、同じ仕事を同じ時間だけ実行した場合は、パート・アルバイトのほうが高くなります。これは、緩やかなインフレであれば、人で不足なので、短期の仕事の場合ある程度賃金を割高にしないと人手を集められないからです。

これは、デフレではない先進国では、ごく当たり前の状況です。かつてのデフレになる前の、大昔の日本でもそうでした。20年後という未来に対して、このように考えられるか、そうでないかでは、天と地の差です。

職位があがれば、さらに賃金は上がります。能力のある人、努力する人は賃金が20年で数倍になるということもあります。これが、デフレではいつまでたっても、賃金が上がらないどころか、下がるというのですから、夢も希望もありません。

しつこいデフレマインドを払いのけるためには、日銀が大規模な金融緩和を粘り強く続けるだけではなく、量的拡大必要不可欠です。追加の量的緩和効果の拡大に向けて、政府が財政出動で需要を増やす施策も検討すべきです。

今は内閣の支持率低下に伴って、安倍政権の経済政策を疑問視する声が台頭しています。しかし、ここで金融緩和を縮小し、緊縮財政に転じればデフレ脱却は遠のくは明らかです。経済最優先の政策を貫くためには、安倍首相が政権交代時の原点に立ち返って信頼を取り戻すことが何より大事です。

過去の金融緩和をはじめとする経済政策は確実に成果を出しています。景気回復のペースが緩やかなため実感がないという反応もありますが、求人倍率の上昇と失業率の低下は政策効果を明確に物語っています。雇用が悪化せずに、良くなっているのですから、安倍政権の経済対策は総体においては、うまくいったとみるべきでしょう。

実質賃金の向上など、雇用情勢がさらに目に見えて改善すれば経済再生は近いです。こうした期待を多数の国民が実感できるか否かの手腕の有無が首相に問われています。そうして、閣僚はこうしたことに安倍総理が専念できるように、与えられた役割を全うしていただきたいものです。

少なくとも、安倍総理の足手まといになるようなことだけは、絶対に避けていただきたいです。

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2017年8月3日木曜日

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代表辞任を表明した蓮舫氏。民進党が党勢を回復する可能性はあるのか
 民進党は蓮舫代表が辞任を表明し、前原誠司元外相と枝野幸男元官房長官が代表選への立候補の意向を示しているが、民進党が党勢を回復する可能性はあるのか。

 まず今後のスケジュールを検討しておこう。1年前の民進党代表選は8月2日に公告され、選挙日は9月15日だった。今回は9月1日投開票で調整されている。

 代表候補者は、民進党国会議員の推薦人を20人以上確保する必要がある。今のところ、前原氏、枝野氏のほか、第3の候補を模索する動きもあるようだ。

 こうした民進党の動きは、安倍晋三政権の支持率が落ちていることと無縁ではない。

前原氏と枝野氏
 7月2日に行われた東京都議選では、自民党敗退の陰で目立たなかったが民進党も惨敗している。2009年都議選で54議席、13年に15議席、今回は5議席と10分の1に縮小している。こうした状況なので、安倍政権で解散風が吹いても、今の民進党では受け皿にもはけ口にもならないわけだ。

 そこで、民進党内の一新が求められていた。都議選の敗戦を受けて、野田佳彦幹事長が辞任した。そのとき、蓮舫代表は続投の意思を示していたが、野田幹事長がいないと何もできなかったのだろう。後任の幹事長を引き受ける人がいなかったともいわれている。そこで一転して蓮舫代表が辞任となったようだ。

 これは遅きに失したとはいえ、野党の行動としてはまずまずだ。しかし、当面国政選挙がないと思われるなか、国民の受け皿にはならない。10月に衆議院青森4区と愛媛3区の補欠選挙が行われるが、10月10日告示、22日投票という予定だ。これらの選挙区では自民党が2つとも議席を持っていたが、そこで民進党が勝てるかどうかがポイントとなるだろう。

そこで重要なのが安倍政権との差別化だ。安倍政権の外交は、歴代政権の中でも海外渡航でも図抜けている。長期政権だったので、世界の首脳の中でも経験豊富で外交実績も挙げている。

訪問先のイスラエルで生命を発表する安倍総理大臣
 内政では、本コラムで指摘するように雇用などで実績がある。唯一の弱みとしては、最近の一部メディアの戦略にはまってしまったことだ。森友、加計学園ともに、首相の関与が問題とされていたのに、次々と論点がすり替えられ、今では国会などでの答弁で信頼性を欠いているとされた。首相の関与を示すものは一切ないが、結果として政権支持率は低下してしまった。

 ただし、これだけで民進党が受け皿になるわけではない。やはり経済政策がカギである。ところが、有力とされている前原氏は、財政再建・緊縮財政路線であり、消費増税を掲げている。また枝野氏は、かつて筆者とテレビで議論した際、金利を引き上げることを経済成長の条件としているなど、両者ともに、マクロ経済政策による雇用の確保はできないだろう。

 これでは、政権支持率が低下しても、代わりに民進党というわけにいかない。このまま政権支持率低下が続くと、いずれ自民党内での争いになるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】有権者の真の声が聴けない政党も政治家も滅ぶ(゚д゚)!

上の記事では、民進党の再生には経済政策がカギであるとしています。しかし、前原氏も枝野氏も、酷いマクロ経済音痴です。

どのくらい音痴かというと、二人とも見当違いともいえるような経済観を持っています。これについては、あとでも述べますが、自民党の議員も五十歩百歩のところがありますが、それにしても、この二人は図抜けて酷いです。

まずは、前原氏の驚きの発言を紹介します。2013年1月13日、当事民主党の前原氏は以下のようなことを語っていました。

前原氏
デフレの原因は人口減である。それから、(当事の日本の)急激な円高は、震災によるサプライチェーンの分断によるものである」という驚くべき発言です。

デフレ、インフレとは貨幣現象です。人口の増減は関係ありません。こんなことは簡単に論破できます。たとえば、少し物騒なたとえですが、中性子爆弾が日本落ちて人口が半減したとします。これで、インフレになるのかデフレになるのか考えれば、すぐにわかります。

ちなみに、中性子爆弾とは核兵器の一種。核爆発の際のエネルギー放出において中性子線の割合を高め、生物の殺傷能力を高めたものです。建物・インフラなどにはあまり被害を与えず、人間をはじめとする生物を殺傷します。

ここでは、中性子爆弾は建物やお札や貨幣など一切破壊せず、生物の命を奪うものと仮定します。この爆弾が日本全国に落とされ、一気に人口が半分に減ったとします。ただし、お金はそのまま残ったとします。そうなると、これはインフレでしょうか。デフレでしょうか。

無論、人口が半減しお金がそのまま残ったのですから、これはインフレです。これでおわかりでしょう、デフレの原因は人口減であるという説は、全くのトンデモ説なのです。

そうして、このようなことは、上記のような物騒なたとえをしなくても、以下のグラフをみればすぐにインフレと人口減は関係ないことがわかります。


このグラフにも掲載されている相関係数をみればわかりますが、人口増加率と一人あたりGDP伸率との間の相関係数は0.09です。この相関係数1であれば、完璧に相関関係があるとみなすことができますが、1より小さければ、小さいほど相関関係は低いということです。0.09ではどうみても、相関関係はないとみるべきです。

次に、円高は震災によるサプライチェーンの分断によるものという珍説ですが。これも全くいただけないです。ちなみに、サプライチェーンとは個々の企業の役割分担にかかわらず、原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでの全プロセスの繋がりのことをいいます。

円高になる要因は、様々な要因がからんでいて、予測するのはかなり難しいですが、日本が金融引締めをしていて、他国が金融緩和をしている状況では、円高になる傾向が強いです。

それは、簡単な理屈です。日本が金融引締めをしていて、日本以外の国々が金融緩和をしていれば、円は少なくなり、他国お金は多くなります。そうなると、円の価値があがります。すなわち、これが円高になります。

為替の予想、特に短期の予想は他にも複雑な要素があり非常に難しいのですが、それでも6割がたはこれで説明がつきます。この状況が長期にわたれば、円高になる確率はさらに高くなります。

当事の日本を振りかえつてみると、2013年1月13日当事には、まさに日本はこの状況であり、米国をはじめとするほとんどの国々が金融緩和をしていたにもかかわらず、日本は金融引締めをしていました。

さらに、自然災害などがおこると、発展途上国などの場合は別にして、日本のような先進国の場合は、復興のために、自国通貨への需要がかなり高まります。需要が高まるということは、これすなわち通貨高になります。これは、日本だけではなく、オーストラリアの水害のときにもみられた現象です。

再度まとめると、2013年1月あたりまでの日本の超円高は、他国が金融緩和をしていたにもかかわらず、日本では日本銀行が頑なに引き締めを実行していたことと、震災からの復興のための資金需要の高まりによるものです。

これは、その後4月から日銀が金融緩和に転じてから、円安傾向になったことからみても、確かです。

前原氏の震災によるサプライチェーンの分断によるものという説は、多少はそのようなこともあったかもしれませが、それが主要因ではありません。

このように、前原氏経済観は、根底から狂っています。

枝野氏
次に枝野氏ですが、ブログ冒頭の記事にもあるように枝野氏が「金利を引き上げることを経済成長の条件としている」ということで、これもトンデモ理論を信奉しているとしかいいようがありません。

枝野氏は2008年9月下旬のテレビ朝日系列の「朝まで生テレビ」の番組中でこの珍説を披露していました。当時はもちろんリーマン・ショックが世界中で顕在化していました。

通常は、経済危機や深刻な不況のときは、金利を引き下げることが重要です。もし金利を引き下げる余地がないときは、今度は中央銀行が供給するマネー自体を増やしていく、さらには物価安定目標(インフレ目標)の導入で人々の予想をコントロールしたりすることが重要です。

なぜ金利を引き下げるかといえば、経済が落ち込んでいるときは、民間の消費や投資が振るわないときです。例えば、住宅ローンでも車のローンでも金利を安くした方が借りやすくなります。

もちろん金利が変動型であればそれだけ返済負担も少なくなる。消費だけではなく、企業の設備投資のための金利負担も軽くなります。

どんな教科書にも経済危機や不況に、金利を引き上げて景気回復が行うべきなどということは、書かれていません。当たり前のど真ん中ですが、そんなことを経済危機の時に行えば、経済は壊滅的な打撃を受けることになります。それをリーマン・ショックの時期に行えなどと主張するのは、完璧なマクロ経済音痴と言っても過言ではありません。

枝野氏は雇用に関しても、全く見識がありません。昨年1月8日、衆院予算委員会で当事民主党の枝野幸男幹事長が質問に立ち、物価の変動を考慮した実質賃金について、民主党時代は高かったが、安倍晋三政権で低くなっていると批判しました。

確かに、実質賃金については、枝野氏のいうとおりですが、就業者数では民主党時代には30万人程度減少し、安倍政権では100万人以上増加しています。

そうして、名目賃金は物価より硬直的ですが、金融政策は物価に影響を与えられます。このため、金融緩和すると当初は実質賃金は低下し、就業者数が増加します。さらに金融緩和を継続すると、ほぼ失業がなくなる完全雇用の状態となります。そうなると今度は実質賃金も上昇に転じてきます。

経済の拡大によって就業者数は増加しますが、逆に金融引き締めを行うと、実質賃金が高くなり、就業者数が減少。完全雇用からほど遠くなります。


民主党政権と安倍政権の実質賃金と就業者数のデータは、民主党政権では事実上の金融引き締め、安倍政権では金融緩和が実施され、枝野氏の批判は、その通りの効果が現れてきたことを示しているだけであり、雇用政策から見れば、安倍政権の方がはるかに優れています。

民主党政権時代に就業者数の減少を招いたにもかかわらず、実質賃金の高さを誇るのは、雇用政策からみれば噴飯ものとしかいいようがありません。就業者数が減り、実質賃金が上昇することで喜ぶのは「既得権雇用者」たちです。つまり、既得権者保護の政治を民主党は公言していることになります。非正規雇用者、新卒者、失業者という「非既得権雇用者」の利益は考えていない、ということです。

以上のことから、どちらが代表になったにしても、民進党が再生するということはありません。もう一人、代表戦の候補者が出そうですが、これが馬渕氏あたりであれば、彼は民進党内ではただ一人経済にも精通しているので、見込みもあるかもしれませんが、馬淵氏にはその気はないようですから、どうにもなりません。

では、自民党はどうなのかというと、安倍総理とその側近は例外として、経済に精通している人はいません。一作日は、ポスト安倍の有力候補となった岸田外務大臣について、このブログに掲載しました。

しかし、その岸田氏にしても、前原氏や枝野氏それから、自民党内の石破氏よりは酷くはありませんが、経済に精通しているとはいえません。

一昨日のこのブログにも掲載したように、都内で開いた岸田派のシンポジウムで、岸田氏は、4年半のアベノミクスの成果を強調する一方、格差の問題点に言及しました。派閥創設者の池田勇人元首相が所得倍増論を進める中で、中小企業や地方対策といった格差是正にも努めた事例を紹介。アベノミクス修正の必要性を指摘しました。

岸田氏は来場者から政権を取った場合の政策を問われ、「閣僚なので内閣不一致になっちゃいけないと思いつつ覚悟して来た」。言葉を選びつつ、「これだけはやりたいのは何か。成長と分配のバランス」。アベノミクスが成長戦略に偏りがちであることに懸念を持っていることを示唆しました。

しかし、格差の是正をするためにも、まずは経済を良くすること、さらに雇用の面でも、所得をあげるためには、まずは現状の失業率の3%台では、まだ不十分であり、構造的失業率である2%半ばまでもっていかなければ、実施賃金はなかなか上がりません。そのために、物価目標2%が達成させていない現在追加の量的金融緩和は絶対に実施しなければなりません。

そのことを岸田氏は理解していないようで、まずはマクロ的な政策で、雇用や経済が十分に回復していないうちに、ミクロ的な政策を打ったとしても、ほとんど成果をあげられないという現実を理解していないようです。

しかし、岸田氏はアベノミクスを完全否定しているというわけではなく、石破氏などと比較すれば、まだまともです。

しかし、自民党の中でも年配の議員のほとんどや、若手であってすら小泉進次郎議員などのような一部の議員は、積極財政とか、金融政策などという考え方は及びもつかず、経済対策というと、とにかく公共工事をやれば良いくらいのことしか考えていないようです。そうして、あろうことか、公共工事がだめなら、増税すれば良いなどと考えているようです。減税や、給付金などの対策は思い浮かばないようです。

公共工事を増やすにしても、公共工事の供給制約があることや、供給制約を克服できたとしても、工事を過大にすればクラウディング・アウトの危機に見舞われることなど眼中にないようです。クラウディングアウト(英: crowding out)とは、行政府が資金需要をまかなうために大量の国債を発行すると、それによって市中の金利が上昇するため、民間の資金需要が抑制されることをいいます。

現在の日本は、雇用はかなり改善されたのですが、実質賃金もあまり上がらないし、物価目標はなかなか達成できていません。これは、さらなる量的追加金融緩和が必要なのはいうまでありません。

そうして、2014年の8%増税を期に、個人消費は冷え込み、全国の百貨店が相次ぎ閉店しています。

2017年2月28日、セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のそごう・西武が運営する茨城県つくば市の西武筑波店と大阪八尾市の西武八尾店が閉店。その前日には、さくら野百貨店仙台店を運営するエマルシェ(仙台市)が仙台地裁に自己破産を申請して営業を停止するなど、閉店ラッシュが止まりません。

さらに、地方のコンビニの閉店ラッシュも止まりません。

これらの地方の生の声を真摯に聴けば、消費税増税は完璧な失敗であり、効果のある経済対策をするには、まずは消費税を5%に戻すこと、さらに実質賃金や格差を是正するためにも、追加金融緩和すべきことは明らかです。

流通大手イオンの岡田社長は12日の決算会見で、「脱デフレは大いなるイリュージョンだった」と述べ、消費の厳しい現状を指摘しました。

イオンの2月までの1年間の決算は、本業のもうけを示す営業利益が前の年度に比べて4.4%増え、1847億円となりました。

一方、岡田社長は、これまでの経営方針には課題もあったと指摘しました。

イオン・岡田元也社長「“脱デフレ”というのは大いなるイリュージョン(幻想)だったと思いますが、これをきちんと見抜いて対処することに著しく欠けた」としています。

確かに、雇用は良くなっているのですが、8%増税の破滅的な大失敗によってGDPの伸びは少なく、未だ韓国以下の伸びです。

岡田社長は、消費税の増税などで値上げ圧力に屈したと指摘した上で、インターネット通販の拡大で低価格化がすすみ、消費者にも依然、節約志向があることから、今後は、ディスカウント事業に力をいれるとの考えを示しました。

安倍総理は外野の声に惑わされることなく初心に帰るべき
こうした変化を謙虚に分析して、経済に対して適切に対応していかなければ、本来政治家など勤まらないはずです。にもかかわらず、トンデモ経済論を信奉したり、経済対策といえば、公共工事や増税しか思い浮かばないような政治家は、政治家として失格です。

民進党であろうが、自民党であろうが、他の党であろうが、こうした経済の現実を知らなければ、どの政権でも短命に終わります。

それに、政治家個人でも、いつまでもトンデモ経済論にしがみついたり、有権者の生の声を聴いてそれに正しく応えることができないというのであれば、現在では多くの人が経済や雇用に関しても、わかりやすく説明時代には、いずれ有権者の怨嗟の対象となり、今後の選挙では当選できなくなるかもしれません。

地方の百貨店や、コンビニ(フランチャイズが多い)も過去のデフレや、8%増税に耐えに耐えてきたわけですが、もう堪忍袋の尾がきれかかっています。他の業界でも、そのようなところは多いです。

結局有権者の真の声が聴けない政党も政治家も滅ぶということです。このような状況では、安倍総理は初心にかえって、構造改革やミクロ手法の前に、量的追求緩和や、積極財政に大きく舵を転じていただきたいです。

そうして、ポスト安倍に関しても、もし安倍総理がそれが可能なら、後継の人に因果を含めて、まともな金融政策、財政政策をしない限り、民進党の再生が全く困難になったように、自民党もその運命を辿ることを理解させ、因果を含めるへきです。

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