2014年10月13日月曜日

小笠原に押し寄せる中国船、「宝石サンゴ」密漁か 「守るすべない」「島民は不安」―【私の論評】これは第二の尖閣問題に発展するかもしれない!尖閣問題は中国の第一次列島線に関係するが、小笠原侵入は、第二列島線の下準備かもしれない(゚д゚)!

小笠原に押し寄せる中国船、「宝石サンゴ」密漁か 「守るすべない」「島民は不安」



世界自然遺産に登録されている小笠原諸島(東京都)沖に中国船とみられる不審船が押し寄せている。目的は高級サンゴの密漁とみられ、その数は日を追うごとに増加。夜間には水平線に不審船の明かりが並び、島の近くまで接近する船もある。「自分たちの領土で好き勝手にされているのに、見ていることしかできない」。傍若無人な振る舞いに地元漁業にも影響が出ており、国境の島では不安が広がっている。(松岡朋枝)

×   ×   ×

今月8日夜、皆既月食を観測しようと母島のヘリポートに集まった島民は息をのんだ。南の海上に「えらい数」の漁船の明かりが見えたからだ。小笠原では、集魚灯を使用した漁業は禁止されている。

「夜間だけではない。最近は日中にも目撃されるようになった。かなり広い範囲で堂々としたものだ」

小笠原村議会の佐々木幸美議長は説明する。父島と母島を結ぶ定期船からも、航路上で日中に10隻ほどの不審船を確認したとの報告があったという。

父島でダイビングショップを営む男性も、不審船を目の当たりにした一人だ。9月22日、客を連れて訪れた嫁島付近で東の水平線から不審な船が姿を見せた。5隻、10隻、15隻-。鉄製で中国旗を掲げた船団は、あっという間に20隻程度に膨れあがった。

「中国から小笠原沖まで航行して採算が取れるのはサンゴしか考えられない」

東海大海洋学部の山田吉彦教授(海洋政策)は中国船とみられる船の狙いがサンゴの密漁だと分析する。

日本産のサンゴは品質が良く、中国では高値で取引される。日本珊瑚(さんご)商工協同組合によると、「宝石サンゴ」とも呼ばれる赤サンゴの卸値は10年で約5倍に上昇。平成24年の平均取引額は1キロ約150万円で「金より高値で取引されることもある」(同組合)。

宮古島(沖縄県)沖や五島列島(長崎県)周辺もサンゴの生息地だが、山田教授は「警備が厳しくなった結果、小笠原まで足を延ばすことになったのではないか」と指摘。「サンゴは貴重な資源であると同時に、海底の形状にも影響する。サンゴの乱獲は生態系を壊すことにもつながる」と警鐘を鳴らす。


この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】これは第二の尖閣問題に発展するかもしれない!尖閣問題は中国の第一次列島線に関係するが、小笠原侵入は、第二列島線の下準備かもしれない(゚д゚)!

田母神氏は、この事件について以下のようなツイートをしています。
まさにこの通り。

ちなみに、珊瑚は 刺胞動物門花虫綱に属する動物(サンゴ虫)のうち固い骨格を発達させる種で 宝石になるものや サンゴ礁を形成するものなどが有ります。

珊瑚礁の海を泳ぐ女性

珊瑚は宝石の原材料ともなります。

伊サルディ産天然深海赤珊瑚ブレスレット
美しい沖縄の血のり珊瑚
それにしても、中国船のこの傍若無人な振る舞い、決して捨て置けるようなことではありません。尖閣諸島は、過去の日本政府の初動体制が非常に不味かったため、現状のように中国艦船や航空機がしばしば領海や領空を侵犯するようになってしまいました。

その二の舞いにはなりたくないものです。日本政府も毅然とした態度で、これに対処し、徹底的に拿捕や送検をして、このような中国の密猟者たちを徹底的に懲らしめ、二度とこのような事ができないように叩きのめすべきです。

それから、この問題は、環境破壊の問題でもあります。この地域では、本来珊瑚をとってはいけないはすです。グリーンピースや、シー・シェパードなど、こういうときにこそ、この海域に出没して、密猟の妨害をすべきです。
太地町に姿を現したシー・シェパードの面々
しかし、彼らにはそんなことはできないかもしれません。太地町の純朴な漁民やそれを支える地元住民の人々に対しては、自らの身の危険を感じることがないので、抗議活動ができるのかもしれませんが、粗暴な中国の船に対してはできなのだと思います。

今回のこの出来事、以上のような単純なことですめば良いのですが、さらなる不安要因もあります。小笠原諸島というと、実は中国が将来自分のものにしようとする全く自分勝手な、列島線の中にも含まれています。

この列島線には、二種類あって、第一次列島線と、第二次列島線があります。この第二次列島線には小笠原諸島も含まれています。

これに関しては、以前このブログでも紹介したことがありますので、その記事のURLを以下掲載します。
日本が宮古島に地対空ミサイル展開 中国の太平洋への出口封鎖する狙いか(China.org.cn)―【私の論評】このままでは第一列島線確保もままならぬ中国の蹉跌(゚д゚)!永遠に無理か?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に中国の列島線に関わる部分のみ引用させいいただきます。

第一列島線とは、上の図の緑の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアの諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開してい。この軍事戦略において近海と外洋を分ける目標ラインとされる。 
第二列島線とは、上の図の紫の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、伊豆・小笠原諸島からグアム・サイパンを含むマリアナ諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開している。この軍事戦略において外洋の範囲を示す目標ラインとされる。
尖閣諸島や、東シナ海、南シナ海への中国海洋進出の問題は、明らかにこの中国の第一列島線に関わる問題です。これについては、もう最近のこれらの地域における中国の挙動によって、誰もがこれらと第一次列島線との関係を認めざるをえない状況にあると思います。

小笠原にも関係する第二次列島線に関しては、ほとんど問題にされてきませんでしたが、今回の中国戦侵入はこれと関係あるかもしれません。だだの欲たかりが、金儲けのためだけに、わざわざこの海域に侵入してきているだけではないかもしれません。

ここで、日本政府の出方が甘ければ、中国は最初はこうした密猟などで既成事実を繰り返し、その後に尖閣周辺でみられたように、中国艦船を出動させ、新たな領土問題をつくりあげる魂胆かもしれません。

尖閣問題は、ある意味中国政府等による、国内デモンストレーションでもあります。中国人民の中国政府に対する批判や攻撃をそらすため、尖閣で示威行動をして、人民の目をこちらに向けるという戦術です。

しかし、これはもすすでに過去に何回もやり、その後一向に進展しないことから、あまり中国国内でも、注目を浴びることはなくなってきています。

そこで、新たな問題を起こして、中国人民の目を新た第二列島線のあたりに惹きつけようという魂胆かもしれません。

こちらのほうが、うまく行けば、第一次列島線のほうも意外とはやくすすむかもしれません。沖縄では、一部の左翼系の馬鹿共が中国の煽りでバカ真似を繰り返しています。選挙も近いことですから、新たな左翼系の馬鹿首長でもできれば、俄然中国にとって有利になります。

そうして、なし崩しで第一列島線を確保し、次の段階の第二次列島線も何とか手にいれようという魂胆かもしれません。

このような、シナリオ単なる私の、当て推測で終わってしまえば良いのですが、こうした悪いシナリオに発展するケースも十分あり得ると思います。それは、過去の尖閣問題という事実もありまし、今後の小笠原諸島付近の、サンゴの乱獲がどのように発展していくかを見れば、わかることだと思います。

今後もこの問題は、注意深く見守り、何らかの新しい動きがあれば、このブログに再度とりあげようと思います。

それにしても、小笠原の海は、平和で安全な海であってほしいです。日本政府は断固たる措置をもって、必ず傍若無人な中国船を排除していただきたいものです。それが先にあげたような最悪のシナリオを避けることにもなります。

珊瑚礁の海を泳ぐトップレスの女性
尖閣問題での過去の甘い対応を繰り返せば、中国はたとえ今回は第二列島線を意識していないのかもしませんが、中国に対して隙を与える結果になってしまう恐れも十分あります。

漁民が安心して漁ができるように、そうして、他の人たちも安心して泳げる平和な海にすべきです。

中国の馬鹿共にむざむざと荒らされるようなことがあってはならないです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月12日日曜日

中国版“ノーベル平和賞” 候補に鳩山元首相、韓国の朴大統領―【私の論評】あまりの馬鹿馬鹿しさに、まじめにやれと一喝いれたくなる中国版"ノーベル平和賞"の大茶番劇のお粗末さ加減(゚д゚)!


鳩山由紀夫と朴槿恵 写真挿入は、ブログ管理人実施 以下同じ

ノーベル平和賞の受賞者にパキスタン人のマララ・ユスフザイさんらが選ばれたが、同賞に対抗するため中国で設立された「孔子平和賞」の今年の受賞者選びも佳境に入っている。

同賞実行委員会の関係者によると、今年の受賞候補は16の人物や団体に絞られ、日本の鳩山由紀夫元首相や韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領、ロシアに亡命中の米中央情報局元職員のスノーデン容疑者やシリアのアサド大統領らが候補になっている。

中国の大学教授ら33人で構成する選考委員会の最終審査を経て、受賞者が決定し、ノーベル平和賞授賞式前日の12月9日、北京で授賞式を行う予定だ。

先の関係者によると、鳩山氏は「日中関係やアジアの平和に対する貢献」などを理由に、国内外から多くの推薦を受けており、「有力候補の一人だ」という。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】あまりの馬鹿馬鹿しさに、まじめにやれと一喝いれたくなる中国版"ノーベル平和賞"の大茶番劇のお粗末さ加減(゚д゚)!

今年のノーベル物理学賞受賞者は3人の日本人

今年のノーベル賞は、日本人3人が同時に物理学賞を受賞し、素晴らしい快挙だったと思います。ノーベル文学賞に関しては、今年も村上春樹氏がのがしたということもありましたが、まあそれにしても、まともな選考だったと納得できるところがあります。

ノーベル平和賞に関しても、以前オバマが受賞などと納得できないものもありましたが、本年は、17歳のマララさんが受賞しました。純粋な少女の受賞に喝采を送りたいと同時に、一部の下心みえみえの日本人が企んだ「憲法九条受賞」が空騒ぎに終わったことを心よりお祝いしたいです。

今年の7月16日の誕生日に、撃たれてから一年も経たないのに、国連で演説したマララさん
そもそも彼らが「日本国民」を勝手に代表して立候補したこと自体が噴飯ものです。恥知らずな人たちといいたいです。

そんなことで、今年のノーベル賞は日本にとってはまずまずと思っていたところに、このまったくくだらないニュースです。

そもそも、鳩山由紀夫氏や、朴槿恵がいずれの賞にせよ、平和賞の受賞候補になるなどということは、常識的にいって全く考えられません。この二人がいついかなる平和貢献をしたというのでしょうか。そもそも、選考基準はどうなっているのか全く理解できません。

そもそも、孔子平和賞なるものが、とてつもなくおかしげな賞です。

この賞は、劉暁波氏への2010年度ノーベル平和賞授賞を巡って反発する中国において、ノーベル平和賞に対抗して、北京の大学教授らによってノーベル平和賞の授与式直前に独自に設けられた賞です。

劉暁波氏
中国郷土文化保護協会(孔子平和賞事務局)は、「公式な政府の組織ではないが、文化賞などを所管する文化省(文化部)と密接に協力している」としています。受賞者には賞金10万元(約120万円:発表当時)が贈られることになっています。

韓国もそうですが、中国も一度もノーベル賞は、平和賞以外はとった人はいません。平和賞は中国の劉暁波氏がはじめて受賞しましたが、それ以外のいかなる賞も中韓ともに取得者はゼロです。日本人は全部で22人受賞しています。

ノルウェーは歴史の古い国であり、第二次世界大戦中はドイツに占領され、その後は戦争をした歴史のない国です。このような国であれば、ノーベル平和賞なる賞を主催する国であっても良いと思います。

これに対する中国は、毎年暴動が10万件以上も発生しているような国ですし、戦後しばらくしてから建国されまだ70年を切るような歴史の短い国です。しかも、建国直後から周辺国に侵略戦争を仕掛けて、満州国、モンゴル国の一(内モンゴル)、ウイグル国、チベット国という国々を自らの版図に組み込み、巨大な領土を有する国となりました。

そうして、経済は発展しましたが、それでも一人あたりのGDPでは、まだまだ日本に及ばず、今でも、民主化、政治と経済の分離、法治国家化がなされていない、後進国でもあります。

このような国がノーベル平和賞を真似たような、孔子平和賞など創設すること自体が全く茶番劇です。

もし、本当に鳩山由紀夫が孔子平和賞など受賞したら、日本は中国に対して、内政干渉であると抗議すべきであると思います。

同じく、朴槿恵が受賞した場合は、反日運動の首謀者である朴槿恵は、平和賞に値する人物ではないということで、抗議すべきものと思います。

旧ソ連ベラルーシ出身の女子留学生が代理でプーチン氏の孔子平和賞を受賞
いずれにせよ、この茶番劇いつまで続けることやら。プーチンも嫌がる賞など、実施しても意味がないので、即刻中止すべきものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか。

【追記】訂正とお詫び

上に記事で、「中国も一度もノーベル賞は、平和賞以外はとった人はいません」としてありますが、正確には過去(現時点)の中国のノーベル賞受賞者は、2000年の高行健(文学賞)、'10年の劉暁波(平和賞)、'12年の莫言(文学賞)の3人です。

上の文脈では、物理学賞や化学賞、医学賞などの取得者はいないということを強調するために掲載したものです。

訂正、ならびお詫びをさせていただきます。お詫びしないと、朝日新聞のようになってしまいますので、慎んでお詫びさせていただきます(笑)(゚д゚)!

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2014年10月11日土曜日

日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙―【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙

黒田総裁
麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁は10日、ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見した。麻生財務相は為替についてはコメントを避け、沈黙した。

一方、黒田日銀総裁はファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解を示した上で、日銀と政府の間に円安の影響について温度差はないことを強調した。

<為替発言はもっぱら黒田総裁、「政府と温度差なし」>

麻生財務相は「為替については話さない」と述べたきり、円安に関して一切発言しなかった。

これに対し、黒田総裁は饒舌(じょうぜつ)だった。「経済・金融のファンダメンタルズを反映した円安であれば全体として経済にはプラス」と述べたほか、相場変動の大きさやスピードについても「ボラティリティーが低いところから若干上がったことについて、特に大きな問題とはみていない」、「中期的にみて、市場のボラティリティーは依然かなり低い」と述べるなど、問題視しない姿勢を示した。

金融市場では日銀と政府の円安に対する姿勢の違いを懸念する声もあるが、黒田総裁は「円安が日本経済に及ぼす影響について、政府・日銀の見方に温度差があるとは思わない」と述べ、そうした見方を否定。「為替の動き含め、市場の動きの経済・物価への影響は引き続き注意深くみていきたい」と慎重な姿勢も見せた。

麻生財務相
<日本経済、緩やかに回復>

日本経済について、麻生財務相は「緩やかに回復しているとみている」と発言。世界経済についてユーロ圏を中心に懸念が強まっている状況もあるが、「世界経済については楽観も悲観もしていない」と特定の見方を明示しなかった。

黒田総裁は、世界景気の停滞感やさまざまな要因で原油価格など国際商品が下落傾向にあるなか、「日本は巨額の石油輸入国であり、原油価格の下落は日本経済にとってプラス」との認識を示した。

ただ、今回のG20では米国のルー財務長官が日本について「日銀がデフレサイクルを解消しつつあり、日本は慎重に財政健全化のペースを調整する必要がある」との見解を表明。これに対し麻生財務相は「金融政策だけではデフレを脱却できない。財政刺激も必要というのは日本は経験済み」と述べた。

【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

この黒田総裁の円安に関する発言、全く正しいと思います。現状の円安水準で「円安ガー」と叫んでいる人、頭がおかしいのではないかと思います。

たとえば、小泉政権のときは、どうだったかといえば、平均で116円でした。野田政権のときはどうだったかといえば、平均で79円でした。

これは、あくまで平均ですが、小泉政権のときは、最高で120円台までいったと記憶しています。これとは、対照的に野田政権のときは、最低で70円台までいきました。

小泉政権のときの円水準で特段何か良くないことがあったかといえば、そんなことはありません。これに対して、野田政権のときはかなりの円高で多くの企業が苦しんでいました。そうして、企業の海外展開が加速された時期でもあります。

どちらが良かったかといえば、小泉政権のときです。150円とか、200円などになれば、「円安ガー」などと叫ぶのはわかりますが、今の水準ならさほどのことではありません。

それにしても、「円安ガー」と叫ぶ人たちは、本当に目の前のことしか見ていないのだと思います。愚かです。

そもそも、現状では包括的な金融緩和をしているわけですから、相対的に以前よりは市場における円が増えているわけですから、円が少ないときよりは、円安に振れるのはあたり前のど真ん中です。

何でも、数の多いほうが価値が落ちるのは当然のことです。円も、従来よりは市場に流通する量が増えているのですから、その分価値が落ちる、だから円安になるというのは当然の成り行きです。今はこの成り行きによって、円安になっているだけです。こんなのは、小学生でもわかる理屈です。

上の記事で、黒田総裁が、難しい言葉で語っている「ファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解」はこのことを指しています。

さらに、円安でも輸出が伸びないということについて、危機を煽る人もいますが、その原因はあまりにもはっきりし過ぎています。

その原因を簡単に言うと、過去において、日本政府があまりにも円高を放置しすぎたため、たとえば、日本国内で部品を組み立てて海外に輸出するよりも、中国や韓国などの海外で組み立てたり、場合によっては、部品まで製造して組みたてて、日本に逆輸入したほうが安いなどという異常事態になったため、多くの企業が製造拠点を海外に移転したからです。

これは、異常な円高のためにそうせざるをえなくなったからですが、今度は円安になったからといって、すぐに日本生産拠点を移すことはできないからです。日本の企業が円安になっても、輸出を拡大できないような、不都合なことが発生しているというわけでも、突然日本企業の競争力がなくなったわけでもありません。

中国の工場

これについては、私などの拙い解説よりも、このブログにも頻繁に掲載している、高橋洋一氏の記事などご覧いただければ、十分ご理解いただけると思いますので、その記事のURLを以下に掲載します。
円安でも輸出が伸びない真相 5年間の円高放置の罪は重い
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、高橋氏が以下のように締めくくっています。
 円高放置は、福田政権以降の責任であるが、雇用重視のはずの民主党政権下でも円高を大きく加速させたのは情けない。本コラムの読者であれば、2国間の通貨の交換比率である為替レートは、双方の金融政策の差によって決まることをご存じだろう。 
 つまり、円高放置は、各国が金融緩和する中で、日本のみが怠ったことが原因だ。金融緩和は雇用確保にもなるのに、民主党は金融政策に無理解で、雇用重視は言葉だけになっていた。 
 率直にいえば、いったん海外に出て行った企業はなかなか戻らない。企業は円高傾向が確信された時点で海外に出て行く判断をしたように、円安傾向が一定期間定着しないと国内回帰は難しいだろう。ざっくりといえば、5年間の円高傾向があったので、5年間の円安傾向があってトントンだ。いまのところ円安の反転は2年弱なので、あと3年くらいの時間は欲しい。 
実は、小泉政権のときには、海外に生産拠点を移していた企業が、日本に生産拠点を移すということがみられるようになったときもありました。なぜそのようなことになったかといえば、現代の製造業に占める人件費の割合は、製造原価でみると、それに占める人件費(直接労務費と間接労務費の和)の割合は、平均で10%前後に過ぎません。

そのため、従来のように人件費を安くするためという理由だけで、海外に製造拠点を移すことはあまり意味がなくなってきたため、海外に移した製造拠点を日本に戻す企業もでてきたわけです。

しかし、この流れは、日銀が金融引締めに転じたため、そこで終焉し、現在に至っています

ですから、表面上や統計上は、輸出が減っているようにみえますが、海外に拠点を移したとはいっても、日本の企業ということには変わりありません。

だから、こうした日本企業による海外直接投資は収益として返ってきます。しかも、円安になったので円建てで見れば海外投資収益は大きくなるのも事実です。だからこそ、企業は、一旦海外に移した生産拠点をすぐに戻すということはないのです。

しかし、こうして海外拠点が海外に移ったことにより、本来日本国内にあれば、国内の労働者によって製造されていたはずで、その分の雇用は海外に移ったということです。

日本の工場

だから、やはり日本に生産拠点があることのほうが、日本にとっては望ましいことです。しかし、この円安水準が継続し、誰の目にも明らかになった場合、先ほども述べたように、製造業に占める人件費の割合は従来からみれば、格段に低くなったため、日本のような先進的な市場に生産拠点を構えているほうが、有利に働くので、拠点を国内に戻すことになります。

いずれにせよ、冒頭の記事で、黒田総裁が述べていたように、ファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解は正しいです。今更、金融緩和をやめて、円高水準にもっていく必要性など全くありませんし、そんなことは百害あって一利なしです。

今のこの水準で、"円高ガー"、"円高でも輸出ガー"と叫ぶ人は、過去の推移もみることができないし、企業の製造拠点の海外移転も考慮いれない馬鹿なのか、あるいは知っていても、裏に海外の勢力がついていて、その意向に沿っているスパイなのかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月10日金曜日

米アマゾンが初の実店舗、マンハッタンで出店へ=報道―【私の論評】eコマースよりもはるかに差別化のつけやすい、実店舗でAmazonは何を目論むのか?

米アマゾンが初の実店舗、マンハッタンで出店へ=報道

Amazon配送センター

米インターネット小売り大手アマゾン・ドット・コムが、近くニューヨーク・マンハッタンに初の実店舗を出店する可能性がある。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋の話として報じた。

WSJによると、新店舗は年末商戦に向けオープンする見通し。小規模の倉庫型店舗で、扱う商品数は限定的となるが、ニューヨークで即日配達サービスを展開するほか、ネットで購入した商品の交換、返品、受け取りが可能となる。

また、アマゾンの主力商品である電子書籍端末「キンドル」やタブレット端末「キンドル・ファイア」、スマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)「ファイアフォン」なども取り扱う見込み。

店舗所在地はマンハッタン・ミッドタウン34丁目、エンパイア・ステートビルの向かいになるとみられる。このエリアは、百貨店メーシーズの旗艦店などの店舗も並び、常に多くの人でにぎわっている。

今回の実店舗の試みが成功すれば、他の都市にも実店舗を展開する可能性があるという。

【私の論評】eコマースよりもはるかに差別化のつけやすい、実店舗でAmazonは何を目論むのか?

Amazonがとうとう実店舗を出すということで、このニュース本当に待ちくたびれました。このブログでも数年前には、実験店舗を出したとか、出すという話題を掲載しましたが、ここしばらくそういう話題もなく、一体どうしたのかと思っていました。

過去の実験店舗の記事など以下に紹介させていただきます。
Amazon以外で品数の多い送料無料ECサイトまとめ−【私の論評】さらなる差別化が難しいからこそ、Amazonは実店舗に走ろうとしている!!
アップルストア 
グーグル、米主要都市に直営店オープンか―【私の論評】Eコマースによる物販が、リアル店舗のそれよりもはじめて上回ると予測されている本年なぜグーグルは直営店をオープンするのか?
 
米アマゾン「実店鋪」開設か 「キンドル」や書籍販売−【私の論評】これから、eコマースは廃れる?!!

詳細は、以上の記事をご覧いただくものとして、これらの記事で過去に私が繰り返し主張してきたことは、eコマースだけだと、いくら最新技術を用いてサイトを差別化したとしても、結局は似たようになってしまい、差別化が難しいということです。

ユーザーにとっては、eコマースは、従来であれば、自宅のバソコンのモニターという日々覗く窓から眺める景色にすぎません。

だからこそ、iPadやKindleのようなタブレット端末や、スマホなどもでできて、ある程度の差別化が図られてきましたが、これらもユーザーが日々持ち歩き利用するようになれば、陳腐化し同じことになります。

ユーザーにとっては、日々用いるガジエットについている小さな覗き穴から眺め見る景色にすぎません。

ところが、実店舗の場合は、まずは店のデザインが個々に違いますし、そこにいる店員や店員の服装や、話し方、態度など差別化できる要素がかなりあります。

一番わかり易い事例は、アップルストアです。アップルストアは世界中の大きな都市に展開されています。

アップルは、実店舗を持っているためeコマースだけを実施している企業よりは、はるかに差別化を実施しやすいです。

たとえば、新しいiPhpnなどの新製品を発売するときには、ずっと前から様々なブロモーションで盛り上げておいて、当日いよいよ発売ということでお祭り気分を盛り上げ、新たな製品を手にしょうという人々を魅了し、惹きつけて、発売当時はアップル・ストアの前に長い行列ができます。

そうして、手にした人たちの喜ぶ様や、狂喜する様はテレビで世界中に流されたりします。日本でも、国内のアップルストアの様子がテレビで流され、新製品をまだ購入していない人々に対して印象付けます。

このようなことは、実店舗がなければ、絶対にできません。それに、実店舗であれば、店員により、様々な説明を個々の顧客にあわせて、細かくできるという利点もあります。



しかし、今までは、アマゾンは、eコマースだけでしたから、このようなことはできませんでした。しかし、これからは、こういったことができるようになるということです。

そのうち、amazonの実店舗でも、amazonが販売する、Kindleなどの新製品を販売するときにお祭り騒ぎが演出されるようになるのでしょうか。

kindleを読む女性

最近は、O2Oがかなり進歩してきています。ちなみに、O2Oとは、主にEコマースの分野で用いられる用語で、オンラインとオフラインの購買活動が連携し合う、または、オンラインでの活動が実店舗などでの購買に影響を及ぼす、といった意味です。

無論、amazonが実店舗を構えれば、そこでただ単に自社製品などを置いて、販売するだけということはあり得ないと思います。ということは何らかの形で、新しいかたちのO2Oを展開するかもしれません。というより、必ず実施するでしょう。

新たな形の、実店舗とeコマースの融合がみられるようになるかもしれません。いずれにしても、小規模の庫型店舗ということしかわかっていないので、実際にAmazonの実店舗がどのようになるか、興味津々です。

将来は、私達の住んでいる近くにも、Amazonの実店舗ができるようになるのでしょうか。

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2014年10月9日木曜日

熊坂社長声明「言論の自由への明白な侵害」 産経前ソウル支局長起訴―【私の論評】今回のこの出来事で、「韓国に対しては反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は捨て置け」という措置が最も相応しい事が実証された(゚д゚)!


熊坂隆光・産経新聞社代表取締役社長

 熊坂隆光・産経新聞社代表取締役社長の声明

産経新聞は、加藤達也前ソウル支局長がソウル中央地方検察庁により、情報通信網法における名誉毀損(きそん)で起訴されたことに対し、強く抗議するとともに、速やかな処分の撤回を求める。韓国はもとより、日本はじめ民主主義国家各国が憲法で保障している言論の自由に対する重大かつ明白な侵害である。

産経新聞は、加藤達也前ソウル支局長

産経新聞のウェブサイトに掲載された当該コラムに韓国大統領を誹謗(ひぼう)中傷する意図はまったくない。内容は韓国旅客船セウォル号沈没事故当日、7時間所在が明確ではなかった朴槿恵大統領の動静をめぐる韓国国内の動きを日本の読者に向けて伝えたものである。これは公益に適(かな)うものであり、公人である大統領に対する論評として報道の自由、表現の自由の範囲内である。

ところが、検察当局の取り調べの過程では、明らかに表現の自由を侵害する質問が繰り返された。しかも、加藤前支局長は60日に及ぶ出国禁止措置で行動、自由を束縛された上での本日の起訴である。

そもそも、日本の報道機関が日本の読者に向けて、日本語で執筆した記事を韓国が国内法で処罰することが許されるのかという疑問を禁じ得ない。

日本新聞協会をはじめ、ソウル外信記者クラブ、日本外国特派員協会、国境なき記者団といった内外の多くの報道機関、団体が強い懸念などを表明し、国連や日本政府も事態を注視する中で今回の検察判断は下された。これは、自由と民主主義を掲げる韓国の国際社会における信用を失墜させる行為である。報道の自由、表現の自由が保障されてはじめて、自由で健全な議論がたたかわされ民主主義は鍛えられる。韓国当局が一刻も早く民主主義国家の大原則に立ち返ることを強く求める。

今後も産経新聞は決して屈することなく、「民主主義と自由のためにたたかう」という産経信条に立脚した報道を続けていく。

【私の論評】今回のこの出来事で、「韓国に対しては反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は捨て置け」という措置が最も相応しい事が実証された(゚д゚)!

上の記事で、指摘されている産経新聞のウェブサイトに掲載された当該コラムのURLを以下に掲載します。
【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?
朴槿恵大統領
詳細は、このコラムをご覧いただくものとして、これでは朴大統領が2014年4月16日のセウォル号事故当日、約7時間にわたって所在が確認されていなかったことを巡る話題を伝えています。

大統領の側近が朴大統領の当日の所在について「知らない」と言葉を濁す国会答弁や、韓国最大手紙の朝鮮日報が2014年7月18日に「大統領をめぐるウワサ」と題したコラムを掲載したことを掲載しています。

また朝鮮日報のコラムは「『大統領はあの日、ある場所で誰かと密会していた』という噂が流れた」とし、噂に登場した人物も実名で報じた。加藤達也支局長はさらに「証券界の関係筋」の話として、その噂は「朴大統領と男性の関係に関するもの」と踏み込んで説明したことも掲載しています。

チョン・ユンフェ氏
噂に登場した人物の実名
①チョン・ユンフェ氏(①の妻=チェ・テミンという牧師の娘)
②チェ・テミン牧師(②=チョン・ユンフェ氏の妻の父)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、これを見ている限りなぜ誹謗中傷にあたるのか良く理解できません。加藤前支局長は、断定しているわけでもなく、韓国のメディアなどに書かれたものをもとに書いているだけであり、出所も明確に提示しています。

上記の社長の表明にもあるように、 韓国旅客船セウォル号沈没事故当日、7時間所在が明確ではなかった朴槿恵大統領の動静をめぐる韓国国内の動きを日本の読者に向けて伝えたものです。

実際、この所在が明確でないことは、韓国内でも各方面で取りざたされたことであり、これ自体はどう考えても、事実です。

セウォル号沈没事故は、大きな事件であり、やはりこういう重大事件が発生しているときに、大統領が一時的であっても、所在が不明ということは大問題です。

にもかかわらず、この事実を日本向けに伝えた加藤元支局長が、ソウル中央地方検察庁により、情報通信網法における名誉毀損(きそん)で起訴されるという前代未聞の珍事にまで発展してしまいました。

以下に起訴状の内容が掲載された記事のURLを掲載します。
【本紙前ソウル支局長起訴】起訴状全文

今回のこの出来事に関する識者などのツイートをみてみます。
その他、官房長官や外務省局長も韓国側に懸念を伝えています。
官房長官「韓国に懸念伝える」 産経前支局長起訴
菅官房長官
 菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で、韓国のソウル中央地検が産経新聞前ソウル支局長を朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉毀損罪で在宅起訴したことについて「報道の自由、日韓関係の観点から極めて遺憾だ」と述べた。そのうえで「国際社会の常識と大きくかけ離れており、政府として韓国に事実関係を詳しく確認し、懸念を伝えたい」と語った。
産経前支局長起訴、韓国公使に「深い憂慮」 外務省局長
 外務省の伊原純一アジア大洋州局長は9日、韓国の金元辰(キム・ウォンジン)駐日公使を同省に呼び、韓国検察が産経新聞前ソウル支局長を在宅起訴したことについて「報道の自由と日韓関係の観点から極めて遺憾で事態を深く憂慮する」と伝えた。金氏は「(日本側の意見を)本国に正確に伝達する」と応じた。
これに関しては、日本だけではなくアメリカ側からも憂慮の念が表明されています。
米「韓国の法律に懸念、以前から」 産経前支局長起訴
サキ報道官
 産経新聞の前ソウル支局長が情報通信網法違反の罪で在宅起訴されたことについて、米国務省のサキ報道官は8日の会見で、「起訴されたとの報道は承知しているし、当初から捜査状況を見てきた。それ以上の詳細はわからない」と話したうえで、「我々は広く言論や表現の自由を支持しているし、韓国の法律への懸念もこれまで示してきた」と話した。国務省は2013年版の人権報告書の中で、韓国について「法律が名誉毀損(きそん)を幅広く定義して刑事罰の対象としており、取材活動を萎縮させる恐れがある」と指摘していた。(ワシントン=大島隆)
これは、言論の自由に対する酷い弾圧です。元支局長の出国禁止もこれだけ長くなれば、これは最早監禁以外の何者でもありません。在宅起訴は、完全にやり過ぎであり、あまりにも酷すぎる処分です。

このような言論弾圧は、発展途上国や独裁政権のやり方で、民主主義ではあり得ない暴挙です。今回の件により、韓国は自らの政治の未熟さを全世界に向かって告知したようなものです。

産経新聞の元支局長が在宅起訴される一方で、元支局長が記事を引用した韓国の新聞社も、その記事を書いた記者も処罰されていないことは、全く整合性がないですし、李明博政権末期、韓国憲法裁判所が、慰安婦問題で日本に具体的な措置をとらないのは憲法違反としていましたが、ころから韓国の司法は明らかに変質したと思いましたが、今回の出来事で、まさしくそれが証明されたようなものです。

起訴して本当に裁判になれば、まともな裁判になるとは考えられません。さらに韓国の司法の変質ぶりを世界に向かって告知することになり、韓国の国際的な評価はさらに地に堕ちることになります。

それにしても、これは子供っぽいし、破廉恥行為以外のなにものでもありません。産経新聞社は徹底的に抗議すべきですし、日本政府も記者がこういう形で刑事罰を受けることになるのであれば毅然(きぜん)とし態度で望まなければなりません。

それにしても、このような暴挙に出るとは、やはり私が以前このブログで主張したように、「反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は韓国は捨て置け」という対処の仕方が正しかったと証明されたようなものです。

この主張を掲載した記事のURLを以下に掲載します。
河野談話、韓国と文言調整=「元慰安婦」の裏付け調査せず-政府が検証報告書―【私の論評】反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は韓国は捨て置け(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、韓国への対処方法に関する部分のみ以下にコピペさせていただきます。
韓国に対するこれからの日本の対応は簡単です。韓国が反日的な妄言を発言すれば、それに対するいくつかの反証をあげ、水掛け論にもって行くことと、それ以外のつきあいはしないということです。反日的言動には、水掛け論にして、後は捨て置けばそれで良いのです。
韓国と付き合いをしなくても、日本としては失うものはほとんどありません。韓国のGDPは、東京都と同程度であり、日韓の輸出・輸入も投資も微々たるものです。しかし、韓国は失うものがかなり大きいです。
そもそも、日本が朝鮮を平和的に併合したときには、韓国は未開の国でした。それを近代国家にしたのは日本です。どれだけ朝鮮に投資して、まともにしたのか計り知れません。以下に100年前の朝鮮と、日本の写真を掲載します。
100年前の朝鮮
100年前の日本
朝鮮の併合により、日本は失うものが多かったのですが、朝鮮半島は得るものが多くで近代化を成し遂げることができたのです。今の韓国は、日本に併合されることはなしに、金だけは欲しいという虫の良いことを考えているだけです。 
このブログにも何度か掲載したように、韓国との付き合いは冠婚葬祭程度にして、後は捨て置くべきです。
今回の出来事で、韓国の後進性は明らかになりまた、背伸びに背伸びを重ねて、先進国の仲間入りをしようとしてきたのですが、結局それはかなわず、韓国は単なる発展途上国であり、朴槿恵政権も単なる独裁政権に過ぎないことがはっきりしました。

こんな国とは、反論すべきは反論し、後は彼の国は捨て置くのが最も良い対処法です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月8日水曜日

中村修二さん「長年の研究が認められうれしい」―【私の論評】15年も以上も続くデフレと、多くのニッポン人が古の日本の心を忘却することで失った、スティーブ・ジョブズも傾倒した日本本来のベンチャー魂をもう一度取り戻そうではないか!

中村修二さん「長年の研究が認められうれしい」



今年のノーベル物理学賞が日本人研究者3人に授与されると決まりました。受賞理由は「青色発光LEDの開発」です。受賞者の1人、アメリカ・サンタバーバラにいるカリフォルニア大学教授の中村修二さんに伺いました。

(Q.今回の受賞をどのように受け止めていますか?)
「青色発光ダイオードを長年研究して、それが認められたということで非常にうれしいですね」

(Q.ご苦労もあったと思いますが、一番苦労されたのは?)

「青色LEDの研究開発、アメリカに移ってからいろいろ裁判に巻き込まれて、その裁判をやっているときが非常に苦労したところでしたね」

(Q.時代を大きく変えられたという実感は?)
「やはり発光デバイスは、光るものは、今後ほとんどすべてLEDに変わっていくと思うので、光デバイスに関しては大きなブレークスルーをやったかなと思っています」

科学ジャーナリストの寺門和人さんからの質問です。

(Q.研究していた時と今の状況、どんなふうに感じていますか?)

「研究を始めたのは1989年からなんですが、青色発光ダイオードを作るにはいろんなブレークスルーが必要で、それをどんどんブレークスルーやっていくためには、徐々に近づいてはいくのですが、しかし、ここまでいろいろなところに使える高輝度の発光ダイオード、あるいは白色発光ダイオードができるとは当時は想像もしていませんでしたね」

(Q.一緒に受賞された赤崎さん、天野さんにはどんな言葉をかけたいですか?どのように3人で交流をしていたのでしょうか?)

「赤崎先生、天野先生は私より10年先ぐらいに窒化ガリウムで研究をされていて、私は89年から始めたのですが、お互い同じ分野で、お互い競争というか、切磋琢磨しながら、ここまでやってきました。今回、一緒に競争してやってきた3人同時に受賞ということで、非常にうれしく思っています」

(Q.中村教授は2000年からアメリカにわたって活躍、研究されていますが、アメリカに出てみて、今後の日本の研究環境について何があったら、より良いとお考えですか?)

「研究者はやはり自由が一番です。アメリカというのは、日本に比べたら仕事環境が非常に自由で、やる気さえあれば、何でもチャレンジできるシステムができ上がっているんですね。

ところが、日本はいろんなしがらみとか年齢とか、極端に言えば年功序列とかがあって、本当に自由にのびのびと研究ができるような環境ではないと思います。

私もですが研究者、開発者というのは、やっぱり自分でベンチャーを自由にできるようなシステムが必要なんです。日本はそういうシステムがないんですよね、ベンチャーをやるようなシステムが。いいアイデアがあれば、即ベンチャーをやると。例えば、アップルのスティーブ・ジョブズみたいに簡単にできるかといえば、日本ではできないですよね。ですから、日本では大手企業のサラリーマンしか生きる道はないんですよね。

ですから、そういう意味でベンチャーを日本でもできるようなシステムにしてほしいですが、実際はできない。非常に日本の科学者、技術者は永遠のサラリーマンみたいになっちゃうという悪いシステムで、そのあたりを今後良くしてほしいです」

(Q.今回の受賞はどちらでお聞きになりましたか?)

「家で寝ていました。午前2時過ぎぐらいに電話がありまして。起きて、電話で非常にびっくりしました」

(Q.中村さんはこれまでも候補者として名前がずっと挙がっていたと思いますが、お休みになって待っていたんですか?)

「寝ていましたが、緊張してたので、寝ていたのかよくわからないような感じですね」

(Q.若い、これから研究の道に入る方へのメッセージを最後にいただけますか?)

「私は小さいころから科学が好きで。科学が好きというのは、研究していくといろんな問題があって、その問題を、謎を解くような、クイズを解くようなイメージです。

そういうのが好きで、何か問題があれば解くのが好きで、それで研究をやったので、若い人も自分の好きなことを見つけて、それに向かって勉強をしてほしいです。

そうすれば、いろんな苦労があっても続けてできると思うので、やはり一番大事なことは、若い人は自分の好きなことを見つけて、それに向かって勉強、あるいは仕事をしていくということですね」

(Q.今までノーベル物理学賞というと、素粒子とか基礎研究的なものが非常に多いという印象が強く、なかなか理解しにくいところがあったのですが、今回、非常に身近な、生活に密着した部分にあるものというところも評価されたのでしょうか?)

「やはりノーベル賞の受賞理由を見ると、人々の生活を良くする研究ですよね。この発光ダイオードというのは省エネということで、電力消費量を従来の光源に比べたら5分の1以下にしますから、これは将来、地球温暖化の問題を良くするとか、省エネということで、人々の環境、生活ライフを良くするということで、そういうことでは、たぶん基礎理論よりも、人々の生活をよくするということで多分受賞したのだと思います」

(Q.これからの目標は?)

「こちらの大学でも、やはり同じように青色LEDとかの研究しています。それは現在の白色発光ダイオードの効率を、今の50%からなるべく100%に近づけようと、さらに高効率化する研究をしています。高効率化するためには、結晶成長やデバイスの構造、基板などを色々と変えないといけないのですが、そういういろいろなことをやって、さらに高い効率、100%に近づくものをねらって研究しています」(カリフォルニア大学サンタバーバラ校・中村修ニ教授)


【私の論評】15年も以上も続くデフレと、多くのニッポン人が古の日本の心を忘却することで失った、スティーブ・ジョブズも傾倒した日本本来のベンチャー魂をもう一度取り戻そうではないか!

昨日のビッグニュースは、何と言っても、日本人3人のノーベル賞受賞です。これは、間違いなく今年の10大ニュースの一つになることでしょう。

本年度の、ノーベル物理学賞受賞者に青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が選ばれました。日本人としては一昨年に医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授以来の快挙です。

まずは、この3人の方々の心からおめでとうございます。といいたいです。

さて、これらの3人の方々がテレビなどで、いろいろとコメントされていましたが、私が非常に気になったのは上記の中村修二氏のコメントです。

特に、上の記事の赤字の部分が非常に気になりました。

私もですが研究者、開発者というのは、やっぱり自分でベンチャーを自由にできるようなシステムが必要なんです。日本はそういうシステムがないんですよね、ベンチャーをやるようなシステムが。いいアイデアがあれば、即ベンチャーをやると。例えば、アップルのスティーブ・ジョブズみたいに簡単にできるかといえば、日本ではできないですよね。ですから、日本では大手企業のサラリーマンしか生きる道はないんですよね。

中村修二氏は、スティーブ・ジョブズ氏のことに言及されていますが、実はこのステープ・ジョブズ氏が日本文化などに関心を持ち、かなり大きな影響を受けていたという事実があります。

それに関して、このブログでも何度か紹介したことがありますので、その記事をURLを以下に掲載します。
Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現している!?
大衆を魅了し続けるジョブス氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなる少し前に掲載したものです。この記事では、ステーブ・ジョブズ氏の「伝説のスピーチ」といわれる、米スタンフォード大におけるスピーチをとりあげました。その動画と、この動画に関する解説をピックアッ付して以下に再掲します。


ジョブスは、上の動画の中で、「死を意識すること」の意義、特にポジティブな面を強調していました。これは、日本の武士道の中の「葉隠れ」の思想とも根本では相通じるところがあります。まさに、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という言葉を真の意味で実践しているようです。葉隠れは、一部の人々が曲解しているように、死を美化するものではありません。というより、まさに、上の動画でスティーブ・ジョブスが「死を意識すること」の意義と似ています。というより、生まれ育った環境や活躍してる舞台がIT業界であることなど葉隠れの思想がでてきた時代背景とは大きく異なるので、表現や、出てくる行動が少し異なるようにみえても、本質的には同じだと思います。
今の多くの日本人が忘れてしまったこのような生き方、少なくとも、少し前までは、多くの日本人の理想とした生き方、彼の生き方は、それを私た、ちに思い出させてくれます。だからこそ、日本でもジョブスに人気があるのだと思います。今日本では、産業に活気がありません。ジョブスがやってきたような、イノベーションは、少し前までなら日本が行っていたと思います。私は、そのようなイノベーションが行われなくなった今の日本、背景にはジョブスのような一昔前の日本人が理想とする生き方を多くの日本人が忘れてしまったからではないかと、危惧しています。
さて、そう思って現在のジョブスを見ると、あの有名なプレゼンでみせる、黒を基調とした服装、ジーンズという飾らないいでたち、なにやら、戦に挑む日本の古武士のようにも見えてきます。あの全身全霊を傾けて、ものごとに取り組む姿勢とエネルギーは、本質的には「葉隠れの思想」から沸き出でてくるものであることが、理解できます。今の若い世代には、「葉隠れ」と言っても、ほんどの人が何のことかも理解していないようです。いつから、日本の優れた世界に誇るべき伝統文化が、継承されなくなってしまったのか!!本当に残念なことです。
だから、私は、ジョブスを単純にカリスマとは呼びたくはありません。私は、彼を偉大なリーダーであると呼びたいです。日本にこのような生き方をする政治家や経営者が昨今、非常に少なくなってきたことを残念に思います。
“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践―【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、曹洞宗僧侶の枡野俊明氏のジョブズに対する評価などを掲載しました。その部分を以下に引用させていただきます。
そういえば、かのスティーブ・ジョブズが禅に傾倒していた話は有名だ。
「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」。
そうして、この記事は、以下の様に締めくくりました。
私たちは、こうした多くの外国人をも魅了する、伝統文化に培われた日本に育っていますが、そのことを忘れがちです。そうして、その文化を受容して、日々の生活を送っていれば、あまり悩むこともなく、日々やるべきことに集中できるはずなのに、そうではなく、先のことを悩んだり、過去のことに引きずられがちです。
そのようなことから決別するためにも、もう一度日本文化を見直すべきだと思います。座禅など、私も久しくやっていませんか、また、やってみようと思います。私は、この古い伝統文化を思い出し、それこそ、スティーブ・ジョブズがやったように、良いところを現代的に取り入れるということにより、次世代の新しい日本をつくりだすことができるのではないかと期待しています。皆さんは、どう思われますか?
さよならニッポン、新時代の国際人としての心構え―【私の論評】こんにちは、日本と日本人、さよならニッポン、ニッポン人、古から続く国際人としての心構え!!

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、ジョブズ氏が日本の文化や精神にかなり影響を受けていることに対する反論が寄せられ、それに対する私の対応に関する内容を掲載しました。その部分を以下に掲載します。
さて、このブログの記事を掲載したときに、以下のようなコメントがかえってきました。
『いや別に日本人はそんな精神はないよ。昔から権力に飼いならされることにしか頭の無い人ばっかでしょ。実際ジョブズは「日本のメーカーははまるで海岸を埋め尽くす死んだ魚のようだ」って言い放ったしね』。
さて、このコメントに対する私の対応は、以下です。
「○○様、コメントありがとうございます。いえ、厳然としてあります。これだけ、愚かな、政治家や官僚、それを、助長するような、マスコミの存在がありながらこれだけの国力を保っていられるは、こうした精神を受け継いだ過去から、現在にいたる無数の有名無名の人々努力の賜です。
ジョブズ氏が批判したのは、そういう精神を、忘れた企業の経営者などに向けられものです。
そうでなけれは、たとえば、ソニーの会長など日本の企業経営者や、三宅一生氏のような、デザイナーと親交があったことなど説明がつかないでしょう。
さらに、ジョブズ氏が、かつて、福井県で出家しようとしたことなども、説明がつかないと思います。 また、なぜか今のマスコミは、このようなことを殆ど、報道しなくなつたため、多くの人が忘れていると思います。
もう一度虚心坦懐に、日本や、日本人を見直すことに、より真の姿がみえてくると思います。 ジョブズ氏は、もし日本や、日本人の文化に接する機会がなければ、大金持ちには、なれたでしょうが、あれ程の社会変革は、出来なかったと思います。 これからも、お気軽にお立ち寄り下さい」。
ジョブズが黒タートルを着た理由が今明らかに。きっかけは日本―【私の論評】私たちは、ジョブズ氏のように、日本的なものを再度見直し、自らの活力としていく姿勢が今こそ必要だ!!

この記事では、ジョブズ氏のあの独特の黒タートルネックは、三宅一生氏のデザイナであったことなどを掲載しました。なぜ、ジョブズ氏が黒のタートルネックを着るようになったのか、その理由を示す部分を以下に掲載します。
スティーブ・ジョブズが日本に来たときに、当時の稲森会長にソニーの制服について尋ねたところ、稲森氏は、次のように答えたそうです。
「戦後はみんな服もロクに持っていなかった。だからソニーのような会社では社員になんか毎日仕事に着ていけるものを用意してやらなくてはならなかった。そのうち制服は会社独自のスタイルに発展していき、特にソニーのような会社では社員を会社に結びつけるものになったんですよ、と。それを聞いたジョブズは「そういう結びつきがアップルにも欲しいものだな、と思った」という。
スタイルにこだわりを持つソニーはあの著名デザイナーの三宅一生に社員の制服のデザインを任せていた。その制服はリップストップ(破れ止め加工)のナイロン製ジャケットで、袖のジッパーを外すとベストになる。ジョブズは早速イッセイ・ミヤケに電話をし、アップルにもいっちょベストをデザインしてくれやと頼んだ。
「それでいくつか見本を持ち帰って全社員集めて、どうだい、みんなでこのベスト着たら最高だろ、な、と提案したら、いや〜ブーイングの嵐でたちまちステージ退場さ。あの案はみんなにえらい不評だった」
が、この一件で三宅と親交を得たジョブズは、それからもちょくちょく定期的に彼の元を訪ねるようになる。そして自分だけ制服作っちゃうのも悪くないな、と思うようになった。制服があった方が毎日便利だし(これはジョブズが言ってたこと)、制服を通して自分だけのスタイルを人に伝えることができる、というのがその理由だ。
そうして、私はこの記事を以下のように締めくくりました。
私は、今こそ日本人は、古からの日本と日本人の価値観を思い起こし、戦後に誤って植えつけられたニッポンとニッポン人の価値観は、捨て去り、古から続く、国際人とししての心構えを今一度、復興させるべきときと思います。私は、こうしたことこそが、日本や日本人の国際社会での地位を向上させると、信じて疑いません。
さて、長々とスティーブ・ジョブズ氏が日本の文化に傾倒していて、彼の行動や考え方に大きな影響を及ぼしていることの査証を掲載してきました。
ここで私が言いたいのは無論、中村修二氏批判ではありません。スティーブ・ジョブズ氏が日本の文化に傾倒し自らの思想や行動に取り入れていたように、本来の日本にはベンチャー魂を生みやすい土壌があったということです。
これは、日本人が宗教よりも、さらに根源的な精神的支柱として、「霊を重んじる」ということを実践してきたということと多い関係しています。
これに関しても、このブログに掲載したことがありますので、その記事を以下に掲載します。
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、フランスの作家マルローの日本に関する言葉を掲載しました。その言葉を以下に掲載します。
「21世紀は霊性の時代となろう。霊性の根源には神話があり、それは歴史の一面を物語っている。世界の神話が現代なお生きているのが日本であり、日本とは、それ自体、そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性である。霊性の根源に万世一系の天皇制がある。これは歴代天皇の連続性であるのみならず、日本文化の継続性の保証でもあるのに、戦後日本はそのことを忘却してしまった。しかし、霊性の時代が、今や忘却の渕から日本の真髄を取り戻すことを要請している。また文化は水平的に見るのではなく、垂直的に見るべきだ」
元来の日本人は、他の国々とは異なり、確かに宗教を信奉する人も多いですか、そういう人も含めて日々宗教に縛られて生きているのではなく、それよりもさらに人間性の根底に近い、「霊」の世界に生きているのです。

だからこそ、昔から日本人は八百万の神などして、多くの宗教を受け入れ、どのような宗教に対しても寛容であり、もともとそういう土壌であることから、様々な考え方なども受け入れやすく、自由な発想ができる土壌にありました。ジョブズ氏が傾倒した、「葉隠」の思想も、このような精神文化から育まれてきたものであり、だからこそ、ジョブズをも魅了したのだと思います。

だからこそ、明治維新や日露戦争の勝利や、戦後の驚異的な経済成長も可能になったものと思います。そうして、終戦後にも、ホンダやソニーのような従来はイノベーティブだった企業も多数輩出しています。本来、スティーブ・ジョブズ氏の行ったイノベーションなどは、日本の企業がお家芸とするものでした。

しかし、現代の日本はどうかというと、確かに、中村修二氏が批判するように、自分でベンチャーを自由にできるようなシステムがないような状況です。

しかし、上にも示したように日本にはもともとそのような土壌が全くなかったというわけではありません。

特にこの15年程は、デフレが大きく影響しています。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!
アメリカのセクシーな起業家 Polina Raygorodskaya
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に現場の日本でベンチャーが振るわない理由を示した部分のみコピペさせていただます。
このように、日本の企業の半分は、デフレ真っ最中というのに、利益を上げているのです。ただし、デフレのために、起業が減っているのは事実ですし、特に最近では、起業するというより、新興企業で、成長している企業がベンチャービジネスのなり手を吸収しているというのが実体だと思います。 
なぜ、そんなこになるかといえば、デフレ気味になってからすでに20年、誰もが否定しようがないデフレに陥ってから、15年にもなります。こんな状況では、日本に限らず、どんな国でも起業が減るのは当然のことです。こんな経済状況下では、起業そのものがかなりリスキーです。上の記事ては、このことを完璧に無視しています。デフレを無視して、あたかも、日本だけが、起業が少ないかのように記載しています。それは、間違いです。 
ベンチャーと大企業との関係でいえば、手塩にかけて作り上げた技術を、ベンチャー企業が大手企業の前でプレゼンテーションするとします。その時に、いつも決まって返ってくる答は「既存技術の価格より安くしてくれないと取引できない」だったのです。大手企業は、技術の価値は認めるものの、それ以上は、踏み込めません。 
日本のベンチャー企業は良いモノを作ることはできます。しかし規模が大きくはないため、「安売り競争」には耐えられません。そのために、優秀なベンチャー企業は、幾度も臍(ほぞ)をかんできたのです。 
私は上の記事のように大手企業の行動を非難しているわけではありません。大手企業の担当者も忸怩(じくじ)たる思いであったと思います。デフレというマクロ環境がすべての企業行動にマイナスの影響を与えていたことを指摘したいだけです。
 さて、巷では、14年前の今回ノーベル物理学賞を受賞中村修二氏のインタビュー記事が話題となっています。

その記事のURLを以下に掲載します。
僕が会社をやめたわけ--青色LEDの発明者 中村修二氏に聞く
14年前の中村修二氏

この記事も、詳細はこれを読んでいただくものとして、この記事は14年前に中村修二氏が渡米する直前のインタービューです。

やはり、日本では、なかなか仕事がやりにくいことを語っています。これは、今も当時もあまり変わりがないようです。

しかし、ここで思い出していただきたいことがあります。

14年前というと、日本は完璧にデフレに突入していました。なにしろ、日本は今年でデフレに突入してから16年目に突入しています。

この状況では、大方の企業はデフレ対応に追われ、新たな研究を続けることは困難な状況に追い込まれていた時期です。とにかく、売上が上がらないので、設備投資は減らし、採用を手控えたり、賃金を下げたり、リストラをしたりして人件費も減らしひたすら債務を返済し、防戦一方にまわっていました。

こういう時代は、中村氏のような人にとってはなかなか生きにくい時代であったと思います。

結局元々の日本は、先に掲載したように、ジョブズ氏が傾倒したように、新しいものに挑戦する気風や、そのための土壌があったのですが、そんなことも消し飛んでしまうくらいの、とてつもない超デフレが本来日本が持っている潜在能力をも破壊してしまったのです。

だからこそ、中村氏が語ったように、その当時から今にいたるまで、日本は研究者や開発者がベンチャーを自由にできるようなシステムがなかなか存立し得ない状況になってしまったのです。スティーブ・ジョブスのように、日本ではなかなかできなかったのです。だから、日本では研究者や開発者が大手企業のサラリーマンしか生きる道がなくなってしまったのです。

デフレ状況では、そもそもベンチャーなど最初から成り立つのが困難なのです。

確かに、日本では昔からベンチャーがアメリカよりは、成り立ちにくい状況がありはしました。しかし、そうはいっても、ソニーやパナソニック、本田のような会社が輩出して、次から次へとイノベーションを実現していた時代もありました。

ソニーやパナソニックなど、もともとは本当に小さな町工場で、ベンチャー・キャピタルなどが存在しない時代に創業しているので、ベンチャー企業とはいいませんが、ベンチャー企業のようなものです。

そのような企業は昔から日本には、たくさんありました。むしろ、現在日本にある民間大企業など最初から大企業として創業した企業などほとんどなくて、小さな町工場のようなところから始めた企業がほとんどです。

そうして、忘れてはならないのは、日本は100年以上の歴史を持ついわゆる老舗企業の数が世界で一番多い国でもあります。これも、素晴らしいことです。やはり、日本の「霊を重んずる精神」がこのようなことを可能にさせているのだと思います。

欧米で初の日本製ヒット家電となったソニーのトランジスタ・ラジオ
TR-610。親のいる居間のラジオで聴けなかった
ロックンロールを、ティーンズたちは部屋で聴けるようになった

日本は、もともとは、新たな企業を育み、それを継続させることもできる素晴らしい能力を秘めた国だったのです。

しかし、最近では、戦後の誤った教育により、このような日本の良いところは教えられず、このような日本古来からの日本人の精神を継承しない、ニッポン人が増えてきました。

戦後70年近くもなると、「霊を重んずる」精神など、理解しない本来の日本人とは異なるニッポン人がでてくるようになりました。

このようなニッポン人が増えたことにより、日本にもともとある、新しいことに取り組む精神が継承されにくくなり、ベンチャーが育まれる環境が細っているところにきて、追い打ちをかけるように、日本はデフレ・スパイラルの泥沼に落ち込み、現代の日本は、確かに、中村修二氏が指摘するような、ベンチャーなどなかなか成り立ちにくい風土になっています。

Sony共同創業者の盛田昭夫と、Apple創業者のスティーブ・ジョブズ。あるカンファレンスの
冒頭で、ジョブズは盛田の死を追悼し、「大きな影響を受けた」と讃えた。



この精神をとりもどすには、まずは何が何でも、デフレから脱却するのが最優先です。そうして、将来的には、たとえデフレに陥ったとしても、すぐに立ち直れるようにすべきであり、それは必ずできます。絶対に二の轍を踏むようなことは、すべきでありません。

それにもう一つ忘れてはならないことは、私達のような成人は、自ら努力して、ジョブズ氏も傾倒した日本人の本来の精神を取り戻すことです。

また、これから教育を受けるこどもたちには、新たな教育によって、昔から継承されてきた、日本人の精神と心を叩き込むことです。

これらを実行することにより、日本は必ず復活します。

私自身は、確かに日本古来の精神や心が継承されにくくなっていて、しかも、長期にわたるデフレによって、日本は相当傷めつけられているのではありまずが、さほど不安は感じていません。

おそらく、デフレから脱却できれば、日本は比較的短期間に、再び世界をリードする国となることでしょう。

なぜ、そんなに確信を持って言えるかといえば、実は日本の精神や心は、日本人の心に潜在的に埋め込まれているからです。それは、日本独特の、習慣や文化として、知らずしらずのうちに私達の心に刻まれているからです。

中村氏は日本で世界初となる、無極性青紫半導体レーザを開発しました。中村氏渡米して米国籍を取得してますが、本人はそれは便宜上のことであって、日本籍を捨てたわけではないとしています。

中村氏も日本人の精神や、心を捨てたわけではないし、中村氏の心のにも、日本の精神、心が刻み込まれているはずです。

私達は、昔からある日本の精神や心を意図して意識して、今後の日本の国づくりやイノベーションに活用していけば良いのです。

そうしてそれは、外国人にとっては難しいことかもしれませんが、それでもステイーブ・ジョブズ氏が実践しています。日本で生まれ、日本で育った私たち日本人が、できないはずはありません。

確かに、最近では日本古来の精神と心を失ったニッポン人が増えていますが、それはまだ大勢を占めているわけではありません。日本人の精神と心を継承した、日本人のほうが、日本ではまだ圧倒的に多数なのです。2000年以上もかけて、醸成されてきた、日本人の精神や心がそんなに簡単に破壊されることなどありません。だからこそ、日本はまた大復活して、世界をリードしていくのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

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