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2020年3月20日金曜日

【日本の解き方】米と「ケタ違い」だった日銀緩和 80兆円の量的緩和復帰すれば、財政出動の効果も発揮される―【私の論評】簡単なことがわからない日銀総裁と、日本の政治家(゚д゚)!


日銀黒田総裁

 米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、ゼロ金利復帰と7000億ドル(約75兆円)規模の量的緩和を決めた。16日に前倒しした日銀の金融政策決定会合では上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年6兆円から12兆円に増やすと公表された。

 筆者は事前に、FRBはゼロ金利と純増で5000億ドル程度の量的緩和を予想していたので、日本の円を安定化させるためには、日銀も同様の量的緩和が必要と考えていた。

 具体的には先日の本コラムに書いたように、80兆円ベースの量的緩和への復帰を思い描いていた。そうなれば、60兆円程度のマネタリーベース(中央銀行が供給するお金)の純増分が日米でほぼ同じなので、当面の為替の安定は確保できる。

 しかし、現在のイールドカーブコントロール(長短金利操作)政策から量的緩和への復帰に日銀内で抵抗があり、ETFの買い増しで対応するという情報が漏れ伝わってきた。これは、日銀事務局によるいわゆる「地ならし」だ。こうした話が出てくるのは、経験則上ダメな政策のときだ。筆者は決定会合の前に、「ETFの買い増しでは緩和の規模について日米間で桁が違って力不足になる」とツイートした。

 日銀が会合を16日に前倒したのはいいが、内容はやはり事前情報通りにETF購入額を6兆円から12兆円へ増やすというもので、純増は6兆円だった。

 これに対し、FRBは国債などの買い増しにより75兆円の純増だった。やはり、日米間で金融緩和の桁が違ってしまった。

 これに対して、国民民主党の玉木雄一郎代表から興味深いツイートがあった。「今、求められている政策は12兆円で株を買うのではなく、12兆円を家計に流すことだ。国債発行による給付と減税を大規模にやるしかない」というものだ。

国民民主党の玉木雄一郎代表

 12兆円を家計に流すというのは正しい政策だ。しかし、大規模な金融緩和を否定して、この政策を行うのは、必ずしも効果的でない。

 というのは「マンデル=フレミング効果」があるからだ。その原理をかいつまんでいえば、国債発行をすると、国内金利が海外と比べて高くなりがちなので自国通貨が高くなるというものだ。国債発行による財政出動で内需を拡大しても、為替高で外需が減少し、財政出動の効果が減殺されるというわけだ。

 提唱者のロバート・マンデル氏のノーベル経済学賞受賞業績にもなっているくらいなので、古今東西で事例が見られる。例えば2011年3月の東日本大震災後、大規模な財政出動をした際、円高に見舞われたのはその好例だ。

 こうしたメカニズムが分かっているので、財政出動と同時に金融緩和すれば、国内金利は落ち着き、自国通貨高にならずに、財政出動の効果がそのまま発揮される。

 要するに、消費増税の失敗と「コロナ・ショック」による影響はリーマン・ショック級なので、消費税5%への減税や1人10万円の給付金を実施すれば、25兆円程度の財政出動になる。同時に80兆円ペースの量的緩和への復帰が必要だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】簡単なことがわからない日銀総裁と、日本の政治家(゚д゚)!

上の記事では、「マンデル=フレミング効果」について語られてますが、これを定量的に理解するのは結構難しいところもありますが、ざっくりと理解し、現状の財政政策や金融政策を理解する程度にするのは、難しいことではありません。

以下に簡単に説明します。これが、経済理論的に厳密に正しいかどうかは、別にして、これくらいの理解でも、現状の財政政策や金融政策を理解するには十分役立つと思います。

マンデル・フレミング効果とは1960年代初頭に発表された経済モデルです。経済学者のロバート・マンデル氏とジョン・マーカス・フレミング氏が同時期に発表したことによって、両方の名前をとって名付けられました。

世界各国で認められたモデルで、ノーベル経済学賞も受賞しています。簡単に言うと変動相場制において、財政政策の効果は非常に低くなる、というものです。

財政政策とは政府が公共投資、給付金、減税、などの政策行い、市場にお金を流す政策です。市場にお金が供給されるので、景気の改善に繋がります。

しかし、マンデル・フレミング効果を踏まえて考察すると財政政策だけでは、景気対策に限りがあるということがわかります。

政府が財政政策特に積極財を行う時、国債を発行し銀行からお金を吸い上げます。そのお金で様々な対策を行えば、景気がよくなるはずです。しかしこれには、限界があります。

お金を銀行から吸い上げることにより、市中のお金が減少しますから、円高方向に進むことになります。吸い上げたことによる円高で、海外からの投資が増えるので、益々円高が加速することになってしまいます。

それによって、輸出産業に大打撃を与えるので、景気にも後退にも繋がるのです。公共投資による景気改善と、輸出による後退で、財政政策の効果がなくなってしまうのです。以下に財政支出が弱まる仕組みの図表を掲載します。


ただし、固定相場制だと、マンデル・フレミング効果は起こりません。固定相場制の場合、為替レートが決められています。市中からお金を吸い上げても、円高方向に進むことはありえません。

為替レートが変わらないのならば、輸出にダメージを与える心配はありません。このように固定相場制の場合はマンデル・フレミング効果は働かず、財政政策のメリットが非常に大きくなるのです。

では、日本のような変動相場制の国で財政政策の効果を出すにはどうしたら良いのでしょうか。財政政策と金融緩和を同時にやることです。

財政政策による円高が、無効化の原因であれば、金融緩和で市中に回る円を増やし、相違的に円高にならないようにすればいいのです。ちなみに、為替についてざっくりと説明すると、たとえば日銀が金融緩和を実行し、FRBが実行しなければ、相対的にドルよりも円が多い状態になりますから、円安になります。

これは、物価と同じように考えれば、すぐに理解できます。ある特定の物が非常多くなれば、その物の価格は安くなります。通貨も同じです。ある国が徹底的に緩和をして、他国が緩和しなければ、ある国の通貨は相対的に他国の通貨よりも多くなり、安くなります。

「そんな、簡単なことなの?」と思われる皆さんも、いらっしゃるかもれませんが、そんなに簡単なことなのです。無論、方向性としては、全く簡単ということです。

米国の作家・詩人チャールズ・ブコウスキー(写真)の言葉。『簡単なことを難しく言うのがインテリ。
難しいことを簡単に表現するのが芸術家。』

ただ、方向性がわかっても、日本国内や世界の情勢を理解し、どの程度の緩和をすれば良いかという定量的なことを計算するのは難しいかもしれません。しかし、これもある程度金融政策を実行してみて、緩和をしすぎれば、引き締めをし、緩和が足りないならさらに緩和するという具合で実行すれば、さほど難しくありません。

そのための目安として、日本には物価目標というのがあります。物価目標を達成し、さらに物価が上がり続ければ、緩和をやめれば良いのです。物価目標が達成できなければ、緩和を継続すれば良いのです。何も難しいことはありません。

これが、日銀の実行すべきことなのです。この簡単なことがわからないのが、他ならぬ日銀の黒田総裁であり、日本の大方の政治家なのです。もしかすると、日本では金融機関の人もわかっていないかもしれません。

情けない限りです。

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2017年9月27日水曜日

日銀総裁の財政発言は不適切 片岡氏の「反対」に納得、現状の金融緩和では力不足 ―【私の論評】マネジメントの原則からも片岡氏の行動は正しい(゚д゚)!

日銀総裁の財政発言は不適切 片岡氏の「反対」に納得、現状の金融緩和では力不足 

片岡剛司氏
日銀は審議委員に片岡剛士氏らが入り、新体制となった。9月20、21日に開いた金融政策決定会合ではさっそく金融政策の現状維持に「不十分」として反対した。

 片岡氏は「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分」と指摘した。この行動に、金融関係者からは驚きの声が上がったというが、筆者には片岡氏が言いたいことがよくわかる。

 筆者は、本コラムにおいて、これ以上下げられない構造失業率を「2%台半ば」と指摘してきた。実は、片岡氏も似たような推計をしていると聞いたことがある。金融政策のセオリーは、実際の失業率が構造失業率に低下するまで金融緩和を実施するというものだ。

 もちろん、半年から1年後の失業率を想定しながら、実際のオペレーションを考えるわけだが、今のままの金融緩和では、あと1年で構造失業率にまで達しそうにない。インフレ率の上昇は、失業率が構造失業率に達した後、賃金上昇とともに起こるので、2年後のインフレ目標2%は難しいということになる。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が資産縮小に動き出したので、日銀は今の緩和ペースでも円安になる可能性はあるが、本来の目標である雇用やインフレ率の改善のためには、それで満足してはいけない。

 先日の本コラムで、構造失業率2%台半ば、インフレ目標2%を達成するためには、過去のGDPギャップから推計して、有効需要で25兆円必要だと書いた。当面は補正予算もなく、2年後の19年10月には消費増税が確実視されている中、財政の観点からも有効需要の押し上げがないと思われるため、とても今の金融緩和だけでは力不足であろう。こうした標準的な経済分析からみれば、片岡氏の反対は納得できるものだ。

 日銀はもっと失業率の話をしないと、世界標準からずれてしまう。片岡氏には、日銀は労働環境を重視すべきだと主張してもらいたい。

 そうした意味で、黒田東彦(はるひこ)総裁が、「財政規律は非常に重要だ」と強調し、暗に積極財政を否定していることは理解できない。

 本コラムの読者であれば、日銀を含めた統合政府で考えると、日本には財政問題がほとんどないということを理解しているだろう。しかし、財務省出身の黒田氏は頑として認めようとしない。その一方で消費増税をすべきだと、日銀総裁としては越権ともいえる発言をしたこともある。

 今回の財政規律発言では、「十分関心を持って見ている」との表現で、かろうじて越権発言になっていないが、財政に関する発言は日銀総裁としては注意すべきだろう。むしろ、政府と日銀が共有しているインフレ目標の達成の観点から、財政政策と金融政策は同時発動すべきである。

 金融緩和しつつ、財政緊縮というのは、現在のマクロ経済政策としては適切ではない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】マネジメントの原則からも片岡氏の行動は正しい(゚д゚)!

本日は、まずはブログ冒頭の記事にもあるイールドカーブについて説明します。これについては、このブログでは過去においては、一度も解説していませんでしので、本日解説することにしました。

イールドカーブとは縦軸を「債券の利回り」、横軸を「債券の残存期間(満期日までの期間)」として、長期・短期債券の金利を結んだ曲線のことで、ある時点の市場における平均的な債券利回りと残存期間の関係を表していると言えます。通常は「流動性プレミアム仮説」に基づき残存期間が長くなればなるほど金利が高くなるため、右上がりの曲線になります(順イールド)。

逆に、イールドカーブが右下がりの曲線になる場合(逆イールド)は、投資家が将来において景気が減退することに連動して金利が低下すると予測していることを意味し、景気が減退していく傾向があると考えられます。


また、イールドカーブの急な傾き(イールドカーブのスティーブ化)は、将来の景気が上昇していく傾向があると考えられ、市場の投資家が将来において金利が上昇していくと予測していることを意味します。

逆に、イールドカーブの曲線がなだらか(緩やかな傾斜)の場合(イールドカーブのフラット化)、将来の景気が減退していく傾向があると考えられ、市場の投資家が将来において金利が低下していくと予測していることを意味します。

イールドカーブにより将来の景気動向、金融政策などがある程度予測できると言われています。まず景気動向についてですが、一般的には景気が将来的に上昇していくような状況では、イールドカーブのスティーブ化の現象、つまりイールドカーブの傾きが急になることが多いと言われています。

逆に、景気が将来的に減退していくような状況又は先行きが不透明な状況では、イールドカーブのフラット化の現象、つまりイールドカーブの曲線が緩やかな傾斜となることが多いと言われています。また、逆イールドは、景気減退の予兆と見ることもできます。
次に、金融政策との関係ですが、一般的に中央銀行の金融政策が引き締めの傾向にあるときには、逆イールドになる可能性が高いと言われています。この様なことからイールドカーブは景気動向や金融政策を予測するための指標としても利用されることがあります。
次に、イールドカーブ・コントロールについて解説します。
イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)は、2016年9月の日銀金融政策決定会合で日銀が新たに導入した政策枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の柱のひとつです。
2016年1月から始めた短期金利のマイナス金利政策に加え、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度で推移するように買入れを行うことで短期から長期までの金利全体の動きをコントロールすることです。
日銀は指定する利回りで国債買入れを行う指値オペレーションを新たに導入するとともに、固定金利の資金供給オペレーションの期間を1年から10年に延長することによりイールドカーブ・コントロールを推進しています。

以下に日本国債の7月時点(7月31日)でのイールドカーブを掲載します。これは、財務省の金利データから作成したものです。

250日営業日前と比べるとイールドカーブが立ってきています。ただ、直近数か月は落ち着いているようです。10年物金利は概ね0から0.1%程度の間で収まっているようです。日銀のイールドカーブコントロールが効いてはいると思われます。

250営業日前と比べると明らかに水準が変わっていることがわかります。特に長期金利が上がっています。もっとも上がったといってもその差は1%にも満たない数字です。ただ、250営業日前は20年以上先の金利がほぼ同じでフラット化しており、何やら異常な感じがしますね。それから比べると現在はだいぶ正常な形に近づいているのかもしれません。あくまで形だけで、金利水準は大幅に低いのでしょう。

内閣府の資料によると日本の潜在成長率は0.8%とのこと。このままインフレが進まないと仮定すると、低成長の経済では資金需要が増えるとは考えられず、必然的に金利は高くならず、日本は低金利のままです。

いずれにせよ、イールドカーブはフラット化の傾向がみられ、特に250営業日前に関してはかなりフラット化しています。ということは、将来の景気が減退していく傾向があると考えられ、市場の投資家が将来において金利が低下していくと予測している可能性があることを意味します。

このようなイールドカーブをもとに、片岡剛司氏は「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分」と指摘したのです。

この状況では、やはり片岡氏の指摘するように、構造失業率を「2%台半ば」になるまで、追加の金融緩和を続ける必要がありそうです。

この必要性に関しては、高橋洋一氏の記事をもとに、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍内閣内閣が問われる「20兆円財政出動」で物価目標2%達成―【私の論評】今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか?

この記事では、高橋洋一氏の記事をもとに、日銀は追加金融緩和を行い、構造的失業率が安定的に2.7%程度にすべきであることを掲載しました。

さらには、日銀の大規模な国債買い入れによる金融緩和が続く中、今後は国債需要が強まる四半期末ごとにレポ市場での需給逼迫(ひっぱく)が強まる可能性があります。日銀は短国の買い入れを減らして流通量を増やしていますが、それでも国債が足りなかったことも掲載しました。

そうしてて、このような状況では、本来は国がこの状況に対応するため、国債を刷り増すべきであると主張しました。政府(財務省)が本来すべき仕事をしなかったため、日銀の金融緩和に支障がでてくる可能性がでてきたのは間違いないです。

以上のように、「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分」と指摘したことは十分根拠があり、正しいものと思います。

わこの行動に、金融関係者からは驚きの声が上がったといいいますが、片岡氏の行動は正しかったと思います。

このブログでは、最近政治や経済の話でも、意図して、意識して、マネジメントの原理原則にからめてお話をするようにしています。

このマネジメントの原理原則からしても、今回の片岡氏の行動は正しいです。

経営学の大家ドラッカー氏は、意思決定について以下のように述べています。
マネジメントの行なう意思決定は全会一致によってなしうるものではない。対立する意見が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めてなしうる。したがって意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。(『エッセンシャル版マネジメント』)
20世紀最高の経営者GMのアルフレッド・スローンは、反対意見が出ない案については、検討不十分として結論を出させなかったといいます。

意見の対立を促すには理由があります。一見もっともらしいが間違っている案や、不完全な案にだまされなくするためです。頭脳と感性を刺激し、すばらしい案を生み出すためです。

常に代案を手にするためでもあります。行なった意思決定が実行の段階で間違いであることや、不完全であることが明らかになったとき、途方に暮れたりしないためです。

そもそも戦略にかかわる問題については、ある案だけが正しく、ほかの案は間違っているなどと考えてはならないのです。そのようなことは、ありえないとすべきです。もちろん自分が正しく、他人が間違っていると考えてもならなのです。なぜ意見が違うのかを常に考えなければならないのです。さらには、誰が正しい、誰が間違いという観点で論議をしても、不毛です。何が正しい、何が正しいを問わなければならないのです。
明らかに間違った結論に達している者がいても、それは、なにか自分と違う現実を見、自分と違う問題に関心を持っているからに違いないと考えなければならない。(『マネジメント』)
ドラッカー氏は以下のようなことも語っています。
決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。(『経営者の条件』)
片岡氏1人だけが、 金融政策の現状維持に「不十分」として反対することは、確かに何が受け入れられやすいかという観点からは、一見あまり良いことのようにはみえません。

しかし、最初から全員に受け入れられやすい意見など述べていては、いずれ妥協するにしても、まともな妥協ができる可能性は薄くなります。

ドラッカーは次のようにも述べています。
頭のよい人、しかも責任感のある人は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思う。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考える。(『経営者の条件』)
片岡氏以外の日銀審議員は、最初から落としどころとしての妥協を考えた結果、金融緩和の現状維持の道を選んだのだと思います。

そうして、ドラッカーは、妥協について以下のように述べています。
妥協には2つの種類がある。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づく。前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。半分の赤ん坊では妥協にもならない。(『経営者の条件』)
最初から落としどころとしての妥協を考えていては、それこそ妥協するにしても、半分の赤ん坊しか得られないような妥協になってしまうおそれがあります。片岡氏はこのようなことは避けたかったのでしょう。

ドラッカーは、次のようにも語っています。
何が受け入れられやすいかからスタートしても得るところはない。それどころか、妥協の過程において大切なことを犠牲にし、正しい答えはもちろん、成果に結びつく可能性のある答を得る望みさえ失う。(『経営者の条件』)
片岡氏が反対しなければ、日銀の金融政策はこのようなことに陥る可能性が非常に高くなってしまったことでしょう。

様々な妥協を重ねていけば、いずれ日銀も、白川日銀総裁以前の日銀に戻ってしまい、何ら成果あげられない組織になってしまうかもしれません。

そのようなことは絶対に防がなければなりません。だかこそ、今回の片岡氏の行動は、賞賛に値するものだと思います。

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2014年10月11日土曜日

日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙―【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙

黒田総裁
麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁は10日、ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見した。麻生財務相は為替についてはコメントを避け、沈黙した。

一方、黒田日銀総裁はファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解を示した上で、日銀と政府の間に円安の影響について温度差はないことを強調した。

<為替発言はもっぱら黒田総裁、「政府と温度差なし」>

麻生財務相は「為替については話さない」と述べたきり、円安に関して一切発言しなかった。

これに対し、黒田総裁は饒舌(じょうぜつ)だった。「経済・金融のファンダメンタルズを反映した円安であれば全体として経済にはプラス」と述べたほか、相場変動の大きさやスピードについても「ボラティリティーが低いところから若干上がったことについて、特に大きな問題とはみていない」、「中期的にみて、市場のボラティリティーは依然かなり低い」と述べるなど、問題視しない姿勢を示した。

金融市場では日銀と政府の円安に対する姿勢の違いを懸念する声もあるが、黒田総裁は「円安が日本経済に及ぼす影響について、政府・日銀の見方に温度差があるとは思わない」と述べ、そうした見方を否定。「為替の動き含め、市場の動きの経済・物価への影響は引き続き注意深くみていきたい」と慎重な姿勢も見せた。

麻生財務相
<日本経済、緩やかに回復>

日本経済について、麻生財務相は「緩やかに回復しているとみている」と発言。世界経済についてユーロ圏を中心に懸念が強まっている状況もあるが、「世界経済については楽観も悲観もしていない」と特定の見方を明示しなかった。

黒田総裁は、世界景気の停滞感やさまざまな要因で原油価格など国際商品が下落傾向にあるなか、「日本は巨額の石油輸入国であり、原油価格の下落は日本経済にとってプラス」との認識を示した。

ただ、今回のG20では米国のルー財務長官が日本について「日銀がデフレサイクルを解消しつつあり、日本は慎重に財政健全化のペースを調整する必要がある」との見解を表明。これに対し麻生財務相は「金融政策だけではデフレを脱却できない。財政刺激も必要というのは日本は経験済み」と述べた。

【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

この黒田総裁の円安に関する発言、全く正しいと思います。現状の円安水準で「円安ガー」と叫んでいる人、頭がおかしいのではないかと思います。

たとえば、小泉政権のときは、どうだったかといえば、平均で116円でした。野田政権のときはどうだったかといえば、平均で79円でした。

これは、あくまで平均ですが、小泉政権のときは、最高で120円台までいったと記憶しています。これとは、対照的に野田政権のときは、最低で70円台までいきました。

小泉政権のときの円水準で特段何か良くないことがあったかといえば、そんなことはありません。これに対して、野田政権のときはかなりの円高で多くの企業が苦しんでいました。そうして、企業の海外展開が加速された時期でもあります。

どちらが良かったかといえば、小泉政権のときです。150円とか、200円などになれば、「円安ガー」などと叫ぶのはわかりますが、今の水準ならさほどのことではありません。

それにしても、「円安ガー」と叫ぶ人たちは、本当に目の前のことしか見ていないのだと思います。愚かです。

そもそも、現状では包括的な金融緩和をしているわけですから、相対的に以前よりは市場における円が増えているわけですから、円が少ないときよりは、円安に振れるのはあたり前のど真ん中です。

何でも、数の多いほうが価値が落ちるのは当然のことです。円も、従来よりは市場に流通する量が増えているのですから、その分価値が落ちる、だから円安になるというのは当然の成り行きです。今はこの成り行きによって、円安になっているだけです。こんなのは、小学生でもわかる理屈です。

上の記事で、黒田総裁が、難しい言葉で語っている「ファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解」はこのことを指しています。

さらに、円安でも輸出が伸びないということについて、危機を煽る人もいますが、その原因はあまりにもはっきりし過ぎています。

その原因を簡単に言うと、過去において、日本政府があまりにも円高を放置しすぎたため、たとえば、日本国内で部品を組み立てて海外に輸出するよりも、中国や韓国などの海外で組み立てたり、場合によっては、部品まで製造して組みたてて、日本に逆輸入したほうが安いなどという異常事態になったため、多くの企業が製造拠点を海外に移転したからです。

これは、異常な円高のためにそうせざるをえなくなったからですが、今度は円安になったからといって、すぐに日本生産拠点を移すことはできないからです。日本の企業が円安になっても、輸出を拡大できないような、不都合なことが発生しているというわけでも、突然日本企業の競争力がなくなったわけでもありません。

中国の工場

これについては、私などの拙い解説よりも、このブログにも頻繁に掲載している、高橋洋一氏の記事などご覧いただければ、十分ご理解いただけると思いますので、その記事のURLを以下に掲載します。
円安でも輸出が伸びない真相 5年間の円高放置の罪は重い
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、高橋氏が以下のように締めくくっています。
 円高放置は、福田政権以降の責任であるが、雇用重視のはずの民主党政権下でも円高を大きく加速させたのは情けない。本コラムの読者であれば、2国間の通貨の交換比率である為替レートは、双方の金融政策の差によって決まることをご存じだろう。 
 つまり、円高放置は、各国が金融緩和する中で、日本のみが怠ったことが原因だ。金融緩和は雇用確保にもなるのに、民主党は金融政策に無理解で、雇用重視は言葉だけになっていた。 
 率直にいえば、いったん海外に出て行った企業はなかなか戻らない。企業は円高傾向が確信された時点で海外に出て行く判断をしたように、円安傾向が一定期間定着しないと国内回帰は難しいだろう。ざっくりといえば、5年間の円高傾向があったので、5年間の円安傾向があってトントンだ。いまのところ円安の反転は2年弱なので、あと3年くらいの時間は欲しい。 
実は、小泉政権のときには、海外に生産拠点を移していた企業が、日本に生産拠点を移すということがみられるようになったときもありました。なぜそのようなことになったかといえば、現代の製造業に占める人件費の割合は、製造原価でみると、それに占める人件費(直接労務費と間接労務費の和)の割合は、平均で10%前後に過ぎません。

そのため、従来のように人件費を安くするためという理由だけで、海外に製造拠点を移すことはあまり意味がなくなってきたため、海外に移した製造拠点を日本に戻す企業もでてきたわけです。

しかし、この流れは、日銀が金融引締めに転じたため、そこで終焉し、現在に至っています

ですから、表面上や統計上は、輸出が減っているようにみえますが、海外に拠点を移したとはいっても、日本の企業ということには変わりありません。

だから、こうした日本企業による海外直接投資は収益として返ってきます。しかも、円安になったので円建てで見れば海外投資収益は大きくなるのも事実です。だからこそ、企業は、一旦海外に移した生産拠点をすぐに戻すということはないのです。

しかし、こうして海外拠点が海外に移ったことにより、本来日本国内にあれば、国内の労働者によって製造されていたはずで、その分の雇用は海外に移ったということです。

日本の工場

だから、やはり日本に生産拠点があることのほうが、日本にとっては望ましいことです。しかし、この円安水準が継続し、誰の目にも明らかになった場合、先ほども述べたように、製造業に占める人件費の割合は従来からみれば、格段に低くなったため、日本のような先進的な市場に生産拠点を構えているほうが、有利に働くので、拠点を国内に戻すことになります。

いずれにせよ、冒頭の記事で、黒田総裁が述べていたように、ファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解は正しいです。今更、金融緩和をやめて、円高水準にもっていく必要性など全くありませんし、そんなことは百害あって一利なしです。

今のこの水準で、"円高ガー"、"円高でも輸出ガー"と叫ぶ人は、過去の推移もみることができないし、企業の製造拠点の海外移転も考慮いれない馬鹿なのか、あるいは知っていても、裏に海外の勢力がついていて、その意向に沿っているスパイなのかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年12月3日火曜日

日銀総裁、金融緩和の効果を強調 実質金利「おそらくマイナスに」―【私の論評】世界の注目の的である日本の金融緩和、来年増税すれば景気は必ず腰折れする。しかし、追加緩和と、最低5年間で20兆円の追加経済対策さえ実行できれば、増税の負担を乗り越え日本経済を成長軌道にのせられる(゚д゚)!




日銀の黒田東彦総裁は2日午前、名古屋市内で開いた金融経済懇談会であいさつし、4月に導入した量的・質的金融緩和の波及経路を巡って「最も重要なルートが実質金利の引き下げだ」と語った。

実質金利は名目金利から予想物価上昇率を差し引いたもので、これが低下すると設備投資や家計支出を刺激する効果があるとされる。足元の長期金利については「米欧以外の新興国でも長期金利は上昇しているが、そうしたなかで日本の長期金利は0.6%程度で安定的に推移している」と説明。一方、企業や家計などの見方を反映した予想物価上昇率は「明らかに上昇してきている」と語った。その結果、実質金利は「おそらくマイナスになっている」といい、量的・質的緩和による効果が出ているとの認識を示した。

足元の日本経済に関しては「2%の物価安定目標の実現に向けた道筋を順調にたどっている」と強調。量的・質的緩和に関しては「物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続する」との考えを改めて示した。

【私の論評】世界の注目の的である日本の金融緩和、来年増税すれば景気は必ず腰折れする。しかし、追加緩和と、最低5年間で20兆円の追加経済対策さえ実行できれば、増税の負担を乗り越え日本経済を成長軌道にのせられる(゚д゚)!

上の記事では、金融緩和によって、マクロ的に見て実質金利はおそらくマイナスとなっており、かなり効果があったことを示しています。実質マイナスの金利とは、お金を借りても金利をかえさないですむどころか、実質的にお釣りがくるという水準です。これは、つい1年ほど前の日本では、とても考えられなかった水準です。まさに、お金の借り時です。

そうして、巷にも金融緩和の効果によるものと思われるニュースが報道されています。以下にその代表的なものをあげておきます。
千葉湾岸、パート争奪戦 イオンモール開業で3000人雇用  
 千葉県の湾岸エリアでアルバイト・パートの争奪戦が起こっている。イオンが12月20日に千葉市内に開業する旗艦店の採用人数は約350店で計3000人強。開業期に限り時給を数百円引き上げるなど人集めに躍起だ。あおりを受け、周辺の飲食店や工場も時給上げに動く。景気回復でもともと人手不足だったところに大型店の開業が重なり、時給高騰に拍車をかけている。
ハワイアンカフェ「ハレノヘヤ」
 「面接の席に着くなり採用された」。25日に開かれた「イオンモール幕張新都心」の合同面接会。ハワイアンカフェ「ハレノヘヤ」の面接に臨んだ女性(19)は驚いた様子。面接官からは「友達にも声をかけるよう頼まれた」という。
これは、金融緩和により、ミクロ的にも効果が出ているという証です。もう、金融緩和の効果をマクロ的に見ても、ミクロ的に見てもどうみても間違いなく効果がでてきています。

この傾向は、年度末まで確実に続きます。 ただし、来年4月以降はどうなるかはわかりません。

ところで、この金融緩和は、アベノミクスの第一矢ですが、このアベノミクスが、米国WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)の10大ニュースの第二位になっています。詳細は以下のURLをご覧になってください。
「WSJ日本版が選ぶ2013年10大ニュース」 
順位 ニュース 
1 米政府一部閉鎖と債務不履行の危機 
2 国内外から注目を集める「アベノミクス」 
3 金融緩和から出口探る米FRB 
4 米国NSA盗聴問題 
5 シリア内戦 
6 中国 薄熙来(はくきらい)失脚 
7 相次ぐIT企業の大型再編 
8 福島第1原発の汚染水問題 
9 ボーイング機事故 
10 世界各地の異常気象
WSJは、2014年注目の経済トピックスとして、日本の「消費税引き上げ」、「エネルギー革命」、「欧州危機は終わったか」の3点を挙げている。このうち、消費税引き上げについては、2014年4月の増税で消費者負担が8兆円拡大し、一時的に消費を圧迫するとの見方が強まっているとし、増税の負担を乗り越えて日本経済を成長軌道に乗せられるかに、来年は注目が集まるとしている。
WSJは、内容は国際経済的なものですが、アメリカの経済誌です。アベノミクスは、もし今年例年のように、米政府の一部閉鎖と、債務不履行の危機などという特異な問題がなければ、一位になっていたかもしれないということです。そうして、来年の一番のトピックは日本の「消費税引き上げ」です。増税の負担を乗り越えて日本経済を成長軌道にのせられるかに、来年は注目が集まるという、ことです。

世界を見回してみると、中国は不正に海外に流れた金を国内に呼び込むという信じがたい方法で、これから一息はつけるとはいうものの、その次の手立てがなく、まさに崖っぷちで、どうしようもない状況にあります。米国も良いとはいえません。欧州も似たようなものです。

そうしたなかで、唯一日本だけが、増税という不安要因はあるというものの、金融緩和によって大きな効果を出しつつあります。

これは、多いに世界が注目しているわけです。日本だけでも経済が上向けば、世界経済も随分違ってきます。これが、新興国などが景気が良かったとしても、いずれの国もあまりにも経済が小さすぎで、たとえかなり景気が良くなったとしても、焼け石に水で、世界経済にはほとんど影響がありません。しかし、日本の場合は、かなり経済が大きく、実質世界第ニの経済大国ですから、これが上向けば世界かなり良い影響があります。

こんな状況ですから、日本でも、たとえ増税しても経済が上向くように最大限の努力をすべきです。そうして、その方策はすでにあります。それに関しては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
増税決定でも動かなかった日銀 12月にも追加緩和の可能性ー【私の論評】異次元の追加金融緩和に、追加財政支出と、15年は10%増税見送り、第三次安倍内閣誕生で日本はやっとデフレから回復できる!(◎_◎;)
 過去20年の日銀悪夢を繰り返さないように、近いうちに必ず日銀法を改正して日銀の独立性を世界水準のまともなものにすべきです。そうして、増税が決まってしまった今は、さらなる金融緩和および、上で高橋洋一氏が提唱する、最低限5年間で20兆円の財政支出を行うべきです。 私は、100兆円規模の支出を行っても良いと思います。そうして、国民所得を増やして、一刻もはやくデフレから脱却して、政府の税収を増やすべきです。 
来年から増税した場合、当然デフレからの脱却から遠のくのは、はっきりしています。どう考えても来年4月からの増税は間違いです。デフレの最中の増税などというこは、本来絶対あってはならないことです。安倍総理は、アベノミクスの提唱者です。その安倍総理自身が、増税はせっかく金融緩和の腰をおることは、自民党内の誰よりも知っているはずです。しかし、自民党内のほとんどが増税派であり、それも心底そう信じる馬鹿者揃いであることから、安倍長期政権を狙うためには、今の時点では妥協せざるを得なかったのだと思います。 
日本が今後、デフレから確実に脱出するためには、さらなる異次元の追加金融緩和に、追加財政支出と、15年は10%増税見送り、そうしてしゃにむに第三次安倍内閣誕生させることです。これ以外に来年からの増税が決まってしまった日本に早期デフレ脱却の道は残されていません。
さてこれを、をご覧いただけば、来年日本がどうすれば良いかお分かりになると思います。黒田日銀は、12月からも追加金融緩和をすると表明しているので、これは何とかなるものとして、来年の4月以降は、この追加金融緩和を確実に行っているものとして、後は、最低限5年間で20兆円以上の財政支出を行うべきです。 これは、さらに多くても良いです。できれば、本当は100兆円です。そうして、15年度以降は、10%増税どころか、増税など絶対にやめ、理想としては減税すべきです。

まともに増税すれば、次の東京オリンピックのときも、デフレの最中での開催ということになります。ロンドンオリンピックは不況の中での開催となり、経済的波及効果もあまりありませんでした。しかし、少なくともイギリスはデフレの真っ只中ということではなく、不景気の中での開催でした。東京オリンピックがデフレの最中で開催されるということになれば、現在の日本は経済の規模が大きくて、東京オリンピックの経済効果など、焼け石に水の微々たるものに過ぎず、元気のないものになることが予想できます。

オリンピック招致での総理のプレゼン。次の東京オリンピックの
時の日本には、是が非でもデフレから脱却していてほしいもの。

しかし上にあげた、最低限のことを実行する意思決定ができれば、日本はたとえ来年増税したとしても、早期にデフレから脱却できる可能性が高まります。そうして、オリンピックを開催するにふさわしい日本国となることができます。

しかし、来年増税すれば、今影を潜めているアベノミクス反対派がまたぞろ、冬眠していたクマが冬眠からさめるように、ぞろぞろ這い出してきて、緩和=アベノミクス=無効という珍説がまたぞろ巷に横行することになります。しかし、私たちは、そんなものに惑わさないどころか、個別粉砕撃破し、力強い成長をめざすべきです。

まさに、来年は、WSJが報道しているように、増税の負担を乗り越えて日本経済を成長軌道にのせられるかが、世界から観た焦点となります。日本経済を成長軌道にのせるためには、日本政府が、上記で述べた最低限のことを実施するだけの器量があるかどうかにかかっています。安倍総理にはその器量がありますが、自民党の大部分の議員にはその器量がありません。これらの議員の意識改革が来年の大きな焦点になりそうです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年8月2日金曜日

黒田氏を日銀総裁に決めたように 安倍総理が消費税増税延期を決断する日―【私の論評】冷静に考えれば、もともと増税など単なる悪夢でしかないことを安部総理は、誰よりも良く知っている!だから、増税などできない!(◎_◎;)そんなことより保守派にとっては、もっと大事なことがある(゚д゚)!

黒田氏を日銀総裁に決めたように 安倍総理が消費税増税延期を決断する日

そもそも、自民党総裁選から奇跡は続いている

消費税引き上げをめぐって、政府与党内の議論が激しくなってきた。安倍晋三首相や菅義偉官房長官は慎重に判断する姿勢を変えていないが、麻生太郎副総理兼財務相、甘利明経財財政担当相、高村正彦自民党副総裁らは増税に傾斜した発言を続けている。

安倍総理は消費増増税を延期するだろう

そこで、安倍がどうするかが唯一最大の焦点である。

安倍は今回の消費税引き上げ問題でも、黒田日銀の指名に始まる第1の矢と同じ発想で対処する、と考えるのが自然である。黒田日銀の誕生と金融緩和、物価安定目標こそが「安倍政権の原点」であるからだ。

日銀人事は、政治主導どころか安倍総理が主導した
麻生副総理は武藤敏郎元財務事務次官を日銀総裁に推していたが財務省の意を汲んで武藤総裁実現に汗をかいたのは麻生である。

財務省は安倍対策に麻生を押し立てる一方、主な新聞やテレビ局には幹部が絨毯爆撃して「武藤がいかに日銀総裁にふさわしいか」を力説して歩いた。その結果、NHKはじめ主な新聞、テレビは決定ぎりぎりまで「武藤最有力」と報じ続けた。財務省得意の外堀を埋める作戦である。

麻生は武藤を推していたものの、最後は「これは総理のご判断。総理が決めれば、私は全面的にそれを支える」と言って、総理の決断に委ねた。麻生は立派だった、と思う。さすがに内閣総理大臣経験者である。

今回の安倍以前の政権では、自民党でも民主党でも経済政策を作ってきたのは事実上、霞が関だった。そして金融政策は日銀まかせだった。内閣総理大臣が自前の、いわば手作りの経済政策で勝負したのは、実に今回の安倍政権が初めてなのだ。そういう意味で、アベノミクス第1の矢はまさしく「政治主導」の政策である。

アベノミクスの第1の矢は民主党の口先だけの政治主導とは異なる

矢を放つ実務を委ねたのも、財務省や日銀ではなくて安倍自身が選んだ黒田だった。つまり、政策の立案から実行まで完全に安倍主導なのだ。

これがいかに画期的か。民主党政権が政治主導を掲げながら、結局は財務省のはがい絞めに遭って、消費税引き上げを決めた経過と比べれば、おのずと分かるだろう。

民主党政権は口先だけの政治主導だったが、アベノミクスの第1の矢は本物の政治主導である。ここは、だれにも否定できない。霞が関や日銀に「いや、大胆な金融緩和と物価安定目標を安倍に提案したのは、実はオレなんだ」などとホラを吹く人間は1人もいないのが証拠である。そんな官僚がいたら、それこそお笑いだ。

政治主導で始まったアベノミクスの原則的立場で考えれば、今回の消費税引き上げもおのずと答えが見えてくる。安倍はけっして財務省の言いなりにはならない。それが答えだ。今回の消費税引き上げは、そもそも財務省の言いなりだった野田佳彦政権が始めた政策である。そんな政策に安倍がそのまま乗るだろうか。ありえない、と私は思う。

安倍総理は官僚が作ったシナリオには丸乗りしない

だからといって、安倍は絶対に消費税を引き上げないかといえば、そこはなんとも言えない。政治主導の原則を守りつつ「引き上げる」という選択だって不可能ではないからだ。

ラジオドラマのシナリオ。役人のシナリオはこれ以下?

もしも引き上げるとしたら、それは安倍自身が考えた結果だろう。官僚が作ったシナリオに丸乗りした形にはならないはずだ。

それは、どんな結論なのか。私は多くの記者が夢中になるように、安倍が引き上げるのか上げないのか、結論を言い当てることにたいして関心はない。ただ「政治主導の形を見せてほしい」と思うし、そうなるだろうと思う。それが新しい政治の可能性を開くのだ。

この記事は要約です、詳細はこちらから!!

【私の論評】冷静に考えれば、もともと増税など単なる悪夢でしかないことを安部総理は、誰よりも良く知っている!だから、増税などできない!(◎_◎;)そんなことより保守派にとっては、もっと大事なことがある(゚д゚)!

2012年11月13日火曜日

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」―【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」

日銀の白川方明総裁は12日、デフレ脱却に向けて日銀がインフレ目標を設定すべきだとの意見に対し「物価も賃金も上がらない状況が長く続いた日本経済では現実的でない」と述べ、否定的な見解を示した。共同通信が都内で開いたきさらぎ会で講演した。


日本の消費者や企業では「物価は上がらないのが普通だという感覚」が定着しているとして、白川総裁はインフレ目標を設定しても「いきなり人々のインフレ予想が高まることは起こり得ず、われわれが望むデフレ克服とは違う」と述べた。

その上で、経済成長には企業の新規事業の開拓が重要とし「思い切った規制緩和など政府の役割も大きい」と強調。

【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

この発言、暴言以外の何ものでもないです。本当に困ったものです。やはり、日銀は本格的な金融緩和などまったくするつもりがなく、円高・デフレの守護神をこれかも続けると宣言しているようなものです。デフレを長い間許容していたから、物価も賃金も下がる状況が続いているのであって、因果関係が完全に逆転しています。白川総裁は、必要条件と十分条件の区別もつかないようです。そうして、これは、本音なのだと思います。しかし、ここまではっきりせずとも、このような本音は前から十分に推測できました。


たとえば、日銀は「資産買入れ等の基金」を10年10月に「創設」していますが、これは得体の知れない看板にすぎず、これはあくまでも日銀のバランスシート上で特別の項目を建てただけのことで、現実は、短期的な市場オペを行い、一部、株式投信、不動産投信インデックスを買い上げ、日銀が株式、不動産相場に介入してるだけです。短期的な市場オペとは、結局国債を買い取るにしても残存期間が1年から2年のばかりで、これでは、本格的な緩和措置にはなり得ません。マクロ的にみれば、現金をあちこちたらい回しにしているだけで、結局マネーサプライの総量は変わらないどころか、減少しています。そうして、結局金融引き締めめををしているということです。

全く愚かな政策です。中央銀行である日銀の行うべき金融政策はあくまでもマクロ政策であり、市場での相場形成は民間にまかせ、中央銀行は直接関与すべきではありません。

現在の日本では、最優先すべきマクロ政策は、脱デフレであり、日銀はお札を継続的に増刷する「量的緩和政策」を実施し、さらにインフレ目標を提示し、提示するだけではなくそれを実現するために責任を持つことです。責任を持つということは、期間も明示し、その期間に目標を達成できなけば、よほどの理由がない限り、白川総裁が辞任するということです。そうして、政府はこの日銀資金を再生・復興に役立てる戦略を立て、実行するということです。


ところが、日銀は「量的緩和」と「インフレ目標」に二つも明確にせず、「包括緩和」と「インフレのメド」と言い換えています。量の面では「基金70兆円」と言いながら、量的緩和の指標であるマネタリーベースは本年3月末、前年同期を下回りました。

日銀は「基金」を3月末までの1年間で17兆円増やしてあたかもお金を17兆円新規に刷ったかのごとく発表して、マスコミはこの情報を垂れ流ししてますが、これはトリックに過ぎません。現実には、マネタリーベースは6兆4000億円減少しました。結局日銀は実際には緩和とみせかけて、お金を吸い上げて引き締めています。その結果、2月14日の「1%のインフレのメド」発表でいったん円高是正に振れたマーケットもすぐに元に戻りました。


要するに、白川総裁のやっていることは、圧力や批判をかわしすための偽装緩和にすぎず、その目的はデフレ・円高を堅持するためとしかいいようがありません。これでは、一体日銀はどこの国の中央銀行なのかさっぱりわかりません。これでは、日本の経済は悪化する一方ですが中国やアメリカなど他国を利するだけです。

さて、このような日銀の挙動に関して、マスコミは以前から、いわゆる日銀の独立性を盾にとって、擁護してきましたが、最近さらに気になる動きがあります。それは、明らかに事実を曲解させるような動きです。

たとえば、昨日のWBSでは、以下のような画像が流されました。

この画像驚くべきことに、日本のマネタリーベース(市場に出回っているお金)が世界一であるかの印象を植え付けるようなものです。これをみると、大方の人は、あたかも日銀がかなりの金融緩和をやっているように曲解すると思います。これは、実額を示しているものなのでしょうか、それとも・・・・・・。とにかく、実額にしても、対比にしてもあり得ないことです。WBSは、このような誤解を招くような報道をしたことを謝罪するべきです。


わかりやすくするには、どこかを基準として、そこからどのように伸び率が変わったかを複数の国で比較すべきで。たとえば、2000年を100とすると、以下のようになります。このような表示の仕方が一番わかりやすいです。こうしてみると、いかに、日銀が金融緩和をしていないか、一目瞭然です。こういう表示をすべきです。


それにしても、WBSの表示、なぜあのようになるのか、理解に苦しみます。そうして、WBSでは日本は、流動性の罠にはまっているので、財政出動をしても効き目はなく、規制緩和や金利の引き上げをしろと報道しています。需要がないので、現状では金利が下がっているのに、無理やり金利を引き上げれば、需要はますます冷え込むだけです。WBSは、リチャード・クー氏などがでているときは、本当に良い番組だったのですが、最近は日銀御用メディに成り下がってしまったようです。

これからも、このような日本国や日本国国民をいたぶる金融政策を擁護するマスコミがはびこるものと思います。そうして、自民党安部総裁の日銀インフレ目標3%とか、日銀法改正の意向表明などほんど報道されません。一体誰のための日銀であり、誰のためのマスコミなのかわかりません。私たちは、このような情報、印象操作に惑わされるべきではありません。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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2012年10月6日土曜日

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁―【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁:


日本銀行の白川方明総裁は2012年10月5日の会見で、デフレ脱却に向けた「1%の物価上昇」目標の早期達成は、欧州の債務危機の影響などで国内景気が停滞していることから、難しいとの見方を示した。これまでは、消費増税が予定されている「2014年度を含めた遠くない時期に1%に達する」としていた。

日銀はまた、この日の金融政策決定会合で金融政策の「現状維持」を決めた。白川総裁は会見で、「9月に景気シナリオを下方修正し、物価も下方修正することになる」と話した。

【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

白川総裁は、全くやる気がないようです。1%のインフレ目処を約束しておきながら、これすらも、実施せず、ただただ、日本国内のデフレと、円高を確実に守る、デフレ円高守護神の立場は絶対崩さないようです。一体どうなっているのでしょうか?現在デフレーターでみても、物価は下がりっぱなしで、とても1%なんて実現できる状態ではありません。ここで、追加緩和措置を打ち切ればとんでもないことになります。


EUの債務危機で、国内需要が停滞していることと、消費税による国内景気が停滞するというのであれば、通常は、金融緩和をするのが当たり前の真ん中です。白川総裁の言うことは、人間でいえば、癌治療をしている最中に、癌が悪化したので、有効な治療薬の投薬を中止しますといっていると同じようななものです。驚天動地の発言です。一体この人の頭の中はどうなっているのでしょうか?全く理解できません。どなたか、この常軌を逸した発言、その真意理解できる人がいたら、説明してください。

これじゃ、ますます、国内景気は落ち込むし、年末にかけて、アメリカ、EUなども大規模な金融緩和を実施するなか、日本が追加金融緩和措置をやめれば、とてつもない円高になるのは目に見えていまます。本当に全く解せない発言です。これは、ひょっとして、先日中国人民銀行総裁の、日銀が大幅に金融緩和をすることについての懸念表明への答えなのでしょうか?日銀が中国からの指令で動いていると揶揄する人たちもいますが、こうなると、この揶揄も、揶揄ではなく真実味・現実味を帯びてきました。

やっぱり、日銀は、海の向こうからの指示で動いているとしか考えられません。まあ、先日も述べたように、いまや中国は、スタグフレーションの領域に入っていますから、いくら日銀が金融引き締めを行ったところで、もう打ち出の小槌にはなりません。それにしても、中国人民銀行総裁の懸念表明にあまりに都合の良い返答ではありませんか。実際、こうしておけば、少なくとも、人民銀行総裁のご機嫌を損ねる心配はありません。しかし、そんなことで、本当に良いのでしょうか?

中国人民銀行総裁
まるで、外国の指示でうごいているかのようなこの発表の直前の日銀政策決定会議に、前原誠司財政相が出席していたはずなのに、前原さんも、この日銀の常軌を逸した暴走に対して何も抗議しなかったのでしょうか?一体何のために参加したのでしょうか?こういうときこそ、普段の番長ぶりを発揮して、徹底的に抗議すべきではなかったですか?その後、日銀の暴走を非難する声明も発表していません。

まるで、子供のお使いのような参加ですね。おそらく、金融政策のことなど何にもわからないで参加しているから、まともな発言ができなかったかもしれません。それとも、日銀の「独立性」を認めているから、思ったことを発言できなかったのかもしれません。日銀さぞや今頃、胸をなでおろしていることでしょう。

そういわれてみれば、Twitterでは、ある方が、「ウィークアップにて前原がデフレの原最大の原因は人口減少だと熱く語ってました。騙されに行ってるのでは…」とツイートしていました。デフレ、インフレとは、純粋に通貨貨幣の流通量の問題であって、人口とは全く関係ありません。全く理解できません。あの勝栄二郎元財務次官も、こんな珍説はさすがに、語っていませんでした。日銀は、この珍説、論文として最近発表したことはこのブログでも紹介しました。


それにしても、デフレの最大の原因は人口減という説は、完璧な間違いであること、すぐに看破できます。ちょっとやってみましょうか?

わかりやすくするため少し乱暴で、物騒ですが、極端に解説します。たとえば、今日本が、中性子爆弾(人間動物だけ殺傷し、他のものは傷つけないとされている)により、日本が攻撃されて、いきなり人口が半分になったとします。お金を含む有形無形の資産は、そのまま残ったとします。そうしたらどうなります?お金などは、そのまま残り人が半分になります。流通しているお金がそれまでの二倍あることになりませんか?そうして、二倍のお金は、生き残った人たちに移転します。また、相続税として国庫にもはいります。

こういうお金がいっぱいある状態を何といいますか?そう!!インフレです。この時点で、デフレ人口減説は完璧に破綻しています。それも、それまでの倍のお金が流通しているわけですから、ハイパーインフレですね。ただし、この場合、日銀は、このインフレをそのままにしておくわけはありえませんから、過剰なお金を回収して、中性子爆弾爆弾で人口が半分になる前から比較すると、半分にすることでしょう。

稀代のトンデモ本!!
いや、違うかな!!日銀の今のスタンスであれば、お金の流通量を半分にするのではなく、半分の7、8割にまで、減らして流通量を減らして、デフレ・円高路線を堅持することになるでしょう。

何しろ、人口が半分になれば、復興のため様々なことをして、人口が半分になっても、人々が豊かに暮らしていけるようにする必要があります。たとえば、必要のない建物を減らすため古い建物を壊したり、人口が半分になったことにより、場所によっては、地方自治体が、機能を失ったところもでてきて、たとえば、いくつかある村や町が維持できなくなり、一つの村に複数の村を併合したり、併合するだけではなく、併合した町のインフラを整備する必要がでてきます。また人口を増やしたりするため、様々ことにとりくまなければならくなります。また、人口が急激に増えてくれば、それなりにインフラ整備をしなければなりません。

そうなると、普通は、インフレになり、景気がかなり上向くかもしれませんが、今の日銀は、そんなことは、絶対にさせません。デフレ、円高路線で、日本が成長をするのをとめることでしょう。そんな馬鹿なと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、でも、それが、現実の現在の日銀のスタンスです。異常です。

さて、皆さんは、どう思われます。こんな日銀の暴走をいつまでも許容してはいけないと思うのは私だけでしょうか?

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2012年9月30日日曜日

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日銀総裁を公募で選ぼう:

イギリスの中央銀行、イングランド銀行
2012年09月30日(日)

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[ ドクターZは知っている ]日銀総裁を公募で選ぼう 

[ドクターZ]

イギリスの中央銀行であるイングランド銀行は、1694年創設で300年以上の伝統がある。現在のキング総裁は来年6月に2期10年間の任期を終えるが、その後任選びでイングランド銀行の長い歴史の中で初めて公募による選考が行われる。

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【私の論評】次の日銀総裁人事は、自民党総裁すなわち安部新総裁が大きく関われるようになっていなければならない!!

イギリスでは、この記事にも掲載したように、2010年に付加価値税を大幅にあげて、その後大不況になり、イングランド銀行は、大増刷を含む大々的な金融緩和を行いました。そのせいか、しばらく間、インフレ率が、4%前後の状態が続き、これが、反リフレ論者の不況期にお札を大量に擦り増しすれば、ハイパーインフレになるという説の有力な根拠とされたいましたが、最近では、2%前後に落ちついています。

イギリスでは、国旗をビキニのデサインにして、それを着用することにあまり抵抗がないようです
これによって、反リフレ派による、不況時増刷は、ハイパーインフレを招くという珍説・奇説は、そもそも最初からあてはまらないことは、マクロ経済学的にはっきりしていたのですが、完璧に敗北しました。とはいいなが、イギリスの景気は、この第金融緩和によっても、回復せず、付加価値税導入の目的でもあった、財政赤字削減は未だ全く目処がたたない状況です。

この事例は、日本がいわゆる三党合意で、成立した、消費税増税法案により、デフレの最中に増税しても、全く効果がないばかりか、かえって税収が減り、増税した後で大幅に金融緩和してもほとんど効き目かないという、マクロ経済学上では、当たり前の真ん中であり、高校生あたりでも、優秀な人であれば、簡単にわかる理論を裏付けるものです。

日本では、国旗をビキニして着用するということはないようです
日本では、なぜかマスコミは、なぜかこのことをほとんど報道しません。日本のマスコミが報道するのは、オリンピックと、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作に関係する事柄程度です。実際日本ではは、いわゆる識者といわれる人々でさえ、イギリスの経済の真相を知らない人も多いようです。

さて、上の記事にも掲載されている、イングランド銀行の総裁公選に関するニュースは、日本ではおそらく、ほとんど報道されないか、報道しても正しくは、報道されないし、さらにその意味合いについてもほとんど報道しない限りと思います。これは、私の予測です。何しろ、マスコミは、過去においても、イギリスの経済の真相をほとんど報道しないようにして、情報統制をして、不況時の増税が全く意味がないことの実例を日本国内では封印してしまったという動かし難い実績があるからです。

国旗をビキニの柄にして、それを身につけるというのは、
国旗が嫌いだとできないです。報国の一環なのでしょうか?
それともう一つは、今年来日したときの公演で、「一国の中央銀行の独立性とは、政府の金融政策に従い、専門家的な立場から、政府の金融政策を実行するときに、手法を選べる自由があるというのが、せかいの常識である」との趣旨を述べたように、日本銀行といえども、本来政府の金融政策に従う必要があるのです。日銀ができるのは、実行方法を専門家的立場から、選ぶことができるということです。

しかし、なぜか、この中央銀行の独立性に関して日本では勘違いが横行していて、「日本国の金融政策を日銀がどこからも干渉されずに、政策を定めるのが、日銀の独立性」とされています。これは、平成10年に日銀法が、改悪されてから、横行している間違いです。

天皇陛下万歳!!
そうして、マスコミは、たとえば、自民党政権が、白川総裁を選ぶときに、最初は、白川総裁以外の人物を選ぼうとしましたが、それに当時野党の民主党が反対し、人事が二転三転、しましたが、これに関してマスコミは、全く問題にせず、報道はしましたが民主党に対して日銀の独立性をおかしているなどの報道は一切ありませんでした。

しかし、民主党政権になってからは、自民党や、自民党の政治家が、日銀や白川総裁のやり方を批判したりすると、「日銀の独立性を無視した、とんでもない行為」などとした、馬鹿な報道を繰り返しました。しかし、これって、いかがなものでしょうか?民主的な国家においては、政府や中央銀行や、それらの誰かが、明らかに間違った政策を遂行すれば、批判されるのが当たり前です。どの部署でも人物でも、全く批判をしていはいけないということにでもなれぱ、それは、最早民主国家とはいえません。

日本をさらに弱らせれば、英霊の方々にもうし
ひらきができるか!!反日勢力をのさばらせて良いのか!!
そうして、日本では、デフレ・円高・雇用悪化と日銀の金融政策が不味くても、マスコミは、ほとんど日銀の不始末を報道することなくスルーしています。特に、日銀の円高誘導が、結果として、中国人民銀行東京支店のように、固定相場制の中国が、大規模な元刷りましを安心して実行できるよう担保してきたことなど報道しません。以上のようなおろかな報道の仕方をするから、私は特に最近マスコミのことを「売国5流薄バカ低脳KYマスコミ」と表現して厳しく批判しているのです。

上の記事では、「NHKニュースでは、中央銀行のトップを公募で選ぶのは世界的にも異例の措置であると報じていたが、実はそうでもない。ニュージーランドの中央銀行総裁も公募だった。なぜ公募で選べるのかというと、中央銀行の仕事は他の官庁と比べて明確な成果目標を設定しやすいからだ。簡単にいえば、どこの国の中央銀行も物価の安定を目標としており、消費者物価で何%と数値目標を設定しやすい。これを制度化したものが各国で採用されている「インフレ目標」というもので、中央銀行の総裁の仕事は、極言すれば設定されたインフレ目標を達成することに尽きる。端的にいえば、インフレ目標を達成してくれる人なら誰でもいいのだ」と掲載しています。

トリンプの「なでしこブラ」、ボトムは、半日の丸の模様。二つあわて日の丸になることで、絆を表現
やはり、正確ではないし、その意味合いも報道されていません。他のマスコミも、これに右ならえをするか、全くもしくは、本当に軽い扱いでしか報道しないことでしょう。

これから、日銀を巡っては、マスコミを首班とする売国勢力と、一国の中央銀行のとして日銀をまともにしようすとる報国勢力との熾烈な戦いが繰り広げられることになります。日銀をまともにしない限り、日本は、いつまでも足をすくわれるばかりの繰り返しになります。実際過去20年近くずっとすくわれっぱなしでした。財務省においては、勝栄二郎財務次官が退官に追い込まれ、報国勢力が勝利はしました。だから、増税一辺倒ではなくなりつつありますが、まだまだ、実際に増税される可能性は十分あります。

なでしこジャパン優勝の直後。日本のマスコミは、日の丸が大嫌いなので、こういうシーンはスルー
そうして、現在特に日銀を巡っての、戦いの報国側の筆頭は、言うまでもなく自民党安部新総裁です。どうしても、日銀をいつまでも、中国人民銀行東京支店のような行動をさせ、日本を弱らせることを旨とする売国勢力まだまだ侮ることはできません。そうして、いずれ、マスコミは、日銀の行動を変えさせないために、ありとあらゆる手段を駆使すると思います。その中には、当然のことながら、いわゆる安倍叩き報道もあることでしょう。

この決戦に報国側が勝利するためには、安部新総裁が、どのような形であろうと、日銀新総裁を選ぶ際にに大きく関われるようになっている必要があります。もしこのようなことがなければ、私たちは、失われた20年を通り越して、失われた30年を覚悟しなければならなくなるかもしれません。

帆船に掲げられた日章旗
そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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