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2014年8月23日土曜日

GDP予想をまったくはずした熊谷亮丸氏・木下智夫氏「今度こそ当たる!年末までは絶対V字回復!なにがなんでも増税だ!」WBS-TL不満大爆発!―【私の論評】無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置け!とはいっても多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべし(゚д゚)!

GDP予想をまったくはずした熊谷亮丸氏・木下智夫氏「今度こそ当たる!年末までは絶対V字回復!なにがなんでも増税だ!」WBS-TL不満大爆発!

本日は、以下のような経済評論家上念氏のリツイートがありました。
このWBSの放送が、YouTubeに掲載されていないかどうか調べてみましたが、それはありませんでした。しかし、熊谷氏の本年度の経済見通しに関する動画を見つけましたので、それを以下に掲載します。以下の動画に、熊谷氏がでています。



残念ながら、私自身はWBSの番組は見なかったのですが、おそらくこの動画と同じような内容のことを語っていたのたと思います。この動画の中で、櫻井よしこさんは、熊谷氏の解説にツッコミをいれるでもなく、そのまま淡々として聴いていました。あいかわらず、経済オンチであることが再確認できました。

その他、WBSのサイトを見てみると、番組の説明がありましたので、それを以下に掲載しまする
2014年8月20日放送 23:00 - 23:58 テレビ東京ワールドビジネスサテライト (マーケット) 
SMBC日興証券の牧野チーフエコノミストは0.4%の下方修正、大和総研の熊谷チーフエコノミストは14年度の見通しは下方修正、野村証券の木下チーフエコノミストは0.9%まで引き下げたと3社とも揃って下方修正した。 
理由は増税前の駆け込み需要の反動減が予想を上回ったためという。7-9月期経済成長率予想では野村証券が5.9%増予想と強気であった。野村証券の木下エコノミストは余裕を持って10%への増税決定につながると思うと話した。大和総研の熊谷エコノミストは今の財政状況を考えると増税しなくてはならないと話した。 
SMBC日興証券の牧野チーフエコノミストはまだ完全にデフレから脱却していないので、増税の先延ばしも十分考えられる等話した。
WBSのツイッターのタイムラインは、これに関して、不満が大爆発しているそうです。当然といえば、当然です。

【私の論評】無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置け!とはいっても多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべし(゚д゚)!

この反応当然でしょう。年末にかけて、この予測が大幅に外れた場合熊谷氏はどうするのでしょうか。無論責任などとらないです。

熊谷氏の経済見通しの中で、唯一の拠り所は、4-6月期に経済が低迷したのは、3月の駆け込み需要の反動というだけでした。他に何の根拠もありません。

しかし、今回の増税が非常にまずいのは最初からわかっていることです。どうしてまずいのか、いかにその理由をあげておきます。

まずは、第一に日本は未だデフレから解消しておらず、デフレ下の増税は日本でははじめてのことです。これは、良くいわれていることで、いまさらという感じもしますが、以下にまとめておきます。

第一回目の3%増税のときは、日本はインフレでした。

第二回目の97年の5%増税のときも、日本はデフレ気味ではありましたが、あくまで気味というだけで少ともデフレではありませんでした。その後日銀法が改正され、98年からは、完璧にデフレのどツボにはまりました。

完璧にデフレ基調(要するに一部の例外を除き、全体では給料が下がり続ける最中)のときの増税は、今回が初めてということです。

第二に、過去2回の増税のときは、今回のようなネット増税ではありませんでした。

89年消費税創設時には、物品税が廃止され、ネット(全体)で減税でした。97年増税時には、先行減税があり、実質的には増税でも減税てもない中行われまた。しかし、今回の増税はネット(正味の)増税です。

これの悪影響がないはずはありません。唯一の救いは、昨年の4月より、日銀が異次元の包括的金融緩和に転じたことです。

しかし、それにブレーキをかけるような増税です。増税しなければ、2年から3年で日本はデフレから脱却できて、税収もあがり財政再建のめどもたったかもしれませんが、上記のような理由により、デフレからの脱却はかなり遠のくことが考えられます。

来年の10%増税もそのまま実行してしまえば、デフレ脱却のめどはたたなくなります。

それにしても、熊谷氏や、木下氏は無責任だと思います。

熊谷氏に関しては、過去にこのブログで紹介したことがあります。

その記事のURLを掲載します。
消費増税の影響軽視は危険 エコノミストの根拠なき楽観―【私の論評】民間エコノミストには日本の過去の経済史も、イギリスの先行事例も知らない人が多数存在。そもそも、こんな人たちに先の見通しがたつのか、直近の動向だけで判断して本質は理解していないのではないか(゚д゚)!



詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の熊谷氏に関わる部分のみ、掲載しておきます。
熊谷氏は2009年04月06日に、日本が経済の回復が、遅れるのは、なぜでしょうかと問われて? 
「産業構造の問題だと思います。 
 日本は中国に資本財を輸出し、中国がその資本財で組み立てた製品を米国に輸出する。こうした「三角貿易」的な経済構造なので、日本と最終需要地である米国との間には距離があります。景気回復のタイムラグが生じるのはこのためです。 
 また、内需にインパクトを与えるハイエンドな消費は景気の本格回復に遅れてブレイクします。テクニカルな意味での景気後退は09年末に鎮静化するものの、本格回復には、さらに1年近くを要すると考える理由はここにあります」。 
と答えています。2009年といえば、日本は、日銀の破茶目茶な、金融政策により、デフレのどん底を這いずりまわっていた時です。普通の常識ある人であれば、日本の経済の回復が遅れるのはななぜ、と言われれば何をさておいても、「日本はデフレだから」と間髪を入れずに答えるのが当たり前だったと思います。まあ、熊谷氏や大和総研の皆さん、もしこの指摘に不服があるなら、このブログにでも、堂々とコメントでもいただけましたら、受けてたちます。かかってきなさい。とにかく、信用第一の金融機関の頭脳がこのような愚かなことを言っていたというのは、本当に残念なことです。発言するときには、マクロ経済を踏まえたまともなことを言うべきと思います。 
これは、たまたま、サイトを検索したところ、熊谷氏がでてきたから掲載したのですが、他のいわゆるエコノミストなどと言われる人たちでも、このような的外れなことを言っていた人たちはいくらでもいます。熊谷氏に対する、個人攻撃ではないことをはじめに断っておきます。いわゆる、高橋洋一氏のいう、エコノミストと呼ばれる人たちの、先の見通しというのは、全く信じられないことが多々あります。過去にもあいた口の塞がらない、とんでもない発言をしていた、エコノミストと言われる人々が大勢います。
上の記事を少しだけ捕捉しておきます。熊谷氏が2008年のリーマン・ショックを原因にあげていれば、私はこのような反論など掲載しなかったかもしれません。

しかし、現実にはリーマン・ショックによって、日本の経済が低迷したのは事実です。ただし、私は、リーマン・ショック自体が、日本に直接悪影響を与えたとは思っていません。

本来、日本はあまり影響を受けるはずはありませんでした。しかし、リーマン・ショックの後にアメリカ、EUなどほとんどの先進国において、このショックから立ち直るたけめに、大規模な金融緩和策を実行したにもかかわらず、当時の日銀は何もしませんでした。

リーマン・ショックを伝える新聞。しかし、日銀の不手際を伝えたものはほんどなかった

他国が、こぞって金融緩和をしているにもかかわらず、日本だけが、しなければどういうことになるかといえば、円の流通量が相対的に減って、デフレ状況がさらに進みます。相対的に円が少なくなるのですから、円高になるのも当然の帰結です。

日銀の金融政策の失敗により、日本はさらにデフレ・スパイラの泥沼に落ち込み、円高傾向になったのが、景気低迷と低迷から日本がなかなか抜け出せなかった真の理由です。

こういう背景から、私自身は、リーマン・ショック後の日本の経済の落ち込みをリーマン・ショックではなく、日銀ショックと呼んでいます。

一応、エコノミストと名乗っているのなら、このくらいの論評をして欲しいとも思いますが、リーマン‥ショックのことは一言もいわず、日本が経済の回復が、遅れるのは、なぜでしょうかと問われて、産業構造の問題などと答えるのは、まさに頓珍漢といわざるをえないです。

しかも、直近でも、GDPの予測を全く外しています。

このような人が、なにがなんでも増税だと叫んでも、説得力が全くありません。

このような、無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置けといいたいです。

しかし、そうは言っても、この戯事に櫻井よし子さんも、何のツッコミも入れず、インタビューしているわけですから、櫻井さんは少なくとも、熊谷氏に反対しているとは思えません。

櫻井さんといえば、結構影響力がありますから、このような動画を多くの人がみれば、戯事とは見抜けず、信じこんでしまうかもしれません。

ベルリンで、ウクライナ問題にトップレスで訴える女の子たち。こんな批判の仕方もある・・・・

だからこそ、それを防ぐためにも敢えて、本日は反証をあげつつ、反論させていただきました。

今後、増税を巡ってこのような戯事が巷を賑わすことになるでしょう。本来、こんな戯事には関わる必要もないはずなのですが、皆さんも、もしこのようなことに気づく事があった場合、あまりに頓珍漢であいた口がふさがらず、本当に馬鹿馬鹿しいと思っても、他の多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべきと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年11月13日火曜日

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」―【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」

日銀の白川方明総裁は12日、デフレ脱却に向けて日銀がインフレ目標を設定すべきだとの意見に対し「物価も賃金も上がらない状況が長く続いた日本経済では現実的でない」と述べ、否定的な見解を示した。共同通信が都内で開いたきさらぎ会で講演した。


日本の消費者や企業では「物価は上がらないのが普通だという感覚」が定着しているとして、白川総裁はインフレ目標を設定しても「いきなり人々のインフレ予想が高まることは起こり得ず、われわれが望むデフレ克服とは違う」と述べた。

その上で、経済成長には企業の新規事業の開拓が重要とし「思い切った規制緩和など政府の役割も大きい」と強調。

【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

この発言、暴言以外の何ものでもないです。本当に困ったものです。やはり、日銀は本格的な金融緩和などまったくするつもりがなく、円高・デフレの守護神をこれかも続けると宣言しているようなものです。デフレを長い間許容していたから、物価も賃金も下がる状況が続いているのであって、因果関係が完全に逆転しています。白川総裁は、必要条件と十分条件の区別もつかないようです。そうして、これは、本音なのだと思います。しかし、ここまではっきりせずとも、このような本音は前から十分に推測できました。


たとえば、日銀は「資産買入れ等の基金」を10年10月に「創設」していますが、これは得体の知れない看板にすぎず、これはあくまでも日銀のバランスシート上で特別の項目を建てただけのことで、現実は、短期的な市場オペを行い、一部、株式投信、不動産投信インデックスを買い上げ、日銀が株式、不動産相場に介入してるだけです。短期的な市場オペとは、結局国債を買い取るにしても残存期間が1年から2年のばかりで、これでは、本格的な緩和措置にはなり得ません。マクロ的にみれば、現金をあちこちたらい回しにしているだけで、結局マネーサプライの総量は変わらないどころか、減少しています。そうして、結局金融引き締めめををしているということです。

全く愚かな政策です。中央銀行である日銀の行うべき金融政策はあくまでもマクロ政策であり、市場での相場形成は民間にまかせ、中央銀行は直接関与すべきではありません。

現在の日本では、最優先すべきマクロ政策は、脱デフレであり、日銀はお札を継続的に増刷する「量的緩和政策」を実施し、さらにインフレ目標を提示し、提示するだけではなくそれを実現するために責任を持つことです。責任を持つということは、期間も明示し、その期間に目標を達成できなけば、よほどの理由がない限り、白川総裁が辞任するということです。そうして、政府はこの日銀資金を再生・復興に役立てる戦略を立て、実行するということです。


ところが、日銀は「量的緩和」と「インフレ目標」に二つも明確にせず、「包括緩和」と「インフレのメド」と言い換えています。量の面では「基金70兆円」と言いながら、量的緩和の指標であるマネタリーベースは本年3月末、前年同期を下回りました。

日銀は「基金」を3月末までの1年間で17兆円増やしてあたかもお金を17兆円新規に刷ったかのごとく発表して、マスコミはこの情報を垂れ流ししてますが、これはトリックに過ぎません。現実には、マネタリーベースは6兆4000億円減少しました。結局日銀は実際には緩和とみせかけて、お金を吸い上げて引き締めています。その結果、2月14日の「1%のインフレのメド」発表でいったん円高是正に振れたマーケットもすぐに元に戻りました。


要するに、白川総裁のやっていることは、圧力や批判をかわしすための偽装緩和にすぎず、その目的はデフレ・円高を堅持するためとしかいいようがありません。これでは、一体日銀はどこの国の中央銀行なのかさっぱりわかりません。これでは、日本の経済は悪化する一方ですが中国やアメリカなど他国を利するだけです。

さて、このような日銀の挙動に関して、マスコミは以前から、いわゆる日銀の独立性を盾にとって、擁護してきましたが、最近さらに気になる動きがあります。それは、明らかに事実を曲解させるような動きです。

たとえば、昨日のWBSでは、以下のような画像が流されました。

この画像驚くべきことに、日本のマネタリーベース(市場に出回っているお金)が世界一であるかの印象を植え付けるようなものです。これをみると、大方の人は、あたかも日銀がかなりの金融緩和をやっているように曲解すると思います。これは、実額を示しているものなのでしょうか、それとも・・・・・・。とにかく、実額にしても、対比にしてもあり得ないことです。WBSは、このような誤解を招くような報道をしたことを謝罪するべきです。


わかりやすくするには、どこかを基準として、そこからどのように伸び率が変わったかを複数の国で比較すべきで。たとえば、2000年を100とすると、以下のようになります。このような表示の仕方が一番わかりやすいです。こうしてみると、いかに、日銀が金融緩和をしていないか、一目瞭然です。こういう表示をすべきです。


それにしても、WBSの表示、なぜあのようになるのか、理解に苦しみます。そうして、WBSでは日本は、流動性の罠にはまっているので、財政出動をしても効き目はなく、規制緩和や金利の引き上げをしろと報道しています。需要がないので、現状では金利が下がっているのに、無理やり金利を引き上げれば、需要はますます冷え込むだけです。WBSは、リチャード・クー氏などがでているときは、本当に良い番組だったのですが、最近は日銀御用メディに成り下がってしまったようです。

これからも、このような日本国や日本国国民をいたぶる金融政策を擁護するマスコミがはびこるものと思います。そうして、自民党安部総裁の日銀インフレ目標3%とか、日銀法改正の意向表明などほんど報道されません。一体誰のための日銀であり、誰のためのマスコミなのかわかりません。私たちは、このような情報、印象操作に惑わされるべきではありません。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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2012年3月20日火曜日

増税撲滅 小沢新党の準備は整った!【私の論評】何がなんでも増税まっしぐらの現状では、注目すべき動きか?

増税撲滅 小沢新党の準備は整った!


<小沢版「船中八策」を発表>

いつでも新党を旗揚げする準備が整った。
15日、民主党の小沢一郎元代表が会長を務める「新しい政策研究会(新政研)」が独自のホームページを立ち上げた。
「国民の生活が第一。」――。
政権交代時のキャッチフレーズを前面に出しているが、「民主党」の文字やマークはどこにも見当たらない。まるで「小沢新党」のHPを見ているようなのだ。
「せっかく政権交代したのに、国民生活のニーズに応えた政権ができていない。このまま政治や国民生活が混乱に陥るのを無為に傍観しているわけにはいきません」と、新政研の幹部議員はこう続けた。

<野田が強引に進めれば総メンバー138人が動き出す>

「『国民の生活が第一』という理念を柱に据えて、政権を構築し直す必要がある。仮に増税選挙のような強引な事態になった時には、われわれが独自に動くことになるかもしれない。そうした事態に備え、よりよい国民生活を実現するために努力していく。そのためにさまざまな提言をまとめる目的で、実動体制を整えた。いつ政権を担ってもいいように、個々の議員が勉強を深めるという意味もあります」
HPでは、新政研としての政策ビジョンを発表。8つのテーマを掲げている。「小沢版・船中八策」の様相である。大阪の橋下市長の大風呂敷と違い、喫緊の課題や国民の関心が高いテーマに絞っているのが特徴だ。

(1)福島原発対応
(2)国の統治
(3)安全保障を含む危機管理
(4)立法府のあり方
(5)年金
(6)税制
(7)非正規雇用
(8)景気対策

テーマに合わせて、政策勉強会も立ち上げた。今週は「司法勉強会」が2回開かれ、石川知裕議員の秘書が検察のメチャクチャな取り調べの実態を証言したり、最高裁の担当者を呼んで検察審査会の問題点についての質疑が行われた。今後、この政策勉強会は「分科会」という名称になる。すでに8部門の座長も決定。メンバー登録も済んでいる。

「8部門もの分科会を擁するとなると、これはもう、ひとつの政党組織です。新政研は、既存の政党の垣根を越え、志を持った人間が集まって、この国をしっかり立て直していこうというグループ。今の民主党執行部は政権交代の理念を葬り、『歌を忘れたカナリア』になってしまった。政権交代時に国民の熱狂的な支持を集めた民主党が、今では新政研に衣替えしたということです。これは、新党への布石と見て間違いない。それを初めて内外に明確にアピールしたのが、今回のHPなのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

現在、新政研の総メンバーは138人。これは野田政権にとって脅威だ。増税反対派が新党に移行すれば、すぐに一大政党が誕生する環境が整っている。こんな状況で、野田は増税法案を強引に提出できるのか?

(日刊ゲンダイ2012年3月16日掲載)

【私の論評】何がなんでも増税まっしぐらの現状では、注目すべき動きか?

はじめに、お断りしておきますが、私は決して小沢氏待望論者ではないのですが、現在の政局を考えると、民主党も、自民党も主流派は、どちらも増税推進派ですから、やはり、小沢氏の動きには、注目せざるをえません。自民党西田参議院議員などは、民主党と、自民党では、同じ増税とはいっても、全く異なるとしています。(下動画)


とはいいながも、西田議員と、自民党総裁や執行部などの主流派との考えは、同じものではないと思います。現在のデフレの時期を無視した増税ということには、民主、自民ともに変わりないと思います。それに、上の記事と同日に日刊ゲンダイに以下のような記事も掲載されていました。

結局「児童手当」復活のバカらしさ

アホみたいな意地の張り合いが、ようやく終わった。民主党と自公両党の間でモメ続けた「子ども手当」に代わる新手当の名称問題が15日、決着した。昨年8月の見直し合意から7カ月に及んだ議論の末に出た結論は、かつての「児童手当」に逆戻り……。いい大人が集まって何を話し合ってきたのかと言いたくもなる。

子ども手当は言うまでもなく、民主党マニフェストの看板政策だ。民主党は「公約破り」の批判を恐れ、今年1月に新手当の名称は「子どものための手当」にすると主張した。略称を「子ども手当」とすることでゴマカし、メンツを保とうとしたのだ。

自公両党は「子ども」という名称が残れば、制度の「継続」を印象付けるとして、猛反発。児童手当の名称復活に固執し、3党の実務者協議は物別れに終わった。

「現行の子ども手当法は、今月末までの時限立法。自公政権時代の児童手当に上乗せする形で支給しており、このままだと、法律上は旧来の児童手当が復活してしまう。それだけは避けようと、民主党は『子ども』の名称を取り下げることで自公両党に譲歩。今月から3党協議を再開させたのです」(民主党関係者)

民主党は6日に「児童成育手当」、8日に「児童のための手当」と新名称を提示。土壇場まで「児童手当」の名称に抵抗したが、公明党が強く拒絶。結局、公明党が郵政見直し法案の賛成に回ったことにも配慮し、全面降伏した格好だ。

「そもそも児童手当は公明党が1968年、他党に先駆けて国会に法案を提出したもの。この名称にこだわるのも、やはり党のメンツの問題なのです」(政界関係者)

はっきり言って党のメンツも新手当の名称も国民にすれば、どうでもいい話。中身が肝心なのだが、子ども手当導入で廃止された「年少扶養控除」の復活論議は、これからだ。国民そっちのけで何をやっているのか。


こんな記事を読んでしまうと、結局、民主党も自公とも、増税問題を「子ども手当」と同次元で、単なる政局の一ツールとして、利用しているに過ぎないのではないかと思ってしまいます。結局現状の経済や、国民のことなどは、どうでも良く、目先で、その時々で政局で有利なるように、そうして、各々の議員は、次の選挙で、また議員になれるように、立ち回っているだけに見えてきます。

そうして、それは、ズバリ真実なのだと思います。西田議員の語っていることは、このような中にあって、自民党は、民主党などと比較的すると少しはましだということを語っているに過ぎないのだと思います。

このブログでは、デフレのさなかに増税することは全くの誤りであることを何回も掲載してきました。だから、そのことに関してさらに、詳細をここで掲載するつもりはありません。しかし、先日ひさしぶりに、テレビでWBSを見ていたら、あのフェルドマン氏が、「増税すれば、税収が増えるという幼稚な頭では、どうしようもありません」と語っていました。


私自身は、フェルドマン氏は、もともと金融業界の人であり、金融界のことや、百歩譲って金融経済のことには、詳しくても、日本のマクロ経済のことなどほとんどわかっていないし、実体経済や、日本社会のことについては、ほとんど知らないと思っているので、彼の言っていることを単純に信じたり、参考にするということはほとんどしません。


しかし、今回だけは、まさに語っていることが正しいと納得しました。特に、「幼稚」という形容詞に関して、納得しました。本当に、古今東西デフレのさなかに増税して、その後に、それ以前よりも、税収が上回ったことはありません。増税は、インフレを沈静化するということはあっても、デフレを沈静化するどころか、さらに、デフレスパイラルの深みにはまることになり、物価が安くなり、雇用が悪化し、その結果として、税収も少なくなるという結果を招くだけです。


そのなことは、当たり前の史実であり、日本では、昭和恐慌時にデフレでしたが、そのときに増税してもますます、デフレスパイラルの深みにはまりましたし、橋本龍太郎内閣のときの消費税増税でも税収は増えていません。こんな簡単な歴史的事実も踏まえずに、論議をしたり、まともなシミレーションもせずに、単なる政局の道具にしている政治家達をフェルドマン氏は、「幼稚な頭」としているのです。


私は、このようなデフレのさなかにあっては、マクロ経済学の教科書が教えるように、政府が積極財政を行い、日銀は金融緩和をすべきと思います。そうして、税収が増えれば、かなりのことができます。デフレを前提として、社会保障その他の問題などの解決策など考えるべきではありません。このようなときに、それをやれば、あっちを立てれば、こっちが立たずというモグラたたきになるだけです。実際、現在の政府はそのようなことになっていますし、これからもそうなります。こういうと、増税賛成派の方々は、決まって、だからといって、すべてできるというものではないなどと言います。しかし、それは、当然のことです。私も、まともなマクロ経済対策をやったからといって、すべてがバラ色になるとは、最初からいうつもりはありません。かつて、民主党が言ったように、「政権交代すれば、すべてが薔薇色」になるようなことなど、言えるわけがありません。


しかし、マクロ経済対策を行って、景気が浮揚すれば、すべてができないまでも、現在懸案となっている、復興、雇用、社会保障に関することがらで、全部で10実施すべきことがあったとすれば、5から6は十分できます。しかし、現状のまま、デフレを克服しないうちに、増税してしまえば、何もできません。しかし、現実には、過去のブログにも掲載したように、日銀も1%のインフレ目処などを打ち出すのみで、実効的な金融緩和策などうちだしませんし、政府も増税という、緊縮財政策を打ち出すのみです。

こんなさなかに、小沢氏は、増税にまっこうから反対しています。小沢氏が、本当に歴史的事実を踏まえたり、あるいは、正しいシミレーションなどしてから、このようなことを言っているかどうかは、わかりません。小沢氏も単に、政局のツールにしているだけかもしれません。しかし、現在の政局においては、反増税の最大グループであることには違いありません。亀井さんも、反対の立場なのですが、あまりに影響力が少なすぎです。亀井さんは、理屈はわかっているようであり「右のポッケも左のポッケもお金が入っていれば一緒」、「財政破綻はフィクションだ」などと語ったこともあり、おそらく、マクロ経済学を理解している人には何となく理解できるのでしょうが、そうではない人にとっては、説得力に欠けます。

私は、現状を考えると、小沢氏が政局の台風の目となって、小沢新党や小沢新党といくつかの党の連立によって、新政権をつくるなどというところまでは、期待しているわけではありませんが、それにしても、小沢氏によって、反増税が政局主導の切り札になるように現在の政局を変えていっていだだけたらと、祈るのみです。もう馬鹿げたことで、日本経済や、社会を無意味に弱らせることは、終わりにしていただきたいです。

 

 

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