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2012年12月24日月曜日

前原氏「慎重だった日銀に何が…」 2%目標検討に皮肉―【私の論評】でてきたでてきた、自民党公約違反をしろと勧める民主党の有害無比な主張!!そんなことより、今は反省が必要なのでは?

前原氏「慎重だった日銀に何が…」 2%目標検討に皮肉


前原誠司経済財政相は21日、日本銀行の白川方明総裁が「2%」の物価目標の導入検討を表明したことについて「私が出席した過去3回の政策決定会合では、日銀執行部は(物価上昇率の議論に)慎重だった。どういう変化があったのか」と強烈に皮肉った。

同日の閣議後の記者会見で語った。「(議論の)整合性や継続性を、国会で厳しくチェックしていきたい」とも述べた。

前原経財相によると、決定会合では、複数の審議委員が「物価上昇率1%を達成するための具体的なアプローチを詰めるべきだ」と提案。だが、「執行部側は本気で1%の物価上昇をめざしているのかと思うほど、議論に否定的だった」という。

「日銀が政治の圧力に屈したと思うか」との問いには返答を避けたが、「(日銀の)変化に驚いている」と繰り返した。

【私の論評】でてきたできた、自民党公約違反をしろと勧める民主党の有害無比な主張!!そんなことより、今は反省が必要なのでは?


安倍晋三自民党総裁が23日の民放番組で、日銀法改正を示唆して物価目標導入を迫り、金融政策への関与を強める姿勢を示しました。政府と日銀の政策協定(アコード)についても、目標が未達の際には日銀の責任を問う考えを表明しました。日銀に雇用拡大への責任を負わせる考えも示し、日銀に「結果」を出すことを改めて迫りました。

日銀はすでに物価目標の検討に乗り出しています。この日の安倍発言は、日銀にとって導入に向けて“ダメ押し”ともいえる発言です。市場では「金融緩和の強化はデフレ脱却の必要条件」(大手生保)と、安倍氏が演出する日銀との協調態勢に期待する声が満ち溢れています。



さて、こんな様子に水を差すような前原誠司の発言がありました。それが、上の記事です。でも、これって何かおかしくありませんか?そう、どう考えてもおかしいです。 前原といえば、デフレの原因は、人口減のせいだとしたり、過去には、日銀の政策決定会議に参加しても、まるで子供のお使いのようなことしかできませんでした。本当に、日本をデフレから脱却させてたいというのなら、日銀に対して、安倍総裁のように2%以上のインフレ目標を守るべきと、はっきり主張すべきだったでしょう。


 民主党の政権政策Manifesto2009(PDF 4.8MB)

このような、子供のお使いしか出来ない人が日銀に皮肉などいう資格は、もうとうないです。それにしても、民主党のいわゆる馬鹿んぶ(バカンブ、変換間違いではないです。馬鹿な幹部という意味です)は、そもそも、マニフェストというやつを守る気はさらさらなないようです。だから、上記の前原の異常発言ともいえるような発言を自分でもおかしいと感じないのだと思います。


民主党のマニフェストに相当する、自民党の公約では、はっきりと「日銀インフレ目標2%以上、雇用の責任もとらせる」ということは、はっきり明記しています。だから、総選挙に大勝利した安倍総裁が、日銀に対してダメ押しをするのは、当然のことだし、日銀総裁も、本当にそうするかどうかは、全く別にして、安倍総裁の主張に恭順しようとするのは、当然のことです。それに対して、上記のような皮肉を言うとは、見当違いもはなはだしいです。こんなことだから、民主党は大敗を喫したのです。



後に小沢新党の政党名にも一時なった、マニフエストのキャッチコピー




私は、民主党が政権交代をしたときに、最初から駄目だと思っていましたが、私は民主党に投票はしなかっのですが、国民の多くの人が、民主党に投票したのですから、当然のこととして、マニフェストは守るべきだし、できるできないは別にして、少なくともマニフェストに書いてあることを実現しようとして、努力はするだろうと、淡い期待を持っていました。

 しかしなが、結果は、皆さんご存知の通り以下ような結果です。


結局ほとんど何もできなかったということです。

元気な日本どころか、へろへろ、ただ左寄りになっただけ?

 
小沢ガールズはほとんど壊滅、二度と政治の世界に復活できないだろう

自民党の公約に従おうという姿勢をみせる白川総裁に、言うべきは、「恭順すると見せかけて、裏切るな!! 裏切れば、国民を裏切ることになる」ということです。そう、思うのは、私だけでしょうか?とにかく、民主党は、もう上記のような馬鹿な発言をするのではなく、今は、過去の自分達の発言や、行動を深く反省するときだと思います。

これから、民主党による、自民党公約破りを促す発言がどんどん、増えていくものと思います。そのような発言がでてきたら、このブログで徹底的に追求していきます。


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2012年11月23日金曜日

イェール大学浜田宏一教授が自民党安倍総裁に送ったファックス全文(安倍総裁のFBより転載)―【私の論評】まともな経済学者も主張する金融政策を否定するのはなぜ?脅しには、脅しで応えるしかない!!?

イェール大学浜田宏一教授が自民党安倍総裁に送ったファックス全文(安倍総裁のFBより転載)

右 浜田 宏一教授 左 経済評論家上念司氏
日銀法改正以来、日本経済が世界諸国のほぼテールエンド(ブログ管理人注:後塵をはいしたくらいの意味か?)の足跡を示していることから、そこでの金融政策が不十分であったことは明らかです。日本経済の望ましくない症状として、デフレ、円高という貨幣的な症状が出ているのですから、それに対するのは金融拡張が当たり前の処方箋です。

野田首相は、金融に訴えるのは世界の非常識といわれますが、<Wall Street Journal>金融に訴えないという議論こそ、現在の世界の経済学から見れば非常識です。

野田首相は、地動説の世界で天動説<日銀流金融理論>を信奉しているようなものです。このことは、最近私がマンキュー、ハバード、ノードハウスなど超一流学者とインタビューして確認しました。

政策手段としてはインフレ目標が望ましいと思います。IMFのチーフ・エコノミストのブランシャール<ブランシャード>も4%まではいいといっているようなので、これだけ長いデフレが続いて、人々のデフレ期待が定着している日本経済に活を入れるのは、安倍総裁の2~3%がまさに適当といえると思います。


また、インフレ目標は、金融緩和が行過ぎてインフレが始まりそうになるのを防ぐという、インフレから国民経済を保護する機能を持っています。

デフレ脱却のためには、日銀の国債引き受けでもいいですが、それが強すぎるというのなら、総裁のおっしゃったように日銀が国債を大規模に買い入れればよいのです。ただ、ゼロ金利に近い現状では、買い入れ対象が短期国債(管理人注:日銀が実施しているは、償還期限が1年未満のものが多く、これでは実質的に金融緩和にならず、現金をたらいまわしにしているようなものです)では効きません。長期国債、社債、株式の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも、このような考え方に基づいています。

日本経済の高度成長期には一桁、5%未満のインフレが通常でした。2度の石油危機の時には二桁のインフレになったこともありましたが、それを日銀は見事に克服しました。言い換えれば日本経済の奇跡的成長は緩やかなインフレと共存していたのです。そして日銀はインフレが昂進しそうになればいつでも制御した実績があります。このような歴史から見れば、デフレを克服するとハイパーインフレになるというのは非現実的な脅しに過ぎないのです。

ゴルフにたとえれば、今の日銀は雇用改善、景気回復という目標のホールを目指さずに、ホールの向こう側には<ありもしない>崖があると称して、バンカーに入ったボールをホールの方向に打たない、あるいはパターでしか打たないゴルファーのようなものです。

【私の論評】まともな経済学者も主張する金融政策を否定するのはなぜ?脅しには、脅しで応えるしかない!!?

浜田 宏一教授
まずは、浜田 宏一氏の略歴・経歴など、以下に掲載します。

浜田 宏一(はまだ こういち、1936年1月8日 - )氏は、経済学者(イェール大学教授)。専門は国際金融論。国際金融論、ゲーム理論の分野で世界的な業績があります。法と経済学会の初代会長も務めました。

日本のバブル崩壊後の失われた10年においては金融政策の失策がその大きな要因とみなし特に岩田規久男の主張を評価しています。日本銀行の金融政策を批判し、「リフレ派」の一人とされます。

【経歴】
東京大学で、法学の他経済も学ばれ、イェール大学でPh.Dも取得されといらっしゃるということで、まずはまともな経済学者であると思います。また、年長であられることからもしても、普通は、こういう方のおっしゃることは、傾聴に値するものと思います。今の日本経済を知るために、この方のおっしゃることは、エビデンスとしても非常に重要だと思います。

特に上の記事で、最後しめくくり「ゴルフにたとえれば、今の日銀は雇用改善、景気回復という目標のホールを目指さずに、ホールの向こう側には<ありもしない>崖があると称して、バンカーに入ったボールをホールの方向に打たない、あるいはパターでしか打たないゴルファーのようなものです」は、本当にわかりやすいたとえです。まさに、日銀の今のスタンスを良く言い当てておられると思います。

ゴルフは、ホールに向かって打つものだし、パターばかりでも良くない!!
上の記事に関しては、私などが、付け加えることなど微塵もないので、安倍総裁の金融政策など、改めて、ここで良いとか、正しいなどの解説はしません。

ただし、安倍総裁の主張する金融政策を実施しなかった場合どうなるかということだけ、付け加えたいと思います。

今のまま、日銀が金融緩和をせず、今のままの状況をつづけていれば、デフレ状況から脱却するきっかけがつかめず、そのまま、デフレ状況が続き、日本は、失われた20年どころか、失われた30年あるいはそれ以上の状況になってしまいます。

日銀にも是非ともフルスゥイングしていただきたい!!
日本には、既にそうなってしまったと述べている人たちもいます。特に、日本経済団体連合会の研究機関「21世紀政策研究所」は2012年4月、“「失われた20年」の状況がこのまま続いた場合、日本は2030年頃に成長度で韓国に追い抜かれ、先進国でなくなる”とする予測結果をまとめています。

また、2011年の欧州金融不安により株価が暴落し、主力株の多くは30年前の株価に陥ってしまってしまいました。株関連では、この状況を「失われた30年」と呼ぶ人たちもいます。

なお、2000年代末にはアメリカ合衆国や西欧諸国など他の先進国も、日本の後を追うように先が見えない景気後退に突入しており(日本化)、先進各国の不況は単なる景気循環では説明できず、成長の限界による構造的な経済停滞に突入したためであるという議論もあります。ピーター・ティールは、20世紀における成長の原動力であったイノベーションが終わりを迎えたため、今後はアメリカ合衆国の大きな成長は望めないと論じています。

ただし、これは、無論のこと、日本がデフレ対策をまったく行わず、過去20年やってきたことの繰り返しをやるばかりで、何も変えなかった場合の話です。アメリカとて、イノベーションが終わったなどということはありません。今まさに、製造業でいわゆるメイカー達が、一大イノベーションをおこしつつあります。これによって、アメリカや日本の製造業が再興することになります。しかし、これは、本日の記事の趣旨とは直接関係ないので、本日は詳細を述べません。いずれ、またの機会に詳細を掲載させていただきます。

やはり、上の記事で、浜田 宏一教授が主張していたように、日銀は、金融緩和に転じるべきです。

本日は、上の記事で、言葉での説明は、十分すぎるくらいだと思いますので、以下に過去にこのブログで掲載してきた、このことのエビデンスともいうべき、表を掲載します。

日本だけが、過去に緩和策をやってきませんでした。

グラフ縦軸は、マネタリーベースです。日本だけが、マネタリーベースが増えていませんが?
日本だけが、GDPが伸びていませんが、これを反リフレ派の人は、同説明します?


日本は、復興中であるにもかかわらず、景気後退局面に入ってしまいました。これは、結局日銀が緩和をし
ないせいであると考えられます。大きな自然災害の次の年に景気後退局面に入るなど、普通はあり得ません。
米国の半分程度の緩和なら理解できますが、桁が違います!!

イギリスでは、イングランド銀行が、かなりの金融緩和をして、一時は、インフレ率が5%を超えたこともあり
ましたが、12年に入ってからは、落ち着きました。これは、不況時の金融緩和は、ハイパーインフレを招くという
反リフレ派の、有力な根拠となってきましたが、ハイパーインフレにはならず、今年に入ってから2%台となり、
収束しています。反リフレ派は、これを同説明するのでしょうか?

日銀が金融引締めを続ける中、政府の税収も減るばかりでしたが?


消費者物価指数(年平均値)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳
日銀が、金融引締めを続ける中、物価は下がり続けていましたが?


日銀が、金融引締めを続ける間、可処分所得は減る一方でしたが?
サラリーマンの平均賃金の推移、日銀が金融引締めを続ける中、
サラリーマンの平均賃金は下がり続けましたが?
各国の物価と、平成の主要改革。様々な改革にもか日銀が
金融引き締めを継続するなか、日本の物価は、毎年下がり続けてましたが?

日銀が、金融引締めを続ける中、円高になる一方でした。

上のグラフが示すように、日銀が金融引締めを頑なに継続し続ける中、様々な不都合が起こっています。野田総理、日銀白川総裁をはじめとする反リフレ派の方々は、これでも、脅迫を続けるのでしょうか?

脅迫するだけではなく、日本経済がよくなる方法を提案してください。無論、増税・社会制度改革なんていうのは、駄目ですよ!!政府の日本再生戦略なんてのも駄目です。なぜなら、デフレ下の増税は、過去においては日本でも他国でもことごとく失敗していますし、政府主導による日本再生戦略など、成功する可能性はないです。もし、成功するというのなら、共産主義、社会主義も成功していたはずです。これらは、ご存知のようにことごとく失敗しています。

そうして、最後に、もし安倍政権が実現して、日銀が金融緩和をして、日本経済が回復したら、どう説明をつけるのでしょうか?説明がつかない場合には、責任をとっていただけますか?古式にのっとって、割腹などいかがでしょうか?無論これは冗談ですが、それにしても、反リフレ派の方々の中でも、特に影響力が大きい方は、そのくらいの覚悟で批判してもらわなければ困ります。それくらいの覚悟があるのなら良いですが、そうでなければ、国民を惑わすでけです。そう、思うのは私だけでしょうか?




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2012年11月13日火曜日

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」―【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」

日銀の白川方明総裁は12日、デフレ脱却に向けて日銀がインフレ目標を設定すべきだとの意見に対し「物価も賃金も上がらない状況が長く続いた日本経済では現実的でない」と述べ、否定的な見解を示した。共同通信が都内で開いたきさらぎ会で講演した。


日本の消費者や企業では「物価は上がらないのが普通だという感覚」が定着しているとして、白川総裁はインフレ目標を設定しても「いきなり人々のインフレ予想が高まることは起こり得ず、われわれが望むデフレ克服とは違う」と述べた。

その上で、経済成長には企業の新規事業の開拓が重要とし「思い切った規制緩和など政府の役割も大きい」と強調。

【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

この発言、暴言以外の何ものでもないです。本当に困ったものです。やはり、日銀は本格的な金融緩和などまったくするつもりがなく、円高・デフレの守護神をこれかも続けると宣言しているようなものです。デフレを長い間許容していたから、物価も賃金も下がる状況が続いているのであって、因果関係が完全に逆転しています。白川総裁は、必要条件と十分条件の区別もつかないようです。そうして、これは、本音なのだと思います。しかし、ここまではっきりせずとも、このような本音は前から十分に推測できました。


たとえば、日銀は「資産買入れ等の基金」を10年10月に「創設」していますが、これは得体の知れない看板にすぎず、これはあくまでも日銀のバランスシート上で特別の項目を建てただけのことで、現実は、短期的な市場オペを行い、一部、株式投信、不動産投信インデックスを買い上げ、日銀が株式、不動産相場に介入してるだけです。短期的な市場オペとは、結局国債を買い取るにしても残存期間が1年から2年のばかりで、これでは、本格的な緩和措置にはなり得ません。マクロ的にみれば、現金をあちこちたらい回しにしているだけで、結局マネーサプライの総量は変わらないどころか、減少しています。そうして、結局金融引き締めめををしているということです。

全く愚かな政策です。中央銀行である日銀の行うべき金融政策はあくまでもマクロ政策であり、市場での相場形成は民間にまかせ、中央銀行は直接関与すべきではありません。

現在の日本では、最優先すべきマクロ政策は、脱デフレであり、日銀はお札を継続的に増刷する「量的緩和政策」を実施し、さらにインフレ目標を提示し、提示するだけではなくそれを実現するために責任を持つことです。責任を持つということは、期間も明示し、その期間に目標を達成できなけば、よほどの理由がない限り、白川総裁が辞任するということです。そうして、政府はこの日銀資金を再生・復興に役立てる戦略を立て、実行するということです。


ところが、日銀は「量的緩和」と「インフレ目標」に二つも明確にせず、「包括緩和」と「インフレのメド」と言い換えています。量の面では「基金70兆円」と言いながら、量的緩和の指標であるマネタリーベースは本年3月末、前年同期を下回りました。

日銀は「基金」を3月末までの1年間で17兆円増やしてあたかもお金を17兆円新規に刷ったかのごとく発表して、マスコミはこの情報を垂れ流ししてますが、これはトリックに過ぎません。現実には、マネタリーベースは6兆4000億円減少しました。結局日銀は実際には緩和とみせかけて、お金を吸い上げて引き締めています。その結果、2月14日の「1%のインフレのメド」発表でいったん円高是正に振れたマーケットもすぐに元に戻りました。


要するに、白川総裁のやっていることは、圧力や批判をかわしすための偽装緩和にすぎず、その目的はデフレ・円高を堅持するためとしかいいようがありません。これでは、一体日銀はどこの国の中央銀行なのかさっぱりわかりません。これでは、日本の経済は悪化する一方ですが中国やアメリカなど他国を利するだけです。

さて、このような日銀の挙動に関して、マスコミは以前から、いわゆる日銀の独立性を盾にとって、擁護してきましたが、最近さらに気になる動きがあります。それは、明らかに事実を曲解させるような動きです。

たとえば、昨日のWBSでは、以下のような画像が流されました。

この画像驚くべきことに、日本のマネタリーベース(市場に出回っているお金)が世界一であるかの印象を植え付けるようなものです。これをみると、大方の人は、あたかも日銀がかなりの金融緩和をやっているように曲解すると思います。これは、実額を示しているものなのでしょうか、それとも・・・・・・。とにかく、実額にしても、対比にしてもあり得ないことです。WBSは、このような誤解を招くような報道をしたことを謝罪するべきです。


わかりやすくするには、どこかを基準として、そこからどのように伸び率が変わったかを複数の国で比較すべきで。たとえば、2000年を100とすると、以下のようになります。このような表示の仕方が一番わかりやすいです。こうしてみると、いかに、日銀が金融緩和をしていないか、一目瞭然です。こういう表示をすべきです。


それにしても、WBSの表示、なぜあのようになるのか、理解に苦しみます。そうして、WBSでは日本は、流動性の罠にはまっているので、財政出動をしても効き目はなく、規制緩和や金利の引き上げをしろと報道しています。需要がないので、現状では金利が下がっているのに、無理やり金利を引き上げれば、需要はますます冷え込むだけです。WBSは、リチャード・クー氏などがでているときは、本当に良い番組だったのですが、最近は日銀御用メディに成り下がってしまったようです。

これからも、このような日本国や日本国国民をいたぶる金融政策を擁護するマスコミがはびこるものと思います。そうして、自民党安部総裁の日銀インフレ目標3%とか、日銀法改正の意向表明などほんど報道されません。一体誰のための日銀であり、誰のためのマスコミなのかわかりません。私たちは、このような情報、印象操作に惑わされるべきではありません。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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2012年11月3日土曜日

小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3か月だった−【私の論評】世論を味方につけねばならないからこそ、デフレ脱却の優先順位が高い!!

小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3か月だった

政界から一切身を引き趣味人として生きる細川氏
かつて自民党から政権を奪った細川護煕元首相、鳩山由紀夫元首相は改革を期待されながら、1年足らずで政権を投げ出した。国民には橋下維新への期待がある一方で、「どうせ総理になっても何もやれないのでは」と感じてしまうトラウマがあるのも事実である。

鳩山氏は、細川氏の生き方を見習うべきた!! この人には、もう政治を汚してほしくない!!
なぜ、改革派政権はいつも挫折するのか。

 総理大臣として国家の仕組みを根本から作り直す「本当の改革」は、いわば超高層建築のてっぺんで作業するとび職... 続きを読む
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【私の論評】世論を味方につけねばならないからこそ、デフレ脱却の優先順位が高い!!

上の記事では、いかに総理大臣の権力がもろいものか、そうして、与党に対してどのくらい力があるかが鍵であることを示しています。確かにそうです。最近の日本の総理大臣の早期辞任は、野党からの追求などもありますが、党内部のまとまりが欠け内部から総理降ろしの声があがってそれが、辞任に拍車をかけている面があります。

霞ヶ関官庁街
だから、上の記事のようにただでさえ、プレッシャーの多い総理大臣の仕事をさらに、難しいものにしています。これは、過去の自民党でも、民主党でも全く同じことです。最近では、野田総理の様子が以下のように報道されています。



【スクープ最前線】野田酒浸り まぶた腫れ、目も充血…財務省もあきれ果て

 詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、相当プレッシャーがあるのは確かです。それも、半端ではないでしょう。このプレッシャーは、どこから来るかといえば、やはり、前財務次官勝栄次郎氏が退官したことが大きいものと思います。

以前は、増税法案を通すという目的があり、これに政治生命をかけると言っていたものが、通ってしまったことによる燃え尽き状況にあることと、さらには、増税までは、熱心に増税の必要性などをレクチャーしてくれ、ある意味では、人生の師でもある、勝栄次郎氏が退官し、次の大きな目標を見失っているのだと思います。


勝栄次郎氏は、高級官僚であるにもかかわらず腰も低く、かなり面倒見も良いということもあり、野田首相は、かなり頼りにしていたと思います。それに、増税で頑張っていたときには、自民党総裁谷垣氏も、増税賛成派であり、谷垣氏も、増税に関して勝栄次郎氏のレクチャーを受けており、この二人は、増税ツインともいって良いくらい、増税に関する考え方では一致していました。

敵方の政党の総裁が、当面政治生命をかける「増税」ということでは、考え方が全く一致していたことは、これほど力強いことはなかったでしょう。しかし、恩師である勝栄次郎氏が退官し、野田氏をサポートすることもなくなりました。それに、谷垣氏は、総裁選にでることもなく、安部新総裁にとってかわりました。

野田総理と増税ツインともいわれた谷垣元自民党総裁
安部新総裁は、野田氏とは、180度考え方が異なります。デフレから脱却しないうちは、増税しないと明言していますし、日銀の金融政策も変えるべきであると明言しています。このような、状況の変化で、大きな支えを二つも失った野田総理は、ほとんどレイムダック状態であり、孤独感もあり、かなりのプレッシャーを感じていることでしょう。

自民党安倍総裁
考えてみれば、上の記事でも指摘しているように、確かに、最近では与党に対する力の弱い総理大臣が多かったと思います。なぜなら、最近の特に自民党でも、民主党でも、選挙互助会的な性格が強いからです。もともと、基本的政治信条が異なるのに、一つにまとまっているからです。これは、次の総理大臣になる確率が現在では、一番高いと見られる、自民党安部総裁とて、同じことです。同じ自民党でありながら、安部総裁に対する自民党内の反対派は、3/4であると見て良いと思います。これは、実質的に、安部総裁が、以前総理を辞任したときの頃と変わらないと思います。

今回は、健康問題は克服された、安部新総裁ですが、上記のごとく、総理大臣の仕事は、本当に厳しく、プレッシャーが多く孤独なものでもあります。おそらく、総理大臣にふたたびなれば、ありとあらゆる勢力が、高い障壁となってたちはだかることでしょう。

立ちはだかる障壁を乗り越えなけれは!!
しかし、私たちには、希望もあります。上の記事では、小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3ヶ月だったとしていすが、小泉氏は、「自民党をぶっつぷしてやる」と公言していた人です。逆にいうとこのようなことを言っていても、3ヶ月も霞が関に権力を持っていることができたということです。上の記事では、ある財務省OBが以下のように述べたとされています。
官僚が総理の力を計るのは、与党にどのくらいの影響力を持っているか。与党が一致して総理の方針を支持すれば官僚は正面から抵抗できない。小泉氏が郵政選挙で反対勢力を駆逐し、自民党内に圧倒的な力を得た後の3か月ほどは、官僚は総理の顔色をうかがい、その言葉に無条件に従った。しかし、小泉氏が次の総裁選に出馬しないことがわかると、急速に求心力が落ちていった。
これは、事実だと思います。安部総理が退陣して5年、その後の麻生総理が退陣して、政権交代してから、 3年以上の月日が流れました。この間自民党は、下野したわけですから、自民党の主だった派閥も、結局下野していては、何ら意味がないことを悟ったと思います。そうして、政権与党に復帰したとして、またぞろ、総理下ろしなどやっていれば、ただの馬鹿です。

安部総裁が、総理になることができたら、自民党内の反対勢力も、安部総理のやることには協力すべきです。協力するのがどうしても嫌なら、自民党を出て、新政党をつくるか、他の政党にはいるべきです。内部で抗争するのではなく、まずは外部の敵である、官僚と戦うべきです。

石原慎太郎氏
しかし、官僚と戦うべきとはいっても、石原氏のように、官僚支配からの脱却をメインにするのではなく、安部新総裁が主張するように、まずは、日銀の誤った金融政策を一日もはやくやめさせることです。そうして、デフレ下の増税を見送り、デフレ対策を行うことです。ただし、安部総裁も、石原慎太郎氏も、最終的に目指すところは、同じことだと思います。しかし、今では、まずはデフレ対策だと思います。

こういうと、あたかも、官僚支配からの脱却は、後回しにして、経済問題を優先するように言っているに聞こえるかもしれません。しかし、そうではありません。財務省も、日銀も官僚によって運営されています。そうして、政府による積極財政、日銀による金融緩和政策はデフレ対策としては、当たり前の真ん中であり、すぐにも実施すべきものですが、結局過去20年もの間実行されず放棄されてきました。

円高・デフレ守護神の日銀白川総裁
そのため、日本は、円高・デフレの二重苦で、失われた20年を無為に過ごしてきました。この壁を破れば、経済は間違いなく好転します。そうして、官僚支配の一部を間違いなく崩すことになります。というより、崩さなければできません。そうして、経済が好転すれば、世論も味方になります。上記の記事にみられるように小泉総理が、霞が関に権力が持てたのも背景には、郵政選挙でもみられた世論の味方があったからです。世論の絶大なる味方なしに、「自民党をぶっつぶしてやる」と言っていた人が、党をまとめて、霞が関に権力を持てるはずがありません。

ただし、現在では、郵政民営化などでは、世論を味方につけることはできません。経済が好転し、デフレが収束し、円高が是正され、企業が一息つき、特に、雇用が本当に好転すれば、間違いなく世論を味方につけることができます。そのことに、もっと多くの政治家が気づくべきです。そのことにはっきり気づいているのは、今回の総裁選を見ている限りでは、自民党総裁候補者の中では安部総裁だけでした。

郵政選挙のときは世論が小泉を後押しした!!
だからこそ、まずは、日銀法改正、増税阻止を行う必要があるのです。こうすることによって、官僚支配の一角を崩し、世論を味方につけて、日銀法改正と、増税阻止を官僚支配からの脱却の一里塚とすべきなのです。安部新総裁もおそらく、このように考えて、日銀の金融政策の転換や、デフレなら増税見送りと明言しているのだと思います。

安部総裁が、総理だったころには、日銀の問題や、デフレ脱却のことを前面には打ち出してはいませんでした。そうして、短い在任期間中であったにもかかわらず、総理としては、教育基本法改正、防衛庁の防衛省への昇格などなど、多くの輝かし成果をあげていたにも関わらず、世論を味方につけることができませんでした。安部総裁は、こういうことの反省に立ち、熟慮に熟慮を重ねた上で、今後の政策の大枠を決定されているのだと思います。

日本国憲法の原本
そうして、安部総裁の頭の中には、総理だった頃の「戦後レジュームからの脱却」という言葉が刻み込まれていると思います。そうして、これは、本来自民党の党是であったはずのものです。ドイツでは、戦後何回か憲法の改正がなされています。日本だけが、今では、白日のもとにさらされた、馬鹿とソ連のスパイで構成されていた、GHQが作成した、日本国憲法を守り続けることは、全くおかしなことです。安部新総裁は、まちがいなくこういうことも変えていくことになります。これは、石原慎太郎氏も同じくそう考えています。

上の記事で、総理大臣の仕事は、プレッシャーが多く、障壁が高いこともおわかりになったことと思います。安部総裁が総理大臣になったとしても、民主党が政権交代したとき多く人が期待したように、すぐになにもかもが変わって、バラ色に変わるなどということはありません。抵抗勢力が多いので、薄皮一枚、一枚を剥がすように良くなり、変わっていくものと思います。だから、焦りは禁物です。

このブログでは、こうした安部総裁の動向を追跡しつつ、良い意味での世論形成にも寄与していきます。

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