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2013年7月20日土曜日

消費税増税すれば「ショックはかつての比ではない」 浜田宏一氏が経団連で講演―【私の論評】三党合意したからなどとして、増税などすべきではない、すればすぐに株価も落ち、円高となり、若者雇用も悪化し大失敗はすぐ明らかになる(゚д゚)!

消費税増税すれば「ショックはかつての比ではない」 浜田宏一氏が経団連で講演

経団連の夏季フォーラムで講演する浜田宏一米エール大名誉教授=19日午前、長野県軽井沢町

浜田宏一内閣官房参与は19日、長野県軽井沢町のホテルで開かれている経団連の夏季フォーラムで講演し、参院選後の焦点になる消費税率の来春引き上げについて「私は依然として慎重派だ」と述べるなど、時期尚早との考えを示した。

講演後に記者団の質問に答え「消費増税前に駆け込み需要などプラス効果はあるが、それ以降はない」と指摘。平成9年に橋本内閣が消費増税を実施して景気が失速したことを例示し「いまは法人税や所得税にも減税措置がなく、ショックはかつての比ではない」と景気への悪影響を懸念し、「政府の面目を保つことが国民生活より大事なのか」と早期引き上げに疑念を示した。

【私の論評】三党合意したからなどとして、増税などすべきではない、すればすぐに株価も落ち、円高となり、若者雇用も悪化し大失敗はすぐ明らかになる(゚д゚)!

上の記事、短いものなので、全文掲載させていただきました。できれば、もっと、講演の内容を知りたいものです。浜田先生が語っていることは事実です。

このブログでも、最近増税すれば、マクロ経済学的にみても、過去の経験からしても、とんでもないことになることを掲載しています。

下は、増税に向けてマスコミが必死で隠蔽する4つの不都合と題する経済評論家上念氏が動画で説明したときのフリップです。このフリップと動画そのものもこのブログに掲載したことがあります。


この動画は、なぜ来年4月に増税しては駄目なのかという内容をわかりやすく説明しています。過去のこのブログでも、紹介しています。今一度、以下にその動画も掲載します。



この動画、私の拙ない説明などよりも、かなりわかりやすく増税のまずさを的確に、わかりやすく解説しています。

そうして、上の記事で浜田先生が語っていることでもお分かりになるように、これは何も上念氏や、私だけが言っているわけではなく、いわゆる識者といわれる人々の中でも、まともなマクロ経済学理論を背景にする人たちは誰もが語っていることです。

そうして、不況下における増税は多くの国で失敗していることも掲載してきました。ギリシャ、スペインそうして、イギリスも不況のときに増税して大失敗です。不況のときには、金融緩和して、財政出動をするのが王道であり、正しい道筋です。減税するというのなら、話は判りますが、増税なんてとんでもないです。

増税に関しては、今回の参院ではあまり争点になっていないようですが、野党はこれに大反対するのは、共産党くらいなものです。しかし、アベノミクスには反対するという奇妙な論法です。

志位さんに限らずみんなの党、維新の党以外の野党の皆さん、アベノミクスの第一の矢である、金融緩和は、ヨーロッパでは、労働者の雇用を守るために、左翼政党が大賛成する政策であることをご存じないようです。アベノミクスで実施されている自民党に関しては、内部では増税絶対反対という人々もいますが、なにせ、増税の三党合意(民主、自民、公明)により増税法案が成立してしまったので、声を大にして増税しないなどとはいえない、微妙な立場にあるので、いえない部分があると思います。

しかし、デフレで金融緩和を実施中なのに、増税するということは、癌治療として点滴をしているにもかかわらず、他の病気があるからといって、癌治療を減衰させる注射を打つようなもので、結局患者の命を縮めるようなものです。絶対に実施してはいけないことです。

野党の皆さんは、金融緩和に対しては大賛成をして、つつくとすればアベノミクスではなく、このあたりをつつくべきだったと思います。

しかし、もう選挙は明日ですから、今更間に合いません。だから、自民・公明が大勝することでしょう。しかし、野党の皆様は、選挙で大敗してからでも、増税阻止の御旗をあげて、頑張っていただきいものです。それが、国民にとって良いことは間違いないことです。

もし、来年春の段階で、増税してしまえば、またまた、デフレスパイラル泥沼にもう一度、日本国民は足をすくわれることになります。それも、徐々に落ち込むというものではなく、増税した途端にすぐにそれはやってきます。

麻生財務大臣は、すっかり増税を既定路線と考えているようです。それに関しては、本日は以下のようなニユースがありました。
麻生財務相「消費増税、予定通り」 G20会議後に強調
なにやら、認識不足もはなはだしいです。私は、安倍さんが総理だつたときの、財政出動に関しては、評価しています。しかし、あのときもし日銀も金融緩和をしていれば、早めに株価もあがり、円安傾向になり、雇用も改善されて、様々な指標が良くなって、うまくいけば、麻生政権も長続きしたのではないかと思い、非常に残念なことだったと思っています。ひょとしたら、民主党の政権交代を阻止できたかもしれません。

麻生さんは、残念ながら、過去の増税ツインといわれる、谷垣さんや、野田さんのように、財務省にすっかり取り込まれたのでしょうか。本来の発言は、安倍さんや他の閣僚なども言っているように、「増税は慎重に景気の具合を見定めながら」というのが筋だと思います。

それに、麻生さん自身も、今月9日には、 麻生副総理・財務相は9日の閣議後記者会見で、来年4月に予定される消費税率引き上げについて、

「決定的に決める段階には至っていない」

と述べ、経済指標が改善しているかどうかなど、慎重に判断すべきだとの認識を示していました。

麻生氏は

「税収が伸びてくるのは間違いなく大きな指標になる」

とし、2008年のリーマン・ショックで大きく落ち込んだ税収が回復するかどうかも、重要な判断材料になるとの考えを示したその上で

「間違いなく景気が良くなってきたなという判断は東京ではあるが、大丈夫かねと思っている人も多い」

とも指摘していました。


そんな麻生さんが、一ヶ月もしないうちにしかも世界の舞台で、このような発言をするとは・・・・・・・。

日本の経済のことを考えれば、このような安易な発言はできないと思います。どうか、もうあまりこのての発言はしないようにして、もっと慎重な発言をしていただき、財務省相手に、増税阻止の立場に回っていただき、国民のために頑張っていただきたいものです。

そうして野党の皆々様方には、参戦選がどのようなことになっても、増税だけは避ける立場を堅持していただき、国民を救う立場に回っていただき、この本来豊かで、力強い国であるはずの日本が、デフレ・円高で一敗地に塗れるようなことを防いでい頂きたいと思います。

4月に増税すれば、浜田先生がおっしゃる通り、「ショックはかつての比ではなくなる」ことでしょう。それこそ、一敗地に塗れるという言葉がふさわしいほど、日本の経済が落ち込みます。最近の金融緩和で、良くなった雇用その他様々な兆候を示した指標もまたもとの木阿弥で雲散霧消してしまいます。また、若者雇用が悪化します。デフレで、給料は下がり、円高で中国・韓国に貢ぐことになります。

そうして、またぞろ、「日本駄目論」を口々に吹聴してまわる馬鹿野郎どもに、全国民が暗澹たる気持ちになり、さらに、年金問題や、その他の問題が一気に噴出し、国民も、政治家も完璧に八方塞がりとなり、何かを良くすれば、何かが駄目になり、駄目になっことを良くしようとすれば、また、他の何かが駄目になるというモグラ叩き状況になります。若者も、企業も将来に対する夢が持てなくなります。デフレが解消すれば、日本で現在問題になっている大きな問題のうち、6個くらいは自動的に解消し、残りの4個も解決の目処が経ちますが、そもそも、増税してしまえば、どれも解決できなくなります。

自民党の増税反対の方々、野党の増税反対の方々、左、右、上、下に関係なく、手を携えて増税阻止に邁進していただきたいと思います。それが、国民にとって今は他の何にましても、一番よいことです。今こそ頑張りどきです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年7月19日金曜日

浜田宏一内閣官房参与 4月の消費税率引き上げ判断「極めて慎重に―【私の論評】当たり前のど真ん中が通じない、池上彰のような愚かな人がまだ存在する、金融緩和の効果は十分でている、やめたり増税すればまた元に戻るだけ、元に戻したい人は日本の敵!!

浜田宏一内閣官房参与 4月の消費税率引き上げ判断「極めて慎重に

浜田宏一・内閣官房参与(米エール大名誉教授)
安倍晋三首相の経済運営のブレーンである浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)は18日までに産経新聞のインタビューに応じ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」は「デフレ脱却に向け想定以上にうまく進んでいる」と高く評価する一方で、10月にも決まる来年4月の消費税率8%への引き上げに対しては、「極めて慎重に判断すべきだ」と語った。
浜田氏は税率引き上げの判断材料として、国内総生産と雇用の改善を重視。今年1~3月期並みの国内総生産(GDP)の実質成長率(4%以上)が「4~6月」と「7~9月」の2四半期連続で続くことのほか、失業率の3%台(5月は4・1%)への低下、有効求人倍率の1・2倍程度(同0・9倍)への回復などが必要との考えを示した。足元の経済状況のまま来年4月に税率を上げれば、「アベノミクスで上向いている景気が(増税で)一転して減速する」と指摘。景気悪化で法人税や所得税が大幅に減少して「トータル(全体)での歳入減になる」と述べ、「財源になる『金の卵を産む鶏』を殺すことになる」と強く警戒した。

昨年8月に成立した消費増税法では、平成26年4月に8%、27年10月に10%に消費税率を段階的に引き上げることを決めているが、毎年1%ずつの引き上げで、景気に与える影響を和らげる手法も「選択肢の一つとして検討する価値がある」と発言。景気が落ち込んでいる場合は、引き上げを中止する「景気条項」の発動も促した。

【私の論評】当たり前のど真ん中が通じない、池上彰のような愚かな人がまだ存在する、金融緩和の効果は十分でている、やめたり増税すればまた元に戻るだけ、元に戻したい人は日本の敵!!

景気が悪い時の増税は意味なし!!

昨日は、浜田先生が、あたかも増税を容認するような記事対する抗議の文書を掲載しました。これについては、以前ブログで掲載しましたので、その記者のURLを以下に掲載します。
時事通信社に記事および見出しの訂正を求めます(浜田内閣官房参与)―【私の論評】デフレが解消されないうちに、増税してしまえば元の木阿弥、せっかくの金融緩和が無為になるのは必定、大馬鹿真似は絶対やめさせるべき(゚д゚)!
そうして、時事通信社がこれに対応して、本日訂正文など掲載しましたそのニュースのURLを以下に掲載します。
時事通信社に記事および見出しの訂正を求めます→記事が訂正されました
とにかく、アベノミクスというより、金融緩和政策の効果がでてきた現在において、これを否定したり、副作用ばかりならべたてるあるいは、増税を軽々しく容認する人というのは、どう考えても、頭がおかしいか、スパイのいすれかであると考えられます。時事通信社は、誤報を認めたので、スパイではないのかもしれません。ただ、この記事を書いた記者の頭が悪かったのかもしれません。

しかし、中にははっきりそのような主張をいまだにする人ともいます。たとえば、池上彰の以下の記事などがこれにあてはまります。
池上彰
池上彰「効果不明のアベノミクスは小泉政権を見て評価せよ」
 いよいよ目前に迫ってきた参院選。あまり政治に興味がない…という人にもわかるように、池上彰さんが今回の選挙のポイントを解説する。「今回の選挙の争点は、安倍政権を信任するか、しないか」だという池上さん。特に判断のポイントとして重要なものが「アベノミクス」だという。
 * * *
 アベノミクスというのは、安倍政権が打ち出した景気回復のための経済政策です。この政策には、3本の矢と呼ばれる3つの分野があります。「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」そして「民間の投資を引き出す成長戦略」です。前の2つは要するに「ミニバブルを起こす」「バラマキ」といったショック療法で、最後の1つは「日本経済の体質改善」といえるでしょう。
 効果が早く出るのは、ショック療法です。みなさんもご存じの通り、長らく1万円を割っていた株価は安倍政権発足後に上昇し続け、今年5月にはなんと5年4か月ぶりに1万5000円台にまで達しました。今は乱高下していますが、株で儲けたという個人投資家の声も聞かれます。円安の恩恵を受けた輸出業界では、夏のボーナスが増えたという会社もあります。
 しかし、収入が増えていない人もまだまだたくさんいます。安倍政権は非正規労働者を「限定正社員」と呼ばれる、勤務地や労働時間を限定した正社員へと転換させる策を進めようとしていますが、これは企業が社員を解雇しやすくすることにつながる、という見方もあることから、先行きが不安というかたもいるでしょう。
 それなのに、アベノミクス効果の円安のおかげで、輸入に頼っているエネルギーのほか、パンや食料油など身近なものまで、早速値上がりが始まっています。
 こんなことならアベノミクスには反対、でしょうか。安倍総理は、「ちょっと待ってほしい」と言っています。アベノミクスの効果が充分に広がって、みなさんのご家族のお給料も上がるまでには、少し時間がかかるんだということのようです。
 まだわからない先のことを、21日の投票日までにどう評価すればいいか。参考になるのが、過去に起きてきたこと。
 たとえば、小泉政権時には、よく「痛みを伴う改革」「構造改革なくして景気回復なし」という言葉が使われました。改革とはたとえば、郵政民営化や道路公団の民営化など、政府による公共サービスを、どんどんと民営化し、民間にできることは民間に任せる、というものです。民営化の瞬間は確かに痛いかもしれないけれど、少し我慢をすれば、いずれ痛みがなくなるうえに、前よりも景気はよくなるんだといわれていました。
 その結果、どうなったか。景気は良くなったでしょうか。一部にはよくなった人もいたかもしれませんが、悪くなった人も多かった。格差が広がったというわけです。
※女性セブン2013年8月1日号
池上彰は、1ヶ月くらい前には、金融緩和に関して、アベノミクスは有効という説と、無効という説とを両論併記のような形でテレビで解説していたのを覚えています。これも酷いものだと思いましたが、このくらいならまだ許せたのですが、上の記事は全くおかしいです。しかし、これが池上の本音なのだと思います。

アベノミクスは小泉政権を見て評価などできないです。小泉政権のときには、日銀は確かに一時金融緩和をしましたが、まだデフレから十分脱却できない次の第一次安部内閣のときに、金融引き締めに転じました。そのため、日本はまたデフレに逆戻りしました。あのとき、まだ1年~2年金融緩和を続けていれば、日本はデフレから脱却できた可能性が高いです。これと、アベノミクスとを並列に並べて、論じるなど、まさにコミンテルンの話法そのままです。

これは、多くのまともな経済学者が指摘するところです。実際に、日銀・財務省などの資料にあたっていただければ、確認することができます。日本は、中国などと異なり、さすがに日銀や、財務省は、中国のように数値を改竄することはできません。意図的にそのようなことをして、後から明るみに出た場合には、必ず鉄槌が下されます。



こんな明白なエビデンス(証拠)があるにもかかわらず、金融緩和(アベノミクス)の成否を小泉政権を見て判断せよなどというのは、あまりにも馬鹿げています。

構造改革を批判するのは、理解できます。しかし、金融緩和と構造改革とは全く別次元の話しです、これを結びつけて論じることもおかしいです。構造改革については、金融緩和などとからめて論ずるべき筋合いのものではありません。



私自身も、アベノミクスのうち日本経済を良くするための施策として、最も効果があるのは、金融緩和であり、次に財政出動であり、一番効果が薄く、期間がかかるのは、成長戦略だと思います。成長戦略に関しては、私は政府は表に出てはいけないと思っています。表に出ていろいろなことをやって、結局失敗だったのが、小泉構造計画です。

そもそも、国家が成長戦略に直接かかわると、ろくなことがないというか、必ず失敗します。それは、共産主義の失敗でわたしたちは、すでに了解済みのことです。もし、国家による成長戦略が成功するというのなら、共産主義はうまくいっていたはずです、しかし、現実は共産主義国家はことごとく滅びました。今や、中国も共産主義はやめて、国家資本主義の道を歩んでいます。

池上が語っているのは、アベノミクスを包括的パッケージととらえ、成長戦略は効果が薄くて、最も時間がかかるから、アベノミクス(すなわち、その中に含まれる金融緩和も含めて全部)をやめよという愚かな主張をしているということです。私は、成長戦略は少なくとも、10年くらいは年月を要するし、政府が表にでてやるような成長戦略は必ず失敗するので、反対です。しかし、金融緩和、財政出動に関しては賛成です。しかし、だからといって、アベノミクス全部に反対ではありません。成長戦略については、現状のままでは、反対ですが、政府が黒子に徹するようなものにするというのなら、賛成です。そうして、そのようなやり方は、いくらでもあるはずです。

池上の論評はいろいろ、偉そうに素人にも分かるように説明しているように見えますが、先日も掲載したアベノミクスの批判のように、池上の論評は、『高校生の求人が昨年比で約40%増えても、全員就職できないから金融緩和をやめてしまえ』というのとレベル的にあまり変わりません。これについては、このブログでも以前紹介しました。その記事のURLを以下に掲載します。
高校生求人 去年比約40%増―【私の論評】今アベノミクスの金融緩和に反対することは、高校生の求人が40%増えても全員が就職できないからやめてしまえと言っているに等しい!馬鹿真似を繰り返し全員討ち死にせよ(゚д゚)!
高校生の就職は昨年より40%好転、これを金融緩和の成果である。
詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、現在金融緩和に反対したり、増税を当然と公言して幅からない連中は、このような主張をしているのと変わりありません。よほどの馬鹿か、スパイのいずれかでしかありません。 いずれにしても、日本の敵であることには違いありません。私たちはそのことを心にとどめて、きたる参院選の投票に臨むべきと思います。みなさんは、どう思われますか?

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2013年7月18日木曜日

時事通信社に記事および見出しの訂正を求めます(浜田内閣官房参与)―【私の論評】デフレが解消されないうちに、増税してしまえば元の木阿弥、せっかくの金融緩和が無為になるのは必定、大馬鹿真似は絶対やめさせるべき(゚д゚)!

時事通信社に記事および見出しの訂正を求めます(浜田内閣官房参与)

浜田先生(右)、左は勝間和代さん
内閣官房参与でもある、イェール大学名誉教授浜田宏一先生は、時事通信への記事および見出しの訂正の抗議文書を出されています。その内容は以下のようなものです。
時事通信御中
前略 
7月14日の講演を元にして書かれたと思われる以下の記事について、私が発言したのとは異なる内容が記載され、また、本来の発言の趣旨とは正反対の見出しがつけられています。

時事ドットコム:消費増税、容認姿勢へ=浜田内閣官房参与与http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013071400199&g=eco 

私の発言として、「(消費増税について)第一の緩和(金融緩和)があまりにもいいから、このままやってしまってもいいような状況になっているのは万々歳だ」とあり、あたかも増税を容認したかのような書き方になっていますが、私はこのような発言は一切しておりません。 
私は『次の四半期にも景気回復が華々しく、このまま増税しても良い状態になれば万々歳だが、そうでなければ歳入を生む源である、景気回復という金の卵を産む鶏を殺してしまうことになる』と申し上げたのであり、特に後段がこの発言の本旨です。
記事内容及び見出しの訂正を要請させていただきますので、早急にご対応ください。 
草々 
イェール大学名誉教授
浜田宏一
【私の論評】デフレが解消されないうちに、増税してしまえば元の木阿弥、せっかくの金融緩和が無為になるのは必定、大馬鹿真似は絶対やめさせるべき(゚д゚)!

浜田先生の一見増税容認とみられる発言は、Twitter上でも「そんなはずはない、何かの間違いだろう」ということで、話題になっていました。だから、上の依頼文を見た時に、「やっぱり」と思いました。

以下に典型的なものを掲載しておきます。

上念氏は、本日は以下のようなツイートをしていました。
よって、本日はこの記事を掲載することに決めました。

デフレから脱却しないうちに増税することは、はっきりいって馬鹿真似以外の何ものでもありません。今回の選挙では、なぜか増税は争点になっていません。しかし、景気が悪いときに増税して成功した国など古今東西どこにもありません。マクロ経済学的にも完全な間違いです。

これについては、昨日このブログに掲載したばかりです。その記事のURLを以下に掲載します。
IMF会見「アベノミクスは世界のリスク」 困りモノの針小棒大報道―【私の論評】妄想にしがみつくIMFが主張するプライマリーバランス(財政バランス)重視が間違いであることは、市場が知っている。そうして近いうちに日本が最大の実証者になる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、景気の悪い時期に財政規律を重んじて、財政赤字をなくそうとして増税などの緊縮財政をしてことごとく大失敗した事例をあげています。ギリシャも、スペインも、イギリスもこれで大失敗です。

こんな事例がありながら、増税するなんてこれこそ、馬鹿真似以外の何ものでもありません。そうして、これは、日本でも実証されています。日本の消費税は、最初導入されたときには、デフレに陥っていなかったので、税収が増えた時期もあります。

ところが、次に3%から現行の5%に増税したときには、デフレではありませでしたが、景気が落ち込んでいたこともあり、増税してより後、増税前の税収を上回ったことは一度もありません。そうして、このときに日銀が金融引き締めを強化したこともあり、日本は完璧にデフレに突入しました。

こんな事実があるにもかかわらず、デフレから脱却しきっていないうちに、増税すれば、またまたデフレスパイラルの泥沼に落ち込み、また円高になり、中国、韓国などは大喜びすることになります。また、若者雇用をはじめ、雇用状況が悪化するのは明らかです。財政赤字も縮小することなどできなくなります。14年春の段階では、どう考えてもデフレから脱却できているとは考えられません。絶対にするべぎではありません。

それから、金融緩和も、完璧に物価目標をクリアしてからやめるようにすべきです。参院選挙では、自民が圧勝しそうです。その後は、私たちとしては、増税絶対反対という姿勢で、ことあるごとに意見を表明していくべきです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年11月23日金曜日

イェール大学浜田宏一教授が自民党安倍総裁に送ったファックス全文(安倍総裁のFBより転載)―【私の論評】まともな経済学者も主張する金融政策を否定するのはなぜ?脅しには、脅しで応えるしかない!!?

イェール大学浜田宏一教授が自民党安倍総裁に送ったファックス全文(安倍総裁のFBより転載)

右 浜田 宏一教授 左 経済評論家上念司氏
日銀法改正以来、日本経済が世界諸国のほぼテールエンド(ブログ管理人注:後塵をはいしたくらいの意味か?)の足跡を示していることから、そこでの金融政策が不十分であったことは明らかです。日本経済の望ましくない症状として、デフレ、円高という貨幣的な症状が出ているのですから、それに対するのは金融拡張が当たり前の処方箋です。

野田首相は、金融に訴えるのは世界の非常識といわれますが、<Wall Street Journal>金融に訴えないという議論こそ、現在の世界の経済学から見れば非常識です。

野田首相は、地動説の世界で天動説<日銀流金融理論>を信奉しているようなものです。このことは、最近私がマンキュー、ハバード、ノードハウスなど超一流学者とインタビューして確認しました。

政策手段としてはインフレ目標が望ましいと思います。IMFのチーフ・エコノミストのブランシャール<ブランシャード>も4%まではいいといっているようなので、これだけ長いデフレが続いて、人々のデフレ期待が定着している日本経済に活を入れるのは、安倍総裁の2~3%がまさに適当といえると思います。


また、インフレ目標は、金融緩和が行過ぎてインフレが始まりそうになるのを防ぐという、インフレから国民経済を保護する機能を持っています。

デフレ脱却のためには、日銀の国債引き受けでもいいですが、それが強すぎるというのなら、総裁のおっしゃったように日銀が国債を大規模に買い入れればよいのです。ただ、ゼロ金利に近い現状では、買い入れ対象が短期国債(管理人注:日銀が実施しているは、償還期限が1年未満のものが多く、これでは実質的に金融緩和にならず、現金をたらいまわしにしているようなものです)では効きません。長期国債、社債、株式の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも、このような考え方に基づいています。

日本経済の高度成長期には一桁、5%未満のインフレが通常でした。2度の石油危機の時には二桁のインフレになったこともありましたが、それを日銀は見事に克服しました。言い換えれば日本経済の奇跡的成長は緩やかなインフレと共存していたのです。そして日銀はインフレが昂進しそうになればいつでも制御した実績があります。このような歴史から見れば、デフレを克服するとハイパーインフレになるというのは非現実的な脅しに過ぎないのです。

ゴルフにたとえれば、今の日銀は雇用改善、景気回復という目標のホールを目指さずに、ホールの向こう側には<ありもしない>崖があると称して、バンカーに入ったボールをホールの方向に打たない、あるいはパターでしか打たないゴルファーのようなものです。

【私の論評】まともな経済学者も主張する金融政策を否定するのはなぜ?脅しには、脅しで応えるしかない!!?

浜田 宏一教授
まずは、浜田 宏一氏の略歴・経歴など、以下に掲載します。

浜田 宏一(はまだ こういち、1936年1月8日 - )氏は、経済学者(イェール大学教授)。専門は国際金融論。国際金融論、ゲーム理論の分野で世界的な業績があります。法と経済学会の初代会長も務めました。

日本のバブル崩壊後の失われた10年においては金融政策の失策がその大きな要因とみなし特に岩田規久男の主張を評価しています。日本銀行の金融政策を批判し、「リフレ派」の一人とされます。

【経歴】
東京大学で、法学の他経済も学ばれ、イェール大学でPh.Dも取得されといらっしゃるということで、まずはまともな経済学者であると思います。また、年長であられることからもしても、普通は、こういう方のおっしゃることは、傾聴に値するものと思います。今の日本経済を知るために、この方のおっしゃることは、エビデンスとしても非常に重要だと思います。

特に上の記事で、最後しめくくり「ゴルフにたとえれば、今の日銀は雇用改善、景気回復という目標のホールを目指さずに、ホールの向こう側には<ありもしない>崖があると称して、バンカーに入ったボールをホールの方向に打たない、あるいはパターでしか打たないゴルファーのようなものです」は、本当にわかりやすいたとえです。まさに、日銀の今のスタンスを良く言い当てておられると思います。

ゴルフは、ホールに向かって打つものだし、パターばかりでも良くない!!
上の記事に関しては、私などが、付け加えることなど微塵もないので、安倍総裁の金融政策など、改めて、ここで良いとか、正しいなどの解説はしません。

ただし、安倍総裁の主張する金融政策を実施しなかった場合どうなるかということだけ、付け加えたいと思います。

今のまま、日銀が金融緩和をせず、今のままの状況をつづけていれば、デフレ状況から脱却するきっかけがつかめず、そのまま、デフレ状況が続き、日本は、失われた20年どころか、失われた30年あるいはそれ以上の状況になってしまいます。

日銀にも是非ともフルスゥイングしていただきたい!!
日本には、既にそうなってしまったと述べている人たちもいます。特に、日本経済団体連合会の研究機関「21世紀政策研究所」は2012年4月、“「失われた20年」の状況がこのまま続いた場合、日本は2030年頃に成長度で韓国に追い抜かれ、先進国でなくなる”とする予測結果をまとめています。

また、2011年の欧州金融不安により株価が暴落し、主力株の多くは30年前の株価に陥ってしまってしまいました。株関連では、この状況を「失われた30年」と呼ぶ人たちもいます。

なお、2000年代末にはアメリカ合衆国や西欧諸国など他の先進国も、日本の後を追うように先が見えない景気後退に突入しており(日本化)、先進各国の不況は単なる景気循環では説明できず、成長の限界による構造的な経済停滞に突入したためであるという議論もあります。ピーター・ティールは、20世紀における成長の原動力であったイノベーションが終わりを迎えたため、今後はアメリカ合衆国の大きな成長は望めないと論じています。

ただし、これは、無論のこと、日本がデフレ対策をまったく行わず、過去20年やってきたことの繰り返しをやるばかりで、何も変えなかった場合の話です。アメリカとて、イノベーションが終わったなどということはありません。今まさに、製造業でいわゆるメイカー達が、一大イノベーションをおこしつつあります。これによって、アメリカや日本の製造業が再興することになります。しかし、これは、本日の記事の趣旨とは直接関係ないので、本日は詳細を述べません。いずれ、またの機会に詳細を掲載させていただきます。

やはり、上の記事で、浜田 宏一教授が主張していたように、日銀は、金融緩和に転じるべきです。

本日は、上の記事で、言葉での説明は、十分すぎるくらいだと思いますので、以下に過去にこのブログで掲載してきた、このことのエビデンスともいうべき、表を掲載します。

日本だけが、過去に緩和策をやってきませんでした。

グラフ縦軸は、マネタリーベースです。日本だけが、マネタリーベースが増えていませんが?
日本だけが、GDPが伸びていませんが、これを反リフレ派の人は、同説明します?


日本は、復興中であるにもかかわらず、景気後退局面に入ってしまいました。これは、結局日銀が緩和をし
ないせいであると考えられます。大きな自然災害の次の年に景気後退局面に入るなど、普通はあり得ません。
米国の半分程度の緩和なら理解できますが、桁が違います!!

イギリスでは、イングランド銀行が、かなりの金融緩和をして、一時は、インフレ率が5%を超えたこともあり
ましたが、12年に入ってからは、落ち着きました。これは、不況時の金融緩和は、ハイパーインフレを招くという
反リフレ派の、有力な根拠となってきましたが、ハイパーインフレにはならず、今年に入ってから2%台となり、
収束しています。反リフレ派は、これを同説明するのでしょうか?

日銀が金融引締めを続ける中、政府の税収も減るばかりでしたが?


消費者物価指数(年平均値)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳
日銀が、金融引締めを続ける中、物価は下がり続けていましたが?


日銀が、金融引締めを続ける間、可処分所得は減る一方でしたが?
サラリーマンの平均賃金の推移、日銀が金融引締めを続ける中、
サラリーマンの平均賃金は下がり続けましたが?
各国の物価と、平成の主要改革。様々な改革にもか日銀が
金融引き締めを継続するなか、日本の物価は、毎年下がり続けてましたが?

日銀が、金融引締めを続ける中、円高になる一方でした。

上のグラフが示すように、日銀が金融引締めを頑なに継続し続ける中、様々な不都合が起こっています。野田総理、日銀白川総裁をはじめとする反リフレ派の方々は、これでも、脅迫を続けるのでしょうか?

脅迫するだけではなく、日本経済がよくなる方法を提案してください。無論、増税・社会制度改革なんていうのは、駄目ですよ!!政府の日本再生戦略なんてのも駄目です。なぜなら、デフレ下の増税は、過去においては日本でも他国でもことごとく失敗していますし、政府主導による日本再生戦略など、成功する可能性はないです。もし、成功するというのなら、共産主義、社会主義も成功していたはずです。これらは、ご存知のようにことごとく失敗しています。

そうして、最後に、もし安倍政権が実現して、日銀が金融緩和をして、日本経済が回復したら、どう説明をつけるのでしょうか?説明がつかない場合には、責任をとっていただけますか?古式にのっとって、割腹などいかがでしょうか?無論これは冗談ですが、それにしても、反リフレ派の方々の中でも、特に影響力が大きい方は、そのくらいの覚悟で批判してもらわなければ困ります。それくらいの覚悟があるのなら良いですが、そうでなければ、国民を惑わすでけです。そう、思うのは私だけでしょうか?




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