2008年7月31日木曜日

小麦もチーズも燃料費もアップ!「三重苦」に喘ぐ宅配ピザ業者-アギェンストの風も背中に受ければ追い風になる?

誕生会やクリスマスなどのイベントにおいて、電話1本で注文できる手軽さが人気の宅配ピザ。誰しも一度は食べたことがあるだろう。ピザハット(日本ケンタッキー・フライド・チキン)、ピザーラ(フォーシーズ)、ドミノ・ピザ(ヒガ・インダストリーズ、ダスキン)などの大手3事業者は、人気商品の品揃えも豊富。ポストに放り込まれるカラフルなチラシを見るだけでもワクワクする。(左は、ピザテンフォー新庄店の写真、駅構内にあり、近隣の客を惹きつけている)

しかし、そんな華やかなイメージとはうらはらに、宅配ピザ業者も原燃料価格の高騰に四苦八苦している。実際、宅配ピザは「コストの固まり」のようなビジネスなのだ。

「1年前と比べてピザの生地に使用する小麦のコストが1.5倍、全製造コストの3割を占める輸入ナチュラルチーズが2倍、配達バイクの燃料費が5割もアップした」と嘆くのは、大手宅配ピザチェーンの営業担当者。まさに「三重苦」の値上げが起きているのだ。

そればかりではない。原燃料価格の高騰が本格化する以前から、仕事が過酷なドライバー人気の低下で人件費も高止まりしている。「これまでの時給 1000円を1300~1500円にしても、なかなか人が集まらない」(営業担当者)という状態で、これも加えれば「四重苦」になる。

現在、宅配フード業界はただでさえ岐路に立たされている
少子高齢化で家族世帯が減少しているにもかかわらず、これまで主流だったピザに加えて、ここ数年のあいだに寿司、中華料理など新手の業者が続々と参入したため、市場はすでに過当競争に陥っている。お客が自ら店舗を訪れるファミリーレストランなどと違い、家庭に直結したビジネスを手がける宅配フード業者にとって、このような構造変化は頭痛のタネ。そんな折に本格化した原燃料価格の上昇は、「恐怖」以外の何ものでもない。

だが、そんな状況にもかかわらず、ほとんどの業者はこれまでピザの値上げに二の足を踏んでいた。そもそも本格志向をウリにする宅配ピザの人気商品は2000~3000円台と、コンビニのピザと比べてかなり割高だ。

「わざわざ高い宅配ピザを取らなくても、コンビニのピザで十分と言うお客も多いため、値上げによる客離れが怖かった」(営業担当者)のである。

これに対して、中途半端に事業を拡大してきた中堅業者の台所事情は苦しい。大手と違い、広範な地域を少ない拠点や人数でカバーしている彼らは、システム投資はおろか拠点の合理化もままならない苦境が続く。

「仕方なく採用を減らしたところ、過重勤務で倒れて辞めるドライバーが増え、人手不足による配達時間の遅滞が問題になっている」(都内中堅業者)というケースまである。

宅配ピザの魅力の1つは、約束した時間に焼きたてのピザが届くこと。しかし、今後は「約束した時間内にピザが届かない」といったお客のクレームが増えるかもしれない。

(ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也 2008年6月12日)

そこで各社は、商品価格を上げずにチラシの頒布量を増やしたり、付加価値の高い新商品の開発を行なうなど、あの手この手の工夫を凝らしてきた。だがその結果、「むしろ以前よりもコストがアップしてしまった」(営業担当者)という企業も多いのが実情である。

拠点の合理化もままならずシステム投資で耐え抜く各社

「にっちもさっちも行かない」

あまりのコスト圧力に、最近では大手さえも音を上げて、ピザの値上げを余儀なくされている。

ヒガ・インダストリーズは、3月中旬、53商品について平均5.5%の値上げを発表。宅配ピザ事業が足を引っ張り、2007年12月-08年2月期が28%の営業減益となった日本ケンタッキー・フライド・チキンも、4月から一部の商品について、1円単位の端数を切り上げる「実質値上げ」に踏み切った。

今後、各社が利益水準を維持して行くためには、システム投資を行なって配達を合理化するしかない。宅配フード業界で雌雄を決する要因は、何よりも拠点数だ。店舗を構えてサービスで差別化を図れる業態ではないため、拠点を減らすと地域のシェアを根こそぎ他社に奪われる恐れがある。

そのため、資金力がある大手3事業者はシステム投資に余念がない。たとえば、ドライバー1人が1回の出動でより多くの家庭にピザを配達できるよう、各拠点ごとにコンピュータで徹底管理する体制を整えているのだ。これなら、人件費や燃料費をかなり節約できる。

これに対して、中途半端に事業を拡大してきた中堅業者の台所事情は苦しい。大手と違い、広範な地域を少ない拠点や人数でカバーしている彼らは、システム投資はおろか拠点の合理化もままならない苦境が続く。

「仕方なく採用を減らしたところ、過重勤務で倒れて辞めるドライバーが増え、人手不足による配達時間の遅滞が問題になっている」(都内中堅業者)というケースまである。

宅配ピザの魅力の1つは、約束した時間に焼きたてのピザが届くこと。しかし、今後は「約束した時間内にピザが届かない」といったお客のクレームが増えるかもしれない。

アギェンストの風でも背中に受ければ追い風となる? さて、こうした動き、ピザに限らずいろいろなところに影響が出ています。その典型的な例が生協の個配だろう。日常用品(粗利がもともと少ない)ものを定期配送するのが、生協の個配です。

この事業、生協の中では、順調に伸びていた事業なのに、ここに来て陰りがでてきています。一つは、上に述べたような宅配ピザのような三重苦。さらに、最近では中国餃子問題で、イメージダウンしただけではなく、国内生産物を好むという消費者の嗜好の変化であります。さらには、駐車違反の罰則強化もいたいです。

さらに、居酒屋、スナックなどの業態にも顕著な変化があります。いわゆる飲み屋街といわれるところに、出店しているところには、相当陰りがでてきています。ただし、住宅街に隣接しているようなところに出店したところはそこそこ利益を上げて、最近の厳しい状況にあっても相変わらず人気があるようです。価格もお手ごろ価格にしているところが多いようです。そのため、立地を変えるところもでています。そのような、ところは、まるで近所の社交場になっているところもあります。

回転寿司に関しても二極化していて、伸びているところと、低迷しているところがある。伸びているところは、システム投資などを含む努力を傾注し、従来どおりの価格で商品を提供しているが、何とか利益をあげられているようです。立地はやはり、住宅地の多いところが有利なようです。

これら、二つの伸びている業態に共通するところは、いわゆる住宅隣接型ということです。また、価格も回転寿司の場合は何らかの方法で据え置いているところもありますが、やは住宅隣接型であれば、地下も安いので、さほど努力しなくても低価格で提供できるということもあります。

なぜ、このようなことになったのかといえば、やはり消費者の変化ということがあります。消費者もガソリン高騰、酒酔い運転や違法駐車の厳しい取締り、食料品の値上げなどに影響を受けているということです。だからこそ、遠くまでいくより、近くに比較的良い店があればそこに行くということです。

また、最近の厳しい状況にあっても、変わらない消費者もいます。それは、いわゆるお金もちです。最近、グッチやティファニーの売上げに陰りが出てきているそうです。しかし考えてみれば当たり前のことです、少し前ならば特に、所得が高くもないのに、グッチの商品をいくつ持っているという人が大勢いました。しかし、ここにきてガソリン高騰、食料品の値上げなどで買い控えをする人が増えてきたのだと思います。しかし、高所得層の消費行動は変わりません。相変わらず、中途半端な高額品ではなく、本当の高額商品は売れ続けています。

ここにきて、年収2000万まではいかないですが、1000万円を超える世帯なども狙い目だと思います。本当のお金持ち層に対する商品・サービスに関しては、大昔から数え切れないほどありますが、実はこの層に対する商品・サービスはどちらかというと希薄だからです。

それより下ということになると、100円ショップや、安売りスーパーはじめ多数の商品・サービスを提供しています。最近のピザ宅配における三重苦などとは、比較的無縁ですが、さりとて全く考えなくもないこのような層に対する商品・サービスの市場は未だ手付かずといっても良いと思います。

そのため、これらの層の人たちは、図らずも自分たちより下のレベルか、上のレベルの消費を時と場合によって使い分けているのだと思います。だから、外からみると一見それで満足しているようですが、実は自分達にピッタリのものが出てくれば、喜んで試したり、購入すると思います。しかも、これが最近の原油だかの影響などを受けて顕著になってきていると思います。

さて、確かに現在はどの商売にとっても厳しい時期ですが、上記のような変化に対応をすれば、やり方はいくらでもあるわけです。まさに、アギェンストの風も背中に受ければ、追い風になるということだと思います。

こうした最中にあって、創意工夫を続けるピザ宅配業、回転寿司、居酒屋などの業態はもとより、他の業態でも、生き残って、次の段階ではより一層足腰の強い業態となって、次の時代を開拓するイノベーターとなっていくことでしょう。

宅配ピザテンフォーの本部である「オーディンフーズ」というキーワードが一度でも掲載されている、過去のこのブログの記事を検索してみました。その結果は、以下の反転文字をクリックしていただければ、ご覧になることができます。実際検索してみて驚きましたが、意外なものもあります。是非ご覧になってください。

なお、YouTubeで、キーワード「テンフォー」で検索していただくとテンフォーに関連した動画をご覧になることができます。こちら、意外なものがたくさんあります。下の反転文字をクリックするとYouTubeに飛ぶことができます。こちらも、是非ご覧になってください。


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2008年7月30日水曜日

北京オリンピック開催に向け警戒感高まる-終了後の方が、テロ、暴動が頻発する?

中国の警察犬、彼らも大活躍だ。

北京オリンピック開催に向け警戒感高まる
(すでに内容をご存知の方は読み飛ばしてください)
(2008年07月29日 09:45 IBTIMS)

北京オリンピックまで一週間余りとなった中国北京市では、イスラム教過激派組織が中国に対し爆破テロ予告を行うビデオが発見されるなど緊張感が高まっている。中国政府はオリンピックに向けて厳重な警戒体制を準備している。
ニュース写真の拡大

中国政府にとってはチベット民族の独立運動や法輪功の運動さらには失業者の暴動なども懸念対象としてあがっている。最近ではトルコ系イスラム武装組織を名乗る覆面をした人物らが先週中国雲南省昆明市で生じた2台のバス爆破テロを行ったと主張するビデオテープが発見されるなど、イスラム系組織の動向への懸念が高まっている。
 
米首都ワシントンを拠点とするイスラム武装組織監視グループIntelCenterによって武装組織の司令官と見なされている男が、北京オリンピックで特にイスラム教の選手や観光客は近づかないように呼びかけ、「我々の目的はオリンピックに関連する重要な場所を狙うことだ。これまで培われてきた戦略を酷使して、北京を攻撃しようとしている」などとビデオテープで脅迫のメッセージを発信している。

一方中国政府は、昆明市で生じた爆破事件はテロ行為ではないと主張し、国民の緊張感を和らげようとしている。しかしながら他にも中国政府に関しては政治批判家やキリスト教地下組織の活動など多くの対抗勢力を抱えている。法輪功関連の国際的人権擁護団体CIPFGによって行われている「人権聖火リレー」も中国オリンピックから人々の注目を逸らすのではないかと中国政府にとって懸念が高まっている。

これら多くの懸念事項に対応するため、中国政府は今回の北京オリンピックに向けて過去最大の11万人の警察、機動隊を配備、さらに30万人以上のオリンピックボランティア監視員を配備している。中国胡錦濤国家主席も、先週末に「オリンピック主催国としての治安を守る重荷は泰山と同じくらい重い。すべての人が責任を共有していかなければならない」と述べ、中国国民全体にオリンピック開催に向けての治安確保の重要性を訴えている。


北京オリンピックまで一週間余りとなった中国北京市では、イスラム教過激派組織が中国に対し爆破テロ予告を行うビデオが発見されるなど緊張感が高まっている。中国政府はオリンピックに向けて厳重な警戒体制を準備している。

中国政府にとってはチベット民族の独立運動や法輪功の運動さらには失業者の暴動なども懸念対象としてあがっている。最近ではトルコ系イスラム武装組織を名乗る覆面をした人物らが先週中国雲南省昆明市で生じた2台のバス爆破テロを行ったと主張するビデオテープが発見されるなど、イスラム系組織の動向への懸念が高まっている。
 
米首都ワシントンを拠点とするイスラム武装組織監視グループIntelCenterによって武装組織の司令官と見なされている男が、北京オリンピックで特にイスラム教の選手や観光客は近づかないように呼びかけ、「我々の目的はオリンピックに関連する重要な場所を狙うことだ。これまで培われてきた戦略を酷使して、北京を攻撃しようとしている」などとビデオテープで脅迫のメッセージを発信している。

 一方中国政府は、昆明市で生じた爆破事件はテロ行為ではないと主張し、国民の緊張感を和らげようとしている。しかしながら他にも中国政府に関しては政治批判家やキリスト教地下組織の活動など多くの対抗勢力を抱えている。法輪功関連の国際的人権擁護団体CIPFGによって行われている「人権聖火リレー」も中国オリンピックから人々の注目を逸らすのではないかと中国政府にとって懸念が高まっている。

これら多くの懸念事項に対応するため、中国政府は今回の北京オリンピックに向けて過去最大の11万人の警察、機動隊を配備、さらに30万人以上のオリンピックボランティア監視員を配備している。中国胡錦濤国家主席も、先週末に「オリンピック主催国としての治安を守る重荷は泰山と同じくらい重い。すべての人が責任を共有していかなければならない」と述べ、中国国民全体にオリンピック開催に向けての治安確保の重要性を訴えている。

オリンピック後の方が危ない?
さて、緊張の高まりからオリンピック開催前、あるいは開催中のテロ行為などを懸念する向きもあると思いますが、私自身はオリンピック後が一番危ないと思っています。観光で出かける方も、観光自体は、オリンピック前や、開催中に済ませて、開催後には速やかに帰国すべきと思います。

その理由として以下の2点が考えられます。

1)オリンピック開催自体には、多数派の民族の人はもとより、少数民族の人もその開催事態に反対する人は、多くはないことです。ダライ・ラマですら、中国のオリンピックの開催には賛成しています。実体はどうであれ、大義名分としては、平和の祭典として行うものです。これにあからさまに反対するような、行為は、反感を買うだけです。特に聖火リレーなどの際に中国国内外で大騒ぎした、青年たち(墳青:フンチン)は黙っていないでしょう。もし、開催前、開催中に何かテロ行為があり一般の人が犠牲になることがあれば、墳青はもとより、もっと上の層にまで、いわゆるナショナリズムの嵐がまきおこり、テロを起こしたことがえかってマイナスになってしまいます。少数民族の人々もこうした行為に対しては、憤りを感じるし、逆に自分たちの主張などテロの後などでは、さらに通りにくくなることになり、あまりメリットはありません。

2)特にオリンピック開催直前や、最中には、中国中央政府も徹底的に警備を強化し、何が何でもテロ行為など起こさせないように最大限の努力を傾注するでしょう。しかし、オリンピックが終了したと同時に、各地に配置されていた警備員は撤収し、通常の状況にもどるでしょう。さらには、警察や人民解放軍も緊張ガ緩みます。このときが、最も危ないです。

いずれにせよ、以前にもこのブログに書いたとおり、中国各地で不満の炎がくすぶり続けていることは確かです。特に中国は未曾有の経済的危機にすで少し前から突入しており、人々の中にさまざまな不満が鬱積しています。これに何らかの形で火を注げば容易にどこでも、暴動は起こりそうです。オリンピック開催中までは、国家的イベントを挙行しているということから、不満があっても何とか成功させようという機運の高まりから、暴動などなんとか、収められることでしょうが、抑えられた分、多くの人民の中に不満や焦燥感が高まり、爆発しやすい状況になります。

先ほども述べたように、今回北京オリンピックを観戦に行かれる方は、終わったらすぐに帰ってくるほうが無難です。現地に住まわれいる方も、巻き込まれないように十分気をつけるべきと思います。仕事などで、どうしても離せないという人は別にして、日本に帰ることができる人は、終了後は速やかに休暇などをとって一時日本に帰郷されることをお奨めします。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■中国:五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫-オリンピック開催後を予感させる連続爆破事件?

■「ちゃいな.COM」中国総局長 伊藤正 「80後」は中国を変えるかは正しくない-正確には「80後」の一部、それも少数派が中国を変える。

■中国で暴動は日常茶飯事-この事態改善されない限り中国はまともにならない!

■貴州省の暴動に見る壊れた中国の実態

■燃えろアタック-排球女将

■中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するのか?-中国の軍隊は脆弱?

■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年7月29日火曜日

政府がCO2貯留コストを大幅削減へ 低炭素社会へ行動計画-黄昏EUの二の舞を踏まないため福田首相の手腕に期待しよう!!

【外交】洞爺湖サミット2日目 福田首相はリーダーシップを発揮できたか? 20080708(前半)

洞爺湖サミットで福田首相はリーダーシップを発揮できたかなど、マスコミが真面目に報道してるいるが、まったくピントがずれている。サミットとは、お祭りだ。そうして先進国首脳同士の親睦会だ。ここで、何か本当に大きな問題など最初から話しあうべき筋ではないのだ。お祭り、親睦会というと、そんなことをする必要があるのかというむきもあると思うが、私は、その必要は十分あると思う。会社の仕事の中でも、普段からコミュニケーションをとらなければならない人々と親睦を深めておくことは当然のことだ。世界のリーダーだからといって、それは変わりない。サミット中には、おもいっきり親睦を深めて、普段厳しいやりとりなどがあったとしても、全く顔を知らないとか、話もしたこともない相手ではないため、いろいろやりやすくなるはずだ。お祭りの采配もあまり酷ければ、別だが、お祭りや親睦会でリーダーシップを発揮できたからといって、立派な政治家とは限らない。逆にリーダーシップを発揮できなかったからといって、政治家失格ということもない。だから、サミットに関する福田首相の采配に難癖をつける、マスコミは全くお門違いのことをしていると思う。


政府がCO2貯留コストを大幅削減へ 低炭素社会へ行動計画
(すでにご存知の方は、読み飛ばしてください)
政府は29日の閣議で、二酸化炭素(CO2)の排出を大幅に抑えた「低炭素社会」づくりに向け、火力発電所などから出るCO2を回収し地中貯留するCCSと呼ばれる技術を2020年までに実用化、コストも大幅に下げることなどを柱とした行動計画を決定した。

福田康夫首相が日本の新たな地球温暖化対策「福田ビジョン」で掲げた、50年までに温室効果ガス排出量を現状から60-80%削減するとの目標実現に向け、数値目標や行程を示した。

CCSは来年度以降、大規模実証に着手。現在1トン当たり約4200円のCO2回収コストを、20年代には1000円台にすることを目指す。太陽光発電は、導入量を20年に現在の10倍、30年に40倍とし、再生可能エネルギーについての「新たな料金システムを検討する」とした。

また、新車の半分を20年までに電気自動車などの次世代自動車とし、30分程度で完了する急速充電設備を整備。
2008/07/29 13:57 【共同通信】

黄昏(たそがれ)EUの二の舞を踏まないため福田首相に期待しよう!!
このブログにも、何度か書いたように、地球温暖化二酸化炭素説は全くの虚偽です。真実は、気温があがると、CO2が増えるということです。アル・ゴアは、「不都合な真実」の中でこの真逆を発表しました。彼のデータ的裏づけになっているもとのデーターは南極や北極の氷を深く間で掘り出し、その氷ができたころのco2の濃度などを測定したデータですが、このデータでははっきりと真逆であることがみてとれます。

地球温暖化二酸化炭素説を主張する連中のいうことは、ほとんどがでっち上げです。災厄、人類滅亡のストーリーはことごとく単なるでっちあげにすぎません。南極の氷が融けても、北極の氷が融けても、海水面は上がりません。そのため、島や陸地が水没すことはありません。北極の氷が全部融けても、シロクマは絶滅しません。北半球が温暖化したからといって、南の方の昆虫が北のほうにまで進出してきて、マラリア、デング熱などの病気が北半球で流行るなどということもありません。

それどころか、地球温暖化が意味するところは豊穣です。たとえば、いろいろな農作物が栽培できる地域が広がり、豊な時代がきます。事実過去の温暖化の豊穣な時代があったからこそ、現在のヨーロッパの基礎ができました。そのころできた、歴史的建造物などたくさん現代にも残っています。

しかし、これらの虚偽の報告とは別に地球はじょじょに寒冷化に向かっているなどという説もあります。この説の方が、はるかに信憑性があります。だからといって、寒冷化による災厄などおこりません。寒冷化といっても、5年10年で一気に寒冷化するわけではなく、数百年、場合によっては数千年もの時間をかけてなっていきます。だから、人類はいくらでもこれに対処することができます。たとえば、北の方からは脱出して、南の方に行くなどです。そのまま、北に住み着いて、寒さを何とかやり過ごすという人もでてくるでしょう。しかし、私はここにはっきりとしっかりとしたエビデンス(証拠)を持って人類は破滅しないと宣言します。

それは、私達自身の存在です。私達の先祖は、過去に何回も寒冷化と温暖化の時代に遭遇しています。だから、いまさら寒冷化になったからといって、急に人類自体が破滅することなどありえません。食料難で人類が滅ぶなどという説もありますが、もし、それも何とか切り抜けていくことができます。アフリカがアジアなみに農業生産性があがれば、有り余るほどの農作物を生産できます。石油がなくなっても、代替エネルギーはいくらでも存在します。流星群が大量に降ってこようが、旱魃になろうが、各地で一斉に火山が噴火しようが、人類は滅亡しません。なぜなら、私達の先祖は何回もそういう目に遭っているからです。生物ということでいえば、なんと地球全体が炎に包まれた時代ですら、微小生物などが生き残って、最終的には進化を遂げて今日の生命の多様性を作り出しています。さあ、皆さんそろそろ地球温暖化の呪縛からはきれいさっぱり、開放されようではありませんか!!

無論、贅沢や、無駄遣いをすることはいけないことです。資源を大切に使うべきです。しかし、原水爆の脅威は本当です。地球上には、人類300回以上滅亡させても有り余るほどの核兵器があります。私は、地球温暖化などに気を配るよりもこちらの方が余程心配です。

さて、地球温暖化二酸化炭素説、温暖化による災厄など、ことごとくでっちあげであることは、すでにこのブログにも掲載してあります。それに関しては、この文章の下の方にURLを掲載してありますので、ご覧になっていない方は是非ご覧ください。

これを前提に考えると、先ほどの記事少しへんですね。日本が、CO2を回収し地中貯留するCCSと呼ばれる技術をなぜ開発しなければならないのでしょうか。CO2そのものには何の害もありません。いくら空気中に排出したとしても何の問題もおこりません。

これは、地球温暖化説二酸化炭素説を信奉する、オカシな人たちがやるべきことであって、まともな日本や、日本人のやることではありません。そんなことは、黄昏EUにやっていただき、何にもならないことに地道をあげていただき、挙句の果てには、ローマ帝国のように自滅してしただけば、それで良いのです。そうした道を彼らが選んでしまったから、仕方のないことです。CO2排出取引でも何でもやってください。CO2を新たな貨幣にしてください。でも、日本がそれに付き合う必要はありません。

私達は、健全な考えに基づき、省エネなどに取り組み、素晴らしいを世界を築いていきましょう。そのためには、EUや地球温暖化二酸化炭素を信奉する、あるいはそう見せかけるのほうがが自分達にとって都合の良い人を適当にあしらっていく必要があります。敵対するのでなく、適当に大人の態度であしらうのです。環境サミットでも、結局リーダーシップを取れなかったように批判された福田首相、もうそんなことはとっくにお見通しで適当にあしらったのだと思います。考えてみれば、福田首相も2020年には、生きていないかもれしないし、生きていたとしてももうとっくに最前線からも退いていることでしょう。アメリカのブッシュもおそらく、適当にあしらったのだと思います。彼などは、もう大統領を退くことは目前ですし、引き際を見ぐるしくしたくないという考えもあったのだと思います。50年後なんて、誰も知っちゃいません。そのころには、地球温暖化二酸化炭素説も時代遅れとなり、マスコミも最新理論による地球大寒冷化問題の報道で、二酸化炭素がどうたら、こうたら、なんてことはとっくに忘れているかもしれません。それは、それでいいことだと思います。アメリカの大統領も、日本の総理大臣もEUの指導者よりも、一枚も二枚も上手ということです。

いや、それどころか、CCSや、エネルギー効率の悪い風車や、太陽光発電を大規模に進めようとしている、EUはにはあと5年くらいで陰りがみえてくるでしょう、10年後にはほころびが見えてくるでしょう。そうして、黄昏から没落へと一気に落ちていくことでしょう。

私たちは、そのようなことはせずに、限りあるとはいいながら、まだまだ豊富な化石燃料を無駄遣いはしないように、そうして公害は出さないようにして、クーラーによる冷房も無駄遣いにはならない程度に使い、頭を冷やして頭の回転を良くしながら、次代の使えるまともなエネルギーの開発や、海洋開発、新たな社会システムなどの開発にいそしむべきです。アフリカ諸国の人々にも安い化石燃料を取り入れた開発技法などを教えつつ、ただし、公害などさいしよからおこさないように、アフリカンドリームを体感できる方法を教えてあげて、アジア・アフリカともに大発展するように頑張りしょう!!もう、次の時代にはアメリカや、ヨーロッパは世界の果てです。アジア・アフリカが世界の中心になるのです。アメリカの人口推計の専門家の推計による2030年あたりには、東京は世界最大の大都市になるそうです。それには、それなりのわけがあります。私達は、地球温暖化二酸化炭素説などのような珍説に惑わされることなく、このようなときに備えて、現在のジャングルのような都市を文明化していく必要があります。こうしたことに、私達限りあるの頭脳や、資源を総動員しましょう!明るい、アジアとアフリカの将来のために!!!!

下に私がいままでに掲載した環境問題に関する記事を掲載します。反転文字 をクリックしていただければ、当該記事に飛ぶことができます。まだご覧になっていない方は是非ご覧になってください。特に、動画「地球温暖化詐欺」に関し ては必ずご覧になってください。これをご覧にならない限り、私の上の主張の真意はわかりません。さらに、この動画の趣旨に賛同していただけましたら、皆さ んのブログでも是非紹介をお願いいたします。

■CO2は地下に封じ込めろ、独に欧州最大貯蔵施設-EUは地球温暖化二酸化炭素説とともに心中か?

■ここしばらく続いた環境問題に関する話題への締めくくり―EU没落は必定か?

■環境問題のウソ-温暖化詐欺の日本の実情

■地球温暖化詐欺(3)-呪縛から解き放つ(動画「地球温暖化詐欺」を掲載しています)

■地球温暖化詐欺(2)-気になる福田首相の発言の変化(動画「地球温暖化詐欺」を掲載しています)

■地球温暖化詐欺?(1)-CO2説はプロパガンダ?(動画「地球温暖化詐欺」を掲載しています)

■洞爺湖サミット開催-co2削減にいまこそ創意工夫を!(動画「地球温暖化詐欺2/8)を掲載してあります。

■テレビ朝日開局50周年~地球危機2008~で報道されたグリーンランド氷溶解の真偽?!(動画「地球温暖化詐欺1/8」を掲載してあります)

■日本の森林の特殊性―環境問題は教条主義的には対応できない

■フードマイレージやバーチャルウォーターだけが環境負荷指標か?-バーチャルCO2はどうなのか?

■昨年のEUの二酸化炭素取引の失敗―削減どころか増加?!

■カップヌードルが紙容器に―ピザテンフォーでは紙すらなくす?

■ピザテンフォー4月のお知らせ―業界初!!宅配皿 あつエコプレートで 熱さ+美味しさ

■IT機器「電源対策だけでCO2は大幅減」

■あつエコ宅配 ―ピザ・テンフォーが世に問う環境対策とは?

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2008年7月28日月曜日

学校工事めぐり贈収賄容疑 北海道教委元幹部を聴取-すべてのシステムを性悪説にのっとり作り変えるべきか?

【大分県】金とコネ次第 教員採用汚職 20080707


最近地方自治体がらみの不祥事が多過ぎる。何とかして、防ぐ手立ては無いものかと思うが。民間企業の例を見習うべきだと思う。
学校工事めぐり贈収賄容疑 北海道教委元幹部を聴取
(すでに内容をご存知の方は読み飛ばしてたください)
(asahi.com 2008年7月28日15時1分)

北海道教育委員会が発注した釧路市の道立養護学校のボイラー改修工事をめぐって贈収賄の容疑が強まったとして、道警は28日、道教委の元幹部職員の事情聴取を始めた。業者の選定をめぐって釧路市の業者に便宜を図り、見返りに数十万円の現金を受け取った疑いが持たれている。道警は容疑が固まり次第、この元幹部を収賄容疑、業者を贈賄容疑で逮捕する方針だ。

道警の調べでは、工事は06年に発注され、受注額は約2300万円だった。道教委元幹部は当時、学校施設の発注業務を取り扱っていたが、受注した釧路市の業者とはかねて交友関係にあったという。

道警はすでに業者から任意で事情を聞いている。業者側は、入札をめぐって不正なやりとりがあり、元幹部に現金を渡したことを大筋で認めているという。金銭の受け渡しを記載した資料も任意提出しているという。

道教委側は「事情がわからずコメントできない」としている。

全てのシステムを性悪説を元に構築しなおすべき?
最近、この手の不祥事が相変わらず多いです。滝川市の、介護タクシーによる2億円にものぼる詐欺事件、大分県の教育委員会の教員採用試験における口利き、徳島県阿南市の阿南東部土地改良区で、元嘱託職員の約6億円にものぼる着服。特に、最近は地方自治体の不祥事が目立ちます。

このようなニュースを聞くと、人間性悪説をもとに、すべてのシステムを変更し、不祥事が2度と生じないようにすべきだなどと思ってしまいます。私も、これに近い考えを持っています。ただし、近いのであって、全くこれに賛同するわけではありません。

経営学の中にも、マクレがーという人が開発したX理論とY理論という考え方があります。この理論の定義を掲載します。

『X理論Y理論とは、1950年代後半にアメリカの心理・経営学者ダグラス・マクレガーによって提唱された人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論のこと。マズローの欲求段階説をもとにしながら、「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論とがあるとその理論を構築している。

X理論においては、マズローの欲求段階説における低次欲求(生理的欲求や安全の欲求)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、命令や強制で管理し、目標が達成出来なければ処罰といった「アメとムチ」によるマネジメント手法となる。

Y理論においては、マズローの欲求段階説における高次欲求(社会的欲求や自我・自己実現欲求)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、魅力ある目標と責任を与え続けることによって、従業員を動かしていく、「機会を与える」マネジメント手法となる。

Y理論では、企業目標と従業員個々人の欲求や目標とがはっきりとした方法で調整出来れば、企業はもっと能率的に目標を達成することが出来ると示している。つまり、企業目標と個人の欲求が統合されている場合、従業員は絶えず自発的に自分の能力・知識・技術・手段を高め、かつ実地に活かして企業の繁栄に尽くそうとするようになると、マクレガーは指摘している』。

このX理論に従って、性悪説にのっとり、システムを再構築してしまうというのが先ほどの考え方です。

しかし、この考え方に経営学の大家ドラッカー氏は反対しています。氏によれば、そもそも、マクレガーの理論は、精神分析などを企業経営に転用したものであり、精神分析とは精神に異常をきたした人や弱い人間を対象とするもので、もともと企業活動におけるマネジメントなどを想定したものではないというのです。

最初から異常をきたしているか、弱い人を相手にする心理カウンセリングの方法を企業経営における、従業員と、その上司にあたる人間との関係に適用することは、間違いであるばかりでなく、傲慢ですらあるとしています。なぜなら、この方式では、職位が下のものは最初から弱いか、異常であるということを前提にしているからです。そうして、X理論、Y理論などは全く意味がないということも述べていました。

この内容を初めて読んだのは今から20年前ほどでした。そのときは正直言ってよく意味が判りませんでした。

ところが、最近の会社、特に上場企業の組織などを良く見ていると、なんとなくわかるようになってきしまた。皆さんは、最近の大企業の組織図を見ていて気づくことはありませんか?一昔前なら、なかったのに今は必ずある組織があります。それは「内部監査室」です。10年くらい前には、このような組織どこの組織図を見ていてもありませんでした。でも、今だと必ずあります。多少名称が違うこともありますが、「内部監査室」に相当する組織が必ず、どこの企業にもあります。そうして、全部が社長直轄となっています。

あまり、組織図を見慣れない人には、そのほかにも監査役会などがあったりして、何でこのような組織が必要なのか、ピンとこない人もいるかもしれません。

しかし、現在では、上場企業の場合「内部監査室」は必須といってもいいくらいの組織になっています。この組織、最初は金融機関からつくられました。その後に大企業に広がっていき、今では大部分の上場企業に存在します。

ご存知のように、金融機関では、少し前に「不良債権問題」があり、多くの銀行で、頭取があずかりしらない「不良債権」が山のようにあり、それを処理するのに大変な労力と資金が必要でした。そうして、このようなことが起こらないように、「内部監査室」をもうけるようにしたのです。

この内部監査室、内部統制を行う組織です。内部統制(ないぶとうせい、英:internal control)の定義をあげておきます『会社自らが業務の適正を確保するための体制を 構築していくシステムを指す。広義には、会社の存在の目的を果たすために経営者が整備するものである。また狭義には法律行為や財務報告における不正や誤り を防止するために経営者が主体となって整備するものである。具体的には、組織形態や社内規定の整備、業務のマニュアル化や社員教育システムの運用、また規 律を守りつつ目標を達成させるための環境整備、そして財務報告や経理の不正防止策があげられる。
コーポレートガバナンスは株主と経営者との間における仕組みだが、内部統制は経営者労働者との間における仕組みであり、業態や時代の変化とともに適確に変化させていく必要がある』。
なかなか、難しい定義です。もし詳しく知りたい方は他の参考書などで、調べてください。ここでは、話を先に進めます。さて、この「内部監査室」は、社長直結だというお話をしました。ここで、私ははたと先のドラッカーの話の合点がいきました。
内部統制とは、その性質上どうしても上で述べた「X理論」あるいは性悪説にもとづいた、ものになりがちです。これが、社長直結でなく、各部署などに織り込ませていたとしたらどうなるでしょうか?無論、監査部署の上に各部署の長がいるなどの監査上の不都合もあります。しかし、こうなると、通常のマネジメントの中にX理論あるい性悪説を持ち込まなければ成りません。だからこそ、社長直結の組織としたのだと思います。まさに、ドラッカーの考え方が息づいていると思います。
Ⅹ理論、性悪説など、通常の組織の中に埋め込んでしまえば、非常に従業員にとって、最初から自分たちは弱いもの、異常なものと定義されてしまうことになります。そうなると、従業員にとって傲慢な組織になってしまいます。
しかし、社長直轄であり、他の組織から独立していれば、そのようなことはないでしょう。内部監査室の人は、性悪説やX理論に基づいて、内部監査をしても、それは仕事として実施するであることと、他の組織は直接の指揮命令系統ではないので、悪影響もないし、公正性も保たれます。要するに、会社の内部の人達にわざわざ、監査の方法など話す必要もないわけです。他部署の人達は、それとは関わり無く、日々の業務を実行していればよいわけです。でも、必要があれば、監査室の監査勧告を受け入れて、業務の仕方を改めることはありますが、その指示は内部監査室から発せられるのではなく、あくまで上司からということになります。
さらに、社長自身も自ら動くことはなく、何か考えがあれば内部監査室に指示をすればよいので、直接行動したり、会社各組織の長に指示などする必要はなく、従業員からみて傲慢な社長にならなくて済むわけです。内部監査室を除く社長を頂点とする会社組織は、従業員を弱いもの、異常なものという前提に立たなくとも、日々の業務を実施することができるわけです。それと、内部監査の場合形式的には、他の組織とは独立していますが、やはり内部の組織であることには変わらず、監査役などとは違い、普段から組織を把握し、迅速で柔軟な監査ができます。
すべての組織に内部監査室の機能を盛り込むべきか?
さて、上記の内容いささか抽象的すぎました。もっと現場に即したことに置き換えてみます。子供が通うある学校を想定してみましよう。クラスの先生や、校長先生が最初から子供達や教職員を「弱いもの、異常なもの」と想定して教育をしたり、運営していたらどういうことになるでしょうか?そこまでいかなくても、最初にお話した「人間性悪説やX理論」に基づいたシステムなどを用いていたらどのようなことになるでしょうか?不祥事は起こらないですが、本来の教育目的からそれてしまい、その悪影響は計り知れないと思います。まさに、本末転倒です。でも、残念ながら学校には生徒による「いじめ」とか、嫌ことですが教職員や児童による「窃盗」などの問題もでてくることもあります。これを放置しておくことは、さらによくないことで、これらが最初から起こらないようにすることは、教育的見地からみても、有益なことだと思います。
こうしたことを予防するためには、内部統制の仕組みをつくっておく必要があります。これに関して、校長先生等がチェックするのはいいですが、その仕組みが本当に内部牽制になっているかどうかなどの調査をするのはなかなか困難なことだと思います。そうしたときに、第三者がいれば、やりやすいと思います。その第三者が、全く外部の人であれば、一見中立で良いようにはみえますが、外部の組織の人間であり、そのときたまたまその学校に来て話をするくらいではなかなか本質は掴みにくいと思います。さらには、不祥事が起こらないようにとむやみに実施困難なことや、無駄や経費が大幅にかかる方法などを提案するかもしれません。
ところが、あくまで、学校あるいは地方の教育組織に属している人で、直接子供達や先生、父兄などと直接の利害関係のない人が学校のことも熟知していて、その上で監査にあたったるため効率の良いチェック体制など構築しやすいと思います。しかも、校長先生や、その他先生、父兄、子供達の意見の聴取などもしやすいです。内部統制のシステムや、内部監査室の意味することは煎じ詰めれば上のようなことです。
さて、こんなことをつらつら考えていて、最近の不祥事をみていると、やはり、監査など的確に行われていないことが明らかなようです。だからこそ、口利き、着服、などの問題が次々と起こるのだと思います。日本においては、内部監査の歴史は短いですが、どの組織でもこうしたことを未然防ぐために、必ず内部監査、内部統制の仕組みを盛り込むべきだと思います。民間企業でもこのような仕組みを構築していても、不祥事は起こっています。しかし、民間企業が不祥事をおこすときは経営陣も絡んでいる場合がほとんどです。これは、本来のこのシステムが有効にする、前提条件が崩れてしまっているので、例外とすべきです。このような、ことに関する監査はやはり民間企業においては監査役会などが実施すべきものです。
これは、何も特殊なことではなく、仕事や業務の一環として、どの組織にも採用されてしかるべきだと思います。名前ややり方は、それぞれ違ってもかまいませんが、やはり民間企業における内部統制の仕組みや、内部監査室の設置など検討して、早急に設置すべきだと思います。そうでないと、このような事柄が発覚した直後には多くの似たような組織で再検討されるかもしれませんが、また忘れたころに似たようなことが起こるという「のどもと過ぎれば熱さを忘れ」という現象がおこり続けることでしょう。早急に対応していただきたいです。

以下に関連記事を掲載します。反転文字列をクリックすると当該記事に飛ぶことができます。

■北海道滝川市「介護タクシー」による詐欺事件-誰に責任があるのか?
この記事の中にドラッカーを掲載しましたので、他の記事で一言でも「ドラッカー」という言葉がでてきたものを検索してみました。以下の反転文字をクリック していただくと、その内容に飛ぶことができます。意外なものもたくさんありました。まだ、読んだことのない方は、是非ご覧になってください。
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2008年7月27日日曜日

知事VS芸術系大学生 文化行政巡って激論-芸術の振興こそNPOの重要な役割?!

知事VS芸術系大学生 文化行政巡って激論大阪府在住の20人と(もうすでに内容を知っている方は読み飛ばしてください)
学生たちと意見を交わす橋下知事

橋下徹知事の文化施策について芸術を学ぶ大学生に意見を述べてもらう「橋下文化行政に物申す!」が26日、府公館(大阪市中央区)で開かれた。大阪センチュリー交響楽団への補助金削減方針などをめぐり、橋下知事と学生が意見を交換した。

橋下知事が学生の声を聞きたいと企画。42人の応募者の中から、府在住の大学生20人(18歳~32歳)が参加した。

橋下知事が「需要が少ない文化でもお金(税金)をぶちこんで守らないといけないか」と問題提起。これに対し、女子学生が「自殺者が多く、芸術が必要な世の中。行政がちゃんと文化を育てていくべきだ」と主張し、男子学生は「需要がない文化は消えて当然、弱肉強食だ」とした。最後に、橋下知事が「残る、残らないの違いは表現者の必死さ」「文楽は現代に合わせたやり方をやっていない」など独特の持論を展開した。

終了後、橋下知事は報道陣に「若い学生の声が聞けてよかった。文化でも需要と供給の原理があり、何でもかんでも金をつぎ込むのは違う」と語った。

参加した大阪音楽大4年の南田明美さん(23)は「知事が平等に税金を使おうとする姿勢には共感できたが、交響楽団の楽団員がどれほど子供たちのためにがんばっているかといった現場の話は知らないと思った」と話していた。
(2008年07月27日 読売新聞)

芸術の振興こそNPO?
先日、ある大阪の人のブログをみていると、「橋下改革には反対だ。なぜなら、自分の和太鼓のグループのプログラムへの補助が廃止になっから」と書いていました。

私は、このコメントに非常に憤りを感じたので、次のようなコメントをそのブログに書き込みました。
「自分の和太鼓のグループへの補助金が廃止になったからといって、それで橋下改革を反対していいのですか?夕張の実情を知っていますか?和太鼓どころではないです。和太鼓など、別に補助金がでなくても、自宅やどこかでやれば、練習などできるではありませんか。それにもし、和太鼓を買うのにお金がかかるというなら、自分達で出したり、他の人から寄付金を募って何とかするという方法もあるのではないですか?今は大阪府は、臨戦状態にあるようなものです。和太鼓は危機が通り過ぎて、十分余裕ができたときに、また補助金を再開してもらえればよいではないですか。そんなのんきなこと言っていていいんですか?もし、本当に夕張のようになってしまったら和太鼓どころではなくなります」。というような、趣旨で書き込みました。本当にそう思います。

大阪センチュリー交響楽団への補助金、カットではなくて削減ではありませんか。もし、大阪センチュリー交響楽団が府民のニーズを満たしているなら、削減されたとしても、やり方はいくらでもあると思います。こちはら、北海道ですが、札幌交響楽団は、もう随分前から札幌市からの補助金が削減されています。それでも、皆で頑張って存続しています。皆さんが、個人レッスンなどのアルバイトもしながら、何とかしています。それに、札幌交響楽団などでは、北海道新聞からの補助金を受けています。

ちなみに
★楽員の平均年収(2007年度)
札幌交響楽団・575万、仙台フィルハーモニー・559万、NHK交響楽団・945万
東京交響楽団・684万、日本フィルハーモニー交響楽団・405万、
名古屋フィルハーモニー交響楽団・633万、京都市交響楽団・540万、
大阪フィルハーモニー交響楽団・578万、
広島交響楽団・485万、九州交響楽団・522万

ということです。アルバイトをしなくても、何とかなるというのはNHK交響楽団員くらいのものらしいです。こうして、みると決して高いとはいえませんが、思ったよりは多く貰ってはいるような気もします。ここではっきり書いておきますが、現夕張市長の月給は27万円です。中堅職員の月給は16万円です。特に中堅職員の給料年間で200万いくかどうかの水準です。こういう厳しい現実があることを忘れるべきではありません。夕張市長などは、出張の経費は全部自腹だそうです。夕張のようになってしまったら、楽団への寄付金などカットされてしまうことでしょう。というより、やりたくてもできないようになってしまいます。

この大改革の最中にあっては、楽団員も我慢するという精神が必要だと思います。それから、今朝、野球の楽天イーグルスの社長がテレビに出ていましたが、「球場を持ち、球状での営業権をいろいろ提供すること、さらにはお客様のために何でも迅速に変えること」などで野球チームの運営は難しいといわれる中、初年度より黒字であったことを語っていました。北海道の旭川市の旭山動物園は、閉鎖寸前だったのですが、従業員の工夫によって業績が回復するどころか、好調で、全国からお客を呼ぶ動物園に生まれ変わりました。だから、楽団員自身も、サポーターたちもただただ、補助金というだけでなく、何らかの自助努力を真剣にすべきだと思います。

それに、そんなに補助金がカットされることが問題というなら、それこそ「大阪センチュリー交響楽団を存続させる会」などというNPOでもつくって、せっせと補助金を集めるとか、府民にニーズにあったイベントを催して楽団存続の資金を集めるべきでしょう。

今、大阪府は戦時下にあるようなものです、何とか改革を推進しなければ、夕張の二の舞になります。芸術だからといって甘えていられません。自助努力など真剣にすることにより、旭川の旭山動物園のようにまた新たな方向性がみえてくるかもしれません。今は、大阪府民一人一人の創意工夫が必要だと思います。それは、大阪府のように極端な無駄遣いをしなっただけで、あまり目立つことのないですが、同じように財政難の状況にある北海道も同じことだと思います。

以下に関連記事を掲載します。反転文字列をクリックすると当該記事に飛ぶことができます。

橋下知事、労組と徹夜バトル 人件費削減を巡り-公務員だけは例外ということでは済まされない!

橋下知事の自衛隊研修に関して考えた大阪府改革

■秋葉原通り魔事件があばくお役所仕事の実体とは?-やはりNPOに任せるべきか?

橋下知事を糾弾した女性は、中核派?-日本のマスコミとコメンテーターの多くはKYか?

■年金問題福田総理大臣があやまり、マスコミが突付くと役人がぬか喜びする!!-政治家に対するヒント「歴史に学んで役人退治を!!」

■北海道滝川市「介護タクシー」による詐欺事件-誰に責任があるのか?

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2008年7月26日土曜日

【主張】ライブドア判決の意味するもの・・堀江は楠正成か?-時代の転換はもう始まっている?

堀江貴文

堀江貴文被告がマスコミの表舞台から姿を消して久しい。久しぶりにみてみると、何か哀れな感じがする。彼には、人生の目標とか、目的は無かったのかと思う。何のために、Livedoorを運営していたのか、将来どうしたかったのかが、見えてこない。結局ただただ、お金を儲けたかっただけなのか・・・・・・。

【主張】ライブドア判決 規範の重み再確認したい
(すでに内容をご存知の方は読み飛ばしてください)
(産経ニュース)2008.7.26 03:04
このニュースのトピックス:主張

粉飾決算など証券取引法違反の罪に問われたライブドアの元社長、堀江貴文被告に対する控訴審判決で、東京高裁は被告側の控訴を棄却、1審の懲役2年6月の実刑判決を支持した。

無罪を主張し、執行猶予のつかない実刑判決を不当などとした被告側の訴えは退けられたのである。堀江被告が提出した「株式市場に対する不信を招き、悔やんでも悔やみきれない」などとする上申書も「犯行についての反省の情はうかがわれない」と一蹴(いっしゅう)された。

高裁の判断は妥当であり、この事件が市場に与えた影響の深刻さを物語っているといえる。

ライブドアの旧経営陣は「友達感覚」で会社を経営し、株価をつり上げるため、まるでコンピューターゲームをしているかのように、法やルールの不備をみつけ、そこにつけ込むことに躍起になっていた。

そこには、上場企業の経営者としての株主に対する責任感はまったく見えない。

こうした行動は、一般の個人投資家を投機に走らせ、市場をゆがめた。ITベンチャー企業の旗手と持ち上げられた反動もあって、その転落は新興企業全体の信用を傷つけた。

規制緩和・廃止という流れの中で企業経営の自由度が広がれば、より厳しい自己規律がトップに要求されるのはいうまでもない。

しかし、「法に触れなければ何をしてもかまわない」という発言に象徴される通り、堀江被告にはこの重要な部分が欠けていた。高裁判決が「被告人の規範意識は薄弱」と断じた通りである。こうした企業経営が横行すれば、再び規制強化論が勢いを増しかねないだけに、これは重要な指摘だ。

量刑も、「成長を仮装した粉飾」は損失隠し目的よりも結果は大きいとし、弁護側の不当に重いという意見を退けたのも、粉飾発覚時の投資家の損失の大きさを考慮すれば、妥当であろう。

それにしても、不正会計、食品の産地偽装、高級料亭の食べ残し・使い回しなど企業不祥事が後を絶たない。そこにライブドア旧経営陣に通じる法令順守精神の欠落、規範意識の低さが見えるのはどうしたことか。

控訴審判決が投げかけた深刻な論点は、堀江被告だけでなく、すべての企業経営者が真剣に受け止めなければならない。

会社にも身の丈が?
最近、通り魔事件の犯人や、ストーカー判事などに関して「身の丈」を知るべきだなどと、説教がましいコメントなどを書いています。この「身の丈を知ること」、会社にとっても重要なのではないかと思います。

「人の身の丈」については、今までのブログに十分欠いてきたと思いますので、ここでは「会社の身の丈」を定義してみます。

「会社の身の丈は、その時々できちんと把握しておく必要があると思います。勿論、一度決めた身の丈がそのままというわけではありません。会社が努力すれば、伸びることも あります。人間の身長と違って、ここでいうところの「会社の身の丈」は、設立から年月がたつたたないに関わらず、会社の人間の努力によりかなり伸びる余地があります。特に得意分野に関し てはそうだと思います。しかし、会社の得意な分野であろうとなんであろうと、その時々で会社の身の丈を把握しておくことは重要なことだと思います。これ は、簡単なようでいて難しいことです。不当に高く評価してもいけませんし、不当に低く評価してもいけません。それに、身の丈を図る評価軸はなるべくたくさ ん持っておいたほうが良いと思います。いくつたくさんある評価軸で評価した、多くのものを総合したものが「会社身の丈」というものだと思います」。

さて、堀江貴文被告は、ライブ・ドアの身の丈をきちんと把握していたのでしょうか?私には、そうは思えませんフジサンケイグループのとの件はさておき、別会社のファンドで儲けたお金を本社の売上に計上した件に関しては、素人丸出しの不手際です。それに、ライブ・ドア・グループの評価にあたり、株主総会などでも、資産価値総額のみを前面に打ち出したことも素人丸出しとしかいいようがありません。

会社の経営者というよりは、月並みなファンドマネジャーあたりの認識とあまり変わらなかったと思います。このような素人丸出しは、もし旧ライブドア経営陣の中に一人でも年長者でまともな考えをもった人がいれば、十分防げたものと思います。まるで、大学のコンパかなにかの乗りで経営していたとしか思えません。

経営者として十分な見識もなかったといわれても言い訳できないと思います。ライブドアに関しては、経営者が自身の「身の丈」を理解していなかったのと同時に当時の会社の「身の丈」も理解していなかっと思います。健全な経営さえしていれば、本人も未だ社長の地位にあったでしょう。情けないことです。

多くの人々が、堀江貴文被告に対して従来は時代の寵児としてもてはやし、罪に問われると掌をかえすように離反しました。しかし、この見方は非常に問題だと思います。人間のある一面や、事態の大部分を見過ごしていると思います。それは、時代の変化であり転換です。

拝金思想は時代遅れ?
先日「カンブリア宮殿」というテレビ番組で学生時代にIT企業を運営していて、それなりに成功していた東大出の若者が、いまではNOPの主催者となっていて、番組のディレクターから「堀江さんのことはどう思いますか?」と問われて「なんとも思いません。彼の生き方に共感はできません」ときっぱりとこたえていました。

私自身は、堀江被告をはじめとする、いわゆる形や、姿はどうであれ、いわゆる自由主義経済などといっていますが、結局「拝金思想」といわれる思想を持つ人々は最早時代遅れの人々なのではないかと思います。

なぜなら、現代は急速に変わりつつあり、21世紀に求められるのは、都市化したジャングルを文明化することであり、都市が抱える数多くの社会問題を解決するために非営利団体(NPO)の急速な興隆が求められているからです。現代の都市は様々な政府、民間、非営利組織が様々の目的を持ち、それぞれバラバラな価値観、行動規範を持って活動しています。都市全体を束ねる価値観、行動規範など希薄になりがちです。そうして、様々な社会問題が発生しています。これらを解決し、都市全体を束ねる価値観、行動規範をつくるためにもNPOの興隆、それも有力なNPOの興隆は不可欠です。

このことに、先進国の中で日本だけが未だ気づいていないようです。アメリカやヨーロッパなど比較的昔から時間をかけて金持ち国になった国々においては、うまくいっているかどうかは別にして、大方の人がが気づいているようです。これらの国々では、ビクトリア時代からNPO活動が盛んで、特にソビエト連邦が興隆して、大きな政府で国が社会福祉を全部引き受けると宣言する前までは、ほとんどの国は社会福祉や、社会問題のほとんどを国ではなくNPOが実施していました。

日本ではそのような経験がないため、NPOなどというと弱小で、善意あふれる人達が手弁当で実施する理想のお仕事で善意あふれる人々の道楽くらいにしか捕らえていないようです。あるいは、趣味の世界の延長のように思っているようです。

そんなことは、ありません。アメリカの多くの都市で、NPOが実質上の都市計画を実施しています。そうして、サブプライムローンのような馬鹿な真似をせずに、低所得者向けの住宅を大量につくったりして大成功を収めたりしています。職業訓練に成功した大きなNPOが職業訓練の場から、従業員の住宅、工場群、できた製品を売ったり、運んだりするためのシステムを構築し、一つの大都市を作り上げた例もあります。日本人には考えもつかないかもしれません。これらの、NPOの資金は、無論政府の補助もありますが、大部分が企業や個人の献金によるものです。さらに、自らも利益をあげています。日本だと考えられないような、多数の正規職員が有給で、無給のボランティアをマネジメントしています。

日本人の多くは、政府の人間が、役人、政治家ともに「大天使」になれば、すべての問題、特に社会問題など解消されて住み良い時代になると考えており、住み良くならないのは為政者の責任だと思ってるようです。しかし、こうした政治に対する幼児性を持つ国民は先進国では日本だけです。たとえ、政治家や役人が善意あふれる人だけで構成されるようにしても、政府が実施する非能率・非効率は是正されません。無論基盤の整備に狂いが生じた場合は、それこそ、政治の責任であり、政治家、役人は取り替えれば良くなります。でも、それだけではすまないということです。

他の先進国では、とうの昔に「国による社会的救済」など信じていません。政治にはもともとそのような能力はないのです。政治はいわゆる基盤(インフラ)の整備はできますが、その上での活動はもともと不得手どころか、手を出すとほとんど大失敗しているのは皆さんご存知でしょう。

基盤の上で活動するのは、民間企業であり、非営利団体(NPO)です。しかし、日本ではあまりにNPOの力が弱すぎます。これを強化していく必要があります。このまま、有力NOPが輩出しない、にほんであれば、様々な社会問題は解決されないまま放置されることになるでしょう。

若者の中でも先の「カンブリア宮殿」に出てきたような、NPOを主催する人もでてきています。民間企業でも、いわゆる金を儲けるだけの企業は、だんだん人気が衰えているようです。民間企業でも、社会的使命を明確にして、それにとりくんでいるような企業に関しては人気があるようです。

大きなNPOが大規模に社会事業に取り組むようなことは、中国のように経済が脆弱な国では実現できないことです。中国などでは、お金持ちがいる一方大多数の国民が食うや食わずの生活をしています。このようなところで、NPOと叫んでも誰にも理解されないことでしょう。

しかし、日本はもう違います。誰にも利用されないお金がぎっしりと日本国中に蓄えられています。極端なことを言うと、10人の村(話を簡単にするため全員大人とします)で、4人くらいの人が働けば、10人全体の生活を維持できるくらいにまでなっています。働いていない6人のうち、3人は高齢や障害でなかなか働けない人です。残りの3人はどうするのでしょぅか?昔なら困ったことでしょう。しかしいまや答えは簡単なことです。残りの3人がすべきは、それこそNPOです。高齢や障害でなかなか働けない人の面倒を見たり、働いている人がなかなかできない社会問題の解消や、生涯学習のお手伝いなどです。

個人あたりのGDPなどはアメリカも日本もかなり落ちています。しかし、これは富を蓄えた国に特徴的なことであって、未だに国民一人あたりの資産が1,000万円を超えているのは、アメリカと日本だけです。イギリスなどは未だ500万円台にすぎません。中国などはそのような統計を出しても意味がないので出していないのかもしれませんが、個人あたりの資産など日本や、アメリカと比較すれば、ほぼゼロといっても良いくらいの状態だと思います。

このような国に有力なNPOがないということ自体が信じられないことです。もうそろそろ、国もNPOを認識して、自らわけのわからない外郭団体などつくって、途方も無い無駄遣いをするより、能力があるNPOに対しては、大きな仕事を受注できる体制を整えるべきです。

未来への挑戦
日本でこれから伸びる、あるいは、伸びなければならないのはまさに非営利団体です。おそらく、今後最も伸びる分野であると考えます。20世紀が営利組織の時代であったように、21世紀の主役は非営利組織になり、大きな社会問題をどんどん解消していくべきです。そうして、グリンピースのような組織を維持するための組織にはならずに、常に変革をとげて、時代の要請に応える組織を目指すべきです。
楠正成

こうした、さなかにあって、拝金主義の堀江被告は、古い時代のモニュメント的な存在になるかもしれません。まるで、富の源泉が武力であった人達を今日の我々が見るのと同様に、たとえば楠正成などをみるように過去のモニュメントとしての堀江を見るようになることでしょう(ちょっと良く表現しすぎですが、なかなか歴史上の人物が思いつかなかったので、当時は朝敵とされた楠正成としてみました(笑))。おそらく、時代は変わって、時代にはあわないものの、過去の歴史の一こまとしてみるようになるでしょう。そうして、歴史研究者の格好の研究材料となるかもしれません。

営利企業ですら、NPO的になることが求められるでしょう。企業の社会的使命を明らかにして、その使命を遂行するために存続することを宣言し、存続のために利益が必要であり、利益というものは、観念上の産物にすぎず、組織の存続のために必要な未来の経費であることを消費者に納得してもらって初めて存立できる存在に変貌を遂げていくことと思います。

非営利団体と営利企業の間の区別が不明瞭になっていくことでしょう。NPOは、厳しくマネジメントをしたり、自らも利益をあげることにより、営利企業に近づき、営利企業は、社会的使命をはっきりさせ、それを実行するという意味でNPO的になっていくことでしょう。

一昔前なら考えられないことだと思います。大きな社会事業など理想主義者のたわごとであり、そんなことより、今日明日の稼ぎが大切だと考えられていた時代には、このような考えは「幼稚」「理想主義、観念主義」などといわれて省みられなかったでしょう。

しかし、それは違います。上記のような考え持つ人には、信じられないことかもしれませんが、これらの団体では、いつも自らの存在価値を生活者に示し続けるために自己変革を継続しなければならず、今より熾烈で、激しい競争と厳格で厳しいマネジメントが適用されるようになると思います。不正会計、食品の産地偽装、高級料亭の食べ残し・使い回しなど企業不祥事などをしているような事業は生き残れません。事実アメリカの有力NPOでは、日本の営利企業よりも厳しいマネジメントを実施しています。有給のマネジャーが無給のボランティアを四半期ごとに厳しく評価し具体的な評価をしながら、「この調子でやてください」「この調子だと、仕事を任せられない」などと評価を下し実施します。

いま、我々は時代の転換点にあるのだと思います。堀江や、先のブログにも述べた、「身の丈」を測れない、ストーカー判事や通り魔犯などは、転換期を乗り切れなかった時代の「徒花(あだばな)」として未来の人から認識されるようになると思います。

20世紀の価値観は自由主義経済に代表されるようなものであり、それ自体にもその時代の中で価値はあったと思います。人間はまずは経済的に自立しなければ、幸せにはなりえません。だからこそ、多くの人を経済的に自立させという意味合いではその意義はあったと思います。

しかし、21世紀は、我々の先達が行って大成功した明治維新ように、経済ではなく社会を見つめる時代だと思います。そうして、20世紀に営利企業が注目されたように21世紀には社会事業が社会起業家が着目される時代となるでしょう。先ほどのカンブリア宮殿にでてきた若者など、20年後には、「大社会事業を実施する大きなNPO」の主催者になっているかもしれません。そうして、いわゆる「社会規範」や、組織で序列、個々人の「身の丈」の測りかたも変わってくるかもしれません。健全な経済は、健全な社会に宿ると思います。健全な社会ができなければ、経済も停滞することになるでしょう。

時代は変わりつつあります。こうした時代の転換期にあたって、自分を見失わないように、古い考えや認識のうち良いものは維持し、悪いもの、時代遅れのものは捨て去り、新たな考えや、認識を身につけ、果敢に将来に向かって挑戦していきたいものです。

もっと小さな話でまとめようと思っていましたが、大きな話になってしまいました。いつも頭の中にあって、いつか書こうと思っていた事柄が、噴出してしまったという形になりました。まとめ方も悪かったと思います。疑問や判らないことがありましたら、どんどんコメント願います。よしろくお願いします。

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2008年7月25日金曜日

【ストーカー判事初公判(10)完】メールやめるタイミング逸し、焦った-「身の丈」を知り自らの「序列」の位置づけを知らない人が増えてきた?

【ストーカー判事初公判(10)完】メールやめるタイミング逸し、焦った(12:05~12:20)(産経ニュース)(内容をご存知の方は読み飛ばしてください)
2008.7.25 14:43
左は、下山芳晴被告の写真。

《現職の裁判官がなぜストーカーという犯罪を犯したのか。最終弁論で弁護人は、罪になるとわかっていながら身動きが取れなくなっていった下山被告の様子を明らかにしていく》

「被害者がストーカーメールを相談してきたことは、下山被告にとってプライドをくすぐるもので、メールをやめることができなくなった。それが犯罪に該当することがわかっていて、いつやめるか悩んでいた。被害者はストーカーメールを相談しつつも発信者ではないかと疑い、直接、下山被告に尋ねた。下山被告は今やめれば自分だとわかってしまうとやめるタイミングを失い、焦りの中で身動きが取れなくなった」

「頼れる支部長でありたいとの思いから、警告メールを送り、無言電話を警察に相談するよう言うなど、『(犯人は)怖じ気づいてやめた』と言えるようにした。そして、終わらせる宣言とも取れる最後のメールを送った。この時点でメールを送り続けるつもりはなかった」

「下山被告がストーカー規制法に基づく警告を受けなかったのは、今後、ストーカーメールを送る危険がないと思われたから。自らの意志でストーカーメールをやめたのも事実だ。相談に乗って味方を装ったことで、被害者が味わった人間不信の思いは察するに余りあるが、自らメールを終息させ、無言電話は関知していない」

《弁護人はさらに、被害者が県警に告訴する前に、下山被告が自分の犯行であると打ち明けた行為が自首に当たると主張した》

「告訴前の4月8日には被害者に犯行を告白し、謝罪した。同日、県警本部の担当にも打ち明けようと電話をしたが、不在。翌日、『週末に時間を取ってくれないか』と言ったが連絡が来ず、翌々日に再度電話したが事情聴取の申し出は断られた。被告は当初よりメールを発信した事実を認めていて、これは自首に当たる。被害者に『つかまりますよ?』と言われたときも、『覚悟している』と答えている」

《逮捕されてから、「恋愛感情ではなかった」と否認していたと伝えられた下山被告だが、弁護人は取り調べの中で、徐々に下山被告が自分の気持ちに向き合うようになったと主張した》

「恋愛感情についても、当初は否定していたが、拘束中に弁護人との面会を重ね、自分の生きざまが問われていると言われ、被害者への恋愛感情を認め、率直に反省している。また、メールの送信場所なども、自発的に申告している」

《弁護人は最後に、下山被告が裁判官を辞める意向でいることを明らかにし、反省の態度を前面に出した》

「裁判官の職についても、4月10日に宇都宮地裁所長に、5月に東京高裁事務局長に口頭で辞職の意を伝えている。被害者にも、告訴前に自らのストーカー行 為を伝え謝罪しているほか、告訴後は弁護人を介し謝罪文を渡し、再三示談の申し入れをしている。実弟や妻も謝罪の手紙を出しており、示談の準備を整えてい る。かつての勤務地、都留支部にも被害者を気づかってほしいと手紙を送っている。約2カ月、身柄拘束され、刑罰を事実上受けている」

「下 山被告は努力家で、困っている人を助けたいと裁判官になった。裁判中の居眠りも、睡眠障害という病気が原因だ。以上のように、下山被告は約2カ月の身柄拘 束で、形だけのプライドを捨て、反省を深めた。示談は成立していないとはいえ、慰謝に応じる姿勢はあり、厳しい社会的制裁を受けており、弾劾裁判も控えて いる。執行猶予付き判決が相当と考える」

《弁護人が読み上げを終えると、渡辺康裁判長が下山被告に「最後に何か言いたいことはないですか」と声を掛けた。下山被告は立ち上がり、証言台でかつて自分が座っていた席をまっすぐ見つめ、反省の気持ちを口にした》

「被害者に申し訳ないことをしました。また司法に対する国民の信頼を損ね、私を育ててくれた裁判所を裏切り、申し訳ありませんでした。以上です」

《抑揚のない小さな声。法の番人は、自ら犯した罪を認め、謝罪した。審理は初公判のこの日結審した。判決公判は8月8日午前10時に開廷する》

《初公判を終えた下山被告は、午後1時前に甲府地裁から出ると、報道陣に囲まれ、もみくちゃにされた。うつむき加減で口を固く閉ざし、「自分が裁かれる立 場になったことをどう思うか」などの報道陣の問いかけには一切答えず、弁護人が用意した車の後部座席に乗り込むと、乱暴にドアを閉めた》

        (完)

自分の身の丈を知らない人間が多くなってきた?!
さて、この裁判官どうなっているのでしょうか?このようなことは、あまりにつまらないことなので書きたくありませんが、最近あまりにも自分の「身の丈」を知らない人間が多くなってきたので書いて見たいと思います。

さて、「身の丈」に関しては、私は以前にこのブログにも書きました。そのときに、私は次のように身の丈を定義しています。

「人間の身の丈は、その時々できちんと把握しておく必要があると思います。勿論、身の丈が一生そのままというわけではありません。努力すれば、伸びることも あります。人間の身長と違って、ここでいうところの「人の身の丈」は年をとってからでも本人の努力によりかなり伸びる余地があります。特に得意分野に関し てはそうだと思います。しかし、自分の得意な分野であろうとなんであろうと、その時々で自分の身の丈を把握しておくことは重要なことだと思います。これ は、簡単なようでいて難しいことです。不当に高く評価してもいけませんし、不当に低く評価してもいけません。それに、身の丈を図る評価軸はなるべくたくさ ん持っておいたほうが良いと思います。いくつたくさんある評価軸で評価した、多くのものを総合したものが「身の丈」というものだと思います」。

まさに、この通りです。これに関して私があるブログをみていたら、社会学者のある大学教授が私と似たような考え方で、ただし、「身の丈」ではなく「序列」という言い方をしていました。確かに序列も重要です。現在おおよそ生まれ出てきた人間は、すべて組織に属することになります。たとえ、組織から完全にドロップアップしたと思った人間でさえ、いわゆる仲間をつくれば、そこは社会であり、規範などゆるくても組織であることは変わりありません。

組織といったときに、どんな組織にもおのずから「序列」というものが生じます。よほど特殊な高い能力を身につけて、他人と全く関わらずに何十年でも生きていける人を除いてすべて組織や社会とは無縁で生きていくことはできません。序列に関して辞書で調べると『(1)あるきまりによって並べられたもの。順序。「年功―」「成績の―をつける」(2)順序に従って並ぶこと。また、並べること。「古の仁聖賢人をば―して/史記抄 10」』とあります。あるきまりというところが、判りにくいとは思いますが、結局組織の目標、目的に照らした決まりということができると思います。

社会の多くの人々は多くの組織に属し、個々の組織の中で序列を守り、複数の組織の序列と自分の能力や人柄から「身の丈」を測って、その範囲内で日々の生活を送っているというのが普通だと思います。特定の組織の序列を破る行為をすれば、組織からはじきだされるか、はじきだされるのが嫌であれば、組織の底辺にいることを余儀なくされます。これは、厳然たる事実です。これは、官僚組織だけの問題ではありません。どんな組織にでもあります。学校、企業、近所づきあい、仲間同士に必ず生じてくるものです。それが嫌で、共産党に入ったり、労働組合に入ったとしても、その中での「序列」があります。ヤクザの組織でも同じこと、いや、この世界の「序列」は一般社会よりもはるかに厳しいです。

この辺良く読んで吟味してみて、私は私の言う「身の丈」のほうが「序列」よりも範囲が広範囲だと思います。序列といった場合は、特定の組織にしか通じないからです。ある組織の序列が、他の組織序列ということはありえません。その意味では「身の丈」を知ることのほうが、序列を理解するよりももっと広範で、汎用性があると思います。

さて、定義などはそのままにして、そろそろ本題に入りましょう。

まずこの裁判官については、「自分の身の丈」を理解していなかったのだと思います。司法の番人である裁判官がやっていいことと、やって悪いことの判断もつかなかったということだと思います。自分がある高い身分を獲得したとか、法律で定められた権限もあるが、それなりの責任も持たなければならない地位についたとします。そうすると、「自分の身の丈」がそれに達していなければ、伸ばすしかないです。どうしても伸ばせないというのなら、そういう地位から退かなければなりません。

最近は、この裁判官のように必要な「身の丈」まで、自分自身を伸ばせない人が増えてきたように思います。たとえば、父兄の動向に左右されやすかったり、日の丸掲揚、国歌斉唱など徹底できない「校長」先生などもその例です。

さらに、最近の通り魔事件を起こす犯人なども、この「身の丈」を全く理解できないのだと思います。秋葉原の事件の犯人の場合は、中学までは「身の丈」を不当に高く評価し、社会人となってからは不当に低く評価しているようです。八王子の事件の犯人の場合は、秋葉原の犯人と同じような側面もあるとおもいますが、その他に30歳台という年齢から考えて何でも親や人のせいにするという幼児性が目立ち、どうやら年齢にふさわしい「身の丈」まで自分のことを伸ばせなかったようです。「身の丈」を測れない人間は、序列にもなじめません。個々の組織の序列を守ることができなければ、その組織には属することはできません。この犯人、結局はいろいろな組織からはじきだされ、孤独感・疎外にさいなまされていたのだと思います。その責任の大半は自分にあることが理解できていないようです。


離婚したサルコジ夫妻

さて、この「身の丈」を知らなかったり、「身の丈」による自らの組織における「序列」の位置づけを理解できないのは、この裁判官や、通り魔事件の犯人だけではないようです。一昔前の人間からすると、洋の東西、年齢、経歴、経験も問わず存在するようです。

たとえば、フランスの場合、フランスの人からも「馬鹿サルコジ」といわれているフランスの例があります。フランスなどは、非常に保守的な社会を構成していて、その中の「身の丈」や「序列」は、厳格なものでした。少し前までなら、たとえば、小泉元首相のように宰相の息子が芸能人などをやるとしたら、家から追い出されることは覚悟の上だし、親の方も勘当するのが普通でした。

でも、「馬鹿サルコジ」が出て、まともな夫人とは離婚して、モデル出身の女性と結婚しています。一昔前といっても10年前くらい前であれば、この段階で、サルコジの政治生命は絶たれたと思います。でも、そういう観念は、いわゆるフランスの上流階級にはまだ残っていますから、「フランス至上最低の大統領」とか「馬鹿サルコジ」と揶揄(やゆ:からかうという意味)されるのだと思います。一昔まえなら、それそうとうの地位の人が離婚すれば「まともな家庭も築けない馬鹿者」と認識されるため、「身の丈」が大幅に縮んだとみなされ、それ以降の交渉などうまくいかなくなったのです。そのため、是が非でも離婚しなかっのだと思います。フランスの社会、特に上流はかなり保守的ですから、このような馬鹿大統領はサルコジが最初で、最後かもしれません。

また、日本の政界など、先ほどは小泉元総理大臣の例も述べましたが、テレビなどを見ていると、まるで芸能人のような政治家や、芸能人が政治に口を出すなどのことは珍しくもありません。東国原知事のように芸人から「知事」に転進した人もいるくらいです。ただし、今でも、「身の丈」「序列」を意識している政治家など報道などは別にしていわゆるバラエティー番組のようなものには出ていません。当然といえば、当然だと思います。また、東国原知事も当然各々の組織の「序列」に従って生きています、役所には役所の序列があります。たけし軍団の中にも、それなりに厳しい「序列」が存在します。これを破れば、軍団からはつまはじきにあいます。

さて、フランスや日本の状況を述べてきましたが、確かに組織の規範や序列に関して「序列」や「身の丈」という考え方が緩んできている事実を掲載しました。しかし、忘れてはならないことがあります、昔と比較すると緩んできていたとしても、依然として各組織や社会には「序列」が存在しており、自分が「序列」のどのへんに属しているかは自らの「身の丈」がどの程度であるか測ることができなければ、組織からははじかれるか、組織の底辺にいることを余儀なくされるという事実が毅然として存在しているということです。

これを忘れる人は多いようです。組織に入って「序列」を認識できない人、その組織の中でうまくやっていけないでしょう。自分の「身の丈」を認識できない人はもっと苦労するでしょう。現在の自分の「身の丈」を測ることは誰にとっても難しいことです。しかし、当らずとも外さない程度に認識しておかないと、とんでもないことになります。ずっと認識しないでおいて、行き着く先の先はこの裁判官や、通り魔犯ということにもなりかねません。そこまではいかなくとも、周りの人々とうまくコミュニケーションが図れず、孤独感、疎外感にさいなまされることになるでしょう。

さて、皆さんの「身の丈」は、いかほどのものでしょうか、もし考えたことがない方は、早急に考える必要があります。まあ、60歳を過ぎたような人は、ほとんど変えようがないですから、それでいいと思います。仮に「身の丈」を測ることができなくても、なんとかそれで道を踏み外さず歩いてこれたのですから。それ以下の人は一度深く考えてみる必要があると思います。

あなたが、日々異常に疲れるとか、疎外感にさいなまされるとか、空気が読めないと人言われたとすれば、あなたの「身の丈」の計測がはなはだしくずれているか、「序列」無視の行動をしているのかもしれません。

「身の丈」は自分の目線で測ってはいけません、人の目線で行うべきです。そうして、これは、学校のお勉強や、業務上の技能の能力の向上よりはるかに重要なことだと思います。そうして、これができなければ、学校の勉強も、業務上の能力もいずれ築けなくなっていくと思います。

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2008年7月24日木曜日

北野組:破産 連鎖倒産を懸念 道北最大手、地元に影響大きく/北海道-本年は北海道経済の正念場か?

ほうしゅん Mo☆Vie モビー@モバイル写楽 「旧拓銀ビル改築工事 ドキュメントNo.1」2008年4月3日

北海道拓殖銀行の本店のあった場所に全く異なるビルがたつことになった。このようなことから、拓銀破綻の影響などもうすでに昔のことで、その影響などもう過去のことだなどと思っている人も多い。だが事実は違う北海道拓殖銀行破たんの本格的影響は今年からでてくるのだ。


北野組:破産 連鎖倒産を懸念 道北最大手、地元に影響大きく /北海道
(すでにこの内容をご存知の方は読み飛ばしてください)

7月23日14時1分配信 毎日新聞

 総合建設業道内大手の北野組(本社・旭川市、菅原久広社長)と関連会社2社が22日、旭川地裁で破産手続きの開始決定を受けた。公共事業や民間工事が激減する中、道北最大手の北野組までもが経営破綻(はたん)に追い込まれたことで、業界には大きな衝撃が広がっている。【横田信行、仲田力行】
 「関係者に多大な迷惑をかけ申し訳ない。社会に貢献するはずが、ざんきにたえない」
 22日午前、旭川市役所で会見した菅原社長は無念さをにじませた。主力行などとの融資要請協議が不調に終わり、ギリギリまでスポンサー探しに奔走したが徒労に終わった。
 申立代理人の橋本昭夫弁護士は「大手が手を出さないような、収益性は高いが危険性の高い首都圏の不動産事業の失敗が大きい。こうした事業を進めた前経営陣のずさん経営も原因と言わざるを得ない」と指摘した。さらに「(金融機関との交渉でも)『もっと透明性のある経営を』と注文を付けられていた。数々の企業の再建に携わってきたが、建設業の再生は極めて難しい」と述べ、民事再生法の適用申請ではなく、破産手続きを開始した理由を説明した。
 北野組の歴代社長は旭川建設業協会の理事を務めており、地元への影響力は大きい。同協会幹部は「優れた技術力を持つ北野組の破産は衝撃的だ。連鎖的につぶれる会社が出る可能性は大きい」と危機感を強める。
 道内の建設業は公共事業への依存度が強い。しかし、小泉政権下で進められた構造改革で全国の公共事業は02年度予算編成で前年比10%削減され、その後も前年度比で毎年約3%ずつ減った。北海道建設業信用保証によると、道内では98年度の約2兆1900億円(土木・建築以外の工事も含む)から減少。07年度は9300億円にとどまった。
 また、北海道建設業協会によると、今年3月時点の道内業者は約2万2200社(00年は約2万6000社)。道東のある建設業者幹部は「仕事がないのに業者は多く、供給過剰。再編が必要だ」と話す。さらに、資材価格の高騰や昨年の改正建築基準法による建築確認の厳格化が追い打ちをかけている。
 こうした状況が続く中、今年3月には住宅建設業「木の城たいせつ」が自己破産した。東京商工リサーチ北海道支社によると、今年上半期(1~6月)に破綻した道内建設業は153件に達し、前年同期比よりも31件多い。同支社は「構造改革の影響がいよいよ具現化されてきた。これから(破綻が)増えていくと言っても過言ではない」と、厳しい見方を示している。
 ◇従業員や取引先、道が相談窓口
 道は22日、北野組と関連会社の従業員に向けた雇用相談室を上川支庁に、取引先の中小企業を対象にした経営・金融相談室を道庁商工金融課と同支庁にそれぞれ設置。債権者の道内中小企業に対しては、5000万円までの債権相当額を低利で融資する中小企業総合振興資金「セーフティーネット貸付」を適用する。【鈴木勝一】7月23日朝刊

本年は北海道経済の正念場か?
さて、私はこうした企業の倒産など、昨年より懸念していました。まさに、今回その懸念が実現してしまったと思います。

昨年は、拓銀が破綻してから、10年目にあたりました。北海道内の人々は、拓銀の破綻などもう過去のできごと思っているかもしれません。都市銀行の一行くらいなくなったからといってほとんど影響はなかったし、これからもないだろうと思っているかもしれません。

しかし、それは違います。実は拓銀破綻の影響は今年から顕著になりつつあるのです。そのからくりはこういうことです。11年前に北海道で唯一の都市銀行であった北海道拓殖銀行が破綻した際、多くの北海道の主だった企業は拓銀が主要取引銀行でした。その結果多くの企業が資金難に陥ることが予想されました。拓銀破綻により、主要取引先である北海道の大手企業が影響を受けた場合それに連なる中小企業の行方、ひいては北海道全体の経済の沈静化を恐れた道は、道債を発行(借金をして)資金を手に入れ、これらの企業に拓銀と同程度の金利もしくは、それを下回る金利で貸付をしました。

そのため、多くの道内の大手はすぐに資金難にいたるということはありませんでした。しかし、その応急手当をした後がよくありまんせんでした。当時は拓銀破綻するほどの日本経済の構造転換があった時代です。多くの企業では大規模なリストラや新規事業などの模索を迫られました。大手銀行でも、不良債権の処理が行われてました。しかし、そのさなかにあって、北海道だけは「公共工事の脱却」などが叫ばれても、あまり大きな改革がされてきませんでした。

その結果道内の大手といわれる企業でもこの10年間古い体質が温存されて、ほとんど改善されてきませんでした。私は、この10年間を「北海道の失われた10年」と呼んでいます。

昨年で道債の償還期限も切れ、今年からは道も借金を返済していかければなりません。そのため、新たに拓銀破綻の対策を打つことはできません。その結果が今日の北野組の破産にもつながったと思われます。さて、今年は原油高騰のおりから、建築資材なども価格が上昇しています。北海道による援助も期待できません。今年こそ、北海道内企業の正念場になることでしょう。本当にもう、待ったなしです。多くの企業がこの正念場に向かって逃げることなく、挑戦し、構造転換されることを願ってやみません。そうして、この危機を生き抜いた企業が北海道の未来を築いていくことでしょう。

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2008年7月23日水曜日

八王子通り魔事件、誰でも良かった!?-「カッツォンレテバ」の精神で通り魔に備えよ!!

八王子通り魔事件犯人「誰でも良かった」!!
東京都八王子市の京王八王子駅ビル9階の書店で、アルバイト店員が刺殺された事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された八王子市の菅野昭一容疑者(33)は警視庁の調べに対し「仕事のことで家族とトラブルになり、とっさに無差別に人を殺そうと決意した」と供述していることが23日、分かった。警視庁は、家族とのトラブルが引き金になり、菅野容疑者が通り魔の犯行を決意したとみている。本当にとんでもない野郎ですね。早く死刑になれば良いと思います。亡くなった方のことを思うと残念でなりません。こんなバカに将来の夢を立たれるなんて。バカはバカで人に迷惑をかけることなく、自分ひとりで死んで欲しかったと思います。

犯人の心理分析は無用の長物!!
秋葉原通り魔事件やこの事件のような無差別殺人事件が起こったときに、精神科医や犯罪心理学者、心理士、カウンセラーが、考えたところで結論が出るわけないし、所詮仮説にもなりえなりません。基本的には彼らの自己満足と、一般市民の誤解・勘違いをもたらすだけだと思います。

そんなことよりは、被害者や遺族への治療・サポートについてもっともっと専念すべきだし、今回の犯人のような通り魔に直面したときに、どのように身を守り、また相手を制止するかということについて知見を積んで啓発することこそ重要だと思います。私は、被害者や遺族への治療・サポートなど、専門家ではないのでできませんが、身を守ることについては自分の経験など情報とてい提供できるとおもいますので、提供させていただきます。

専門家が提唱するナイフを持った暴漢からの防御法

以前専門家(イスラエル)の方からうかがった通り魔というより、ナイフを持った暴漢からの防御法を掲載します。

ナイフを持った通り魔に直面したときは、「その場から逃げる」の が基本です。ただし、逃げられない状況で対峙しなければならない場合、誰かを守らなければならない場合もあると思います。通り魔犯は、一般に「自分は一番強い」「自分には怖いものはない」と思っている(思い込んでいる)がゆえに、「自分が反撃されること」や「自分 に立ち向かってくること」を想定していません。また彼らは、自分の力を誇示しようと、多くは何回も刺そうとします。

いかにして先制攻撃をいかにして加え戦意を喪失させるか、特にナイフを持った通り魔がよくやる、“上からナイフを振りかざす”攻撃に対しどうそれを制止し反撃を加えるかが重要です。まずは、冷静になること、そうして犯人と同じように「自分は強い」とか、「自分に怖いものはない」などと自分自身に言い聞かせることです。

基本的には、まずは、縦の動きから横の動きに変えることです。横の動きをしながら、相手の懐に飛び込んで、ナイフを持った手の肘あたりを片手で捉えて自分の体にナイフが届くのを防ぐと同時に、もう片方の手で顔面への打撃を加え る。顔面に打撃を加えた手で頭を押さえた後、両手でナイフを持った手と肘をひねり、ナイフを奪い取る。膝を顔面に入れるのも効果的だ。そして、その場から 離れる。

しかし、実際にはなかなかこのようにうまくはいかないと思います。今回の書店での反抗の場合は、本屋の店員さんが殺されています。その場の状況などわからないので、一概には言えませんが、この場合女性の店員は、周りにある本を手当たりしだいつかんで犯人に向かって、投げつけるなどのことをすれば効果的だったかもしれません。できれば、本の角など、犯人の顔面にぶつかるように手当たり次第に投げまくればよかったと思います。そうして、その場から逃げて助けを求めるとか。そうすることにより、たとえ怪我をしても、命は助かるということもありえたかもしれません。まあ、歴史に「もし」はないですから、もう終わったことには取り返しがつきませんが、同じような状況に至ったときにこうすれば、助かる率は高くなると思います。

さて、以上は人から聴いた話と、思ったことですが、以下には私が経験した実話を掲載します。ただし、これは通り魔ではなく、私自身がいわゆる「オヤジ狩り」にあいそうになったときにそれを防止した実話てです。

実体験を皆さんに開陳します
もう随分まえですが、函館の本町の飲み屋街で、お酒を飲んだあとで帰るときでした、特に理由もなくなんとなく近道をしました。歩いていると、遠くから3人の人相の悪い若者があるいてくるのに気がつきました。また、そこはテニスコートの近くで人通りが少ないところで、「オヤジ狩り」が頻繁に起こっているところで、私の知っている人も「オヤジ狩り」にあったということも伝え聞いていたのを思い出しました。

とっさに私の頭の中で「どうしようか」と自問自答しました。この若者たちほぼ「オヤジ狩り」をしようとしていると推察できました。三人組みの中央にいるのが、リーダーと思しき若者でした。いろいろ、頭の中でイメージして、逃げるのはこの距離ではもう、無理と判断しました。いろいろ考えて、以下のような戦術を頭の中で練り上げました。

その中身は、まずは自分の前の少し離れた道路の傍らに石があるのが目に付きました。その石、人間の頭の1/3くらいのもので武器としては手ごろです。まず、その石を手にいれる、相手と遭遇する直前に、その石をリーダー格の顔面に向けて投げつける。できれば、頭をかち割る。その直後に、その日は雨になりそうだったので、傘を持っていたので、傘で向かって右隣の若者を急襲する。できれば、目を刺す。それが終わったら、残っている若者に対して鞄で急襲する、鞄の中には結構な重さの書籍が2~3冊入っていたので結構な殴打力になると思いました。

さて、そう考えて、自分の前を見ると、相手方と自分の距離が相当近づいているのに気がつきました。そうして、へたをすると自分が若者たちと遭遇するまでには、その石を拾うことはできないということに気がつきました。

その直後にとった私の行動は、その石めがけて、全力疾走でした。そうして、石を取り上げて前をみると、何と若者たちが反対側に全力疾走で逃げている姿でした。「ヤベー」などといいながら、散り散りになりながら全力疾走して逃げていきました。

そうです、彼らだって怖かったのだと思います。小心ものだったからこそ、3人で「オヤジ狩り」をしていたのだと思います。まさか、相手側が全力疾走でこちら側に向かってくるなんて、予想だにしなかったのだと思います。まずは、いざというときにどうするかなど日ごろ考えておき、いよいよになったら実行することです。私の場合も普段から考えていて、靴、鞄、周りに石が落ちていたら石をつかんで投げつけるなどと、考えていました。

頼みの綱は「カッツオンレテバ」だ!!
イスラエルには「カッツォンレテバ」という格言があります。これは「おとなしくして羊のようには殺されるな」という意味です。イスラエル人なら誰もが知っている合言葉です。いろいろな苦難のときに乗り越えるために継承されたきた言葉です。エンテベ空港奇襲作戦でもこの精神がいかんなく発揮されたといわれています。先の防御法を教えていただいたイスラエル人も「大事なとこは何よりもカッツォンレテバ」だと言っていました。

皆さんも、普段から良く考えておいて、いざとなったら実行しましょう。間違っても大人しい羊のように、黙ってやすやすと犯人に殺されるようなことはやめましょう。できれば、防御、それがかなわないときには、少なくとも相手も殺すか、少なくとも生死をさまようくらいの打撃は与えてから成仏しましょう!!

下にこの記事の関連記事を掲載します。こちらも是非ご覧になってください。

■秋葉原通り魔事件が暴くお役所仕事の実体とは?-やはりNPOに任せるべきか?

■秋葉原通り魔殺人事件の犯人から学べること-その時々で自分の身の丈を知る努力をせよ!

■再発防止へ閣僚会議会合=秋葉原通り魔事件-NPOは注目されるか?

■秋葉原殺人犯の孤独と苦痛-今日のこの事件をを数十年前から予言していたドラッカー氏に学ぶ?
■アメリカ・バージニア工科大学の銃撃事件の犯人映像

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2008年7月22日火曜日

中国:五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫-オリンピック開催後を予感させる連続バス爆破事件?

北京当局 地方から上京した民衆の追い払いを開始


五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫(内容をすでにご存知の方は読み飛ばしてください)
8月8日の北京オリンピック開幕まで1ヶ月を切り、厳重な警備とイメージアップ作戦に地元住民は悲鳴を上げている。例えば、7月20日から2ヶ月に渡り、北京市の300万台の自動車の半数が走行禁止となる。悪名高いスモッグを消すためだ。
中国 スポーツ IPS

【北京IPS=アントアネタ・ベツロヴァ、7月14日】

8月8日の北京オリンピック開幕まで1ヶ月を切り、厳重な警備とイメージアップ作戦に地元住民は悲鳴を上げている。

オリンピック景気が謳われ、小規模商店主にも外貨が落ちると言われていたが、何百店もの海賊版DVD販売店を始め、「見苦しい」、「安全でない」といった理由で五輪開催中の閉店を迫られている。

7年間にわたりオリンピックの準備を続けてきた中国指導者にとって、開催の成功は国家の威信にかかわることだ。北京市民もオリンピックの開催、国際的地位の回復に反対してはいないが、度を越えた警備やクリーンアップ作戦に辟易としている状態だ。

北京当局は空気の清浄化のために、何十万件もの建設プロジェクトを中断させ、建設会社、セメント生産会社に長期休業を申し付けた。何千人もの移民労働者は帰郷を余儀なくされた。

7月20日から2ヶ月に渡り、北京市の300万台の自動車の半数が走行禁止となる。悪名高いスモッグを消すためだ。

外国人アスリートの多くは、このような対策も不十分と感じ、日本や韓国でトレーニングを積み、試合直前に北京入りする。

チベット支持者、法輪功、民主活動家を封じ込めるために派遣された警察、軍関係者は10万人。これに60万人の市民ボランティアが加わる。

休暇をとり市外へ脱出を考える北京市民が少なくない状態だ。オリンピック開催を控えて、異常な警備、クリーンアップ作戦が市民生活に及ぼす影響は大きい。

【IPS JAPAN/JANJANニュース】

誰も喜ばないオリンピックを北京で開催する必要があったのか?
さて、北京市民の締め付けも厳しくなっています。北京ではオリンピック施設を建築するために、多くの人民の家をとりあげて壊して平地にして、そこに施設を建築しました。これらの人々は、一部の例外を除いて何ら補償も与えられず、ある日突然家を追い出されたというのが実情です。

さらに、地方からは民工と呼ばれる出稼ぎ者が多数北京に出稼ぎにやってきてきました。この人たちの大部分は保健もなく、安い賃金で働きました。これらの人がいなければ、いろいろなオリンピック関連の施設の建築はできなかったでしょう。しかし、今になって、この人達を追い払おうとしています。

店を奪われたり、住処を追いやられたした人が大勢います。さらに、職もなくしかたなく故郷にかえる人がたくさんいます。故郷に帰っても仕事のあてはありません。家の畑を耕して自分の食べるものは、自分で食べるくらいのことしかできません。雲南省昆明市で二十一日に起きた連続バス爆破事件について「北京五輪と関係があるとの証拠は今のところ見つかっていない」と述べ、五輪を標的にしたテロ事件かどうかは不明としたとしていますが、こうした背景のもとに起こった事件かもしれません。

中国政府はこれらの人たちをどうするつもりなのでしょうか?このままでは、人民は二の次、三の次どころか、全く無視した国威発揚だけのためのオリンピックになりそうです。自分の国の多くの人々から祝ってもらえない、外国からも素直に祝ってもらえないオリンピック。開催する価値が本当にあったのでしょうか。私自身は、最初から中国はオリンピックを開催できるような国にはまだなっていないと思っていました。思っていた通りになりました。

オリンピック開催後を予感させる雲南省バス連続爆破事件?
さて、上のような状況、まだオリンピック開催前や、開催中は良いと思います。おそらく、中国中央政府も威信をかけて無理やりにでも暴動など発生しないよう、体面は保つことはできると思います。事実、多くの人達の一般通念とは違って、今年は例年よりもはるかに暴動が少ないです。このことは、以前私のブログでも掲載しました。

さて、オリンピックが終了した後はどうなるのでしょうか?地方では、オリンピック民工達が、不満を煮えたぎらしているでしょう。これと、もともと地方にある不満の種が加わり、かなり暴動が頻発することになると思います。北京でも、いろいろな不満がくすぶっているので、暴動が起こる可能性は十分あります。まさに一触即発の状況です。普段ではあまり気にも留められない中国中央政府や地方政府の高官などの行動や発言が火種となる可能性は十分あります。

おそらく、オリンピック終了後、各地に警備に配置されている人民解放軍や警察も警備の任を解かれて、本来の場所に戻ることでしょうから、オリンピック後の暴動はすさまじいものになると思います。頻度も、例年より増すと思います。最近のバス連続爆破事件など、オリンピックを妨害するものと受け取る向きもあるでしょう。そうであれば、オリンピック開催後には通常に戻り、たとえ暴動があったとしても、例年通りで鎮圧も比較的容易なものしか起こらないことが予想されます。しかし、このバス連続爆破事件は従来のものとは明らかに違う無差別テロです。私はオリンピック開催後に頻繁におこる中国中央政府手に負えなくて鎮圧にも手間取る暴動や、テロの幕開けを示すものではないかと危惧しています。

中国中央政府はこれに対してまた弾圧を繰り返すでしょうが、弾圧にも限度があります。これをいつまでも繰り返すのではなく、根本原因を解消する方向性を人民に示し、そのための第一歩を早めに踏み出すべきです。それをせず、弾圧する一方ではいずれ、中国は私がかねてから主張していたように、10年以内に分裂することになるでしょう。そうして、無論、中国共産党体制も崩れるでしょう。そうなりたくなかったら、早めの対策を実施するべきです。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■「ちゃいな.COM」中国総局長 伊藤正 「80後」は中国を変えるかは正しくない-正確には「80後」の一部、それも少数派が中国を変える。

■中国で暴動は日常茶飯事-この事態改善されない限り中国はまともにならない!

■貴州省の暴動に見る壊れた中国の実態

■燃えろアタック-排球女将

■中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するのか?-中国の軍隊は脆弱?

■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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