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2008年7月22日火曜日

中国:五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫-オリンピック開催後を予感させる連続バス爆破事件?

北京当局 地方から上京した民衆の追い払いを開始


五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫(内容をすでにご存知の方は読み飛ばしてください)
8月8日の北京オリンピック開幕まで1ヶ月を切り、厳重な警備とイメージアップ作戦に地元住民は悲鳴を上げている。例えば、7月20日から2ヶ月に渡り、北京市の300万台の自動車の半数が走行禁止となる。悪名高いスモッグを消すためだ。
中国 スポーツ IPS

【北京IPS=アントアネタ・ベツロヴァ、7月14日】

8月8日の北京オリンピック開幕まで1ヶ月を切り、厳重な警備とイメージアップ作戦に地元住民は悲鳴を上げている。

オリンピック景気が謳われ、小規模商店主にも外貨が落ちると言われていたが、何百店もの海賊版DVD販売店を始め、「見苦しい」、「安全でない」といった理由で五輪開催中の閉店を迫られている。

7年間にわたりオリンピックの準備を続けてきた中国指導者にとって、開催の成功は国家の威信にかかわることだ。北京市民もオリンピックの開催、国際的地位の回復に反対してはいないが、度を越えた警備やクリーンアップ作戦に辟易としている状態だ。

北京当局は空気の清浄化のために、何十万件もの建設プロジェクトを中断させ、建設会社、セメント生産会社に長期休業を申し付けた。何千人もの移民労働者は帰郷を余儀なくされた。

7月20日から2ヶ月に渡り、北京市の300万台の自動車の半数が走行禁止となる。悪名高いスモッグを消すためだ。

外国人アスリートの多くは、このような対策も不十分と感じ、日本や韓国でトレーニングを積み、試合直前に北京入りする。

チベット支持者、法輪功、民主活動家を封じ込めるために派遣された警察、軍関係者は10万人。これに60万人の市民ボランティアが加わる。

休暇をとり市外へ脱出を考える北京市民が少なくない状態だ。オリンピック開催を控えて、異常な警備、クリーンアップ作戦が市民生活に及ぼす影響は大きい。

【IPS JAPAN/JANJANニュース】

誰も喜ばないオリンピックを北京で開催する必要があったのか?
さて、北京市民の締め付けも厳しくなっています。北京ではオリンピック施設を建築するために、多くの人民の家をとりあげて壊して平地にして、そこに施設を建築しました。これらの人々は、一部の例外を除いて何ら補償も与えられず、ある日突然家を追い出されたというのが実情です。

さらに、地方からは民工と呼ばれる出稼ぎ者が多数北京に出稼ぎにやってきてきました。この人たちの大部分は保健もなく、安い賃金で働きました。これらの人がいなければ、いろいろなオリンピック関連の施設の建築はできなかったでしょう。しかし、今になって、この人達を追い払おうとしています。

店を奪われたり、住処を追いやられたした人が大勢います。さらに、職もなくしかたなく故郷にかえる人がたくさんいます。故郷に帰っても仕事のあてはありません。家の畑を耕して自分の食べるものは、自分で食べるくらいのことしかできません。雲南省昆明市で二十一日に起きた連続バス爆破事件について「北京五輪と関係があるとの証拠は今のところ見つかっていない」と述べ、五輪を標的にしたテロ事件かどうかは不明としたとしていますが、こうした背景のもとに起こった事件かもしれません。

中国政府はこれらの人たちをどうするつもりなのでしょうか?このままでは、人民は二の次、三の次どころか、全く無視した国威発揚だけのためのオリンピックになりそうです。自分の国の多くの人々から祝ってもらえない、外国からも素直に祝ってもらえないオリンピック。開催する価値が本当にあったのでしょうか。私自身は、最初から中国はオリンピックを開催できるような国にはまだなっていないと思っていました。思っていた通りになりました。

オリンピック開催後を予感させる雲南省バス連続爆破事件?
さて、上のような状況、まだオリンピック開催前や、開催中は良いと思います。おそらく、中国中央政府も威信をかけて無理やりにでも暴動など発生しないよう、体面は保つことはできると思います。事実、多くの人達の一般通念とは違って、今年は例年よりもはるかに暴動が少ないです。このことは、以前私のブログでも掲載しました。

さて、オリンピックが終了した後はどうなるのでしょうか?地方では、オリンピック民工達が、不満を煮えたぎらしているでしょう。これと、もともと地方にある不満の種が加わり、かなり暴動が頻発することになると思います。北京でも、いろいろな不満がくすぶっているので、暴動が起こる可能性は十分あります。まさに一触即発の状況です。普段ではあまり気にも留められない中国中央政府や地方政府の高官などの行動や発言が火種となる可能性は十分あります。

おそらく、オリンピック終了後、各地に警備に配置されている人民解放軍や警察も警備の任を解かれて、本来の場所に戻ることでしょうから、オリンピック後の暴動はすさまじいものになると思います。頻度も、例年より増すと思います。最近のバス連続爆破事件など、オリンピックを妨害するものと受け取る向きもあるでしょう。そうであれば、オリンピック開催後には通常に戻り、たとえ暴動があったとしても、例年通りで鎮圧も比較的容易なものしか起こらないことが予想されます。しかし、このバス連続爆破事件は従来のものとは明らかに違う無差別テロです。私はオリンピック開催後に頻繁におこる中国中央政府手に負えなくて鎮圧にも手間取る暴動や、テロの幕開けを示すものではないかと危惧しています。

中国中央政府はこれに対してまた弾圧を繰り返すでしょうが、弾圧にも限度があります。これをいつまでも繰り返すのではなく、根本原因を解消する方向性を人民に示し、そのための第一歩を早めに踏み出すべきです。それをせず、弾圧する一方ではいずれ、中国は私がかねてから主張していたように、10年以内に分裂することになるでしょう。そうして、無論、中国共産党体制も崩れるでしょう。そうなりたくなかったら、早めの対策を実施するべきです。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■「ちゃいな.COM」中国総局長 伊藤正 「80後」は中国を変えるかは正しくない-正確には「80後」の一部、それも少数派が中国を変える。

■中国で暴動は日常茶飯事-この事態改善されない限り中国はまともにならない!

■貴州省の暴動に見る壊れた中国の実態

■燃えろアタック-排球女将

■中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するのか?-中国の軍隊は脆弱?

■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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