2008年4月12日土曜日

中国分裂の筋書―(9)日本の対応は?

チベット蜂起についての福田総理コメント

上は、チベット問題に対する福田総理のコメント。福田総理自身あるいは、そのブレインは、中国分裂の筋書きはあるのだろうか?

さて、前回まで8回にわたって連載してきました、『中国分裂の筋書』を読んでいただき誠に有難うございます。この連載を掲載してから、当ブログへの訪問者も増え日によっては、800アクセスに近いこともありました。皆さんのブログでは、このくらいのアクセスは珍しくもないのかもしれませんが、私のブログにおいては、過去最多です。それだけ、現在多くの方々が中国に関して関心を持っておられるということだと思います。

中国分裂の筋書きについては、後もう一回掲載する予定です。最後は、私自身が考えた民主中国にとっても、日本にとっても最高で最善の筋書きを掲載していきたいと思います。

本日は、中国分裂は避けられないものとして、それに対する日本の対応を示唆してみたいと思います。ここでは、日本の対応としてある程度、総括的に書きますが、対中国とビジネスなどをされている方は、自分の会社などに置き換えて、具体的に書かれると良い思います。その参考になれば幸いです。

1.情報収集は欠かさない
当然のことながら、情報収集に負けていては、成就すべきことはおろか、以下に続く事柄は実施できません。あらゆるチャネルからできるだけ多くの情報を得るように努めます。新聞、雑誌、インターネットは勿論のこと、あなたの中国における人脈を最大限に活かします。いろいろな情報を時系列でならべてみて、さらにいろいろな類推をして、パズルを解くように真実に近づいていきます。

2.現代中国に対しては毅然とした態度で臨む
現代中国指導者層に対しては、毅然とした態度で臨むべきです。現代中国指導者層におもねるような、態度をとっていては、新生民主中国の新しい指導者層からは印象が悪くなるのは必定です。ただし分別を利かせて、ある程度以上は踏み込まないようにしておくことが肝要です。たとえば、現代のチベット問題であれば、憂慮している旨を伝えることと、少なくともダライ・ラマとの対話路線を歩んで欲しい旨を伝えることです。それから、一歩踏み込んで、チベット独立まで要求するなどの愚を冒すべきではありません。

3.現代中国との関係は、そこそこに
現代中国指導者は、概ね失脚するわけですから、彼らとの関係はそこそこにしておくことが肝要です。ただし、礼儀だけはつくしましょう。中国人は面子を重んじますから、所詮失脚したり、場合によっては死刑になる連中とわかっていても、礼儀を軽んじれば、その噂は民主中国の指導者にも伝わり、信頼を失うかもしれません。

4.中国分裂の筋書きを少なくても50種類くらいは考えておく
わたしの筋書は、バブル崩壊後の不良債権処理を巡って二つ、その後の社会の作り方として、2種類。これらを掛け合わせたとしても、4種類の筋書きしかあげてません。これが、企業レベルであれば、すくなくとも10から20種類、国家レベルであれば、50~100はあげておくべきでしょう。

5.筋書きのマイルストーンごとに、どのような行動をすべきかあらかじめ考えておく
各々の筋書きだけでは、どうにもなりません。書く筋書きの節目(マイルストーン毎)に、自分たちがどのような行動をすべきかをあらかじめ定めておくべきです。

6.考えておくだけでなく、実際に行動する
上記行動パターンを実施します。実施しながら、また新しい情報を得るなどのことをします。

7.実際の行動に照らし合わせて、筋書きを変更する
実際に行動してみて、さらに新しい情報が集まった場合、筋書き通りには進まないことが予期されることがしばしばあります。そのときには、またさらに、筋書きの枝葉を増やします。

8.変更した筋書きに沿って行動し、その結果を検証する
どの枝葉に沿っているのか、あるいは全く新しい枝葉に入り込んでいるのか、検証します。

9.検証にもとづき、さらに筋書きを変更し、それにそって行動する

10.7に戻って、9まで実践し、また、7に戻るというサイクルを繰り返す

11.以上を繰り返しているうちに、分裂が終了しある程度先が見える状況になったら、以上を総括し、次の状況に備える

いずれの局面でも、ただ頭の中で考えているのではなく、きちんと文書化しておくことが肝要です。関わる人々すべてにその文書を開陳し、意思統一して、行動することが肝要です。

さて、回を重ねてきた、「中国分裂の筋書」は、もう私の知識や考えの範囲をでは、今のところ出尽くしたという感があります。次の回では、誰すらも予想しなかった、私だけの考えを表明します。そうして、「中国分裂の筋書」の最終回としたいと思います。ただし、これは単なる私の理想論であって、実現可能かどうかは保証の限りではありません。また、このブログは、私の仕事の合間に書いているものであり、時間的制約もあることから、すべてを検証したり、確かめているわけではありません。このような考え方もあるのかと、参考程度にしていただければ、幸いです。

以下に上記記事との関連記事を掲載しました。まだの方は是非ご覧になってください。反転文字列をクリックしていただければ、当該記事の内容に飛ぶことができます。

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き−(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き−(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き−(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き−(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き−(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き−(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き−(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書−(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書−(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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