2018年5月31日木曜日

【石平のChina Watch】習近平政権が進める全国民監視システムの恐怖―【私の論評】中国が支配する世界は闇以外のなにものでもない(゚д゚)!

【石平のChina Watch】習近平政権が進める全国民監視システムの恐怖

 中国の習近平政権は今、国民全体に対する監視システムの構築を行っている。

 例えば、全国の都市部では2千万台以上の監視カメラが設置され、24時間、街中の人々の動きを監視している。そして、監視カメラの中には、特殊な人工知能(AI)が内蔵されている。

自動で犯人を見つけて警察に通報する中国の監視カメラシステム

 カメラ自体は歩行者や自動車を運転中のドライバーの顔をズームアップで捉えるだけでなく、車の色や車種、歩行者の年齢、性別、衣服の色といった詳細を判別することもできる。カメラに内蔵しているAIが衛星利用測位システム(GPS)や顔認証システムを通して当局のまとめた「犯罪者データベース」とつながっているために、街の中である人物を捉えた際、当局の「犯罪者データベース」と一致すれば、GPSを使って居場所を即座に探し出し、警察官が直ちに駆けつけてくる仕組みとなっている。

 当の警察官たちにも特殊な眼鏡が配備されている。それも顔認定機能を搭載し、当局の「犯罪者データベース」とつながっているから、警察官がこの眼鏡をかけていると、人混みで映る多くの顔から、「犯罪者データベース」に登録された人の顔をわずか0・1秒で割り出すことができるのだ。

 このような精密なシステムの監視対象となるのは、もちろん一般的な意味での犯罪者だけではない。中国共産党や政府に対して反抗する人、反政府的デモや街頭での抗議活動を行う人は皆、このシステムによって監視され、身元が簡単に割り出されてしまうのである。

 しかも、中央テレビ局はわざとこのシステムのすごさをアピールする番組を全国向けに流している。そうすることによって、「自分がどこへ行っても常に監視されている」という意識を全国民に植え付け、国民の誰もが公の場での抗議活動などを躊躇(ちゅうちょ)しなければならないようにしておくのである。

 ネットは当然、中国政府が重点的に監視する領域である。ネットユーザーが自分の端末機器から発信する微博(中国版ツイッター)が常に監視されているのはもちろんのことだが、実は日本でも話題になっている中国の消費者用電子決済システムも政府の監視下にある。政府はその気になれば、個人の消費行動までを細かくチェックすることができるのだ。

 中国政府はさらに、国民個人所持の携帯電話やスマホなどの端末通信機器に政府開発の監視用ソフトのダウンロードを強制するプロジェクトを進めていく。監視用ソフトがダウンロードされると、個人所持の携帯やスマホから発信したすべての情報と、それが受け取ったすべての情報が政府の監視システムに筒抜けになる。

 中国の場合、携帯やスマホの購入・所持は実名制であるから、誰かが自分の携帯やスマホから政府批判のメッセージでも発信していれば、発信した本人の身元が直ちに割り出される。通信機器を使っての政治批判は、これで完全に封じ込められることになるのである。

中国のスマホ

 現在、中国政府はまず、重点的な監視対象となっているウイグル人たちにこの監視ソフトのダウンロードを強要し始めているが、いずれ全国民に広げていくであろう。

 このようにして今後の中国国民は、町を歩いていても、ネットで友人とおしゃべりしていても、電子マネーで支払いをしていても、自分の携帯やスマホからメッセージを配信していても、常に政府によって監視されているのである。もはや人権とか自由とかうんぬんするところではない。国民全員は24時間、常に政府に監視されているという恐怖感と憂鬱の中で生きていくしかない。

 それはすなわち、習政権が構築しようとしている「新時代中国」の理想的姿なのであろう。
                  

【プロフィル】石平(せき・へい) 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

【私の論評】中国が支配する世界は闇以外のなにものでもない(゚д゚)!

中国の監視システムは、我々の想像の範疇を超えているようです。ブログ冒頭の記事にでてくるカメラや、スマホなどを用いた監視システムだと容易に想像がつくのですが、中国の監視システムはさらにその斜め上まで進んでいるようです。

香港の南華早報(South China Morning post)の報道によると、2014年から浙江省電力有限会社は工場で単純作業の従業員全員に、脳をスキャンするヘルメットを着用することを義務化しました。作業員は効率良く作業しようとします。その時の脳の状態の変化を監視しているのです。

脳波ヘルメットを被る中国人労働者

作業中、集中力が高まっているのか、眠いのか、怒っているのか、喜んでいるのか、サボっているのか、そういう感情の変化を全部、このハイテクな脳波をスキャンするヘルメットが収集し、ワイヤレスで工場のパソコンへ自動送信され、パソコンにインストールされます。AI(人工知能)が迅速に作業員の脳内を分析しています。

そのお陰で、作業員の集中力は高まり、会社の収益は、このハイテクなヘルメットを装着する前より20億元人民元(約345億円)に増えたと言われています。

また、上海のとある病院では、上記のようなヘルメットで脳波を収集するだけでなく、同時にヘルメットに搭載してるミニカメラが患者の表情の変化をスキャンして、2種類の情報を病院のパソコンに自動送信して、AIで患者が「不適切な行為」をしないように監視しています。医療目的としては、確かに患者の危険を回避しており、評価されていいでしょう。

また、中国版新幹線の運転士にも、このようなヘルメットを強制装着して、「事故対策」の名目で、運転士の感情変化を監視してます。同時に、中国民間航空大学の教授は「将来、このヘルメットをパイロットに装着させ、パイロットの感情変化を監視して、航空事故の回避をできる」と興味を示しました。

さらに、人民解放軍の軍人にも、このヘルメットを装着させて、万が一「指導者を裏切る感情」が発生したら、すぐに中国政府に自動送信して、該当の軍人を処分することが可能になります。

中国人民解放軍

現在、北京のとある高校では、生徒にカチューシャのような装置を強制で被らせ、生徒が勉強の集中力や、試験する時にカンニングする行為を防ぐことができるようです。このカチューシャ型の装置は、前述のようなヘルメットと似ており、脳波をスキャンしてAIで分析するシステムとほぼ同じです。

これはまさに、西遊記の三蔵法師が孫悟空の行為を制限するために、被らせる緊箍児(きんこじ)のようなものではありませんか?とても笑えない話です。

しかし、工場の作業員と病院の患者、公務員や生徒に無理やり脳波をスキャンして勝手にAIで分析する行為は、一種の生体実験とみられるものであり、強制的に実施するのは、明らかに人権侵害です。

中国政府は、このような生体実験を行って、最終目的には「思想犯罪者」の予備軍に強制的に装着させ、国民の思想を監視、コントロールするつもりなのでではないかと思います。

さらに次の段階では、遠隔操作で中国人を操り、外国でテロ等の破壊活動をさせるヘルメット装着の義務化なども考えられます。これは、SFの世界の話のようですが、可能性はゼロではありません。

このように、社員や顧客、学生の脳と顔を勝手にスキャンして、AIで分析して自社のビッグデータとして保存する行為は、民主主義国家では許されることではありません。
 
また、人間の脳は長期的にスキャンされることで、脳に損傷を受けるかどうかは、まだ実証されていません。

現在、中国の顔認識システムは既に世界一のレベルに達していると言われています。また人間の脳波を監視する技術も、中国人を使った生体実験により、かなり進んでいくことが予想されます。科学技術が急速に進歩し続ける一方、共産党政権を確固たるものとするための科学の悪用が拡大しつつあるのです。

将来の中国共産党は世界中の人間をロボットのようにコキ使い、操ることができる技術を持つようになるかもしれません。そうなると、まさに悪夢です。

このような中国と日米をはじめとする先進国の人々は、価値観を共有することなどできません。

昨日のブログでは、以下のようなことを掲載しました。
中国はアメリカの世界覇権に挑戦し、建国100周年の2049年までに、アメリカを凌ぐ「世界覇権国」になることを宣言しています。これを「中国の夢」(中国梦)と言いますが、そんなことが実現したら、世界はどうなるでしょうか。

ブログ冒頭の記事にもあるように、習近平国家主席は憲法を改正して“終身皇帝”となり、「中華民族の偉大なる復興」を目指して着々と政策を進めています。AIIB(アジアインフラ投資銀行)も「一帯一路」構想も、みなそのための布石です。いまや、南シナ海は、7つの人工島により中国の「内海」となってしまったことは、世界中が知るところです。 
自由と人権を無視した“中華秩序”(新冊封体制)が、世界秩序になる、そんな世界が実現して良いはずはありません。
そうして、中国がこの中国夢を実現するために、自国内だけではなく、海外でも監視システムを強化し、プライバシーを侵害するようなことは決して許されることではありません。

中国は、これから侵略する地域でもこのような監視体制をとるのは明らかです。中国に支配されるようになった世界は、闇以外のなにものでもありません。我々自由世界は、中国の他国への侵略をもうさせてはならないのです。それだけではなく、侵略した地域を元にもどさせなければないのです。

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2018年5月30日水曜日

朝鮮半島の"再属国化"を狙う習近平の誤算―【私の論評】「習近平皇帝」を抑え込むためトランプは金正恩という駒を駆使している(゚д゚)!

朝鮮半島の"再属国化"を狙う習近平の誤算

歴史的には"隷属関係"が当然だが…

開催が不透明な状況にある米朝首脳会談。混乱の背景について、著述家の宇山卓栄氏は「北朝鮮の後ろ盾として介入姿勢を強める中国を、アメリカが牽制したのだろう」とみる。その構図を読み解くには、123年ぶりに朝鮮半島の「属国化」を狙う習近平と、中国を利用しつつ干渉は避けたい金正恩という、両国の約2000年の歴史についての知識が必要だ――。

正恩(左)率いる北朝鮮の属国化を目論む習近平(右)だが。5月に開かれた2度目の中朝首脳会談にて

2000年に及ぶ隷属関係

5月24日、トランプ米大統領は突如、米朝首脳会談の中止を表明しました。それに先立つ22日、同大統領は金正恩・朝鮮労働党委員長が、習近平・中国国家主席と2回目の会談をしてから「態度が少し変わった。気に入らない」と発言しています。

27日、トランプ大統領は再び会談に応じると表明しました。会談の主導権はアメリカにあると、明確に示した格好です。24日の会談中止表明は、北朝鮮への介入を急激に進めつつある中国への、アメリカの牽制だったと考えられます。

漢の武帝が紀元前108年、楽浪郡を朝鮮に設置して以来、朝鮮半島は約2000年間、中国の属国でした。高麗(こうらい)王朝の前半に一時期、独立を維持したことがありましたが、朝鮮はその歴史のほとんどにおいて、中国に隷属させられていたのです。

下関条約

日清戦争後の1895年、下関条約により、日本は清(しん)王朝に、朝鮮の独立を承認させます。日本は中国の朝鮮に対する属国支配の長い歴史を断ち切りました。それから123年の時を経た現在、中国は朝鮮半島を再び属国にしようとする野心を隠しません。

中国が目論む二つのステップ

中国は10年~20年くらいの時間をかけて、朝鮮の再属国化を実現することを考えているようにみます。第1段階では、経済支援を通じ、北朝鮮を中国資本の傘下に組み入れます。北朝鮮の立場を強化したうえで、第2段階として、北朝鮮に南北朝鮮の連邦制統一を主導させます。韓国に文在寅政権のような左派政権が現れたことも、赤化統一の追い風になっています。

この二つの段階を経て、中国は朝鮮半島への支配を復権させることができます。普通に考えれば、妄想のように思えるかもしれませんが、中国はこういう妄想を実行する(実行した)国であることをよく認識しておかねばなりません。

2018年の3月に開催された全国人民代表大会(全人代)で、2期10年の国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正が承認され、習近平主席が独裁権を固めました。習主席は、いわゆる「習近平思想」を国の指針として憲法に盛り込み、中国の国益拡大を狙っています。中国の世界戦略は、これまでのフェーズとは全く違う段階に入っているのです。

中国とむしろ距離を置いてきた歴代「金王朝」

とはいえ北朝鮮のほうは、簡単に中国の支配下に組み込まれる気はないようです。

中国は以前から、北朝鮮を中国資本の傘下に組み入れようと画策し、北朝鮮に「改革開放」を迫ってきました。金正恩委員長の父の金正日は、2000年5月の最初の電撃訪中以降、2011年までに合計8回、訪中しています。その度ごとに、江沢民や胡錦濤は上海の経済特区を金正日に見学させるなどして、共産主義体制を維持しながら資本主義的な市場開放を行うことは可能だと示し、北朝鮮も中国にならって改革開放路線を歩むべきと説得しました。

金正日

しかし、金正日はこれを拒否し続けました。表向きは、「経済の自由化は政治の自由化を求める危険な動きとなる」ということでしたが、実際には「中国の介入を受けるのがイヤだ」ということだったのでしょう。

金正恩も露骨に中国を嫌い、中国を「1000年の宿敵」と呼んでいました。これは前述のように、朝鮮が長年中国の属国であった歴史的経緯を踏まえての発言です(歴史的な事実に基づけば、「2000年の宿敵」と言わなければならないところですが)。さらに2013年には、親中派の代表格で、改革開放を推進しようとしていた叔父の張成沢(チャン・ソンテク)を処刑します。これ以降、北朝鮮と中国との関係は急速に冷え込みました。

そこへトランプ大統領が登場し、北朝鮮への圧力政策を進めたことで、北朝鮮は窮地に陥ります。中国はこれを好機と見なしました。北朝鮮のクビが絞まれば絞まるほど、中国の差し伸べる「救いの手」は高く売れるからです。

習近平と金正恩は何を話し合ったのか?

ところが、北朝鮮は簡単には中国の「救いの手」を握りませんでした。北朝鮮は韓国を仲介にして、アメリカへ抱き付いたのです。この抱き付き作戦が予想以上に効果を発揮し、3月8日、トランプ大統領は米朝首脳会談の開催を決めました。

この一連の動きに焦ったのが中国です。中国は、北朝鮮が窮すれば自分たちのところへ頭を下げに来るはずだとタカをくくっていましたが、見事に当てが外れました。3月と5月に、習主席は金正恩と2回にわたって会談。3月の会談は中国側が金正恩を招聘(しょうへい)したもので、5月の会談も中国側の招聘で行われたとみて間違いないと思います。中国は北朝鮮という暴れ馬の手綱を握ろうと必死なのです。

この2回の首脳会談で、中国は北朝鮮に譲歩し、北朝鮮に有利な合意が形成されたことでしょう。これは、アメリカと中国をてんびんにかける北朝鮮の二股外交です。中国が金正日時代から求めている改革開放路線は是認されたものの、「カネも出す、口も出す」とはいかず、「口も出す」部分について、中国は大幅に制約をかけられたとみるべきです。

よくありがちな「北朝鮮が中国に泣きついた」論では、実態を捉えることはできません。北朝鮮はわれわれが考える以上に、外交技術に長(た)けた国です(北朝鮮は、外交官だけは処刑しない)。貧弱な小国でありながら、これまでも、アメリカや中国などの大国に外交上伍(ご)してきました。転んでもタダでは起きないのです。韓国の文在寅政権などが扱える相手でないことだけは確かです。 ただ、トランプ大統領が首脳会談の中止を表明した5月24日以降は、北朝鮮もトランプ大統領にはかなわないと思ったことでしょう。

金日成による朝鮮戦争後の「親中派」粛清

中国は北朝鮮との経済連携を進めていきさえすれば、いずれ北朝鮮を中国資本の傘下に収めることができるという長期的な戦略を描いているでしょうし、それを対アメリカの外交カードに利用することもできます。そこで、まずは北朝鮮と経済連携をすることを急いだのです。習主席は5月16日、北朝鮮の訪中使節団に対し、「金正恩委員長と2度も会い、両国の関係発展の共通の認識を持つことができた」と述べました。

しかし、過去に、中国は北朝鮮に痛い目に合わされています。1950年に勃発した朝鮮戦争で、中国は北朝鮮を支援しました。戦後、毛沢東は北朝鮮への影響力を強め、属国にしてしまおうともくろんでいましたが、失敗します。中国は北朝鮮内の「延安派」と呼ばれる親中派の一派と連携していましたが(延安は1930年代後半の中国共産党の本拠地)、金日成はスターリン批判(1956年)以降の中ソ対立の隙を突いて、延安派を速やかに処刑していきました。

1959年、毛沢東の大躍進政策に対する批判が巻き起こり、中国指導部で内部紛争が生じたとき(彭徳懐の失脚)、金日成は「延安派」を完全に根絶やしにしました。中国は混乱に巻き込まれている間に、北朝鮮支配の足場を失ってしまったのです。中国共産党の対北朝鮮政策は、このように失敗続きでした。

北朝鮮は金日成時代と同じように、中国を都合よく利用しつつ中国の影響力は断つという方法を、今後模索していくと思われます。今日の習政権が、経済連携を通じて北朝鮮という暴れ馬の手綱を完全に握ることができると考えているなら、大きなしっぺ返しを食らうでしょう。中国の「朝鮮属国化構想」を阻止するうえで最も大きな力を発揮するのは、アメリカではなく北朝鮮かもしれません。

「二股外交」はどこまで通用するか

もっとも、アメリカと中国の両方を利用しようとする北朝鮮の二股外交が、トランプ政権にどこまで通用するかはわかりません。

北朝鮮はこれまで、中国の支援を背景にアメリカに対して強気なアプローチを展開し、ペンス副大統領を罵倒までして揺さぶりをかけていました。ところが、トランプ大統領が突然会談中止を表明したことで、北朝鮮のこうしたアプローチはピシャリと退けられました。同時に、裏で策動していた中国の影響力も、一定のレベルで低下しました。

会談中止の発表直後、中国の「環球時報」は「信義にもとる行為」などという言葉を使って、トランプ大統領を批判する記事を掲載しました。一方で、同じ記事内では「アメリカが北朝鮮に対する軍事的圧力を高めないことを望む」と記され、中国のアメリカに対する屈服をうかがわせる内容となっています。

北朝鮮問題はその本質において、アメリカと中国の二大国の駆け引きであり、「米中冷戦」と呼ぶべき現在の危機構造の一部として存在しています。アメリカにとって、北朝鮮に譲歩することは、中国に譲歩することと同じなのです。「ドラゴンスレイヤー」と呼ばれる対中強硬派で占められたトランプ政権の中枢は、そのことを最もよく理解しています。

宇山卓栄(うやま・たくえい)
著作家。1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。おもな著書に、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、『経済を読み解くための宗教史』(KADOKAWA)、『世界史は99%、経済でつくられる』(育鵬社)、『「民族」で読み解く世界史』(日本実業出版社)などがある。

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トランプ大統領は東シナ海を中国の内海にはさせない

アメリカの最終的な北朝鮮問題に関する、目標が、朝鮮半島の「非核化」(denuclearization)、朝鮮戦争の「終結」(the conclusion of the peace treaty)にあるとは思えません。 

なぜなら、北朝鮮問題は、アメリカという世界唯一のスーパーパワー(=hegemon:世界覇権国)にとっては、そこまで大きな死活問題ではないはずです。核とICBMを持ったからといっても、経済制裁(=兵糧攻め)でいずれ干上がるのですから、平和条約など結ばないで放置しておいてもいいのです。

しかし、相手が中国となると話は違ってきます。中国はアメリカの世界覇権に挑戦し、建国100周年の2049年までに、アメリカを凌ぐ「世界覇権国」になることを宣言しています。これを「中国の夢」(中国梦)と言いますが、そんなことが実現したら、世界はどうなるでしょうか。


ブログ冒頭の記事にもあるように、習近平国家主席は憲法を改正して“終身皇帝”となり、「中華民族の偉大なる復興」を目指して着々と政策を進めています。AIIB(アジアインフラ投資銀行)も「一帯一路」構想も、みなそのための布石です。いまや、南シナ海は、7つの人工島により中国の「内海」となってしまったことは、世界中が知るところです。

自由と人権を無視した“中華秩序”(新冊封体制)が、世界秩序になる、そんな世界が実現して良いはずはありません。

結局北朝鮮問題とはは、中国の世界覇権への挑戦問題とセットなのです。米国としては、中国の夢を打ち砕くためにも、北朝鮮の体制保持を認めることはできないのです。できれば潰したいのです。そうすれば、中華秩序は韓半島に及ばなくなり、東シナ海を南シナ海と同じように中国の内海化されずにすみます。

ドラゴン・スレイヤーが跋扈するトランプ政権

本当の外交は、表面で進行している状況とはと必ずしも一致しているわけではありませか。トランプ大統領が米朝会談をどのように位置付けているかはわかりません。単なる「外交ショー」、「ディール」としているなら、追い詰められた金正恩が「CVID」(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)を約束するだけで、体制保証と制裁解除を見返りに与えるかもしれないです。

しかし、そうだとしても、それは「罠」です。アメリカがOKとする非核化までに時間がかかると困るのは、北朝鮮のほうだからです。

北朝鮮は少しでも非核化達成の時期を長引かせます。そうして、段階的に援助を引き出し、うまくいけば核を隠し持とうとするだろうという「見方」が大勢を占めているようです。しかし、そんなことをすれば、経済制裁は解除されず、北朝鮮は完全に干上がります。それはアメリカにとっては思う壺で、そのうちに北朝鮮内に内乱を起こさせ、体制を転覆させることができるでしょう。

アメリカの最終目標は、朝鮮半島の非核化ではなく、金正恩をイラクのサダム・フセイン、リビアのカダフィと同じく、この世から葬ることと考えるべきです。

そうして、“朝貢国”である北朝鮮の背後にいる“冊封国”中国にプレッシャーを与えること。これが、アメリカの本当の狙いでしょう。

トランプは、今年になって政権内を「強硬派」(hawk)で固めました。ハーバート・マクマスターの代わりにやってきたジョン・ボルトン補佐官(安全保障担当)は、「悪魔の化身」(the devil incarnate)と、「狂犬」(mad dog)と称されるジェームズ・マティス国防長官から言われる人物です。

ジョン・ポルトン補佐官

ヘンリー・キッシンジャーやジェームズ・ベーカーなど共和党の歴代国務長官のバックサポートを受け、「平和は力によって達成できる」(=交渉や条約では達成できない)と信じています。かつて、「国連などというものはない。あるのは国際社会だけで、それは唯一のスーパーパワーたるアメリカによって率いられる」と発言したことがあります。

水面下交渉のため2度、平壌に行ったマイク・ポンペオ国務長官も、完全な強硬派です。ボルトンもポンペオもかつて北朝鮮に対しては、予防戦争をやって体制を崩壊させるべきだと発言していました。

対北朝鮮ばかりか対中国を見ても、トランプ政権内には「対中強硬派」(ドラゴン・スレイヤー:dragon slayer)がそろっています。制裁関税に反対して政権を去った大統領国家経済諮問委員会のゲリー・コーン委員長に代わったのが、ラリー・クドロオ氏。アンチ・チャイナの代表的論客で、中国へ高関税を課すのは「当然の罰だ」と言う人物です。

さらに、商務長官のウィルバー・ロス氏、国家通商会議のピーター・ナヴァロ氏、そしてUSTR(アメリカ合衆国通商代表)のロバート・ライトハイザー氏も、対中強硬派である。とくにナヴァロは「アメリカの災難はすべて中国によってもたらされている」と言ってはばかりません。

このようなトランプ政権が、非核化だけで北朝鮮を生かし続けるるはずがありません。 いくら核を捨てようと、彼らは暴力と恐怖で国民を支配する独裁体制を維持し続けます。これから人々を解放することが本当の平和の達成であり、かつまた、アメリカ覇権(パクス・アメリカーナ)を維持することです。

要するに、米朝会談をきっかけとして、いずれ北朝鮮を国家として葬り、中国の力を削いでいくこと、これが、いまのアメリカの国家目標でしょう。これが、トランプ氏の本音でしょう。

トランプ大統領は金正恩をがんじがらめに

13日、ポンペオ国務長官は、アメリカの民間企業による北朝鮮への投資を認めるかもしれないと、『FOX』のニュース番組で発言しました。また、アメリカの投資家が北朝鮮のエネルギー供給網構築を支援できるかもしれないとも述べました。

ボルトン補佐官もまた、『ABC』の番組で、非核化の証拠が得られれば、アメリカは北朝鮮に民間投資を導き、経済を繁栄させる用意があると、ポンペオと同様の話をしました。

これは金正恩に対する「CVID」に同意せよというメッセージであり、「撒き餌」でしょう。この餌に食いつかせれば、あとはアメリカの思惑通りにできます。ところが、金正恩
は、中国に行き、習近平と会談しました。

トランプ大統領は27日、元駐韓国米大使で現在は駐フィリピン米大使を務めるソン・キム氏が率いる米国実務者代表団を北朝鮮に派遣しました。ソン・キム氏は長年にわたり北朝鮮の核問題を担当してきました。

同行者の中には、国家安全保障会議(NSC)のフッカー朝鮮部長のほかに、ランディ・シュライバー国防次官補らがいました。ランディ・シュラ-イバー次官補は、このブログでも紹介したことがありますが、強烈な反中派です。

その彼が、いまや板門店の北朝鮮側施設「統一郭」にいて北朝鮮の対米外交を担当する崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官らと、実務者レベルの話し合いをしていたのです。話し合いは29日まで続いたとされています。

同時にトランプ大統領はシンガポールにヘイギン米大統領次席補佐官ら一行を派遣し、北朝鮮との間で米朝首脳会談開催の調整に当たらせています。北朝鮮側からは金正恩委員長の執事(秘書室長格)とされているキム・チャンソン国務委員会部長が参加。

彼は北京経由でシンガポール入りしました。キム・チャンソン部長は5月24日に北京に到着し、26日に帰国した人物です。その間に、トランプ大統領の米朝首脳会談中止宣言が出されました。

北朝鮮とシンガポールで米朝実務者レベルが会談するという状況にいきなり追い込まれた金正恩委員長としては、まさか習近平に助けを求めに行くことなどできはしないでしょう。

おまけにトランプ大統領は27日にツイッターで「北朝鮮には素晴らしい潜在力があり、いつか偉大な経済・金融国家になるだろう。金委員長と私はこの点で認識が一致している」とつぶやいています。「北朝鮮が核放棄に応じれば、北朝鮮がこれまでにない経済発展を遂げることができる」とも言い、金正恩委員長の心を刺激しています。

金正恩は「だとすれば、いっそのこと、中国ではなくアメリカ側に付いてしまった方が得かもしれない」と心ひそかに思ったかもしれません。

トランプは、5月16日に北朝鮮が南北閣僚級会談をドタキャンしたり、「米朝首脳会談だって考え直さなければならない」などと「デカイ態度」を示し始めたことを、「金正恩が習近平と二度目の会談をしてからのことだ」と言い始め、5月7日と8日の大連会談に疑義を挟み始めました。

そうして、トランプ大統領は5月16日以降の北朝鮮の態度の変化を「中国のせい」にしておいて、それもちらつかせながら米朝首脳会談を中止しました。

これに対して、金正恩は、米朝首脳会談復活となれば、この段階でさらに習近平にSOSを出せぱ、きっとトランプがまた機嫌を悪くして「中止する」と言い出しかねないと考えたに違いありません。金正恩としては、腹の中ではどんなことをしてでも米朝首脳会談を成功させたいと考えているでしょうから、彼はもう訪中はできません。。

おまけに板門店とシンガポールの挟み撃ちで米朝実務者レベルの会談に急に追い込まれた状況で、習近平に会いに行くなどしたら、トランプの逆鱗に触れることになります。

こうして金正恩をまず、「がんじがらめにして習近平に会わせないようにする」ことに、トランプは成功したのです。

金正恩をがんじがらめにしたトランプ大統領

こうなると、習近平としては、もう何もできないです。自ら積極的に「さあ、北京にいらっしゃい」とは言えないのです。

トランプ氏は、金正恩の豹変を「中国のせい」ではないことを知りながら、あえて「中国のせい」にしたのです。

さらに、5月26日の今年に入ってから第2回目の南北首脳会談のあと、文在寅大統領は米朝首脳会談のあと「南北米」で朝鮮戦争の終戦協定に入ってもいいと27日に語りました。

となると、朝鮮戦争で最も多くの兵士を参戦させ、また多くの犠牲者を出した中国は、その終戦協定という平和体制への移行に発言力を持てなくなってしまいます。

しかし「米朝は対話のテーブルに着け」と言い続けてきたのは中国です。今まさにそのテーブルに着こうとしているのですから、中国としては文句が言える筋合いではありません。こうしてトランプは、習近平の口をも閉ざさせてしまったのです。

これが十分に練り上げた戦略として編み出されたものか、あるいはトランプのビジネスマンとしての「勘」が、結果的にここまで行ってしまったのかは、わからないです。いずれにしても、トランプの圧勝です。

もしトランプが北朝鮮の「完全な非核化の程度」に満足して莫大な経済支援をしたとすれば、金正恩なら、「習近平からトランプに乗り換える」くらいのことは、やるかもしれないです。

どんなに中朝軍事同盟があり、中朝蜜月を演じたとしても、それはアメリカへの威嚇であって、その威嚇が必要となくなれば、中国は「いざという時の後ろ盾」程度の位置づけになり、存在感を失うことになるでしょう。

こうして、「中国の覇権」を抑え込むために、トランプは十分に金正恩という駒を駆使しているのかもしれないです。

中国に対抗することが米国の長期戦略に

先に、トランプ大統領の目標は、「朝鮮を国家として葬り」と掲載しましたが、これは何も軍事作戦だけを意味するものではありません。

北朝鮮の体制を転換させ、いずれ民主化させるということもありえます。そのほうが、経済的にも、恵まれることになります。そうして、そのときには、北朝鮮は米国にとって軍事的にも経済的にも、対中国の最前線基地になっているかもしれません。

一方、北朝鮮があくまで、体制転換を望まないというなら、その時には徹底的に制裁をして、軍事力も用いて、北の現体制を潰し、新たな政権を樹立させるかもしれません。

トランプ大統領としては、場合によってどのような道も選べるように、強烈なタカ派を重用しつつ、中国に対抗できる体制を整えたのです。そうして、中国に対抗していくことを米国の国家戦略に据えたのです。

そうして、この戦略は習近平が、習近平国家主席は憲法を改正して“終身皇帝”となり、「中華民族の偉大なる復興」を目指して着々と政策を進めている現在、たとえポスト・トランプが誰になろうと、民主党政権に政権交代したとしても、引き継がれることでしょう。その意味で、少し前までの米国と現在の米国は根本的に変わってしまったのです。

これから米国がどのように変わったにしても、習近平皇帝の意のままにはさせないということで、米国は一致団結することでしょう。

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2018年5月29日火曜日

なぜかマスコミが報じない「大卒就職率過去最高」のワケ―【私の論評】金融緩和策が雇用対策であると理解しない方々に悲報!お隣韓国では、緩和せずに最低賃金だけあげ雇用が激減し大失敗(゚д゚)!

なぜかマスコミが報じない「大卒就職率過去最高」のワケ 

今春の大卒就職率、過去最高98%、高卒も27年ぶり高水準

 大卒就職率が3年連続で過去最高となったことについて、報道では「景気の回復基調」や「人手不足」とだけ説明されているが、これはあまりに表面的、断片的だ。金融緩和が失業率の低下や就職率の改善に至るメカニズムについてあらためて解説してみよう。

 筆者のような大学関係者には、大卒就職率が98%まで上昇したのは喜ばしい。なにしろ卒業後に就職できるかどうかは社会人生活のスタートで大きな違いになるので、大学生の最大関心事は就職だ。

 もっとも、この数字は想定内だ。そもそもマクロ経済政策では、第一に雇用の確保、第二に給与アップを達成することが重要だ。実は、雇用の確保をすれば人手不足の状況が生まれるので、給料は自ずと上がってくる。この意味で、やはり一番に目指すべきは雇用増ということになる。

 雇用は、失業率や就業者数等で測れるが、どちらを取っても安倍晋三政権の実績はいい。バブル崩壊以降では、最も良い雇用状況といってもいいだろう。

 アベノミクスの金融政策による効果は、マクロ経済学の教科書通りの話だ。金融緩和によって実質金利を下げて、株高、円安を生じさせるとともに、実物経済を押し上げ、具体的に民間の有効需要を増加させて、雇用が伸びる-という仕組みだ。

 有効需要が高まる点については、「金融緩和」と「積極財政」はマクロ経済の観点から見れば変わりはない。ただ、効果の即効性や波及範囲で両者は異なっている。財政政策は公的部門の有効需要へ直接働きかけるので即効性がある。他方、金融政策は民間部門の有効需要へ実質金利を通じて働きかけるので、波及範囲は広いが、効果は即効的ではなく持続的である。

 このため、財政政策の方が一般にはイメージしやすいが、雇用をみれば、民間部門に徐々に効果が持続する金融政策の効果もわかるだろう。こうしたマクロ経済学ベースの知見があるので、「金融政策は雇用政策」ともいわれているわけだ。

 金融緩和の効果を理解できずに、いまだに一部野党やマスコミでは「雇用が伸びているのは人口減少のためだ」という人がいるが、人口減少はここ20年くらいずっと続いている現象だ。にもかかわらず、最近においては、大規模な金融緩和を実施した安倍政権と小泉純一郎政権以外のときには、就業者数は増加していない、という事実を知るべきだ。

 大卒の就職率と前年の失業率には強い相関がある。バブル崩壊以降で最も雇用環境が良く、失業率は最低水準なので、大卒就職率が過去最高なのも納得だ。

 6年前の民主党政権時代には、筆者はひたすら大学から企業に採用をお願いする立場だった。政権交代の後、アベノミクスの金融緩和が継続する見通しを述べて、「そのうち就職率が高まり、就職市場は売り手市場になるだろう」と予想していたが、それが実現しつつある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】金融緩和策が雇用対策であると理解しない方々に悲報!お隣韓国では、緩和せずに最低賃金だけあげ雇用が激減し大失敗(゚д゚)!

雇用と、マクロ政策との関係は、以下のグラフを見ればすぐに理解できます。これを理解しているのと理解していないのとでは雲泥の差があります。以下のグラフは高橋洋一氏が作成したものです。


このグラフと、マクロ政策のうち、財政政策は公的部門の有効需要へ直接働きかけるので即効性があるものの、持続性には欠ること、他方、金融政策は民間部門の有効需要へ実質金利を通じて働きかけるので、波及範囲は広いが、効果は即効的ではないが持続的であることを理解していれば、マクロ政策のほとんどは理解できます。

また、実質賃金と雇用との関係については、大企業の人事に勤めたことのある人ならすぐに理解できるはずです。会社の業容が拡大しているときには、まずは最初に賃金の低いパート・アルバイトを雇い、次の段階ではまずは正社員でも賃金の低い新人を雇用します。

そうなると、相対的に賃金の低い人の雇用が増えるので、平均値である実質賃金は低下します。いずれ、中途採用をしたり、既存の社員の賃金が上昇したりするので、実質賃金もあがりはじめます。

国レベルでの、実質賃金も同じことです。金融緩和によって、雇用が増えると、まずはパート・アルバイトが増えはじめるので、実質賃金そのものは低下する傾向になります。

これを理解できない人が、「実質賃金がー」などといって大騒ぎするわけです。

また、雇用が増えると、最初は労働生産性は低下します。なぜなら、新人を雇うわけですから、当初は教育・訓練が必要となることや、コミュニケーションコストが増えることにより、労働生産性は低下しますが、時間の経過ととも、教育・訓練の成果と、コミュニケーションコストが低減して労働生産性は元に戻ります。

これは、IT関連企業てブロジェクト・リーダーをした人も理解しやすいかもしれません。ブロジェトの進捗が遅いので、それをはやめようとして、ブロジェクトの人数を倍にしたとしても、当初は効率が上がるどこか、落ちます。これは、コミュニケーションコストが大幅に上昇するからです。ただし、当初はそうでも、時間とともに効率があがり、やがてあがりはじめます。効率があがるまでには、タイムラグがあるのです。

このようなことは、理屈で考えれば、すぐに理解できることなのですが、これを理解できない人たちが、「実質賃金がー」とか、「民主党政権のときは実質賃金が高かった」などと言って騒ぐわけです。

しかし、これは完璧に間違いであることは、上記で明らかです。しかし、それでも、「実質賃金がー」「労働生産性が~」などと騒ぐ方々がいらっしゃるわけです。

ところか、こういう人たちに遇の音も出ないような、はっきりした事例がお隣韓国にあります。その事例が掲載された記事を以下に掲載します。
最低賃金が招いた「雇用ショック」…韓国の失業率4.5%…17年ぶり最悪
最低賃金引き上げの影響を大きく受けると認識される業種の雇用が2カ月間で26万件も消えた。就業者数の増加幅は2年連続で10万人台にとどまり、失業率は3月基準で17年ぶりの最高水準となった。

統計庁が11日に発表した2018年3月の雇用動向によると、先月の卸・小売業と飲食および宿泊業の就業者数は372万3000人と、前年同月比でそれぞれ9万6000人減、2万人減となった。これら業種はアパート警備員などが含まれる事業施設管理・事業支援および賃貸サービス業と共に最低賃金引き上げの影響を大きく受けると認識されている業種だ。

これら3業種は2月にも就業者数が前年同月比で14万5000人減少した。2カ月間でこれら業種の26万人の雇用が消えたということだ。最低賃金の急激な引き上げが雇用に悪影響を及ぼしていると考えられる。

実際、雇用市場全体は2カ月連続でショック状態だ。3月の全体の就業者数は2655万5000人と、1年前に比べて11万2000人増にとどまった。2月は就業者数増加幅が約8年ぶりの最低水準となる10万4000人だった。2カ月連続で「雇用ショック」が発生している状況だ。

昨年9月の就業者数増加幅(前年同月比)は31万4000人だったが、10月から3カ月連続で20万人台に減少した。今年1月は33万4000人に増えたが、2月と3月は10万人余りに急減した。

これを受け、3月の失業者数も125万7000人と、3カ月連続で100万人台となった。現在の基準で失業者の集計を開始した2000年以降、3月基準で最も多い。失業率は4.5%と、前年同月比で0.4ポイント上昇した。3月基準では2001年(5.1%)以来17年ぶりの最高水準。青年層(15-29歳)の失業率は11.6%と、3月基準で2016年(11.8%)以来2年ぶりの最高水準となった。

統計庁のビン・ヒョンジュン雇用統計課長は「最低賃金引き上げの影響もあるだろうが、観光客の減少など他の影響が複合的に影響を及ぼした可能性もあり、最低賃金引き上げの影響を正確に把握するのは難しい」と述べた。続いて「過去に就業者数の増加を牽引した建設業の状況が良くなかったうえ、人口増加幅自体が大きく減った」とし「昨年3月の就業者増加幅が46万3000人にのぼったため、これとの比較による影響もある」と話した。

企画財政部の関係者は「青年雇用の不振と構造改革リスクなどに対応し、青年雇用対策と補正予算の編成を迅速に進める」と述べた。
お隣の韓国では、金融緩和政策を実施せずに、急激に最低賃金をあげたことが、このような結果を招いてしまったのです。

最低賃金をあげるには、ただあげるだけではなく、雇用政策として最初に金融緩和策を実行すべきだったのです。金融緩和策を実行すれば、人手不足が深刻となり、人手を確保するには各企業が、自ら賃金をあげるようになります。このような状況になってから、最低賃金をあげるようにすれば、雇用を犠牲にすることなく、上げることができるのです。

こんなことをいうと、韓国社会は遅れているから、まずは構造改革などを先にすべき、そもそも韓国が金融緩和をすれば、キャピタルフライトがおこるなどとしたり顔をおっしゃる方々もいまますが、これも大間違いです。

日本でも過去に日本の経済の停滞は日本社会の構造に原因があるとして、構造改革を進めようとして、金融緩和策、積極財政にはノータッチで、構造改革を進めようとした時期がありました。しかし、これはことごとく失敗しました。

結局、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏が指摘しているように、大規模な金融緩和を実施した安倍政権と小泉純一郎政権以外のときには、就業者数は増加していません。

安倍政権が成立して金融緩和ををする前は、日本では量的緩和をすると、キャピタルフライトがおこるなどともいわれましたか、ご存知のように日本で金融緩和を実施してもそのようなことは起こりませんでした。

なぜ、そのようなことにならないかなど、アイスランドでなぜキャピタルフライトが起こったのかなどを調べれすればすぐにわかります。

それについては、このブログでも、掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
未来がなくなった亡国への光景 韓国の若者、楽して暮らせる公務員「最低職位」試験に殺到―【私の論評】ポスト安倍は日本も韓国並に八方塞がりに(゚д゚)!
韓国の若者に「公務員志望」が高まっているという(写真と本文は関係ありません)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にアイスランドのキャピタル・フライトの原因について関係する部分のみを引用します。

かつてキャピタルフライトの起きた国としてアイスランドは有名です。
その頃アイスランドはGDP比で700%もの外貨建ての借金をしていました。しかし、当時のアイスランドの政府債務対GDP比は29%しかありませんでした。この700%もの債務は一体誰が負っていたのでしょうか。 
アイスランド政府の借金でないのであれば、あとは民間しかありません。この膨大な対外の外貨建て債務は国内の金融機関が負っていた負債でした。 
このような国であれば、当然のことながらキャピタルフライとは起こりえます。そうして、実際アイスランドではそれが起こったのです。
政府が財政黒字であったにもかかわらず、財政破綻した
国アイスランドの政府債務対GDP比の推移

このようなことを掲載すると、日本は借金をしているから大変だ、日本も大変だと考える人もいるかもしれません。しかし、日本は借金どころか、世界に最もお金を貸している国です。

実際、財務省は25日、日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を差し引いた対外純資産残高が昨年末時点で328兆4470億円になったと発表しました。27年連続で世界最大の純債権国となりました。

ただし、1年前から2.3%減り、3年連続で前の年を下回ったとしています。これは、日本企業の株価が上昇し、海外投資家が持つ証券の評価額が膨らみ、対外負債が増えたためです。

このような国がキャピタルフライトをするはずなどありません。

韓国の場合は韓国銀行が昨年2月22日、韓国の対外債権が前年比638億ドル増の7843億ドルとなったのに対し、対外債務は151億ドル減の3809億ドルだったと発表しました。この程度の借金であれば、韓国も金融緩和をしたからといって、アイスランドのようにキャピタル・フライトが起こることもありません。

このようなことを分析していけば、やはり韓国も日本のように金融緩和をして、雇用状況を良くした後に、最低賃金を上げるとか、構造改革に取り組むなどをすべきだったのです。

順番が間違えているのです。まずは、何が何でも最初に雇用を良くしなければならないのです。

これは、日本でも同じです。日本でも、韓国と同じように最初に最低賃金をあげていれば、とんでもないことになりました。

お隣韓国で、このような大失敗の事例があるにもかかわらず、日本ではほとんど報道もされず、日本の政治家の多くや、マスコミは未だに雇用と金融政策の関係を理解していません。本当に困ったものです。本来そんな人が、経済記事を書いたり、雇用を論じたりする立場におさまっていること自体が奇異なことだと思います。

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2018年5月28日月曜日

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武漢で非公式な首脳会談を行ったインドのモディ首相と、習近平

中国の習近平国家主席とインドのモディ首相は、4月27~28日に、中国の武漢で非公式な首脳会談を行った。インド政府の発表によれば、要点は次の通りである。

 両首脳は、中印両国が経済大国、戦略的主要国として同時に興隆することが、地域と世界にとり重要な意味を持つと考える。平和的、安定的で、バランスの取れた中印関係が、現在のグローバルな不確実性の安定化にとり有益なファクターである、との見方を共有する。中印2国間関係の適切な管理は、地域の発展と繁栄に資するものであり、「アジアの世紀」の前提条件となる。

 両首脳は、中印国境問題に関する特別代表の作業への支持を表明し、公平、合理的、相互に受け入れ可能な解決を追求する努力を強化するよう求めた。中印国境地帯全域の平和と静穏の維持が、両国関係全体の発展において重要であることを強調。国境問題の管理における、両国軍間の信頼醸成、相互理解、予測可能性を高めるための戦略的ガイダンスを発表。国境地帯における偶発事態を防ぐべく、両国軍にさらなる信頼醸成の実施を指示した。

 両首脳は、2国間の貿易と投資を、均衡的で持続可能なやり方で前進させることで合意した。文化的、人的交流の促進についても議論し、新たなメカニズムの構築を模索することで合意した。

 両国は、戦略的対話を強化する必要につき合意。かかる戦略的対話は相互理解に役立ち、地域と世界の安定に貢献する。

 中印はそれぞれ、成長と経済発展を通じて世界の平和と繁栄に大きな貢献をしており、今後とも世界の成長のエンジンであり続けるだろう。開放的、多極的、多元的、参加型のグローバル経済秩序は、あらゆる国の発展追求を可能にし、世界中の貧困と不平等の除去に貢献する。

 気候変動、持続可能な発展、食料の安全、感染症との戦い、テロ対策など、グローバルな問題で、両国は協力する。

出典:‘India-China Informal Summit at Wuhan’インド外務省

 今回の非公式首脳会談は、毛沢東ゆかりの地である武漢で開催され、両首脳は、船上でお茶を飲み、インド音楽を聴くなどして、友好ムードを演出したという。中国外務省は、習近平が「今回の会談で両国関係の新たな1ページを開きたい」と語り、モディが「今回の会談は歴史的意義を持つ」と述べた、と発表している。両国とも、何らかの形で経済関係を好転させたい意図があることは、上記会談の要点からも見て取れる。しかし、中印関係が緊張する戦略的構図に何ら変化がないのであるから、武漢での首脳会談で演出された「雪解け」は、あくまでも一時的なものにとどまると考えられる。

 中印関係を緊張させる第一の要因は、1962年の中印国境紛争の原因ともなった、ヒマラヤにおける国境問題である。昨年だけをとってみても、次のような小競り合いが起こっている。6月に中国がブータンのドクラム高原に道路を建設し始めたことに対抗し、8月にはブータンの擁護者であるインドが部隊を派遣、中印両軍がにらみ合った。12月末には、インドが実効支配するアルナーチャル・プラデーシュ州で、中国による道路建設に対し、インド軍とインド・チベット国境警察が出動し、中国側の作業員を追い返すなどしている。

 中印間の緊張の大きな要因には、国境問題に加え、中国のインド洋への進出、中国とパキスタンの関係緊密化がある。両者はともに、最近中国が強力に推進している巨大経済圏「一帯一路」構想とも関連している。

 「一帯一路」のうち「一路」に当たる「海洋シルクロード」は、歴史的にインドの影響下にあったインド洋を舞台にしている。中国は、インド洋沿岸国へのインフラ投資を強化している。スリランカやモルディヴへの港湾建設は、その典型的な例である。また、中国はインド洋に海軍を積極的に展開し、インドに強い警戒感を与えている。

 そして、「一帯一路」には、インドの宿敵パキスタンが含まれる。この点は、インドにとって極めて重大である。インドとパキスタンは、カシミール地方をめぐって常に一触即発の状態にあるが、「一帯一路」の主要構成要素と位置づけられる「中国パキスタン経済回廊」は、そのカシミール地方を通過する。インドが強く反発するのは当然である。


 したがって、インドは「一帯一路」への警戒を隠さず、上記首脳会談の直前の4月24日に北京で開催された上海協力機構(SCO)外相理事会のコミュニケで、参加国中唯一「一帯一路」への支持を表明していない。「一帯一路」にはネパールも含まれるが、武漢での会談後の5月11日にはモディ首相が、親中派が政権の座についているネパールを訪問し、両国の関係強化で一致するなど、巻き返しを図っている。

 そして、インドは、中国のインド太平洋地域における影響力の増大に危機感を抱き、日米豪に接近している。日本が掲げる、自由、民主主義、市場経済、海洋の自由といった価値を基本に据えた「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、インドにとっても魅力的に映ると思われる。中印関係が劇的に好転する要因は見当たらず、インドと日米豪との接近は続くことになろう。

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最近では、北朝鮮のことが、注目されていますが、これ以外の地域でも世界は未だに緊張が続いています。中国は北朝鮮の後ろ盾となっていますが、その中国はブログ冒頭の記事のようにインドとの対立が続いていました。

ブログ冒頭の記事では、中印関係が劇的に好転する要因は見当たらず、インドと日米豪との接近は続くことになると予測しています。

なぜこのようなことがいえるのかとえば、過去の中印、インド・パキスタン関係の歴史をみれば明らかになります。

以下に中印国境紛争の歴史をまとめておきます。

1962年10月に起こった中国軍とインド軍の国境での衝突。中印戦争ともいいます。中国とインドは1954年に周恩来とネルーの間で「平和五原則」による友好関係を成立させていました。また、ネルーは非同盟主義を提唱し、二大陣営のいずれとも同盟関係を結ばないことをインド外交の方針としていました。

周恩来(左)とネルー(右)

チベットの反乱から国境紛争へ

ところが、1957年ごろからヒマラヤ山中の両国国境をめぐって対立が始まった。1959年に中国によるチベット侵略が始まりチベット内で反乱が起こり、ダライ=ラマ14世がインドに亡命したことから対立は決定的となりました。ネルーは中国との友好という原則があるとはいえ、チベットの保護とインドの安全のためには軍事行動もやむを得ないと表明しました。

24歳のダライ・ラマ、1959年4月14日

1962年10月、中国軍が中印国境の東部(1914年、イギリスの仲介で設けられたマクマホン=ライン)と西部(カシミール地方)で軍事行動を開始、インドも「祖国防衛」を呼びかけ応戦し、戦争状態に入りました。しかし、インド軍は全戦線で中国軍に圧倒され、苦境に立たされることになりました。

ネルー、非同盟外交政策を放棄

厳寒のヒマラヤで夏服で戦ったインド軍が壊滅的な敗北を被り国中がパニックに陥りました。ネルーはケネディに支援を要請し、ケネディはネルーの体面を保ちながら支援に踏み切りました。11月下旬中国は一方的に休戦を宣言し、兵を引き揚げました。

当時のケネディー米国大統領

この戦争は米印関係を好転させましたが、ネルーの非同盟主義が破綻したことを明らかにしました。中印戦争でソ連は中立を保ち、それ以上に非同盟主義で連帯する国家でインドを支援した国はほとんどなく、その政策を常に批判していたアメリカから支援を受けざるを得なかったのです。

この対米傾斜はアメリカの同盟国パキスタンを中国に接近させました。このときすでに病気であったネルーは、64年5月死亡しました。

未解決の中印国境問題

中印国境紛争は「宣戦布告なき戦争」でした。中国軍は優勢なまま、全面的な停戦と撤退を表明しました。東部ではインドの主張するマクマホン=ラインを中国は承認せず、西部のカシミール地方ではインドが自国領であるとするアクサンティ地区を中国は実効支配し、自動車道路を建設しています。

この戦争開始と共にインドと中国はそれぞれ大使を引き揚げ、外交関係は断絶しましたが、中国はソ連、インドはパキスタンというそれぞれ新たな敵対国があらわれたため、ようやく1976年に大使を交換し外交関係を再開させました。しかし、国境問題は依然として未解決のまま、棚上げされた状態で今日に至っています。

以下には、インド・パキスタン戦争についてまとめます。

インド・パキスタンの双方の独立した1947年以降、インドとパキスタンは3次にわたる戦争を展開しました。第1次と第2次はカシミール帰属問題、第3次は東パキスタン独立問題をめぐって起こりますした。

第1次インド=パキスタン戦争

1947年 独立に際し、カシミール藩王国の藩王はヒンドゥー教徒であったのでインド帰属をめざしたのですが、住民の大部分を占めるイスラーム教徒が反発し衝突。インド軍、パキスタン軍がそれぞれ軍を派遣し軍事衝突となりました。インド軍優勢のうちに国際連合の調停で休戦しました。

第2次インド=パキスタン戦争

1965年 インドが実効支配していたジャンム=カシミールの完全統合を宣言したことにパキスタンが反発。背景にはインドが中印国境紛争(1962年)で中国軍と戦い、実質的に敗北したことがあげられます。

カシミール地方の国境上で両国が武力衝突し、米ソの国連での働きかけによって停戦が成立しました。この停戦ラインによってそれぞれ実効支配を分けていますが、双方ともカシミール全域の領有権の主張を取り下げておらず、国境問題は現在でも未解決となっています。

第3次インド=パキスタン戦争

1971年 パキスタンが東部パキスタン(ベンガル地方)の独立運動を弾圧。多数の難民が発生しました。インドのインディラ=ガンディー政権は東部パキスタンに対して軍事援助を行って、独立を支援しました。インドが有利な闘いを進めて勝利し、その結果、東部パキスタンは独立してバングラディシュとなりました。

東パキスタンがパキスタンから分離した結果、インドとパキスタンの係争地点はカシミール問題に集中することとなり、両国はそれぞれの実効支配地域への軍配備を増強し、にらみ合いは現在でも続いています。

印パの核実験

特に80年代には、インドにおけるヒンドゥー至上主義が台頭し、ナショナリズムを掲げたインド人民党(BJP)が1998年には政権を獲得するに至り、パキスタンでも軍事政権によるイスラーム化が進められました。1998年にインドが核実験に踏み切ると、同年、パキスタンが核実験で対抗、南アジアにおける核戦争の勃発が危惧されました。

印パ対立の背景の変化

カシミール地方では、再三、両国軍が衝突する事態となりましたが、一定の抑止力が働き全面戦争へのエスカレートは抑制されました。その背景には、1991年にソ連の解体し、東西冷戦の構造が解消されたことが挙げられます。

それまでの両国の対立は、インドはソ連と、パキスタンはアメリカ及び中国と結びついてそれぞれ支援を受けるという構造がありましたが、ソ連の崩壊によってインドはアメリカとの和解に向かわざるを得なくなりました。

また、中国との関係も、中国で改革開放路線が進んだ結果として改善されていきました。そのような中、両国とも核武装を維持することは経済を圧迫し、経済成長を阻害することが明らかになっていました。

そのような中で2001年、9.11同時多発テロが発生、アメリカはイスラーム原理主義との対決を強めるため、インドとパキスタンの対立を解消する必要に迫られました。そのような情勢の変化から、アメリカはインド=パキスタンの和平に積極的に関わり、両国関係は次第に安定しました。

ムンバイ同時多発テロ

しかし、2008年11月にはインドのムンバイで同時多発テロが起こり、ホテルなどが襲撃され、日本人を含む160人が殺害されました。インド当局は、パキスタンから越境したイスラーム過激派の犯行と断定し、パキスタン側に犯人の引き渡しを要求しました。

パキスタンはテロ実行犯を逮捕しましたが、インドへの引き渡しは拒否し、2015年4月の裁判では武装組織の司令官を証拠不十分として釈放しました。インドは強く反発し、両国関係の悪化が危惧されています。

ムンバイ同時多発テロで燃え上がるラグジュアリーホテル タージマハル

以上の歴史を見直してみると、中国とインド、インドとパキスタンの関係が悪化した、最初の原因は、1959年に中国によるチベット侵略が始まりチベット内で反乱が起こり、ダライ=ラマ14世がインドに亡命したことから始まっていることがわかります。

特に中印関係が悪化したのは、中国が原因であることがはっきりしています。今日、侵略国家中国は南シナ海を侵略し、そこを拠点にインド太平洋地域に進出しようとしています。

地図上の濃い青の部分が生物地理学上のインド太平洋

今のまま放置しておけば、中国はインド太平洋地域において過去の歴史を繰り返すのは必定です。日米豪印は、一致協力して、これを食い止め中国を封じ込めなければなりません。北朝鮮情勢がある程度収束すれば、次の世界の課題は中国封じ込めになります。

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2018年5月27日日曜日

日大アメフト内田前監督は「次の理事長」ともいわれた実力者―【私の論評】日大理事会は真摯さに欠ける理事を全員辞任させよ!さもなければ、組織が完全腐敗し、いずれ崩壊する(゚д゚)!

日大アメフト内田前監督は「次の理事長」ともいわれた実力者

2018年5月、アメリカンフットボールの悪質な反則行為問題について、
羽田空港で取材に応じ、うつむく日大の内田正人監督

 日本大学アメフト部が起こした悪質タックル事件は、監督を辞任することを表明した内田正人氏(62)が“首謀者”とされたことで、混迷を極めた。問題のプレーは5月6日、関西学院大学との定期戦で起こった。パスを投げ終えて2~3秒後の無防備なQBに、日大選手が背後から猛タックル。倒れた選手は全治3週間のケガを負った。

 タックルをした選手は、「“(反則)やるなら(試合に)出してやる”といわれた」と周囲に話していたことが相次いで報じられ、内田氏の指示が疑われている。日大選手は関東学生連盟から処分を受け、内田氏は辞任を表明した会見で「一連の問題は全て私の責任」と語ったが、反則を指示したかについては語らず、関学大側に文書で回答するとしている。

 日大は、本誌・週刊ポストの取材に対して「監督についてはラフプレーを指示した事実はありません。ですから、現在は責任を問う状況になっていません」(広報部)と話していたが、結局は辞任に追い込まれた形だ。大学側がそこまで擁護し続けた内田氏とは、どういった人物なのか。

 スパルタで知られる日大の名将、故・篠竹幹夫監督のもとでQBとして活躍し、後にコーチとなって支えた。2003年に監督に就任すると、大学日本一を決める甲子園ボウルに5度の出場を果たす。昨年は27年ぶり21度目の日本一に導いた名将である。

 監督であると同時に、日大卒業後は大学に就職した職員でもある。保健体育事務局長という役職から、理事を経て、現在は5人しかいない常務理事となっている。日大関係者が明かす。

「内田さんは出世街道を歩んできた“日大エリート”です。日大には体育会の入部人数や予算を差配する保健体育審議会があり、その事実上のトップが内田さん。前トップが今の田中英壽理事長で、このポジションは日大の出世コースといわれています。

 内田さんは人事部長も兼ねていて人事権も持つ。学内では田中理事長の側近と見られており、“理事長に万一のことがあれば次は内田”といわれている実力者です」

 アメフト部の監督は辞任したが、大学の常務理事という立場は続くことになる。

【私の論評】日大理事会は真摯さに欠ける理事を全員辞任させよ!さもなければ、組織が完全腐敗し、いずれ崩壊する(゚д゚)!

スポーツの世界では、スポーツ・インテグリティ(sports integrity)ということが最近いわれています。

これは、何かといえば、だいたい以下のことに集約されます。

1.「インテグリティ」とは、「高潔さ・品位」「完全な状態」を意味する言葉。 
2.スポーツにおけるインテグリティ(スポーツ・インテグリティ)とは、「スポーツが、様々な脅威により、欠けることなく、価値ある高潔な状態」。 
3.本来、スポーツには、人々を幸福にして、社会を善い方向に導く力があるといわれている。スポーツが本来持つ力を発揮するためには、誠実性・健全性・高潔性が守られていることが前提。
以下に、このスポーツ・インテグリティを脅かす要因についてのチャートを掲載します。



今回の事件はスポーツ・インテグリティを脅かすものであって、その結果あのような事件が起こってしまったものです。

スポーツ・インテグリティに関しては、笹川財団の行った昨年のセミナーのレジメが詳しいです。
「スポーツ・インテグリティについて考える」 

そうして、今回の事件では、スポーツ・インティグリティの毀損の理由としてガバナンスの欠如についてはあまり報道されていません。これに関しては、日大自体のガバナンスの欠如、それと学生スポーツそのものをガバナンスする機構が欠けているということをこのブログでは指摘しました。おそらく巷の報道よりは、かなりガバナンスについて突っ込んだものになっていると思います。

それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
日大悪質タックル問題 醜聞にまみれた米名門大の「前例」―【私の論評】我が国では大学スポーツという巨大資源をガバナンスの範疇から外し腐らせている(゚д゚)!
日大選手の記者会見 

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、日本では学生スポーツ全体をガバナンスする機関もなく、日大のガバナンスにも問題があること、特に内田正人氏が、日大の常務理事と監督を兼任していたことが問題であることと、日大自体のガバナンスの正当性に問題があること等を指摘しました。

この記事では、ガバナンスとはそもそも何かというその定義や、あるべき姿なども掲載しました。

また、ガバナンス(統治)の正当性については、以下のようにまとめました。
社会においてリーダー的な階層にあるということは、本来の機能を果たすだけではすまないということである。成果をあげるだけでは不十分である。正統性が要求される。社会から、正統なものとしてその存在を是認されなければならない。
そのような正統性の根拠は一つしかない。すなわち、人の強みを生かすことである。これが組織なるものの特質である。したがって、マネジメントの権限の基盤となるものである。 
そうして、この記事では述べませんでしたが、ガバナンスの正当性の根拠である「人の強みを活かす」ことであることはかなり重要なことです。そうして、この点を理解していないマネジメントも多いです。

そうして、これはマネジメントするもの、すなわちマネジャーのインテグリティに多いに関わっています。インテグリティは、スポーツ界はもとよりありとあるゆる組織のマネジャーに必要不可欠な資質なのです。

「インテグリティ」(integrity)とは誠実、真摯、高潔、整合性などの概念を意味する言葉です。組織のリーダーやマネジメントに求められる最も重要な資質、価値観を示す表現として、特に欧米の企業社会でよく使われます。

あらゆる組織のーのインテグリティ(誠実さ)を最優先し、法令順守だけでなく、より幅広い社会的責任の遂行と組織の倫理の実践を目指す広義のコンプライアンス経営を、インテグリティ・マネジメントと呼びます。

米国企業の経営方針や社員が守るべき行動規範を記した文面には、「インテグリティ」という言葉が頻繁に使われています。「人を雇うときは三つの資質を求めるべきだ。すなわち、高潔さ、知性、活力である。高潔さに欠ける人を雇うと、他の二つの資質が組織に大損害をもたらす」(スティーブ・シーボルト著『一流の人に学ぶ自分の磨き方』より)と語ったのは、世界一の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェット氏です。

ここで「高潔さ」と訳されている概念がインテグリティです。インテグリティを伴わない知性や活力は危険でさえあり、それならばいっそ愚かで怠惰な人間を雇うほうがましだと、バフェット氏は主張しています。


この言葉を好んで用い、インテグリティこそが組織のマネジメントを担う人材にとって“決定的に重要な資質”だと喝破したのが、経営学の大家ピーター・ドラッカーでした。ドラッカーはたとえば著書『現代の経営』で、次のように語っています。
マネジャーが学ぶことのできない資質、習得することができず、もともと持っていなければならない資質がある。(中略)それは、才能ではなく真摯(integrityの日本語訳)さである。 
部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法など、ほとんどのことは許す。しかし、真摯さ(integrity)の欠如だけは許さない。 
真摯さ(integrity)に欠けるものは、いかに知識があり才気があり仕事ができようとも、組織を腐敗させる。
三番目の言葉には、先述したバフェット氏の指摘との共通性も感じられます。とはいえ、「高潔さ」「真摯さ」といわれても、あまりに漠然としていて、いまひとつピンとこないのも事実です。

人を雇ったり、リーダーを選んだりする場合、要するに、インテグリティに優れた人とはどういう人のことなのか、具体像がこの言葉だけからではつかみにくいです。

実はドラッカー本人でさえ、「インテグリティの定義は難しい」と語っています。ただし、“インテグリティの欠如”を定義するのは難しくないとしています。ドラッカーは、インテグリティの欠如した人物の具体例を、『現代の経営』中で次のように列挙しています。
  • 人の強みではなく、弱みに焦点を合わせる者
  • 冷笑家
  • 「何が正しいか」よりも「誰が正しいか」に関心をもつ者
  • 人格より頭脳を重視する者
  • 有能な部下を恐れる者
  • 自らの仕事に高い基準を定めない者
上記のような者は、たとえ他の何かが優れれていたとしても、真摯さ(integrity)に欠け、組織を腐らせるとしています。

マネジメントの担い手としてインテグリティに優れた人材を充てようと思ったら、逆に、このような“インテグリティの欠如”を物語る特徴にフォーカスして人を判別すべきだと思います。

ドラッカーは「真摯さ(integrity)は習得できない。仕事についたときにもっていなければ、 あとで身につけることはできない。 真摯さはごまかしがきかない。 一緒に働けば、その者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。 部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法など、 ほとんどのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない。 そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さない」としています。

さて、日大の内田正人常務理事はどうなのでしょうか。会見などでの発言を聴いている限りでは、真摯さに欠ける面があるようにも、思われます。

日大の理事会は、内田氏に限らず、理事の中に真摯さに欠ける人間がいるかどうかを精査すべきです。ドラッカーが指摘するように、理事会にともに他の理事働いたことのある理事は、すでにそれを判別できるはずです。



日大理事会は、真摯さに欠ける理事がいたら、すぐにもそのような人物は辞任させ、真摯さに欠けない人間だけで、理事会を構成するようにして、今一度スポーツだけではなく、すべての分野においての統治機能を強化するべきです。それが今回の不祥事のようなことを起こらないにするための第一歩です。

これをしなければ、日大の組織は完璧に腐敗し、いずれ崩壊することになります。なぜなら、どんな組織も社会が許容するから存続が許されているのであり、社会が許容しなければ、どんな巨大組織であっても一夜にして崩壊するからです。

現状を放置すれば、やがて日大もそのような運命をたどることになるでしょう。

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2018年5月26日土曜日

【日本の解き方】「愛媛県文書」でまた大騒ぎ 生かされない1年前の経験、面会の有無は本質ではない―【私の論評】今のままいけば安倍総理3選、次期衆参議員選挙での勝利は間違い無し(゚д゚)!

【日本の解き方】「愛媛県文書」でまた大騒ぎ 生かされない1年前の経験、面会の有無は本質ではない

愛媛県が公開した内部文書を安倍首相は否定

 愛媛県は加計学園の獣医学部新設をめぐり、安倍晋三首相が加計孝太郎理事長と3年前に面談し、獣医学部新設構想の説明を受けたとされる内部文書を公開した。安倍首相と加計理事長は否定している。

 約1年前、「首相の意向」と書かれた文部科学省の文書がリークされた。筆者は当時、その文書を「内容が盛られた文科省当事者の一方的なメモ」と断じた。役所のメモでは、そこに書かれた人のチェックがなければ書きたい放題になることは筆者自身も何回も経験していたからだ。その後、文科省の当事者である前川喜平・元事務次官ら関係者による国会審議でも、「首相の意向」などは立証されていない。

 この文科省文書の例でわかるように、いくら真面目な県庁職員だったとしても、相手の確認済みでないと、盛った話が多いので、証拠能力のある公文書にならない。公明党の山口那津男代表も「また聞きのまた聞きのようなメモだ」と言っている。

 それなのに、一部野党やマスコミは、あたかも書かれたことが正しい事実かのように報道している。1年前の経験が何も生かされていない。

 面談したとされる3年前の2月25日の新聞各紙の首相動静に記載はない。もっとも、不公表の人もいるため、会わなかったという直接の証拠にはならない。しかし、マスコミは官邸周辺の定点カメラを調べれば、出入り車両はチェックできる。加計問題が騒ぎになっていない3年前のことなので、それにも映らない官邸への秘密ルートを使うインセンティブ(動機付け)はないだろう。また、加計理事長が上京したかどうかも確認すればいいことだ。

 一般論であるが、2月25日は、予算案が自然成立するかどうかで衆院予算委員会が佳境なので、アポイントメントは避けるのが通常である。

 仮に安倍首相と加計理事長が会っていたとしたら、どのような問題があるのだろうか。本コラムで再三繰り返してきたが、特区で行ったのは学部新設の認可の「申請」であり、試験を受けさせるようなものだ。認可自体は文科省が行ったので、特区は認可とは無関係であり、試験の合否に関わっていないといえる。ここでも「安倍首相が認可に関与した」という当初の話から、首相が言った言わないという話にすり替えられている。

 1年前の文科省文書の時には、前川氏は、「文科省行政がゆがめられた」と言った。ところが、事実は文科省の認可は一切変わっていないので、この発言は間違いだったといえる。特区によって認可の「申請」はできたが、これを拒否していた文科省告示は、認可制度の下で法律違反である。もし加計学園が行政不服審査で訴えれば文科省(国)は確実に負けるので、特区で申請だけを許したわけだ。この意味で、ゆがめられていた文科行政が正されただけだ。

 今回の愛媛県文書はまるで1年前の文科省文書問題を繰り返しているようだ。万一事実でなかった場合、メモの提出者とそれを裏取りなしで報道した多くのマスコミの責任は大きい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】今のままなら安倍総理3選、次期衆参選挙での安倍政権勝利は間違い無し(゚д゚)!

ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事にもある、愛媛県は加計学園の獣医学部新設をめぐり、安倍晋三首相が加計孝太郎理事長と3年前に面談し、獣医学部新設構想の説明を受けたとされる内部文書内容について、本日加計学園が明確に否定しています。

加計学校法人「加計学園」は26日、愛媛県今治市への獣医学部新設に関し、安倍晋三首相と学園の加計孝太郎理事長が平成27年2月に面会したとの記載がある同県の新文書について「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えた」とのコメントを発表しました。両氏の面会については、首相も学園側も事実を否定していました。

学園側は、誤った情報を伝えた理由について「獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探していた」と説明。その上で「担当者の不適切な発言が関係者の皆さまに迷惑を掛け、深くおわびする」と陳謝しました。

県の新文書によると、県職員が27年3月3日に学園関係者との打ち合わせの際、学園側から「2月25日に理事長が首相と15分程度面談した」との報告を受けました。加計氏は「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」などと説明し、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと記されています。

県は今月21日、新文書を国会に提出しました。ただ、首相は22日の衆院本会議で、新文書にある加計氏との面会について「ご指摘の日に理事長とお会いしたことはない」と否定していました。

以下が、そのコメントを各報道機関などに発信したフアックスです。


当時の首相と加計理事長の面談は、首相も学園側も明確に否定していました。明確に否定ではなく、記憶が曖昧などとしていれば、会った可能性もありますが、両者が明確に否定していたのですから、その可能性はほとんどないと考えるのが普通だと思います。

どうしても、それが信じられないというのなら、新聞などの報道機関は、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏が指摘するように、官邸周辺の定点カメラを調べれて、出入り車両をチェックすれば良いですし、加計理事長が上京したかどうかを確認するなどのことをすれば良いのです。

それをしなかったのでしょうか。あるいは実施して加計理事長が安倍総理と面談した事実はなかったことを知った上で、あたかも会ったかのように報道しているのでしょうか。そのいずれであっても、大問題です。

さらに、冒頭の記事て、高橋洋一氏は、仮に安倍首相と加計理事長が会っていたとしたら、どのような問題があるのだろうかとして、特区で行ったのは学部新設の認可の「申請」であり、試験を受けさせるようなものだと指摘しています。認可自体は文科省が行ったので、特区は認可とは無関係であり、試験の合否に関わっていないといえるとしています。

これを高校受験にたとえると、高校受験そのものが文部省の規制で何十年も規制されているという異常事態が続いてたので、特区の中にある高校に関しては、受験しても良いということを決めたということです。その後の受験そのものに関して、従来通りのやり方で実施されており、何ら手心を加えたということはないのです。

しかし、受験生の親がたまたま、校長と友達だったので、裏口入学をさせたのではないかというような勘ぐりをされたというようなものです。

一緒にゴルフをする加計理事長(左)と安倍総理(右)

多くの報道機関や、野党が「疑惑が深まった」などとして、騒いでいますが、この事件の背景はこのような単純で、誰にも理解できることなのです。

要するに、安倍総理が加計理事長と友人同士の間柄なので、何らかの手心を加えたのではいないかと勘ぐりをしているというだけのことです。

勘ぐりで「疑惑が深まった」とするのは、本当に無責任です。本来なら、明確な証拠をあげるべきなのです。しかし、野党も報道機関もそれなしにもう一年以上も「疑惑は深まった」というばかりです。安倍総理はもとより、誰一人それで何らかの犯罪などの容疑者になった人間もいません。

こうした状況が続けば、テレビや新聞だけが情報権の人たちであるいわゆるワイドショー民もこの疑惑追求には飽々するでしょうし、今すぐにではないにしても、真相はじわじわとこれらの人たちにも伝わっていくことになると思います。

ワイドショー民にも飽きられた「加計報道」

そうして、その頃にはまずは自民党総裁選が行われることになります。この時点では、真相はかなりの人に伝わるでしょうし、自民党の中では当然のことながら、周知の事実となり、安倍総理の3選はよほどのことがなければ、確実になるでしょう。加計問題での疑惑追求は何の影響も与えないでしょう。

さらに、次の参議院選挙、衆議院選挙になれば、さらに多くの人々に真相が伝わり、加計問題などで首相に疑惑を抱く人など圧倒的少数になるでしょう。そうすると、その時点では安倍自民党政権がまた大勝利をすることになるでしょう。

そうして、選挙のたびに野党離合集散を繰り返し、自ら真綿で首を絞めるように、弱体化することになるでしょう。

野党は、もう国民を愚民扱いをするのはやめるべきです。今のままだと、次期の自民党総裁選選挙では安倍総理の3選確実でしょうし、次期の衆参選挙も安倍自民党政権が勝利するのも確実でしょう。

本当は、野党も「もりかけ」で無駄時間を費やしている暇はないはずです。マスコミもいたずらに、野党勢力の弱体化に精力を費やしている暇はないはずです。

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2018年5月25日金曜日

【米朝会談中止】北、中国傾斜加速か 正恩氏、目算外れ窮地―【私の論評】正恩はオバマが大統領だった頃とは全く状況が違うということを見抜けなかった(゚д゚)!

【米朝会談中止】北、中国傾斜加速か 正恩氏、目算外れ窮地

金正恩

   米朝首脳会談に向け、「いかなる核実験も必要がなくなった。核実験場も使命を終えた」との宣言を実行するかのように北東部、豊渓里(プンゲリ)の核実験場を爆破した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長。爆破直後のトランプ米大統領の反応はまさかの首脳会談の中止通告だった。自らが描いた行程表通りに事を進めていた金正恩氏だが、目算は完全に外れた。

 金正恩氏は1月の「新年の辞」で対米非難の一方、韓国に「緊張緩和のためのわが方の誠意ある努力に応えていくべきだ」と主張。以降、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮の期待に応じ続け、南北首脳会談を行い、「歴史的」な初の米朝首脳会談を控える段階にあった。

 今回の核実験場爆破を北朝鮮は、外国メディアに現地取材させ「核実験中止の透明性の確保」(4月20日の党中央委員会総会での政策決定)を誇示した。米朝首脳会談に向け非核化の意思を行動で示すことで、北朝鮮が米国に対し「一方的な廃棄要求には応じない」と相応の措置を求めてくるのは必至とみられていた。

 現に実験場廃棄の表明段階から、ロシアが米国と韓国に「適切に呼応する措置を取るべきだ」(露外務省の声明)と呼びかけるなどの“後押し”が金正恩氏を勇気づけた可能性もある。だが、トランプ政権の米国は、はるかにその上を行った。トランプ氏以下、米政府高官はこれまで「北朝鮮には二度とだまされない」と繰り返していた。

 北朝鮮は2008年にも海外メディアを前に寧辺(ニョンビョン)の核関連施設を爆破したが、その後も核実験を継続。最終的に金正恩氏が昨年11月末に宣言した「国家核戦力完成」に至った。

 今回爆破した実験場も「過去の実験で崩壊状態にあり、価値がない」(南成旭(ナム・ソンウク)高麗大教授)との見方が多い。6回の核実験を行った用済みで不要な核実験場を廃棄しただけの可能性もある。核開発中止の保証はなく、北朝鮮は核を廃棄せず保有している。

 「朝鮮半島非核化のためにわが国が主導的に講じている極めて有意義かつ重大な措置」と強調し核実験場爆破を見せた北朝鮮。金桂寛(キム・ゲグァン)第1外務次官の16日の談話に続き、24日にも崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官の談話で、米朝首脳会談の再考を警告した。

崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官

 譲歩の姿勢を見せる一方、要求が受け入れられないと交渉決裂を繰り返してきた北朝鮮。その裏切りの前例から疑念を捨てていない米国を、北朝鮮は甘く見ていた。金正恩氏にとって、米国の即座の反応は予想外だったに違いない。

 追い込まれた金正恩氏としては、3月以降、2度訪問し関係改善に努めている中国から手を差し伸べてもらうしかない。選択肢は限られ、北朝鮮が中国への傾斜を強めるのは必至とみられる。

 今年、平昌五輪を機に韓国に接近し、南北首脳会談で笑顔を振りまいた金正恩氏だったが、局面は一気に変わり、窮地に追い込まれた。同時に北朝鮮をめぐる“つかの間の春”は暗転し、朝鮮半島情勢は混迷と緊張が再現しそうな状況となった。

【私の論評】正恩はオバマが大統領だった頃とは全く状況が違うということを見抜けなかった(゚д゚)!

今回の米国の反応は、予想どおりのものでした。これについては、以前何度か掲載してきした。一番新しいのは以下のものです。
米韓首脳会談、文氏「仲介」は完全失敗 トランプ氏は中朝会談に「失望」怒り押し殺し…米朝会談中止も―【私の論評】米国は北攻撃準備を完璧に終え機会をうかがっている(゚д゚)!
文大統領(左)と会談したトランプ大統領(右)。金正恩氏の勝手にはさせない

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の結論部分のみ掲載させていただきます。
いずれにせよ、金正恩が過去1年間で恐喝、融和、手のひら返しのような様々な策を弄しているうちに、米軍は目的、目標、期間、規模、効果の観点からありとあらゆる方式で北朝鮮を攻撃する方法をシミレーションならびに演習を通じて実行できる体制を整えているのは間違いないです。軍はすぐにでも行動に移せる状態になっていることでしょう。
現在の米軍の北朝鮮対応力は1年前から比較すれば、格段に向上しています。昨年は、北朝鮮の海域に空母打撃群を3つも派遣しながら、結局攻撃しなかったのは、準備が整っていなかったからです。

そもそも、政治や安全保障に経験がないトランプ氏が大統領になったばかりでしたし、米軍のほうは、オバマ政権による軍事予算の削減で、かなり弱体化していました。さらに、オバマ前大統領のいわゆる「戦略的忍耐」が追い打ちをかけ、米軍が北朝鮮を攻撃することを思いとどまらせました。

「忍耐」と言えば、その背後に高尚な戦略、ないしは哲学が控えていると受け取る楽天主義者がいるかもしれませんが、オバマ氏の「忍耐」の場合、どうやらその文字のごとく、もっぱら黙ってきただけです。もしオバマ氏が戦略的「忍耐」ではなく、関与政策を実施していたならば、金正恩ものんびりと核開発に専心できなかったでしょう。
オバマ前大大統領

北は2006年に最初の核実験に成功しました。それから着実に核の小型化、核弾頭搭載可能の弾頭ミサイルの開発、プルトニウム爆弾だけではなくウラン原爆にも手を広げ、水爆実験も実施しました。

これらのことが全て事実とすれば、北は11年余りで、核計画を急速に進展させたことになります。その11年間のうち8年間はそっくりオバマ前政権下でした。北の核開発問題ではオバマ政権の責任が問われる理由はまさにここにあるわけです。

もちろん、オバマ大統領は国連安全保障理事会を通じて北に制裁を課してきましたが、その政策は終始中途半端でした。オバマ政権は北が核開発を急速に進めている中、米独自の軍事的圧力の行使は控えていました。

金正恩氏は父親から“金王朝”を継承した後、計4回の核実験を実施しました。そして北の過去6回の核実験のうち、4回はオバマ政権下でした。北側からオバマ政権は軽く見られていたことが推測できます。「オバマなら口で批判するが、何もしない。軍事制裁など全く視野にないだろう」と受け取られてきたわけです。

オバマ政権の8年間は北がその核開発を急速に進歩させた期間と重なります。
2006年10月 9日 1回目の核実験。プルトニウム型
09年 5月24日 2回目。プルトニウム型 (同年オバマ政権誕生)
13年 2月12日 3回目。小型化成功と主張  (同年オバマ政権二期目に入る)
16年 1月 6日 4回目。水爆成功と主張
9月 9日 5回目。核弾頭爆発実験成功と主張
17年 9月 3日 6回目。大陸間弾道ミサイル(ICBM)弾頭部に装着する水爆実験成功と発表。
18年 1月 トランプ政権誕生
(出所・時事通信)
繰返しますが、「核の小型化」、「核弾頭爆発実験」、「水爆実験」、「ICBM用の水爆実験」といった核開発計画の重要ステップはオバマ氏が忍耐している最中、北側が着実に達成していった技術的成果です。

クリントン米政権時代の国防長官を務めたウィリアム・J・ペリー氏は昨年初め、オバマ政権の対北政策「戦略的忍耐」について、「核・ミサイル開発はむしろ進み、状況は悪化した」と指摘している一人です。

いかなる軍事活動にもそれを指示した指導者の責任が問われる。北朝鮮の核問題では、オバマ氏は「忍耐」という名でその責任を回避してきた大統領だったといえます。

オバマ政権ではない政権が米国に誕生したという事実が、米国の対北朝鮮政策を根本的に変えたてのです。ただし、過去の1年間は、先に述べたように、政治や安全保障に経験がないトランプ氏が大統領になったばかりであったこと、軍事予算の削減で米軍がかなり弱体化していたこと、オバマ前大統領の「戦略的忍耐」による負の遺産により米軍が北朝鮮を攻撃することを思いとどまらせただけだったのです。

もしオバマ大統領が「戦略的忍耐」で責任を回避せず、本格的な制裁や、軍事制裁を検討していたとしたら、金正恩は今そこにある危機に対応するため、核兵器開発など後回しにし、通常兵力を強化していたに違いありません。

ところが、オバマの「忍耐」を良いことに、金正恩は通常兵器の強化は後回しにして、核兵器の開発に多くの資源を割当あてました。

そのため、現状の北朝鮮軍の通常兵器はかなり遅れています。まずは、防空体制ゼロといっても良いような状況になっています。北朝鮮のレーダーは40年前のもので、これでは現在のステルス機に対しては全くの無防備です。

戦闘機も、40年前からほとんど新しいものは導入されておらず、かつて中東上空や、ベトナム上空で米軍など先進国の空軍ととわたりあったこともある北の面影は今は全くありません。


たとえば、上は北朝鮮空軍の防空訓練の様子を撮影したとされる写真です。撮影日時、場所は不明です。写っている軍用機は、旧ソ連製のMIG21戦闘機とみられます。MIG21は1956年に初飛行し、東西冷戦時代には東側の主力戦闘機となった代物です。北朝鮮空軍ではこの古い機体が今でも使われています。

陸軍も、装備は貧弱で50~60年代のものが主力となっており、なかには第二次世界大戦で運用された兵器もあります。

個人装備もベトナム戦争で南ベトナム解放戦線(ベトコン)がアメリカ軍を相手に使ったAK-47が主力のようです。

ただし、数は多く、旧式といえども戦車だけでも3000両以上を保有しており、数だけならば自衛隊の定数300両を大幅に超えます。しかし、数が多くても、米韓軍の敵ではありません。

なぜこのようなことになったかといえば、核兵器の開発に力を奪われ、通常兵力の整備がおろそかになったからです。

実際に、通常兵力同士の戦いになったとしたら、北朝鮮には全く勝ち目はありません。頼みの綱の核兵器は、実際に使えば、米国に北核攻撃の格好の口実を与えることになり、おいそれと使えるものではありません。

それでも、国家破綻の淵に追い込まれれば、使う可能性もありますが、その兆候がみられれば、今や北朝鮮の情報に隅々まで精通した米軍により発射の前に叩かれてしまうことでしょう。叩きもらしも若干でるかもしれませんが、発射された核ミサイルも撃ち落とされる可能性は高いです。

金正恩は戦略を誤りました、昨年米軍が北を攻撃しなかったため、事態を軽くみてオバマが大統領だった1年前とは全く状況が違うということを見抜けませんでした。

一方米朝首脳会談が中止されたことで、アメリカは中国への圧力をさらに強めることになるでしょう。すでに貿易摩擦に発展している中興通訊(ZTE)への制裁に関しても、トランプ大統領は最大13億ドルの罰金を科すとともに経営陣の刷新を求める案を明らかにしています。

ウィルバー・ロス商務長官はアメリカ側が選んだ人物をZTEに送り込み、同社に法令順守部門を設置させる可能性も示唆しています。中国としては、アメリカによる査察体制の受け入れを許せば他業種にも波及する恐れがあるため、この条件はのみたくてものめないでしょう。

それに先立って行われた米中通商協議では、中国がアメリカの製品やサービスの輸入を大幅に増やすことで合意しましたが、アメリカが求めていた対米貿易黒字の2000億ドル削減については具体策な言及がなく、成果は乏しいものでした。

中国としてはZTEの制裁を緩和してもらいたいのはやまやまでしょうが、米議会が強硬に反対している以上は望み薄です。そこで、輸入拡大でお茶を濁しているという苦しい事情が見て取れます。

アメリカの国防権限法案には先端技術を保有する企業同士の買収を禁じる項目なども入っており、このままいけば、かつての対共産圏輸出統制委員会(ココム)のような仕組みがつくられる可能性もあるでしょう。

冷戦期に自由主義陣営を中心に構成されたココムは、共産圏諸国への軍事技術や戦略物資の輸出規制を目的とした組織です。すでにアメリカは知的財産権の侵害を理由に中国製品に対する制裁を進めていることからも、今後は中国を狙い撃ちにするかたちの21世紀版ココムがつくられたとしてもおかしくないです。

ココムというと、日本では東芝機械ココム違反事件が有名です。これは、1987年に日本で発生した外国為替及び外国貿易法違反事件です。共産圏へ輸出された工作機械によりソビエト連邦の潜水艦技術が進歩しアメリカ軍に潜在的な危険を与えたとして日米間の政治問題に発展しました。

習近平(左)と金正恩(右)

このような厳しい規制がさらに強化され制裁の次元に高まれば、中国経済はガタガタになります。そうなると、中国とて北朝鮮の後見をしたとしても、自国が苦しむだけになります。北朝鮮に肩入れすることはやめることになるでしょう。

いずれにしても、米中が本格的貿易戦争ということになれば、中国には全く勝ち目はありません。であれば、中国はいずれ北を完璧に見放すことになるでしょう。そのとき北朝鮮の命運は完璧に絶たれることになるでしょう。

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2018年5月24日木曜日

日大悪質タックル問題 醜聞にまみれた米名門大の「前例」―【私の論評】我が国では大学スポーツという巨大資源をガバナンスの範疇から外し腐らせている(゚д゚)!


日大選手の記者会見  写真はブログ管理人挿入

日大アメフト部の悪質タックル問題、2つの会見を経た後も釈然としない思いが残った。立教大学体育会野球部に所属していた過去があり、現在も立教大学非常勤講師として、「スポーツビジネス論~メジャーリーグ1兆円ビジネス」の教鞭を執るスポーツジャーナリストの古内義明氏が指摘する。

* * *

 5月22日に日本記者クラブで、日本大学アメリカンフットボール部の当該選手の会見を見て、胸が痛くなった。日本中が注目し、社会問題となる中、彼は身分を証し、自分の言葉で謝罪する決断をしなければならなかった。会見場には日大アメリカンフットボール部はおろか、日大の関係者の同席もない中で、20歳の若者一人が350人を超えるメディアの前に立つような状況に、なぜ追い込まれてしまったのか、大学スポーツに関わる身として、激しい憤りを感じざるを得なかった。

 コンタクトスポーツの世界において、彼が行った故意によるラフプレイは許されるものでは決してない。しかし、彼が発した「事実を明らかにすることが、償いの第一歩」という真摯な態度は関西学院大学アメリカンフットボール部のクオーターバックの選手とそのご家族、そして関係者の方々に届いていたと信じたい。

 私はアメリカの大学院に進み、スポーツ経営学の修士課程で学ぶ中で、全米大学体育会協会(NCAA)の存在意義、そして、カレッジスポーツの関係者と話す機会に幾度となく恵まれた。その経験から今回の問題で、真っ先にNCAAの歴史に汚点を残したペンシルベニア州立大学のスキャンダルを思い出した。

ペンシルベニア州立大学アメリカンフットボール部の監督だったジョー・パターノ

 ペンシルベニア州立大学アメリカンフットボール部は「ビッグ10カンファレンス」に所属する強豪であり、2度の全米チャンピオンに輝く名門校だ。陣頭指揮を執るジョー・パターノ監督は46年間もサイドラインに立ち続けたカリスマ的な名将であり、カレッジフットボールの殿堂入りも果たしている。

 2011年、その名将の右腕のアシスタントコーチだったジェリー・サンダスキーが15年間に渡り、8人の少年に性的虐待をしていたことが発覚し、全米を震撼させた。大学理事会の対応は迅速だった。事の重大性に鑑みて、元FBI長官のルイス・フリー氏を長とする外部委員会を設置し、調査を依頼。出来上がった報告書によると、「パターノ監督が事件の隠蔽工作を積極的に指揮していた」という衝撃的な事実が明らかになった。

ジェリー・サンダスキー(手前の赤い囚人服の男)

 パターノ監督はシーズン終了後の辞任を表明していたが、大学理事会はそれを許さず、伝説的な名将は解任された。と同時に、学長、副学長、体育局長という大学の要職も解任したのだ。さらに、10万6572人を収容するビーバー・スタジアムの前に立つパターノ監督の銅像も重機によって撤去された。

 統括団体となるNCAAの制裁措置は関係者の予想を上回る徹底したものだった。まずは、パターノ監督が「不祥事を知り得た時点」までさかのぼって、それ以降に記録した111勝は抹消された。これにより409勝の通算勝ち星は298勝となり、「歴代最多勝利監督」という栄誉も剥奪された。また制裁金として、当時のレートで約48億円という巨額の罰金の支払いを命じ、4年間に渡ってプレーオフ進出禁止と毎年10人分の奨学金停止も通達された。

 同校のあるペンシルベニア州のステートカレッジは4万人という小さな町であり、ペンシルベニア州立大学フットボール部はおらが町の誇りだった。スキャンダルが与えた経済的損失はもちろんのこと、何よりも名門校が受けたイメージダウンは避けられないものとなった。それでも、ペンシルベニア州立大学は高等教育機関として、ゼロからの出発を選んだ。監督はもちろんのこと、大学トップをも解任して、自らの襟を正す決断をしたのだ。

 だからこそ、今回の日本大学とアメリカンフットボール部の対応、そして世論との間にこそ大きな「乖離」があると言わざるを得ない。

立教大学第一食堂

 立教大学では「RIKKYO ATHLETE HANDBOOK」を作成し、体育会51部56団体に所属する2400人のすべての部員に配布している。この中には、立教大学の体育会活動を支える考え方をまとめた「立教大学体育会憲章」が掲載され、体育会学生であることの心構えが記載されている。学生は内容を習熟することで、スポーツ活動と学業を両立させる文武両道の精神のもとに、人間性を養うことがうたわれている。

 その憲章の中にある第7条(監督・コーチとの関係)では、「体育会各部の監督・コーチ(以下「指導者」という。)」は、体育会員に技術を指導し、スポーツを理解せしめ、その心身の健全なる育成を行う」(原文ママ)とある。指導者とは技術指導はもちろんのこと、学生に対してルールに基づいたスポーツの本質を教えることで、社会のためになる人間形成が求められている。

 23日夜になって日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督と井上奨コーチがようやく会見を開いた。だが、該当選手の会見と、内田前監督や井上コーチの会見を聞き比べると、やはり何か釈然としない。また、2人の指導者が質問に対して、的確な回答をせず、どこか他人事であり、全て保身に走る内容という印象が残った。結果、該当選手か、指導者のどちらかが嘘をついていると言わざるを得ない歯切れの悪さが残る会見となった。

 今回の一連の問題で、大学は誰のためにあるのか、指導者は誰を守るのか、という本質論が浮き彫りになった。学生スポーツに関わる大人が、「選手に対して、自分の息子、娘のように考えられるか、どうか」。いま、その姿勢そのものが問われているような気がしてならない。

 【PROFILE】古内義明(ふるうち・よしあき)/立教大学法学部卒、同時に体育会野球部出身。ニューヨーク市立大学大学院修士課程スポーツ経営学修。立教大学では、「スポーツビジネス論~メジャーの1兆円ビジネス」の教鞭を執る。1995年の野茂英雄以降、これまで二千試合を取材するスポーツジャーナリスト。著書に、『メジャーの流儀~イチローのヒット1本が615万円もする理由』(大和書房)など、これまで14冊のメジャー書籍を執筆。(株)マスターズスポーツマネジメント代表取締役、テレビやラジオで高校野球からメジャーリーグ、スポーツビジネスまで多角的に比較・分析している。

【私の論評】我が国では大学スポーツという巨大資源をガバナンスの範疇から外し腐らせている(゚д゚)!

このブログでは、今回の「悪質タックル事件」に関して、統治(ガバナンス)の問題を指摘してきました。しかし、テレビや新聞の報道などでは、この統治の問題については全く指摘されていません。

米国では、20世紀初頭にアメフト競技による死亡・傷害事故が絶えませんでした。憂慮したセオドア・ルーズベルト大統領は、ガバナンス(組織の統治)を強化するために大学スポーツの連合体であるブログ冒頭の記事にもでてくる、NCAA(全米大学体育協会)の設立を主導しました。

日本の大学の場合、ガバナンスが弱いようです。関東学連でも強豪校が力を持ち、OBの影響力もあるので公平に対応するのは難しいようです。今はアメフト部員の入試や就職でも競技歴がものをいうが、規制らしい規制もなく、恣意的に行われてきたところがあります。

一部の大学スポーツは名誉のため、母校のため、監督の地位保全のためなど『悪しき勝利至上主義』になってしまっています。監督は口頭では指示していないと言っても、スポーツの世界には『無言の指示』『雰囲気の指示』も往々にしてあるようです。

関東学連にも、内田監督への抗議や批判を含む問い合わせが殺到、外部からの電話やメールに応対しきれずサーバーの限度を超えるほどの事態もあったといいます。ネット上では「協会が日大を除名するしかない」「連盟は日本大学を除名処分にするくらいの強硬な姿勢で望むべきだ」との声も挙がっています。

過去のブログではガバナンス(組織の統治)についてドラッカーの定義について以下のようにまとめました。
ガバナンスとは、当該組織が社会のために意味ある決定と方向付けを行うことである。組織のエネルギーを結集することである。問題を浮かびあがらせることである。選択を提示することである。 
統治と実行を両立させようとすれば、統治の能力が麻痺する。しかも、決定のための機関に実行させても、貧弱な実行しかできない。それらの機関は、実行に焦点を合わせていない。体制がそうなっていない。そもそも関心が薄い。
また、統治の正当性については、以下のようにまとめました。
社会においてリーダー的な階層にあるということは、本来の機能を果たすだけではすまないということである。成果をあげるだけでは不十分である。正統性が要求される。社会から、正統なものとしてその存在を是認されなければならない。
そのような正統性の根拠は一つしかない。すなわち、人の強みを生かすことである。これが組織なるものの特質である。したがって、マネジメントの権限の基盤となるものである。 
今回の事件においては、すでにこのブログでも述べてきたように、まずは日大側の統治の問題があります。そもそも、内田監督が、人事権を有する常務理事を兼任していることが、非常に問題です。

統治と実行を両立させようとすれば、統治の能力が麻痺するからです。内田監督を常務理事と兼任させている日大という組織は、統治能力が麻痺しているのではないでしょうか。そうだとすると、スポーツ関係だけではなく、他の分野でも様々な問題があるのかもしれません。

実際、この事件が発生してから、今日までの日大の対応ぶりをみると、統治能力が麻痺しているとしかいいようがありません。もし、内田監督が人事権を有するる常務理事を兼任していなければ、かなり大学側としても対応がしやすく、もっと早期に様々な対応ができ、あまり傷口を広げることなく、事件に対応できたと思います。

テレビや、新聞などでは、「危機管理能力」ということが繰り返しいわれていますが、そもそも、実行部門の「危機管理能力」が高かったにしても、統治機能が麻痺していれば、まともな対応などできるはずもありません。

【NCAAファイナルフォー】180の国や地域でテレビ放映されるビッグイベント

次に、日本には、全米大学体育協会(ぜんべいだいがくたいいくきょうかい、略称:NCAA, National Collegiate Athletic Association の略)という組織がないということも問題です。

この協会は主に、大学のスポーツクラブ間の連絡調整、管理など、さまざまな運営支援などを行っています。本部はインディアナ州インディアナポリスに設置されており、協会が運営する競技会の種目は、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、アイスホッケー、テニス、ゴルフ、陸上競技、アマチュアレスリングなど多彩です。

大学体育協会としては世界でも最大規模で、一部の競技ではリーグ戦がテレビ中継されるなど人気が高く、協会の権威や発言力は非常に高いものとなっています。そうして、この協会が、大学スポーツのガバナンスも担っているのです。

このような大学スポーツの統治を担う組織がないということも非常に問題です。以下に現状の日本の大学のスポーツの現状を掲載しておきます。

筑波大学が各スポーツ部(体育会)を一元的にマネジメントする「アスレチックデパートメント」(AD)を設置する方針を発表しました。昨年8月1日付で設置準備室が発足。室長には米大手スポーツ用品メーカー、アンダーアーマー(UA)の日本総代理店「ドーム」(東京・江東)の安田秀一会長兼最高経営責任者(CEO)が客員教授となって就任ましした。現在は各スポーツ部、チームに任されている安全対策や会計管理、コンプライアンス(法令順守)を、新たにADの管理下で強化する狙いがあります。

地味なニュースであまり注目はされていませんが、これは日本の学生スポーツが抱える根本的な問題を変革する画期的な試みだと思います。大学スポーツに関して最近、日本版NCAA(全米大学体育協会)という言葉をしばしば聞くようになりましたが、各大学でのADの設置はその実現のための前提となるはずです。

ADとは日本語では大学の体育局と呼ぶのが適当かもしれません。もっとも日本で体育局を設置している大学などほとんどありません。学生スポーツは大学が管理するものではなく、学生の自主的な活動として存在しています。各大学のスポーツ部は通常は任意団体であり、運営は学生やOBに任されている。大学側は部長を置くことはあっても、監督やコーチを選ぶ人事権を持たないし、活動資金を一部補助することがあっても会計報告などは受けません。

日本ではこのやり方がスポーツのあるべき姿のようにも感じるむきもあるようですが、実はさまざまな問題をはらんでいます。

一般的に大学のスポーツ部の運営費は現役部員からの部費がベースです。人気があってブランド力の高い一部のチームは、独自にスポーツ用品メーカーなどからユニホームや用具の提供を受け、リーグからの収益の分配やスポンサー料も入ってきますが、ほとんどのスポーツ部の活動資金は乏しいです。任意団体では赤字を繰り越すこともできないから、足りなくなれば結局、現役部員の負担を増やすことになります。

そんな状況では格闘技やアメリカンフットボール、ラグビーなど深刻な事故の起きやすい競技でも、その防止策にお金をかける余裕はありません。監督やコーチはほとんどのケースで大学と雇用関係のないOBが引き受け、十分な報酬が支払われることもありません。同時に厳格な会計管理が必要ないため、指導者らによる資金の私物化といった不祥事もしばしば起きます。ガバナンス(組織の統治)が効かず、リスク管理のシステムもないのが日本の大学スポーツの実態です。

少子化で学生数が減少する時代を迎え、大学にとって人気のあるスポーツ部は志願者をひき付ける重要なツールになってきました。一方で、スポーツ部で選手や監督の不祥事や練習中の事故など起きれば、大学のブランドは傷つき、イメージダウンとなります。

大学側がスポーツ部を教育を提供する各学部と同様の経営資源と考え、リスクを管理してその価値を最大化しようとするのは当然の流れです。

しかし、実際はその方向には進んではいません。伝統校になるほど学校による管理を学生やOBたちは嫌がります。大学側にもスポーツに新たに投資できるほどの財政的な余裕はありません。先の筑波大の挑戦は民間企業のドームの支援を受けて初めて可能になったものです。

ドームの本社オフィス 世界でもっとも「情報共有・伝達・意思決定」の速いオフィスを実現

ドームは日本のスポーツの産業化を会社の戦略として掲げています。スポーツ用品メーカーの成長にはスポーツ産業の健全な発展が不可欠というわけです。そのターゲットとなるのが大学スポーツ。筑波大のほか、関東学院大、近畿大などと包括的連携に関するパートナーシップを締結、スポーツによって大学のブランド力を向上させて収益につなげる取り組みを始めています。

これは日本版NCAAに向けての第一歩といえるのでしょう。本家のNCAAは約1200大学が関係する巨大組織で、アメフト、バスケットの試合の放映権料を中心に収入は年間1000億円を超えるとされます。これをモデルにスポーツ庁は日本版NCAAとなる統括組織を今年度には創設したいとしていすま。とはいえ、実際に各大学やチーム、リーグ、大会などがどう関わるのでしょうか。華やかなイメージは先行しても、具体的な姿は見えていません。

大学の統治下にないスポーツ部がばらばらに活動している日本の現状では、大学や競技を横断する統括組織を作ったところで機能しないでしょう。米国のNCAAではADがあるのが当たり前です。過度なビジネス化への批判もありますが、学業との両立に配慮して、練習時間の上限や一定以上の成績を収めなければ試合に出場できないことなどが各校共通のルールで定められていまする。「単位より、順位。」という宣伝ポスターが物議を醸した日本の学生スポーツでは考えられないことです。

ドームの安田CEOは「NCAAは各大学の意志の集合体」と言います。しかし、筑波大でもADによる統治をすべてのスポーツ部が了承しているわけではなく、サッカー部などとの個別の交渉はこれから始まります。ドームがほかに業務提携している他の大学では、筑波大のように一歩踏み出した動きはまだみられません。

日本版NCAAに関して、本家のようなスポーツ市場の誕生を期待する声がありますが、それははるかに先の夢物語です。まずはその価値を認めてスポーツ部を自らの責任でマネジメントしようとする大学が続々と登場し、ADの設置が日本の大学の常識となることが前提になります。大学スポーツ改革は10年や20年はかかる大変な作業になることでしょう。 

いずれにせよ、大学側がスポーツを学生の自主的な活動として、積極的にはかかわらないし、統治の範疇からも外すようなことが続けば、今回のような事件はこれからも起こり続けることでしょう。今の日本では、残念ながら、日本大学だけが例外ということではありません。

大学だけではなくNCAAのような団体が、大学スポーツ全体をまともに統治すれば、大学スポーツ自体が富を生み出す強力な資源ともなり得るのです。そうして、富を生み出すだけではなく、社会の中での大学スポーツの価値を高め、社会に貢献することもできるのです。無論それ以前に大学側が、積極的に大学スポーツを資源とみれば、大学スポーツの転機ともなり得ることでしょう。

多くの大学がそのような見方をするようになり、今や独立行政法人となった大学自体も大学スポーツを資源として活用するようになれば、いずれ日本版NCAAも可能になるかもしれません。そうして、この日本版NCAAが、成果をあげるだけではなく、人の強みを生かすことを基盤とすれば、日本社会から、正統なものとしてその存在を是認され、日本の大学スポーツを劇的に変えることになるでしょう。

そうして、日本版NCAAに関しては、最初からビッグビジネスなどを目指すのではなく、まずは日本の大学スポーツを統治する機構として発足させるというのが正しいあり方だと思います。

米国のNCAAの原型もそのような形でスタートしています。そうして、統治機構はさほど大きな組織でなくても、成果は十分あげられるのです。実際に、エリザベス朝のイギリス政府は、各省に数人の人間が割り当てられていただけでした。

それが、あの植民地を含めた広大な大帝国を統治したのです。他のことはほとんどせず、統治に集中したからこそ、それが可能になったのです。統治のみに集中するなら、日本版NCAAも意外とはやく設立することができ、大きな成果をあげることができるかもしれません。

各大学の「アスレチックデパートメント」(AD)も、当初は統治だけに専念をすれば、かなり成果をあげられると思います。そうして、その後もADは統治と実行を厳密にわけて実行していくべきです。これが曖昧になれば、また不祥事が起こることになります。これは、日本版NCAAも同じことです。大組織の不祥事は、統治と実行が曖昧になったときに発生するのが常です。

日本の大学スポーツが日本という国柄も考慮しつつ、一元的に統治されるようになったその暁には、今回のような事件は、現在の私達が、戦国時代を振り返るような過去のものとなるかもしれません。とにかく、大学スポーツという資源を活用しないままの日本で、大学スポーツが統治の対象から外れていると現状は何がなんでも是正しなければなりません。

そのような時代が本当に来ることを願ってやみません。
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