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2019年2月22日金曜日

韓国・文政権と日本の民主党政権は似ている? 無理に最低賃金引き上げた結果…左派なのに雇用創出に失敗 ―【私の論評】文在寅・民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもない(゚д゚)!


文在寅大統領

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の雇用政策は、驚くほど日本の民主党政権(当時)と共通点がある。その背景は何か。

 先日関西で放送された情報番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』で、金明中(キム・ミョンジュン)ニッセイ基礎研究所准主任研究員から興味深いリポートがあった。

 それによれば、韓国の文政権では、最低賃金引き上げと労働時間短縮をやったが、結果として失業率が上がったという。

 この話を聞いていて、筆者は「金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる」という典型的な失敗政策だなと思いながら、同時に民主党政権当時の政策を思い出した。

 実は筆者は、アベノミクスの金融政策を説明するため、韓国大使館をしばしば訪問していた時期がある。文政権が誕生する前のことだ。その後、韓国では文政権が誕生した。左派政権である文政権が、民主党政権と同じような失敗をしたのは、きわめて興味深い。

 左派政党の建前は「労働者のための党」というものだ。このため、雇用を重視する。しかし、雇用を作る根本原理が分からないと、目に見えやすい賃金に話が行きがちだ。

金融緩和は一見すると、企業側が有利になるため、短絡的に労働者のためにならないと勘違いする。金利の引き下げは、モノへの設備投資を増やすとともに、人への投資である雇用を増やすことになるのを分からないからだ。その間違いをする人は、金融引き締めで金利を上げることが成長にいいとか言いがちだ。立憲民主党の枝野幸男代表のかつての発言がその典型だ。

 そうした勘違いの末、政策としてやりやすい最低賃金の引き上げになる。

 民主党もこれで失敗した。2010年の最低賃金は引き上げるべきでなかったが、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、前年比で2・4%も最低賃金を引き上げてしまった。前年の失業率が5・1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0・3%程度であるのに、民主党はもったいないことをした。

 それが、結果として雇用の悪化につながった。民主党時代、就業者数は30万人程減少したが、第2次安倍晋三政権では300万人以上も増加した。

 大学卒業者の卒業年の就職率について、民主党時代の11年は91%だったが、安倍政権の18年は98%である。社会人になっていない学生は、雇用の既得権もないので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろに出る。

 最近の韓国は、北朝鮮化しており、いわゆる元徴用工判決、レーダー照射事件、慰安婦像問題、天皇陛下への謝罪要求など対日関係はひどすぎる。

 しかし、旧民主党からできた野党はほとんどモノを言わない。似た者同士なので言わないのかと邪推してしまうほどだ。

 野党が政府与党を批判するのは当然だが、2年以上も「モリカケ」をやって結果が出なかった。統計不正問題もまた「モリカケ化」するのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】文在寅・民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもない(゚д゚)!

2月10日の自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と発言した安倍首相に対し、岡田克也元副総理が撤回を求めるなど、激しい論争になっていました。岡田氏にとっては、自分たちの時代を「悪夢」と言われて気のいいものではないことは理解できなくもありません。

一方で、国民にとって民主党政権の3年間は「悪夢」だったのかどうかは、様々な角度から検証されるべきです。

そもそもこの表現は、安倍首相だけが使っているものではありません。1月31日には、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が衆議院代表質問を行い、その冒頭で「あの悪夢の3年間といわれた民主党政権」と発言しています。一国の首相と野党の幹事長では影響力が違うという声もあるでしょうが、首相だけの認識ではないということは、確認しておくべきでしょう。

さて、安倍首相が「悪夢のような民主党政権」と批判したのは、経済政策についてです。民主党政権時代は、安全保障分野では「普天間基地は最低でも県外」と掲げて内外の政策に大混乱を招いたこと、「尖閣諸島での中国漁船と日本の巡視船衝突事件」での中国人船長釈放、福島原発事故での「官邸による人災」など、「悪夢」と呼ぶにふさわしい出来事の連続でした。

鳩山元総理大臣

しかし、ここではあくまで安倍首相が指した民主党時代の経済政策、特に雇用に絞って議論します。

先に雇用以外について述べるなら、民主党政権が行った、震災復興増税の導入はまさに「悪夢」です。100年に一度の大災害が起きた場合、復興費用を捻出するために100年国債を発行するのが経済学の教えである。

これを増税で賄おうとしたことで、震災で大ショックを受けた上に、増税という人災で日本経済がダブルショックを受けることになったのです。地震などの自然災害を増税などで、賄うなどという、常軌を逸したことを行ったのは、古今東西日本の復興増税だけです。

私は、経済政策を評価する際、①雇用、②所得を基準に評価を下します。これは一貫して変わっていません。景気が悪くなれば、まず金融緩和(これに財政出動も加えて)によって有効需要を創出し、雇用を作るのがマクロ経済政策の手順です。

この観点から見れば、民主党時代の経済政策は「悪夢」だったと言えます。働きたい人に仕事がある状況を作るのが政治の大きな責任であり、民主党政権と安倍政権の差は、何より「雇用の創出ができたかどうか」です。

この両政権の差は、金融政策です。金融緩和を行わなかった民主党政権と金融緩和を行った安倍政権の差です。

金融政策がどうして雇用に効くかというと、一般物価の変動を通じて実質金利に作用し、モノへの設備投資とともに、ヒトへの雇用の増大へ影響するからです。他の政策では、個別物価に影響を与えても一般物価には影響を与えられません。これは金融政策がもつ、他の政策にない特徴です。

民主党は、この点の理解がまったくできていませんでした。就業者数を増やすべき時に、賃金を引き上げようとしたのですが、これはまったくの経済政策オンチだったといわざるを得ないです。

民主党議員等の中にも、馬渕氏や金子洋一氏のように、「金融政策は雇用政策であり、もっと金融緩和すれば雇用がよくなり自殺率がさらに低下する」ということを理解している人もいますが、これはほとんど例外的であって、民主党の議員のほとんど、そうして幹部は、皆無でした。これは自民党も似たようなものですが、安倍総理とその側近はこれを理解しています。

金子洋一前参議院議員

このような政策が実現しなかったのは、当時執行部にいた、現立憲民主党党首の枝野幸男氏の影響もあるでしょう。というのも、民主党が政権を取る前、あるテレビ番組で枝野氏は「金融引き締めが高成長につながる」との持論を展開していたからです。

安倍首相は政権を取る前から、金融政策のことを話していたので、やはりこれを理解していたのです。

私は、こうした話は、日本だけの話かと思っていたのですが、ブログ冒頭の記事にもあるように、「金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる」という典型的な失敗政策を文在寅大統領が実行して大失敗しているのです。これについては、昨年何度かこのブログにも掲載したことがあります。

実は筆者は、韓国の日本大使館にアベノミクスの説明をするためにしばしば訪問していた時期がある。文政権が誕生する前のことだ。その際、金融政策は雇用政策であることを安倍政権にも民主党政権にも説明したが、実行したのは安倍政権で、結果、雇用の確保に成功したということも説明した。

その後、韓国では文政権が誕生しました。文政権は左派政権ですが、金融緩和策を採らなかったために、民主党政権と同じような失敗をしたのは、きわめて興味深いことです。

このような失敗政策の悪影響は、大学新卒者の就職率に表れます。新卒者は限界的な雇用なので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろにでるからです。実際、いまの韓国で、大学の就職率はかなり悪いです。大卒の就職率は67.7%であり、若者の失業率は10.0%といわれています。

日本でも、大学卒者の卒業年の就職率について、民主党時代の2011年は91%でしたが、安倍政権の2018年は98%でした。社会人のスタートにもついていない学生は、雇用の既得権もありません。そうした若者に、将来の安心をいかに与えることができるかは、政治にとって重要なことです。この意味でも、民主党時代は酷かったと言えます。

これは大学関係者や企業の人事部の人なら誰でも知っていることです。少し前には、どの企業にとっても新卒雇用は買い手市場で、かなり楽だったはずです。しかし、今はその全く逆です。

若い人たちも民主党政権時代に就職状況が悪かったことはよく知っています。若い人の安倍政権政権支持が多いのは、右傾化ではなく、就職ができるようになったからでしょう。

経済政策においては「雇用の創出が先決で、賃金は後からついてくる」が正しいです。ただし、最低賃金をどのように設定すべきか、という問題が残るのは事実です。実は、最低賃金は前年の失業率から無理のない水準にし、賃金は後からついてくるという原則を曲げないようにさえすれば良いのです。

この点、安倍政権はかなり、手練たやり方をしています。雇用を作りつつ、失業率が下がるような環境を作っておき、最低賃金は失業率の低下に合わせて、毎年上がっていくように調整しています。

安倍首相は、このメカニズムを「政治的」に上手く利用しています。前の年の失業率低下から、無理のない最低賃金の引き上げを行うのですが、その際、「政労使会議」を利用し、あたかも安倍首相主導で最低賃金を引き上げたように見せ、政治的なプレゼンスを高めているかのようです。

いってみれば、最低賃金の引き上げは、雇用創出の成果であるが、その果実を安倍政権は政治的に上手く利用しているともいえます。

それは、次の図で明らかです。



民主党は、はじめの年の2010年の最低賃金は引き上げるべきでなかったのです。しかし、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、前年比で2.4%も最低賃金を引き上げてしまいました。前年の失業率が5.1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0.3程度であるのにです。

こうした失政は、多くの国民が(少なくとも肌感覚で)わかっているのに、元民主党の関係者は、このことについての反省がないようです。それでは、永遠に次の政権交代は起こらないでしょう。政権交代の選択肢がないということは、国民にとって大きな損失です。

最後に、①雇用と②所得(総所得と賃金)について、民主党政権と安倍政権の成果について、念のために図を掲げておきます。



これらをみれば、日本維新の会の馬場伸幸幹事長でなくても、「悪夢」といいたくなる気持ちがお分かりいただけると思います。

さらに、最近国会で、修正後もわずか0.5%とかその程度しか違わないの統計不正に関して、倒閣に利用しようとする民主党の後継である、立憲民主党等が国会での追求をみていると本当にあの「悪夢」を生み出したのは、「悪魔」ではないかと思ってしまいます。

ただし、不正は不正です。しかし、あの不正は官僚側に100%問題があるのであって、安倍政権側の問題ではありません。もし、あれで政権が崩壊するというのなら、どの政権も不正など発見しなくなってしまいます。

そうして、民主党政権のときにもあの不正はあったということを現在の立憲民主党や、国民民主党などの野党はどう考えているのでしょうか。

やはり、文在寅政権と民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもないです。

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2018年5月29日火曜日

なぜかマスコミが報じない「大卒就職率過去最高」のワケ―【私の論評】金融緩和策が雇用対策であると理解しない方々に悲報!お隣韓国では、緩和せずに最低賃金だけあげ雇用が激減し大失敗(゚д゚)!

なぜかマスコミが報じない「大卒就職率過去最高」のワケ 

今春の大卒就職率、過去最高98%、高卒も27年ぶり高水準

 大卒就職率が3年連続で過去最高となったことについて、報道では「景気の回復基調」や「人手不足」とだけ説明されているが、これはあまりに表面的、断片的だ。金融緩和が失業率の低下や就職率の改善に至るメカニズムについてあらためて解説してみよう。

 筆者のような大学関係者には、大卒就職率が98%まで上昇したのは喜ばしい。なにしろ卒業後に就職できるかどうかは社会人生活のスタートで大きな違いになるので、大学生の最大関心事は就職だ。

 もっとも、この数字は想定内だ。そもそもマクロ経済政策では、第一に雇用の確保、第二に給与アップを達成することが重要だ。実は、雇用の確保をすれば人手不足の状況が生まれるので、給料は自ずと上がってくる。この意味で、やはり一番に目指すべきは雇用増ということになる。

 雇用は、失業率や就業者数等で測れるが、どちらを取っても安倍晋三政権の実績はいい。バブル崩壊以降では、最も良い雇用状況といってもいいだろう。

 アベノミクスの金融政策による効果は、マクロ経済学の教科書通りの話だ。金融緩和によって実質金利を下げて、株高、円安を生じさせるとともに、実物経済を押し上げ、具体的に民間の有効需要を増加させて、雇用が伸びる-という仕組みだ。

 有効需要が高まる点については、「金融緩和」と「積極財政」はマクロ経済の観点から見れば変わりはない。ただ、効果の即効性や波及範囲で両者は異なっている。財政政策は公的部門の有効需要へ直接働きかけるので即効性がある。他方、金融政策は民間部門の有効需要へ実質金利を通じて働きかけるので、波及範囲は広いが、効果は即効的ではなく持続的である。

 このため、財政政策の方が一般にはイメージしやすいが、雇用をみれば、民間部門に徐々に効果が持続する金融政策の効果もわかるだろう。こうしたマクロ経済学ベースの知見があるので、「金融政策は雇用政策」ともいわれているわけだ。

 金融緩和の効果を理解できずに、いまだに一部野党やマスコミでは「雇用が伸びているのは人口減少のためだ」という人がいるが、人口減少はここ20年くらいずっと続いている現象だ。にもかかわらず、最近においては、大規模な金融緩和を実施した安倍政権と小泉純一郎政権以外のときには、就業者数は増加していない、という事実を知るべきだ。

 大卒の就職率と前年の失業率には強い相関がある。バブル崩壊以降で最も雇用環境が良く、失業率は最低水準なので、大卒就職率が過去最高なのも納得だ。

 6年前の民主党政権時代には、筆者はひたすら大学から企業に採用をお願いする立場だった。政権交代の後、アベノミクスの金融緩和が継続する見通しを述べて、「そのうち就職率が高まり、就職市場は売り手市場になるだろう」と予想していたが、それが実現しつつある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】金融緩和策が雇用対策であると理解しない方々に悲報!お隣韓国では、緩和せずに最低賃金だけあげ雇用が激減し大失敗(゚д゚)!

雇用と、マクロ政策との関係は、以下のグラフを見ればすぐに理解できます。これを理解しているのと理解していないのとでは雲泥の差があります。以下のグラフは高橋洋一氏が作成したものです。


このグラフと、マクロ政策のうち、財政政策は公的部門の有効需要へ直接働きかけるので即効性があるものの、持続性には欠ること、他方、金融政策は民間部門の有効需要へ実質金利を通じて働きかけるので、波及範囲は広いが、効果は即効的ではないが持続的であることを理解していれば、マクロ政策のほとんどは理解できます。

また、実質賃金と雇用との関係については、大企業の人事に勤めたことのある人ならすぐに理解できるはずです。会社の業容が拡大しているときには、まずは最初に賃金の低いパート・アルバイトを雇い、次の段階ではまずは正社員でも賃金の低い新人を雇用します。

そうなると、相対的に賃金の低い人の雇用が増えるので、平均値である実質賃金は低下します。いずれ、中途採用をしたり、既存の社員の賃金が上昇したりするので、実質賃金もあがりはじめます。

国レベルでの、実質賃金も同じことです。金融緩和によって、雇用が増えると、まずはパート・アルバイトが増えはじめるので、実質賃金そのものは低下する傾向になります。

これを理解できない人が、「実質賃金がー」などといって大騒ぎするわけです。

また、雇用が増えると、最初は労働生産性は低下します。なぜなら、新人を雇うわけですから、当初は教育・訓練が必要となることや、コミュニケーションコストが増えることにより、労働生産性は低下しますが、時間の経過ととも、教育・訓練の成果と、コミュニケーションコストが低減して労働生産性は元に戻ります。

これは、IT関連企業てブロジェクト・リーダーをした人も理解しやすいかもしれません。ブロジェトの進捗が遅いので、それをはやめようとして、ブロジェクトの人数を倍にしたとしても、当初は効率が上がるどこか、落ちます。これは、コミュニケーションコストが大幅に上昇するからです。ただし、当初はそうでも、時間とともに効率があがり、やがてあがりはじめます。効率があがるまでには、タイムラグがあるのです。

このようなことは、理屈で考えれば、すぐに理解できることなのですが、これを理解できない人たちが、「実質賃金がー」とか、「民主党政権のときは実質賃金が高かった」などと言って騒ぐわけです。

しかし、これは完璧に間違いであることは、上記で明らかです。しかし、それでも、「実質賃金がー」「労働生産性が~」などと騒ぐ方々がいらっしゃるわけです。

ところか、こういう人たちに遇の音も出ないような、はっきりした事例がお隣韓国にあります。その事例が掲載された記事を以下に掲載します。
最低賃金が招いた「雇用ショック」…韓国の失業率4.5%…17年ぶり最悪
最低賃金引き上げの影響を大きく受けると認識される業種の雇用が2カ月間で26万件も消えた。就業者数の増加幅は2年連続で10万人台にとどまり、失業率は3月基準で17年ぶりの最高水準となった。

統計庁が11日に発表した2018年3月の雇用動向によると、先月の卸・小売業と飲食および宿泊業の就業者数は372万3000人と、前年同月比でそれぞれ9万6000人減、2万人減となった。これら業種はアパート警備員などが含まれる事業施設管理・事業支援および賃貸サービス業と共に最低賃金引き上げの影響を大きく受けると認識されている業種だ。

これら3業種は2月にも就業者数が前年同月比で14万5000人減少した。2カ月間でこれら業種の26万人の雇用が消えたということだ。最低賃金の急激な引き上げが雇用に悪影響を及ぼしていると考えられる。

実際、雇用市場全体は2カ月連続でショック状態だ。3月の全体の就業者数は2655万5000人と、1年前に比べて11万2000人増にとどまった。2月は就業者数増加幅が約8年ぶりの最低水準となる10万4000人だった。2カ月連続で「雇用ショック」が発生している状況だ。

昨年9月の就業者数増加幅(前年同月比)は31万4000人だったが、10月から3カ月連続で20万人台に減少した。今年1月は33万4000人に増えたが、2月と3月は10万人余りに急減した。

これを受け、3月の失業者数も125万7000人と、3カ月連続で100万人台となった。現在の基準で失業者の集計を開始した2000年以降、3月基準で最も多い。失業率は4.5%と、前年同月比で0.4ポイント上昇した。3月基準では2001年(5.1%)以来17年ぶりの最高水準。青年層(15-29歳)の失業率は11.6%と、3月基準で2016年(11.8%)以来2年ぶりの最高水準となった。

統計庁のビン・ヒョンジュン雇用統計課長は「最低賃金引き上げの影響もあるだろうが、観光客の減少など他の影響が複合的に影響を及ぼした可能性もあり、最低賃金引き上げの影響を正確に把握するのは難しい」と述べた。続いて「過去に就業者数の増加を牽引した建設業の状況が良くなかったうえ、人口増加幅自体が大きく減った」とし「昨年3月の就業者増加幅が46万3000人にのぼったため、これとの比較による影響もある」と話した。

企画財政部の関係者は「青年雇用の不振と構造改革リスクなどに対応し、青年雇用対策と補正予算の編成を迅速に進める」と述べた。
お隣の韓国では、金融緩和政策を実施せずに、急激に最低賃金をあげたことが、このような結果を招いてしまったのです。

最低賃金をあげるには、ただあげるだけではなく、雇用政策として最初に金融緩和策を実行すべきだったのです。金融緩和策を実行すれば、人手不足が深刻となり、人手を確保するには各企業が、自ら賃金をあげるようになります。このような状況になってから、最低賃金をあげるようにすれば、雇用を犠牲にすることなく、上げることができるのです。

こんなことをいうと、韓国社会は遅れているから、まずは構造改革などを先にすべき、そもそも韓国が金融緩和をすれば、キャピタルフライトがおこるなどとしたり顔をおっしゃる方々もいまますが、これも大間違いです。

日本でも過去に日本の経済の停滞は日本社会の構造に原因があるとして、構造改革を進めようとして、金融緩和策、積極財政にはノータッチで、構造改革を進めようとした時期がありました。しかし、これはことごとく失敗しました。

結局、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏が指摘しているように、大規模な金融緩和を実施した安倍政権と小泉純一郎政権以外のときには、就業者数は増加していません。

安倍政権が成立して金融緩和ををする前は、日本では量的緩和をすると、キャピタルフライトがおこるなどともいわれましたか、ご存知のように日本で金融緩和を実施してもそのようなことは起こりませんでした。

なぜ、そのようなことにならないかなど、アイスランドでなぜキャピタルフライトが起こったのかなどを調べれすればすぐにわかります。

それについては、このブログでも、掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
未来がなくなった亡国への光景 韓国の若者、楽して暮らせる公務員「最低職位」試験に殺到―【私の論評】ポスト安倍は日本も韓国並に八方塞がりに(゚д゚)!
韓国の若者に「公務員志望」が高まっているという(写真と本文は関係ありません)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にアイスランドのキャピタル・フライトの原因について関係する部分のみを引用します。

かつてキャピタルフライトの起きた国としてアイスランドは有名です。
その頃アイスランドはGDP比で700%もの外貨建ての借金をしていました。しかし、当時のアイスランドの政府債務対GDP比は29%しかありませんでした。この700%もの債務は一体誰が負っていたのでしょうか。 
アイスランド政府の借金でないのであれば、あとは民間しかありません。この膨大な対外の外貨建て債務は国内の金融機関が負っていた負債でした。 
このような国であれば、当然のことながらキャピタルフライとは起こりえます。そうして、実際アイスランドではそれが起こったのです。
政府が財政黒字であったにもかかわらず、財政破綻した
国アイスランドの政府債務対GDP比の推移

このようなことを掲載すると、日本は借金をしているから大変だ、日本も大変だと考える人もいるかもしれません。しかし、日本は借金どころか、世界に最もお金を貸している国です。

実際、財務省は25日、日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を差し引いた対外純資産残高が昨年末時点で328兆4470億円になったと発表しました。27年連続で世界最大の純債権国となりました。

ただし、1年前から2.3%減り、3年連続で前の年を下回ったとしています。これは、日本企業の株価が上昇し、海外投資家が持つ証券の評価額が膨らみ、対外負債が増えたためです。

このような国がキャピタルフライトをするはずなどありません。

韓国の場合は韓国銀行が昨年2月22日、韓国の対外債権が前年比638億ドル増の7843億ドルとなったのに対し、対外債務は151億ドル減の3809億ドルだったと発表しました。この程度の借金であれば、韓国も金融緩和をしたからといって、アイスランドのようにキャピタル・フライトが起こることもありません。

このようなことを分析していけば、やはり韓国も日本のように金融緩和をして、雇用状況を良くした後に、最低賃金を上げるとか、構造改革に取り組むなどをすべきだったのです。

順番が間違えているのです。まずは、何が何でも最初に雇用を良くしなければならないのです。

これは、日本でも同じです。日本でも、韓国と同じように最初に最低賃金をあげていれば、とんでもないことになりました。

お隣韓国で、このような大失敗の事例があるにもかかわらず、日本ではほとんど報道もされず、日本の政治家の多くや、マスコミは未だに雇用と金融政策の関係を理解していません。本当に困ったものです。本来そんな人が、経済記事を書いたり、雇用を論じたりする立場におさまっていること自体が奇異なことだと思います。

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