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2019年2月22日金曜日

韓国・文政権と日本の民主党政権は似ている? 無理に最低賃金引き上げた結果…左派なのに雇用創出に失敗 ―【私の論評】文在寅・民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもない(゚д゚)!


文在寅大統領

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の雇用政策は、驚くほど日本の民主党政権(当時)と共通点がある。その背景は何か。

 先日関西で放送された情報番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』で、金明中(キム・ミョンジュン)ニッセイ基礎研究所准主任研究員から興味深いリポートがあった。

 それによれば、韓国の文政権では、最低賃金引き上げと労働時間短縮をやったが、結果として失業率が上がったという。

 この話を聞いていて、筆者は「金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる」という典型的な失敗政策だなと思いながら、同時に民主党政権当時の政策を思い出した。

 実は筆者は、アベノミクスの金融政策を説明するため、韓国大使館をしばしば訪問していた時期がある。文政権が誕生する前のことだ。その後、韓国では文政権が誕生した。左派政権である文政権が、民主党政権と同じような失敗をしたのは、きわめて興味深い。

 左派政党の建前は「労働者のための党」というものだ。このため、雇用を重視する。しかし、雇用を作る根本原理が分からないと、目に見えやすい賃金に話が行きがちだ。

金融緩和は一見すると、企業側が有利になるため、短絡的に労働者のためにならないと勘違いする。金利の引き下げは、モノへの設備投資を増やすとともに、人への投資である雇用を増やすことになるのを分からないからだ。その間違いをする人は、金融引き締めで金利を上げることが成長にいいとか言いがちだ。立憲民主党の枝野幸男代表のかつての発言がその典型だ。

 そうした勘違いの末、政策としてやりやすい最低賃金の引き上げになる。

 民主党もこれで失敗した。2010年の最低賃金は引き上げるべきでなかったが、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、前年比で2・4%も最低賃金を引き上げてしまった。前年の失業率が5・1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0・3%程度であるのに、民主党はもったいないことをした。

 それが、結果として雇用の悪化につながった。民主党時代、就業者数は30万人程減少したが、第2次安倍晋三政権では300万人以上も増加した。

 大学卒業者の卒業年の就職率について、民主党時代の11年は91%だったが、安倍政権の18年は98%である。社会人になっていない学生は、雇用の既得権もないので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろに出る。

 最近の韓国は、北朝鮮化しており、いわゆる元徴用工判決、レーダー照射事件、慰安婦像問題、天皇陛下への謝罪要求など対日関係はひどすぎる。

 しかし、旧民主党からできた野党はほとんどモノを言わない。似た者同士なので言わないのかと邪推してしまうほどだ。

 野党が政府与党を批判するのは当然だが、2年以上も「モリカケ」をやって結果が出なかった。統計不正問題もまた「モリカケ化」するのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】文在寅・民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもない(゚д゚)!

2月10日の自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と発言した安倍首相に対し、岡田克也元副総理が撤回を求めるなど、激しい論争になっていました。岡田氏にとっては、自分たちの時代を「悪夢」と言われて気のいいものではないことは理解できなくもありません。

一方で、国民にとって民主党政権の3年間は「悪夢」だったのかどうかは、様々な角度から検証されるべきです。

そもそもこの表現は、安倍首相だけが使っているものではありません。1月31日には、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が衆議院代表質問を行い、その冒頭で「あの悪夢の3年間といわれた民主党政権」と発言しています。一国の首相と野党の幹事長では影響力が違うという声もあるでしょうが、首相だけの認識ではないということは、確認しておくべきでしょう。

さて、安倍首相が「悪夢のような民主党政権」と批判したのは、経済政策についてです。民主党政権時代は、安全保障分野では「普天間基地は最低でも県外」と掲げて内外の政策に大混乱を招いたこと、「尖閣諸島での中国漁船と日本の巡視船衝突事件」での中国人船長釈放、福島原発事故での「官邸による人災」など、「悪夢」と呼ぶにふさわしい出来事の連続でした。

鳩山元総理大臣

しかし、ここではあくまで安倍首相が指した民主党時代の経済政策、特に雇用に絞って議論します。

先に雇用以外について述べるなら、民主党政権が行った、震災復興増税の導入はまさに「悪夢」です。100年に一度の大災害が起きた場合、復興費用を捻出するために100年国債を発行するのが経済学の教えである。

これを増税で賄おうとしたことで、震災で大ショックを受けた上に、増税という人災で日本経済がダブルショックを受けることになったのです。地震などの自然災害を増税などで、賄うなどという、常軌を逸したことを行ったのは、古今東西日本の復興増税だけです。

私は、経済政策を評価する際、①雇用、②所得を基準に評価を下します。これは一貫して変わっていません。景気が悪くなれば、まず金融緩和(これに財政出動も加えて)によって有効需要を創出し、雇用を作るのがマクロ経済政策の手順です。

この観点から見れば、民主党時代の経済政策は「悪夢」だったと言えます。働きたい人に仕事がある状況を作るのが政治の大きな責任であり、民主党政権と安倍政権の差は、何より「雇用の創出ができたかどうか」です。

この両政権の差は、金融政策です。金融緩和を行わなかった民主党政権と金融緩和を行った安倍政権の差です。

金融政策がどうして雇用に効くかというと、一般物価の変動を通じて実質金利に作用し、モノへの設備投資とともに、ヒトへの雇用の増大へ影響するからです。他の政策では、個別物価に影響を与えても一般物価には影響を与えられません。これは金融政策がもつ、他の政策にない特徴です。

民主党は、この点の理解がまったくできていませんでした。就業者数を増やすべき時に、賃金を引き上げようとしたのですが、これはまったくの経済政策オンチだったといわざるを得ないです。

民主党議員等の中にも、馬渕氏や金子洋一氏のように、「金融政策は雇用政策であり、もっと金融緩和すれば雇用がよくなり自殺率がさらに低下する」ということを理解している人もいますが、これはほとんど例外的であって、民主党の議員のほとんど、そうして幹部は、皆無でした。これは自民党も似たようなものですが、安倍総理とその側近はこれを理解しています。

金子洋一前参議院議員

このような政策が実現しなかったのは、当時執行部にいた、現立憲民主党党首の枝野幸男氏の影響もあるでしょう。というのも、民主党が政権を取る前、あるテレビ番組で枝野氏は「金融引き締めが高成長につながる」との持論を展開していたからです。

安倍首相は政権を取る前から、金融政策のことを話していたので、やはりこれを理解していたのです。

私は、こうした話は、日本だけの話かと思っていたのですが、ブログ冒頭の記事にもあるように、「金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる」という典型的な失敗政策を文在寅大統領が実行して大失敗しているのです。これについては、昨年何度かこのブログにも掲載したことがあります。

実は筆者は、韓国の日本大使館にアベノミクスの説明をするためにしばしば訪問していた時期がある。文政権が誕生する前のことだ。その際、金融政策は雇用政策であることを安倍政権にも民主党政権にも説明したが、実行したのは安倍政権で、結果、雇用の確保に成功したということも説明した。

その後、韓国では文政権が誕生しました。文政権は左派政権ですが、金融緩和策を採らなかったために、民主党政権と同じような失敗をしたのは、きわめて興味深いことです。

このような失敗政策の悪影響は、大学新卒者の就職率に表れます。新卒者は限界的な雇用なので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろにでるからです。実際、いまの韓国で、大学の就職率はかなり悪いです。大卒の就職率は67.7%であり、若者の失業率は10.0%といわれています。

日本でも、大学卒者の卒業年の就職率について、民主党時代の2011年は91%でしたが、安倍政権の2018年は98%でした。社会人のスタートにもついていない学生は、雇用の既得権もありません。そうした若者に、将来の安心をいかに与えることができるかは、政治にとって重要なことです。この意味でも、民主党時代は酷かったと言えます。

これは大学関係者や企業の人事部の人なら誰でも知っていることです。少し前には、どの企業にとっても新卒雇用は買い手市場で、かなり楽だったはずです。しかし、今はその全く逆です。

若い人たちも民主党政権時代に就職状況が悪かったことはよく知っています。若い人の安倍政権政権支持が多いのは、右傾化ではなく、就職ができるようになったからでしょう。

経済政策においては「雇用の創出が先決で、賃金は後からついてくる」が正しいです。ただし、最低賃金をどのように設定すべきか、という問題が残るのは事実です。実は、最低賃金は前年の失業率から無理のない水準にし、賃金は後からついてくるという原則を曲げないようにさえすれば良いのです。

この点、安倍政権はかなり、手練たやり方をしています。雇用を作りつつ、失業率が下がるような環境を作っておき、最低賃金は失業率の低下に合わせて、毎年上がっていくように調整しています。

安倍首相は、このメカニズムを「政治的」に上手く利用しています。前の年の失業率低下から、無理のない最低賃金の引き上げを行うのですが、その際、「政労使会議」を利用し、あたかも安倍首相主導で最低賃金を引き上げたように見せ、政治的なプレゼンスを高めているかのようです。

いってみれば、最低賃金の引き上げは、雇用創出の成果であるが、その果実を安倍政権は政治的に上手く利用しているともいえます。

それは、次の図で明らかです。



民主党は、はじめの年の2010年の最低賃金は引き上げるべきでなかったのです。しかし、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、前年比で2.4%も最低賃金を引き上げてしまいました。前年の失業率が5.1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0.3程度であるのにです。

こうした失政は、多くの国民が(少なくとも肌感覚で)わかっているのに、元民主党の関係者は、このことについての反省がないようです。それでは、永遠に次の政権交代は起こらないでしょう。政権交代の選択肢がないということは、国民にとって大きな損失です。

最後に、①雇用と②所得(総所得と賃金)について、民主党政権と安倍政権の成果について、念のために図を掲げておきます。



これらをみれば、日本維新の会の馬場伸幸幹事長でなくても、「悪夢」といいたくなる気持ちがお分かりいただけると思います。

さらに、最近国会で、修正後もわずか0.5%とかその程度しか違わないの統計不正に関して、倒閣に利用しようとする民主党の後継である、立憲民主党等が国会での追求をみていると本当にあの「悪夢」を生み出したのは、「悪魔」ではないかと思ってしまいます。

ただし、不正は不正です。しかし、あの不正は官僚側に100%問題があるのであって、安倍政権側の問題ではありません。もし、あれで政権が崩壊するというのなら、どの政権も不正など発見しなくなってしまいます。

そうして、民主党政権のときにもあの不正はあったということを現在の立憲民主党や、国民民主党などの野党はどう考えているのでしょうか。

やはり、文在寅政権と民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもないです。

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2018年11月6日火曜日

各国で「右派」が躍進する理由… 経済苦境と雇用悪化を招いた左派に対し、国民に「刺さる」政策で支持得る―【私の論評】雇用は他のどの指標よりも重要!ティラー・スウィフト効果は僅少!中間選挙は雇用をかなり良くしたトランプ共和党が断然有利(゚д゚)!

各国で「右派」が躍進する理由… 経済苦境と雇用悪化を招いた左派に対し、国民に「刺さる」政策で支持得る

ブラジル大統領選で勝利したボルソナロ下院議員

 ブラジル大統領選で、右派のボルソナロ下院議員が勝利した。このところ、各国で右派政治家が選挙で勝利しているのが目立つ。米国のトランプ大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領、ハンガリーのオルバン首相などだ。

 ドイツの地方議会選では、メルケル首相が党首を務める中道のキリスト教民主同盟が敗れたが、これも極右勢力と極左勢力の台頭によるものだ。

 主要7カ国(G7)でみると、米国のトランプ大統領、英国のメイ首相、日本の安倍晋三首相が右派、フランスのマクロン首相、ドイツのメルケル首相、イタリアのコンテ首相、カナダのトルドー首相が中道といったところではないだろうか。

 ブラジルの政治事情をみると、ボルソナロ氏の前は、左派・労働党の人物が大統領を長年務めていたが、国民の拒否感が強かったようだ。背景には深刻な不況があり、2015~17年はマイナス成長だった。不況に加えて政治汚職などのスキャンダルが、今回の右派大統領の誕生につながっている。

 フィリピンではドゥテルテ大統領が国内の治安問題への対処で高い支持率を得ている。

 ハンガリーは反移民の強硬策が国民の人気を博し、10年からオルバン首相の長期政権になっている。同じ欧州で、オルバン首相の強権政治と対極といわれていたのが、ドイツのメルケル首相だが、寛容な移民政策のために地方選挙で相次いで敗北し、キリスト教民主同盟党首を辞任することになった。首相は続けるが、レームダック化は避けられない。

 欧州では、移民政策への対応によって、それに反対する右派が勢いを増しているようだ。

 ハンガリーでは、経済成長率も10年の0・7%から上昇傾向で、17年には4・0%になった。一方、ドイツでの成長率は10年に4・1%だったが、その後はあまり振るわず17年は2・2%にとどまった。

 こうしてみると、右派は、左派の経済低迷を背景に、国民に「刺さる」政策で支持を得たときにできやすいようだ。

 経済苦境とも表裏一体であるが、左派政権下の雇用悪化を受けて右派政権が誕生し、雇用で一定の結果を出している国も多い。

 ブラジルは、11%を超える失業率を記録している。本来なら雇用がうたい文句のはずの左派政権では情けない数字で、右派政権ができても不思議ではない。

 米国もトランプ政権になってから雇用が好調で、失業率は4%とほぼ完全雇用状態である。フィリピンの失業率は5・4%で、ドゥテルテ大統領就任時より改善している。ハンガリーはオルバン政権になってから一貫して失業率が低下しており、今では3・7%と発足時の11・2%とは段違いの雇用環境だ。

 日本でも、第2次安倍政権が発足して以降、雇用が格段に良くなっているのは説明するまでもないだろう。

 左派政権が雇用を確保できないときに、右派が左派のお株を奪っているという現象が世界的に起きているのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】雇用は他のどの指標よりも重要!ティラー・スウィフト効果は僅少!中間選挙は雇用をかなり良くしたトランプ共和党が断然有利(゚д゚)!

冒頭の高橋氏の記事には、米国ではトランプ政権になってから雇用がよくなっているとありますが、確かにそのとおりです。以下に、直近(10月)はどうであったかを示します。

米国ではトランプ政権になってから毎月雇用が
増えているが10月は25万人の雇用が増えた

米労働省が発表した10月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が25万人増となり、市場予想の19万人増を上回りました。失業率は労働参加率の上昇にもかかわらず49年ぶりの低水準となる3.7%を維持したほか、賃金の伸びは9年半ぶりの高水準となりました。労働市場の一段の引き締まりが示されたことで米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げを実施するとの観測が一段と裏付けられました。



トランプ大統領は雇用統計を歓迎し、ツイッターに「これらは信じられない数字だ」とつづりました。


10月はハリケーン「フローレンス」の影響で停滞したレジャー・接客部門の雇用が回復。製造、建設、専門職などの部門でも雇用は大きく拡大しました。

労働省は10月半ばにフロリダ州を直撃したハリケーン「マイケル」による10月の統計への影響は軽微だったとしています。

ただ9月分は11万8000人増と、13万4000人増から下方修正されました。

時間当たり平均賃金は5セント(0.2%)増加。前年比では3.1%増と、前月の2.8%増から加速し、2009年4月以来の高い伸びとなりました。

10月は週平均労働時間が34.5時間と、前月の34.4時間から増加しました。賃金の上昇は他の経済指標でも示されており、インフレ率が当面はFRBが目標としている2.0%近辺で推移するとの見方を裏付けるものとなります。

FRBは来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策を据え置くとの見方が大勢となっていますが、エコノミストの間では、10月の労働市場関連の経済指標が力強かったことで12月のFOMCでは利上げに動くとの見方が濃厚になっています。FRBは9月に今年に入ってから3回目となる利上げを実施しています。

過去3カ月間の毎月の雇用増の平均は21万8000人。労働人口の増加に対応するためには毎月10万人前後の雇用増が必要とされていますが、この水準を倍以上上回っています。

10月の労働参加率は62.9%と、前月から0.2%ポイント上昇。現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は7.4%と、前月の7.5%から低下しました。

雇用率は60.6%と0.2%ポイント上昇し、09年1月以来の高水準となりました。

業種別ではレジャー・接客が4万2000人増加。小売は増加したものの2400人増にとどまりました。経営破綻した小売り大手シアーズ・ホールディングス(SHLDQ.PK)の店舗閉鎖などが影響した可能性があります。

建設は3万人増、製造は3万2000人増となりました。製造業は前月の1万8000人に続く増加。トランプ米政権は保護主義的な貿易政策を打ち出していますが、これまでのところ米製造業に対する雇用面での影響は顕在化していません。

この雇用の改善は、当然のことなが本日開票される、米国中間選挙には有利です。オバマ前大統領は、「米国の経済は、前民主党政権自体から良くなっていた」と中間選挙の応援演説で述べていました。確かにそのようなことはあります。ただし、雇用に関してはオバマ大統領のときも改善しつつありましたがが、トランプ大統領になってからは明らかにかなり改善しています。

今年6月11日のニューヨーク・タイムズには、「雇用の数字がどれほど良いものか表現する言葉がもうない」と題された、コラムが掲載されました。以下にその内容の日本語訳を掲載します。
「雇用の数字がどれほど良いものか表現する言葉がもうない」

ニール・アーウィン著
ニューヨーク・タイムズ「The Upshot」
2018年6月1日1日に発表された5月の雇用の数字を分析する時に本当に疑問となるのは、それを的確に表現するために『良い』の同義語がネットの類語辞典に十分存在するかどうかという点だ。 
例えば、「splendid(輝かしい)」や「excellent(卓越した)」といった言葉が当てはまる。そのような言葉が適切となるのは、米国経済で増加に至るまで9年間かかったにもかかわらず、1カ月に22万3千の雇用が追加された場合や、失業率が18年で最低の3.8パーセントに落ちた場合のことだ。 
「salubriousな(健康的)」「salutary(有益な)」「healthy(健全な)」は、平均時給が0.3パーセント上昇したことを表現する言葉として使える。しかもそれは、昨年全体で2.7パーセントの上昇であった・・・。

また広義の失業率には、失望から職探しを諦めてしまった人も含まれるが、それが7.6パーセントに低下した。アフリカ系アメリカ人の失業率は5.9パーセントに低下し、最低記録となった。「great(偉大な・すばらしい)」と見なすべきものだろう。

類語辞典には、雇用の数字に言及する際には通常使用しない同義語も他にあるが、この月に対しては適切だ。例えば様々なレポートが互いに合致しているという意味で、「congruous(適合する・調和する)」というものがある。つまり、雇用主がより多くの雇用を生み出して、より多くの人が仕事に就き失業者が少なくなるようにしており、給与が上昇することへつながっている。

5月の数字から引き出せることは、アメリカの景気が安定したペースで好調を続けており、仕事に就く人が増え賃金も徐々に上昇しているということだ。
出典:https://www.nytimes.com/2018/06/01/upshot/we-ran-out-of-words-to-describe-how-good-the-jobs-numbers-are.html 

このようなコラムがニューヨーク・タイムズに掲載されたわけですから、最近の雇用の回線はトランプ政権によるもの以外には考えられないといえると思います。

そうして、これは今回の中間選挙で決定的な追い風となることでしょう。この中間選挙については、昨日も掲載しました。
米中間選挙情勢 接戦6州が焦点 6日投開票―【私の論評】トランプ共和党は確実に過半数を維持する(゚д゚)!

さて、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、このブログでは、カバノー最高裁判事の任命を巡って民主党が露骨な妨害をしたこと、中米から数千人の移民キャラバンが米国国境を目指していることが米国民の危機感をあおり、移民に寛容な民主党にとって不利な材料になっていること、さらにいわゆる「隠れトランプ共和党支持者」が大統領選挙のときよりも増えていることから、共和党は上院・下院とも過半数を維持するであろと予測しました。

ただし、一つ掲載し忘れていたことがあります。それが、雇用状況に大幅な改善です。これは、当たり前のことのようですが、雇用が良くなければ、他の何が良くても不利になります。

雇用が良ければ、かなりの追い風になります。経済指標は雇用も含めて様々なものがあります。その中で最も重要なのは雇用です。GDPも重要ではありますが、GDPが良くなっても雇用がまずければ、多くの国民は経済がよくなったとは実感できません。

多くの人がたとえ、経済が悪くなったとして、最悪解雇されたにしても、雇用情勢が良ければ、すぐに就職することができます。それだけ希望を持ち、希望を失わないで生活てきます。しかし、GDPや他の指標がいくら良くても、雇用が悪化すれば、その逆になります。希望が失われ、大きな社会不安がまきおこされることになります。

特に日本以外の国々では新卒一括採用などという制度はありません。あくまで、必要なとき募集します。そうなると、雇用が悪くなるとまず誰より見若者を直撃します。

雇用状況が良くなれば、若者も採用されやすくなります。最近、テイラー・スウィフトが民主党支持を表明しました、これを大きく評価するむきもありますが、私はそうではないと思います。

テイラー・スウィフト

これだけ雇用が改善されているて、ティラー・スウィフトが民主党を応援したとしても、それに新たに引きずられる若者はそう多くなるとは考えられません。

それだけ、雇用は重要なのです。どの国であれ、雇用が良くなったり、良さを維持できていれば、その時の政権は安定します。そうでない政権は逆に不安定になります。

最近は、韓国の文在寅大統領の退陣の危機もささやかれています。それについては、以下の記事をご覧になってください。
韓国内で非難炸裂!文大統領に“退陣”危機 『従北』傾斜に外交官OBら異例の緊急声明「文政権の国家安保蹂躙を弾劾する」

文在寅大統領

この記事には、雇用のことは書かれていませんが、文在寅大統領は、金融緩和せずに最低賃金をあげるという、マクロ経済的にはあり得ない政策を実行し、雇用が激減して大失敗しました。ちなみに、これは経済成長も金融緩和もしないで、再分配を強化するという、立憲民主党の枝野の氏の理論と全く同じです。

韓国の大統領、日本の野党第一党のリーダーがともに左翼系であり、その両者とも金融機緩和に関心がなく、よって雇用を状況良くすることができないのです。

私自身は、韓国があれだけ雇用が悪くなれば、文政権もおしまいになるのではないかと思っていたのですが、さすがにその気配がでてきたようです。実際は、どうなのかはわかりませんが、少なくとも雇用が良くなっていれば、若者を中心に大きな支持を得て、大統領退陣などということは全くありえなかったでしょう。

しかし、あれだけ雇用が不安が大きいと、国民情緒法なるものがある国柄ですから、弾劾ということもあり得るかもしれません。ちなみに、朴槿恵前大統領も、金融緩和をしなかったため、雇用がかなり悪化していました。そうして、あのようなことになりました。

韓国では、大統領になった人が金融緩和をしないと今後とも、雇用が悪化し続けて、国民の支持を失い続けると思います。反日などやっている場合ではないと思います。まずは、金融緩和をして雇用を改善すべきです。

いずれの国のリーダーも雇用を安定化させなけば、政権が不安定になるし、雇用を安定化できれば、政権も安定するということです。

以上のことを考えると、雇用は他のどの指標よりも重要であり、ティラー・スウィフト効果はこれに比較すれば僅少であり、やはり雇用をかなり良くしたトランプ共和党が両院ともに過半数を維持するのではないでしょうか。

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2018年8月2日木曜日

世界が反緊縮を必要とする理由―【私の論評】日本の左派・左翼は韓国で枝野経済理論が実行され大失敗した事実を真摯に受け止めよ(゚д゚)!

世界が反緊縮を必要とする理由

ケイザイを読み解く野口旭

『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』表紙
写真はブログ管理人挿入 以下同じ


<現在の世界経済を貫く経済政策上の基本的な対抗軸は、もはや政治イデオロギーにおける右や左ではなく、「緊縮vs反緊縮」である...>

経済論壇の一部ではいま、本年の4月に出版された『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』(ブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大、亜紀書房)が話題になっているようである。

ただし、ネット上の書評などをぱらぱらと見てみると、その受け取られ方は必ずしも好意的なものばかりではない。むしろ、この本に関する書評や論評に関して言えば、長々と書き連ねているものほど辛辣な内容で埋め尽くされていることが多い。そして、そうした執拗な批判の書き手は、明らかに右派ではなくて左派である。

同書がこのように、左派的な読者の一部から強い反発を受けている理由は明白である。それは要するに、同書が、左派的な人々が蛇蝎のように嫌っている現在の安部政権の経済政策すなわちアベノミクスを、「金融緩和プラス拡張財政」というその骨格的な部分において肯定しているからである。

松尾匡氏

もちろん、同書の3人の著者はいずれも左派を自認する論者であるから、アベノミクスの一部を是認してはいても、安部政権そのものを支持しているわけではない。というよりも、少なくともその政治的なスタンスとしては、この3人の論者は明らかに「アベ政治を許さない」と叫んでいる側に近い。

にもかかわらず本書が反安倍を掲げる左派から目の敵にされているのは、「じゃぶじゃぶの金融緩和で株価を引き上げただけ」、「悪性インフレやハイパーインフレの種を撒いた」、「財政バラマキによる将来世代へのツケ回し」、「財政規律を失わせて財政破綻を招き寄せている」といった、これまでの左派による定番のアベノミクス批判が的外れであることを指摘し、それらを容赦なく切り捨ていているからである。

さらには、アベノミクスが発動されて以降、経済状況とりわけ人々の生活に直結する雇用状況が民主党政権以前と比べて明確に改善しているという、左派の人々にとっては受け入れ難い事実を事実として指摘し、安部政権への特に若い世代から高い支持がこうした雇用改善に基づくものであることを冷静に分析しているからである。

アベノミクスの把握と評価をめぐるこうした左派における「分断」は、現在の世界経済を貫く経済政策上の基本的な対抗軸が、もはや政治イデオロギーにおける右や左ではなく、「緊縮vs反緊縮」であることを示唆している。同書の著者たちはもちろん、人々にいま必要とされているのは反緊縮政策であること、そして左派こそがその反緊縮の中核を担うべきことを主張する。

しかしながら、アベノミクスに対する左派からの反応の多くは、上の定番的批判が示すように、要するに「緊縮の側からのアベノミクス批判」の左派的形態にすぎない。同書はその問題性を、あえて左派の内部から提起しているのである。

緊縮から反緊縮へ

マクロ経済政策における反緊縮とは、「赤字財政を可能な限り許容しつつ金融緩和を進めること」と定義できるであろう。要するに「金融緩和プラス拡張財政」である。ただし、不況期には財政赤字を許容すべきという赤字財政主義それ自体は、ケインズ主義の伝統的な政策指針であり、目新しい点はまったくない。近年における反緊縮主義が旧来の赤字財政主義と異なるのは、その赤字財政が必ず金融緩和とセットになっているという点にある。この「金融緩和に裏付けられた赤字財政」というマクロ経済政策のあり方が「反緊縮」と呼ばれているのは、それがとりもなおさず、2010年頃から世界的に浸透し始めた経済政策における緊縮(Austerity)へのアンチテーゼとして提起されていたからである。

2008年9月のリーマン・ショックを契機として「百年に一度の世界経済危機」が生じたとき、各国政策当局はまず、景気対策の定石通り、財政拡張政策と金融緩和政策によってそれに対応しようとした。そして、それらの政策によって、世界は少なくともかつての世界大恐慌のような経済的大惨事の再発を防ぐことには成功した。とはいえ、2009年頃の各国の経済収縮はきわめて深刻であり、多くの国が政府財政の急激な悪化に直面した。

そこに生じたのが、2010年5月のギリシャ・ショックであり、それに続く欧州債務危機であった。それを契機として、各国の財政スタンスは、拡張から緊縮へと、まさに急転回することになる。とりわけ、債務危機の震源である欧州では、各国に対して財政規律の確保を強く求めるドイツの主導の下で、厳格な財政引き締め、すなわち増税あるいは歳出削減が実行された。その結果、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの南欧の債務危機国では、経済が急激に縮小し、若年層の失業率が50%近くあるいはそれを超えるまでにいたった。

アメリカでは、ティーパーティーと呼ばれる草の根保守派が、政府財政赤字の拡大を問題視し、「アメリカ経済が低迷しているのは財政赤字のせいだ」といったプロパガンダを始めた。そして、それに後押しされた共和党が、政府債務の上限引き上げ拒否という議会戦術に打って出た。それはその後、強制歳出削減に伴う「財政の崖」と呼ばれる一大騒動をもたらした。

その状況は日本でも同様であった。2009年9月に発足した民主党政権は、少なくともその政権獲得当初は「消費税増税は当面は行わない」ことを明言していた。しかし、2010年春にギリシャ・ショックが生じて以降は、消費税増税問題が与野党を巻き込む最大の政策的争点となった。未だに喉に刺さったトゲのごとく日本経済に痛みを与え続けている、民主党・野田佳彦政権下の2012年夏に成立した「消費税引き上げの三党合意」は、その帰結である。

反緊縮とは要するに、こうした形で世界的に推し進められていった財政緊縮への政策的アンチテーゼである。そこで金融政策の役割に改めて焦点が当てられるようになったのは、金融緩和は赤字財政主義を貫徹するためにも必要不可欠であることが、まさにこの財政危機から財政緊縮にいたる経緯の中で明らかになったためである。

金融政策は「財政の足かせ」を緩めるのに役立つ

そもそも、赤字財政主義は、それ自体としてはきわめて脆弱なのである。不況下には財政赤字を拡大すべきとはいっても、実際に赤字が拡大すれば「財政危機懸念」が生じるのは避けられないし、その懸念がやがては現実の危機に転じる可能性も否定はできない。それがまさに、多くの国が「不況下の緊縮財政」という最悪の選択を行うにいたった理由である。

しかし、金融政策は、そのような政策選択に追い込まれるのを避ける大きな手助けとなる。そこには少なくとも、以下の三つのチャネルがある。

第一は、中央銀行による国債購入を通じた国債市場の安定化である。中央銀行が行う金融緩和とは、一般的には国債等の資産を購入して自国通貨を供給することである。不況期には通常、税収の減少や景気対策のための財政支出によって政府財政が悪化し、国債の発行が増加する。それは時には、国債市場の攪乱要因となり、国債の価格下落と金利上昇をもたらす。しかし、中央銀行が不況期に国債購入を通じた金融緩和を行えば、国債金利は低位に保たれ、市場の攪乱は自ずと抑制される。

第二は、中央銀行の国債保有拡大による政府の国債利払い費の縮小である。政府が国債を発行して財政赤字を賄えば、当然ながら民間の国債保有者に対して金利を支払い続けなければならない。しかしながら、その国債を中央銀行が民間から買い入れた場合には、政府はその分の金利支払いを免れることができる。というのは、政府が中央銀行に支払った国債保有分の金利は、国庫納付金などとして再び政府に戻ってくるからである。したがって、中央銀行が国債保有を拡大すればするほど、政府の国債利払い費は縮小する。債務とは金利を支払ってこそ債務なのであるから、中央銀行が保有している国債に関しては、政府債務が事実上存在しないに等しい。これがいわゆる通貨発行益(シニョレッジ)である。

そして第三は、金融緩和を通じた景気回復による財政の改善である。金融緩和は一般に、金利や為替の低下を通じて雇用、所得、そして企業収益を改善させる。税収は基本的に所得や企業収益に依存するものであるから、その所得と企業収益の改善は、自ずと不況によって減少していた税収の改善に結びつく。

つまり、金融政策が自由度を持つということは、「政府の財政収支制約」を一時的にせよ大きく緩和できることを意味する。ギリシャをはじめとする欧州各国に債務危機が発生したのは、まさしく統一通貨ユーロという「足かせ」に縛られて自国のための独自の金融政策が実行できなかったためである。仮にこれら欧州の債務危機国がユーロには加入せずにそれぞれの通貨を保持していたならば、債務危機を当初から免れていた可能性は十分ある。

財務省出身の政治家であり、政権交替直後の民主党・鳩山由起夫政権で財務大臣を務めた藤井裕久は、2016年8月14日付けの日本経済新聞(電子版)インタビューで、「カネをばらまくだけ」のアベノミクスはいずれ破綻すると述べたのちに、以下のように発言している。

藤井裕久

黒田(東彦日銀総裁)も(金融政策の限界を)分かっていると言わざるを得ない。これは、書いたっていいや。大蔵省に本当の幹部達の集まりがある、あるんだよ。僕は、黒田にこう言った。「君、分かっているじゃないか。財政を健全にしろと良いことを言ってくれている。だけど、君、ばらまいていたら、健全化にはならないんだよ。だって、(間接的に)国債買うんだろと。健全になるわけないんだよ」と、ひとつ言いました。

この藤井の発言は、その意図はどうであれ、「金融政策は財政制約の緩和に役立つ」という重要な真理を含んでいる。ただ、反緊縮の側がそれを肯定的に捉えるのに対して、典型的な緊縮論者である藤井は、それをアプリオリに悪と考えているわけである。

緊縮を打ち負かしたオルト・ライト・ケインズ主義

上掲『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』では、欧州で拡大しつつある反緊縮に向けた政治潮流の現状がつぶさに紹介されている。そこで興味深いのは、反緊縮の担い手は必ずしも左派とは限らないという事実である。実例として挙げられているは、2010年に成立したハンガリーのオルバーン政権である。その経済政策である「オルバノミクス」は、金融緩和と財政支出の組み合わせであり、まさしく反緊縮そのものである。しかしながら、この政権それ自体は、民族主義的かつ復古主義的な特質を持つ、まごうことなき右派であった。

ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相

同様のことはおそらく、アメリカのトランプ政権に関しても言える。筆者は以前のコラム「オルト・ライト・ケインズ主義の特質と問題点」(2017年02月28日付)において、トランプ政権の経済観は、旧来の保守派の経済観、すなわちティーパーティーも含む共和党主流派が奉じてきた「小さな政府」を標榜する新自由主義におけるそれとは対極的であり、本質としてはむしろケインズ主義の方に近いことを指摘し、それを「オルト・ライト・ケインズ主義」と名付けた。実際、トランプが大統領選挙時から一貫して訴え続けてきた「減税や公共投資といった財政政策を用いてアメリカの労働者の雇用を増加させる」という政策手法は、アメリカの保守派が葬り去ろうとしてきた旧来のケインズ主義そのものであった。

トランプが打ち出したこの拡張財政政策に対する専門家からの反応は、当初はきわめて冷笑的なものであった。専門家の多くは、「リーマン・ショックの直後に行うならともかく、アメリカ経済がほぼ完全雇用に近づいた今になって行う拡張財政政策は、恩恵よりもむしろ景気過熱と高インフレをもたらす可能性が高い」と考えたのである。

ところが結果として見れば、正しかったのは彼ら専門家ではなく、トランプの方であった。というのは、2018年第2四半期の経済成長率が4%を超えたことが示すように、トランプ政権が2017年末に行った減税政策は、人々に明らかな恩恵をもたらしているからである。他方で、それによってアメリカ経済が過熱したとかインフレが加速したという徴候はほとんど見られていない。トランプ政権がその粗暴な政策運営に対する内外からの数多くの批判にもかかわらず、国内では依然として一定の支持基盤を確保しているのは、こうした経済面での実績によるところが大きい。

「世界的貯蓄過剰2.0」の世界にどう対応するのか

これまでのところ、その担い手が右派か左派かにはかかわらず、人々に苦難を強いてきたのはほぼ常に緊縮であり、人々の救いとなってきたのは反緊縮であった。しかしながら、これはあくまでも反緊縮側の見方である。緊縮の側からすれば、そのような評価はまったく受け入れ難いものであろう。というのは、「緊縮は確かに苦しいが、財政破綻やハイパーインフレといった将来における惨禍を防ぐためには現在の緊縮を甘受するしかない」というのが、藤井裕久元財務大臣に代表される緊縮論者たちの強固な信念だからである。

緊縮論者のこうした考え方は、確かに一定の歴史的な根拠を持っている。多くの国がこれまで財政破綻や悪性の高インフレに見舞われてきたが、その背後にはほぼ常に、放漫な財政政策や過度な金融緩和政策があった。

1960年代末から始まったアメリカの高インフレや、1970年代初頭の日本の「狂乱物価」が示すように、金融緩和や財政拡張の行き過ぎによる経済的混乱は、少なくとも1980年代前半までは、先進諸国においても決して珍しいものではなかった。つまり、その時代には確かに「財政と金融の健全な運営」がマクロ経済政策における正しい指針だったのである。

ところが、近年の世界経済においては、状況はまったく異なる。「景気過熱による高インフレ」なるものは、少なくとも先進諸国の間では、1990年代以降はほぼ存在していない。リマーン・ショック以降は逆に、日本のようなデフレにはならないにしても、多くの国が「低すぎるインフレ率」に悩まされるようになった。また、異例の金融緩和を実行しても景気が過熱する徴候はまったく現れず、逆に早まった財政緊縮は必ず深刻な経済低迷というしっぺ返しをもたらした。世界経済にはこの間、いったい何が起こったのであろうか。

一つの仮説は、筆者が秘かに「世界的貯蓄過剰2.0」と名付けているものである。世界的貯蓄過剰仮説とは、FRB理事時代のベン・バーナンキが、2005年の講演「世界的貯蓄過剰とアメリカの経常収支赤字」で提起したものである。バーナンキはそこで、1990年代末から顕在化し始めた中国に代表される新興諸国の貯蓄過剰が、世界全体のマクロ・バランスを大きく変えつつあることを指摘した。リマーン・ショック後に生じている世界経済のマクロ状況は、その世界的貯蓄過剰の新段階という意味で「2.0」なのである。

各国経済のマクロ・バランスにおける「貯蓄過剰」とは、国内需要に対する供給の過剰を意味する。実際、中国などにおいてはこれまで、生産や所得の高い伸びに国内需要の伸びが追いつかないために、結果としてより多くの貯蓄が経常収支黒字となって海外に流出してきたのである。

このように、供給側の制約が世界的にますます緩くなってくれば、世界需要がよほど急速に拡大しない限り、供給の天井には達しない。供給制約の現れとしての高インフレや高金利が近年の先進諸国ではほとんど生じなくなったのは、そのためである。

この「長期需要不足」の世界は、ローレンス・サマーズが「長期停滞論」で描き出した世界にきわめて近い。その世界では、財政拡張や金融緩和を相当に大胆に行っても、景気過熱やインフレは起きにくい。というよりもむしろ、財政や金融の支えがない限り、十分な経済成長を維持することができない。ひとたびその支えを外してしまえば、経済はたちまち需要不足による「停滞」に陥ってしまうからである。それが、供給の天井が低かった古い時代には必要とされていた緊縮が現在はむしろ災いとなり、逆に、その担い手が右派であれ左派であれ、世界各国で反緊縮が必要とされる理由なのである。

野口旭氏プロフィール



1958年生まれ。東京大学経済学部卒業。
同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専修大学助教授等を経て、1997年から専修大学経済学部教授。専門は国際経済、マクロ経済、経済政策。『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』(東洋経済新報社)、『グローバル経済を学ぶ』(ちくま新書)、『経済政策形成の研究』(編著、ナカニシヤ出版)、『世界は危機を克服する―ケインズ主義2.0』(東洋経済新報社)等、著書多数。

【私の論評】日本の左派・左翼は韓国で枝野経済理論が実行され大失敗した現実を真摯に受け止めよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の野口旭氏の記事にもある通り、アベノミクスに対する左派からの反応の多くは、要するに「緊縮の側からのアベノミクス批判」の左派的形態に過ぎないものです。

昨年野党第一党となった、立憲民主党の枝野幸男代表も結局のところ、経済理論はアベノミクスに反対すると言っているに過ぎないようずて。実際枝野氏は、安倍晋三政権に対抗するとして、経済政策を訴えています。

枝野氏

枝野氏は、安倍政権政権のキャッチフレーズ「成長なくして分配なし」を逆転させ、低所得者層への再分配を主張し、法人税率の引き上げにも言及しています。果たして実効性はどこまであるのでしょうか。

 「日本の中だけ見ると、バブルが崩壊してから(景気は)悪くなっている。社会は下から支えて押し上げる。消費不況を脱出するには、底上げを図らないといけない」

枝野氏は昨年12月13日、文化放送のラジオ番組に生出演し、低所得者層の賃上げに取り組む考えを示しました。

枝野氏は12日のロイター通信のインタビューでも、「分配なくして成長なし。内需の拡大のためには適正な分配が先行しなければならない」といい、次のように主張しました。

 「(自民党の)所得税の改革は、本当の富裕層の増税にならず、中間層の増税になっている。何より、企業の内部留保を吐き出させなければだめ。単純に法人税を大幅に増税すればいい」

この野党第1党のリーダーが説く経済政策は有効なのでしょうか。

これは、残念ながら経済の仕組みをまるで分かっていないとしか言いようがないです。成長があって分配できるのであって、『初めに分配ありき』などということはありえないです。経済が成長しないのに分配をすれば、雇用が激減するか、被用者一人あたりの賃金を減らすしか方法はありません。

法人税率引き上げ案も、それを実行したとしても企業に内部留保を吐き出させること直結することにはならないです。そもそも、企業の内部留保は現金のように、すぐに出せる形で積み上がっているわけではありません。

そもそも、欧米やアジア諸国が法人税の増税に慎重ななかで、日本だけが引き上げれば、国際競争では不利になります。現時点で単純な企業いじめをしても得られるところは何もないです。

さて、このように私ごときが、枝野氏の経済政策を批判したとしても、説得力はないかもしれません、激しく批判すれば、左派や左翼の方々からは、ネトウヨなどと謗られるだに終わるかもしれません。

ところが、枝野氏の主張するような経済政策は韓国ですでに実施されて、その結果は大失敗です。私は、もし私の主張が左派や左翼の方々に反対されたとしたら、以下のことを反証としてあげたいと思います。

ご存知のとおり、韓国の文在寅政権はかなりリベラル寄りの政権で、経済政策を財閥優遇から、労働者に直接恩恵をもたらす政策に舵を切りました。目玉は次の3つです。

1)福祉・雇用に財政支出を傾斜配分(2018年度予算15兆ウォンのうち4割程度を配分)

2)公務員数の増加(5年で81万人の雇用増が目標)

3)最低賃金の引き上げ(2020年までに1万ウォンまで引き上げる)

韓国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比1.0%増加していますが、内容は半導体関連の輸出とそれに伴う設備投資のみに頼った形であり、国内消費は低調なままで、総じてよくない状態です。

韓国では、不況期の景気下支えを主に公共投資によって行ってきましたが、文政権ではこれを一気に削減し、雇用・福祉関連支出への配分が大幅に拡大されました。

またそれまでは概ね7%程度の増加であった最低賃金を、2018年には前年比+16.4%の大幅に引き上げ、今後も目標である1万ウォンを目指して同程度の引き上げが予想されます。また同時に法人税の22%から25%への引き上げや、週労働時間の短縮の要請も行っています。

その結果、どうなったでしょうか。韓国の今年3月の完全失業率は4.0%と上昇し、雇用環境は悪化しています。ちなみに、4%という失業率は韓国でも、リーマンショック後に1回あっただけという悪さです。

特に、15歳から29歳までの若年失業率は9.7%にも上っています。人件費の上昇により、企業が採用を抑制し始めたのです。

韓国の中央銀行(Bank of Korea)は、昨年11月に利上げを行い(1.25%→1.50%)、金融政策は緊縮気味です。その結果、韓国の通貨ウォンは、対ドルで5%強も上昇しました。

韓国は輸出主導の経済構造です。輸出依存度はGDP比で55%弱であり(日本は15%弱)、通貨高は経済に直接悪影響を与えます。

緊縮気味の金融政策は、先に述べた雇用・福祉重視政策と相まり、財閥企業の海外移転(国内空洞化)を促しており、雇用環境は、今後、ますます悪化することが予想されます。

枝野経済理論を韓国で実行した文在寅韓国大統領

文政権と日本の左翼政党・メディアと共通しているのが、理念先行で、実際の経済の波及経路や効果などの検証がほとんどないということです。また、マクロ経済をどうやら、ミクロ的な視点でのみ語り、「労働者の利益を上げるためには企業から奪ってくるしかない」という視野狭窄を起こしています。

マクロ経済は、「特にデフレや不況に陥っているときは、まずは積極財政と、金融緩和でまずは全体のパイ(GDP)を増やしてから、次に分配(企業、労働者、政府)を考える」というのが基本ですが、個々のプレイヤーの分配のみを考えているので、結果的に全体のパイが縮小するという愚を犯しているのです。

枝野理論は、韓国で似たような政策が実行されて、大失敗しました。これについては、日本の報道機関は、韓国で雇用や経済が悪くなったことを伝えるばかりで、韓国の文在寅による経済政策が、枝野理論と同じく、金融緩和抜きで分配を強化したにもかかわらず、結局雇用が激減して大失敗したということは報道しません。

一方で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や、先の衆院選で掲げた、2019年10月の消費税率10%引き上げはどうかといえば、教育や防衛の予算など『未来への投資』が十分でなく、国民は不安を感じています。

増税に関しては、過去には増税に反対した野党も存在はしましたが、それは残念ながら、経済を理解しているというよりは、選挙対策のために反対したというに過ぎないものばかりでした。まともな経済理論にのつとった上で、増税に反対したことはありませんでした。

今後、安倍政権は増税などせずに、アベノミクスをさらに加速すべきです。消費税率10%引き上げは消費意欲をさらに減退させるだけです。『緊縮政策は政権を短命にする』というのが世界の潮流です。撤回すべきです。

野党をはじめとする、左派や左翼の方々は、枝野氏の経済理論が、韓国で現実に実行され、大失敗しているという現実を真摯に受け止めるべきです。

ブログ冒頭の野口旭氏が語るように、世界各国で反緊縮が必要とされる理由を理解すべきです。それは、左派・左翼に限りません、与党の政治家達や保守層もしっかり認識せず、安易に緊縮政策を採用したり、それを支持するようなことをしてしまえば、日本経済は再び長期停滞にみまわれ、それこそ「失われた20年」どこか、本来は招く必要もないし、招く必然性もない「失われた100年」を自ら招いてしまうことになるかもしれません。

その時には、日本にも文在寅のような政治家が跋扈して、政権を掌握するかもしれません。

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2017年9月4日月曜日

あまりに幼稚な左派の「北朝鮮核容認論」これでは日本が滅ぶ―【私の論評】自分の命は自分で守る、北朝鮮の思い通りには絶対にさせないという気概を持て(゚д゚)!

国際社会の常識を何も知らないのか…

弾道ミサイル発射の防災行政無線を受け、身をかがめる保育
園児ら =8月19日午前、鳥取県琴浦町で実施された防空訓練
 次は「軍事オプション」もあり得る

9月3日、北朝鮮は国際社会の意表を突くかのように核実験を行った。北朝鮮は水爆実験が成功したと報じている。これに対して、政府は、北朝鮮に厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難すると表明した。と同時に、更なる重要な措置をとるべく国連安保理の調整を開始した。

さすがに、中国も「断固たる反対と強烈な非難」を表明。ロシアも、国連安保理の決議や国際法を軽蔑するものであり、最大限の非難に値するとしている。隣国・韓国は、国際社会と共に最大級の反撃措置を取ると表明した。

アメリカは不気味である。トランプ大統領は北朝鮮の核実験後8時間は何も言及しなかった。その直前までは、対話は解決策ではないとつぶやいており、その発言が注目されていた。

ようやくトランプ大統領はツイッターでつぶやきを投稿したが、北朝鮮は引き続きアメリカにとって非常に敵対的で危険であるというものだった(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904305644651634688)。そして、「北朝鮮は、ならず者国家であり、中国にとってもやっかい者である」ともつぶやいた(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904307898213433344)。

また、「韓国は北朝鮮との対話懐柔が機能しなかったことがわかっただろう」と韓国の対応にも言及した(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/904309527381716992)。北朝鮮をならず者国家と断定したところに、アメリカが軍事オプションにさらに一歩踏み込んだ、と筆者は感じた。

今回の北朝鮮の核実験については、日米中ロ韓、いずれも最高レベルの言葉で非難したことになる。ここまでくると、残されたものは、国連のさらなる制裁、それに国連軍を含む軍事オプションになった。

当面、石油禁輸が国際社会で検討されるが、軍事オプションも視野に入りつつあることは間違いない。イラクの時にも、類似の国連政策が採られた後、多国籍軍の軍事オプション行使、という事態になった。国際政治のリアリズムからは同じような経緯になっても不思議でない状況であることを指摘しておきたい。

 的外れな批判が目につくが

さて、核実験にさかのぼること5日前の8月29日早朝6時頃、北朝鮮は日本列島の上空を越える弾道ミサイルを発射した。

北朝鮮のミサイルが日本列島の上空を本格的に通過するのは2009年以来で、金正恩体制になってからは初めてだ。2009年の時には人工衛星のためのロケットと称していたが、今回はミサイルといっており、事態は深刻だ。

発射後されたあと、日本の北部地域の住民にミサイル発射を知らせる緊急警報が発せられた。Jアラートも稼働したが、この音で早朝に起こされた人の一部から「対応しようにもどうしようもない」と政府への批判があった。

悪いのは、情報提供した政府ではなく北朝鮮である。しかも、Jアラートは着信の設定を変えれば、設定着信不可にもできる。実際にミサイルが飛んできた場合、初期段階の対応で生死を分けることもあるので、情報提供は重要だ。

それにしても悪質なのは、これに乗じて安倍政権批判をする左巻きの人たちだ。たとえば、金子勝氏は、ツイッターでこのようにつぶやいた(https://twitter.com/masaru_kaneko/status/902288152722792448)。


筆者は2005年から2006年に総務大臣補佐官としてJアラートの実施官庁である総務省に在籍していたので、そのときにJアラートが出来た背景を調べたことがある。

そもそも、Jアラートが導入されたのは、2004年に制定された国民保護法がもとになっている。有事における民間防衛については、ジュネーブ民間防衛条約があり、国民保護法はそれと他国の民間防衛を参考にして制定されたものだ。

同法44条では、「対策本部長(首相)は、武力攻撃から国民の生命、身体又は財産を保護するため緊急の必要があると認めるときは、基本指針及び対処基本方針で定めるところにより、警報を発令しなければならない。」とされている。

今回はミサイル実験であって「武力行使」ではないという意見もあるかも知れないが、北朝鮮は事前に何も知らせていないので、武力行使でないと決めつけることはできない。実験であっても、失敗すれば、我が国領土に落下する可能性があるので、発射段階では武力行使として見ざるを得ない。一刻一秒を争う警報では、事後講釈はできないことを忘れてはいけない(もっとも着弾までの時間は4分あるが、上手く使うかどうかは本人次第だ)。

これで、金子氏の安倍政権批判がいかに的外れであることがわかるだろう。世界における民間防衛や国民保護法をまったくご存じないかのようなつぶやきである。安倍政権だけが警報を出すわけでなく、どんな政権でも警報を発しなければ法律違反になってしまう。金子氏は国民保護ポータルサイト(http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalert.html)を読んだ方がいい。

筆者が気になるのは、「Jアラートは無意味」という左の方の意見の中に、北朝鮮は挑発するだけで実際には発射しないという思い込みがあることだ。これは根拠なき楽観論である。いくら北朝鮮が交渉材料として核・ミサイル実験を行っているからといって、本気を見せないとブラフ(はったり)にもならない。

    論理がまったく逆

その意味から、今回のミサイル飛行ルートを見ると、南だと韓国の上空を飛び、グアム方面への発射とみなして、米韓は本気で反撃するかもしれない。もっと北寄りだと、ロシアを刺激する。というわけで、米韓ロを避けて、日本に向けたと考えられる。

要するに、日本だけを挑発しても北朝鮮から見れば反撃される可能性はゼロだから、今回のミサイル飛行ルートが選択されたとみるべきだろう。つまり、日本がなめられたのだ。
筆者は、なめられるだけで北朝鮮が人畜無害であればそうでもいいと思うが、北朝鮮が脅威であり、危険な国であることは間違いない。

しかし、左派の中には、米韓合同軍事演習をするから北朝鮮はミサイルを発射するのだと、一方方向のロジックを唱える人がいる。この際、北朝鮮の要求(米韓合同軍事演習を控えるなど)を受け入れるべきという人もいる。8月31日における官房長官の記者会見に出席した、東京新聞の某記者の質問がその典型である(http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201708/31_a.htmlの12分30秒あたり)。

官房長官は「北朝鮮に行って聞いてきたらどうか」といなした。なお、この記者は、最後にもあまりに的外れの質問をしているのでかなり笑える。

有事のリアルなことになると、左派の人は「お花畑論」なので、ちょっと耳を疑う発言ばかりが目立つことになる。北朝鮮は国連決議などを無視して、核・ミサイル開発を続けていることをまったく考慮していない。北朝鮮の国際社会を無視した暴走があるから、米韓合同軍事演習もあるわけで、論理関係がまったく逆転している。

北朝鮮の暴走が国際的にも問題であることは、今回の核実験を受けて、中ロが強く非難したことでもわかるだろう。しかし、安倍政権を批判することのみしか見えない左派には、本末転倒したものでもなんでもいいらしい。

左派の中には、北朝鮮の核を認めよという人もいる。しかし、核保有国とされるためには、核拡散防止条約(NPT)に加盟する(米、ロ、英、仏、中)か、国際機関IAEAの監視下にある(インド、パキスタン、イスラエル)ことが条件となる。北朝鮮はどちらにも該当しないし、受け入れるとも思えないので、認めるなど論外だ。

もし万が一、国際社会が北朝鮮を核保有国として認める動きになったら、日本は「朝鮮半島の非核化ができないと、日本としても非核三原則が堅持できなくなる」と国際社会に叫んでもいい。これは、核の抑止論から見れば当然である。

やられたら倍返しというのが抑止論であるので、日本の核保有は一応理があることになる。しかも、日本は潜在的な技術力があるので、短期間にやろうと思えば実現できる。

    考えればわかること

もっとも、いきなり日本が核保有国になるというと、国際社会の力学のなかで政治的に潰される可能性もあるので、核保有といわずに、「非核三原則の見直し」というのであれば理が通るし、国際社会の批判も受けにくい。実際、「核を持ち込まず」という原則が崩れていることはほぼ明白なので、見直しの好機だと言い出してもいいはずだ。

日本が核保有となれば、韓国でも核保有の議論が始まる。そうなれば中国が黙っていないだろう。アメリカも反対するはずだ。結局、国際社会は、その「核保有論の拡散」を防ぐためにも、北朝鮮を押さえようとするだろう。朝鮮半島の非核化こそが、東アジアの安定になる、ということだ。

こうした話は、実際に行うかどうかというより、国際政治的なメッセージとして、発することが重要だ。国際政治では、手を変え品を変え、言葉の戦いを繰り返している。その意味で、日本としてできるだけのことを、必要に応じて発信しなければいけない。

目先のことを考えると、秋の臨時国会において補正予算で防衛費を大幅増にするというのも、北朝鮮(および国際社会)へのいいメッセージだ。実際にすぐ防衛力が高まるかというより、今の憲法の範囲内で備えをする、ということだ。

いずれにしても、左派の人が「北朝鮮の核保有を認めればいい」というとき、日本の非核継続、防衛予算の現状維持、というのが前提となっているので、国際社会から見れば何の戦略もない「お花畑論」として受け取られる。

何度も述べているが、国家間の軍事力が均衡しないと戦争確率が増すので、核を持った北朝鮮と真の意味で戦争をしないためには核保有や防衛力強化が必要という議論になるのだが、左派の「お花畑論」ではそれが出てこない。だから説得力がないのだ。

このような現実味のない論が蔓延することがないよう、願いたいものだ。

【私の論評】自分の命は自分で守る、北朝鮮の思い通りには絶対にさせないという気概を持て(゚д゚)!

Jアラート関係では、他にも気になることがありました。北朝鮮の弾道ミサイルに対して、日本でJアラートが鳴ったことに、「意味がない」ということをコメントする有識者がいました。またJアラートが鳴って驚き、慌てたドライバーが交通事故を起こしたこと引き合いに出し、鳴らしたことを非難する人もいました。

ホリエモンは、ツイッターで、

『マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府』

と呟きました。

さらに、ミサイルが飛んできて、Jアラートが鳴ってから3分後に着弾する。そんな短い時間では何もできないという人も多かったです。


なにやら、テレビや新聞では、このようにはっきり主張する人はいないようです。しかし、今の状況であれば、マスコミや識者の中にもこのようなことを主張する人がいてしかるべきと思います。

そうして、実際に米国のウォール・ストリート・ジャーナル誌が、以下のような論説を新聞に掲載していました。

 「この中距離ミサイル発射実験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そして、日本に自前の核抑止力を持つことをあらためて促すものだ」

「東アジアが中東に続いて核拡散の新時代を迎えれば、世界の秩序に深刻なリスクをもたらす。それもあって、核ミサイルを持つ北朝鮮を黙認することはあまりに危険なのだ」
しかし、日本では特に左翼・リベラル系は平和ボケの象徴のような反応しかしませんでした。

左翼リベラル系の識者の、3分では何もできないという意見は、本当に正しいのでしょうか。ミサイルの着弾まで3分もあれば、いろんな回避行動ができます。3分というのは充分に長い時間です。外を歩いていれば頑丈な建物に入る。入れないなら建物の影に入って、姿勢を低くする。車に乗っていれば、止めて、車外に出て伏せる。家の中なら、二階にいれば一階に移る。窓のカーテンを閉める。窓から離れて伏せる。街を歩いていたら地下街や地下鉄があれば、逃げ込む。ビルに入る。

車や事故の知識がないとシートベルトなんて無意味と思ってしまうように、核兵器の知識がないとしゃがんだり伏せたりするのを無意味と感じてしまうようです。しかし、 爆心地に足向けて伏せるのは現代でも通じる対処法の一つです。これを実行するかしないかで、明暗が別れるときもあるのです。

車を停車させ、物陰に伏せてミサイル攻撃に備える市民(イスラエル国防軍公式ブログより)
私は、Jアラートが鳴ったときには、パジャマ姿ですぐに地下室に避難しました。この退避行動は、3分では十分すぎるほどであり、十分余裕がありました。そうして、このように避難しなければならないことに、かなりの憤りを覚えました。しかし、無論憤りの対象は北朝鮮に対してであり、政府に対してではありません。今回のJアラートで政府に憤りを感じた人がいたとしたら、そういう人は自分の考え方が、かなり偏向していると考えるべきです。

ミサイルが近くに落ちた場合、こういう行動を取れば、命が助かる確率はかなり高まります。

原爆の投下の時、爆心地から同距離離れた人間でも建物の影にいたお陰で助かった人と一瞬で焼かれた人がいます。ほんのわずかな差で命拾いするのです。

イスラエル・ユダヤの専門家である児玉直純氏がフェイスブックで、このように述べています。
イスラエルでは警報が鳴ってからミサイルや迫撃砲弾が飛んでくるまでたった数十秒の場合もあります。しかし各地域や建物にはシェルターがあり、国民はどのように行動すればいいか分かっています。 
Jアラートのことを聞いたイスラエル人の反応は「3分もあるの?」です。 
また迎撃ミサイルも備えてあり、イザと言う時の攻撃力もあるわけです。 
日本はまだまだ出来ることが国レベルでも国民レベルでも沢山あると思います。 
https://www.facebook.com/naozumi.kodama/posts/10155428362462626
児玉直純氏
安倍政権を非難したいだけの人たちのデタラメな言葉を真に受けて、Jアラートを無視しない方が良いです。

緊急事態の際の行動について紹介している内閣官房の国民保護ポータルサイトでは、ミサイル落下時の行動について、次のように推奨しています。


今回のJアラートのとき皆さんは、どうしましたか。何か退避行動をとったでしょうか。取らなかった人は、次は必ずできるように、心づもりをしておきましょう。ほんの些細なことで命を失うか、助かる場合があることを忘れるべきではありません。

左派等の人言う「北朝鮮の核保有を認めればいい」とか「Jアラートなど意味がない」などという妄言に惑わされるべきではありません。

自分の命は、まずは自分で守るという気概、北朝鮮の好きなようには絶対にさせないという気概を持つべきです。

国民からこのような気概の失せた国は、他がどんなに優れていたとしても滅びます。国が滅べば、将来の世代への付け回しどころか、将来世代の生活の基盤を失うことになります。そんなことだけは、絶対に避けるべきです


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2016年2月26日金曜日

【痛快!テキサス親父】左派による洗脳が解けていない国連委 日本の主張を否定する専門家とは誰なんだ?―【私の論評】国連は元々反日!慰安婦問題をより複雑化させたのは日本国内の戦後利得者ども(゚д゚)!


外務省の杉山審議官は、国連で「慰安婦の強制連行」を否定した

 ハ~イ! みなさん。

 日本政府が国連で「慰安婦の強制連行」を否定したようだな。スイス・ジュネーブの国連欧州本部で16日、女子差別撤廃委員会の対日審査会合が開かれ、外務省の杉山晋輔審議官が断言したという。

 俺は今回参加できなかったが、親友のシュン(=テキサス親父日本事務局の藤木俊一氏)らがジュネーブに乗り込み、日本の名誉を取り戻す、素晴らしい活動をしていた。彼から報告を受けたし、英文のニュースでも見たぜ。

 杉山氏は、「韓国・済州(チェジュ)島で女性狩りをした」という虚偽の本を執筆した吉田清治氏と、彼の発言や著書を大きく報じた朝日新聞を名指ししたそうじゃないか。きっと痛快だっただろうな。ぜひ、杉山氏の全発言を英文で読みたいので、日本の外務省はHPに載せてほしい。

 ただ、国連は依然として、韓国や日本の左派グループによる洗脳が解けていないようだな。杉山氏の発言を受けた、国連側のリポート(抜粋)を読むと、以下のような記述があった。

 《専門家は、慰安婦問題に関する日本代表(=杉山氏)の解答は受け入れ不可能なものであり、矛盾に満ちたものであったと述べた。日本政府は慰安婦の存在そのものを否定しながら、この問題について韓国政府と合意に達したと言っている》

 《専門家によると、人権侵害というものは、被害者が満足を得るまでの間、生じ続けるものとみなされる》

 おいおい、「専門家」って一体誰のことだ? コメントした人物が、本当に専門家なのか分からないじゃないか。慰安婦問題は、政治的に利用しようとしている輩が多いから、きちんと明記してほしい。

 大体、日本政府は慰安婦の存在を否定していない。「強制連行を示す資料が存在しない」と言っているだけだ。これは朝日新聞が大誤報を認めてから、専門家の間では常識のはずだ。

 慰安婦問題を含む日韓の戦後補償問題は、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」している。加えて、昨年末の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決」することで合意した。その専門家やらは、いつまで引っ張るつもりなんだ? 本当に専門家なのか?

 俺は以前から、国連なんて大して信用していなかった。各国の思惑が渦巻く、国益闘争の舞台だからな。今回の一件で、改めて国連の無価値さを感じたぜ。日本人は「国連=神聖なる機関」と思い込んでいる人も多いらしいが、目を覚ました方がいいぜ。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

 では、また会おう!

 ■トニー・マラーノ

【私の論評】国連は元々反日!慰安婦問題をより複雑化させたのは日本国内の戦後利得者ども(゚д゚)!

トニー・マラーノ氏
ブログ冒頭の記事でトニー・マラーノが指摘するように、日本人の中には、国連の本質を知らず国連を神聖なる機関であるとか、公正中立、正義の味方であるかのように思っている人が以外に多いです。

そもそも、国連とは、United Nations の日本語訳ですが、この日本語訳が本質を見えにくくしています。この国連とは、全くの誤訳です。正しくは、連合国です。連合国とは、無論のこと第二次世界大戦中の連合国のことです。

これを知れば、そもそも、この機関は第二次世界大戦の連合国、すなわち戦勝国のための組織であることは誰にでも理解できると思います。

これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
潘国連事務総長に高まる疑問の声 ソウル前支局長起訴に沈黙 韓国世論優先? ―【私の論評】国連の事務総長が反日的であるのは、歴史からみて、ある程度あたり前だが、やはり報道の自由に関しては、連合国側の常識に従うべき(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より国連に関する記述のみコピペします。


"
『国際連合』というと、日本では世界の殆どの国が属した平和目的のための組織と思われているようです。そうして、多くの日本人が、国により力の強弱はあれ、’正義’というモラルに反しない、反することを許さない拘束力がそこにはあるはずという思い違いをしているようです。

そもそも、国際連合を英語で何というのかを知れば、その実体は自ずと分かるはずです。

ニューヨークの国連本部 クリックすると拡大します

国際連合は、英語では『United Nations 』―直訳すると「連合した国家」ということです。 この言葉には、InternationalとかGlobal という日本語でいう「国際」という単語は入っていません。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』も、英語で『United Nations 』です。
 
なぜ、わざわざこのような名称にしたのか考えてみれば明らかです。"United Nations"には、何のための連合であるかということすら示されていません。

日本人の感覚からすれば、United Nations for International Peace 略してU.N.I.P であれば、受け入れやすいかもしれませんが、現実はそうではありません。

歴史的にいうと、日本では戦中は『United Nations』を『連合国』と訳していましたが、戦後に『国際連合』と訳を変えています。

中国では現在も「聯合國(連合国)」と呼んでいます、日本以外の国では、『連合国』と意味で国際連合をとらえています。

今更、「日本人は『国連』と『連合国』を別物だと思ってましたなどと言えば、外国人、特に戦勝国の人間には、笑われてしまうかもしれません。特に英語圏の人に笑われてしまうかもしれません。

彼らにとっては、"United Nations"は、そのままであり、昔から今に至るまで、『連合国』であり、変わりようもないからです。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』と『国際連合』が英語では同じというのが、まさに実態を表しています。

安保理の常任理事国5か国(米、英、仏、露、中)は第二次世界大戦の戦勝国で国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位にあり、拒否権も与えられています。

日本やドイツが常任理事国入りするためには、国連憲章の改正が必要で、5常任理事国すべてが賛成しなければならないのです。そうして、国連憲章には敵国条項があり、日本は敵国であるという条項が今でも生きています。

そんな、国連の事務総長が反日的な発言をするというのは、ある意味当然といえば当然です。

世界は今も第二次世界大戦の戦勝国のルールで動いている。日本がいかに世界平和に貢献しようとどんなに多く国連分担金を納めようと(世界2位、下表)常任理事国入りを目指そうと、中国が反対するから無理です。

国連分担金の多い国
順位国名分担率(%)分担金額
(百万未満四捨五入)
1アメリカ合衆国(米国)22.0006億1,850万
2日本10.8332億7,610万
3ドイツ7.1411億8,200万
4フランス5.5931億4,250万
5英国5.1791億3,200万
6中華人民共和国(中国)5.1481億3,120万
7イタリア4.4481億1,330万
8カナダ2.9847,600万
9スペイン2.9737,580万
10ブラジル2.9347,480万

(単位:%、米ドル 出典:外務省 「2011-13年 国連通常予算分担率・分担金」(2013年))

日本の常任理事国入りを認めると、日本を許す、反日を解除しなればならなくなり、中国共産党の正当性が崩壊してしまうことになります。「5常任理事国すべての賛成が必要」という国連憲章も、改正するには5常任理事国すべての賛成が必要です。だから、中国が自滅するまでは、ほとんど不可能です。

とは、いいながら、実はこれも確かなことではありません。そもそも、日本と現在の中国、中華人民共和国とは、戦争をしたことがありません。

日本が正式に戦争をしたのは、あくまでも、現在の台湾である、中華民国です。そもそも、戦争中には、中華人民共和国など存在しませんでした。中華人民共和国が建国したのは、1949年10月1日であり、終戦後のことです。

であれば、現中国は、戦勝国ではないわけです。それが、"United Nations"という組織の矛盾です。

1942年1月1日,国連宣言を表象する世論形成
ポスター「連合国:自由のために戦う国際連合」

ましてや、朝鮮人は、戦争中は日本に併合されていましたから、戦勝国ではありません。中国も、韓国も戦勝国ではないのですから、今の国連のあり方は、本当に矛盾しているわけです。
"

以上のようなことから、国連がもともと反日的な組織であることははっきりしています。もし多くの日本人が国連を反日組織としたくないというのであれば、方法は2つしかありません。

一つは、もう一度日本が連合国と戦争をして、勝利する。もう一つは、"United Nations"という言葉を遣うのをやめさせ、"Nations for International Peace"などとすることです。

いずれも、第二次世界大戦に匹敵するようなとてつもないことが、世界で起こらない限り、不可能です。

残念ながら、これはおそらく余程のことがない限り実現不可能です。だからこそ、私たちは国連とはそういうものであるとみなして、付き合っていくしかありません。

だから慰安婦問題に関しては、国連などでは、ブログ冒頭の記事にある、外務省の杉山審議官が実施したように、これからも何度もことあるごとに「慰安婦の強制連行」を否定するということを繰り返し、繰り返ししつこく行っていくことが重要です。

それとともに、国内の反日勢力に対しても徹底的に否定し続けていくことが肝要です。

そもそも、1990年代より前までは、いわゆる「従軍慰安婦」問題など、ほとんど問題にな
っておらず、その当時は合法であった売春婦であるとの認識が一般的でした。それが終戦後45年以上もたった1990年代あたりから、どんどんとエスカレートし、強制的に徴用したとか、挙句の果てに性奴隷なとされていきました。

これはなぜかというと、敗戦後、連合国側により日本国内で利益を享受した、いわゆる敗戦利得者たちの反日連携プレーによるものです。

その実体のうち、おもだったものだけを以下に列挙します。
1974年 架空のキャラ「従軍慰安婦」の誕生 千田夏光(作家)

 
1983年 作り話を実録小説として出版 吉田清治(作家)

 ▼
1991年8月 全国紙で強制連行を捏造 植村隆(新聞記者)

 
1991年12月 証言を書き換えて提訴 高木健一、福島瑞穂(弁護士)
 ▼
1992年1月 首相訪韓の直前に捏造記事 朝日新聞、吉見義明(学者)

 ▼
1992年2月 慰安婦を「性奴隷」に変えた犯人 戸塚悦朗(弁護士)

▼ 
 1993年8月 無実の国民を犯罪者にした無自覚者 河野洋平(当時官房長官)

 
1996年9月 嘘の字幕で証言を捏造したテレビ局 中京テレビ

 
2000年 民衆法廷で天皇陛下を賤しめた左翼 左翼市民団体、北朝鮮工作員

 ▼
報道で敗戦利得者を援護する大手メディア 新聞社、テレビ

今日に至る


戦後何十年も経てから、問題になるということ自体が非常に異常なことです。終戦直後というと混乱していましたから、もし本当に性奴隷にされた人からもなかなか訴えの声があがらなかったというのも理解できますが、終戦後から10年後とか、20年後であれば、混乱もある程度収まったはずで、そのタイミングで訴えるのが当たり前だと思います。

しかし、なぜそのようなことがなかつたかといえば、無論のこといわゆる「従軍慰安婦」「性奴隷」などの強制招集など、作り事に過ぎなかったからです。

そうして、さらに時が経過してからいわゆる「従軍慰安婦」だったなどと声をあげた婦人たちが存在したのは、中国・韓国・北朝鮮などの外国勢力ならびに、反日日本人が婦人たちに入れ知恵したからです。

この「慰安婦問題」もしくは「性奴隷」に関しては、特に戦後利得者たちが、長い年月をかけて、でっち上げてきたわけですが、私達保守派も彼らと同程度の根気と執念をもって、真実をもって打ち消せばいずれ影を潜めると思います。

もともと反日的な連合国と、中・韓・北朝鮮などの連合国もどきと、日本国内の戦後利得者が「慰安婦問題」という妄想を膨れ上がらせるだけ膨れ上がらせ今日のような状態をつくりだしてしまったのです。

そうして、最近の動きでは、日本のメディアが英文で慰安婦問題を書き、それを米国のメデイアが引用し、それを再度日本のメデイアが引用して、さもさも米国メデイア発祥のようにして、捏造を繰り返すという新手法も編み出しています。

私達、保守派は、これらと未来永劫にわたって、どこまでも戦い続ける覚悟を持つべきなのです。

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