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2018年8月4日土曜日

文科省汚職の「もう一つの真実」 黙る左派マスコミ…ダブルスタンダード「ここに極まれり」―【私の論評】悪しき忖度を除去し、良き忖度を助長することが官僚組織を改革する(゚д゚)!

文科省汚職の「もう一つの真実」 黙る左派マスコミ…ダブルスタンダード「ここに極まれり」

長谷川幸洋「ニュースの核心」

文科省の腐敗は底なしだ=東京・霞が関

文部科学省の汚職が止まらない。息子の医学部合格と引き換えに、国の補助金給付で便宜を図っていた前科学技術・学術政策局長にはあきれたが、次に逮捕された前国際統括官(局長級)には、もっと驚かされた。

 一部報道によると、高級風俗店や高級クラブで接待漬けだったという。「いまどき、そんな絵に描いたような汚職とは」と、びっくりする。

 本人たちが刑事責任を問われるのは当然として、事件の本質はむしろ「本人たちに『後ろめたさ』があったかどうか」ではないか。もしもあったなら、まだ救いはある。組織の腐敗というより、本人たちの甘さが問われるからだ。

 だが、事態は深刻だ。本人たちは「これくらいは当然だ」と思っていたフシがある。

 なぜ、そうみるか。

 最初に逮捕され、受託収賄罪で起訴された前科学技術・学術政策局長については、贈賄側との会話を録音した音声が報じられた。流出元は不明だが、これを聞くと裏口入学を依頼して恥じ入る様子もない。実に平然としているのだ。

 前統括官に至っては、風俗店に行く途中で「ヤバイ」と思わなかったのだろうか。女性関係の接待はカネの受け渡しなどと違って、第3者が介在するから、完全に自分の弱みになってしまう。

 言い換えれば、この2人は贈賄側と「毒を喰らわば皿までも」、ズブズブの関係だったのだ。

 さて、局長級が2人も捕まったとなると、これはもう特異な2人の事件とは言えない。文科省という組織にこそ根本的な問題がある。

 そこで思い出すのは、あの前川喜平前文科事務次官である。よく知られているように、前川氏は天下り問題で次官を辞職した人物だ。文科省の報告書を読むと、前川氏は官房長、文部科学審議官時代を通じて、一貫して天下り斡旋(あっせん)に深く関わっていた。

 天下り斡旋も贈収賄も、根本にある違法性は同じである。天下りは再就職できれば、見返りに相手企業や団体に便宜を図る。一方、贈収賄は相手から金銭やサービスを得て、あるいは裏口入学を認めてもらって、見返りに補助金給付や契約で利益を与える。

 天下り斡旋は、まさに「文科省ぐるみ」だった。そんな組織の腐敗体質が、そのまま今回の汚職事件の底流にある、とみて間違いない。

 首相官邸は「モリカケ問題」で政権批判を繰り返してきた前川氏に加えて、今回の連続汚職事件で文科省には怒り心頭だ。折から、人事シーズンである。文科省は解体的出直しを迫られるに違いない。この際、中枢幹部はごっそり他省庁と入れ替えてはどうか。

 「霞が関ブローカー」といわれた贈賄側のコンサルタント会社元役員は、野党議員2人と懇意にしていたという。うち1人については、元役員に「政策顧問」という肩書を与え、ブローカーはその名刺を永田町や霞が関で持ち歩いていた、と報じられた。

 野党議員に説明責任が求められるのは当然だが、左派系マスコミが野党議員との関係を報じないのは、どういう訳か。前川氏を「政権追及のスター」扱いする一方、野党に都合の悪い話は一切、目をつぶる。

 正義を掲げる彼らのダブルスタンダード(二重基準)も「ここに極まれり」になってきた。文科省汚職の「もう一つの真実」である。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

【私の論評】悪しき忖度を除去し、良き忖度を助長することが官僚組織を改革する(゚д゚)!

さて、官僚の腐敗がまたぞろ頭をもたげてきています。これに関して、ブログ冒頭の長谷川氏の記事では、左派系マスコミと野党議員のダブルスタンダードの問題をあげています。確かにこうした側面があるのは事実です。こうしたダブルスタンダードが存在すること自体が問題の本質を覆い隠しています。

それは、さておき、官僚の腐敗ということになれば、官僚人事に問題はないのかということになると思います。

経営学の大家ドラッカー氏は人事に関して次のように語っています。
 貢献させたいのならば、貢献する人たちに報いなければならない。つまるところ、企業の精神は、どのような人たちを昇進させるかによって決まる。(『創造する経営者』)
ドラッカー氏は、組織において真に力のあるコントロール手段は、人事の意思決定、特に昇進の決定だといいます

それは組織が信じているもの、望んでいるもの、大事にしているものを明らかにします。

人事は、いかなる言葉よりも雄弁に語り、いかなる数字よりも明確に真意を明らかにします。

組織内の全員が、息を潜めて人事を見ています。小さな人事の意味まで理解しています。意味のないものにまで意味を付けます。組織の構成員は、この組織では、本当は何をすれば良いのか、それとも上司気に入られることが大事なのかを嗅ぎ分けます。これって、最近良く聴きますが、「忖度」そのものです。

そうです。組織において良い意味での「忖度」は本当は重要なのです。いくら言葉で「何をせよ、これをせよ」と力強く幹部が説いたとしても、実際の人事でその「何をして、これをした」人が昇進・昇格、昇格などされて報いられていなければ、誰も幹部の言うことなど聴かなくなるのです。

そんなことよりも、いかなる組織の構成員も、実際に行われた人事をみて、その人事で報われた人物が何について熱心に行ったのかをみて、その組織の本当の価値観を知るのです。

仮に幹部の語っている価値観と、人事によって示された価値感が同じだった場合でも、人事の結果のほうが、幹部の語ることや、他の情報などのコントロール手段よりもさらに大きな影響力を持つのです。だからこそ、人事こそ組織のなかで最大のコントロール手段であるといわれるのです。

 “業績への貢献”を企業の精神とするためには、誤ると致命的になりかねない“重要な昇進”の決定において、真摯さとともに、経済的な業績を上げる能力を重視しなければならないです。これは、直接的に経済的な業績ではなく「国民の幸福を増進する」能力とでもすれば、政府という組織でも、同じことです。

致命的になりかねない“重要な昇進”とは、明日のトップマネジメントが選び出される母集団への昇進のことです。それは、組織のピラミッドが急激に狭くなる段階への昇進の決定です。

そこから先の人事は状況が決定していきます。しかし、そこへの人事は、もっぱら組織としての価値観に基づいて行なわれるべきなのです。
 重要な地位を補充するにあたっては、目標と成果に対する貢献の実績、証明済みの能力、全体のために働く意欲を重視し、報いなければならない。(『創造する経営者』)
では、政府における官僚の致命的になりかねない"重要な昇進"を決定するのはどの機関になるかといえば、それは内閣人事局です。そうして、この内閣人事局が官僚の「忖度」を有無として問題を指摘するむきもあります。ただし、上記で指摘したように良い意味での「忖度」は組織にとって必要不可欠なものでもあります。だから、ここでは単に「忖度」とするのではなく、「悪しき忖度」とします。


内閣人事局は、平成26年の第186回国会(常会)において可決・成立した国家公務員法等の一部を改正する法律において規定され、同年5月に設立された国家公務員の人事制度を所管する機関です。

「人事」とその組織名に付いてはいますが、民間企業の人事部のように一括採用を行うわけではなく(採用試験は人事院、採用は各府省)、国家公務員の人事制度の根幹である国家公務員法を所管して制度の企画立案を行う他、幹部公務員の人事の一元的管理や、公務員の給与制度、行政機関の組織や定員管理といったことを担っています。

簡単に言えば、各府省の幹部人事、それに組織やその在り方、職員の数をどうするのか、給与の在り方をどうするのかといったことを一手に引き受け、担っている「強大な権限」を持つ組織ということです。

少し補足すると、まず幹部人事。この幹部というのは本省の部長や審議官以上の、指定職と言われる官職のことで、上は事務次官クラスや長官まで。その人事をどうするかをこの内閣人事局が担っているのです。

また、政策の企画立案、そして執行には予算とともに人と組織が不可欠ですが、国の行政機関については、組織や組織の定員は法令で定められていて、簡単に部や課といった組織を作ることもできなければ、人を増やすこともできません。

新しい組織を作る場合や定員を増やす場合は、根拠となる法令の改正によって手当てすることになりますが、その前提として内閣人事局による査定を経なければならず、ここで認められなければ、そもそも新しい組織を作ることも定員を増やすこともできません。

内閣人事局は「人と組織の主計局」と言ってもいい側面も持っているのです。

また、内閣人事局はゼロからいきなりできた組織というわけではありません。その前身は、人事院の一部、総務省行政管理局の査定(組織や定員の管理)部門、人事・恩給局の旧人事局関係部門であり、幹部人事に関する事務等が新たに設けられてはいるものの、基本的にはこれらが統合されてできたと言って良いです。

別の言い方をすれば、分散していた国家公務員人事制度に関する組織および権限を、一つの組織に集中させ、強化したということです。

これだけ読むと、単に役人が権限を強化しただけで、官邸への「悪しき忖度」とはなんら関係ないかのように思われてしまうかもしれません。

ところが「悪しき忖度」、それも過剰な「悪しき忖度」を生む原因とされているのは、内閣人事局と内閣、特に内閣総理大臣や官房長官との関係のようです。

幹部職員となるためには内閣総理大臣による適格性審査を経ることとされており、その結果、幹部職員として必要な「標準職務遂行能力」を有していると判断されれば、幹部候補者名簿に掲載されます。

この名簿から各府省の幹部が任命されることになります。「適格性審査」は随時行われるので、場合によっては幹部候補者名簿から外されるということも起こりえます。

こうした内閣総理大臣の権限は内閣官房長官に委任することができます。各府省の人事権者は各大臣ですが、幹部職員の人事については内閣総理大臣および内閣官房長官と協議した上で行うこととされており、幹部人事は大臣の一存で決められない仕組みになっています。

このように国家公務員の幹部人事については、微に入り細に入りと言っていいほど、内閣総理大臣や内閣官房長官が関与するようになっています。

そして、こうした事務を司るのが内閣人事局なのですが、彼らが内閣総理大臣や内閣官房長官の意を汲み取って、ある意味「忖度」して業務を進めることはあったとしても、内閣人事局という「組織の存在自体」が幹部職員を含む国家公務員における「悪しき忖度」を生んでいるというのは、こうした仕組みを正しく押さえた上で考えれば、「議論の飛躍」です。

むしろ問題とすべきは、内閣人事局という組織そのものではなく、国家公務員の幹部職員人事における内閣総理大臣等の「権限の在り方」であり、幹部職員の「位置付け」でしょう。

そもそも、組織の名称や在り方はともかく、国家公務員人事制度を担当する部局や行政機関の機構・定員の査定を担当する部局を、一つにまとめようという動きは過去に何度かありました。それが紆余曲折を経てなんとかカタチになったのが内閣人事局なのです。

国家公務員の立場からすると、指定職への昇任を考えれば、そのためには幹部候補者名簿に掲載されることが必要となれば、その判断をする内閣総理大臣や官房長官の目を気にするというのはある種当然のことである。

ただし、国家公務員が「上の目」を気にするというのは今に始まった話ではなく、昔からある話で、「公務員の習性」のようなものです。民間企業でも当然のことです。さらに「悪しき忖度」を気にするあまり、良い意味で「忖度」まで否定されるようでは、そもそも組織が成り立ちません。

現状での幹部職員人事への内閣総理大臣等の関与は、そうした「公務員の習性」を逆手に取ったものと言えるかもしれないですが、標準職務遂行能力なるものをメルクマールとして、「幹部職員として職責を担うのにふさわしいか否か」の判断まで内閣総理大臣の権限に係らしめるのは、「やりすぎである」との批判は免れえないでしょう。

もっとも、内閣人事局の設置を含む国家公務員制度改革は、元々は内閣としての政策の企画立案から執行までを効率的に行うのみならず、その効果を最大限発揮させることを企図して検討が進められてきたものであり、国家公務員の幹部職員人事について、内閣総理大臣がある程度強い権限を持つことについては、否定されるべきものではありません。

一方で、内閣とのある種の一体性を考えるのであれば、幹部職員はこれまでどおりの一般職ではなく、身分保障のない、各府省の人事から切り離された「特別職」とすべきであり、そうなれば職員自らがリスクを取ってその職に就くことになるため、「悪しき忖度」による弊害の生じる余地は限りなく小さくなるはずです。

韓国で生まれ、生後3日で道端に捨てられ孤児となり、その後
フランス人夫婦の養女となってパリにわたり、エリート官僚、
大臣にまで登りつめたフルール・ペルラン氏

実際、例えばフランスの大臣官房の幹部職員はそうですし、日本でも、これまでに退路を絶って政務の総理秘書官や大臣秘書官(いずれも特別職)に自ら転じた例はあります。

さらに、フランスには事務次官は存在しません。アメリカなどでも次官はますが、次官補などに対して序列で一位だというだけです。中国の官僚機構でもそうです。日本のように、大臣が会長であるのに対して社長だというような事務次官は普通ありません。人事などは総務局長が担当しています。

フランスでは、大臣の手足になるのは、大臣官房です。いわば補佐官室で、官房長は首席補佐官というべき存在で、大臣の代理人です。政治任命なので、経歴は問わないのですが、普通は官僚出身者です。

その省の官僚が多いですが、他省庁からも来ることがあります。とくに、フランスではマクロンのような財政監察院、フィリップ首相のような国務院、オランド前大統領のような会計検査院というグランコールと呼ばれる三つの組織の人間がスーパー・キャリア官僚となっており、官房長の供給源になっています。

そして、官房のメンバーは10人くらいからなりますが、だいたい、官僚が半分強といったところです。

局長などは、大臣が官房長の補佐を受けて任命しますが、大統領や首相の助言もされます。実務能力がないと困るのは大臣なので、それほど極端な政治任命がされることはありません。

野党や大臣の政敵に近い幹部はどうするかといえば、中枢から離れたポストに待避します。それが省内ということもありますし、外郭団体のこともあります。ただし、降格や肩たたきで辞職を強いられることはありません。

このようなシステムのお陰で、野党のブレーンとなっている官僚も多いし、それが、円滑な政権交代を可能にしています。このような官房(補佐官)システムは地方自治体にあっても適用可能だと思います。

いずれにしても、幹部職員は特別職とするのが妥当であると考えます。そうして、幹部職員を特別職とすることを含む国家公務員法の改正案を立案し、国会に提出したのはかつての民主党です。

しかし、日本の国家公務員の幹部職員の人事制度では幹部職員は一般職であり、これまでの人事に内閣総理大臣等が強く関与するようになっただけのような形であれば、今後の自らの人事、処遇を懸念して、過剰な「悪しき忖度」や「悪しき忖度」による弊害が生じることも十分あり得ることです。

それにしても、「特定の組織」を悪者に仕立て上げるというのは世の常のようなところもありますが、つまるところ、「内閣人事局悪玉論」は的外れで、元凶ではないということであり、そこだけをあげつらっても国家公務員の「悪しき忖度」問題、過剰な「悪しき忖度」による弊害は解決しないでしょう。

そもそも、それらを完全になくすことは不可能です。それに良い意味での「忖度」までなくしてしまえば、そもそも組織は成り立たず本末転倒です。そうした前提に立って、現実的な視点から「悪しき忖度」による弊害が極力起こらないようにするためには、主要な幹部職員の特別職化や、特別職である幹部職員の人事を対象にした内閣総理大臣の権限の在り方の適正化等、国家公務員制度自体の見直しを考えるべきでしょう。



ドラッカー氏は人事の手続きについて以下のように語っています。
人事に関する手順は、多くはない。しかも簡単である。仕事の内容を考える、候補者を複数用意する、実績から強みを知る、一緒に働いたことのある者に聞く、仕事の内容を理解させる。(『プロフェッショナルの原点』)
第一は、仕事の内容を徹底的に検討することです。仕事の求めるものが明らかでなくては、人事は失敗して当然です。しかも、同じポストでも、要求される仕事は、時とともに変わっていきます。仕事が変われば、求められる人材も異なるものとなります。

第二は、候補者を複数用意することです。人事において重要なことは、適材適所です。ありがたいことに、人間は多種多様です。したがって、適所に適材を持ってくるには、候補者は複数用意しておかなければならないです。異なる仕事は異なる人材を要求します。

第三は、候補者それぞれの強みを知ることです。それぞれの強みをそれぞれの実績から知らなければならないです。その強みは、仕事が求めているものであるかをチェックする。何事かを成し遂げられるのは、強みによってでなのです。

第四は、一緒に働いたことのある者から、直接話を聞くことです。しかも数人から聞かなければならないです。人は人の評価において客観的にはなれないことを知らなければならないです。それぞれの人が、それぞれの人に、それぞれの印象を持つものです。

第五は、このようにして人事に万全を尽くした後において行なうべきことです。すなわち、本人に仕事の内容を理解させることです。仕事の内容を理解したことを確認することなく、人事の失敗を本人のせいにしてはならないのです。

具体的には、何が求められていると思うかを聞きます。3ヵ月後にはそれを書き出させます。新しいポストの要求するものを考えさせないことが、昇進人事の最大の失敗の原因でです。ドラッカーは、「新しい仕事が新しいやり方を要求しているということは、ほとんどの者にとって、自明の理ではない」といいます。
追従や立ち回りのうまい者が昇進するのであれば、組織そのものが業績のあがらない追従の世界となる。人事に全力を尽くさないトップは、業績を損なうリスクを冒すだけでなく、組織そのものへの敬意を損なう。(『プロフェッショナルの原点』)
私自身は、内閣人事局が「悪しき忖度」を誘発しているという見方は全く間違いだと思います。それよりも、内閣人事局は長年公務員改革の要として重要な組織として設立されたのですから、良い意味での「忖度」を助長し、ドラッカーのいうところの、人事の手順がスムーズにできるように、官庁組織を変えていくべきでしょう。

特に、すべての官庁において、すべての官庁がが本来の官邸の統治部分に直接かかわるのは禁忌とすべきです。さらにすべての官庁において、外部の利害関係者と直接折衝をする部門と、企画を立案する部門はしっかりと分離すべきです。これを同一にするのは、政府に限らず、あらゆる組織において腐敗の源となります。

これなしに、腐敗した官僚を批判したとしても、一時は収まるかもしれませんが、ときが経てばまた同じような問題が繰り返し起こるようになるだけです。

左派系マスコミと野党議員は本来こうしたことを主張するべきであって、ダブルスタンダードで、政府批判をするだけでは、何の解決にもなりません。

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2018年8月2日木曜日

世界が反緊縮を必要とする理由―【私の論評】日本の左派・左翼は韓国で枝野経済理論が実行され大失敗した事実を真摯に受け止めよ(゚д゚)!

世界が反緊縮を必要とする理由

ケイザイを読み解く野口旭

『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』表紙
写真はブログ管理人挿入 以下同じ


<現在の世界経済を貫く経済政策上の基本的な対抗軸は、もはや政治イデオロギーにおける右や左ではなく、「緊縮vs反緊縮」である...>

経済論壇の一部ではいま、本年の4月に出版された『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』(ブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大、亜紀書房)が話題になっているようである。

ただし、ネット上の書評などをぱらぱらと見てみると、その受け取られ方は必ずしも好意的なものばかりではない。むしろ、この本に関する書評や論評に関して言えば、長々と書き連ねているものほど辛辣な内容で埋め尽くされていることが多い。そして、そうした執拗な批判の書き手は、明らかに右派ではなくて左派である。

同書がこのように、左派的な読者の一部から強い反発を受けている理由は明白である。それは要するに、同書が、左派的な人々が蛇蝎のように嫌っている現在の安部政権の経済政策すなわちアベノミクスを、「金融緩和プラス拡張財政」というその骨格的な部分において肯定しているからである。

松尾匡氏

もちろん、同書の3人の著者はいずれも左派を自認する論者であるから、アベノミクスの一部を是認してはいても、安部政権そのものを支持しているわけではない。というよりも、少なくともその政治的なスタンスとしては、この3人の論者は明らかに「アベ政治を許さない」と叫んでいる側に近い。

にもかかわらず本書が反安倍を掲げる左派から目の敵にされているのは、「じゃぶじゃぶの金融緩和で株価を引き上げただけ」、「悪性インフレやハイパーインフレの種を撒いた」、「財政バラマキによる将来世代へのツケ回し」、「財政規律を失わせて財政破綻を招き寄せている」といった、これまでの左派による定番のアベノミクス批判が的外れであることを指摘し、それらを容赦なく切り捨ていているからである。

さらには、アベノミクスが発動されて以降、経済状況とりわけ人々の生活に直結する雇用状況が民主党政権以前と比べて明確に改善しているという、左派の人々にとっては受け入れ難い事実を事実として指摘し、安部政権への特に若い世代から高い支持がこうした雇用改善に基づくものであることを冷静に分析しているからである。

アベノミクスの把握と評価をめぐるこうした左派における「分断」は、現在の世界経済を貫く経済政策上の基本的な対抗軸が、もはや政治イデオロギーにおける右や左ではなく、「緊縮vs反緊縮」であることを示唆している。同書の著者たちはもちろん、人々にいま必要とされているのは反緊縮政策であること、そして左派こそがその反緊縮の中核を担うべきことを主張する。

しかしながら、アベノミクスに対する左派からの反応の多くは、上の定番的批判が示すように、要するに「緊縮の側からのアベノミクス批判」の左派的形態にすぎない。同書はその問題性を、あえて左派の内部から提起しているのである。

緊縮から反緊縮へ

マクロ経済政策における反緊縮とは、「赤字財政を可能な限り許容しつつ金融緩和を進めること」と定義できるであろう。要するに「金融緩和プラス拡張財政」である。ただし、不況期には財政赤字を許容すべきという赤字財政主義それ自体は、ケインズ主義の伝統的な政策指針であり、目新しい点はまったくない。近年における反緊縮主義が旧来の赤字財政主義と異なるのは、その赤字財政が必ず金融緩和とセットになっているという点にある。この「金融緩和に裏付けられた赤字財政」というマクロ経済政策のあり方が「反緊縮」と呼ばれているのは、それがとりもなおさず、2010年頃から世界的に浸透し始めた経済政策における緊縮(Austerity)へのアンチテーゼとして提起されていたからである。

2008年9月のリーマン・ショックを契機として「百年に一度の世界経済危機」が生じたとき、各国政策当局はまず、景気対策の定石通り、財政拡張政策と金融緩和政策によってそれに対応しようとした。そして、それらの政策によって、世界は少なくともかつての世界大恐慌のような経済的大惨事の再発を防ぐことには成功した。とはいえ、2009年頃の各国の経済収縮はきわめて深刻であり、多くの国が政府財政の急激な悪化に直面した。

そこに生じたのが、2010年5月のギリシャ・ショックであり、それに続く欧州債務危機であった。それを契機として、各国の財政スタンスは、拡張から緊縮へと、まさに急転回することになる。とりわけ、債務危機の震源である欧州では、各国に対して財政規律の確保を強く求めるドイツの主導の下で、厳格な財政引き締め、すなわち増税あるいは歳出削減が実行された。その結果、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの南欧の債務危機国では、経済が急激に縮小し、若年層の失業率が50%近くあるいはそれを超えるまでにいたった。

アメリカでは、ティーパーティーと呼ばれる草の根保守派が、政府財政赤字の拡大を問題視し、「アメリカ経済が低迷しているのは財政赤字のせいだ」といったプロパガンダを始めた。そして、それに後押しされた共和党が、政府債務の上限引き上げ拒否という議会戦術に打って出た。それはその後、強制歳出削減に伴う「財政の崖」と呼ばれる一大騒動をもたらした。

その状況は日本でも同様であった。2009年9月に発足した民主党政権は、少なくともその政権獲得当初は「消費税増税は当面は行わない」ことを明言していた。しかし、2010年春にギリシャ・ショックが生じて以降は、消費税増税問題が与野党を巻き込む最大の政策的争点となった。未だに喉に刺さったトゲのごとく日本経済に痛みを与え続けている、民主党・野田佳彦政権下の2012年夏に成立した「消費税引き上げの三党合意」は、その帰結である。

反緊縮とは要するに、こうした形で世界的に推し進められていった財政緊縮への政策的アンチテーゼである。そこで金融政策の役割に改めて焦点が当てられるようになったのは、金融緩和は赤字財政主義を貫徹するためにも必要不可欠であることが、まさにこの財政危機から財政緊縮にいたる経緯の中で明らかになったためである。

金融政策は「財政の足かせ」を緩めるのに役立つ

そもそも、赤字財政主義は、それ自体としてはきわめて脆弱なのである。不況下には財政赤字を拡大すべきとはいっても、実際に赤字が拡大すれば「財政危機懸念」が生じるのは避けられないし、その懸念がやがては現実の危機に転じる可能性も否定はできない。それがまさに、多くの国が「不況下の緊縮財政」という最悪の選択を行うにいたった理由である。

しかし、金融政策は、そのような政策選択に追い込まれるのを避ける大きな手助けとなる。そこには少なくとも、以下の三つのチャネルがある。

第一は、中央銀行による国債購入を通じた国債市場の安定化である。中央銀行が行う金融緩和とは、一般的には国債等の資産を購入して自国通貨を供給することである。不況期には通常、税収の減少や景気対策のための財政支出によって政府財政が悪化し、国債の発行が増加する。それは時には、国債市場の攪乱要因となり、国債の価格下落と金利上昇をもたらす。しかし、中央銀行が不況期に国債購入を通じた金融緩和を行えば、国債金利は低位に保たれ、市場の攪乱は自ずと抑制される。

第二は、中央銀行の国債保有拡大による政府の国債利払い費の縮小である。政府が国債を発行して財政赤字を賄えば、当然ながら民間の国債保有者に対して金利を支払い続けなければならない。しかしながら、その国債を中央銀行が民間から買い入れた場合には、政府はその分の金利支払いを免れることができる。というのは、政府が中央銀行に支払った国債保有分の金利は、国庫納付金などとして再び政府に戻ってくるからである。したがって、中央銀行が国債保有を拡大すればするほど、政府の国債利払い費は縮小する。債務とは金利を支払ってこそ債務なのであるから、中央銀行が保有している国債に関しては、政府債務が事実上存在しないに等しい。これがいわゆる通貨発行益(シニョレッジ)である。

そして第三は、金融緩和を通じた景気回復による財政の改善である。金融緩和は一般に、金利や為替の低下を通じて雇用、所得、そして企業収益を改善させる。税収は基本的に所得や企業収益に依存するものであるから、その所得と企業収益の改善は、自ずと不況によって減少していた税収の改善に結びつく。

つまり、金融政策が自由度を持つということは、「政府の財政収支制約」を一時的にせよ大きく緩和できることを意味する。ギリシャをはじめとする欧州各国に債務危機が発生したのは、まさしく統一通貨ユーロという「足かせ」に縛られて自国のための独自の金融政策が実行できなかったためである。仮にこれら欧州の債務危機国がユーロには加入せずにそれぞれの通貨を保持していたならば、債務危機を当初から免れていた可能性は十分ある。

財務省出身の政治家であり、政権交替直後の民主党・鳩山由起夫政権で財務大臣を務めた藤井裕久は、2016年8月14日付けの日本経済新聞(電子版)インタビューで、「カネをばらまくだけ」のアベノミクスはいずれ破綻すると述べたのちに、以下のように発言している。

藤井裕久

黒田(東彦日銀総裁)も(金融政策の限界を)分かっていると言わざるを得ない。これは、書いたっていいや。大蔵省に本当の幹部達の集まりがある、あるんだよ。僕は、黒田にこう言った。「君、分かっているじゃないか。財政を健全にしろと良いことを言ってくれている。だけど、君、ばらまいていたら、健全化にはならないんだよ。だって、(間接的に)国債買うんだろと。健全になるわけないんだよ」と、ひとつ言いました。

この藤井の発言は、その意図はどうであれ、「金融政策は財政制約の緩和に役立つ」という重要な真理を含んでいる。ただ、反緊縮の側がそれを肯定的に捉えるのに対して、典型的な緊縮論者である藤井は、それをアプリオリに悪と考えているわけである。

緊縮を打ち負かしたオルト・ライト・ケインズ主義

上掲『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』では、欧州で拡大しつつある反緊縮に向けた政治潮流の現状がつぶさに紹介されている。そこで興味深いのは、反緊縮の担い手は必ずしも左派とは限らないという事実である。実例として挙げられているは、2010年に成立したハンガリーのオルバーン政権である。その経済政策である「オルバノミクス」は、金融緩和と財政支出の組み合わせであり、まさしく反緊縮そのものである。しかしながら、この政権それ自体は、民族主義的かつ復古主義的な特質を持つ、まごうことなき右派であった。

ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相

同様のことはおそらく、アメリカのトランプ政権に関しても言える。筆者は以前のコラム「オルト・ライト・ケインズ主義の特質と問題点」(2017年02月28日付)において、トランプ政権の経済観は、旧来の保守派の経済観、すなわちティーパーティーも含む共和党主流派が奉じてきた「小さな政府」を標榜する新自由主義におけるそれとは対極的であり、本質としてはむしろケインズ主義の方に近いことを指摘し、それを「オルト・ライト・ケインズ主義」と名付けた。実際、トランプが大統領選挙時から一貫して訴え続けてきた「減税や公共投資といった財政政策を用いてアメリカの労働者の雇用を増加させる」という政策手法は、アメリカの保守派が葬り去ろうとしてきた旧来のケインズ主義そのものであった。

トランプが打ち出したこの拡張財政政策に対する専門家からの反応は、当初はきわめて冷笑的なものであった。専門家の多くは、「リーマン・ショックの直後に行うならともかく、アメリカ経済がほぼ完全雇用に近づいた今になって行う拡張財政政策は、恩恵よりもむしろ景気過熱と高インフレをもたらす可能性が高い」と考えたのである。

ところが結果として見れば、正しかったのは彼ら専門家ではなく、トランプの方であった。というのは、2018年第2四半期の経済成長率が4%を超えたことが示すように、トランプ政権が2017年末に行った減税政策は、人々に明らかな恩恵をもたらしているからである。他方で、それによってアメリカ経済が過熱したとかインフレが加速したという徴候はほとんど見られていない。トランプ政権がその粗暴な政策運営に対する内外からの数多くの批判にもかかわらず、国内では依然として一定の支持基盤を確保しているのは、こうした経済面での実績によるところが大きい。

「世界的貯蓄過剰2.0」の世界にどう対応するのか

これまでのところ、その担い手が右派か左派かにはかかわらず、人々に苦難を強いてきたのはほぼ常に緊縮であり、人々の救いとなってきたのは反緊縮であった。しかしながら、これはあくまでも反緊縮側の見方である。緊縮の側からすれば、そのような評価はまったく受け入れ難いものであろう。というのは、「緊縮は確かに苦しいが、財政破綻やハイパーインフレといった将来における惨禍を防ぐためには現在の緊縮を甘受するしかない」というのが、藤井裕久元財務大臣に代表される緊縮論者たちの強固な信念だからである。

緊縮論者のこうした考え方は、確かに一定の歴史的な根拠を持っている。多くの国がこれまで財政破綻や悪性の高インフレに見舞われてきたが、その背後にはほぼ常に、放漫な財政政策や過度な金融緩和政策があった。

1960年代末から始まったアメリカの高インフレや、1970年代初頭の日本の「狂乱物価」が示すように、金融緩和や財政拡張の行き過ぎによる経済的混乱は、少なくとも1980年代前半までは、先進諸国においても決して珍しいものではなかった。つまり、その時代には確かに「財政と金融の健全な運営」がマクロ経済政策における正しい指針だったのである。

ところが、近年の世界経済においては、状況はまったく異なる。「景気過熱による高インフレ」なるものは、少なくとも先進諸国の間では、1990年代以降はほぼ存在していない。リマーン・ショック以降は逆に、日本のようなデフレにはならないにしても、多くの国が「低すぎるインフレ率」に悩まされるようになった。また、異例の金融緩和を実行しても景気が過熱する徴候はまったく現れず、逆に早まった財政緊縮は必ず深刻な経済低迷というしっぺ返しをもたらした。世界経済にはこの間、いったい何が起こったのであろうか。

一つの仮説は、筆者が秘かに「世界的貯蓄過剰2.0」と名付けているものである。世界的貯蓄過剰仮説とは、FRB理事時代のベン・バーナンキが、2005年の講演「世界的貯蓄過剰とアメリカの経常収支赤字」で提起したものである。バーナンキはそこで、1990年代末から顕在化し始めた中国に代表される新興諸国の貯蓄過剰が、世界全体のマクロ・バランスを大きく変えつつあることを指摘した。リマーン・ショック後に生じている世界経済のマクロ状況は、その世界的貯蓄過剰の新段階という意味で「2.0」なのである。

各国経済のマクロ・バランスにおける「貯蓄過剰」とは、国内需要に対する供給の過剰を意味する。実際、中国などにおいてはこれまで、生産や所得の高い伸びに国内需要の伸びが追いつかないために、結果としてより多くの貯蓄が経常収支黒字となって海外に流出してきたのである。

このように、供給側の制約が世界的にますます緩くなってくれば、世界需要がよほど急速に拡大しない限り、供給の天井には達しない。供給制約の現れとしての高インフレや高金利が近年の先進諸国ではほとんど生じなくなったのは、そのためである。

この「長期需要不足」の世界は、ローレンス・サマーズが「長期停滞論」で描き出した世界にきわめて近い。その世界では、財政拡張や金融緩和を相当に大胆に行っても、景気過熱やインフレは起きにくい。というよりもむしろ、財政や金融の支えがない限り、十分な経済成長を維持することができない。ひとたびその支えを外してしまえば、経済はたちまち需要不足による「停滞」に陥ってしまうからである。それが、供給の天井が低かった古い時代には必要とされていた緊縮が現在はむしろ災いとなり、逆に、その担い手が右派であれ左派であれ、世界各国で反緊縮が必要とされる理由なのである。

野口旭氏プロフィール



1958年生まれ。東京大学経済学部卒業。
同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専修大学助教授等を経て、1997年から専修大学経済学部教授。専門は国際経済、マクロ経済、経済政策。『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』(東洋経済新報社)、『グローバル経済を学ぶ』(ちくま新書)、『経済政策形成の研究』(編著、ナカニシヤ出版)、『世界は危機を克服する―ケインズ主義2.0』(東洋経済新報社)等、著書多数。

【私の論評】日本の左派・左翼は韓国で枝野経済理論が実行され大失敗した現実を真摯に受け止めよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の野口旭氏の記事にもある通り、アベノミクスに対する左派からの反応の多くは、要するに「緊縮の側からのアベノミクス批判」の左派的形態に過ぎないものです。

昨年野党第一党となった、立憲民主党の枝野幸男代表も結局のところ、経済理論はアベノミクスに反対すると言っているに過ぎないようずて。実際枝野氏は、安倍晋三政権に対抗するとして、経済政策を訴えています。

枝野氏

枝野氏は、安倍政権政権のキャッチフレーズ「成長なくして分配なし」を逆転させ、低所得者層への再分配を主張し、法人税率の引き上げにも言及しています。果たして実効性はどこまであるのでしょうか。

 「日本の中だけ見ると、バブルが崩壊してから(景気は)悪くなっている。社会は下から支えて押し上げる。消費不況を脱出するには、底上げを図らないといけない」

枝野氏は昨年12月13日、文化放送のラジオ番組に生出演し、低所得者層の賃上げに取り組む考えを示しました。

枝野氏は12日のロイター通信のインタビューでも、「分配なくして成長なし。内需の拡大のためには適正な分配が先行しなければならない」といい、次のように主張しました。

 「(自民党の)所得税の改革は、本当の富裕層の増税にならず、中間層の増税になっている。何より、企業の内部留保を吐き出させなければだめ。単純に法人税を大幅に増税すればいい」

この野党第1党のリーダーが説く経済政策は有効なのでしょうか。

これは、残念ながら経済の仕組みをまるで分かっていないとしか言いようがないです。成長があって分配できるのであって、『初めに分配ありき』などということはありえないです。経済が成長しないのに分配をすれば、雇用が激減するか、被用者一人あたりの賃金を減らすしか方法はありません。

法人税率引き上げ案も、それを実行したとしても企業に内部留保を吐き出させること直結することにはならないです。そもそも、企業の内部留保は現金のように、すぐに出せる形で積み上がっているわけではありません。

そもそも、欧米やアジア諸国が法人税の増税に慎重ななかで、日本だけが引き上げれば、国際競争では不利になります。現時点で単純な企業いじめをしても得られるところは何もないです。

さて、このように私ごときが、枝野氏の経済政策を批判したとしても、説得力はないかもしれません、激しく批判すれば、左派や左翼の方々からは、ネトウヨなどと謗られるだに終わるかもしれません。

ところが、枝野氏の主張するような経済政策は韓国ですでに実施されて、その結果は大失敗です。私は、もし私の主張が左派や左翼の方々に反対されたとしたら、以下のことを反証としてあげたいと思います。

ご存知のとおり、韓国の文在寅政権はかなりリベラル寄りの政権で、経済政策を財閥優遇から、労働者に直接恩恵をもたらす政策に舵を切りました。目玉は次の3つです。

1)福祉・雇用に財政支出を傾斜配分(2018年度予算15兆ウォンのうち4割程度を配分)

2)公務員数の増加(5年で81万人の雇用増が目標)

3)最低賃金の引き上げ(2020年までに1万ウォンまで引き上げる)

韓国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比1.0%増加していますが、内容は半導体関連の輸出とそれに伴う設備投資のみに頼った形であり、国内消費は低調なままで、総じてよくない状態です。

韓国では、不況期の景気下支えを主に公共投資によって行ってきましたが、文政権ではこれを一気に削減し、雇用・福祉関連支出への配分が大幅に拡大されました。

またそれまでは概ね7%程度の増加であった最低賃金を、2018年には前年比+16.4%の大幅に引き上げ、今後も目標である1万ウォンを目指して同程度の引き上げが予想されます。また同時に法人税の22%から25%への引き上げや、週労働時間の短縮の要請も行っています。

その結果、どうなったでしょうか。韓国の今年3月の完全失業率は4.0%と上昇し、雇用環境は悪化しています。ちなみに、4%という失業率は韓国でも、リーマンショック後に1回あっただけという悪さです。

特に、15歳から29歳までの若年失業率は9.7%にも上っています。人件費の上昇により、企業が採用を抑制し始めたのです。

韓国の中央銀行(Bank of Korea)は、昨年11月に利上げを行い(1.25%→1.50%)、金融政策は緊縮気味です。その結果、韓国の通貨ウォンは、対ドルで5%強も上昇しました。

韓国は輸出主導の経済構造です。輸出依存度はGDP比で55%弱であり(日本は15%弱)、通貨高は経済に直接悪影響を与えます。

緊縮気味の金融政策は、先に述べた雇用・福祉重視政策と相まり、財閥企業の海外移転(国内空洞化)を促しており、雇用環境は、今後、ますます悪化することが予想されます。

枝野経済理論を韓国で実行した文在寅韓国大統領

文政権と日本の左翼政党・メディアと共通しているのが、理念先行で、実際の経済の波及経路や効果などの検証がほとんどないということです。また、マクロ経済をどうやら、ミクロ的な視点でのみ語り、「労働者の利益を上げるためには企業から奪ってくるしかない」という視野狭窄を起こしています。

マクロ経済は、「特にデフレや不況に陥っているときは、まずは積極財政と、金融緩和でまずは全体のパイ(GDP)を増やしてから、次に分配(企業、労働者、政府)を考える」というのが基本ですが、個々のプレイヤーの分配のみを考えているので、結果的に全体のパイが縮小するという愚を犯しているのです。

枝野理論は、韓国で似たような政策が実行されて、大失敗しました。これについては、日本の報道機関は、韓国で雇用や経済が悪くなったことを伝えるばかりで、韓国の文在寅による経済政策が、枝野理論と同じく、金融緩和抜きで分配を強化したにもかかわらず、結局雇用が激減して大失敗したということは報道しません。

一方で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や、先の衆院選で掲げた、2019年10月の消費税率10%引き上げはどうかといえば、教育や防衛の予算など『未来への投資』が十分でなく、国民は不安を感じています。

増税に関しては、過去には増税に反対した野党も存在はしましたが、それは残念ながら、経済を理解しているというよりは、選挙対策のために反対したというに過ぎないものばかりでした。まともな経済理論にのつとった上で、増税に反対したことはありませんでした。

今後、安倍政権は増税などせずに、アベノミクスをさらに加速すべきです。消費税率10%引き上げは消費意欲をさらに減退させるだけです。『緊縮政策は政権を短命にする』というのが世界の潮流です。撤回すべきです。

野党をはじめとする、左派や左翼の方々は、枝野氏の経済理論が、韓国で現実に実行され、大失敗しているという現実を真摯に受け止めるべきです。

ブログ冒頭の野口旭氏が語るように、世界各国で反緊縮が必要とされる理由を理解すべきです。それは、左派・左翼に限りません、与党の政治家達や保守層もしっかり認識せず、安易に緊縮政策を採用したり、それを支持するようなことをしてしまえば、日本経済は再び長期停滞にみまわれ、それこそ「失われた20年」どこか、本来は招く必要もないし、招く必然性もない「失われた100年」を自ら招いてしまうことになるかもしれません。

その時には、日本にも文在寅のような政治家が跋扈して、政権を掌握するかもしれません。

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2017年2月14日火曜日

【WSJ社説】アジア外交で勝利するトランプ氏―【私の論評】日本のリベラル・左派、左翼の本来の使命は「政権・権力と戦うこと」とではない(゚д゚)!



 ドナルド・トランプ米大統領はここ数日、アジア諸国との外交活動に忙しかった。9日には中国の習近平国家主席と就任後初の電話会談。翌10日に安倍晋三首相とホワイトハウスで日米首脳会談を行い、続く週末には首相と27ホールのゴルフに興じた。北朝鮮の弾道ミサイル発射実験を受けて11日には共同記者会見も行った。これまで一部の外国首脳を相手に示してきた態度とは異なり、トランプ氏は堅実かつ慎重に練られた対応ぶりを見せ、同盟諸国に敬意を払っている。

 習氏との電話会談の注目点は、台湾に関して中国が掲げる「一つの中国」政策を長年尊重してきた米国の姿勢をトランプ氏が確認したことだ。トランプ氏は以前、この原則について貿易問題などと同様に「交渉対象」になると述べていた。この変わり身について、トランプ氏が「張り子の虎」である証しだと指摘するメディアもある。中国政府関係者の話として、習氏はトランプ氏がスタンスを軟化させるまで対話を拒否していたと報道は伝えている。ただ、こうしたトランプ氏の変わり身の中身は驚くべきことでも、劇的なことでもない。

 これは台湾が中国の一部であるとする「一つの中国原則」をトランプ氏が受け入れたということではない。台湾の国際的な立場を巡り中台が反目状況にあることを認識するという米国の政策を確認しただけであり、この問題に対する米国の判断を留保したうえで、台湾の人々の同意による平和的な解決を求めているのだ。過去数十年間においてそうであったように、これは中台の反目を認識した以上のことを意味するわけではない。ましてや、独立国家としての台湾を正式に認めること以外で続けてきた台湾への支援を中止するわけでもない。

 昨年12月にトランプ氏が電話会談を行った台湾の蔡英文総統との関係を前進させ、経済・外交・軍事的つながりの強化を図ることを止めることでもない。そうではなく、台湾の独立国家としての地位というデリケートな問題を巡って中国と衝突し、地域を不安定化するようなリスクは冒さないというメッセージを送っている。そうすることによってトランプ氏は、慎重さが要求され、しかも依然として影響力の大きい台湾問題に関して、台湾や日本をはじめとする友好国・地域のリーダーからより多くの支援が確実に得られる状況を作ってみせたのだ。

 そこに驚くほど友好的な日米首脳会談が行われた。中国はアジアの覇者を狙う野望に対する反対勢力の急先鋒が安倍首相だととらえている。その認識は正しく、今回の日米首脳会談の意味を中国の指導部が理解しているのは間違いない。「われわれの間にはとても良好な絆がある。非常にうまが合う」。共同記者会見でトランプ氏はそう熱く語り、こう続けた。「車のところで彼(安倍首相)を出迎えた際、握手したが、彼を引き寄せ肩を抱いた。そうしたいと感じたからだ」。これが、日本はただ乗りの同盟国だと選挙期間中に批判していたトランプ氏の身の変わりようだ。

 「われわれは日本の安全保障に関与する」。トランプ氏はそう宣言した。尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲内だとするジム・マティス国防長官の発言と同じ認識を表明した。たとえ関係が最良の状況下にあってもトランプ氏との間では泣き所になりかねない貿易面では、マイク・ペンス副大統領と麻生太郎副総理・財務相をトップとする経済協議の枠組みを設けることで合意した。

 新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」を日本海へ向けて11日に発射した北朝鮮も、日米間の連携強化の重要性を示すことに一役買うことになった。北朝鮮がミサイルの発射実験を行ったのはトランプ氏の就任後では初めてだ。今回の発射は北朝鮮が開発を進めている大陸間弾道ミサイルではなかったものの、同国の核開発が多面的に前進しつつあることをあらためて知らしめた。トランプ氏は「米国は素晴らしい同盟国である日本を100%支持する」と述べた。まったく同感だ。

【私の論評】日本のリベラル・左派、左翼の本来の使命は「政権・権力と戦うこと」ではない(゚д゚)!

ブログ冒頭の、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事いたってまともです。

このブログでは、以前から米国のメディアは90%がリベラル・左派占められていて、特に大手新聞ではリベラル・左派が100%であり、日本にたとえると産経新聞が存在していないような状況にあることを掲載してきました。

そのためか、米国のメディアで報道される内容は非常に偏りがあって、人口でいえばおそらく半分くらいは存在するであろう、保守層の声がほとんどかき消されていて、私たちは米国の半分を知らない状況にあるといってさえ良い状況にあります。

そうして、このウォール・ストリート・ジャーナル紙も無論のこと、リベラル・左派の新聞です。

しかし、日米首脳会談に対する極めて的確な報道をブログ冒頭のWSJの社説は果たしています。日本のテレビや新聞などの偏った解説とは異なります。

日本のリベラル・左派のマスメディアや、有識者などもこの態度は見習うべきでしょう。

日本ではマスメディアも酷いですが、いわゆる有識者などと言われている人たちも酷いものです。

政治学者の山口二郎氏は13日、朝日新聞の神田大介テヘラン支局長が安倍晋三首相を中傷するような投稿を行い、インターネットで批判を受けて削除したことについて、「最高権力者をおちょくることに、何の遠慮が必要か」と自身のツイッターに書き込みました。

山口二郎氏

神田支局長は、日本時間11日未明に米ワシントンで行われた安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談を伝える映像を引用し、「安倍首相、大丈夫かな…またおなか痛くなっちゃうのでは」と自らのツイッターに書き込みました。

この投稿にネット上で批判が相次ぎ、神田支局長は投稿を削除し、「このツイートは不適切だったので削除しました。安倍首相をはじめ、病気を揶揄するつもりはなかったんですが、そのように受け取られて当然のひどいツイートでした。お詫びし、撤回します。申し訳ありませんでした」と釈明しました。

朝日新聞の神田大介テヘラン支局長
さらに神田支局長は「自分の考えの至らなさ、まったくお恥ずかしい限りです。以後、このようなことがないよう注意いたします。重ねて安倍首相をはじめ、みなさまにお詫びします」「本当に、トランプ氏の登場による首相への重圧を心配してツイートしたんですが、そのように伝わらなくて当然だったと思います」「意図が伝わらないようなツイートをしてしまったこと、記者として恥ずかしく思います」などと連続して投稿していました。

このような出来事から、やはり日本のリベラル・左派、左翼といわれる人々の中には、山口二郎氏のように、多くのリベラル・左派、左翼のマスコミや識者は「政権や権力と戦うのが使命」であり、その使命を貫徹するためには安倍総理に対する個人攻撃をすることも当然と思っているようです。

しかし、私は政権と戦うのがリベラル・左派、左翼の使命であるなどとは絶対に言えないと思います。そんなことをしていたら、リベラル・左派はいつも政権反対の立場に縛られてしまうことになります。

自民党が政権をとったら自民党反対で、民主党政権になれば民主党反対ということになってしまいます。そうではなく、リベラル・左派、左翼は政権がどうであろうと自分自身が自由に考え、意見を述べるべきです。リベラル・左派、左翼が単なる政権の逆反射に陥れば、自由に考えているのは政権の側で、リベラル・左派、左翼は思考停止になってしまうことになります。

まさに、今回の日米首脳会談ではこのことが鮮明になったと思います。日本のリベラル・左派の方々も、ウォール・ストリート紙をみならって、まともな考え方をすべきです。この新聞は、「政権や権力と戦うのが使命」などとは思っていないからこそ、自由な発想と情報源から上記のような記事が書けるのです。

そうでないと、いつも反政権の立場に縛られて、まともなことが言えなくなってしまいます。その顕著な例が、いわゆるリフレ派の政策に対するリベラル・左派の人々の考え方です。

このリフレ派という言葉は、私はあまり好きではありません。そもそも、リフレ派による積極的な金融政策を中心にデフレから脱却することを重要課題とする主張は、他の先進国では当たり前の政策であり、この政策を主張する人々を他の先進国ではわざわざリフレ派と読んで区別することもありません。

リフレ派という言葉、日本独自のものと考えても良いです。そうして、このリフレ派の主張は欧米では雇用を改善して労働者にとって良い政策であるということから、リベラル・左派、左翼、労働組合などが賛同する政策でもあります。まさに、安倍政権はアベノミクスという名称で、世界的な見地からすれば、リベラル・左派的な政策を実行しているわけです。

しかし、日本ではリベラル・左派も左翼の方々も、「政権や権力と戦うのが使命」という古いイデオロギーにしがみついているせいか、金融政策の有効性を認めません。特に、金融政策が雇用と不可分に結びついているということを絶対に認めません。

このような頑な態度をとっていれば、やがてリベラル・左派の中でも分裂が起こるのではないでしょうか。実際、その兆候は見られています。

広葉樹の移植のための畑を耕す「化学総連」の皆さん
クリ・コナラなど塩に強い品種の広葉樹も
実験的に植えるのだそうです
化学大手の労働組合でつくる全国化学労働組合総連合(化学総連)が昨年連合から離脱しました。

化学総連は昨年5月末、春闘などで連合との窓口になっていた「日本化学エネルギー産業労働組合連合会(JEC連合)」との協力関係を解消しました。事実上の連合離脱であり、産別(産業別労組)が抜けるのは、平成元年の連合発足後、初めての事態です。

この動きの根底には、リベラル・左派、左翼は「政権や権力と戦うのが使命」であるとの考え方に対する反発があるのは明らかです。

私自身は、自分はどちらかというと保守派だと思っていますが、リフレ派的な考えは正しいものであり、それは統計上も十分に証明されているものと思いますから、自分が保守であろうがなかろうが、リフレ派の主張には賛同しています。

リベラル・左派、左翼の方々も、「政権や権力と戦うのが使命」という呪縛から逃れて自由な発想をすべき時にきているのではないでしょうか。

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2015年5月16日土曜日

民主党・有田芳生議員が「悪質な差別煽動コミック」とツイートした『日之丸街宣女子』が大人気に!?―【私の論評】左翼も似非識者も近いうちに、かつてコミンテルンが日本国内で力を失ったように、国民に見向きもされなくなる(゚д゚)!


5月13日、民主党の有田芳生参議院議員(@aritayoshifu)が『Twitter』にて



と、本の一部内容の画像つきでツイートを行った。本日5月15日に発売になった『日之丸街宣女子』なる漫画、数日前から書店には並んでいたようで、有田議員が神保町の「高岡書店」に売れ行きを聞いたものと思われる。

「そんなに売れていません」

ということだったのだが、有田議員のツイートをきっかけに多くの方が興味を持ったのか『Amazon』ではランキングが急上昇、5月15日18時の段階で2位にランクインし発売日にも関わらず品切れとなっている。入荷予定は5月22日とのことである。

カスタマーレビューは34件寄せられており、星5つが33件、星4つが1件と超高評価。

「この本の出会いは民主党議員・有田芳生のツイッター」

「普段漫画は買わないのですが、某有田芳生大先生が宣伝していたので迷わず購入しました」

「尊敬する有田ヨシフ先生のおかげでこの本を知りました」

といったレビューが寄せられている。

【私の論評】左翼も似非識者も近いうちに、かつてコミンテルンが日本国内で力を失ったように、国民に見向きもされなくなる(゚д゚)!

中韓の力強い味方である? 有田芳生氏
上の多くの人の反応、理解できます。私も、有田芳生氏が何かを声高に主張すればするほど、有田芳生氏の語っていることは中国や韓国を喜ばせることであり、有田氏の語っていることの反対のことが正しいのであり、有田氏の正反対のことを支持すべきなのだと思ってしまいます。

だからこそ、『日の丸街宣女子』の人気は高まり、売れるようになったのだと思います。まさに、有田氏は、このアニメのプロモーション活動をtwitterで行ったということになります。


私自身は、有田氏に対して批判のツイートを発信したこともあるせいでしょうか、有田氏側からブロクされていて、今では見ることができません。有田氏のツイートは良く見ていたので、本当に残念ですwwwww

このような傾向は、数年前から見られるようになったと思います。特に顕著なってきたのは、2013年あたりからだと思います。当時、それに関する記事をこのブログにも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
ネットは「秘密保護法」賛成が多数! 背景に大手マスコミへの不信感―【私の論評】馬鹿な一般大衆を操作し、世論形成できると考える愚鈍マスコミ、お前はもうすでに死んでいる!

特定秘密保護法に反対する演説をする山本太郎氏
この記事は、 2013年12月8日日曜日のものであり、この頃は「特定秘密保護法」が巷を賑わしていました。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部分だけコピペさせていただきます。
たとえばJ-CASTニュースが2~5日にかけ行ったウェブアンケートでは、6269票のうち実に55%が、「今国会で成立」を支持していた。一方の「廃案」は29%、「慎重審議」はわずか13%に過ぎない。 
ニコニコ動画などでドワンゴ、ニワンゴが行った調査でも、「今国会成立」支持が36.6%で「多数派」を占める。2ちゃんねるなどでも法案成立直後から、 
「日本の夜明けキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」 
などと歓迎の声が相次ぐ。国民全体から見て多数派かどうかはわからないが、一定の「賛成」の声があることは間違いない。もっとも、こうした「歓迎論」をマスコミはほとんど黙殺している。 
彼らはなぜ「賛成」なのか。もちろん、尖閣諸島を巡る中国との対立が激化し、安全保障上の必要性を説く人も少なくないが、一方で「反対」を説くマスコミ、文化人への根強い反発も見え隠れする。 
顕著な例は、朝日新聞がウェブ上で行ったアンケートだ。当初は「反対」が優勢だったものの、その存在が話題になると、ツイッターなどで「賛成票を入れよう」という呼びかけが始まった。もちろん朝日への反感からだ。結局アンケートは「賛成」が「反対」に倍以上の大差をつける結果に終わった。 
ネット上ではかねてから、「知る権利」をしきりに強調するマスコミに対して不信感が根強い。そうしたマスコミがまさに「知る権利」を盾に法案に反対したところで、冷ややかな空気は強まるばかりだ。こうした問題意識は当の反対派からも出ており、たとえば精神科医の香山リカさんは、5日にツイッターでこうつぶやく。 
「秘密保護法に反対してる人がみなキライだからきっと良い法律なんだろ、という意見をネットでよく見る。反対を語れば語るほど逆効果になるくらい嫌われてるちゅうことを、私を含めたいわゆるリベラル派は考えてみなきゃ。これじゃ反対会見開いてかえって法案成立に貢献しただけ、ってことになる」

上の香山リカの「秘密保護法に反対している人がみなキライだからきっと良い法律なんだろ、という意見をネットでよく見る」という発言にもあるように、最近では確かに、左翼系の人が何かを批判すると、その批判の反対が良いと思う人が増えているのだと思います。

しかし、香山リカのいう「キライな人」とは、はっきり言えば左翼系の人ということになると思います。ただし、私は左翼系とは言っても、多くの人に嫌われる日本で主流の左翼は、本来の左翼ではないと考えています。

私自身は、左翼というよりは、はっきりいえば媚中的な発言をする人、中国にとって都合の良い発言をする人ということであり、本来は左翼の中でも世界的に見れば少数派に過ぎなかったものが、今では主流になっている日本の左翼を指していると思います。

考えてみれば、安部総理の靖国参拝も世界の中で反対するのは、ほとんど中韓くらいなものです。 集団的安全保障に関しても、これを一番嫌がるのは、中国です。

日本の多くの人は、はっきりいえば、中国スパイや中国スパイを擁護するような発言や行動をする人が嫌いなのだと思います。そうして、中国スパイや、中国スパイを擁護するような人たちは、典型的な安倍嫌いであり、安倍総理のやることなすことすべてに反対をします。だから、非常にわかりやすいです。

私は、中国スパイを擁護するような発言や行動をする人たちの背後には、当然のこととして、中国スパイが存在していて、その背後には無論中国共産党中央政府の意向が働いており、それらが様々な工作を行っていると思います。そのような査証とされるものも見つかっています。

しかし、このような中国スパイの暗躍は、まもなく中国経済が崩壊することもあり、日本の経済が回復しまともになれば、少しづつ弱まり、消滅すると思います。

それに関しては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

帰国後の安倍首相を待ち受ける“抵抗勢力” 正念場となる安保・辺野古・70年談話 ―【私の論評】単なる安倍嫌いは、かつて日本からコミンテルンが姿を消したように、国民から見捨てられることになる(゚д゚)!
典型的な安倍嫌いの作家大江健三郎

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみコピペさせていただきます。
かつて、日本は戦前、戦中、戦後にわたって、コミンテルンといわれるソ連のスパイが国内で暗躍し、かなり日本の政治に悪影響を与えてきました。 
ところが、池田総理による、「所得倍増政策」などにより、労働者の賃金も上昇した後は、コミンテルンの影響力はなくなりました。やはり、経済がまともになり、賃金が上昇すれば、コミンテルンなどに幻惑される人間もいなくなるということです。 
さて、安倍政権はいわゆるアベノミクスという経済対策で、経済を良くしようとしています。この動きは、最初はかなりうまくいきそうでしたが、昨年4月の8%増税で、後退を余儀なくされました。 
しかし、金融緩和の効果自体は、増税によって後退させられはしたものの、それでも着実に効果がでており、上記で示したような安倍嫌いの人たちにとっては、不都合な真実である、経済指標の上向き傾向という事実かあります。 
国民の多くは、これをかなりまともに評価しているのだと思います。このまま、景気が良くなれば、日本からコミンテルンが消えたように、"安倍嫌い"の対抗勢力姿を消すことになると思います。 
だからこそ、彼らはそんなことはさせじと、断末魔の雄叫びをあげ、安倍政権を糾弾し、アベノミクスの頓挫を狙っているのです。 
しかし、そのようなことにはなりそうもありません。私自身は、"安倍嫌い"という姿勢も、許容される場合もあると思います。しかしそれは、安倍政権に変わる効果のある対策を示す場合にのみ許容されるものだと思います。ただ反対するだけでは、大多数国民は馬鹿ではないので、単なる"安倍嫌い"に幻惑されることはありません。 
代案もなくただただ「安倍が嫌い」と叫ぶだけでは、かつてコミンテルンが見捨てられたように、見捨てられることになると思います。
さて、上の記事では述べていませんでしたが、日本が池田政権以降、高度経済成長を遂げてさらそこから発展したときに、当時のソ連はどうだったかといえば、衰退する一方でした。これは、すでに1950年代にアメリカの経済学がいずれソ連経済は崩壊するであろうと予言していました。

なぜアメリカの経済学者がそう予測したかといえば、ソ連の経済はあまりにも単純だったからです。どういものであったかといえば、"投入=産出"という恐ろしく単純なものであることを統計資料等から読み解いたのです。

ソ連の、第二次世界大戦後の一時的な成長は、第二次世界大戦後に打ち負かした国々からの算出物や、人材などを投入してできたものであり、それ以上でも以下でもないことが明らかにされたのです。

日本は急成長し、ソ連の経済は悪化する一方で、ソ連崩壊直後のロシアは、空軍が定期的なパトロールさえできないような経済の停滞状況に見舞われていました。今のロシアは、GDPはインド以下で、日本の1/5に過ぎない小国に過ぎません。これと同じようなことが中国にもおこります。

これから日本は、デフレの最中の増税などというバカ真似はせずに、アベノミクスが軌道にのれば、経済は必ず回復するどころか、かつてないほどに発展します。しかし、中国の経済は停滞します。

中国の経済もソ連ほどではないにもしても、非常に簡単です。簡単すぎるほどに簡単です。中国の過去の発展は、海外から借金をして、中国国内のインフラに投資することによって成長してきました。

しかし、最近では、中国国内のインフラ整備は一段落したにもかかわらず、誰も購入しない、住まないような鬼城というゴーストタウンを国中のあちらこちらに建てたため、投資が回収できず、焦げついて、不動産バブルは崩壊しました。その他の国内外のインフラ投資もほとんど失敗で、もう国内にはまともな投資案件はありません。

だからこそ、AIIBを設立して、国内ではなく、アジアの他地域で大規模なインフラ投資を中国の主催で行い、国内では駄目になった外国からの借金でまた大きな発展をしようとしていますが、これも頓挫することは目に見えています。

日本の経済がまともになれば、日本国内から中国スパイは消える!

今後日本が、アベノミクスが軌道にのり、成長をはじめ、中国が衰退すれば、日本から中国スパイは、一掃されることになります。それにともない、中国を擁護するような発言や行動をする左翼も似非識者も近いうちに、かつてコミンテルンが日本国内で力を失ったように、国民に見向きもされなくなることになります。

それどころか、中国がインフラ投資借金型経済から転換して、まともな経済になることを目指し、それを実現しない限りソ連と同じく崩壊することになり、崩壊後の中国はたとえ現在の版図の大半を獲得できたにしても、現在のロシアのように経済的な小国にならざるを得ない状況となります。

このような状況は、今の状況が変わらない限り、必然です。おそらく、10年以内にはそうなります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年11月6日木曜日

朝日新聞:社長退任へ…誤報問題で引責、今月中旬に発表―【私の論評】朝日新聞社は左翼だから批判されるのではない!本当は、レベルが低いから批判されていることに気づかない憐れな人々による烏合の衆である(゚д゚)!

朝日新聞:社長退任へ…誤報問題で引責、今月中旬に発表

記者会見で険しい表情を見せる朝日新聞社の木村伊量
社長=東京都中央区で2014年9月11日午後7時44分、
記者会見で険しい表情を見せる朝日新聞社の木村伊量社長=東京都中央区で2014年9月11日午後7時44分、梅村直承撮影
拡大写真

朝日新聞の木村伊量(ただかず)社長が、今月中旬に退任を発表する意向を社員向けのサイトで明らかにしていたことが5日、分かった。

関係者によると、木村社長は、社員向けのサイトに掲示した先月31日付の文書で、今月中旬に社長退任を正式に発表することのほか、12月5日に開く臨時株主総会などで新しい経営体制を発足させる意向を表明したという。

木村社長は9月11日、東京電力福島第1原発の「吉田調書」をめぐる記事を取り消すことを記者会見で発表した際、自らの進退について「私の責任は逃れられない。編集部門の抜本改革など道筋がついた段階で速やかに進退を判断する」と述べていた。

朝日新聞は「吉田調書」や過去の「従軍慰安婦」をめぐる報道に関し社外の有識者を入れた委員会を開き、年内をめどに検証作業をしている。

【私の論評】朝日新聞社は左翼だから批判されるのではない!本当は、レベルが低いから批判されていることに気づかない憐れな人々による烏合の衆である(゚д゚)!

朝日新聞は、社長による記事訂正会見が行われた後でも、まだ低次元な戯事をしています。これに関しては、以下の動画をご覧になって下さい。


今のままだと、SNS機能を持つ、NewsPicsのようなメディアが、いずれ朝日新聞等を駆逐してしまうでしょう。それにしても、朝日新聞を左翼として批判する方もいらっしゃるようですが、朝日新聞は左翼だから悪いのではありません。

きちんと、取材しないで記事を書くとか、裏取りをしないで記事を掲載するという体質があるから悪いのです。こういう基本的なこともしないで、誤った記事を掲載し、長い間訂正もしないから悪いのです。

この際、右左など関係ないのです。あえていえば、下なのです。レベルが低いのです。左だったら、左でその立場を堅持して、掲載すれば、メディアとして成り立ちます。しかし、朝日新聞は、そうではないのです。

報道機関は、その理念が、反社会的でない限りその理念にのっとり立場を明確にして、その立場を崩さないで報道することにより、まともな報道ができますが、そうでなければ、まともな報道はできません。朝日は、これができていないということです。

木村伊量社長は、報道機関として朝日新聞がこういうあたり前のことが確実にできるようにする責務があったはずです。これを実行できるようにするか、少なくともその目処が立つようにしてから辞任すべきだったと思います。

さて、朝日新聞というと、天声人語が有名ですが、あれはほんとうに、全くわけのわからない、非論理的で、どうしょうもない文章です。

何やら、あれを書き写すなどというとが文章の達人になると考えている人がいたりして、学校の作文の時間などに教材として用いるなどのとんでもないことが行なわれているようです。

しかし、こんなことをすれば、文章の達人になるどころか、意味不明のポエムしか書くことができなくなってしまいます。

実際、この意味不明ポエムの、メーカーがサイトで提供されています。以下にそのサイトのURLを掲載します。


■便利な!天声人語風メーカー ver.2.2

このサイトに、アクセスして、フォームに所定の言葉をインプットすると、天声人語のような文章が自動的に生成されます。

私も、試してみました。それによって、生成されたものか以下の文章です。
【天声人語】 (朝日新聞)日本人は朝日新聞は、虚偽報道をすると主張している。しかしちょっと待って欲しい。朝日新聞は、虚偽報道をすると主張するには早計に過ぎないか。
日本人の真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。
例えば朝日新聞からは我々の新聞は、ハイクオリティー・ペーバーであると主張するような声もある。
このような声に日本人は謙虚に耳を傾けるべきではないか▲
思い出してほしい、過去にも何度も日本人は朝日新聞の叫びを無視している。
日本人は朝日新聞の我々の新聞は、ハイクオリティー・ペーバーであるという主張を間違いであるかのような発言をして、批判を浴びた。
確かに朝日新聞には取材もせずに記事を書き、裏取りもせずに記事を掲載するという問題もある。だが、心配のしすぎではないか
日本人の主張は一見一理あるように聞こえる。
しかし、だからといって本当に日本人は朝日新聞は、虚偽報道をすると主張できるのであろうか?
それはいかがなものか。的はずれというほかない
事の本質はそうではではない。その前にすべきことがあるのではないか。
日本人は、未来を担う一員として責任があることを忘れてはならない。
日本人の主張には危険なにおいがする。各方面の声に耳を傾けてほしい。▲
日本人に疑問を抱くのは私達だけだろうか。
朝日新聞は、虚偽報道をすると主張したことに対しては朝日新聞の反発が予想される。我々の新聞は、ハイクオリティー・ペーバーであるという主張を支持する声も聞かれなくもない
日本人もそれは望んでいないはず。しかし日本人はすぐに自分で確かめずに鵜呑みにするである。
朝日新聞は、虚偽報道をすると主張する事はあまりに乱暴だ。日本人は再考すべきだろう。
繰り返すが日本人はすぐに自分で確かめずに鵜呑みにするである▲
日本人の朝日新聞は、虚偽報道をすると主張したことは波紋を広げそうだ。今こそ冷静な議論が求められる。
何やら、いかにも天声人語らしい、文章にはなっています。

後もう一つ「軍靴の音が聴こえてくる」などがどこかに、生成されるとベストだと思います(笑)。それにしても、このようなメーカーまで作られてしまうのですから、かなり多くの人が朝日新聞が、まともでないと感じているのだと思います。


上の写真は、電車の中の吊り広告に「天声人語書き写しノート」のポスターです。なんとなく「私は天声人語を書き写している、賢くて小洒落たステキ女子なのよ!」っぽい、かなりわざとらしいというか、素敵な女性が、天声人語ノートを使って天声人語を書き写している様子のポスターです。

横に書いてあるキャッチコピーが「あっ、書き写し」ってのも、もうなんというか、これで文章がうまくなるというか、思わせぶりなポスターです。

しかし、このような文章を書き写していると、確実にまともな文章が書けなくなると思います。天声人語だけ見ていても、朝日は低レベルだということが良く理解できます。


上の写真のようなポスターもあります。このポスターは、私の目には、朝日新聞の文章を入試問題に使うような大学は、進学すべきではないと訴えているようにしか見えません。

上のほうで、報道機関は、その理念が、反社会的でない限りその理念にのっとり立場を明確にして、その立場を崩さないで報道することにより、まともな報道ができますと掲載しましたが、朝日新聞は最近ではかなり反社会的になっています。

これは、多くの人々が認めるところだと思います。まずは、ここから立ち直らないと駄目です。

朝日新聞を急先鋒とする、日本のメディアは、日本国を破壊することを理念としているような、報道姿勢です。

これを反社会的といわずして、何を反社会的と言えば良いのでしょうか。朝日新聞は、この反社会的な、立場を改めない限り、現状の低レベルな新聞を立て直すこともできず、ただの烏合の衆に成り果てるばかりです。

この根本を変えない限り、朝日新聞等の反省は廃刊以外にありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(゚д゚)!

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2014年10月27日月曜日

焦点:首相周辺で消費増税延期が優勢、景気腰折れ懸念―【私の論評】恥ずかしくはないかい!日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者諸君!安倍総理に愛想づかしをされ、本音で話すのは外国のメディアのみになってしまったことを(゚д゚)!

焦点:首相周辺で消費増税延期が優勢、景気腰折れ懸念


ロイター本社

[東京 26日 ロイター] - 安倍晋三首相が年内に判断する消費税率10%への引き上げをめぐり、首相周辺で1年半程度の増税延期が望ましいとの意見が優勢になっていることが明らかになった。8%に引き上げ後の消費回復が思わしくなく、さらに増税すれば、実質所得の目減りが一段と大きくなり、消費を起点に景気が腰折れて税収が増えない事態を警戒している。10月に公表された米為替報告書でも同様の指摘を受けていることも視野に入っているもようだ。

「3%引き上げてわずか1年半後に、さらに増税する国が世界のどこにあるのだろうか」──。首相周辺では、消費税率の連続引き上げに対する警戒感が、このところ急速に台頭している。

今年4月の増税後、デフレ脱却を狙った日銀の量的、質的金融緩和(QQE)の効果もあり、物価の上昇幅が前年比で3%台となり、賃金の上昇が追いつかず、実質賃金の目減りが続いている。

もし、来年10月に再増税すれば、目減りの割来が今よりも大きくなり、所得増が消費を増やし、税収も押し上げるという景気の好循環が失われ、アベノミクスへの評価が一気に低下しかねないと懸念しているもようだ。

首相周辺の1人は「税収が上がり、経済の循環で回していかないといけない。私は引き上げに慎重だ」と述べている。 消費再増税をめぐっては政府・与党内でも意見が分かれており、麻生太郎副総理兼財務・金融担当相や谷垣禎一自民党幹事長、同党税調幹部らは、増税を延期すれば、海外投資家から財政再建が遠のくとみられ、長期金利が急上昇しかねない、と懸念する。

一方、首相周辺では、増税を延期しても、1年半程度であれば、財政への信認は維持され、日銀のQQE効果もあって長期金利が上昇する可能性は低いとみている意見が多い。また、今月15日に公表された米財務省の為替報告書が微妙な波紋を政府部内に投げかけている。「財政再建ペースは慎重に策定することが重要」と指摘し、金融政策は「行き過ぎた財政再建を穴埋めできず、構造改革の代替にもならない」との表現が盛り込まれた。

消費税について具体的な言及はなかったため、財務省関係者の間では「来年10月の消費増税ではなく、その先の再増税などについて慎重に、との意味だと思われる」(幹部)との解釈も聞かれる。   だが、ルー米財務長官は10日、国際通貨基金(IMF)の諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)開催を前に声明を発表。日本経済について「今年と来年は弱い状態が続く」と指摘し、「財政再建のペースを慎重に調整し、成長を促す構造改革を実行する必要がある」と主張した。

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】恥ずかしくはないかい!日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者諸君!安倍総理に愛想づかしをされ、本音で話すのは外国のメディアのみになってしまったことを(゚д゚)!

この記事に関しては、内容的には何ら新しいことも何もなく、増税判断に関するまともな識者であれば、誰もが思っている常識的なことです。

景気が悪いとき、ましてやデフレのときには、中央銀行は金融緩和をすべきであり、政府は積極財政をすべきであるのは常識中の常識であり、この常識を破って経済が上向いたなどのことは、古今東西に例がありません。

無論、金融緩和や、積極財政と一口に言っても様々な方法があり、それを巡って意見が対立するなどのことは、あり得ますが、まともな中央銀行や、政府なら、不況や、ましてデフレのときに、金融引き締めや、緊縮財政である増税をするようなことはありません。あったにしても、それを実行した国々では全部失敗しています。

実際そのような国々では、全部失敗しています。ここ数年では、不況であるにもかかわらず、財政再建を目指して消費税増税して、イギリス、スペイン、ボルトガル、イタリアなどのEU諸国が大失敗しました。

結局、消費税税収があがっても、消費が落ち込み、所得税、法人税などが、かなり減り、これらを合わせると税収は増税前よりもかえって減りました。

この例は、数年以内のことですが、経済学という学問が成立して以来、不況のときに増税したり、政府の支出を抑え、緊縮財政をしたり、中央銀行が、金融引締めをして成功したためしなどありません。その逆は、成功しています。

これは、日本でもそうであり、江戸時代の幕府による、経済対策は、ほとんどの場合何かというの節約ということで、結局ほとんど成功したためしはありませんでした。その中でも、成功した対策もあり、それは無論のこと、今でいうところの、幕府による、金融緩和でした。

その他にも、日本では、80年前デフレがその原因であることが、1990年代の研究で明らかにされた、世界恐慌(日本では、昭和恐慌と呼称された)を当時の大蔵大臣でもあった、高橋是清が、金融緩和、積極財政で世界で一番先に、デフレから脱却することに成功しました。

これについては、昨日のブログでも掲載したばかりです。これに関しては、昨日も掲載しましが、このブログでも、紹介したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!

この記事では、この事例のほか、先にあげた幕府の金融緩和政策の成功事例である、「宝永の改鋳」も掲載しました。この部分のみ以下に掲載させていだきます。
江戸時代中期に徳川吉宗が行った緊縮財政(享保の改革)により日本経済はデフレーションに陥いりました。そこで町奉行の大岡忠相、荻生徂徠の提案を受け入れ政策転換し、元文元年(1736年)5月に元文の改鋳を行いました。改鋳は差益を得る目的ではなく、純粋に通貨供給量を増やすことが目的でした。現在でいえば、日銀による増刷に相当するものです。
徳川吉宗は緊縮財政により、日本をデフレに陥れた
元文の改鋳は現在では、幕府初のリフレーション政策と位置づけられ、日本経済に好影響をもたらした数少ない改鋳であると積極的に評価されています。元文の通貨は以後80年間安定し続けました。江戸の経済対策というと、なにかといえば儒教思想にもとづく倹約道徳にもとづく、吉宗が行ったような緊縮財政であり、いわゆるこの事例のような、金融緩和策は数少ない成功事例の一つです。
このような、成功事例は、日本にかぎらず、世界にごまんと存在します。しかし、その逆は全くありません。財務省は、昨年の増税が決まる前に、世界中で増税で成功した事例がないかと随分探したようですが、そのような事例は皆無でした。

このような明らな事実が古今東西に存在にするにも関わらず、日本の政治家、官僚、マスコミ、識者(というより似非識者?)の大部分そうして、挙句の果てに、財界のトップクラスや、労働者の雇用を守る立場である、日本の左翼なども全く以上のようなことを知らないか、知ろうとしないか、あるいは知っていても、全く無視している状況にあります。

そうして、消費税増税をすることが、正しい道ということを心の底から信じ込んでいる、大馬鹿者も多数存在します。自民党の谷垣氏あたりは、その典型です。

だから、昨年あたりも、安倍総理や一部の安倍総理の側近などは、増税に消極的だったのですが、何しろ周りのほとんどが増税推進派であったため、政権維持のためなどに、やむなく増税を決めました。

その結果4月からは、かなり消費が落ち込み、せっかくの金融緩和の腰がおられて、雇用や消費などの指標の数値が、金融緩和をする以前の状況に戻ってしまいました。

しかし、これでも、増税派は性懲りもなく、つい最近まで、天気のせいなどにしていました。しかし、天気の影響など微々たるものであることは最初からわかっていることですし、最近は天気が悪くなくても、消費は落ち込み、景気は低迷するばかりです。

それでも、政治家、官僚、学者、識者、マスコミなどの大多数は、未だ増税に突っ走ろうとしています。まるで、気が狂ったか、認知症患者のようであり、安倍総理からしてみれば、話が全く通じません。

彼らに話しても、真意は理解しません。あるいは、理解しても是が非でも、増税に突っ走ろうとするばかりです。

今年も、再増税一色で、突き進むのかと思っていたところ、最近いろいろと風向きが変わってきました。

まずは、アメリカの財務長官が、増税に懸念を表明したということがあります。これに関しては、このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明―【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただものとして、ルー財務長官は、増税に対してはっきりと懸念を表明しています。

これは、国内では全く理解を得られない、安倍総理からすれば、渡りに船です。ただし、無論のことルー財務長官は、日本の増税懸念に関して、アメリカの国益を守るという立場から、懸念を表明しているということを忘れるべきではありません。

アメリカとしては、今後かなり軍事費を削減しなければならないことが、はっきりしているわけで、同盟国である日本が、経済的に落ち込み、失われた20年を繰り返し、今後経済的に振るわない状況が続けば、安全保証上に、大きな問題が生じることを懸念しているということが考えれます。

アメリカは利上げなども視野に入ってきている現在、今後金融緩和政策をいつまでも継続することはできず、景気が停滞する可能性が大きいわけで、そうなると、世界の金融市場にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。

現状では、中国の停滞は明らかであり、EUも良い状態ではなく、そうなると、世界的に景気が良くない状況が蔓延するわけで、その中で、最近まで順調に回復していた日本までが、落ち込めは、世界経済そのものが全体的に落ち込む懸念もあります。

それに、日本の経済が停滞すれば、TPP交渉にもかなり影響がでてきます。仮にアメリカに有利な状況で、交渉が妥結したにしても、日本経済が再び、デフレスパイラルのどん底に陥れば、日本への輸出も伸びないことが懸念されます。それでは、せっかくのTPPも意義を失います。

こんな、懸念を払拭するためにも、ルー長官は、日本に再増税を懸念しているのです。日本の再増税は、アメリカの国益にはあわないことであると考えているです。

そうなると、アメリカのマスコミは、日本の朝日新聞などをはじめとする、マスコミとは正反対であり、少なくとも自社がアメリカの国益のになるとみなすことに立脚して、報道をしますから、再増税に対して懸念をするという立場からの報道になります。

だから、安倍総理は、最近は、フィナンシャル・タイムズやねロイターなどの外国のメディアに対して、インタビュー記事を掲載するように方向転換しています。

これについては、以前の述べたことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
安倍首相が消費増税の延期示唆、経済への影響踏まえ判断=FT―【私の論評】安倍総理は、外国の新聞社には増税見送りの示唆をするが、殺人マシーンと化した財務省に諜略された日経・朝日新聞をはじめとする大手新聞にはそのようなことはしない。しかし、本当にそんな事で良いのだろうか(゚д゚)!
フィナンシャル・タイムズの電子版は19日、安倍総理が
イタリアを訪問中に行ったインタビュー記事を掲載した。

この記事の元記事は、イギリスのフィナンシャル・タイムズが安倍総理に対して、インタビューした内容をロイターが掲載したものです。

詳細に関しては、この記事をご覧いただくものとしして、イギリスに関しては、付加価値税(日本の消費税にあたる)増税にものの見事に失敗したという苦い経験があるため、イギリスの経済紙である、ファイナンシャル・タイムズは、安倍総理の考えを良く理解できると考えらます。

そうして、安倍総理は、先に述べたように、気が触れているか、認知症てあるかのような、日本のメディアに対して、安倍総理の考えを述べたにしても、結局増税推進の立場から記事を掲載することになるだけであると考えているのだと思います。

奴らは、そううち全国民から愛想を尽かされるかもしれない・・・・

フィナンシャル・タイムズに独占インタビューさせたのはこうした安倍総理の明確な意図によるものです。これは、消費増税について日本のマスコミは使わないというメッセージでもあります。

そうして、これは、一体何を意味するのでしょう。

そうです。安倍総理は、再増税一色に固まっている、日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者たちには、何を話しても無駄であると判断したのです。平たくいえば、彼らに愛想をつかしたのです。

愛想をつかされた、彼らにこういいたいです。「一国の総理大臣から、完璧に愛想をつかされて、恥ずかしくないのかい!そのうち、全国民からも愛想をつかされることになるよ」と・・・・・・・・・。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【追記】

ブログ冒頭の、ロイターの記事に関する、経済評論家上念氏のツイート。

【関連記事】

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