2018年4月7日土曜日

妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家は市民活動家に戻れ ―【私の論評】本当に必要なのは財務省解体からはじまる政治システム改革だ(゚д゚)!

妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家は市民活動家に戻れ 

ケント・ギルバート ニッポンの新常識



チャート、写真はブログ管理人挿入 以下同じ


 米国の民主主義の特徴は、共和党と民主党という二大政党が政権交代を繰り返してきたことだ。

 1853年以降に就任した歴代大統領は、全員が二大政党いずれかの所属である。上下両院の連邦議員や州知事、州議会議員なども、大半が二大政党に所属している。

 大戦後の70年余だけで、両党間の政権交代は9回起きた。1981年から93年まで共和党政権が12年間続いたが、米国では2期8年という大統領の任期満了時に政権政党も入れ替わる場合が多い。両党とも、米国の国益のために政権を担う。

 日本では、55年11月に自由党と日本民主党が保守合同し、自由民主党(自民党)が発足して以来、90%以上の期間は自民党政権だった。

 自民党総裁以外の人物が首相を務めた期間は、保守合同から今日までの62年5カ月弱のうち、計約5年9カ月、9%強に過ぎない。戦後の日本は自民党内の派閥間で事実上の政権交代を繰り返してきた。無責任野党が日本の国益を主張する姿を見た記憶がないから、当然の結果ともいえる。

 私は東京に80年から住んでいる。古い記憶をたどると、昔は「日本の政治は優秀な官僚が動かすから、誰が首相でも同じ」といわれていた。

 最近は、財務省や防衛省で公文書の改竄(かいざん)や隠蔽が発覚したり、座右の銘は「面従腹背」と公言する人が教育行政の官僚トップだった事実などから、官僚の非常識さが世間にバレた。

 2012年12月、自民党の安倍晋三総裁が、民主党から3年3カ月ぶりに政権を取り戻した。この政権交代後、多くの日本国民は、日経平均株価の上昇や失業率低下といった日本経済の好転と、G7サミットなど外交における安倍首相のリーダーシップを目撃した。

 安全保障法制整備や、国際組織犯罪防止条約(TOC条約・パレルモ条約)加盟など、重要案件を次々に成立させ、70年間1ミリも進まなかった憲法改正もいよいよ現実味を帯びてきた。もはや、「誰が首相をやっても同じ」と考える日本人は絶滅したはずだ。

 優先順位第1位が「憲法改正阻止」である無責任野党と左派メディアは、安倍政権にダメージを与えて退陣に追い込むことを狙っている。国防や外交、経済など日本の国益は彼らの眼中になく、まるで外国勢力の手先として行動しているかのようだ。

 やる気も能力もないのに、民主党時代に閣僚などを経験した人々は、政権与党の重責は割に合わないと考えたのだろう。政権奪還の意欲は感じられず、妄想丸出しで安倍政権の足を引っ張る活動に専念している。

 有権者の力で彼らを「市民活動家」に戻すことは、日本の国益と彼らの幸福につながる。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

【私の論評】本当に必要なのは財務省解体からはじまる政治システム改革だ(゚д゚)!

米国の2大政党制について、その歴史を簡単にふりかえっておきます。建国期、連邦党と民主共和党が形成され、二大政党が並び立つ政党制度が始まった。しかし、連邦党はすぐに凋落し、二大政党制度を形成するに至りませんでした。1828年までは民主共和党の実質的な一党支配が続きます。

民主共和党の崩壊後、民主党とホイッグ党が実質的に最初の二大政党制度を成立させました。しかし、ホイッグ党は南北戦争以前に消滅しました。その代わりに共和党が出現し、今日のアメリカの民主党と共和党による二大政党制度に繋がっています。

これらの歴史をチャート化すると以下のようになります。


以下に米国の二大政党の特徴をあげておきます。

共和党

共和党は、主に、上中流階級、エリート、実業家、そしてプロテスタントのアングロ=サクソン系を支持基盤とします。

1854年に共和党が結成された時、共和党は奴隷制度の拡大に反対しました。1860年の大統領選挙でエイブラハム・リンカーンが当選するまで共和党の綱領は、ホームステッド法による西部入植の推進、国内開発事業、大陸横断鉄道の建設、保護関税、そして、奴隷制度の封じ込めなどを含むようになりました。1880年代、共和党は実業志向で社会的に保守的になり、そうした傾向は今日まで続いています。

19世紀後半の綱領の重要項目として、関税を通じてのアメリカの実業の保護、強力な通貨、低い税率、そして国際貿易の促進が掲げられました。19世紀後半から20世紀初頭の大統領職は主に共和党で占められました。

民主党がアメリカ政治を支配した1930年代から1940年代の後、1953年から1993年の40年間のうち28年間を共和党が支配しました。1968年にリチャード・ニクソンが大統領に当選し、共和党は連邦政府の権限を縮小して、州に権限を返すことを目的としたニュー・フェデラリズムを導入しました。

1980年、ロナルド・レーガンの当選で共和党は決定的な勝利を得ました。宗教的保守派、南部の白人、裕福な郊外居住者、そして、若年層の保守派は犯罪、ポルノ、薬物に対する厳罰化、妊娠中絶の反対、減税、防衛費の増大を支持しました。

概して共和党は実業の利益を支持し、防衛費を増大させ、宗教団体が主導する社会事業、社会保障の民間化、妊娠中絶の規制を支持します。1980年代から、妊娠中絶の反対と学校における祈祷の支持から宗教的保守派の支持を集めるようになりました。

民主党

民主党は主に、貧困者、低中流階級、人種的少数派、宗教的少数派、女性、そして労働組合を政治基盤とします。概して民主党の綱領は積極的な政府事業、公共部門、積極的差別是正措置、性と生殖に関する権利、同性愛者の権利、そして、銃規制を標榜します。

共和党の綱領では、強力な民間部門、実業と軍需の利益、銃を保持する権利、そして減税を標榜しています。概して共和党は積極的差別是正措置のような権利に基づく政策に消極的であり、福祉と政府主導の計画に歴史的に反対してきました。

1829年のアンドリュー・ジャクソン大統領の就任以来、ジェームズ・ブキャナン大統領が退任する1861年まで民主党は全国的の政治を支配しました。初期の時代、民主党は合衆国銀行に反対し、州権と奴隷制度を支持し、農民と地方の独立を尊重しました。

1860年に奴隷制度問題が民主党を分裂させた結果、何度か全国的な成功を収めることはありましたが、1932年にフランクリン・ルーズベルトが選出されるまで完全に力を取り戻すことはありませんでした。

19世紀後半のグローヴァー・クリーブランド大統領の下で民主党はより都市化し革新的になり、ウッドロウ・ウィルソン大統領、フランクリン・ルーズベルト大統領、ハリー・トルーマン大統領を通じて革新主義の立場をとりました。

民主党はフランクリン・ルーズベルト政権下でニュー・ディールを推進し、福祉国家への転換を目指しました。1960年代までに民主党は教育や都市再生といった社会的な分野で広範な政府の介入を支持しました。

さらに1980年代までに民主党は支持基盤を女性や黒人に拡大しました。さらに1990年代から2000年代にかけて、民主党はさらにヒスパニック系にも支持基盤を広げました。民主党はますますリベラルになり、強力な環境保護、積極的差別是正措置、同性愛者の権利、性と生殖に関する権利、銃規制、医療保険の拡充、そして労働者の権利を支持しています。

政治の継続性の原則

ただこのような民主党と共和党の違いは、より幅広い層の支持を集めるために不明瞭になっています。つまり、両党はともに中道寄りになる傾向を示しています。

実際、米国では二大政党間で政権交代があったにしても、6割〜7割は前政権と同じ政策をとります。政党の独自性を出すのは、残りの4割〜3割です。これは、政治の継続性の原則と呼ばれ、政権交代による政治的混乱を防ぐものとされています。

米国の政治というと、この二大政党制が注目されるのですが、政党の近代化が行われているということも注目すべきです。

政党の近代化

近代政党には、三つの要素があります。綱領、組織、議員です。そうして、米国の二大政党もこの要素に基づき、近代化されています。

まずは、明確な理念をまとめた綱領があります。綱領に基づいて全国組織が形成されています。全国の政党支部が議員を当選させます。その議員たちは政策の内容で競い合い、自由で民主的な議論で党首を決めます。

選ばれた党首は直属のシンクタンクとスタッフを有し、全国組織に指令を下します。この条件に当てはめると、自民党は近代政党ではありません。かつての政権与党であった民主党もそうでした。

無論、他の野党も、近代政党とは言い難い状況にあります。公明党と共産党は近代政党に近いといえますが、まともなシンクタンクを有してはいません。

自民党が有する最大のシンクタンクは官僚機構(実体は財務省主計局)ですが、米国の二大政党は官僚機構に対抗できるシンクタンクを自前で揃えています。 このシンクタンクは数も種類も多いです。そうして、このシンクタンクが様々な政策案を立案します。

このようなシンクタンクが充実しているので、官僚は政府の示す目標に従い、実行する手段を専門家的立場から、自由に選択して、政府の目標を達成するため迅速に行動することができます。執行に専念できるわけです。

米国では政党系シンクタンクが政策案を立案し政治家が決め、官僚がそれを実行する

日本のように官僚が政策や目標案を定めて、それを政治家が了承し、官僚が実行するというやりかたは良くないのはわかりきっています。会社で金を使う人が、金の管理をしていたらどういうことになるかは、はっきりしています。このようなことは元来すべきではないのです。

政治家は、このシンクタンクの政策案をもとに国会で発議し、法案を成立させます。さらに、自前でブレーンを用意して勉強した政治家だけが、党の出世階段を上ります。その時々で、政策案を選定するにしても、まともに選定するためには、選定能力が必要不可欠です。それには、論理的思考、水平的思考のほかに特に統合的思考が必要不可欠です。

企業の経営者や、政治家には特にこの統合的思考が重要です。これを欠いている人は、他の能力がいくら優れていたにしても、本来は経営者や政治家になるべきではありません。なれば、企業の従業員や国民が不幸になるだけではなく、自分自身が不幸になります。今の政治家をみていると、幸福で自信に満ちてい人は少ないように見受けられます。

政権交代があった場合には、負けた政党の政治家はシンクタンクに入り、次に与党となる時期を待ちます。その間は、シャドーキャビネットを築き、再び政権を担うを準備を行います。

このような準備をするわけですから、野党としても妄想などに基づいて、与党を批判することもあまりないわけです。

政治システムの改革が最大の課題

だからといって、米国政治が何から何まで良いとは申しませんし、米国では中には桁外れに悪い政治家も存在するわけですが、それにしても、第二次安倍政権の以前のように誰かが総理大臣になれば、すぐに総理大臣おろしがはじまり、短期政権に終わるとか、野党が万年野党で、政権を担う気概も何もないとかということは、さすがに米国においてはありません。

この違いは、個々の政治家の資質の問題ではありません。やはり本当に必要なのは、まずは政党の近代化などの政治システム改革ではないでしょうか。

確かに、妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家には、問題があることは確かです。しかし、政治家の資質の問題にだけにしていても、何の解決にもなりません。

経営学の大家である、ドラッカー氏は「頻繁に同じような問題が起こり続けるときは、それは最早個々の人間の資質の問題ではなく、システムの問題である」としています。

ドラッカー氏

日本の政治も同じであり、本当に必要なのは政治システム改革であり、それなしにいくら政治家個々人を叩いても何の解決にならないと思います。とはいっても、政党の近代化など実現するためには時間もかかります。まずは、できることから始めるべきと思います。

それにはたとえば、単純な省庁再編などではなく、まずは財務省を解体すべきです。官僚が日本国の政策の目標を定めるのではなく、それは政治家が行うことを目指す、そうしていずれ政策案はシンクタンクにまかせるようにするのです。今は、まずは財務省の息の根を止めるべきです。

そのためには、財務省を単純に分割するのではなく、財務省をいくつかに分割した上で、各省庁の下部に編入するというやり方を採用すべきです。そうでないと、この省庁は、分割して他省庁につけると、他省庁を植民するという性癖があります。これを防ぎ、過去の大蔵省の悪いDNAの部分(計画立案と執行の両方を行うこと等)を根こそぎに消滅させるのです。

そこから日本の政治システム改革の夜明けがはじまります。そうして、政治システム改革をしたほうが、本当は官僚も執行に専念できて、仕事がやりやすくなるはずです。政策案を立案したい官僚は本来、シンクタンクのスタッフになるべきなのです。政策を定めたい官僚は、本来政治家になるべきなのです。

政策案の立案と、執行を両方とも実行するのは困難です。近代的な企業ではあれば、計画と執行は完璧に分離されています。企業ですら、商法や会社法などで、これは禁じられているにもかかわらず、政治の世界ではなぜか現在に至るまで許容されてきました。本当は困難なことを日本の官僚は日々実行しているのです。

そこから、様々な欺瞞や矛盾が出てきているのが、現在の姿なのです。これでは、日本の政治が永遠に良くなるはずはありません。官僚にとっても、政治家にとっても不幸なことです。そうして、最も不幸なのは国民です。

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