2018年4月22日日曜日

自民総裁選にらみ…安倍内閣の支持率低下で蠢く党内力学―【私の論評】総理は解散総選挙をし勝利して、蠢く党内力学の息の根を止めよ(゚д゚)!

自民総裁選にらみ…安倍内閣の支持率低下で蠢く党内力学

森友・加計問題や財務事務次官のセクハラ疑惑などが続き、安倍晋三内閣の支持率は下落傾向だ。9月の自民党総裁選に向けて、各派閥の勢力図と総裁候補らキーマンの言動や思惑について分析してみよう。

石破茂元幹事長 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 「反安倍」の急先鋒(せんぽう)になっているのが石破茂元幹事長だ。13日付の同氏のブログでは「森友問題にせよ、加計問題にせよ、挙証責任は政府の側にあるのであって、そこから逃れるべきではないでしょう」とまるで野党のようだ。

 安倍首相側に立った見方なら「政府には説明責任がある」というだろう。「説明責任」と「挙証責任」には天と地ほどの差がある。例えば、安倍首相が関与していないかどうか聞かれた場合、「自分の知る範囲ではなかった」と説明すれば、説明責任を果たすことができる。

 しかし、ないことを証明するのは「悪魔の証明」といわれており、まず不可能である。挙証責任を政府が持つべきだというのは、安倍首相に退陣を迫るのに等しい。

 朝日新聞社の14、15日の世論調査で、「次の自民党総裁にふさわしい人は誰か」という質問について、石破氏は28%と、安倍首相の23%を上回っていることもあってか、ますます安倍政権批判は加速しているようだ。もっとも、自民支持層に限ると、党総裁にふさわしいのは、安倍首相は47%、石破氏は24%だった。

小泉進次郎筆頭副幹事長

 石破氏に同調しているのが、小泉進次郎筆頭副幹事長である。愛媛県職員が書いた面会メモについて、柳瀬唯夫経済産業審議官の説明を「理解できない」と語っている。父親の小泉純一郎元首相にいたっては、安倍首相の自民党総裁選3選について、「難しい。信頼がなくなってきたから、何を言っても言い逃れに取られてしまう」と述べている。

 岸田文雄政調会長は、一応中立的である。16日夜、安倍首相と岸田氏は会食したが、その場の雰囲気は、岸田氏への禅譲がにじむものだったようだ。このため、岸田氏は、総裁選出馬について「まだ決めていない」とし、政府・与党一体としてしっかりと信頼回復のために努力しなければいけない」と応じるなど、安倍首相に「協力」ではないが、「対立」でもない。

岸田文雄政調会長

 麻生太郎財務相と二階俊博幹事長は、今のところ安倍首相の三選を支える方針であるという。財務省は文書改竄(かいざん)問題や次官のセクハラ問題で大揺れだが、それでも麻生氏が一切、辞任について口にしないのは安倍政権を支える覚悟といわれている。

 二階氏は麻生氏と呉越同舟の感があるものの、できる限り安倍首相に恩を売り、党内基盤を確保したい思惑がうかがえるる。今後、政権支持率が急落すると、麻生氏と二階氏の思惑が外れて、安倍首相への支持も危うくなる可能性もなくはない。

 いずれも安倍政権の今後の支持率次第だ。財務省の文書改竄問題や防衛省の日報隠蔽は山を越えた。愛媛県の面会メモ問題は、来週の国会招致が鍵を握る。財務次官が更迭されるなど事態は深刻だが、日米首脳会談がどれだけ支持率回復に貢献するかが当面の課題だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】総理は解散総選挙をし勝利して、蠢く党内力学の息の根を止めよ(゚д゚)!


総裁選には石破派(水月会、20人)を率いる石破茂元幹事長や、無派閥の野田聖子総務相が出馬に意欲を示しているが、首相の3選は盤石だとみられていました。

首相の出身派閥で党内最大の細田派(清和政策研究会、95人)と、麻生太郎副総理兼財務相が率いる第2派閥の麻生派(志公会、59人)、二階俊博幹事長が率いる二階派(志帥会、44人)の3選支持はほぼ確実。

これに菅義偉官房長官に近い30人前後の無派閥議員を加えると、自民党所属の国会議員405人のうち6割を固めた構図となるからです。加えて中堅議員らによる派閥横断型の首相支持派も存在してます。

この岩盤を崩すのは容易ではなく、第3派閥の額賀派(平成研究会、55人)や、岸田文雄政調会長の擁立を目指す岸田派(宏池会、47人)も最終的に首相支持に回るとされていました。

そうなると焦点は党員票の行方となります。前回まで300票だった党員票は今回から議員票と同数となり、405票あります。首相側近は「議員票はほぼ大丈夫だが、党員票で石破氏が首相に迫れば求心力は激減する。いかに党員票をがっちり固めるかがカギだ」と語っていたほどでした。

ところが、財務省の文書改竄やセクハラ問題で風向きが一変しました。昨夏は森友問題に加え、加計学園の獣医学部新設問題で内閣支持率が急落し、政権は窮地に追い込まれました。このまま政権に対する逆風が続けば、あの悪夢が再び到来しかねないです。

最終責任者として当時、近畿財務局管財部長だった小堀敏久氏(57)(写真右)の印が押されあるが、
小堀氏はすでに財務省を辞任して所管外の独立行政法人に移籍している

そんな中、引退後も石原派(近未来政治研究会、12人)最高顧問を務める山崎氏が「反安倍」勢力結集に向け、早くも動き出しました。

山崎氏は、石原派と谷垣グループ(有隣会、約20人)の合流を画策する一方で、14日の石破派の憲法勉強会にも出席し、「首相の3選を追認すれば党の活性化が阻まれる」と政権を批判しました。翌15日には元参院議員会長の青木幹雄氏と東京・築地の料亭で極秘に会談し、「安倍政権は今後何があるか分からない」と秋波を送ったとされます。

青木氏は言質を与えなかったといいますが、なお額賀派や参院自民党に隠然たる影響力を持つだけに、もし反安倍に転じれば自民党の勢力図は大きく変わることになります。

青木氏はもともと、額賀派を割った石破氏に冷淡でしたが、長男の青木一彦参院議員の島根選挙区が、石破氏の地盤である鳥取選挙区と合区されたことを契機に関係を修復しました。

参院額賀派を牛耳る吉田博美参院幹事長は「心情的には首相支持」とされますが、もし師匠の青木氏が石破支持を打ち出せばどうなるかわかりません。参院額賀派幹部は「うちは一致結束箱弁当の経世会(平成研の旧称)の論理で動く」と断じています。

反安倍勢力が広がれば、岸田派名誉会長を務める古賀誠元幹事長も同調する公算が大きいです。古賀氏が岸田氏に出馬を促したり、石破氏との共闘を打ち出すことも十分あり得ます。

首相がこれほど引退した長老衆に憎まれるのには理由があります。

首相は2回生の頃から当時の党執行部に異を唱え、安全保障や拉致問題、歴史教育問題などに関する議員連盟を次々に作り派閥横断型で仲間の輪を広げてきました。古賀、山崎両氏らには「世代間抗争を仕掛ける獅子身中の虫」だったに違いないです。両氏は平成24年の総裁選でも「安倍復活阻止」に動きました。

もう1人、目を離せない大物引退議員がいる。小泉純一郎元首相です。首相の兄貴分といえる存在でしたが、首相が「脱原発」に同調しないことに業を煮やし、最近は露骨な政権批判を続けています。

小泉氏が総裁選で「反安倍」を打ち出せば、後継者で次男の小泉進次郎筆頭副幹事長はどう動くでしょうか。自民党若手は動揺し、政局は一気に流動化しかねないです。加えて、かねて首相と反目してきた福田康夫元首相まで同調すると、細田派は分裂含みの様相を帯び、首相の3選はさらに危うくなります。

首相はこのような不穏な空気をどう感じているのか。首相は周辺にこう漏らしたといわれています。
「こういう時は慌てて動いてはダメだ。人の本性を見極めるチャンスじゃないか。誰がどう動くか。じっくり見るんだ…」
実際今のところは首相の考えが正しいと思います。安倍首相は9月の自民党総裁選への立候補を明言していません。昨年12月の講演では「通常国会で頭がいっぱいで、その先のことは終わってから考える」と質問をかわしました。しかし、同党は総裁任期を「連続3期9年」に延ばし、首相の続投を前提に動いています。

このブログでも以前述べたよように、今のところはどう考えてみても、ポスト安倍は安倍以外にないです。なぜなら、現在の世界情勢を考えた場合、ここしばらくは安倍政権を継続したほうが良いからです。

安倍総理とトランプ大統領

特に、対米関係においては、安倍総理はトランプ大統領と親しい関係になり、特に北朝鮮を含む対アジア情勢に関しては、トランプ大統領に助言を与え導くという役割を担うようになりました。このような地位を勝ち得たのは、無論それ以前に長い期間にわたり、安倍総理が全方位外交に努力してきたからです。このような役割を担えるのは今のところ安倍総理しか存在しません。

このような存在は、他国の首脳にもいないし、無論日本国内にも存在しません。ここで、総理大臣が他の人間に変われば、一からはじめということになり、現在の状況で世界情勢についていくどこか、置去になりかねません。

さらに、経済を考えると、安倍政権は過去20年のどの政権と比較しても、最も良いパフォーマンスを発揮しています。そうして、このブログに掲載してきたように、残念ながらポスト安倍の総理候補者は誰一人としてまともにマクロ経済、特に金融政策については理解しておらず、誰が総理大臣になったにしても、日本経済はまた落ち込むことになるのは必定です。

経済が落ち込めば、またかつてのように誰が政権の座についても、短期政権になります。その後も経済を立て直すこどができなけれは、どの政権も短命で終わります。それこそ、麻生政権までの自民党のように短期政権が連続して続き、党勢が衰え、挙句の果てに政権交代で下野ということにもなりかねません。

残念ながら、現在の自民党の議員もほとんどがマクロ経済音痴なので、財務省の虚偽「1000兆円超の国債発行残高がある日本の財政再建のためには消費増税が絶対に必要」という考えを単純に信じ込んでいます。これを理解して、安倍政権を支持するということもなく、派閥の力学でたまたま安倍政権を支持というような状況です。

しかし、現実には、過去にのこのブログで何度が主張してきたように、政府の子会社ともいえる日銀が国債の相当額を保有しているので、連結で見れば日本の財政再建はすでに昨年でほぼ終わっており、消費増税は不要です。

このような状況では、やはりポスト安倍は安倍以外にないとしかいいようがありません。ではどうすれば良いのかという話になりますが、それは以前このブログにも述べたように、解散総選挙をして国民の信を問い勝利して、蠢く党内力学の息の根を止めるしかないです。

選挙というと、支持率が低下しているから、負けるのではという方もいらっしゃるかもしれませんが、以前にもこのブログに掲載したように昔からの経験則で今すぐ選挙をしたとしても、少なくとも過半数割れすることはありません。7月くらいになれば、過去にみられたようにまた支持率があがるということも十分考えられます。

野党に関しては、前回の選挙でかなりの負け方をしています。野党の実体は、選挙でボロ負けしさらに最大野党の民進党の大分裂ということもあり、党勢を元に戻すだけで数年はかかるという状況です。自民党の支持が下がっても、野党の史実率はあがっていません。

そうなると、総裁選の前に安倍総理が解散総選挙をするという選択肢は十分にあり得ます。そうして、自民党は公約として「消費増税の凍結」もしくは「消費減税」を掲げるべきです。これを実施することは、政権公約の変更であり、衆院解散の大義となります。同時に、財務省解体を含む官僚機構の抜本的改革も、選挙公約にすべきです。

さらに、勝利の暁にはメディア業界の大改革も期待したいです。自由競争の中で切磋琢磨する米国と比べて、日本の放送業界は放送法の下、護送船団方式によって守られ続けています。極めて低額な電波使用料という既得権を保持し、政府に経営を保護されながら、公共放送であるNHKまでもが偏向報道で倒閣運動に励んでいます。

電波オークションの導入や、電波使用料の引き上げとともに、テレビ受像機で簡単にネット番組が見られるように、規制改革を行うべきです。具体的にいうと、既存のテレビにネットが加わり、既存のリモコンにネット切り替えが付加され、誰もが簡単にネットをみられるようにすべきです。

そして、第9条を中心とした憲法改正は、最低限実現し、世界に貢献する大国日本の役割を果たせるようにすべきです。


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