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2018年4月22日日曜日

自民総裁選にらみ…安倍内閣の支持率低下で蠢く党内力学―【私の論評】総理は解散総選挙をし勝利して、蠢く党内力学の息の根を止めよ(゚д゚)!

自民総裁選にらみ…安倍内閣の支持率低下で蠢く党内力学

森友・加計問題や財務事務次官のセクハラ疑惑などが続き、安倍晋三内閣の支持率は下落傾向だ。9月の自民党総裁選に向けて、各派閥の勢力図と総裁候補らキーマンの言動や思惑について分析してみよう。

石破茂元幹事長 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 「反安倍」の急先鋒(せんぽう)になっているのが石破茂元幹事長だ。13日付の同氏のブログでは「森友問題にせよ、加計問題にせよ、挙証責任は政府の側にあるのであって、そこから逃れるべきではないでしょう」とまるで野党のようだ。

 安倍首相側に立った見方なら「政府には説明責任がある」というだろう。「説明責任」と「挙証責任」には天と地ほどの差がある。例えば、安倍首相が関与していないかどうか聞かれた場合、「自分の知る範囲ではなかった」と説明すれば、説明責任を果たすことができる。

 しかし、ないことを証明するのは「悪魔の証明」といわれており、まず不可能である。挙証責任を政府が持つべきだというのは、安倍首相に退陣を迫るのに等しい。

 朝日新聞社の14、15日の世論調査で、「次の自民党総裁にふさわしい人は誰か」という質問について、石破氏は28%と、安倍首相の23%を上回っていることもあってか、ますます安倍政権批判は加速しているようだ。もっとも、自民支持層に限ると、党総裁にふさわしいのは、安倍首相は47%、石破氏は24%だった。

小泉進次郎筆頭副幹事長

 石破氏に同調しているのが、小泉進次郎筆頭副幹事長である。愛媛県職員が書いた面会メモについて、柳瀬唯夫経済産業審議官の説明を「理解できない」と語っている。父親の小泉純一郎元首相にいたっては、安倍首相の自民党総裁選3選について、「難しい。信頼がなくなってきたから、何を言っても言い逃れに取られてしまう」と述べている。

 岸田文雄政調会長は、一応中立的である。16日夜、安倍首相と岸田氏は会食したが、その場の雰囲気は、岸田氏への禅譲がにじむものだったようだ。このため、岸田氏は、総裁選出馬について「まだ決めていない」とし、政府・与党一体としてしっかりと信頼回復のために努力しなければいけない」と応じるなど、安倍首相に「協力」ではないが、「対立」でもない。

岸田文雄政調会長

 麻生太郎財務相と二階俊博幹事長は、今のところ安倍首相の三選を支える方針であるという。財務省は文書改竄(かいざん)問題や次官のセクハラ問題で大揺れだが、それでも麻生氏が一切、辞任について口にしないのは安倍政権を支える覚悟といわれている。

 二階氏は麻生氏と呉越同舟の感があるものの、できる限り安倍首相に恩を売り、党内基盤を確保したい思惑がうかがえるる。今後、政権支持率が急落すると、麻生氏と二階氏の思惑が外れて、安倍首相への支持も危うくなる可能性もなくはない。

 いずれも安倍政権の今後の支持率次第だ。財務省の文書改竄問題や防衛省の日報隠蔽は山を越えた。愛媛県の面会メモ問題は、来週の国会招致が鍵を握る。財務次官が更迭されるなど事態は深刻だが、日米首脳会談がどれだけ支持率回復に貢献するかが当面の課題だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】総理は解散総選挙をし勝利して、蠢く党内力学の息の根を止めよ(゚д゚)!


総裁選には石破派(水月会、20人)を率いる石破茂元幹事長や、無派閥の野田聖子総務相が出馬に意欲を示しているが、首相の3選は盤石だとみられていました。

首相の出身派閥で党内最大の細田派(清和政策研究会、95人)と、麻生太郎副総理兼財務相が率いる第2派閥の麻生派(志公会、59人)、二階俊博幹事長が率いる二階派(志帥会、44人)の3選支持はほぼ確実。

これに菅義偉官房長官に近い30人前後の無派閥議員を加えると、自民党所属の国会議員405人のうち6割を固めた構図となるからです。加えて中堅議員らによる派閥横断型の首相支持派も存在してます。

この岩盤を崩すのは容易ではなく、第3派閥の額賀派(平成研究会、55人)や、岸田文雄政調会長の擁立を目指す岸田派(宏池会、47人)も最終的に首相支持に回るとされていました。

そうなると焦点は党員票の行方となります。前回まで300票だった党員票は今回から議員票と同数となり、405票あります。首相側近は「議員票はほぼ大丈夫だが、党員票で石破氏が首相に迫れば求心力は激減する。いかに党員票をがっちり固めるかがカギだ」と語っていたほどでした。

ところが、財務省の文書改竄やセクハラ問題で風向きが一変しました。昨夏は森友問題に加え、加計学園の獣医学部新設問題で内閣支持率が急落し、政権は窮地に追い込まれました。このまま政権に対する逆風が続けば、あの悪夢が再び到来しかねないです。

最終責任者として当時、近畿財務局管財部長だった小堀敏久氏(57)(写真右)の印が押されあるが、
小堀氏はすでに財務省を辞任して所管外の独立行政法人に移籍している

そんな中、引退後も石原派(近未来政治研究会、12人)最高顧問を務める山崎氏が「反安倍」勢力結集に向け、早くも動き出しました。

山崎氏は、石原派と谷垣グループ(有隣会、約20人)の合流を画策する一方で、14日の石破派の憲法勉強会にも出席し、「首相の3選を追認すれば党の活性化が阻まれる」と政権を批判しました。翌15日には元参院議員会長の青木幹雄氏と東京・築地の料亭で極秘に会談し、「安倍政権は今後何があるか分からない」と秋波を送ったとされます。

青木氏は言質を与えなかったといいますが、なお額賀派や参院自民党に隠然たる影響力を持つだけに、もし反安倍に転じれば自民党の勢力図は大きく変わることになります。

青木氏はもともと、額賀派を割った石破氏に冷淡でしたが、長男の青木一彦参院議員の島根選挙区が、石破氏の地盤である鳥取選挙区と合区されたことを契機に関係を修復しました。

参院額賀派を牛耳る吉田博美参院幹事長は「心情的には首相支持」とされますが、もし師匠の青木氏が石破支持を打ち出せばどうなるかわかりません。参院額賀派幹部は「うちは一致結束箱弁当の経世会(平成研の旧称)の論理で動く」と断じています。

反安倍勢力が広がれば、岸田派名誉会長を務める古賀誠元幹事長も同調する公算が大きいです。古賀氏が岸田氏に出馬を促したり、石破氏との共闘を打ち出すことも十分あり得ます。

首相がこれほど引退した長老衆に憎まれるのには理由があります。

首相は2回生の頃から当時の党執行部に異を唱え、安全保障や拉致問題、歴史教育問題などに関する議員連盟を次々に作り派閥横断型で仲間の輪を広げてきました。古賀、山崎両氏らには「世代間抗争を仕掛ける獅子身中の虫」だったに違いないです。両氏は平成24年の総裁選でも「安倍復活阻止」に動きました。

もう1人、目を離せない大物引退議員がいる。小泉純一郎元首相です。首相の兄貴分といえる存在でしたが、首相が「脱原発」に同調しないことに業を煮やし、最近は露骨な政権批判を続けています。

小泉氏が総裁選で「反安倍」を打ち出せば、後継者で次男の小泉進次郎筆頭副幹事長はどう動くでしょうか。自民党若手は動揺し、政局は一気に流動化しかねないです。加えて、かねて首相と反目してきた福田康夫元首相まで同調すると、細田派は分裂含みの様相を帯び、首相の3選はさらに危うくなります。

首相はこのような不穏な空気をどう感じているのか。首相は周辺にこう漏らしたといわれています。
「こういう時は慌てて動いてはダメだ。人の本性を見極めるチャンスじゃないか。誰がどう動くか。じっくり見るんだ…」
実際今のところは首相の考えが正しいと思います。安倍首相は9月の自民党総裁選への立候補を明言していません。昨年12月の講演では「通常国会で頭がいっぱいで、その先のことは終わってから考える」と質問をかわしました。しかし、同党は総裁任期を「連続3期9年」に延ばし、首相の続投を前提に動いています。

このブログでも以前述べたよように、今のところはどう考えてみても、ポスト安倍は安倍以外にないです。なぜなら、現在の世界情勢を考えた場合、ここしばらくは安倍政権を継続したほうが良いからです。

安倍総理とトランプ大統領

特に、対米関係においては、安倍総理はトランプ大統領と親しい関係になり、特に北朝鮮を含む対アジア情勢に関しては、トランプ大統領に助言を与え導くという役割を担うようになりました。このような地位を勝ち得たのは、無論それ以前に長い期間にわたり、安倍総理が全方位外交に努力してきたからです。このような役割を担えるのは今のところ安倍総理しか存在しません。

このような存在は、他国の首脳にもいないし、無論日本国内にも存在しません。ここで、総理大臣が他の人間に変われば、一からはじめということになり、現在の状況で世界情勢についていくどこか、置去になりかねません。

さらに、経済を考えると、安倍政権は過去20年のどの政権と比較しても、最も良いパフォーマンスを発揮しています。そうして、このブログに掲載してきたように、残念ながらポスト安倍の総理候補者は誰一人としてまともにマクロ経済、特に金融政策については理解しておらず、誰が総理大臣になったにしても、日本経済はまた落ち込むことになるのは必定です。

経済が落ち込めば、またかつてのように誰が政権の座についても、短期政権になります。その後も経済を立て直すこどができなけれは、どの政権も短命で終わります。それこそ、麻生政権までの自民党のように短期政権が連続して続き、党勢が衰え、挙句の果てに政権交代で下野ということにもなりかねません。

残念ながら、現在の自民党の議員もほとんどがマクロ経済音痴なので、財務省の虚偽「1000兆円超の国債発行残高がある日本の財政再建のためには消費増税が絶対に必要」という考えを単純に信じ込んでいます。これを理解して、安倍政権を支持するということもなく、派閥の力学でたまたま安倍政権を支持というような状況です。

しかし、現実には、過去にのこのブログで何度が主張してきたように、政府の子会社ともいえる日銀が国債の相当額を保有しているので、連結で見れば日本の財政再建はすでに昨年でほぼ終わっており、消費増税は不要です。

このような状況では、やはりポスト安倍は安倍以外にないとしかいいようがありません。ではどうすれば良いのかという話になりますが、それは以前このブログにも述べたように、解散総選挙をして国民の信を問い勝利して、蠢く党内力学の息の根を止めるしかないです。

選挙というと、支持率が低下しているから、負けるのではという方もいらっしゃるかもしれませんが、以前にもこのブログに掲載したように昔からの経験則で今すぐ選挙をしたとしても、少なくとも過半数割れすることはありません。7月くらいになれば、過去にみられたようにまた支持率があがるということも十分考えられます。

野党に関しては、前回の選挙でかなりの負け方をしています。野党の実体は、選挙でボロ負けしさらに最大野党の民進党の大分裂ということもあり、党勢を元に戻すだけで数年はかかるという状況です。自民党の支持が下がっても、野党の史実率はあがっていません。

そうなると、総裁選の前に安倍総理が解散総選挙をするという選択肢は十分にあり得ます。そうして、自民党は公約として「消費増税の凍結」もしくは「消費減税」を掲げるべきです。これを実施することは、政権公約の変更であり、衆院解散の大義となります。同時に、財務省解体を含む官僚機構の抜本的改革も、選挙公約にすべきです。

さらに、勝利の暁にはメディア業界の大改革も期待したいです。自由競争の中で切磋琢磨する米国と比べて、日本の放送業界は放送法の下、護送船団方式によって守られ続けています。極めて低額な電波使用料という既得権を保持し、政府に経営を保護されながら、公共放送であるNHKまでもが偏向報道で倒閣運動に励んでいます。

電波オークションの導入や、電波使用料の引き上げとともに、テレビ受像機で簡単にネット番組が見られるように、規制改革を行うべきです。具体的にいうと、既存のテレビにネットが加わり、既存のリモコンにネット切り替えが付加され、誰もが簡単にネットをみられるようにすべきです。

そして、第9条を中心とした憲法改正は、最低限実現し、世界に貢献する大国日本の役割を果たせるようにすべきです。


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2017年8月10日木曜日

安倍内閣内閣が問われる「20兆円財政出動」で物価目標2%達成―【私の論評】今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか?

安倍内閣内閣が問われる「20兆円財政出動」で物価目標2%達成
高橋洋一:嘉悦大学教授

 秋の臨時国会では補正予算が提出される。政府が掲げる「2%物価目標」を実現するには、その規模はどの程度が適切なのだろうか。

 そのカギを握るのが、「GDPギャップ」である。それを埋めるには25兆円程度の有効需要を上乗せすればよく、いまの国債市場の玉不足を考えれば、国債増発による財政出動は正当化される。

 インフレ目標の達成に経済政策の余地はある

「GDPギャップ」は、実際のGDP(国民総生産)と潜在GDPの差の、潜在GDPに対する比率と定義されている。

 問題なのは、潜在GDPである。一般的には、経済の過去のトレンドから見て平均的な水準で、資本や労働力などの生産要素を投入した時に実現可能なGDPとされているが、GDPギャップの大きさについては、前提となるデータや推計方法によって結果が大きく異なるため、相当の幅をもって見る必要がある。

 このことはGDPを推計している内閣府や日銀でも注意事項として認識はされている。

 内閣府は最近、GDPギャップの推計方法を若干、改訂した。その値は2017年1-3月期では+0.1%としている。もっとも、この結果をもって、GDPギャップがないから既に完全雇用だ、経済対策は必要ないと早合点はできない。内閣府の潜在GDPは必ずしも完全雇用を意味していないのだ。

 その理由を簡単に言えば、まだインフレ率は上がっていない以上、まだ失業率は下がる余地があり、インフレ目標達成とさらなる失業率の低下のために、経済対策の余地はあるということだ。

 日銀の算出しているGDPギャップについても、内閣府と似た傾向になっており、注意が必要だ。いずれにしても、内閣府と日銀によるGDPギャップの絶対的な水準をそのまま鵜呑みにしないほうがいい。

 ただしGDPギャップについては、その絶対的な水準ではなく、その変化はおおいに参考になる。内閣府のデータは公表されているので、それを活用してみよう。

 2%の物価上昇には25兆円の有効需要が必要

 まず、失業率とインフレ率の関係(フィリップス曲線)を整理しておこう。

 それを子細に見ていくと、ちょっと違った姿が見える。

 失業率とインフレ率は、逆相関になっているが、実は、両者の間を、GDPギャップが介在している。

 例えば、GDPギャップがマイナスで大きいと物価が下がり、失業率が大きくなる。逆にGDPギャップがプラスで大きいと物価が上がり、失業率が小さくなる。

 下の図1は、2000年以降四半期ベースで見たGDPギャップとインフレ率の関係である。左軸にGDPギャップ率、右軸にインフレ率(消費者物価総合対前年比)をとっている。GDPギャップは半年後(2四半期後)のインフレ率とかなりの相関関係がある。

◆図表1:GDPギャップ率とインフレ率(半年後)
 ここで、GDPギャップとインフレ率の関係から、「2%インフレ」にするために必要なGDPギャップ水準を算出してみると、+4.5%程度である。

 それを埋め合わせるためには、有効需要25兆円程度が必要になる。1単位の財政出動による需要創出効果を示す財政乗数が、内閣府のいう1.2程度としても、この有効需要を作るための財政出動は20兆円程度である。

 財政出動で構造失業率2%程度まで下げられる

 また、この財政出動はGDPギャップを縮小させるので、インフレ率の上昇とともに、これ以上、下げられない「構造失業率」までは失業率の低下をもたらすはずだ、

 下の図2は、2000年以降の、四半期ベースで見たGDPギャップと失業率の関係である。左軸にGDPギャップ率、右軸に失業率をとっている。図をわかりやすくするために、左軸は反転させて表示しているが、GDPギャップはやはり半年後(2四半期後)の失業率とも、かなりの逆相関関係がある。

◆図表2:GDPギャップ率と失業率(半年後)
 GDPギャップと失業率の関係式から見た、GDPギャップ+4.5%程度に対応する失業率は2.7%程度である。

 ここで、筆者が、2016年5月19日付けの本コラム(「日銀の「失業率の下限」に対する見方は正しいか」)で書いたことを参照してもらいたい。

 その構造失業率の推計値は、同じく2.7%である。もちろん、経済学は精密科学ではないので、2.7%ピッタリということではなく、2%半ばという程度である。

 ただし、2016年5月の本コラムでは、UV分析を用いている。、構造失業率の推計方法には、UV分析とフィリップス曲線による分析(特にNAIRU[インフレを加速させない失業率]の推計)がある。

 今回のコラムは、フィリップス曲線による分析と本質的に同じだが、いずれにしても、二つの異なる分析によっても、日本の構造失業率が2%半ばと同じになっているのは興味深いことだ。

 数学の証明問題では、二つ以上の方法により証明すると、その命題はより正しいとされるが、経済学でも別の二つの方法で同じ結果であれば、よりもっともらしいといえるだろう。

 以上の分析を総合すると、構造失業率は2%半ば程度であろうとともに、それに対応するインフレ率はインフレ目標の2%である。

 であれば、有効需要25兆円、財政出動に換算して20兆円規模を求めることは、インフレ目標2%を達成し、同時にこれ以上下げられない構造失業率2%半ばを達成することになる。つまり適度なインフレの下で、回避できない失業を除いて人々に完全雇用を実現する合理的な政策である。

 国債は玉不足増発も正当化される

 ただし、財政出動しても、その効果がただちに発揮されずに、実体経済への影響が出た後、インフレ率と失業率に波及するには時間差がある。

 もっとも、インフレ率も失業率もともに、GDPギャップから半年程度のラグなので、インフレ率がまだ2%に達しないようであれば、金融緩和しても実害はあまりない。

 急激にインフレ率が高くなることを心配する向きもあるが、物価が上がるとしても1年以内にインフレ率5%ということはほとんど考えられない。5%のみならず、一桁インフレであっても、その社会的コストは大きいとはいえないので、今のような状況ではインフレを過度におそれる心配はないだろう。

 いずれにしても、内閣府や日銀が示しているGDPギャップは、完全雇用とインフレ目標達成の観点から見ると、“過大評価”の数字である。筆者の分析では、たとえGDPギャップがプラスになっても、そう簡単にはインフレ率は上昇しないし、インフレを過度に心配すべきでないことをデータが示している。

 これに対して、そうした過大な財政出動は財源の裏付けが必要であり、国債発行では財政再建に反するという、いつもの財務省の声が聞こえて来そうだ。

 だが、その心配が無用であることは、2月23日付け本コラム(「日本の財政再建は「統合政府」で見ればもう達成されている」)などで何度も繰り返して述べている。

 むしろ問題は、現在の国債市場において、国債の玉不足になっており、日本銀行の「異次元緩和」にも支障が生じている事態であることも付け加えておこう。そうした観点から、国債発行による財政出動も正当化できる。

 こうしたまともな政策を安倍政権が実施できるかどうか、内閣改造の真価が問われている。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)

【私の論評】今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか? 

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は2つの計算方式で計算した結果日本の構造失業率の推計値は、同じく2.7%としています。

私は、過去の統計値からこのくらいではないかと思っています。それについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

日銀 大規模な金融緩和策 維持を決定―【私の論評】日銀は批判を恐れずなるべくはやく追加金融緩和を実行せよ(゚д゚)!


この記事は、2016年6月16日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとしして、以下にこの記事から、構造失業率に関する部分のみを引用します。

"

構造的失業率などについて以下に簡単に解説しておきます。

総務省では、失業を発生原因によって、「需要不足失業」、「構造的失業」、「摩擦的失業」の3つに分類しています。 
  • 需要不足失業―景気後退期に労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業 
  • 構造的失業―企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢)などが異なることにより生じる失業 
  • 摩擦的失業―企業と求職者の互いの情報が不完全であるため、両者が相手を探すのに時間がかかることによる失業(一時的に発生する失業)
日銀は、構造失業率が3%台前半で、直近の完全失業率(4月時点で3・2%)から下がらないので、これ以上金融緩和の必要がないという考えが主流のようです。

過去の失業率をみてみると、以下のような状況です。

過去20年近くは、デフレなどの影響があったので、あまり参考にならないと思ういます。それより前の過去の失業率をみると、最低では2%程度のときもありました。過去の日本では、3%を超えると失業率が高くなったとみられていました。

このことを考えると、日本の構造失業率は3%を切る2.7%程度ではないかと考えられます。

であるとすれば、現在の完全失業率3.2%ですから、まだ失業率は下げられると考えます。だとすれば、さらに金融緩和をすべきでした。

しかし、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、すでに実際の失業率が構造失業率に近い水準まで下がっているのに、なぜ賃金が上昇しないのか、疑問を持っていたようです。にもかかわらず、今回は追加金融緩和を見送ってしまいました。
"
この長期のグラフをみても、日本の構造的失業率はどうみても2%台であることは間違いないです。

ただこの数値自体には私自身は、それほどこだわっていません。これは、政策判断するときのひとつの目安にしかすぎないものです。ただいずれにせよ日銀の3%台との見方は高すぎです。

実際には構造的失業と思われていた部分でも循環的要因に反応するところがあります。そのため金融政策で考えたときは、やはり期待インフレ率と実際のインフレ率を目安にしなくてはいけないです。2.7%が真の構造的失業の水準か否かはそれで判断できます。

それにしても、物価目標も未だ達成できないのですから、これはどう考えてみても、未だ失業率は、構造的失業率には達していないとみるべきです。日銀は、すぐにでもさらなる量的緩和を実施すべきです。

次に、国債についてですが、日本銀行は今年の3月24日、約8年ぶりとなる国債売り現先オペを実施しました。大規模な国債買い入れを背景に深刻化している民間金融機関の国債保有不足を受けたもので、レポ市場で国債の貸し手が特に少なくなる年度末に対応した。短期国債買い入れオペも取りやめ、期末の短期金利は急上昇しましたた。

午前9時30分の金融調節で日銀は国債売り現先オペ1兆円を通知。国債を売却して一定期間後に買い戻す同オペには2兆601億円の応札があり、1兆2億円が落札された。按分レートはマイナス0.11%。応札する金融機関からの銘柄指定がない売り現先オペの実施は2008年11月28日以来となりました。今回の対象期間は年度末をまたぐ3月27日から4月3日までの1週間物でした。

日銀の大規模な国債買い入れによる金融緩和が続く中、今後は国債需要が強まる四半期末ごとにレポ市場での需給逼迫(ひっぱく)が強まる可能性があります。日銀は短国の買い入れを減らして流通量を増やしていますが、それでも国債が足りなかったのです。

このような状況では、本来は国がこの状況に対応するため、国債を刷り増すべきでした。政府(財務省)が本来すべき仕事をしなかったため、日銀はこのようなことをせざるを得なくなったのです。

まさに、高橋洋一氏が語っているように、「現在の国債市場において、国債の玉不足になっており、日本銀行の「異次元緩和」にも支障が生じている事態である」のです。

このようなときは、当然のことながら、国債を刷り増す必要があります。こんなことを言うと、自民党内部のたとえば小泉進次郎のような若手議員ですら、「国債は、将来世代へのつけ」などという、奇妙奇天烈、摩訶不思議な反論が出るかもしれません。

しかし現実に市場に流通している国債が少なくこのままでは金融緩和にも支障が出るほどなのですから、当然のことながら、国債発行による財政出動は正当化されるどころか、いままさに実行しなければならないはずのものなのです。

今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか? と言いたいです。

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2017年7月24日月曜日

稲田問題のリーク源から、安倍内閣「倒閣運動」の深刻度が見えてくる―【私の論評】森・加計・日報問題の背後に財務省(゚д゚)!

稲田問題のリーク源から、安倍内閣「倒閣運動」の深刻度が見えてくる

稲田防衛大臣
   面白い資料が出てきた

森友学園問題、加計学園問題については、本コラムでそれぞれの問題の本質を明らかにしてきた。

森友学園問題では、当初の段階で公開入札手続きをとらなかったという近畿財務局のチョンボ(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51362)であり、加計学園問題では、50年以上獣医学部の新設を拒否してきた文科省告示の存在とそれを巡る既得権派と規制緩和派の争いである(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52245)、というものだ。

その問題本質の理解を妨げたのが、役所における公文書管理である。筆者にとっては、各種資料から、森友学園問題、加計学園問題について結論を出しているが、一般からみてそれらが分かりにくいのは事実だ。

森友学園問題では、「森友学園側の不正補助金授受」という形で事件化されて、ことが終わろうとしている。もちろん、この問題についてももろもろ論点はあるのだが、なにしろ「財務省の文書は破棄した」という言い方に終始したのは、政府への信頼を大きく損ねただろう。

実際、筆者は森友学園問題の構図を探るためにいろいろと資料をさがしたのだが、結局、鴻池議員の事務所のメモ(これは、各種資料と照らし合わせても信憑性が高いものである)に頼らざるを得なかった。本来であれば、財務省に管理されているしかるべき公文書をみれば直ぐわかることなのに、それがないゆえに解明に難渋した。

一方、加計学園問題では、その点かなり楽だった、当事者である文科省と内閣府双方の合意済みの特区諮問会議、ワーキンググループの議事録が残されており、それらと前川氏の記者会見や文科省からリークされたメモが齟齬していたからだ。筆者が本コラムで書いてきた問題の本質は、10日の閉会中審査での加戸守行前愛媛県知事の国会証言、14日に行われた京都産業大の記者会見で、結局明らかになった。

その後、週刊誌が、昨年11月17日、山本幸三行革大臣は蔵内勇夫日本獣医師会会長らと面談した際、「新設校は加計学園で決定した」という、抵抗勢力であった獣医師会側からのリークメモを報じた(ただし、これについて、蔵内氏自身が、その面談の際には、京都産業大学の名前も出ていたと、山本大臣に軍配を上げ、週刊誌報道を否定した→https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170720-00000004-tncv-l40)。

いずれにしても、加計学園問題は、森友学園問題に比べて公開されている議事録や資料が多いので、その解明は難しくなかった。

筆者は、加計問題でのいわゆる「石破4条件」について、文科省の挙証責任を指摘してきた(5月29日付け本コラム http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51868)。しかし、「石破4条件の挙証責任は文科省にはない」という。実際、前川喜平・前文科事務次官ほか、文科省関係者はそう主張してきた。

規制官庁側に挙証責任があるというのは、本コラムで書いたように役所の常識であるし、閣議決定された特区基本方針にも書かれている、にもかかわらずだ。

それについて面白い資料が見つかった。2005年7月12日の規制改革会議の議事録だ(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/wg/2005/0712/summary050712_01.pdf)。そこには、課長時代の前川氏が登場している。ご一読いただければ分かるが、その当時から前川氏は「挙証責任」が理解できておらず、草刈隆郎規制改革会議議長から、規制改革会議への出入りを禁止されていたのだ。このような非常識な役人が次官になるというのが、文科省の最大の問題点だろう。

さて、前置きが長くなったが、今回は稲田防衛大臣の諸々の問題について解説を加えたい。

   支持率低下の理由は「女性」にアリ

まずは各種報道から時系列を整理しておこう。

昨年7月、国連平和維持活動(PKO)をしている南スーダンで政府軍と反政府軍の間で「戦闘」があった。

9月30日、フリージャーナリストが防衛省に、PKO派遣されている部隊の「日報」開示を請求

12月2日、「日報」の情報開示請求に対して、防衛省は「日報はすでに廃棄し存在しない」とし不開示を決定

12月16日、稲田防衛大臣が再調査を指示

12月26日、電子データが統合幕僚監部に存在

今年1月27日、稲田防衛大臣に対し電子データが統合幕僚監部存在していたことを報告

2月7日、日報公開

2月15日、《省内会議 陸上幕僚監部で電子データとして保管、保管データは公表しない方針》(?)

3月16日、衆院安全保障委員会において、陸上幕僚監部で日報が保管されていた疑惑に対して、稲田防衛大臣が「報告はされなかった」と答弁

3月17日、防衛省防衛監察本部による特別防衛監察が設置され、解明が進められることに

まず、国民との関係でみれば、日報自体は2月7日に公開されているので、大きな実害はない。どこの部署で保管されていたかどうかが議論になっており、これは部内では問題であるが、国民との関係では些細な問題である。しかも、その後、南スーダンからPKO部隊は撤収されているので、この点でも、安全保障政策上の問題はまずない。

もっとも、防衛省の部内問題であるとはいえ、稲田防衛大臣が国会で「虚偽答弁」をしていたのであれば、それは問題である。それが今クローズアップされているのは、森友学園問題で、弁護士時代の活動についての国会発言が訂正されたり、先の都議選での自衛隊に関する不適切な失言があったからだ。

特に、都議選での失言(「防衛省、自衛隊としても(自民党候補の応援を)お願いしたい」と発言したもの)は弁解の余地はないくらい酷いものだ。筆者はたまたま失言が行われた選挙区の住民であったが、この失言と隣接地区選出の豊田真由子議員の暴言によって、自民党への大きな批判が起こるのを身近に感じた。

なお、2カ月前までの安倍政権の高い支持率には、小泉純一郎政権以降と比べて、いくつかの特徴があった。

年代別でみると、他の政権では、一般的に高齢世代ほど支持率が高い傾向があったが、安倍政権は逆に若い世代ほど支持率が高かった。男女別でみると、他の政権では男女で支持率の差は少ないが、安倍政権は男性の支持率が高かった。第2次、第3次安倍政権は、10年前の第1次安倍政権と比べても、世代別政権支持率と男女別政権支持率は異なっている。

最近になって支持率が急落した要因は、女性の支持率がさらに下がったことが大きい。強引な国会運営に加えて、豊田真由子議員の暴言、稲田朋美防衛大臣の失言も背景にあると筆者はみている。

豊田氏の暴言は本当にひどいものだった。これで高齢世代の男性の支持も大きく失ったはずだ。筆者もあの発言がテレビで流れるたびに腹が立ったものだ。

また、稲田防衛大臣の失言もひどかった。ある女性芸能関係者は、ワイドショーのなかで「神妙になるべき会見で、稲田防衛大臣のつけまつげはその場にふさわしくない」と指摘していた。こうした点に女性は敏感である。

   一種の「クーデター」だったのか

話を稲田防衛大臣の国会における虚偽答弁に戻すと、国民への開示や安全保障政策上の問題というより、議員本人の信頼の問題だろう。ただし、これを文書管理の観点から白黒つけるのは難しい。公文書があったとしても、開示するのは難しいからだ。

もしかすると、稲田防衛大臣のいうとおり、大臣は日報問題について防衛省から報告を受けていなかった可能性もある。たしかに、2月7日には日報が公開されていることから、稲田防衛大臣には隠蔽するインセンティブはない。しかしながら、これほどまで防衛省からのリークがあること自体が、シビリアンコントロールの観点から考えても異常なことだと言わざるを得ない。

筆者の役人時代の感覚からいえば、「軍隊組織」に近いほど上から下までの統率が取れているものだ。その代表格は防衛省、警察である。その意味からいえば、森友学園では財務省から一切情報が出ないで、加計学園問題では文科省からのリークが出たのは、想定内の話だ(文科省の方が、より軍隊組織からは遠いという意味だ)。

もちろん、防衛省からも自己組織に有利なリークが行われることはあるが、今回のような防衛大臣を貶めるリークは聞いたことがない。これまで、防衛省は、どのような人が防衛大臣になったとしても、組織として必死に支えてきたはずだ。

一部には、特別防衛監察の結果があまりに酷く、稲田防衛大臣にまったく責任が及んでいない点から、防衛省内での一種の「クーデター」だったのではないかという意見もある。

また、一部のテレビ局が報じたが、日報問題の「監察結果の概要」が画像付きでスクープされたり、防衛大臣室でのやりとりで稲田防衛大臣が「けしからん」といった、という報道も気にかかる。

テレビのスクープ報道のキャプチャ
監察結果の画像付きスクープは、「監察結果の概要」が外部に漏れていることを示唆するし、「けしからん」が防衛大臣の口癖であることは、知っている人は知っている話だ。これは、ひょっとしたら、安倍政権の倒閣運動が、各省庁の段階ではなく、かなりの広範囲で行われている可能性も示唆しているのだ。

    もろもろぶっ飛ぶ

いずれにしても、稲田防衛大臣の下では、防衛省の組織統率が取れていないの事実であるので、仮に稲田防衛大臣が虚偽答弁をしていなくても、大臣失格であるのは間違いない。8月上旬の内閣改造を待たずに辞任する可能性もあるだろう。短期間であれば、首相が兼務するという方法もある。

さて、安倍政権の倒閣が行われた場合、経済政策にかなりの変化が起こることは、7月10日付け本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52245)で書いた。もちろん、教育の無償化を憲法改正で行うという議論もぶっ飛ぶだろう。

教育の無償化は、憲法改正なしでも立法政策として可能だという意見もあるが、その問題点は18日付け本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52319)で書いてある。

安倍首相は、教育を投資とみて教育国債を発行する考え方にも理解をしている。これは、23日に行われた日本青年会議所(JC)との会合でも明らかになっている(日経新聞「首相、教育国債「次代にツケ残さず」 無償化財源めぐり 可能性排除せず」 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK23H0B_T20C17A7000000/)。この点は、ポスト安倍といわれる政治家とは異なっていることに留意すべきである。倒閣というなら、もろもろのデメリットも考慮したうえでいうべきだろう。

こうした点も含めて、24日(月)と25日(火)の国会閉会中審査が安倍政権の支持率反転につながるのかどうか、注目したい。

【私の論評】森・加計・日報問題の背後に財務省(゚д゚)!

高橋洋一氏は、ブログ冒頭の記事で、「これは、ひょっとしたら、安倍政権の倒閣運動が、各省庁の段階ではなく、かなりの広範囲で行われている可能性も示唆しているのだ」と指摘しています。

これは、おおいにありそうなことです。何やら、今回の森友に始まり、加計で国会閉会中審査が開催され、さらに日報問題と立て続けに起こる、倒閣運動は従来にはみないスケールです。

これに対して、高橋洋一氏はこの倒閣運動が広範囲となっているその背景については掲載していません。しかし、ヒントは掲載しています。

最後のほうで、高橋洋一氏は、安倍政権の倒閣が行われた場合、経済政策にかなりの変化がおこることを指摘しています。さらには、教育無償化を憲法改正で行うという議論もぶっ飛ぶとしています。

さて、これらに関与する官庁はどこかといえば、それは無論財務省です。財務省はとにかく何が何でも、増税をしたいという立場です。

福田淳一 次期財務事務次官
ところが、今までのところ複数回にわたって、10%増税を安倍総理に阻止されてきました。そうして、このままだと永久に阻止されてしないかねないという危機感を持っていることでしょう。

そこで、財務省はこの危機を打開するために、当然のことながら安倍政権の倒閣運動に向かうという筋書きはかなり自然な成り行きです。

そうして、文科省や防衛省など単独では、とてもこのような動きはできません。しかし、財務省なら、政府の金を管理しているということで、他省庁にもにらみを利かすことができるし、他省庁が何かをしようとしても、結局予算がなければ、何もできないということで、予算を司る財務省にはなかなか頭が上がらないという現実もあります。

財務省と他の省庁との違い、特に文科省との違いについては、一昨日のこのブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
「石破4条件」の真相はこれだ!学部新設認めない「告示」の正当性示せなかった文科省―【私の論評】財務省のような粘りのない文科省の腰砕けを露呈したのが加計問題の本質(゚д゚)!
石破茂氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に文科省と財務省の違いを指摘する部分のみ引用します。
ところが、ここから文科省は猛烈なサボタージュを始めました。八田は内閣府を通じて文科省に検討状況を何度も尋ねたのですが、期限である「28年3月末」が過ぎても明確な回答はありませんでした。結局、WG会合が開催されたのは、期限の半年近く後の同年9月16日でした。 
ちなみに「需要見通し」は、「複数の微分方程式体系からなる数理モデル」です。獣医師は足りているということを文科省は微分方程式を書いて証明すれば良かったのです。しかし、これは、文系事務官僚の手に負える代物ではないです。 
しかし、何も自分たちでやらなくても、省外の誰か数学の得意な人に顧問にでもなってもらいその人にやってもらえば、それで良かったはずです。そうして、その結果を他の複数の人に検証してもらえばそれで良かったはずです。でも、彼らにはそれをしませんでした。 
本当は誰かに頼んで、やってもらったのかもしれません。しかし、いくら数理モデルにあてはめたにしても、本当に足りなければ足りないなりの結果しかでません。外部に頼んだにしても、外部の数理研究者なども嘘をつくわけにはいきません。 
そこで、文科省は諦めてしまったのでしょう。文科省はこの点においては、財務省には負けてしまうようです。財務省の場合は、このような場合でも無理をしてでも、何とか自分たちの都合の良い資料を作り上げます。 
たとえば、デフレなど景気の悪い時には、マクロ経済学的には、減税、給付金、公共工事などの積極財政をせよと教えていますが、財務省はこの教えに背いて、デフレ気味味の現状でも増税をするための根拠を何とかでっちあげています。 
そうして、増税の根拠をご説明資料にまとめて、政治家やマスコミなどに足繁くかよい説明をして、その根拠をまわりに信じ込ませ、とうとう8%増税を安倍政権に実行させてしまいました。しかし、この根拠はでっちあげだったことは、増税後の大失敗ですぐに暴露されました。 
この手口は、詳しく分析してみると、数理モデルを駆使するような高度なものではありません。良く分析するといくつもの錯誤の上に成り立っていることは確かです。たとえば、財政と税制の一体改革なるものを打ち出し、まともな医療や社会保障を受けたいのであれば、増税に甘んじなければならないなどと、多くの人の情感に訴えるものであったり、明らかな錯誤の上に成り立つものです。
財務省の嘘を暴く高橋洋一氏の番組
その手口の中心は、政府の負債だけに注目させて、資産を無視して、国の借金1000兆円であり、政府は借金塗れであるようにみせかけるというものです。また、統合政府という、日銀と政府を含めた尺度見た統合政府の財政状況なども無視です。これなど、民間企業では連結決算ということで当たり前になっていることですが、それが明るみに出れば、政府の借金など幻想に過ぎないということが国民知れてしまうで、財務省はおくびにも出しません。
財務省は、自分たちの省益を守り抜くには、ここまでやり抜くのですが、文科省にはこうした根気や、覚悟がなかったようです。さすがに、一流官庁といわれる財務省と最低といわれる文科省の違いです。(無論これでは、財務省も国民にとって良くはないのですが、目標に向かって執着心を持って、努力するという意味では財務省のほうが優れているという意味です)
この文科省に比較して、はるかに粘り腰の強い、財務省が、従来のように財務省単独で、安倍政権を手玉にとったり、場合によっては弱体化させ事実上の倒閣にもっていくことができれば、財務省の最大目標である「増税」を心おきなく実行できます。

菅官房長官と安倍総理
とにかく、安倍政権がなくなれば、その後は自民党政権であろうが、民主党政権であろうが、その他の政党や連立政権であろうとも、安倍総理とその側近以外はほとんどが増税派ですから、増税は簡単にできます。

彼らにしてみれば、10%増税など序の口で、最終的には25%増税を目指していることでしょう。しかし、このような財務省の試みに対して、安倍政権一度は8%増税で負けたものの、 増税延期を公約とした選挙で大勝して、増税を阻止したり、その後は選挙に頼ることもなく延長を一方的に決めてしまいまいました。

これでは、省是である「増税」を完璧に阻まれると認識した財務省は、最後の賭けにでたのでしょう。とにかく、安倍政権と刺し違えてでも、増税を成就させるという腹なのでしょう。

そのため、従来は主に財務省がコーディネートして、政治家や民進党などの野党、マスコミやいわゆる識者を動かし、増税キャンペーンに巻き込んていた状況から、やり方を変え、多くの省庁を巻き込むさらに広範な形で、安倍政権倒閣運動にのめり込んでいる状況なのでしょう。

高橋洋一氏としては、これを言いたかったのでしょうが、現状のところでは、確たる証拠もないので、ブログ冒頭のような記事のような書き方になったのでしょう。しかし、経済に少し詳しい人や、政局に詳しい人が読めば、おそらく私と同じ解釈になるに違いないです。

死に物狂いの財務省は、たとえ現役次官など複数の高級官僚のクビが飛んだとしても、各省庁を巻き込んで、安倍政権に挑み、何とか安倍政権をなきものにしようともくろんでいるのでしょう。

そうなると、今後も森友・加計、日報問題と同じようなことが続くものと考えられます。さて、次は何なのか、思いもかけないところから、また問題が発生するかもしれません。

現在の安倍政権は従来とは異なる「2つの武器」を手にしています。官邸(内閣官房)に「内閣人事局」を設置して各省幹部の人事権を掌握したことと、特定秘密保護法の制定です。今のところ、これを十分に使うには至っていませんが、今後は駆使することでしょう。これによって、官邸は官僚から政治力を奪い、政治主導に徹しようと考えています。

これに対して、霞が関全体が財務省をリーダーに、支配権を取り戻そうとスクラムを組んだか、組もうとしているのが現状です。

しかし、このような財務省の活動は本来許されるものではありません。そもも、財務省などの各省庁は、政府の下部機関にすぎません。会社でいえば、官邸は本部や本社のような存在です。各省庁は、財務部や総務部、あるいは小会社のような存在です。

それに、官僚は国民の信託を受けているわけではないですが、政治家は選挙によって国民の信託を受けて、政府を構成しているのです。

本部や本社が、下部組織であるはずの部や、小会社に支配されるようなことがあっはならないはずです。それでは、会社全体を統治することできません。

安倍総理も座して死を待つつもりは全くないでしょう。今後、官邸と財務省の間にはかつてなかった壮大な大バトルが始まります。この戦いに官邸が負ければ、10%増税が行われ、その他の緊縮財政が導入され、日本はまた失われた20年に突入し選挙など有名無実になり官僚支配が完璧に定着することでしょう。

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2016年2月24日水曜日

アベノミクスついに沈没「消費税8%」がすべての間違いだった―【私の論評】すでに、財務省による緊縮の病がぶり返している!増税すれば安倍内閣には致命傷(゚д゚)!

アベノミクスついに沈没「消費税8%」がすべての間違いだった

「どうする?」「どうしよう……」

失われた20兆円
'12年の年末、アベノミクスが始まった当初、日本のGDP(国内総生産)は順調な成長を続けていた。アベノミクス開始時のGDPが約517兆円。これが、'14年3月には実に約535兆円にも達した。

ところが、'14年4月の8%の消費税率導入を境に状況が一変した。'14年度第2四半期までに、GDPが一気に約14兆円も急落してしまったのだ。

その後もGDPは伸び悩み、直近の'15年7-9月期の数字は約530兆円。私の試算では、仮に消費増税さえしていなければ、GDPはその後も右肩上がりの成長を続け、今頃は約550兆円まで達していただろう。

差額は20兆円。これだけの金額が、増税によって失われたのだ。

この20兆円分の伸びがあれば、物価も上昇し、賃金も消費も好調という、良好な循環が生まれ、昨年中には「デフレ脱却宣言」ができただろう。日経平均株価も2万円台、為替も1ドル=120円の水準は保てたはずだ。

そもそも、GDPの6割を個人消費が占めている以上、増税による消費減退でGDPが下がるのはわかりきっていた。

増税の影響で失われた20兆円のGDPを国民一人頭で割ると、約15万円。所得が15万円も下がったと考えれば、買い物をする気が失せるのも当然だろう。

いま、日本では格安商品ばかりが売れる、デフレ時代と同じ状況が生まれている。アベノミクスの目標である、2%の物価上昇に相反する事態が起きているわけだ。だが、経済学の常識からして、増税すれば物価が下がるのは自明の理だ。

優秀なはずの財務官僚たちはそんなことすら理解できていなかった。自分たちの歳出権を拡大するため、なんとしても消費増税を可決させようと、「増税をしてもGDPは下がらない」という机上の空論を組み立て、押し切った。

5%に戻すしかない
失われた20兆円のGDPから試算される消えた税収は約5兆円。一方で、消費増税で増えた税収は約8兆円。

「3兆円多いのだから、増税のほうがいいのでは」と思うかもしれない。

しかし、冷静に考えると、増税によって税収を8兆円増やすのと引き換えに、一人当たり15万円のGDPを吹き飛ばしてしまったのだ。これが日本経済に与えたダメージは、計り知れない。

収益が上がらないのに税負担だけを増やしたので、企業は苦しみ、賃金も上がらない。消費も当然伸び悩む。アベノミクスの理想とは真逆の悪循環にはまりこんでいる。

結局、無知な財務官僚が身勝手な思惑で推し進めた増税で、国民は8兆円を取り上げられたあげく、本来、得られるべき所得までを失ったのだ。

この状況に、本来であれば、「責任をもって2%の物価上昇を達成させる」と明言している日銀の黒田東彦総裁こそが、「増税で物価が上がらないのなら、失敗を認めて減税するか、景気対策をしてください」と政府に強く進言すべきだろう。

だが、黒田総裁は「消費増税で成長が大きく損なわれることはない」と繰り返し発言してきた手前、今更もう何も言えない。起死回生のマイナス金利政策も、消費増税のダメージが大きすぎたため、いまのところ本来の効果が出ていない。

もし、安倍政権が予定通り、'17年の春に10%への増税を実行すると、どうなるか。8%増税の時と同じくらい、いや、それ以上の致命的なダメージを引き起こすだろう。

3%の増税でGDPが14兆円急落した。ということは、上げ幅が2%なら、単純計算で約10兆円のGDPが一瞬で失われる。さらに、今回は中国経済失速などの要因も加わるため、長期的に考えれば、8%増税時を上回る規模のGDPが失われる可能性がある。

消費増税が引き起こした負の連鎖から脱却するには、いますぐにでも消費税を5%に戻すのがベストなのは言うまでもない。だが、政府もいまさら引き返せないだろう。

それでも、本気で景気回復を目指すのならば、取れる策は消費減税の他にもいくらでもある。

例えば、国の特別会計上で余った資金、すなわち、いわゆる「霞が関埋蔵金」を使う手だ。

「外国為替資金特別会計」には円安の含み益の約20兆円、「労働保険特別会計」には約7兆円もの埋蔵金がある。これを原資に、国民に10兆円規模の給付金を配り、増税の痛みを和らげる。

この「埋蔵金10兆円バズーカ」をぶっ放し、景気に良好な刺激を与えて上向かせたところで、日銀が一気に金融緩和を推し進め、国債の購入量を今の80兆円から100兆円まで増やす。

極端な話に聞こえるかもしれないが、ここまでしてようやく、「8%増税の呪縛」は払拭される。

それほどまでに、消費増税が日本経済に与えたダメージは大きい。

高橋洋一

【私の論評】すでに、財務省による緊縮の病がぶり返している!増税すれば安倍内閣には致命傷(゚д゚)!

8% 増税に関しては、最初から大きな懸念がありました。そもそも、デフレの真っ最中であれば、減税するとか、減税しないというのなら、公共工事を増やすとか、給付金政策をするなどで、積極財政を実行すべきでした。ただし、公共工事に関しては、公共工事の供給制約が顕著でしたので、これは実行してもあまりは効果は期待できませんでした。

このような状況でアベノミクスは2013年の4月から、異次元の包括的金融緩和から始まりました。経済指標は、良くなる一方でした。しかしその直後の2014年4月になぜか、まだデフレから完璧に脱していない日本なのに、8%増税などという馬鹿げた緊縮財政政策を行ってしまい、病み上がりの日本経済に冷水を浴びせるようなことをしてしまいました。

緊縮財政というと、何も増税だけではありません。下のグラフをご覧ください。26年6月あたりから、財務省による緊縮財政と病がすでにぶり返しています。

緊縮財政という病は今でも進行中、これに10%消費税増税が加わると破滅的!
グラフは財政資金の対民間収支統計をもとに作成したものです。今さらながらですが、安倍内閣は緊縮財政に回帰していることに驚きました。政府は民間から税を徴収する一方で公共事業、社会保障などに支出しますが、支出増加額よりも税収の増加額が多ければ緊縮財政、少なければ積極財政となります。税収は急速に増えてきました。財政支出のほうは消費税増税前に大きく上積みされたましたが、増税後は急激に減りました。なかでも公共事業、社会保障と防衛費の合計でみるとこの傾向は顕著です。

税収が増えること自体は財政の健全化を最優先する考える向きにとっては万々歳です。しかし、民間の所得を政府が取り上げたまま、支出を通じて民間に資金を還元しない状態を続けると民間の需要を圧縮することになります。好景気で民間需要が旺盛で、インフレ率が上がる状態だと、財政支出を引き締めるのは理にかなっています。ところが、「20年デフレ」の日本にとって緊縮財政はまったく不合理です。

8%増税したたげではなく、さらに支出を減らし緊縮財政を推進する・・・・。こんなことでは、せっかく回復基調となってきたふたたび景気の好循環を破壊してまたデフレ経済へと戻してしまうことになりかねません。今のままでも、もうそうなりかけていますし、これをそのまま継続しても、日本経済はデフレに逆戻りすることでしょう。

来年予定通り、10%増税などしてしまえば、デフレスパイラルの底に沈む速度を飛躍的に高めるだけです。10%増税をしてから、2、3ヶ月もすれば、それは誰の目にも明らかになることでしょう。

このような、緊縮財政の繰り返しから政府の借金だけが膨らみ続け、民間の借金が縮小し続ける(=民間の投資が縮小し続ける)、こんなことを20年以上繰り返してきたのが日本でした。ただ最近過去の日本と比較すると多少ともましなのが、日銀が金融緩和を継続していることです。

しかし、今の日本はデフレから完全脱却していないのに、金融緩和は継続しているものの、8%増税などという愚かな緊縮財政を実行して、その悪影響が続いている状況にあります。

これを改善するには、積極財政と金融緩和を同時に実行することです。そうして、これは標準的なマクロ経済学の教科書に当たり前に掲載されている内容です。景気が悪化したときには、金融緩和と積極財政を行う、景気が過熱したときには、金融引き締めと、緊縮財政を行うというのが、マクロ経済学での当たり前のど真ん中です。

しかし、過去の日本は、景気が悪化しているにもかかわらず、金融引き締めと、緊縮財政を行うというバカ真似を実行し、15年以上もデフレを放置してきました。

そうして、2014年春からの日本は、日銀は金融緩和を、財務省は増税で緊縮という、非常にアンバランスな政策をとっています。

そうして、直近の10-12月の四半期GDPの速報が最近でたばかりですが、非常に悪化しているのは誰の目から見ても明らかです。

2月15日に2015年10-12月期のGDP速報値が内閣府から公表された。結果をみると、実質GDP成長率は前の四半期と比べて0.4%減、年あたりの換算で1.4%減となり、2015年4-6月期以来のマイナス成長に沈んだ。


これに関しては、暖冬のせいで冬物衣料が落ち込んだなどとするむきもありますが、それは全くの間違いであり、暖冬などには全く関係なく、個人消費の長期的な落ち込み傾向によるものであることは、以前のこのブログでも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
GDPマイナス成長は暖冬のせいではない―【私の論評】増税派はどこまでも、8%増税が大失敗だったことを認めたくない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、統計値では8%増税の悪影響が色濃く出ているにもかかわらず、財務省はこれについて何もコメントしません。政治家の多くも、増税推進派が多いため、8%増税は大失敗という声は大きくありません。さらに、マスコミも増税一色だったため、今更自分の非を認めたくないのか、ほとんど8%増税の失敗を報道しません。さらに、いわゆる日本の主流の経済学者らも、増税を後押ししてきた手前、あからさまに大失敗とする人もいません。

そのためでしょうか、多くの人が、8%増税は大失敗であるという事実をあまり認識さえしていないようではあります。とはいいながら、多くの国民が、消費を控えるという行動に出ているのですから、自分の消費行動などみれば、誰でもこの失敗は理解できるものと思います。

安倍首相は「リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施する」と言い続けていますが、昨年来の原油価格の崩落や世界的な株価下落、さらには中国経済の失速、さらに南シナ海、中東なども含む世界の各地に拡散した、いわゆる地政学的リスクはそれに匹敵するどころか、それ以上かもしれません。

安倍総理は「リーマンショック級ではない」と今も10%増税先送りを否定しています。しかし、7月の参議院議員選挙を控えて、景気ムードを好転させることが安倍内閣の必須課題になってくるだけに、数少ない「切り札」として消費増税再延期を打ち出すタイミングを慎重に見極めているのだと思います。

もちろん、財務省は再増税は既定路線として譲らない姿勢で、仮に首相が先送りを決める場合でも相当な政治的な軋轢が生じることでしょう。あまり早く消費増税を打ち出し、その後、海外株式相場などが大崩れするなど外的要因で景況感がさらに悪化した場合、打つ手がなくなってしまうことも予想されます。

前回の延期時と違い、再延期には法律を出して国会で通過させる必要があります。これも10%増税見送りのハードルを上げています。

そうはいっても、2014年の増税の影響が完全に吸収されていないことは誰の目から見ても明らかで、さらに消費が下り坂になっている中で、ここで再度の消費増税を打ち出せば、一気に消費が腰折れすることになります。

来年の消費増税をそのまま決行すれば、日本経済にとっては破滅的なことにになりかねません。

やはり、ここは10%増税は何がなんでも見送るべきです。そうして、その手段としては、夏の参院選のときに衆院も同時解散して、衆参同時選挙として、そうして安倍総理としては、当然のことながら「10%増税」も公約として掲げは、選挙で大勝利することです。方法として、10%増税を見送るのは、この方法しかないと考えられます。

とにかく、もうボンクラ財務官僚や、ぼんくら経済学者などの言いなりになる必要などありません。

とにかく、選挙で大勝利して、国民の信任を得て、10%増税は日本経済がデフレから完全に脱却して、インフレが加熱するまで、実行しないようにしていただきたいものです。

選挙で大勝利した後は、日銀法の改正と、財務省の解体を強行し、ボンクラ経済学者などは、政府関係の仕事などからは、完全パージして頂きたいです。


ボンクラ官僚や、ボンクラ学者などが、この国の経済の舵取りをとんでもない方向に持っていく可能性を完璧に排除していただきたいです。これが、達成されれば、日本の政治主導の夜明けとなることと思います。

これを実行しないかぎり、また日本は失われた20年に舞い戻り失われた40年が続くかもしれません。そうなれば、自民党政権も政権運営がかなり難しくなり、誰が総理大臣になったにしても、短期政権で終わることになってしまうでしょう。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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【関連図書】

結局のところ、日本の政治は官僚特に財務官僚が主導しているところがまだまだ大きいです。官僚が政治に関与することは一概に悪いことではありませんが、意思決定はその時々の空気に流されることなく政治家、政府が地頭を使って行うべきものです。それすらも、官僚に譲ってしまえば、民主主義は成り立ちません。それを実感していただける三冊の書籍を以下にチョイスさせていただきこました。

総理の実力 官僚の支配 ─教科書には書かれていない「政治のルール」─
倉山 満 
TAC出版 (2015-07-15)
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官愚の国 日本を不幸にする「霞が関」の正体 (祥伝社黄金文庫)
高橋 洋一
祥伝社 (2014-06-12)
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「空気」の研究
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文藝春秋 (2013-06-07)
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2016年2月8日月曜日

安倍内閣 「支持する」50% 「支持しない」34%―【私の論評】この結果は、野党があまりに不甲斐ないから!このままだと、次の選挙でも与党の大勝利(゚д゚)!

安倍内閣 「支持する」50% 「支持しない」34%


NHKの世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は先月より4ポイント上がって50%、「支持しない」と答えた人は1ポイント下がって34%でした。

NHKは今月5日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは1574人で、68%に当たる1063人から回答を得ました。

それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は先月より4ポイント上がって50%でした。一方、「支持しない」と答えた人は1ポイント下がって34%でした。

支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が40%、「実行力があるから」が23%、「支持する政党の内閣だから」が14%だったのに対し、支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が42%、「人柄が信頼できないから」が22%、「支持する政党の内閣でないから」が10%となっています。

安倍内閣の経済政策について尋ねたところ、「大いに評価する」が6%、「ある程度評価する」が50%、「あまり評価しない」が30%、「まったく評価しない」が10%でした。

景気が回復していると感じるかどうかについては、「感じる」が11%、「感じない」が49%、「どちらともいえない」が36%でした。

甘利前経済再生担当大臣と甘利前大臣の秘書が建設会社の関係者から現金を受け取っていたことについて、甘利前大臣の説明に納得できるかどうか聞いたところ、「大いに納得できる」が3%、「ある程度納得できる」が23%、「あまり納得できない」が38%、「まったく納得できない」が28%でした。

甘利前大臣が政治とカネの問題で辞任したことの安倍政権への影響については、「大いに影響がある」が19%、「ある程度影響がある」が44%、「あまり影響はない」が24%、「まったく影響はない」が6%でした。

北朝鮮がミサイルの開発を進めていることに対し、日本政府が十分な対応をしていると思うか尋ねたところ、「十分な対応をしている」が20%、「十分な対応をしていない」が35%、「どちらともいえない」が36%でした。

民主党と維新の党が合流して一つの政党になることを期待するかどうか聞いたところ、「大いに期待する」が4%、「ある程度期待する」が17%、「あまり期待しない」が39%、「まったく期待しない」が34%でした。

【私の論評】この結果は、野党があまりに不甲斐ないから!このままだと、次の選挙でも与党の大勝利(゚д゚)!

安倍内閣の支持率については、ANNでも調査をしていて、今月1日にその内容を発表しています。その内容の動画を以下に掲載します。



安倍内閣の支持率はこの調査では50.4%で、1年ぶりに5割を回復しました。金銭授受疑惑を巡る­甘利前経済再生担当大臣の辞任は今の時点で大きく影響しなかった形です。

夏の参院選が刻々と迫る中、民主党は、政党支持率1割以下という超低空飛行を続けています。民主党は、国会論戦の序盤に浮上した甘利明前経済再生担当相の「政治とカネ」をめぐる疑惑で「反転攻勢のチャンス」と色めき立っちましたが、世間には、政策論戦そっちのけで疑惑追及に血道を上げていると映ったのでしょうか、支持率は逆に下落してしまいました。
今や何をやっても「ブーメラン」で、民主党に帰ってくるようです。甘利氏の電撃辞任により追及の気勢もそがれ、脱力感だけが残りました。それでも色めきたっている民主党の面々をみると、もう本当に白けるばかりです。

そうして、私は民主党の「ブーメラン」を見ていると、西城秀樹さんのブーメランストリートという曲を思い出してしまいます。その曲の動画を以下に掲載します。



今月3日の衆院予算委員会で、民主党の岡田克也代表は安倍晋三首相との直接対決で、甘利氏の金銭授受疑惑に切り込みました。
「甘利氏はアベノミクスの司令塔、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の最終交渉もした。きちんと検証するべきだ」
「巨大な権限を持つ人が疑いをかけられていることに、首相は危機感を持つべきだ」
対する首相は、
「TPP交渉に影響するわけがない」と色をなして反論し、「影響を与えたというならば、具体的にどの品目に影響を与えたのかを言わないと、無責任な誹謗中傷だ」
 とまくしたてました。

「政治とカネ」をめぐる論戦はヒートアップしたましたが、岡田氏が約1時間の質疑時間のうち疑惑追及に費やしたのは、わずか10分ほどでした。疑惑解明も必要だが、追及一辺倒では世論が辟易しかねません。こんな意識が働いたとみられる。

実際、民主党の追及姿勢について世論は評価していません。むしろ逆効果となりました。甘利氏が閣僚辞任を表明した1月28日直後の報道各社の世論調査をみると、その傾向は一目瞭然です。

民主党の支持率は、共同通信9・5%(前回比0・2ポイント減)、読売新聞7・0%(前回比1・0ポイント減)、毎日新聞は横ばいとはいえ、わずか7・0%にすぎませんでした。逆に内閣支持率は軒並み数ポイント増え、5割を回復した調査も少なくありませんでした。

1月22日の衆院本会議で甘利氏の経済演説の際に、民主党など野党6党が「甘利氏から明確な答えがないまま演説は聴けない」として、ぞろぞろと退席したことも多くの人の心証を害したようです。

1月22日の衆院本会議で民主党など野党6党がぞろぞろと退席
自民党の平将明衆院議員が自身のツイッターで、退席の様子を書き込みました。
「私も議場にいたが、政策論争ではなく、政局的展開になったとたんに、民主党がガラッと元気になったのをみて、この党の本質をみた気がした。何人かの若手は怒りではなく本当に嬉しそうな顔をして議場から出て行った」
国民からもそんな民主党の体質を見透かされているのです。

民主党の長島昭久元防衛副大臣は1月30日の自身のこのことに関して自身のブログ『翔ぶがごとく』懸念を表明しています。以下にそのブログの内容を転載します。


民主党の長島昭久元防衛副大臣
 のっけから誤解を恐れず言わせて貰えば、「国会戦術上」の甘利問題は、あの潔く辞任表明した会見でほぼ勝負がついてしまったと思う。これ以上、国会の場で甘利問題を深追いしても逆効果になってしまう(つまり、スキャンダル追及で政権に打撃を与えるという思惑が国民の支持を広げる可能性は高くないどころか、逆に反発すら招く恐れがある)のではないか。小渕元大臣も仕留められなかった国会が、甘利前大臣にとどめを刺すのは難しいだろう。これが国会の限界なのだと思う。 
 ここから先は、斡旋利得があったかどうか等、秘書の件も含め司直の手に委ねるべきものだ。もちろん、甘利前大臣自身が認めているように、政治家及び政治事務所による役所(今回は国交省およびUR)への口利きや金銭授受行為は、違法か否かに拘らず、政治的、道義的責任を免れず、厳しく正されるべきことは言うまでもない。ましてや、国家の最高権力者たる現職大臣である。再発防止のため新たな法整備の必要もあるかもしれない。また、そういった点をめぐり、国民の疑問にきちんと答える(野党としてしっかり正す)べきとの議論は残るだろう。しかし、党を挙げて、しかも予算審議を人質に取ってまで取り組むべき問題なのかどうか、真剣に考え直すべきだろう。政治倫理を扱う別の委員会も存在する。 
 言うまでもなく、予算委員会で議論すべき問題はいくらでもある。甘利大臣が担当していたTPPから始まって、政府の異常な金融緩和、消費税の引き上げ、それに伴う軽減税率の是非や総合合算制度を諦めてしまったことの是非、原発再稼働、北朝鮮のミサイル実験、中国の軍事的拡張と経済崩壊の可能性等々、枚挙に暇がない。 
 その上で、改めて国政(政府)を正す責務を有する野党の立場で考えてみると、甘利大臣辞任がもたらす問題の核心は、甘利大臣の罪状というより、甘利大臣が第二次安倍政権の中で果たしてきた役割が突然取り除かれてしまったことにあると思っている。 
 つまり、これまで3年間にわたり安倍政権の安定性を担保してきたのは、閣内における鉄の結束だろう。それは屢々「トリプルA」と呼ばれてきた安倍・麻生・甘利の三枚看板だ。そこに菅官房長官の調整力が加わり盤石の体制を誇ってきたものだ。アベノミクスの進め方をめぐり、消費税や金融緩和、財政政策など閣内でも意見が相克するような場面はこれまでいくらでもあった。しかし、その局面のたびに、総理の信頼厚い盟友・甘利大臣が果たしてきた役割はきわめて大きかった。ここ数日、甘利大臣の力量をめぐってメディアでも激論が交わされたが、私の見るところ、安倍政権における甘利大臣の価値は、政策力でも交渉力でもなく、総理の信頼を背景にした政権内のバランサー的な役割だったと思っている。 
 したがって、甘利大臣の後継に石原伸晃氏が起用されることが決まった直後の大臣会見で、事もあろうに政権の要である麻生副総理が石原氏の手腕にビッグ・クエッション・マークを付けてみせた時には、思わずのけぞってしまった。これが政権の綻びになる可能性を秘めているからだ。その意味で、巷間囁かれているように今回の甘利大臣辞任が安倍政権の「終わりの始まり」だとすれば、それは甘利前大臣の罪状の故にではなく、甘利大臣が閣外に去ることによる政権内の不協和音の顕在化にあるのではないかと推察する。 
 であるからこそ、野党は、すでに大臣自ら職を辞し幕引きを図った事案の罪状暴きに奔走するのではなく、真正面から堂々と安倍政権に政策論争を挑み、建設提案を突きつけ、閣内不一致を暴き出すことに全力を傾けるべきなのだ。野党として、スキャンダル攻撃に血道をあげるより、政策論争で政権を追い詰める方がよほど憲政の常道に叶うし、国民の利益になるはずだ。この週末は、野党にとっても頭を冷やすにはちょうどいい。
長島氏の不安は的中したといえます。しかし、民主党は追及の手を緩めようとしません。確かに甘利氏の疑惑に絡む斡旋利得の有無など真相究明は欠かせないですが、司直に委ねる部分が多く、立法府での甘利氏不在の追及には限界があります。

民主党など野党は甘利氏の参考人招致などを求めますが、与野党会派の全会一致が慣例で、実現の見通しは立ちません。

それにしても、民主党の国会での論争を聴いていると、そもそも民主党にはこの日本をどのようにしたいのか、経済をどうしていくのが、社会をどうしていくのか、などという考えは全くなく、とにかく自民党に対峙して、何で反対して、自民党に競り勝つことのみ考えているようにしかみえません。

そんな中で、民主党の政策論争といえば、全くお話にならないほどの低レベルです。無論、民主党の中にもまともなことをいう人もいるにはいるのですが、本当にごく少数派です。安保法制のときの、民主党の論議は結局のところ「戦争法案」のレッテル貼り一辺倒で、全く議論になっていませんでした。

さらに、経済に関してはあまりにレベルが低すぎです。それについては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
民主党議員よ、頼むから少しは経済を勉強してくれ!~『朝ナマ』に出演して改めて感じた、日本の野党のお粗末さ―【私の論評】第二社会党の道を歩む民主に期待は無駄!本当は増税政党の自民も無理!期待できるのは今は次世代の党のみ!

この記事の元記事は高橋洋一氏が書いています。この記事は、昨年の11月10日のものです。民主党議員の経済オンチぶりについては、この記事をご覧いただくものとして、この元記事の高橋洋一氏の結論を以下に掲載します。
ここまで民主党がダメだと、安倍政権は民主党が今の体制のうちに、解散総選挙を仕掛けたくなってしまうのではないか。与党がそんな手を打てなくなるような野党が必要である。
ここでいう解散総選挙とは、参院の選挙は決まったことですから、今年の夏に実行されますが、年内に衆院も解散して、総選挙を行うかもしれないということです。

実際に、安倍首相の側近である自民党の下村総裁特別補佐は、7日朝、フジテレビの「新報道2001」に出演し、衆議院の解散・総選挙について、「年内に90%くらいあるのではないか」と、実施の可能性が高いという考えを示しました。

自民党の下村総裁特別補佐は「年内にですね、90%くらいの可能性で、わたしは(解散・総選挙が)あるという前提で考えた方がいいのではないかというふうには思います」と、衆議院の解散・総選挙が、年内に行われる可能性が高いという見通しを述べ、その理由として、「2017年4月に消費税が10%に引き上げられ、経済的に厳しい状況が出てくるかもしれない」と指摘しました。

また、衆院選挙の具体的な時期について、下村氏は、「ダブルや年末」と述べて、夏の参院選と衆院選を同日に行う、ダブル選挙の可能性にも言及しました。

もし、衆院も解散総選挙となれば、民主党は今のままであれば、歴史的な大敗北を喫して二度と立ち上がれないくらの打撃被るのではないかと思います。

丁度、あの社会党が、PKO法案成立後の選挙で、大敗して、存続すら不可能になったのと同じようなことになります。私は、はっきりここに予測しておきます。

そうして、この記事では、当時の「次世代の党」の経済対策が、もっとも優れていることを掲載しました。しかし、「次世代の党」は、「日本のこころを大切にする党」に名称を変更しました。

知名度が低いのにさらに、党名変更ということで、おそらく影響力の強かった石原慎太郎氏のイメージから脱却して、新しい党に生まれ変わろうとの趣旨で行ったのでしょうが、選挙には不利であると考えられます。

大阪維新の党も、どうしても、地域政党の性格が強いので、あまり大きな動きにはならないと考えられます。そうなると、他の野党の状況をみあわせると、今年の夏や、もしかすると行われる衆院選挙では、またまた、与党が大勝利を収めることになるのではないかと思います。

唯一の懸念は、経済が良くなりきらないうちに、10%増税を決めたり、憲法論議を進めたりすることです。10%増税をすれば、8%増税も大失敗だったのに、とんでもないことになるのは明らかです。本格的に経済が悪くなれば、その時の政権が誰のものであり、政権を放棄せざるをえなくなります。

憲法論議に関しては、自民党の憲法素案はまだまだ、非常に詰めが甘すぎます。無論、改憲はいずれすべなのですが、もっと、もっと詰める必要があります。まだ、詰めきってもいないうちに、憲法論議で時間を費やしたり、選挙の公約にすれば、与党にとってはあまり良いことはないと思います。特に、経済が悪化しているときの憲法論議は避けるべきです。

憲法解釈にも、いろいろあって、京都学派の解釈によれば、日本国憲法9条は、国際紛争を避けるための手段として、武力を保持したり行使することは、明確に禁止していますが、自衛戦争にのために武力を保持したり、行使することまでは禁じていないとしています。

この解釈に従えば、自衛隊は違憲でも何でもありません。こういうことも考え合わせ、新たな憲法の草案には、もっと時間を費やすべきであり、もっと大日本帝国憲法の内容を吟味したり、その成立過程を学び、まともな憲法草案にしてから、議論すべきものと思います。

このような危機はあるものの、今年の夏の参院では与党が大勝利することは余程のことがない限り、間違いないでしょうし、衆院解散総選挙があってもやはり、与党が大勝利ということになると思います。

それもこれも、野党があまりにも不甲斐ないからです。野党は、自民党に対峙することばかりに血道をあげるのではなく、まともな政策論争ができるように、努力すべきです。

野党がまともな政策論争をして、与野党が切磋琢磨することによって、我が国はさらに良くなるはずです。

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2012年12月26日水曜日

きょう第2次安倍内閣発足 総務・石原伸氏 農水・林氏 四役に女性―【私の論評】自民党議員は過去の繰り返しをすれば、再度下野して万年野党になることを覚悟せよ!!ただひたらすら、公約を守る努力をせよ!!

きょう第2次安倍内閣発足 総務・石原伸氏 農水・林氏 四役に女性:

本日指名を受けた安倍総理
自民党の安倍晋三総裁は26日召集の特別国会で、衆参両院の首相指名選挙を経て第96代首相に選出される。安倍氏は直ちに組閣に着手、同日中に第2次安倍内閣を発足させる。安倍氏は25日、党総務会長に野田聖子元郵政相、政調会長に高市早苗元沖縄・北方担当相を起用するなど新役員人事を発表した。閣僚人事ではすでに入閣が固まっていた石原伸晃前幹事長の総務相、林芳正元防衛相の農林水産相への起用が内定した。

この記事の続きは、こちらから!!

【私の論評】自民党議員は過去の繰り返しをすれば、再度下野して万年野党になることを覚悟せよ!!ただひたらすら、公約を守る努力をせよ!!


本日は、第2次安部内閣が発足ということですが、閣僚人事やなどのことについて特に掲載しません。そんなことよりも、当自民党議員の方々にも気を引き締めていただくために、この話題を掲載することとしました。それにしても、あの歴史的な安部自民の大勝利および、野田民主の大敗北によって、政治にも新たな時代がきたのは明白です。もう、少なくともいわゆる左翼政権が返り咲くということはないと思います。これだけは、おそらく変わらないと思います。これが、今回の総選挙の本質だったた思います。

このブログの管理人である、私は、民主党政権のときには、完璧に反対派でありましたが、安部自民となってからは、完璧に御用一般人となりました。そうです。安部自民党を擁護する立場です。日本には、この立場を曖昧にしたまま、賛成なのか反対なのかはっきりさせずに、報道をするマスコミなどが存在しますが、それは大きな間違いです。ますば、報道する姿勢がどうなのか、まずは旗幟を鮮明にさせる必要があります。そうして、なぜ御用一般人になったかといえば、まずは、安倍総理の経済対策が、まさしく私が思い描いていたのと全く同じものだったからです。きっと、そのような方多かったと思います。それに、これを突破口として、戦後レジーム(体制)からの脱却を図ろうとしているからです。

ブログでも、報道でも旗幟を鮮明にすべき
実は、私は、以前安倍総裁が、総理だったときには、特に反対ではありませんでしたが、支持するという事もありませんでした。なぜそうだったかといえば、当時の安倍総理は、「美しい国」とか「戦後レジーム」からの脱却などというスローガンを掲げていましたが、確かに在任中は短い期間で、これらに向けて様々な活動をされて、それなりに多大な成果をあげておられました。しかし、経済対策が伴っておらず、さらにその中身は、他の政治家が語っているのと同じようなことで、とても、まともな対策になるとは思えないようなものでした。しかし、今回は、根本から違います。まずは、強力でまともな経済対策を打ち出しています。だからこそ、私は安倍氏を支持し、安倍自民党を支持するのです。

美しい日本の象徴でもある富士山
馬鹿マスコミは、あいかわらず、自民党議員圧勝とはいっても、お祭り騒ぎになることもなく、従来の普通の選挙からみれば、まるでお通夜のような有様でした。その後の報道もいわゆる、華やかさは、一切ありません。やはり、マスコミは、どこまでも、左翼系の味方であり、民主党政権が消え去ったことに関しては、残念でならなのだと思います。

民主党政権が消え去ったことが残念というよりは、とにかく、左翼政権がなくなったこと、それに変わるような左翼政党などが台頭する気配も全くなく、左翼系は退潮するだけで、ただただ左翼政権の灯火が消えてしまったことが残念でならないのだと思います。

ただし、安部総理には、まだまだ敵がいっぱいです。これについては、このブログでは、選挙になる前から指摘していました。

【財務省】真砂体制の小括―【私の論評】確かに、ほとんどの勢力が安部叩きに走っている!!
さて、上の記事では、安部総裁の敵を「公明党、民主党の大半、自民党の四分の三(特に石破幹事長)、財界、産経を含めた五大紙」としています。そうして、「彼らは、白川法王と日銀貴族の前に右へならえをしている。敵は安倍さんに内閣を明け渡し、参議院で嬲り者にする気満々。現在の状況、安倍さんは八方のうち七方くらいは塞がっている。残りの七方のうちの強力なものは日銀としています。
そうして、七方の中には、財務省を含まれていましたが、勝栄次郎が退官し真砂氏が次官となったので、財務省主流派は、七方ではなく、唯一の安部総裁の味方であることを示唆しています。無論、主流派とはいっても、数の上での主流派ではなく、過去の歴史から現在までの流れをみて、元々の大蔵省のスタンスにおいての主流派と言っているのだと思います。だから、いかに主流派が次官になったとしても、巷には、財務省の主流派ではない人による見解なども流れ、事実が見えにくくなっているのだと思います。それは、上の記事にもあったように、倉山氏の著書『財務省の近現代史』を読むと理解できます。それと、まともな国民の世論も、安部総裁に味方しているということです。
武藤敏郎氏が日銀総裁になってくれれば、安倍総理の強力な助っ人になるのだが・・・・・
 本当に安部総理には、真の味方は少ないのです。総裁戦でも、勝つ見込みも、かなり低かったです。おそらく、一年ほど前までは、誰も今日のように、安倍晋三氏が、総裁選に勝ち、その後総選挙で勝利して、第二次安部内閣が誕生するなどとは、誰も予想だにしなかったことでしょう。

そうして、最も危険なのは、実は今回の選挙で完璧に見限られた、マスコミと、左翼系議員などではなく、いわゆる自民党議員も含めた戦後体制を維持しようとする戦後保守であり、戦後保守を守ろうとする勢力です。

あの強烈は麻生おろしのは、まだ記憶に新しい!!
そうして、最後にいっておきたいことは、今回安倍晋三総理大臣がが、任期をまつとうできずに、総裁をおりることになったとしたら、そうして、そのときに自民党内部からそのような動きもあった場合、次の選挙で、自民党が勝つ見込みは全くなくなります。それにしても、左翼政権の出番はないですが、第三極の中から新しい勢力がでてくるが、第三極が結集することになると思います。そうなれば、自民党も、民主党のように、再度下野して万年野党になることを覚悟しなければならないということです。そうなりたくなくなければ、どこまでも、安部総理を守り抜き、ひたすら、安部総理があげた公約を守る努力をすることです。なかなか達成できないこともあるでしょうが、少なくとも国民に一歩一歩近づいていることが、理解されるようにつとめなければならないということです。間違っても、派閥の論理を優先させて、安倍総裁の邪魔することがあってはなりません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?




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