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2020年7月9日木曜日

財政状況悪化を訴える談話で…隠されていた“不都合な数字” 国債はほぼ日銀が買い取る事実— 【私の論評】財務省を満足させて、顧客を蔑ろにすれば、大企業もマスコミも、いずれ存続不能となる!(◎_◎;)

財政状況悪化を訴える談話で…隠されていた“不都合な数字” 国債はほぼ日銀が買い取る事実
高橋洋一 日本の解き方


日本経団連名誉会長でもある榊原定征氏

    財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、榊原定征会長の談話が発表された。今後の財政運営について「悪化した財政から目をそらしてはならない」とするなど、財政再建の必要性を訴えたという。

 一般的にこうした談話は財務省官僚が用意することが多い。財務省官僚が財政制度等審議会会長に意見を振り付け、その審議会が財務相に諮問する形となっているので、結局、審議会が官僚の隠れみのとなり、大臣を誘導することになりがちだ。つまり、会長談話には財務省官僚からの最初の意見が凝縮されているとみていいだろう。

 財務省の見解はいつも同じで、「今の財政状況は悪い」と決めつけている。財政状況を正確に分析するには、ストックとフローからアプローチする。もちろん財政状況という以上、ストックの情報が基本になる。

 政府の財政状況といっても、企業と見方は同じであり、ストックは貸借対照表(バランスシート)、フローは損益計算書である。ただし、企業会計とまったく同じではなく、公会計によるストックのバランスシートとフローの毎年度予算になる。

 会長談話では、ストックとして公債残高964兆円、フローとして基礎的財政収支赤字66・1兆円が挙げられているが、重要な数字を隠している。

 ストックのバランスシートは、企業会計なら本体だけではなく、連結ベースのグループ会社全体のもので考える。政府も同じであり、中央銀行など子会社を含めた「統合政府」ベースだ。本コラムの読者はご存じだろうが、無償還・無利子を除く実質的な資産負債でみれば、日本の統合政府ベースのバランスシートは、純債務がほぼゼロの状態だ。この意味から、負債だけを強調する会長談話は正しくない。

 では、フローの基礎的財政収支赤字はどうか。これも正しい数字とはいえない。今回の補正予算では、政府と日銀の連合軍、つまり5月22日の財務大臣と日銀総裁の共同声明を読めば分かるように、国債発行額はほぼ日銀が買い取る。その場合、国債の償還・利払い負担は実質的にない。どういうことかというと、国債負担は通貨発行益で賄われるのだ。

 しかし、基礎的財政収支の計算上、初年度の国債発行分が赤字としてカウントされる。しかし、高校レベルの数学であるが、翌年度以降の日銀納付金の現在価値を合算すれば通貨発行益となるので、その赤字分は意味がないのだ。

 これでお分かりであろう。会長談話は、あえて不適切な基礎的財政収支赤字の数字を使って、財政状況が悪いと言っているのだ。ここで狡猾(こうかつ)なのは、あくまで会長個人の発言として、責任を逃げていることだ。

 今回の補正予算では、政府と日銀の連合なので、財政状況を悪くしない。それにも関わらず、財政状況が悪化しているという間違った情報を垂れ流しているのは、いかがなものだろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財務省を満足させて、顧客を蔑ろにすれば、大企業もマスコミも、いずれ存続不能となる!(◎_◎;)

そもそも、高橋洋一氏は「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした。それどころか日本政府には、借金が無いとしています。

高橋洋一氏が主張する。「借金1000兆円のウソ」です。借金が1000兆円もあるので、増税しないと財政破綻になるという、ほとんどのマスコミが信じている財務省の言い分が正しくないと指摘したのです。

借金1000兆円、国民一人当たりに直すと800万円になる。みなさん、こんな借金を自分の子や孫に背負わせていいのか。借金を返すためには増税が必要だ。このようなセリフは誰でも聞いたことがあるでしょう。財務省が1980年代の頃から、何度も繰り返してきたものだからです。

政府と日銀の連結バランスシートを見ると、資産側は変化なし、負債側は国債減、日銀券(当座預金を含む)増となります。つまり、量的緩和は、政府と日銀を統合政府で見たとき、負債構成の変化であり、有利子の国債から無利子の日銀券への転換ということです。

オンラインで政府のバランスシートを説明する高橋洋一氏

このため、毎年転換分の利子相当の差益が発生する(これをシニョレッジ〔通貨発行益〕といいます。毎年の差益を現在価値で合算すると量的緩和額になります。

また、政府からの日銀への利払いはただちに納付金となるので、政府にとって日銀保有分の国債は債務ではありません。これで、連結ベースの国債額は減少するわけです。

量的緩和が、政府と日銀の連結バランスシートにおける負債構成の変化で、シニョレッジを稼げるメリットがあります。と同時にデメリットもあります。それはシニョレッジを大きくすればするほど、インフレになるということです。そのため、デフレの時にはシニョレッジを増やせるが、インフレの時には限界があります。

その限界を決めるのがインフレ目標です。インフレ目標の範囲内であればデメリットはないですが、超えるとデメリットになります。

幸いなことに、今のところ、デメリットはなく、実質的な国債が減少している状態です。

こう考えてみると、財務省が借金1000兆円と言い、「だから消費増税が必要」と国民に迫るのは、前提が間違っているので暴力的な脅しがありません。実質的に借金は150~200兆円程度、GDP比で30~40%程度でしょう。

ちなみに、米国、英国で、中央銀行と連結したネット国債をGDP比でみてみます。米国で80%、65%、イギリスは80%、60%程度である。これを見ると、日本の財政問題が大変ですぐにでも破綻するという意見の滑稽さがわかるだろう。

その限界を決めるのがインフレ目標である。インフレ目標の範囲内であればデメリットはないが、超えるとデメリットになる。


日銀のインフレ目標は未だ達成されていない

幸いなことに、今のところ、デメリットはなく、実質的な国債が減少している状態だ。

こう考えてみると、財務省が借金1000兆円と言い、「だから消費増税が必要」と国民に迫るのは、前提が間違っているので暴力的な脅しでしかない。実質的に借金は150~200兆円程度、GDP比で30~40%程度だろう。

ちなみに、アメリカ、イギリスで、中央銀行と連結したネット国債をGDP比でみよう。アメリカで80%、65%、英国は80%、60%程度です。これを見ると、日本の財政問題が大変ですぐにでも破綻するという意見の滑稽さがわかるでしょう。

何しろ市中に出回る国債がほとんどないので、「日本の財政が大変なので財政破綻、国債暴落」と言い続けてきた、デタラメな元ディーラー評論家(元というのは使い物にならなかった人たちということ)にはこれから厳しい年月が待ち受けているでしょう。

2016年度の国債発行計画(http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2016/gaiyou151224.pdf)を見ると、総発行額162.2兆円、その内訳は市中消化分152.2兆円、個人向け販売分2兆円、日銀乗換8兆円です。

余談ですが、この日銀乗換は、多くの似非識者と言われている人々が禁じ手としている「日銀引受」です。高橋洋一史は、役人時代、この国債発行計画を担当していたときにもあったそうですが、これは、日銀の保有長期国債の償還分40兆円程度(短国を含めれば80兆円程度)まで引受可能ですが、市中枠が減少するため、民間金融機関が国債を欲しいとして、日銀乗換分を少なめにしているはずです。

要するに、今の国債市場は、国債の品不足なのです。カレンダーベース市中発行額は147兆円ですが、短国25兆円を除くと、122兆円しかありません。ここで、日銀の買いオペは新規80兆円、償還分40兆円なので、合計で120兆円。となると、市中消化分は、最終的にはほぼ日銀が買い尽くすことになります。

民間金融機関は、国債投資から貸付に向かわざるを得なくなります。これは日本経済にとっては望ましいことです。と同時に、市中には実質的に国債が出回らないので、これは財政再建ができたのと同じ効果になります。日銀が国債を保有した場合、その利払いは直ちに政府の納付金となって財政負担なしになります。償還も乗換をすればいいので、償還負担もありません。それが、政府と日銀を連結してみれば、国債はないに等しいという理由なのです。

こういう状態で国債金利はどうなるでしょうか。市中に出回れば瞬間蒸発状態で、国債暴落などあり得ません。なにしろ必ず日銀が買うのですから。

諸外国では減債基金は存在しません。借金するのに、その償還のために基金を設けてさらに借金するのは不合理だからです。なので、先進国では債務償還費は計上しません。この分は、国債発行額を膨らせるだけで無意味となり、償還分は借換債を発行すれば良いからです。

利払費9.9兆円で、その積算金利は1.6%といいます。市中分がほぼなく国債は品不足なのに、そんなに高い金利になるはずがありません。実は、この高い積算金利は、予算の空積(架空計上)であり、年度の後半になると、そんなに金利が高くならないので、不用が出ます。それを補正予算の財源にするのです。

このような空積は過去から行われていましたが、その分、国債発行額を膨らませるので、財政危機を煽りたい財務省にとって好都合なのです。債務償還費と利払費の空積で、国債発行額は15兆円程度過大になっています。

こうしたからくりは、予算資料をもらって、それを記事にするので手一杯のマスコミには決して理解できないかもしれません。

いずれにしても、上の記事で、高橋洋一氏が指摘しているように、政府と日銀を連結したバランスシートというストック面、来年度の国債発行計画から見たフロー面で、ともに日本の財政は、財務省やその走狗になっているマスコミ・学者が言うほどには悪くないことがわかるでしょう。

岡本財務次官

にもかかわらず、マスコミは、日本の財政は大変だ、財政再建が急務、それには増税というワンパターンの報道ばかりします。マスコミは、軽減税率のアメをもらったからといって、財務省のポチになるのはもうやめにしてほしいものです。さらには、財務省は、財界の大物を自分たちの省益を追求するために便利に使うこともやめるべきです。

財界の重鎮たちにも言いたいです。産業界も顧客を第一に考えるべきでしょう。顧客の支えがない限り、いかなる大企業でも一夜にして、存続不能になります。そのようなことになったとしても、財務省は絶対に助けてくれないことをお忘れなく。大事にしなくてはならないのは、財務省ではなく、顧客です。それを忘れることから、大企業の凋落が始まる
のです。

企業の目的は何でしょうか。売上や利益をあげることが企業の第一の目的でしょうか。経営学の大家ドラッカーは企業の目的の定義は一つしかない。それは「顧客を創造すること」だと言います。つまり、顧客の集合体としての市場を創り出すことが企業の目的だと言うのです。

企業にとって大切なのは「顧客第一主義」、つまり企業は「顧客満足」を追求すればよいと多くの人が思っています。しかし、ドラッカーに言わせれば「顧客満足」ではダメなのです。なぜダメなのか。それは社会が生き物だからです。

生き物の特徴は変化することです。そしてその変化の先行きはだれにもわかりません。変化しつづけその変化の先行きのわからない社会において生き残っていくには顧客満足では遅すぎます。企業自らが市場を創造し、未来を創り出していかなければならないのです。ドラッカーは、市場は神や自然や経済の力で生み出されるものではなく、ビジネスに関わる人達が作り出していくものだと言います。

そのことを忘れて、財務省を満足させて、顧客を蔑ろにすれば、大企業とて、いずれ存続不能となります。

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2018年9月27日木曜日

緩和政策「出口論」の実態は金融機関の“愚痴” 日銀が説明避けてきたツケ ―【私の論評】日銀は、金融機関のためではなく日本国民のために存在していることを再認識せよ(゚д゚)!

緩和政策「出口論」の実態は金融機関の“愚痴” 日銀が説明避けてきたツケ 

日銀黒田総裁

安倍晋三首相が自民党総裁選で、金融緩和について「ずっとやっていいとは全く思っていない」と述べたことや、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が「早期に物価目標を達成して正常化プロセスに入りたいのは、どこの中央銀行も同じで当然のことだ」との見解を示したことが話題となった。

 金融緩和の「副作用」を主張し、「出口」や「正常化」を強調する市場関係者やメディアは多いが、現状は出口を意識する段階なのか。

 マスコミ報道で「副作用」といっても、中身は「市場機能の低下」と「金融機関経営に及ぼす影響」という抽象的内容だ。

 「市場機能の低下」とは、金融機関の儲けがなくなると金融資本市場がうまく回らなくなって日本経済全体が落ち込む、という市場関係者の脅しにも似たものだ。「金融機関経営に及ぼす影響」も、マイナス金利下の運用金利では調達金利との利ざやがほぼなく金融機関が儲からないことを言い換えただけだ。

 日銀が常日頃、金融機関からこの金利水準では儲からないから何とかしてくれと愚痴を聞かされているので、それを「副作用」と言っているだけだ。

 もちろん、金融政策の本質は雇用政策であり、雇用の確保が最大目標だ。インフレ目標は、雇用を作るが、インフレ率が過度に高まらないようにするため設けられている。本コラムで何度も指摘したように、フィリップス曲線(インフレ率と失業率の逆相関状況)上で下限とされる失業率(NAIRU、インフレを加速しない失業率)に対応するインフレ率がインフレ目標である。

 経済学は精密科学ではないので、コンマ以下まで数値化することはなかなか困難であるが、NAIRUは2%台半ば、インフレ目標は2%程度であると本コラムに書いてきたとおりだ。

 こうした金融政策の基本フレームからみれば、「出口」が来るのは、NAIRUを達成した後、インフレ率が上がり続けるという状況である。失業率を下げずにインフレ率だけを上げ続けるような金融緩和は弊害でしかないから、当然ながら緩和から引き締め基調に転換する。

 もっとも、こうした政策転換を「正常化」というべきではない。「正常化」というのは、過去のある時点を想定して、今が「異常」と思うから出て来る表現であるが、金融政策は失業率やインフレ率を見ながら、他のマクロ政策である財政状況も併せて判断し、実行されるべきものだからだ。

 「出口」や「正常化」を強調する市場関係者やメディアは、マクロ経済政策に関する理解ができていないので、言葉だけが躍っており、とても政策議論に堪えうるものでない。

 日銀も、NAIRUについて定量的な議論をして、本コラムで述べたような金融政策基本フレームをしっかり説明しないと、市場関係者やメディアによる感情的な「出口」論に対抗できない。これまで日銀が雇用の話を避けてきたツケが出ているともいえるのではないだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日銀は、金融機関のためではなく日本国民のために存在していることを再認識せよ(゚д゚)!

高橋洋一氏は、上の記事でフィリップス曲線について説明してます。正式名称は「マクロ政策・フィリップス曲線」です。これについての過去の高橋洋一氏説明を以下にグラフとともに掲載します。
 NAIRU(インフレを加速しない失業率)がマクロ経済政策、とりわけ金融政策において重要だと指摘してきた。一般的に、インフレ率と失業率は逆相関であり、NAIRUを達成する最小のインフレ率をインフレ目標に設定するからだ。ここから導かれる金融政策は、失業率がNAIRUに達するほど低くない場合、インフレ率もインフレ目標に達しないので金融緩和、失業率がNAIRUに達すると、その後はインフレ率がインフレ目標よりも高くなれば金融引き締めというのが基本動作である。


 そして、筆者の推計として、NAIRUを「2%台半ば」としてきた。国会の公聴会でも説明したが、経済学は精密科学でないので、小数点以下に大きな意味はないが、あえてイメージをハッキリさせるために、「2%台半ば」を2・5%ということもある。これは、2・7%かもしれないし2・3%かもしれない。2・5%程度というと数字が一人歩きするので、普通は「2%台半ば」といっている。
このグラフが頭に入っていないと、金融緩和と雇用の関係については理解しがたいと思われます。

インフレ率が数%もあがりさえすれば、他は何もせずとも一夜にして日本ならば数百万人の雇用が自動的に発生します。

これは、日本だけでなくどの国でも同じです。米国もEUも中国でも同じことです。ただし、各々の国で様々な基礎的な条件が違うので、数%あがったらどのくらいの雇用が生まれるか、定量的には同じではありませんが、とにかくインフレ率が上がると雇用が増加するということでは、どの国でも同じです。

上のグラフでいえば、場所や地域や、同じところでも時代によってNAIRUそのものの数値や、インフレ目標も異なり、グラフの傾き加減や角度、屈曲の程度が異なりますが、大体このようになります。

積極財政・金融緩和をすれば、インフレ率はあがり失業率は下がります。ただし、インフレ率だけがあがり失業率は差がない場合があります。緊縮財政・金融引締めをすればインフレ率が下がり失業率はあがります。ただし、インフレ率だけが下がって、失業率が上がらない場合もあります。

これは昔から経験則で知られていることです。 例外はありません。まともなマクロ経済のテキストにも、日本をはじめ世界中のテキストで、金融政策と雇用は関連付けられて掲載されています。

これは、米国でもそうですし、日本をはじめとした他のどの国でもこうした傾向があることは同じです。米国あたりの景気の話の場合は、金融緩和と雇用が結び付けられて報道されることが多いです。

米国のこのような報道は、ときどは日本国内でもそのまま直訳されて報道されることもあります。しかし、日本では日銀の金融緩和と雇用が関連づけられて報道されることはまずありません。

そもそも金融緩和と雇用が関連づけられていないので、金融緩和をするとどのように雇用状況が改善されていくかも知られていません。

金融緩和すると、第一段階として、少しタイムラグ(時間のずれ)があって、まず就業者数が増加します。初期段階では、それまで職のなかった人が非正規やアルバイト・パートという形で雇用増加に貢献します。

新たに就業者に加わった非正規やアルバイト・パートの賃金は、既に雇用されている人より低いため、それまでの就業者を合わせた全体の平均賃金を押し下げます。

この点だけをとらえ、就業者数が増えたことを無視して「賃金が下がっている」とあげつらい、金融緩和を否定する人もいますが、経済の波及メカニズムをまったく理解していないだけで、反論にもなっていません。

第二段階として、就業者数が増えてくると、失業率が下がり出し、もうこれ以上就業者数が増えないような完全雇用の状態に近くなります。

そこで賃金が伸び始める。特に、アルバイト・パートの時給や残業代などが上がります。そうなると、下がっていた賃金も反転し上がり出します。雇用形態も徐々に非正規やアルバイト・パートの割合が減り、正規雇用が多くなってきます。

最近は賃金の上昇傾向にある

さらに、給料がすぐ二倍にならないと景気の良さを実感できないという頭の悪い人もいるようですが、緩やかなインフレが続いている間でも、日本をはじめ多くの国々で、同じ仕事についていて、職位も変わらない場合なら給料が倍になるのは20年から30年かかります。

インフレ分を相殺して倍ということになれば、もっとかかります。たぶん30年〜40年はかかるでしょう。普通の人だと、賃金の上昇は1年〜2年では誤差くらいにしか感じられないでしょう。数十年たつと、明らかに理解できるようになるというのが普通です。しかも、これは経済発展していることを前提とした上での話です。

すぐに給料を倍にしたかったら、多少時間をかけて良いなら、努力して職位の階段をどんどん上に登るしかありません。それも嫌というなら、かなり儲かる事業を考えて起業するしかありません。

そうして、もっともどうしようもないのは、雇用が改善されて、物価目標が達成されない現状を良いことか、悪いことかも理解できないことです。

この状態は日本経済にとって決して悪いことではありません。この今の状態が100年続いたとしても、国民にとっては何も悪いことはありません。むしろ良いことです。

これが、良くないのは銀行です。その中でも特に怠惰な銀行にとっては良くないことです。特に、怠惰な銀行関係者は日銀のマイナス金利政策に対して文句を言うようです。これは筋違いです。国債や日銀当座預金を運用して儲けている金融機関がおかしいのです。当座預金など一般企業が銀行に預けても、利息などつきません。しかし、銀行が日銀に当座預金を預けると利子がついていました。

日銀のマイナス金利政策においては、すべての当座預金の金利がマイナスというわけではない


もし一般企業の当座預金に利子がつくということになれば、金を預けてばかりいて、あまり仕事をしなくなるかもしれません。まさしく、多くの怠惰な銀行もそのような状況で、本来の仕事である金貸しをあまりしなくなったのです。

そもそも銀行の社会的使命は企業などに適切な融資を行ない、社会全体の健全な経済発展を資金面からサポートすることです。ところ怠惰な銀行はリスクを極端に怖れて新規融資を避け、国債の運用や日銀への預金、投資信託販売などの手数料収入など、『本来の役割』とは違う業務で儲けてきました。

銀行業は、本来貸出ししなければ元々儲けは出ないのです。マイナス金利はそうしたぬるま湯体質の金融機関をしばくものでもあります。実際、銀行が金貸しにもっと精を出せば、お金はもっと市場に出回るようになるはずです。これに文句を言ったり、金利が高くて儲けられないという金融機関は潰れてしまえと言いたいです。潰してしまった方が日本国や日本人のためになります。

こんな怠惰な銀行を助けるために、物価目標すらまともに達成していない金融緩和を止められたらたまったものではありません。助けるべきは、怠惰な銀行ではなく日本国民です。

そうして、銀行関係者も忘れていることがあります。物価目標が達成され後には、今度は金利を上げるべき時が来るということです。そうなれば、今度はかなり銀行の本業はやりやすくなるはずです。本来、国債や日銀当座預金を運用などは銀行にとっては本命ではなく、副業のようなものであるはずです。

怠惰な銀行はそのこともあま理解していないようです。そもそも、私自身以前メガバンクの幹部と話をしていて、その人物が金融政策と雇用の関係を理解していないことに気づき、かなり驚いたことがあります。ちなみに、その幹部は増税も必要と考えていて二度びっくりしました。

このようなことですから、怠惰な銀行の多くは、目先ばかりを考えてはやくマイナス金利を終わらせて、国債や日銀当座預金を運用して儲けたいと考えているのかもしれませんが、「ちょっと待て」と言いたいです。その儲け方は、あくまでデフレの時の儲け方であると・・・・・・。

本来デフレでなければ、まともな銀行はもっと金を貸してまともに儲けられたはずだと・・・・。であれば、デフレから完全脱却するための金融緩和に対して反対するようなことはやめるべきどころか、強力にさらなる量的緩和を実施すべことを主張すべきです。さらには、増税にも大反対すべきです。

でも、やはり今の一部の怠惰な銀行は、今でも本来の使命を忘れてどこまでも国債や日銀当座預金で儲けたいと考えるようになってしまったのでしょうか。そんな考えに支配されているような銀行なら、もうおしまいです。潰れてしまえと言いたいです。

さらに、日銀に対しては、金融政策基本フレームをしっかりと銀行や市場関係者に説明したうえで、さらなる量的緩和を実施、政府に対して増税をやめるべきことも主張して、はやくデフレから完全脱却することを宣言すべきです。そうして、実行すべきです。

そうして、いつまでも国債、日銀当座預金で儲けたい銀行などは冷酷に切り捨てるべきです。そんな銀行は、本来は日銀にとっても邪魔なはずです。

こんなことを言うと、冷酷なように思われるかもしれませんが、これは普通の企業を思い浮かべていただければ、良くわかると思います。

自動車メーカーが自動車の製造などの本業はあまりやらないで、国債や日銀当座預金で儲けて本業をおろそかにしているとしたらどう考えるでしょうか。そんな自動車メーカーは潰れるほかないのです。銀行とて例外ではないです。

今までの日本は銀行にあまりにも甘すぎ、一般国民や民間企業に過剰に厳しすぎたと思います。欧米なみにしばかないと、怠惰な銀行はまともになりません。日銀は、日本や日本人のために存在するのであって、銀行のために存在しているわけではないことを強く認識していただきたいものです。

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2018年6月18日月曜日

活断層集中、浅い直下型…大阪北部地震に専門家「いつ起きてもおかしくなかった」―【私の論評】市場で国債が品薄の現在は震災対応長期国債を大量に発行し、耐震対策をしっかりすべき時(゚д゚)!

活断層集中、浅い直下型…大阪北部地震に専門家「いつ起きてもおかしくなかった」

倒壊した大阪府高槻市立寿栄小の壁=18日午前10時56分

 18日朝に大阪府北部で震度6弱を観測した地震は、浅い地下で起きた「直下型」の地震だ。周辺には活断層が集中し、専門家は「いつ大きな地震が起きてもおかしくなかった」と口をそろえる。歴史時代に大地震が起きた活断層や平成7年の阪神大震災との関係、さらに大きな地震が起きる危険を指摘する意見も出ている。

 震源付近には大阪府内を南北に走る断層帯や、兵庫県から大阪府へ東西に走る断層帯が集まる。

 気象庁は、安土桃山時代の1596年にマグニチュード(M)7・5の「慶長伏見地震」が起きたことで知られる「有馬-高槻断層帯」が関与する可能性を指摘する。データ解析からは、今回は断層が上下にずれる「逆断層」の可能性が考えられる。有馬-高槻断層帯は水平方向にずれる「横ずれ」の傾向が高いが、上下のずれも含まれることがあるという。

 地殻のひずみを研究する西村卓也京都大准教授(測地学)は、阪神大震災を起こした「六甲・淡路島断層帯」の東端で起きた可能性を指摘。「95年の地震によって周辺にひずみがたまり、それによって起きた余震かもしれない」と話す。

 また、有馬-高槻断層帯は、近年の観測で地下にひずみが集中していると分かっていて、いつ地震が起きてもおかしくない場所という。

今回の地震の震源地と断層帯

 活断層が専門の鈴木康弘名古屋大教授(変動地形学)も、有馬-高槻断層帯の関与を疑う。「震源が浅かったので局地的に強く揺れたのだろう。阪神大震災からは20年以上経過しているが、影響は残っていたのかもしれない」とする。

 大阪府茨木市に住む岡田篤正京都大名誉教授(変動地形学)は「いきなり地震が起きて食器が飛び出して壊れた。直下型で、すぐ近くで起こったと分かった」と語る。

 岡田名誉教授によると、大阪北部では小さい地震は起こっていたが「阪神大震災以来の大きな揺れだった」という。有馬-高槻断層帯が部分的にずれた可能性があるとみている。

 大阪市の真下を南北に走る「上町断層帯」が関係しているかもしれないと分析するのは、遠田晋次東北大教授(地震地質学)。活断層では繰り返し地震が起きるが、上町断層帯では1万年以上活動しておらず、危険な活断層として注目され、調査や研究が進んでいるという。上町断層帯が地下で東に傾斜し、震源地付近につながっている可能性もあるとしている。

【私の論評】市場で国債が品薄の現在は震災対応長期国債を大量に発行し、耐震対策をしっかりすべき時(゚д゚)!

地震に関しては、私は専門家ではないので、この記事の冒頭の記事に何も付け足すことや、解説することもありません。

私としては、これに対する備えてについて掲載したいと思います。備えといっても、地震の予知とか、耐震に関する事柄、地震が起こった場合の退避方法などについても専門家ではないので、このあたりは、他のニュースソースにあたっていただきたいと思います。

それにしても、これだけ危険が目の前にあるということがはっきりわかっているというのなら、震災対応国債を大量発行して耐震対策してリスクに備えるべきでしょう。現状は、ゼロ、マイナス金利であり、なおかつ国債が品不足な状況ではなおさらです。

実際最近の、債券市場では、長期金利の代表的な指標になる国債の取り引きが成立しない日が相次いでいます。日銀が、大規模な金融緩和の一環として、大量の国債を買い入れた結果、いわば品薄になっているためで、専門家からは市場の機能の低下に懸念の声も上がっています。

国内の債券市場では、今月11日と13日に長期金利の代表的な指標になる償還までの期間が10年の国債の売買が一日中成立せず、値がつきませんでした。

国債の取り引きを仲介する「日本相互証券」によりますと、取り引きが成立しない日は、去年は1年間で2日でしたが、ことしはすでに5日と2倍以上に増えています。

これは、日銀が5年前から続けている大規模緩和の一環で大量の国債を買い入れてきた結果、市場で取り引きされる国債が大きく減っていわば品薄になっているためです。

今の金融緩和策は当面続く見通しで、取り引きが成立しない日は今後も増えるとみられています。

専門家からは「長期金利は国の財政の信用力を見るうえでも重要な指標で、取り引きが低調になると、財政悪化に対する市場の懸念が見逃されるリスクも出てくる」として、市場の機能の低下に懸念の声も出ています。まさに、現状は、地震の復興などとは別に国債を大量に刷り増すべきときなのです。

私は、経済の専門家ではないのですが、以上のようなことは専門家ではない私でも十分に理解できます。現在は、国債を大量に発行して将来投資(震災対策など)をすすべきなのです。これは、別に高度な経済な知識がなくても十分に理解できます。

しかし、こんなことを言うと赤字国債発行は絶対駄目とか、国債は将来世代へつけを回すことになるなどという、とんでも理論を言い出す馬鹿者共が大勢湧いてくるので困ってしまいます。

挙句の果てに、震災対応は税金で賄うべきなどという、経済的には明らかに間違いであることを平気で語る財務官僚、政治家、マスコミ、いわゆる経済専門家まででてきそうで本当に頭が痛いです。そうして、そのようなことは過去に事例があります。

これについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
震災7年でも徴収される「復興増税」のおかしさに気づいてますか―【私の論評】公文書書き換え以前にも、復興税、消費税の目的税化で嘘をついていた財務省(゚д゚)!

皆さんも皆さんの給与明細などをご覧になれば、復興税が未だに徴収されていることがわかると思います。この記事の中から、震災などの大規模な自然災害などの復興には、増税ではなく国債などを発行すべきであるその理由を掲載した部分を引用します。
「経済理論では、数百年に一度レベルの震災に際しては、たとえば100年など超長期の復興債を発行すれば、経済に対する悪影響を最小限に抑えることができる。この手法を取らなかった日本経済は、大災害と増税というダブルパンチを受けてきたといえる」ということになるのは、最初からわかりきっているのに、(復興税が)導入され、しかもそれが未だに続いているということです。 
そもそも、地震などの大災害では、「ガレキなどの処分」とか「すぐに必要な仮設」等の費用と、「学校や橋、水道・電気など数十年以上も使うインフラ」の費用がかかりますが、これらのうちほとんどは、被災した世代だけではなく、その後の世代も使いその便益を享受ものです。 
だから、復興を税で賄うなどのことをしてしまえば、被災した世代だけが負担をすることになってしまい、世代間で不公平が生じてしまいます。 
だからこそ、100年など超長期の復興債を発行したり、60年などの建設国債などを発行して、世代間の不公平をなくすのです。 
しかし、なぜか現在では、国債を発行することは将来世代につけをまわすことなどとされてしまい、国債を発行することが悪いことのように言われています。これは、全く逆の話です。そのようなことを言う人は、そもそも国債がなんのためにあるのか、全く理解していません。 
特に東日本大震災のような規模の大きな災害の場合は、古今東西どこでも復興を税で賄うなどという話は聴いたことがありません。日本の過去の関東大震災のときもそうですし、諸外国でも全く例がありません。日本の復興税だけが、全く例をみない特異な事例です。
この異常な復興税に賛同した馬鹿な経済学者どものリストのリンクを以下に掲載します。


リストのトップに掲載されている伊藤 隆敏東京大学名誉教授

このリストをみて驚くのは、いわゆる東大を頂点とする、日本の主流派の経済学者のリストと重なるということです。

このリストは、ほとんどそのまま、8%の消費税増税に賛同した者と重なります。彼らは、デフレから完璧に抜けきっていない状態で消費税増税をしても日本経済への影響は軽微としていました。その彼らだからこそ、まともな経済理論など無視して、復興税にも賛同するというとんでもないことをしでかしたのです。

これについて、現在の官邸はそこそこ理解しているようではありますが、安倍総理以降の総理大臣候補と目される人々はほとんど理解していないようで絶望的です。

かといって、野党の連中は、かつて民主党の議員であった、馬淵氏や金子洋一氏などは例外中の例外として、全く経済のことには疎く、無論、税金や国債のことなど誰一人知らないといっても良いくらいです。

少なくとも、政治家は難しいマクロ経済理論など理解しなくても、少なくとも税金とか国債のその基本や基礎は理解すべきと思います。そんなこともしていないので、経済に関しては常識も働かないのだと思います。

【私の論評】
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2017年8月10日木曜日

安倍内閣内閣が問われる「20兆円財政出動」で物価目標2%達成―【私の論評】今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか?

安倍内閣内閣が問われる「20兆円財政出動」で物価目標2%達成
高橋洋一:嘉悦大学教授

 秋の臨時国会では補正予算が提出される。政府が掲げる「2%物価目標」を実現するには、その規模はどの程度が適切なのだろうか。

 そのカギを握るのが、「GDPギャップ」である。それを埋めるには25兆円程度の有効需要を上乗せすればよく、いまの国債市場の玉不足を考えれば、国債増発による財政出動は正当化される。

 インフレ目標の達成に経済政策の余地はある

「GDPギャップ」は、実際のGDP(国民総生産)と潜在GDPの差の、潜在GDPに対する比率と定義されている。

 問題なのは、潜在GDPである。一般的には、経済の過去のトレンドから見て平均的な水準で、資本や労働力などの生産要素を投入した時に実現可能なGDPとされているが、GDPギャップの大きさについては、前提となるデータや推計方法によって結果が大きく異なるため、相当の幅をもって見る必要がある。

 このことはGDPを推計している内閣府や日銀でも注意事項として認識はされている。

 内閣府は最近、GDPギャップの推計方法を若干、改訂した。その値は2017年1-3月期では+0.1%としている。もっとも、この結果をもって、GDPギャップがないから既に完全雇用だ、経済対策は必要ないと早合点はできない。内閣府の潜在GDPは必ずしも完全雇用を意味していないのだ。

 その理由を簡単に言えば、まだインフレ率は上がっていない以上、まだ失業率は下がる余地があり、インフレ目標達成とさらなる失業率の低下のために、経済対策の余地はあるということだ。

 日銀の算出しているGDPギャップについても、内閣府と似た傾向になっており、注意が必要だ。いずれにしても、内閣府と日銀によるGDPギャップの絶対的な水準をそのまま鵜呑みにしないほうがいい。

 ただしGDPギャップについては、その絶対的な水準ではなく、その変化はおおいに参考になる。内閣府のデータは公表されているので、それを活用してみよう。

 2%の物価上昇には25兆円の有効需要が必要

 まず、失業率とインフレ率の関係(フィリップス曲線)を整理しておこう。

 それを子細に見ていくと、ちょっと違った姿が見える。

 失業率とインフレ率は、逆相関になっているが、実は、両者の間を、GDPギャップが介在している。

 例えば、GDPギャップがマイナスで大きいと物価が下がり、失業率が大きくなる。逆にGDPギャップがプラスで大きいと物価が上がり、失業率が小さくなる。

 下の図1は、2000年以降四半期ベースで見たGDPギャップとインフレ率の関係である。左軸にGDPギャップ率、右軸にインフレ率(消費者物価総合対前年比)をとっている。GDPギャップは半年後(2四半期後)のインフレ率とかなりの相関関係がある。

◆図表1:GDPギャップ率とインフレ率(半年後)
 ここで、GDPギャップとインフレ率の関係から、「2%インフレ」にするために必要なGDPギャップ水準を算出してみると、+4.5%程度である。

 それを埋め合わせるためには、有効需要25兆円程度が必要になる。1単位の財政出動による需要創出効果を示す財政乗数が、内閣府のいう1.2程度としても、この有効需要を作るための財政出動は20兆円程度である。

 財政出動で構造失業率2%程度まで下げられる

 また、この財政出動はGDPギャップを縮小させるので、インフレ率の上昇とともに、これ以上、下げられない「構造失業率」までは失業率の低下をもたらすはずだ、

 下の図2は、2000年以降の、四半期ベースで見たGDPギャップと失業率の関係である。左軸にGDPギャップ率、右軸に失業率をとっている。図をわかりやすくするために、左軸は反転させて表示しているが、GDPギャップはやはり半年後(2四半期後)の失業率とも、かなりの逆相関関係がある。

◆図表2:GDPギャップ率と失業率(半年後)
 GDPギャップと失業率の関係式から見た、GDPギャップ+4.5%程度に対応する失業率は2.7%程度である。

 ここで、筆者が、2016年5月19日付けの本コラム(「日銀の「失業率の下限」に対する見方は正しいか」)で書いたことを参照してもらいたい。

 その構造失業率の推計値は、同じく2.7%である。もちろん、経済学は精密科学ではないので、2.7%ピッタリということではなく、2%半ばという程度である。

 ただし、2016年5月の本コラムでは、UV分析を用いている。、構造失業率の推計方法には、UV分析とフィリップス曲線による分析(特にNAIRU[インフレを加速させない失業率]の推計)がある。

 今回のコラムは、フィリップス曲線による分析と本質的に同じだが、いずれにしても、二つの異なる分析によっても、日本の構造失業率が2%半ばと同じになっているのは興味深いことだ。

 数学の証明問題では、二つ以上の方法により証明すると、その命題はより正しいとされるが、経済学でも別の二つの方法で同じ結果であれば、よりもっともらしいといえるだろう。

 以上の分析を総合すると、構造失業率は2%半ば程度であろうとともに、それに対応するインフレ率はインフレ目標の2%である。

 であれば、有効需要25兆円、財政出動に換算して20兆円規模を求めることは、インフレ目標2%を達成し、同時にこれ以上下げられない構造失業率2%半ばを達成することになる。つまり適度なインフレの下で、回避できない失業を除いて人々に完全雇用を実現する合理的な政策である。

 国債は玉不足増発も正当化される

 ただし、財政出動しても、その効果がただちに発揮されずに、実体経済への影響が出た後、インフレ率と失業率に波及するには時間差がある。

 もっとも、インフレ率も失業率もともに、GDPギャップから半年程度のラグなので、インフレ率がまだ2%に達しないようであれば、金融緩和しても実害はあまりない。

 急激にインフレ率が高くなることを心配する向きもあるが、物価が上がるとしても1年以内にインフレ率5%ということはほとんど考えられない。5%のみならず、一桁インフレであっても、その社会的コストは大きいとはいえないので、今のような状況ではインフレを過度におそれる心配はないだろう。

 いずれにしても、内閣府や日銀が示しているGDPギャップは、完全雇用とインフレ目標達成の観点から見ると、“過大評価”の数字である。筆者の分析では、たとえGDPギャップがプラスになっても、そう簡単にはインフレ率は上昇しないし、インフレを過度に心配すべきでないことをデータが示している。

 これに対して、そうした過大な財政出動は財源の裏付けが必要であり、国債発行では財政再建に反するという、いつもの財務省の声が聞こえて来そうだ。

 だが、その心配が無用であることは、2月23日付け本コラム(「日本の財政再建は「統合政府」で見ればもう達成されている」)などで何度も繰り返して述べている。

 むしろ問題は、現在の国債市場において、国債の玉不足になっており、日本銀行の「異次元緩和」にも支障が生じている事態であることも付け加えておこう。そうした観点から、国債発行による財政出動も正当化できる。

 こうしたまともな政策を安倍政権が実施できるかどうか、内閣改造の真価が問われている。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)

【私の論評】今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか? 

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は2つの計算方式で計算した結果日本の構造失業率の推計値は、同じく2.7%としています。

私は、過去の統計値からこのくらいではないかと思っています。それについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

日銀 大規模な金融緩和策 維持を決定―【私の論評】日銀は批判を恐れずなるべくはやく追加金融緩和を実行せよ(゚д゚)!


この記事は、2016年6月16日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとしして、以下にこの記事から、構造失業率に関する部分のみを引用します。

"

構造的失業率などについて以下に簡単に解説しておきます。

総務省では、失業を発生原因によって、「需要不足失業」、「構造的失業」、「摩擦的失業」の3つに分類しています。 
  • 需要不足失業―景気後退期に労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業 
  • 構造的失業―企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢)などが異なることにより生じる失業 
  • 摩擦的失業―企業と求職者の互いの情報が不完全であるため、両者が相手を探すのに時間がかかることによる失業(一時的に発生する失業)
日銀は、構造失業率が3%台前半で、直近の完全失業率(4月時点で3・2%)から下がらないので、これ以上金融緩和の必要がないという考えが主流のようです。

過去の失業率をみてみると、以下のような状況です。

過去20年近くは、デフレなどの影響があったので、あまり参考にならないと思ういます。それより前の過去の失業率をみると、最低では2%程度のときもありました。過去の日本では、3%を超えると失業率が高くなったとみられていました。

このことを考えると、日本の構造失業率は3%を切る2.7%程度ではないかと考えられます。

であるとすれば、現在の完全失業率3.2%ですから、まだ失業率は下げられると考えます。だとすれば、さらに金融緩和をすべきでした。

しかし、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、すでに実際の失業率が構造失業率に近い水準まで下がっているのに、なぜ賃金が上昇しないのか、疑問を持っていたようです。にもかかわらず、今回は追加金融緩和を見送ってしまいました。
"
この長期のグラフをみても、日本の構造的失業率はどうみても2%台であることは間違いないです。

ただこの数値自体には私自身は、それほどこだわっていません。これは、政策判断するときのひとつの目安にしかすぎないものです。ただいずれにせよ日銀の3%台との見方は高すぎです。

実際には構造的失業と思われていた部分でも循環的要因に反応するところがあります。そのため金融政策で考えたときは、やはり期待インフレ率と実際のインフレ率を目安にしなくてはいけないです。2.7%が真の構造的失業の水準か否かはそれで判断できます。

それにしても、物価目標も未だ達成できないのですから、これはどう考えてみても、未だ失業率は、構造的失業率には達していないとみるべきです。日銀は、すぐにでもさらなる量的緩和を実施すべきです。

次に、国債についてですが、日本銀行は今年の3月24日、約8年ぶりとなる国債売り現先オペを実施しました。大規模な国債買い入れを背景に深刻化している民間金融機関の国債保有不足を受けたもので、レポ市場で国債の貸し手が特に少なくなる年度末に対応した。短期国債買い入れオペも取りやめ、期末の短期金利は急上昇しましたた。

午前9時30分の金融調節で日銀は国債売り現先オペ1兆円を通知。国債を売却して一定期間後に買い戻す同オペには2兆601億円の応札があり、1兆2億円が落札された。按分レートはマイナス0.11%。応札する金融機関からの銘柄指定がない売り現先オペの実施は2008年11月28日以来となりました。今回の対象期間は年度末をまたぐ3月27日から4月3日までの1週間物でした。

日銀の大規模な国債買い入れによる金融緩和が続く中、今後は国債需要が強まる四半期末ごとにレポ市場での需給逼迫(ひっぱく)が強まる可能性があります。日銀は短国の買い入れを減らして流通量を増やしていますが、それでも国債が足りなかったのです。

このような状況では、本来は国がこの状況に対応するため、国債を刷り増すべきでした。政府(財務省)が本来すべき仕事をしなかったため、日銀はこのようなことをせざるを得なくなったのです。

まさに、高橋洋一氏が語っているように、「現在の国債市場において、国債の玉不足になっており、日本銀行の「異次元緩和」にも支障が生じている事態である」のです。

このようなときは、当然のことながら、国債を刷り増す必要があります。こんなことを言うと、自民党内部のたとえば小泉進次郎のような若手議員ですら、「国債は、将来世代へのつけ」などという、奇妙奇天烈、摩訶不思議な反論が出るかもしれません。

しかし現実に市場に流通している国債が少なくこのままでは金融緩和にも支障が出るほどなのですから、当然のことながら、国債発行による財政出動は正当化されるどころか、いままさに実行しなければならないはずのものなのです。

今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか? と言いたいです。

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やっぱり「教育の無償化」は、国債発行で賄うのが正解―【私の論評】国債の原理を理解できない進次郎は顔を洗って出直してこい(゚д゚)!


2017年5月1日月曜日

やっぱり「教育の無償化」は、国債発行で賄うのが正解―【私の論評】国債の原理を理解できない進次郎は顔を洗って出直してこい(゚д゚)!

やっぱり「教育の無償化」は、国債発行で賄うのが正解だ
  進次郎発言のズルいところ

教育無償化について、維新の党が「憲法を改正して実現させよう」と問題提起したら、自民党・公明党でも本格的な検討が行われるようになった。自民党内の動向はどうなのか。

3月29日、自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」(小泉進次郎小委員長代行、村井英樹事務局長)は、幼児教育無償化の財源を保険料で賄う「こども保険」を提唱した。さすがの小泉進次郎氏、発信力は大きく、これは多方面で話題になった。

この問題は、小泉氏も含めた教育再生本部の「恒久的な教育財源確保に関する特命チーム」で検討されることとなっている。

確かに小泉氏の発信力はたいしたものであるが、「保険」というのは詐称に近い話だ。政治家たるもの、言葉をもっと大切にしたほうがいい。学生時代に「保険数理」を勉強した筆者からみれば、これは保険でないものを保険といっているようにしか見えないのだ。

まず「保険」の意味をはっきりさせよう。

保険とは、偶然に発生する事象(保険事故)に備えるために多数の者が保険料を出し、事象が発生した者に保険金を給付するものだ。

さて、自民党若手が提唱した「こども保険」であるが、こどもの保育・教育のためなので、この場合の偶発事象(保険事故)はこどもが生まれること、になるだろう。公的年金の加入者、つまり20歳から60歳までの現役世代の人がこの保険に加入し、子育てする人が保険給付を受け取る仕組みになるだろう。

となると、矛盾が出てくる。子育ての終わった現役世代の人には、偶発事象がまず起こりえない。これらの人は「こども保険」に入るメリットはなく、保険料を取られるだけになってしまう。

すると、被保険者はこれから子育てをする若い人にならざるを得ない。しかし、それでは保険にならない。一般的に、若い人の多くがこどもを持つからだ。仮に、そういう保険を作ると、こどものいない人に大きな保険料負担を強いることになってしまう。

本音を言えば子育て支援について税金を財源にしたいが、税金では世間の反発が起こるので、「保険料」に名前を変えて国民から徴収しよう…そういう意図があるのだろうが、バレバレである。

おそらく「保険」という名称にしたのは、日本人の保険好きを悪用したのだろう。これまでの保険会社の営業努力の賜物であるが、保険契約額対国民所得比をみると、日本は2倍程度であり、先進国の5倍程度と比べるとかなり大きく、日本人の保険好きは国民性なのだ。

では、保険という名称ではなく、「こども税」ならどうか。これは政策論としてはありえる。ただし、筆者の提唱する「教育国債」との比較で、どちらがいいかを有権者がしっかり見定める必要があろう。

  「未来への投資が大事」というなら…

新聞などでは「教育国債」という言葉自体はよく出てくるが、まとまった考察は筆者くらいしか書いていないようだ。本コラムの読者であれば、2016年10月10日付け「日本がノーベル賞常連国であり続けるには、この秘策を使うしかない!」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49906)を覚えているだろう。

そこでは、「知識に投資することは、常に最大の利益をもたらす(An investment in knowledge always pays the best interest.)」というベンジャミン・フランクリンの名言を引用しながら、教育を投資として捉えると、社会的な便益もコストより高いことを紹介し、そうであるなら、国債で教育の財源を賄うのがいいと書いた。

実は、この考え方が以前から財務省の中にも存在していたことをバラしてしまったコラムでもあった。

簡単にいえば、有形資産も無形資産も、経済発展のためには欠くことができないものだ。しかし、今の財政法では有形資産の場合にしか国債発行を認めていない。政治的な議論をするのであれば、この財政法を改正して、無形資産の場合にも国債発行を認めるべき、というわけだ。

しかも、統合政府の考え方を用いれば、日本の財政再建はほぼ終了という段階であり、国債発行を気にする状況でない(この統合政府の考え方は、先日ノーベル賞学者のスティグリッツ氏が来日して経済財政諮問会議の場で安倍首相の前で披露しており、筆者の思いつきではなく、世界の常識であることが明らかだろう)。

いずれにしても有形資産と無形資産を差別するなというのは、強力な正論である。財務官僚は「無形資産はうまく計れない」などという小言を言うが、後に述べるように、教育の投資効果はかなり大きく、有形資産を凌駕するので、あまり細かいことを考えなくてもいい。

財務官僚は、官僚社会で裁量的に自分たちに都合良く振る舞いたい。これは、本コラムで指摘してきた森友学園問題の本質を見てもわかるだろう。

その財務官僚がもっとも嫌うことは、「財政法」の改正である。ここだけは、政治家には決してふれられたくない世界なのだ。もちろん、政治家はローメーカー(lawmaker)であるが、そんな建前はお構いなく、立法も事実上支配したいといのが官僚社会の本質である。

ただし、政治はそれではダメだ。しっかりと未来をみて、必要な法改正を行うべきである。

以下では、無形資産を有形資産と差別せずに同じように扱うべきという単純な正論以外にも、教育を「良質な投資」と考えるべき理由を挙げよう。

幸いにも、安倍政権は、未来投資が重要だという立場をとっている。であれば、教育を未来投資と捉えなかったら、画竜点睛を欠く議論になってしまう。

  将来への付け回し」では断じてない

OECD(経済協力開発機構)では、いろいな教育に関するデータを国際比較の形で毎年公表している(Education at a Glance 2016 http://www.oecd-ilibrary.org/education/education-at-a-glance_19991487)。

その中で、先進国における高等教育投資の便益とコストを私的・公的に算出したものがある。私的な便益は、高等教育を受けると所得が高くなることなどである。公的な便益は高くなった所得から得られる税収増などが基となる。

私的な便益コスト比(B/C)と公的な便益コスト比をみると、ほとんどの国で私的B/Cのほうが公的B/Cより大きい。ところが、一国だけまったく逆に、私的B/Cよりはるかに公的B/Cのほうが大きい国がある。それが日本だ。




これほど、公的B/Cが大きいのであれば、日本は高等教育に公的資金をどんどん投入すべきである。

なぜ、日本だけが公的B/Cが大きいのであろうか。それは、日本の高等教育における公費負担が少ないからである。公的負担が少ないので、その便益は限界効用が低減する前であり、便益が大きいのだ。

ちなみに、初等中等教育では日本は他の先進国と比べて遜色ない公費負担になっているが、高等教育ではかなり低くなっているのだ。

公的資金投入にあたって、なにを財源にすればいいのか。


もちろん、税を財源としてもいい。しかし、将来への投資であり、社会的なリターンが期待できる場合には、便益が及ぶ将来にわたって税財源を均等化できる国債発行が理にかなっている。ここで、税財源に頼るのは、東日本大震災で復興財源を復興税に依存したような経済理論の誤りである。

国債発行というと、すぐに「将来へのつけ回し」「財源の先送り」という議論が出てくる。しかし、これは、経常経費と投資性経費を混同したものであり、投資性経費であれば、国債発行のほうが合理的である。潔いのはどっちだ?

実際、世界をみれば、教育を投資として捉えて、国債発行で財源を賄った例がある。この点、大災害の時に復興を増税で賄った例は、筆者の知るところではない。先例がないことがいかにデタラメであるか、先例のあることには一定の合理性があると思っていいだろう。

教育投資のための国債発行では、フランスの「サルコジ国債」が有名である。

2009年6月、サルコジ大統領は、両院(上院:元老院、下院:国民議会)合同議会において、大規模な特別国債の発行を発表した。

演説の中で大統領は、

「国土整備や教育、研究、技術革新など、我々の未来にとって極めて重要な分野が多くあり、年間予算の厳しい枠組みの中では対応できない。我々がやり方を変えない限り、優先課題を掲げるだけで実現できない状態が続く。私は投資を犠牲にしない。投資なくして未来はない」

と述べ、未来への投資のための国債発行の重要性を強調した。

まさに、安倍政権の未来投資と同じものだ。

サルコジ大統領の意向は、未来のための投資プログラム(Programme d’investissements d’Avenir:PIA)とされ、5つの優先分野(①高等教育:110億ユーロ、②研究:79億ユーロ、③産業・中小企業:65億ユーロ、④持続的な発展:51億ユーロ、⑤IT:45億ユーロ)を対象として投資することとなった。通常の予算とは別途管理し、未来のための投資プログラム委員長を任命し、実施等をフォローされている。

教育国債は決して奇策ではなく、未来投資のための王道である。しかも、今の日本は、統合政府で見れば財政再建が終了したようなものである……ということは、裏返せば、マーケットでは国債不足になっているともいえる。

そのため、先日、日銀は買いオペではなく売りオペをせざるを得なくなった。東京市場をまともな金融市場とするためにも、一定量の国債は必要である。その意味からも、教育国債が望まれる。

教育国債を否定する人は、「負担の先送りになる」というが、逆に言えば税財源で行うことは親の世代にせびっているようなものだ。

教育国債は出世払いであり、後で働いて返すという方が潔い。これは受益者負担原則にもかなっている話でもあるのだ。

【私の論評】国債の原理を理解できない進次郎は顔を洗って出直してこい(゚д゚)!

さて、上の記事で教育国債について述べていましたが、そもそも小泉進次郎氏などは国債そのものに対する考え方が完璧に間違えているようです。以下に、国債について掲載します。

国債の発行は、そもそも国民の資産を増やします。現在のように不況ゆえに金融緩和を行っている状態では、金利も上がらないのでクラウディングアウト(民間投資の追出し効果)も起こりません。

国債の発行については、財政法4条により厳しい制限が課せられています。現在の財務省が「財政法四条は、負担の世代間公平という考え方に立って公共事業費等に限って公債発行又は借入れを認めるという形で健全財政の原則を定めたものと解される」と、国債の発行は世代間の不公平に繋がると考えていることは明らかです。

(小村武「予算と財政法」(新日本法規出版、初版昭和62年(1987年)、四訂版平成20年(2008年))

しかし、そもそもこの考え方そのものが大きな間違いです。

財政法の立法当時の議論に戻れば、同時に、世界恐慌後の1930年代の北欧の財政論を参考にして、不況期には積極財政を採るべきであるという趣旨も含まれていたことが分かってきました。

さて、ここで話を本筋に戻します。小泉進次郎氏らの主張は、教育の無償化などは、国債ではなく「こども保険」はっきり言ってしまえば、実質上の増税によって賄うべきだというものです。

小泉進次郎
「教育無償化の原資は当代から徴収し、国債は次世代から徴収す構図に見える。年金も減額される中で、次世代はどんな負担を強いられるのか?」というものです。この主張は、財務省が唱える、世代間の公平の観点から、基礎的財政収支を均衡させるべきという原則に基づいた主張です。

しかし、そもそも、本当に基礎的財政収支を均衡させることが、本当に世代間の公平に繋がるのでしょうか。結論からいうと繋がりません。

むしろ、誕生期から成人期にかけて人材育成にしっかりと国が投資をすることによって、国力を増大させていくということが投資対効果という意味で適切です。また、人の能力を引き出させるような機会を提供した上で、インフレとなり金利が上がるような経済状況の好転が実現した時に、増税をすれば、増税される世代は、過去の投資の結果によって生じた担税力で担税するので、こちらの方が公平です。

日本が仮に対外純負債国、経常収支も赤字という国であれば、「世代間の公平の観点から、基礎的財政収支を均衡させるべき」という原則はある程度は妥当であると考えられます。(この場合も、原則であって米国・英国などの例外はあります)

しかし、日本は対外純債権国、経常黒字国です。国債を発行しても、自国内で消化できますし、そもそも自国通貨建てなので対外的に取り立てにあうこともありません。さらに、ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏が主張しているように、統合政府府の考え方(政府と日銀の連結決算の考え方)を用いれば、日本の財政再建はほぼ終了という段階であり、国債発行を気にする状況ではありません。

日本は過去においては増税と、金融引締めなどによってデフレが続いていました。現在でも、増税の悪影響があり、デフレ一歩手前の状況にあると言っても良い状況です。そんな国では、金融緩和と、財政出動を大規模に継続的に行って初めて、経済状況を好転させ、デフレから脱却することができます。

つまり、多額の国債発行→財政拡張政策→経済状況の好転→資金需要の増加→金利の上昇という順番となります。国債償還時に得た資金が民間投資へ回るような状況になるということは、景気が良くなっているということなので、将来世代にとっても良いことになります。

また、現在の政府支出の構造が、子ども手当や高校無償化など、次の世代が競争力を持つ分野に力を入れている点が、世代間の公平性を議論する上で、更に重要な要素となります。

今まで、国債を発行して未来への投資をするということは、建設国債を発行して公共事業を行うということしかないと考えられてきました。しかし、この考え方は、ハードウェア中心の投資の考え方、分類すれば「産業革命期末期」の考え方だと言えます。

現在は、コンピュータの発明と電気通信網の整備により、情報通信革命期(IT革命期・ICT革命期)の初期にあります。投資については、人間の能力にどれだけ投資するかが国家の帰趨を決めるような時代になっています。

国債を発行して「人への投資」を行うことは、日本の経済力を更に拡大し、相対的な通貨の価値を維持することができるので、更に国債を発行する余力を持つことができるようになることに繋がります。


財務省の頭の中、もしくは政治家などを説得するためのご説明資料の中には、上記のような構図があるのでしょう。そうして、無論小泉進次郎氏の頭の中にも・・・・。しかし、結局のところ国債を発行せずに、実質上の増税で教育の無償化をしてしまえば、現代世代と将来世代の格差ならびに現在世代内の格差の両方をさら助長してしまうことになります。

今度は、逆に人への投資をしないとどうなるのか、という観点で見ていくことにしましょう。

同じ様なことは、クルーグマンが「さっさと不況を終わらせろ」でも述べていたことですが、大切なことなので、私の言葉で書かせていただきます。

最近では、ある程度緩和されてきましたが、わずか数年前までは、皆様の周りにも、大学院に行っても就職先がないというような人がいらっしゃったと思います。また、二十代、三十代に正規社員として仕事につくことができず、「安定したところでしっかりと働くゆえに自分の成長に取り組める場」を持てない若者も大勢いました。二十代、三十代にきちんとした成長を遂げなければ、四十代、五十代の働き盛りの時に、高い生産性を持つことはできません。

そのため、若年期には、できれば完全雇用が達成できるようになるくらい、仕事を提供することが必要です。それには、雇用状況が良くなるようにに、金融緩和策をとり、さらに経済状況が好転するように持っていく経済政策や社会保障の分野等で公的雇用を増やす政策が必要になります。それゆえ、若者の雇用状況を改善できるような経済状態になるまでは、公平の観点から見ても国債の発行を行い、政府支出を拡張することは正当性があるわけです。

そうして、このようにして育てられた若年層は将来大きく花を咲かせ、投資した分よりもさらに大きな富を将来の日本にもたらしてくれることになるのです。

国債の原理を理解しない小泉進次郎氏には顔を洗って出直してこいと言いたいです。

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2014年10月25日土曜日

国債入札、初のマイナス金利…買い注文殺到で―【私の論評】あれ?再増税しないと国債が暴落するではなかったのですか?国債のマイナス金利とは政府の借金ですか!そんな虚妄等をいう連中に再増税など推進されてはたまったものではない(゚д゚)!

国債入札、初のマイナス金利…買い注文殺到で

日本国債の見本

 財務省が23日に行った短期国債の入札で、金融機関などからの買いが殺到し、本来はプラスであるはずの平均利回りが年率換算でマイナス0・0037%となった。

 国債入札でマイナス金利になるのは初めてだ。

 国債は国が借金をする際に発行する証文だ。普通、お金を貸す人が利子を受け取るものだが、国にお金を貸す金融機関がさらに国に利子も払うという異例の事態になった。

 この日行われた入札は、満期までの償還期間が3か月の短期国債「国庫短期証券」で、金融機関などの希望額は52兆1052億円まで膨らんだ。財務省は5兆2576億8000万円の発行を決めた。

 短期国債は償還期間が1年までの国債で、国が一時的な資金不足を補うため、金融機関などに向けて発行する。通常は、金融機関の国債の購入額(金融機関が国に貸す額)よりも、満期時に国が金融機関に返済する額の方が大きいため、金融機関は満期時に差額分のもうけを得られる。

 しかし、今回は国債の買い注文が殺到して競い合った結果、金融機関が国に貸す額がつり上がり、返済される額より大きくなった。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!


【私の論評】あれ?再増税しないと国債が暴落するではなかったのですか?国債のマイナス金利とは政府の借金ですか!そんな虚妄等をいう連中に再増税など推進されてはたまったものではない(゚д゚)!

あれっ(゚д゚)!確か、麻生財務大臣は、消費税の再増税をしないと、国債が暴落するとおっしゃってはいませんでしたか? それに、そういう論法で増税を是とする、識者の方々も大勢いらっしゃいませんでしたか?

麻生財務大臣は、9月に以下のような発言をしています。
消費増税先送り、国債売り浴びせられると対応困難=麻生財務相
予定通りに再増税すると9月12日のアジア欧州会議でも発言した麻生財務相
 [東京 29日 ロイター] - 麻生太郎財務相は29日夜のNHKの番組で、2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げについて、財務省としては、予定通り引き上げたいとの意向を示した。 
 一方で、再増税が見送られ、国債が売り浴びせられると対応は困難とも語り、先送りした場合の経済の混乱に警戒感を示した。 
 消費税率は予定通り引き上げたいとの方向かとの質問に、麻生財務相は「私どもとしては、そう思っている」と語った。 
 さらに財務相は「(予定通り)しないと、話が違うと国際社会から言われかねない」とし、「国際社会から話が違うと言われた時、日本国債が売り浴びせられると、その対応は難しい。黒田日銀総裁も言っていたが、私たちが最も恐れるところだ」と市場の反応に警戒感を示した。
それにしても、この発言もともとなにやら眉唾です。そもそも、日本国債のほとんどは、日本の機関投資家が購入しているもので、外国の機関投資家や、外国の個人の投資家が購入している例は少ないし、それにすべて円建てです。

以下に、日本の国債の保有者内訳をグラフ化2014年)(最新)したものを掲載します。

日本国政府)「これだけの金額を預かりました」として発行する借用証書が「国債」です。政府の財政、そして国そのものの信頼性に関わる重要な有価証券であることから、その発行総額は多くの経済面での分析に使われ、また格付けもなされ、為替や株式市場にまで影響を及ぼし得ます。

一方、国債は他の債券同様に、借り手にとっては債務ですが、貸し手においては債権であり資産に他なりません。貸し手と借り手、資産を検証する際の領域区分により、国債が持つ意味は大きな変化を示すことになります。今回は日本銀行(日銀)の公開データを基に、日本国政府が発行する国債の保有者区分をグラフ化し、現状を把握していくことにします。

日本国国債保有者別内訳(2014年Q2暫定・合計852.4兆円)

ここで、勘違いしてはならないのは、国と政府の区分です。国=政府ではありません。上のグラフでみると、おそらく社会保障基金というのが、国が持つ国債ということになります。社会保保障基金とは、社会全体あるいは大部分を対象として社会保障給付を行うことを目的としていること、加入が法律により義務付けられていること、資金が積立方式以外の方法で運営されていること、の条件を満たす組織を意味します。

中央政府及び地方政府とともに一般政府を構成しており、国の社会保険特別会計(厚生保険、国民年金、労働保険、船員保険)、共済組合(国家及び地方公務員共済組合等)、及び健康保険組合などがそれに該当します。これは、このような組合などの組織が国債を購入して、年金として被保険者らか集めた保険金を国債購入にあてて、運用しているということです。

それにしても、国債全体からみれば、わずかのものです。政府が発行した国債をこのような一派政府が購入している部分もありますが、ここれは全体から見れば7.9%に過ぎません。

さらに、注目していただきたいのは、海外の保有者は、4.1%に過ぎないということです。

これを、くだけた例えで表現すれば「日本家の家計には852万円の借金(負債)があります。しかしお隣さんから借りているのは35万円だけです(852.4×4.1%)。後は同居しているおじいちゃんや、自宅から職場に通っている息子たちから借りています」ということになります。

そして「日本家全体の」借金(負債)は、おじいちゃんや息子たちの立場から見れば「それぞれの債権(資産)」に他ならないわけです。

これは個人事業主なら、社長本人の資産を会社に貸し付けているようなもの。つまり日本政府が発行した国債のうち95.9%は、国内の民間・地方自治体などの資産ということでもあります。しかも、4.1%の外国人購入者の国債はすべて日本円建です。一方、「投信・証券など」の一部は海外のものも購入しているはずなので、実際には多少は海外の比率が高くなるかもしれませんが、それも全体からすれば、3.9%の一部ということで、これはもう、ほとんど誤差の範囲内といっても良いくらいものです。

国債の発行額だけを比較して、「国の借金は云々、国民一人当たり云々」「日本の財政はアルゼンチンやアイスランドのようにデフォルト直前だ」と危機感を必要以上にあおるのは、まったく筋違いといわざるをえません。特に国民一人当たりに換算すると、赤ん坊も含めて852万円もの借金があるという表現は全くの間違いです。

これを正しく言えば、国民一人当たりに換算すると、生まれた赤ん坊を含めて、国民一人に換算して、852万円もお金を貸し付けているとても豊な国であると言わなければなりません。何しろ、日本国民は、生まれ落ちた途端から、政府に対して一人当たりで、825万円ものお金を貸し付けているということで、日本の赤ちゃんはまさに、銀のスプーンを加えて生まれてきていると言っても過言ではありません。

欧米では大金持ちの言えに生まれた子供のことを銀のスプーンを
くわえて生まれてきた子供という。日本の赤ん坊は、生まれながらに
して、800万円以上のお金を政府に貸している計算になる。

ただし、多くの皆さんにはそのような感覚はないかもしれません。何しろ、多くの国民は、直接個人投資家として、国債を購入して運用しているわけではありません。しかし、多くの人は、金融機関にお金を預けたり、年金・保険などを支払っていますが、これらを取り扱う機関が、それを国債購入にあてているということで、間接的に購入しているだけで、自分のお金と国債との関係を実感できないわけです。

それに、特にデフレという異常現象の皺寄せが、多くの若者などに及んでいるため、豊さを実感できないばかりか、デフレの最中に、増税するという愚かなことをしてしまったため、ますます、その傾向が強まって、消費がガタ落ちになっているということも事実です。

無論、国家財政面だけ見れば、それだけの負債があり利子が発生し、財務を圧迫していることには違いありません。また、国内消費にも現状のデフレのままでは、限界があり、さらに発行額を積み増した場合、国内消費比率が減少していく可能性もあります。要は「危機意識を持つ必要はあるが、必要以上の動揺とそれに伴う誤判断は無意味どころか弊害でしかない」ということです。

それに、なぜこのように政府が、国民から借金をしなければならなくなったかといえば、その第一の原因はデフレです。深刻なデフレであるがゆえに、政府が多額の借金をしなければならなくなっているのです。

平たく言えば、そうしなけば、日本国の経済がまわっていかない状況になっているということです。日本では、デフレを解消すれば、国内消費が拡大して、政府がこれほどまでに借金をしなくても良い状況になります。

とはいいつつ、社会保障費など際限なく拡大していては、限界もあることも事実です。バランスをとりながら、財政を運用していく必要があるのも事実です。しかし、だからといって、財政破綻というのは単なる妄想にすぎません。

的確なバランス感覚に基づいた、財政運営が必要であることはいうまでもありません。いずれにせよ、日本国国債の利回りが(政府の負債が増加しても)なぜ低いままで推移しているのか、銀行がなぜ日本国国債を買っているのかあたりと合わせて、考える必要があります。そうして、それは結論から言えば、現在の日本はデフレという特殊な状況下にあることと、日本政府の信用は今でもかなり高いということです。これは、データからみれぱはっきりとわかります。

ちなみに過去データ分と合わせた経年グラフは次の通りです。

日本国国債保有者別内訳
現時点で時系列的に捕捉しているのは5四半期分のみですが、確実に「その他金融機関」のシェアが増加しています。この中身は、ほとんどが中央銀行、つまり日本銀行によるものです。昨年4月4日の金融政策決定会合で決定された量的・質的金融緩和政策(異次元緩和)で、国債購入を積極的に行った結果、シェアが増加しているということです。

また海外部門のシェアについては、「国債・財政投融資債」以外に「国庫短期証券」(償還期間が1年未満の短期債権)も含めて計算し直すと、合計額は1013.1兆円、海外比率は8.5%となります。

定義、解釈は人それぞれで、「国庫短期証券」を含めるか否かは判断が分かれるところだが(「事業債」「投資信託受益証券」すら含めるべきだとする意見もある)、念のためこちらについても簡易的ながら、海外投資家のシェア推移を確認しておきます。

日本国国債保有比率(「海外」部門、国債・財政投融資債以外に国庫短期証券も含めた場合)(金額:兆円)
こうみると、海外比率8%台になりますが、これを根拠に増税しないと、国債が売り浴びせられると、強弁するにしてもかなり無理があります。

なぜかといえば、日本の国債はすべて円建てだからです。円建てでも外国勢が購入するのは、それだけ日本政府に信用があるということです。

日本政府に信用がなければ、円建では買ってもらえません。この場合、多くはドル建てになるのが普通です。しかし、日本政府はすべて円建てで販売しています。

日本政府の信用がなければ、最初からドル建ての日本国債も発行するはずですが、そのようなものは発行されていません。

日本の財務省や財務大臣が何を言おうが、別に日本政府としては、海外から日本国債を購入してもらわなくても、何とでもできます。

そうして、それは、国債入札、初のマイナス金利という事態によって十分に証明されたものと思います。

なお、上のグラフと、解説の一部は、Garbage NEWS.comというサイトから、引用したものですが、グラフはそのままコピペしましたが、解説はかなり甘い部分があったと思いましたので、私がかなり付け加えました。

なお、国債暴落の妄想については、田村秀男氏も指摘しています。その記事のURLを以下に掲載します。
虚妄にすぎない日本国債暴落論
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事に掲載されていたグラフと一部のみ以下にコピペさせいただきます。

国債利回りは現象し続けている
日銀の異次元緩和で国債相場は上昇し、国債金利は下がり続けている。政府は、国債の利払い負担を減らせるので、金融緩和は大歓迎だ。しかし、日銀緩和だけでは市場に不安が残るので、消費税増税が欠かせないという論法である。
 財務官僚が事実上支配する内閣府は「中長期の経済財政に関する試算」(7月25日付)で経済成長率1に対する一般会計税収の伸び率(税収弾性値)を1とし、消費税率を継続的に引き上げないと財政赤字膨張に歯止めがかからないというシナリオを首相に提示した。
 ところが、これまでの実績では弾性値は3~4に達することが、内閣府の別の試算で証明されている。弾性値3とすれば、名目経済成長率2~3%を維持することで、財政均衡目標は達成できるのに、内閣府はそのデータを無視した。
 4月、消費税率8%を実施した結果、家計消費は戦後最大のレベルで落ち込んだ。脱デフレの希望は遠のきかねない。虚妄の国債暴落リスク論に、首相は二度とだまされないと信じたい。 
いずれにしても、再増税しないと、国債が暴落するなどということは詭弁にすぎず、それは、理論的にもそうであるし、このブログの冒頭の記事にもある、国債入札、初のマイナス金利という事実が、国債暴落の虚妄を見事に実証していると思います。

増税推進派、今回の国債金利のマイナスをどう説明するのか、それでも何か屁理屈をつけて、再増税すべきと言い張るのでしょうか。

もう日経新聞は、屁理屈をこねはじめています。日経のこのマイナス金利に関する記事を掲載します。
短期国債入札で初のマイナス金利 
この記事、完璧な間違いなので、ひよっとしたら削除されるかもしれないので、以下に日経のサイトの記事そのものを切り取り、そのままコピペさせていただきます。


この日経の記事完璧におかしいです。本来、政府が銀行に利子を払うべきものが、マイナス金利ですから、政府はわずかですが、お金を受け取るわけです。それがなぜ借金となるのか、理解できません。

お金を他者に貸して利子を払うのが普通ですが、マイナス金利ですから、利子を払うのではなく、マイナス利子分をお金を貸した人がもらうということであり、これは断じて借金ではありません。日経はもう経済に関しては、何もわからず、愚鈍新聞に成り果てたのでしょうか。

私は、以前このブログに日経新聞を読んでいると、日本経済がわからなくなるという旨の記事を何回か掲載してきましたが、これもそれを示す格好の事例になったと思います。

ちなみ、この同じニュースを毎日新聞では以下にように掲載しています。
国債:金利マイナス…財務省入札で初

 財務省が23日実施した短期国債の入札で、平均落札利回りが年マイナス0.0037%となり、日本の国債入札で初めてマイナス金利を付けた。政府が借金をする際に利子を支払うのではなく、逆に利益が生じる異常な状態を示す。背景には、異次元緩和を続ける日銀が市場から大量の国債を購入し、国債が品薄になっていることがある。
それにしても、いくら日銀が大量に国債を購入して、品薄になっているからといって、再増税をしなければ、国債が暴落して国際的信任がなくなるなどという話は金利マイナスという状況が発生した今日にわかには信じることはできません。

それにしても、財務相や政治家やマスコミなどもそのうち、マイナス金利で政府がその分を借金などと言い始めるでしょうか。これからも、マイナス金利が度々出るようになれば、そういうことを言い出すかもしれません。

ありそうで、怖いです。何しろ、前科がありますから。国債を国民の資産ではなく、国民の負債すなわち、国民の借金だなどと、真顔で言った財務大臣が過去にいました。

そんな連中に再増税など推進されてはたまったものではありません。

事実を無視して、そのようなことを言い張るというのなら、もうまともでありません。認知症の治療を受けてはいかがでしょうか。おそらく、もう治らないでしょうが・・・・。私は、もうそのレベルに近いと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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