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2016年1月5日火曜日

いまだはびこる国債暴落説と財務省の説明を妄信する人たち ―【私の論評】財政破綻などしないのは常識で理解できるのに、それができない馬鹿真面目共が多すぎ(゚д゚)!


財政破綻本は飽きられている?

 財政破綻や国債暴落を唱える論説はいまだに散見される。日本国債が今後暴落する懸念はあるのか、暴落論が十年一日のごとく語られる背景は何だろうか。

 2014年9月の本コラムで「財政破綻後の日本」をテーマした研究会が東大に実在することを書いた。その東大研究会の代表は、井堀利宏氏(東大大学院教授)、貝塚啓明氏(東大名誉教授)、三輪芳朗氏(大阪学院大教授・東大名誉教授)という日本の経済学会を代表する学者だ。

 3年半前の第1回会合では、財政破綻は当然で、破綻後のことを考えようとしていた。ところが、これらの学者の予想に反して、財政破綻の気配は一向にない。研究会のウェブサイトを見る限り、本コラムを掲載した当時は2カ月に1度程度開催されていたが、15年は6月に1度開かれたという活動記録が残っているだけだ。

井堀利宏氏(東大大学院教授)

 東大研究会の根本的な問題は、日本の財政状況をしっかりと数量的に把握していないことだ。財政破綻は、債務残高の対国内総生産(GDP)比率が発散(無限に拡大)するという経済学の常識くらいはつかんでいるが、債務残高がグロス(債務総額)かネット(政府資産を差し引いた純債務)かも明確ではなく、なんとなくグロスと思っているように見受けられる。会計的な知識や国の貸借対照表(バランスシート)が念頭にないとは考えにくいのだが。

 日本の現状をいえば、グロスの債務残高は1100兆円程度であるが、ネットでみれば500兆円で、GDP比で100%程度。さらに、日銀も含めた連結ベース(経済学でいえば統合政府ベース)の債務は200兆円、GDP比では40%程度である。この程度であれば、先進各国と比較しても、それほど悪い数字ではない。

 ちなみに米国ではネットでみてGDP比80%程度、統合政府ベースでみれば65%程度。英国ではネットで見てGDP比80%程度、統合政府ベースで見て60%程度である。

 こうした基礎データが頭に入っていないとしたら、高度な議論をしているようにみえても上滑りになってしまう。研究会の議論では、「現状の日本でなぜ国債価格の大幅下落、急激なインフレを伴う財政破綻は現実化せず、その予兆も見えないのはなぜか」と自問自答し、自分たちは正しいのに、現実が間違っていると言わんばかりだった。

 財政破綻の文献をみれば、国債の投資家が国内か海外かは、破綻するかどうかと基本的には無関係である。日本国債の外国人保有比率が上昇したことで、金利の振れ幅が大きいとの指摘も破綻問題とは関係がない。国債残高をネットや統合政府でみれば、たいした数字ではないので、暴落の可能性はさほど高くないだろう。

 破綻論者は、現状認識が不十分なまま、財政危機だという官僚の説明にだまされていただけではないか。暴落論が後を絶たないのは、自分でデータを確認せずに財務省を妄信する人が、学者やマスコミにいかに多いかを示している。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財政破綻などしないのは常識で理解できるのに、それができない馬鹿真面目共が多すぎ(゚д゚)!

上の高橋洋一氏の記事、国家規模で考えるのと、金額が天文学的でありあまりピンと来ない人も多いかもしれません。しかし、これを日常生活に置き換えて、考えると本当に簡単なことです。

日本政府を一人の中年サラリーマンにたとえます。そのサラリーマンの右ポケットには、1,100万円の借用書が入っています。これを指して、マスコミや経済学者などが、このサラリーマンは、1,100万円も借金していると、騒ぎ立てています。

ところが、この中年サラリーマンの左ポケットには、600万円の現金が入っています。このとき、この中年サラリーマンは、本当に1,100万円借金しているといえるでしょうか。違いますね、1,100万円−600万円=500万円と見るのが妥当だと思います。

右ポケットと左ポケット

さらに、この中年サラリーマンには、孝行息子(日銀)がいて、その孝行息子は父親である、中年サラリーマンと同じ世帯(日本国)に住んでいます。そうして、この孝行息子は、家にお金を入れていて、その合計が300万円になっています。

では世帯ということで、借金を見てみるといくらになるかといえば、1,100万円−600万円−300万円=200万円です。この世帯の年間の稼ぎ高が500万円であるとすると、この世帯の借金は年間稼ぎ高の40%ということで、確かに借金がないとはいいませんが、これではあれば、さほど大騒ぎするほどではないです。

なんとかすれば、借金を返済することは十分可能です。上の高橋洋一氏の話は、これと同じことです。何も、難しい経済理論など理解しなくても、誰にでも理解できることです。

さらに、これは日本国政府を中年サラリーマン、日銀を孝行息子、日本国を中年サラリーマンと息子の住む世帯にたとえました。ところが、中年サラリーマンや、孝行息子は人間ですから、人間は時間とともに年をとります。そうして、いずれは亡くなります。

しかし、日本国政府や日銀は人ではありません。これは、システムです。よほどのことがない限り、人は時代とともに入れ替わるのですが、システム自体が消えてなくなるということはありません。

であれば、何事にも永遠ということはないので、日本国政府もいずれは消滅する時が来ることは全く否定できないにしても、現在この日本に住む私達からみれば、当面不死身の存在であると見て良いでしょう。

この不死身の政府と、生身の人間とでは、当然借金に関しても、考え方を変えなければなりません。政府は不死身なので、金利とは別に毎年1円ずつ元本を返せれば1000兆年後には政府債務は完済できます。国債の金利などの支払いを除いた国の収支をプライマリーバランスといいます。つまり、プライマリーバランスが黒字転換した状態とは、金利を払ったうえで少しずつ元本を返済していることを意味します。このように、政府の借金はその金額の多寡より、債務の維持可能性の方が重要なのです。

これが人であれば、中年サラリーマンが、それも収入がごく普通の1兆円も個人で借りてしまえば、もうそれだけで、生きているうちに返済できないことは誰にでもわかります。だから、銀行でも個人に対して1兆円ものお金を貸したりしません。

しかし、このサラリーマンが不死身であれば、話は別です。金利を払ってもらったうえで、毎年10円ずつでも返却してもらえれば、いつかは元手は戻り、それ以上になります。

個人とシステムでは借金も考え方を変えなければなりません。個人であれば、1兆円を貸さない銀行でも、企業であれば、その企業が大企業で手広く事業をやっている企業であれば、貸すかもしれません。なぜなら、企業も人ではなくシステムであり、生身の人よりも長生きする可能性がはるかに高いからです。

確かに、昔は企業の寿命30年ともいわれたことがありましたが、ドラッカー氏もそれに近いことを言っていました。しかし、これは企業の寿命が30年というよりは、一事業の寿命が30年ということだと思います。

一事業を運営するカンパニーの寿命は30年ということであり、同じ企業でも、そのようなカンパニーをいくつかもつ、コーポレートの場合は違います。あるカンパニーが消えても、他のカンパニーが生き残り、さらには新たなカンパニーを創造したりして、コーポレート全体では不死身のように長生きします。

実際にそのようなコーポレートは世界中に存在します。

さらに、人とシステムの違いがあります。孝行息子はお札を刷ることができませんが、日銀はお札を刷ることができます。お札を際限なく刷れば、いずれハイパーインフレになってしまう可能性もありますが、日本の場合はまだデフレ傾向ですから、お札を刷ったにしてもすぐにハイパーインフレになるわけではありません。

国債だって、同じことです。日本政府が本当に借金まみれで、人間の比較的短い間に死んでしまうのであれば、国債を擦り増せば大暴落ということになりかねませんが、政府は不死身なのでそんなこともありません。

こんなことを考えれば、特に難しいマクロ経済学など知らなくても、国債暴落が起こりそうもないことが良く理解できます。

それにしても、こんなことが理解できない人が、日本の経済学会を代表する学者に多数存在するというのですから、唖然としてしまいます。

マーティン・フェドシュタイン

マーティン・フェルドシュタインが指摘したように、経済的要因以外にも地政学的リスクに世界が振り回されそうです。一方で日本は、消費増税どころの話ではないと思います。財務省とその既得権益グループ主導で経済をこの不安定な環境の中で低迷させる政策を打ってどうなるというのでしょうか。

消費増税もそうですが、それを支える「税と社会保障の一体改革」路線を放棄する必要があると思います。これが日本の政治・社会・経済を駄目にしている政策の元凶です。

今年は、増税見送りなど当たり前のこととして、さらに「税と社会保障の一体改革」そのものを放棄できるように、安倍政権には頑張っていただきたいものです。

本当に、多くの経済学者やマスコミだけではなく「税と社会保障の一体改革」など無邪気に心の底から信じこむ人もいます。経営者の中にも、そういう人がいるので驚いてしまいます。ネット上でもそういう人は多数存在します。そういう人に限って、いわゆる"真面目"な人が多いです。

ホリエモンの真面目な人に対する評価は厳しい
"真面目"というと聞こえが良いですが、結局融通が効かないということの代名詞でもあります。とにかく、頑なにグロスの1100兆円の政府借金を盲目的に信じて、大変だ、大変だと騒いだり、上から目線で、アドバイスしたりします。

"真面目"な人には困ったものです。私は、この"真面目"という言葉があまり好きではありません。特に自分が他の人、特に若い女性などから、「あなたは"真面目"ですね」などと言われたら、がっかりして「自分の人生はもう終わった」と感じてしまうことと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月25日土曜日

国債入札、初のマイナス金利…買い注文殺到で―【私の論評】あれ?再増税しないと国債が暴落するではなかったのですか?国債のマイナス金利とは政府の借金ですか!そんな虚妄等をいう連中に再増税など推進されてはたまったものではない(゚д゚)!

国債入札、初のマイナス金利…買い注文殺到で

日本国債の見本

 財務省が23日に行った短期国債の入札で、金融機関などからの買いが殺到し、本来はプラスであるはずの平均利回りが年率換算でマイナス0・0037%となった。

 国債入札でマイナス金利になるのは初めてだ。

 国債は国が借金をする際に発行する証文だ。普通、お金を貸す人が利子を受け取るものだが、国にお金を貸す金融機関がさらに国に利子も払うという異例の事態になった。

 この日行われた入札は、満期までの償還期間が3か月の短期国債「国庫短期証券」で、金融機関などの希望額は52兆1052億円まで膨らんだ。財務省は5兆2576億8000万円の発行を決めた。

 短期国債は償還期間が1年までの国債で、国が一時的な資金不足を補うため、金融機関などに向けて発行する。通常は、金融機関の国債の購入額(金融機関が国に貸す額)よりも、満期時に国が金融機関に返済する額の方が大きいため、金融機関は満期時に差額分のもうけを得られる。

 しかし、今回は国債の買い注文が殺到して競い合った結果、金融機関が国に貸す額がつり上がり、返済される額より大きくなった。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!


【私の論評】あれ?再増税しないと国債が暴落するではなかったのですか?国債のマイナス金利とは政府の借金ですか!そんな虚妄等をいう連中に再増税など推進されてはたまったものではない(゚д゚)!

あれっ(゚д゚)!確か、麻生財務大臣は、消費税の再増税をしないと、国債が暴落するとおっしゃってはいませんでしたか? それに、そういう論法で増税を是とする、識者の方々も大勢いらっしゃいませんでしたか?

麻生財務大臣は、9月に以下のような発言をしています。
消費増税先送り、国債売り浴びせられると対応困難=麻生財務相
予定通りに再増税すると9月12日のアジア欧州会議でも発言した麻生財務相
 [東京 29日 ロイター] - 麻生太郎財務相は29日夜のNHKの番組で、2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げについて、財務省としては、予定通り引き上げたいとの意向を示した。 
 一方で、再増税が見送られ、国債が売り浴びせられると対応は困難とも語り、先送りした場合の経済の混乱に警戒感を示した。 
 消費税率は予定通り引き上げたいとの方向かとの質問に、麻生財務相は「私どもとしては、そう思っている」と語った。 
 さらに財務相は「(予定通り)しないと、話が違うと国際社会から言われかねない」とし、「国際社会から話が違うと言われた時、日本国債が売り浴びせられると、その対応は難しい。黒田日銀総裁も言っていたが、私たちが最も恐れるところだ」と市場の反応に警戒感を示した。
それにしても、この発言もともとなにやら眉唾です。そもそも、日本国債のほとんどは、日本の機関投資家が購入しているもので、外国の機関投資家や、外国の個人の投資家が購入している例は少ないし、それにすべて円建てです。

以下に、日本の国債の保有者内訳をグラフ化2014年)(最新)したものを掲載します。

日本国政府)「これだけの金額を預かりました」として発行する借用証書が「国債」です。政府の財政、そして国そのものの信頼性に関わる重要な有価証券であることから、その発行総額は多くの経済面での分析に使われ、また格付けもなされ、為替や株式市場にまで影響を及ぼし得ます。

一方、国債は他の債券同様に、借り手にとっては債務ですが、貸し手においては債権であり資産に他なりません。貸し手と借り手、資産を検証する際の領域区分により、国債が持つ意味は大きな変化を示すことになります。今回は日本銀行(日銀)の公開データを基に、日本国政府が発行する国債の保有者区分をグラフ化し、現状を把握していくことにします。

日本国国債保有者別内訳(2014年Q2暫定・合計852.4兆円)

ここで、勘違いしてはならないのは、国と政府の区分です。国=政府ではありません。上のグラフでみると、おそらく社会保障基金というのが、国が持つ国債ということになります。社会保保障基金とは、社会全体あるいは大部分を対象として社会保障給付を行うことを目的としていること、加入が法律により義務付けられていること、資金が積立方式以外の方法で運営されていること、の条件を満たす組織を意味します。

中央政府及び地方政府とともに一般政府を構成しており、国の社会保険特別会計(厚生保険、国民年金、労働保険、船員保険)、共済組合(国家及び地方公務員共済組合等)、及び健康保険組合などがそれに該当します。これは、このような組合などの組織が国債を購入して、年金として被保険者らか集めた保険金を国債購入にあてて、運用しているということです。

それにしても、国債全体からみれば、わずかのものです。政府が発行した国債をこのような一派政府が購入している部分もありますが、ここれは全体から見れば7.9%に過ぎません。

さらに、注目していただきたいのは、海外の保有者は、4.1%に過ぎないということです。

これを、くだけた例えで表現すれば「日本家の家計には852万円の借金(負債)があります。しかしお隣さんから借りているのは35万円だけです(852.4×4.1%)。後は同居しているおじいちゃんや、自宅から職場に通っている息子たちから借りています」ということになります。

そして「日本家全体の」借金(負債)は、おじいちゃんや息子たちの立場から見れば「それぞれの債権(資産)」に他ならないわけです。

これは個人事業主なら、社長本人の資産を会社に貸し付けているようなもの。つまり日本政府が発行した国債のうち95.9%は、国内の民間・地方自治体などの資産ということでもあります。しかも、4.1%の外国人購入者の国債はすべて日本円建です。一方、「投信・証券など」の一部は海外のものも購入しているはずなので、実際には多少は海外の比率が高くなるかもしれませんが、それも全体からすれば、3.9%の一部ということで、これはもう、ほとんど誤差の範囲内といっても良いくらいものです。

国債の発行額だけを比較して、「国の借金は云々、国民一人当たり云々」「日本の財政はアルゼンチンやアイスランドのようにデフォルト直前だ」と危機感を必要以上にあおるのは、まったく筋違いといわざるをえません。特に国民一人当たりに換算すると、赤ん坊も含めて852万円もの借金があるという表現は全くの間違いです。

これを正しく言えば、国民一人当たりに換算すると、生まれた赤ん坊を含めて、国民一人に換算して、852万円もお金を貸し付けているとても豊な国であると言わなければなりません。何しろ、日本国民は、生まれ落ちた途端から、政府に対して一人当たりで、825万円ものお金を貸し付けているということで、日本の赤ちゃんはまさに、銀のスプーンを加えて生まれてきていると言っても過言ではありません。

欧米では大金持ちの言えに生まれた子供のことを銀のスプーンを
くわえて生まれてきた子供という。日本の赤ん坊は、生まれながらに
して、800万円以上のお金を政府に貸している計算になる。

ただし、多くの皆さんにはそのような感覚はないかもしれません。何しろ、多くの国民は、直接個人投資家として、国債を購入して運用しているわけではありません。しかし、多くの人は、金融機関にお金を預けたり、年金・保険などを支払っていますが、これらを取り扱う機関が、それを国債購入にあてているということで、間接的に購入しているだけで、自分のお金と国債との関係を実感できないわけです。

それに、特にデフレという異常現象の皺寄せが、多くの若者などに及んでいるため、豊さを実感できないばかりか、デフレの最中に、増税するという愚かなことをしてしまったため、ますます、その傾向が強まって、消費がガタ落ちになっているということも事実です。

無論、国家財政面だけ見れば、それだけの負債があり利子が発生し、財務を圧迫していることには違いありません。また、国内消費にも現状のデフレのままでは、限界があり、さらに発行額を積み増した場合、国内消費比率が減少していく可能性もあります。要は「危機意識を持つ必要はあるが、必要以上の動揺とそれに伴う誤判断は無意味どころか弊害でしかない」ということです。

それに、なぜこのように政府が、国民から借金をしなければならなくなったかといえば、その第一の原因はデフレです。深刻なデフレであるがゆえに、政府が多額の借金をしなければならなくなっているのです。

平たく言えば、そうしなけば、日本国の経済がまわっていかない状況になっているということです。日本では、デフレを解消すれば、国内消費が拡大して、政府がこれほどまでに借金をしなくても良い状況になります。

とはいいつつ、社会保障費など際限なく拡大していては、限界もあることも事実です。バランスをとりながら、財政を運用していく必要があるのも事実です。しかし、だからといって、財政破綻というのは単なる妄想にすぎません。

的確なバランス感覚に基づいた、財政運営が必要であることはいうまでもありません。いずれにせよ、日本国国債の利回りが(政府の負債が増加しても)なぜ低いままで推移しているのか、銀行がなぜ日本国国債を買っているのかあたりと合わせて、考える必要があります。そうして、それは結論から言えば、現在の日本はデフレという特殊な状況下にあることと、日本政府の信用は今でもかなり高いということです。これは、データからみれぱはっきりとわかります。

ちなみに過去データ分と合わせた経年グラフは次の通りです。

日本国国債保有者別内訳
現時点で時系列的に捕捉しているのは5四半期分のみですが、確実に「その他金融機関」のシェアが増加しています。この中身は、ほとんどが中央銀行、つまり日本銀行によるものです。昨年4月4日の金融政策決定会合で決定された量的・質的金融緩和政策(異次元緩和)で、国債購入を積極的に行った結果、シェアが増加しているということです。

また海外部門のシェアについては、「国債・財政投融資債」以外に「国庫短期証券」(償還期間が1年未満の短期債権)も含めて計算し直すと、合計額は1013.1兆円、海外比率は8.5%となります。

定義、解釈は人それぞれで、「国庫短期証券」を含めるか否かは判断が分かれるところだが(「事業債」「投資信託受益証券」すら含めるべきだとする意見もある)、念のためこちらについても簡易的ながら、海外投資家のシェア推移を確認しておきます。

日本国国債保有比率(「海外」部門、国債・財政投融資債以外に国庫短期証券も含めた場合)(金額:兆円)
こうみると、海外比率8%台になりますが、これを根拠に増税しないと、国債が売り浴びせられると、強弁するにしてもかなり無理があります。

なぜかといえば、日本の国債はすべて円建てだからです。円建てでも外国勢が購入するのは、それだけ日本政府に信用があるということです。

日本政府に信用がなければ、円建では買ってもらえません。この場合、多くはドル建てになるのが普通です。しかし、日本政府はすべて円建てで販売しています。

日本政府の信用がなければ、最初からドル建ての日本国債も発行するはずですが、そのようなものは発行されていません。

日本の財務省や財務大臣が何を言おうが、別に日本政府としては、海外から日本国債を購入してもらわなくても、何とでもできます。

そうして、それは、国債入札、初のマイナス金利という事態によって十分に証明されたものと思います。

なお、上のグラフと、解説の一部は、Garbage NEWS.comというサイトから、引用したものですが、グラフはそのままコピペしましたが、解説はかなり甘い部分があったと思いましたので、私がかなり付け加えました。

なお、国債暴落の妄想については、田村秀男氏も指摘しています。その記事のURLを以下に掲載します。
虚妄にすぎない日本国債暴落論
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事に掲載されていたグラフと一部のみ以下にコピペさせいただきます。

国債利回りは現象し続けている
日銀の異次元緩和で国債相場は上昇し、国債金利は下がり続けている。政府は、国債の利払い負担を減らせるので、金融緩和は大歓迎だ。しかし、日銀緩和だけでは市場に不安が残るので、消費税増税が欠かせないという論法である。
 財務官僚が事実上支配する内閣府は「中長期の経済財政に関する試算」(7月25日付)で経済成長率1に対する一般会計税収の伸び率(税収弾性値)を1とし、消費税率を継続的に引き上げないと財政赤字膨張に歯止めがかからないというシナリオを首相に提示した。
 ところが、これまでの実績では弾性値は3~4に達することが、内閣府の別の試算で証明されている。弾性値3とすれば、名目経済成長率2~3%を維持することで、財政均衡目標は達成できるのに、内閣府はそのデータを無視した。
 4月、消費税率8%を実施した結果、家計消費は戦後最大のレベルで落ち込んだ。脱デフレの希望は遠のきかねない。虚妄の国債暴落リスク論に、首相は二度とだまされないと信じたい。 
いずれにしても、再増税しないと、国債が暴落するなどということは詭弁にすぎず、それは、理論的にもそうであるし、このブログの冒頭の記事にもある、国債入札、初のマイナス金利という事実が、国債暴落の虚妄を見事に実証していると思います。

増税推進派、今回の国債金利のマイナスをどう説明するのか、それでも何か屁理屈をつけて、再増税すべきと言い張るのでしょうか。

もう日経新聞は、屁理屈をこねはじめています。日経のこのマイナス金利に関する記事を掲載します。
短期国債入札で初のマイナス金利 
この記事、完璧な間違いなので、ひよっとしたら削除されるかもしれないので、以下に日経のサイトの記事そのものを切り取り、そのままコピペさせていただきます。


この日経の記事完璧におかしいです。本来、政府が銀行に利子を払うべきものが、マイナス金利ですから、政府はわずかですが、お金を受け取るわけです。それがなぜ借金となるのか、理解できません。

お金を他者に貸して利子を払うのが普通ですが、マイナス金利ですから、利子を払うのではなく、マイナス利子分をお金を貸した人がもらうということであり、これは断じて借金ではありません。日経はもう経済に関しては、何もわからず、愚鈍新聞に成り果てたのでしょうか。

私は、以前このブログに日経新聞を読んでいると、日本経済がわからなくなるという旨の記事を何回か掲載してきましたが、これもそれを示す格好の事例になったと思います。

ちなみ、この同じニュースを毎日新聞では以下にように掲載しています。
国債:金利マイナス…財務省入札で初

 財務省が23日実施した短期国債の入札で、平均落札利回りが年マイナス0.0037%となり、日本の国債入札で初めてマイナス金利を付けた。政府が借金をする際に利子を支払うのではなく、逆に利益が生じる異常な状態を示す。背景には、異次元緩和を続ける日銀が市場から大量の国債を購入し、国債が品薄になっていることがある。
それにしても、いくら日銀が大量に国債を購入して、品薄になっているからといって、再増税をしなければ、国債が暴落して国際的信任がなくなるなどという話は金利マイナスという状況が発生した今日にわかには信じることはできません。

それにしても、財務相や政治家やマスコミなどもそのうち、マイナス金利で政府がその分を借金などと言い始めるでしょうか。これからも、マイナス金利が度々出るようになれば、そういうことを言い出すかもしれません。

ありそうで、怖いです。何しろ、前科がありますから。国債を国民の資産ではなく、国民の負債すなわち、国民の借金だなどと、真顔で言った財務大臣が過去にいました。

そんな連中に再増税など推進されてはたまったものではありません。

事実を無視して、そのようなことを言い張るというのなら、もうまともでありません。認知症の治療を受けてはいかがでしょうか。おそらく、もう治らないでしょうが・・・・。私は、もうそのレベルに近いと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年12月17日月曜日

米著名ヘッジファンドが苦笑するAKB48の日本国債CM―【私の論評】ヘッジファンドのいうことなど傾聴に値しない!!今は何が何でも、自民党に公約を守ってもらうべきとき!!

米著名ヘッジファンドが苦笑するAKB48の日本国債CM:


財務省が個人向け日本国債のテレビCMを流している。国内消費が90%以上の日本国債だが、なぜか一部海外で話題となっているのだ。「日本売り」でも知られる、米著名ヘッジファンドマネージャーのカイル・バス氏が、「ルビコン川を渡る」と発言。いつものポジョントークと見られるが、見過ごすわけにはいかない発言だ。

【私の論評】ヘッジファンドのいうことなど傾聴に値しない!!今は何が何でも、自民党に公約を守ってもらうべきとき!!



上の記事では、ヘッジファンドの「ルビコン川を渡る」という発言を見過ごすことができないなどと掲載していますが、私も、こんな馬鹿な発言見過ごすべきだし、ましてや傾聴になど全く値しないと思います。

これは、いろいろな観点からも明らかです。ヘッジファンドは、無論のこと投資銀行などの言うことは、自分の財産、資産に関わることならまだしも、国の財政、金融政策に関わることなど全く聴く必要はありません。場合によっては、自分にかかわることだって、疑ってかかる必要があります。彼らの最後の切り札は、ご存知でしょう。自分たちの投資が成功しているうちはいいですが、失敗した「自己責任」で終わりです。本日は、AKB48の皆さんの写真等とともに掲載させていただきます。

こんなことは、金融危機で、周知の事実だと思います。彼らは、自分のが儲けるために、顧客から金を集め、投資をして、利鞘を稼ぐ、賭博師にすぎません。このことは、以前のブログにも掲載しました。
上の記事に書いてある内容酷い話(注:様々な国の財政破綻などを弄んできた、投資銀行の話)ですが、私のこのブログでも似たような話を掲載したことがあります。その発端は、ゴールドマンサックスが日本の財政破綻をさかんにはやしたてていたときです。今はなき、その当時、サービスをはじめたばかりのGoogle Buzzを見ていると、アメリカのご婦人が、「ゴールドマン・サックスのアナリストが、日本が財政破綻すると語っている」とBuzzにコメントとを書いていました。
その内容を見て、私はすぐに、そのアメリカのご婦人に対して、日本が財政破綻などすぐにするなど考えられない旨の反論のコメントを即座にしました。
内容としては、今はあまりはっきりとは覚えていませんが、例えば日本の対外純金融資産の額は、200兆円を超えており、これは、世界一の水準であり、これが、20年間近くも続いていること。アメリカは、米ドルで、外国にドル建てで300兆円もの借金を背負っていますが、借金があったとしても、すべてドル建てであり、財政破綻など考えられないことを掲載しました。
実際一国が、財政破綻する尺度として、用いられている指標であるCDS(キャッシュ・デフォルト・スワッブ)でみても、現状では、アメリカは0.5%、日本も!%前後です。これは、別の角度からみると、アメリカは、今後財政破綻する確率が、200年に1度、日本は100年に1度というものです。上のコメントを書いたときには、ギリシャのこの指標は、50%、現状では、100%というものです。
だから、アメリカも日本も、現状では、すぐに財政破綻することなど非常に考えにくいです。にも、かかわらず、ゴールドマンサックスは、日本がすぐにでも、財政破綻するように煽りまくっていました。なぜ、そのようなことをしてきたかといえば、無論金儲けのためだけのためです。日本がどうなろうが、本当に財政破綻しようが、しまいが、とにかく金融に多きな変動があれば、それを利用して金儲けができるからです。
こうして、オオカミ少年のように、日本財政破綻の噂を意図的に流し、何度も煽っていたのですが、そもそも、日本がいつまでたっても、財政破綻しそうにもないこと、さらに、その煽りにのって、投資をした人たちが、大損をしたので、さすがに、最近は、そんなことをしても誰ものってこなくなったので、こうした煽りはしなくなりました。


以上の記事でも、お分かりにになるように、投資銀行や、ましてやヘッジファンドなど、自分たちと、自分たちに出資する人間以外のことなど、どうでもよく、金儲けの材料になりそうであれば、関心をもちますが、それ以外ならどうでも良い存在なのです。とにかく、金儲の材料をいつもうかがっている連中なのです。

まあ、自分の金を預けて、自分のために儲けてくれるといのなら、しかも、かなりの確率で儲けられし、捨て金がたっぷり(理想的には、1億円以上)あるような人なら、話を聞いてもいいですが、他のことで、何か話をしても、それは金儲けのための手段以外の何ものでもないと思っておくのが、妥当です。


彼らにとって、自国や、他国の財政破綻なども、金儲けの材料にすぎないのです。たとえば、一国が財政破綻したとすれは、その国をめぐって大きく金融環境が変わります。それをうまく活用すれば、大きく金儲けができるのです。本当に破綻しようが、しまいが全くお構いなしで、とにかく、そのような機会をいつも虎視眈々と狙っているだけなのです。実際ゴールドマンサックスなど、ギリシャの破綻にも関わっていたとされています。

投資銀行も、ましてやヘッジファンドごときは、日本が財政破綻しようが、しまいがどうでも良いのです。日本が財政破綻すれば、日本をめぐって、金融環境が変わります。それが、彼らのつけ込む口です。こんなことがあれば、これを活用して、大儲けができるのです。このようなことを書くと、とんでもないことを書いていると思われるかたもいますが、もともと、彼らは、日本の財政や、金融政策に対する責任などありません。責任のないものが、ドヤ顔で、「ルビコン川を渡る」などという資格など毛頭ないわけです。


日本では、民主党の野田総理や、安住元財務大臣が、国会で「日本が財政破綻するかもしれない」などという無責任な発言をしていましたし、その情報源はあろうことか、すでに退任した、勝元財務次官でした。それに、日本のマスコミや、いわゆる知的文化人なども、このようなことを言うし、さらに手が込んでると、日本国債が暴落するなどというありもしないことを、ほざいています。だから、これらの発言に幻惑されて、財政破綻するとか、国債が暴落すると信じ込む人も多いです。信じ込んだ人々のうち、有力な企業や、資産家の人々が、日本国債などに投資をするのをやめて、自分たちに投資してくれれば、彼らにとっては願ったり叶ったりなのです。そうして、本当に破綻すればさらに、願ったり叶ったりなのです。

財政破綻については、しそうもないことを引用記事の中にも掲載してあるし、それに過去に何回も掲載してきたことなので、ここでは、詳細を述べませんが、詳細を知りたいかたは、「財政破綻」などのキーワードで、ネットを良く調べてみてください。きっと、納得のいく記事が見つかると思います。


それから、国債の暴落についても、日本の国債は暴落しようがないことをこのブログにも過去に掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載しておきます。

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」―【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に国債暴落の懸念があたっていないことを示す部分のみをコピペしておきます。
 たとえ日本政府の信用が凋落しても、日本銀行が金融市場の国債を「買い占める」と、銀行は手元の日本円を政府に貸し出さざるを得ない。すなわち、日本国債が買われることになり、国債金利は低下する。
というわけで、日本政府が過去に発行した国債が100%日本円建てであり、かつ「子会社」の日本銀行が国債を買い入れることができるため、我が国は「政府の財政破綻」「政府の債務不履行」に陥りたくても陥れないのである。
国民の安全や生命を守るインフラ防災などの公共投資の財源を、日本銀行の建設国債買入に求めている安倍自民党の政策は、現在の日本に適したソリューションだ。
ただ、日本銀行の国債買入に代償が一つもないわけではない。それは、インフレ率の上昇だ。
上の記事では、インフレ率の上昇ということを言っていますが、今の日本、デフレの真っ最中ですね。であれば、インフレ率が上昇するというのなら、願ったり叶ったりです。

まあ、いずれにせよ、こんなことから、国債暴落はもとより、日本の財政破綻破などあり得ないです。それに、良く良く考えてみれば、投資銀行やヘッジファンドなどだけが、悪いということではないと思います。そもそも、日本で、総理大臣や財務大臣にまでが、ありもしない、財政破綻の危機を煽っていたのですから、彼らからすれば、それを良いことに、言いたいことを言ってみただけかもしれません。言ってみるだけなら、タダですから、彼らの目的を考えれば、当たり前の真ん中かもしれません。


そんなことから、日本は、まつたくルビコン川を渡ってなどいません。こんな話など忘れて、今私たちは、安部政権が実施しようとしている、財政・金融政策を信じて任せるべきと思います。そうして、デフレから一刻もはやく脱出することを第一義とすべきです。それにもう、私たちは、選挙で安部自民党政権を圧倒的な支持率で信認しているのですから、この政策を支持すべきです。それに、何か間違いがあって、自民党内がまとまらず、この政策が実行できないような事態にでもなれば、これは、民主党のマニフェスト違反と同じことになります。そんなことは、絶対に許すべきではありません。

ただし、急いては事を仕損じるということもあります。たとえ、たとえば安倍総裁がいうように、いますぐ金融緩和を実施したとしても、 それが、目に見えて効果があがるには、少なくとも1年半はじかんがかかります。その他にも、時間がかかることもかなりあります。そもそも、難しい困難なことに挑戦しようとしているのですから、すぐに効果があがらないからといって、苛ついてはいけないと思います。とにかく、最初は何かをやっていれば、良しとしなければなりません。そんなときでも、民主党のように、最初から駄目なことをやっているわけではないことを認識すべきと思います。審判は、2年後、3年後にはじめてできると思います。


しかし、何がなんでも、自民党には、政権公約を守らせなければなりません。その覚悟で、今後の推移を見守っていくべきです。そう思うのは、私だけでしょうか? 皆さんは、どう思われますか?





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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」―【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師?

 

2012年12月10日月曜日

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」―【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師?

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」

2012/12/10 18:01

三橋貴明氏
未だに日本国内に「日本が財政破綻、すなわち債務不履行(デフォルト)する」と信じている国民が少なくないことは憂うべきことだ。

日本政府は国債の償還(返済)不能などのデフォルトに陥ることは「できない」。財政破綻「しない」のではない。財政破綻「できない」のであるから、誤解しないでほしい。

日本政府が発行している国債は「外国人保有分」を含め100%日本円建てだ。日本の中央銀行である日本銀行は、市中の国債を買い取る代金として「新しい日本円」を発行する。日本円の発行は日本銀行の主業務の一つである。日本銀行は通常業務として日本国債を「買わねばならない」。そして、日本銀行は日本政府の子会社である。

意外と知らない人が多いが、日本銀行は株式会社である(JASDAQに上場している)。とはいえ、もちろん日本銀行の株式の過半数は日本政府が保持している。すなわち、日本政府は日本銀行の親会社に該当する。

この記事の続きは、こちらから!!

【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師?

天才詐欺師 Eddie Davenport
国債暴落に関しては、半リフレ派の人々が、良く口にすることなので、私自身もいずれ、このブログで解説しようとしたのですが、なかなか簡単に誰にでも理解できるように、噛み砕いて説明することまではできないので、いままでは、特に掲載してきませんでした。しかし、上の三橋さんの記事は、なかなかわかりやすいです。さすが、週刊実話という一般大衆誌に掲載されただけあって、なかなか噛み砕いてわかりやすいです。本日は、世界の有名な詐欺師の写真とともに掲載させていただきます。

三橋さんの説明が良いだけでなく、週刊実話の編集者もかなり力量があると思いました。今だと日経新聞の編集者ですら、経済記事をまともに編集できないようです。しかし、この実話の記事スパらしいです。侮れないです。詳細は、上の記事を直接ご覧いただくものとして、上の記事で、最も重要なところは、以下だと思います。
 たとえ日本政府の信用が凋落しても、日本銀行が金融市場の国債を「買い占める」と、銀行は手元の日本円を政府に貸し出さざるを得ない。すなわち、日本国債が買われることになり、国債金利は低下する。
 というわけで、日本政府が過去に発行した国債が100%日本円建てであり、かつ「子会社」の日本銀行が国債を買い入れることができるため、我が国は「政府の財政破綻」「政府の債務不履行」に陥りたくても陥れないのである。
 国民の安全や生命を守るインフラ防災などの公共投資の財源を、日本銀行の建設国債買入に求めている安倍自民党の政策は、現在の日本に適したソリューションだ。
 ただ、日本銀行の国債買入に代償が一つもないわけではない。それは、インフレ率の上昇だ。
財政破綻から国債暴落まで、反リフレ派の人々は、いろいろなことをいうので、混乱したり、困惑しているかたもいらっしゃるカモしません。国債を発行しようと、日銀か買い取ろうと、何をしようと、現在の日本は財政破綻などできません。それは、上記の三橋さんの説明すで十分お分かりになったと思います。

Frank Willian Abegnale Jr.
そうして、ほとんど付け加えることはないのですが、、一つだ付け加えさせていただくと、三橋さんが語る国債暴落しないという条件が崩れる場合もあります。そうして、実際三橋さんは、ほとんど説明しているのと同じことなのですが、結局、対外純資産が、マイナス、それも大幅なマイナスにであるときには、なりたちません。対外純金融資産とは、以下の式で表します。
対外順金融資産=日本が外国に貸している金融資産−日本が外国から借りている金融資産=260兆円
この対外純資産が、真っ赤で、どうしようもない場合は、結局現金だろうが、国債だろうが、日銀が買い取るとか、政府がどうしようが、日銀が、お金を擦り増そうが、何しようが、国債は暴落する可能性が十分あります。

ところがですよ、日本の対外金融資産は、過去20年以上にもわたって、260兆円前後であり、この額はまさしく世界一です。これは、日本国を家にたとえると、良くわかります。家のなかで、お札とか、国債とかをつくって、家族で回しているだけなら、国債がどうなろうと、お札がどうなろうと、結局家としては、何もわかりはないですね。しかも、この家全体では、外に相当お金を貸しているなら、さらに、何の問題もないどころか、この家は大金持ちということです。しかし、この家の誰かが、外から膨大な借金をしていたとしたら、話しは別ですね。それと同じことです。

James Arthur Hogue
こんなことをいうと、アメリカは、日本と対照的に日本は無論のこと、他の国も含めて、全部で300兆円もの対外純債務がありますが、これが大変だ、財政破綻すると大騒ぎする人もいます。しかし、そんな人は、アメリカの債務が全部ドル建てであることを忘れています。ドル建てであれば、先の家の話でいえば、家の外の人たちも、全部、家の中で出回っているお札や、国債を使っているということになり家の中で回っているお札や国債と同じものが借金となっているということであり、ほとんど心配する必要はないわけです。

ドルを使っている限りは、破綻しません。もし、破綻しそうなら、お札をすれば良いだけです。しかし、インフレ傾向になること間違いないですが、破綻ということはあり得ないです。まあ、これは、アメリカの話ですから、このへんにしておきます。リクエストなどあれば、また別の機会にアメリカが破綻しない仕組みを別途掲載させていただきます。

Joseph Weil
では、なぜこんな日本のような国が財政赤字になっているかといえば、それは、簡単なことです。あまりにも長い間、日銀や、政府がデフレを続けてきたからです。デフレでなければ、税収も増え、財政赤字などなっていなかったはずです。

Robert Freegard

にもかかわらず、いかにも財政破綻しそうであるとか、国債が暴落すると騒ぐ人は、何か魂胆のある単なる詐欺師に過ぎないと思います。

ところで、上に詐欺師の写真も掲載しましたが、本当は、女性のセクシーな詐欺師がいれば、その写真を掲載しようと思ったのですが、残念ながらそんな詐欺師は探せませんでした。やっぱり、詐欺師は男が多いのでしょうか? そう言われてみると、日本でも、財政破綻や、国債暴落詐欺など言い立てる人ほとんど男性ですね、女性ではっきりと記憶に残っている人はいません。やはり、詐欺師って、男が多いのでしょうか?





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2012年6月8日金曜日

もう寝言はやめてくれ朝日新聞 国債暴落煽って増税後押し−【私の論評】日本の大手新聞は、この論調。新聞だけ消費税をまぬがれるためにこうした記事を掲載するというのなら、立派な裏切り者!!

もう寝言はやめてくれ朝日新聞 国債暴落煽って増税後押し

(日刊ゲンダイ2012/6/6)

野田政権の宣伝部隊に成り果てた大マスコミが、連日、飽きもせず消費増税キャンペーンを続けている。そんな中、朝日新聞がまたトンチンカンな記事で財政危機を煽(あお)り、大増税を後押ししているからア然だ。きのう(5日)の朝刊で、こんな記事を掲載したのだ。

〈日本国債が「安全」とみられるのは、消費税率が5%と低く、増税で財政を立て直す余地がまだ大きいと思われていることが理由のひとつ〉

〈イタリアやスペインでは春以降、国債が値下がり(金利は上昇)するだけでなく、株価も欧州通貨ユーロも値下がりする「トリプル安」が進んでいる。消費増税が頓挫すれば、日本でも同じような事態が起きかねない〉

消費増税をしなければ、国債が暴落する、大変だ、というのである。

朝日は定期的にこの手の記事を載せている。今年2月には、国債の急落に備えて三菱東京UFJ銀が作成した“危機シナリオ”を1面トップで掲載。危機管理はいつもどの銀行でもやっているのだが、ことさら大げさにして消費増税が必要だと煽っていた。醜悪だ。

専門家に言わせれば、日本国債の暴落なんてウソも大ウソ。現実には絶対に起こり得ない絵空事なのだ。「日本は破産しない!」などの著書がある経済評論家の上念司氏がこう指摘する。



三菱UFJ銀行の経営者は、経済を理解しないのか?
「日本国債は暴落するどころか、飛ぶように売れ、逆に値上がりしています。なぜなら、いま円高リスクなしで買える確定利回り商品は国債しかなく、加えて、日本国債は世界最高の安全度だからです。政府がデフレ政策を続ける限り、金利は上昇しません。金利と国債価格は負の相関関係にあり、金利が下がれば、国債価格は上昇する。だから、今の日本では国債は値下がりしないのです。仮に日銀がデフレ政策をやめて、金利が1・2%程度になったところで、何の影響もない。米国や英国も1・5%程度です。60兆円の紙幣を刷ったとしても、インフレ率は3%程度で適正値。これほど安全、安心な国債を突然、『紙くずになる』と、みんなが一斉に手放すと思いますか。絶対にあり得ない話です」

中国に職を求める人はいるだろうが、それが一体何人、増減はどうなっているのか?
実は、朝日は同じ記事の中で、〈(4日の)10年物の日本国債の利回りは一時、約9年ぶりに0・8%を割る水準まで下がった〉と書いている。一方で金利が下がったと書き、一方で国債が暴落すると言うのだ。こんなデタラメな話はない。

米格付け会社フィッチが先月、日本国債の格付けを1段階引き下げたというニュースもあったが、格付け会社の多くは、リーマン・ショック前まで、原因となったサブプライムローンに最高評価「AAA」をつけていたいい加減な連中だ。米格付け会社フィッチが先月、日本国債の格付けを1段階引き下げたというニュースもあったが、格付け会社の多くは、リーマン・ショック前まで、原因となったサブプライムローンに最高評価「AAA」をつけていたいい加減な連中だ。

国債に依存することは悪いことなのか?
「国債暴落の危機を煽る勢力の背後には、日本の国債暴落でひと儲けしたい“ハゲタカ”の存在も見え隠れします。そんな口車に乗って、デフレ下で増税をすれば、名目GDPは落ち込み、税収が減少するのは経済学では常識です。なぜ、大マスコミは本当のことを伝えないのか。今の報道は戦前の大本営発表と何も変わりません」(上念司氏=前出)

ChannelAJERに出演する上念氏
3 増税法案が潰れても、日本国債は暴落しない。ハゲタカが揺さぶる程度だ。その時、朝日はどう書くのか。「財務省や日銀のレクチャーが間違っていたからだ」と逃げるつもりか。

【私の論評】日本の大手新聞は、この論調。新聞だけ消費税をまぬがれるためにこうした記事を掲載するというのなら、立派な裏切り者!!

さて、国債の金利すなわち、利回りは、どうなっているかといえば、下のグラフを見ていただければ、良くお分かりになると思います。その時々でデコボコがあるものの、直近では、右肩下がりであることがわかります。

では、長期でみるとどうなるかといえば、72年から、91年あたりまでは、多少デコボコがあるものの、91年以降は、一環して下がり続けています。


どんどん下がっていますね。アメリカの投資銀行など、今から数年前までは、日本国政府の財政破綻や、国債の暴落などまことしやかに喧伝していましたが、あれから、何年たっても、日本の国債の利回りは減少を続ける一方ですし、それに何といっても、円高です。もう、すでに煽るのをやめています。とにかく、こうしたことを見ていれば、国際為替市場や国際株式市場などは、日本が財政破綻したり、そのあおりで、国債が暴落するなどということは考えていません。そんなことを言い出せば、「狼少年」の謗りは免れず、顧客からの信頼を失ってしまうことでしょう。


日本の場合は、日本の新聞はおろか、テレビや、雑誌などでも、「狼少年」のように、今でも、財政破綻するとか、国債が暴落するなどという悪質なデマを飛ばしています。いや、それどころか、財務省の安住財務大臣から、野田総理大臣まで、同じことを言っています。これは、由々しきことです。他にたとえると、そうですね、大手スーパーの社長や役員が「うちの商品は、不良品ですよ」と公にしながら良品を売っているのと何も変わりません。こうなると、日本の場合、大方の政治家から、マスコミまで異常といっても差し支えないと思います。


上の記事でも、わかるにように、日刊ゲンダイなどは、違いますが、日本の大手新聞は、産経新聞あたりを除きほとんどがこの論調です。上念氏は、上の記事では語っていませんが、日本の日本経済新聞を含む大手新聞の経済記事、特にマクロ経済記事に関しては、95%が、真偽が疑わしいとしています。日経新聞は、経済記事以外は、非常に良い記事を書いているが、経済記事は駄目と、揶揄しています。それに、海外から帰国した、私の知っている複数のエコノミストで何人かの人が、「日本の新聞を見ると、日本の経済がわからなくなる。外国の新聞のほうがまだわかる」ともらしています。これは、素直な感想だと思います。私自身も、日本の新聞に書かれてあることが、本当であると仮定したにしても、それでも、あちこち矛盾していることに何回も出くわします。本当に困ったものです。
雑誌でも酷いものが横行しています。エコノミストなる雑誌、エコノミストなるタイトルから、多くの人が、経済に関しては十分研究してまともなことを書いていると考えているようですが、それは、大きな間違いです。この雑誌、上の画像をご覧いただければ、お分かりになると思いますが、「日本国債暴落」という特集を組んだかと思うと、それから、わずか4ヶ月後には、「国債暴落のウソ」という特集を出し、それが、1年少したったら、今度は、「国債暴落へのカウントダウン」なる、特集を出しています。こうなると、もう、完璧にこの雑誌の編集者は、変質者か異常者としか思えません。このようなことを言う私は、頭がおかしいでしょうか?


上の動画などご覧いただくと、中野剛志氏の、「新聞の経済記事は読まない」という怒りの発言から、いかに、日本の新聞記事が狂っているか良くおわかりになると思います。

下の動画は、藤井聡氏の「日本でまかり通っている虚事」という国会での証言内容の動画です。この虚事とは、無論私が指摘したような事実です。そうして、それ以外にも説明されています。


上念氏は、twitterでは、相互フォローさせていただいています。また、facebookでは、友だちです。facebookで、今週の月曜日に、「TVタックル」に出演されたことが掲載されていましたので、そこに、以下のようなコメントをさせていただきました。

「TVタックルは、いつも中途半端で、終わってしまってつまらないです。上念さんも、まだまだ言い足りなかったことでしょう」

そうすると、上念氏からすすめていただいたのが、以下の動画です。



是非ご覧になってください。それにしても、日本のマスコミの壊れ具合酷いです。統計資料などみれば、すぐにわかるような大嘘を平気で書いています。

日銀などに関しては、上念さんは、前から、円高、デフレであまりにも中国や、アメリカなどの海外に都合の良い政策をとるので、「海外から指令」が来ているのではないかと指摘しているほどです。

それに、これは前にも、このブログに掲載しましたが、大手新聞は、消費税増税されると、新聞代が、5000円超えするので、そうなると、購読者がかなり減ることが予想されるため、一般に消費税課税されても、自分の新聞だけは、課税されないように、財務省に働きかけているという話もあります。もし、そうなら、自分の利益のためだけに、政府や、財務省のいいなりなって、インチキキャンペーンをはっているということになります。もう、こんな新聞は先がないです。皆さんも購読はやめるべきです。

それから、上念氏、「日本の新聞の経済欄を見るときには、それを鵜呑みにするのではなく、こうしたことを書く裏には何があるのかを、読み解くつもり読むべきである」と指摘しています。

私もそう思います。私自身は、ウソを書いている新聞を見てもしょうがないどころか、惑わされるだけなので、最近は、新聞を購読していません。会社でも日経新聞など読まないようにしています。もっぱいら、サイトで批判的に読むようにしています。


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