2019年10月22日火曜日

「国民の幸せと世界の平和を常に願う」 天皇陛下、即位を宣明される 「即位礼正殿の儀」―【私の論評】なぜ諸外国は天皇家をおろそかにできないのか?すごすぎる天皇家の歴史(゚д゚)!

「国民の幸せと世界の平和を常に願う」 天皇陛下、即位を宣明される 「即位礼正殿の儀」

「即位礼正殿の儀」で、即位を宣明される天皇陛下=22日午後、宮殿・松の間

「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿の儀」が22日、国事行為として皇居・宮殿で執り行われ、天皇陛下は「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と宣明された。

儀式は午後1時過ぎ、約2千人の参列者が見守る中、宮殿「松の間」で始まった。鉦(しょう)の合図で参列者が起立すると、陛下の側近である侍従らにより玉座「高御座(たかみくら)」と隣の「御帳台(みちょうだい)」の帳が開かれた。陛下は古式装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に身を包まれ、皇后さまは十二単(ひとえ)のお姿。参列者が鼓(こ)を合図に敬礼した後、陛下が即位を宣明された。

陛下はこの中で、上皇さまの在位中のご活動にも触れながら「国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と述べられた。

儀式では、三種の神器のうち剣と璽(じ)=勾玉(まがたま)、国の印章「国璽(こくじ)」、天皇の印「御璽(ぎょじ)」が、高御座の「案(あん)」と呼ばれる台に安置された。宮殿内には賓客が両陛下のお姿を見られるようモニター30台が設置された。

【私の論評】なぜ諸外国は天皇家をおろそかにできないのか?すごすぎる天皇家の歴史(゚д゚)!

まずは、以下に「即位礼正殿の儀」のノーカット版の動画を掲載させていただきます。


次に、「即位礼正殿の儀」天皇陛下のお言葉を以下に掲載させていただきます。
 さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。 
 上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御(み)心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。 
 国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。
さて、本日は天皇家がいかに長い歴史を持っているか、そうして、その長い歴史にふさわしく、「即位礼正殿の儀」に参加させる代表に各国がどのような人たちを派遣しているのかを掲載します。

『日本書紀』にも掲載されている神武天皇から数えると、日本の天皇家は男系継承で126代、2600年以上も続いてきた計算になります。この数字は、現在続く王室の中で、世界で最長です。

歴史学者の中には、神武天皇が存在したのか否かについて、疑義を抱く人もいるようです。ただし、私自身としては、我が国の天皇は、いつかも定かではないそれくらい古くから存在していたということ自体に畏敬の念を抱かずにはおられません。

神話の世界で語られる神武天皇

では、現在の歴史からいって何代からであれば実在したと疑いなく考えられるのでしょうか。

実はこの点にも議論があって、第10代の崇神(すじん)天皇、第15代の応神(おうじん)天皇、第26代の継体(けいたい)天皇と考える人たちに分かれているとされています。

いずれにせよ第26代の継体天皇が存在したという考えは、考古学的にも確実視されています。ただ、これらの天皇が存在しなかったとか、神武天皇が存在しなかったなどのことも、歴史的に証明されているわけではありません。ただ、文献などで実在が確かめられていないということです。

継体天皇が在位していた時期は6世紀の前半になるとされています。そうなると21世紀前半の現在において天皇家はそのときより15世紀、1,500年間も男系継承されてきたと言えるのです。

継体天皇から見て1,500年という数字であっても、日本の皇室の歴史の長さは世界の王室の中でも世界一なのです。

現憲法の第一条では、

<天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく>(宮内庁のホームページより引用)

とあります。その前の大日本帝国憲法の第一章第三条にも、

<天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス>(大日本帝国憲法より引用)

などと書かれていました。それぞれの憲法は成立の背景も狙いも全く異なりますが、いずれの憲法においても、憲法の一番最初に天皇のことが語らているのです。このことをもってしても、日本国、日本国民と天皇とは不可分といっても良いのです。

「即位礼正殿の儀」に合わせて来日した各国の要人と安倍総理大臣との会談がスタートしました。21日だけでも20ヵ国以上の要人との会談が予定され、25日までに中国の王岐山国家副主席ら50ヵ国の要人との会談に臨みます。

今回の、祝賀外交では、オランダやベルギー、スペイン等、王制、立憲君主制、つまり王様のいる国は高いレベルの人を送ってきています。

イギリスもチャールズ皇太子、サウジアラビアもムハンマド皇太子です。一方、日本と非常に関係の良い米国は、あまり大物とはいえないチャオ運輸長官を派遣しています。とはいいながら、閣僚であることには変わらず、米国側の配慮が感じられます。

チャオ米運輸長官

中国は国家副主席の王岐山氏を、ロシアは、ウマハノフ氏という連邦院の上院の副議長を派遣しました。この人はタタールスタンというトルコ系人の共和国があって、そこの副首相をやっていました。その副首相ですが、日本で言うと副知事くらいです。日本のイメージだと、副知事くらいの人が参議院議員になったようなものです。

平成の即位のときには旧ソ連のルキャノフ氏という連邦院の上院の副議長が来ています。後にこの人がゴルバチョフを追い落とすクーデターを実行し失敗しました。ルキヤノフはゴルバチョフとは大学時代からの親友なので、この人が来てくれると日ソ関係を進め、北方領土交渉を進めるにもいい環境整備になるのではないかと当時は考えられていました。

それと比べると、少し格下の人が送られて来ているということを見ると、いまの日露関係を反映しているということが言えるかもしれません。今回の祝賀外交での日露間はなかなか話が進まないかもしれません。ただし、誰も人が来ないということではないですから、ロシア側の一定の配慮が感じられます。

今回は、24日に韓国のイ・ナギョン首相と安倍総理が会談する予定です。安倍首相との会談で何が出てくるかというところが注目です。会談をした結果、日韓関係がなお厳しいことになる可能性も考えられないことではありません。

「饗宴の儀」は4日間にわたって、22、25、29、31日と行われますが、平成のときには4日間で計7回行われましたが今回は1日1回ということで、招待客も平成のころよりは絞って行われるようです。そういう方向性を現在の皇室は示したいようですし、それを内閣が承認しているということなのでしょう。

いずれにしても、各国とも世界最長の歴史を誇る日本の皇室の「即位礼正殿の儀」に対して、日本と当該国の間が現状がどのような関係にあろうとも、失礼のない程度にある程度以上の格の人物を派遣しているということです。

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2019年10月21日月曜日

NBAの中国擁護が米国団体にとって今に始まったことではない理由―【私の論評】いずれ中国は、世界市場から完璧に弾き出るよりしかたなくなる(゚д゚)!


    レブロン・ジェームズの中国への渡航は、大部分は商品を販売することだが、
    利益のために道徳を犠牲にすることの最新事例に過ぎない

<引用元:ニューヨーク・ポスト 2019.10.19>スティーブン・W・モッシャー氏(人口研究所(Population Research Institute)所長で、「Bully of Asia: Why China’s ‘Dream’ is the New Threat to World Order」の著者。)による寄稿

レブロン・ジェームズは、中国での「状況について教育を受ける」必要性について他人に説教してもいいが、世間知らずの人間だ。その共産主義大国に約20回――おそらくその合計で何千万ドルも稼いだことだろう――訪れているにもかかわらず、自分のギャラを支払ったのがどのような怪物なのか全然わかっていないようだ。

レブロン・ジェームス

香港の人々――レブロンはその人たちが自由を求めて必死に戦っていることを無視したいようだが――は、もっとよくわかっている。中国共産党が国境の向こうで支配しているのは単なる警察国家ではなく、13億の国民を常に監視することを文字通り目標とする世界最先端の刑務所だと理解している。

香港の人々は、共産党が世界最大の強制収容所ネットワークを管理しており、何百万もの政治犯と少数民族がそこで安価な輸出用製品の製造を強いられていると知っている。

少しでも国を分断させようとするなら「体は打ち砕かれ骨は粉々に」なるだろう、と中国の習近平主席が警告したことを彼らは知っている。最後に、米国が自分たちの苦境に対して無関心を示せば、習が悪質な脅しを行動に移す可能性がよりいっそう高くなると知っている。

いうまでもなく、中国にへつらうのはレブロン・ジェームズとNBAだけではない。米国の個人と団体――それが最も裕福で高名であっても――は、米中関係のまさに初期から中国に頭を下げてきた。

富を追及して、米国企業は1980年代から北京の政権と協力してきた。何百もの米国企業は、中国が奴隷のような条件で進んで提供する安価な労働力を巧みに利用するために工場を作り、その過程で米国の労働者を裏切った。

現在でも米国のハイテク企業は、中国が自由を損ねるほどに監視国家を築くのを手伝い続けている。グーグルが人工知能開発で中国との協力を継続しているのは1つの例に過ぎない。

これまでの一連の政権は、蔓延する人権侵害をほとんど無視して、米国人に中国での投資を奨励してきた。例えば1989年に北京の街で1万人の学生が意図的に虐殺されても、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領が親中政策を断念するよう説得するには不十分だった。

米国の数十年にわたる中国融和政策の邪魔をする人は誰でも――香港を支持するツイートをしたヒューストン・ロケッツのダリル・モーリー・ゼネラルマネージャーがそうしたように――犠牲にならなければならなかった。

私に尋ねてくれ。知っているからだ。裏切られたのは私が最初だった。そして実にスタンフォード大学ほどの一流の機関によって、だ。私は人類学で博士号の最後の仕上げをしようとしていた。1949年以来中国で研究する初めての米国人社会科学者に選ばれたためだ。私は到着した時にぎりぎりで、中国が新たに発表した一人っ子政策の恐怖の目撃者となった。

私の「犯罪」は、中国が若く妊娠した母親たちを逮捕し、刑務所に入れ、堕胎させたことを本で非難した事だった。

中国はこれを「中国国民に対する攻撃」と解釈し、大学に私に対する「厳しい処罰」を要求した。そしてスタンフォード――世界の一流大学の1つ――は屈服し、私が獲得した博士号を否定し、私を解雇した。

スタンフォードを屈服させた脅しは何だったのだろうか?

スタンフォードは、私の情報提供者が危険にさらされたことを懸念したと主張したが、これは人類学的な倫理に違反しており、私は排除された本当の理由を知っていた。つまり中国は、スタンフォードの学者を全員無期限に中国から追放すると脅していたのだ。

私の件に関する臆病さはカーター政権のトップにまでずっと拡大した。カーター政権国家安全保障会議ですらスタンフォードに中国の要求に従うよう強く促した。

中国は米中学術交換プログラム全体を中止すると脅していたことが判明した。

NBAを追放すると脅したのと全く同じだ。

このパターンがわかるだろうか?

「アジアのいじめっ子」の初期動作――嫌いなものを見る時の――は脅迫することだ。

幸運なことに、我々の今の大統領には屈服する習慣はない。ピーター・ナバロ通商顧問とロバート・ライトハイザー米国通商代表の協力を得て、トランプ政権ホワイトハウスは融和政策の終了を提唱しており、議員と企業役員の両方に中国に対抗するよう――また米国の典型的な自由の価値観と表現の自由を支持するように強く促している。

それがとても良いことだと思わないのであれば、香港の抗議者たちに尋ねてみることだ。

【私の論評】いずれ中国は、世界市場から完璧に弾き出るよりしかたなくなる(゚д゚)!

10月上旬は特に、米国の団体・企業などが中国から締め出しを受けたり、怒りを買ったケースが多発しました。
・10月2日に中国で放送されたアメリカの人気アニメ「サウスパーク」の内容が、中国の政治犯に対する弾圧を批判。習近平国家主席をくまのプーさんになぞらえるなど、当局を刺激するものだった。7日に中国での放送中止が決まった。 
・10月7日、「ティファニー」の広告画像で、モデルの女性の右目を手で覆い隠すポーズが反発を受けた。8月にあった香港デモに参加の女性が、警官の撃ったゴム弾を右目に受けて負傷したことで、一時デモ参加者たちが右目に眼帯をしたり、右目を右手で覆って負傷女性への連帯と香港警察への抗議を示した。広告にはその意図は無かったが、ティファニーは広告画像を削除した。 
・10月8日、中国共産党機関紙「人民日報」(電子版)が、iPhone用の香港の地図アプリ「HKmap Live 」を香港デモを支援するアプリだと批判。10日にはAppStoreに表示されなくなってしまった。 
・10月11日、アメリカの人気DJであるZEDD(ゼッド)がTwitterで「(前出のアニメ)サウスパークのツイートを『いいね』したら、中国から永久に入国禁止を受けた」と明かした。
こうしたなかでひときわ大きな話題となったのがNBAでした。10月4日、NBAヒューストン・ロケッツのダリル・モーリーGMが香港デモへの支持をTwitter上で示すと、中国で瞬く間に反発が拡大。中国バスケットボール協会はロケッツとの提携関係の見直しを発表し、中国での配信権を持つIT大手のテンセント(騰訊)は一時、NBAの試合の配信を中止しました(14日から再び配信を行っています)。

さらに中国で予定されていたNBA関連イベントや、国営放送でのプレシーズンマッチの放送が中止になるなど、影響が続きました。

NBAは約30年前から中国と関わり始めました。ロケッツで活躍し、現在は中国バスケ協会の会長でもある姚明(ヤオ・ミン)氏がNBA入りした約20年前から、中国市場への投資が本格化しています。ロケッツ同様、他のNBA各チームも中国でのビジネスに力を入れています。

今回の事態を受け、NBAの公式スポンサーになっていた中国企業25社中12社がスポンサーの取りやめ、または一時停止を発表。現地メディアの中新網は「ロケッツは年間4億元(現在のレートで約60億円)を損失し、NBAに至ってはさらに多いだろう」と指摘しました。

ロケッツのダリルGMは、中国からの反発を受け、当該ツイートを削除。10月7日には「自分のツイートが中国のロケッツファンや友人たちを不快にさせるつもりはなかった」と投稿しましたが、反発はまだ収まっていません。

ロケッツのダリル・モーリーGM
ちょうどその時期、ロケッツとトロント・ラプターズが、16年ぶりの日本でのNBAプレシーズンマッチ開催のため来日していました。NBAのトップであるアダム・シルバーコミッショナーも来日、10月8日の試合前に臨んだ記者会見では、海外メディアから厳しい質問が飛び交いました。

「NBAには、表現の自由をしっかりと擁護してきた長きに渡る伝統がある。彼(ダリルGM)にはそれを行使する権利がある」と毅然と発言したことに、さらに中国側は反発しました。会見翌日、上海に渡り、「この件について怒っている」と言われるヤオ・ミン氏(中国バスケットボール協会会長)との会談を行ったようですが、現時点まで詳しい内容は明かされていません。

テンセントはNBAの試合を10月14日から配信再開したましたが、同日の中国外交部の定例会見で、テンセントの動きを支持するかと問われた耿爽(グン・シュアン)報道官は、「我々は各企業の具体的なビジネスに対して評論する立場にはない」と強調、「スポーツ交流は中国とアメリカの友好関係が増す。しかし、交流していく上では相互尊重が重要」と釘を刺しています。

一方、せっかくシルバー氏が中国側の激しい反発を受けつつも、「言論の自由の保証」について表明したにも関わらず、10月10日に台無しにすることがありました。

さいたまアリーナでのNBAプレシーズンマッチ終了後の会見で、アメリカCNNの記者が一連の問題について、ロケッツの選手2人に質問しようとしたときのことです。チーム広報担当が「バスケと関係ない質問をするな」と遮ったのです。結果、言論の不自由さが際立つ結果になってしまいました。

このやり取りはすぐに報道されてTwitterでも拡散し、NBAに批判が殺到。NBAはすぐさま、CNN記者に謝罪することとなりました。

この問題、日本での関心はそれほど高くないですが、実は日本の企業や著名人もこれまでに巻き込まれています。日産自動車の中国での合弁会社である東風日産は10月9日、NBAへのこの問題、日本での関心はそれほど高くないですが、実は日本の企業や著名人もこれまでに巻き込まれている。日産自動車の中国での合弁会社である東風日産は10月9日、NBAへのスポンサード中止を発表しています。

また、アイドルグループAKBの姉妹グループで、上海を拠点にする「AKB48 Team SH」は、10月8日に上海で行われたNBAのプレシーズンマッチに出演予定だったのですが直前に出演を取りやめています。共に公式声明文の中で中国への支持を表明しています。



中国でも大人気のバスケ漫画・アニメ「スラムダンク」も“被害”を受けました。

作者・井上雄彦さんが4カ月前に、Twitter上で河野太郎外相(当時)など香港デモを支持するツイートに対して「いいね」を押していたことが、なぜか10月8日になって中国のSNS上で広がり、大規模ではないものの反発が発生しました。

「がっかりした。泣きたい」

「これからは正規版では無く、違法コピー版を読む!」

「好きな漫画は、テニスの王子様に変える」

との声が出ていました。

中国では一度敵視されると、徹底的にたたかれ、市場から排除されます。それでも巨大な市場で利益を享受したいと考える海外の企業は多いです。

中国とどう折り合いを付けていくのでしょうか。中国を刺激しないように、中国の顔色をうかがいながら、忖度していく。こういった企業がますます増えていきそうです。

ただ一ついえるのは、外国の企業や団体を中国市場から排除するようなことを続けていけば、そのような国ではどの企業も事業継続は不可能とかんがえるようになり、いずれ中国が世界市場から叩き出されることになります。

現在の中国は、TPPにも、EPAにも参加できません。参加するためには、中国国内の構造改革が必要になります。特に、民主化、政治と経済の分離、法治国家化は必須です。

これができなければ、いずれ中国が世界市場から完璧に弾き出るよりしかたなくなります。自国と、札びらで頬を叩いて無理やり仲間にした、自分のことを良く聞く金にしか芽がない発展途上国と中国で、経済圏を作り出し、その中で生きていくしかなくなります。そのような経済圏は発展する見込みがありません。

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2019年10月20日日曜日

EXCLUSIVE-緩和必要なら短中期金利を「確実に」引き下げ=黒田日銀総裁―【私の論評】いま日銀が取り組むべきは、マイナス金利の深堀、構造不況業種の銀行などに配慮するな(゚д゚)!

EXCLUSIVE-緩和必要なら短中期金利を「確実に」引き下げ=黒田日銀総裁

黒田日銀総裁

日銀の黒田東彦総裁は19日、ロイターのインタビューに応じ、追加の金融緩和が必要になれば短期・中期の金利を「確実に」(certainly) 引き下げると語り、高まる海外経済のリスクに対し、マイナス金利の深堀りが主要な選択肢との考えを示した。

また、市場が大きく動けば現状の枠組みでも上場投資信託(ETF)の買い入れを増やすことは可能と述べ、景気に悪影響を与えかねない株価下落に対応する準備があることを示唆した。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議出席のため、米ワシントンを訪れている黒田総裁はロイターに対し、「世界経済の見通しは、総じてより活発さに欠けている。成長が回復する時期は幾分後ずれしている」と語った。

その上で「もし追加の金融緩和が必要なら、確実に短期・中期の金利を引き下げる。超長期金利の低下は望まない」と述べた。

黒田総裁のこうした発言は、米中貿易摩擦と世界的な需要の落ち込みに対する日銀の懸念を裏付ける。市場関係者の間では、こうした海外経済の減速を受け、日銀が10月の金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの観測が出ている。

さらに黒田総裁の発言は、緩和に踏み切る場合、短期金利を一段と引き下げ、マイナス金利を深堀りする可能性が最も高いことも強く示している。

黒田総裁は、短期・中期金利の引き下げは経済にプラスに作用する可能性がある一方、超長期ゾーンを過度に引き下げると、年金や生命保険の運用に悪影響を与え、消費者心理を冷やしかねないと語った。

日銀はイールドカーブ・コントロール(YCC)の枠組みの下、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導している。国債とともに、ETFなどのリスク資産も購入している。

日銀が前回の会合で、海外リスクの高まりを警告し、政策対応に踏み切る可能性を示唆したことで、市場では日銀が10月30、31日の金融政策決定会合で追加緩和するのではとの観測が強まっている。

10月会合で緩和が必要なほど海外のリスクは高まっているか、との問いに黒田総裁は「確定的に言うのは少々難しい」と答えた。

黒田総裁は、米中協議に多少の進展が見られる一方、対立は続く可能性があり、英国の欧州連合(EU)離脱の先行きもまだ不確実だ、と指摘。「世界経済の下振れリスクが非常に高まったとか、非常に縮小したとか言うことはできない。リスクの高い状況が続くと思う」と語った。

そのような海外リスクと国際通貨基金(IMF)による世界経済見通しの下方修正は、日銀の日本経済の見通しに影響を与えるとも付け加えた。

黒田総裁は、2%の物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれる場合、日銀はちゅうちょせず金融緩和するという従来の見解を繰り返したが、いつ行動するかについて前もってアイデアがあるわけではないと述べた。

「あらかじめ政策を決めていることはない。すべて経済データ次第だ」とし、今月の政策決定は既定路線ではないと示唆した。

日銀は追加緩和する場合の政策オプションとして、短期政策金利の引き下げ、長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、マネタリーベース拡大ペースの加速の4つがあるとしてきた。

黒田総裁はマイナス金利の深掘りが主要なオプションの1つだと発言してきたが、アナリストらはマイナス金利のさらなる低下は地方銀行の資金繰りを悪化させ、消費者マインドを傷めると警告している。

マイナス金利深掘り以外ではどんな政策ツールがあるかとの質問に黒田総裁は「いくつかのオプションの組み合わせや応用がある」と指摘したが、詳細は語らなかった。

「資産買い入れプログラムを拡大することもできる。われわれの資産買い入れプログラムは長期国債だけでなくETFなども含む」と述べ、「金融緩和によって経済に影響を与える様々なツールがある」とした。

日銀は現在の資産買い入れプログラムの下で、保有残高が年間6兆円のペースで増えるよう、ETF買い入れを行っており、市場の状況に応じてそのペースは変動するとしている。

黒田総裁は「われわれのETF買い入れは非常に柔軟だ。現在の制度の下でも、必要ならETFの買い入れを大幅に増やすこともできる」と発言。年間6兆円のペースで買い入れを増やすという現在のコミットメントの下で、ペースを拡大することも可能との考えを示した。

インタビューは英語で行われました。

【私の論評】いま日銀が取り組むべきは、マイナス金利の深堀、構造不況業種の銀行などに配慮するな(゚д゚)!

現状、安倍政権は経済成長を最優先させることに力点を置いていないとみられ、それが引き起こすであろう経済情勢の変化が政権の地盤を揺るがしかねないですす。このリスクは、すでに金融市場の価格形成に反映されています。

日本株の日々の値動きは、米国株市場にほぼ連動して動いています。ただ、2018年から米国と比べて日本株はアンダーパフォームし、2018年初をピークに日本株(TOPIX、東証株価指数)が緩やかな下落基調にあります。日本の経済政策がうまく作用せず、経済が冴えない状況が続いていることが最大の背景です。

株価指数ヒストリカルグラフ -TOPIX (東証株価指数)- 週足チャート

経済最優先を掲げていた安倍政権の政策が2018年からはっきり転換したことの象徴としては、今年10月の消費増税を決断し、財政政策が明確に緊縮方向に転じたことです。


2%インフレという経済正常化を実現する前に財政政策を逆噴射させるのは、2014年の消費増税と同様で、成長率を押し下げてデフレ圧力を高める政策対応以外の何ものでもありません。

もちろん、消費増税への対応政策として補正予算策定などが検討されています。3兆~5兆円規模の補正予算などの手当てが想定されますが、可処分所得の伸びが極めて低い中で、2兆円を上回る家計に対するネットの増税負担への手当てとして十分な対応はほとんど見当たりません。

このため、2020年にかけて個人消費を中心に成長率は大きく減速することになるでしょう。

また、安倍首相は新設する検討会議において、「全世代社会保障改革」に全力で取り組む、としています。新たな検討会議での議論は、社会保障制度や税制の将来の姿につながるという意味では重要でしょうが、長期的な政策枠組みの話がメインとなり、予想される景気減速への対応には直結していません。

他国に目を転じると、米国や欧州などほとんどの国で、経済成長の下振れリスクが高まりインフレが停滞する中、経済成長率を押し上げる拡張的な経済政策を行っています。

米国では、ドナルド・トランプ大統領が議会と財政合意にこぎ着け、2020年までの歳出の上限を引き上げました。フランスは4月に減税などを行い、EU離脱を控えた英国ではボリス・ジョンソン首相が政府債務を拡大させる大規模な財政政策を表明しています。そしてドイツでも、景気低迷を受けて、減税などの財政政策についての議論が活発になっています。

ジョンソン英首相(左)とトランプ米大統領(右)

マクロ安定化政策が各国の経済成長率を左右し、それが株式市場のパフォーマンスにも影響します。デフレ脱却の途上にあり、各国と比べても成長率を押し上げる経済政策が必要である日本だけが緊縮的な経済政策を行っていることへの、投資家の不信感はかなり大きいと思われます。今後景気が減速する中で、この不信感は強まるとみています。

緊縮的な経済政策は、財政政策だけではなく、日本銀行の金融政策についても同様です。

現状、米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年7月から利下げに転じる中で、新興国を含めたほとんどの中央銀行が金融緩和を強めています。こうした状況下、インフレ目標の実現が先送りされる中で日銀が金融政策の現状維持を続けていることは、円高を引き起こし、金融引き締め的に作用しています。

2%インフレ目標の達成可能性が低下する中で日銀が同じ政策を続けているのは、安倍政権と足並みをそろえ、経済軽視の政策を行っているからかもしれません。いわゆる「金融緩和の副作用」なるものが、少し前まで声高に叫ばれていましたが、具体的なものはありませんでした、さらに最近はこの副作用という声が小さくなってきたようです。

マイナス金利政策はこれを続けることで政府による国債発行を増やして、財政政策を拡張することをサポートしているともいえますが、その必要性を政府に強く訴えることはできるでしょう。そして金融政策についても、円高リスクを低下させるために、マイナス金利の深掘りが有力な金融緩和のオプションが必要になるでしょう。

マイナス金利に関しては、銀行関係者は銀行の利益がなくなるとしして、反対していますが、日銀はこのような銀行関係者の声に耳を傾けている時なのでしょうか。

そもそも、銀行はすでに構造不況牛酒です。銀行の9割が消え、銀行員は99%リストラされるという近未来像は、暴論でもなければ、絵空事でもありません。そのようなこと、私自身は肌身で感じます。なぜなら、最近では従来のように、金融機関に足を運ぶことがほとんどなくなったからです。

銀行の不振を伝えるテレビ報道。銀行はもはや構造不況業種なのだ。

銀行業界が抱えるさまざまな問題をすべて解決するための方法は、1つしかありません。
それは、銀行業務から人を排除することです。

これで銀行が抱えているあらゆる問題は解決し、弱点がすべて強みになるかもしれないのです。

バブル崩壊やリーマンショックなど、銀行業界はこれまで数々の金融危機を乗り越えてきましたが、それらとは質が異なり、より深刻な危機が襲いかかっています。

地銀の大半は赤字続き、メガバンクもこぞって数千人・万単位の人員削減や、支店・ATM網の統廃合に乗り出しています。

それだけではありません。銀行の存在意義そのものが根底から揺らいでいます。AIやフィンテックといった金融技術の進化によって、銀行業務の独占が崩れ始めているのです。

銀行業務そのものが「消える」可能性が高いです。

特に資金決済など、伝統的に銀行が担ってきた業務は、急速に新たな仕組みに置き換わりつつあります。

ブロックチェーンと呼ばれるシステム上の帳簿技術や、それを使ったビットコインなど仮想通貨が広まれば、ますます伝統的な銀行業務は消えていきます。

これからほんの数年で、金融業界が一変する可能性を秘めているのです。そのような大変化のさだ中にある日本の金融業界に対して、低金利の深堀をしなければ、旧態依然とした銀行の体質を温存するだけとなります。

日銀が、マイナス金利の深堀をしないで、旧態依然とした金融機関を守ったつもりであっても、金融機関の革新を遅らせ、結局どこかの金融機関に天下りできるだろうという日銀官僚の目論見はことごとく外れて、銀行のほとんどは消滅しているかもしれません。

あるいは、首尾よく天下りできたとしても、直後に消滅などといこともありえます。

そのような不確かな未来にかけるよりも、現在日銀は、有利な金融緩和のオプションとして、大多数の日本国民のために、マイナス金利の深堀を実施すべきです。さらに、量的金融緩和にも果敢に取り組むべきです。

マイナス金利の深堀りが主要な選択肢との考えを示すという悠長なことを言わずに、明日からでも実行していただきたいです。

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2019年10月19日土曜日

ソ連に操られていた…アメリカが隠していた「不都合な真実」―【私の論評】ヴェノナを知れば、あなたの歴史観は根底から覆る(゚д゚)!

ソ連に操られていた…アメリカが隠していた「不都合な真実」

第二次世界大戦から朝鮮戦争、そして冷戦。現在へと続く戦後の歴史は「アメリカ覇権の歴史」でもある。

そのアメリカが今、「ある文書」によって自国の戦中・戦後史の見直しを強いられていることをご存じだろうか。そして、この歴史の見直しは日本にも暗い影を落とすものかもしれない。

■ソ連の暗号解読が引き当てたとんでもない事実

『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』(扶桑社刊)は、アメリカが1995年に公開するまでひた隠しにしてきた「ヴェノナ文書」を軸に、戦中・戦後のアメリカの政策決定が「スパイ」によってゆがめられていた可能性を指摘する。

『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』(扶桑社刊)  表紙

話は1943年、第二次世界大戦中にさかのぼる。アメリカ陸軍情報部の「特別局」の情報官がこんな噂を聞きつけた。

「独ソが英米を出し抜いて単独和平交渉を行っている」

この和平が成立すれば、両国は結託して戦争資源を米英に集中してくる可能性がある。この噂は当時の米軍にとって極めてデリケートな情報だった。

真偽を確認するために、アメリカは在米ソビエト外交官がソ連本国と交わしている秘密通信の解読プロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクトを「ヴェノナ作戦」と名づけた。

「論理的に解読不能」とされる複雑な暗号システムに挑む困難なプロジェクトだったが、アメリカの情報分析官たちの奮闘によって、アメリカはついに暗号を部分的にではあるが解読することに成功。通信の内容は「独ソの和平交渉」を示してはいなかった。

しかし、これでひと安心、とはいかなかった。その代わりにもっととんでもない事実が明らかになったのである。

■なぜこんなに早く? ソ連の原爆保持の謎

話がそれるが、第二次世界大戦終戦当時、核戦力を持っていたのは世界の中でアメリカだけだった。そして、そのままアメリカのみが核を持っている状態であれば、今の世界秩序は全く違ったものになっていたはずだ。終戦後長くつづいた米ソの冷戦は、両国ともに核という「最終兵器」を持っていたからこそ起こり、維持されたものだからだ。

ソ連がはじめて核実験を成功させたのはアメリカに遅れること4年、1949年のことだった。たった4年である。不自然ではないだろうか。核物質の精製技術や兵器化の技術というのは、当時のソ連の技術水準からしてそれほどの短期間にものにすることができるものだったのか。

「ヴェノナ作戦」がソ連の暗号通信を徐々に解読できるようになったのは1946年。すでに戦争は終わり、「独ソの平和交渉」の証拠をつかむという当初の目的はすでに無意味になっていた。

しかし、最初にまとまった文章として解読された通信内容が示していたのは驚くべき事実だった。ソ連はアメリカ最大の秘密計画だった原爆プロジェクトに深く浸透していたのだ。

ソ連は主にアメリカ共産党員をエージェントとしてリクルートし、国内に大規模なスパイネットワークを作り上げていた。それはアメリカの国家中枢にまでおよび、軍事と外交に関わるほとんどすべての主要官公庁の内部に多数のスパイを獲得していた。アメリカの原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」の内部でも、クラウス・フックスとセオドア・ホールの二人の物理学者、そして技術者のデイヴィッド・グリーングラスらが、ソ連に多くの技術情報を渡していたとされる。

ソ連がわずかな期間できわめて安価に核開発を成功させることができたのは、米国のスパイからもたらされる情報によるところが大きかった。このスパイネットワークを通じて、アメリカの原爆プロジェクトはソ連に筒抜けだったのである。

話は原爆だけにとどまらない。後の捜査でわかったことだが、スパイの中にはイギリスのウィンストン・チャーチルやルーズベルトと個人的に会うことができるほど高位にあった者もいれば、軍の高官もいた。外交官もいた。

そして厄介なことに、「ヴェノナ作戦」によるソ連通信の解読文に出てきた、ソ連に協力するアメリカ人の数は349名。しかし大部分はコードネームを使って活動しており、本名を特定できたのは半数以下だったという。残りの半数以上は摘発されることなくスパイ行為を続け、国家の中枢でアメリカの利益を損ねる行動を繰り返しているのかもしれなかった。

当時のアメリカは、身内に裏切り者がいるのは確かだが、それが誰かわからない状態でソ連と外交交渉をしなければならないという、非常に困難な状況に追い込まれていたのだ。

『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』はソ連のスパイネットワークがどのように形成され、スパイたちはどのように活動し、それがどうアメリカの政策決定に影響していたか、そしてアメリカはなぜ「ヴェノナ文書」をひた隠しにしてきたのかを、当時の歴史背景を交えながら解説していく。

「スパイ」「ソ連」と聞くとなにやら陰謀論めいた話に聞こえるが、「ヴェノナ文書」の存在も、それが長く封印されていたことも事実である。原爆の製造情報をソ連に渡した容疑で逮捕され、のちに死刑となったジュリアスとエセルのローゼンバーグ夫妻には40年以上も冤罪疑惑がつきまとっていたが、この文書の公開によって実際にスパイであったことが証明されている。

学校で教わったり本で読んだ戦後史の裏側にあるもう一つの物語。本書は、誰にとってもスリリングな読書経験となるはずだ。
(新刊JP編集部)

【私の論評】ヴェノナを知れば、あなたの歴史観は根底から覆る(゚д゚)!

今回が発刊された『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』に関連する、倉山満氏、江崎道郎氏、上念司氏の鼎談の動画を以下に掲載します。


本作品は2010年にPHP研究所より発刊された『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』が絶版となっていたのですが、再発刊されたものです。今回はkindle版も発行されるそうです。 

米ソ同盟の裏で行われたコミンテルン(ソ連のスパイ)の諜報活動を暴く「禁断の書」書籍として、再発刊が待望されていました。 

米国の軍事機密がソ連に筒抜けだった事実は、日本にとって何を意味するのでしょうか。ソ連はアメリカの原爆プロジェクト「マンハッタン計画」を事前に把握しつつ、1945年8月6日の広島への原爆投下を見届け、同月8日に対日戦線布告を行ったということです。

ブログ冒頭の記事には、日本のことは出ていませんが、戦時中の近衛内閣はかなりコミンテルン(ソ連のスパイ)が浸透していたことや、コミンテルンによるアジア浸透戦略がヴェノナ文書で裏付けられています。それについては以前このブログでも紹介させて頂いています。その記事のリンクを以下に掲載します。
アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア戦略―【私の論評】他の陰謀論など吹き飛ぶ! これこそ陰謀中の陰謀だ! 世界は、日本は、あなたはとうに滅亡したソビエトにまだ欺かれ続けるのか?
ヴェノナ文書により、ソ連の陰謀は白日の下にされされた
詳細は、この記事をご覧になってください。以下にこの記事の結論部分のみ掲載させていただきます。
今や、EUが本気になれば、ロシアを一捻りできるほどに衰退しました。プーチンは、衰退したロシアを少しでも強く見せるため奔走し、これ以上譲歩させられることを何としても防ごうとしています。 
しかし、隣には人口13億、経済的にロシアを凌駕した中国が控えており、いつ出し抜かれるかわかりません。そうして、今やロシアの世界に対する影響力はソ連当時と比較すると見る陰もありません。 
しかし、アジアでは、旧ロシアに変わって、中国がソ連コミンテルンの陰謀によって築かれた「戦後体制」保持し、ソ連に成りかわりアジアの覇者になること虎視眈々と狙っています 
史実が明らかになった今、日本を含めた世界の多くの国々が、ソ連の仕掛けた陰謀に未だにはまっているのは不合理そのものです。一日もはやく、旧ソ連の陰謀によって、できあがった、ソ連に都合の良い、そうして今では、中国にとって都合の良い、「戦後体制」なるものは、捨て去り新たな世界秩序をうちたてるべきです。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
さて、コミンテルンは今はもう なくなりましたが、  実は共産党員でもなく 共産主義者でもないのに 実は隠れ共産主義者あるいは本人は共産党員でもないし共産主義者でもないと思ってるのに 実は共産党に操られてる人たちが日本は無論のこと世界中に相当存在しているようです。

こういう人たちをデュープスと言います。(デュープス=Dupes=騙されやすい人・お馬鹿さん・間抜け)

本人は共産主義者でもないし共産党員でもないのですが、 結果的に共産党やソ連の味方をしてしまう人たちのことです。

このように、芸能人、スポーツ、学者、政治家、文化人 に共産党に所属させないで 共産党の言ってることを代弁させるような工作活動 これを「影響力工作」と言いますが、これ共産党の得意技なのです。デューブスになりそうな人たちに、自分たちに直接属させたり、直接仕向けるのではなく、デュープスにさせるのです。このようなデューブスを数多く輩出することに共産主義者は長けているのです。

米国においては、マッカーシー旋風の時に 戦中・戦後の反省をして 共産党的なことやソ連の味方を してる人を全部共産主義者 と決めつけました。しかし、それは間違いでした。米国にはいわゆるデュープスが存在していたのです。そのためこの人達は共産党員でもないし共産主義者でもないのです。

共産党無自覚なのに自分たちに味方する人たちをつくるのです。だから、私達もそういう人たちも居るって言うことを理解するべきなのです。 そのた、むやみやたらに 彼らを共産党のスパイだとか 共産主義者等と烙印を押してはいけないのです。

精神医学 つまり ブレインウォッシング (洗脳)を含めて、心理学や洗脳工作や宣伝 プロパガンダ工作という形で多くの人々に影響力を与えることができるように、共産主義者らは精神世界に関する学問を徹底的に学び、多くの仲間を作ることに成功したのです。

ドイツ には ヴィリ・ミュンツェンベルク という映画製作者がいて ハリウッドも含めた 映画を上手く使いながら 世界の人を洗脳せよと いう工作方針を出しました。彼のそういう工作方法を学んだ人間が中国の周恩来、野坂参三などの共産主義者なのです。

こういうことを学んで 洗脳工作をしたのです。洗脳するためには教育界と メディア界を支配するのが近道です。だから彼らは、今でも教育とメディアに一生懸命入浸透しようとするのです。

米国では、大統領選で トランプが劣勢だった時に トランプを絶対応援すべきだと言って全米の保守派に号令をかけた人がいました。フィリス・シュラフリーという人なのですが、日本で言うと櫻井よしこさんのような人です。

1975年インタビューを受けるフィリス・シュラフリーさん

彼女は全米の草の根保守のリーダーです。日本ではあまり知られていないようですが、米国では著名人です。1100万人の人たちを率いてると言われていた人ですが 、彼女もまたヴェノナ文書のおかげでようやく私たち保守派の言ってることの正しさが証明されたと語っていました。

彼女は、真珠湾攻撃はルーズベルトが日本に仕掛けたんだということを保守派のある程度 物を分かっている人は知っていると語っていました。

ところが、 米国 メディアは 自分たち保守派の意見を全然報じないので、日本にほとんど伝わっていないが、 我々保守派はそういう事実を認識している ということを一所懸命言っていました。

フィリス・シュラフリーさんは 2016年の大統領選挙の2ヶ月前に亡くなったのですが、葬儀には トランプ氏も出席しました。

米国保守派は、 ルーズベルトと スターリン、レーニンこそが最大の敵なのであり、 だからこそ日本よりも スターリンと ルーズベルトがもっと悪いと いうを考え方を持っている人たちです。日本の保守派もこういう人たちと協力できるようになっていくと 力強いと思います。

その意味でも、すでに読んだ方は、今一度『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』を読んで見る価値がありますし、読んでいないかたには、その価値は十分あると声を大にして言いたいです。

ヴェノナプロジェクトの内容を知ることは、日米双方の保守派にとって、協力するための一厘塚になるものと、私は確信しています。さらに、この書籍を読んだことのない方読めば、政治的信条がどうであれ、あなたの歴史観は根底から覆されることになります。

ベェノナ文書は、それだけインパクトのあるものでしたし、これからも多くの人々にインパクトを与え続けていくことでしょう。

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2019年10月18日金曜日

米 対EU関税上乗せ発動 最大25% EUも対抗の構え―【私の論評】トランプ大統領の本質を知らないEUは、「米中貿易戦争」と同じ過酷な体験を味わうことに?



アメリカ政府は、EU=ヨーロッパ連合から輸入されるワインやチーズなどに最大25%の関税を上乗せする措置を、日本時間の午後1時すぎに発動しました。これに対して、EUも対抗措置に踏み切る構えで、双方の対立が激しくなる見通しになっています。

アメリカとEUは、互いの航空機メーカーへの補助金をめぐって対立が続いていて、WTO=世界貿易機関は14日、両国とも不当だとしたうえで、まず、アメリカによるEUへの対抗措置を正式に承認しました。

これを受けてアメリカは、日本時間の18日午後1時すぎ、EUから輸入される年間で最大75億ドル、日本円で8000億円分に、高い関税を上乗せする措置を発動しました。

対象は160品目で、フランス産のワインやイギリス産のウイスキー、各国のチーズなど農産品に25%、航空機に10%の関税を上乗せするとしています。

これに対してEUも、アメリカからの輸入品に関税を上乗せする措置の発動に踏み切る構えですが、トランプ大統領は16日、「EUが報復することはありえない」と述べて、EU側をけん制しています。

さらに、トランプ大統領は、貿易赤字を削減するため、ドイツなどから輸入される自動車についても「アメリカを長年苦しめてきた」と述べ、高い関税を課すことを検討しています。

双方の対立は激しくなる見通しになっていて、世界経済の減速リスクがさらに高まるおそれが出ています。

【私の論評】トランプ大統領の本質を知らないEUは、「米中貿易戦争」と同じ過酷な体験を味わうことに?

トランプ米大統領はこれまで「中国よりEUの方が強硬だ」などとたびたび発言。貿易赤字を抱えるEUへの不満を強めてきました。米政府は昨年6月、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を実施。対抗するEUは、米国が誇るブランド「ハーレー・ダビッドソン」の2輪車や、ケンタッキー州のバーボンなどを標的に報復関税を発動していました。

米欧は昨年7月に貿易協議開始で合意したのですが、交渉は停滞。米国は欧州製の自動車への高関税措置をちらつかせ譲歩を迫っています。フランスが米IT大手を念頭にデジタル課税を導入しており、米欧関係は冷却化する一方です。

そうした中、2004年に米欧が相互に世界貿易機関(WTO)に提訴し、長期化していた航空機補助金紛争で、米政府は報復関税を断行しました。鉄鋼・アルミ関税と異なり、今回はWTOの紛争解決手続きを経て承認された手段となります。

米国が関税を上乗せする約75億ドル分のEU産品は、EUからの全輸入品の2%未満です。計約3600億ドルに達する中国への制裁関税の規模に比べれば、米欧経済の打撃は限定的とみられます。

ただ、米欧が互いの名産品などを狙った報復を繰り返せば、対立が深まり和解の機運は一段と遠くなります。米国は中国と部分合意して制裁関税を先延ばししたのですが、EUとは対抗策の連鎖に陥る恐れが出てきました。

今日のような事態に至ることは前から十分予想できました。トランプ氏は既存の政治家とは全くタイプが異なります。どちらかというと、中小企業の経営者のような雰囲気です。しかし、だからといって、メディアなどがトランプ氏が既存の政治家のように振る舞わないからといって、批判するのは筋違いです。

なぜなら、米国民は既存の政治家の行動や政策に辟易として、選挙で既存の政治家でないトランプ氏を選んだという側面は否定できないからです。

このようなトランプ氏がどのような行動をするのか、それを予想するのは既存の政治家を予想するように予想していては不可能です。トランプ大統領の「次の一手」を予想するには経営者としての視点が必要です。

トランプ大統領の究極の目的は「米国ファースト」という言葉にあらわれています。オバマ政権の間の「乱脈経営」で蹂躙、破壊された米国を立て直し、競合を撃破し米国の確固たる地位を確立することこそ、トランプ氏の究極の目的です。

強大な敵である共産主義中国やロシアも大きな問題なのですが、これらに対しては、すでに対策をとり始めていますし、すでに方向性はみえてきていいます。

だとすれば、トランプ氏の次のターゲットとなるのはEU以外にないでしょう。そうしてEUはトランプ政権との交渉ですでにミスを重ねています。

EUの幹部は政治エリートの集まりで「特権階級」です。そのようなエリート「プロ政治家」と、4度の倒産を乗り越えたたたき上げの庶民派であるトランプ大統領が、意志の疎通を行うことは困難です。

そのためでしょうか、EUはトランプ氏から見れば「屁理屈」としか思えないような「エリートの論理」を、米国大統領に傲慢に投げつけて平然としていられるようです。

トランプ大統領と強い政治的パイプを持たないEUおよび加盟国の首脳は、同じくパイプが弱い習近平氏の「米中貿易戦争」と同じような過酷な体験を味わうことになるかもしれません。

フランスのマクロン大統領は、2004年、国立行政学院(ENA)を卒業。その後、財務省の中心機関であるアンスペクション・ジェネラル・デ・フィナンス(IGF)の監査官に就任しています。フランス最高峰のエリート集団であるENA卒業生の中でも別格であり、エリート中のエリートです。

実際、「パンが無ければケーキを食べればいいのに……」というマリー・アントワネットの言葉に匹敵するような、テレビでのマクロン氏の庶民感覚ゼロの失言に対するフランス民衆の怒りが、ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)抗議活動の導火線の1つになったともいえます。

もう1つのEUの中心軸であるドイツのメルケル首相は旧東ドイツ生まれで、東西ドイツが統合されるまで徹底した共産主義教育を受けています。

自由主義・資本主義を信奉するトランプ大統領とそりが合わないのは当然です。EUの両雄ともいわれる、ドイツとフランスの指導者がトランプ氏とは、意思疎通ができないのです。

前列左より、トランプ、メルケル、マクロン

そもそも、カール・マルクスが生まれたのはドイツであり、その後、共産主義は階級社会である欧州に広まりました。

米国のルーツは欧州だといわれることもありますが、より正確にはジョン・ロックの「市民政府論」に遡る英国です。

大陸欧州は、アドルフ・ヒットラーのナチス帝国、イタリア社会党の中心人物であったベニート・ムッソリーニ率いるファシスト党政権など、全体主義・独裁政権が目立つし、フランスも、フランス革命でルイ16世の首をはねたにもかかわらず、その後「国民の総意」でナポレオンに皇帝の地位を与えています。

このような文化を持つ大陸欧州とトランプ大統領が融和するとは考えにくく、英国がブリグジットでEUから脱出し、日米あるいはTPP11に接近するのは賢明な戦略です。

さらに、米国とEUの間に横たわるのが、EUは対米貿易で大幅な黒字を稼いでいるということです。しかも、対中貿易は赤字、つまりEUは、対中貿易の赤字を対米貿易の黒字で穴埋めしている形になっています。

「米中貿易戦争」で激しい戦いを繰り広げている米国が、「事実上の対中赤字」である「対EU赤字」を放置しておくはずが無いです。

昨年の米国とEUの輸出

「対中貿易戦争」における米国の勝利は確実と言って良いですが、「落としどころ」はまだはっきりと見えないです。しかし、何らかの「決着」に至れば、次の矛先が欧州に向くことは確実です。

米国にとって、ロシアはもちろん脅威ではあるが、現在のところ「最大の脅威」は中国であり、その対策に注力しています。

それに対して、欧州にとって最大の脅威は間違いなくロシアです。欧州と地続きであり、現在はEU加盟国となっている旧ソ連邦の東欧の国々にかけ続けるプレッシャーや、ウクライナでの「占領」行為も許しがたいものです。

欧州にとってロシアは、地政学的に言えば日本にとっての朝鮮半島や中国大陸に近い存在で、「地理的に近いゆえ見逃せない」のです。

それに対して共産主義中国は、欧州から見れば「遠く離れたエキゾチックな東洋」です。しかも、欧州発祥の共産主義が根付いた国であり、我々が思っているのよりも好感度が高いようです。

上海のタクシーの多くがフォルクスワーゲンの車であるのも、同社が早くから中国に進出したためですが、EUと中国は地理的な距離の割には政治的・経済的結びつきが強いです。

「米中貿易戦争」で、欧州も中国経済の低迷による打撃を受けるのは当然ですが、防衛問題でも、米軍の費用分担問題もさらに強く迫られるだろうし、「ロシアから守ってほしければ、『中国対策』もきちんとやってくれ」ということになります。

「米中貿易戦争」や「米中冷戦」で苦しんでいる共産主義中国が、欧州攻略の橋頭堡にしようとしているのがイタリアです。

ファシズムというと、アドルフ・ヒットラーの名前がすぐに思い浮かびますが、ファシズムの創始者はベニート・ムッソリーニです。彼は元々、イタリア社会党の党員として大活躍し、ロシア共産主義革命の立役者ウラジミール・レーニンから「イタリア社会党に無くてはならない人物」と絶賛されています。

しかし、その後、ムッソリーニは、共産主義・社会主義に飽き足らなくなり、彼自身の手で「改良」を加えました。そして生まれたのがファシズムです。したがって、共産主義(社会主義)はファシズムの生みの親とも言えるのです。

その後、イタリアではファシスト党が政権をとって、ムッソリーニが指導者となったのですが、第2次世界大戦が始まる前は、欧州において「ババ抜きのババ」扱いで、ムッソリーニがナチス・ドイツと手を組んだ時には、「連合国に入らなくてよかった」と首脳陣が胸をなでおろしたといわれるほどの「お荷物」でした。

実際、第2次世界大戦が始まってからムッソリーニがヒットラーの意向を無視し、勝手に行った北アフリカ攻略は惨敗。ドイツはロンメル将軍などの優秀な人材を北アフリカに張り付けざるをえなくなり、ロシア戦線での敗因になったともいわれています。

さらに、大戦末期にはムッソリーニの傍若無人ぶりに耐えかねた国民が反発。最終的にイタリア国王から解任を申し渡されて首相の座を追われ拘束されました。

そのホテルで拘束されていたムッソリーニを、グラン・サッソ襲撃と呼ばれる電撃的なグライダ―による作戦で救出したのが盟友ヒットラーです。

グラン・サッソ衝撃で用いられたドイツ軍のグライダーと降下猟兵

その後、北イタリアに樹立されたドイツの傀儡国家の指導者(忠犬)となって生き伸びたムッソリーニですが、第2次世界大戦の末期にパルチザンにとらえられ、ヒットラ―自殺の2日前に処刑されました。

しかも、その死体は民衆から殴るけるの暴行を加えられた後、ミラノ・ロレート広場のガソリン・スタンドで逆さにつるされました。

イタリアは結果的に「枢軸国」として大戦に参加しながら、ムッソリーニの失脚もあり「連合国」側の戦勝国として終戦を迎えています。

この油断できないイタリアを、欧州攻略の糸口にしようしている習近平氏は、後で後悔することになるのではないでしょうか。

いずれにせよ、そりの合わない、トランプ米大統領とEUは、EUがある程度折れないことはには、今後本格的な貿易戦争に突入していく可能性が高いです。

ただし、米国の中国に対する対峙は、トランプ政権がどうのこうのという次元ではなく、議会でも超党派でコンセンサスを得ているものですから、トランプの次の大統領でも継続されますが、EUとの対立は、次の大統領になった場合は、次がどのような大統領になるか次第ですが、収束する可能性は高いです。しかし、トランプ氏が大統領である間は予断を許さない状況が続くことでしょう。

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2019年10月17日木曜日

トランプは大差で再選される──最も当たる調査会社が予測―【私の論評】現時点で、トランプの再選はないと、どや顔で語るのは最悪(゚д゚)!

トランプは大差で再選される──最も当たる調査会社が予測
Historically Accurate Forecast Predicts Trump Win in 2020 
ニューズ・ウィーク

フロリダ州オーランドの選挙集会で再選への出馬表明をしたトランプ大統領夫妻(6月18日)

<1980年の大統領選以来、一度しか予測を外したことのないムーディーズ・アナリティカがトランプ勝利を予測する背景は>

2020年米大統領選挙をめぐる世論調査で、ドナルド・トランプ大統領は現在のところ、民主党の複数の有力候補に遅れをとっている。だが、正確さで定評のある大統領選予測モデルを擁する調査会社ムーディーズ・アナリティクスは、トランプが大差で勝つと予測している。

同社は、1980年以降すべての大統領選で勝者を的中させてきた。唯一外れたのは、トランプとヒラリー・クリントンが対決した2016年の大統領選だけ。もっともこの時は、他の予測もほとんどがクリントンの勝利を予測した。トランプ勝利を予測できたほうが例外的だ。

赤がトランプ(共和党)が勝つと予想される州、そして青が民主党が勝つと予想される州。
    ムーディーズ・アナリティクスは、トランプが激戦州を制すると予想

ムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ、ダン・ホワイト、バーナード・イェーボスの3人は、「2016年大統領選で予測が初めて失敗した理由の一つは、想定外の人々が投票に出かけたことだった」と書いている。

「我が社のモデルは、候補者がどの政党の支持者かという以外の個人属性を考慮していなかった。つまりトランプとクリントンの得票は、それぞれの所属政党の支持者の動向で決まると思っていたが、そうではなかった」

ムーディーズは、経済面で3つのモデルを使って予測を立てているが、いずれのケースでも、2020年の大統領選でトランプは少なくとも全部で538人の選挙人中289人を獲得する見通しだという。

市場の評価は今一つだが

3つのモデルのうち1つ目の「財布」モデルでは、経済についての3つの変数を重視している。ガソリン価格、住宅価格、個人所得の3つだ。いずれも、価格の変動が財布の中味に直結する。好調な米経済を背景に、トランプがいちばん大差で勝つのはこのモデルで、351人という圧倒的な選挙人を獲得する。

「有権者が主として自分の懐具合に基づいて投票した場合、トランプが圧勝するだろう」とムーディーズ・アナリティクスのリポートは書く。

2つめは「株式市場」モデルで、これがトランプにとっては最も厳しい。ここで重視するのは、スタンダード&プアーズ(S&P)500社株価指数とそこに組み込まれている優良企業500社の収益動向だ。米企業と株式市場は今、主にトランプの貿易政策をめぐる不透明感から悪影響を受けている。だからトランプに厳しくなるが、それでも、現時点ではまだトランプが勝つという予測になっている。

最後の「失業率」モデルでは、現在の低失業率が来年半ばごろまで続くという見通しを背景に、トランプの楽勝を予測する。

ムーディーズ・アナリティクスは、前回の大統領選では予測を外したものの、同社が2016年にトランプの大統領在任中の経済状況について行った予測は、おおむね現実になっている。

<参考記事>嘘つき大統領トランプがアメリカの民主主義を打ち砕く
<参考記事>民主党予備選で着実に支持を上げるエリザベス・ウォーレ

2016年、ムーディーズ・アナリティクスはトランプ政権下の経済について以下のように予測した。

「トランプの経済政策は、米国経済の孤立化を深める結果になるだろう。国際貿易と移民は大幅に減少する。貿易と移民の減少に伴い、外国からの直接投資も減少するだろう」

「この分析のもとになった経済モデルや根本的な仮定の正確さに若干の変動があったとしても、トランプの経済政策の影響に関しては、次の4つの基本的な結論が得られる。1) 米国経済の国際性が低下する結果になる。2) 政府の赤字と負債が増加する。3) きわめて高収入の世帯が主に恩恵を受ける。4) 米国経済が弱体化し、雇用が減少して失業率が上昇する」

もっとも、2020年の大統領選についてもまた外れる可能性はあると、ムーディーズ・アナリティカは警告する。トランプの経済政策には「詳細が欠けているため、定量化には複雑さが伴う」という。

「トランプという候補が過去の例からあまりにも逸脱しているために、モデルがうまく機能しない可能性もある」とザンディは述べる。「結局、モデル化できない原動力に結果を左右されていた、ということになるかもしれない」

【私の論評】現時点で、トランプの再選はないと、どや顔で語るのは最悪(゚д゚)!
米国のトランプ大統領は、日米メディアや、日米リベラル左翼からは史上最も人気のない大統領と思われているようです。政権はスタッフの入れ替わりが激しく、主要な政策を進めるのにも苦労しています。それでも、トランプ大統領が2020年に再選される可能性は高そうです。

トランプ大統領

ギャラップが4月17~30日世論調査では、トランプ大統領の支持率は約45%でした。これはオバマ前大統領の同時期の支持率とほとんど変わらず、前大統領は2012年に再選されています。

2011年4月中旬にオバマ前大統領が再選を目指すと発表した直後、その支持率は43%から45%あたりを推移していました —— まさにトランプ大統領のう4月の水準と同じです。

なお、ギャラップによると1995年4月中旬に支持率が46%だったクリントン元大統領も、再選を果たしています。

トランプ大統領には現職大統領として、資金集めの面で有利です。民主党候補には2月から3月にかけて数多くが名乗りを上げていて、立候補者の間で資金が割れてしまっています。

トランプ大統領は2019年の第1四半期に3000万ドルを集め、総額約4000万の現金が手元にあります。一方、民主党内の候補者としては、資金集めでリードしている民主党のバーニー・サンダース上院議員が第1四半期に集めたのは1820万ドル、カマラ・ハリス上院議員は1200万ドルでした。

同時に、有権者はトランプ大統領の経済政策を圧倒的に支持しているようです。これも再選を目指すトランプ大統領にとっては良いサインです。

直近のデータは、4月時点では、アメリカの雇用市場は依然として好調で、賃金も上昇していました。9月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が緩やかな伸びを示しました。これは製造業の軟調さが経済全体に広がっている兆しを示している可能性がある一方で、雇用の伸び鈍化は予想の範囲内で基本的には労働市場は健全であることが単に示されただけかもしれないと受け止められています。

消費マインドも4月には不況以来、最も高い水準に近いことを示していました。8月の米小売売上高で、前月比0.4%増と、市場予想の0.2%を上回る大幅な伸びとなりました。これらを見る限り、米中冷戦によね製造業のマインド悪化が雇用や賃金、個人消費など、人々のおサイフや消費行動にまで波及している様子は伺えないです。そうして過去のデータを見ると、経済が好調だと大統領の再選の可能性が高まることも分かっています。ただし、そのつながりは近年、弱まっているようです。

CNNが3月中旬に実施した世論調査で、アメリカ人の71%は経済がうまくいっていると回答。これは2001年以来、最も高い数字です。

同調査では、回答者の過半数(51%)がトランプ大統領の経済政策を支持しています。これは調査会社「リアル・クリア・ポリティクス」が出した各社の世論調査(トランプ大統領の経済政策への支持)の平均値、51.5%とほぼ同じです。

さらに、ジョージタウン・インスティテュート・オブ・ポリティクス・アンド・パブリック・サービス(Georgetown Institute of Politics and Public Service)が3月下旬から4月上旬にかけて実施した「バトルグラウンド・ポール(Battleground Poll)」調査では、2020年の大統領選で投票する「可能性が高い」と見られる登録有権者の58%が、トランプ大統領が経済のためにやってきた仕事を支持すると回答しています。

同調査ではまた、回答者の55%がトランプ大統領を全体として支持しないと答え、57%がアメリカは誤った方向へ向かっていると答えています。しかし、共和党支持者の間でトランプ大統領を支持する有権者は依然として多く、その74%が米国は正しい方向へ進んでいると答えました。

そして、ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が2月に実施した調査では、米国人にとって最大の課題は経済の強化と考えられていることが分かりました。ただし、調査によってはヘルスケアといった別の課題が経済よりも上位にきています。

再選に向けて、トランプ大統領の経済政策に対するプラスの評価がどれだけのアドバンテージになっているかは分からないが、マイナスになることはないようです。

さらに、今回の、ムーディーズ・アナリティカの分析によっても、トランプ大統領の勝利が予測されています。

さらに、このブログでも解説したように、米国では最初から禁じ手とわかっている「弾劾」を今回だけではなく、過去にも画策して結局失敗した民主党は、相当追い詰められているとみべきです。その記事のリンクを以下に掲載しておきます。
民主党へのしっぺ返しもあるトランプ弾劾調査―【私の論評】トランプ弾劾は不可能、禁じ手を複数回繰り出す民主党は相当追い詰められている(゚д゚)!
リチャード・ニクソン氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、米国では民主的手続きで選ばれた大統領を弾劾することについては、党派を問わず反対する人も多いにもかかわらず、民主党は複数回にわたってトランプ大統領を弾劾しようとしており、これは民主党が大統領選ではよほど窮地に立たされている見るべきであるとの結論を下しました。

この予想や、今年はじめの複数の調査会社の調査結果や、今回のムーディーズ・アナリティカの調査においても、トランプ大統領が大統領選で大差で再選されると予測しているわけですから、よほどのことがない限り、トランプ氏が再選されるとみて間違いないのではないでしょうか。

ただし、選挙は水ものですから、最後の最後までどうなるかはわかりはしません。ただし、現時点で、トランプは弾劾されるとか、トランプの再選はないと、さしたる裏付けもないにもかかわらず、日米のテレビや新聞の情報だけで判断して、どや顔で語るのはやめておいたほうが良いと思います。

はっきりいいますが、そのようなことをすれば、馬鹿と思われるだけでなく、信用を失います。

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2019年10月16日水曜日

対中を意識した日EUのパートナーシップ強化―【私の論表】現在日本が世界の自由貿易をリードしている(゚д゚)!

対中を意識した日EUのパートナーシップ強化

岡崎研究所

 安倍総理大臣は9月27日、ユンケル欧州委員会委員長の招きに応じ、ブリュッセルで開催された「欧州連結性フォーラム」に出席、基調講演を行ったほか、両首脳は『持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップ』と題する文書に署名した。まず、同文書の総論に当たる、第2パラグラフと第3パラグラフを以下の通り紹介する。


 日本とEUは,デジタル,運輸,エネルギー及び人的交流を含むあらゆる次元における連結性に,二国間及び多国間で共に取り組む意図を有する。パートナーのニーズと需要を十分に考慮し,かつその財政能力及び債務持続可能性に最大限留意して,日本とEUは,特に西バルカン,東欧,中央アジア,インド太平洋及びアフリカ地域において,第三国パートナーとの連結性及び質の高いインフラに関するそれぞれの協力の相乗効果と補完性を確保し,活動を協調させるよう努める。
 日本とEUは,開放性,透明性,包摂性,連結性に関する投資家及び産業を含む関係者のために対等な競争条件を促進するために共働することを構想する。双方はまた,自由で,開放的で,ルールに基づく,公正で,無差別かつ予測可能な,地域的及び国際的な貿易・投資,透明性のある調達慣行,債務持続可能性と高い水準の経済,財政及び金融,社会及び環境上の持続可能性の確保を促進する意図を有する。この文脈に関連して,日本とEUは,質の高いインフラ投資に関するG20原則の支持を歓迎し,これらの原則を適用し促進する。双方は,2019年4月の首脳宣言で合意されたパリ協定の完全かつ効果的な実施に対するコミットメントを想起する。
出典:外務省HP 安倍総理の「欧州連結性フォーラム」出席
 上記文書は、2018年10月18-19日のアジア欧州会合(ASEM)、2019年4月25日の日EU定期首脳協議、2019年6月28-29日のG20大阪サミットにおける文書を踏まえたもので、日EU間の戦略的パートナーシップ強化の文脈の中に位置付けられる。
 一読して明らかな通り、対中国を念頭に置いたものであることは確実であろう。文書で挙げられている具体的な地名のうち、西バルカン、東欧は、欧州において中国が一帯一路を通じて影響力を強化している地域であり、アフリカでも中国が経済援助により影響力増大を図っており、インド太平洋地域は言うまでもなく対中戦略において最重点の地域である。また、自由、開放的、ルールに基づく、公正、無差別かつ予測可能、透明性、債務持続可能性、といった語は、既存の国際秩序からの中国の逸脱を牽制する常套的キーワードである。
 EUでは、欧州委員会メンバーが11月から新メンバーに代わり、フォン・デア・ライエン前ドイツ国防相がユンケル委員長の後継の新委員長となる。フォン・デア・ライエン氏は、次期欧州委員会を「持続可能な政策にコミットする地政学的な委員会」と位置づけ、自己主張を強める中国との関係を定義することを目指している。彼女が掲げる「地政学的委員会」の旗がどれだけ本物か、注目されるところである。
フォンデアライエン(左)と10月末に退任するユンケル

 日本と欧州のインド太平洋における戦略的協力は日EUの枠組みだけでなく、二国間や様々な多国間の取り組みがあり得る。その例として、EUの最主要国の一つであるフランスとの「日仏包括的海洋対話」を紹介しておきたい。9月20日に同対話の第1回会合が仏領ニューカレドニアで開催された。外務省の発表によれば、本年6月の日仏首脳会談の際に作成された『日仏ロードマップ(2019~2023)』に基づき、インド太平洋地域における日仏パートナーシップ及び(1)航行の自由・海洋安全保障、(2)気候変動・環境・生物多様性、(3)質の高いインフラの3つの柱に係る協力を進める、という。海上保安庁と仏海洋総局間での海洋情報の共有・交換、日仏の艦船が共同活動を行う際の協力、日仏を含む共同演習(本年5月には日仏米豪共同訓練「ラ・ペルーズ」が行われるなどしている)の機会の追求、インド太平洋地域沿岸国における能力構築に係る日仏協力の検討、などが具体的課題として挙がっている由である。なお、ニューカレドニアは南太平洋にあるフランスの海外領土である。開催時期は、偶然とはいえ、ソロモン諸島とキリバスが国交を台湾から中国に切り替え、中国の太平洋島嶼国への浸透を見せつけたタイミングに一致する。日仏協力の必要性をより強く想起させたことと推測される。
【私の論表】現在日本が世界の自由貿易をリードしている(゚д゚)!
「持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップ」について、以下にプレスリリースされた内容を掲載します。

日EUパートナーシップの文書に調印する安倍総理大臣(左)とユンケル欧州委員会委員長(右)

Brussels, 27/09/2019 - 09:50, UNIQUE ID: 190927_2
Press releases

<日本外務省仮訳>
1. 2018年10月18-19日のアジア欧州会合(ASEM)、2019年4月25日の日 EU 定期首脳協議及び2019年6月28-29日のG20 大阪サミットにおける文書を想起し、日本とEUとは、共有する価値としての持続可能性、質の高いインフラ及び対等な競争条件がもたらす利益に対する確信に基づく連結性パートナーシップを確立するとのコミットメントを確認する。 
2. 日本とEUは、デジタル、運輸、エネルギー及び人的交流を含むあらゆる次元における連結性に、二国間及び多国間で共に取り組む意図を有する。パートナーのニーズと需要を十分に考慮し、かつその財政能力及び債務持続可能性に最大限留意して、日本とEUは、特に西バルカン、東欧、中央アジア、インド太平洋及びアフリカ(注)地域において、第三国パートナーとの連結性及び質の高いインフラに関するそれぞれの協力の相乗効果と補完性を確保し、活動を協調させるよう努める。 
3. 日本とEUは、開放性、透明性、包摂性、連結性に関する投資家及び産業を含む関係者のために対等な競争条件を促進するために共働することを構想する。双方はまた、自由で、開放的で、ルールに基づく、公正で、無差別かつ予測可能な、地域的及び国際的な貿易・投資、透明性のある調達慣行、債務持続可能性と高い水準の経済、財政及び金融、社会及び環境上の持続可能性の確保を促進する意図を有する。この文脈に関連して、日本とEUは、質の高いインフラ投資に関するG20 原則の支持を歓迎し、これらの原則を適用し促進する。双方は、2019年4月の首脳宣言で合意されたパリ協定の完全かつ効果的な実施に対するコミットメントを想起する。 
4. ルールに基づく連結性を世界的に促進するとのコミットメントに鑑み、双方は、G7、G20、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、欧州復興開発銀行、アジア開発銀行(ADB)といった国際的な場を含む国際及び地域機関と協力する意図を有する。双方はまた、21 世紀における自由で、開かれた、ルールに基づく公正な貿易及び投資のための高い水準のルールのモデルである日・EU 経済連携協定の達成の観点から、規制に関する協力を、また、革新的な技術を高めるための政策協調を推進する。双方は、持続可能な開発のための2030アジェンダの実施に対する持続可能な連結性の積極的な貢献を強調し、投資を刺激する環境作りのためにパートナー国を支援する用意があることを想起する。 
5. 日本とEUは、民間投資を活発化させるために手段やツールを動員する重要性を認識し、あり得べき共同事業等を通じて、民間部門の関与も得て、持続可能な連結性のための資金供給を促進するために協力する意図を有する。この関連で、双方は、国際協力機構(JICA)と欧州投資銀行(EIB)との了解覚書を歓迎する。同覚書は、両機関間の緊密な協力を強化し、開発途上国における民間部門資金の需要に応える投資を促進することが期待される。双方は、この目的のために、国際協力銀行(JBIC)とEIBとの間、日本貿易保険(NEXI)とEIB との間を含む既存の協力取決め及び覚書の下での協力を促進していく意図を有する。適当な場合には日欧産業協力センターが関与する。 
6. 日本とEUは、開発途上国において、デジタル及びデータ・インフラ、政策及び規制枠組み等を通じて、包摂的な成長及び持続可能な開発の力強い実現手段として、デジタル連結性の強化に協力する。日本とEUは、デジタル経済の発展は、開かれ、自由で、安定した、利用しやすい、相互運用性のある、信頼性の高い、安全なサイバー空間と、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT:大阪でG20首脳が宣言したもの)に依拠することを強調する。2019年1月に採択された双方の十分性認定といったこれまでの協力に支えられ、日本とEUは、互いの規制枠組みを尊重しつつ、データ・セキュリティ及びプライバシーに関する信頼を強化する目的を含め、DFFTの概念を更に精査し、促進し、運用化するために共に取り組む意図を有する。日本とEUはまた、「大阪トラック」の下、デジタル経済に関する大阪宣言に定められたとおり、国際的な政策討議、特に電子商取引の貿易関連の側面に関するWTOにおける国際的なルール作りを進めるために共に取り組む意図を有する。日本とEUは、人工知能(AI)、クラウド、量子コンピュータ及びブロックチェーンを含むイノベーションを加速する政策を引き続き促進する意図を再確認する。 
7. 日本とEUは、規制枠組み同士のより深化した協力及び相乗効果、運輸回廊の相互接続及び運輸の安全性とセキュリティの強化を通じて、持続可能な運輸の連結性を強化するために引き続き共に取り組む。既存の日・EU運輸ハイレベル協議は、あらゆる輸送手段及び横断的な課題に関与し協力する枠組みを提供する。 
8. 双方は、水素及び燃料電池、電力市場の規制並びに液化天然ガスの世界市場といった分野において引き続き協力し、既存の日・EUエネルギー対話に基づく持続可能なエネルギー連結性を引き続き支持する。双方は、低炭素エネルギーシステムへの転換を促進するため、地域的及びグローバルなエネルギー市場及びエネルギー・イノベーションを強化する観点から、持続可能なエネルギー・インフラへの投資について議論する意図を有する。 
9. 日本とEUは、高等教育及び研究分野における機関間の国際的な人的交流を拡大するため共に取り組む。この文脈で、双方は、第 1 回日 EU 教育・文化・スポーツ政策対話での共同声明に基づく日・EU共同修士課程プログラムの立ち上げ及び科学技術協力合同委員会を通じた取組を歓迎する。 
10. 連結性パートナーシップの枠組みにおける協力は、可能な場合には、既存の対話及び協力枠組みを通じて、とりわけ日・EU間の戦略的パートナーシップ協定及び経済連携協定の文脈において行われる。定期的に行う進捗状況のレビューは、日・EU戦略的パートナーシップ協定の下に設置された合同委員会によって行われる。さらに、日・EUハイレベル産業・貿易・経済対話は、連結性パートナーシップの下での戦略的議論の場として機能し得る。連結性パートナーシップは、日・EUのいずれに対しても国際法又は国内法上の法的拘束力のある権利又は義務を創設すること意図するものではない。 
(注:TICAD 並びに持続可能な投資及び雇用に関するアフリカ

同文書は、EUが締結する初めての連結性(コネクティビティ)に関する文書となります。それは、二者間だけでなく第三国や多国間の場において、連結性の全ての分野で実務的な協力を推進するという意思の政治的な表明です。

重点テーマは、デジタル、輸送、エネルギー、人的交流で、また両者が恩恵を享受できるように優先的に展開する地域(西バルカン、東欧、中央アジア、アジア太平洋、アフリカ)のバランスにも配慮しています。

日本とEUは持続可能な連結性と質の高いインフラへのコミットメントとして、投資家と企業のために連携して、公開性、透明性、公平な競争環境を担保します。双方は債務の持続可能性や経済・財政・金融・社会・環境の持続可能性を担保するために協力します。 また、パリ協定の全面的かつ実効的な実施に向けて取り組みます(2019年4月の首脳会合の合意事項)。

今回の、日欧パートナーシップの基礎となったのは、やはり今年2月1日に発効した日欧EPAです

これは、日本とEUヨーロッパ連合による経済連携協定のことです。これにより世界の貿易のおよそ4割、人口では6億人を超える巨大な自由貿易圏が誕生しました。工業製品からチーズ、ワインといった食品まで、大半の貿易品目の関税が撤廃。例えば毛皮にかかっている最大20%の関税も最終的に0%になり、安く輸入できるようになる。

わずか5年ぐらい前までは、日欧EPAは締結は不可能と考えられていました。世界の自由貿易の歴史を振り返ると1996年にWTPO(世界貿易機関)ができました。これは、加盟国により、自由貿易に関するルールを皆で作りましょうという趣旨で設置されました。

ところが、2000年に入ってから中国をWTPO入れてしまったのが間違いの元でした。ほとんどの場合中国が悪いのですが、中国には中国のロジックがあり、そうすると加盟国全体で自由貿易のコンセンサスできなくなってしまったのです。これには、さらにロシアが2012年に加入し追い打ちをかけました。

本来自由貿易は、参加国の全員一致、満場一致をしてルールを決めるべきものです。米国に都合の良いルール、中国に都合の良いルール、ロシアに都合の良いルールなどがあってはなりません。

世界の常識からかけ離れた、ロジックで動く、中国とロシアがWTPOに加入したため、世界共通のルールが簡単にはできなくなってしまったのです。

そうなると自由貿易を旨とする国々は、中国やロシアを覗いて個別国同士ののEPAを作るしかなくなってしまったのです。そのなかでいちばん大きな協定の一つが、日EUのEPAだったわけです。

ところがEU側は、以前はあまりその気がはなかったのです。ところが、最近、これが急速に動き出したのです。

もともとヨーロッパは日欧EPAの他にも、優先順位の高いものががあったのですが、米国のトランプ大統領が「アメリカファースト」等と主張し、自由貿易のことを重視しなくなったように見えたため、米国とEUの単独のEPA協定だけでは、危機を感じるようになったのです。無論、その根底には、ルールを守らない中国やロシアの問題があったのも事実です。

トランプ米大統領

EUと日本の大きな関心事は、農業です。この農業の問題がネックになってなかなか日欧EPA議論は困難だったのですが、背に腹は代えらなくなったのです。トランプ大統領が存在する以上、米欧EPAの他に、日欧でもEPA協定を結び、それで自由貿易のシステムを維持しなくてはならないと考えるようになったのです。

日本もEUも、国内の農業を保護していかないと、将来、不測の事態が起こったときに大きなダメージになることがありえます。日本は守るべきところは守っています。

そのため、日欧EPAでは、米についてはまだ対象には入っていません。麦や乳製品については、セーフガードを確保していますから、完全に自由化しているわけではありません。ソフト系のチーズは関税割り当てにしているし、数量はある程度国内と両立するような形にしています。いろいろ工夫はしているわけです。

EUとしては本来は、全面開放を狙っていたのですが、EUにとっては米国とのEPAだけでは不安なため、まずは日本とEPA締結すること方が優先したということです。そのため、この交渉がうまくまとまったのです。

このように、日本とヨーロッパの思惑がやっと一致して、協定に向かって動くことができたのです。これが2017年です。そうして、今年の2月に発効したのです。

日本は自由貿易で最も伸びる国のひとつですから、こういう形で貿易のルール作りの主導権を握っていくということは大事です。

そうして、こうした日欧の貿易協定の脅威ともなり得る、中国に対して日欧は貿易以外でもパートナーシップ強化して、対抗していこうとしているのです。

さらに、日本は米国が抜けたTPPも、発効にこぎつけました。現在日本が世界の自由貿易をリードしていると言っても良い状況になりました。この面で日本はこれからも引き続き努力していくべきです。

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