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2018年4月7日土曜日

妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家は市民活動家に戻れ ―【私の論評】本当に必要なのは財務省解体からはじまる政治システム改革だ(゚д゚)!

妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家は市民活動家に戻れ 

ケント・ギルバート ニッポンの新常識


チャート、写真はブログ管理人挿入 以下同じ


 米国の民主主義の特徴は、共和党と民主党という二大政党が政権交代を繰り返してきたことだ。

 1853年以降に就任した歴代大統領は、全員が二大政党いずれかの所属である。上下両院の連邦議員や州知事、州議会議員なども、大半が二大政党に所属している。

 大戦後の70年余だけで、両党間の政権交代は9回起きた。1981年から93年まで共和党政権が12年間続いたが、米国では2期8年という大統領の任期満了時に政権政党も入れ替わる場合が多い。両党とも、米国の国益のために政権を担う。

 日本では、55年11月に自由党と日本民主党が保守合同し、自由民主党(自民党)が発足して以来、90%以上の期間は自民党政権だった。

 自民党総裁以外の人物が首相を務めた期間は、保守合同から今日までの62年5カ月弱のうち、計約5年9カ月、9%強に過ぎない。戦後の日本は自民党内の派閥間で事実上の政権交代を繰り返してきた。無責任野党が日本の国益を主張する姿を見た記憶がないから、当然の結果ともいえる。

 私は東京に80年から住んでいる。古い記憶をたどると、昔は「日本の政治は優秀な官僚が動かすから、誰が首相でも同じ」といわれていた。

 最近は、財務省や防衛省で公文書の改竄(かいざん)や隠蔽が発覚したり、座右の銘は「面従腹背」と公言する人が教育行政の官僚トップだった事実などから、官僚の非常識さが世間にバレた。

 2012年12月、自民党の安倍晋三総裁が、民主党から3年3カ月ぶりに政権を取り戻した。この政権交代後、多くの日本国民は、日経平均株価の上昇や失業率低下といった日本経済の好転と、G7サミットなど外交における安倍首相のリーダーシップを目撃した。

 安全保障法制整備や、国際組織犯罪防止条約(TOC条約・パレルモ条約)加盟など、重要案件を次々に成立させ、70年間1ミリも進まなかった憲法改正もいよいよ現実味を帯びてきた。もはや、「誰が首相をやっても同じ」と考える日本人は絶滅したはずだ。

 優先順位第1位が「憲法改正阻止」である無責任野党と左派メディアは、安倍政権にダメージを与えて退陣に追い込むことを狙っている。国防や外交、経済など日本の国益は彼らの眼中になく、まるで外国勢力の手先として行動しているかのようだ。

 やる気も能力もないのに、民主党時代に閣僚などを経験した人々は、政権与党の重責は割に合わないと考えたのだろう。政権奪還の意欲は感じられず、妄想丸出しで安倍政権の足を引っ張る活動に専念している。

 有権者の力で彼らを「市民活動家」に戻すことは、日本の国益と彼らの幸福につながる。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

【私の論評】本当に必要なのは財務省解体からはじまる政治システム改革だ(゚д゚)!

米国の2大政党制について、その歴史を簡単にふりかえっておきます。建国期、連邦党と民主共和党が形成され、二大政党が並び立つ政党制度が始まった。しかし、連邦党はすぐに凋落し、二大政党制度を形成するに至りませんでした。1828年までは民主共和党の実質的な一党支配が続きます。

民主共和党の崩壊後、民主党とホイッグ党が実質的に最初の二大政党制度を成立させました。しかし、ホイッグ党は南北戦争以前に消滅しました。その代わりに共和党が出現し、今日のアメリカの民主党と共和党による二大政党制度に繋がっています。

これらの歴史をチャート化すると以下のようになります。


以下に米国の二大政党の特徴をあげておきます。

共和党

共和党は、主に、上中流階級、エリート、実業家、そしてプロテスタントのアングロ=サクソン系を支持基盤とします。

1854年に共和党が結成された時、共和党は奴隷制度の拡大に反対しました。1860年の大統領選挙でエイブラハム・リンカーンが当選するまで共和党の綱領は、ホームステッド法による西部入植の推進、国内開発事業、大陸横断鉄道の建設、保護関税、そして、奴隷制度の封じ込めなどを含むようになりました。1880年代、共和党は実業志向で社会的に保守的になり、そうした傾向は今日まで続いています。

19世紀後半の綱領の重要項目として、関税を通じてのアメリカの実業の保護、強力な通貨、低い税率、そして国際貿易の促進が掲げられました。19世紀後半から20世紀初頭の大統領職は主に共和党で占められました。

民主党がアメリカ政治を支配した1930年代から1940年代の後、1953年から1993年の40年間のうち28年間を共和党が支配しました。1968年にリチャード・ニクソンが大統領に当選し、共和党は連邦政府の権限を縮小して、州に権限を返すことを目的としたニュー・フェデラリズムを導入しました。

1980年、ロナルド・レーガンの当選で共和党は決定的な勝利を得ました。宗教的保守派、南部の白人、裕福な郊外居住者、そして、若年層の保守派は犯罪、ポルノ、薬物に対する厳罰化、妊娠中絶の反対、減税、防衛費の増大を支持しました。

概して共和党は実業の利益を支持し、防衛費を増大させ、宗教団体が主導する社会事業、社会保障の民間化、妊娠中絶の規制を支持します。1980年代から、妊娠中絶の反対と学校における祈祷の支持から宗教的保守派の支持を集めるようになりました。

民主党

民主党は主に、貧困者、低中流階級、人種的少数派、宗教的少数派、女性、そして労働組合を政治基盤とします。概して民主党の綱領は積極的な政府事業、公共部門、積極的差別是正措置、性と生殖に関する権利、同性愛者の権利、そして、銃規制を標榜します。

共和党の綱領では、強力な民間部門、実業と軍需の利益、銃を保持する権利、そして減税を標榜しています。概して共和党は積極的差別是正措置のような権利に基づく政策に消極的であり、福祉と政府主導の計画に歴史的に反対してきました。

1829年のアンドリュー・ジャクソン大統領の就任以来、ジェームズ・ブキャナン大統領が退任する1861年まで民主党は全国的の政治を支配しました。初期の時代、民主党は合衆国銀行に反対し、州権と奴隷制度を支持し、農民と地方の独立を尊重しました。

1860年に奴隷制度問題が民主党を分裂させた結果、何度か全国的な成功を収めることはありましたが、1932年にフランクリン・ルーズベルトが選出されるまで完全に力を取り戻すことはありませんでした。

19世紀後半のグローヴァー・クリーブランド大統領の下で民主党はより都市化し革新的になり、ウッドロウ・ウィルソン大統領、フランクリン・ルーズベルト大統領、ハリー・トルーマン大統領を通じて革新主義の立場をとりました。

民主党はフランクリン・ルーズベルト政権下でニュー・ディールを推進し、福祉国家への転換を目指しました。1960年代までに民主党は教育や都市再生といった社会的な分野で広範な政府の介入を支持しました。

さらに1980年代までに民主党は支持基盤を女性や黒人に拡大しました。さらに1990年代から2000年代にかけて、民主党はさらにヒスパニック系にも支持基盤を広げました。民主党はますますリベラルになり、強力な環境保護、積極的差別是正措置、同性愛者の権利、性と生殖に関する権利、銃規制、医療保険の拡充、そして労働者の権利を支持しています。

政治の継続性の原則

ただこのような民主党と共和党の違いは、より幅広い層の支持を集めるために不明瞭になっています。つまり、両党はともに中道寄りになる傾向を示しています。

実際、米国では二大政党間で政権交代があったにしても、6割〜7割は前政権と同じ政策をとります。政党の独自性を出すのは、残りの4割〜3割です。これは、政治の継続性の原則と呼ばれ、政権交代による政治的混乱を防ぐものとされています。

米国の政治というと、この二大政党制が注目されるのですが、政党の近代化が行われているということも注目すべきです。

政党の近代化

近代政党には、三つの要素があります。綱領、組織、議員です。そうして、米国の二大政党もこの要素に基づき、近代化されています。

まずは、明確な理念をまとめた綱領があります。綱領に基づいて全国組織が形成されています。全国の政党支部が議員を当選させます。その議員たちは政策の内容で競い合い、自由で民主的な議論で党首を決めます。

選ばれた党首は直属のシンクタンクとスタッフを有し、全国組織に指令を下します。この条件に当てはめると、自民党は近代政党ではありません。かつての政権与党であった民主党もそうでした。

無論、他の野党も、近代政党とは言い難い状況にあります。公明党と共産党は近代政党に近いといえますが、まともなシンクタンクを有してはいません。

自民党が有する最大のシンクタンクは官僚機構(実体は財務省主計局)ですが、米国の二大政党は官僚機構に対抗できるシンクタンクを自前で揃えています。 このシンクタンクは数も種類も多いです。そうして、このシンクタンクが様々な政策案を立案します。

このようなシンクタンクが充実しているので、官僚は政府の示す目標に従い、実行する手段を専門家的立場から、自由に選択して、政府の目標を達成するため迅速に行動することができます。執行に専念できるわけです。

米国では政党系シンクタンクが政策案を立案し政治家が決め、官僚がそれを実行する

日本のように官僚が政策や目標案を定めて、それを政治家が了承し、官僚が実行するというやりかたは良くないのはわかりきっています。会社で金を使う人が、金の管理をしていたらどういうことになるかは、はっきりしています。このようなことは元来すべきではないのです。

政治家は、このシンクタンクの政策案をもとに国会で発議し、法案を成立させます。さらに、自前でブレーンを用意して勉強した政治家だけが、党の出世階段を上ります。その時々で、政策案を選定するにしても、まともに選定するためには、選定能力が必要不可欠です。それには、論理的思考、水平的思考のほかに特に統合的思考が必要不可欠です。

企業の経営者や、政治家には特にこの統合的思考が重要です。これを欠いている人は、他の能力がいくら優れていたにしても、本来は経営者や政治家になるべきではありません。なれば、企業の従業員や国民が不幸になるだけではなく、自分自身が不幸になります。今の政治家をみていると、幸福で自信に満ちてい人は少ないように見受けられます。

政権交代があった場合には、負けた政党の政治家はシンクタンクに入り、次に与党となる時期を待ちます。その間は、シャドーキャビネットを築き、再び政権を担うを準備を行います。

このような準備をするわけですから、野党としても妄想などに基づいて、与党を批判することもあまりないわけです。

政治システムの改革が最大の課題

だからといって、米国政治が何から何まで良いとは申しませんし、米国では中には桁外れに悪い政治家も存在するわけですが、それにしても、第二次安倍政権の以前のように誰かが総理大臣になれば、すぐに総理大臣おろしがはじまり、短期政権に終わるとか、野党が万年野党で、政権を担う気概も何もないとかということは、さすがに米国においてはありません。

この違いは、個々の政治家の資質の問題ではありません。やはり本当に必要なのは、まずは政党の近代化などの政治システム改革ではないでしょうか。

確かに、妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家には、問題があることは確かです。しかし、政治家の資質の問題にだけにしていても、何の解決にもなりません。

経営学の大家である、ドラッカー氏は「頻繁に同じような問題が起こり続けるときは、それは最早個々の人間の資質の問題ではなく、システムの問題である」としています。

ドラッカー氏

日本の政治も同じであり、本当に必要なのは政治システム改革であり、それなしにいくら政治家個々人を叩いても何の解決にならないと思います。とはいっても、政党の近代化など実現するためには時間もかかります。まずは、できることから始めるべきと思います。

それにはたとえば、単純な省庁再編などではなく、まずは財務省を解体すべきです。官僚が日本国の政策の目標を定めるのではなく、それは政治家が行うことを目指す、そうしていずれ政策案はシンクタンクにまかせるようにするのです。今は、まずは財務省の息の根を止めるべきです。

そのためには、財務省を単純に分割するのではなく、財務省をいくつかに分割した上で、各省庁の下部に編入するというやり方を採用すべきです。そうでないと、この省庁は、分割して他省庁につけると、他省庁を植民するという性癖があります。これを防ぎ、過去の大蔵省の悪いDNAの部分(計画立案と執行の両方を行うこと等)を根こそぎに消滅させるのです。

そこから日本の政治システム改革の夜明けがはじまります。そうして、政治システム改革をしたほうが、本当は官僚も執行に専念できて、仕事がやりやすくなるはずです。政策案を立案したい官僚は本来、シンクタンクのスタッフになるべきなのです。政策を定めたい官僚は、本来政治家になるべきなのです。

政策案の立案と、執行を両方とも実行するのは困難です。近代的な企業ではあれば、計画と執行は完璧に分離されています。企業ですら、商法や会社法などで、これは禁じられているにもかかわらず、政治の世界ではなぜか現在に至るまで許容されてきました。本当は困難なことを日本の官僚は日々実行しているのです。

そこから、様々な欺瞞や矛盾が出てきているのが、現在の姿なのです。これでは、日本の政治が永遠に良くなるはずはありません。官僚にとっても、政治家にとっても不幸なことです。そうして、最も不幸なのは国民です。

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2014年10月21日火曜日

【アゴラ】政治 なぜ日本の組織のトップは無能なのか? 大石 哲之―【私の論評】本当に必要なのは、政治システム改革だ、今のまま放置しておけば、これからも団扇問題は発生し続ける!今こそ、戦前から日本にあった民主主義を旨とする政治システム改革が必要だ(゚д゚)!

【アゴラ】政治 なぜ日本の組織のトップは無能なのか? 大石 哲之 

大石哲之氏

松島大臣がうちわ問題で辞任した。

しかし、ほんとうにこの手のくだらないスキャンダルで大臣がやめることが多すぎる。うちわなんてせいぜい十数円のものだとはおもうのだが、くだらない。

低レベルな打ち合いばかりだ。

この低レベルな打ち合いが続くとどうなるか。こういうレベルの打ち合いをすると、ほんとうにバタバタと倒れて、誰もいなくなってしまう。

ちょと目立ったことをしたり、標的になると、過去のちょっとしたスキャンダルを掘り起こされて失脚していく。

こうして、残るのは誰かというと、無能だが、まったくスキャンダルとは無縁で、無垢の白木のような人が残る。

バタバタと打ち合いをした結果、実力者が同士討ちして、最後にのこったのは無能でいままでなにもしてこなかったがゆえに何も経歴に傷がないひとだけがのこるというわけだ。

東條英機が首相に選ばれたのも、このパターンだといわれている。

日本の組織のトップがおしなべて無能なのもこれで説明できる。トップになる50代の半ばくらいまでに、おおきなミスをせず守りをかためてきたひとがトップになる。有能かどうかは関係ない。ミスをして脱落したひとのなかで、ミスをせず生き残ればいいので、有能か無能かはかんけいなく、ミスをしたかしなかったかが問われる。

そういうトップなので、当然トップになっても大きなミスをするようなことはしない。経歴に木津がつかないように、前例を踏襲し、無難に任期を終えて引退する。そしてその後釜も、そういう無難に残った人が着く。これが無限ループで繰り返される。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】本当に必要なのは、政治システム改革だ、今のまま放置しておけば、これからも団扇問題は発生し続ける!今こそ、戦前から日本にあった民主主義を旨とする政治システム改革が必要だ(゚д゚)!

今回の二人の閣僚の辞任は、多くの国民の話題になったと思います。小渕さんの、辞任は、脇の甘さあって、いたしかたないという部分もありますが、松島大臣の辞任劇については、大石氏のような感想を持った人も多いのではないかと思います。

大石氏の略歴と、書籍については、以下のリンクをご覧になって下さい。


この団扇に関しては、松島大臣の他にも配布していた人はたくさんいます。

これは、ツイッターなどのSNSを閲覧しているとすぐに目につきます。以下に目についたものの写真を掲載します。



選挙のときに蓮舫陣営は、Tシャツ のぼり 団扇を配った

インターネットのオークションでは、蓮舫団扇が高値で取引

特に、上の写真のうち、蓮舫のものは完璧に松島法相のものよりも、もっと大掛かりで、組織的に配布されていたことをうかがわせます。

蓮舫は、このことは重々承知で、国会で松島法相を団扇で追求したのだと思います。なにしろ、蓮舫は今は、閣僚でも何でもないので、たとえ追求を受けたとしても、軽傷ですみます。松島大臣の場合そうはいきません。

小渕大臣の辞任も同じことです。政治資金に関しては、菅元総理をはじめとして、民主党でも問題のある人は大勢います。また今は民主党をやめた、小沢氏や、鳩山氏にも問題はありました。しかし、現状では閣僚になっている人は皆無であり、たとえ追求されたとしても、軽傷で済むし、政治資金に関する疑いが生じた時点で、いろいろと証拠隠しに奔走したため、今ではなかなか追求できない状況になっていると思われます。


民主党としては、「肉を切らせて骨を断つ」ということで、このようなことを実施させたのでしょうが、それにしても、これは民主党にとっても、上の記事の大石氏のような感想を持つ国民多数存在することから、マイナス・イメージもかなり大きくなったものと思います。

これでは、民主党は万年野党の道を歩むことは必定です。こういうネガティブキャンペーンは、ここぞというときに、とっておくべきものであり、今の状況で使うようなものではないと思います。

しかし、場合によっては、自分にブーメランとして帰ってくるかもしれない、この禁じ手を使わざるを得ない程の民主党の危機状況というのもあるのだと思います。今のままの民主党だと、万年野党の道を突き進むのは必定であり、いずれは社民党のような存在になってしまうことでしょう。

とにかく、今の民主党、国民生活に資する重要なことはそっちのけで、とにかく存在感を増すために、このような挙動に出ているだけです。

これでは、先日もこのブログで、掲載したように、現状の日本の左翼と同じような道を歩むしかありません。その記事のURLを以下に掲載します。
安倍総理が賃金に口を出す「本当の理由」―【私の論評】現在日本で主流の左翼は本当の意味での左翼ではない。もうその社会的使命はすでに終わっている!左翼から転向した人々は新しい視座を持て(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から、民主党に関わる部分をピックアプして、コピペさせていただきます。
民主党は、政権交代のときに二大政党制を目論んでいたようですが、二大政党制はまず日本のような政治風土ではできません。なぜなら、左翼の自覚があまりにも足りなすぎるからです。
残念ながら、今のままでは、日本ではどの政党も万年野党です。民主党が駄目だからといって、社民党や共産党ではなおさら駄目で、私達は自民党が万年与党になることを認めざるをえない状況にあります。
現状では残念ながら、自分たちの理念や理想を旨とする左翼ではなく、保守や、その時々の政権与党に対する反逆としての思想しか持ちあわせない左翼が主流となっています。理念・理想を持たず、時々の政府に対する反骨精神しかない左翼に、魅力など誰も感じません。
反骨精神というと聴こえが良いですが、これなど、今やただの頑固者と言い換えても差し支えない侮蔑の言葉です。なぜなら、社会は変化していくのがあたり前であり、ただ反対しているだけでは、変わっていく社会に対応できないからです。社会に対応していくためには、どんな組織であれ、自ら変貌を遂げなくてはなりません。
そうして今日本で主流となっている、左翼は時々の与党に対して反対勢力として存在しているどころか、自虐的歴史観の発信源ともなっています。その時々の政権与党などに反対するだけではなく、日本そのものを完全否定、破壊するのが正しいと考える、EUなどの左翼では考えられないような考え方で運営されています。

現在の日本の左翼の主流は反骨精神のみで創造性は失われた
本来「左翼は革新、革新は革新を呼ぶ」という理念の下に運営されるべきものであったはずです。しかしも、左翼の自覚があまりにも足りなすぎるため、左翼=革新、右翼=保守という考え方はなりたたなくなってしまいました。今の左翼の頭中身は、まるで化石のようです。 
本来的には、左翼は新しい左翼を常に追及し、国政の内部システムを監査するという役目もあったはずです。 
本来まともな、左翼政党の存在価値は、考え方は右翼や、保守などとは異なっていたにしても、現代主権国家における国益重視にあるべきなのです。 
その本来の姿を忘れた左翼は、日本の国益に敵対する特ア3国(中国・韓国・北朝鮮)の擁護者になってみたり、朝日新聞をはじめとする日本の大手マスコミなどもそれを擁護し、ともに自虐史観を流布したりするという愚劣な行動を繰り返しています。 
単なる反逆者としての左翼は、本来の左翼としての自覚もなく、誇りも捨て去ったものと見えます。
民主党には、左翼系の人も多いですし、そういう人々が高い地位を占めています。この人達が、現代日本の主流となっている左翼と同じ考えを持っています。だから、反骨精神だけで、創造性がまるでありません。

だからこそ、このような団扇騒ぎで、存在感をアピールするしか仕方ないのかもしません。

それに、この問題は、さらに日本の政治システムの稚拙さが追い打ちをかけています。というより、こちらの問題のほうが、より根本的なものかもしれません。

アメリカでは財務長官就任の際の身体検査は、想像を絶するくらい厳しく、なりたがる人が少なく第一次オバマ政権のときは、半年以上もこのポストが空いたままになっていたと、記憶しています。こういう厳しい身体検査を通り抜けた、財務長官は真っ白木といっても良いほど、チリもホコリもでない人に違いありません。

それでも、日本の歴代の財務大臣よりは有能だと思います。無論、歴代の財務長官の中には、無能のそしりを受けた人もいますが、少なくとも、誰も、デフレの真っ最中に増税しろなどと発言する人はいません。

だから、スキャンダルの有無と、有能さとの間には、特に相関関係や因果関係などないと思います。

ただし、団扇の件については、本当にくだらなさすぎると思います。日本政府のトツプが無能に見えるのは、政治システムの稚拙さに起因していると思います。このような政治システムの中に組み入れられたら、誰もが無能になってしまいます。

これは、政府などに民間の人を導入しても、半年もたてば、既存の政治家と同じようになってしまうことからもうかがい知ることができます。

もう、日本の政治システムは、制度疲労を起こしているのだと思います。抜本的な改革が必要ですが、その前にできることから改革していくべきと思います。まずは、憲政の常道などを復活するなどのことから始めたらいかがでしょうか。

ちなみに、憲政の常道については、倉山満氏が憲政史家という専門家なので、この方の説明を以下に掲載しておきます。

憲政史家 倉山満氏
おさらいー「憲政の常道」とは
「憲政の常道」とは、以下の三つの要素から成立します。 
一、衆議院第一党の総裁が総理大臣になること。 
二、政権交代の前か後には総選挙があり、国民が選択する機会が与えられること。 
三、慣例として認められること。 
 学術的に定義すると、「二大政党による議院内閣制という憲法習律」となります。どうです、難しいでしょう?これ、言うは難しく、やるのはさらに難しいのです。詳しく説明すると、それこそ1000頁ではきかないので要点のみを。(笑) 
 この三つの原則から派生して、色々と難しい話が出るのです。 
 一からは、「病気でもない総裁を次々と変えてはいけない」「総理大臣より強い与党実力者がいてはならない。なぜならばその人は権力をふるうだけで責任をとらないから」「第一党がこぞって他の党の党首に投票してはいけない」「総裁でない人を総理大臣にしようなどという陰謀は許さない」とか。 
 ニからは、「自党の都合で総裁総理を変えたのならば総選挙で国民に信を問わなければならない」「総選挙ができないのなら簡単に総理を変えてはいけない」「政権担当能力をなくして総辞職するなら、第二党に政権を譲らなくてはならない」とか。 
 三からは、「法律の条文に書いてあるかないかだけを言い訳にしてはならない」「結果としても手続としても政治家は民主制を守り国民を納得させなければならない」「政治家には守らねばならない規範がある」とか、ですね。 
 三から派生する話に至っては、「政治家にそんなことできるの?」と疑問に思うかもしれません。でもそれは天に唾する行為です。その政治家を選んでいるのは国民なのですから。「民主主義」などを建前にした以上、政治家どころか官僚のやった失敗まで「主権者である国民の皆様の決めたことですから」と言い逃れされてしまいますから。 
 もうひとつ大事なことを。英国人はそれができているのです。彼らは数百年かけて(色々計算はありますが、私の計算では早めに見積もって約二百年、遅くて七百年)、それを自らの手で勝ち取ったのです。同様に、大日本帝国も、約六十年でそれを自らの手で勝ち取ったのです。しかも本家の英国よりも早く、彼らに負けないだけの立派なものを。 
 どうせ何もできない、何をやっても無駄、勝つ奴と負ける奴は最初から決まっている。そんな子供じみた戯言をしたり顔で吹聴する輩は多い。そういうことを言う人こそ子供である。 
 今の日本、駄目なのは子供だってわかっているのである。それを言う言説に何の価値があるのか。 
 今の日本、真の大人は、こうすればよくなる!を具体的に提示できる人だと思います。私の仕事は、その為の材料を提供することです。大学の授業のように一方的な受身ではなく、皆様の参加をお待ちしています。
今回の、民主党の団扇さわぎは、倉山氏上の文章にもでている、子供のようです。それは、程度の差あれ、自民党や他の党も同じようなところがあります。そうして、なぜ子供じみたようなことになるといえば、先に述べたように、「へたれ左翼」のせいもありますが、日本の政治システムが制度疲労を起こしていることもあります。

戦前は無論のこと、戦中でさえ最初の頃は、日本の独自の民主主義がまさに花ひらかんとしていました。しかし、今の政治システムでは、せっかくのこの素晴らしい日本の民主主義に基づく、政治システムが継承されず、発展もしてきませんでした。

この伝統は、戦後少しの間はまだ保たれていました、あの三木武夫氏ですら、憲政の常道は意識していしまた。

これも、倉山満氏がブログに掲載していますので、そこから引用して以下にまとめます。

三木武夫とマッカーサー
昭和二十三年九月。片山社会党に続き、芦田民主党の連立内閣は崩壊寸前でした。しかし、マッカーサーと側近のケージス大佐は反対党の吉田茂に政権を渡したくない。そこで、三党連立の残る一党である国民協同党党首の三木武夫を呼び出し、政権を担当するよう命令しました。 
マッカーサーは二度に渡り三木を呼び出しましたが総理の座を蹴り、その後26年間も少数派の悲哀を味わうことになります。ここで重要なのは、三木の台詞です。 
アメリカにデモクラシーがあるなら、日本には憲政の常道がある! 
我が国では国民の意思を無視して最高権力者を選ぶことは許されない。権力者が交代するならば、総選挙で国民に審判をあおがねばならない。それが戦前日本人がたどりついた日本流民主制です。 
後年の三木武夫は、倉山氏も、防衛費1%枠から、靖国神社まで、三木武夫の恐怖政治が自民党を壊したと、酷評しているように決して良い政治家とはいえなかっのですが、この当時の三木武夫をはじめとする、日本の政治家には、憲政の常道という考え方が根付いていたのです。

今こそ、日本独自の民主主義を再興させ、それを政治システムに取り込み、維持発展していく時だと思います。そうでないと、いつまでも団扇騒ぎのような馬鹿騒ぎが日本の政治を駄目にしていきます。

ちなみに、倉山満氏はFacebookにおいて、以下のようなコメントをしています。


確かに、首相は、最近増税に関する慎重宣言をしました。それは、このブログでも昨日掲載したばかりです。
安倍首相が消費増税の延期示唆、経済への影響踏まえ判断=FT―【私の論評】安倍総理は、外国の新聞社には増税見送りの示唆をするが、殺人マシーンと化した財務省に諜略された日経・朝日新聞をはじめとする大手新聞にはそのようなことはしない。しかし、本当にそんな事で良いのだろうか(゚д゚)!

この記事では、安倍総理がイギリスのフィナンシャル・タイムズへのインタビューで、消費税増税の延期を示唆したことを掲載しました。

この記事の結論は、表題どおりですが、記事の最後は以下にように締めくくりました。
総理は、今後アメリカの新聞や、政府に対して働きかけをし、日本の増税は、世界経済に悪影響を及ぼすということで、反対の世界的世論を盛り上げてもらうようになるかしれません。 
しかし、そんなことで良いのでしょうか。省益を再優先に追求する財務省は、そんなことは、おかまいなしに、増税に突き進み自殺者を増やし「殺人マシーン」と化してしまうのでしょうか。 
本来は、このような問題は日本の国内で解決すべき問題と思います。外圧によって、増税が延期されるようにでもなったら、本当に情けないことだと思います。 
日本のことは、日本でまともに、常識的にできるようになるべきと思います。この記事では、財務省ばかりに非があるような書き方をしていますが、私はこのようなことになるのは、多くの政治家にも問題があると思います。 
財務省が出鱈目を言ってきたら、その場で論破してやれば、財務官僚も、赤っ恥をかき、ブライドの高い彼らは、二度とそのようなことはしなくなると思います。そうして、これは何もそんなに難しいことではないと思います。マクロ経済を大括りで知っていれば良いだけです。経済の専門家のように、細かいことまで知る必要はないし、何も細かい計算や、シミレーションができなくても、おかしなことは指摘できるはずです。そのくらいのことは、勉強して欲しいです。
倉山満氏のコメントの真偽は、わかりませんが、日本の政治システムがこれだけ、制度疲労を起こしている現状では、官僚などが、容易に政治に口をはさみ、干渉しやすく、裏工作で団扇問題等でで閣僚が辞任しなければならなくなるような状況をやすやすと招いていることは事実だと思います。

財務省の官僚からすれば、今の政治システムは、非常に介入しやすい、穴だらけのシステムであり、少し頭を使えば、自分に有利に事を運ぶことなど簡単だと思います。

今のまま、日本の政治システムをそのまま放置しておけば、様々な勢力から、簡単に日本の政治に干渉できる余地が残されてしまいます。そうして、団扇問題はこれからも発生し続けます。彼らは、いつまでも政治システムを改革しない政治家らを「心の底から愚鈍な馬鹿」と思っているに違いありません。

憲政の常道が息づいていた時代には、マッカーサーですら、三木武夫を自分の意のままに動かすことはできませんでした。これが、本来の日本の民主主義であり、その民主主義に基づいた政治システムが息づいていたということです。

しかし、今では、これもすっかり破壊されたようで、多くの政治家が制度疲労をおこした政治システムに翻弄されています。確かに、政治家の不勉強という側面も否めませんが、いかに、有能な人が政界に入ったとしても、政治システムがまともで無い限り、団扇問題と似たようなことはいつまでも繰り返されます。このままでは、いつまでたっても、モグラたたきのような状況になります。

経営学の大家である、ドラッカー氏は、頻繁に同じような問題が発生する場合は、それは最早人の問題ではなく、システムの問題であり、システムを変更する必要があると語っています。

まさに、日本の政治システムもそうなのです。

日本の政治システムの変更は、日本のデフレからの脱却と並ぶ、現在の日本の最優先課題だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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