【アゴラ】政治 なぜ日本の組織のトップは無能なのか? 大石 哲之
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大石哲之氏 |
松島大臣がうちわ問題で辞任した。
しかし、ほんとうにこの手のくだらないスキャンダルで大臣がやめることが多すぎる。うちわなんてせいぜい十数円のものだとはおもうのだが、くだらない。
低レベルな打ち合いばかりだ。
この低レベルな打ち合いが続くとどうなるか。こういうレベルの打ち合いをすると、ほんとうにバタバタと倒れて、誰もいなくなってしまう。
ちょと目立ったことをしたり、標的になると、過去のちょっとしたスキャンダルを掘り起こされて失脚していく。
こうして、残るのは誰かというと、無能だが、まったくスキャンダルとは無縁で、無垢の白木のような人が残る。
バタバタと打ち合いをした結果、実力者が同士討ちして、最後にのこったのは無能でいままでなにもしてこなかったがゆえに何も経歴に傷がないひとだけがのこるというわけだ。
東條英機が首相に選ばれたのも、このパターンだといわれている。
日本の組織のトップがおしなべて無能なのもこれで説明できる。トップになる50代の半ばくらいまでに、おおきなミスをせず守りをかためてきたひとがトップになる。有能かどうかは関係ない。ミスをして脱落したひとのなかで、ミスをせず生き残ればいいので、有能か無能かはかんけいなく、ミスをしたかしなかったかが問われる。
そういうトップなので、当然トップになっても大きなミスをするようなことはしない。経歴に木津がつかないように、前例を踏襲し、無難に任期を終えて引退する。そしてその後釜も、そういう無難に残った人が着く。これが無限ループで繰り返される。
この記事の詳細は
こちらから(゚д゚)!
【私の論評】本当に必要なのは、政治システム改革だ、今のまま放置しておけば、これからも団扇問題は発生し続ける!今こそ、戦前から日本にあった民主主義を旨とする政治システム改革が必要だ(゚д゚)!
今回の二人の閣僚の辞任は、多くの国民の話題になったと思います。小渕さんの、辞任は、脇の甘さあって、いたしかたないという部分もありますが、松島大臣の辞任劇については、大石氏のような感想を持った人も多いのではないかと思います。
大石氏の略歴と、書籍については、以下のリンクをご覧になって下さい。
この団扇に関しては、松島大臣の他にも配布していた人はたくさんいます。
これは、ツイッターなどのSNSを閲覧しているとすぐに目につきます。以下に目についたものの写真を掲載します。
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選挙のときに蓮舫陣営は、Tシャツ のぼり 団扇を配った |
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インターネットのオークションでは、蓮舫団扇が高値で取引 |
特に、上の写真のうち、蓮舫のものは完璧に松島法相のものよりも、もっと大掛かりで、組織的に配布されていたことをうかがわせます。
蓮舫は、このことは重々承知で、国会で松島法相を団扇で追求したのだと思います。なにしろ、蓮舫は今は、閣僚でも何でもないので、たとえ追求を受けたとしても、軽傷ですみます。松島大臣の場合そうはいきません。
小渕大臣の辞任も同じことです。政治資金に関しては、菅元総理をはじめとして、民主党でも問題のある人は大勢います。また今は民主党をやめた、小沢氏や、鳩山氏にも問題はありました。しかし、現状では閣僚になっている人は皆無であり、たとえ追求されたとしても、軽傷で済むし、政治資金に関する疑いが生じた時点で、いろいろと証拠隠しに奔走したため、今ではなかなか追求できない状況になっていると思われます。
民主党としては、「肉を切らせて骨を断つ」ということで、このようなことを実施させたのでしょうが、それにしても、これは民主党にとっても、上の記事の大石氏のような感想を持つ国民多数存在することから、マイナス・イメージもかなり大きくなったものと思います。
これでは、民主党は万年野党の道を歩むことは必定です。こういうネガティブキャンペーンは、ここぞというときに、とっておくべきものであり、今の状況で使うようなものではないと思います。
しかし、場合によっては、自分にブーメランとして帰ってくるかもしれない、この禁じ手を使わざるを得ない程の民主党の危機状況というのもあるのだと思います。今のままの民主党だと、万年野党の道を突き進むのは必定であり、いずれは社民党のような存在になってしまうことでしょう。
とにかく、今の民主党、国民生活に資する重要なことはそっちのけで、とにかく存在感を増すために、このような挙動に出ているだけです。
これでは、先日もこのブログで、掲載したように、現状の日本の左翼と同じような道を歩むしかありません。その記事のURLを以下に掲載します。
安倍総理が賃金に口を出す「本当の理由」―【私の論評】現在日本で主流の左翼は本当の意味での左翼ではない。もうその社会的使命はすでに終わっている!左翼から転向した人々は新しい視座を持て(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から、民主党に関わる部分をピックアプして、コピペさせていただきます。
民主党は、政権交代のときに二大政党制を目論んでいたようですが、二大政党制はまず日本のような政治風土ではできません。なぜなら、左翼の自覚があまりにも足りなすぎるからです。
残念ながら、今のままでは、日本ではどの政党も万年野党です。民主党が駄目だからといって、社民党や共産党ではなおさら駄目で、私達は自民党が万年与党になることを認めざるをえない状況にあります。
現状では残念ながら、自分たちの理念や理想を旨とする左翼ではなく、保守や、その時々の政権与党に対する反逆としての思想しか持ちあわせない左翼が主流となっています。理念・理想を持たず、時々の政府に対する反骨精神しかない左翼に、魅力など誰も感じません。
反骨精神というと聴こえが良いですが、これなど、今やただの頑固者と言い換えても差し支えない侮蔑の言葉です。なぜなら、社会は変化していくのがあたり前であり、ただ反対しているだけでは、変わっていく社会に対応できないからです。社会に対応していくためには、どんな組織であれ、自ら変貌を遂げなくてはなりません。
そうして今日本で主流となっている、左翼は時々の与党に対して反対勢力として存在しているどころか、自虐的歴史観の発信源ともなっています。その時々の政権与党などに反対するだけではなく、日本そのものを完全否定、破壊するのが正しいと考える、EUなどの左翼では考えられないような考え方で運営されています。
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現在の日本の左翼の主流は反骨精神のみで創造性は失われた |
本来「左翼は革新、革新は革新を呼ぶ」という理念の下に運営されるべきものであったはずです。しかしも、左翼の自覚があまりにも足りなすぎるため、左翼=革新、右翼=保守という考え方はなりたたなくなってしまいました。今の左翼の頭中身は、まるで化石のようです。
本来的には、左翼は新しい左翼を常に追及し、国政の内部システムを監査するという役目もあったはずです。
本来まともな、左翼政党の存在価値は、考え方は右翼や、保守などとは異なっていたにしても、現代主権国家における国益重視にあるべきなのです。
その本来の姿を忘れた左翼は、日本の国益に敵対する特ア3国(中国・韓国・北朝鮮)の擁護者になってみたり、朝日新聞をはじめとする日本の大手マスコミなどもそれを擁護し、ともに自虐史観を流布したりするという愚劣な行動を繰り返しています。
単なる反逆者としての左翼は、本来の左翼としての自覚もなく、誇りも捨て去ったものと見えます。
民主党には、左翼系の人も多いですし、そういう人々が高い地位を占めています。この人達が、現代日本の主流となっている左翼と同じ考えを持っています。だから、反骨精神だけで、創造性がまるでありません。
だからこそ、このような団扇騒ぎで、存在感をアピールするしか仕方ないのかもしません。
それに、この問題は、さらに日本の政治システムの稚拙さが追い打ちをかけています。というより、こちらの問題のほうが、より根本的なものかもしれません。
アメリカでは財務長官就任の際の身体検査は、想像を絶するくらい厳しく、なりたがる人が少なく第一次オバマ政権のときは、半年以上もこのポストが空いたままになっていたと、記憶しています。こういう厳しい身体検査を通り抜けた、財務長官は真っ白木といっても良いほど、チリもホコリもでない人に違いありません。
それでも、日本の歴代の財務大臣よりは有能だと思います。無論、歴代の財務長官の中には、無能のそしりを受けた人もいますが、少なくとも、誰も、デフレの真っ最中に増税しろなどと発言する人はいません。
だから、スキャンダルの有無と、有能さとの間には、特に相関関係や因果関係などないと思います。
ただし、団扇の件については、本当にくだらなさすぎると思います。日本政府のトツプが無能に見えるのは、政治システムの稚拙さに起因していると思います。このような政治システムの中に組み入れられたら、誰もが無能になってしまいます。
これは、政府などに民間の人を導入しても、半年もたてば、既存の政治家と同じようになってしまうことからもうかがい知ることができます。
もう、日本の政治システムは、制度疲労を起こしているのだと思います。抜本的な改革が必要ですが、その前にできることから改革していくべきと思います。まずは、憲政の常道などを復活するなどのことから始めたらいかがでしょうか。
ちなみに、憲政の常道については、倉山満氏が憲政史家という専門家なので、この方の説明を以下に掲載しておきます。
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憲政史家 倉山満氏 |
おさらいー「憲政の常道」とは
「憲政の常道」とは、以下の三つの要素から成立します。
一、衆議院第一党の総裁が総理大臣になること。
二、政権交代の前か後には総選挙があり、国民が選択する機会が与えられること。
三、慣例として認められること。
学術的に定義すると、「二大政党による議院内閣制という憲法習律」となります。どうです、難しいでしょう?これ、言うは難しく、やるのはさらに難しいのです。詳しく説明すると、それこそ1000頁ではきかないので要点のみを。(笑)
この三つの原則から派生して、色々と難しい話が出るのです。
一からは、「病気でもない総裁を次々と変えてはいけない」「総理大臣より強い与党実力者がいてはならない。なぜならばその人は権力をふるうだけで責任をとらないから」「第一党がこぞって他の党の党首に投票してはいけない」「総裁でない人を総理大臣にしようなどという陰謀は許さない」とか。
ニからは、「自党の都合で総裁総理を変えたのならば総選挙で国民に信を問わなければならない」「総選挙ができないのなら簡単に総理を変えてはいけない」「政権担当能力をなくして総辞職するなら、第二党に政権を譲らなくてはならない」とか。
三からは、「法律の条文に書いてあるかないかだけを言い訳にしてはならない」「結果としても手続としても政治家は民主制を守り国民を納得させなければならない」「政治家には守らねばならない規範がある」とか、ですね。
三から派生する話に至っては、「政治家にそんなことできるの?」と疑問に思うかもしれません。でもそれは天に唾する行為です。その政治家を選んでいるのは国民なのですから。「民主主義」などを建前にした以上、政治家どころか官僚のやった失敗まで「主権者である国民の皆様の決めたことですから」と言い逃れされてしまいますから。
もうひとつ大事なことを。英国人はそれができているのです。彼らは数百年かけて(色々計算はありますが、私の計算では早めに見積もって約二百年、遅くて七百年)、それを自らの手で勝ち取ったのです。同様に、大日本帝国も、約六十年でそれを自らの手で勝ち取ったのです。しかも本家の英国よりも早く、彼らに負けないだけの立派なものを。
どうせ何もできない、何をやっても無駄、勝つ奴と負ける奴は最初から決まっている。そんな子供じみた戯言をしたり顔で吹聴する輩は多い。そういうことを言う人こそ子供である。
今の日本、駄目なのは子供だってわかっているのである。それを言う言説に何の価値があるのか。
今の日本、真の大人は、こうすればよくなる!を具体的に提示できる人だと思います。私の仕事は、その為の材料を提供することです。大学の授業のように一方的な受身ではなく、皆様の参加をお待ちしています。
今回の、民主党の団扇さわぎは、倉山氏上の文章にもでている、子供のようです。それは、程度の差あれ、自民党や他の党も同じようなところがあります。そうして、なぜ子供じみたようなことになるといえば、先に述べたように、「へたれ左翼」のせいもありますが、日本の政治システムが制度疲労を起こしていることもあります。
戦前は無論のこと、戦中でさえ最初の頃は、日本の独自の民主主義がまさに花ひらかんとしていました。しかし、今の政治システムでは、せっかくのこの素晴らしい日本の民主主義に基づく、政治システムが継承されず、発展もしてきませんでした。
この伝統は、戦後少しの間はまだ保たれていました、あの三木武夫氏ですら、憲政の常道は意識していしまた。
これも、倉山満氏がブログに掲載していますので、そこから引用して以下にまとめます。
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三木武夫とマッカーサー |
昭和二十三年九月。片山社会党に続き、芦田民主党の連立内閣は崩壊寸前でした。しかし、マッカーサーと側近のケージス大佐は反対党の吉田茂に政権を渡したくない。そこで、三党連立の残る一党である国民協同党党首の三木武夫を呼び出し、政権を担当するよう命令しました。
マッカーサーは二度に渡り三木を呼び出しましたが総理の座を蹴り、その後26年間も少数派の悲哀を味わうことになります。ここで重要なのは、三木の台詞です。
アメリカにデモクラシーがあるなら、日本には憲政の常道がある!
我が国では国民の意思を無視して最高権力者を選ぶことは許されない。権力者が交代するならば、総選挙で国民に審判をあおがねばならない。それが戦前日本人がたどりついた日本流民主制です。
後年の三木武夫は、倉山氏も、防衛費1%枠から、靖国神社まで、三木武夫の恐怖政治が自民党を壊したと、酷評しているように決して良い政治家とはいえなかっのですが、この当時の三木武夫をはじめとする、日本の政治家には、憲政の常道という考え方が根付いていたのです。
今こそ、日本独自の民主主義を再興させ、それを政治システムに取り込み、維持発展していく時だと思います。そうでないと、いつまでも団扇騒ぎのような馬鹿騒ぎが日本の政治を駄目にしていきます。
ちなみに、倉山満氏はFacebookにおいて、以下のようなコメントをしています。
確かに、首相は、最近増税に関する慎重宣言をしました。それは、このブログでも昨日掲載したばかりです。
安倍首相が消費増税の延期示唆、経済への影響踏まえ判断=FT―【私の論評】安倍総理は、外国の新聞社には増税見送りの示唆をするが、殺人マシーンと化した財務省に諜略された日経・朝日新聞をはじめとする大手新聞にはそのようなことはしない。しかし、本当にそんな事で良いのだろうか(゚д゚)!
この記事では、安倍総理がイギリスのフィナンシャル・タイムズへのインタビューで、消費税増税の延期を示唆したことを掲載しました。
この記事の結論は、表題どおりですが、記事の最後は以下にように締めくくりました。
総理は、今後アメリカの新聞や、政府に対して働きかけをし、日本の増税は、世界経済に悪影響を及ぼすということで、反対の世界的世論を盛り上げてもらうようになるかしれません。
しかし、そんなことで良いのでしょうか。省益を再優先に追求する財務省は、そんなことは、おかまいなしに、増税に突き進み自殺者を増やし「殺人マシーン」と化してしまうのでしょうか。
本来は、このような問題は日本の国内で解決すべき問題と思います。外圧によって、増税が延期されるようにでもなったら、本当に情けないことだと思います。
日本のことは、日本でまともに、常識的にできるようになるべきと思います。この記事では、財務省ばかりに非があるような書き方をしていますが、私はこのようなことになるのは、多くの政治家にも問題があると思います。
財務省が出鱈目を言ってきたら、その場で論破してやれば、財務官僚も、赤っ恥をかき、ブライドの高い彼らは、二度とそのようなことはしなくなると思います。そうして、これは何もそんなに難しいことではないと思います。マクロ経済を大括りで知っていれば良いだけです。経済の専門家のように、細かいことまで知る必要はないし、何も細かい計算や、シミレーションができなくても、おかしなことは指摘できるはずです。そのくらいのことは、勉強して欲しいです。
倉山満氏のコメントの真偽は、わかりませんが、日本の政治システムがこれだけ、制度疲労を起こしている現状では、官僚などが、容易に政治に口をはさみ、干渉しやすく、裏工作で団扇問題等でで閣僚が辞任しなければならなくなるような状況をやすやすと招いていることは事実だと思います。
財務省の官僚からすれば、今の政治システムは、非常に介入しやすい、穴だらけのシステムであり、少し頭を使えば、自分に有利に事を運ぶことなど簡単だと思います。
今のまま、日本の政治システムをそのまま放置しておけば、様々な勢力から、簡単に日本の政治に干渉できる余地が残されてしまいます。そうして、団扇問題はこれからも発生し続けます。彼らは、いつまでも政治システムを改革しない政治家らを「心の底から愚鈍な馬鹿」と思っているに違いありません。
憲政の常道が息づいていた時代には、マッカーサーですら、三木武夫を自分の意のままに動かすことはできませんでした。これが、本来の日本の民主主義であり、その民主主義に基づいた政治システムが息づいていたということです。
しかし、今では、これもすっかり破壊されたようで、多くの政治家が制度疲労をおこした政治システムに翻弄されています。確かに、政治家の不勉強という側面も否めませんが、いかに、有能な人が政界に入ったとしても、政治システムがまともで無い限り、団扇問題と似たようなことはいつまでも繰り返されます。このままでは、いつまでたっても、モグラたたきのような状況になります。
経営学の大家である、ドラッカー氏は、頻繁に同じような問題が発生する場合は、それは最早人の問題ではなく、システムの問題であり、システムを変更する必要があると語っています。
まさに、日本の政治システムもそうなのです。
日本の政治システムの変更は、日本のデフレからの脱却と並ぶ、現在の日本の最優先課題だと思います。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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