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2018年11月6日火曜日

各国で「右派」が躍進する理由… 経済苦境と雇用悪化を招いた左派に対し、国民に「刺さる」政策で支持得る―【私の論評】雇用は他のどの指標よりも重要!ティラー・スウィフト効果は僅少!中間選挙は雇用をかなり良くしたトランプ共和党が断然有利(゚д゚)!

各国で「右派」が躍進する理由… 経済苦境と雇用悪化を招いた左派に対し、国民に「刺さる」政策で支持得る

ブラジル大統領選で勝利したボルソナロ下院議員

 ブラジル大統領選で、右派のボルソナロ下院議員が勝利した。このところ、各国で右派政治家が選挙で勝利しているのが目立つ。米国のトランプ大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領、ハンガリーのオルバン首相などだ。

 ドイツの地方議会選では、メルケル首相が党首を務める中道のキリスト教民主同盟が敗れたが、これも極右勢力と極左勢力の台頭によるものだ。

 主要7カ国(G7)でみると、米国のトランプ大統領、英国のメイ首相、日本の安倍晋三首相が右派、フランスのマクロン首相、ドイツのメルケル首相、イタリアのコンテ首相、カナダのトルドー首相が中道といったところではないだろうか。

 ブラジルの政治事情をみると、ボルソナロ氏の前は、左派・労働党の人物が大統領を長年務めていたが、国民の拒否感が強かったようだ。背景には深刻な不況があり、2015~17年はマイナス成長だった。不況に加えて政治汚職などのスキャンダルが、今回の右派大統領の誕生につながっている。

 フィリピンではドゥテルテ大統領が国内の治安問題への対処で高い支持率を得ている。

 ハンガリーは反移民の強硬策が国民の人気を博し、10年からオルバン首相の長期政権になっている。同じ欧州で、オルバン首相の強権政治と対極といわれていたのが、ドイツのメルケル首相だが、寛容な移民政策のために地方選挙で相次いで敗北し、キリスト教民主同盟党首を辞任することになった。首相は続けるが、レームダック化は避けられない。

 欧州では、移民政策への対応によって、それに反対する右派が勢いを増しているようだ。

 ハンガリーでは、経済成長率も10年の0・7%から上昇傾向で、17年には4・0%になった。一方、ドイツでの成長率は10年に4・1%だったが、その後はあまり振るわず17年は2・2%にとどまった。

 こうしてみると、右派は、左派の経済低迷を背景に、国民に「刺さる」政策で支持を得たときにできやすいようだ。

 経済苦境とも表裏一体であるが、左派政権下の雇用悪化を受けて右派政権が誕生し、雇用で一定の結果を出している国も多い。

 ブラジルは、11%を超える失業率を記録している。本来なら雇用がうたい文句のはずの左派政権では情けない数字で、右派政権ができても不思議ではない。

 米国もトランプ政権になってから雇用が好調で、失業率は4%とほぼ完全雇用状態である。フィリピンの失業率は5・4%で、ドゥテルテ大統領就任時より改善している。ハンガリーはオルバン政権になってから一貫して失業率が低下しており、今では3・7%と発足時の11・2%とは段違いの雇用環境だ。

 日本でも、第2次安倍政権が発足して以降、雇用が格段に良くなっているのは説明するまでもないだろう。

 左派政権が雇用を確保できないときに、右派が左派のお株を奪っているという現象が世界的に起きているのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】雇用は他のどの指標よりも重要!ティラー・スウィフト効果は僅少!中間選挙は雇用をかなり良くしたトランプ共和党が断然有利(゚д゚)!

冒頭の高橋氏の記事には、米国ではトランプ政権になってから雇用がよくなっているとありますが、確かにそのとおりです。以下に、直近(10月)はどうであったかを示します。

米国ではトランプ政権になってから毎月雇用が
増えているが10月は25万人の雇用が増えた

米労働省が発表した10月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が25万人増となり、市場予想の19万人増を上回りました。失業率は労働参加率の上昇にもかかわらず49年ぶりの低水準となる3.7%を維持したほか、賃金の伸びは9年半ぶりの高水準となりました。労働市場の一段の引き締まりが示されたことで米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げを実施するとの観測が一段と裏付けられました。



トランプ大統領は雇用統計を歓迎し、ツイッターに「これらは信じられない数字だ」とつづりました。


10月はハリケーン「フローレンス」の影響で停滞したレジャー・接客部門の雇用が回復。製造、建設、専門職などの部門でも雇用は大きく拡大しました。

労働省は10月半ばにフロリダ州を直撃したハリケーン「マイケル」による10月の統計への影響は軽微だったとしています。

ただ9月分は11万8000人増と、13万4000人増から下方修正されました。

時間当たり平均賃金は5セント(0.2%)増加。前年比では3.1%増と、前月の2.8%増から加速し、2009年4月以来の高い伸びとなりました。

10月は週平均労働時間が34.5時間と、前月の34.4時間から増加しました。賃金の上昇は他の経済指標でも示されており、インフレ率が当面はFRBが目標としている2.0%近辺で推移するとの見方を裏付けるものとなります。

FRBは来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策を据え置くとの見方が大勢となっていますが、エコノミストの間では、10月の労働市場関連の経済指標が力強かったことで12月のFOMCでは利上げに動くとの見方が濃厚になっています。FRBは9月に今年に入ってから3回目となる利上げを実施しています。

過去3カ月間の毎月の雇用増の平均は21万8000人。労働人口の増加に対応するためには毎月10万人前後の雇用増が必要とされていますが、この水準を倍以上上回っています。

10月の労働参加率は62.9%と、前月から0.2%ポイント上昇。現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は7.4%と、前月の7.5%から低下しました。

雇用率は60.6%と0.2%ポイント上昇し、09年1月以来の高水準となりました。

業種別ではレジャー・接客が4万2000人増加。小売は増加したものの2400人増にとどまりました。経営破綻した小売り大手シアーズ・ホールディングス(SHLDQ.PK)の店舗閉鎖などが影響した可能性があります。

建設は3万人増、製造は3万2000人増となりました。製造業は前月の1万8000人に続く増加。トランプ米政権は保護主義的な貿易政策を打ち出していますが、これまでのところ米製造業に対する雇用面での影響は顕在化していません。

この雇用の改善は、当然のことなが本日開票される、米国中間選挙には有利です。オバマ前大統領は、「米国の経済は、前民主党政権自体から良くなっていた」と中間選挙の応援演説で述べていました。確かにそのようなことはあります。ただし、雇用に関してはオバマ大統領のときも改善しつつありましたがが、トランプ大統領になってからは明らかにかなり改善しています。

今年6月11日のニューヨーク・タイムズには、「雇用の数字がどれほど良いものか表現する言葉がもうない」と題された、コラムが掲載されました。以下にその内容の日本語訳を掲載します。
「雇用の数字がどれほど良いものか表現する言葉がもうない」

ニール・アーウィン著
ニューヨーク・タイムズ「The Upshot」
2018年6月1日1日に発表された5月の雇用の数字を分析する時に本当に疑問となるのは、それを的確に表現するために『良い』の同義語がネットの類語辞典に十分存在するかどうかという点だ。 
例えば、「splendid(輝かしい)」や「excellent(卓越した)」といった言葉が当てはまる。そのような言葉が適切となるのは、米国経済で増加に至るまで9年間かかったにもかかわらず、1カ月に22万3千の雇用が追加された場合や、失業率が18年で最低の3.8パーセントに落ちた場合のことだ。 
「salubriousな(健康的)」「salutary(有益な)」「healthy(健全な)」は、平均時給が0.3パーセント上昇したことを表現する言葉として使える。しかもそれは、昨年全体で2.7パーセントの上昇であった・・・。

また広義の失業率には、失望から職探しを諦めてしまった人も含まれるが、それが7.6パーセントに低下した。アフリカ系アメリカ人の失業率は5.9パーセントに低下し、最低記録となった。「great(偉大な・すばらしい)」と見なすべきものだろう。

類語辞典には、雇用の数字に言及する際には通常使用しない同義語も他にあるが、この月に対しては適切だ。例えば様々なレポートが互いに合致しているという意味で、「congruous(適合する・調和する)」というものがある。つまり、雇用主がより多くの雇用を生み出して、より多くの人が仕事に就き失業者が少なくなるようにしており、給与が上昇することへつながっている。

5月の数字から引き出せることは、アメリカの景気が安定したペースで好調を続けており、仕事に就く人が増え賃金も徐々に上昇しているということだ。
出典:https://www.nytimes.com/2018/06/01/upshot/we-ran-out-of-words-to-describe-how-good-the-jobs-numbers-are.html 

このようなコラムがニューヨーク・タイムズに掲載されたわけですから、最近の雇用の回線はトランプ政権によるもの以外には考えられないといえると思います。

そうして、これは今回の中間選挙で決定的な追い風となることでしょう。この中間選挙については、昨日も掲載しました。
米中間選挙情勢 接戦6州が焦点 6日投開票―【私の論評】トランプ共和党は確実に過半数を維持する(゚д゚)!

さて、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、このブログでは、カバノー最高裁判事の任命を巡って民主党が露骨な妨害をしたこと、中米から数千人の移民キャラバンが米国国境を目指していることが米国民の危機感をあおり、移民に寛容な民主党にとって不利な材料になっていること、さらにいわゆる「隠れトランプ共和党支持者」が大統領選挙のときよりも増えていることから、共和党は上院・下院とも過半数を維持するであろと予測しました。

ただし、一つ掲載し忘れていたことがあります。それが、雇用状況に大幅な改善です。これは、当たり前のことのようですが、雇用が良くなければ、他の何が良くても不利になります。

雇用が良ければ、かなりの追い風になります。経済指標は雇用も含めて様々なものがあります。その中で最も重要なのは雇用です。GDPも重要ではありますが、GDPが良くなっても雇用がまずければ、多くの国民は経済がよくなったとは実感できません。

多くの人がたとえ、経済が悪くなったとして、最悪解雇されたにしても、雇用情勢が良ければ、すぐに就職することができます。それだけ希望を持ち、希望を失わないで生活てきます。しかし、GDPや他の指標がいくら良くても、雇用が悪化すれば、その逆になります。希望が失われ、大きな社会不安がまきおこされることになります。

特に日本以外の国々では新卒一括採用などという制度はありません。あくまで、必要なとき募集します。そうなると、雇用が悪くなるとまず誰より見若者を直撃します。

雇用状況が良くなれば、若者も採用されやすくなります。最近、テイラー・スウィフトが民主党支持を表明しました、これを大きく評価するむきもありますが、私はそうではないと思います。

テイラー・スウィフト

これだけ雇用が改善されているて、ティラー・スウィフトが民主党を応援したとしても、それに新たに引きずられる若者はそう多くなるとは考えられません。

それだけ、雇用は重要なのです。どの国であれ、雇用が良くなったり、良さを維持できていれば、その時の政権は安定します。そうでない政権は逆に不安定になります。

最近は、韓国の文在寅大統領の退陣の危機もささやかれています。それについては、以下の記事をご覧になってください。
韓国内で非難炸裂!文大統領に“退陣”危機 『従北』傾斜に外交官OBら異例の緊急声明「文政権の国家安保蹂躙を弾劾する」

文在寅大統領

この記事には、雇用のことは書かれていませんが、文在寅大統領は、金融緩和せずに最低賃金をあげるという、マクロ経済的にはあり得ない政策を実行し、雇用が激減して大失敗しました。ちなみに、これは経済成長も金融緩和もしないで、再分配を強化するという、立憲民主党の枝野の氏の理論と全く同じです。

韓国の大統領、日本の野党第一党のリーダーがともに左翼系であり、その両者とも金融機緩和に関心がなく、よって雇用を状況良くすることができないのです。

私自身は、韓国があれだけ雇用が悪くなれば、文政権もおしまいになるのではないかと思っていたのですが、さすがにその気配がでてきたようです。実際は、どうなのかはわかりませんが、少なくとも雇用が良くなっていれば、若者を中心に大きな支持を得て、大統領退陣などということは全くありえなかったでしょう。

しかし、あれだけ雇用が不安が大きいと、国民情緒法なるものがある国柄ですから、弾劾ということもあり得るかもしれません。ちなみに、朴槿恵前大統領も、金融緩和をしなかったため、雇用がかなり悪化していました。そうして、あのようなことになりました。

韓国では、大統領になった人が金融緩和をしないと今後とも、雇用が悪化し続けて、国民の支持を失い続けると思います。反日などやっている場合ではないと思います。まずは、金融緩和をして雇用を改善すべきです。

いずれの国のリーダーも雇用を安定化させなけば、政権が不安定になるし、雇用を安定化できれば、政権も安定するということです。

以上のことを考えると、雇用は他のどの指標よりも重要であり、ティラー・スウィフト効果はこれに比較すれば僅少であり、やはり雇用をかなり良くしたトランプ共和党が両院ともに過半数を維持するのではないでしょうか。

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2018年4月4日水曜日

不倫疑惑再燃で「デメリットばかり」と総スカン 山尾氏は立憲民主党の「お荷物」に―【私の論評】山尾を一時でも支持したり、賞賛したりした人は人を見る目がないと厳しく反省すべき(゚д゚)!

不倫疑惑再燃で「デメリットばかり」と総スカン 山尾氏は立憲民主党の「お荷物」に


立憲民主党の山尾志桜里衆院議員(43)が同党の「お荷物」になりつつある。昨年末の入党後、安倍晋三政権追及の急先鋒(せんぽう)となることを期待されたが、政策顧問の倉持麟太郎弁護士(35)との不倫疑惑が再燃し、「山尾氏を抱えることにデメリットしかない」と総スカンを食らっているのだ。倉持氏の元妻は、山尾氏への慰謝料請求訴訟の準備を進めており、展開次第で離党の可能性を指摘する識者もいる。

「山尾氏は、もう『賞味期限切れ』だろう。なぜ執行部は、疑惑がくすぶっている段階で迎え入れたのか。今では党の大半の議員が、山尾氏に近づこうともしない」

立憲民主党関係者は、夕刊フジの取材に、あきれた様子でこう答えた。

山尾氏は昨年9月、週刊文春に倉持氏との密会を報じられ、「男女の関係」を否定しながらも民進党を離党した。同年10月の衆院選に無所属で当選後、立憲民主党の衆院会派に入り、同年12月下旬に入党を認められた。

不倫疑惑は先週、倉持氏の元妻、A子さんが週刊文春に《山尾さんのせいで、全てを失った》との手記を寄せ、再燃したが、山尾氏の党内での立場はすでに孤立化に向かっていたという。

原因の1つは、山尾氏が1月ごろからアピールしていた「立憲的改憲」というスタンスだ。前出の党関係者が言う。

「立憲的改憲は、日本が行使できる自衛権を『個別的自衛権』に限定する方向で、憲法を変えるという主張だ。枝野幸男代表は、安全保障法制を維持したままの改憲に否定的だ。漫画家の小林よしのり氏や、倉持氏と一緒に(立憲的改憲に)前のめりな姿も不評だった。山尾氏は執行部から注意され、持論を封印せざるを得なくなった」

さらに、テレビ中継された2月22日の衆院予算委員会での質問も、あつれきを生んだという。

「希望者が殺到するなか、山尾氏に30分も与えた執行部への不満が噴出し、辻元清美国対委員長が『結果を出させる』と収拾に走らされた。ところが、山尾氏は待機児童問題や憲法改正ばかり質問し、旬の議題だった裁量労働制は不発だった」

今回のA子さんの手記から、山尾氏が、倉持氏の家庭を壊す一因となったことは間違いなさそうだ。党関係者は「もはや、子育て政策も説得力を持たない。存在意義が問われる」と手厳しい。

A子さんが訴訟に踏み切れば、党のイメージダウンや政党支持率の低下に直結する。山尾氏は、A子さんの告発に、沈黙を続けているが、今後の展開をどうみるか。

政治評論家の伊藤達美氏は「これまで世論の関心は、財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題にあった。一段落して、山尾氏の不倫疑惑への批判が高まれば、党員資格停止や離党に追い込まれる可能性もある」と話している。

【私の論評】一時でも山尾を支持したり、賞賛したりした人は人を見る目がないと厳しく反省すべき(゚д゚)!

山尾志桜里氏の国会での発言も、多くの人々から反発をかっています。たとえば、以下のような発言には私自身も怒りを覚えました。

「子供が犯罪の被害者になった時に繰り返し被害状況を話すことが子供の心理的負担になってる!」

 倉持の元奥さん、上の記事ではA子さんから子供を奪った原因をつくりだした山尾が国会で子供の味方みたいな発言を繰り返しています。 山尾は自分自身のせいで母親と引き離された2歳の子供がいることを忘れているようです。
そうして、倉持氏も鬼畜のような手紙を元奥さんのA子さんに送っていたことが明らかになっています。

山尾志桜里議員の政策顧問を務める倉持倫太郎弁護士

山尾志桜里衆院議員(43)の政策顧問を務める倉持麟太郎弁護士(35)は、3月30日、元妻A子さんに対し、メディアの取材に応じないよう圧力とも取れる内容の通知書を送付していたことが明らかになっています。

 A4用紙3枚の通知書には、〈第三者への口外禁止を書面にて確約していただくことが必要です〉、〈(確約がなければ長男との)面会交流を見合わせざるを得ません〉などと記されていました。そのコピーの一部が以下です。


A子さんは、文藝春秋3月22日発売号で「山尾志桜里さん、夫と息子を返して」という手記を発表。山尾氏が夫婦の寝室に足を踏み入れたことなどを明かし、不倫発覚後に倉持氏から離婚を突きつけられ、親権を失った現状を赤裸々に綴っていました。文春ではA子さんが以下のように語ったとしています。

「手記発表後、倉持に面会を拒否され、2週間も子供に会えていません。今回の文書は、まるで子供を人質に取り、脅すような内容でした。私がメディアの取材に応じたことを理由に、長男への面会を拒否するなんて許されるのでしょうか。また山尾さんは子を持つ親として、私の気持ちが分からないのでしょうか」

文春はね倉持氏に見解を尋ねたそうですが、期日までに回答はなかったといいます。

それにしても、山尾志桜里の神経を疑います。倉持の子供だけでなく、自分の子供も被害者にしておいて、子どもの味方であるような発言を平然としています。山尾志桜里には、今後一切、子供に関することと女性活躍に関することを言ってもらいたくないです。山尾を見ていると、ただただ不愉快になります。これが、ワイドショー民の一般的な見方ではないかと思います。

山尾志桜里に関しては、あの「日本死ね」というブログを国会で公開したときから、どこか狂っていると思っていました。それについては、以前もこのブログに掲載しています。

その記事のリンクを以下に掲載します。
山尾氏、今度は衆院選直前に不可解な「500万円の移動」 週刊新潮報道 ―【私の論評】献金問題と同じく匿名ブログに基づく議論も指弾されるべきだ(゚д゚)!
山尾志桜里

この記事は、2016年4月14日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
国会で匿名のブログをもとに、審議をするなどということは、考え及びもつかないことです。匿名のブログなど何の責任も伴わないものですから、そこに書かれていることなど、信ぴょう性も何もありません。疑問に思っても、書いた人間に質問することすらできません。そのようなものを元に、公の場で議論などすべきではありません。まともな会社の取締役会で、匿名のブログなどに基づいて議論をすすめる役員がいたら、愚か者と言われることでしょう。
これは、ネット社会における最低限のエチケット(ネチケット)であると思います。そのようなことを、認識できない山尾志桜里氏が、検事であったという事自体も信じられません。検事なら、何事に関しても、物的な証拠などを重視するのが普通だと思います。それに、マスコミが献金問題と同じようにその点を追求しないのも本当に奇異なことです。
このようなネチケットが守れない国会議員が何の指弾も受けない、それを褒めそやす党代表が存在したり、それを批判もしないメディが存在するということ自体が、現代の陰湿なネットいじめなどを助長していると思います。
ネットいじめの温床は何か?
匿名のブログはエビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)ではありません。新聞の報道はエビデンスであることが求められます。だから、まともな新聞記者は、情報の出処を裏取りして、正しい情報に基づいて報道します。国会での審議であれば、当然新聞社などより、さらこの点において厳格であらねばならないはずです。

このようなことがなおざりにされても、何の問題にもならない社会は病んでいるとしか言いようがありません。これでは、ますますネットいじめなどをさらに助長するだけです。
このあたりには、山尾志桜里は、マスコミにとりあげられ、脚光を浴びましたが、私はどうしても山尾の行動については、胡散臭さを禁じえませんでした。 そうして、今日その胡散臭さは正しかったことが明るみにでたと思います。

山尾を一時でも支持したり、ましてや賞賛したりした人は、自分には人を見る目がないと厳しく反省すべきでしょう。ということは、反対をおしきって山尾を立憲民主党に入れた枝野氏にも人を見る目がないということかもしれません。

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2018年3月20日火曜日

【日本の選択】野党に政権担当能力がない悲劇 弱点の多い安倍政権を支持せざるを得ず―【私の論評】ポスト安倍の自民党も政権担当能力があるとは言えない(゚д゚)!

【日本の選択】野党に政権担当能力がない悲劇 弱点の多い安倍政権を支持せざるを得ず

第3次安倍第3次改造内閣 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 財務官僚による決裁文書の改竄(かいざん)など、脇の甘さが目につく安倍政権だが、この政権を支えているのは、どのような人たちなのだろうか。

 私自身は、極めて消極的な安倍政権の支持者である。安倍晋三首相を熱烈に支持しているわけではないし、自民党以外は一切認めないという自民党原理主義者でもない。しかし、他に選択肢がまったく存在しないから、安倍政権を支持せざるを得ないのである。

 端的に言えば、「野党が政権を担う能力を有していない」との判断から、多くの国民が安倍政権を消極的に支持しているのではないだろうか。

 安倍政権や自民党が完璧だとは思わないが、「野党よりはまし」という判断から安倍政権が支持される結果になっている。安倍政権の最大の応援団は「野党の無能さ」だという、笑うに笑えない冗談のような現実を見ると、眩暈(めまい)がしそうになる。

 立憲民主党をはじめとする野党があまりに不甲斐ないのは周知の通りだが、広く国民に訴えておきたい事実がある。

あまりに不甲斐ない野党の筆頭、立憲民主党、彼らは立憲民主主義とは何を意味するかさえ知らない

 岡田克也元外相率いる「無所属の会」というグループ(衆院会派)がある。「無所属の会」なのだから、無所属の政治家の集まりだろうと思うのが、国民の常識というものだ。

 だが、彼らは国民が想像する無所属の政治家ではない。民進党の政党交付金で政治活動し、民進党の役職に就いている政治家も存在する。具体的には岡田氏は「無所属の会」の代表でありながら、民進党の常任顧問に就いている。

 民進党を離党し、本当の意味で無所属を貫いている鷲尾英一郎衆院議員=新潟2区=は自身のブログで昨年11月17日、「無所属の会」を以下のように批判していた。

 「民進党の政党交付金で政治活動し、民進党の役職を受けているメンバーが会派をつくっているのであれば、会派の名称は『無所属の会』ではなく、まさに『民進党』がふさわしいではないか」

 まことに正論である。鷲尾氏が指摘するように、彼らは正々堂々と「民進党」を名乗るべきなのだ。

無所属とはいえない「無所属の会」の看板かけ

 「無所属の会」について、週刊ポスト(2018年2月16・23日号)が「一人メシ事件」として、次のような記事を掲載していた。

 1月16日夜、都内のホテルで会合が開かれた。十数人の出席者には弁当が用意されておらず、岡田代表だけが会合前にスーパーで購入したサンドイッチを食べ、腹を空かせた議員から「代表だけ食べるのか」と不満がもれたという。

 何があろうとも、現在の野党に政権を担当させるわけにはいかないと考える日本国民は健全だ。常識ある野党が出現しない限り、弱点の多い自民党政権が継続せざるを得ない。日本の悲劇である。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)、『「リベラル」という病』(同)など。

【私の論評】ポスト安倍の自民党も政権担当能力があるとは言えない(゚д゚)!

まずは、最近の最大の政局に関する動画を以下に掲載しておきます。


この動画は、そもそも根拠が明確であり、かなり理解しやすいです。この動画で、上念司氏は、以下のように主張しています。

まずは、財務省は佐川氏の国会での証言にあわせて、文書を書き換えたということ。そのために、元々は政治家は一切関与していないことがはっきりしていたものが、そうではなくなってしまったとしています。

私も、その通りだと思います。財務省が書き換えたとした文書は、財務省のサイトから誰でも閲覧することができます。そのリンク先を以下に掲載します。


  • 決裁文書についての調査の結果(平成30年3月12日)(PDF:150KB)PDF
  • 決裁文書の書き換えの状況(PDF:7612KB)PDF
  • 平成30年3月14日付け資料(PDF:198KB)PDF
  • 平成30年3月19日付け資料(PDF:263KB)PDF
  • これらを、野党やマスコミのように、最初から「政治家の関与あり」という想定など捨てて、虚心坦懐に読むと、上念氏と同じような結論が導き出せるはずです。

    次に、土地価格については、さらに、森友学園の隣の野田中央公園の土地は、元々は14億円だったものただで売却されているという事実があります。さらに、これには補助金が3000万円も支払われています。

    結局のところ、ゴミが埋まっているので、補助金をつけてでも持って行ってくれということです。

    ゴミが埋まっていることを隠して、近畿財務局は篭池氏に8億円値引きで売ったのです。そうして、差し引き1億円程度が国庫に入っているわけです。そのブロセスに問題があったことから、篭池氏はそのことに気づいたのです。

    その時に、篭池氏はありもしない、政治家や安倍総理、昭恵夫人らがバックについているかのようにいろいろ名前を出したということです。天皇陛下が来たなどと、平気で嘘をつくような男のいうことですから、ほとんどでまかせとみるべきでしょう。

    それに対して近畿財務局は、ゼロ回答だったわけです。これが、書き換え前の決済文書には書かれてあったにもかかわらず、その部分が削除されてしまったため、政治家に不利な内容になってしまいました。そうして、誰に有利かといえば、国会で間違った答弁をしてしまった佐川氏に有利なものになっています。

    これらの事実からみると、やはり、財務省(もしくは理財局)が佐川氏の国会答弁にあわせて、近畿財務局に書き換えを指示して、書き換えさせたと考えるのが、最も自然な解釈であると考えられます。

    近畿財務局

    書き換え前、書き換え後の文書が公開されているわけですから、これをしっかり読めば、上記のような解釈しかしようがないわけです。もし、今後佐川氏が国会招致において、政治家家からの指示があったとか、安倍総理や昭恵夫人の関与があったなどといえば、文書と完璧に矛盾することになるため、そのようなことはしないでしょう。

    さすがに、佐川氏も昨年の国会答弁で余計な答弁をしたため、辞任せざるをえなくなったので、再度国会に招致されたときにはかなり慎重になることでしょう。

    考えられる対応は、核心に迫る事柄については、篭池被告人のように「調査中であるので、答弁できません」ということで終わることになると思います。さらに、昭恵夫人を仮に国会に招致したとしても、野党にとって都合の良い答弁をするなどということは全く考えられません。

    このような状況だと、最初は、興味を持って安倍政権対退陣すべしなどと煽られていたワイドショー民も飽きて、それこそあれど有利であると考えられていた希望の党が選挙の最中に勢いを失ったように、野党の主張(野党自身ではありません)も指示を失って、現在の政権の支持率の低下も回復することになります。

    その頃に、野党が別の対策や、新たな政局を見いだせるなら、さらに安倍政権を窮地に追い込むことができるかもしれませんが、そもそも、公開された文書を見ている限りにおいて、結局昨年と同じように、安倍総理はおろか一人の政治家を辞めさせたりすることはできないでしょう。

    今後、野党やマスコミは「アベにくし」のあまり、篭池夫妻という、頭のあまり良さそうとも思えない、詐欺師らに引っ掻き回さたということがはっきりしてくることになります。そうなると、野党の支持率はますます下がることになります。そのことが全く見えていない野党は、政策論争ができないのは無論のこと、政局すらまともに見ることが出来ないということで、国民の信頼をさらに失うことになります。

    篭池夫妻

    ブログ冒頭の記事で、岩田氏は、「私自身は、極めて消極的な安倍政権の支持者である。安倍晋三首相を熱烈に支持しているわけではないし、自民党以外は一切認めないという自民党原理主義者でもない。しかし、他に選択肢がまったく存在しないから、安倍政権を支持せざるを得ないのである」と述べています。

    私自身は、程度の差はあるとは思いますが、もともと政治とは、特に民主的な政治はそのようなものであると思っています。

    もし、何もかも自分にとって満足と思えるような政権がでてきたとすれば、それは独裁政権に違いないと思います。そうして、自分は独裁者になっているか、独裁者の親族などの、独裁者に極めて近い存在になってるかのいずれかであると思います。

    私自身は、安倍政権は金融政策で雇用状況を改善したということで、過去20年間のいずれの政権よりも、パフォーマンスが高いと思います。また、安全保障においても、過去のいずれの政権よりも突っ込んだ議論し、そうして少しずつでも間違いなく前進していると評価しています。

    ただし、自民党ということでみると、金融政策も財政政策も、安倍総理やその側近のごく一部しか理解しておらず、もし安倍政権が崩壊して、他の人が総理大臣になって新たな自民党政権をつくったとしても、またまた日本はデフレスパイラルの底に沈み、とんでもないことになり、誰の政権であったにしても短期政権になり、その後も同じことを繰り返すと思います。

    小泉進次郎氏のような若い自民党の議員こそ、まともにマクロ経済を理解して欲しいと思うのですが、全くそうではありません。

    安全保障についても、自民党には親中派の政治家も多いことですから、安倍内閣が崩壊となれば、これも後退する可能性が大きいです。

    それを思うと、野党に政権を任せられないのは自明の理として、安倍総理以外には、いまのところ総理大臣を任せられる人物は自民党内にはいないと思います。これこそ、本当に目眩がしそうな現実です。

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    2017年4月9日日曜日

    トランプ大統領のシリア攻撃をクリントン氏も支持―【私の論評】米民主党・メディアがトランプ大統領の政策をなぜ支持したのか理解不能の民進党(゚д゚)!

    トランプ大統領のシリア攻撃をクリントン氏も支持
    共和党も民主党も幅広く賛同の意を表明

    米駆逐艦ポーターが地中海から行ったシリアへのミサイル攻撃。米海軍提供(4月7日撮影・公開)
    「ドナルド・トランプ氏は初めて米国大統領になった」――トランプ大統領が実行したシリアの空軍基地攻撃に対して、民主党系の評論家がこんな賞賛の言葉を送った。

     共和党も民主党も支持
     4月4日、トランプ大統領がシリア政府軍の化学兵器使用への制裁として、59発のトマホーク巡航ミサイルによるシリアのシャイラト空軍基地への攻撃を断行した。

     この攻撃は米国内で共和、民主の両党側から幅広く支持されている。トランプ氏の施策が両党側からこれだけ支持されるのは、1月に大統領に就任して以来初めてである。この展開を機に、トランプ政権に対する一般の評価にも変化が起きるかもしれない。

     CNNテレビの国際問題評論家ファリード・ザカリア氏は4月7日の番組で、トランプ政権が実施したシリア攻撃について、「ドナルド・トランプ氏は就任以来78日目にして初めてアメリカ合衆国大統領となった」「トランプ氏は国際的な基準やルールを明確に述べ、世界の中で正義を行使する米国の役割を語った」と述べ、攻撃に賛成した。

    ファリード・ザカリア氏 写真はブログ管理人挿入以下同じ
     ザカリア氏は民主党系リベラル派のベテラン記者である。これまではトランプ氏の言動や政策を選挙期間から厳しく批判してきた。だが今回は、国際法規に違反する化学兵器を使用したシリアへの武力行使を、「米国の大統領らしい行い」だと称讃した。

     「この攻撃は必要だった」とルビオ議員

     今回の米軍によるシリアの基地攻撃は、国際的には賛否が交錯している。自由民主主義陣営の各国は一様に同意を表明した。だが、シリアのアサド政権を支持するロシアは激しく反発し、米ロ両大国の対決という状況を生み出しつつある。当のアサド政権は化学兵器の使用を否定しており、米国の攻撃は国際法違反の侵略だと非難する。

     だが米国の国政レベルでは圧倒的に賛成の意見が多い。

     共和党側では、昨年の大統領選の共和党予備選でトランプ氏と激しく争ったマルコ・ルビオ上院議員が、「この攻撃はアサド政権軍の化学兵器の戦力を抑える重要な一歩であり、必要だった」と言明した。

    マルコ・ルビオ上院議員
     同じ共和党のべテラン上院議員、ジョン・マケイン氏とリンゼイ・グラハム氏も、「トランプ大統領がオバマ前政権とは異なり、アサド政権の無法に対して断固たる軍事行動をとったことは賞賛されるべきである。米国民一般からも支持されるべきだ」と連名で声明を発表した。

     下院議長のポール・ライアン議員(共和党)もトランプ大統領の今回の実力行使を「適切であり、正統な行動だ」と評価した。

     クリントン氏も賛意を表明
     意外なことに、これまでトランプ氏の諸政策を徹底して非難してきた議会の民主党議員たちからも今回のシリア攻撃は支持されている。

     たとえば上院の民主党院内総務のチャック・シューマー議員は、「アサド大統領が憎むべき残虐行為を働いたことに代償を払わせるという意味で、今回の攻撃は正しい」と述べた。また、下院の民主党院内総務のナンシー・ペロシ議員は「この攻撃はアサド政権の化学兵器使用に対する順当な対応だ」とする声明を発表した。

     さらにトランプ氏と大統領の座を争ったヒラリー・クリントン氏も「アサド大統領の長年の残虐行為に対して、もっと早くこの種の軍事行動をとるべきだった」と述べた。

    ヒラリー・クリントン氏
     CNNテレビのインタビューに応じたクリントン氏はシリア攻撃への賛意を表明しただけでなく、この種の武力行使を今後もアサド政権に対して続けていくべきだと語った。「容易な決断ではなかっただろう」として、トランプ氏への理解も示している。

     もちろん全員が賛同しているわけではなく、民主党議員のなかには、トランプ大統領の今回の措置が議会の承認を得なかったことや、国際法との整合性を明確にしていないことなどを批判する動きもある。

     だが全体としては、民主、共和両党からの圧倒的な支持が目立つ。就任以来、トランプ大統領が実施したさまざまな政策や措置の中で、今回のシリア空軍基地攻撃は最も多くの支持を集める結果となったようだ。

    【私の論評】米民主党・メディアがトランプ大統領の政策をなぜ支持したのか理解不能の民進党(゚д゚)!

    このブログには、以前から米国のメディアはリベラル・左派が90%を占めており、保守派は10%しかありません。

    それは事実です。米国の場合は、特に新聞はひどく、大手新聞は100%がリベラル・左派が占めているという具合です。

    そのため、保守派の声はかき消されてまるでなきがごとくであるということを掲載してきました。

    しかし、それは日本も同じような状況にあります。日本の場合、産経新聞が保守派であるというのが、唯一米国よりは多少ましかもしれないという程度です。

    しかし、今回のブログ冒頭の記事をみると、リベラル・左派が90%占める、メディアも今回のシリア攻撃を支持していますし、ヒラリー・クリントンをはじめとする民主党の議員も多くがこれを支持しています。

    この有様は、日本とは大違いです。日本の場合は、野党は安倍政権のやることには何でも反対します。

    この違いはいったい、どこから来るのでしょうか。それはやはり、米国と日本の政治体制の違いからくるものだと思います。

    米国では、日本とは異なり二大政党制が根付いています。そうして、長年二大政党制が続いたことから、政治の継続性の原則も貫かれているようです。


    政治の継続性の原則とは、たとえ政権交代があったにしても、旧政権の政策が60〜70%が引き継がれ、新政権は残り30%〜40%で新政権らしさを出すということで、政治的混乱を防ぐというものです。

    これは、当然といえば当然のことです。米国のように共和党と民主党の二大政党制だと、政権交代することも頻繁にあります。その場合、政権交代するたびに180度、政策が異なるようなことがあれば、それによる混乱はとてつもないことになります。

    また、二大政党制によって政権交代をすることが普通にある米国においては、政権交代された側の政権の閣僚や主要な地位についていた議員などは、その政党の考え方に近いシンクタンクに入ります。そこでシンクタンクの研究員などともに政策の研究を行い、シャドーキャビネットを築きます。

    そうして、自分たちは米国という国や社会をどうしたいのかという理想をみつめつつ、具体的な政策の立案を行い目的・目標を定めて、政権に返り咲く時を待ちます。

    日本のように、野党に下野すると、単なる議員で、党組織に属しているだけということではありません。そうして、下野していてもいずれ時が来て、また政権与党になったときも、シンクタンクが政権与党の政策立案などをサポートします。これは、実際に重責を担う人たちと一緒研究をした研究員などが、与党の政策立案などをサポートすることになるので、政策運営もかなり実行しやすいです。

    このように政治的混乱をさけるため、政治の継続性の原則が貫かれているのです。無論、これは不文律のようなもので、法的な裏付けなどがあるわけではありません。

    そうして、米国には強固な三権分立制が敷かれています。これと、政治の継続性の原則があいまって、政権交代がなされたとしても、新大統領がそれまでの政策と180度転換するような政策を行うとしても、それはなかなか容易なことではありません。


    だからこそ、トランプ大統領はオバマケアの改廃を目指す立法の議会への提出を断念したのです。やはり、オバマケアの抜本的な改変は、オバマ大統領の時代の政策を180度転換するようなもので、民主党はもとより、共和党の中にも反対する議員が大勢でて、断念せざるを得なかったのです。

    しかし、一方今回のトランプ大統領のシリア攻撃に関しては、野党である民主党やメデイアも支持しています。これは、民主党が政権与党だったとしてもシリア攻撃を実行したであろうという意思表示であります。これによって、米国民も共和党政権であろうと、民主党政権であろと、今回のシリア攻撃は実行したであろうことを知り、これが米国のコアな政策なのだと理解することになります。

    しかし、日本の場合現在の安倍自民党政権の政策には、野党は何から何まで反対です。もともと、どう頑張っても政権与党にはなり得ない共産党が、何から何まで反対するというのはわかりますが、かつて民主党として政権与党だった現在の民進党がとにかく何から何まで反対というのは全く理解に苦しみます。

    国会で、何から何まで反対する野党の姿勢に批判をした安倍総理大臣
    私は、現在の日本のいわゆるリベラル左派は、民進党やメディアや知識人も含め、自分たちは日本という国や社会をどうしたいのかという理想も持たずに、単に「政権や権力と戦うのが自分たちの使命」であると思い込み続けてきたため、まともにものが考えられなくなり、「政権や権力」と戦うこと自体が目的、目標になってしまい、無限地獄に陥って堕落しているのだと思います。

    そもそも、自分たち国や社会をどうしたいのかという理想がなければ、目的も定まらず、したがって目標も定められず、目標に沿った行動もできずに、ただただ日々を無為に過ごしているだけということに彼らは気づいていないのです。

    このようなリベラル・左派のどん詰まり状況に閉塞感を感じ、リベラル・左派から離れる人も結構います。最近では、民進党の長島昭久元防衛副大臣が7日、離党する意向を固めたことがわかっています。「党執行部が進める共産党との共闘路線は容認できず、国民の理解も得られない」として、10日に離党届けを党本部に提出して記者会見する予定です。当面無所属で活動する予定だといいます。

    現在の民進党であれば、このように将来に絶望する人たちもこれから出てくると思います。民進党はこのままだと限界的な存在から脱却することができず、ますます劣勢になるだけです。

    民進党は、今回のトランプ大統領のシリア攻撃に対して、なぜ民主党やメディアが支持したのか真剣にその背景を学び、今後の国会での自らのありかたを真摯に考えるべきです。

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    2017年1月19日木曜日

    アパホテル批判で愛国心あおる支那 国家としての制裁82・9%支持というアンケート結果も―【私の論評】不可避の隘路に直面した習近平(゚д゚)!

    アパホテル批判で愛国心あおる支那 国家としての制裁82・9%支持というアンケート結果も

    アパホテルの各室に置かれてある書籍 今回支那が問題にしたのは右側の書籍

     ■党大会控え活発化

     【支那総局】「南京大虐殺」「慰安婦の強制連行」を否定する書籍を客室に備えたとして支那外務省が日本のアパホテルを批判した問題で、支那国内ではホテルを運営するアパグループへの反発が高まっている。一方、日本国内では「本を撤去しない」としたホテル側の姿勢に賛同する声が多く寄せられている。

     アパホテルの客室におかれた書籍をめぐり、支那外務省の報道官が日本国内の言論に対して異例の批判に踏み切った。今秋に5年に1度の中国共産党大会を控え、国内では歴史問題を前面に出した愛国キャンペーンで党や指導部の求心力を高めようとする兆しもある。

     これまで支那外務省は日本の靖国神社について「戦争を美化している」と決めつけながらも、一般国民の参拝には反対しない立場を示すなど、歴史問題に関しては政府や政治家と国民の間で一定の線引きをしてきた。

     この問題をめぐっては中国共産党機関紙、人民日報系でタカ派の論調で知られる環球時報が連日報道し、外務省報道官のコメントも同紙の記者の質問に答えたものだ。

     同紙が17日、ネット上で「支那による国家としてのアパグループ制裁を支持するか」とのアンケートを実施したところ、3万3千人以上が参加し、うち82・9%が支持を表明したという。

     支那では海外への旅行者も多い27日からの春節休暇を前に、複数の予約サイトでアパホテルの予約ができなくなっている。同サイト「携程」では18日現在、アパホテルを検索しても表示されない状態だ。(北京 西見由章)

                       ◇

     東京都内にあるアパホテルは「システムエラーにより、数日前から(宿泊予約などの)Webサイトへアクセスができなくなっている。原因は不明。復旧のメドは立っていない」と話している。

    【用語解説】「本当の日本の歴史 理論近現代史学II」

     書籍のタイトルは「本当の日本の歴史 理論近現代史学II」。元谷外志雄代表が「藤誠志」のペンネームで月刊誌「Apple Town」に連載している社会時評エッセーをまとめたもので、英訳も付いている。

     書籍では南京大虐殺について、「(日本軍の)攻略時の南京の人口が20万人、一カ月後の人口が25万人という記録から考えても、あり得ない」などと否定。さらに上海大学教授の指摘を引用し、「いわゆる南京大虐殺の被害者名簿というものは、ただの一人分も存在していない」と記している。

    【私の論評】不可避の隘路に直面した習近平(゚д゚)!

    APAホテルに上記のような書籍が置かれているのは、特に保守界隈では10年以上前から常識です。何しろAPAグループはいわば、保守論客としての田母神俊雄氏の生みの親です。

    2008年10月31日、田母神氏は、アパグループ主催の第1回『「真の近現代史観」懸賞論文』に応募した「日本は侵略国家であったのか」が最優秀藤誠志賞を受賞しています。ところが、同論文が政府見解と異なる主張であるとして問題視され、航空幕僚長の職を解かれ航空幕僚監部付となりました。同日付で「航空幕僚長たる空将」でなくなったことにより、一般の空将と同様の60歳定年が適用され6ヶ月の定年延長が発令され、定年延長が11月3日までとされ、同日をもって定年退職しました。

    田母神俊雄氏
    いままでAPAホテルに何万、何十万人という外国人が泊まってきたはずです。しかも、ご丁寧に元谷外志雄氏(APA総帥)の英訳も掲載して室内に置いていた南京虐殺否定の小冊子は、10年以上にわたってつい最近まで何の問題にもなりませんでした。

    しかし、今になってなぜ、問題になり、支那外務省の報道官が日本国内の言論に対して異例の批判に踏み切ったのでしょうか。これは本当に不思議です。

    本日は、その背景について、私の思うところを掲載したいと思います。

    まずは、最近の支那共産党の状況についてふりかえっておきます。それについては、以前もこのブログに掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載しておきます。
    南シナ海で横暴の支那に米空母で鉄槌か 演習実施で牽制―【私の論評】トランプ新大統領による対支那強硬策で習近平失脚は確実(゚д゚)!
    カールビンソン
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に現状の中国共産党、その中でも権力闘争に関するる部分を引用します。
    習近平にとっては、オバマが大統領だったときの米国は、かなり御しやすかったと思います。支那という国は、ほとんどが自国内部の都合で動く国です。外交も自国内部の都合にかなり左右されます。というより、最初に自国の都合があって、その後に外交があるというとんでもない国です。

    オバマが大統領だったときは、習近平はまず支那国内を優先して、国内対応を中心として動いていたものと思います。習近平にとっては、オバマは国内の習近平反対派の、胡錦涛派(共青団)の李克強氏、上海閥と太子党の江沢民派のほうが、余程大きな存在だったに違いありません。
    胡錦濤(左)と江沢民(右)
    オバマ大統領は、習近平にとっては、胡錦濤や江沢民のほうが余程大きな存在であったに違いありません。

    しかし、トランプ氏が大統領になれば、胡錦濤や江沢民よりも、トランプ氏のほうがはるかに大きな存在になるに違いありません。

    今までは、習近平は、中国国内の胡錦濤派と江沢民派と腐敗撲滅運動という名の下での権力闘争を繰り広げて、時折米国対応をしていれば、比較的楽に権力闘争を戦えたのですが、トランプ大統領になれば、そのようなわけにはいかなくなります。

    そうして、反習近平派はここぞとばかり、権力闘争を強めてくるに違いありません。習近平としては、今までは2つの派閥にプラスアルファ程度で戦ってこられたのが、派閥が3つに増え、しかも増えた派閥が、それまでの派閥よりはるかに強力になったというような状況になります。
    さて、このような状況に追い込まれた習近平です。トランプ氏の対中国攻勢は今までにはない強力なものになりそうです。

    これについては、石平氏の論評が参考になります。石兵氏の論評のリンクを以下に掲載します。
    「黒船」トランプが支那・習近平政権に仕掛ける、3つの最終戦争
    石平氏
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に要約を掲載します。

    中国に3つの戦いを挑むトランプ新大統領
    習近平政権を襲うトランプ政権という「黒船」 3つの戦い…負ければ政権崩壊も中国の習近平政権にとって2017年は文字通り、内憂外患の年となりそうだ。 
    トランプ氏は日本の安倍晋三首相と親しく会談して同盟関係を固めた一方、ロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談し、オバマ政権下で悪化した両国との関係の改善に乗り出した。見方によっては、それらの挙動はすべて、来るべき「中国との対決のための布石と理解できよう。 
    そして昨年12月初旬、トランプ氏は米国外交の長年のタブーを破って台湾の蔡英文総統との電話会談を敢行し、中国の「一つの中国の原則」へ挑戦状をたたき付けた。対中外交戦の外堀を周到に埋めたトランプ氏はいきなり北京の急所をついて本丸へと攻め込もうとする構えを見せたのである。 
    人事面では、トランプ氏は新設の国家通商会議委員長と米通商代表部代表のそれぞれに、対中強硬派の面々を任命して対中国貿易戦の準備を整えた一方、国防長官のポストには強硬派軍人のマティス元中央軍司令官を起用した。南シナ海での中国の軍事拡大を断固として封じ込める姿勢を示したのである。  
    一方の習近平政権は、情勢の激変に心の準備も戦略上の布陣もできていないまま、退路のない「背水の陣」を強いられる羽目になっている。 
    貿易戦争の展開によって中国の対米貿易が大きく後退すれば、輸出こそが命綱の中国経済は深刻な打撃を受け、既に危険水域にある経済の衰退にさらなる拍車をかけることとなろう。 
    そして南シナ海では、今まで「有言不実行」のオバマ政権の生ぬるさを幸いに中国の軍事拡大がやすやすと進んできたが、トランプ政権と米海軍が中国の封じ込めに本気になって当たれば、習政権の拡大戦略は頓挫し立ち往生してしまう可能性も十分にあろう。 
    習政権にとって政治的リスクが最も高いのは台湾問題への対処だ。ニクソン訪中以来、対米外交を含めた中国外交の土台は台湾というれっきとした国を国として認めない虚構の上に成り立っている。 
    結局、トランプ政権が仕掛けてくる「貿易戦争」「南シナ海の対決」、そして「台湾問題の争点化」という3つの戦いに、習政権は今後、いや応なく応戦していくしかない。 
    習近平は、トランプ新大統領と「貿易戦争」「南シナ海の対決」そうして、「台湾問題の争点化」という3つの戦いに応戦しなければならないのです。

    そうして、国内では上記に加えて尖閣問題の未解決、AIIBの有名無実化、一帯一路構想の事実上の頓挫などによって、これから経済が短期に回復する見込みもなく、軍事的にもめぼしい成果をあげることもできず、まさに、習近平としては何をどうして良いのかわからないような状況に陥っています。

    そうして、ブログ冒頭の記事にもある通り、今秋には、5年に1度の中国共産党大会を控えています。習近平としては、わらにもすがる思いで、権力闘争に利用できるものは何でも利用して自らの立場を有利にしようと躍起になっていることでしょう。

    その中には、通常の神経からすると理解に苦しむものがあります。その一つが、アパホテルの客室におかれた書籍をめぐり、支那外務省の報道官が日本国内の言論に対して異例の批判並びに環球時報によるアンケートです。

    日本の一民間企業の経営者の書籍に関して、このようなことをするというのは本当に異常としか言いようがありません。

    これと同程度もしく、それを上回るような異常事態もありました。それについても、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
    習近平総書記 共産党員に1.5万字の「習語」書き写し指令―【私の論評】司馬遷を妄用しないと統治の正当性を保てない断末魔の習近平(゚д゚)!

    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、習近平政権の最近の異常ぶりを掲載しました。

    それは、以下の二点です。

    まず第一に、習近平総書記の最側近で、中国共産党内では事実上のナンバー2といえる王岐山・中央紀律検査委員会書記長が、2015年4月23日習近平総書記の母校・清華大学での講演のため訪中したフランシス・フクヤマSAIS(ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院)教授、青木昌彦スタンフォード大学名誉教授らと面会し、習近平政治について、以下のように講釈したというのです。
     「中国において皇帝というのは、『天子』と呼ばれる神なのだ。中国はいまでも神が統治するから、司法は必ず、中国共産党の指導のもとに行動しなければならない。 
     各国の最高法である憲法は、人間の手によって書かれた紙きれにすぎない。だから憲法が定める最高権力者の大統領は、神ではない。また、日本には天皇がいて、英国には女王がいるが、天皇も女王も神ではない。神がいるのは中国だけだ」 
     王書記は、大胆不敵にも「習近平=神」論をブチ上げたのである。
    これは、支那古代の歴史家司馬遷の歴史観そのままです。そうして、習近平総書記に対する神格化は、2016年になって本格化しました。2月28日、習近平総書記は党中央弁公庁を通して、「両学一做」(党章・習近平講話を学習し、党員として合格する)運動を、8779万共産党員に向けて発布したのです。

    これは、約1.5万字ある党章と、あまたの習近平講話を、全党員が年末までに手書きで書き写すという指令でした。かつて毛沢東が「毛沢東語録」によって国民を洗脳したように、「習語」(習近平語録)で洗脳し始めたのです。

    トランプ氏が新大統領となる前の、昨年のオバマ政権の末期の時期に、習近平政権は、これだけのことをしなければならないくらいにタガが緩んでいてどうしようもないような状態になっていたことです。

    そうして、今年習近平はトランプ氏の仕掛ける貿易戦争」「南シナ海の対決」、「台湾問題の争点化」という3つの戦いに挑まなければならないのです。

    こう考えると、習近平の焦りは手に取るように理解できると思います。だからこそ、通常ならあり得ない日本の一民間企業に過ぎないアパホテルを批判するというような、とんでもない行動に出たのです。そうして、これは何も偶発的に起こったことではなく、すべて習近平が企んだやらせでしょう。

    まさに、今習近平は、不可避の隘路に直面しているのです。今年は、習近平が失脚するか、少なくとも失脚への道筋が明らかにになることでしょう。

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    2016年12月18日日曜日

    【悲報】池上彰さんの番組のグラフが「印象操作」だとネットでは批判殺到―【私の論評】裏付けに乏しく、また実感にも乏しい印象操作が支持されるわけがない(゚д゚)!



    池上彰の番組が波紋を呼んでいる。問題の番組はフジテレビの「池上彰緊急スペシャル 格差はなぜ世界からなくならないのか」というもので、世界の格差と日本を比べるというものだ。番組では日本の格差が徐々に広がっている点を問題提起していたわけですが、そのグラフが明らかに印象操作していたということだ。


    問題となっているグラフは日本の平均所得の推移と、米国の平均所得の推移。一見、米国の赤い色(下位90%)推移のほうはあまり変わっておらず日本はとんでもなく変化しているように見えますが、実はこれ目盛りの値が全く違い、日本のほうは0.8~1.4、対して米国は0.5~3.0と全く異なる。

    従ってこれを比べると、日本がものすごい格差が広がっているようにみえるのですが、同じ目盛りの表にしてみると・・・。



    (左:番組の表・右:当サイトで同じ目盛りにしたもの)

    こんな感じになるはずです。確かに格差は広がっているので間違いではないのですが、左に比べるとインパクトは薄い。

    テレビ側としては誤ったグラフを使用しているわけではないが、あえて目盛りを変えたこの表現にネットでは印象操作だ!と批判が殺到している。


    ーネットの反応
    ・ 分かりやすく説明を心がけながらウソをつく奴は社会にとって害悪過ぎるな
    ・ 池上彰さんがグラフの縦軸スケール弄りとかいう データを騙して見せる初歩的な印象操作してて幻滅しました
    ・  私もあまり見ないですが最近酷くなりました。
    ・ これには池上彰にガッカリしました。
    ・ 池上彰さんの公式謝罪まだかぁ
    ・ 縦軸を入れるから気づかれるんだよ。
    ・ 新聞も馬鹿のための読み物なんだろう。
    ・ テレビで絶対にやってはいけないこと
    ・ これちょっとひどくね
    ・ 自分も見てたけど、これはひどいと思った。
    ・ 池上彰でもこういう事かましてくるので、メディアリテラシーが求められますね
    ・ 真実はどうでもよくて言いたい事だけいえればいい、と思っているのは分かるけど。
    ・ そのへん色々解説してくれる池上彰みたいな彼氏欲しい
    ・ あっ!ホントだ! 放送見てる時には気が付かなかった。
    ・ 池上彰のグラフ比較のは推移の比較だから縦軸違ってもあれでええんやで

    【私の論評】裏付けに乏しく、また実感にも乏しい印象操作が支持されるわけがない(゚д゚)! 

    この種の印象操作、テレビで絶対にやってはいけないことのはずです。しかし、現在では、マスコミの人はデータを自分で扱えない人ばかりなので、この手の子供だましにも騙されるようです。これは、マスコミの体質を示す出来事だと思います。

    マスコミで消費増税賛成、金融引き締め賛成の人は、財務省や日銀当局の資料・データを鵜呑みにする輩がかなり存在します。というか、資料・データを一回食わされて、それをTVで御開陳。その後も御当局資料・データ依存症になって、結果当局のいいなりコースになるという人は結構多いです。池上氏も紛れも無くその一人です。

    池上氏の上のグラフは、1980年〜2010年までのものです。このように、一部を切り取るのも大きな印象操作です。日本では、2012年までは明らかに、酷いデフレでしたから、下位90%の賃金も下がるのは当然ですし、上位10%の賃金も下がっています。しかし、下位90%の賃金がより下がっているので、格差が広がっているのですが、それにしてもその本質はデフレによるものです。

    米国は、かつて一度も日本のように深刻なデフレに至ったことはありません。にもかかわらず、格差が広がっています。これは、社会構造による格差です。

    もともと、日本は西欧に比較すると格差は少ないほうです。池上彰は、アベノミクスが格差拡大や貧困を加速したということを言いたいのでしょうが、現在もその代表的なデータは事実上存在しません。

    つまりこれは、池上彰の勝手な思い込みにすぎないのです。例えば、貧困率は2012年までしか利用できず、ジニ係数の推移はつい最近まで2010年までしか利用できません。だからこそ、池上彰のグラフも2010年までとなっているのです。しかし、2010年といえば、民主党政権下にありました。この古い資料をもって、安倍政権を批判することはできまん。安倍政権は、2013年からスタートしています。


    経済格差は高齢化とともに拡大する傾向にありますが、現段階の雇用状況の大幅改善、雇用者報酬の増加、さらには最近の実質賃金の増加傾向も含めると、安倍政権の政策の結果で貧困や格差が増加してはいません。

    もちろんさらに経済状況を改善する余地があるとか、または現状の消費低迷からくる経済低迷を改善するという主張なら賛成です。しかし池上彰はまずアベノミクス全否定ありきなのようです。このような事実に反した印象操作、また多くの人々の実感にも乏しい主張が支持されるわけがないでしょう。

    だからこそ、ネット上で、池上彰の番組が波紋を呼んでいるのでしょう。

    さらに、日本が比較的格差が欧米に比較して少ないことは、以下のグラフからも明らかです。


    明らかに、日本の所得上位1%シェアは、英米より低いです。そうして、欧米と根本的に異なるのは、日本では、トップ1%は、所得1300万円以上なのです。これは、無意識に多くの人々から、3000万円とか、もしかすると5000万以上と思われているふしがあります。

    トップ1%が年収1300万円を、正確に言います。このグラフの出処である、World Top Incomes DatabaseのJapanのところをみれば簡単に数字は出てきます。トップ1%の年収は1280万円。ついでに、トップ10%、トップ0.1%、トップ0.01%の年収はそれぞれ576万円、3261万円、8057万円だ(いずれも2010年)。

    厚労省による所得再配分調査は、世帯の所得分布と等価所得という個人ベースの所得分布について所得再分配前後のデータがあります。以下の図は、等価所得の所得再配分前の所得分布です。


    国税庁の民間給与実態統計調査は、毎年出されている統計でしばしば利用されますが、これは給与をもらっている人しか調べていません。(下図)



    これによれば、トップ1%は年収1500万円、トップ4%で年収1000万円です。いずれの統計でも、マスコミやそこに出演する多くの人はトップ1%に無論、池上彰自身も入っていることでしょう。

    格差問題について、マスコミで議論すると、池上氏のようにほぼ格差を是正すべきという論調になります。もちろん、所得再分配をある程度は行うべきとは、私も思います。ただし、それはあくまで海外と比較しながらにすべきです。日本の格差は、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度に過ぎません。

    このような実体があるにもかかわらず、グラフを操作するなどして、テレビで日本の格差が酷すぎるように印象操作をしたとしても、エビデンスに乏しく、実感にも乏しい主張がが支持されるわけがないでしょう。だからこそ、この番組のグラフは、twitterなどのSNSで批判され続けているのです。

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    2016年5月20日金曜日

    【緊迫・南シナ海】中国が「40カ国超が支持表明」と主張、各国への懐柔強め―【私の論評】国際法に基づいた裁定が出れば、米国は後腐れなく軍事行動をとることができる(゚д゚)!


    華春瑩報道官

    中国外務省の華春瑩報道官は20日の定例記者会見で、南シナ海の領有権問題について「既に40カ国以上が中国の立場に支持を表明した」と述べた。この問題でオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の判断が近く出されるのを控え、中国はアフリカ諸国など各国への働き掛けを強めている。

    華氏は「政治的意図や偏見を持たない国は中国を支持すると信じている。今後も支持する国は増えるだろう」と述べた。

    【私の論評】国際法に基づいた裁定が出れば、米国は後腐れなく軍事行動をとることができる(゚д゚)!

    この裁判のきつかけともなつた問題簡単にふりかえっておきます。中国は従来から、南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、国際法を無視して南シナ海の大部分を「自国の領海だ」と主張。周辺国を力で恫喝し、複数の岩礁を埋め立てて軍事基地化を進めていました。これは、常軌を逸した暴挙以外の何ものでもありません。


    では、この中国が主張する九段戦には何か根拠があるのかといえば、何もありません。ただの妄想です。米国の戦略家ルトワック氏は、そもそも、この九段線の元となった地図は、中国が実効的な支配力をほとんど持たなかった時期に国民党(現台湾)の軍の高官が酔っ払いながら描いたものであり、こんな馬鹿げたでっち上げの地図に拘る必要など初めから無いとしています。

    アーミテージ元国務副長官は、冷戦後の米国の対中政策はクリントン政権から、ブッシュ政権を経てオバマ政権にいたるまで、中国を軍事的に適切に「ヘッジ」(Hedging)し、国際社会に「関与」(Engagement)させることにより、責任ある「利害関係国」(Responsible Stakeholder)にすることにあったと述べていました。

    オバマ政権の発足時は米中で共同覇権体制を組むのではないか-G2(Government of Two)体制-とまでいわれるほどまで関与政策がとられました。それに対して、後期にはいり米中は激しく火花をちらし、米国の「対中封じ込め」と言われるほど対中強硬政策(Hedge)がとられました。

    歴史的な訪中を果たした共和党のリチャード・ニクソン大統領と中国の毛沢東主席 (1972年)。
    しかしながら、事実は、対中政策を関与とヘッジの二者択一の政策ではなく、両者を同時に追求しながら、バランスをとる「あいまい戦略」(Ambiguous Strategy)がとられたと考えられます。すなわち、前期はヘッジも行っていたが関与の政策傾向が強く、後期は関与も行うがヘッジの政策傾向が強かったと考えられます。

    しかしながら、このあいまいな戦略が中国を増長させました。結局のところ、つい最近まで中国が南シナ海で何をしても、強く非難はしても、米国は直接軍事衝突することもなく中国の好き放題にさせてしまいました。

    米国は従来は、「建設的関与」によって、中国を支援し、中国の根幹を強く豊かにすれば、国際社会への参加や協調力を促し、西側に同調すると考え、この関与政策を8代にわたり何十年も続けてきたのですが、全てが失敗で対中失望感につながっています。

    しかし、力が強くなり、存在感がますます高まる中国を抜きに、世界秩序の維持ができないことも十分認識しており、今後は基本政策を関与に置き、脅威としても認識しつつ、力で関与を促す「軍経分離けあるいは「政経分離」政策へと移行しつつあります。

    中国が人工島を建設している南シナ海スプラトリー諸島のミスチーフ礁。(2015年5月)
    そのような時期に、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は昨年10月29日、フィリピン政府が申し立てていた南シナ海をめぐる中国との紛争の仲裁手続きを進めることを決めました。その後、フィリピン側の主張を検討するための聴聞会を開催しました。フィリピン政府は決定を歓迎。一方、中国は、仲裁手続きを受け入れない姿勢を示しました。

    中国は、関係国間の交渉による解決を唱え、仲裁裁判所に管轄権はないとして仲裁手続きを一貫して拒否していました。南シナ海の領有権問題では中国は、フィリピンのほか、ベトナムや台湾、マレーシア、ブルネイなどとも対立しています。

    仲裁裁判所は、フィリピンが国連海洋法条約に基づいて申請した7件の事項を取り上げる権限があり、中国が仲裁手続きをボイコットしているからといって裁判所の管轄権がなくなるわけではないとの判断を示めしていました。

    米国防当局者は、仲裁裁判所の決定に歓迎の意を表明。「南シナ海の紛争に対する国際法の有効性が示されている。各国の領有権には論争の余地がないわけではなく、国際法と国際的慣行を基礎にしたこうした判断は、紛争を解決しないまでも管理を実現できる1つの方法といえる」と述べました。

    フィリピンの同盟国でもある米国はこの頃、南シナ海にある中国が埋め立て工事をした人工島の12カイリ以内に海軍艦艇を派遣する「航行の自由」作戦を実施しました。

    また米国務省のカービー報道官は定例会見で、仲裁裁判所の決定はフィリピンと中国の双方に法的拘束力を持つとの見方を示しました。

    米上院軍事委員会のマケイン委員長も裁判所の決定を称賛した上で、米政府は航行の自由作戦を定期的に行うことなどで今後もフィリピンなどの同盟国や連携する国を支援するべきだと強調しました。

    中国は仲裁手続きを受け入れない姿勢でした。

    劉振民外務次官は、記者団に、「今回の決定は、南シナ海をめぐる歴史の事実と国際法に基づく中国の権利、主権に影響を及ぼすものでない」と述べ、フィリピンの目的は紛争の解決でなく、南シナ海における中国の権利を否定し自らの権利を確認することであることが、今回明らかになったと指摘しました。

    劉振民外務次官
    いずれにせよ、フィリピンはこの問題で中国と十分な交渉をしていないとする中国側の主張が裁判所の見解で明確に否定されていたわけですが、この時点で中国にとっては大打撃だったことでしょう。

    フィリピン政府はこの「九段線」の合法性、またその内部での中国の行動について異議を唱えています。

    フィリピン政府は、自国EEZ内での海域開発の権利について裁定を勝ち取ることにより、この海域内の複数の暗礁・岩礁から中国が撤退せざるをえなくなることを望んでいます。

    仲裁裁判所の裁定がどのようになるか、今のところは予測はつきませんが、いずれにせよ、中国にとってはかなり不利な内容になるというか、もともと南シナ海での中国の暴挙は、国際法的に何の根拠もないわけですから、最終的には中国にとってかなり不利なものになることは確かでしょう。

    不利な裁定になったとしても、中国がそのまま南シナ海の軍事基地化をやめない場合、米国は軍事衝突をすることになります。現在その戦略を徹底的に練っているところでしょう。

    数十年もあいまいな対応を続けた結果が、今日の中国の増長につながっており、これを放置しておけば、第一列島線、第二列島線にまで触手を伸ばしてくるのは明らかです。

    これを防ぐためにも、そそろ米国による軍事力の行使をすべきものと思います。そうして、仲裁裁判所の裁定は、米国にそれを実行させるための、きっかけを与えることになります。
    オランダ・ハーグにある仲裁裁判所
    仲裁裁判所の裁定は、無論のこと、国際法の原則にもとづいて行われることになります。そうしてその原則として、当事国の一方がそれを破れば他方は守る義務がないことになります。

    国際法には「法」という字がついていますが、日常生活で「法律」という言葉からイメージするものとは大きな違いがあります。

    民事や刑事の訴訟などで使われる法律は国内法です。国内法は主権を持った統一政府によって強制される法なので、「強制法」といいます。国内では、警察などの法執行機関が法律を破った人を取り締まるわけです。

    一方、国際社会には警察のような強制力を持った組織はありません。国際法はあくまで主権国家同士の合意によって成り立っているものなので、「合意法」といいます。当事国のどれか一国が仲裁裁判所の裁定を破った場合は、その他の国は守る義務はありません。

    この国際法の原則からいえば、現状のままだと、米国が軍事力を行使したとすると、中国は米国を強く非難することになります。それこそ、虚妄の南京虐殺や慰安婦問題などで鍛え上げた、ありもしない虚妄にもとづき歴史を修正して、米国に徹底的に噛みつきます。国連の場や、ありとあらゆる機会を利用して、様々な活動を展開して、米国を悩ますことでしょう。

    それに対して米国は反論することもままならない状況に追い込まれることすら予想されますすが、裁定がおりた後なら、中国による力による現状変更を、力によって元に戻したということになるだけです。中国が、現状を変更しないかぎり、何の後腐れもなく、軍事行動に打って出ることができるのです。

    米国が本格的に軍事行動にでれば、南シナ海における中国にはなすすべがありません。

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