従ってこれを比べると、日本がものすごい格差が広がっているようにみえるのですが、同じ目盛りの表にしてみると・・・。
こんな感じになるはずです。確かに格差は広がっているので間違いではないのですが、左に比べるとインパクトは薄い。
テレビ側としては誤ったグラフを使用しているわけではないが、あえて目盛りを変えたこの表現にネットでは印象操作だ!と批判が殺到している。
・ 分かりやすく説明を心がけながらウソをつく奴は社会にとって害悪過ぎるな
・ 池上彰さんがグラフの縦軸スケール弄りとかいう データを騙して見せる初歩的な印象操作してて幻滅しました
・ 私もあまり見ないですが最近酷くなりました。
・ これには池上彰にガッカリしました。
・ 池上彰さんの公式謝罪まだかぁ
・ 縦軸を入れるから気づかれるんだよ。
・ 新聞も馬鹿のための読み物なんだろう。
・ テレビで絶対にやってはいけないこと
・ これちょっとひどくね
・ 自分も見てたけど、これはひどいと思った。
・ 池上彰でもこういう事かましてくるので、メディアリテラシーが求められますね
・ 真実はどうでもよくて言いたい事だけいえればいい、と思っているのは分かるけど。
・ そのへん色々解説してくれる池上彰みたいな彼氏欲しい
・ あっ!ホントだ! 放送見てる時には気が付かなかった。
・ 池上彰のグラフ比較のは推移の比較だから縦軸違ってもあれでええんやで
【私の論評】裏付けに乏しく、また実感にも乏しい印象操作が支持されるわけがない(゚д゚)!
この種の印象操作、テレビで絶対にやってはいけないことのはずです。しかし、現在では、マスコミの人はデータを自分で扱えない人ばかりなので、この手の子供だましにも騙されるようです。これは、マスコミの体質を示す出来事だと思います。
池上氏の上のグラフは、1980年〜2010年までのものです。このように、一部を切り取るのも大きな印象操作です。日本では、2012年までは明らかに、酷いデフレでしたから、下位90%の賃金も下がるのは当然ですし、上位10%の賃金も下がっています。しかし、下位90%の賃金がより下がっているので、格差が広がっているのですが、それにしてもその本質はデフレによるものです。
米国は、かつて一度も日本のように深刻なデフレに至ったことはありません。にもかかわらず、格差が広がっています。これは、社会構造による格差です。
もともと、日本は西欧に比較すると格差は少ないほうです。池上彰は、アベノミクスが格差拡大や貧困を加速したということを言いたいのでしょうが、現在もその代表的なデータは事実上存在しません。
つまりこれは、池上彰の勝手な思い込みにすぎないのです。例えば、貧困率は2012年までしか利用できず、ジニ係数の推移はつい最近まで2010年までしか利用できません。だからこそ、池上彰のグラフも2010年までとなっているのです。しかし、2010年といえば、民主党政権下にありました。この古い資料をもって、安倍政権を批判することはできまん。安倍政権は、2013年からスタートしています。
もちろんさらに経済状況を改善する余地があるとか、または現状の消費低迷からくる経済低迷を改善するという主張なら賛成です。しかし池上彰はまずアベノミクス全否定ありきなのようです。このような事実に反した印象操作、また多くの人々の実感にも乏しい主張が支持されるわけがないでしょう。
だからこそ、ネット上で、池上彰の番組が波紋を呼んでいるのでしょう。
さらに、日本が比較的格差が欧米に比較して少ないことは、以下のグラフからも明らかです。
明らかに、日本の所得上位1%シェアは、英米より低いです。そうして、欧米と根本的に異なるのは、日本では、トップ1%は、所得1300万円以上なのです。これは、無意識に多くの人々から、3000万円とか、もしかすると5000万以上と思われているふしがあります。
厚労省による所得再配分調査は、世帯の所得分布と等価所得という個人ベースの所得分布について所得再分配前後のデータがあります。以下の図は、等価所得の所得再配分前の所得分布です。
国税庁の民間給与実態統計調査は、毎年出されている統計でしばしば利用されますが、これは給与をもらっている人しか調べていません。(下図)
これによれば、トップ1%は年収1500万円、トップ4%で年収1000万円です。いずれの統計でも、マスコミやそこに出演する多くの人はトップ1%に無論、池上彰自身も入っていることでしょう。
格差問題について、マスコミで議論すると、池上氏のようにほぼ格差を是正すべきという論調になります。もちろん、所得再分配をある程度は行うべきとは、私も思います。ただし、それはあくまで海外と比較しながらにすべきです。日本の格差は、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度に過ぎません。
格差問題について、マスコミで議論すると、池上氏のようにほぼ格差を是正すべきという論調になります。もちろん、所得再分配をある程度は行うべきとは、私も思います。ただし、それはあくまで海外と比較しながらにすべきです。日本の格差は、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度に過ぎません。
このような実体があるにもかかわらず、グラフを操作するなどして、テレビで日本の格差が酷すぎるように印象操作をしたとしても、エビデンスに乏しく、実感にも乏しい主張がが支持されるわけがないでしょう。だからこそ、この番組のグラフは、twitterなどのSNSで批判され続けているのです。
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