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2017年1月29日日曜日

日本語ツイートに中国の批判殺到 台湾総統の春節あいさつ―【私の論評】蔡英文総統の統治の正当性は、習近平よりもはるかに強力(゚д゚)!

日本語ツイートに支那の批判殺到 台湾総統の春節あいさつ

蔡英文台湾総統
台湾の蔡英文総統が28日の春節(旧正月)に合わせて英語と日本語で新年のあいさつをツイッターで投稿したところ、中国から「なぜ中国語で書かないのか」と批判の書き込みが相次いだ。これに対し日本や台湾からも反論が投稿され、激論となった。台湾紙、自由時報(電子版)が28日、伝えた。

蔡氏は大みそかにあたる27日、英語と同時に日本語で「日本の皆様、今年は実のある素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り致します」と書いた。

中国からは「ごますり」「日本が台湾を侵略したことを忘れたのか」などと批判が殺到。逆に日本からは日台の絆の重要性を訴える投稿が相次ぎ、台湾からも「中国は干渉しないで」といった反発が出て白熱した論争となった。

蔡氏は、日本語でのツイッター利用者が多いため、日本語でも書いたという。

【私の論評】蔡英文総統の統治の正当性は、習近平よりもはるかに強力(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にも掲載されていた蔡英文総統のツイートそのものを以下に掲載します。

このツイート何が問題になるのか全く理解不能です。そもそも、日本が台湾を侵略したという事実はないです。確かに統治をしたことはありますが、それは日本による台湾侵略し結果によるものではありません。

台湾の日本統治時代(にほんとうちじだい)は、日清戦争の結果下関条約によって台湾が清朝(当時の支那)から日本に割譲された1895年(明治28年、光緒21年)4月17日から、第二次世界大戦の結果ポツダム宣言によって台湾が日本から中華民国に編入された1945年(昭和20年、民国34年)10月25日までの時代です。

台湾人、特に戦前生まれの台湾人は、中華民国に編入された後の国民党による統治の苛烈さからみると、日本統治時代のほうが明らかに良かったと考える人も多く、さらには台湾の近代化を推進したのは日本であるということを知っています。

それと台湾での日本語の位置づけは、大陸支那などとは全く異なります。そもそも、台湾でどれほど日本語が使われているのか以下に簡単に掲載しておきます。

昨年電通は、以下のタイトルの報告書を作成しています。
(独自調査)台湾人の日本語学習者数は200万人規模。戦後生まれの台湾人も、3人集まれば8割の確率で誰か日本語を話す。
おそらく日本初の調査。現在日本語を学習している台湾人(18-64歳男女)のは175万人〜240万人、従来統計の10倍以上という結果が出ました。
プレスリリースはこちら

以下18歳から64歳までの台湾人男女を単に「台湾人」と言います。全員戦後生まれです。
①日本語が少しでも会話できると答えた台湾人は41.5%。台湾人が3人いれば8割の確率で日本語を話せる人がいる。 
②日本語学習経験者は60.4%。現在学習中の人は12.8%、人口175〜240万人と推計。独学者の割合が大きく、現役学校学習者のみを対象とする国際交流基金の日本語教育機関調査の結果を10倍以上回る。 
③日本語学習経験者の訪日経験率は83.1%。18歳から24歳の男女も半数以上が訪日経験あり。 
④日本語学習経験者のうち66.1%は、日本旅行で日本人と日本語で話したいと思っている。日本人に英語を話してほしいと思っている割合は14.4%。
詳しくは以下のGoogleプレゼンテーションをごらんください。
https://goo.gl/nsxa3R

本レポートは株式会社電通が2016年6月に実施した調査を本研究会が紹介するものです。
このレポートの一部を以下に引用します。


いかに台湾で、日本語が話されているか良くわかります。


さらに台湾の歴史を振り返ってみると、そもそも、清朝時代に清朝政府が台湾を統治したとは言いがたい状況でした。放置していたというのが実体です。

よって、近代的な統治をしたのは日本が最初です。このときに、学校、病院、
、産業などの近代国家には、欠くことのできないインフラを整備したのは日本です。

だから、戦前生まれの台湾人の中には、自分は日本人だと考えるような人も多いのです。10年ほど前、私の同僚の方で、その方の母親が台湾で小学校の先生をしておられたというかたがいました。

その方が母親とともに、台湾のその小学校を訪れたところ、校長室まで案内され、かなり歓待されたそうです。

そこで学校に残された資料を示され、確かにその方の母親の名前が掲載されていたそうです。そうして、その校長先生は「台湾は日本統治のおかげで近代化できました。本当に有難うございました」と語っていたそうです。

日本統治時代には、台北帝国大学が存在していて、そこには日本人に混じって台湾人の学生もいたそうです。これは、台北帝大医学部出身の医師に子どもの頃話を聴いたことがありました。この大学は現在は国立台湾大学になっています。

日本の統治時代の面影が多く残る台湾国立大学キャンパス
現在の台湾総督府は、かつての日本の総督府の建物です。

現在の台湾総督府
総統府は博愛特区(台北市中正区重慶南路1段122号)にあります。

赤いレンガと白い花崗岩のコントラストが美しいルネサンス様式の建築物で、近代建築の代表的人物である森山松之助氏の設計によるものです。

1919年に完成し、当時は台湾総督府として使われました。

大戦末期の空襲で一部が損壊し、修復された後は蒋介石の還暦を記念して「介寿館」と改名されましたが、台湾遷都後の1949年からは再び総統府として使用されています。

上空から見ると日本の「日」を現す形に建てられていて、現在は文化資産保存法により国定古蹟として登録されています。

韓国や北朝鮮などとは違い、日本統治時代の日本人の設計による建物を大事に守っている台湾の人たちには胸が熱くなります。

このように、日本に縁のある国のトップリーダーである、蔡英文総統が、日本語のツイートをしたことが問題になるはずもありません。問題にするほうが、どうかしています。

選挙という民主的な手続きを経て総統の地位についた蔡英文総統は、歴史を修正しなくても、十分に統治の正当性を主張できるのです。だから、日本語で日本に対してツイートしても、自らの統治の正当性を低めることはないのです。

それに比較して、大陸支那の習近平は民主的な手続きで主席にえらばれたわけでもなく、対日戦勝70周年軍事パレードなどというとんでもない歴史修正をして日本をことさら悪魔化しなければ、統治の正当性を主張できないのです。

そもそも、現在の大陸支那は、日本と戦争したことなどありません。日本が戦争したのは、後に台湾に移った、蒋介石率いる中華民国の国民党軍であり、現在の大陸支那の、共産党軍とは戦争をしたことはありません。

どちらが、強いリーダーシップを発揮できるかといえば、蔡英文総統のほうであることは、明らかです。蔡英文総統の台湾統治の正当性は、習近平主席の支那統治の正当性よりもはるかに強力なのです。だからこそ、蔡英文氏は英語や、日本語でのツイートができるのです。習近平はツイートすらできません。そんなことをすれば、支那人民の憤怒のマグマが、習近平にTwitter経由で集中しとんでもないことになります。

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2016年12月18日日曜日

【悲報】池上彰さんの番組のグラフが「印象操作」だとネットでは批判殺到―【私の論評】裏付けに乏しく、また実感にも乏しい印象操作が支持されるわけがない(゚д゚)!



池上彰の番組が波紋を呼んでいる。問題の番組はフジテレビの「池上彰緊急スペシャル 格差はなぜ世界からなくならないのか」というもので、世界の格差と日本を比べるというものだ。番組では日本の格差が徐々に広がっている点を問題提起していたわけですが、そのグラフが明らかに印象操作していたということだ。


問題となっているグラフは日本の平均所得の推移と、米国の平均所得の推移。一見、米国の赤い色(下位90%)推移のほうはあまり変わっておらず日本はとんでもなく変化しているように見えますが、実はこれ目盛りの値が全く違い、日本のほうは0.8~1.4、対して米国は0.5~3.0と全く異なる。

従ってこれを比べると、日本がものすごい格差が広がっているようにみえるのですが、同じ目盛りの表にしてみると・・・。



(左:番組の表・右:当サイトで同じ目盛りにしたもの)

こんな感じになるはずです。確かに格差は広がっているので間違いではないのですが、左に比べるとインパクトは薄い。

テレビ側としては誤ったグラフを使用しているわけではないが、あえて目盛りを変えたこの表現にネットでは印象操作だ!と批判が殺到している。


ーネットの反応
・ 分かりやすく説明を心がけながらウソをつく奴は社会にとって害悪過ぎるな
・ 池上彰さんがグラフの縦軸スケール弄りとかいう データを騙して見せる初歩的な印象操作してて幻滅しました
・  私もあまり見ないですが最近酷くなりました。
・ これには池上彰にガッカリしました。
・ 池上彰さんの公式謝罪まだかぁ
・ 縦軸を入れるから気づかれるんだよ。
・ 新聞も馬鹿のための読み物なんだろう。
・ テレビで絶対にやってはいけないこと
・ これちょっとひどくね
・ 自分も見てたけど、これはひどいと思った。
・ 池上彰でもこういう事かましてくるので、メディアリテラシーが求められますね
・ 真実はどうでもよくて言いたい事だけいえればいい、と思っているのは分かるけど。
・ そのへん色々解説してくれる池上彰みたいな彼氏欲しい
・ あっ!ホントだ! 放送見てる時には気が付かなかった。
・ 池上彰のグラフ比較のは推移の比較だから縦軸違ってもあれでええんやで

【私の論評】裏付けに乏しく、また実感にも乏しい印象操作が支持されるわけがない(゚д゚)! 

この種の印象操作、テレビで絶対にやってはいけないことのはずです。しかし、現在では、マスコミの人はデータを自分で扱えない人ばかりなので、この手の子供だましにも騙されるようです。これは、マスコミの体質を示す出来事だと思います。

マスコミで消費増税賛成、金融引き締め賛成の人は、財務省や日銀当局の資料・データを鵜呑みにする輩がかなり存在します。というか、資料・データを一回食わされて、それをTVで御開陳。その後も御当局資料・データ依存症になって、結果当局のいいなりコースになるという人は結構多いです。池上氏も紛れも無くその一人です。

池上氏の上のグラフは、1980年〜2010年までのものです。このように、一部を切り取るのも大きな印象操作です。日本では、2012年までは明らかに、酷いデフレでしたから、下位90%の賃金も下がるのは当然ですし、上位10%の賃金も下がっています。しかし、下位90%の賃金がより下がっているので、格差が広がっているのですが、それにしてもその本質はデフレによるものです。

米国は、かつて一度も日本のように深刻なデフレに至ったことはありません。にもかかわらず、格差が広がっています。これは、社会構造による格差です。

もともと、日本は西欧に比較すると格差は少ないほうです。池上彰は、アベノミクスが格差拡大や貧困を加速したということを言いたいのでしょうが、現在もその代表的なデータは事実上存在しません。

つまりこれは、池上彰の勝手な思い込みにすぎないのです。例えば、貧困率は2012年までしか利用できず、ジニ係数の推移はつい最近まで2010年までしか利用できません。だからこそ、池上彰のグラフも2010年までとなっているのです。しかし、2010年といえば、民主党政権下にありました。この古い資料をもって、安倍政権を批判することはできまん。安倍政権は、2013年からスタートしています。


経済格差は高齢化とともに拡大する傾向にありますが、現段階の雇用状況の大幅改善、雇用者報酬の増加、さらには最近の実質賃金の増加傾向も含めると、安倍政権の政策の結果で貧困や格差が増加してはいません。

もちろんさらに経済状況を改善する余地があるとか、または現状の消費低迷からくる経済低迷を改善するという主張なら賛成です。しかし池上彰はまずアベノミクス全否定ありきなのようです。このような事実に反した印象操作、また多くの人々の実感にも乏しい主張が支持されるわけがないでしょう。

だからこそ、ネット上で、池上彰の番組が波紋を呼んでいるのでしょう。

さらに、日本が比較的格差が欧米に比較して少ないことは、以下のグラフからも明らかです。


明らかに、日本の所得上位1%シェアは、英米より低いです。そうして、欧米と根本的に異なるのは、日本では、トップ1%は、所得1300万円以上なのです。これは、無意識に多くの人々から、3000万円とか、もしかすると5000万以上と思われているふしがあります。

トップ1%が年収1300万円を、正確に言います。このグラフの出処である、World Top Incomes DatabaseのJapanのところをみれば簡単に数字は出てきます。トップ1%の年収は1280万円。ついでに、トップ10%、トップ0.1%、トップ0.01%の年収はそれぞれ576万円、3261万円、8057万円だ(いずれも2010年)。

厚労省による所得再配分調査は、世帯の所得分布と等価所得という個人ベースの所得分布について所得再分配前後のデータがあります。以下の図は、等価所得の所得再配分前の所得分布です。


国税庁の民間給与実態統計調査は、毎年出されている統計でしばしば利用されますが、これは給与をもらっている人しか調べていません。(下図)



これによれば、トップ1%は年収1500万円、トップ4%で年収1000万円です。いずれの統計でも、マスコミやそこに出演する多くの人はトップ1%に無論、池上彰自身も入っていることでしょう。

格差問題について、マスコミで議論すると、池上氏のようにほぼ格差を是正すべきという論調になります。もちろん、所得再分配をある程度は行うべきとは、私も思います。ただし、それはあくまで海外と比較しながらにすべきです。日本の格差は、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度に過ぎません。

このような実体があるにもかかわらず、グラフを操作するなどして、テレビで日本の格差が酷すぎるように印象操作をしたとしても、エビデンスに乏しく、実感にも乏しい主張がが支持されるわけがないでしょう。だからこそ、この番組のグラフは、twitterなどのSNSで批判され続けているのです。

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