アメリカのバラク・オバマ大統領が16年5月27日に原爆が投下された広島を訪れたが、それと安倍首相の真珠湾訪問はセットで組まれたものだった、と考える人たちだ。この2つは内容も重みも全く異なるものであり、もし安倍首相が「謝罪」の言葉を口にすれば、日本は歴史的な完全敗北をするだろうと憂いている。
安倍首相 |
菅官房長官「慰霊のためであって謝罪のためではない」
各紙の報道によれば、16年11月にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、安倍首相とオバマ大統領が短時間で言葉を交わした際に12月に2人で真珠湾を訪問することを確認した。これは17年1月に退任するオバマ大統領との最後の首脳会談を兼ねている。安倍首相は75年前の旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することで、
首相の真珠湾慰霊のニュースは、ネット上でもかなり好意的に受け止められていて、
しかし、「安倍首相の真珠湾訪問に反対する」という意見もけっこうある。
原爆は非戦闘員が犠牲、真珠湾奇襲は戦闘行為
それは、安倍首相の真珠湾訪問とオバマ大統領の広島訪問とは等価値ではない、という理由からだ。アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない、というものだ。このため、仮に安倍首相が謝罪の言葉を口にすると、日本の歴史的な完全敗北になる、とし、
2チャンネルなどのネット掲示板やまとめサイトには、
首相の慰霊訪問を現地の人たちはどう思っているのだろうか。
テレビ朝日は16年12月7日、真珠湾攻撃があった当時、沈没した戦艦「アリゾナ」の近くで任務に当たっていた元海軍のリチャード・ヤングさん(94)のインタビューを報じた。リチャードさんは驚いたとしたうえで、
この日は首都ワシントンでも慰霊の式典が行われ、マイク・ペンス次期副大統領やジョン・マケイン上院議員らが臨席しました。以下に本日のハワイでの追悼式の模様の動画を掲載します。
各紙の報道によれば、16年11月にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、安倍首相とオバマ大統領が短時間で言葉を交わした際に12月に2人で真珠湾を訪問することを確認した。これは17年1月に退任するオバマ大統領との最後の首脳会談を兼ねている。安倍首相は75年前の旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することで、
「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。未来に向けた決意を示したいと思う」と記者団に語った。菅義偉官房長官は翌6日午前の記者会見で、日米が和解した価値を発信するいい機会になるとし、
「訪問は戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」と強調した。
首相の真珠湾慰霊のニュースは、ネット上でもかなり好意的に受け止められていて、
「戦後の総決算をするためにも慰霊をするのは良い事だよ」
「オバマ大統領の広島訪問への返礼だね。素直に評価したい」
「この政治力と、世界平和を希求する姿勢が、世界の指導者にも、国民にも愛される原動力。素晴らしい」などといったことがツイッターでつぶやかれた。
しかし、「安倍首相の真珠湾訪問に反対する」という意見もけっこうある。
原爆は非戦闘員が犠牲、真珠湾奇襲は戦闘行為
それは、安倍首相の真珠湾訪問とオバマ大統領の広島訪問とは等価値ではない、という理由からだ。アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない、というものだ。このため、仮に安倍首相が謝罪の言葉を口にすると、日本の歴史的な完全敗北になる、とし、
2チャンネルなどのネット掲示板やまとめサイトには、
「オバマは広島で非戦闘員に対する慰霊をしたのであって、真珠湾いってアメリカ兵の慰霊をするのは日本の総理がやってはいけないことです 」
「日本が生き残るための先制攻撃だったはずなのに、なぜ『反省』なのか?その前に戦没者の遺骨収集が先だろ!安倍総理の行動に対し一気に冷めた。残念だ!」
「広島と長崎の原発投下に殆どのアメリカ人が謝罪する気ないのに、真珠湾ごときの犠牲に謝罪するのか」などといった首相の慰霊訪問を批判する書き込みも大量に出ている。
首相の慰霊訪問を現地の人たちはどう思っているのだろうか。
テレビ朝日は16年12月7日、真珠湾攻撃があった当時、沈没した戦艦「アリゾナ」の近くで任務に当たっていた元海軍のリチャード・ヤングさん(94)のインタビューを報じた。リチャードさんは驚いたとしたうえで、
「(訪問の)理由は償いのためだと思う。それが本当ならば素晴らしい。(謝罪は)悪くないだろう。でも、私たちは日本に原爆を落としている。謝罪をし始めたらきりがない」と語っている。
【私の論評】トランプ旋風後の安倍総理の真珠湾訪問はまさに時宜にかなっている(゚д゚)!
本日12月8日(米国時間では12月7日)は、75年前に日本軍がパールハーバーを攻撃した日です。ハワイでは今年も毎年のように犠牲者の追悼式が行われました。
本日12月8日(米国時間では12月7日)は、75年前に日本軍がパールハーバーを攻撃した日です。ハワイでは今年も毎年のように犠牲者の追悼式が行われました。
この日は首都ワシントンでも慰霊の式典が行われ、マイク・ペンス次期副大統領やジョン・マケイン上院議員らが臨席しました。以下に本日のハワイでの追悼式の模様の動画を掲載します。
日本でも、真珠湾攻撃に関することで以下にようなことがありました。
首都大学東京システムデザイン学部の渡邉英徳研究室(インダストリアルアートコース)は、1941年12月8日(日本時間)の「真珠湾攻撃」から75年目を迎える本日、真珠湾攻撃の証言・写真資料に人工知能技術で着彩し、3Dマップ上にまとめた多元的デジタルアーカイブ「パールハーバー・アーカイブ」を公開しました。
【アーカイブの概要】
■ The Pearl Harbor Archive|パールハーバー・アーカイブ制作に当たっては、首都大学東京・渡邉英徳研究室の「ヒロシマ・アーカイブ」(2011年7月発表)などの「多元的デジタルアーカイブズ」の技術を応用しました。コンテンツは、PC、スマートフォンのウェブブラウザで閲覧できます。
http://1941.mapping.jp/
さて、ブログ冒頭の記事で、「アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない」という主張を掲載しています。私は、この主張は正しいものと思います。
ただし、このように主張する人々が、今回の安倍首相によるパールハーバーでの慰霊に関して否定的であるというくことは理解できません。菅官房長官が「訪問は戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」語るように、安倍首相は慰霊はしても、謝罪はしないでしょう。私は安倍総理が慰霊をすることによって、さらに日米関係の絆は深まると思います。
なぜ、そのようにはっきりと言うかといえば、その根拠があります。その根拠の一つとしては、ブログ冒頭の記事にもあように、日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったからです。
さらにもう一つの根拠としては、パールハーバーの奇襲は宣戦布告なしで行われたと言われますが、そもそも、当時、開戦前に宣戦布告しなければならないという国際法は確立されておらず、当時、ソ連もドイツも守っていません。
なぜ、そのようにはっきりと言うかといえば、その根拠があります。その根拠の一つとしては、ブログ冒頭の記事にもあように、日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったからです。
さらにもう一つの根拠としては、パールハーバーの奇襲は宣戦布告なしで行われたと言われますが、そもそも、当時、開戦前に宣戦布告しなければならないという国際法は確立されておらず、当時、ソ連もドイツも守っていません。
宣戦布告は1945年の日本による米国に対する宣戦布告が最後となりました。ただし、この宣戦布告は、残念ながら手続きなどの時間がかかり、パールハーバーの奇襲よりも少しだけ遅れてしまいました。しかし、宣戦布告したことは事実です。本当は、宣戦布告などは必要もなかったのですが、最初の攻撃より多少遅れても律儀な日本はそれを行ったというのが、史実です。
専門家によっては、日本海軍のパールハーバー攻撃以前に、米国の駆逐艦が日本の潜水艦に攻撃を行っており、戦争を開始したのは米国であるとする人もいますが、このあたりは、どっちが先かなどの議論はあまり意味がないので、ここでは詳細は述べません。
そうして、現在でも戦争を始めるにおいて、相手国に対して宣戦布告しなければならないという義務などはありません。「日本は過去アジアを侵略し、宣戦布告もせず不当に戦いを始め、悪いことをした、だから原爆も落とされ、東京を焼け野原にされたのもしかたがなかったのだ」こうした教育が日本の学校やメディアで行われています。皆さんも聞いたことがあるかもしれません。
このような歴史観を刷り込まれ、パールハーバーはだまし討だなどと言われれば、それを単純に信じこんでしまう人も多いかもしれません。
しかし、戦争に至るまでの世界の歴史の流れを知り、日本の立ち位置を知り、事実を知れば、この考えは「欧米にとって都合よく通られた歴史観」だということが容易に理解できます。
そうして、このことは、パールハーバーを訪れれば、よく理解できるかもしれません。それに関しては、つい先日もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍晋三首相、26、27両日に米ハワイ訪問へ 真珠湾で慰霊も―【私の論評】日米関係を邪悪なルーズベルトと近衛文麿の以前に戻せ(゚д゚)!詳細は、 この記事をご覧いただくものとして、真珠湾の戦いの記念館で、どのように日本の真珠湾攻撃が説明されているかを示す部分のみを引用します。
さて、ハワイには、World War the Second Valor in the Pacific National Monumentという。真珠湾の戦いの記念館があります。この一体は、大きな国立公園として存在しています。下の写真が、その記念館です。
受付がこうあって、そしてこの記念館に入っていきますね、2つ建物があって、その一番最初の、入り口のところにある展示なんですよ。説明なんですよ。だからこれが、この記念館全体を説明してるわけですが、さあ、そこに何て書いてあるかというと、以下の様なものです。
このタイトルは、A Gathering Storm、迫り来る嵐という意味です。Conflict is brewing in Asia. その、アジアで紛争が起きましたと続いています。そして、古い世界が変わりつつあってと続いていて、、そしてここその下に、Two new powers, the United States and Japan, are rising to take leading roles on the world stage. つまりこれアメリカと日本を全く対等に考えていて、その、世界の舞台で、新しい主導的な役割を果たそうと、アメリカと日本が勃興してきたと書いてあります。
そうして、当時の海軍力において日本が最先端で、アメリカより上で、特に、大きな軍艦ではなくて、飛行機こそ、大事だということを教えてくれたとかいてあります。教えられたのが真珠湾攻撃であって、真珠湾で徹底的にやられたので、アメリカは日本の方が正しいと反省をして、そして航空戦力を強くして、翌年の1942年6月のミッドウェー海戦でやり返して祖国を守ったと書いてあります、非常にフェアな、展示がしてあります。
このような説明の仕方はされていますが、 真珠湾攻撃がだまし討であったなどの説明はありません。アメリカにも、歴史を歪めて日本を貶めようとする人々も大勢いますが、少なくとも、軍人はこのように歴史の事実を受け止めています。
空母赤城やその艦載機の展示もある
そうして、この記事にも掲載したように、日米は過去のこのような戦いなどのわだかまりを超え、それだけではなく、当時のソ連に両国とも操られて、本来すべきでなかった日米戦争をしてしまったことを反省し、日米の新たな協力関係を構築しより強固にすべきです。
あくまでフェアに戦い、たまたま日本の戦術が優れていたので、真珠湾では負けてしまって、大勢の尊い命が犠牲になったと考えているのだと思います。心情的には、そう考えるのが当然です。
以下に日本側と米国側が撮影したものをまとめて、カラー映像化した真珠湾攻撃の動画を掲載します。
真珠湾で犠牲となった大勢の軍人らの尊い命を安倍総理が慰霊するということは、米国側からみても歓迎されるものと思います。中国や韓国、北朝鮮などのように謝罪せよとか、謝罪をしなければ非難するなどということはないでしょう。
一部のメディアや狂った歴史観を持つ政治家、知識人などは非難するかもしれませんが、こんなものは今のアメリカでは少数派であり、オバマ大統領でさえ、そうして米軍は当然のことながに、そうしてトランプ氏も、そうして多数の米国民も、非難するはないでしょう。
トランプ旋風が吹いて以来、アメリカは変わりつつあります。現在のアメリカまさに、ポスト"リベラル・左派"の時代に入りつつあります。保守派が台頭し、リベラル・左派はまともな言論人は生き残れるでしょうが、歴史修正を行なうような愚かなものたちは、徐々に活躍の場が限らるようになることでしょう。
トランプ旋風は政治の世界におけるその先駆けとなりました。これから、他の分野でも、徐々にそうなり、歪んだアメリカの歴史修正主義者は徐々に力を失っていきます。
そうなれば、米国内の日本に対する歪んだ歴史観の呪縛から解き放たれることになります。
まさに、安倍総理がパールハーバーで、亡くなった軍人らの慰霊を行なうことは、両国にとって時宜にかなっています。
【関連記事】
安倍晋三首相、26、27両日に米ハワイ訪問へ 真珠湾で慰霊も―【私の論評】日米関係を邪悪なルーズベルトと近衛文麿の以前に戻せ(゚д゚)!
真珠湾で特攻隊遺品展 米戦艦記念館、異例の紹介―【私の論評】現在の米国は中韓朝の反日プロパガンダに簡単にのせられなくなりつつある(゚д゚)!
安倍首相と米露のバトル口火 TPPは“トランプ版”に衣替え、北方領土はプーチン氏と論戦に―【私の論評】日米は、中国の現体制と、ロシアの中のソ連を叩き潰せ(゚д゚)!
0 件のコメント:
コメントを投稿