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2019年2月5日火曜日

統計不正も実質賃金も「アベガー」蓮舫さんの妄執に為す術なし?―【私の論評】虚妄に凝り固まる立憲民主党が主張する経済政策を実行すれば、今の韓国のように雇用が激減するだけ(゚д゚)!

統計不正も実質賃金も「アベガー」蓮舫さんの妄執に為す術なし?


田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 厚生労働省の毎月勤労統計を巡る不正問題に関して、ワイドショーなどでは相変わらず「低レベル」と言っていい報道が続いている。

 毎月勤労統計の不正問題自体は、国の基幹統計と言われる賃金水準の実態を正確に捉えることを怠った問題であり、厚労省の官僚たちを法的に厳しく処罰すべき問題であろう。

 また、厚労省が設置した「特別監察委員会」に関するずさんな対応については、これはデータ不正そのものを生み出した厚労省の「自己都合」で、国民の関心をないがしろにする行為として批判すべき問題である。ただし、どの程度のデータ不正かと言えば、報道や野党、そして一部の識者からは、安倍晋三政権批判の思惑が「ダダ漏れ」で、そのため過度に誇張されたものになっている。

 筆者の周囲でも、ワイドショーから情報を仕入れた人が「統計不正は大変な問題ですね。安倍政権の責任は大きいですね」と尋ねてきた。そこで筆者は、統計の全数調査を怠ったことは重大な「犯罪」だが、抽出調査自体は統計的には適切に実施し、法規に従えば特に大きな問題ではないことを説明した。

 その上で、安倍政権のはるか前から続いていた話が、安倍政権で発覚したに過ぎないことを指摘した。ついでに「ワイドショーなどを見て、その報道につられて、安倍政権が悪いように誤解する見識のない人が増えて、テレビに振り回されていて、かわいそうだ」と返したら、やはりご本人に思い当たることがあるのか、顔色を変えてにらまれてしまった。

 この例でも分かるように、安倍政権の長期化に伴い、これまたテレビの影響で「長く続くからダメ」というような、事実に立脚しないイメージ批判が蔓延(まんえん)している。そのせいで、ワイドショーなどの報道を鵜呑みにする人たちや、何でもかんでも安倍政権のせいにする人たちを、私の周りから遠ざけてしまうことになった。ただでさえ「友達」が少ないから、安倍政権の長期化は困ったものである。



厚生労働省が入る東京・霞が関の中央合同庁舎

 統計調査不正を利用して、安倍政権の経済政策の成果を不当に貶(おとし)める発言も実に多い。別に安倍政権を特に持ち上げる必要はない。だが、安倍政権の経済政策が、雇用面で大きな成果を挙げたことは否定できない事実である。

 マスコミや野党、反安倍的な識者には、この成果を否定したい思惑が広がっていて、それは事実の否定さえも伴っている。確かに、統計不正はいわば事実をないがしろにする行為だ。だが、批判している野党やワイドショーなどのマスコミがまさに雇用改善の事実をないがしろにしているとしたら、悲劇を超えて「喜劇」ですらある。

 例えば、立憲民主党の蓮舫副代表はツイッター上で次のように述べている。

 「アベノミクスの成果の根拠として、去年6月に前年比3・3%としていた賃金上昇率の伸び率が、実は1・4%だった。実質賃金の伸び率で比較すると、2%が実は0・6%と推計されました。昨年1月から11月の平均は、マイナス0・5ではないかと推計もされます。野党ヒアリングで厚労省はおおむね認める発言をしました」

 まず、安倍首相自ら国会で説明している通り、アベノミクスはその成果の根拠としても、政策目的としても、実質賃金の伸び率を重視したことはない。蓮舫氏はこの点で事実誤認している。

 さらに、前年比での実質賃金の伸び率がマイナスなのは、単に17年が18年よりも実質賃金の「水準」が高かったからである。しかも、アベノミクス期間中の賃金指数を、不正データと修正データとを比べると、むしろ上昇している。都合の悪いデータを隠すことは十分考えられるが、都合のいいデータを隠す意図は、さすがに政権側にはないと考えるのが常識的だ。

 もちろん、強固な反安倍主義者の中には、それでも政権への「忖度(そんたく)」があった、と考える人がいるが、もはや事実を提示して納得できるようなレベルの人たちではないだろう。悪意か妄執か、あるいは頑なな政治イデオロギーの持ち主か、いずれにせよ経済学による説得では無理である。

 またアベノミクスの開始当初から、なぜか蓮舫氏のように実質賃金とその伸び率を重視する人たちが多い。その多くが反安倍、反アベノミクス論者である。

立憲民主党の蓮舫副代表兼参院幹事長

    だが、そもそもアベノミクス、その中核であるリフレ政策(デフレを脱却して低インフレ状態で経済を安定化させる政策)は、実質賃金の水準や伸び率の動きをただ上げればいいだけの政策のように、単純な見方はしていない。むしろ、長期停滞からの脱出局面(現時点)では、実質賃金の伸び率が低下することも不可避であると主張してきた。

 リフレ政策が効果を与える停滞脱出期においては、実質賃金の切り下げが生じる。なぜなら、雇用が増加することで、新卒や中途採用、退職者の再雇用といった新たに採用された人たちの賃金は、既に長年働いている人たちの賃金よりも低いことが一般的だ。

 すなわち、雇用される人数が増え、失業率が低下することは、同時に平均的な賃金を低下させることになる。これを「ニューカマー効果」という。

 しかしニューカマー効果では、同時に失業率が改善し、雇用状況の改善(有効求人倍率改善、いわゆる「ブラック企業」の淘汰など)も実現していく。さらに、支払い名目賃金の総額も上昇していくだろう。そうして、経済全体の状況は大きく改善されていくのである。

 実際、安倍政権ではこのニューカマー効果による実質賃金低下と、同時に失業率低下、有効求人倍率の上昇、賃金指数の増加、名目国内総生産(GDP)の増加などが見られる。さらに、雇用安定化の成果で、失職などに伴う経済的要因での自殺者数が激減し、不本意な形で就業しなくてはいけない非正規労働者の数も大きく減少した。これらは、単にアベノミクスによって雇用の量的な改善だけでなく、質的な改善も見られたことを証明している。

 そして失業率が低下していくと、いわゆる「構造的失業」という状態に到達する。その過程で名目賃金の増加だけではなく、労働市場の逼迫(ひっぱく)の度合いに応じて、実質賃金も上昇していく。日本経済は、2014年4月の消費税率8%引き上げの悪影響がなければ、このプロセスが実現していた可能性が大きい。

 このように蓮舫議員に代表されるような「実質賃金低下ガー(問題)」論者は、あまりにも問題を単純に捉えていると言わざるを得ない。実は、実質賃金の低下だけを問題視する人たちは、経済が常に完全雇用の水準にあると思い込んでいる新自由主義者的な人に多い。

 新自由主義的な人からすれば、実質賃金の低下など、単に労働の生産性の低下を示すものでしかないからだ。蓮舫議員を含む立憲民主党や国民民主党などの多くの野党は、確か経済問題を適切な政府介入で是正していく「リベラル」のスタンスであるはずなのに、主張が新自由主義者風なのはなぜだろうか。

 おそらく、野党議員の多くは経済政策のアドバイスを受ける相手を間違えているのであろう。例えば、立命館大の松尾匡(ただす)教授が最近、安倍政権の経済政策に対抗するリフレ政策的な政治キャンペーン「薔薇マークキャンペーン」を始めている。なんでも今度の参院選に立候補する議員に、反緊縮に賛同する候補者と対して「薔薇マーク」の認定を与えるというものだそうだ。

2019年1月、毎月勤労統計の不正調査問題で、厚労省の職員らに質問する野党議員(奥)

 認定候補が野党勢力だけかどうか定かではないが、筆者はこのキャンペーンが与野党の対立構図に乗った政治色の強いものだと考えている。リフレ政策はそういう政治的イデオロギーを超えるべきだと考えているので、この運動自体には賛成できない。

 ただ、蓮舫氏のような反安倍主義者たちが、よりまともな経済政策を構築するには、松尾氏のアドバイスに対して、真剣に耳を傾けることを勧めたい。それが日本の政策議論の底上げにもつながるに違いないからだ。

【私の論評】虚妄に凝り固まる立憲民主党が主張する経済政策を実行すれば、今の韓国のように雇用が激減するだけ(゚д゚)!

野党の批判は、結局「実質賃金が下がり、実際に使えるおカネが減って貧しくなった。そのために、個人消費が伸びていない。いまの経済政策は間違っている」ということです。そうして、冒頭の記事で田中秀臣氏が主張するようにこれは明らかに間違いです。

実質賃金とは、皆さんが受け取る賃金(名目賃金)から物価の上昇分を差し引いたものです。

名目賃金が1%しか上がっていない時に物価が2%上がると、実質賃金は1%下がります。あくまで程度の問題ではありますが、「モノやサービスの値段が上がって、以前なら買えていたはずのものが買えなくなった」ことになります。インフレの悪いところです。

一方、名目賃金が2%下がっても、物価が3%下がってくれれば、実質賃金は1%上がります。「給料は減ったけど、以前よりたくさんのモノやサービスが買えるようになった」わけですから、喜ぶ人もいるかもしれません。

この部分だけを切り取って考えると、たしかに「実質賃金を、いますぐ上げろ!下がったのはケシカラン!」という主張は正しいように聞こえます。

しかし、経済は、常に動きつづけている生き物です。短いあいだだけを輪切りにして判断してしまったのでは、一見正しそうな政策が「長期的にはとんでもないこと」を引き起こしかねません。

これから起きるさまざまな変化を、「時間を追って順々に考えていく」というのが経済学的なものの考え方です。俗にいう「風が吹けば桶屋が儲かる」という世界です。

逆にいえば、この思考ができないと経済政策を誤ってしまうことになります。

失業者を減らすことが最優先

少しこみ入った話になるので、経済学でよく使われる需要曲線(赤)と供給曲線(緑)を使ってご説明します。縦軸が実質賃金、横軸が雇用者数です。

<現在>という矢印の指しているところに、いまの日本の雇用市場はあります。

左側の縦軸の「今の実質賃金」というところから水平に線を引く(………)と、「雇いますよ」という需要曲線(赤)とぶつかります。ここから下におろした線の指しているところが、「今、雇用されている人数」です。

先ほどの水平な線をさらに右にいく(………)と、「働きたいです」という供給曲線(緑)とぶつかります。ここから下におろした線が指しているところの人数だけ「今、働きたい人」がいます。

ただ、実際に雇ってもらえるのは、需要曲線(赤)から降りてきたところまでの人数だけです。この差が「失業者」となります。

失業とは、「働きたいのに働けない」ということです。しかも、失業することによって収入がとだえて経済的に困窮するだけでなく、「社会から疎外されている」と感じてしまいがちです。

その結果、非常に残念なことですが、精神的・肉体的に追いつめられて、自殺という手段を選ぶ人が増えてしまいました。日本の失業率と自殺率の相関関係は、OECD諸国の中でも際立って高くなっています。

従って、「失業者をどうやったら減らせるか」「この図の赤い矢印の方向にどうやって進むのか」ということを最も優先して考えなければなりません。

我慢して回り道を

現在の実質賃金の水準で、そのまま点線の上をわたって供給曲線(緑)に到達できれば一番良いのですがそうはいきません。点線の上は、あくまで空間です。右のほうにいきたければ、黄色い矢印が指し示すように「斜め右下方向」に需要曲線(赤)の上を動くことになります。

あくまで「下」ですから、「実質賃金が下がらないと、雇用者数が増える方向には行けない」というのが現実です。これを変えることは、誰にもできません。

では、どうしたら実質賃金は下がるのでしょうか?

先ほどご説明したように、実質賃金は(名目賃金)-(物価の変動)で決まります。

「実質賃金を下げろ」といわれて、まず思いつくのは「名目賃金を下げる」、つまり「賃金カット」でしょう。強欲な経営者が「給料を20%下げることにした!」と叫べば、たちどころに下がって、、、というほど話は簡単ではありません。

名目賃金は、経営者と労働者の交渉で決まります。「交渉」といっても、全員が実際に膝をつきあわせて丁々発止とやる訳ではありません。

「この賃金なら雇いたい」「この賃金なら働こう」という「労働市場での需要と供給から決まる」と考えたほうが自然です。アダム・スミスの「神の見えざる手」は、ちゃんと働いています。

この名目賃金というものは、あまり簡単に上がったり下がったりしません。特に日本では、毎週(週給)や毎日(日給)といった単位で給料が変動する労働者は極めて少数です。大多数の労働者は月給制ですし、しかも年間の支給額が大きく変動することはありません。

「20%下げるぞ」などと宣言したら、翌日の職場はカラになっていることでしょう。

つまり、「名目賃金は、そう簡単には下がらないし下げられない」というのが、本当の話です。

では、「物価を上げる」というのはどうでしょう?

これは何か非常に難しいこと、特に長い間デフレに苦しんだわが国にいると、とんでもなく大変なことのように思えます。

しかし、何らかの政策で「強引に名目賃金を変える」よりも、「金融政策によって物価水準を変えることで、実質賃金を動かす」というほうが世界の経済学や経済政策の世界では一般的です。

たとえば2013年1月に、政府と日銀は「+2%と言う目標を定めて物価を上げる」という共同宣言を発表しました。これは「実質賃金は一時的に下がるものの、まず失業者を減らす政策をとる」ことを示したものであると言い換えることができます。

その後の政策は、よく「異次元の」という形容詞をつけて紹介されますが、「デフレという名の異常事態からの脱却」という局面だったために「異次元の手段」が必要だっただけです。政策そのものは、ごく常識的な経済理論にのっとったものです。

「異次元」ではあっても、「異常」ではありません。

いま「物価が上昇したことで実質賃金が下がっている」のは、この右下がりの黄色い矢印の方向に日本経済が走りだしたということです。実質賃金は下がりましたが、冒頭にご紹介したとおり雇用者数は増加しています。

赤い矢印の方向に動いていることは、間違いありません。

デフレへの逆回転は絶対に阻止

現在の状態を、「実質賃金が下がって貧しくなった」と批判するのは簡単です。しかし、黄色い矢印の方向に行かなければ雇用者数は増加せず、130万もの人が失業したままだった可能性は否定できません。

いまはひとりでも多くの人が働けるようになるために、少し我慢をする時です。

きちんと現在の金融緩和政策をつづけていれば、「完全雇用」と書いた部分を通過し、右側の黄色い矢印が示す「右斜め上」に向かって供給曲線(緑)の上を動いていけるようになります。いよいよステージの転換です。

人手不足により名目賃金が上昇し、実質賃金が上がります。しかも、もらえる給料の額面が増えています。

「もらえる給料は減ったけど、物価はもっと下がっている。だから、実質的に豊かになって幸せだ」などという冷静沈着な計算のできる人が、世の中の多数派だとは思えません。やはり「金額が増えてハッピー」という人のほうが多いですから、消費が増えて経済の好循環が起きます。

しかも右方向に動いていますから、働くことができる人は増えつづけます。もう「社会から疎外された」などと、悲観する必要はありません。

1998年に3万人を超え「世界的にも高水準」と懸念されていた自殺者数は、過去5年連続して減少してきています。大規模な金融緩和に踏み切った2012年以降、減少幅が大きくなっていますが、これがさらに加速していくと期待できます。

実際の経済はこんな簡単な図よりも複雑ですから、まだ「完全雇用」と書いたところに到達しているかどうかはよく分かりません。

しかし、比較的名目賃金が変わりやすい「パートやアルバイトの時給」が、大幅に上がっているのはご存知のとおりです。首都圏のパートやアルバイトの平均時給は1000円を超えました。厚生労働省が先週発表した賃金構造基本統計調査では、女性の賃金が過去40年で最も高くなっています。

さらに総雇用者所得も増えていますから、働いている人全体が受けとる賃金の合計は増えつづけています。

総務省の調査によると、正社員を増やした会社は「人材流出を防ぐため」「採用を優位に進めるため」という理由をあげていました。つまり、「良い待遇を与えないと、働いてもらえなくなった」ということです。これは「完全雇用」状態に近づき、働く人たちの立場のほうが強くなったことに他なりません。

結論は明らかです。「物価が上がったことで実質賃金が下がり、生活が苦しくなった。金融緩和政策をやめて物価を下げろ」と言う主張は、経済政策論的に完全に間違っています。物価が下がったおかげで「実質賃金が上がった」と喜ぶことができるのは、失業する心配のない人達だけです。

もし、そんな経済政策をとってしまうと、この図の青い矢印のように「左斜め上」に動いていくことになります。たしかに実質賃金は上がりますが、多くの人が職を失い苦しむことになります。これこそが、デフレの害悪です。

今の流れを逆回転させるべきではないのです。

なお、上ではニューカマー効果を解説するため、マクロ経済でよく用いられるグラフを使って説明しました。

しかし、このようなグラフを使わなくても常識的に理解できます。

たとえば、ある企業で景気が良くなったので、事業規模を拡大しようとしたとします。事業を拡大するときには、最初は営業店舗や工場などの人員を増やすのが普通です。間違っても、本部の要員や役員などを最初に増やすということはありません。さらに、拡大するとすれば、営業店舗や工場そのものも増やすはずです。

そうなると、営業店舗や工場などには、多くの新人を雇用しなければなりません。新人を多数雇用すればどうなりますか。会社全体としては、事業規模を拡大する前よりも平均賃金は低くなります。さらに、生産性は当初は下がるのが当然です。なにしろ、新人を多く雇い入れれば、最初は新人は普通に仕事ができず、これに対して訓練や教育を施さなければなりません。

これが理解できれば、国単位で実質賃金が下がるということも容易に理解できると思います。さらに時がたつと、事業の規模が拡大し軌道にのれば、本部の人員を増やしたり、給料をあげないとなかなか人を募集できなかったりで、賃金は上昇します。

こんな簡単な理屈も理解できないのか、蓮舫さんをはじめとする野党の議員なのです。

お隣韓国では金融緩和せずに賃金だけあげて大失敗

さらに、野党議員らの考えが間違いであるということはすでに実例があります。お隣韓国では、文大統領が金融緩和をせずに、賃金だげあげる政策をとり、雇用が激減して大失敗しています。

これについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
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立憲民主党枝野代表

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、枝野氏も、雇用等に関しては蓮舫氏と同じような考えであり、実質賃金ばかりを問題にする傾向があります。以下にそのあたりがわかるような内容の部分のみを引用します。
枝野氏には金融緩和という考えは全くありません。金融緩和をせずに、分配を増やすというのはどういうことかといえば、結局のところ韓国の実施した「金融緩和をせずに最低賃金」をあげるというのと何も変わりません。 
枝野氏をはじめとするリベラルの雇用政策は韓国で実行され、大失敗したということです。 
ブログ冒頭の韓国の若者の悲惨な状況を改善し、日本のように大卒の就職率を良くするには、分配や最低賃金を最初にあげるのではなく、まずは量的金融緩和を実施すべきです。
いずれにせよ、枝野氏も蓮舫氏も虚妄に凝り固まっており、金融緩和などは実施せずに、分配を増やす、最低賃金を増やすなどの破滅的な政策を主張しています。立憲民主党が主張する経済政策を実行すれば、またぞろ大学生の就活が地獄になるのは明らかです。

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2018年4月4日水曜日

不倫疑惑再燃で「デメリットばかり」と総スカン 山尾氏は立憲民主党の「お荷物」に―【私の論評】山尾を一時でも支持したり、賞賛したりした人は人を見る目がないと厳しく反省すべき(゚д゚)!

不倫疑惑再燃で「デメリットばかり」と総スカン 山尾氏は立憲民主党の「お荷物」に


立憲民主党の山尾志桜里衆院議員(43)が同党の「お荷物」になりつつある。昨年末の入党後、安倍晋三政権追及の急先鋒(せんぽう)となることを期待されたが、政策顧問の倉持麟太郎弁護士(35)との不倫疑惑が再燃し、「山尾氏を抱えることにデメリットしかない」と総スカンを食らっているのだ。倉持氏の元妻は、山尾氏への慰謝料請求訴訟の準備を進めており、展開次第で離党の可能性を指摘する識者もいる。

「山尾氏は、もう『賞味期限切れ』だろう。なぜ執行部は、疑惑がくすぶっている段階で迎え入れたのか。今では党の大半の議員が、山尾氏に近づこうともしない」

立憲民主党関係者は、夕刊フジの取材に、あきれた様子でこう答えた。

山尾氏は昨年9月、週刊文春に倉持氏との密会を報じられ、「男女の関係」を否定しながらも民進党を離党した。同年10月の衆院選に無所属で当選後、立憲民主党の衆院会派に入り、同年12月下旬に入党を認められた。

不倫疑惑は先週、倉持氏の元妻、A子さんが週刊文春に《山尾さんのせいで、全てを失った》との手記を寄せ、再燃したが、山尾氏の党内での立場はすでに孤立化に向かっていたという。

原因の1つは、山尾氏が1月ごろからアピールしていた「立憲的改憲」というスタンスだ。前出の党関係者が言う。

「立憲的改憲は、日本が行使できる自衛権を『個別的自衛権』に限定する方向で、憲法を変えるという主張だ。枝野幸男代表は、安全保障法制を維持したままの改憲に否定的だ。漫画家の小林よしのり氏や、倉持氏と一緒に(立憲的改憲に)前のめりな姿も不評だった。山尾氏は執行部から注意され、持論を封印せざるを得なくなった」

さらに、テレビ中継された2月22日の衆院予算委員会での質問も、あつれきを生んだという。

「希望者が殺到するなか、山尾氏に30分も与えた執行部への不満が噴出し、辻元清美国対委員長が『結果を出させる』と収拾に走らされた。ところが、山尾氏は待機児童問題や憲法改正ばかり質問し、旬の議題だった裁量労働制は不発だった」

今回のA子さんの手記から、山尾氏が、倉持氏の家庭を壊す一因となったことは間違いなさそうだ。党関係者は「もはや、子育て政策も説得力を持たない。存在意義が問われる」と手厳しい。

A子さんが訴訟に踏み切れば、党のイメージダウンや政党支持率の低下に直結する。山尾氏は、A子さんの告発に、沈黙を続けているが、今後の展開をどうみるか。

政治評論家の伊藤達美氏は「これまで世論の関心は、財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題にあった。一段落して、山尾氏の不倫疑惑への批判が高まれば、党員資格停止や離党に追い込まれる可能性もある」と話している。

【私の論評】一時でも山尾を支持したり、賞賛したりした人は人を見る目がないと厳しく反省すべき(゚д゚)!

山尾志桜里氏の国会での発言も、多くの人々から反発をかっています。たとえば、以下のような発言には私自身も怒りを覚えました。

「子供が犯罪の被害者になった時に繰り返し被害状況を話すことが子供の心理的負担になってる!」

 倉持の元奥さん、上の記事ではA子さんから子供を奪った原因をつくりだした山尾が国会で子供の味方みたいな発言を繰り返しています。 山尾は自分自身のせいで母親と引き離された2歳の子供がいることを忘れているようです。
そうして、倉持氏も鬼畜のような手紙を元奥さんのA子さんに送っていたことが明らかになっています。

山尾志桜里議員の政策顧問を務める倉持倫太郎弁護士

山尾志桜里衆院議員(43)の政策顧問を務める倉持麟太郎弁護士(35)は、3月30日、元妻A子さんに対し、メディアの取材に応じないよう圧力とも取れる内容の通知書を送付していたことが明らかになっています。

 A4用紙3枚の通知書には、〈第三者への口外禁止を書面にて確約していただくことが必要です〉、〈(確約がなければ長男との)面会交流を見合わせざるを得ません〉などと記されていました。そのコピーの一部が以下です。


A子さんは、文藝春秋3月22日発売号で「山尾志桜里さん、夫と息子を返して」という手記を発表。山尾氏が夫婦の寝室に足を踏み入れたことなどを明かし、不倫発覚後に倉持氏から離婚を突きつけられ、親権を失った現状を赤裸々に綴っていました。文春ではA子さんが以下のように語ったとしています。

「手記発表後、倉持に面会を拒否され、2週間も子供に会えていません。今回の文書は、まるで子供を人質に取り、脅すような内容でした。私がメディアの取材に応じたことを理由に、長男への面会を拒否するなんて許されるのでしょうか。また山尾さんは子を持つ親として、私の気持ちが分からないのでしょうか」

文春はね倉持氏に見解を尋ねたそうですが、期日までに回答はなかったといいます。

それにしても、山尾志桜里の神経を疑います。倉持の子供だけでなく、自分の子供も被害者にしておいて、子どもの味方であるような発言を平然としています。山尾志桜里には、今後一切、子供に関することと女性活躍に関することを言ってもらいたくないです。山尾を見ていると、ただただ不愉快になります。これが、ワイドショー民の一般的な見方ではないかと思います。

山尾志桜里に関しては、あの「日本死ね」というブログを国会で公開したときから、どこか狂っていると思っていました。それについては、以前もこのブログに掲載しています。

その記事のリンクを以下に掲載します。
山尾氏、今度は衆院選直前に不可解な「500万円の移動」 週刊新潮報道 ―【私の論評】献金問題と同じく匿名ブログに基づく議論も指弾されるべきだ(゚д゚)!
山尾志桜里

この記事は、2016年4月14日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
国会で匿名のブログをもとに、審議をするなどということは、考え及びもつかないことです。匿名のブログなど何の責任も伴わないものですから、そこに書かれていることなど、信ぴょう性も何もありません。疑問に思っても、書いた人間に質問することすらできません。そのようなものを元に、公の場で議論などすべきではありません。まともな会社の取締役会で、匿名のブログなどに基づいて議論をすすめる役員がいたら、愚か者と言われることでしょう。
これは、ネット社会における最低限のエチケット(ネチケット)であると思います。そのようなことを、認識できない山尾志桜里氏が、検事であったという事自体も信じられません。検事なら、何事に関しても、物的な証拠などを重視するのが普通だと思います。それに、マスコミが献金問題と同じようにその点を追求しないのも本当に奇異なことです。
このようなネチケットが守れない国会議員が何の指弾も受けない、それを褒めそやす党代表が存在したり、それを批判もしないメディが存在するということ自体が、現代の陰湿なネットいじめなどを助長していると思います。
ネットいじめの温床は何か?
匿名のブログはエビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)ではありません。新聞の報道はエビデンスであることが求められます。だから、まともな新聞記者は、情報の出処を裏取りして、正しい情報に基づいて報道します。国会での審議であれば、当然新聞社などより、さらこの点において厳格であらねばならないはずです。

このようなことがなおざりにされても、何の問題にもならない社会は病んでいるとしか言いようがありません。これでは、ますますネットいじめなどをさらに助長するだけです。
このあたりには、山尾志桜里は、マスコミにとりあげられ、脚光を浴びましたが、私はどうしても山尾の行動については、胡散臭さを禁じえませんでした。 そうして、今日その胡散臭さは正しかったことが明るみにでたと思います。

山尾を一時でも支持したり、ましてや賞賛したりした人は、自分には人を見る目がないと厳しく反省すべきでしょう。ということは、反対をおしきって山尾を立憲民主党に入れた枝野氏にも人を見る目がないということかもしれません。

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2017年10月31日火曜日

立民、「首相の解散権制約」の不毛 民進“分裂騒動”の責任押し付けたいだけ 宇佐美典也氏緊急寄稿―【私の論評】立憲主義の立場からも首相の解散権は正しい(゚д゚)!

立民、「首相の解散権制約」の不毛 民進“分裂騒動”の責任押し付けたいだけ 宇佐美典也氏緊急寄稿

枝野氏は「首相の解散権制約」を主張する前にやるべきことがあるのでは
 立憲民主党の枝野幸男代表らが、憲法改正に関して「首相の解散権制約」を主張している。天皇の国事行為を定めた憲法7条に基づく衆院解散を問題視するもので、賛同する意見とともに、「総理大臣のパワーが落ちて、霞が関官僚が増長する」という意見もある。元経産官僚で、政策コンサルタントの宇佐美典也氏が緊急寄稿した。


 首相の解散権の制約に関する論議が活発化している。

 発端は、立憲民主党の枝野氏が24日の日本テレビの番組で、「(憲法9条改正論議を)したいと言う人がいるなら、そのこと自体は否定できない。その代わりに、首相の解散権制約も俎上に載せてもらわないといけない」と発言したことだ。

 「自衛隊は違憲」という学者すら多数いる憲法9条の論議と違い、「総理大臣が解散の決定権を持つ」ことには、現行の憲法解釈上ほぼ異論がない。

 つまり安倍晋三首相が提案している自衛隊の明記による憲法9条の解釈の確定は何も現状を変えるものではないが、「首相の解散権制約」は憲法に完全に新しい作用を付け加えることになる。この2つをてんびんにかけて交渉しようという枝野氏の態度は理解に苦しむ。

 実際、1952年の吉田茂首相以降、数々の首相が20回以上にわたり「解散権の行使」をしており、その中には、もちろん民主党政権の野田佳彦首相も含まれる。

それにも関わらず、ここに来て枝野氏が「解散権の制約」を唱えはじめたのは、今回の衆院選をめぐる民進党の分裂騒動の責任を、安倍首相の「大義なき解散」のせいにしたいからであろう。「安倍首相の大義なき解散のせいで、われわれは分裂させられたんだ」というわけである。

 何という被害妄想であろう。

 民進党が分裂したのは、思想も信条もバラバラの人が集まっていた野合政党であったことが原因で、今回の解散は分裂のきっかけに過ぎない。本当に民進党に大義があったならば、前原誠司代表が希望の党との合流を提案したところで、所属議員が止めたはずである。

 大体、首相の解散権を制約したところで、はっきり言って国民生活は何も変わらない。せいぜい、野党が首相の解散を恐れずにすむようになり、国会を好き勝手にかき回せるようになるくらいである。

 そんなことよりも、立憲民主党が今すべきことは、すでにゾンビと化した民進党に解党を迫り、残った100億円の政党交付金は国庫に返還させることだろう。

 人に大義を求めるなら、まず自分たちが大義を貫くべきである。

【私の論評】立憲主義の立場からも首相の解散権は正しい(゚д゚)!

上記の見方は、政治論による見方であり、この見方に意義を唱えるつもりは全くありません。しかし、このような見方は、全体の半分しかみていません。もう一つの見方とは、立憲主義による見方です。

今回の解散は合憲か違憲かを判断すると、明らかに合憲です。違憲だとすると日本国憲法の何条に違反するのでしょうか。枝野氏はそれを明確に示すべきです。

そもそも、これまで日本国憲法での衆議院解散は7条に基づいて行われてきました。それを何をいまさら違憲とするのでしょうか。解釈変更でもするのでしょうか。それこそ、護憲派の連中が批判してきた解釈改憲であり、立憲主義の蹂躙です。

このようなことを、立憲民主党という名称の党の代表が、言い出すこと自体が、異様です。
首相が何の制約も無く好き勝手に自分の都合の良いときに解散する。これは、立憲主義なのか非立憲主義なのでしょうか。明らかに立憲主義です。なぜでしょうか。今回のような解散に異議があれば、総選挙で自民党を敗北させればよいのです。そもそも、立憲主義とは総選挙によって示された民意によって多数を形成する政治なのです。
今回の選挙でも、有権者の多くが、今回の解散に反対であれば、自民党が大勝することはなかったでしょう。選挙の結果によれば、国民の多数が解散に反対ではなかったと判断していることは明らかです。
イギリス憲法を中途半端にかじって、「世界の趨勢は首相の自由な解散権を縛る方向にある」と主張する論者もいます。これは、本当に我が国にもあてはめることができるのでしょうか。解散には主に3つの方法がありますが、以下に述べるように、我が国ではいずれの運用にしても問題が発生してしまいます。
まず第一の方法である、解散権は首相の専管事項とすれば、首相が選挙に勝てると思うときに解散することになりがちです。確かに、弊害はあるでしょう。とはいいながら、他の方式にしても弊害があるのです。
第二の方法として、解散は与野党合意ですることすれば、現職与野党の談合を正当化することになります。記憶に新しいのは、三党合意による増税法案です。与野党の談合を正当化すると、国会の場で十分審議がされないまま、重要な法案が成立することを助長することになります。
第三の方法として、不信任された場合のみ解散ということになれば、行政と立法がねじれた場合、停滞することになります。さらに、これができるための前提条件として、与野党ともに近代政党でなければなりません。
ねじれ国会の状態では、衆参両院で政権与党が過半数を維持している状況とは違い、政権与党が参院で過半数を有する野党を納得させないと法案は成立しないために、参議院で衆議院と異なる議決が起こりやすくなります。これは、参議院の独自性の発揮とみなすことができますが、ねじれ国会が問題とされるのは、衆議院とは異なる議決が、政治および行政が停滞することになり、その損失が重視されるからです。


近代化政党とは聞き慣れない言葉だと思います。毎年のように、年末になると政党助成金を目当てに新党が結成されます。そもそも政党助成金は金権政治の温床となる無理な資金集めを解消するとともに、政党を近代化する条件で導入された制度です。ところが、「政党の近代化」という言葉はとっくに死語になっています。
 
近代政党には、三つの要素があります。

綱領、組織、議員です。

明確な理念をまとめた綱領がある。綱領に基づいて全国組織が形成されます。全国の政党支部が議員を当選させます。その議員たちは政策の内容で競い合い、自由で民主的な議論で党首を決めます。選ばれた党首は直属のシンクタンクとスタッフを有し、全国組織に指令を下します。この条件に当てはめると、自民党は近代政党ではありません。無論、他の野党も、近代政党とは言い難い状況にあります。

自民党が有する最大のシンクタンクは官僚機構(実体は財務省主計局)ですが、ヨーロッパの政党は官僚機構に対抗できるシンクタンクを自前で揃えています。
イギリスなどでは、自前でブレーンを用意して勉強した政治家だけが、党の出世階段を上ります。政治の世界の実体は、政党と官僚は化かし合いです。
フォン=ヒッペル英国王立防衛安全保障研究所 (英国の著名なシンクタンク略称RUSI)所長 
このようにいずれにしても、問題があることを前提として、我が国では日本国憲法での衆議院解散は7条に基づいて行われてきたのです。
今更この慣習だけを変えるということになれば、上記にあげたような弊害がおこるだけです。
特に日本では、総理の権限を奪ったとしたら結果として大喜びするのは官僚(その中でも特に財務省主計局)です。解散がスケジュール化されれば、官僚は総理のコントロールがより簡単になります。2014年のように消費増税を吹っ飛ばす解散もなくなります。総理の権限を落とせば官僚は各省大臣を籠絡するのは簡単なので、官僚内閣制は揺るぎないものになります。

安倍政権を許すまじということで、憎しのあまりに総理の解散権制約を言い出したら本当に危険です。憎かったら総選挙で勝つしかないのです。選挙で勝てないから総理の権限をしばりたいというのは邪道に過ぎないです。

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2017年10月25日水曜日

絶望的な立憲民主党の政策 経済でリベラルのお株奪われ「反安倍」しかない情けなさ―【私の論評】国会対策は「モリカケ」だけ!次の選挙では姿を消す(゚д゚)!



衆院選で公示前から大きく議席を伸ばした立憲民主党だが、今後、政権交代にも耐えうる提言型の新しい野党になれるのか。それとも旧態依然とした左派政党に過ぎないのだろうか。

 最近、左派系の新聞では立憲民主党と共産党を含めて「左派・リベラル」と称している。

 だが、「リベラル」は、もともと「自由主義」からきている言葉であり、右の保守、左の共産主義・社会主義の中間・中道の政治スタンスを指す。経済政策でみると、雇用重視、市場重視、社会福祉に力点を置いている。人権重視で非宗教でもある。

 ソ連の崩壊後、左の共産主義・社会主義は中国を残して世界中でほぼ消えかかっている。そこで、そうした勢力の逃げ場として「リベラル」が台頭してきた。これは日本も同じで、いまや世界的にも珍しい名称である「共産党」は、政権批判で何とか生き延びているが、「社会党」の名称は消えた。左派系新聞も居場所がなくなりつつあるなか、「左派・リベラル」という言葉で、なんとか「左」を残したいのだろう。

 立憲民主党は「リベラル」を標榜(ひょうぼう)しており、絶滅種である左の共産主義・社会主義を目指しているわけではないだろう。ただし、問題は立憲民主党の主張する政策が、世界基準の「リベラル」に値するかどうかだ。

 まず、外交・安全保障で集団的自衛権を否定するのでは絶望的だ。そもそも世界的には集団的自衛権は当たり前のことなので、左でも右でも主張する。これを否定すると、どこか別世界の人とみられてしまう。

内政では、人権擁護、身分差別反対、環境重視ではそれなりの特色を出せるだろう。しかし、経済政策において、社会福祉はまだいいとしても、雇用重視、市場重視になると心許ない。さらに憲法改正では対案が出せないのは情けない。

 日本では、安倍晋三政権が、経済政策や憲法改正で「リベラル」のお株を完全に奪っている。本コラムで繰り返して述べてきたが、金融緩和政策を使って雇用を伸ばすのは、世界的にはリベラルの政策である。安倍政権は、日本の政治では初めてそれを使って目覚ましい成果を出してしまった。その勢いで、市場重視、社会福祉でも矢継ぎ早に政策を出しており、立憲民主党(や民進党)は後れをとってしまった。

 アベノミクスを超える金融緩和を訴えるなどして対抗すればいいものを、「反アベノミクス」と言ってしまったので、立憲民主党は経済政策でリベラル色を出せなくなっている。

 憲法改正でも、今回の第9条に第3項を加えて自衛隊を合憲化するというのは、本来のリベラル、立憲主義の立場から出るべき意見だ。実際、枝野幸男代表や民進党の前原誠司代表はそうした主張をしたこともある。それも、安倍政権に先んじられてしまった。今では、「安倍政権での憲法改正に反対」と、ここでも「反安倍」しか言えない情けなさだ。

 経済政策論争ができないので、「モリカケ」に走らざるをえないのが、立憲民主党だろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】国会対策は「モリカケ」だけ!次の選挙では姿を消す(゚д゚)!

上記の高橋洋一の主張は概ね賛成です。今回、希望の党、無所属、立憲民主党と3つの形で、立候補した旧民進党議員のうち、希望の党から奈良一区から立候補した馬渕澄夫氏は今回落選しました。

ブログ冒頭の高橋洋一氏が「アベノミクスを超える金融緩和を訴えるなどして対抗すればいいものを」としているのですが、旧民主党の衆議院議員の中で、これができるのはおそらく馬淵澄夫議員だけだったと考えられます。

敗戦の弁を述べる希望の党の馬淵澄夫氏 =23日午前
他にも、金融政策を理解している衆議院議員もいるようではありますが、アベノミクスを超える金融緩和を訴えることができるのは、馬淵氏以外には存在しないでしょう。

実は、旧民進党には参議院にも馬渕氏に匹敵するような議員が存在していました。金子洋一氏です。しかし、彼も昨年の参院選で落選しています。

金子洋一氏
金子洋一氏は、今回の衆院選の直前に自身のブロクで「私が野党の党首ならこんな経済政策を掲げます」という記事を掲載していました。

この内容は、ここでは詳細は説明しませんが、かなりまともな内容であり、確かにこの政策を掲げれば、経済対策としては十分に与党に対抗できるものですし、実際このような政策が運用されれば、日本経済もかなり良くなるであろうと思える内容です。

このブログで、金子氏は、「マクロ経済政策に関心がある政党がありましたら、いくらでも政策作りのお手伝いをいたします。どうぞご連絡ください。公認をよこせなどとは絶対に申しません(笑)」と述べています。

馬淵氏と金子氏に共通するのは、マクロ経済の理解です。政府・日銀が行う経済対策は、マクロ経済的な政策です。政府・日銀の行う経済対策は、家計や企業の実施するような経済対策とは当然違います。これをしっかり、理解して政策提言にまでまとめられるのは、旧民進党の中ではこの二人しか存在しないです。

昨年から、今年にかけて旧民進党勢は、この二人の貴重な人材を活用しなかったばかりか、結局議員ですらなくしてしまっているわけですから、この二人のことを人材としても認識していなかったのでしょう。

民進党の議員のほとんどは、幹部を含めて本当にマクロ経済音痴です。枝野氏など金利をあげると経済が良くなるなどという奇妙奇天烈、摩訶不思議な理論を信奉しています。

2008年の朝まで生テレビで、高橋洋一氏が当時のデフレ対策に関連して「財政政策による景気刺激は1回限りで借金が残るだけであり金融政策を優先した方が良い」という趣旨の発言をしたところ、枝野氏は「財政政策に効果がないのは同意だが、金融緩和はバブルを生むだけだ。それより、銀行の預金金利を上げるべき」と発言しました。

高橋洋一氏も呆れて「今、テレビで流れちゃったけど、見た人はかなりびっくりしてると思う。預金金利を上げて景気回復するなんてことはありえない。こういう発言が出るようじゃ民主党はまだまだだ」と語っていました。

朝まで生テレビで「量的緩和」効果を理解せず、「利上げで景気回復」という珍説を披露する枝野氏
この枝野氏の奇妙奇天烈な理論の源流を正すと、仙谷由人氏のようです。そうして、千谷氏の経済ブレーンは、エコノミストの中前忠氏とコンサルタントの篠原令氏の2人でした。誰が、枝野氏に利上げが景気回復につながると教えたのか知りませんが、いずにせよ、教えた人はかなりのマクロ経済音痴です。

前原氏も枝野氏に負けず劣らず、マクロ経済音痴です。2013年1月13日の報道2001で「デフレ原因は人口減、円高原因は震災によるサプライチェーンの寸断」だと発言していました。

デフレ人口減説は、一時かなり流行りましたが、その後まともな識者が、それを完全否定したたため、最近では影を潜めました。震災直後の円高の要因は、震災により復興などで、円の需要が高まっているにもかかわらず、当時の日銀が金融緩和をしなかったためです。

枝野、前原氏に限らず、旧民進党の議員はほとんどがマクロ経済音痴で、まともな経済対策を提言することはできません。

となると、これから野党の再編がおこり、希望の党に合流して当選した議員が立憲民進党に合流したり、旧民進党の無所属で出馬し当選した議員が、立憲民主党に合流したりしても、誰もまともな経済政策を提言できませんから、立憲民主党がまともな経済対策を提言することは不可能ということです。

それでも、本来ならば、馬淵氏と金子氏を経済ブレーンとみて、その提言を聴くなり、参考にするなどということはできるはずですが、枝野氏はそれもしないでしょう。

それどころか、枝野氏は純化路線に走り、立憲民主党以外の旧民主党の議員を全く受け入れないか、受け入れるにしても自分の考えに近い人たちしか受け入れないと考えられます。

日本維新の会の遠藤敬国対委員長は25日、立憲民主党が同日に開催を呼びかけた野党国対委員長会談に招かれなかったとして「『排除の論理』だ。野党筆頭としてどうなのか」と述べ、立憲民主党の対応に強い不快感を示しています。希望の党も呼ばれていません。


希望の党の小池百合子代表(東京都知事)の「排除の論理」に反発して結成された立憲民主党は、衆院選でも「分断と排除の政治が行われ、立憲主義が壊されている」(枝野幸男代表)と訴えていました。

遠藤氏は「(小池氏と)同じことをしているのではないか。『自分たちと同じ考え方でなければだめだ』というのは、ちょっと違う」と語りました。

京都のお蕎麦屋さんのメニューから
いずれにしても、まともな経済対策も語れず、安全保障も外交も与党に及ばず、結局高橋洋一氏がブログ冒頭の記事で語ったように、「モリカケ」に走らざるを得なくなるでしょう。そればかりでは、飽きられるのでまたスキャンダルを追いかけることになります。しかし、そのような話と、何でも反対という姿勢を続ければ、立憲民主党は弱体化します。そうなると、立憲民主党も旧民進党のように崩壊するしかなくなります。

次の選挙の頃には、姿を消しているか、有名無実になるしかないです。

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2017年10月23日月曜日

大勝をおさめた安倍政権が「まずやるべき」経済政策はコレだ―【私の論評】戦後最低議席数の野党第一党立憲民主党誕生(゚д゚)!

大勝をおさめた安倍政権が「まずやるべき」経済政策はコレだ
選挙後の課題は積みだから 

高橋洋一

    リベラルは弱体化したのか

 22日投開票の衆院選。台風の直撃を受けて投票率は散々であったが、結果は予想通り、与党の勝利であった。前回筆者が示した予想と比べると、希望の党がさらに失速して、その代わりに立憲民主党が躍進したが、与党勝利には変わりがなかった。

(投開票前に新聞各社が大量の人員と多額の予算をつぎ込んで選挙予測をしているが、筆者は公開資料を加工するだけでほとんど人員もコストをかけていないにもかかわらず、新聞各紙の予測精度と遜色がなかった。)

 さて、選挙を振り返ろう。希望の党の失速の原因は、先週の本コラムで書いたように、9月末に小池代表の口からでた「排除」発言である。

 希望の党としては、風を起こすことができない残念な結果であったが、憲法の改正に曖昧な態度であった民進党が分裂して、改憲に前向きと後ろ向きな党にしっかり分かれたのは、国民にとって今後の議論を分かりやすくするだろう。もちろん、改憲は今後の国会で行われる議論次第であるし、最終的に改正するかどうかは国民投票によるのだが。

 今回の選挙では、「リベラル」という言葉がマスコミを中心によく使われたのも象徴的だ。小池氏も結党時の会見で「リベラルを排除する」と言っていた。

 『広辞苑』によると、「リベラル」とは、「個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的」とのことであるが、この定義なら、日本のほとんどの政党はまず否定しないだろう。

 ただ、政治で使うときには、右の「保守主義」と左の「社会・共産主義」の中間、中道を指す言葉である。英国では自由党がこれにあたり、市場経済重視、身分差別反対、非宗教的などを基調としている。アメリカなら民主党が代表例で、社会福祉、人権、宗教平等などの推進・充実を特徴としている。

 左派系政党の掲げる重要な政策として、雇用重視がある。これまで何度も述べてきたが、雇用を改善するための標準的な政策は、金融政策である。が、これを主張する左派政党はすくない。一方、リベラルは左と右の中道なので、「金融政策で雇用を作る」という政策も主張する。

 アメリカでは右系の共和党から、FRBの廃止、または金本位制の復活など、現在の金融政策を否定するドラスティックな政策が出てくることもある。もちろん、今の時代では金本位制が採用されることはないが、大統領予備選では共和党候補の誰かから必ず提案される定番のアイデアだ。

  オズの魔法使いと金融政策と

 ちょっと脱線するが、現実の大統領選挙で、金融政策を巡って、金融緊縮気味になる「金本位制」で行うか、金融緩和気味になる「金銀複本位制」で行うかが争われた歴史もある。

 時は1896年、当時の米国はデフレの真っ最中で、東部の産業資本からの借金で未開の地を開拓していた西部の農民は、デフレによる債務の実質的増加に苦しんでいた。そのため大統領選の大きな争点としてデフレ対策が浮上し、民主党候補のブライアンは金本位制から金銀複本位制への移行による通貨の増大を主張していた。

 「人々を金の十字架にはりつけてはならない」というブライアンの演説は、アメリカ政治史上でも有名である。一方、共和党候補マッキンリーは、あくまでも金本位制にとどまることを主張した。保守の共和党より、リベラルの民主党の方が金融緩和政策を好んだのだ。

 実は、この政治論争がベースになって、かの有名な『オズの魔法使い』が書かれたことをご存じだろうか。オズ=OZは金オンスの略号、主人公ドロシーは伝統的なアメリカ人の価値観を表しており、脳のない案山子は農民、心のないブリキ人形は産業資本、そして勇気のないライオンはブライアン候補のメタファーだとされる。黄色い煉瓦道は金本位制だ。共和党候補のマッキンリーは西の悪い魔女として登場している。

 帰り道を探すドロシーは、黄色い煉瓦道を単純に辿るのではダメだと知る。そして、魔法使いオズが役に立たず、その代わり自分の「銀の靴」に魔力があることに気づく。要するに作者のボームは、共和党が主張する金本位制よりも、民主党の金銀本位制を支持していたという解釈だ。

 ちなみに、実際の大統領選では共和党候補が勝利。金本位制は維持されたものの、1898年にアラスカで金鉱が発見され、さらに南アフリカからも金が流入した結果、デフレは解消された。

  自民党は一番リベラル…?

 「リベラル」に話を戻すと、日本のマスコミでは、「左派・リベラル」と一緒に書くことがしばしばだ。はっきりいえば世界を見渡してみると、左の社会・共産主義は、お隣の中国・北朝鮮以外は、ソ連崩壊以降はあまり見られない絶滅種である。

 ここで、左は「絶滅危惧種化」を避けるために、「リベラル」にならざるを得なかったのだ。もっとも、日本のマスコミの中にも、もともと左系志向で、表向きは転向を余儀なくされたが、実質的には左を捨てきれずに偽装している者も少なくない。そのような気持ちが、「左派・リベラル」という標記に現れているのだろう。世界ではほぼ、左派は消え去っているにもかかわらずだ。

 そこで、本稿では、「リベラルか保守か」という対立軸と、「既得権か非既得権か」というもう一つの対立軸によって、自民、立憲民主、希望の政治的スタンスを見てみよう。


 この図を見て、「自民はリベラルではないだろう」という人もいるかもしれない。そうした人は、日本的な「リベラル」の特殊性が頭の中に張り付いているのだろう。

 日本的「リベラル」とは、つまるところリベラル=護憲、というイメージのことだ。本来であれば、憲法改正は左か右かに無関係である。

 たとえば中国は、共産党の下に憲法もあるが、5年ごとに開催される中国共産党全国代表大会に対応して、ほぼ5~6年ごとに改正されている。つまり、左派=護憲は中国でも成立していない。日本に特有のものだ。

 憲法改正自体、ほとんどの国で改正されており、筆者の知る限り、戦後一回も改正されていない日本だけが特殊であるのだ。これは、日本国憲法が世界で一番改正しにくいように作られているからだ(2015年5月4日「憲法改正へ、自民党が国民の支持を得るためのベスト戦略とは何か?」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43221)。

では、自民党がリベラルかどうか。

  立憲民主党、これから大変だよ

 「リベラル」という言葉を、護憲ではなく、欧米のリベラル系政党が標準的に掲げる、「金融政策による雇用重視」「社会福祉」「市場経済重視」「身分差別反対」「非宗教的」等の政策基準でみてみると、いまの安倍政権は(欧米基準でみれば)かなり「リベラル」な政策を採っている。ひょっとして、今日本で一番「リベラル」なのは、安倍首相かもしれない。

 立憲民主の枝野代表は、かつて筆者とテレ朝の「朝生」で議論したことがあるが、金利引き上げによって経済成長を目指すんだという「トンでも政策」を主張して、頑として譲らなかったのを覚えている。

 金利引き上げは、雇用を最も作れない政策であることは明らかで、それを主張することは、(雇用重視」という点では)とても欧米基準では「リベラル」といえない。

 立憲民主は、希望の党の失速もあって躍進したが、やはり雇用=金融政策であることを理解しないと、雇用の実績を作れないので、安倍政権にはかなわないだろう。なにより、リベラルを名乗れないだろう。

 金融政策は雇用を作るとともに、株価を押し上げる。雇用と株価の二つをとっても安倍政権の実績はいいので、立憲民主がこれを凌駕するには、よほどの努力が必要だろう。



さて衆院選の結果を受けて、安倍政権は外交、内政、経済でどのような課題に直面するだろうか。

  北朝鮮との対話の可能性も…?

   今回の総選挙は、北朝鮮対応をどうするか、といういわば「有事解散」であった。これは安全保障を問う解散だったと言い換えてもいい。先日ある情報番組に出演して、外国人コメンテーターから、日本では「戦争」について語ることがタブー化されている、という発言を聞いた。まさにそのとおりだ。

   筆者は昔からそのことを痛感していたので、米プリンストン大に留学する機会をもらった時、平和論・国際関係論を勉強した。これは、過去に本コラムでも紹介したが、戦争の発生条件を冷静に、数量的に分析して、どのようにしたら戦争になる確率を減少させるかを研究するものだ。

    日本の左派論者は、「集団的自衛権をもつと、日本は戦争をする国になる」という主張をするが、実は過去の戦争データを分析すれば、集団的自衛権を認めることは、戦争になる確率を減少させる方策であるのだ。
    こうした視点に立てば、同盟関係で圧力をかけるのは、戦争確率を減少させる効果的な手段だ(圧力は対話を引き出すためのものであることを忘れてはいけない)。

    小泉政権の時に、小泉首相が北朝鮮訪問し、拉致問題を北朝鮮が認めて謝罪した。これがうまく行えたのは、ブッシュ政権が北朝鮮に圧力をかけていたなかで、北朝鮮がその圧力を軽減するために、日本の拉致問題を持ち出したからだ。

   今の北朝鮮問題にあてはめれば、11月に日米首脳会談、米中首脳会談がある。また、APECでの各国首脳会談には、ロシアも出てくるだろう。それらの国際会議では、北朝鮮問題が話し合われる。これらは、北朝鮮版「ヤルタ会談」ともいうべきものだが、そうした国際的な圧力が高まる裏で、日本と北朝鮮との和解交渉が行われる可能性がないわけではない。

    ところで最近、北朝鮮がおとなしい。先日まで中国で共産党全国代表大会があったため、北朝鮮も自重していたのだろうが。ここに来て、ようやく北朝鮮が自国のおかれた立場を理解してきたのかもしれない。

    これまでの中国に対する度重なる非礼を許してもらい、挑発行動をとらずに、制裁に耐える道を選んだのかしれない。そうであれば、年内ともいわれていた国連軍あるいは多国籍軍による対北朝鮮の軍事オプションも遠のく可能性はある。

    いずれにしても、トランプ米大統領、習中国国家主席、プーチン露大統領など互角に渡り合えるために、どのような準備を日本のリーダーがすべきか。まさに日本の国家としての命運がかかっている。

  こうした外交・安全保障に気を払いながら、内政を同時並行的にやることが求められる。


     経済としては、デフレを完全に脱却する必要がある。そして、早く完全雇用の状態を作らなければならない。本コラムで書いたように、インフレ目標2%、失業率2%台半ばを達成するためには、有効需要であと25兆円ほど必要である。そのために、来年の通常国会の冒頭での大型補正が必要である。

    そのときには、ひょっとして朝鮮半島が有事になっている可能性もある。そうなれば経済に大きなショックを与えることが予想されるので、そうした事態を見越して、年初の大型補正の準備は直ちに取りかかるべきだろう。

    ところで、安倍首相が「リーマンショック級のことが起これば、消費増税はしない」と発言し、各方面で話題になっているが、安全保障の環境や経済状況を考えないで経済政策があるはずなく、常識的な意見であるということを、最後に付け加えておきたい。

【私の論評】戦後最低議席数の野党第一党立憲民主党誕生(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事て、高橋洋一氏は、日本の“リベラル”は、世界標準の“リベラリズム”とは別モノであるとしています。

4年ほど前、特定秘密保護法が話題だった頃に「香山リカ」が「私たちリベラル派は嫌われている」と発言して話題になったことがありました。

香山リカは、リベラル派の人物が反対を唱えるだけで「あいつらが反対してるならいい法律なんだろう」と判断されるレベルでリベラルが嫌われている、という告発をしていたのです。その後「香山リカ」を名乗る人物はどうやらそのことを「リベラルじゃダメですか?」本にしていました。

香山リカ
これだけ嫌われてるリベラルとは一体何なのでしょうか。

自由と平等を掲げるのは近代国家としては普通のことであり、我が国も自由主義国家の一つです。厳密には議論があるでしょうが、日本の憲法は自由と平等、そして自由主義の根幹でもある個人の国家や宗教からの自由、つまりは基本的人権を掲げている点で自由主義国家です。

社会自由主義とも言われるいわゆる中道左派は、近代国家の目指すところとしては実にありきたりなものです。

もちろんこの中道左派には反対する人たちも多いのですが、自由主義国家が現代においてある程度利害調整をしてまともな経済政策をとっていくと、結局は中道左派路線になってしまうものではないでしょうか。どう考えてもリベラルではない日本の自民党も、結局のところブログ冒頭の高橋洋一氏の記事でも指摘されているように、中道左派的経済政策を実行しています。

では日本における「リベラル」とは一体何なのでしょうか。

おそらく現代日本において「リベラル派」とされてる人たちのことは本当は、「新左翼」「ニューレフト」と呼ぶべきなのです。従来の意味での新左翼は学生運動や成田闘争といったものに代表されるように、暴力的革命運動をする人々でした。

「言葉の暴力」という概念を持ち込むと、現代日本において「リベラル派」と呼ばれる人たちを新左翼と呼ぶのに値することに気づきます。

彼らのネットの活動を見ていると「あべしね」というワードがちらほら出てきます。今の総理大臣安倍晋三氏に対して「死ね」という言葉を投げつけているのです。それに衆院選では、「安倍政治を許さない」「お前が国難」というプカードを掲げていました。これは、言葉の暴言です。


この他、デモ活動における暴力的な言語表現などなどを見るに、「火炎瓶やゲバ棒を言葉の暴力に持ち替えた新左翼」と呼んで差し支えないのではないでしょうか。

この新左翼らは、従来は単なる暴力を、現在では言葉の暴力で何ら生産的な活動をしていないようにみえます。

しかし、左翼の源流をたどれば、それが事実がどうかは別にして、本来の「左翼」は搾取され虐げられた民衆のためにある勢力であることを標榜していました。

緊縮政策に苦しめられてきた民衆が望んでいるのは、政府が民衆のために潤沢におカネを使い、まともに雇用をつくりだすことです。その資金は、おカネのあるところから取ればいいし、それでも足りなければ無からつくれば良いのです。それが今、左翼の世界標準として熱狂的に支持されている政策です。

そう考えれば、立憲民主党などの、野党側が掲げるべき政策は明らかです。日銀がお金をどんどん出して、それを政府が民衆のために使うことです。

それをまさに、安倍政権が実行しています。いわゆる「アベノミクス」の「第一の矢」と「第二の矢」です。しかし、これらは「そんなことしたらハイパーインフレになる」「財政破綻する」「庶民の生活はよくならない」などと言われた、日本の左派・リベラル派の間では印象が悪い政策です。

しかし、世界の大物左派・リベラル派論客らが、「アベノミクス」を高く評価する発言をしていました。アメリカのリベラル派ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏やジョセフ・スティグリッツ氏、インド出身のノーベル賞経済学者アマルティア・セン氏、フランスの人口学者エマニュエル・トッド氏。『21世紀の資本』(みすず書房、2014年)がベストセラーになったトマ・ピケティ氏も、「安倍政権と日銀が物価上昇を起こそうという姿勢は正しい」と言っています。

ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏(左)とジョセフ・スティグリッツ氏(右)
ただし、これらの論客の誰も、「第三の矢」の規制緩和路線や、消費税増税を評価しているわけではありません。「第二の矢」の財政政策も評価していません。これらの論客が支持しているのは、金融緩和政策と、金融政策と政府支出の組み合わせという枠組みについて評価しています。

アベノミクスは、それなりの評価を受けていますが、まだまだ改善の余地があります。そこに、リベラル派が付け入る隙は十分にあります。

しかし、そもそも金融政策などを評価しない、現状の日本の「リベラル」はリベラルなどとはとても呼べる代物ではないのです。

経済に関する考え方を変え、安全保障や憲法についても、ただ反対するだけではなく、代案を出すべきです。そうでなければ、日本のリベラル≒新左翼は、これからどんどん衰退するばかりです。

今回の衆院選で、立憲民主党は躍進して野党第一党とマスコミは報道していますが、これは戦後最低議席数の野党第一党誕生という事実が見逃されているようです。

当選確実を示す印がない候補者ボードの前で頭を下げる野田佳彦首相=2012年12月
16日午後11時20分 この衆院選挙では民主党獲得議席は57、自公は325議席だった
議席数54は、2012年の民主党大惨敗時総選挙の議席数57を下回りました。今後、希望の党や、無所属で立候補して当選した人たちの立憲民主党への合流も考えられますが、それにしても、この規模では大きな勢力にはなり得ません。

以下に過去の衆院選での議席数と今回の結果を掲載します。







今回の衆院選の結果
これは、本当に象徴的な出来事でした。「かけもり問題」のフェイクニュースの嵐の中という、あれだけの逆風の中で、自公が圧勝です。日本のいわゆるリベラルそのものも、衰退一途をたどっているのでしょう。この傾向はますます、加速されることでしょう。民進党崩壊の次は、立憲民主党崩壊です。

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2017年10月21日土曜日

立憲民主党が信念を貫いたら何が起きるか 日本経済はガタガタ、日米間の信頼喪失…もう忘れたか―【私の論評】明日は流行に流されず、印象操作に惑わされず地頭で考えて投票しよう(゚д゚)!

立憲民主党が信念を貫いたら何が起きるか 日本経済はガタガタ、日米間の信頼喪失…もう忘れたか

選挙遊説中にインタビューに応える枝野市
 今回の衆院選(22日投開票)に関する各社の世論調査によると、小池百合子代表(都知事)が立ち上げた希望の党の勢いは完全に失速し、過半数の233議席を狙うどころか、公示前の57議席を割り込むかもしれないという。

   民進党との合流の際、政策が一致しない候補者を「排除」すると小池氏が発言したことが失速原因の1つである。だが、「改革保守」で「改憲政党」を目指すうえで、極端な左派や護憲派を排除することは、代表の当然の義務だ。

  「排除」という強い言葉が、太古の昔から「和をもって尊しとなす」という日本人の感性に反したのだろう。

   カタカナ言葉をちりばめた小池氏の演説は、英語には自信がある私にも意味がよく分からない。具体的な政策論をわざと語らず、けむに巻こうとする不誠実な印象だけが残る。助言できる優秀な側近はいないのか。

   小池氏から「排除」された人々は、枝野幸男元官房長官を代表として立憲民主党を設立した。50議席以上を獲得して野党第一党になる可能性があるという。

    いつも反体制に肩入れする左派メディアは、枝野氏と立憲民主党を「筋を通したリベラル」などと持ち上げている。都知事選や都議選では、小池氏と都民ファーストの会を持ち上げたが、今回は見事に手のひらを返した。

大阪で街頭演説する立憲民主党の枝野幸男代表=7日午後3時19分、大阪市都島区
 手元にある立憲民主党の某候補のビラには「信念を貫く。」と書かれているが、民進党の希望の党への合流は満場一致で決定した。その場で反対しなかったのだから、喜んで合流するつもりが排除されたということだ。この事実を逆手に取り、日本人の「判官びいき」の情緒に訴える作戦へと利用したのか。

   政治は情緒ではなく、事実で判断すべきだ。

   立憲民主党の主要メンバーを見ると、菅直人元首相や枝野氏、辻元清美元首相補佐官、福山哲郎元官房副長官、長妻昭元厚労相など、あの民主党政権、菅政権の中枢だった面々である。

    彼らは「信念を貫いて」民主党政権の政策を作成した。それを3年3カ月にわたって実行した結果、日本経済はガタガタになり、日米間の信頼も地に落ちた。5年前の日本は、彼らが「信念」を貫くほどに国益が毀損(きそん)した。立憲民主党の支持者はもう忘れたのか。それとも彼らが望む「信念」は、日本の国益を害することなのか。

   政治家、言論人、一般人を問わず、二言目には「安倍退陣」を主張する人々は見苦しい自分の姿を鏡で見るべきだ。

   命がけで自分を守る存在に感謝や尊敬せず、文句ばかりいいながら代わりを務める能力も覚悟もない。中二病は中学時代に、左翼への憧憬は30代に完治させないと恥ずかしい。

■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

【私の論評】明日は流行に流されず、印象操作に惑わされず地頭で考えて投票しよう(゚д゚)!

最新の状況については、以下に山村明義氏の動画を掲載します。


詳細はこの動画をご覧いただくものとして、立憲民主党が野党第一党になる可能性がでてきました。50〜60議席をとりそうな勢いです。さらに、改憲勢力は2/3を切る可能性もでてきました。山村市は、東京都民、埼玉県民は流行に流されて、立憲民主党に票を入れる人も多い可能性があるとしています。東京のメディアの偏りについても語っています。

ただし、自民と希望の党の保守派・良識派、維新の党議員を加えると、自公よりも多い337議席くらいになります。これらが協調すれば、憲法や経済などに関して現実的・具体的議論ができる可能性があることも語っています。

上念氏も立憲民主党の脅威について語っています。以下に、それを語る上念氏の動画を掲載します。



上念氏は、立憲民主党は民主党菅内閣とほぼ同じです。また、あの時代にまいもどるようなことがあってはあってはならないです。特に、憲法論議や安全保障に関しては、反対するばかりで何の代案も示すことはないです。北朝鮮の危機が現実のもの隣りつつ現在、これは、許されるものではありません。

自民党は数字で見る安倍政権の成果というチラシを作成し、この五年間の成果をこうまとめています。

「名目GDPが493兆円から、543兆円へ、約50兆円増」「株価が8,664円から、2万397円へ、二倍以上に」「有効求人倍率が0.83倍から、1.52倍へ」。

要するに、経済規模が確実に拡大してきたため、会社の業績が上向き、株価が上がり、会社の資産が増えたため、新規雇用を含む設備投資に踏み切る会社が増えました。設備投資を拡大すれば仕事も増え、有効求人倍率も改善し、仕事をしたい人が働くことができるようになっています。

その恩恵は、全国にも及ぶようになってきており、有効求人倍率は全ての都道府県で初めて一倍を超えました。高卒・大卒就職内定率も過去最高水準となっています。これは、このブログで過去に何度か指摘しました。これこそが、自民党を支持する若者が急増しているのも理由でもあります。

いくら頑張っても就職の内定をとれないと、「ああ、社会は自分を必要としてくれないのだ」と、自分を全否定されたような気分に追い込まれます。その辛さは、高度経済成長時代に就職した50歳以上の人にはなかなか理解できないでしょう。しかし、当の若者や、学校で就職関係の役職についていた教員の方々、企業の人事関係の方々なら、これについては良く知っていると思います。

最近の雇用情勢の大幅な改善について、実感できない方々は、これらの人の話を直接聴くことをおすすめします。様々な生々しい体験・経験を聴くことができるはずです。私自身は、過去には採用にも関わっていたので、その時の経験から良くわかります。

特に、採用した新人から聴いた話はあまりに衝撃的だったので、今でも生々しく記憶に残っています。彼らの学生時代は50歳以上の人たちには、信じられないほど過酷なものでした。それについては、このブログにも掲載したことがあります。採用側としては、良い学生を雇いやすくはあっのですが、会社の業績も良くはありませんでした。

どっちを選ぶかといえば、採用は難しくなっても、景気の良い時代が良いと思います。あの時代にまた、戻ってもらいたくはありません。

第3次安倍改造内閣
若者の雇用環境を劇的に改善することができたのは、第二次安倍政権が掲げた新しい経済政策、アベノミクスによるものです。

2014年に増税という手痛いミスをしてしまったため、GDPはあまり伸びていませんが、それにしても、過去20年間では間違いなく、経済的に最も良い成果をあげたのは、現在の政権です。民主党政権時代の日本経済は、円高・デフレスパイラルのどん底に沈み酷い有様でした。

あのリーマンショックに対する、当時の自民党政権の対応は酷いものでした。結局何もできませんでした。本来、リーマンショックの震源地は、米国であり米国以外で最も大きく影響を受けたのはEUでした。

当時の日本は、株価も低く証券会社の業績も悪く、サブプライムローンなどに大量に投資できるような状況ではありませんでした。そのため、本来はリーマンショックの影響は、日本にとっては軽微なはずでした。

ところが、その後米国やEUが不況から立ち直るため、大規模な金融緩和を始めたにもかかわらず、日銀だけがしなかったので、さらなる円高とデフレの深化を招いてしまいました。(ここでは、詳細は説明しませんが、他国が金融緩和をしているにもかかわらず、ある国だけがそれをしなければ、その国はデフレになり通貨高になります)その結果、日本の経済の立ち直りは米国やEUよりも5年も遅れてしまいました。

その後、政権交代で自民党が下野して、民主党が与党となったのですが、自民党の経済政策を見直すどころか、大枠では踏襲したため、経済は低迷したままでした。そうして、三党合意で増税法案が定められました。

そこに、2012年選挙で自民党が再び与党に返り咲き、2013年4月から金融緩和と積極財政に転じました。2014年には8%増税をするという手痛いミスをしましたが、それでも金融緩和策は継続したため、雇用がかなり改善されました。その他経済指標も上向きつつあります。10%ぞ増税は2019年10月に延期されました。

一方、立憲民進党の製剤政策はといえば、金融引き締め・緊縮・脱成長戦略、と自民党とはまったく異なるいわば財政タカ派政策です。

要は、経済成長をあてにせず金融引き締めと緊縮政策により、国の出費を減らしプライマリーバランス黒字化を目指し、少子高齢化で増大する社会保障費の財源を、経済成長による税収増加では無く増税(消費税・法人税・金融資産税)で賄おうというものです。

社会保障の将来不安が消費を控える原因で、それらが解消されれば個人消費は伸びるという目論見です。しかし、この目論見は全く外れたことが、他でもなく、民主党政権下で見事に実証されました。立憲民主党の経済政策は、リーマンショック時の旧民主党の経済政策と何も変わりありません。にもかかわらず、立憲民進党はこのような経済政策をとろうというのですから、全く反省も何もありません。

一方、消費税については、2019年10月に10%に増税する事は三党合意による消費税増税法案で既に決まっています。これを廃案にしない限り、消費税増税は実施されます。

安倍総理は、リーマンショック級の景気変動が無い限り予定どうりの増税を言明しました。そして増税分の税収5兆円の内、2兆円分を教育子育て支援に充てると発表しました。
そのため、2020年までのプライマリーバランス黒字化断念も同時に表明しました。

立憲民主党枝野代表は、今の経済状況では予定どうりに消費税増税は困難として消費税増税は凍結すると公約に明記しましたが、具体的な数字やタイミングに関しては明言していません。

しかし、2年も先の消費税増税に付いて、このタイミングでの増税の有無や公約になんら信憑性はないでしょう。

この2年の間には、自民党総裁選、参議院選挙、そしておそらくもう一度衆議院が解散され総選挙が行われる可能性も高いと思います。

これまで2度の増税先送りの際にも選挙(参議院選、衆議院選)で国民の信を問い先送りされた経緯があり消費税増税はまだ流動的です。元々私は、消費税増税に関しては、今回の衆院選の争点にはならないとみていましたが、実際そのような動きになっています。

そもそも、現在消費税をあげるあげないと公約で示しても、全く意味がないです。それが意味を持つのは、国会で消費税増税法案をどうするかで決まる筋合いのものであり、現状での公約は単なる口約束、空手形にすぎません。

明日は、投票日です。多くの皆さんが、流行などに流されず、マスコミなどの印象操作などにまどわされず、自らの地頭で考え抜いた上で、投票していただきたいと思います。

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2017年10月18日水曜日

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【激闘10・22衆院選】自民危ない与野党大接戦の59選挙区 立憲民主追い風、失速から挽回試みる希望 選挙プランナー分析

希望の党の失速で、枝野代表率いる立憲民主党は
躍進の勢いだ=17日午前、東京都葛飾区
10・22衆院選の投開票日まで1週間を切った。報道各社は中盤情勢について、「自公3分の2超へ」(産経新聞17日付朝刊)、「自民 最大300超も」(毎日新聞16日付朝刊)などと、安倍晋三首相(総裁)率いる自民党の優勢を伝えているが、選挙は投票箱のフタが閉まるまで分からない。夕刊フジで、選挙プランナーの松田馨氏に情勢分析を依頼したところ、何と59選挙区で与野党候補が大接戦を繰り広げていた。失速からの挽回を試みる小池百合子代表(都知事)の希望の党や、野党第1党をうかがう枝野幸男代表の立憲民主党…。自民党は16日夜、50超の選挙区を「重点区」に指定し、党幹部や閣僚らの投入を決めた。激戦区の勝敗次第では、選挙結果は大きく変わる。

 「前回衆院選(2014年12月)で、小選挙区でも敗れながらも、比例復活した候補がいる選挙区が激しく競り合っている。報道各社が『与党優勢』と中盤情勢を伝えており、アナウンス効果で有権者の投票行動に影響を及ぼす可能性が高い。今後、与党幹部のちょっとした失言が命取りになることもある」

 松田氏は16日、こう語った。最新の情勢分析では、289ある小選挙区のうち、59選挙区で与野党候補が拮抗(きっこう)していた。自民党の「優勢予測」など、一気に吹き飛びかねない僅差といえる。

 注目の59選挙区は別表の通り。


 松田氏は激戦都府県として「東京」「神奈川」「山梨」「新潟」「愛知」「大阪」-を挙げた。大まかな傾向として、(1)激戦区では、立憲民主党がやや優勢(2)希望の党は他党の差別化で苦戦(3)民進党出身の無所属が底力を見せる-などだ。

 東京では、小池氏率いる希望の党の失速が大きい。小池氏の衆院議員時代の地盤・東京10区を引き継いだ若狭勝氏までが「やや劣勢」で、小池氏と二人三脚で追い上げを図っている。小池氏は豊洲移転問題で、石原慎太郎元都知事を激しく攻撃した。石原氏の3男、宏高元内閣府副大臣も当初、東京3区で劣勢が伝えられたが、「やや優勢」に盛り返してきた。

 希望の党の劣勢は、全国に及んでいる。大島敦・元民進党幹事長(埼玉6区)や、山井和則・元民進党国対委員長(京都6区)、馬淵澄夫・元民進党選対委員長(奈良1区)も「やや劣勢」だ。

 大阪では、前職3人が激突する大阪11区が注目される。

 自民党の佐藤ゆかり元経産政務官と、無所属で出馬した平野博文元官房長官、「Dr・イトー」としてメディアの露出度も多い日本維新の会の伊東信久氏が三つどもえの戦いを演じている。佐藤氏が「やや優勢」だが、維新のおひざ元だけに、最後まで分からない。

 このほか、与党大物としては、鈴木俊一五輪相(岩手2区)や、金田勝年前法相(秋田2区)もギリギリの戦いだ。

 過去にも、中盤情勢で「与党圧勝」が伝えられながら、最後に大負けした選挙がある。2000年6月の「神の国解散」だ。報道各社は、自民党が単独で安定多数(260議席、当時)を確保し、自民、公明、保守党の与党3党で300議席に迫ると伝えていた。

 ところが、森喜朗首相が投開票日の5日前、「無党派層は寝ていてくれれば」と、日本選挙史に残る大失言を炸裂(さくれつ)させ、有権者の強い反感を買った。投票率も上昇し、自民党は小選挙区と比例合わせて233議席となった。事前予測よりも二十数議席減となり、森氏の求心力は低下し、翌年2月の退陣へとつながった。

 有権者の投票行動を左右するアナウンス効果も気になるところだ。

 劣勢と伝えられた候補や政党に支持が傾く「アンダードッグ効果」が働けば、野党側に有利となる。反対に「勝ち馬に乗ろう」として、優勢と報道された政党や候補者に投票しがちになる「バンドワゴン効果」が出れば、与党が有利なまま選挙戦を終える。

 松田氏は「アナウンス効果がどう出るか、正確に分析するのは難しい。ただ、有権者の間には『自民党の勝ち過ぎ』に警戒感が広がっているのは間違いない。野党では、立憲民主党に行った民進党出身者が支持を集め、各選挙区で善戦している。一方、希望の党に行った候補は苦戦している。野党でも明暗が大きく分かれているようだ」と語った。

 夕刊フジは前回予測(10日発行)で、いち早く、「自民、公明両党で300議席を超える」可能性を報じた。希望の党の失速で「政権交代」の可能性が後退し、有権者の衆院選への関心が低下し、投票率が下がり、自民党に消極的支持が集まり、議席数を伸ばす-という分析だ。

 現状では予測に近いが、「火事は最初の5分、選挙は最後の5分」といわれる。少しの油断が有力視されていた勝利を逃し、最後まで諦めない姿勢が大逆転を現実にする。

 官邸に近い関係者は「あまりにも無風過ぎて怖い。これまでも、ちょっとしたことが大きな反動になったことがある。気を引き締めなければならない」と語った。

【私の論評】実体は民主党菅政権の立憲民主党に引導を渡せ(゚д゚)!

都内では、立憲民主党の動きが活発です。以下に都内の、選挙戦の状況をまとめておきます。

25選挙区中、与党が20の選挙区で優位に立つ。野党は、立民が5選挙区でリードする健闘をみせ、都知事の小池百合子が代表を務める希望は苦戦しています。

※「接戦」「競り合う」「互角」等の表現は、名前が前の方が僅かにリードしている状況を指します。

1区は、前回は民主党代表ながら落選した立民海江田が優勢に立ち、自民山田が追っています。

「安倍さんの歩いてきた4年10ヶ月はことごとく憲法を踏みにじった足跡だ!!」と訴えた海江田氏
2区も、立民松尾が自民辻をわずかに先行、希望鳩山は支持の広がりに欠けています。
自民辻氏に先行する松尾あきひろ氏
3区は自民石原が過去5回競り合ってきた希望結党メンバーの松原をリード。

4区は自民平が圧倒しています。

5区は、立民手塚と自民若宮が競り合う。自民から希望に移り国替えした福田は劣勢を強いられています。

自民若宮氏と競り合う立憲民主党手塚よしお氏 民主党時代のポスター
6区は、立民落合が左派系の票も取り込んでいるが、自民越智が優勢です。

7区は、知名度の高い立民長妻が優位に立ち、自民松本が追いかけている。希望荒木は失速気味です。

立憲民主党代表代行の長妻氏
8区は自民石原が立民吉田、希望木内を寄せ付けず圧倒しています。

9区も自民菅原が大きくリードしています。

10区は、自民鈴木が三つどもえの激戦から一歩先行、立民鈴木、希望若狭が追いかけています。

11区は自民下村が8選に向け他候補を圧倒。

12区は、公明太田が自民票も取り込み優位に立ち、共産池内は政権批判票の上乗せで激しく追っています。

13区は自民鴨下、14区は自民松島がともに優勢。15区も自民秋元が希望柿沢を引き離しています。

16区は、立民初鹿と自民大西が互角の戦い。希望田村は伸び悩んでいます。

自民大西氏と互角の戦いをする立憲民主党初鹿氏
17区は自民平沢が圧倒。18区は、自民土屋が優位に立つ中、立民菅が激しく追っています。

19区は自民松本が頭一つ抜け出し、立民末松が追う。20区は自民木原が大きくリードしています。

21区は自民小田原が希望長島をわずかに上回っています。

22区は自民伊藤が立民山花を抑えています。

23区は自民小倉を希望伊藤が追う。24区は自民萩生田、25区は自民井上がそれぞれ優勢です。

※希望の党の東京比例復活枠は現在の情勢だと3議席しかないので、長島・松原・柿沢・伊藤の惜敗率次第では若狭は比例復活すらできない可能性もあります。

最新のJX通信社 衆院選第4回情勢によれば、立憲民主党に無党派・政権不支持層から最多の支持を得ているそうです。

報道ベンチャーのJX通信社では、9月下旬以来毎週、東京都内で衆院選情勢調査を実施しています。10月14日(土)・10月15日(日)の両日に実施した最新の調査(第4回)では、比例東京ブロックでの投票意向首位は自民党で30%(1ポイント増)となる一方、第2党として立憲民主党が23%(5ポイント増)で続きました。2週間前の前々回調査で首位だった希望の党は2週続けて投票意向を減らし、16%(前回比2ポイント減)にとどまりました。

支持政党別では、支持する政党はないとしたいわゆる無党派層が30%(前回比4ポイント減)、自民党が28%(2ポイント増)となった他、立憲民主党が19%(4ポイント増)、希望の党が11%(2ポイント減)、共産党が6%(1ポイント増)と続きました。
東京都内では投票意向先、政党支持率ともに立憲民主党が希望の党を大きく上回り、第2党の位置を占める傾向が明確になったと言えます。
加えて注目すべきなのは、無党派層の投票先です。無党派の有権者に比例代表東京ブロックでの投票意向先を聞いたところ、最多となったのは立憲民主党の17%でした。前回まで無党派層で最多の支持を集めていた希望の党は16%となり、立憲民主党を1ポイント下回りました。
立憲民主党は安倍政権を支持しないとする「政権不支持層」からも最多の支持を得ており、東京都内では非自民・反政権票最大の受け皿となりつつあります。

希望の党を率いる小池百合子知事の東京都内での支持率は前週比3ポイント減の34%でした。不支持率は59%となり、今年1月の都内での調査開始以来最も高くなっています。対する安倍政権の支持率は41%で、不支持率は54%でした。

今回の調査に加え、過去の選挙結果や調査データをもとに衆院選比例代表東京ブロックでの各党の獲得議席(定数17)を予測したところ、自民党が6議席を固め、最大で8議席までの伸びしろがある状態で第1党となる可能性が高いです。続く第2党は立憲民主党で現状4議席を固めており、最大で6議席まで獲得できる可能性があります。希望の党は3議席を固めたが上限は届いても4議席と見られ、共産党と公明党はそれぞれ1~2議席にとどまりそうです。日本維新の会は1議席を獲得できるかどうか微妙な情勢です。


また、東京都内に25ある小選挙区では、支持を伸ばしている立憲民主党の候補が自民党候補と接戦になっている選挙区が複数あり、情勢が注目されます。東京の25小選挙区のうち、各党で獲得が見込まれる選挙区の数は上図の通りです。昨年の参院選では、事前の情勢分析の相場観よりも1人区で自民党候補が敗北するケースがやや多くなり「取りこぼし」を指摘されました。立憲民主党の候補擁立に関しては、公示間際に「野党共闘」の枠組みで共産党が候補を下ろした選挙区もあります。立憲民主党への支持が短期間で伸びたことで、東京都内の小選挙区でも同様の自民「取りこぼし」の現象が生じないか注目されます。

上では、立憲民主党の都内での状況をお伝えしましたが、この傾向全国に波及する可能性もでてきました。

それにしても、都内の無党派層の方々は、立憲民主党とは何者なのか理解されているのでしょうか。

そもそも、代表の枝野幸男は極左暴力集団革マル派からの資金提供について答えてないですし、立憲民主党は菅・枝野・辻元・長妻など菅内閣のメンバーそのままです。しかも菅は菅政権は良かったと未だに言っています。過激派との関係も深刻です。いわゆる彼ら支持する市民とは過激派かもしれないです。違うと言うなら枝野は革マルとの関係等を選挙前に説明すべきです。

有権者その中でも無党派層のみなさん 騙されてはいけません。 民進党は 「希望の党」と 「立憲民主党」の二つに分裂し 2種類の党名を名乗っていますが いずれにしても 元は”あの民進党”です そのことをお忘れなきように。


それは、立憲民主党の手作りの選挙カーをみてもよくわかります。以下に手作り前と、手作り後の写真を掲載します。

改造前
 
改造後
立憲民主党の生い立ちは、衆院選で民進党ではほとんどの議員が、当選できないことが予想されたため、 民進党の両院総会において、満場一致で希望の党へ の合流を決めました。 このときには、辻本議員も「小池さんは日本のメルケル、シンパシ-を感じる」と発言しました。 ところが、小池さんにゴミはいらんと廃除されました。その途端に 「 小池はクズだ!無所属出馬だ!  でも多くの議員が、無所属しんどい大変だということになり、 そうして、そのようなゴミの受け皿として、立憲民主党旗揚げされました。立憲民主党は、 まったく筋の通らない、ゴミのような人たちの集まりなのです。

そうして、このゴミと過去を比較すると、過去最悪の民主党菅内閣の主要閣僚が立憲民主党のメンバーであることがわかります。


このような立憲民主党は衆議院で日本を機能不全にできる拒否権(1/3)を狙っているとしか思えません。国会で、拒否権を発動されたら、日本は何もできなくなるかもしれません。しかも、共産党と希望の造反組と合算でそれを狙っているのでしょう。何が何でも、改憲を阻止したいのです。彼らは、かつての民進党と同じように考え方がバラバラなのですが、ここだけは一致しています。

立憲民主+希望+共産党の勢力が衆院で、本当に1/3以上になり、国会で拒否権を発動できるようになれば、いわゆるねじれ国会どころではありません。北朝鮮対応も満足にできなくなり、韓国、北朝鮮の思うがままにあしらわれるようになるかもしれません。そうなれば、米国などからも見放されます。そうなれば、日本は韓国・北朝鮮の属国になってしまうかもしれません。そうなれば、最終的には中国の餌食になるしかなくなります。これが、彼らの狙いでしょう。

この立憲民主党の動きは、いつか通った道を思い出させます。そうです。 8年前マスコミにだまされて出来た民主党政権の暗黒時代です。立憲民主党あの民進党の菅内閣と同じ顔ぶれです。 経済も日米同盟も他国のとの外交もぼろぼろになり、 中国と朝鮮半島は大喜びしました。現在は、やっと安倍政権が民主党政権でボロボロになった日本を立ち直らせている途中です。 立憲君主党を支持する人々は、また地獄に自ら落ちに行くつもりなのでしょうか。そこまで、考えていないというのなら、考え直すべきです。

だからこそ、自公圧勝報道に騙されるべきではありません。自公は最後まで手を抜かないで、取りこぼしのないようにしていたただきたいです。

そうして、有権者は過去の民主党の亡霊のような立憲民進党に今回の選挙で、引導を渡すべきです。
民主党菅政権

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