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2017年10月31日火曜日

立民、「首相の解散権制約」の不毛 民進“分裂騒動”の責任押し付けたいだけ 宇佐美典也氏緊急寄稿―【私の論評】立憲主義の立場からも首相の解散権は正しい(゚д゚)!

立民、「首相の解散権制約」の不毛 民進“分裂騒動”の責任押し付けたいだけ 宇佐美典也氏緊急寄稿

枝野氏は「首相の解散権制約」を主張する前にやるべきことがあるのでは
 立憲民主党の枝野幸男代表らが、憲法改正に関して「首相の解散権制約」を主張している。天皇の国事行為を定めた憲法7条に基づく衆院解散を問題視するもので、賛同する意見とともに、「総理大臣のパワーが落ちて、霞が関官僚が増長する」という意見もある。元経産官僚で、政策コンサルタントの宇佐美典也氏が緊急寄稿した。


 首相の解散権の制約に関する論議が活発化している。

 発端は、立憲民主党の枝野氏が24日の日本テレビの番組で、「(憲法9条改正論議を)したいと言う人がいるなら、そのこと自体は否定できない。その代わりに、首相の解散権制約も俎上に載せてもらわないといけない」と発言したことだ。

 「自衛隊は違憲」という学者すら多数いる憲法9条の論議と違い、「総理大臣が解散の決定権を持つ」ことには、現行の憲法解釈上ほぼ異論がない。

 つまり安倍晋三首相が提案している自衛隊の明記による憲法9条の解釈の確定は何も現状を変えるものではないが、「首相の解散権制約」は憲法に完全に新しい作用を付け加えることになる。この2つをてんびんにかけて交渉しようという枝野氏の態度は理解に苦しむ。

 実際、1952年の吉田茂首相以降、数々の首相が20回以上にわたり「解散権の行使」をしており、その中には、もちろん民主党政権の野田佳彦首相も含まれる。

それにも関わらず、ここに来て枝野氏が「解散権の制約」を唱えはじめたのは、今回の衆院選をめぐる民進党の分裂騒動の責任を、安倍首相の「大義なき解散」のせいにしたいからであろう。「安倍首相の大義なき解散のせいで、われわれは分裂させられたんだ」というわけである。

 何という被害妄想であろう。

 民進党が分裂したのは、思想も信条もバラバラの人が集まっていた野合政党であったことが原因で、今回の解散は分裂のきっかけに過ぎない。本当に民進党に大義があったならば、前原誠司代表が希望の党との合流を提案したところで、所属議員が止めたはずである。

 大体、首相の解散権を制約したところで、はっきり言って国民生活は何も変わらない。せいぜい、野党が首相の解散を恐れずにすむようになり、国会を好き勝手にかき回せるようになるくらいである。

 そんなことよりも、立憲民主党が今すべきことは、すでにゾンビと化した民進党に解党を迫り、残った100億円の政党交付金は国庫に返還させることだろう。

 人に大義を求めるなら、まず自分たちが大義を貫くべきである。

【私の論評】立憲主義の立場からも首相の解散権は正しい(゚д゚)!

上記の見方は、政治論による見方であり、この見方に意義を唱えるつもりは全くありません。しかし、このような見方は、全体の半分しかみていません。もう一つの見方とは、立憲主義による見方です。

今回の解散は合憲か違憲かを判断すると、明らかに合憲です。違憲だとすると日本国憲法の何条に違反するのでしょうか。枝野氏はそれを明確に示すべきです。

そもそも、これまで日本国憲法での衆議院解散は7条に基づいて行われてきました。それを何をいまさら違憲とするのでしょうか。解釈変更でもするのでしょうか。それこそ、護憲派の連中が批判してきた解釈改憲であり、立憲主義の蹂躙です。

このようなことを、立憲民主党という名称の党の代表が、言い出すこと自体が、異様です。
首相が何の制約も無く好き勝手に自分の都合の良いときに解散する。これは、立憲主義なのか非立憲主義なのでしょうか。明らかに立憲主義です。なぜでしょうか。今回のような解散に異議があれば、総選挙で自民党を敗北させればよいのです。そもそも、立憲主義とは総選挙によって示された民意によって多数を形成する政治なのです。
今回の選挙でも、有権者の多くが、今回の解散に反対であれば、自民党が大勝することはなかったでしょう。選挙の結果によれば、国民の多数が解散に反対ではなかったと判断していることは明らかです。
イギリス憲法を中途半端にかじって、「世界の趨勢は首相の自由な解散権を縛る方向にある」と主張する論者もいます。これは、本当に我が国にもあてはめることができるのでしょうか。解散には主に3つの方法がありますが、以下に述べるように、我が国ではいずれの運用にしても問題が発生してしまいます。
まず第一の方法である、解散権は首相の専管事項とすれば、首相が選挙に勝てると思うときに解散することになりがちです。確かに、弊害はあるでしょう。とはいいながら、他の方式にしても弊害があるのです。
第二の方法として、解散は与野党合意ですることすれば、現職与野党の談合を正当化することになります。記憶に新しいのは、三党合意による増税法案です。与野党の談合を正当化すると、国会の場で十分審議がされないまま、重要な法案が成立することを助長することになります。
第三の方法として、不信任された場合のみ解散ということになれば、行政と立法がねじれた場合、停滞することになります。さらに、これができるための前提条件として、与野党ともに近代政党でなければなりません。
ねじれ国会の状態では、衆参両院で政権与党が過半数を維持している状況とは違い、政権与党が参院で過半数を有する野党を納得させないと法案は成立しないために、参議院で衆議院と異なる議決が起こりやすくなります。これは、参議院の独自性の発揮とみなすことができますが、ねじれ国会が問題とされるのは、衆議院とは異なる議決が、政治および行政が停滞することになり、その損失が重視されるからです。


近代化政党とは聞き慣れない言葉だと思います。毎年のように、年末になると政党助成金を目当てに新党が結成されます。そもそも政党助成金は金権政治の温床となる無理な資金集めを解消するとともに、政党を近代化する条件で導入された制度です。ところが、「政党の近代化」という言葉はとっくに死語になっています。
 
近代政党には、三つの要素があります。

綱領、組織、議員です。

明確な理念をまとめた綱領がある。綱領に基づいて全国組織が形成されます。全国の政党支部が議員を当選させます。その議員たちは政策の内容で競い合い、自由で民主的な議論で党首を決めます。選ばれた党首は直属のシンクタンクとスタッフを有し、全国組織に指令を下します。この条件に当てはめると、自民党は近代政党ではありません。無論、他の野党も、近代政党とは言い難い状況にあります。

自民党が有する最大のシンクタンクは官僚機構(実体は財務省主計局)ですが、ヨーロッパの政党は官僚機構に対抗できるシンクタンクを自前で揃えています。
イギリスなどでは、自前でブレーンを用意して勉強した政治家だけが、党の出世階段を上ります。政治の世界の実体は、政党と官僚は化かし合いです。
フォン=ヒッペル英国王立防衛安全保障研究所 (英国の著名なシンクタンク略称RUSI)所長 
このようにいずれにしても、問題があることを前提として、我が国では日本国憲法での衆議院解散は7条に基づいて行われてきたのです。
今更この慣習だけを変えるということになれば、上記にあげたような弊害がおこるだけです。
特に日本では、総理の権限を奪ったとしたら結果として大喜びするのは官僚(その中でも特に財務省主計局)です。解散がスケジュール化されれば、官僚は総理のコントロールがより簡単になります。2014年のように消費増税を吹っ飛ばす解散もなくなります。総理の権限を落とせば官僚は各省大臣を籠絡するのは簡単なので、官僚内閣制は揺るぎないものになります。

安倍政権を許すまじということで、憎しのあまりに総理の解散権制約を言い出したら本当に危険です。憎かったら総選挙で勝つしかないのです。選挙で勝てないから総理の権限をしばりたいというのは邪道に過ぎないです。

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2016年3月13日日曜日

慰安婦捏造 「言語の壁」で責任を隠ぺいする朝日新聞 藤岡信勝(拓殖大学客員教授) ―【私の論評】「言葉の壁」を破る強力な助っ人登場(゚д゚)!


ジュネーブで開かれた国連の女性差別撤廃委員会の対日審査会合で、
日本の立場を説明する杉山晋輔外務審議官 =2月16日

二月十六日、ジュネーブの女子差別撤廃委員会で、日本政府を代表し、外務省の杉山晋輔外務審議官は、軍や官憲による強制連行を確認出来る資料がなかったにも関わらず、慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因について次のように述べた。(総合オピニオンサイト iRONNA)

(1)女性狩りの虚偽の事実を捏造して発表した吉田清治著『私の戦争犯罪』という本が、当時大手の新聞社の一つである朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、国際社会にも大きな影響を与えた(2)「朝日新聞自身も、2014年8月5日及び6日を含め、累次にわたり記事を掲載し、事実関係の誤りを認め、読者に謝罪した(3)朝日新聞は2014年8月5日付の記事で、「20万人との数字の基になったのは、通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と、ここで言う慰安婦を誤って混同したことにある」と自ら認めた。

このように、杉山審議官は、三度にわたって朝日新聞という固有名詞を出し、慰安婦問題の起こりを説明したのだった。朝日新聞という固有名詞こそ、この事実関係の核心である。

ところが、十七日付の朝日新聞の報道記事は、自社の誤報が国連で名指しされたことには一切触れていない。仮に自社の不名誉な内容の発言であるとしても、日本政府代表が新聞社の固有名詞を出して説明したのは客観的な事実なのであるから、それをスルーするのは、報道機関として失格だ。

さらに問題なのは、国連の女子差別撤廃委員会の議事録が、杉山発言の核心部分に当たる朝日新聞の名前を出さず、a leading newspaper in Japan (日本の大手紙の一つ)という表現で匿名化したことだ。しかも、朝日新聞の名前が二度目に登場する時も、議事録は、a leading newspaper というフレーズを繰り返した。そのため、奇妙なことが起こった。

「日本の大手紙」はもちろん何紙かあるだろう。だから、匿名化に際して初出で「a leading newspaper」とするのは当然だが、二回目以降は「the newspaper」としなければならない。なぜなら、ここに登場するのは、朝日新聞一紙だからである。議事録の新聞に関する言葉の指示対象は、あくまで朝日新聞である。ところが、英文でまた「a」を使ったため、もう一つ、別の「大手紙」が役者として登場しているかのような誤解を読者に与える結果となっている。

これは、日本政府代表が3回も名前を挙げた朝日新聞という固有名詞を消すという、作為的な議事録の改ざんが行われた結果である。その不正の痕跡が、不自然であるばかりか事実と離れた不正確な表現となって残ったのである。これは、国連の女子差別撤廃委員会の事務局の中立性に重大な疑念を抱かせるものである。

しかし、このような扱いは、国連の機関にとどまらない。朝日新聞に対する異例の批判をした日本の外務省も、この点に関して全く同じ流儀で資料を公表しているからである。すなわち、外務省のホームページには、日本文では朝日新聞という固有名詞が記録されているが、英文ではこれを公表していないのだ。

なぜ、朝日新聞の名前を公表するのを避けようとするのか。理由ははっきりしている。国際社会に、慰安婦問題が捏造された事実経過を知らせたくないのである。逆に言えば、朝日新聞の名前を出してこそ、世界の人々がこの問題の真相を具体的に理解することが出来るのである。

昨年の七月、国連対策に取り組んで来た民間団体「慰安婦の真実国民運動」による代表団の一環として、日本人の二人の女性が、発言した。山本優美子氏は英語で、杉田水脈氏はフランス語でスピーチをした。持ち時間はそれぞれわずか二分間。杉田氏は、吉田清治の嘘を朝日新聞が事実として報道したこと、朝日は記事を取り消していることを説明した。これについて委員の一人は「世界のメディアが知らされていたのとは反対の意見を聞いた。その意見の根拠を知りたい」と発言した。委員会は日本政府に説明を求め、それによって日本政府の今回の説明の機会が与えられたのである。

杉田水脈前衆院議員(前列中央)と山本優美子氏(前列右)
 事態はこうなっている。日本の周りは巨大な壁で囲まれている。言語の壁である。壁の内側は日本語の世界で、ここでは朝日新聞の責任は誰もが知っている。しかし、壁の外側の世界には、巧妙に隠蔽された情報だけが流される仕掛けになっている。この仕掛けを維持する強力な意思が存在する。一月十八日の国会における安倍首相の、「性奴隷」などを否定した答弁も、壁の外の世界のメディアでは完全に黙殺された。作為は一貫しているのである。

この「言語の壁」の存在とその利用こそ、日本の慰安婦の真実が世界に広がらない決定的な装置となっている。この壁が崩れたとき、日本の名誉が回復する筋道が開かれることになるだろう。(総合オピニオンサイト iRONNA)

【私の論評】「言葉の壁」を破る強力な助っ人登場(゚д゚)!

慰安婦問題に関して日韓合意をした安倍総理だが・・・・・
ブログ冒頭の記事は、"この「言語の壁」の存在とその利用こそ、日本の慰安婦の真実が世界に広がらない決定的な装置となっている。この壁が崩れたとき、日本の名誉が回復する筋道が開かれることになるだろう"と結んでいます。

この「言葉の壁」は厳しいものです。実際、杉田水脈氏が語っているように、杉田氏と山本氏に割り当てられた時間はわずか二分に過ぎなかったそうです。

杉田氏によると、左派系のNGO(非政府組織)の中には1人5分のところもあったそうです。そうして、左派系NGOの中には『コンサルティブ・ステイタス』という特権を持つ団体もあり、国連委員とランチミーティングできるなど、アピールの機会が彼女らより断然多く、有利だったそうです。

杉田氏や山本氏のように、「言葉の壁」を破ろうとし、発言したにしても、この有様です。これでは、本当に残念ながら焼け石に水としか言いようがありません。せっかく、樹ネーブまで赴いて、英語だけではなく、フランス語で話をしても、「言葉の壁」を破ることは困難です。

しかし、今後この「言葉の壁」を破る強力な助っ人が出現しました。

それは、誰あろう、安倍総理のブレーンである山本参事です。これについては、昨日ブログでも若干紹介しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍首相のブレーン本田参与、6月スイス赴任に高まる“消費増税先送り”―【私の論評】日本の積極財政の夜明けがはじまり、世界経済を牽引することになる(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、本田参与が、スイス駐在大使なる理由を以下のように示唆させていただきました。
それと、本田参与が駐スイス大使になることについては、私なりに考えてみたのですが、最近の国連の動きを牽制するためだと思います。

このブログにも掲載したように、スイス・ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会において、日本における「天皇男系継承は女性差別」と勧告しようとしてみたり、慰安婦問題に関する動きがあったたりで、この問題に対処する強力な人材を必要としています。

本田参与を駐スイス大使にするのは、こうした問題に対処させるという目的もあるのだと思います。
国際連合ジュネーブ事務局 
ここで、本田悦朗参与の経歴を掲載させていただきます。1978年、東京大学の法学部を卒業し、法学士号を取得した。同年、大蔵省に入省しました。

大蔵省入省後は、十和田税務署の署長を経て、本省で関税企画官や理財局国有財産第二課の課長を務め、同省の施設等機関である財務総合政策研究所では研究部の部長などを務めました。

また、外務省への出向経験も多く、在外公館としては在ソビエト連邦日本国大使館の二等書記官をはじめ、在ロサンゼルス日本国総領事館の領事、在ニューヨーク日本国総領事館の領事、在アメリカ合衆国日本国大使館の公使などを務めた。また、国際機関での経験も多く、世界銀行の金融セクタースペシャリストや、欧州復興開発銀行の日本代表理事などを務めました。

2004年より、財務省の地方支分部局の一つである四国財務局にて、トップである局長に就任しました。その後、外務省にて欧州局の審議官などを務めたのち、2011年に財務省の大臣官房にて政策評価審議官に就任しました。大蔵省、および、その後継機関である財務省には34年間在籍していました。

以上は、主に大蔵官僚としてのキャリアですが、大学教授としてもキャリアもあります。
2012年、財務省から静岡県立大学に転じ、国際関係学部の教授に就任しました。また、同大学の大学院では、国際関係学研究科の教授も兼務しました。なお、財務省時代にも、東京大学大学院や香川大学にて客員教授を兼任し、教鞭を執った経験を持ちます。

第2次安倍内閣の発足にともない、内閣官房参与を非常勤で兼務しています。同じく内閣官房参与に就任した浜田宏一氏とともに、主として国際金融を担当しています。2015年3月31日、静岡県立大学を退職しました。退職後は、同年4月よりTMI総合法律事務所にて顧問を務めました。なお、同月より、明治学院大学にて法学部の客員教授を兼任しています。

この国際経験も豊富で安倍総理ブレーンでもある本田参与が、2016年3月11日、閣議において、駐スイス大使に任命されたのです。ただし、実際に赴任するのは6月からということです。

安倍総理としては、アベノミクスのキーマンの本田参与が抜けるということですが、その前に先日も述べたように、点検会合や、伊勢志摩サミットでも十分に能力を発揮していただいた後で、スイス赴任していただくということなのでしょう。

そうして、アベノミクスのキーマンである、総理のブレーンである本田参与を国連の人権委員会などがある、スイスジュネーブに中スイス大使として送り込むということで、この問題に対する安倍総理のなみなみならぬ決意が伝わってきます。

おそらく、今年の夏くらいから、国連人権委員会などで、様々な動きが見られることになるでしょう。

経済も重要ですが、慰安婦問題の解消も重要な問題です。本田参与には、経済でも、慰安婦問題でも、辣腕を奮っていただきたいものです。


言葉の壁を破る強力な助っ人が・・・・


そうして、本田悦朗氏は駐スイス大使として、現地で様々な情報収集にあたり、女子差別撤廃委員会のみに限らず、国連の様々な日本に対する、思い込みや間違いを払拭して、「言葉の壁」の崩壊をやり遂げることと思います。

本田悦朗氏が現地で活動すれば、日本から海外に正しい情報が伝わり、海外から日本へも正しい情報が伝わるようになります。朝日新聞もこれからは、なかなか捏造をしにくい状況になることでしょう。

安倍総理は、本当に素晴らしい人を駐スイス大使に選んだものだと思います。「言葉の壁」を破る上において、今の日本でこれ以上の人選はないかもしれません。


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2016年2月12日金曜日

TPP合意にかけた或る外交官の死―【私の論評】日本のエリートの本質である、現代にも存在する武士道精神!



早逝された、外務省前経済連携課長松田誠氏

2月4日、ニュージーランドで署名されたTPP=環太平洋パートナーシップ協定。日本が参加してから2年余りに及んだ交渉には、外務省、経済産業省、農林水産省など霞が関から多くの官僚たちが交渉官として携わりました。
12か国の国益が激突し、時に夜を徹して続いた厳しい協議。そうしたなか、内外の交渉官から信頼を集めながら49歳で急逝した外交官がいました。『彼なくしてTPPは実現しなかった』と首席交渉官が語るその人はどのような官僚だったのか、経済部の伊賀亮人記者が報告します。

首席交渉官が合意を報告した相手は


「難しく長い交渉でしたがようやく合意できました。感謝申し上げます」

去年10月、日本のTPP交渉団の事務方トップ、鶴岡公二首席交渉官が合意の直後、現地アメリカから真っ先に報告した相手がいました。

TPPの関税分野の交渉官で、合意の半年前、49歳で急逝した外務省の前経済連携課長、松田誠さんの妻・智子さんです。

「松田さんなくしてTPPは実現しなかった。できるかぎりの誠意を示したかった」

鶴岡氏は、亡くなった松田前課長が最期に携わった交渉の成果を本人に伝える気持ちで報告をしたかったと振り返ります。

交渉がいよいよ大詰めを迎えた局面での松田さんの突然の訃報は、霞が関に大きな衝撃を与えました。

鶴岡氏が真っ先に報告したかった松田さんとはどんな官僚なのか。

同僚たちに話を聞きたいと持ちかけると、ふだんはマスコミ対応に慎重な人まで「彼のことなら」と口を開き、「『こういう官僚がいた』ということを知らせてほしい」と多くの同僚が心を許して語り始めました。


異色のキャリアと数々の功績

松田さんの経歴は異色です。京都大学工学部で原子核工学を学んだあと、経済学部に転籍し外務省に入りました。英国留学をへて中東地域や安全保障政策、国際法を担当する部署などを歴任。優れた分析力と学生時代、陸上部のキャプテンを務めたリーダーシップで、次々と業績を上げました。

2002年、当時の小泉総理大臣が初めて北朝鮮を訪れキム・ジョンイル(金正日)総書記と首脳会談を行なった際には、担当課で交渉にあたりました。また、ワシントンの日本大使館勤務では、2004年のアメリカ大統領選挙の分析などを担当。共和党・ブッシュ大統領と民主党・ケリー候補の激しい選挙戦をち密で科学的に分析した報告は「理想の情勢分析」と今でも外務省内で語り草になっています。

責任感の強さ

同僚たちは能力の高さだけではなく、外交官としての使命感や責任感の強さを指摘します。

ワシントン勤務のあと松田さんは人事課に配属されました。人事課は、国益を代表する世界各地の大使館に誰を送り込むか、重要な国際交渉の担当に誰をつけるか検討する重要部署です。しかし、危険な紛争地域に同僚を送るつらい仕事でもあります。

人事課のあと、松田さんはみずからアフガニスタン大使館への赴任を志願しました。当時、2010年ごろ、アフガニスタンでは自爆テロなどが後を絶たない不安定な情勢が続き、志願の配属に省内では驚きが広がったといいます。

その理由を多く語らなかったそうですが、「人事課にいた自分が行くからこそ意味がある」と話していたそうです。

親しい同僚は「危険な任地を受け入れた人たちに感謝していたからこそみずからも赴く必要があるという考えだったのではないか」と語ります。

緊張した生活が続くアフガニスタンでは、2012年に日本の呼びかけで開かれたアフガニスタンの復興と開発を支援する会議を担当。参加した約80の国と国際機関の調整役を担い、総額160億ドル規模の支援策を取りまとめ、ここでも大きな功績を残しました。

交渉能力の高さと信頼を集めた誠実さ

その松田さんがTPP交渉の責任者の1人に就いたのは2014年8月。日本が交渉に参加して1年余りがたった頃でした。

その頃、取材で向き合った私自身、「TPPは日本にとってどのような意味、価値があると思うか」と問いかけられたことを思い出します。物事を本質から理解して臨もうとする松田さん特有の問いかけでした。

松田さんは、先に交渉を担当していた同僚や部下が驚くほどのスピードで交渉の経緯や内容、課題を把握していったそうです。

まず取り組んだのが世界の貿易に関するルールづくりの基礎となるWTO(=世界貿易機関)協定を読むことでした。読むといっても1000ページにも及ぶ大部。通常は自分が担当する部分だけ読むという外交官が多いそうです。しかし、松田さんは交渉を統括する立場としてすべて読み込んだだけでなく、わずか1か月ほどの間に専門の担当官よりも内容に精通していたといいます。


また、松田さんの誠実な姿勢が難しい交渉を前進させたと多くの同僚が指摘します。TPP交渉に参加する東南アジアや南米の新興国は保護主義的な制度を多く残しており、先進国との交渉は難航する場面がよく見られました。松田さんは、交渉相手国の交渉官に対して、一方的に要求を押し付けるのではなく、相手の事情を理解したうえで一緒になって解決しようという姿勢を貫き、大きな信頼を獲得していったそうです。

通商交渉のなかでも最も難しい分野の一つとされる関税分野の交渉は、ちょうど松田さんが担当になった頃、厳しさを増していました。

鶴岡首席交渉官は「松田さんは最終的にできあがった合意の基本線をつくった責任者の1人だ」と証言します。

あまりに突然の死

松田さんは、その能力の高さだけではなく、部下からも尊敬されていました。「憧れの存在でした」と語る後輩もいます。

上下の関係なく他人の話をよく聞き、部下を信頼する人だったと周囲が口をそろえます。趣味が料理という意外な一面もあって後輩たちを連れてよく食事に出かけ、家族を大切にするよう日頃から説く家族思いの人でした。

健康にも気を遣い、ランニングをしたり無駄な残業はしないという人だったため、亡くなったことを今でも信じられないと話を聞いた全員が言います。

ただ、私自身、交渉会合の度に連日深夜、時には夜を徹しての交渉や国内との調整が行なわれている様子を見てきました。特に亡くなる直前の3月中旬に行なわれた首席交渉官会合は、毎日数時間の睡眠もとれない状況だったということで、知らず知らずのうちに健康が蝕まれていたのではないかと思います。

松田さんは桜が咲く去年3月下旬、自宅で倒れ、虚血性心不全で亡くなりました。49年の人生を駆け抜けて行ったのです。

松田さんの死は、TPP参加国の交渉官らにも衝撃だったそうで、交渉会合では直接の交渉相手だけでなく、その上司である首席交渉官からも弔意が示されたということです。

TPPの先を見すえて

その松田さんが、最後に取り組んでいたのが、TPP交渉後の日本の通商戦略をどう打ち立てるかということでした。

当時、交渉が最終局面を迎えていたとは言え、まだ合意できるか分からない状態で、すでにその先を見すえていたというのです。

交渉に参加していない国に今後どのように加盟してもらい、TPPのルールを国際的に共通化し、日本にメリットをもたらすのか考えていたというのです。

取材のたび、私は「『国益』のために頑張ってください」と声をかけられました。何が日本のためになるかを常に思い巡らしていたからこそ発せられたことばだったと思います。

TPPは日本企業の海外進出にメリットがある一方で、農業を初めとした国内産業への影響が懸念されているのは事実ですが、志半ばにして亡くなった松田さんが思い描いたTPP後の世界が「国益」にかなうことを願ってやみません。



最近ニュースを見ていると、何やらうんざりすることばかりで、我が国日本や日本人はどうなってしまったのかなどと、鬱々とした気持ちで過ごしていました。

そんな中で、上の記事を読んでいて、亡くなったことはとても残念なのですが、そうではない人も存在するということを思い起こしました。

しかしながら、本日の大きなニュースというと、例の"ゲス不倫"宮崎氏の不倫騒動です。先には、清原の覚せい剤使用のニュースがありました。何やら、最近はこの種の報道が多かったように思います。

このような問題だけではなく、国内ではマスコミの報道ぶりがまた一段と劣悪になっていることをうかがわせるものが多いです。

マスコミは、世界経済の変動による最近の株安・円高をまるでアベノミクスの失敗のように囃し立て、あろうことか、マイナス金利まで、その要因の一つであるかのごとく報道していて、この低劣ぶりは本当にどうしてしまったのかと忸怩たる思いがしました。

それに関しては、長谷川幸洋氏が、最近の株安・円高は断じてアベノミクスの失敗によるものになく、中国の経済低迷なども含む世界経済の変化であることを主張しておられます。以下に、その記事のリンクを掲載します。
円高・株安は断じて「アベノミクスの限界」ではない!~中国の大不況が原因なのに、政権批判に転じるマスコミは破綻している

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、現在の株安・円高は国際情勢の変化によるものであって、どの方向から検討してみても、絶対にアベノミクスの限界などではありません。

ましてや、マスナス金利が関連しているなどとは全くの間違いです。日本の日銀が何か国内で有効な政策を打ったからといって、世界の経済を変えることはできません。日本国内ですら、金融緩和やマイナス金利政策を行ったからといって、すぐに国内の実体経済がすぐさま変わるということはありません。

にもかかわらず、ほとんどの新聞が、あろうことか、産経や夕刊フジまで、マイナス金利が悪影響を及ぼしたかのうよな報道ぶりです。

長谷川氏の主張を簡単にまとめると、円高・株安が進んだ原因は、一言で言えば、世界経済が先行き不透明で「安全資産」とみなされた円に投資マネーが集中したからということです。中国のバブル崩壊やそれを一因とした原油安、欧州の金融不安、米国の利上げなどが重なって世界経済の不透明感が強まったのです。

そんな中で世界の投資マネーが日本円と日本国債に逃げ込んだのです。だから円高、長期金利の低下になって、かつ円高が株安を招いたという構図です。日銀のマイナス金利政策は導入直後のマーケットがそうだったように本来、円安・株高につながるのですが、政策効果を帳消しにするほどグローバルな投資マネーの勢いが強かったのです。

こんなことは、少し考えれば、当たり前のどまんなかで、誰でも容易に理解できるはずでです。

そうして、このあたりをきちんと理解して書いていたのは読売新聞(11日付)やフィナンシャル・タイムズ(10日付)の社説くらいだそうです。

ほんとうに驚くほどの、マスコミの破綻ぶりです。長谷川氏は、このマスコミの破綻ぶりで触発された民主党の細野豪志政調会長が10日の衆院予算委員会で「マイナス金利によって円高・株安になった」と批判したことを糾弾しています。

細野氏も、本当に破綻しています。細野氏は、新聞の下請けをやっているとしか思えません。それどころか、最近の民主党など、まるで週刊文春の下請けをしてるようなありさまです。

それにあの、"ゲス不倫"の宮崎などの話を聴いていると、本当に今のマスコミや政治家など一体どうしてしまったのだと本当に忸怩たる思いがしました。

記者会見で議員辞職する意向を表明し、頭を下げる自民党の宮崎謙介衆院議員
宮崎というと、最近では「不倫」問題ばかりが注目されていますが、その前のいわゆる「育休」に関する奴の発言は、まるでなかったかのような状況になっています。

私自身は、企業や役所などにおいて、男性も「育休」がまともにとれるようにすること自体に関しては、全く賛成です。

しかし、国会議員が率先して取得ということになると、疑問符がつきます。企業でも、「育休」の取得とか、休みの取得などは従業員当然の権利であって、これを妨げるような要件はいずれ取り除いていくべきものと思います。

しかし、同じ企業でも、取締役などの役員は別物だと思います。従業員の場合、何時から何時までと労働することを義務付けられています。しかし、役員は違います。朝定時に出て、夜定時に帰ったり、残業したら残業届けを、出して手当をもらうことなど義務付けられていません。

また、休みだって、定休があるわけでもないし、休みたければ自由に休むこともできます。無論、取締役会などの重要な会議には出席しなければなりませんが、一般の従業員のように就業規則の縛りがあるわけではありません。

役員の縛りは、取締役規程などに定められたもののみでそれには何時から何時まで働くとか、いつ休みをとるとか、細かいことなど定められていません。あくまで、大まかな方向性のみが記されているだけです。

そうして、責任は一般従業員よりははるかに重いです。さらに、雇用保険などもありません。労働基準法なども適用されません。無論、育休など適用除外というかそのような規則はありません。育児のため休みたいというのなら、自分の裁量で経営に差し支えない範囲で休むということになります。

国会議員といえば、公人です。企業の役員ですら、このようなことが当たり前なのですから、国民から選ばれた公人である政治家は、さらに責任が重いわけですから、「育休」などの制度を設ける必要などないはずです。休みたければ、わざわざ「育休」などといわず、自分の裁量で取ればよいだけの話です。

国会議員であれば、国会にだって、毎回必ず何時から何時まで、出席しなければならないという縛りもありません。確かに、選挙運動も忙しくて大変ではあると思います。しかし、その選挙運動だって、何時から何時までと、時間を拘束されるものではありません。

休みたければ、自分の裁量で休めば良いだけです。それで、選挙に落ちてしまえば、どうしようもないですが、そこは自分の判断で、活動をするときは活動して、休みにするときは休みにするということで良いはずです。

では、企業の役員や、政治家など、企業の一般従業とは異なり、なぜ時間を拘束されないかといえば、それは責任の重大さの違いです。役員は、労働者ではありません。一生懸命労働者にいり混じって、労働しても何も評価されません。評価されるべきは、経営に関することです。

政治家も同じことです。官僚などといり混じって、行政事務をしても何も評価されません。評価されるのは、国政に関することです。

責任が重いからこそ、企業の従業員のように勤務時間を拘束されたりすることはないのです。にもかかわらず、「育休」などとは何事かといいたいです。

マスコミや民主党の座右の銘?


この国会議員の「育休」に関しては、なぜか多くの人が、宮崎の主張におもねる人が多かったように思います。特にテレビなどの報道はそのようなものが多かったです。

これにあからさまに反対意見を述べたのは、橋下徹氏くらいなものだったと思います。「自営業者なら、休みたくても休めない、そのことを考えれば、問題外」と吐き捨てるように語っていました。実は、私もこの意見に賛成です。私自身も、中小企業ながら、比較的若い頃から役員だったので、なりたての頃は1年以上もほぼ休みなしで仕事をしていた時期もあります。

しかし、自営業者に限らず、企業の役員ともなれば、多かれ少なかれ従業員を雇用しなければならず、さらに多くの取引先の助けをもって、事業を展開しているわけですから、責任の度合いが全く違います。

国会議員だってそうです。国政が悪ければ、国は大変なことになります。それに、企業の役員などは、個々の企業の取締役会での選出ということになりますが、国会議員は、多くの有権者が選ぶのです。その責任は、本来は企業の取締役などの責任などとは比較の対象ともならないほどの、重いものであると思います。

そもそも、役員や国会議員は本来自分でなりたいと思ってなれるものではありません。役員は、取締役会での選出、国会議員は選挙での選出ということになります。

そういう意味では、役員や、国会議員はエリートということができると思います。エリートというと、倉山満氏が一度「エリートの定義」をツイートしていたのを思い出します。

そのツイートを以下に掲載します。
確かに、国会議員は東大を出ていないとなれないとか、偏差値の高い大学に入っていないとなれないなどということはありません。企業の役員だってそうです。一部上場の大企業であれば、東大卒などはいて捨てるほどいる中から選定されます。そんな中では、東大出身とか、偏差値が高かったなどということは何の意味も持ちません。

切腹の作法
あくまで、もっとも注目されるのは、責任の重大さに耐えられるかどうかの観点になると思います。ただし、国会議員の選挙や、企業の役員の選定にあたって、実際にこれが重視されているかは別問題です。最近の宮崎のような議員をみていたり、東芝の旧社長らなどをみていると、そうとは限らないことが良く理解できます。

しかし、本当のエリートの定義は「当人の命よりも責任が重い人」ということです。

責任のない人は、自分の命が大事なのだと思います。自分の命を太く未来につなげていくことが一大事なのだと思います。

"ゲス不倫"の宮崎は、そのような本能が人一倍強いのだと思います。まあ、そうはいいながら、昔から英雄色を好むともいわれで、女性と不適切な関係を持つエリートもいましたが、それでもエリートととしての矜持はもっていたし、責任は全うしたものと思います。だからこそ、許容されたのです。

そうして、大勢の命を未来につなげるために、本来の意味のエリートが命がけで、守るべきことを守り変えるべきことを変えているからこそ、国や産業が発展していくのだと思います。

宮崎に関しては、非常に悪いタイミングで不倫をして、さらに「育休」を取ることを宣言したことも手伝って、あのような結果を招いたのだと思います。

そもそも、本来エリートは命がけでなるものなのです。偏差値の高い大学に自分の子どもを入れようとしている親の大部分は、そんなことは考えてはいないでしょう。

一昔前ならば、武士の家に生まれれば、自分がどう考えようとも、そういうエリートになるものとして育てられたわけです。いざというときに、責任を取るために、切腹の作法も学ばせたのです。

しかし、今の時代は、エリートになるならないは自分の出自に関わることで決まるのではなく、選択することができます。そのためでしょうが、そのような自覚に乏しいエリートが増えたきたように思います。そのような自覚がない人は本らいエリートになるべきではないです。今の日本では、エリートにならないという道は本当に簡単に選択できます。

日本の武士の写真
しかし、今の日本は、様々なことが乱れているようではありますが、ブログ冒頭の記事の松田誠氏のような方もいらっしやるのです。松田氏は、まさに「自分の命よりも責任が重い」と自覚されていたのではないでしょうか。

無論亡くなったことは非常に残念なことなのですが、それだけとてつもなく大変な交渉だったのでしょう。本来ならば、この交渉の経緯を松田氏自身の言葉で聴きたかったものです。そのために、この記事を書いた記者も、松田氏に接触をしていたのでしょう。

松田氏は、本来の意味でのエリート意識が高い人だったのでしょう。それが悪い結果を招いてしまったのかもしれません。本当に残念です。

しかし、今の日本、本来はエリートであるべき人がエリートらしからぬ行動をとるのが、目立ちますが、それはやはり、目立っているのだと思います。マスコミも、目立つであろうことを想定して、報道するのだと思います。

だから、一見、エリートらしからぬ人が目立ってしまうのですが、一方で松田氏のように「責任感」が人一倍強い人もいるのです。

今回、このような報道がなされたので、松田氏のことを知る機会を得たのですが、おそらく今でも各界にこのように努力されており、責任感の強い人がこの日本には大勢いらっしゃるのだと思います。無論実数は全体から比較すれば、少ないのでしょうが、そもそもエリートなど少ないのが当たり前です。だからこそ、日本は何があっても、びくともせずに存在し続けているのだと思います。

無論、官僚の中にも、政治家の中にも、企業の中にも、マスコミの中にも存在していて、人知れず努力をされているのだと思います。

そのような責任感は、やはり武士道に相通じるところがあるものと思います。このような事実を知ると、現在にも現代風に姿形は変わっても、根底の大事なところでは変わらない、武士道が息づいているのだと思います。

マスコミも"ゲス不倫"のようなことばかり報道していないで、このように「責任感の強い」人を報道して、光をあてるようにしていただきたいものと思います。それが、将来の日本の本当の意味でのエリートを育てることにつながるかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年1月21日水曜日

【イスラム国】日本人2人殺害を警告 72時間以内に2億ドル要求―【私の論評】「テロの対象になって当然、責任はアベにある」とする輩は憲法9条で武装させ、彼の地に「人質救出作戦」に赴かせ「話し合い作戦」を敢行させ、全員玉砕させよ(゚д゚)!

【イスラム国】日本人2人殺害を警告 72時間以内に2億ドル要求



AP通信によると、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が20日、身代金2億ドル(約236億円)を72時間以内に支払わなければ、拘束している湯川遙菜さん(42)ら日本人2人を殺害すると警告するビデオ声明を発表した。

ビデオでは、英国人とみられる男性戦闘員が、「(日本は)イスラム教徒の女性や子供を殺害し家を破壊するために1億ドルを寄付した」などと述べ、日本が米国主導の有志連合による対イスラム国軍事作戦を支援していると非難した。

湯川さんはシリア反体制派「自由シリア軍」やイスラム戦線などの混成部隊に同行していた昨年8月、内戦中のシリア北部アレッポ郊外でイスラム国に拘束されたとみられる。

ビデオ声明では、もう1人の男性の名前をケンジ・ゴトウ・ジョゴとしており、シリアなどで取材活動を続けていたフリージャーナリストの後藤健二さんの可能性がある。

【私の論評】「テロの対象になって当然、責任はアベにある」とする輩は憲法9条で武装させ、彼の地に「人質救出作戦」に赴かせ「話し合い作戦」を敢行させ、全員玉砕させよ(゚д゚)!

犯人は2億ドルの身代金を要求していますが、これは現時点で日本円に換算すると、230億円以上です。イスラム国などは、このようなことをしても日本は何もできませんから、強気に出ることができます。菅官房長官は、昨日「最大限の努力をする」と述べていましたが、実際にはなかな難しいと思います。

そもそも、イスラム国は日本に経済的に依存しているということもないため、交渉するにしても、交渉カードがありません。日本以外の一般的な国なら、イスラム国に対して報復することをちらつかせたり、実際報復することもあり得ます。しかし、日本は無理です。

しかし、本当は、報復などができるようにすることが、日本の安全保障に大きく寄与すると思います。

上記のニュースに関する、マスコミ等の報道に西村幸祐氏がツイート以下のような苦言をていしています。
私も全く同様に思います。

これに関しては、池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)がご自身のブログでマスコミに対して、問題提起しています。そのURLを以下に掲載します。

「イスラーム国」による日本人人質殺害予告について:メディアの皆様へ
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結論部分のみ以下に掲載させていただきます。
*「イスラエルに行ったからテロの対象になった」といった、日本社会に無自覚に存在する「村八分」の感覚とないまぜになった反ユダヤ主義の発言が、もし国際的に伝われば、先進国の一員としての日本の地位が疑われるとともに、揺さぶりに負けて原則を曲げる、先進国の中の最も脆弱な鎖と認識され、度重なるテロとその脅迫に怯えることになるだろう。 
特に従来からの政策に変更を加えていない今回の訪問を理由に、「中東を訪問して各国政権と友好関係を結んだ」「イスラエル訪問をした」というだけをもって「テロの対象になって当然、責任はアベにある」という言論がもし出てくれば、それはテロの暴力の威嚇を背にして自らの政治的立場を通そうとする、極めて悪質なものであることを、理解しなければならない。

海外で日本人が狙われたケースは無論、今回が初めてではありません。


イスラム国に限らず、これからも様々なテロリストが日本人を人質にして、今回のような事件を起こすことは十分あり得ます。

あなた自身や、あなたの大事な人たちが、人質になることは十分ありえることです。

そんなときに、日本政府が何もできないというのではあまりにも情けないです。

以下は、倉山満氏が特別今回の出来事に関連したものではなく、前から何度かツイートしているものをまとめたものです。
生麦事件という出来事が、幕末にありました。これは、島津の殿様の大名行列をイギリス人が横切ったので薩摩藩士が、イギリス人を一人斬り殺したというものです。当時のイギリスが何をしたかといえば、最初は、薩摩と直接話し合ったのですが話し合いでも金でも解決出来ませんでした。 
横浜開港資料館の展示物
そこで、大英帝国が何をしたかといえば、インドから艦隊を率いて鹿児島を火の海にしました。この戦闘では、英国側で18人死にました。薩摩藩は早めに疎開していたので、あまり死人は出ませんでした。 
このように、たった1人の権利を国家の総力を上げて多くの犠牲を出してもでも、守るのが主権国家です。いざとなったらその覚悟をする準備を常にしておくのが主権国家なのです。 
主権国家とは、場合によっては、たった1人の権利が侵害された時ですら国家が総力を上げて守るぞって覚悟と準備をしている国なのです。だから本当に殺し合いが嫌だ、戦争が嫌だ、イスラム国のようなテロリストの人質になるのが嫌なら、外国がこいつとは喧嘩したくないなと思わせる力を持つべきなのです。

こういう観点からすると、日本は主権国家とは言いがたいです。日本も当然のことながら、主権国家となるべぎです。

今回の、事件で、池内恵氏が警告しているように、「テロの対象になって当然、責任はアベにある」という語る輩に対しては憲法9で、武装させて、人質救出作戦のタスクを組ませ、イスラム国に赴かせ、イスラム国に対して「話し合い攻撃」を敢行させれば、良いと思います。その結果は、当然のことですが、全員玉砕です。こんなわかりきったことをわからない人が、今の日本では多すぎです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年1月3日土曜日

【北サイバー攻撃】北朝鮮に責任取らせる オバマ氏、経済制裁の大統領令に署名―【私の論評】マスコミが報道しない世界の動きの背景を知り、戦後体制からの脱却は、決して非現実的でもないし、夢物語ではないことを認識せよ(゚д゚)!


記者会見で北朝鮮のサイバー攻撃について語るオバマ米大統領=2014年12月19日、ホワイトハウス














オバマ米大統領は2日、ソニーの米映画子会社に対するサイバー攻撃への対応として、北朝鮮政府と朝鮮労働党に経済制裁を科す大統領令に署名した。米財務省が発表した。

サイバー攻撃を理由とする米国の対北朝鮮制裁は初めてとみられる。北朝鮮の情報・工作機関である偵察総局など3組織と10個人を制裁対象に追加指定した。米金融市場へのアクセスや米国民との商取引が禁じられる。

金正恩第1書記暗殺を描いたパロディー映画公開に動いた同社に対するサイバー攻撃をめぐっては、米連邦捜査局(FBI)が北朝鮮による犯行と断定したが北朝鮮側は否定。今回の米側措置は、攻撃が北朝鮮によるものであるとの強い確証を反映するとともに、厳しい態度で臨む米国の立場を強調したといえそうだ。

ルー財務長官は「北朝鮮に破壊的な行為の責任を取らせるというわれわれの決意を示すものだ」と説明した。

【私の論評】マスコミが報道しない世界の動きの背景を知り、戦後体制からの脱却は、決して非現実的でもないし、夢物語ではないことを認識せよ(゚д゚)!

オバマ大統領どうしたのでしょうか、この素早い対応。少し前のオバマからは考えられないような変貌ぶりです。

そういわれてみれば、オバマ大統領が、キューバとの国交正常化の交渉に入るという声明を発表したときから風向きが変わってきたように思います。これについては、このブログでも掲載したことがありますので、その記事を以下に掲載します。
「断固たる反対」中国外務省、米の台湾へのフリゲート艦売却に猛反発 報復措置も示唆―【私の論評】まともにニュースの背景を説明できない、メディアは、もうすでにその社会的使命を終えたか(゚д゚)!
訪問先のキューバ・ハバナでフィデル・カストロ前国家
評議会議長と会談した中国の習近平国家主席(左)
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から、オバマ大統領がキューバとの国交正常化の交渉に入ることになった背景などを解説した部分のみ以下に掲載します。
ソ連崩壊以来、キューバにはロシアの支援はほとんどなかったため、キューバは何というか、宙に浮いた形でした。このままでは、衰退し続けてとんでもないことになるのは必定でした。 
これに乗じて、習近平は、キューバを訪問して、崩壊したソ連、そうして今やGDPが日本の1/5の小国に成り果て、支援などおぼつかないロシアに肩代わりして中国が経済・軍事支援をし、米国の喉もとのキューバを親中国家に仕立てようとの目論見を企てたのです。 
習近平のキューバ訪問では、習は、キューバの経済発展を「断固として支える」と表明しました。キューバを取り入れて米国の「内庭」を荒らす戦略的意図が見え見えです。米国・キューバの関係正常化交渉開始は明らかに、中国の影響力をこの地域から排除する米国の決意に基づくものです。

このような中国の行動を放置しておけば、またキューバ危機の二の舞いになりかねません。オバマ大統領は、外交に消極的で、そのためシリアや、イラク、ウクラナイなどでも、失敗を重ねてきました。これらの地域では、はやめに対処していれば、あまり問題にならなくてすむようなことでも、オバマの優柔不断により、問題をより複雑化させてしまいました。

しかし、これらは、アメリカの権益にかかわることではありますが、それにしても、アメリカ本土から相当離れているため、アメリカの安全保障にはあまり影響はありませんでしたが、キューバと中国が結びつきを強め、中国がここに兵器や、軍隊を送り込んだ場合かなりの脅威となります。

米中関係が、悪くなった場合、米国本土が直接中国の脅威にさらされることになりかねません。これを放置しておけば、場合によっては、第二のキューバ危機に発展するということも考えられます。このような脅威は、アメリカ国民も許容できないと思います。

そんなことは、さすがに及び腰のオバマも許容できなかったのでしょう。それに、オバマが及び腰でも、アメリカ議会もこれを許すことはないでしょう。これを許せば、せっかくソ連が崩壊して、冷戦構造が消え去ったにもかかわらず、今度は中国による新たな冷戦構造が生まれてしまいます。
この記事では、こうした背景を説明せず、オバマ大統領が突如として、キューバと国交回復の交渉に入ったかのような日本のマスコミの報道ぶりについて、糾弾しました。

このキューバとの国交回復については、その後あまり報道されていませんが、この交渉はアメリカ議会の反対派もいて、一筋縄ではいかないかもしれません。 議員の中には、キューバとの国交回復は、キューバの人権保護と民主化の発展に何ら役立たないと考える人も多いです。彼らは、米・キューバの国交回復は、カストロ体制が何世代にもわたり、政権の座に居座りつづけるために必要不可欠な経済制裁の解除を実現するためには、多いに役立つかもしれないと考えています。

金正恩第1書記暗殺を描いたパロディー映画のポスター

しかし、今回の北朝鮮への制裁に関しては、議会も賛成のようであり、このような素早い対応ができたと考えれます。そもそも、2014 年 7 月 28 日に、連邦議会下院は、北朝鮮に対する初の包括的な制裁法である「北朝鮮制裁強化法案」(H.R.1771)を可決しました。

これは、北朝鮮の核弾道ミサイル等の大量破壊兵器の脅威、通貨偽造やマネーロンダリングを通じた金融システムの悪用、重大な人権侵害等に対処し、金融制裁の強化により、同国の資金調達を阻止し、核兵器等開発計画の中止及び最終的な廃絶に追い込むことを目的とする。

具体的には、制裁対象となる北朝鮮高官やその協力者の入国を禁止し、米国内における全資産を凍結するのみならず、北朝鮮による核拡散、密輸や人権侵害に加担する第三国の個人や金融機関に対しても、米国政府に制裁を認めるものです。

また、北朝鮮の貨物に対する検査義務の履行が十分でない港や空港から到着する船舶や航空機に対する検査の強化等も規定しています。ただし、同法案は、来年 1 月 3 日の現議会期の終了までに上院で可決されない場合、自動的に廃案となります。

米上院のメネンデス外交委員長(民主党)は昨年12月19日、ソニーの米映画子会社を狙った北朝鮮のサイバー攻撃は「テロ行為の定義に該当するとみられる」として、北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう促す書簡をケリー国務長官に送りました。

メネンデス氏は北朝鮮のサイバー攻撃が「芸術の自由を圧迫する容認できない検閲」であり「危険な前例となる」と非難しました。

ロイス下院外交委員長(共和党)は声明で、オバマ政権が北朝鮮への金融制裁に及び腰になっていると批判。年明けに開会する新議会で、北朝鮮への制裁強化法案を成立させる必要性を訴えました。



さて、今回は、「北朝鮮制裁強化法案」の成立を待たずして、大統領令により、制裁措置をとることにしたものです。米財務省はこれを受け、北朝鮮の情報・工作機関の偵察総局など3団体10個人を制裁対象に指定しました。

このオバマの対応に関しては「北朝鮮制裁強化法案」が上院を今の時点では、通ってはいないものの、やはり議会の主な派閥の後押しもあったものと思います。

今回、またもやオバマが及び腰で対応していれば、北朝鮮が何かしても、アメリカは素早く対応できないということを印象づけ、北朝鮮をつけあがらせることにもなりかねないため、議会の承認がなくても、大統令で素早く動けることを印象づけたかったのだと思います。

そもそも、今回のサイバー攻撃そのものが、「北朝鮮制裁強化法案」の審議に対する牽制だったということも十分考えられます。この映画はそのための、後からの理由付けであって、もしこの映画が作成されることなく、公開発表がなかったにしても、サイバー攻撃が実施された可能性が高いです。

さすがのオバマ大統領も、今度ばかりは、及び腰で何もしなければ、北朝鮮をつけあがらせることになることを懸念して、素早い行動をとったのだと思います。

そうでなければ、またまた、オバマ大統領は、国内で外交ベタとか、外交オンチ、レームダックなどと揶揄され、本当に何もできなかった大統領としいて、歴史に汚点を残したかもしれません。

日本では、オバマ大統領の及び腰が日本にも大きな影響を与えていることがほとんど報道されませんが、尖閣問題が長期化・複雑化する真の原因はオバマにあります。

そもそも、日本もそうして、中国も戦後体制の枠組みに組み入れられているはずです。そうして、アメリは戦後体制の守護者であったはずです。そもそも、現在の中国である中華人民共和国は、日本と戦争をしたこともなく、戦後に建国された国です。日本と、戦ったのは、中華民国(現台湾)の国民党政府軍です。

この体制からすれば、尖閣は日本の固有の領土であり、日中間には領土問題は存在しません。戦後体制を守るのであれば、中国が尖閣でデモンストレーションなど行えば、すぐさま厳しい対応をすべきでした。

たとえば尖閣近くで、日米韓による、大規模な演習を行うだけではなく、その後も尖閣付近に空母や艦船を配置し、中国が領海や領空を侵犯するようなことがあれば、威嚇したり、威嚇しても収まらなければ、艦船や潜水艦など撃沈するなどのことを実施すべきでした。実際には、ここまでしなくても、その気構えさえみせれば、中国があのような挙動をすることはなかったでしょう。

にもかかわらず、オバマはこれを放置し、尖閣問題に関する声明も随分後になって、問題が複雑化した後に行っています。これでは、時期を逸していて全く意味もなく、かえって逆効果です。

このようにアメリカが、優柔不断であり、戦後体制を守る気がないということを中国側に示しているようなものです。中国としては、尖閣で日本だけではなく、アメリカの出方も試しているという面もあるということは、認識しておくべきです。

それにしても、アメリカの立場にたって、戦後体制を守りぬくという立場を貫くというのなら、尖閣では中国に対して厳しい態度をとるというのがあたり前です。

日本としても、いつまでもアメリカが優柔不断でありつづけるというのなら、戦後体制からぬけるしか道はなくなります。しかし、これはある意味日本にとっては、大きなチャンスかもしれません。

自前で自国を守るというあたり前の主張をして、実際そのようにするということも考えられます。ただし、いますぐというのは、無理があるので、現状ではアメリカとの同盟関係を保ちつつ、徐々に抜けていくというのが、最も良い選択肢だと思います。

これについては、日本にとっては、かなり良い環境が整いつつあります。それに関しては、このブログにも掲載した事がありますので、その記事を以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
GHQによる日本国憲法草案

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、数年前から、アメリカ議会では、日本の改憲を良しとするほうが、多数派となっています。これは、日本の戦後体制から脱却を後押しするものです。

その他にも、日本の戦後体制からの脱却を促す、アメリカの国内事情があります。
「米国の抑止力、とりわけ日本に対するそれを低下させる」中国軍の戦力増強に危機感-米委員会が年次報告書―【私の論評】国内の増税見送り、解散総選挙で見逃され勝ちな世界の動き、アメリカ議会の動きを見逃すな!アメリカは、日本の改憲を望んでいることを忘れるな(゚д゚)!
海岸防衛から太陽海軍を目指す中国海軍
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、アメリカの軍事費がこれからしばらくは、削減されることはあっても増えることはないことを掲載しました。以下に、グラフとそれに関わる部分のみを掲載させていただきます。



この、グラフを見てもわかるように、アメリカの国防予算は、減少傾向です。
米国防総省(ペンタゴン)のヘーゲル国防長官は本年2月24日、陸軍の兵力を現在の約52万人から44万─45万人規模に削減、実現すれば、米陸軍の規模は第2次世界大戦に参戦する前の規模に縮小すると発表しました。今後10年間で約1兆ドル(約102兆円)の歳出を削減する案を模索中で、2015年度の国防予算は約4960億ドル(約51兆円)といいます。 
今年(注:現時点では昨年)の3月1日、オバマ大統領は予算管理法(Budget Control Act)によって規定されていた「sequestration」条項の発動に追い込まれました。 
この「sequestration」という用語は、多くのアメリカ国民にとってもなじみの薄い言葉であり、もちろん日本ではさらに聞きなれない言葉です。英和辞典にはこの単語の訳語として「隔離、流罪、隠遁、(法)係争物第三者保管、財産仮差し押さえ、接収、(医)腐骨化、(化)金属イオン封鎖」といった訳語が列挙されていますが、今回発動された「sequestration」には、「強制歳出削減」あるいは「自動歳出削減」といった訳語が与えられています(本稿では「強制削減」と呼称します)。 
強制削減は、アメリカにおいて史上初めて実施されることになりました。そのため、その本当の影響はなかなか理解しにくいと言われています。 
アメリカでは、今回の強制削減の発動は金融・経済界ではすでに織り込み済みであり、アメリカや世界の株式市場や経済動向に対する影響はそれほど深刻なものではないといった見方がなされています。しかし、最大の削減対象となる国防関係は極めて甚大な影響を受けることになり、アメリカ軍事戦略そのものの修正を余儀なくされかねない状況に直面しています。
今後アメリカの軍事予算はしばらく、削減されることはあっても増えることはありません。これは、当然のことながら、アメリカ軍の活動に大きく影響を及ぼします。アメリカ側としては、経済大国でも日本に対して、日本の防衛は、その大部分を日本に任せることで、かなり軍備を節約することができます。

これによって、他の重要な部分の軍備を減らさないですんだり、さらには、強化することも可能になります。

議会が日本の改憲を良しとする派が、多数派であり、軍事費が削減されるということから、これは日本の、戦後体制からの脱却への追い風となるのは間違いないです。

しかし、現状では、アメリカは世界唯一の超大国であるという事実には変わりありません。また、すぐにそうでなくなるということもありません。こうした、超大国を味方につけつつ、同盟関係は崩さず、賢く実質的に戦後体制から脱却することが、日本の進むべき道だと思います。

それにしても、戦後体制が崩れてはいない、現状においては、世界で唯一の超大国の大統領であるオバマは、中国や韓国にももっと厳しい態度をとるべきです。そうすることによって、中国や韓国は吠えまくるかもしれませんが、吠えたからといって、超大国アメリカになすすべなどありません。

日本が協力して、アメリカが本気をだせば、今でも中韓など全く敵ではありません。それは、中韓自身が良く知っていることです。だから、日本に対して反日活動をしたにしても、デモンストレーションどまりであり、戦後体制に組み込まれた日本に対しては、最後の一線を踏み外すことはできないのです。

もし、踏み外せば、超大国アメリカを敵にまわさなければならなくなります。それは、あまりにリスキーなことです。

戦後体制からの脱却など、非現実的だとか、夢物語のように考える人もいますが、このようなことを知ると、そうではないことが良く理解できます

安倍総理は、このようなことを理解し、少なくとも戦後体制から脱却を近い将来に確かなものにするため、様々な手をうちつつあるし、長期政権が確実なものになれば、これからもさらに積極的に打っていくことでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年5月5日土曜日

【全原発停止】こじらせたのは誰か? 場当たり、不作為、責任転嫁… 重い民主党政権の罪 - MSN産経ニュース―【私の論評】間違いなく当面の経済に悪影響を与える全原発停止!!

【全原発停止】こじらせたのは誰か? 場当たり、不作為、責任転嫁… 重い民主党政権の罪 - MSN産経ニュース:

泊原発と泊村
夏を控え、電力供給に大きな不安を残したまま、42年ぶりに全原発が5日中に停止する。再稼働への批判を恐れるあまり、場当たり的かつ支離滅裂な対応を続けて国民の不安をあおった民主党政権はその責任を免れない。(千葉倫之) 「原発がなくてもやっていける社会を実現する。これがわが国の目指すべき方向だと考えるに至った…」 昨年7月13日、菅直人首相(当時)は唐突に「脱原発」を宣言した。6月に衆院での内閣不信任決議案可決を回避しようと「偽りの退陣表明」をし、政権はすでに死に体。この「脱原発宣言」が延命術であることは疑いない。

・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・

首相は30日、訪米先で同行記者団に、再稼働せずに今夏を乗り切れるかどうかを問われ、こう答えた。

「全く理解をいただけないなら大変だと思うが、そういう選択肢はもちろんあると思います…」

驚くべき責任感のなさ。首相の「不作為」は、前首相の邪(よこしま)な「作為」に匹敵するほど罪深い。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120504/plc12050422050010-n1.htm


【私の論評】間違いなく当面の経済に悪影響を与える全原発停止!!
泊原発に関しては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その一部分を以下にコピペします。
原発をめぐる相容れない二人の知事の発言―【私の論評】北海道は先進地区に生まれ変わるかもしれない!! 
北海道の泊原発3号機の営業運転再開されました。高橋はるみ知事が認証し、17日から運転が再開されました。 
高橋はるみ知事
高橋はるみ知事は17日、道庁で記者会見を開き、調整運転中の北海道電力泊原発(後志管内泊村)3号機の営業運転再開について「異議はない」とコメントし、容認する考えを正式表明しました。知事は会見後に、海江田万里経済産業相に再開に同意する考えを伝達し、これを受け海江田氏は検査終了証を北電に交付。同日中に3号機は営業運転に移行しました。泊原発の2号機は、今月定期点検のためもともと停止する予定でしたので、3号機も稼動しないということでは、北海道は完全に電力不足になるところでした。上の川勝知事の発言は、この現実を踏まえてのことだったのでしょうか。もし、踏まえているというのなら、あの発言は、現実を無視する四迷いごとといっても過言ではないと思います。 
私自身は、この高橋はるみ知事の判断は、英断だったと思います。ただし、心配ではありました。それは、全国的に原発即時停止などと、声高に叫ぶ、反対派の存在でした。しかし、北海道では、反対派の激しい動きもなく、泊原発の運転が再開されました。 
今夏は、北海道電力はもとより、関西電力や、東北電力などでも、電力不足が顕著となり、何かさらに、自然災害などがあれば、あやうく、底をつくとろこでした。こうしたことから、泊原発が再稼働しなかった場合、最悪、停電になった可能性も十分にありました。 
私自身は、無論、原子力発電のかわる代替エネルギーを使用することそのものに関しては、むろんやぶさかではありません。しかし、時期的問題があります。すぐに、泊原発など廃止というのは、絶対に反対です。なぜなら、ただでさえ、日本の経済などが弱体化しているにもかかわらず、産業の最大のインフラともいえる電力が不足したのでは、話にも何にもならないからです。
・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私のブログでは、こう掲載した上で、泊原発の稼動再開したため、この時点では、他の原発はともかく、泊原発は、今後再稼動を続けるものと期待していました。そうして、原発の電力もあいまって、北海道は、全国的にも先進地域になるのではないかと期待していました。

しかし、いつの間にか、この流れは変わり、本日の全原発廃止となってしまいました。本当に残念なことです。私自身は、上のコピペにも書いてある通り、原子力発電に変わる代替エネルギーの使用そのものには、反対するものではありません。同じ核にしても、これも、このブログに掲載したことのある核融合とか、その他、いわゆる、風力や、太陽光ではない、有望な代替エネルギーを使うことには、大賛成です。

燃える氷メタンハイドレート
風力や、太陽光発電に関して、補助的には使えるものの、これがメインになることは考えられません。それは、風力や、太陽光発電で、新幹線を動かすをことを考えれば、特に正確に計算しなくても、最初から無理ということは、容易に理解できると思います。

エネルギーとしても注目されているユーグレナ(和名:ミドリムシ)
しかし、メタンハイドレートとか、最近注目されている、ミドリムシとか、オーランチオキトリュウムとか、有望なものは、たくさんあります。これらの代替エネルギーを使うことには大賛成です。

勇気廃棄物をオイル化するオーランチオキトリュウム

しかし、私がなぜ原発の稼動を肯定するかといえば、20年後とか、30年後には、こうしたことが十分可能になることは見えるのですが、ここ5年から、10年以内には、到底無理だと思うからです。たとえば、大規模な火力発電所を作るにしても、構想してから、実際に発電できるようになるまで、5年~6年はかかるわけです。これは、私の大学時代の先輩が、昔福島県原町市に、火力発電所を建設していたときに、その仕事に携わり、仙台から原町市まで、長い間頻繁に行き来していたことからもわかりました。それに、これから建設する最新の火力発電所は、着工から3年で稼動ということになっていました。これは、あくまで、着工からということで、その前にも、設置場所を探索するなどで、何年かはかかるわけです。やはり、5年から6年はかかるとみるべきでしょう。

もうすでに、確立されている技術で、新たな大規模プラントを設置するのですら、このくらいかかるのです。これと似たような例は、他にもたくさんあります。たとえば、ブラジルでは、昨年あたりでしたが、大規模な油田が見つかったそうですが、見つかったからといって、それですぐに、原油を掘り出すことができるわけではなく、大規模な施設をつくるには、少なくとも8年くらいかかるそうです。実際に大量に市場に供給できるようになるのは、10年後くらいとみてよいと思います。

青山 繁晴氏は、メタンハイドレートは、すぐにも使えるようになると、語っておられましたが、それにしても、おそらく、少なくとも実際にエネルギーとして使えるようになるには、少なくとも5年~6年はみておいたほうが良いと思います。それに、どうも、政府は今ところ、特に青山さんがいう、日本海側のものには、乗り気でないようですから、こんなことも計算に入れると、10年くらいかかってしまうかもしれません。
未来の巨大パワープラント
いずれにせよ、日本国の場合、経済規模がかなり大きいですから、本当に全部を代替エネルギーに変えるとすれば、短くても、20年くらいは見ておいて良いと思います。長ければ、30年です。

この間エネルギーをどうするかという問題があります。火力発電所をもっと増やすという結論になったとしても、やはり、数年間は、不足する可能性があります。それから、折悪しく現在は、デフレであるということもあります。このブログで、デフレのことは何回も掲載してきましたが、デフレは、経済の癌であり、これを直さなければなりません。直ったとすれば、GDPが増えるわけですから、当然電力需要は増えるわけです。

代替エネルギーへの転換のタイムラグ、いずれデフレの克服をすることを考えれば、少なくとも何年かは、確実に電力が不足する事態になることは、目に見えています。しかし、これを無視して、電力不足を放置しておけば、確実に経済・社会に悪影響がでる事態を招くと思います。

これを放置しておき、なし崩し的に、火力発電などに走れば、今度は、火力発電のために、大量の原油や、天然ガスを輸入しなければならなくなります。そうなれば、どうなるかといえば、このブログ以前掲載したように、コストプッシュインフレになる確率がかなり高くなります。それに関しても、以下にコピペしておきます。
原発再稼働、6割が「何らかの形で賛成」。ネットリサーチ調査で明らかに。−【私の論評】超低脳民主党政権には、スタグフレーションの危機がみえていない!! 
すぐに、(原発が)全廃ということになれば、電力不足になることは明らかであり、そうなると、電気料金が値上がりします。すでに、東電では、電気料金を値上げを予定しています。いずれ他の会社も追随することでしょう。 
そういうことになれば、どういうことになるかといえば、ほとんどすべての製商品をつくったり、物流などでも、電気を使っていますから、すべての製商品の値段があがるということになります。さらに、そうなると、いわゆるコストプッシュインフレという、非常にやっかいなことになります。日本が、さらに大量の原油や天然ガスなど、輸入するということなれば、日本の経済はかなり大きいですし、エネルギーのない国ですから、さらに、原油・天然ガスの値段があがり、これも、様々な製商品の原材料となっていますから、これも、さらにコストプッシュインフレを助長し、さらに、インフレを助長することになります。 
そうなると、どういうことになるかといえば、現状では、デフレ状況が続いており、その状況が改善されない限り、インフレで物価は上昇しながら、景気後退というスタグフレーションという状況に陥ってしまいます。
先日、日銀が、インフレ目処1%などをだしましたが、コストプッシュインフレになれば、1%の物価上昇などだまっていても、達成できます。そうして、現状は、その可能性が高いですから、要するに日銀は、このようなことになっても、何もしませんと言っているようなものです。要するにデフレ政策を堅持するということです。無論、スタグフレーションになっても、デフレ対策を打ち続けるということです。私は、もし、スタグフレーションになれば、いっときインフレを甘受しても、景気を浮揚させる必要があると思います。そのときは、物価上昇が、現状では上限ともみられている4%を超えて、5%、6%に設定する必要があると思いますが、日銀は、絶対にそんなことはしないでしょう。こうして、スタグフレーションになれば、その罠からかなり長い間抜け出すことができず、失われた10年が、20年になっている今日、さらに、失われた30年になる可能性が大です。 
原発全廃をそのまま継続していれは、このような罠にはまる確率がかなり高まることになります。だから、なんらかの形で、全部とはいいませんが、一部でも、原発を稼動させて、様子を見るなどのことが必要だと思います。すぐに全部を廃炉にするなどはもっての他です。たとえば、女川原発などは、あれだけの、津波災害に襲われながら、もちこたえ、それどころか、その後、被災者を長きわたって、収容したという実績があります。このような原発は女川だけではないと思います。であれば、このような原発を安全を確認しつつ、足りないところは、改善して、稼動させ、いずれ代替エネルギーに変えるというような方策が最も良いと思います。

原発が危機におちいったらパワーガールに助けてもらう?

しかし、残念ながら、今の政府や、原発反対派のかたがたには、このようなことを考えていないのだと思います。おそらく、このまま放置しておけば、スタグフレーションに陥り、今まで以上に生活が苦しくなり、雇用が激減し、多くの製造業は、日本国内で操業するのをあきらめて、海外移転をはじめることになるでしょう。最悪、日銀は、コストプッシュインフレをもって、インフレ目処1%を達成したたとし、さらに、物価が上昇したとして、インフレ対策を行い、ますますデフレを推進することになります。そうなれば、ますます、雇用は激減し、今度は、デフレスパイラルにはまるのではなく、スタグフレーションスパイラルにはまり、失われた30年になってしまうかもしれません。そうなれば、自殺者や、孤独死などますます増えることなるでしょう。一部の層に対しては、まともな医療も施せなくなるかもしれません。今の日本は、諸外国と比較すれば、マスコミが煽っているような格差社会ではないですが、多くの国民が本当の意味での格差を思い知ることになるでしょう。無論これは、最悪のシナリオですが、人間というものは、最悪の場合も常に考えておかなければなりません。

このようなことを考えると、私は、口が裂けても、原発即全停止などということは言うことはできません。皆さんは、いかがですか?そんなことにならないためも、日銀法の早期成立と、政府による早急な、経済対策が喫緊の課題です。そうして、全部とはいわないまでも、比較的安全な原発は、稼動できる状態にしておき、一部は稼動し、総合的なエネルギー政策を立案し、太陽光、風力幻想ではなく、実効的代替エネルギーの開発を早急に始めるべきです。

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