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2020年6月18日木曜日

トランプ大統領「ウイグル人権法案」署名 中国反発必至の情勢— 【私の論評】「ウイグル人権法」は中共が主張するような内政干渉ではないし、国際法に違反でもなく前例もある!(◎_◎;)

トランプ大統領「ウイグル人権法案」署名 中国反発必至の情勢

トランプ米大統領=17日、ホワイトハウス

アメリカのトランプ大統領は、中国でウイグル族への人権侵害があるとして、これに関わった中国の当局者に制裁を科す「ウイグル人権法案」に署名し、法律が成立しました。

「ウイグル人権法」は、中国の新疆ウイグル自治区で、大勢のウイグル族の人たちが不当に拘束されているとして、アメリカ政府に対しウイグル族の人権侵害に関わった中国の当局者に制裁を科すよう求める内容で、先にアメリカ議会の上下両院で可決されていました。

これについて、トランプ大統領は17日、法案に署名し、「ウイグル人権法」が成立しました。

トランプ大統領を巡っては、元側近のボルトン前大統領補佐官が近く出版予定の著書のなかで中国の習近平国家主席に対し、ウイグル族を拘束する施設の建設を容認した疑いがあると記すなど中国国内の人権問題を軽視する姿勢が明らかになり、関心を集めています。

一方、アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大で中国への反発が広がっていて、トランプ大統領は、このところ秋の大統領選挙に向けて強硬姿勢を示しています。

ウイグル人権法について、中国政府は法律が成立すれば対抗措置を取る可能性を示唆していて、反発を強めるのは必至の情勢です。

中国外務省「内政干渉で強い憤慨」

アメリカのトランプ大統領が中国でウイグル族への人権侵害があるとして、これに関わった中国の当局者に制裁を科す「ウイグル人権法案」に署名したことについて、中国外務省は、声明を発表し「このいわゆる法案は、中国政府の新疆ウイグル自治区への政策に悪質な攻撃をし、中国の内政に乱暴に干渉するものだ。中国政府は強い憤慨と断固とした反対を表明する」と激しく反発しました。

そして、「アメリカが直ちに間違いを正すよう再度忠告する。さもなければ中国は必ず反撃し、生じるすべての結果はアメリカが完全に負わなければならない」として対抗措置を取ることも辞さない考えを示しました。


【私の論評】「ウイグル人権法」は中共が主張するような内政干渉ではないし、国際法に違反でもなく前例もある!(◎_◎;)

中国ではウイグルの建物や街が廃墟化され、文化、言語、信仰が破壊され、男性は収容所に送り込まれて労働させ、女性は中国男と強制結婚させらています。

民族浄化した末にウイグル文化園なるものを作り出して「文化の保存に尽力」とプロパガンダを打っています。このような悲惨な状況に終止符を打つためにも、ウイグル人権法の成立が待望されていました。

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トランプ氏がウイグル人権法案に署名。これで弾圧に関わった中国当局者の資産凍結やビザ発給停止が可能になります。180日以内に共産党幹部を含む関わった人物リスト作成 入国禁止、資産凍結、世界中の銀行口座廃止されます。習近平によるウイグル族に対する指示文書がリークされているので、習近平も対象になる可能性もあります。

トランプ大統領は、ハワイでの米中外相会議の会議中に、ウイグル人権法に署名成立させました。これは、無論意図的なことと考えられます。

中国外交トップが米国領ハワイへ出向いて会談しにへ行ったのはそもそも、習政権が追い詰められていることの証拠だと言えますが、会談の最中、トランプ大統領がウイグル人権法に署名、G7が香港国家安全法を「懸念」 する声明を出し、さらに中国を追い詰めたと言えます。

習近平の面子も、共産党の面子も丸潰れです。もう米国は中国の面子など気にせず、できるだけ潰して、恥をかかせ、意図的に怒らせ平静さを失わせ、徹底的に中国共産党を追い詰めようとしているようです。

日頃、人種差別や人権を叫ぶ文化人や芸能人が中国相手となると途端に大人しくなるの異常です。野党議員も声を上げるべきです。なぜ彼らは中国の人権弾圧とは闘わないのでしょうか。

もうすでに日本政府得意の「誠に遺憾」がこの世界で通用しないのは明らかになっています。日本もこの問題に関して腹をくくるべき時が来たようです。

中国外務省の華春瑩報道局長は10日の記者会見で、中国による香港への国家安全法導入方針に対して安倍晋三首相が先進7カ国(G7)による共同声明の発表を目指していると述べたことについて、「日本側に重大な懸念を表明した」と語り、日本政府に抗議したと明らかにしました。

中国外務省の華春瑩報道局長
華氏は、国家安全法の導入に関して「完全に中国内政に属し、いかなる外国も干渉する権利はない」と主張し、香港問題をめぐる国際社会の批判に反発しました。

安倍晋三首相は、G7で香港だけではなく、ウイグル問題も含めた、中共の人権侵害についても、G7で共同発表を実現して、日本の存在感を増すべきです。

中共は、人権に関わることで。米国などが何か行動を起こすと、その度に「内政干渉」として退けようとしてきました。しかし、それは中共の思い違いです。

世界には大小190余りの国があります。力の強い国、弱い国、豊かな国、貧しい国と様々です。これらの国が集まっているのが国際社会です。そこでは国同士が守らなければならない「きまり」があります。

それが国際法です。第二次世界大戦後にできた国際連合(国連)では、様々な国であっても、それぞれ独立して、互いに平等であること、自国のことはほかの国に干渉されないでその国が決めることを、すべての国連加盟国が守るべき原則として定めました。

この原則のために国際連合は、はじめのうちは、「内政干渉になる」ということを主張する国があったために、特定の国の人権問題に口出しできませんでした。これが変るきっかけになったのが、南アフリカの人種差別問題とパレスチナでの人権問題でした。

その後、いろいろの国の人権問題の現地調査などが行われるようになるにつれて、「特定の国の人権問題は、その国の内政問題ではあっても、国際社会の関心事でもあり国際連合がこれに関わることをさまたげられない」という考えが広く受け入れられるようになったのです。

この考えは、1993年オーストリアのウィーンで開かれた世界人権会議で採択されたウィーン宣言および行動計画で、「すべての人権の伸長及び保護は国際社会の正当な関心事項である。」と文書で確認されました。

今では特定の国の人権問題について意見を述べたり批判したりすることを「内政干渉である」と主張する国はありません。むしろ、そのような国は、自国に人権問題は存在しない、その国をおとしめるために嘘の情報を流していると、人権問題があるのを否定することにやっきになるのです。

国際連合は現在、世界の人権問題について積極的に討議し、調査し、報告を公表しています。簡潔にいえば、人権侵害の情報が根拠のある確かなものである限り、他国の人権に懸念を表明したり批判することは内政干渉とは考えられません。

さらに、今回のように米国が「ウイグル人権法」を定め、弾圧に関わった中国当局者の資産凍結やビザ発給停止することも、国際法的に見れば合法です。すでにこのようなことは、「ウイグル人権法」に比べれば、規模は遥かに小さいですが、「マグニツキー法」により、ロシアに対して実施されています。

「マグニツキー法」とは、ロシア人弁護士だったセルゲイ・マグニツキー氏が顧問をしていた英国人投資家が、ロシア国営企業の大規模不正を暴露した際に、代理人として逮捕されたマグニツキー氏が投資家に不利な証言を迫られたもののそれを拒否した結果、一年以上拘留されながら暴力を受け続け、結局2009年に獄中死したことに端を発します。

セルゲイ・マグニツキー氏 享年37歳

この事件には、ロシアの官僚たちも多数関わっていました。そのゴロツキ官僚たちが、マグニッキー氏を逮捕させ、勾留したのです。米国投資家らの運動により、「弁護士の死とロシアにおける人権侵害に関わった全ての者に制裁を科す」として2012年に成立したのが同法です。

人権侵害を行なった者への制裁の内容は、ビザ発給禁止や資産凍結などです。同法は、ロシアにとって極めて厄介である一方、自由や民主主義を標榜する米国にとっては、ロシア側に改善が見られない以上、その撤回は国家の威信をかけてできないのです。

当時ロシアは、グアンタナモ湾とアブグレイブに関与した11人のビザ発給を停止して、報復措置に出ました。しかし、ロシアに入国を拒否されても困ることはほとんどないので、これは報復としては弱いものでした。なお、米国人がロシアに資産を蓄えることなどは、滅多にないことなので、無論資産凍結などはやりようもありませんでした。

中共は、中国は「ウイグル人権法」に必ず反撃するとしていますが、「マグニッキー法」に報復したロシアのように、ほとんど何もできない可能性のほうが大きいです。

まずは、米中冷戦たけなわの現在、米国から中国に入国できなくなることは、さほど困ることはありません。いまは、コロナ禍もあり、そもそも行き来はできないし、将来的にも行けなくなること事態に関してさほど困ることないでしょう。

そうして、そもそも米国人大多数が、中国に資産を蓄えるなどの習慣はないし、中国の人民元は、事実上中国のドル保有が信用の裏付けとなっていることからも、中国が米国人の資産凍結などできません。

中共ができることとしては、中国国内にある米国企業や米国人に対する嫌がらせでしょうが、そんなことをすれば、ますます多くの企業が中国から逃げ出すことになるだけで、それは、中国の損失になるだけです。

中共は、ロシアと同じく、米国に報復するための有効な手立てはありません。それどころか、中共がウイグル弾圧をやめなければ、「マグニツキー法」に似たような法律が他の多くの先進国でも作られように、他の先進国でも「ウイグル人権法」に似たように法律が施行されることになるかもしれません。

日本も「誠に遺憾」と表明するばかりではなく、日本版「ウイグル人権法」を検討して、成立させるべきです。

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2020年1月14日火曜日

米、中国の為替操作国解除 貿易合意の署名控え 日本含む10カ国を監視―【私の論評】トランプは「為替操作」のフェイクに気づいたか?ならばTPP復帰も期待できる(゚д゚)!

米、中国の為替操作国解除 貿易合意の署名控え 日本含む10カ国を監視

ドル(左)と元(右)

 米財務省は13日、貿易相手国・地域の通貨政策を分析した外国為替報告書を発表し、中国の「為替操作国」指定を解除した。米中が15日に署名する「第1段階」の貿易合意で、中国が人民元の切り下げを自制する約束をしたと前向きに評価。操作国より問題が深刻でない「監視対象」に中国を指定した。監視対象には中国のほか日本やドイツなど計10カ国が入った。
 ムニューシン米財務長官は声明で、「中国は競争的な通貨切り下げを控えると拘束力の強い約束をした」と述べ、操作国指定を取り消した理由を説明した。
 監視国には、日独中に加え、韓国、イタリア、シンガポール、ベトナムなどを指定した。対米貿易・経常黒字の大きさなどが判断基準となった。為替操作国の指定はなかった。
 トランプ米政権は昨年8月、中国が人民元を不当に安値誘導しているとして、25年ぶりに中国を為替操作国に指定した。当時、人民元は対ドルで約11年ぶりの水準まで下落。トランプ米大統領がツイッターなどで中国批判を強めていた。
 ムニューシン氏も、中国の意図が「貿易で競争優位を得るための通貨安誘導にある」と指摘していた。
 米財務省は通常、報告書を毎年春と秋の2回、公表しているが、昨年8月の不定期な公表分以降、報告書の発表が遅れていた。
 一方、日本の監視対象指定は8回連続となった。報告書は「日米の大きな貿易不均衡が持続していることを引き続き懸念している」とした。
【私の論評】トランプは「為替操作」のフェイクに気づいたか?ならばTPP復帰も期待できる(゚д゚)!
米国政府は、昨年8月5日中国が自国の輸出に有利になるよう人民元を意図的に安く誘導しているとして、「為替操作国」に認定したと発表しました。しかし、為替を操作するとはどういうことなのでしょうか。なぜ米国は、そのような認定をしたり解除ができるのでしょうか。

「為替操作国」とは、自国の輸出に有利になるように通貨安へと意図的に誘導している国のことです。

自国通貨を売って、ほかの国の通貨を買うことで、為替相場に介入しているか、中央銀行の金融政策をコントロールしているか、などが判断材料となります。昨年大阪で開催されたG20サミットの首脳宣言にも、為替操作は「避けるべきだ」という文言が盛り込まれ、国際的にも問題視されています。

各国が通貨安を競い合うのは、望ましいことではない、というのは国際的にコンセンサスが得られています。ただ昨年の認定や今回の解除は、米国が自分の国の法律に基づいて、米国独自の判断で決めました。

突然、米国が中国を為替操作国と認定したときには驚きが広がりました。背景には、昨年8月5日、中国・上海の外国為替市場で、およそ11年ぶりに1ドル=7人民元台の元安・ドル高水準をつけたことがあったようです。

中国では、中国人民銀行が通貨・人民元と外国通貨との取り引きの目安となるレートを、「基準値」として設定、発表しています。米国財務省は、中国が最近、自国の輸出に有利になるよう人民元を安く誘導し、為替操作はしないとする国際ルールを守っていないと、中国を批判していました。

米国が中国を為替操作国に認定するのは1994年以来、25年ぶりのことでした。

米国政府は、米国の貿易相手国の為替政策を分析した報告書を年に2回、公表しています。分析の結果、問題ある国を為替操作国に認定する仕組みになっています。認定は主に次のような基準に照らし合わせて行われています。
▽米国に対する貿易黒字が200億ドル以上=日本円でおよそ2兆円以上の国であるかどうか。 
▽一方的な為替介入による外貨の購入を1年間で6か月以上、繰り返し行い、この金額がGDP=国内総生産の2%以上となる国かどうか。 
▽経常黒字がGDP比で2%以上の国に当たるかどうか。
このうち2つに該当すれば「監視リスト」の対象に、3つすべてに該当すれば「為替操作国」に認定される可能性があります。

米国財務省が昨年5月に公表した報告書では、中国は日本などとともに「監視リスト」の対象になっていましたが、「為替操作国」ではありませんでした。

米国財務省が昨年、具体的にどのようなプロセスを経て中国を為替操作国の認定に踏み切ったのかは明らかにしていません。

米財務省

仕組み上、今後、米国政府は、中国に、為替レートの透明性を高めるよう求め、改善が見られなければ、輸入品にかける関税を引き上げる措置をとったりすることができます。

トランプ大統領は昨年8月1日に、中国からの輸入品に追加の関税をかけることを表明しました。トランプ大統領は、中国が、これに対抗するため、自国の輸出に有利になる人民元安に誘導したという疑いを強めたのです。市場関係者の間でも、中国の当局は、輸出企業を下支えするために一定程度の元安を容認しているという見方も出ていました。

これに対して中国は意図的に元安に誘導することはないと強く否定し、米国に反発しました。両国の対立がさらに深まり、ますます解決が難しくなっていると、関係者に警戒が広がりました。

そうして、今回の解除です。そもそも、「為替操作」によって各国が通貨戦争をしているというのは、フィクションに過ぎません。

「通貨戦争」という言葉を使う人は、1930年代の大恐慌は各国の通貨切り下げ競争によって激化したという神話を信じていることが多いです。

しかし、この神話は、経済理論的に間違っていたことが最近の研究で明らかになっています。第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の為替切り下げ競争が生み出したものは壊滅的な結果ではなく、各国とも好ましい結果になりました。

為替レートは原則としてそれぞれの通貨の相対的な存在量で決まります。相対的に希少な通貨ほどレートが上昇するので、金融緩和すれば確かに通貨安になる。逆に引き締めを行えは、通貨高になります。

しかし、現在の世界の先進国ではほとんど2%前後のインフレ目標を設定しています。そのため、各国は、インフレ目標を超えて金融緩和することはありません。つまり、各国のインフレ目標の上限までしか金融緩和しないという限界があるわけです。

ドル柄のビキニ

インフレ目標が各国に浸透した現代では、各国ともに、自国経済を一定のインフレ率と失業率に抑えようと経済運営すれば、おのずと為替切り下げ競争にはならないのです。

インフレ目標を設定していない国でも、インフレが加速してもなお、為替を操作し続ければ、いずれインフレになりますし、それでもなお操作を続ければ、ハイパーインフレになります。そこまでして、インフレ政策を続ける国はないでしょう。

通貨切り下げによる「近隣窮乏化」は一時的なもので、実際には各国経済が良くなることで、逆に「近隣富裕化」となり、世界経済全体のためにもなります。こうしてみると、自国経済を無視した「通貨戦争」はありえないということになります。

では、なぜ、現在では各国ともに金融緩和なのでしょうか。今の時代、モノの生産技術が大幅に進歩して、モノが安価に大量生産されるようになりました。ところが、金融政策は旧時代のままで、相変わらず過度なインフレ恐怖症です。

このため、カネがモノに対して相対的に過小になって、逆にモノはカネに対して相対的に過大となっています。モノの価値が安くなるため、世界的にデフレ傾向にあります。

多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要となって、各国ともにデフレにならないようにしているのです。このため、「通貨戦争」ではなく、「デフレ戦争」というのが正しいかもしれません。

日本では、白川日銀総裁までの日銀は、デフレであるにもかかわらず、他国のように金融緩和せず、日本だれが「デフレ戦争」に負け続けました。しかし、日銀総裁が黒田氏になった2013年4月からは、異次元の金融緩和に踏み切れ、しばらくの間は勝ち続けましたが、2016年から日銀がいわゆるイールドカーブ・コントロールをはじめ、引き締め傾向に転じました。

そのため現状でも物価目標2%には程遠く、従来のように勝ち続けとは言えない状況になっています。昨年10月から、消費税が10%になったため、過去のせっかくの金融緩和政策もこれから帳消しになる可能性が高いです。

物価目標を達成できる見込みのが全くない現状で、これから「デフレ戦争」に勝つためには、日銀はやはりイールドカーブ・コントロールなどやめて、物価目標を達成するために、異次元に緩和体制に戻るべきです。

先に述べたように、各国ともにデフレにならないようにして緩和している現状では、従来の常識は通用しません。平成年間の30年間をほとんど金融引き締めをしてきた日銀は、本来ならば、ここ数十年くらいは、従来の常識からは、常軌を逸したくらいの緩和が必要なのです。

以上のようなことを考えると、米国よる中国の「為替操作国」指定などの全く意味のないことがわかります。

「為替操作」のフェイクに目覚めたトランプ大統領?

トランプ大統領もようやっと為替操作のフェイクから目覚めたようです。トランプ大統領の取り巻きの中には、経済に詳しい人もいるはずです。にもかかわらずこのような無意味なことをしていたということ自体が信じられません。

トランプ大統領は米国内経済に関しては、まともですが、国際経済に関しては疎いようです。トランプ氏が国際経済にも目覚めれば、米国がTPPに復帰するということも十分考えられると思います。なにしろ、「為替操作」のフェイクに気づいたのですから、期待できると思います。

ただし、中国に対する制裁はこれからも続くことは間違いないでしょう。何しろ、もはや米国による対中国冷戦は、貿易がどうのこうのという次元ではなく、最早価値観の対立になっているからです。

そうして、日本としては、無論米国の立場を応援すべきです。なぜかといえば、まかり間違って、米国が冷戦に負けて、米国が自国内に閉じこもることにでもなれば、世界は中国の価値観によって新たな秩序が作られてしまいます。

そのような世界は、私達日本人にとっては到底耐え難い世界になるからです。

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【台湾・総統選】トランプ政権 軍事・経済の両面で台湾支援へ―【私の論評】日本も軍事・経済で台湾を支援せよ(゚д゚)!

2019年5月17日金曜日

習近平氏、窮地! トランプ氏、ファーウェイ“完全排除”大統領令に署名 「共産党独裁国家の覇権許さず」鮮明に―【私の論評】本当の脅威は中国の「サイバー主権」であって、5Gはその小道具に過ぎない(゚д゚)!


トランプ大統領

米国が警戒する背景には、次世代通信規格「5G」の到来がある。

 5Gは、現在の4Gの100倍とも言われる速度での通信を可能にし、あらゆるものがインターネットにつながる。共産党独裁国家である中国が5Gを「支配」すれば、安全保障への影響ははかりしれない。トランプ政権は、同盟国にも「ファーウェイ排除」を要請している。

 こうした、トランプ氏の対中強硬姿勢には、党派を超えて支持が広がっている。

 米民主党の大物、チャック・シューマー上院院内総務はツイッターで、「中国にタフな姿勢を貫け」と投稿し、トランプ氏の決断に賛同した。米世論調査会社ギャラップが4月下旬に実施した世論調査で、トランプ政権の支持率は過去最高の46%を記録した。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「米中貿易戦争は、世界制覇をめぐる権力闘争といえる。習近平国家主席が提唱した『中国製造2025』が実現すれば、欧米や日本のハイテク産業は壊滅し、世界経済の覇権は完全に中国共産党に握られる。自由も人権も、法の下の平等もなくなる。トランプ政権は『断固戦う』との国家意思を示した。今回の大統領令署名は、同盟国にも強いメッセージを発した形になった」と語った。

 米国が警戒する背景には、次世代通信規格「5G」の到来がある。

 5Gは、現在の4Gの100倍とも言われる速度での通信を可能にし、あらゆるものがインターネットにつながる。共産党独裁国家である中国が5Gを「支配」すれば、安全保障への影響ははかりしれない。トランプ政権は、同盟国にも「ファーウェイ排除」を要請している。

 こうした、トランプ氏の対中強硬姿勢には、党派を超えて支持が広がっている。

 米民主党の大物、チャック・シューマー上院院内総務はツイッターで、「中国にタフな姿勢を貫け」と投稿し、トランプ氏の決断に賛同した。米世論調査会社ギャラップが4月下旬に実施した世論調査で、トランプ政権の支持率は過去最高の46%を記録した。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「米中貿易戦争は、世界制覇をめぐる権力闘争といえる。習近平国家主席が提唱した『中国製造2025』が実現すれば、欧米や日本のハイテク産業は壊滅し、世界経済の覇権は完全に中国共産党に握られる。自由も人権も、法の下の平等もなくなる。トランプ政権は『断固戦う』との国家意思を示した。今回の大統領令署名は、同盟国にも強いメッセージを発した形になった」と語った。

【私の論評】本当の脅威は中国の「サイバー主権」であって、5Gはその小道具に過ぎない(゚д゚)!

トランプ米大統領は15日、安全保障上の脅威があると判断した外国の通信機器の使用を禁じる大統領令に署名しました。次世代通信規格「5G」ネットワークの主導権を米国と争う中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)排除が念頭にあり、米商務省は同日、ファーウェイに対して米製品を許可なく販売することを禁じる措置を発表しました。

このブログでは、以前も5Gについて掲載しました。その記事の中では、5G問題の本質は、
"中国の「サイバー主権」を囲い込むこと"であると掲載しました。

このことは、多くの識者がそのようにとらえているようです。そうして、冒頭の記事の藤井厳喜氏も、それに近いようなことは述べています。しかしなぜか「中国のサイバー主権」については直接は述べていません。他の識者も中国の「サイバー主権」については5Gの問題について直接関連付けて述べる人はいないようです。

このことが、多くの人々のこの問題に関する認識を若干弱めているのではと思います。当該記事のリンクを以下に掲載します。
いまだ低いファーウェイへの信頼性、求められる対抗通信インフラ―【私の論評】5G問題の本質は、中国の「サイバー主権」を囲い込むこと(゚д゚)!

この記事から「サイバー主権」に関わる部分のみを引用します。

中国は「サイバー主権」という概念を唱え、それを促進するため、国連に対するロビー活動を行ってきました。インターネット規制を国家に限定すべきだと主張する一方、業界や市民社会を脇役に押しやりました。 
中国で2017年6月1日、インターネットの規制を強化する「サイバーセキュリティー法」が施行されました。中国共産党は統制の及びにくいネット上の言論が体制維持への脅威となることに危機感を抱いており、「サイバー空間主権」を標榜して締め付けを強化したのです。 
同法は制定目的について「サイバー空間主権と国家の安全」などを守ると規定。「社会主義の核心的価値観」の宣伝推進を掲げ、個人や組織がインターネットを利用して「国家政権や社会主義制度」の転覆を扇動したり、「国家の分裂」をそそのかしたりすることを禁止しました。 
中国で2017年6月1日、インターネットの規制を強化する「サイバーセキュリティー法」が施行されました。中国共産党は統制の及びにくいネット上の言論が体制維持への脅威となることに危機感を抱いており、「サイバー空間主権」を標榜して締め付けを強化したのです。
同法は制定目的について「サイバー空間主権と国家の安全」などを守ると規定。「社会主義の核心的価値観」の宣伝推進を掲げ、個人や組織がインターネットを利用して「国家政権や社会主義制度」の転覆を扇動したり、「国家の分裂」をそそのかしたりすることを禁止しました。 
具体的には情報ネットワークの運営者に対して利用者の実名登録を求めているほか、公安機関や国家安全機関に技術協力を行う義務も明記。「重大な突発事件」が発生した際、特定地域の通信を制限する臨時措置も認めています。

こうした規制強化について、中国は「サイバー空間主権」なる概念を打ち出して正当化しています。2016年12月に国家インターネット情報弁公室が公表した「国家サイバー空間安全戦略」は、IT革命によってサイバー空間が陸地や海洋、空などと並ぶ人類活動の新領域となり、「国家主権の重要な構成部分」だと主張。インターネットを利用した他国への内政干渉や社会動乱の扇動などに危機感を示し、「テロやスパイ、機密窃取に対抗する能力」を強化すると宣言しました。 
また同弁公室は今年3月に発表した「サイバー空間国際協力戦略」でも「国連憲章が確立した主権平等の原則はサイバー空間にも適用されるべきだ」と主張。「サイバー空間主権」の擁護に向けて「軍隊に重要な役割を発揮させる」とも言及しました。
そもそも、インターネットを構築したのは米国であり、その影響は避けられないです。中国のネット検閲技術も米国企業が協力したとされています。中国当局にはインターネットの情報を完全にコントロールできないことへのいらだちがあるようです。サイバー空間主権を掲げることで、領土内の決定権は中国にあると強調したいのでしょう。

そうして、「サイバー主権」は2017年に発表されたことと、5G問題は2018年あたりから、表面化したため、両者は互いに関連付けられることはあまりありせんが、これは不可分に結びついています。

というより、本質は中国の「サイバー主権」であって、5Gはその道具に過ぎないともいえます。

この記事より、5G問題に関する部分を以下に引用します。
今後世界は5Gを中心として、オープンモデルの世界と、クローズドモデルの世界に分断されていく可能性が大です。クローズドモデルは闇の世界となることでしょう。 
私自身は5Gの問題の本質はここにあると思います。日米などの先進国は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を推進することによって、中間層を多数輩出させ、彼らに自由な経済・社会活動を保証することにより、国富を蓄積して国力を増強しました。このようなことを実現した先進国では、インターネットは当然オープンなものと受け止められているのです。
しかし、中国にとっては5Gは、まず自国内での「サイバー主権」を確実に実行するための道具なのです。そうして、中国は次の段階では、世界の通信秩序をつくりかえようとしているのです。

もともと、米国がつくりだしたインターネットは、軍事的なものでした。当時はあり得ることと認識されていた、世界中が核兵器で破壊されても、通信インフラが多少でも残っていれば、世界中と連絡がとれるということが、当初の目的でした。

しかしこれが、軍事目的のほかに、学術面で使用されるようになりました。このオープンなシステムを用いて、従来では考えられなかった用途が考え出されました。

たとえば、学術誌で有名だったケミカル・アブストラクトがインターネットを介して、情報を提供するようになりました。

ケミカル・アブストラクトは、最新の化学物質の組成や性質を掲載したものですが、当初は冊子体は非常に大きく(1年で厚さ数メートルとなる)なるものでした。

ケミカル・アブストラクツ(冊子)の表紙

多くの化学者は、新たな化学物質を合成した場合、この冊子を検索して、自分の開発した物質が、本当に新しいものであるかどうかを確かめました。しかし、このような冊子であることから、更新に時間がかかり、たとえその冊子に掲載されていなくても、他の学者がすでに開発していたなどということもしばしばありました。

多くの化学者が自分では、ノーベル賞級の発見をしたつもりでも、たまたま冊子に掲載されていなかっただけで、実は他の学者がとっくに発見していたということもありました。

しかし、これが現在では、すべてデータベース化されていて、インターネットで検索できるようになっていて、オンラインで申請し要件を満たしていれば、すぐに新たな発見がデーターベースに掲載されるようになりました。

現在の化学者は、日々このデーターベースで検索していて、自分の発見が本当に新しいものであるか、そうではないかを検索することができます。これは、インターネットが普及するまでは考えられないことでした。

このように、インターネットの学術利用が普及していきました。そうして、次の段階では、一般の人もつかえるように、インターネットの商用利用がはじまり、今日に至っています。

このような歴史をたどった、インターネットは今日でも、基本的にオープンな仕様になっています。

しかし、中国はこのオープンなインターネットを「サイバー主権」なる主張をもとに、自分たちに都合の良いものに作り変えようとしているのです。その尖兵が5Gなのです。

こう考えると、5G問題は、単に技術上の問題であるとか、米国と中国の覇権争いなどという単純なものではないと理解できると思います。

基本的に、自由でオープンなインターネットを自分たちの都合の良いように作り変え、中国共産党の統治の正当性をより確かなものにしようとすることを許さない米国との対立というのが、5G問題の本質なのです。

もともと米国で開発されたインターネットは、当初は軍事目的だったものの、今日では自由でオープンな特性を活かし、社会の重要なインフラとなっています。

しかし、中国はこれをつくりかえ、まずは自国内で情報を政府が一元的に管理可能なものにつくりかえようとしています。さらに、中国の覇権の及ぶ他国においもその国の政府がインターネットを一元的に管理できるようにすることを目指していることでしょう。さらに、将来は、世界の情報を一元的に管理しようとの目論見も当然あることでしょう。

これからの世界は、中国の通信モデルと既存のモデルのせめぎあいになることが考えられます。ここは、なんとしても米国に勝利してもらい、通信インフラの世界を中国の都合のようにつくりかえることを防ぐべきです。

インターネットが中国の都合の良いようにつくりかえられてしまえば、世界は暗黒の闇になります。世界中がジョージ・オーウェルが描いた世界「1984」になってしまうかもしれません。これだけは、米国の覇権がどうのこうのという前に、絶対に避けるべきなのです。

この問題は、トランプ大統領からすれば、米国の信じる理念と、中国の信じる理念との対決なのです。

トランプ大統領がファーウェイ“完全排除”大統領令に署名したのは、背後にこのようなことがあることを理解すべきでしょう。本当の脅威は中国の「サイバー主権」であって、5Gはその小道具に過ぎないのです。単なる技術上の問題とか、米国と中国の覇権争いだけのようにみてしまうと、本質がみえなくなります。

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2015年1月3日土曜日

【北サイバー攻撃】北朝鮮に責任取らせる オバマ氏、経済制裁の大統領令に署名―【私の論評】マスコミが報道しない世界の動きの背景を知り、戦後体制からの脱却は、決して非現実的でもないし、夢物語ではないことを認識せよ(゚д゚)!


記者会見で北朝鮮のサイバー攻撃について語るオバマ米大統領=2014年12月19日、ホワイトハウス














オバマ米大統領は2日、ソニーの米映画子会社に対するサイバー攻撃への対応として、北朝鮮政府と朝鮮労働党に経済制裁を科す大統領令に署名した。米財務省が発表した。

サイバー攻撃を理由とする米国の対北朝鮮制裁は初めてとみられる。北朝鮮の情報・工作機関である偵察総局など3組織と10個人を制裁対象に追加指定した。米金融市場へのアクセスや米国民との商取引が禁じられる。

金正恩第1書記暗殺を描いたパロディー映画公開に動いた同社に対するサイバー攻撃をめぐっては、米連邦捜査局(FBI)が北朝鮮による犯行と断定したが北朝鮮側は否定。今回の米側措置は、攻撃が北朝鮮によるものであるとの強い確証を反映するとともに、厳しい態度で臨む米国の立場を強調したといえそうだ。

ルー財務長官は「北朝鮮に破壊的な行為の責任を取らせるというわれわれの決意を示すものだ」と説明した。

【私の論評】マスコミが報道しない世界の動きの背景を知り、戦後体制からの脱却は、決して非現実的でもないし、夢物語ではないことを認識せよ(゚д゚)!

オバマ大統領どうしたのでしょうか、この素早い対応。少し前のオバマからは考えられないような変貌ぶりです。

そういわれてみれば、オバマ大統領が、キューバとの国交正常化の交渉に入るという声明を発表したときから風向きが変わってきたように思います。これについては、このブログでも掲載したことがありますので、その記事を以下に掲載します。
「断固たる反対」中国外務省、米の台湾へのフリゲート艦売却に猛反発 報復措置も示唆―【私の論評】まともにニュースの背景を説明できない、メディアは、もうすでにその社会的使命を終えたか(゚д゚)!
訪問先のキューバ・ハバナでフィデル・カストロ前国家
評議会議長と会談した中国の習近平国家主席(左)
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から、オバマ大統領がキューバとの国交正常化の交渉に入ることになった背景などを解説した部分のみ以下に掲載します。
ソ連崩壊以来、キューバにはロシアの支援はほとんどなかったため、キューバは何というか、宙に浮いた形でした。このままでは、衰退し続けてとんでもないことになるのは必定でした。 
これに乗じて、習近平は、キューバを訪問して、崩壊したソ連、そうして今やGDPが日本の1/5の小国に成り果て、支援などおぼつかないロシアに肩代わりして中国が経済・軍事支援をし、米国の喉もとのキューバを親中国家に仕立てようとの目論見を企てたのです。 
習近平のキューバ訪問では、習は、キューバの経済発展を「断固として支える」と表明しました。キューバを取り入れて米国の「内庭」を荒らす戦略的意図が見え見えです。米国・キューバの関係正常化交渉開始は明らかに、中国の影響力をこの地域から排除する米国の決意に基づくものです。

このような中国の行動を放置しておけば、またキューバ危機の二の舞いになりかねません。オバマ大統領は、外交に消極的で、そのためシリアや、イラク、ウクラナイなどでも、失敗を重ねてきました。これらの地域では、はやめに対処していれば、あまり問題にならなくてすむようなことでも、オバマの優柔不断により、問題をより複雑化させてしまいました。

しかし、これらは、アメリカの権益にかかわることではありますが、それにしても、アメリカ本土から相当離れているため、アメリカの安全保障にはあまり影響はありませんでしたが、キューバと中国が結びつきを強め、中国がここに兵器や、軍隊を送り込んだ場合かなりの脅威となります。

米中関係が、悪くなった場合、米国本土が直接中国の脅威にさらされることになりかねません。これを放置しておけば、場合によっては、第二のキューバ危機に発展するということも考えられます。このような脅威は、アメリカ国民も許容できないと思います。

そんなことは、さすがに及び腰のオバマも許容できなかったのでしょう。それに、オバマが及び腰でも、アメリカ議会もこれを許すことはないでしょう。これを許せば、せっかくソ連が崩壊して、冷戦構造が消え去ったにもかかわらず、今度は中国による新たな冷戦構造が生まれてしまいます。
この記事では、こうした背景を説明せず、オバマ大統領が突如として、キューバと国交回復の交渉に入ったかのような日本のマスコミの報道ぶりについて、糾弾しました。

このキューバとの国交回復については、その後あまり報道されていませんが、この交渉はアメリカ議会の反対派もいて、一筋縄ではいかないかもしれません。 議員の中には、キューバとの国交回復は、キューバの人権保護と民主化の発展に何ら役立たないと考える人も多いです。彼らは、米・キューバの国交回復は、カストロ体制が何世代にもわたり、政権の座に居座りつづけるために必要不可欠な経済制裁の解除を実現するためには、多いに役立つかもしれないと考えています。

金正恩第1書記暗殺を描いたパロディー映画のポスター

しかし、今回の北朝鮮への制裁に関しては、議会も賛成のようであり、このような素早い対応ができたと考えれます。そもそも、2014 年 7 月 28 日に、連邦議会下院は、北朝鮮に対する初の包括的な制裁法である「北朝鮮制裁強化法案」(H.R.1771)を可決しました。

これは、北朝鮮の核弾道ミサイル等の大量破壊兵器の脅威、通貨偽造やマネーロンダリングを通じた金融システムの悪用、重大な人権侵害等に対処し、金融制裁の強化により、同国の資金調達を阻止し、核兵器等開発計画の中止及び最終的な廃絶に追い込むことを目的とする。

具体的には、制裁対象となる北朝鮮高官やその協力者の入国を禁止し、米国内における全資産を凍結するのみならず、北朝鮮による核拡散、密輸や人権侵害に加担する第三国の個人や金融機関に対しても、米国政府に制裁を認めるものです。

また、北朝鮮の貨物に対する検査義務の履行が十分でない港や空港から到着する船舶や航空機に対する検査の強化等も規定しています。ただし、同法案は、来年 1 月 3 日の現議会期の終了までに上院で可決されない場合、自動的に廃案となります。

米上院のメネンデス外交委員長(民主党)は昨年12月19日、ソニーの米映画子会社を狙った北朝鮮のサイバー攻撃は「テロ行為の定義に該当するとみられる」として、北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう促す書簡をケリー国務長官に送りました。

メネンデス氏は北朝鮮のサイバー攻撃が「芸術の自由を圧迫する容認できない検閲」であり「危険な前例となる」と非難しました。

ロイス下院外交委員長(共和党)は声明で、オバマ政権が北朝鮮への金融制裁に及び腰になっていると批判。年明けに開会する新議会で、北朝鮮への制裁強化法案を成立させる必要性を訴えました。



さて、今回は、「北朝鮮制裁強化法案」の成立を待たずして、大統領令により、制裁措置をとることにしたものです。米財務省はこれを受け、北朝鮮の情報・工作機関の偵察総局など3団体10個人を制裁対象に指定しました。

このオバマの対応に関しては「北朝鮮制裁強化法案」が上院を今の時点では、通ってはいないものの、やはり議会の主な派閥の後押しもあったものと思います。

今回、またもやオバマが及び腰で対応していれば、北朝鮮が何かしても、アメリカは素早く対応できないということを印象づけ、北朝鮮をつけあがらせることにもなりかねないため、議会の承認がなくても、大統令で素早く動けることを印象づけたかったのだと思います。

そもそも、今回のサイバー攻撃そのものが、「北朝鮮制裁強化法案」の審議に対する牽制だったということも十分考えられます。この映画はそのための、後からの理由付けであって、もしこの映画が作成されることなく、公開発表がなかったにしても、サイバー攻撃が実施された可能性が高いです。

さすがのオバマ大統領も、今度ばかりは、及び腰で何もしなければ、北朝鮮をつけあがらせることになることを懸念して、素早い行動をとったのだと思います。

そうでなければ、またまた、オバマ大統領は、国内で外交ベタとか、外交オンチ、レームダックなどと揶揄され、本当に何もできなかった大統領としいて、歴史に汚点を残したかもしれません。

日本では、オバマ大統領の及び腰が日本にも大きな影響を与えていることがほとんど報道されませんが、尖閣問題が長期化・複雑化する真の原因はオバマにあります。

そもそも、日本もそうして、中国も戦後体制の枠組みに組み入れられているはずです。そうして、アメリは戦後体制の守護者であったはずです。そもそも、現在の中国である中華人民共和国は、日本と戦争をしたこともなく、戦後に建国された国です。日本と、戦ったのは、中華民国(現台湾)の国民党政府軍です。

この体制からすれば、尖閣は日本の固有の領土であり、日中間には領土問題は存在しません。戦後体制を守るのであれば、中国が尖閣でデモンストレーションなど行えば、すぐさま厳しい対応をすべきでした。

たとえば尖閣近くで、日米韓による、大規模な演習を行うだけではなく、その後も尖閣付近に空母や艦船を配置し、中国が領海や領空を侵犯するようなことがあれば、威嚇したり、威嚇しても収まらなければ、艦船や潜水艦など撃沈するなどのことを実施すべきでした。実際には、ここまでしなくても、その気構えさえみせれば、中国があのような挙動をすることはなかったでしょう。

にもかかわらず、オバマはこれを放置し、尖閣問題に関する声明も随分後になって、問題が複雑化した後に行っています。これでは、時期を逸していて全く意味もなく、かえって逆効果です。

このようにアメリカが、優柔不断であり、戦後体制を守る気がないということを中国側に示しているようなものです。中国としては、尖閣で日本だけではなく、アメリカの出方も試しているという面もあるということは、認識しておくべきです。

それにしても、アメリカの立場にたって、戦後体制を守りぬくという立場を貫くというのなら、尖閣では中国に対して厳しい態度をとるというのがあたり前です。

日本としても、いつまでもアメリカが優柔不断でありつづけるというのなら、戦後体制からぬけるしか道はなくなります。しかし、これはある意味日本にとっては、大きなチャンスかもしれません。

自前で自国を守るというあたり前の主張をして、実際そのようにするということも考えられます。ただし、いますぐというのは、無理があるので、現状ではアメリカとの同盟関係を保ちつつ、徐々に抜けていくというのが、最も良い選択肢だと思います。

これについては、日本にとっては、かなり良い環境が整いつつあります。それに関しては、このブログにも掲載した事がありますので、その記事を以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
GHQによる日本国憲法草案

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、数年前から、アメリカ議会では、日本の改憲を良しとするほうが、多数派となっています。これは、日本の戦後体制から脱却を後押しするものです。

その他にも、日本の戦後体制からの脱却を促す、アメリカの国内事情があります。
「米国の抑止力、とりわけ日本に対するそれを低下させる」中国軍の戦力増強に危機感-米委員会が年次報告書―【私の論評】国内の増税見送り、解散総選挙で見逃され勝ちな世界の動き、アメリカ議会の動きを見逃すな!アメリカは、日本の改憲を望んでいることを忘れるな(゚д゚)!
海岸防衛から太陽海軍を目指す中国海軍
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、アメリカの軍事費がこれからしばらくは、削減されることはあっても増えることはないことを掲載しました。以下に、グラフとそれに関わる部分のみを掲載させていただきます。



この、グラフを見てもわかるように、アメリカの国防予算は、減少傾向です。
米国防総省(ペンタゴン)のヘーゲル国防長官は本年2月24日、陸軍の兵力を現在の約52万人から44万─45万人規模に削減、実現すれば、米陸軍の規模は第2次世界大戦に参戦する前の規模に縮小すると発表しました。今後10年間で約1兆ドル(約102兆円)の歳出を削減する案を模索中で、2015年度の国防予算は約4960億ドル(約51兆円)といいます。 
今年(注:現時点では昨年)の3月1日、オバマ大統領は予算管理法(Budget Control Act)によって規定されていた「sequestration」条項の発動に追い込まれました。 
この「sequestration」という用語は、多くのアメリカ国民にとってもなじみの薄い言葉であり、もちろん日本ではさらに聞きなれない言葉です。英和辞典にはこの単語の訳語として「隔離、流罪、隠遁、(法)係争物第三者保管、財産仮差し押さえ、接収、(医)腐骨化、(化)金属イオン封鎖」といった訳語が列挙されていますが、今回発動された「sequestration」には、「強制歳出削減」あるいは「自動歳出削減」といった訳語が与えられています(本稿では「強制削減」と呼称します)。 
強制削減は、アメリカにおいて史上初めて実施されることになりました。そのため、その本当の影響はなかなか理解しにくいと言われています。 
アメリカでは、今回の強制削減の発動は金融・経済界ではすでに織り込み済みであり、アメリカや世界の株式市場や経済動向に対する影響はそれほど深刻なものではないといった見方がなされています。しかし、最大の削減対象となる国防関係は極めて甚大な影響を受けることになり、アメリカ軍事戦略そのものの修正を余儀なくされかねない状況に直面しています。
今後アメリカの軍事予算はしばらく、削減されることはあっても増えることはありません。これは、当然のことながら、アメリカ軍の活動に大きく影響を及ぼします。アメリカ側としては、経済大国でも日本に対して、日本の防衛は、その大部分を日本に任せることで、かなり軍備を節約することができます。

これによって、他の重要な部分の軍備を減らさないですんだり、さらには、強化することも可能になります。

議会が日本の改憲を良しとする派が、多数派であり、軍事費が削減されるということから、これは日本の、戦後体制からの脱却への追い風となるのは間違いないです。

しかし、現状では、アメリカは世界唯一の超大国であるという事実には変わりありません。また、すぐにそうでなくなるということもありません。こうした、超大国を味方につけつつ、同盟関係は崩さず、賢く実質的に戦後体制から脱却することが、日本の進むべき道だと思います。

それにしても、戦後体制が崩れてはいない、現状においては、世界で唯一の超大国の大統領であるオバマは、中国や韓国にももっと厳しい態度をとるべきです。そうすることによって、中国や韓国は吠えまくるかもしれませんが、吠えたからといって、超大国アメリカになすすべなどありません。

日本が協力して、アメリカが本気をだせば、今でも中韓など全く敵ではありません。それは、中韓自身が良く知っていることです。だから、日本に対して反日活動をしたにしても、デモンストレーションどまりであり、戦後体制に組み込まれた日本に対しては、最後の一線を踏み外すことはできないのです。

もし、踏み外せば、超大国アメリカを敵にまわさなければならなくなります。それは、あまりにリスキーなことです。

戦後体制からの脱却など、非現実的だとか、夢物語のように考える人もいますが、このようなことを知ると、そうではないことが良く理解できます

安倍総理は、このようなことを理解し、少なくとも戦後体制から脱却を近い将来に確かなものにするため、様々な手をうちつつあるし、長期政権が確実なものになれば、これからもさらに積極的に打っていくことでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年5月22日木曜日

安倍首相支える自民議員11人が「靖国参拝反対」に署名してた―【私の論評】安部総理の周りは敵だらけ、日本の仏教界を利用して、間接侵略を目論む中韓許すまじ、利用される仏教会はもう、終わりの始まりか(゚д゚)!

安倍首相支える自民議員11人が「靖国参拝反対」に署名してた

西田昌司参議院議員
安倍首相の側近議員らの間で、ある議員がやり玉にあがっている。自民党副幹事長であり、西田昌司参院議員(55)のことだ。西田氏といえば「新・国会の爆弾男」と呼ばれ、民主党政権時代は、国会で閣僚を厳しい質問で追及する姿が大きくメディアにも取り上げられた。安倍自民党の政権奪還の立役者の一人だったのだが──。

「政権復帰後、追及スタイルを発揮する場所がなくなり、存在感は急低下しました。そんな中で保守系議員からは『裏切り者』との批判が上がっているのです」(ある保守系議員の秘書)

一体、何が理由なのか。西田氏のトーンダウンの背景の一つに、ある宗教団体との関係をみてとる声がある。

「昨年7月の参院選で、西田氏がある宗教団体から推薦状をもらっていたことが足枷になっているのではないか」(同前)

その「宗教団体」とは全日本仏教会(全日仏)だという。浄土真宗本願寺派や曹洞宗、日蓮宗など、59の仏教教団が加盟し、約7万ともいわれる寺院を影響下に置く伝統仏教宗派の連合団体だ。西田氏の選挙区、京都ではとりわけ強い集票力があるとされる。

日頃、靖国参拝支持を公言し、東京滞在中は毎朝、靖国を参拝してから公務をこなすという西田氏が、「靖国参拝反対」誓約書にサインしていたとは信じがたい。

実は、昨年の参院選で全日仏から推薦をもらい、当選した自民党候補は西田氏のみではない。全日仏は自民党候補12人を推薦し、その中から愛知治郎(宮城県選挙区)、石井みどり(比例区)、鴻池祥肇(兵庫県選挙区)、酒井庸行(愛知県選挙区)、島田三郎(島根県選挙区)、武見敬三(東京都選挙区)、西田昌司(京都府選挙区)、橋本聖子(比例区)、古川俊治(埼玉県選挙区)、松山政司(福岡県選挙区)、溝手顕正(広島県選挙区)(太文字は管理人によるもの)の11人が当選している。

西田氏以外にも鴻池氏や武見氏など、日頃から“保守派”として認知される議員らの顔も見えるが、彼らは安倍首相の靖国参拝をどう受け止めているのか。

※週刊ポスト2014年5月30日号

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】安部総理の周りは敵だらけ、日本の仏教界を利用して、間接侵略を目論む中韓許すまじ、利用される仏教会はもう、終わりの始まりか(゚д゚)!

私は、前から日本の仏教界はおしまいだと思っていました。特に、おかしな仏教団体があります。その最たるものは、全日本仏教会です。

この団体、完璧に狂っていて、まともな宗教団体ではありません。

どこがまともでないかといえば、まずは、全日本仏教会の小林正道理事長は本年1月5日、首相官邸に世耕弘成官房副長官を訪ね、憲法が定める政教分離の原則を踏まえ、安倍晋三首相と閣僚に靖国神社への参拝を自粛するよう要望しています。副長官は「首相に伝える」と述べたにとどまっています。

要請文書を手交(左:世耕弘成内閣官房副長官 右:小林正道本会理事長)

釈尊は士族階級なので、名声を得てからも政治に参与する機会はありました。自信もありました。しかし、政治に参加することは出家の道ではないとして、政治的言動はしませんでした。直弟子に政治活動をしたものはいません。世俗のことは世俗の人に任すのが、仏教の立場です。 宗教家は、政治からは、距離を置くべきです。

次に、仏教は原則として、世俗の習慣を否定するものではありません。日本国民が英霊に詣でるのは、何ら非道徳的なことではありません。政教分離などという言葉を遣って閣僚の参拝の自粛を求めるのは、仏教徒のやることでありません。

第三 に、閣僚の靖国参拝を非難するのは、アジアの中でも、中韓だけのいかれた連中だけです。多分、全日本仏教会は中韓の連中に牛耳られているのでしょう。

第四 に、日本仏教の衰退が従来から言われているのに、他人の揚げ足取りをする暇があったら、自らの人格を高めるべきではないかということです。仏教は、法と戒律から成ります。肉食妻帯し、金儲けに夢中になってる出家人は仏教徒でない。最早狂った新興宗教としか見えません。

第五に、この団体韓国と強いつながりがあると見られることです。

平成24年6月、全日本仏教会は韓国で「世界仏教徒会議韓国大会記念ツアー」という名目で、釜山ロッテホテル、麗水市オーシャン・リゾートホテル、2012麗水世界博覧会観光などの豪遊を行っています。ここで半田前会長は書面にて、東日本大震災に際して韓国仏教界から多大な支援があったと謝意を表しています。

東日本大震災以後の日韓関係を振り返ってみれば、この発言は噴飯ものです。これだけ見ても、全日本仏教会が靖国神社の首相・閣僚の参拝禁止を要求したのは、どこの国の意向を汲んだものなのか、 容易に察しがつきます。


上の写真は、全日本仏教会が「脱原発宣言」をしたことを報道する新聞記事です。国の長期エネルギー戦略にもくちばしを挟む、この団体は宗教団体というよりは政治団体のようでもあります。

彼らは、原発に関して、ダライ・ラマがどう思っているのかなど、知りもせず、ただただ中韓の代弁をしているのだと思います。日本が弱れば、一番喜ぶのは彼らです。

こんないかれた団体に与して、推薦をもらって当選する議員は、所詮いかれ頭でかつ安倍総理大臣の敵であるばかりではなく、日本国民の敵です。

それにしても、全日本仏教会に限らず、日本の仏教会の腐敗には驚くべきものがあります。

その実例を以下に掲載します。

仏教には得度という儀式があります。これは、仏教における僧侶となるための出家の儀式です。

本来、僧侶になるには、仏教教団の10名の先輩構成員(三師七証)の承認があり、戒律を護る事を誓えば誰にでもなれるものでしたが、中国や日本に於いては、労働、納税、兵役を免除されていたため、僧侶になる者が続出し、国家の財政を脅かす事態となりました。そこで国家は年度や地域毎に僧侶になる人数を制限するために、得度を国家の許可制としました。

しかし、明治になってからは、この得度国家の許可制ではなくなりました。しかし、国家の許可かなくなったのですが、得度によって、名前を変えることができ、それを役所に届けて実際に名前を変えることもできます。

これを悪用する犯罪が相次ぐようになってきています。

これについては、以下のNHKの番組「クローズアップ現代」の内容をご覧になって下さい。

追跡 “出家詐欺” ~狙われる宗教法人~

動画はこちらから(゚д゚)!


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、この得度を悪用して、債務を逃れたり、融資をだまし取るなどの手口が紹介されています。

とんでもないことです。

この番組は、こうした事件の背景として、お寺が継続しにくい環境にあることをあげ、その解決方法として以下のように締めくくっていました。
やはり葬儀や法事主体のお寺の活動はもう限界がきていると思いますね。 
ですのでこれからはやっぱり、日本人の心の中にまだ仏教に対する、帰依しようという気持ちが私はあると思うんですね。 
仏像の前で手を合わせるという習慣もありますしね、そういう習慣が残っているうちに、お寺がもっと信者さんたちに働きかけて、国民の宗教心を高めてほしいと思います。
それが本来の役割だと、私は思います。 
(本当の仏教の教えを伝えるということに立ち返らないと?) 
そうですね。 
まさに今、チャンスじゃないかもしれないとも思いますよね。
日本の仏教会は原点に帰るべきです。全日本仏教会のように、安部総理の靖国参拝を批判するなど、もってのほかです。

また、このような団体に与して、結局安部総理の反対勢力になるような議員もいりません。

それにしても、中韓は様々なチャネルを使って、安倍政権をなきものにしようと企んでいます。しかし、これは、裏からみれば、ここまでしてなきものにしたいというのは、かなり脅威に感じているということだと思います。

それにしても、そもそもこの問題は中韓が悪いのですが、こんなことに利用される仏教界も相当いかれています。こんなことばかりやっていると、いずれ消えるしかなくなります。上で示した事実は、日本の仏教会の終わりの始まりを象徴しているのかもしれません。

安部総理は、これから毎日でも靖国を参拝されて、英霊の皆様に敬意を表するととも、中韓を徹底的に混乱させるべきと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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