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2017年12月17日日曜日

有本香「憲法9条で日本の平和が守られるというのは勘違い。だって9条は他の国には何の関係もないから」―【私の論評】安全保証には幼稚な議論ではなく成熟した議論が必要(゚д゚)!

有本香「憲法9条で日本の平和が守られるというのは勘違い。だって9条は他の国には何の関係もないから」
ジャーナリストの有本香が憲法9条について「あくまで自国内のルールなので他国には有効に機能しない」と重要な指摘を行った。

北朝鮮が挑発を繰り返す中、憲法9条は何の役にも立っていない。

有本香「国防というものを考えなくていい時間が長すぎちゃったわけですよ。だけど本来は国にとっては国防はなくてはならないことでしょ」

小藪千豊「ある一定の人たちは『うちは9条あるから日本の安全が守られてきた』と。『国防なんて考えなくていい』という人たちがたくさんいますもんね」

有本香「でもそれは論理としては完全に破綻している話で、国内で憲法9条をもっていても他の国には何の関係もない話ですからね」

小藪千豊「うん」

本来、日本の平和を守るための憲法9条が無意味になっているという今の状態は極めて深刻に捉えないといけない。金正恩にとって日本は絶対に反撃してこない腰抜けでミサイルで威嚇して交渉の材料として利用するにはもってこい。

netgeekでは以前「憲法9条を変えたほうが戦争は防げる」という漫画を紹介していた。

参考:漫画「憲法9条を改正したほうが戦争を防げる」が大反響


今の日本の状態は相当危ないのではないだろうか。他国が武力を使わないで国を乗っ取っていく経緯にぴったり当てはまる。


あとは移民が大量に日本に来るようになったらもうおしまい。そうなる前に憲法9条を改正して日本が強い国に生まれ変わらないといけない。平和ボケしている日本人は国防について真剣に考える必要がある。

【私の論評】安全保証には幼稚な議論ではなく成熟した議論が必要(゚д゚)!

有本香さんに指摘されるまでもなく、憲法9条で日本の平和が守られるなどという考えは最初から成り立たないことは明らかです。

日本国憲法は、日本国に適用されるものであって、他国には適用などできません。国連憲章では、独立国の自衛戦争が認められています。これは、逆の方向からみれば、自衛戦争もしない国は国際的に独立国とはみなされないということです。


そうなると、現在自衛戦争すらおぼつかない日本は、独立国ではないということになります。まずは日本を独立国にしなければなりません。そのためには、憲法解釈の変更するか、改憲をして日本を自衛戦争ができる国にする必要があります。

このようなことを考えれば、国内で憲法9条をもっていても他の国には何の関係のないことは明らかです。

護憲派といわれる人々は、このような常識も働かないようです。そうして、こういう人たちは、安全保証に関して幼稚な考えしか持っていません。そうして、改憲派といわれる人たちにもそのような傾向があります。

今年の8月11日の朝まで生テレビで、司会の田原総一朗氏が「国民には国を守る義務がある」との発言に対して、村本氏が「それをね絶対に戦争に行くことのない年寄りに言われても何もピントも来ないんですよ」と反論したことが話題になっていました。



そうして、終戦記念日の15日、ツイッターで村本氏は「僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません よろしく」と宣言し、賛否を呼んでいました。
この番組を見ていると、田原さんも村本さんも、どうも前提にしているのは「日本が本土決戦に追い込まれて敵が目の前にいるときに自分がゲリラとしてその辺にある物を持って対抗するかどうか」という前提で安全保障や国防を考えているようです。

そもそも、「戦争に行く」って言い方ですから、歩兵としてどこかで戦うこと想定しているようです。戦争というと、汗塗れになって塹壕を掘って、その塹壕から目に見える敵に向けて、小銃を撃ちまくるのが戦争だと思っているようです。

第一次世界大戦の塹壕戦
このように多くの日本人は、安全保障というと、このような全近代的な前提でものを考えているのではないかと思い一抹の不安を覚えます。こんなことでは、日本人は日清日露戦争では勝利できても、現代戦では勝つことはできないのではと思ってしまいます。

日本は海洋国家ですから、敵が侵略してくるなら海を越えてこないといけません。自衛隊は敵を目にすることができない水平線の向こうにいる敵を撃破します。敵の潜水艦も対潜哨戒機で上空から攻撃します。

現代の戦争は相手の姿を見る前にほぼ決着がついてしまいます。村本さんに召集令状が届く前に、スイッチを「ポチッと」押してそれで戦争の大勢は決まってしまいます。

というか、そのように終わるような備えをしてないと現代戦では絶対に戦争に負けます。

現在フィリピンが中国の海洋侵略に苦労してますが、これは現代戦への備えが足りないのでそのようなことになっているのです。フイリピンはアメリカが現代戦を一緒に戦うように備えてくれていたにもかかわらず、ずいぶん前に追い出してしまいました。


現在の日本の自衛隊は敵が日本に上陸してくるような事態にならないように、また仮に上陸したとしても数日、または数週間で奪還できるような戦略を立てています。そもそも、最初から国民のゲリラ戦は想定してません。

仮にそういう状況が発生したとしたら、全力で戦闘地域から逃げて足手まといにならないようにすることが「戦う」ことです。そもそも、現代戦はかなり高度な知識を駆使して戦いますから、そのような高度な知識を持たない民間人は、現代戦には役にたちません。だからこそ、現代戦を戦うことを想定している多くの国々では、徴兵制が廃止されているのです。

朝ナマでの田原氏の言い方からは、日本が完全に敵に占領されてる状態で抵抗することを想定しているとしか思えません。

それこそ、ポツダム宣言受諾後にやってきた進駐軍にテロ攻撃する究極の選択を第一問目に持ってきているという有様で、最初から想定が狂っています。村本さんの安全保障に対する認識に問題があるのを割り引いたとしても、さすがにこの質問の仕方は異様です。

まさに、卵が先か、鶏が先かを論ずるような机上の空論に過ぎませんでした。そうして、この番組は「実際にその2つを持ってこい!」で終了してしまいました。

そもそも、先程述べたように、現代戦において村本さんが戦場で活躍する機会はありません。現代戦は資本集約型の戦争です。高度なハイテク兵器で戦いますから素人が戦場に行っても足手まといにしかならないのです。部外者ができることは、しっかり働いて税金を払うことです。そうして、田原さんの想定している戦争も現代戦ではなく、一昔前の戦争です。

上のように考えると、田原氏の「あなたは戦いますか?」という質問がいかにほとんど無意味なことが良く理解できます。こういう質問を誰かに受けたら即座に「はい、納税することでいますでに私は戦ってます」と言い返すべきです。

本屋でおかしげな本、例えば日本が国家破産するとか、金融緩和するとハイパーインフレになるなどという内容の書籍を見つけたら抗議するとか、偏向報道を見つけたら抗議するとか、これも戦いです。

今の戦争は目に見えないサイバー戦、心理戦、宇宙戦戦場ですでに始まっているのです。こんな時代にいきなり本土決戦を想定した、と逆質問してもいいと思います。

ゲリラ戦のために、ベトコンが掘った全長250kmにわたる地下道
本土決戦でゲリラ戦みたいな状況に追い込まれないためには、必要以上に自衛隊の手足を縛っているいまの状況を変えるべきです。その方法は、憲法を改正するのでも、解釈の変更でも良い思います。

つい最近まで、護憲派は同盟国の艦船が攻撃を受けていてもそれを援護したら「侵略行為だ!」とか愚かなこと言ってました。安保法制のバカ騒ぎはまさにこれです。

日本に味方してくれる国の部隊が敵に攻撃されてたら、一緒に守るのは当然のことです。そんなのはスターウォーズなどの映画でも見れば理解できます。異星人だって地球に味方してくれるなら同盟軍として一緒に戦うのは、当たり前です。

日本の安全保障に関する議論にはこういう「いきなり本土決戦」のような雑な議論が多いです。このような議論は時間の無駄です。

安全保証に関しては、このような幼稚な議論ではなく、成熟した議論が必要です。

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2017年7月28日金曜日

【国防最前線】必要性が低い女性防衛相 圧倒的に男性が多い自衛隊、弱体化しかねない「客寄せパンダ」的施策―【私の論評】現状で、憲法9条だけが変わっても無意味(゚д゚)!


稲田防衛大臣 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
私はそもそも「女性を防衛相にする必要性は特にない」と思っている。非常時でも、すっぴんで髪ボサボサというわけにいかないだろうから、そういう意味で適さない。

 小池百合子防衛相時代も、演習場視察の前日から自衛官がひたすら散水を続けたり、動線に敷物をしたり、あれこれ心を配っていたことを思い出す。本人が知れば「そんなことは無用だ」と言うだろうが、やはり男性大臣よりも神経を使うことは確かだ(=ほとんど注意を払わせない、身だしなみなど気にしない女性ならいいかもしれないが)。

 もし、「女性活躍の象徴」として女性防衛相を選んだのだとしたら、何の意味もなさない。

 自衛隊には圧倒的に男性が多い。それは男性にしかできない任務が多いからだ。ただ、女性にできる分野もあり、これまで開放されなかった職種を希望する女性も出てきている。昨今は女性も活躍の場を広げつつあるが、それは人口減に伴う労働者不足を補わなければならない日本全体が抱える状況と同じ。つまり、人手不足が大きな要因だ。

 本来、戦場では女性は足手まといになる。女性防衛相が就任して応募が増えたというなら効果があるといえるが、おそらく、そのような成果は出ないだろう。まして、女性の魅力で(?)沖縄問題が進展したり、憲法改正に理解が広がるなどということもない。

 今後、本気で女性枠を拡大させるならば、女性防衛相を据えることなどではなく、インフラ投資のために防衛費のGDP枠2%以上へ増額など、相当の覚悟をすべきだ。スーパーマーケットとまでは言わなくても、基地や駐屯地に低料金か無料の託児所を完備するなりの徹底した措置を施した上で将来も女性を簡単に諦めさせない体制を構築すべきだろう。

今現在は「任務に全力をささげたい」と考えている女性隊員らが、ある時に価値観が変わり、家庭が優先順位のトップになることは大いにあり得る。その時に、引き留める要素が何もないのなら、それは組織の怠慢となる。

 しかし、問いたいのは、それだけの投資・支出を国民は許容できるのかだ。

 莫大(ばくだい)な経費を要するミサイル防衛、サイバー、宇宙など、日本の防衛に必要な金はまったく足りていない。それらを抑えてまでやるのか? あるいは別枠予算でも付けるか?

 マンパワー獲得という真の目的からかけ離れた、「客寄せパンダ」的な安易な施策では、自衛隊が弱体化しかねない。防衛省をめぐる一連の騒ぎは、自衛隊PKO(国連平和維持活動)のあり方、女性活用の今後を熟考する契機にすべきではないだろうか。 

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。テレビ番組制作などを経て著述業に。防衛・安全保障問題を研究・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気-そのとき、彼らは何を思い、どう動いたか』(PHP研究所)など。

桜林美佐さん

【私の論評】現状で、憲法9条だけが変わっても無意味(゚д゚)!

ブログ冒頭の桜林美佐氏の、論評はやはり女性の軍事問題研究科だからできるというとろがあると思います。男性や、軍事の素人ではなかなか、ここまではっきりとは書けないです。このようなことを男性が書くと、女性差別主義者であるとみなされてしまうかもしれません。

それに、誰が正しいとか、誰が間違いなどというような、倒閣のために自衛隊を利用する輩共とは異なり、不毛な議論ではなく、何が正しい、何が間違いという観点から論じていて、理解しやすいですし、こういう論点なら、正しい意思決定のきっかけづくりにもなりえると感じました。

対戦車ヘリのパイロットの訓練を受ける女性自衛官
私も、女性の防衛大臣は必要ないと思います。これは、直接は関係ないのかもしれませんが、たとえば戦場で戦闘中に用を足すことを考えた場合、女性はなかなか難しいと思います。

昔聴いた話ですが、戦闘中に用を足したくなった場合は、無論我慢はするのですが、我慢しきれなくなった場合、米兵のほとんどは戦闘のその場で、銃をうちながら、大便でも小便でも、用を足すのが当たり前なのですが、日本兵は特に大便の場合など、人目をはばかり、人の見えないところまで行って用を足すものが多く、その間に敵から撃たれるものが結構いたという話をきいたことがあります。

これは、当然のことながら、米兵のやり方が正しいです。戦闘中には、その場で銃をそばにおきいつでも敵に対応できるようにして、用を足すべきです。

1945年3月 硫黄島 
このようなことは、確かに女性には難しいことだと思うのです。とはいいながら、女性のほうがが向いている役割も多いです。

しかし、そうはいっても、桜林さんが主張するように、「女性活躍の象徴」として女性防衛相を選ぶというのは、全く無意味だと思います。

そうして、桜林さんの語っているように"マンパワー獲得という真の目的からかけ離れた、「客寄せパンダ」的な安易な施策では、自衛隊が弱体化しかねない。防衛省をめぐる一連の騒ぎは、自衛隊PKO(国連平和維持活動)のあり方、女性活用の今後を熟考する契機にすべき"です。

自衛隊に関しては、憲法9条を変更する前に、できることは多くあります。また、憲法9条が変わったとしても、自衛隊がすぐに変わることを意味するわけでもありません。

それについては、以前このブログにも掲載したことがあります。
【憲法施行70年】安倍晋三首相がビデオメッセージで憲法改正に強い意欲 「9条に自衛隊書き込む」「2020年に新憲法を施行」―【私の論評】憲法典を変えればすべてが変わるというファンタジーは捨てよ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
安倍内閣で防衛費が5年連続増額しているのを、評価する向きもあるでしょう。しかし、防衛費1%枠などという何の根拠もない霞が関の掟を頑なに守っている枠内での話に過ぎません。 
トランプ米大統領は、「同盟国は義務を果たすべきだ。せめて防衛費を文明国水準のGDP2%にまで引き上げよ」と訴えています。 
これは大きなチャンスです。増やせば良いのです。これだけ北朝鮮が暴れまわり、中国やロシアといった不安定要だらけの隣国に囲まれているのです。日本が防衛費をGDP2%に増やしたとて文句を言うのは敵国だけです。 
しかし、国内には防衛費増額を拒む勢力がいます。財政支出抑制を金科玉条とする財務省主計局、彼らに唯々諾々と従う防衛省自衛隊、そしてそれを是とする政治家。
ある自衛隊の駐屯地でのトイレットペーパーに関する注意書き。予算の問題はこんなところにも。
防衛費増額と憲法は何の関係もありません。それとも、自衛隊が、「米軍並のファーストエイドキット携行できるにようにするとか、軽武装をできるだけの人数を充足させる、アメリカ軍楽隊よりもマシな訓練を行えるようにする、トイレットペーパーの減り具合を気にしないで済むようになする」というような、これらの予算請求もすべて憲法改正をしなければできないのでしょうか。そんな馬鹿な話があるはずがありません。
平成27年度自衛隊音楽まつりに参加した米軍の軍楽隊
本気で戦争に備えているのであれば、防衛省は予算の拡大を要求するはずです。現状を見るに、自日本の本気で戦争する気は無いように思えます。このような現状は仮想敵国には見透かされているでしょう。であれば、自衛隊の抑止力はかなり低いと考えられます。 
憲法を改正する以前に、努力してより自衛隊を実戦的に変えることは可能なはずなのです。ところが威勢のいいことを言う「保守の論客」はこのような小さな問題をコツコツと掘り起こし、解決しようという地道な努力をしようとしません。 
世論を煽り、新しい玩具を買え、防衛費を増やせ、自衛隊の定員を増やせ、憲法を変えろと叫ぶだけです。まあ、その方が楽だし人気もでるのかもしれません。しかし、いくら喰うためとはいえ、そんなことで良いのでしょうか。 
できるかどうかもわからない、非常にハードルが高い憲法改正を叫び、それが出来れば世の中は変わると主張し、小さな努力はしない。それでは沖縄で反基地闘争をやっている連中と同じではありませんか。
私は、憲法9条を変えるという安倍総理の考えには、賛成ですが、 その前にできることはするべきです。

そうして、憲法9条を変えさせまいとする野党や、マスコミが、ここにきて一気に日報問題で、稲田防衛大臣を辞任に追い込みました。

稲田大臣は、確かに安倍内閣の中で最も評判が悪い閣僚になっていました。失言も多く、メディア出演・答弁・記者会見も頼りないものでした。記者懇談会に出ないこともあってメディア等からの視線も厳しく、連日連夜、稲田大臣と彼女を支えている統幕・内局に不利な一部の陸自幹部からと思しきリーク情報が報道されていました。

政治指導者の過ちをただし国民に直接説明するという姿勢は一見もっともらしいですが、極めて危険です。なぜならば「国民」とは実際にはひとかたまりではなく、多種多様だからです。

「国民のため」という発想は、「天皇陛下の御為」「国民の為」を掲げた226事件がそうであったように、「自分と同じ考えの国民」という独善に陥りやすいです。だからこそ、今回のリークはクーデターであり、重大なのです。

日本を震撼させた2.26事件
このことを野党やマスコミも指摘すべきであるにもかかわらず、普段は過去の軍部の暴走の危険を例に出し、文民統制の重要性を指摘しておきながら、今回は、目的があくまで倒閣なので、稲田防衛大臣個人や、安倍政権を攻撃するだけです。

とはいいながら、リークの全てを否定するものではありません。例えばパワハラ等への内部告発はもっと行われるべきです。しかし、それはあくまでも文民統制に反しない限り、つまり政治的活動に関与しない範囲であるべきなです。
しかし、それにしても、稲田大臣が辞職し、制服組がリークによって大臣を辞職させ、首相の政治生命すら危うくさせたという前例を作ってしまったということは非常に残念であるし、かなり危険なことでもあります。

なぜなら、今後の防衛大臣が陸自に対して“忖度”せざるを得なくなってしまう可能性があるからです。その結果、陸自の不祥事を追及できず、陸自も含めた防衛省改革が不可能になるおそれがあります。

要するに、今後、稲田大臣に変わって優秀かつ能力があり、熱意あふれる防衛大臣が誕生し、改革を断行しようとしても、真偽不明の内部リークで潰されてしまう、もしくはそうされることを恐れて断念してしまう可能性がでてきたのです。

こうした事態を避けるため、今回の日報問題を踏まえた文書管理のありの方針を決めるべきです。それこそが、本来稲田大臣がとるべき責任であったはずでし、それを稲田大臣にやらせるべきでした。辞任はその後でも良かったはずです。

南スーダン派遣自衛隊日報
部隊がどこいるか補給物資や弾がどれくらいあるかといった部隊の安全に関わる情報が満載された何十ページにも及ぶ日報が、その都度、情報公開請求されれば、部隊にとっては大きな負担になります。

今回のように、その都度情報公開の判断をさせれば、部隊の活動の政治問題化、部隊への政治介入が起こり、部隊にも隠蔽のインセンティブが働いてしまうことになります。このままでは現場の部隊は、上級部隊に何も意味のある報告できなくなり、現場と上級舞台は、分離されてしまうことになります。そんなことになれば、自衛隊は崩壊します。

これらの日報は自衛隊全体では、膨大なものになります。これを逐一、政治家などが日々全部読んで、様々な判断をするなどということは不可能です。無論、自衛隊の幹部などもそのようなことは不可能です。

現場の日報は、何のためにあるかといえば、当該部署の1年間の流れを把握するという意味もあると思います。はじめてその部署についた人でも、日報をみれば大体の流れをすぐに把握できます。だから、現場で日報をある期間保存するというのは当然といえば、当然です。3年間くらいは保存したいところでしょう。5年前のものだと、随分状況が変わっているので、現場でも破棄しても良いかもしれまん。

そこで今後は、このような現場の実情も踏まえて、文書管理の方法を設定すべきです。PKO部隊なら活動が終わった直後あるいは年一回を区切りとして、他の部署なら3年に一回として、活動終了後3年といった公開時期を設定し、あらかじめ公開すべき内容と公開すべき範囲、非公開にすべき内容を定め、特異な事象が発生した場合には即公開するといった基準を設けるべきです。

こういうと、すべてをのべつまくなくリアルタイムで公開すべきであるという愚かな人もでてくる可能性もありますが、この日報は、いわば軍隊のものであり、そもそも最初から公開すべきでないものもあります。たとえば、部隊の脆弱性に関するものなど、一般に公にすれば、仮想敵に対して有益な情報を与えるだけになります。あるいは、当初は重要でなかったものが、後で重要であることがわかるということもしばしばあるはずです。

このあたりも、他国の軍隊のやり方を見習い、慎重に定めるべきでしょう。それから、稲田大臣は辞任しましたが、今後の議論が稲田大臣個人の問題や、安倍総理個人の問題に矮小されることなく、文民統制や日報管理のあり方、そもそも一義的な文民とは国民なのか、政治指導者なのか、まともに議論されべきものと思います。

そうして、憲法9条を変えることも重要なのですが、その前に文書管理等を明確にし、予算も増やすべきです。そうして、文書管理をまともにするためには、他の事柄もかえなくてはないらないことがいろいろと出て来るはずです。それも逐次変えていくべきです。今の状況で、憲法9条だけが変わっても、無意味です。

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2016年5月19日木曜日

「自衛隊は要らない」という「9条信者」が忌み嫌う『カエルの楽園』―【私の論評】護憲派だけでなく保守ですら錯誤している憲法9条!宅配ピザは違憲ではない(゚д゚)!


カエルの楽園


■自衛隊は違憲だ

5月3日の憲法記念日に合わせて、新聞やテレビなどでは憲法9条や改憲に関する話題が多く扱われた。NHKの「日曜討論」には各政党の党首、幹部が出席して議論を繰り広げていたが、中でも異彩を放っていたのは日本共産党だろう。

「自衛隊を違憲と考えるのか」という問いに対し、志位和夫委員長は従来からの自説、すなわち、同党が以前より唱えている「段階的解消」論を述べた。

これは、ごく簡単にいえば、自衛隊を「当面は維持」するが、そもそも自衛隊は「憲法9条違反」の存在なのだから、軍縮を進めて、段階的に解消する、という方針のことである。

「それで国の安全は守れるの?」という素朴な疑問に対しては、すべてのことを話し合いで解決できるような状況を外交的努力によって実現すれば、自衛隊は不要であるし、政治の力でそういう状況を作ることはできる、というのが志位氏らの主張だ。

このスタンスはかなり極端だとしても、「憲法9条のおかげで日本は平和だったが、集団的自衛権の行使容認によってリスクが高まった」という主張をする政党、識者は多い。一方で、こうした立場に対して「9条信者」と揶揄する人も少なくはない。この古典的な対立の構図はいまだ健在で、「日曜討論」でも、お馴染みの言い合いが繰り広げられていたのである。

■争うための力は不要?

こうした議論に関して、「あの小説にそっくり」という声が一部で上がっている。百田尚樹氏の新作『カエルの楽園』だ。

百田尚樹氏

同書の主な舞台は「ナパージュ」というカエルたちの国。そこには「三戒」という教えが存在していて、国民(カエル)たちは皆、それを信じている。「三戒」とは、「カエルを信じろ」「カエルと争うな」「争うための力を持つな」というもの。

ナパージュのカエルの多くは、「自分たちが平和に暮らせているのは、『三戒』のおかげだ」と信じている。

しかし、外の世界から来たカエルには、到底信じられない話なので、あれこれ聞いてみるのだが、ナパージュのカエルたちの「信念」は揺るがない。その問答の一部を、同書から引用してみよう。

「もし(他の国から)襲われたら、どうするの?」

「襲われたって争いにはなりません」

「どうして?」

「ぼくらが争わなければ、争いにはならないからです」

「たしかに争わなければ争いにはならないだろうけど、襲われたら、どうやって身を守るんだい?」

「襲われないんですから、そんな話をしてもしかたがないでしょう。この国は三戒が誕生してから、一度だって他のカエルに襲われていないんですから」

「それって、たまたまじゃないのか」

「あなたはたまたまで平和が長く続くと思いますか? いいですか、この平和はぼくらの三戒の教えのおかげなんです。それ以外にはないんです」

徹底して、ある種の「カエル」たちを戯画化した同作は、これまでの百田作品以上に賛否両論を巻き起こしている。福岡県在住の共産党の町議会議員は「立ち読み」をしたうえで、「ひどいの一言」という感想をツイッターで述べたほどである(それに対し、そもそも丸ごと「立ち読み」というのはいかがなものか、という批判も出た)。ナパージュが迎える衝撃の結末が、癇に障ったのだろうか。

一方で「これからの日本を考えさせるために、子どもに読ませておきたい」といった感想も多く寄せられており、同作は寓話ながらも、これから憲法を考える上で、一つの入り口となっていくのかもしれない。

【私の論評】護憲派だけでなく保守ですら錯誤している憲法9条!宅配ピザは違憲ではない(゚д゚)!

この小説『カエルの楽園』は、私も読みました。非常に読みやすいので、半日もあればゆっくりと読んでも、十分読めます。非常に寓意に満ちた書籍です。この書籍を読めば、現在の日本の状況はまさに「カエルの楽園」であり、いかに危険なのかが理解できます。

そうして、当然のことながら、いわゆる多くの護憲派の憲法9条の解釈がいかに危険なものであるのか、良く理解できます。ここで、わざわざ「護憲派の憲法九条の解釈」と掲載したのにはわけがあります。

とにかく、護憲派は憲法九条に書いてあるから、日本はそもそも武装はできないし、どのような場合にもそれを行使してはならないと主張します。そうして、憲法9条にそう書かれているのだから、自衛隊は違憲であると主張します。

しかしながら、私はここにはっきりと言いたいのですが、これはいくつかある憲法9条の解釈のうちの一解釈に過ぎないです。

私は、常々驚いているのですが、百田尚樹氏も憲法九条について、このような解釈しかないと考えておられるようで、ある動画では「確かに憲法九条を読めば、日本は武装はできないし、自衛隊も意見なのです」という趣旨のことを語っておられました。

これについては、ご本人に直接確かめたことはないので、いずれ確かめてみようと思っています。ただし、私の周りの改憲派の人に聞いてみたところでは、全員が「憲法9条により、日本はいかなる武力も持てないし、いかなるときも武力を行使してはならない」と解釈していました。おそらく、他の改憲派の方々も同じように考えていらっしゃるのだと思います。

『かえるの楽園』にでてくる挿絵

なぜか、日本では、護憲派はもとより、改憲派や保守派の人々の多くまでが、憲法九条の解釈は一つしかないと考えておられるようです。

しかし、これは間違いです。たとえば、Wikipediaで憲法九条と検索してみてください。Wikipediaの憲法9条の中に、第9条の解釈上の問題という項目があります。

これをご覧いただければ、憲法9条の解釈は一つだけではなく、複数あることがおわかりになると思います。

詳細は、これをご覧いただくものとして、この憲法解釈の中に、佐々木惣一氏による解釈が以下のように掲載されています。

  • 戦力限定不保持説(自衛戦力肯定説)
憲法第9条第2項は自衛のための「戦力」まで禁ずるものではないとする説。
佐々木惣一氏は、憲法学会の中でも、京都学派といわれる学派の重鎮です。残念ながら、Wikipedia にはこの一行しか掲載されていません。"・戦力全面不保持説"については、いくつか掲載されていて、若干の説明もあるのですが、"・戦力限定不保持説(自衛戦力肯定説)"については、これしか触れられていません。
これ一つとっても、日本では"・戦力全面不保持説"が圧倒的に主流であり、自衛戦力肯定説は少数派であることがわかります。確かに、自衛戦力肯定説については、ここ20年くらいは全く影を潜めて、まるでなきがごときです。
しかし、この自衛戦力肯定説は、今から30年くらいまでは、新聞やテレビ報道でも紹介されていたものです。そのため、一般の人でもこれを理解している人も存在していました。しかし、いつの間にか完璧に消えてしまいました。
この説明だけでは何を意味する説なのか、あまりにも簡素な説明で、理解不能であると思います。
これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
佐々木惣一の「憲法第九条と自衛権」―【私の論評】安保法制=戦争法案としてデモをする人々は、まるで抗日70周年記念軍事パレードをする人民解放軍の若者と同じか?
佐々木惣一氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に、元記事の田中秀臣氏の記事から一部分を引用します。
佐々木の「憲法第九条と自衛権」をめぐる主張は、まずは純法理論的に行われている。この憲法第九条と自衛権の関係については、佐々木の『憲法学論文選(三)』(有斐閣)を中心に収録されている。ここでは、以下の著作から引用しておく。 
「国際関係複雑を極め,諸国間の対立激甚を極める今日,いかなる場合にも,いかなる国家よりも,侵略をうけることがないとは限らぬ。そういう場合に,国家としては,自己の存在を防衛するの態度をとるの必要を思うことがあろう。これに備えるものとして戦力を保持することは,国際紛争を解決するの手段として戦力を保持することではないから,憲法はこれを禁じていない。このことは,わが国が世界平和を念願としている,ということと何ら矛盾するものではない。これは,今日いずれの国家も世界平和を希求していること,何人も疑わないにもかかわらず,戦力を保持しているのと同じである。」(佐々木惣一『改定 日本国憲法論』)。
これらの佐々木惣一の解釈をもとに、憲法9条を読みなおしてみると、確かに、憲法9条は国際紛争を解決する手段として、戦力を保持することははっきりと認めていませんが、集団的、個別的を問わず、自国の防衛をすることまでは、はっきりとは否定していません。

皆さんも、もう一度憲法9条を読みなおして見てください。憲法9条には、自国の防衛のための軍備もするなとか、自国の防衛のために武力を行使できないと、はっきりと明示はされていません。

ということは、自衛のための軍備はしても、行使をしても良いという解釈は成り立つものと思います。

しかし、これは今の日本の東大を頂点とする日本の主流の憲法学会の憲法解釈とは明らかに違います。

そうして、この解釈は、佐々木惣一氏自身が述べているように、どんなに憲法解釈が純法理的にすばらしくても、現実に平和が維持されないでは意味をなさないのです。そこに佐々木の平和主義的な立場が濃厚に表れています。現在の安保法制議論でも単なる憲法学者の「違憲」表明だけで法案の現実政策的側面が忘却されがちですが、その点を合わせて考えると、佐々木氏の視点はいまも鋭いです。

いずれにせよ、以下に少数派ではあれ、憲法9条の解釈は唯一無二でないことだけは確かです。

自衛隊は合憲であるという憲法解釈も存在する
そうして、多くの人々は、あまりにも"・戦力全面不保持説"を刷り込まれてしまっていると思われるので、以前も掲載したことなのですが、以下に再度"戦力限定不保持説(自衛戦力肯定説)"も憲法解釈として十分成り立ち得ることを示す事実をいくつかあげておきます。

まず、自衛に関しては、国際連合の憲章にも、独立国に認められる当然の権利であることが掲載されています。

さらに、ほとんどの国々の憲法典(文章化された憲法)には、自衛に関しては集団的自衛権、個別自衛権にかかわらず、当然の権利であるとして、わざわざ憲法典に盛り込んでいません。憲法に書かれていないのですが、当然の権利として、行使できるものとしています。

さらに、日本の護憲派は、集団的自衛権については、これを認めると戦争になると主張しますが、これも本当に正しい見方であるのか、はなはだ疑問です。なぜなら、たとえばドイツには個別自衛権が認められていません。あくまで、NATOの管轄下での集団的自衛権しか認められていません。なぜかといえば、ドイツの個別自衛権を認めてしまえば、ドイツ一国で戦争を始めることができるという理由からです。

こんなことを掲載すると、護憲派の方々の中には、憲法9条に書かれていない、自衛権など行使できるはずはないと反論されるかもしれません。

しかし、そんな反論に対しては、以下のような反論をさせていただきます。

上記のような主張をする人は、「憲法典にはピザのことが書かれていない、よって宅配ピザの注文は違憲である」と主張しているのと何も変わりありません。全く非合理的です。もし、憲法に書いていないことを実行すれば、すべて違憲というのであれば、私たちは、そもそも憲法にしたがって生活することはできません。

宅配ピザを注文するのは違憲?


憲法9条の解釈は、このように"戦力全面不保持説"だけではなく、"戦力限定不保持説(自衛戦力肯定説)"も存在しているのであり、この解釈も十分に成り立つものです。

この解釈に従えば、そもそも自衛隊は違憲ではないし、自衛に限るならば、自衛隊が武力を行使することも違憲ではありません。そうして、集団的自衛権の行使も無論のこと、違憲ではありません。

この解釈をもっと多くの人々に広めるべきと思います。

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2015年1月21日水曜日

【イスラム国】日本人2人殺害を警告 72時間以内に2億ドル要求―【私の論評】「テロの対象になって当然、責任はアベにある」とする輩は憲法9条で武装させ、彼の地に「人質救出作戦」に赴かせ「話し合い作戦」を敢行させ、全員玉砕させよ(゚д゚)!

【イスラム国】日本人2人殺害を警告 72時間以内に2億ドル要求



AP通信によると、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が20日、身代金2億ドル(約236億円)を72時間以内に支払わなければ、拘束している湯川遙菜さん(42)ら日本人2人を殺害すると警告するビデオ声明を発表した。

ビデオでは、英国人とみられる男性戦闘員が、「(日本は)イスラム教徒の女性や子供を殺害し家を破壊するために1億ドルを寄付した」などと述べ、日本が米国主導の有志連合による対イスラム国軍事作戦を支援していると非難した。

湯川さんはシリア反体制派「自由シリア軍」やイスラム戦線などの混成部隊に同行していた昨年8月、内戦中のシリア北部アレッポ郊外でイスラム国に拘束されたとみられる。

ビデオ声明では、もう1人の男性の名前をケンジ・ゴトウ・ジョゴとしており、シリアなどで取材活動を続けていたフリージャーナリストの後藤健二さんの可能性がある。

【私の論評】「テロの対象になって当然、責任はアベにある」とする輩は憲法9条で武装させ、彼の地に「人質救出作戦」に赴かせ「話し合い作戦」を敢行させ、全員玉砕させよ(゚д゚)!

犯人は2億ドルの身代金を要求していますが、これは現時点で日本円に換算すると、230億円以上です。イスラム国などは、このようなことをしても日本は何もできませんから、強気に出ることができます。菅官房長官は、昨日「最大限の努力をする」と述べていましたが、実際にはなかな難しいと思います。

そもそも、イスラム国は日本に経済的に依存しているということもないため、交渉するにしても、交渉カードがありません。日本以外の一般的な国なら、イスラム国に対して報復することをちらつかせたり、実際報復することもあり得ます。しかし、日本は無理です。

しかし、本当は、報復などができるようにすることが、日本の安全保障に大きく寄与すると思います。

上記のニュースに関する、マスコミ等の報道に西村幸祐氏がツイート以下のような苦言をていしています。
私も全く同様に思います。

これに関しては、池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)がご自身のブログでマスコミに対して、問題提起しています。そのURLを以下に掲載します。

「イスラーム国」による日本人人質殺害予告について:メディアの皆様へ
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結論部分のみ以下に掲載させていただきます。
*「イスラエルに行ったからテロの対象になった」といった、日本社会に無自覚に存在する「村八分」の感覚とないまぜになった反ユダヤ主義の発言が、もし国際的に伝われば、先進国の一員としての日本の地位が疑われるとともに、揺さぶりに負けて原則を曲げる、先進国の中の最も脆弱な鎖と認識され、度重なるテロとその脅迫に怯えることになるだろう。 
特に従来からの政策に変更を加えていない今回の訪問を理由に、「中東を訪問して各国政権と友好関係を結んだ」「イスラエル訪問をした」というだけをもって「テロの対象になって当然、責任はアベにある」という言論がもし出てくれば、それはテロの暴力の威嚇を背にして自らの政治的立場を通そうとする、極めて悪質なものであることを、理解しなければならない。

海外で日本人が狙われたケースは無論、今回が初めてではありません。


イスラム国に限らず、これからも様々なテロリストが日本人を人質にして、今回のような事件を起こすことは十分あり得ます。

あなた自身や、あなたの大事な人たちが、人質になることは十分ありえることです。

そんなときに、日本政府が何もできないというのではあまりにも情けないです。

以下は、倉山満氏が特別今回の出来事に関連したものではなく、前から何度かツイートしているものをまとめたものです。
生麦事件という出来事が、幕末にありました。これは、島津の殿様の大名行列をイギリス人が横切ったので薩摩藩士が、イギリス人を一人斬り殺したというものです。当時のイギリスが何をしたかといえば、最初は、薩摩と直接話し合ったのですが話し合いでも金でも解決出来ませんでした。 
横浜開港資料館の展示物
そこで、大英帝国が何をしたかといえば、インドから艦隊を率いて鹿児島を火の海にしました。この戦闘では、英国側で18人死にました。薩摩藩は早めに疎開していたので、あまり死人は出ませんでした。 
このように、たった1人の権利を国家の総力を上げて多くの犠牲を出してもでも、守るのが主権国家です。いざとなったらその覚悟をする準備を常にしておくのが主権国家なのです。 
主権国家とは、場合によっては、たった1人の権利が侵害された時ですら国家が総力を上げて守るぞって覚悟と準備をしている国なのです。だから本当に殺し合いが嫌だ、戦争が嫌だ、イスラム国のようなテロリストの人質になるのが嫌なら、外国がこいつとは喧嘩したくないなと思わせる力を持つべきなのです。

こういう観点からすると、日本は主権国家とは言いがたいです。日本も当然のことながら、主権国家となるべぎです。

今回の、事件で、池内恵氏が警告しているように、「テロの対象になって当然、責任はアベにある」という語る輩に対しては憲法9で、武装させて、人質救出作戦のタスクを組ませ、イスラム国に赴かせ、イスラム国に対して「話し合い攻撃」を敢行させれば、良いと思います。その結果は、当然のことですが、全員玉砕です。こんなわかりきったことをわからない人が、今の日本では多すぎです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年4月14日月曜日

「憲法9条をノーベル平和賞に」一人の主婦が発案 委員会が推薦受理―【私の論評】憲法9条のノーベル平和賞受賞推薦は、中韓などの外国人に日本の内政干渉させようとする卑劣極まりない行為以外の何ものでもない(゚д゚)!


ノーベル賞のメダル

戦争の放棄を定めた憲法9条をノーベル平和賞に推した「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・神奈川県相模原市)に、ノルウェー・オスロのノーベル委員会から推薦を受理したとの連絡があり、正式に候補になったことがわかった。朝日新聞デジタルが報じた。

事務局の岡田えり子さん(53)は「受理されてうれしい。受賞者は個人か団体となっているが、受賞者を日本国民としたことを委員会は受け入れてくれた。これで日本国民一人一人が受賞候補者になった」と話したという。

今回の取り組みは、神奈川県座間市の主婦鷹巣直美さん(37)が始めた。2013年5月に署名サイトを立ち上げ、5日間で1500人の署名が集まった。ノーベル委員会に送信すると返事があり、推薦締め切りは毎年2月1日で、国会議員や大学教授、平和研究所所長、過去の受賞者らが推薦できる。また、受賞者は人物か団体のみで、憲法は受賞できないということがわかった。鷹巣さんは、考えた末、受賞者を「日本国民」にしたという。

【私の論評】憲法9条のノーベル平和賞受賞推薦は、中韓などの外国人に日本の内政干渉させようとする卑劣極まりない行為以外の何ものでもない(゚д゚)!

このニュース少し前のものですが、このブログの趣旨からしても掲載すべきものと考えて、掲載させていただき私の考えを述べさせていただくこととしました。

Kzuya氏は、これについて自らのブログで以下のように語っています。



Kzuya氏の言うとおりです。「憲法9条」と唱えていれば、平和と思い込むのは、単なる空念仏に過ぎないです。

さて、日本国憲法、9条については、私自身は大反対です。このブログでも前々からこれに関しては掲載してきました。その記事のURLを以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下のこの記事の締めくくりの部分だけ掲載しておきます。
上の記事の内容から、やはり、アメリカは、一極支配などという最初から妄想に近い、無理な考えを捨て去るときがきたのであり、アメリカ議会もそのことにすでに気づいているとが理解できます。 
やはり、世界は、冷戦前の少なくとも、5~6カ国の均衡の上で平和が成り立つようにもっていく必要があるのです。これに関して、アメリカ、ロシア、中国などは多数の国が大反対しようとも、このパワーオブバランスの一角を担うことをやめないでしょう。 
では、あと2カ国から、3カ国がこのパワーオブバランスに参加しなければならないことになりますが、ヨーロッパでは、もう、イギリスがどうのフランスがどうのという次元ではありません。こんな単位では、経済的にも軍事的にもあまりにも小さすぎます。やはり、EUということになるでしょう。アジアでは日本が必須でしょう。 
他国では、中国を牽制することはできません。何しろ、今でも実質的には、アジアの経済は、資産ベースでは、日本と日本以外の国々の総計を比較すると、今でも日本のほうがはるかに大きい(日本対外資産は過去19年間世界一)からです。 
日本を欠けば、アジアは、冷戦時代よりももっと悪い状況に陥ることになります。アジア全域が中国の覇権の及ぶ範囲となってしまうことでしょう。そうなれば、一番国益をそがれるのがアメリカです。 
現在は、ロシアのウラジオストック、樺太、日本の日本列島、沖縄、台湾ラインが、中国が太平洋に出るための、大きな障壁となっていますが、アジア全体が中国の覇権が及ぶ範囲となってしまえば、日本列島、沖縄、台湾ラインは消滅し、中国は自由に太平洋に出てくることができます。日本は、中国が太平洋に進出する際の、不沈空母となることでしょう。日本は、中国から太平洋に至る中国海軍の中継基地となることでしょう。 
そうなれば、この方面にアメリカは、膨大な軍事力をさかなければならなくなります。アメリカは、そのようなことは絶対にさせないでしょう。そうならないために、アメリカの同盟国としての、日本をパワー・オブ・バランス(注:バランス・オブ・パワーの間違いです)の一角にするか、日本を完全に傘下におさめないと、どうしようもないということです。現状のように、アメリカが盾となり、日本に思いやり予算を要求するという図式はいずれ不可能になります。 
他の勢力はどうかとえば、軍事的にみても、経済的にみても、これらの国々と対等に渡りあえる、国、あるいは連合体など存在しません。 
そうです、おそらく、今後の世界は、しばらくは、米国、日本、中国、EU、ロシアという5カ国のパワーオブバランスで成り立ち、平和を維持していく体制になります。そうでなければ、世界の平和は維持できません。この体制を築かなければ、いずれバランスが崩れて、また、大きな戦争が勃発するかもしれません。これが、厳しい世界の現実です。この現実には、憲法9条など、何の意味も持ちません。 
上の記事は、まさしく、アメリカ議会がその事実に気づいたことの査証であるととらえるべきです。さて、この現実に、日本政府は、そうして日本国民はどのように対処するのでしょうか? 
憲法を改正して、パワーオブバランスの一角を担う覚悟がなけば、いずれ選択できる道は二つしかありません。それは、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になることです。いますぐ、ということはないでしょうが、今後10年以内には、おそらくどちらかの道を選ばざるをえない状況に追い込まれます。あなたは、どの道を選びますか?
以上掲載した文書を読んでいただければ、私が改憲論者であることが良くお分かりになるものと思います。日本国憲法は、馬鹿とスパイが大部分であった当時のGHQが一方的に作成した、占領地法であるにすぎません。特に、アメリカ軍部の中に深く浸透していたソ連のスパイであるコミンテルンといわれる人間が憲法づくりには大きな役割を果たしていました。

要員のほとんどが、大馬鹿とソ連スパイで構成されていたGHQ

これは、憶測ではなく、ソ連邦化が崩壊した後に公開された資料に掲載されている内容です。

これを作成した連中ですら、この占領地方が戦後長きにわたって使われたことに、驚いています。

これについても、記録がきちんと残っています。


憲法9条に関しても、無論大反対です。こんな9条があれば、「集団的自衛権」はできないからです。

真っ先に、9条を変えて、「集団的自衛権」を可能にすべきです。

それにしても、上の記事はおかしいです。憲法9条によるノーベル平和の受賞者「日本国民」というのは、全く筋が通りません。

受賞者はあくまでも、この憲法の草案をつくった人物であり、その責任者ということになります。

であば、それは、GHQの誰かということになりますが、当時のGHQの最高責任者はマッカーサーということなります。

あのオバマも受賞した、ノーベル平和賞だが・・・・・・

あんな「占領地法」のしかも、9条で「日本国民」が受賞などという、屈辱はとても考えられません。占領されて、さらに何十年もたってから、「日本国民」に再度屈辱感を与える「9条によるノーベル平和賞」など絶対にいりません。

それに、この一件では、日本の実行委のメンバーが「改憲を目指す安倍政権を、国際的な力で穏便に止められる手段だとの共感を得た」と語っています。この発言は明らかにノーベル賞に対するあからさまな政治利用であり、中韓などの外国人に日本の内政に対する干渉させようとする試み以外の何ものでもありません。

全く卑劣極まる行為です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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