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2019年10月29日火曜日

【日本の選択】韓国の“反日”助長させた「悪しき歴史」と「国内勢力の存在」 文政権を甘やかさない!日本は今こそ「毅然対応」を―【私の論評】韓国は過去の歴史のくびきから自らを解放し、前に進め(゚д゚)!

【日本の選択】韓国の“反日”助長させた「悪しき歴史」と「国内勢力の存在」 文政権を甘やかさない!日本は今こそ「毅然対応」を

安倍首相と、韓国の李首相(左)の個別会談は平行線で終わった=24日、首相官邸

 日米両国が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権との「決別」をも視野に入れている。国際情勢の激変を受けても、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定を取り消そうとしないからだ。特に、安倍晋三政権は、国家間の約束を反故(ほご)にし、数々の「反日」暴挙を繰り返してきた文政権を決して甘やかさない決意を固めている。韓国を増長させてきた「悪しき歴史」と、注目すべき「国内勢力の存在」とは。新進気鋭の政治学者、岩田温氏が集中連載「日本の選択」で迫った。


 漢の時代(前漢=紀元前206年-8年、後漢=25年-220年)、中国の隣国に「夜郎国」という小さな国家が存在した。中国の歴史書『史記』によれば、あるとき漢からの使者に対して、夜郎国王が「自国と漢とではどちらが大国か」を問い、使者をあきれさせたことがあった。自らの力を過信して、実力ある相手を侮るような振る舞いを「夜郎自大」というようになったのは、この時の逸話からである。

 韓国の文政権による、常軌を逸したとしか思えない数々の非礼な「反日」行動を眺めていると、現代における夜郎国に見えてくる。いわゆる「元徴用工」の異常判決の問題にせよ、慰安婦の問題にせよ、すでに決着が着いた問題を蒸し返し、居丈高に日本政府、日本企業を強請り、たかるような反日行動は日本政府、日本国民が怒った際のことをまるで考慮していない夜郎自大な態度と言わざるを得ない。

 だが、われわれは、ただ韓国を批判しているだけであってはならない。

 なぜ、韓国がここまで異常な反日行動をとることになったのかを考えてみると、過去の日本政府の対応に問題があったことに気付かされる。日本政府が、韓国政府の言い掛かりとしか思えない主張に対して毅然とした対応をしてこなかったことが、韓国政府の反日行動を助長してきた一面があるといっても過言ではない。

 明治維新の立役者、西郷隆盛の言葉を集めた『南洲翁遺訓』には、次のような指摘がある。現代語にすれば、次のような意味になる。

 「正しい道を歩み、いざとなれば国の命運を賭してでも闘う覚悟がなければ、外国との交際などできない。相手国の強大さに萎縮して、自らの主張を曲げ、円滑な関係のみを優先させようとするならば、軽蔑を招き、友好関係はうまくゆかず、最終的には相手の言うことに従わされることになる」

 至言というべきだろう。

 夜郎国のごとく、現実を見つめずに自らを恃(たの)むのも問題だが、自らの主張すべきことを主張しないのも問題なのである。

 安倍首相は24日、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と会談した際、「徴用」の問題に関して次のように発言した。

 「韓国の大法院判決は、日韓関係の法的基盤を根本から崩すもので、国交正常化の基礎となった国際条約を一方的に破っている。健全な関係に戻すきっかけをつくってもらいたい」

 日本の主張を堂々と韓国の首相に指摘したのだから、これは快挙と言ってよい。自国のために主張するのが日本政府の役割なのだから、当然の仕事を果たしたのみに過ぎないともいえる。

 だが、つねに韓国の不当な主張に譲歩してきたのが歴代の政権だったことを思えば、こうした堂々たる発言はまことに頼もしいといってよいだろう。日本国民の一人として非常に嬉しく思った。

 日韓関係を考えるうえで、大きな障壁となっているのが、こうした毅然とした日本政府の対応を非難する「リベラル」と称する人々だ。

 7月25日、「韓国は『敵』なのか」と題する声明が出され、77人の呼びかけ人が署名を呼び掛けた。呼びかけ人を調べてみると、法政大学教授の山口二郎氏、東京工業大学教授の中島岳志氏、武蔵大学教授の永田浩三氏、東京大学名誉教授の和田春樹氏、精神科医の香山リカ氏といった、いつもの面々なのだ。

 この共同声明なるものを読むと、眩暈(めまい)がしてくるような気分に陥る。

 例えば、この共同声明では次のように主張している。

 「特別な歴史的過去をもつ日本と韓国の場合は、対立するにしても、特別慎重な配慮が必要になります。それは、かつて日本がこの国を侵略し、植民地支配をした歴史があるからです」

 この「特別慎重な配慮」こそが、韓国の「反日」行動を助長していることに、なぜ気づかないのか。日本が特別慎重な配慮をし続けた結果こそが、現在の日韓関係なのである。主張すべきを主張してこそ、日韓関係は正常な状態になることを忘れてはならない。

 多くの日本国民は、安倍首相のような毅然とした態度を待ち望んでいた。謝罪し、土下座までした鳩山由紀夫元首相のような態度では、相手に軽蔑されるだけだということを忘れてはなるまい。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)など。

【私の論評】韓国は過去の歴史のくびきから自らを解放し、前に進め(゚д゚)!

リベラル・左翼の方々は、今でも日本が朝鮮を侵略したと思い込んでいるのでしょうか。だとしたら、目眩を感じるのは上の記事を書いた岩田氏だけでなく、多くの人が目眩を感じると思います。そもそもそうではないことは、日本史や、世界史などを少しまともに学べばそうではないことがわかります。

そうして、このようなことを主張するとレイシストと言われるのなら、さらに大きな目眩がしそうです。リベラル・左翼の方々は、韓国をどのように認識されているのでしょうか。彼らの「韓国は『敵』なのか」と題する声明は、決して韓国にとって良いことではなく、私には、単に韓国を自らのために政治利用しているようにしかみえません。そうして、その目的はあくまで「反安倍」です。

なぜ当時の朝鮮(大韓帝国)は日本の領土になったのでしょうか。これを1910年の日韓併合で語るのは間違いで、そのときすでに大韓帝国は日本の保護国になっていたので、実質的な違いはないです。

いいかえると日韓併合がなくても韓国は日本の支配下にあり、日本でも伊藤博文は当初は併合に反対していたのです。伊藤博文は、諸外国の植民地経営の実体を知っており、ほとんどコスト倒れであったことを認識していたのでしょう。

伊藤博文

では第2次日韓協約で韓国が保護国になった1905年はどうでしょうか。このとき韓国統監府ができ、これが朝鮮半島の(大韓帝国を超える)最高意思決定機関となったのですが、これは日露戦争の結果、ポーツマス条約で日本の支配権が追認されたもので、侵略とはいえないです。日露戦争では、朝鮮半島は戦場になりませんでした。すでに日本の実効支配が確立していたからです。

では1895年の下関条約はどうでしょうか。これは日清戦争で日本と李氏朝鮮の連合軍が東学党の乱を鎮圧して独立を守った結果で、少なくとも李氏朝鮮にとっては日本は友軍であり、侵略とはいえないです。李氏朝鮮を属国のままにしておきたかった中国(清)にとっては既得権の侵害だったかもしれないですが、これはどっちの属国になるかの問題で、侵略とはいえないです。

このように、さかのぼっていくと、韓国人のいう「日帝の侵略」も「独立戦争」も見当たらないです。ソウル大学教授の時の李榮薫(イ・ヨンフン)氏の『大韓民国の物語』にもこう書かれています。
一揆の波は1860年代からさらに大きく膨れ上がり、これが1894年の東学党の乱においてクライマックスに達しました。その過程で、李朝の政治的な統制力はみるみる弱まりました。私は東学党の乱の1894年に前後して、李朝は事実上の死に体だったと考えています。何か外部からの強い衝撃があったからというわけではありません。すでに19世紀の初めからそのような方向への変化が進行していたのです。(p.65)


そもそも、この時期には侵略という言葉もありませんでした。これは1928年の不戦条約で定められた「国際紛争の解決手段として戦争に訴えない」というルールの違反、つまり他国の領土の侵犯や先制攻撃などをさすものですが、これ以前には侵略という概念がないので、テクニカルにはどんな戦争も侵略(国際法違反)ではありません。

不戦条約以降に行なわれた満州事変や日中戦争については侵略だという議論もあり得ますが、朝鮮半島についてはそもそも侵略という概念のない時代の話で、さらに、実質的にも日本が武力で朝鮮の政権を打倒して領土を占領するという意味の侵略は行なわれていないのです。これは韓国でも、李教授のような知識人は知っている事実ですが、政治的に危険なので公言できないようです。

日本が韓国を統治したことは事実ですが、しかしそれは英国の大規模な植民地支配や、アメリカの4000万人にのぼる奴隷貿易などに比べれば紳士的でした。それに、日本が朝鮮を支配しなければロシアが(そしてソ連が)支配したでしょうし、ここを起点にして世界大戦が起こっても不思議ではありませんでした。

太平洋戦争を「侵略戦争」と規定するのは、それをアジア解放のための「大東亜戦争」と規定するのと同様に誤りです。世界大戦には多様で複雑な要因があり、日韓関係はその一つにすぎません。

廬武鉉(ノムヒョン)失脚の翌年に書かれた「大韓民国の物語」で李栄薫教授は、「先ず批判の標的を明確にしておくため」として、1979年から89年にかけて全六巻が刊行された「解放前後史の認識」なる本を次のように紹介しています。
解放前後史を民族主義の観点から解釈した決定版で・・1980年代から90年代に大学に通った韓国人に大きな影響を及ぼし・・六巻を合わせて百万部が売れ…在野時代の廬武鉉氏も耽読し、…(その政権の)要所に陣取るいわゆる三八六世代という政治家の現代史認識はこの本を通じ形成されました。
(廬武鉉)政権が・・甚だしくは1984年の東学農民蜂起までを対象にして、何と十六にも達する特別法を制定し、いわゆる「過去史清算」を前面に押し出していることも、同書を読むことによってその歴史的な背景を理解することができます。
「解放前後の認識」全六巻の背表紙

つまり「解放前後史の認識」の否定こそが「大韓民国の物語」の目的ということです。そしてその目次は以下です。
第一部 歴史への視線
1 食い違う歴史認識
2 民族主義の陥穽から抜け出よ
第二部 文明史の大転換
3 李朝はなぜ滅んだのか
4 「植民地収奪論」批判
5 植民地進化論の正しき理解
6 協力者たち
7 日本軍慰安婦問題の実相
8 あの日、私はなぜあのように言ったのか
9 日帝がこの地に残した遺産
第三部 くに作り
10 「解放」とはどのようにもたらされたか
11 分断の原因とその責任
12 建国の文明的な意義
13 李承晩大統領を直視する
14 反民特委を振り返る
15 朝鮮戦争はなぜ起こったか
16 1950年代の再評価
17 新たなる開発の時代のために
終言:歴史からの自由を
ソウル大学元教授の李榮薫氏(下写真)は、最近ではその著書『反日種族主義』が韓国内でベストセラーになっています。


李榮薫氏と反日種族主義の表紙

残念ながら、私はハングル語は読めないので、この本をまだ読んではいません。ただしこれは、ハンギョレの記事で凡その見当はつきます。日本語版は「文学や芸術関連の書籍を主に出版する日本の中堅出版社」の「文藝春秋から年内出版予定」と8月26日のハンギョレにあります。

早く読みたいが、概略がネットで紹介され、李栄薫教授の李承晩学堂なるサイトでも凡その内容が推測できます。

アノニマスポストからこの書籍に関する記事を以下に引用します。

李承晩(イ・スンマン)学堂(校長イ・ヨンフン)が日本に対する韓国人の否定的な歴史観を打破する<反日種族主義>を発刊すると明らかにした。この本はユーチューブのイ・スンマンTVにアップロードされた「危機韓国の根源、反日種族主義」講義と「日本軍慰安婦問題の真実」講義を要約したものだ。 
李承晩学堂は去る27日、報道資料を通じて「反日種族主義は20世紀前半、日本が韓国を支配した歴史に関し今日の韓国人らが持つ通念として、何の事実の根拠なしに嘘で積み上げたシャーマニズム的世界観」としながら「李承晩学堂は反日種族主義の起源、形成、拡散、猛威の全過程を国民に告発し、その危険性を警戒するためにこの本を企画した」と明らかにした。 
同書の著者はイ・ヨンフン元ソウル大教授、キム・ヨンサム、ペンマイク論説委員、ジュイク・ジョン元大韓民国歴史博物館学芸室長などイ・スンマン学堂所属員の他にもキム・ナクニョン東国大教授とチョン・アンキ、ソウル大経済研究所客員研究員、イ・ウヨン落星垈(ナクソンデ)経済研究所研究委員など合計6人だ。 
本はプロローグと本文3部、エピローグで構成される。プロローグでは大韓民国が嘘の国になったことを痛駁し、国が破滅しかねないという危機意識でこの本を読んで欲しいと頼む。 
第1部「種族主義の記憶」は反日種族主義の起源を説明しながら、「土地・米収奪説」、「強制動員説」等に正面反論する。第2部「種族主義の象徴と幻想」は反日種族主義の形成と拡散について書く。合わせて白頭山(ペクトゥサン)神話、独島(ドクト、日本名:竹島)問題と亡国責任問題、過去の歴史清算問題も扱う。 
第3部「種族主義の牙城、慰安婦」は反日種族主義の中核、日本軍慰安婦問題に関し真実を暴いて「日本軍慰安婦=強制動員された性的奴隷説」に反論する。朝鮮王朝のキーセン制が日帝によって公娼制に再編されたこと、それを戦争期に日本軍が軍慰安所として活用したことが日本軍慰安婦制度であるというのが3部の主な内容だ。また、挺身隊対策協など慰安婦活動家の宣伝扇動のために慰安婦問題が増幅され韓日間外交関係が破綻の危機に直面したことも明らかにした。 
李承晩学堂はこの本について「日本の植民地支配とその後の韓日関係に対する今日の韓国人の既成通念を正面否定する。今日、大多数の韓国人が『日本が植民支配35年間、韓国人を抑圧、搾取、収奪、虐待し、日本はそれを反省、謝罪しなかった』と考える。しかし、この本はこの通念が事実に基づいていないことを示す」と強調した。 
引き続き「この本は韓国人に非常に不快で拒否感をおぼえるかもしれない。しかし、イ・ヨンフン教授など著者一同はあくまでも研究によって検証された事実に立って既存通念を批判し自身の主張を展開した」と強調した。 
合わせて「この本に不満を抱く人々はこの本の主張が結果的に現在の韓日対立状況で日本に肩入れするものと非難するかも知れないが、著者らは学問を職業とする研究者として学者的良心に従ってこの本を書いたことを自負する」と付け加えた。 
<反日種族主義>は現在、教保(キョボ)文庫、永豊文庫、アラジン、yes24等大型オンライン書店で購入できる。来月1日からはオフライン書店でも購入できる。価格は20,000ウォン。
韓国でこのような書籍が爆発的に売れている最中、 「韓国は『敵』なのか」と題する、日本が朝鮮を侵略したという前提で、声明が出され、77人の呼びかけ人が署名を呼び掛けているわけですから、何をかいわんやという感がします。

「解放前後史の認識」が6巻で100万部なら1巻当たり16万部、目下10万部の「反日種族主義」がそれを超える暁に、果たして韓国は「歴史からの自由を」取り戻すのでしょうか。いずれにせよ日本での出版が待たれます。

韓国が未だに何の事実の根拠なしに嘘で積み上げたシャーマニズム的世界観に浸っていては、日韓関係がいつまでも悪化したままというだけではなく、韓国自身も過去の歴史のくびきにつながれたまま、前に進むことができないと思います。

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2019年9月22日日曜日

韓国・文政権「通貨スワップ」を日本に哀願 背景にウォンの脆弱さ…専門家「日本なら締結して当然と思っているのかもしれない」―【私の論評】本当は、韓国に対して生 殺 与 奪の権を持つ日本(゚д゚)!


17年8月に「通貨スワップ」に関して発言した麻生財務大臣

戦後最悪ともいわれる日韓関係のなか、文在寅(ムン・ジェイン)政権から日本との「通貨交換(スワップ)協定」の再開を渇望する声が出ている。「反日」に走り、日本製品や日本への旅行の「ボイコット」を放置しているというのに、なぜ厚かましくも日本とのスワップ再開にこだわるのか。専門家は、通貨ウォンの脆弱(ぜいじゃく)さという切迫した事情が背景にあると指摘する。

 韓国のCBSは12日、殷成洙(ウン・ソンス)金融委員長が、日本との通貨スワップ再開を希望する意思を明らかにしたと報じた。金融危機が発生した場合に外貨の流動性が保障されるほか、国家の信頼度が向上の狙いとして、人事聴聞会で「日本と新たに締結したほうがいい」と発言したという。

 通貨スワップ協定は、貿易決済や為替介入などに必要な外貨が不足した場合、外貨と自国通貨を交換し合う仕組み。経済危機の際の外貨不足に対応できる。

 1990年代後半に韓国が国際通貨基金(IMF)に救済されるなどアジア通貨危機が起きたことから、日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓が参加する「チェンマイ・イニシアチブ」を主導。2001年に韓国との通貨スワップを締結した。

 11年に700億ドル(約7兆5000億円)規模まで融通枠を拡大したが12年に李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が島根県・竹島に上陸するなど日韓関係の悪化を受けて規模が縮小。朴槿恵(パク・クネ)政権当時の15年、日本側の忠告にもかかわらず韓国側が一方的に破棄した。16年にいったん協議再開が決まったが、同年末に釜山(プサン)の日本総領事館前に設置された慰安婦像を韓国が撤去できず、協議は中断した。

 その後も韓国側からは何度も“ラブコール”が送られている。韓国の経済団体「全国経済人連合会(全経連)」の代表団が18年に訪日した際、自民党の二階俊博幹事長らを表敬訪問し、通貨スワップの再開をもちかけた。延世大のキム・ジョンシク教授は、今年3月の中央日報に「日本との通貨スワップを拡大することも検討する必要がある」と述べている。

 韓国が日本との通貨スワップ再開を熱望する理由について、ジャーナリストの須田慎一郎氏は「韓国の場合、ウォン建ての国債を発行してもリスクがあるため、投資家に信用されていない。急激なウォン安に備えてドル資金を確保するためにも通貨スワップ協定を結んでおきたい」と解説する。

 韓国銀行(中央銀行)の発表によれば、8月末時点での外貨準備高は約4014億ドル(約43兆4000億円)ある。リスクに備えているようにもみえるが、須田氏は「いったんウォンの買い支えを行えば外貨準備は急激に減少し、通貨危機ともなれば“瞬間蒸発”する恐れがある」と指摘する。

 日本側にとっては、韓国を助ける要素が強い通貨スワップだが、逆ギレして協定を打ち切った韓国から、勝手に再開をもちかけられている形だ。

 麻生太郎副総理兼財務相は17年8月の時点で、韓国との通貨スワップ協定について「信頼関係で成り立ってますので、約束した話を守られないと貸した金も返ってこない可能性もある」と突き放している。

徴用工裁判の原告

 現状もいうまでもなく、いわゆる「元徴用工」訴訟で国際法を無視した異常判決や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄など問題山積で、通貨スワップ協定を再び締結できる状態にはほど遠い。

 米国との通貨スワップ協定も終了しており、再契約の見通しは立っていない状態だ。前出の須田氏はこう語った。

 「日本なら締結して当然と厚かましく思っているのかもしれない。通貨スワップは韓国への救済に等しいが、まるで韓国は『デフォルト(債務不履行)になってもいいのか?』と自らを人質に取り、日本の道連れも辞さずと脅しているようだ」

【私の論評】本当は、韓国に対して生 殺 与 奪の権を持つ日本(゚д゚)!

韓国への対応策として、「通貨スワップ」の交渉をしないというのは、かなり効き目のある対応策です。これに限らず、金融に関しては、韓国と日本との間では、信用力に雲泥の差がありますし、日本が韓国の命運を握っているといっても過言ではありません。

上の記事で、隅田氏は「韓国の場合、ウォン建ての国債を発行してもリスクがあるため、投資家に信用されていない。急激なウォン安に備えてドル資金を確保するためにも通貨スワップ協定を結んでおきたい」と解説しています。

これは、どういうことかとえば、そもそも韓国の通貨ウォンは国際通貨(ハードカレンシー)ではないし、韓国の政府系銀行は財務状況も健全ではなく、信用度は低いということです。

ウォンはドルや円とは異なり、国際通貨ではない

そこで、日本は韓国の銀行が発行する『信用状』(=貿易用の小切手)を日本の銀行が保証する枠を与え、間接的に支援しています。もし、こうした支援を打ち切ることになれば、韓国はとんでもないことになります。

貿易をしても、その決済ができないということになります。あくまで、韓国への「優遇措置」を取り消すだけでそうなります。

韓国ウォンは国際通貨ではないので、日米などのハードカレンシー国と為替取引ができなくなれば、そもそも、貿易ができなくなります。

昨年、米国は北朝鮮絡みで韓国の銀行に警告、ドルの直接送金ができなくなりました。日本のメガバンクが金融保証をやめれば、韓国は貿易ができなくなります。

それどころか、日本の大物政治家が一言「韓国向けの債券には注視することが必要だ」と口先介入するだけでも、韓国側はドルの調達ができにくくなるでしょう。

輸出依存度(GDPの40%近くを占める)が高い国だけに、輸出も簡単ではなくなり、貿易赤字は増え、通貨ウォンは売られて、価値が下落することになります。

これが現実となれば、韓国の金融面でのリスクは高まりかねないです。1997年の「アジア通貨危機」の再現も考えられます。このときに、通貨スワップは韓国にとって、強力な助っ人となるでしょうが、日本としては、再度締結することはないでしょう。

韓国に対しては、対韓輸出管理体制の強化のようなモノよりカネのほうが韓国への打撃が大きく、日本国内関係者への誤爆が少ないです。日本政府は韓国に対して、まだ強力な金融のカードを温存していると言って良い状況です。

日韓関係は、韓国が派手大騒ぎをして、いかにも主導権を握っているように見せかけたいのでしょうが、実際には主導権は日本にあるのです。このようなことを文在寅は、知った上でもなお、日本に対していちゃもんをつけ続けているわけです。日本もなめられたものです。

文在寅

しかし、日本政府は100件余りの報復カードを準備したともいわれています。現在は、やっとその1つを、しかもかなり軽いものを出しているに過ぎません。今後、段階的なカードがまだまだ準備されているということです。

 この金融カードは、かなり強力なものですが、それ以外にも日本は韓国に対して、通商農・水産物の輸入制限(農林水産省)、戦略物資の輸出制限(防衛省)、短期就職ビザの制限(法務省)、送金制限(財務省)があります。

他にも、韓国のカントリーリスクを高めるという方法もありました。これは、以前このブログで説明したので、ここでは述べません。

韓国政府の対応によっては、日本政府は、強力な経済報復に出ることが可能です。

いつまで、韓国が反日で騒ぎ回って、何も具体的な行動をしなでいられるか、見ものです。

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文在寅の報復は「日本に影響ナシ」どころか「韓国に大打撃」の可能性―【私の論評】断交前に韓国のカントリーリスクを高める価値は十分ある(゚д゚)!

2019年8月12日月曜日

トランプ氏、韓国・文政権に厳重警告! 「GSOMIA」破棄なら…日韓に対立緩和を促した“本音” ―【私の論評】信頼できない相手からの情報は、混乱と誤謬をもたらすだけ(゚д゚)!


トランプ大統領

 ドナルド・トランプ米大統領が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に厳重警告を発した。日本政府が、半導体素材の輸出管理を強化したことに反発して、文政権が「日韓軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)の破棄をチラつかせているからだ。トランプ氏は表向き、日韓両国に関係改善を求めているが、対立の背景を十分理解している。文政権の「裏切り」を戒め、韓国内の保守派に奮起を促すものといえそうだ。

 「日韓は同盟国のはずなのに、米国を難しい立場に追い込んでいる」「日韓はいつもケンカしている。仲良くしなければならない」

 トランプは9日、ホワイトハウスで記者団にこう語った。

 北朝鮮の非核化問題や中国との覇権争いを抱えるなか、対立緩和を促した-と報じられるが、事態はさらに深刻だ。

エスパー長官は韓国訪問に先立って日本を訪問している

 訪韓中のマーク・エスパー米国防長官は9日、文大統領や鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相らと相次いで会談し、米国の要請で締結したGSOMIAの継続が重要だとの考えを伝えた。

 ところが、鄭氏は「有効性などを考慮し、更新するかどうか決めたい」といい、継続を明言しなかったのだ。

 実は、日米防衛当局者の間では「文政権がGSOMIAを破棄する可能性が高い」「日本に責任を押し付けて、中国や北朝鮮に接近する兆候がある」と分析している。

 このため、米シンクタンクなどを通じて、「GSOMIA破棄=米軍撤収・同盟解体」と警告してきたが、「反日・離米・従北・親中」の文政権には通じない。

 トランプ氏の発言は、韓国の保守派勢力に「自国が自由主義陣営から離脱していいのか? 目を覚ませ」とメッセージを送ったともいえそうだ。

 日米情報当局関係者は「ホワイトハウスには『北朝鮮は戦略的な敵だが、韓国の文政権はもっと問題だ』という分析がある。明確に『韓国を切るべし』という強硬意見もある。GSOMIAが破棄されれば、韓国は安全保障上も、経済的にも重大局面を迎える」と語っている。

【私の論評】信頼できない相手からの情報は、混乱と誤謬をもたらすだけ(゚д゚)!

冒頭の記事にもあるように、日韓関係が悪化の一途をたどる中、韓国政府は日本による半導体関連材料の輸出規制措置に対抗し、日韓GSOMIA(ジーソミア=軍事情報包括保護協定)の破棄をチラつかせています。韓国お得意の「手首切ってやる!」の脅しを仕掛けているわけだ。

日韓GSOMIAには様々な利点があるはずだったが・・・・

8月7日には世論調査会社のリアルメーターが、破棄の賛否を問う世論調査の結果を賛成(47.7%)、反対(39.3%)と公表しました。

訪日したエスパー米国防長官は同7日、岩屋毅防衛相、安倍晋三首相と相次いで会談し、GSOMIAが維持されることを「心の底から願う」と強調しました。そのエスパー氏は、8日からは訪韓して、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相らと会談、同様の意向を伝えました。

日本は米英仏など7カ国、さらに北大西洋条約機構(NATO)と同協定を締結しています。日本との歴史問題を持ち出す韓国とは紆余曲折がありましたが、16年11月にようやく締結しました。

日韓GSOMIAの場合、協定の有効期間は1年で、期限の90日前に破棄を通告しない限り自動的に延長されると規定されています。これまでは毎年自動延長されてきましたが、今年は通告期限の8月24日までに韓国政府が破棄を通告するのか、注目が集まっています。そこでGSOMIAとは何か。韓国に破棄されると日本は困るのか検証してみます。

同協定は韓国からの要望で、ようやく実現にこぎ着けています。北朝鮮が発射するミサイルの着弾地点や高度、飛行距離などを分析する技術は日本の方が高いですから、韓国にとっては、自国向けに発射されるミサイルの性能分析に日本の情報が役に立ちますし、日本は北朝鮮などの潜水艦を探知する能力も韓国より高いです。

一方、日本にとっては、朝鮮半島有事の際、韓国側から戦況の情報が得られれば現地の日本人を助け出す上で役立つでしょう。それにヒューミント、人間の口からもたらされる情報も重要です。韓国は脱北者や北朝鮮内部に潜り込ませたスパイから現地の政治経済、ミサイル発射の兆候の情報を得ています。日本は韓国からこうした情報を教えてもらえるという関係です。

しかし、北とつながる韓国・文在寅政権とのGSOMIAは、ある意味で危険です。日本からの情報が北に筒抜けになるばかりか、逆にガセネタをつかまされる可能性もあります。要は韓国は、日韓GSOMIA破棄をチラつかせ米国を困らせ、日本を米国に叱ってもらいたのです。

2016年11月に締結したものですから、今年の11月で三年目ということですから、そもそもこの条約は2年と少ししか締結されてから時が経っていないということてず。その前は、韓国からの情報がなくてもやってこれたということですから、今になってそれを破棄されたらといっても、それが日本の安全保障にどれたけマイナスになるのかといえば、おそらくないでしょう。

韓国が破棄したいと言えば、日本はどうぞご自由にで良いでしょう。現状の韓国のハチャメチャ様子をみていれば、その韓国から情報がもたらされたからといって、それが信用できるかどうかは甚だ疑問です、

日本の哨戒機のレーダー照射についても未だに、何の情報の提供もありません。これでは、北朝鮮の船に対してせどりを行っていた現場の近くを日本の哨戒機が飛んだので、制裁破りを糊塗とようとして、照射をしたのではないかと疑われても仕方ないです。


日本側は、そんな相手からの情報を得たにしても、それをそのまま信じるわけにもいかず、その審議を確かめるために二度手間になるだけのことになりかねません。それであれば、米国からの情報のほうがはるかに信憑性・信頼性が高いはずです。

また韓国からの情報を鵜呑みにしてると、それこそ北朝鮮や中国に都合よく情報操作をされ、いざという時に痛い目を見ることになるかもしれません。

日本に対して韓国が不正確な情報を流せば、いざというとき大きな被害を受けることもありえます。であれば、米国の情報並びに自ら、哨戒機や潜水艦で情報を収集すれば、そちらのほうが余程信頼できます。

信頼できない筋からの情報は、混乱と誤謬をもたらすだけです。米軍ももはや北に接近し、中国に従属しようとする韓国からの情報など信頼していないでしょう。

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2019年4月14日日曜日

金正恩氏、文政権に「おせっかいな仲裁者ではなく...」 米韓首脳会談も不調、苦しい立場に―【私の論評】朝鮮半島問題の本質を理解しない文在寅は、今のままでは米中露北からまともな扱いを受けられない(゚д゚)!

金正恩氏、文政権に「おせっかいな仲裁者ではなく...」 米韓首脳会談も不調、苦しい立場に

行き詰まる米朝交渉、その打開を目指した韓国・文在寅大統領だが、なかなか思うに任せない。

 2019年4月11日(現地時間)、米ホワイトハウスで行われた米韓首脳会談を受け、韓国メディアでは厳しい論評が相次いだ。さらに北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長からは、「仲裁者」としての立場を改めて否定するような発言まで飛び出した。

トランプ氏とともに笑顔で記者に対応した文氏だったが…(米ホワイトハウス公式FBより)

朝鮮日報は「ノーディール」とバッサリ

 2019年2月27、28日に行われた、ベトナム・ハノイでの第2回米朝首脳会談の「決裂」から、約1か月半。両国の仲裁者を自任する文氏にとっては、ドナルド・トランプ米大統領になんとしても、再び交渉のテーブルに着いてもらうことが、最大のミッションだった。そのために文氏が提案したとされるのが、段階的な非核化・制裁緩和を容認する「グッド・イナフ・ディール(十分に良い取引)」への転換だ。

 しかしトランプ氏は、制裁緩和はあくまで完全な非核化が前提だとする「ビッグ・ディール(大きな取引)」論を曲げなかった。また3回目の米朝首脳会談についても、実施に意欲を見せつつ、「一歩一歩だ」「急げば良い取引にならない」。早期開催を求めた文氏と、考え方の溝を垣間見せた。

 今回の会談に対し、韓国内の採点は総じて辛い。特に、保守系の大手紙・朝鮮日報は、「ハノイに続きワシントンでもノーディール」(引用は日本語ウェブ版より。以下同じ)と切り捨てる。野党・自由韓国党の羅卿ウォン・院内代表も、「(米国に)なぜ行ったのかわからない」「アマチュア外交」と糾弾した(中央日報)。

韓国リベラル派も認める「カード不足」

 もちろん、評価の声もある。リベラル派新聞のハンギョレは、「ひとまず、文大統領が南北首脳会談を推進し、金委員長を説得するための基本動力は作られた」「仲裁者または促進者として文大統領の役割に重ねて信頼を示した」と、会談の成果を強調した。

 だが、そのハンギョレですら、「しかし、金(正恩)委員長を説得するカードが明確でないのが問題だ」「文大統領はトランプ大統領に直接確認した『ビッグ・ディール』と『より明るい経済的未来』という立場を金委員長に伝え、決断を下すよう説得するしかない」と指摘する。つまり、文氏が「仲介役」として双方を説得しようにも、肝心の「カード」がないということだ。とすれば結局、文氏にできることは「説得」しかない。それを、支持層のリベラル派さえ認めざるを得ないわけである。

こうした中で12日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は最高人民会議での演説で、自ら米国との関係に言及した。国営メディアの朝鮮中央通信によれば、「今年の末までは忍耐力を持って米国の勇断を待ってみる」と期限を切りつつ、米国側に「ビッグ・ディール」からの譲歩を迫ったのである。

金氏、トランプ氏とは「敵対的ではない」 韓国ははしごを...

その演説内容は、
「私とトランプ大統領との個人的関係は両国間の関係のように敵対的ではなく、われわれは相変わらず立派な関係を維持」
「米国が正しい姿勢をもってわれわれと共有できる方法論を探した条件で第3回朝米首脳会談をしようとするなら、われわれとしてももう一度ぐらいは行ってみる用意がある」
「今後、朝米双方の利害関係に等しく合致し、互いに受け付け可能な公正な内容が紙面に書かれれば、私は躊躇(ちゅうちょ)せずその合意文にサインするであろうし、それは全的に米国がどんな姿勢でどんな計算法をもって出てくるかにかかっている」
など、米国の譲歩を前提にしてはいるものの、交渉に対し前向きとも取れるものだ。

一方、韓国側に対しては、
「南朝鮮(韓国)当局は、すう勢を見てためらったり、騒がしい行脚を催促しておせっかいな『仲裁者』『促進者』の振る舞いをするのではなく、民族の一員として気を確かに持って自分が言うべきことは堂々と言いながら、民族の利益を擁護する当事者にならなければならない」
と要求、改めて「仲裁者」としての立場を否定する。韓国としては、はしごを外されたに等しい内容だ。

【私の論評】朝鮮半島問題の本質を理解しない文在寅は、今のままでは米中露北からまともな扱いを受けられない(゚д゚)!

以前このブログで指摘した通り、文在虎も韓国の大多数の政治家も、それに韓国マスコミも、朝鮮半島問題の現状を理解していないようです。

朝鮮問題も当初は、米国・韓国と中露・北朝鮮の対立というところから出発しましたが、朝鮮戦争終了から70年近くたち、随分と様相が変わってしまいました。

韓国は、北との接近をはかりつつ、中国に従属しようとしています。これは明らかに、同盟国米国に対する敵対行為です。

2017年文材寅は中国を訪問したが、驚くほどの冷遇を受けていた

ソ連は崩壊し、ソ連の軍事力や軍事技術を引き継いだロシアは、軍事大国としては相変わらず大国ではありますが、経済規模は縮小し、今やそのGDPは東京都を若干下回る程度しかありません。ちなみにこれは、韓国と同規模です。中国は、経済発展をとげ一人あたりのGDPはまだまだ小さいものの、全体では世界第二位の経済大国になりました。

これについては、中国の経済統計はデタラメで、未だドイツ以下とする識者もいますが、それが事実だとしても、ロシアなどは問題外であるほどに経済が大きくなったのは事実です。しかも、人口はロシアは一億四千万人ですが、中国は十三億人以上です。極東においては今やロシアよりも、中国のほうがはるかに影響力が強大です。

一方の北朝鮮は、中国の干渉を嫌うようになりました。張 成沢氏や金正男氏を殺害したのはそれを阻止するためです。北朝鮮は核ミサイルを開発しました。これについては、ほとんど報道されませんが、北の核ミサイルは、日米にとって脅威であるばかりではなく、中露にとっても脅威です。

北朝鮮にとって、ロシアの影響力は弱まったのですが、中国の影響力は増すばかりで、金正恩は、自らが後継者となった金王朝を守るためには、中国の影響を弱めなければならないと判断したため、核ミサイルの開発により、中国に脅威を与えるとともに、米国との接近を図ろうとしたのです。

そのため、結果として、北朝鮮とその核は、中国の朝鮮半島への浸透を防ぐ役割を果たすようになりました。

ただし、金正恩としても、中国の影響力を削ぎたいのであり、中国と本格的に対立しようなどという意図は毛頭ありません。無論、米国に従属したいとは毛頭考えていません。米国に従属してしまえば、金王朝を守り抜くことは難しくなります。金正恩の本音は、国境を接している中国の北朝鮮への影響を削ぎ、自らと自ら継承した金王朝を守り抜くことです。

だからこそ、米国に接近を図ったのです。そうして、米朝会談にまでこぎつけることができました。

そうして、北朝鮮は、韓国と統一したり、中国・ロシア、米国などと対立する気は毛頭ありません。本当に望んでいるのは、現在の体制をそのまま維持することです。

一方、米国や中国・ロシアも現状維持を望んでいます。米国にとっては、朝鮮半島問題で最悪なのは、半島全体が中国の影響下に収まってしまうことです。一方中国にとっては、北朝鮮が完璧に米国の配下に収まってしまうことです。

これらの状況よりは、現状維持のほうが、米国にとっても中露にとってもはるかに良いのです。これについては、以前のこのブログにも掲載しました。

朝鮮半島において、現状維持が崩壊するような動きがあれば、米中露とも具体的な行動をすることでしょう。

2017年9月6日、ロシア極東ウラジオストクで行われた経済フォーラムで握手するプーチンと文

現状では、ロシアは経済的に半島問題に直接介入する力はありません。米中としても、米中の経済冷戦が勃発した現在、朝鮮半島は現状維持をして、経済戦争に専念したいと考えています。特に、米国は本気で長期にわたる冷戦を挑んでいます。朝鮮半島問題などは、この冷戦で勝利すれば、自動的に解決すると考えています。

ところが、文在寅をはじめとする韓国の政治家やマスコミは、この現状を把握していないようです。だから、以前このブログでも述べたように、文材寅は米中露・北朝鮮が現状維持を望んているにもかかわらず、それを破壊するような行動に出て、一人芝居をしているようなものなのです。

金正恩は、韓国や文在寅に対して、親近感を抱いているわけでも何でもありません。厳しい制裁に対する抜け穴として利用したいと考えているだけです。だから、文在寅に対して良い顔をしておだててきました。

金正恩におだてられた文在寅

そうして、文在寅は、有頂天になり、北制裁の緩和や排除を標榜し、米国に赴き、仲介者の役割を果たそうとしました。

北朝鮮としては、これ自体は悪いことではありませんが、文在寅の一人芝居が過ぎるようになってきたため、それを放置しておけば、自らも米国や中国・ロシアから、現状維持を崩そうとしてみられる危険性を懸念するようになったのでしょう。

だからこそ、韓国の「仲裁者」としての立場を否定してハシゴを外したのでしょう。文在寅はこうした背景を理解しないと、いつも北朝鮮からハシゴを外されるようになるでしょう。

そんなことより、文在寅は、朝鮮半島問題の本質である現状維持(Status quo)を理解したその上で北、米中露へ対応していくべきでしょう。これができないから、一人芝居状態になっているのです。トランプ、習近平、プーチン、金もその点では一致していると思います。

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2019年2月22日金曜日

韓国・文政権と日本の民主党政権は似ている? 無理に最低賃金引き上げた結果…左派なのに雇用創出に失敗 ―【私の論評】文在寅・民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもない(゚д゚)!


文在寅大統領

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の雇用政策は、驚くほど日本の民主党政権(当時)と共通点がある。その背景は何か。

 先日関西で放送された情報番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』で、金明中(キム・ミョンジュン)ニッセイ基礎研究所准主任研究員から興味深いリポートがあった。

 それによれば、韓国の文政権では、最低賃金引き上げと労働時間短縮をやったが、結果として失業率が上がったという。

 この話を聞いていて、筆者は「金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる」という典型的な失敗政策だなと思いながら、同時に民主党政権当時の政策を思い出した。

 実は筆者は、アベノミクスの金融政策を説明するため、韓国大使館をしばしば訪問していた時期がある。文政権が誕生する前のことだ。その後、韓国では文政権が誕生した。左派政権である文政権が、民主党政権と同じような失敗をしたのは、きわめて興味深い。

 左派政党の建前は「労働者のための党」というものだ。このため、雇用を重視する。しかし、雇用を作る根本原理が分からないと、目に見えやすい賃金に話が行きがちだ。

金融緩和は一見すると、企業側が有利になるため、短絡的に労働者のためにならないと勘違いする。金利の引き下げは、モノへの設備投資を増やすとともに、人への投資である雇用を増やすことになるのを分からないからだ。その間違いをする人は、金融引き締めで金利を上げることが成長にいいとか言いがちだ。立憲民主党の枝野幸男代表のかつての発言がその典型だ。

 そうした勘違いの末、政策としてやりやすい最低賃金の引き上げになる。

 民主党もこれで失敗した。2010年の最低賃金は引き上げるべきでなかったが、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、前年比で2・4%も最低賃金を引き上げてしまった。前年の失業率が5・1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0・3%程度であるのに、民主党はもったいないことをした。

 それが、結果として雇用の悪化につながった。民主党時代、就業者数は30万人程減少したが、第2次安倍晋三政権では300万人以上も増加した。

 大学卒業者の卒業年の就職率について、民主党時代の11年は91%だったが、安倍政権の18年は98%である。社会人になっていない学生は、雇用の既得権もないので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろに出る。

 最近の韓国は、北朝鮮化しており、いわゆる元徴用工判決、レーダー照射事件、慰安婦像問題、天皇陛下への謝罪要求など対日関係はひどすぎる。

 しかし、旧民主党からできた野党はほとんどモノを言わない。似た者同士なので言わないのかと邪推してしまうほどだ。

 野党が政府与党を批判するのは当然だが、2年以上も「モリカケ」をやって結果が出なかった。統計不正問題もまた「モリカケ化」するのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】文在寅・民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもない(゚д゚)!

2月10日の自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と発言した安倍首相に対し、岡田克也元副総理が撤回を求めるなど、激しい論争になっていました。岡田氏にとっては、自分たちの時代を「悪夢」と言われて気のいいものではないことは理解できなくもありません。

一方で、国民にとって民主党政権の3年間は「悪夢」だったのかどうかは、様々な角度から検証されるべきです。

そもそもこの表現は、安倍首相だけが使っているものではありません。1月31日には、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が衆議院代表質問を行い、その冒頭で「あの悪夢の3年間といわれた民主党政権」と発言しています。一国の首相と野党の幹事長では影響力が違うという声もあるでしょうが、首相だけの認識ではないということは、確認しておくべきでしょう。

さて、安倍首相が「悪夢のような民主党政権」と批判したのは、経済政策についてです。民主党政権時代は、安全保障分野では「普天間基地は最低でも県外」と掲げて内外の政策に大混乱を招いたこと、「尖閣諸島での中国漁船と日本の巡視船衝突事件」での中国人船長釈放、福島原発事故での「官邸による人災」など、「悪夢」と呼ぶにふさわしい出来事の連続でした。

鳩山元総理大臣

しかし、ここではあくまで安倍首相が指した民主党時代の経済政策、特に雇用に絞って議論します。

先に雇用以外について述べるなら、民主党政権が行った、震災復興増税の導入はまさに「悪夢」です。100年に一度の大災害が起きた場合、復興費用を捻出するために100年国債を発行するのが経済学の教えである。

これを増税で賄おうとしたことで、震災で大ショックを受けた上に、増税という人災で日本経済がダブルショックを受けることになったのです。地震などの自然災害を増税などで、賄うなどという、常軌を逸したことを行ったのは、古今東西日本の復興増税だけです。

私は、経済政策を評価する際、①雇用、②所得を基準に評価を下します。これは一貫して変わっていません。景気が悪くなれば、まず金融緩和(これに財政出動も加えて)によって有効需要を創出し、雇用を作るのがマクロ経済政策の手順です。

この観点から見れば、民主党時代の経済政策は「悪夢」だったと言えます。働きたい人に仕事がある状況を作るのが政治の大きな責任であり、民主党政権と安倍政権の差は、何より「雇用の創出ができたかどうか」です。

この両政権の差は、金融政策です。金融緩和を行わなかった民主党政権と金融緩和を行った安倍政権の差です。

金融政策がどうして雇用に効くかというと、一般物価の変動を通じて実質金利に作用し、モノへの設備投資とともに、ヒトへの雇用の増大へ影響するからです。他の政策では、個別物価に影響を与えても一般物価には影響を与えられません。これは金融政策がもつ、他の政策にない特徴です。

民主党は、この点の理解がまったくできていませんでした。就業者数を増やすべき時に、賃金を引き上げようとしたのですが、これはまったくの経済政策オンチだったといわざるを得ないです。

民主党議員等の中にも、馬渕氏や金子洋一氏のように、「金融政策は雇用政策であり、もっと金融緩和すれば雇用がよくなり自殺率がさらに低下する」ということを理解している人もいますが、これはほとんど例外的であって、民主党の議員のほとんど、そうして幹部は、皆無でした。これは自民党も似たようなものですが、安倍総理とその側近はこれを理解しています。

金子洋一前参議院議員

このような政策が実現しなかったのは、当時執行部にいた、現立憲民主党党首の枝野幸男氏の影響もあるでしょう。というのも、民主党が政権を取る前、あるテレビ番組で枝野氏は「金融引き締めが高成長につながる」との持論を展開していたからです。

安倍首相は政権を取る前から、金融政策のことを話していたので、やはりこれを理解していたのです。

私は、こうした話は、日本だけの話かと思っていたのですが、ブログ冒頭の記事にもあるように、「金融緩和を行って雇用を作る前に、先に賃金を上げてしまうと、結果として雇用が失われる」という典型的な失敗政策を文在寅大統領が実行して大失敗しているのです。これについては、昨年何度かこのブログにも掲載したことがあります。

実は筆者は、韓国の日本大使館にアベノミクスの説明をするためにしばしば訪問していた時期がある。文政権が誕生する前のことだ。その際、金融政策は雇用政策であることを安倍政権にも民主党政権にも説明したが、実行したのは安倍政権で、結果、雇用の確保に成功したということも説明した。

その後、韓国では文政権が誕生しました。文政権は左派政権ですが、金融緩和策を採らなかったために、民主党政権と同じような失敗をしたのは、きわめて興味深いことです。

このような失敗政策の悪影響は、大学新卒者の就職率に表れます。新卒者は限界的な雇用なので、政策による雇用創出の巧拙の影響がもろにでるからです。実際、いまの韓国で、大学の就職率はかなり悪いです。大卒の就職率は67.7%であり、若者の失業率は10.0%といわれています。

日本でも、大学卒者の卒業年の就職率について、民主党時代の2011年は91%でしたが、安倍政権の2018年は98%でした。社会人のスタートにもついていない学生は、雇用の既得権もありません。そうした若者に、将来の安心をいかに与えることができるかは、政治にとって重要なことです。この意味でも、民主党時代は酷かったと言えます。

これは大学関係者や企業の人事部の人なら誰でも知っていることです。少し前には、どの企業にとっても新卒雇用は買い手市場で、かなり楽だったはずです。しかし、今はその全く逆です。

若い人たちも民主党政権時代に就職状況が悪かったことはよく知っています。若い人の安倍政権政権支持が多いのは、右傾化ではなく、就職ができるようになったからでしょう。

経済政策においては「雇用の創出が先決で、賃金は後からついてくる」が正しいです。ただし、最低賃金をどのように設定すべきか、という問題が残るのは事実です。実は、最低賃金は前年の失業率から無理のない水準にし、賃金は後からついてくるという原則を曲げないようにさえすれば良いのです。

この点、安倍政権はかなり、手練たやり方をしています。雇用を作りつつ、失業率が下がるような環境を作っておき、最低賃金は失業率の低下に合わせて、毎年上がっていくように調整しています。

安倍首相は、このメカニズムを「政治的」に上手く利用しています。前の年の失業率低下から、無理のない最低賃金の引き上げを行うのですが、その際、「政労使会議」を利用し、あたかも安倍首相主導で最低賃金を引き上げたように見せ、政治的なプレゼンスを高めているかのようです。

いってみれば、最低賃金の引き上げは、雇用創出の成果であるが、その果実を安倍政権は政治的に上手く利用しているともいえます。

それは、次の図で明らかです。



民主党は、はじめの年の2010年の最低賃金は引き上げるべきでなかったのです。しかし、左派政権であることの気負いと経済政策音痴から、前年比で2.4%も最低賃金を引き上げてしまいました。前年の失業率が5.1%だったので、それから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0.3程度であるのにです。

こうした失政は、多くの国民が(少なくとも肌感覚で)わかっているのに、元民主党の関係者は、このことについての反省がないようです。それでは、永遠に次の政権交代は起こらないでしょう。政権交代の選択肢がないということは、国民にとって大きな損失です。

最後に、①雇用と②所得(総所得と賃金)について、民主党政権と安倍政権の成果について、念のために図を掲げておきます。



これらをみれば、日本維新の会の馬場伸幸幹事長でなくても、「悪夢」といいたくなる気持ちがお分かりいただけると思います。

さらに、最近国会で、修正後もわずか0.5%とかその程度しか違わないの統計不正に関して、倒閣に利用しようとする民主党の後継である、立憲民主党等が国会での追求をみていると本当にあの「悪夢」を生み出したのは、「悪魔」ではないかと思ってしまいます。

ただし、不正は不正です。しかし、あの不正は官僚側に100%問題があるのであって、安倍政権側の問題ではありません。もし、あれで政権が崩壊するというのなら、どの政権も不正など発見しなくなってしまいます。

そうして、民主党政権のときにもあの不正はあったということを現在の立憲民主党や、国民民主党などの野党はどう考えているのでしょうか。

やはり、文在寅政権と民主党政権の経済政策は「悪夢」以外の何ものでもないです。

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2018年12月31日月曜日

米国が韓国・文政権を見放す日は近い―【私の論評】日米が韓国・文政権を見放すにしてもその前にやるべきことがある(゚д゚)!

米国が韓国・文政権を見放す日は近い

北朝鮮にひたすら接近する韓国、トランプ政権の政策を骨抜きに

文在寅大統領

 韓国の文在寅政権は北朝鮮との融和を最優先し、米国が求める北朝鮮の非核化を真剣に考えていない。トランプ政権内外では、文政権に反対する韓国内の保守派への期待が急速に高まってきた──。

 米韓関係のこうした不穏な現状が、アジア報道で実績のある米国のベテラン記者によって報じられた。

 韓国海軍が海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射した問題で日韓関係はさらに悪化する気配を見せているが、亀裂が広がりつつあるのは米韓関係も同様だ。北朝鮮への対応を巡る米韓のギャップは、日本の安全保障にも複雑な影響を及ぼしそうである。

米国の政策に反する文政権の融和政策

 ワシントンを拠点とするネット新聞「デイリー・ビースト」は12月19日に掲載された長文の記事で、米国において文在寅大統領への不信が広がっている状況を伝えた。記事の筆者は米国メディア界でアジア報道の最長老として信頼度の高いドナルド・カーク記者だった。

ドナルド・カーク氏(写真はブログ管理人挿入 以下同じ)

 カーク記者は1960年代のベトナム戦争報道を出発点として、朝鮮半島、日本、東南アジア、中国などのアジア情勢を一貫して報じてきた。ロサンゼルス・タイムズ、USAトゥデイ、シカゴ・トリビューンなど米国主要新聞の特派員を務め、多数のジャーナリズム賞を受賞した。現在はフリーとしてアジアとワシントンを往来して、活発にアジア関連報道を続けている。

 そのカーク記者が最近、韓国発の記事を執筆した。見出しは「韓国の右派が台頭し、トランプ大統領と金正恩の平和を崩しそうだ」と付けられていた。

 この記事でカーク記者は、韓国の文在寅大統領が金正恩政権への経済協力など融和政策を進めており、その政策は北朝鮮の非核化を目指すトランプ政権の政策を骨抜きにすることになると指摘する。韓国内では、文政権に反対する右派が米韓同盟の重要性を主張して、同政権への抗議を強めているという。

 カーク記者による本記事の根幹は、韓国の文政権が米国の超党派の政策に反する行動を取っているとする厳しい糾弾でもあった。

トランプ政権が文政権に抱く不信の念

 カーク記者の報道の骨子は以下のとおりである。

・現在、韓国の首都ソウルで毎週、開かれる文在寅大統領への抗議デモは数千人から万単位へと広がり、金正恩政権との融和を求める文政権のリベラルな政策に対して、右派、中道派からの批判の勢いが高まっている。文政権への支持率も2017年の同政権発足以来、初めて50%を割り、これまでで最低となった。

文在寅大統領への抗議デモ

・文大統領は、米国が最優先する北朝鮮の完全非核化という大きな目標を軽視して、南北開通鉄道の開設など北の経済を利するプロジェクトを推進しようとしている。だが、南北鉄道構想に関わる韓国側の当事者たちは誰もが、北朝鮮の技術やインフラは南北鉄道開設を可能にする状態にはなく韓国側の一方的な持ち出しになると指摘する。

・文大統領のこの態度はトランプ政権の政策への事実上の反対であり、北朝鮮への甘い幻想の産物だともいえる。このまま文政権の対北政策が進めば、北朝鮮は非核化を実現することなく韓国との融和や韓国からの経済支援を獲得し、トランプ政権の政策を骨抜きにしてしまう。そのためトランプ政権側にはすでに文政権への強い不信や批判が生まれている。

 カーク記者は、ソウルだけでなく、北朝鮮との国境の非武装地帯に近い京畿道の南北鉄道開設計画の拠点も訪れて、文大統領の北朝鮮への経済協力がきわめて非現実的だという判断が文政権周辺にも広がっている状況を報告していた。その結果、文政権はトランプ政権の北朝鮮政策を骨抜きにして、米韓同盟の基盤までを侵食する危険があるという警鐘を鳴らしていた。

朝鮮半島を分断する南北軍事境界線上の共同警備区域で警備に就く朝鮮人民軍の兵士たち

韓国の保守派・右派の動きに要注意

 さらにカーク記者によると、韓国内部で、文政権の北朝鮮に対する政策や認識に反対する右派・中間派の動きが米国の政策にも影響を及ぼす可能性があるという。同記者は次のように述べる。

・文政権への反対派は、北朝鮮の金正恩国家委員長を残虐な人権弾圧の独裁者として非難し、金委員長のソウル訪問にも強く反対する。同時に米国との連帯を強調し、米韓同盟の重要性を改めて訴える。トランプ政権は、北朝鮮の完全非核化を主張する韓国の保守派の主張が拡大し、文政権にも影響を及ぼすことを期待している。

・だが韓国の保守派は、金委員長をあくまで敵視する点でトランプ政権の対北認識に合致しない部分もある。つまり、トランプ政権は、金正恩氏が非核化を公約どおりに進めることを条件として協調姿勢をとるのに対して、韓国内の保守派は金政権との協調自体にも反対する。その保守派のパワーの広がりは、トランプ政権の対北政策の土台をも崩しかねない。

 以上のように、韓国内の保守派・右派は、文政権の対北融和政策に激しく反対すると同時に、米韓同盟の堅持を主張する。ただし、金正恩委員長とその政権をどうみるかについては、トランプ政権の政策が甘すぎるとする傾向もみられる。そのため、仮に保守派・右派が韓国民の支持を高めた場合、米国政府の対北政策を一部否定する動きにまでつながる可能性がある、ということになる。

 韓国内部における文政権への支持の状況は、日本にも大きな余波をぶつけることになる。韓国内の保守派・右派の動向には十二分の注意が必要だといえよう。

【私の論評】日米が韓国・文政権を見放すにしてもその前にやるべきことがある(゚д゚)!

冒頭の記事に、「韓国海軍が海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射した問題で日韓関係はさらに悪化する気配を見せている」とありますが、この事件は米韓関係を悪化させる可能性もあります。

そもそもこの事件の真相に関して、様々な筋がいろいろ分析していますが、なかなかしっくりきません。

実は、韓国以外にも似た事例は過去にありました。1987年の「対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件」です。日本の領空を侵犯したソビエト軍偵察機に対して、自衛隊が実弾警告射撃を行いました。日本はソ連に抗議し、「ソ連は計器故障による事故」として関係者を処分しました。その後もろもろのやり取りはあったのですが、基本的にはソ連側の処分をもって終わった話です。

ソ連軍偵察機に実弾警告射撃を行った第302飛行隊所属のF-4EJ(同型機)

ここからもわかる通り、今回の事件もおそらく韓国が「偶発事故」として関係者を処分していれば、それで終わった案件です。もしも韓国側が、「日本が映像記録を残していないだろう」と考えていたなら、現状認識不足は致命的です。

そうではなく「日本政府はまさか映像を公開しないだろう」というような、日本に対する甘えが、現場にも政府上層部にもあるのかもしれません。これは、決して友好国として望ましいものではありません。

もしもこのほかに、韓国側に「正直に言えない理由」があるのだとすれば、それは日韓関係においてかなり重症であるといえると思います。
そのことについて、28日の読売新聞で、興味深い記事がありました。それは、韓国が日本海周辺で密漁していたと思われる北朝鮮の漁船を日常的に救助していたからというものです(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20181228-OYT1T50096.html?from=tw)。これは、確定的証拠はない仮説にすぎないですが、確かに防衛省が公表した動画とも整合的です。
現場の能登半島沖は、好漁場の「大和堆」の周辺で、北朝鮮漁船によるイカの密漁で問題になっているところです。「大和堆」は、平均1750メートルと深い水深の日本海にあって、浅いところで、好漁場になっていますが、ここは日本の許可なしでは漁ができない排他的経済水域内です。
しかし、この数年、大和堆の海域には中国や北朝鮮の漁船が大量に押し寄せ、密漁をしているのは周知の事実です。水産庁の取締船や海上保安庁がそれらの漁船を追い出していますが、手が回らない状態です。
北朝鮮は、現在国連の経済制裁を受けているので、石油は手に入りにくいですが、大和堆にやって来る漁船は、北朝鮮軍からの石油割当を受けているはずなので、軍の指揮下にあるとみて良いでしょう。
その北朝鮮の密漁漁船を韓国軍が(日常的に)救助していたとすれば、国連の制裁決議を北朝鮮に課している国際社会は「韓国が北朝鮮の国連制裁決議の尻抜けを手助けしていた」というように見ることでしょう。
そうして、これは北朝鮮に対して前のめりの文在寅大統領の行動をみていれば、本当に尻抜けを手助けしているということも十分に考えられます。
実際、韓国の東海地方海洋警察庁(大韓民国海洋水産部隷下の沿岸警備隊)が6月11日早朝、エンジンの故障と浸水により北東部の江原道・束草沖を漂流していた北朝鮮の小型漁船の乗組員を救助したと発表しています(WOWKOREA)。
同庁によると午前6時20分ごろ、束草の東方約218.5キロの海上で韓国漁船が漂流中の北朝鮮の小型漁船を発見し、関係機関に通報しました。

海洋警察は艦艇を派遣して漁船の乗組員5人を救助し、関係機関と共に事故原因などを調べたとしています。

この出来事自体は、無論韓国が北朝鮮の尻抜けを手伝ったものとはいえないですが、それにしても何度もこのようなことが重なった場合、予め韓国の艦艇が北朝鮮の艦船が出没する近くに出動し手助けするのが恒常化しているおそれもあります。

ひょっとしたら、韓国がひた隠しにしたいのはこのことなのかもしれないです。日本の海上自衛隊に見られたくないものを見られたから、そのシラを切り続けるために、日本に強硬な態度をとり続けているのではないかと疑ってしまいます。

さらにこの海域には、中国の潜水艦が行動する水域でもあり、韓国駆逐艦の行動は、(日米連携での)中国潜水艦の探査活動を妨害し、日米連携を分断し中国を利するものともいえます。

こうしたことから、韓国がもし北朝鮮の制裁尻抜けに大きく関与していたとすれば、米国の韓国に対する態度も一気に硬化することになります。

真相の解明は翌年に持ち越されましたが、日本は毅然とした態度を取り続けることが重要です。

そうして、韓国が南北統一にまっしぐらに進むということがわかった場合には、このブログでも前に掲載したように日米がすぐに韓国を見放すということではなく、その前に、日米が韓国に対して金融制裁等を実行して、経済的にも科学技術的にも徹底的に疲弊させるべきです。

現在のままの韓国をわざわざ、北朝鮮に引き渡し、金正男を喜ばせ、韓国の経済力をもとにさらに軍事力を強化させるようなことはすべきではありません。それどころか、韓国が金正恩の負担になるようにすべきです。

現在のロシアのGDPは、韓国を若干下回るくらいの規模です。南北が統一されれば、ロシアの経済規模を上回る独裁国家が半島に生まれることになります。韓国の経済規模は、東京都と同規模です。

絶対にそのようなことをさせるわけにはいきません。そもそも、現在の体制のままの南北統一はさせない、最悪させてしまうにしても、韓国の経済を徹底的に潰しておいてから統一させるべきです。

さて、今年も最後になりました。皆様、昨年中は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

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2018年11月12日月曜日

米、韓国へ“制裁”秒読み…北の“番犬”文政権の「制裁破り」にトランプ氏激怒―【私の論評】日台は、中国から離れる政策を実施つつ、国内経済浮揚の両方を同時に実行しなければならない(゚д゚)!

米、韓国へ“制裁”秒読み…北の“番犬”文政権の「制裁破り」にトランプ氏激怒

5月には日中韓ビジネス・サミットを開いた安倍晋三首相(中央)と
中国の李克強首相(右)、韓国の文在寅大統領

 米国との貿易戦争に苦しむ中国。いわゆる「元徴用工」をめぐる反日・異常判決を出した韓国は、露骨に北朝鮮寄りの姿勢を見せる。中韓両国と関係のある日本企業も危険な立場となりかねないと警告するのが国際投資アナリストの大原浩氏だ。寄稿で大原氏は、「自由」や「民主主義」とかけ離れている中国や、米国の制裁対象となれば経済の混乱が不可避の韓国との取引を考え直すべきだと訴える。

 トランプ米大統領は、米国が旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄する意向を表明した。これによって、米中貿易戦争と呼ばれていたものが、世界を巻き込む「第二次冷戦」の始まりであることが確定した。

 そもそも、1989年のベルリンの壁崩壊、91年のソ連邦の崩壊の後、世界中のだれもが共産主義の崩壊によって東西冷戦は終了したと思った。鎖国状態の共産主義国家群が「鉄(竹)のカーテン」を開けて自由主義経済圏と交流すれば、いずれ共産主義は消滅し、それらの国々にも「自由」と「民主主義」が広がると思ったのである。

 ところが、その考えは甘かった。中国を典型的例として、共産主義国家の大半(悪の帝国)は、西側の「自由市場」に参加してメリットを最大限に享受したにもかかわらず、国内の専制的支配に変化はなかった。それどころか、経済的に豊かになったことで、独裁政権が国民への締め付けを強化する事態すら招いた。

 こうしたなかで米中貿易戦争が勃発したのは、決してトランプ氏の気まぐれではない。日本企業だけではなく、中国に進出した米国企業も、無理やり先端技術を提供させられたり、当然認可されるべき申請を保留にされたりするなど数々の嫌がらせを受けてきた。

 しかし、被害企業は共産主義中国という巨大な相手とけんかできず、泣き寝入りしてきた。トランプ氏は、それらの企業の「声なき声」を代弁したに過ぎない。

 現在、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は悪の帝国の一画である北朝鮮の番犬になり下がり、制裁破りともとられかねない言動を繰り返している。トランプ氏は北朝鮮を手なずけようとしているが、「しつけ」をしている最中に、横からエサを放り投げられたら激怒するのも当然だ。韓国の銀行や企業に対して米国が制裁を発動する日も近いのではないだろうか。

 もちろん、そうなれば韓国経済は混乱するし、韓国企業と取引をする日本企業も危険な立場に立たされる。

 さらに大きな問題が「悪の帝国」の本丸である共産主義中国である。中国には相当数の日本企業が進出したり、取引を行ったりしている。しかし、共産主義中国がいまも人権無視の蛮行を続けていることが誰の目にも明らかにされつつある。

 サウジアラビア政府が関与した記者殺害事件では、体を切り刻むなどの残酷な手口で世界中の国々から激しい非難を受け、サウジからファンドに出資を受けているソフトバンクグループは窮地に立たされている。

 しかし、ウイグルでの中国政府の行いは、それとは比較にならないほど大規模で悪辣(あくらつ)である。

 今でこそナチス・ドイツは繰り返し批判されているが、第二次世界大戦が始まるまでは米国などの企業は好意的だった。米国を代表する企業のトップもヒトラーから勲章を受けていた。後に勲章を返還したため事なきを得たが、そうでなければその企業は存在できなかったかもしれない。

1938年、デトロイト駐在のドイツ領事(右)がヘンリー・フォード(中央)に
「ドイツ大鷲十字章」を贈り、ヒトラーの謝辞を伝えた

 これまでマスコミでもてはやされてきた中国だが、日本企業としては、取引を即刻中止するのが正しい「危機管理」であり、「コンプライアンス(法令順守)」ではないだろうか。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】日台は、中国から離れる政策を実施つつ国内経済浮揚の両方を同時に実行しなければならない(゚д゚)!

日本企業は、日中友好にぬか喜びしているようですが、台湾は政府ぐるみで中国から離れる政策をとりつつあります。本日は、現在の日本とは対照的な、台湾の状況を掲載します。

中国国内はすでに数年前から、経済成長の鈍化、債務急増問題、信用バブル、人民元安など様々な経済問題に直面していました。これらが主因で、現在中国からの資本流出が加速していました。それを阻止するために、中国当局は近年個人や企業に対して流出規制を強化しました。

ペンス副大統領は、中国に対して最後通牒とも受け取れる演説を行い、米国による「対中国冷戦Ⅱ」は中国の体制が抜本的変わるか、体制を変えないなら、経済的にかなり弱体化させ他国への影響をそぎ取るまで続けられることになりました。

そのような中、台湾企業ははここ数年中国から離れる、努力をしています。台湾金融監督当局である金融監督管理委員会の最新統計によると、昨年1~3月期に約9社の台湾企業が中国本土から撤退し、過去最多となりました。この傾向は、米国が対中国貿易戦争を開始してからますます顕著になっています。

多くの台湾企業が中国本土に進出しているのですが、その収益に占める本国送金比率は12%で、帳簿価値の5.4%にとどまります。主因は中国当局の資本流出規制だというのです。

1970後半~80年代にかけて改革開放に転換した中国当局には、資金が必要でした。このため、当局は台湾企業や香港企業を「外資企業」として積極的に誘致しました。「現在の中国経済発展には、台湾企業と香港企業が大きく貢献しました。しかし、いったん中国本土に入った台湾と香港の資本は中国からでることができないようです。

実は台湾などの多くの経営者たちは、中国当局が資金流出制限を強化しているため、資金を台湾や香港に送金ができなくなっていると知っています。台湾企業が大陸中国の本土で、投資等を通じて儲けがあったとしても、その収益をどうしても台湾送金できず、結局大陸中国本土に再投資するしかないようです。

1980~90年代、数多くの台湾企業などの進出で、当時中国の資金および技術の不足が解決されました。当局はその後、さらに欧米諸国との間で「手厚い」貿易協定を結び、中国経済がより大きく拡大しました。この結果、中国当局にとって、リーマンショックまで資金問題は存在しませんでした。

ではなぜ、台湾企業などの資金を中国国内に留まらせたのでしょうか。これは、中国当局の本質に関係があるようです。個人の資産を認めず、他人の財産を奪ってきた中国共産党は、もちろん台湾企業の資本を手に握りたいとの政治的な狙いがあったのでしょう。

中国共産党は政権を奪ってから今現在まで、数々の政治運動を起こし、「暴力」と「恐怖」で国民に対して圧制を敷いてきました。

とはいいながら、長期的に政権を維持していくには暴力だけではダメだと当局は心得ているようです。そのため、中国当局は経済成長を通して、国民に当局は『偉大』だと思い込ませ、中国共産党統治の当地の正当性を強調してきたのです。

そのため、中国当局は長年経済指標をねつ造してきました。この偽装された経済データで作り上げられた虚偽である「世界第2位の経済体(実体はドイツ以下ともされている)」に、多くの海外企業が引き付けられました。

しかし、外資企業が中国本土でビジネス展開を始めると、海外への送金を制限して、人民元を海外の本国通貨に自由に両替させないことで、資金が本国に戻ることを阻止しました。

また、当局は中国企業が外資企業の製品を模倣し、知的財産権を侵害するのを黙認し外資企業の技術を盗んできました。このように、当局が入手した外資企業の資金と技術を用いて、国有大手企業を扶養し大きく育ててきたのです。

現在中国経済は不動産バブル、株価大暴落、元安、企業や政府の債務急増問題など多くの難題に直面しており、ねつ造された「経済の繁栄」はまもなく消えます。最近の米国による対中国「冷戦Ⅱ」は、それを加速することでしょう。そうして、多くの投資家が「中国リスク」を認識し、中国市場から続々と撤退しています。

一部の台湾経営者の中で、中国本土と台湾は密な関係かあることから、中国経済が崩壊すれば、台湾経済も大きな打撃を受けると危惧しています。

中国当局は台湾政府に対して、長年経済に台湾企業を通じて圧力をかけてきました。しかし、台湾国民と政府は今その危機感を強めています。いわゆる台湾政府による「新南向政策」(投資先を中国本土から東南アジアにシフトする)で、台湾政府は中国経済に依存する現状を打破しようとしています。

「新南向政策」を示す台湾のチャート

今すぐにはその政策の効果が目に見えないとしても、中国経済への依存を断ち、中国共産党政権からの指図を受けないために、この政策を堅持していく必要があります。

このように、台湾は中国から離れる政策を政府が音頭をとりつつ、民間企業が協力して行っています。日本も、この台湾の姿勢を見習うべきです。

今年11月24日、台湾では統一地方選挙(「九合一」)が行われます。投票まで100日を切ったとあって、メディアの報道も熱を帯びています。

ただその反面、気になるのが、肝心な台湾の有権者の政治への関心が一向に高まっていないことです。その理由は、有権者の“政治離れ”に歯止めがかからないからです。

中国との関係で政策が対立する台湾では、台湾独立の受け皿となる与党・民主進歩党(民進党)と大陸との統一を掲げる国民党という二大政党の対立の構造が定着しています。

互いに象徴するカラーを定め、民進党の緑に対して国民党が青。有権者の選択はずっと、緑か青かという単純なものでした。

民主進歩党(左)のシンボル・カラーは緑、国民党(右)のそれは青

しかし、ここにきて顕著になりつつあるのが緑にも青にも「ノー」という空気です。いわゆる「無色」勢力の伸長と呼ばれる傾向です。

いったいなぜこんなことになったのでしょうか。

日本では、台湾の選挙といえば、緑か青のどちらが勝ったかで、台湾の人々の対中国観をはかろうとするのですが、対外政策が選挙の中心に来るケースは極めて稀で、実際はそうではないことの方が多いです。

では、人々は何を気にしているのかといえば、当然のこと自分たちの生活の改善です。

その意味で蔡英文総統が誕生した当初には、民進党政権に大きな期待が寄せられました。

だが、結果的に民進党は人々の期待に応えられなかったといってもよいでしょう。

そうして、その理由は、蔡英文政権がマクロ政策を重視していないからです。積極的な金融緩和策、財政出動などで、台湾経済に協力にテコ入れするなどの政策は行わず、もっぱら「新南向政策」ばかりでは、国民の生活は改善されません。

ここは、金融政策で雇用を画期的に改善した日本の安倍政権を見習っていただきたいものです。

ただし、日本の安倍政権も、来年10月から消費税増税を実施する予定です。もし、これを実行してしまえば、せっかくの金融緩和策で改善された雇用等がまた後ずさりすることになります。

日本も台湾も、中国から離れる政策を実施つつ、国内経済を浮揚するという両方を実行しなければならないのです。両政府とも、どちらが欠けても、うまくはいかないでしょう。

日本は、国内経済が良くなりさえすれば日本企業もその対応に追われ、危険な中国ビジネスへの関心は薄れることでしょう。

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