【私の論評】経済的に無意味になり、安全保障上では空き地になる韓国、対処法は簡単!無視(゚д゚)!
ブログ冒頭のイエン・ア・ジョ氏の記事、『Moon's Failed Balancing Act』を読んでみましたが、確かに文在寅政権の分析としては、優れているとは思いましたが、バランシング行為の失敗は、すでに朴槿恵の時代から顕著になりつつありましたし、それよももっと前からそうした動きがあったので、あまり新鮮には感じませんでした。
エドワード・ルトワック氏 |
●国家は普通は独立を尊ぶものだが、従属したがる国もある。それが韓国だ。
●彼らは中国と中国人にたいして、文化面で深い敬意を持っている。中国の「マーケットの将来性」にもその原因がある。
●韓国における中国と中国人への尊敬の念は明の時代にまでさかのぼることができる。その一番の担い手は、知的エリートとしての官僚である両班だ。
●面白いことに、中国文化の影響が非難されるのは北朝鮮。北では漢字は事実上禁止され、ハングルの使用だけが許されているほど。
●韓国では教育水準が高ければ高いほど反米の傾向が強まる。しかも最近はアメリカが衰退していると考えられているために、中国の重要性のほうが相対的に高まっている。個人で中国でビジネスを行っている人が多いという事情もある。
●極めて奇妙なことに、韓国は大規模な北朝鮮の攻撃を抑止するのは、グローバル規模の軍事力を持つアメリカの役目だと考えられており、実際に天安沈没事件や延坪島の砲撃事件にたいしても(死者が出たにもかかわらず)ほとんど報復は行っていない。
●つまり実際のところ、韓国政府は米国と中国に依存する従属者となってしまっている。米国には全面戦争への抑止力、そして中国には一時的な攻撃にたいする抑止力を依存しているのだ。
●ところがこれは、米国にとって満足できる状況ではない。韓国を北朝鮮から庇護するコストとリスクを、米国は独力で背負わなければならないからだ。
●その上、韓国への影響力は中国と折半しなければならない。中国は北朝鮮への統制を中止すると脅かすことで、常に韓国政府を締め上げることができるからだ。今のところ韓国が中国に声を上げることはない。
●米韓同盟を形成しているものが何であれ、そこには共通の「価値観」は含まれていない。なぜなら韓国はダライラマの入国を中国に気兼ねして堂々とビザ発給を拒否しているからだ。
●現在のような政策を保ったままの韓国は、いわゆる「小中華」の属国として、しかも米韓同盟を続けたまま、中国による「天下」体制の一員となることを模索しているのかもしれない。韓国が自国の安全保障のコストとリスクを受け入れず、かわりに従属者になろうとしているのは明らかだ。
●このような韓国の安全保障の責任を逃れようとする姿勢は、「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形であらわれている。ところが日本との争いには戦略的に何の意味もないし、日本へ無理矢理懲罰を加えても、韓国側はリスクを背負わなくてすむのだ。
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いかがでしょう。このルトワックの分析の要点をさらに簡潔にまとめれば、
1.米国に従属している韓国は、同時に中国にもすり寄っていこうとしている。
2.その大きな理由は二つ:歴史的・文化的な面での尊敬と、ビジネスのチャンスだ。
3.安全保障面では、北のコントロールを中国に、そして全面戦争の抑止は米国に依存。
4.その責任逃れの憂さ晴らしとして、日本にたいする情熱的な敵対心を展開。
となります。
このことを理解していれば、今日の韓国が今のような状況になったことも十分理解できます。この書籍を読んだ人ならば、今日の韓国は当時から予測がついたことと思います。2012年にこのことを本に書いていたということで、やはりルトワック氏は慧眼の持ち主といわざをえません。
上の内容を知っていれば、今日韓国が現在のようになったのは、必然であり、文在寅はそれを若干はやめたくらいのものでしょう。特に「Balanced Diplomacy」(均衡の取れた外交)など、随分前から韓国の基本姿勢であり、文在寅のやったことは、言葉をつくりそれをはっきりと、国内外に周知したくらいのものでしょう。文在寅も、曺国も、大きな流れの中にいっとき咲いた徒花のようなものです。
エドワード・ルトワック著・奥山真司訳の『日本4.0 国家戦略の新しいリアル』にも日本がとるべき北朝鮮への戦略とともに、韓国への対処法も掲載してあります。
さて北朝鮮の非核化は現実に可能なのでしょうか。ルトワック氏によれば、現時点で、北朝鮮が進む道は三つあるといいます。
まず、非核化した北朝鮮がアメリカの戦略的な保護の下で、経済的に発展するというシナリオ、いわゆる「ベトナム・モデル」です。この「北朝鮮のベトナム化」は、日本にとっても最善の選択肢といえます。
次の選択肢は、意外にも「現状維持」だといいます。金正恩の独裁体制が続き、もし米国による先制攻撃などによって強制的な非核化が実現しても、ダメージを受けた北朝鮮の政権が生き残る可能性はあります。それでも、第三の道、北朝鮮が非核化し、朝鮮半島が中国の支配下に入るよりは遥かにマシなのです。
北朝鮮の核兵器は、日本の安全保障にとって最大の脅威です。ところが、戦略面では日本にとってポジティブな要素なのです。なぜなら、それが北朝鮮の中国からの戦略的な独立を保障し、中国による朝鮮半島の支配を防いでいるからです。北京が平壌を制御できる状態になれば、韓国も支配下にされる可能性があります。
なぜなら韓国内には中国の冊封体制を受け入れたい勢力があるからです。換言すれば、平壌は中国から朝鮮半島の独立を実際に保障しているのですが、韓国政府、文在寅はその独立にまったく貢献していません。日本にとって核武装した北朝鮮は最悪ですが、中国に支配された朝鮮半島は、さらに最悪の安全保障上の脅威となります。
次の選択肢は、意外にも「現状維持」だといいます。金正恩の独裁体制が続き、もし米国による先制攻撃などによって強制的な非核化が実現しても、ダメージを受けた北朝鮮の政権が生き残る可能性はあります。それでも、第三の道、北朝鮮が非核化し、朝鮮半島が中国の支配下に入るよりは遥かにマシなのです。
北朝鮮の核兵器は、日本の安全保障にとって最大の脅威です。ところが、戦略面では日本にとってポジティブな要素なのです。なぜなら、それが北朝鮮の中国からの戦略的な独立を保障し、中国による朝鮮半島の支配を防いでいるからです。北京が平壌を制御できる状態になれば、韓国も支配下にされる可能性があります。
なぜなら韓国内には中国の冊封体制を受け入れたい勢力があるからです。換言すれば、平壌は中国から朝鮮半島の独立を実際に保障しているのですが、韓国政府、文在寅はその独立にまったく貢献していません。日本にとって核武装した北朝鮮は最悪ですが、中国に支配された朝鮮半島は、さらに最悪の安全保障上の脅威となります。
ソウルは一度敵の手に落ちたのだか、米国再三の要求にもかかわらす、未だに移転していない |
ここで問題となるのは、韓国という国の戦略的な脆弱さです。ソウルは北との国境線である非武装地帯から近く、対空防衛システムや防空シェルターなども十分ではないという脆弱性を晒しており、韓国の軍隊は自国をまったく守れない状態にありました。というのが40年前の状況でしたが、実は今も全く同じなのです。
政府機能や民間企業の本社などを、ソウルから遠くに分散するなどの対策を一切実行していません。空襲に対応するシェルターも不十分です。40年前と違うのは、北朝鮮が核兵器や長距離ミサイルを開発したことだけです。もし戦争が起きれば、北朝鮮は最初の一撃で韓国の指揮所や対戦車兵器などを潰せます。
40年前にアメリカが提案した、首都機能を南に移すことや、企業の光州への移動や、軍事面での72項目にものぼる細かい変更など、ほとんどなされていません。半島有事の際に作戦を指揮する権限は、いまだに韓国軍ではなく在韓米軍司令官にあります。米国側が長年、返還を示唆しても逃げ口上を駆使して延期し続けています。さらに韓国は、北朝鮮の核開発を阻止する動きは全く見せていません。
ルトワック氏は韓国を強く批判し、次のように述べています。
政府機能や民間企業の本社などを、ソウルから遠くに分散するなどの対策を一切実行していません。空襲に対応するシェルターも不十分です。40年前と違うのは、北朝鮮が核兵器や長距離ミサイルを開発したことだけです。もし戦争が起きれば、北朝鮮は最初の一撃で韓国の指揮所や対戦車兵器などを潰せます。
40年前にアメリカが提案した、首都機能を南に移すことや、企業の光州への移動や、軍事面での72項目にものぼる細かい変更など、ほとんどなされていません。半島有事の際に作戦を指揮する権限は、いまだに韓国軍ではなく在韓米軍司令官にあります。米国側が長年、返還を示唆しても逃げ口上を駆使して延期し続けています。さらに韓国は、北朝鮮の核開発を阻止する動きは全く見せていません。
ルトワック氏は韓国を強く批判し、次のように述べています。
韓国は北朝鮮の非核化には殆ど興味がなく、金正恩体制の崩壊は望んでいない。日米が直面しているのは「朝鮮半島問題」で、二つの国で構成されている。一つは北朝鮮であり、どんな手段でも核武装解除を進めるべき国である。そしてもう一つは、韓国という無視すべき国である。
もう、韓国の未来などはっきりしすぎています。韓国は元々の基本方針である、「小中華」の属国として、しかも米韓同盟を続けたまま、中国による「天下」体制の一員となることを模索しつづけるのでしょうが、それは大失敗に終わります。これは、文在寅の失敗というよりは、韓国の失敗とみるべきでしょう。
そうして、韓国のこの基本的なスタンスは、文在寅が大統領を辞任したとしても、ほとんど変わらないでしょう。無論、実際韓国という国は、朝鮮戦争終了時の時から何も変わっていません。その国が政権が変わったからといって突然変わるということはありません。
最悪のシナリオとしては、このブログにも過去に何度か掲載したように在韓米軍が撤退する間際に、米国とその同盟国による韓国の経済焦土化が実施され、韓国は経済的にも安全保障的にも無意味な存在となりでしょう。
そうなると、いきなり軍事バランスが崩れると考える人もいるでしょう。ただ、そうはならないでしょう。韓国は日米の信頼を失っているわけですが、それでは中国や北朝鮮の信頼を得られかといえば、そんなことはないからです。
将来の韓国は、経済的には取るに足らない国となり、安全保障的には空き地のような存在になるでしょう。北朝鮮は38度線の防備を固め、韓国人難民などが越境させないようにするでしょう。
金王朝を継続させることを最大の任務と考える、金正恩はチュチェ思想とは無縁の韓国人が北朝鮮領内に入ることは到底許容できません。彼の頭の中には、当面南北統一などの考えはないのです。
それでは、一時でも、文在寅の南北統一呼びかけに関心を示したかのように振る舞ったかといえば、まずは、米国との間をとりもってほしかったのと、継続する制裁をなんとか終わりにするか、韓国による制裁破りを期待したからです。
しかし、金正恩は自ら、米国と直接交渉できるようになったので、米国交渉して、金王朝の継続をトランプに認めさせ、そのひきかえとして、制裁をやめてもらうなどのことは自分で直接交渉できるわけで、韓国に頼る必要など全くなくなったのです。
こうなると、中国に有利で、中国はすぐに朝鮮半島一帯を傘下におさめてしまうという人もいるかもしれません。
しかし、そうはならないでしょう。なぜなら金正恩は、中国の干渉を極度に嫌っているからです。結果として、北朝鮮ならびにその核は、中国が朝鮮半島全体に浸透することを防いできましたし、韓国から在韓米軍が撤退したとしても、すぐ近くの日本で、在日米軍が目を光らせています。
さらに、金正恩は金王朝に何の敬意ももたない韓国人が北朝鮮領内に入るのを拒み続けるでしょう。この状況は変わらず、結局韓国は周辺国にとって、安全保障上の空き地のような存在になるでしょう。
最悪のシナリオになったにしても、現在の状況は変わらず、結局韓国だけが、経済的に取るに足りない国になり、安全保障的には空き地のような存在になってしまうでしょう。
だかこそ、日本にとって韓国はルトワック氏のいうように、無視すべき国なのです。
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