文在寅大統領 |
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韓国銀行(中央銀行)が発表した7~9月期の国内総生産(GDP)は前期比0・4%増で、0・5~0・6%増という市場の予想を下回った。年間の成長率は2%台を割り込み、リーマン・ショック後の2009年以来の低水準になる可能性がある。
「想像を超えるほどに日々刻々と経済が悪化しているということだ」と指摘するのは韓国経済に詳しい朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏だ。
「そもそも文政権は有効な経済対策を何ひとつ打っておらず、短期的な具体策もない。経済成長率のカギを握るのは個人消費だが、反日不買運動を起こしても、日本製品以外の消費行動にも結びついていない。このままではマイナス成長になる可能性すらあるだろう」と推測する。
輸出主導経済の韓国だが、その輸出も厳しいままだ。韓国税関当局の統計では、今月1~20日の輸出が前年同期比19・5%減だった。このままでは11カ月連続の前年割れとなる。
米国との貿易戦争が続く中国向けの輸出が20%減、そして輸出管理を強化した日本向け輸出も21%減と低迷しているのが目立つが、前出の松木氏は、構造的な問題もあるとみている。
「半導体については日本が『グループA(ホワイト国から改称)』から韓国を除外したことで、半導体製造に使うフッ化水素が企業に届くまで時間もコストも増加してしまっているのだろう。ただ、組み立て産業の色合いが強い韓国の半導体は、人件費がより安価な中国に取って代わられようとしている状況がある。自動車産業も人件費に対して生産性が低く、競争力の低下が著しい」
一方、日本製品の不買運動など、一連の「日本ボイコット」は、韓国にとって自傷行為となっている。
日本の観光庁によると9月の韓国人旅行者は、20万1200人と前年比58・1%減となったが、大打撃を受けたのがドル箱の日本便で稼げなくなった韓国の航空各社だった。軒並み業績が悪化しているが、すでに音を上げているところもあるようだ。韓国経済新聞は、LCCのイースター航空について、大株主が売却に動き出していると報じた。
淑徳大観光経営学科の千葉千枝子教授は、「韓国の航空業界がもともと厳しかったところに、国内を取り巻く経済状況でさらに厳しくなった。LCCは整備時間を短くして、発着便を増やすというビジネスモデルだが、実現が難しくなってきている。欧米でも起こったことだが、今後、予告なしに突然倒産するLCCが出てくる恐れもある」と指摘した。
韓国の別のLCC、エアソウルは、日本に発着する航空券のキャンペーンを行っている。驚くべきはその価格で、12月15日までの大阪・高松・広島発着のソウル便が片道の最低価格500円(燃油サーチャージ、諸税別途必要)で投げ売りされているのだ。
前出の千葉氏は「韓国の成長戦略と位置付けられてきたLCCだが、最近では、政治的な影響もあって利用者が減っており、歯止めを掛けたいという意味でのキャンペーンかもしれない」と推察する。
「500円効果」で韓国への旅行者は増えるのだろうか。
【私の論評】韓国経済悪化は、日本のせいではなく、文大統領の禁断の経済政策のせい(゚д゚)!
韓国の経済は実際かなり落ち込んでいます。数々の数字が韓国経済の危機を物語る。その象徴と言えるのが、売上高が韓国の国内総生産(GDP)の約15%を占めるサムスン電子の業績です。
同社の2019年4~6月期の営業利益は6兆6000億ウォン(約6000億円)と前年同期比で半減。系列の上場企業16社の上半期(1~6月)の営業利益も前年比52%減となった。2本柱であるスマホと半導体事業の不振が原因だといいます。
韓国経済を牽引する“巨人”の失速は景気全体にも影響します。韓国はGDPの約40%を輸出が占めるのですが、8月の輸出額は前年比13.6%減、9か月連続で前年比マイナスが続いています。貿易黒字額は昨年8月の4分の1まで減少し、国内10大財閥の上半期の営業利益は前年比45%減となりました。
韓国政府は今年の経済成長率予測値を2.4~2.5%と発表しましたが、海外の投資銀行や韓国の民間シンクタンクの予測値は1%台と乖離があり“政府の予測は甘すぎる”と指摘されています。過去に韓国の経済成長が2%を割り込んだのは、第二次石油ショックの1980年と通貨危機後の1998年、リーマンショック後の2009年の3回だけです。ただし、韓国の経済成長率は、消費税増税を繰り返してきた日本よりは良いです。
同社の2019年4~6月期の営業利益は6兆6000億ウォン(約6000億円)と前年同期比で半減。系列の上場企業16社の上半期(1~6月)の営業利益も前年比52%減となった。2本柱であるスマホと半導体事業の不振が原因だといいます。
韓国経済を牽引する“巨人”の失速は景気全体にも影響します。韓国はGDPの約40%を輸出が占めるのですが、8月の輸出額は前年比13.6%減、9か月連続で前年比マイナスが続いています。貿易黒字額は昨年8月の4分の1まで減少し、国内10大財閥の上半期の営業利益は前年比45%減となりました。
韓国政府は今年の経済成長率予測値を2.4~2.5%と発表しましたが、海外の投資銀行や韓国の民間シンクタンクの予測値は1%台と乖離があり“政府の予測は甘すぎる”と指摘されています。過去に韓国の経済成長が2%を割り込んだのは、第二次石油ショックの1980年と通貨危機後の1998年、リーマンショック後の2009年の3回だけです。ただし、韓国の経済成長率は、消費税増税を繰り返してきた日本よりは良いです。
韓国の経済成長率自体は実は増税を繰り返してきた日本よりは良い |
経済政策の要となる雇用状況も深刻です。文在寅大統領は「8月の就業者は45万人増えた」とアピールしていますが、45万人の就業者のうち39万人は、公園の草取りや清掃などのため政府や自治体に雇われた60歳以上の高齢者だったことが明らかになっています。
一方で8月の製造業の就業者は2万4000人減少し、30~40代の雇用も23か月連続で下落しています。また失業者が急増して失業給付の支給額が過去最高を更新したため、政府は雇用保険料を23%引き上げることを決めました。
輸出の減速と最低賃金の上昇でで先行きが見えない中、企業の「国外脱出」が顕在化しつつあります。
サムスンやLGといった財閥企業は、ベトナムや東南アジア、米国に次々と工場を建設しており、韓国政府の発表によれば、今年1~3月期に国内企業が行なった海外直接投資は過去最高の141億ドルにのぼったそうです。
就任以来、文大統領は韓国経済の財閥依存からの脱却を掲げていますが、10大財閥企業の売り上げがGDPの約4割を占める経済構造は変わっておらず、財閥の海外移転志向は韓国経済の空洞化に直結する可能性もあります。
業績悪化に苦しむ財閥は文政権に危機意識を高めており、その象徴と言える出来事が、日本が対韓輸出管理の強化を打ち出した直後の7月10日に起きていました。
この日、文大統領は経済界のトップを集めた緊急会合を開いたのですが、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長、ロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン=重光昭夫)会長らが「日本出張」を理由に欠席したのです。
サムスン電子の李在鎔副会長(左)、ロッテグループの辛東彬会長(右) |
そのタイミングであるかどうかは明示されていないですが、『週刊ダイヤモンド』(9月21日号)は、来日した2人が、キヤノン会長で元経団連会長でもある御手洗冨士夫氏と面会していたことをスクープしています。韓国の大統領より日本の“元財界総理”との面会を重く見ていたのだとすれば、文政権の経済政策への不信感の強さを物語るものです。
さらに、過去にも何度か、韓国内で「日本不買」運動がありましたが、今回ほど経済が落ち込んだことはありませんでした。では、なぜ今回はなぜこのように落ち込んでしまったのでしょうか。
それは、文大統領の経済政策が原因です。
最大の要因は最低賃金の大幅引き上げです。それも、雇用や経済が悪化したときの、情動ともいえる、金融緩和政策、積極財政などもせずに、最低賃金を機械的に上げたことが原因です。
最大の要因は最低賃金の大幅引き上げです。それも、雇用や経済が悪化したときの、情動ともいえる、金融緩和政策、積極財政などもせずに、最低賃金を機械的に上げたことが原因です。
労働組合や市民団体を支持基盤とする文政権は、この1年で最低賃金を29%引き上げました。この政策が企業の利益を圧迫して景気を停滞させ、失業者を増やしたのです。韓国経済を下支えする自営業者は人件費の高騰に耐えられず、相次いで廃業に追い込まれました。
韓国国税庁と小商工人連合会の統計によれば、2018年に廃業した自営業者は100万人を超え、過去5年で最悪となりました。
賃金引き上げによる韓国経済の不況は、1年前から予期されていたいました。生産や雇用など様々な経済活動の動きを示す景気動向の指数を見ると、昨年10月から景気は下り坂でした。検査でがんの影が見えているのに放置していたようなものだと言わざるを得ません。
韓国の消費者物価指数も今年に入って前年比0%台で推移していました。8月の消費者物価は統計開始以来初となる前年比マイナスを記録しました。不況の予兆があったにもかかわらず、文政権は効果的な対策をしませんでした。本来ならば、この時点ですぐにでも、積極財政、大規模な金融緩和策を実行すべきでした。
7月以降、ソウル中心部では「文在寅退陣デモ」がたびたび開かれ、日本製品不買運動をはるかに超える、数十万人規模(発表)の参加者を集めました。
韓国紙でも文政権批判の論調が目立ち始め、
韓国国税庁と小商工人連合会の統計によれば、2018年に廃業した自営業者は100万人を超え、過去5年で最悪となりました。
賃金引き上げによる韓国経済の不況は、1年前から予期されていたいました。生産や雇用など様々な経済活動の動きを示す景気動向の指数を見ると、昨年10月から景気は下り坂でした。検査でがんの影が見えているのに放置していたようなものだと言わざるを得ません。
韓国の消費者物価指数も今年に入って前年比0%台で推移していました。8月の消費者物価は統計開始以来初となる前年比マイナスを記録しました。不況の予兆があったにもかかわらず、文政権は効果的な対策をしませんでした。本来ならば、この時点ですぐにでも、積極財政、大規模な金融緩和策を実行すべきでした。
7月以降、ソウル中心部では「文在寅退陣デモ」がたびたび開かれ、日本製品不買運動をはるかに超える、数十万人規模(発表)の参加者を集めました。
韓国紙でも文政権批判の論調が目立ち始め、
韓国経済への解決策を提示せず国民の反日感情に火を付ける政権(朝鮮日報)
外交を怠り、雇用を守ることができない政府(中央日報)といった論調が展開されています。
現状は最低賃金の引き上げで、雇用が悪化しているのですから、まずは最低賃金の引き上げなどは当面やめるべきです。一旦あげてしまった、最低賃金を単純に下げるのはなかなかできないでしょうから、引き下げはしないで、当面横ばいで推移させることとして、一刻もはやくやめるべきです。ただし、本当は、雇用を回復するためにも、当面は引き下げができるならすべきです。
そうして、一刻もはやく、金融緩和策をとるべきです。ゼロ金利にするのは、無論のこと、量的緩和も実行すべきです。韓国が金融緩和をするとすぐに、キャピタルフライトするという人もいますが、以前もこのブログで述べたように、現在の韓国の政府や国民の外国からの借金の水準はさほど高い水準ではなく、すぐに大量にキャピタルフライトするようなことは考えられません。
すなくとも、かつてアイスランドが大量のキャピタルフライトをおこした時のような状況にはありません。ただし、その状態がいつまでも続くとはいえません。
実際、我が国でも金融緩和するとキャビタルフライトするという論者がいましたが、そのようなことはありませんでした。
であれば、すぐにでもかつての日本のように、異次元の金融緩和を実行すべきです。さらに、政府のほうも積極財政でクラウディングアウトしない程度に国債を発行し、公共工事や、失業者や低所得者への手当をすべきです。
GDPの約4割を財閥が占めていますから、現状財閥解体などしてしまえばとんでもないことになります。財閥解体の前に、財閥が利益を溜め込まないような措置を講じて、経済を良くして、ゆっくりと時間をかけて、財閥を解体をすれば良いのです。最低賃金も、景気がよくなってから、景気が上向いたときに実行すれば良いのです。
韓国の経済政策は完璧に順番を間違えています。なぜ文政権はそうしないのか、本当に不思議です。とはいいながら、日本でもデフレから完璧に脱却していないにもかかわらず、また消費税をあげてしまいました。これから、経済は落ち込むでしょう。
ただし、金融緩和政策は最近はイールドカーブコントロールを導入して以来引き締め気味ですが、そうはいっても緩和していることにはかわりはないので、韓国よりは雇用状況は良いです。
ただし、これも増税のために、帳消しになるかもしれませんが、それでも金融緩和もせずに、最低賃金を上げるなどの禁断の経済政策をとることはこれからもないでしょうから、韓国なみに雇用が悪化することはないでしょう。
それにしても、日本国内でも韓国内でも、韓国経済の悪化を日本のせいにする人も大勢いるようですが、それは間違いです。その原因は文在寅政権が作り出したものです。
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