2019年1月14日月曜日

文在寅は誰にケンカを売っているのか?―【私の論評】中国に従属し、安全保障を放棄したぶったるみ韓国にうつつをぬかすより日本はやるべきことをやれ(゚д゚)!

文在寅は誰にケンカを売っているのか?

日韓議員連盟はいったい何をやっているのか

今、日本の国益という観点から見て、韓国内の保守派との連携は欠かせない。つまり、文在寅政権に虐げられている最大野党・自由韓国党をはじめとする保守派との連携だ。反文在寅を掲げる彼らに頑張ってもらって、文政権を追い詰める、このことは日本の国益にかなう。

逆に言えば、韓国の保守派が強くならない限り、文在寅政権はさらに無法をエスカレートさせる。韓国に対する我々の日本人の怒りは頂点に達している。韓国を全否定する気持ちはわかるが、日本にとって、利用すべきところは利用すべきである。

11日、日韓議員連盟会長の額賀福志郎元財務相らは来日中の姜昌一(カン・チャンイル)・同議連会長らと会食し、「互いに力を合わせ、この難局を乗り切る」ように要請したという。今、姜氏のような左派を相手にしたところで百害あって一利なしだ。話し合うべき相手が違う。

日韓議員連盟の議員たちは本来やるべき保守派との連携や話し合いをほとんどやっていない。

韓国保守派の日本批判

しかし、自由韓国党などの保守派にも責任がある。彼らもまた、左派同様に、日本を敵視し、公然と安倍政権批判をしている。

羅卿瑗氏

2018年11月3日、自由韓国党の中で、最も発信力があり、影響力もある羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表(「美し過ぎる議員」として有名)は徴用工判決問題で、「歴史的事実を否定する安倍首相の発言は稚拙極まりない」と日本の対応を痛烈に批判した。

また、自由韓国党の広報は1月6日、レーダー照射問題に関し、「安倍首相は防衛省の反対にも関わらず、映像公開を指示し、移民政策などで急落している支持率を挽回するために韓日葛藤を利用している」と指摘した。

韓国の保守派は自分たちの置かれている深刻な状況をわかっていない。今、日本を批判すれば、敵(文政権)を利することになる。羅議員や金秉準(キム・ビョンジュン)・非常対策委員長(自由韓国党党首)をはじめ自由韓国党の有力議員の多くは筋金入りの反日家である。しかし、彼らは「敵の敵は味方」ということをよく認識して、反日路線をしばらく脇に置くということの戦略の有効性について考えるべきだ。

自由韓国党などの保守派がしっかりしていないから、左派勢力に政権を乗っ取られ、国を危機に晒しているのだ。親朴派と反朴派の不毛な内部抗争なども敵を利するだけである。

仮に、韓国の保守派が日本と連携して、韓国で進行している左派革命の脅威を国際社会にアピールしていけば、相当インパクトがある。日韓議員連盟というのはこういう手を打つためにこそある。

日本に魂を売った保守派という印象操作

韓国大統領府FBより

文大統領は10日、約30分間の「新年の辞」の中で、北朝鮮のことに熱心に言及したが、日韓関係について全く触れなかった。

その後の2時間に及ぶ記者会見で、日本メディアの質問で、ようやく文大統領は日韓関係に触れ、「これ(元徴用工問題)は、韓国政府が作り出した問題ではない。日本政府はこの問題に対して、もっと謙虚にならないといけない。この問題を日本の政治家や指導者が政治的に争点化し、論争を種にして拡散しているのは、賢明な態度ではない」と言及した。

文大統領も政権内部の人間も、実は日本のことにほとんど関心がない。文政権が対日政策に関して、何らかの具体的な指針を示したことはない。彼らの関心は専ら北朝鮮との赤化統一をどう進めるかということに集中している。

加えて、韓国国民も従来の反日パフォーマンスには、ほとんど反応を示さなくなっている。韓国国民はこの手法には飽きてしまっているのだ。文政権もこの手法が支持率上昇のネタにならないことをわかっている。文政権は前政権から続く、「保守VS左派」の国内戦争を制しなければならない。徴用工訴訟判決などは、この戦争を有利に導くために引き合いに出されたダシである。

朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領のような韓国を創建した父祖たちは親日派であった。親日派の系譜にある保守勢力を、文大統領は「積弊」と呼んで処断し、罪人扱いにする。徴用工問題や慰安婦問題を持ち出し、この問題で日本と妥協した保守派がいかに悪辣であるかが国民に示される。虐げられた被害者を見棄て、日本に魂を売った保守派、人権を蹂躙した血も涙もない保守派というイメージが浮き彫りにされて、彼らへの憎悪が国民に植え付けられ、保守派の政治生命が事実上、抹殺されていく。

左派革命政権と戦う共通の利害

文大統領の最終政治目標は北朝鮮主導の赤化統一である。自ら、自国の正当性を否定して、自国を丸ごと、北朝鮮に差し出す。これこそが北朝鮮の工作によって生み出された文大統領の使命である。

赤化統一を実現するためには、韓国は自国民に、北朝鮮の法的かつ歴史的優位性を認識させるとともに、自国の正当性を否定しなければならない。しかし、いくら文政権でも、それを露骨に韓国国内に向かって言うことはできない。そこで、「日本=犯罪者」という方便を使って、外堀から埋めていく作戦をとっている。

実際に、文政権のこうした目論見に沿って、徴用工訴訟判決をはじめとする一連の無法が行われている。
文在寅政権は日本にケンカを売っているように見えるが、彼らが本当にケンカを売っている相手は、実は日本ではない。本当の相手とは文政権に敵対している韓国国内の保守勢力である。

自由韓国党の羅卿ウォン議員ら保守派議員は10日の文大統領の記者会見について、経済問題のみを批判し、日韓関係については何も言わなかった。いや、言えないのである。なぜならば、文政権の打ち出す「日本=犯罪者」という方便が効いており、この問題で保守派も同調する以外にないからだ。

その苦境は理解できるが、自由韓国党が自ら率先して、日本批判をするのは愚かなことだ。日本批判で支持を稼げると思っているならば、大間違いである。むしろ、保守派がそれをやればやるほど、韓国国民の失笑を買うだけだ。

保守派は経済で追い詰めていくつもりであろうが、それだけで文政権の屋台骨を崩せないだろう。彼ら保守派にとっても、我々日本にとっても、文在寅・左派革命政権にどう戦うかということについて、共通の利害がある。両者ともに、こうした戦略観が決定的に欠けており、文政権を利するばかりの状況に陥っている。そして、今、最も意気揚々と喜んでいるのは金正恩委員長であろう。

【私の論評】中国に従属し、安全保障を放棄したぶったるみ韓国にうつつをぬかすより日本はやるべきことをやれ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事では、韓国の保守派と日本の保守派の連携が必要であるとの趣旨で書かれていますが、このような記事を読んでも、にわかに韓国の保守派がまともになるとは到底思えません。

それは、文在寅の前の大統領朴槿恵を思い出せば、誰も反論できないのではないかと思います。朴 槿恵は、韓国の政治家。第18代大統領。 保守政党のハンナラ党代表、セヌリ党非常対策委員会委員長を経て、2012年の大統領選挙で革新政党民主統合党の文在寅に勝利し、2013年2月25日に東アジア初・韓国史上初の女性大統領に就任しました。

そうして、父親はあの韓国の第5代~第9代大統領である朴正煕(パク・チョンヒ)です。朴槿恵は韓国では正当保守といっても良いくらいの大統領でしたが、ご存知のように中国と接近したのは朴槿恵の時代においてです。


東アジアで最初に国のリーダーとなった朴槿恵元大統領

上の記事では、「自由韓国党の有力議員の多くは筋金入りの反日家である。しかし、彼らは「敵の敵は味方」ということをよく認識して、反日路線をしばらく脇に置くということの戦略の有効性について考えるべきだ」などと主張していますが、韓国は朴槿恵や文在寅に限らず、いつも戦略では失敗しています。そもそも、韓国にはまともな戦略をたてる能力が欠如しているのではないかと思います。

普通のまともな地政学の考え方からすれば、韓国は今まで通りに、米国と日本との安全保障的な結びつきを強め、北朝鮮を牽制しながら、中国を警戒するような動きを見せなければならないはずです。

韓国の歴代大統領は、就任してからまず同盟国である米国や日本に先に訪問するのが建国以来の「恒例」になっていたわけですが、朴槿恵元大統領が大統領に就任した直後に、韓国の大統領としては米国の後に、今回初めて中国を訪問しています。

文在寅大統領は、この順番は間違えなかったものの、南北首脳会談を実現しています。

そうして、その後は中国に積極的にすり寄る姿勢をみせていました。文在寅に変わってからは、対中国政策に関しては基本的に朴槿恵を踏襲したうえで、北朝鮮に対してかなり傾倒する姿勢を見せています。

韓国は、左翼系の文在寅であろうが、朴槿恵であろうが、中国への擦り寄り姿勢は変わらないようです。

これについて参考になるのが、本ブログをご覧の皆さんにはすでにおなじみの、戦略家エドワード・ルトワック氏の分析です。韓国に関する分析は、『自滅する中国』に詳しく掲載されています。

ルトワック氏

以下に、ルトワック氏の韓国の戦略状況の分析の要点を紹介させていたたぎます。ルトワック氏によれば、韓国の戦略状況は以下の要点にまとめられることになります。

===
●国家は普通は独立を尊ぶものだが、従属したがる国もある。それが韓国だ。 
●彼らは中国と中国人にたいして、文化面で深い敬意を持っている。中国の「マーケットの将来性」にもその原因がある。 
●韓国における中国と中国人への尊敬の念は明の時代にまでさかのぼることができる。その一番の担い手は、知的エリートとしての官僚である両班だ。 
●面白いことに、中国文化の影響が非難されるのは北朝鮮。北では漢字は事実上禁止され、ハングルの使用だけが許されているほど。 
●韓国では教育水準が高ければ高いほど反米の傾向が強まる。しかも最近はアメリカが衰退していると考えられているために、中国の重要性のほうが相対的に高まっている。個人で中国でビジネスを行っている人が多いという事情もある。 
●極めて奇妙なことに、韓国は大規模な北朝鮮の攻撃を抑止するのは、グローバル規模の軍事力を持つアメリカの役目だと考えられており、実際に天安沈没事件や延坪島の砲撃事件にたいしても(死者が出たにもかかわらず)ほとんど報復は行っていない。 
●つまり実際のところ、韓国政府は米国と中国に依存する従属者となってしまっている。米国には全面戦争への抑止力、そして中国には一時的な攻撃にたいする抑止力を依存しているのだ。 
●ところがこれは、米国にとって満足できる状況ではない。韓国を北朝鮮から庇護するコストとリスクを、米国は独力で背負わなければならないからだ。 
●その上、韓国への影響力は中国と折半しなければならない。中国は北朝鮮への統制を中止すると脅かすことで、常に韓国政府を締め上げることができるからだ。今のところ韓国が中国に声を上げることはない。 
●米韓同盟を形成しているものが何であれ、そこには共通の「価値観」は含まれていない。なぜなら韓国はダライラマの入国を中国に気兼ねして堂々とビザ発給を拒否しているからだ。 
●現在のような政策を保ったままの韓国は、いわゆる「小中華」の属国として、しかも米韓同盟を続けたまま、中国による「天下」体制の一員となることを模索しているのかもしれない。韓国が自国の安全保障のコストとリスクを受け入れず、かわりに従属者になろうとしているのは明らかだ。 
●このような韓国の安全保障の責任を逃れようとする姿勢は、「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形であらわれている。ところが日本との争いには戦略的に何の意味もないし、日本へ無理矢理懲罰を加えても、韓国側はリスクを背負わなくてすむのだ。
===
いかがでしょう。このルトワックの分析の要点をさらに簡潔にまとめれば、 
1.米国に従属している韓国は、同時に中国にもすり寄っていこうとしている。 
2.その大きな理由は二つ:歴史的・文化的な面での尊敬と、ビジネスのチャンスだ。 
3.安全保障面では、北のコントロールを中国に、そして全面戦争の抑止は米国に依存。 
4.その責任逃れの憂さ晴らしとして、日本にたいする情熱的な敵対心を展開。
となります。

米国人がこのような分析をするというのは意外な感じがしますが、ルトワック自身はこの韓国の戦略を「大間違いを犯している」として非難しています。

もしこの分析が正しければ、韓国はこれから米中を両天秤(ヘッジング)にかけながら、その不満を日本に向かって吐き散らしていくという、構図がますます強まるだけかもしれません。

しかし、果たしてこのような政策を韓国はいつまでも続けていけるのでしょうか?

なお、この分析は2012年までの知見もとに構築されています。あれから時がたち、米国は本格的に中国に対して冷戦Ⅱを挑んでいます。そうして、これはかなら長期間にわたって継続すると考えられます。

文在寅大統領になってからは、韓国の前のめり北朝鮮への接近が目立つようになりました。

とは、いいながら、韓国の戦略状況は上のルトワック氏の分析とさほど変わりないのだと思います。北への傾斜は、北朝鮮による韓国への浸透の結果もたらされたものであり、文在寅氏の戦略ではありません。

また、昨日もこのブログに述べたように、北朝鮮は親中ではなく、反中もしくは嫌中であるととらえるべきです。ここが、韓国との根本的な違いです。

このような韓国の状況をみていると、ここ何日かこのブログに掲載してきたように、以下のようことがいえると思います。
北朝鮮の核保有は北朝鮮の独立を保証すると同時に、中国の影響力を朝鮮半島全土に浸透させることも防いでいます。米国にとって、朝鮮半島が南北に分断され、北朝鮮が核を保有している現状が中国をにらみ望みうる最善の状態です。
米国は現状中国と本格的に対峙しているため、特に北の核が朝鮮半島に対する中国の影響力をそいでいることに注目していると思います。

ただし、中国が中国共産党一党独裁主義をやめるか、経済が弱体化し、他国への影響力がほとんどなくなってしまった場合、もしくはそれが確実になった場合は、北の核を許容することはないと思います。北の核は、無論中国にとって脅威ですが、それは日米にとっても脅威であることには変わりないので、その時は、本格的に北に核廃棄を迫るものと思います。

私自身は、上記のようなことから、米国はここしばらくは、北に対して新たな核兵器の製造はさせないものの、既存の核に関してはその保有を一時的に認めることになる思います。そのほうが、米国にとっては対中国冷戦を有利に展開できるはずです。

そうして、韓国などに頭をつかうよりも、当面対中国冷戦Ⅱに専念するものと思います。いずれにせよ、 現在の韓国は対中国冷戦Ⅱには、何の意味ももちません。トランプ大統領が、韓国に無関心なのもこういうところに原因があるのだと思います。

日本も以上で述べたことを念頭におきながら、韓国と付き合っていくべきです。米国が対中国冷戦Ⅱを戦っている最中でも、中国に従属しようとする、従属者根性から抜け出せない韓国には、見込みがないです。

韓国の安全保障の責任を逃れようとする姿勢は、「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形であらわれているものの、日本との争いには戦略的に何の意味もありません。

北朝鮮も、韓国の本質を見抜いていると思います。北は韓国を便利に利用しているだけなのです。このような韓国に日本は、時間や労力をさく必要性は全くありません。

私自身は、韓国とは実質的な断交、もしくは本当に断交をしても良いと思っています。それによって、日本も対中国囲い込みに専念すべきときと思います。ただし、拉致被害者問題については、これからも北に返還を迫り続けていくべきです。日本にとって戦略的に意味を持たない韓国などにううつをぬかしている時ではないと思います。

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