英語は、読んだり書いたり、聞いたり話したりはできるのですが、翻訳は大の苦手です。本来でしたら、この内容を翻訳して掲載したいところですが、勘弁願います。この動画では、手短に言うと、サブプライム問題の影響もあって、中国の不良債権問題はさらに悪化し、2008年の暮れには中国バブルの崩壊につながり、世界経済に悪影響を与えるだろうと予言しています。
中国の分裂の筋書を考えるにあたって、中国の過大な不良債権に関して確認しておく必要があります。日本でも、つい最近まで銀行などが不良債権の山を長年にわたって隠し続けてきましたが、ここ数年でようやっと払拭されました。この不良債権の山、多くの銀行や企業で隠し続けていて、結局は空白の10年とも呼ばれる時代を迎えざるを得なくなったことは皆さんの記憶にも新しいことだと思います。現代中国の場合もまさに現在不良債権の山があります。しかも、長年にわたってひた隠しに隠し続けています。
日本の場合は、いくら隠し続けようとしても、結局はどうにもならなくなって、出さざるを得なくなって、政府によるかなりの資本注入や、銀行などの企業の大連合、合併でなんとかすることができました。
しかし、これが中国の場合だと、そもそも地方政府から中央政府への報告がいい加減ということがあります。中国経済発展は、実は地方政府の発表を中央政府が集計して発表しているため、かなりいい加減だという実情があります。だから、中国GDPの伸び率などは、話半分で受け取っておいたほうが正しい認識ができます。これが、不良債権などということにもなれば、誰でも臭いものには蓋をしたいとという心理が働き、まずは、地方政府から中央政府への報告の段階で脚色され少な目に発表され、さらに、中央政府から公式の資料として発表する際にも、その心理が働き、おそらく実際に発表されたものよりも、2倍から3倍は不良債権があるものとみて良いでしょう。
中国の特殊事情
大陸中国の工場などでは部品を外国企業が持ち込み、その加工をして製品にする工程のみを中国現地企業が受け持つという方式がほとんどです。先進国等の産業は原材料から製品までほぼ全工程をその国で行っています。そのため、外国企業であったとしても、バブル崩壊や製品が売れなくても、外国企業はその国で頑張ることになります。そして、企業が撤退すると国全体の景気が落ち込むために、国も外国企業を支援するのが普通です。しかし、中国の場合は、中国現地企業が行うのは加工のみであるのがほとんどなので、何かあつたときには簡単に撤退しやすいということになります。日本を例にとると、日本企業が中国に進出したとしても、中国で行うのは安い労働力を利用した、加工(アゼンブリー)部門のみということになります。製造業におけるアゼンブリーに占める人件費は年々少なくなる傾向にあります。そのため、中国で何か問題があれば、多くの日本企業は、日本国内もしくは他国にアゼンブリー部門をすぐに移してしまいます。あのレノボというパソコンメーカーも結局同じことです。インテルなどのアメリカ企業から部品を調達し中国内で組み立てているだけです。ただし、レノボの場合は、中国に売却されてしまったので、本体は中国から撤退することはないでしょうが、アゼンブリー部門は、海外に移転する可能性もあります。
中国で不良債権ができた理由は、いろいろありますが、煎じ詰めると多くの銀行が有力政治家の子弟の経営する国営企業に無担保で無制限に貸したことと、省政府に近い企業に土地バブルが起きている土地のビル開発に資金を大量に貸したために起こっています。
今は、年率で経済成長が10%もあり土地価格も上昇しているし、また外国企業が中国で工場を建てるなどの投資があるので、土地を外国企業に売るなど、なんとか国営企業も利息だけは払っていける状態にあります。
しかし、そこに土地バブル崩壊が起きると、土地は不良資産化して借金を返せなくなりますし、かつ外国企業の投資減退がおきると、国営企業もほとんど海外企業より競争力が劣っているため、海外企業に土地を売って、資金を得ることができなくなってしまいます。中国の加工しかしていないので、外国企業も直ぐに撤退できるのが中国の特徴で、人件費が上がると外国企業は他の国に移動することになる。
中国は市場経済を止めることはできない
中国の不良債権額が100兆円にもなると米ファンドが試算しています(中国の発表はもっと小さい、しかも年々減っていると発表している)。中国のGDPは160兆円程度であり、この不良債権処理をするには、中国国内の資金だけでは無理があります。WTOにも加盟している中国は、市場経済を放棄もできません。もし、市場経済を放棄して、企業を全て国営化する判断をくだすと、諸外国企業や国家は二度と中国とは取引をしないし、諸外国は中国に対して経済制裁を行うことになるでしょう。そうして、中国の海外資産の凍結もするでしょう。このため、中国は政府は、市場経済を止めることはできません。
考え得る解決策
1つの解決は、不良債権を持つ銀行を海外銀行に売却することです。このとき、日本のバブル崩壊時のことを思い出して欲しいです。海外の買収先は、資産の透明化を求めることになる。その透明化で問
題が洗い出されます。有力政治家の子弟の乱脈経営が明るみに出ることになります。海外銀行は、中国の銀行や企業の自由性や透明性の確保を要求するようになります。その意味では中国国家が海外企業から監視されることになります。政経分離や法治国家化です。
多くの中国企業が海外企業の子会社になるため、今の韓国のように儲けのほとんどが海外に流れることになります。投資ファンドのカーライルの期待配当性向は30%以上ですから、かなり高率になります。いくら働いても儲けは外国に行く構造になってしまいます。米国の新経済植民地としての中国ができあがることになります。
2つ目の解決は、国家が銀行の不良債権を買い取ることです。この資金を国家が国債を発行して、国民や外国に借りることになります。巨額の資金であるので、中国だけではどうしようもないので、米国、日本やIMFなどの先進諸国や国際機関に頼るしかありません。この時は、貸す条件として、中国国家に注文を出さなければならない。勿論、二度とこのようなことが起きないようにする仕組みだ。取りも直さず、民主化と政経分離と法治国家化ということになります。
アジア通貨危機時に、1を選択したのが韓国で、IMFの管理下で銀行のほとんどが外国ファンドの手に渡っている。2を選択したのが、マレーシアやインドネシアなどで、日本が資金を出している。
金融改革を日本の指導で行った。現時点を考えると、IMFの管理は非常におかしい運営で、その国のためではなくて米国のファンドに寄与したような結果になっています。。
日本のバブル崩壊時、GDPは500兆円で120兆円の不良債権でしたので、一部銀行を米ファンドに切り売りしただけで、済んだのが不幸中の幸いだったと思います。日本の経済力(GDP)が当時不良債権の4倍以上あったから、軽く済みました。中国の不良債権は100兆円とGDP160兆円に比べても、大きすぎます。このため、日本のように簡単には済まないでしょう。
中国は米ドルを大量に取得しています。このドルを米国債としては3300億ドル程度を所有していると考えられます。。残りはペトロカサフスタンの買収やIBMのPC部門買収など世界で企業買収に使っています。日本企業もターゲットになっているので、気をつけるべきです。最近では、中国のファンドも日本に投資をしよう虎視眈々と狙っています。このドル資金を人民元に変えると、大量のドル売りになるためにドルの暴落も考えられます。。このため、米国と日本が共同で中国の改革に乗り出し、米国の反発を抑えることも日本は考えることが必要かもしれません。
このような状況で、中国は報道を制限し始めています。特に海外への配信に報道管制を掛けてきています。とうとう、中国の危機的な状態が始まったような気がします。経済的に急な下降すると、一般的な国民の生活は非常に苦しくなる。この一般国民の暴動で政治も変わります。このような政策で、欧米日からも人権問題で中国の姿勢を批判されています。日本と欧米からの外圧が加わる状態になっています。
とうとう、中国の崩壊とその改革が始まったようです。私としては、排他的な中国共産党は、この事態に柔軟に対処することは出来ないと思います。どこからほころびが始まるのか?中国がひた隠しにしてきた、不良債権の存在。この問題だけは、世界や日本に向かって中国共産党は、土下座してでもおがみ倒して、何とかしなければなりません。中華思想に凝り固まり、排他的な中国共産党指導者に、これはできるのでしょうか?いずれ、中国指導者の失脚とか、分裂の動きとか、顕著になってくると思います。本当は、オリンピックやチベット弾圧などしている余裕などないはずです。中国共産党は、北京オリンピックによって、分裂へのアクセルをめいっぱいに踏み込んでしまったのかもしれません。
以下に上記記事との関連記事を掲載しました。まだの方は是非ご覧になってください。反転文字列をクリックしていただければ、当該記事の内容に飛ぶことができます。
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■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
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■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
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■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情
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7 件のコメント:
こんにちは。先日私のブログでお話を伺ってから、こちらの記事を購読して興味深く拝見しています。
中国分裂について、驚きはありますが、記事を読み進むと自然な流れのように感じます。ただ、何だかんだ言って食べ物や日用品などで中国からの激安商品の恩恵を受けてきた日本。中国の経済が破綻したり、分裂が起こった時の日本への影響はどうなるのでしょうか。私自身、ユニクロ・100円ショップ、ファミリーレストランで恩恵を受けまくってきただけに、先の見えない不安があります。
逆に言えば、影響を減らすためにも、今のうちに私たちが中国製品や中国の食材を使わないようにしていくことも、ショックを和らげるためには必要なのかしら・・・と思いました。
お話は変わりますが、チームナックスの番組を見る機会があり、ピザテンフォーのことを知りました。その頃には知りませんでしたが、北海道産の小麦やデンマークのチーズなど、安全を重視した食材の使用に驚きました。北海道に行ったらぜひ一度、食べてみたいと思っています。
こんにちは☆
中国、本当にいろんな深い問題を抱えてるんですね(><;)
しかも、この北京オリンピックを前にして・・・。
出るべくして出てきたって感じですね(><;)
世界中も関係してて、アメリカとのつながりも深くて・・・
これからどうなっていくのか、すっごく心配ですね(><;)
> サブプライム問題の影響もあって、中国の不良債権問題はさらに悪化し、2008年の暮れには中国バブルの崩壊につながり、
うーん思いのほか早めのバブル崩壊予告で、
ちょっと最初不意を突かれた気分でした。
「五輪までがひとつのピーク」だと
漠然と考えてる人は日本にも多いようですけど。。
本当にそうなりそうになったら、
現政権も絶対に何かしてくるでしょうけど、
さて何をしてくるでしょうね…
kashin様。中国が分裂したとしても、国民や企業がなくなるわけではないので、さほど混乱はないとおもいます。おそらく、ほんの少しの間は混乱があるかもしれませんが、国が分裂しても、何があっても中国の民は飢え死にするわけにもいかず、きっとすぐに逞しく盛り返していくと思います。ただし、緊急時に備えて、ある程度備蓄量を増やすなどの必要はあるかもしれません。
あちゅ様コメント有難うございます。無理・無駄・斑は、結局は国家レベルでも淘汰されていくということだと思います。多少混乱は、しても今のままよりは、ブ列した方が、中国人民にとっても日本国民にとっても良いと思います。
素人a様。コメント有難うございます。そのへんのところを、今日の続きでかきたいと思っています。
わたしのブログエントリー「フランスは腰砕けか?」にコメントいただき、有り難うございました。以下その返答として書いたことを再録して(一部修正)、ここでもお尋ねさせていただきます。
ブログ頁を拝見しました。「ゼリー層」の指摘には納得するところがあります。izaブログでいろいろとコメントを書かれている「liuyichen」さんも多分その一人なのだと思います。また「中国分裂の筋書」も拝見しました。興味深いのは(7)不良債権の問題です。宮崎正弘『中国から日本企業は撤退せよ』2006年、pp.66-71に三大国有銀行の不良債権を債権買取機構に移行させ、1000億ドルを投入して、39%から9.8%に改善された、と書かれています。もちろん9.8%というのは粉飾のある数字だと思いますが、現実は実際どのくらいの物なのでしょうか? また今年のはじめには、某中国銀行が米国サブプライムローンの証券にも手を出していて、収支の下方修正が必要だという情報が一瞬流れ、すぐに取り消されたことがありますが、このことの真偽はいかがなものでしょう? やはり手を出している。全く無傷ではないとわたしは見ていますが。
ともあれいろいろ勉強させていただきました。
先ほどはコメント有り難うございました。予想はしていたものの・・このような形での経済崩壊のシナリオが出来ている事は自業自得でしょう~~!成り行きを見たいと思います。日本も影響を受けますので、早い段階での対応が必要かと思います。
dance Kodera様 コメント有難うございます。中国は現在未曾有といって良い城起用にあると思います。胡錦濤主席のこのタイミングでの訪日は、この経済問題とは無縁ではないと思います。
不良債権を処理するためには、思い切った資本注入が必要になってきます。これを中国一国で行うことは不可能です。
そのため、アメリカや日本の資金も使わなければならないことになると思います。最近中国は、東アジア経済に関しての話し合いの機会を持とうと、日本とアメリカに申し入れてきていました。結局アメリカは、韓国抜きではできない等の理由で蹴りました。
この事実からしても、東アジア=中国であって。何とか資本注入したいという考えは見えみえです。しかも、アメリカと日本に同時に話をもちかけることによって、アメリカ、日本を互いに牽制させたり、双方にいろいろな条件を出したりして、自国に有利にしようという考えがみえみえです。
もし、アメリカとだけ話をすると、結局は現在の韓国のようにアメリカの経済植民地になってしまう。日本とだけ話をすると、日本への発言力が大幅に低下するなどのことがあるので、両天秤にかけてなるべく自国にとって有利にしようと思っているのだと思います。
胡錦濤の今回の日本訪問は、この資本注入に関する下工作の意味あいがあると思います。日本とはここ数年非常に関係が悪化していたので、まずは関係修復をしておくという意味合いがあると思います。それに、いざというときに話をできるいくつかのチャネルを用意しておく、さらに、声明など発表しておき、その中にいくつかの文言を潜ませておき、いざというときに言質をとれるようにしておく。
結局日本は、アメリカとも話し合い、方向性としては、中国がアメリカの経済殖民になる手助けをすることになると思います。
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