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2008年4月10日木曜日

中国分裂の筋書-(7)忘れてはいけない中国の不良債権

Future Crash: TFN Amberger Smackdown 08/29/07

英語は、読んだり書いたり、聞いたり話したりはできるのですが、翻訳は大の苦手です。本来でしたら、この内容を翻訳して掲載したいところですが、勘弁願います。この動画では、手短に言うと、サブプライム問題の影響もあって、中国の不良債権問題はさらに悪化し、2008年の暮れには中国バブルの崩壊につながり、世界経済に悪影響を与えるだろうと予言しています。

中国の分裂の筋書を考えるにあたって、中国の過大な不良債権に関して確認しておく必要があります。日本でも、つい最近まで銀行などが不良債権の山を長年にわたって隠し続けてきましたが、ここ数年でようやっと払拭されました。この不良債権の山、多くの銀行や企業で隠し続けていて、結局は空白の10年とも呼ばれる時代を迎えざるを得なくなったことは皆さんの記憶にも新しいことだと思います。現代中国の場合もまさに現在不良債権の山があります。しかも、長年にわたってひた隠しに隠し続けています。

日本の場合は、いくら隠し続けようとしても、結局はどうにもならなくなって、出さざるを得なくなって、政府によるかなりの資本注入や、銀行などの企業の大連合、合併でなんとかすることができました。

しかし、これが中国の場合だと、そもそも地方政府から中央政府への報告がいい加減ということがあります。中国経済発展は、実は地方政府の発表を中央政府が集計して発表しているため、かなりいい加減だという実情があります。だから、中国GDPの伸び率などは、話半分で受け取っておいたほうが正しい認識ができます。これが、不良債権などということにもなれば、誰でも臭いものには蓋をしたいとという心理が働き、まずは、地方政府から中央政府への報告の段階で脚色され少な目に発表され、さらに、中央政府から公式の資料として発表する際にも、その心理が働き、おそらく実際に発表されたものよりも、2倍から3倍は不良債権があるものとみて良いでしょう。

中国の特殊事情
大陸中国の工場などでは部品を外国企業が持ち込み、その加工をして製品にする工程のみを中国現地企業が受け持つという方式がほとんどです。先進国等の産業は原材料から製品までほぼ全工程をその国で行っています。そのため、外国企業であったとしても、バブル崩壊や製品が売れなくても、外国企業はその国で頑張ることになります。そして、企業が撤退すると国全体の景気が落ち込むために、国も外国企業を支援するのが普通です。しかし、中国の場合は、中国現地企業が行うのは加工のみであるのがほとんどなので、何かあつたときには簡単に撤退しやすいということになります。日本を例にとると、日本企業が中国に進出したとしても、中国で行うのは安い労働力を利用した、加工(アゼンブリー)部門のみということになります。製造業におけるアゼンブリーに占める人件費は年々少なくなる傾向にあります。そのため、中国で何か問題があれば、多くの日本企業は、日本国内もしくは他国にアゼンブリー部門をすぐに移してしまいます。あのレノボというパソコンメーカーも結局同じことです。インテルなどのアメリカ企業から部品を調達し中国内で組み立てているだけです。ただし、レノボの場合は、中国に売却されてしまったので、本体は中国から撤退することはないでしょうが、アゼンブリー部門は、海外に移転する可能性もあります。

中国で不良債権ができた理由は、いろいろありますが、煎じ詰めると多くの銀行が有力政治家の子弟の経営する国営企業に無担保で無制限に貸したことと、省政府に近い企業に土地バブルが起きている土地のビル開発に資金を大量に貸したために起こっています。

今は、年率で経済成長が10%もあり土地価格も上昇しているし、また外国企業が中国で工場を建てるなどの投資があるので、土地を外国企業に売るなど、なんとか国営企業も利息だけは払っていける状態にあります。

しかし、そこに土地バブル崩壊が起きると、土地は不良資産化して借金を返せなくなりますし、かつ外国企業の投資減退がおきると、国営企業もほとんど海外企業より競争力が劣っているため、海外企業に土地を売って、資金を得ることができなくなってしまいます。中国の加工しかしていないので、外国企業も直ぐに撤退できるのが中国の特徴で、人件費が上がると外国企業は他の国に移動することになる。

中国は市場経済を止めることはできない
中国の不良債権額が100兆円にもなると米ファンドが試算しています(中国の発表はもっと小さい、しかも年々減っていると発表している)。中国のGDPは160兆円程度であり、この不良債権処理をするには、中国国内の資金だけでは無理があります。WTOにも加盟している中国は、市場経済を放棄もできません。もし、市場経済を放棄して、企業を全て国営化する判断をくだすと、諸外国企業や国家は二度と中国とは取引をしないし、諸外国は中国に対して経済制裁を行うことになるでしょう。そうして、中国の海外資産の凍結もするでしょう。このため、中国は政府は、市場経済を止めることはできません。

考え得る解決策
1つの解決は、不良債権を持つ銀行を海外銀行に売却することです。このとき、日本のバブル崩壊時のことを思い出して欲しいです。海外の買収先は、資産の透明化を求めることになる。その透明化で問
題が洗い出されます。有力政治家の子弟の乱脈経営が明るみに出ることになります。海外銀行は、中国の銀行や企業の自由性や透明性の確保を要求するようになります。その意味では中国国家が海外企業から監視されることになります。政経分離や法治国家化です。

多くの中国企業が海外企業の子会社になるため、今の韓国のように儲けのほとんどが海外に流れることになります。投資ファンドのカーライルの期待配当性向は30%以上ですから、かなり高率になります。いくら働いても儲けは外国に行く構造になってしまいます。米国の新経済植民地としての中国ができあがることになります。

2つ目の解決は、国家が銀行の不良債権を買い取ることです。この資金を国家が国債を発行して、国民や外国に借りることになります。巨額の資金であるので、中国だけではどうしようもないので、米国、日本やIMFなどの先進諸国や国際機関に頼るしかありません。この時は、貸す条件として、中国国家に注文を出さなければならない。勿論、二度とこのようなことが起きないようにする仕組みだ。取りも直さず、民主化と政経分離と法治国家化ということになります。

アジア通貨危機時に、1を選択したのが韓国で、IMFの管理下で銀行のほとんどが外国ファンドの手に渡っている。2を選択したのが、マレーシアやインドネシアなどで、日本が資金を出している。
金融改革を日本の指導で行った。現時点を考えると、IMFの管理は非常におかしい運営で、その国のためではなくて米国のファンドに寄与したような結果になっています。。

日本のバブル崩壊時、GDPは500兆円で120兆円の不良債権でしたので、一部銀行を米ファンドに切り売りしただけで、済んだのが不幸中の幸いだったと思います。日本の経済力(GDP)が当時不良債権の4倍以上あったから、軽く済みました。中国の不良債権は100兆円とGDP160兆円に比べても、大きすぎます。このため、日本のように簡単には済まないでしょう。

中国は米ドルを大量に取得しています。このドルを米国債としては3300億ドル程度を所有していると考えられます。。残りはペトロカサフスタンの買収やIBMのPC部門買収など世界で企業買収に使っています。日本企業もターゲットになっているので、気をつけるべきです。最近では、中国のファンドも日本に投資をしよう虎視眈々と狙っています。このドル資金を人民元に変えると、大量のドル売りになるためにドルの暴落も考えられます。。このため、米国と日本が共同で中国の改革に乗り出し、米国の反発を抑えることも日本は考えることが必要かもしれません。

このような状況で、中国は報道を制限し始めています。特に海外への配信に報道管制を掛けてきています。とうとう、中国の危機的な状態が始まったような気がします。経済的に急な下降すると、一般的な国民の生活は非常に苦しくなる。この一般国民の暴動で政治も変わります。このような政策で、欧米日からも人権問題で中国の姿勢を批判されています。日本と欧米からの外圧が加わる状態になっています。

とうとう、中国の崩壊とその改革が始まったようです。私としては、排他的な中国共産党は、この事態に柔軟に対処することは出来ないと思います。どこからほころびが始まるのか?中国がひた隠しにしてきた、不良債権の存在。この問題だけは、世界や日本に向かって中国共産党は、土下座してでもおがみ倒して、何とかしなければなりません。中華思想に凝り固まり、排他的な中国共産党指導者に、これはできるのでしょうか?いずれ、中国指導者の失脚とか、分裂の動きとか、顕著になってくると思います。本当は、オリンピックやチベット弾圧などしている余裕などないはずです。中国共産党は、北京オリンピックによって、分裂へのアクセルをめいっぱいに踏み込んでしまったのかもしれません。

以下に上記記事との関連記事を掲載しました。まだの方は是非ご覧になってください。反転文字列をクリックしていただければ、当該記事の内容に飛ぶことができます。


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■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実

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