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2019年5月22日水曜日

【国家の流儀】日本企業の多くが中国に買収され、中国人経営者のもとで日本人が働き… それでいいのか? 今こそデフレ脱却に全力を―【私の論評】過去20年にもわたって世界で日本だけが経済成長しなかったことに国民はもっと怒りを顕にすべき(゚д゚)!


安倍総理は消費税増税を強行するのか

「10月に予定されている消費税率引き上げを実施すれば、デフレ脱却が難しくなるだけでなく、日本発のリーマン・ショック級の危機誘発になりかねず、増税凍結が適切だ」

 国際金融の専門家である本田悦朗前スイス大使は16日、ロイターとのインタビューの中でこう述べた。

 たった2%でも消費税増税は、景気に大きなダメージを与える。

 日本自動車工業会の豊田章夫会長(トヨタ自動車社長)は昨年9月20日、「消費税を3%から5%に引き上げた際は国内需要が101万台ほど減り、二度とそれ以前のレベルに戻っていない」と指摘したうえで、今年の消費税増税によって30万台の需要減、経済効果マイナス2兆円、9万人の雇用減につながる可能性があると訴えた。

 買い物をするたびに“罰金”を科すような消費税という制度は、日本のGDP(国内総生産)の6割を占める個人消費を縮小させてきたのだ。しかも、この個人消費の縮小とデフレが地方の衰退を加速させてきた。

 2014年の時点で、国内の企業数は382万社を数えるが、大企業は1万1000社に過ぎない。これまで380万社に及ぶ中小企業が地方経済を支えてきたのだが、このままだと、その3分の1にあたる127万社が25年までに廃業し、約650万人の雇用と約22兆円のGDP(国内総生産)が失われると言われている。実に、就業者の10人に1人が失業する計算だ。

 そこで、政府も事業承継に伴う税負担の軽減など、中小企業対策に力を入れている。アベノミクスに伴う緩やかな景気回復とともに廃業率は低下する一方、開業率は上昇して17年には5・7%と、1992年以来、25年ぶりの高水準に達した(2019年度版『中小企業白書』)。

 ところが、ここで消費税増税に踏み切ると、再びデフレ、つまり「消費税増税→個人消費の縮小→売り上げ減少→雇用や設備投資の縮小と中小企業の減少→地方経済の衰退→失業率の上昇」という悪循環が再発することになりかねない。

 しかも、このデフレの再発は「日本没落への道」なのだ。

 民主党政権の末期の12年4月、日本経団連は「グローバルJAPAN~2050年 シミュレーションと総合戦略」という報告書を出した。この中で、日本経済が今後も低迷するならば、50年時点で「中国、米国、次いでインドが世界超大国の座につく一方で、日本のGDPは中国・米国の6分の1、インドの3分の1以下の規模となり、存在感は著しく低下する」と指摘した。

 日本がデフレ脱却に成功しなければ、いずれ中国の6分の1の経済規模になりかねない。それは「日本の香港化」、つまり日本企業の多くが中国に買収され、中国人経営者のもとで多くの日本人が働くようになることを意味する。

 果たしてそれでいいのか。いまはデフレ脱却に全力を傾けるべきである。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障や、インテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞した。他の著書に『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)、『天皇家 百五十年の戦い』(ビジネス社)など多数。

【私の論評】過去20年にもわたって世界で日本だけが経済成長しなかったことに国民はもっと怒りを顕にすべき(゚д゚)!

世界は過去20年で平均2.4倍の経済成長をしています。その中で20年以上全く経済成長をしなかった唯一の国が日本です。その結果、日本は世界の中で著しく存在感を低下させました。他国と比して国力を維持して行くためには、他国並みの経済成長は絶対に必要です。日本人は国力と経済成長の関係を軽視しているのではないでしょうか。以下国力と経済成長の関係を考えてゆくことにします。

国力とは

国力とは国際関係において、その国が持つ様々な要素を総合したものをいいます。要素として考えられるものは、自然、国民、軍事力、経済力、技術力等であると、ジョージタウン大学のレイ・クライン教授は次のような式を提唱しています。
国力=[(人口、領土)+(経済力+軍事力)×(戦略目的+国家意思)]
これら諸要素の中で経済力が最も重要であると私は思います。なぜなら軍事力の内訳を見ると軍の戦闘能力(兵員数、兵器の性能、兵站基盤等)は経済力と不可分です。最近、チャイナが軍事大国になっていますが、それはチャイナのGDPが急速に拡大し、その経済力が強大な軍事力を生み出していることからも分かります。

技術力について見ると、日本は従来から技術大国でしたが、これを支えていたのは経済力でした。20年間経済成長をしなかった日本は急速に技術力を低下させています。一例を挙げれば各大学への基礎研究費は文科省が決めるのですが、日本が20年間経済成長をしなかったため、その間日本の各大学の基礎研究費は増えることなくむしろ減少しています。

研究開発費の推移 国際比較

上のグラフは「主要国の研究開発費総額の推移:名目額(OECD 購買力平価換算)」を示しています。1996年から2016年までの推移を見ると、米国は35兆円から50兆円と約1.4倍、チャイナは3兆円から45兆円と実に15倍です。EU、ドイツ、フランス、イギリスも着実に増やしています。その中で日本のみが15兆円で殆ど増えていません。10年前の2006年と比べると減少していることがわかります。

この結果、基礎的な研究、例えば、国際的な論文数、特許件数等、国際的技術力評価で日本は劣勢となっています。


分かり易いのが上の表です。引用される頻度の高い論文数の推移ですが、2002年ごろまで日本は世界第4位であったのが、10年後チャイナだけでなくイタリアやスペインにまで抜かれ10位に転落しています。おそらく最近はもっと順位を落としているのではないかと、情けない気分になります。

論文の数に代表される日本の基礎的な技術力は急速に落ちているようです。精神力だけではどうにもならないのです。世界は平均で約2.4倍の経済成長をしており、各国の研究費は数倍に増えている。日本も他国並みに経済成長をして研究費を増やしていかなければ、早晩技術力を失い、先進国から脱落することになるでしょう。

国力とは経済力

誤解を恐れずに言えば、技術力の例でも分かるように、国力=経済力と言っても間違いはないと思います。政治力、外交力、軍事力、技術力、文化力もその根底には経済力があるのです。

つまり国力の最も基盤のところにあるのが経済力なのです。その大事な経済力が日本の場合、20年以上にわたり停滞していたのです。この責任は政治にあるのは当然ですが、一方で国民にもその責任があるのではないかと思います。

日本は民主主義国です。国民に主権があるのだから、政治が間違っていれば国民が声を上げそれを正さねばならないです。経済の本質を国民が理解していれば政府・財務省・日銀や誤れる経済学者らの誤りに気付いて、これを正すことが出来た筈です。

無論、一部の人たちは、これに対して意見を述べたり、抗議をしていました。私はそれを否定するつもりはありません。しかし多くの国民は20年以上声を上げませんでした。国民も経済の本質が分かっていなかったようです。それこそが本当の問題なのでしょう。

豊かさを取り戻そう

経済の目的は経世済民、即ち国民を豊かに幸せにすることです。憲法第13条にすべての国民は幸福追求の権利があり、政治はこれを最大限尊重すべしとあります。その観点から過去20年間の日本の政治を見ると、完全に失敗だったと言えます。

20年間経済成長をしなかったと言うことは、20年間日本国民の所得が増えなかったと言うことなのです。安倍政権になり多少持ち直していますが、それでもピークの時より国民の所得は減少しています。言い換えれば国民は貧乏になっているのです。このことを指摘する識者は少ないです。

国民が幸せに感じるのは、今日より明日、明日より明後日、所得が増えることで実感するのです。日本の政治は20年間、国民からこの豊かさを奪ってきたのです。今からでもよいプライマリーバランスの達成・緊縮財政などと言うインフレ対策をやめ日銀がさらなる金融緩和を実施し、財務省が財政支出を増やし需要を喚起するという正しいデフレ対策を実行すべきなのです。

今年の10月に増税などやっている場合ではありません。そうしてデフレを脱却すれば他国並みに経済成長が可能となります。国力の元は経済力、経済力の指標は経済成長・GDPの増加であることを認識し、財務省や経済学者のいう「国の財政赤字で財政破綻」という大嘘に騙されることなく、正しいデフレ対策を早く実施すべきなのです。一日も早く政治家は勿論のこと国民が目を覚ますことを願ってやまないです。

以下のグラフは世界主要国が過去20年間にどれだけ経済成長をしたか示したものです。チャイナは13倍、インドは5.7倍、イタリア、ドイツは1.4倍、日本は1.0倍であることが分かります。日本だけ全く成長していないのです。このグラフを見て怒りを感じない日本人が多いのには驚きです。



この期に及んで、未だに増税しようなどと言っている政治家や官僚に対して私達はもっと怒るべきなのです。多くの人々が、幸福をなかなか実感できないとすれば、そのほとんどは自己責任ではなく、実はデータが示すように、少なくとも過去20年間については、大部分が政府の責任なのです。日本人は奥ゆかしいところがあり、なかなかそのようなことはいいませんが、現実はそうなのです。

それは以下のグラフ自殺者数の推移からみてもうかがえます。


最近は、安倍政権が成立してから、自殺者数は2万人台ですが、デフレが深刻だった時期は、毎年の自殺者数のが3万人台で推移していました。

経済政策のまずさは、科学技術の発展を遅らせるだけではなく、人の命まで奪うです。これについては、以前このブログにも詳細に掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
“安倍辞めろ”の先にある「失われた20年」とデフレの再来 雇用悪化で社会不安も高まる―【私の論評】安倍首相が辞めたら、あなたは自ら死を選ぶことになるかも(゚д゚)!
自民党候補の応援演説を行った安倍晋三首相=17年7月1日午後
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ソ連崩壊後のロシア政府の経済政策がまずすぎて、いっとき男性の平均寿命が、57.6歳にまで落ち込んだことがあります。これは、自殺者やアルコール依存症が増えたためです。経済政策のまずさは、人を殺すこともあるのです。

先に、国力=経済力と言っても間違いはないと書きましたが、経済はいっとき悪くなったにしても、極端に悪くならなければ、優秀な人が存在すれば、いずれ復活することはできます。しかし、人がいなくなれば、それもかないません。

ちなみに、冒頭の記事の江崎氏は、日本経済が今後も低迷するならば、50年時点で「中国、米国、次いでインドが世界超大国の座につく一方で、日本のGDPは中国・米国の6分の1、インドの3分の1以下の規模となり、存在感は著しく低下する」という事実をしてきしています。

この中にロシアはでてきません。どうしてかといえば、現在のロシアの経済規模は、かなり縮小して、GDPは日本の東京都を若干下回っているからです。これは、韓国を下回る水準です。このロシアが今後日本をしのぐような経済大国になることはないです。

やはり、人を大事にしなかったつけがまわって来たのではないかと思います。人を大事にするためにも、経済を落ち込ませせるとか、デフレにしてはいけないのです。

なにやら、日本では、デフレが当たり前になってしまっていますが、日本が過去にデフレでさえなけば、日本も他の国々の平均くらいの成長ができたはずなのです。デフレは、通常の経済循環を逸脱した経済の病です。

通常の経済循環では、良い時と悪い時が交互に訪れます。常時良い状態を保つことはできません。しかし、デフレは悪い状態ではなく、明らかに異常な状態なのです。デフレになっても、物価が下がるのは緩慢なので、多くの人々はなかなか気づきませんが、これは人間の病気でいえば癌のようようなものです。放置しておば、徐々に病気が進行して、取り返しがつかないことになります。

放置することは許されません。しかし、過去には放置するどころか、増税したり、金融引き締めをするというとんでもない対処法してきたのです。これは、病人や老人に対して、休みを与えないどころか、過度な運動を続けさせるようなものです。

こんなことをすれば、経済が伸びることはありません。もし少なくとも、日本が他国のような政策をとらなくても、増税や、金融引き締めなどの余計なことをせずに何もしなければ、日本はまだまだ成長していたはずです。日本はデフレから脱却さえできれば、これからかなり伸びるのは確実です。

これらのデータをみれば、これだけ、日本では過去の経済政策の失敗が明々白々なのに、また増税などと誤った政策を実行すれば、日本はまたデフレから脱却できず、同じことの繰り返しになってしまうことは明らかです。そのようなことをさせて良いはずはありません。

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2019年3月28日木曜日

5月20日が消費増税停止期限か 政権目標のデフレ脱却道半ば…日本も「リーマン級」混乱懸念―【私の論評】安倍総理は消費税増税の空気に抗え(゚д゚)!

5月20日が消費増税停止期限か 政権目標のデフレ脱却道半ば…日本も「リーマン級」混乱懸念
 
 
   2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は昨年2月と比べて0・7%上昇した。総合指数は0・2%上昇、「食料及びエネルギーを除く総合」は0・3%上昇だった。   これらから、生鮮食品は下落しているが、エネルギー価格が上昇しており、全体としては極めて緩やかな上昇にとどまっていることが分かる。ただし、エネルギーのうちガソリンについては、これまで上昇していたが、2月には2年3カ月ぶりにマイナスに転じたため、エネルギーの上昇への寄与が低下し、総合指数と「生鮮食品を除く総合」で伸び率が鈍化した。   もともと、季節要因と海外要因で影響を受けやすい総合指数と「生鮮食品を除く総合」でみるよりも、「食料及びエネルギーを除く総合」で見たほうが傾向が見やすい。それの対年同月比でみると0・3%なので、物価はほとんど上がっていない。   これでは、デフレから完全に脱却していない。デフレ脱却は安倍晋三政権の一丁目一番地といえる目標である。   こうしたなかで行われる消費増税はデフレ脱却に支障が出るばかりか、名目経済成長を阻害し、財政当局が主張する財政健全化のためにも逆効果である。   安倍首相はこれまで「リーマン・ショック級のことがない限り消費増税を行う」と言ってきたので、消費増税見送りの可能性はある。   中国経済は米中貿易戦争のために急減速している。英国と欧州連合(EU)もブレグジット(EU離脱)の混迷により経済変動が不可避の状況だ。それに加えて、インフレ目標2%を下回るほど、日本の経済活動は不活発である。   日本国内経済がさえないのは、事実上の金融引き締め政策であるイールドカーブコントロール(長短金利操作)を日銀が堅持し、同時に財務省も緊縮財政路線から脱していないからだ。今の景気は既に下降局面に入っている。    もっとも今年度予算が成立する3月中は予算成立が安倍政権の最優先なので、消費増税は予定通りとしかいえない。しかし、4月以降、安倍首相が君子豹変(ひょうへん)することはあり得る。     これまで消費増税は2度見送られた。1度目は2014年11月で、衆院解散・総選挙が行われた。15年10月からの消費増税を世論に問うものだった。     2度目は、16年5月の伊勢志摩サミット。その時、17年4月からの消費増税はリーマン・ショック級の経済変動があり得るとして見送られた。    二度あることは三度あるなのか、三度目の正直なのか。    こうした状況の中、いつまでに安倍首相が最終決断するかというと、常識的には5月20日の1~3月期国内総生産(GDP)速報公表までだろう。7月の参院選の公約は6月上旬までに取りまとめる必要があるからだ。 リーマン・ショック級というなら、3年前の伊勢志摩サミット時より今のほうがその確率は高い。震源地となる候補として、中国、英国に加えて、日本も挙げておこう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
 
【私の論評】
 
 
 
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2018年6月28日木曜日

財政緊縮派とデフレ派の存在が、デフレ脱却の大きな障害に 国債発行と金融緩和が近道だ―【私の論評】10%増税等の緊縮財政は、将来世代のための子育て、教育、生活などの基盤を毀損することに(゚д゚)!

財政緊縮派とデフレ派の存在が、デフレ脱却の大きな障害に 国債発行と金融緩和が近道だ

消費者物価指数の推移

 5月の消費者物価指数が17カ月連続でプラスとなったが、デフレ脱却に進んでいるのか。

 デフレについて、学問上の定義は単純で、「一般物価水準の継続的下落」である。国際通貨基金(IMF)などの国際機関では、一般物価水準は「GDPデフレーター」(消費者物価と企業物価を併せ持つ性格)、持続的下落は「2年以上」を使っている。

 そこで、GDPデフレーターの対前年増減率の推移をみると、1995年以降マイナス傾向になっていて、デフレになったのがわかる。正確に言えば、97年は若干のプラスであるが、その年を除き、2013年までマイナスだった。14年から、1・7、2・1、0・3と3年連続のプラスだったが、17年には▲0・2と再びマイナスに転じてしまった。


 この国際機関の定義に従えば、安倍晋三政権になってから、一時デフレを脱却しかかったが、18年のGDPデフレーター対前年増減率がプラスとしても、デフレ脱却したといえるのは19年以降ということになろう。

 もっとも、金融政策(マクロ経済政策)の目標は雇用を作ることであって、その場合に物価が上がりすぎないようにするためにもインフレ目標がある。

 この基本はマスコミなどでは理解されずに、単にインフレ目標が達成できていないから、リフレ政策は失敗だったとかの半可通な論調がいまだにあるのは残念だ。

 このインフレ目標の基本的な理解の観点からみれば、失業率が下限になって賃金が上がり出せば、その時のインフレ率が低いのはたいした問題ではない。賃金が上がり出せば、その後からインフレ率は上がるからだ。

 このように考えると、これまでの金融政策は方向性としては正しいがその効果はまだ弱く、いずれにしてもデフレ脱却まではあと一歩だ。

 雇用を確保した後、賃金が上がるのがマクロ経済政策の目標である。そのために、金融政策と財政政策によって総需要管理を行う。

 ただし、現実の金融政策では、オペ対象の国債の品不足が深刻になりつつある。そのために金融緩和がやりにくくなっている。これは、これまで本コラムで指摘したことだ。

 そうであれば、財政政策で国債発行して、国債市場での品不足を解消し、同時に財政出動を行えばいい。金融政策でこの国債オペを行い、金融緩和すれば、財政政策と金融政策の同時発動となって、すぐにデフレ脱却できるだろう。

 財務省による財政再建キャンペーンが行き届き、世間では国債発行は悪いものであるとの思い込みが強すぎる。どうしてこんな簡単な政策ができないのか。マスコミを含めてみんな財政緊縮病に罹(かか)っているのではないか。

 と同時に、この政策に対し、財政ファイナンスと批判する「デフレ派」がいる。彼らはハイパーインフレになると煽ってきたが間違っていた。

 財政緊縮派とデフレ派の存在が、デフレ脱却への大きな障害である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】10%増税等の緊縮財政は、将来世代のための子育て、教育、生活などの基盤を毀損することに(゚д゚)!

私達は子どもの頃から「自分のお財布の中にある以上のお金を使ってはならない」と教えられてきました。そうして、家庭を持つようになれば、家計についても、同じように言われてきました。だからそれが政府にも当てはまるのだと霞ヶ関の官僚が言えばすんなりと受け入れてしまいそうになります。しかし、現実はそうではありません。

政府には貨幣(おカネ)を発行することができますが、われわれの一般家庭にはそのような権限はありません。ここが政府と家計の大きな違いです。

そして貨幣をどの程度、あるいはどうやって発行するかというテクニック、つまり金融政策の目標を定めることが国においては重要な事柄です。

支出を切り詰めることが万能薬だと主張する人々、つまり緊縮財政を奉ずる人々(官僚や国会議員、マスコミのほとんどの人々)は、例えば財政赤字を削減すれば金利が下がっていいことが起きると主張しています。しかし、これは歴史的な事実では全く裏付けられていません。

彼らの議論は、国の赤字を削減すれば、消費者は安心し、企業は投資を増やし、「国の国際競争力」を増すというものです。特にお笑いは「非ケインズ効果」です。これは、政府による財政支出の削減や増税が、国の景気やGDPにプラスの影響を与えるという現象のことをいいます。

 人は将来の予測に基づいて行動することから、国の財政赤字が深刻な場合には、財政支出や減税が将来の増税を意識させ、消費を手控えさせる結果を招くとされます。 不況時は財政支出や減税により有効需要を補うべきと主張したケインズの理論と逆の効果です。この「非ケインズ効果」は、古今東西で確かめられたことはありません。

もし仮にこの「非ケインズ効果」が、たとえどのような条件がついたにしても、あるいは理論的にだけでも正しく証明されれば、証明した人は「ノーベル経済学賞」を受賞できることでしょう。それだけ「非ケインズ効果」はありえないことなのです。科学技術にたとえれば、永久機関のようなものかもしれません。

イギリスの経済学者ケインズ

緊縮財政で景気が悪くなり、それでも国民、資産がないただのサラリーマンが喜んで支出を増やすはずだという非ケインズ効果が日本でも生じるという人々は国民がおろかで合理性のかけらもないと考えているに違いありません。

昨年、世界の政治に新風を吹き込んだ英国のコービン労働党党首の主張、カナダのトルドー首相、米国民主党のサンダース氏らの主張はともに緊縮財政をやめようというものでした。

コービン労働党党首

コービン労働党党首といえば、当然のことながら、左派系なのですが、日本の左派系とはかなり異なります。日本の左派系といえば、どの政党もすべて財政緊縮派です。では自民党の議員が全員が反緊縮派であるかといえば、そうではありません。自民党でも、安倍総理とその一部の側近を除けばほとんどが財政緊縮派です。

しかし、先程あげたコービン労働党党首、カナダのトルドー首相、米国民主党のサンダース氏等はもとより、米国をはじめ多くの国々の政治家が緊縮財政に反対しています。また、ノーベル経済学賞を受賞したようなまともな経済学者の中では、景気が悪いとき、デフレのときに緊縮財政をせよと主張する学者など存在しません。

それはなぜでしょうか。景気が悪くなるということもさることながら、もっと大切なことは自国の将来世代の未来が失われてしまうからです。財政削減をすれば、将来の世代に対する子育て、教育、生活の基盤となるインフラ、こうした大切なものが真っ先に切り捨てられ、損なわれてしまうからです。

ギリシャは、EU統合に悪乗りして、借りるべきでないカネを低利で借りて浪費してしまいました。日本は、使うべきお金を政府の政策の失敗で使わずに、まだ返す必要もない借金の返済に充てて不況に陥りました。まったく原因が違います。原因が違えば処方箋ももちろん別でなければなりません。

そもそも、低所得者に重い負担が生じる逆進性がある消費税を増税して社会保障の財源をまかなうという発想自体おかしいのです。2009年の麻生内閣下での税制改正で「3年以内に消費増税法を作ること」が法定されました。

そこで法定されたことが大義名分となって、2012年に民進党、当時野党の自民党、公明党が増税法を可決しました。そうして、この増税法には、景気が悪ければ増税しないという「景気条項」があったにもかかわらず、これも無視され、2014年4月には最終的に増税が行われました。

そうして、増税推進派は「日本経済への影響は軽微」としていましたが、ブログ冒頭の記事にもあるように、2014年4月からの消費税の8%への増税は、個人消費の低迷を招き、日本経済に甚大な悪影響を及ぼしました。そのせいもあり、日本は今でもデフレから完璧に脱却していません。

現状の日本は、ブログ冒頭にもあったように、国債を大量を発行し、金融政策でこの国債オペを行い、金融緩和すれば、財政政策と金融政策の同時発動となって、すぐにデフレ脱却できます。

日本の政治家、官僚、マスコミ、識者のほとんどが財政緊縮派とデフレ派です。しかし、私達は、我が国の将来世代の未来のために、これら多数派を退ける世論を形成し、積極財政が行われるにし、将来の世代に対する子育て、教育、生活の基盤となるインフラを守っていかなけければならないのです。

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2017年8月17日木曜日

日本経済は今、デフレ脱却まで「もうひと押し」のところにいる―【私の論評】恥知らずの債券村住人の利己主義は排除せよ(゚д゚)!

日本経済は今、デフレ脱却まで「もうひと押し」のところにいる

安達 誠司

   出来すぎのGDP速報値

8月14日に発表された2017年4-6月期のGDP速報値では、実質GDPの季節調整済前期比(年率換算)が+4.0%と、大きく上振れた。7月10日のESPフォーキャスト調査でのコンセンサスが同1.9%だったので、エコノミストの予想をはるかに上回る結果であった。

この「4%成長」の内訳を「寄与度」が高い順にみると、1)民間消費が+2%(伸び率は+3.7%)、2)民間設備投資が+1.5%(伸び率は+9.9%)、3)政府部門(公的資本形成(公共投資)と政府消費の合計)が+1.3%(両方の合計値の伸び率は+5%、公的資本形成だけでは+21.9%)、4)住宅投資と民間在庫変動がともに+0.2%(住宅投資の伸び率は+6.0%)であった。

最近の日本経済は輸出主導で回復しているという印象が強かったが、純輸出の寄与度は-1.1%で、輸出の寄与度が-0.3%(伸び率は-1.9%)、輸入の寄与度が-0.8%(伸び率は+5.6%)であった。

数字上は、輸入の増加は成長率の足を引っ張る方向に作用したことになる(GDP統計上はマイナス項目となる)が、これは、内需が堅調に推移していることの裏返しであるので、むしろ良いことかもしれない。

また、輸出は、2017年1-3月期までは3四半期連続で極めて高い成長を実現していたので、一時的な反動減は仕方ないと思われる(2016年7-9月期、同10-12月期、2017年1-3月期の前期比年率換算の伸び率はそれぞれ、8.8%、13.2%、8.0%)。

このように、今回(4-6月期)は、純輸出を除けば、ほぼ全ての項目で成長が加速するという「出来すぎ」に近い結果であった。

この「前期比年率換算」の数字は、「ヘッドライン」といわれ、メディア等がこぞってニュースとして流すものだが、あくまでも「瞬間風速」という意味合いが強い。そこで、以下、GDPの数字をもう少し長い視点からみてみよう。

   デフレ脱却への「再チャレンジ」

ところで、今回のGDP統計で、非常に「ポジティブ」であったのは、民間設備投資の増加であったと考える。

設備投資動向の見方は色々あるが、設備投資サイクルを見る場合に用いる「投資率(GDP全体に占める民間設備投資のシェア)」をみると(図表1)、実質ベースでは16.0%、名目ベースでは15.9%で、1994年以降のピークにほぼ近い数字となった。


この投資率は、2016年半ば以降、急上昇しているが、設備投資自体の伸び率も勘案すると、今年に入ってから加速していると思われる。2017年4-6月期の内訳はまだ不明だが、1-3月期では、製造業よりもむしろ、サービス業を中心とした非製造業の設備投資拡大が顕著であった。

世間的には、企業による賃上げがデフレ脱却の鍵だと考えるむきがある。実際の安倍政権も企業や業界団体に賃上げを強く求めている。その効果もあり、賃金も上昇傾向にあるのは事実だが、資本主義社会の中で、民間企業が、自社の収益環境を無視してまで賃上げを行うとは考えにくい。そして、現局面で、政府が賃上げを民間企業に強制するのは、逆に企業を雇用を削減する方向に誘導しかねないので、経済政策としても自殺行為に近い。

また、かつては、景気回復局面において、雇用と設備投資は同時並行的に改善してきたが、最近は、雇用環境だけが一方的に加速度的に改善していた。企業にとっては、雇用も設備投資も同じ投資であると思われるが、ここまでの日本経済の現状(極めて緩やかな回復)を考えると、賃上げでさらなる人員確保に走るよりも、そろそろ、出遅れていた設備投資に目を向ける局面に入ってきたのではないかと考える。

図表1をみると、この4-6月期の投資率はちょうど2000年、及び2006年頃の水準に近いことがわかる。この過去のピークの局面では、いずれも、まだデフレ脱却が道半ば(当時は、「かなりいいところ」までは来ていたと思われるが)金融政策が引き締め方向に転換し、せっかく始まっていたデフレ脱却への歩みを頓挫させた。

その意味では、現局面は、過去、何度か失敗したデフレ脱却に向けて、ようやく「再チャレンジ」の入り口に立ったという認識を持つべきではなかろうか。
消費税率引き上げの前に

次に、問題の個人消費の状況である。1994年以降の個人消費(ここでは家計最終消費支出)は、4つの局面に分類できる(図表2)。

すなわち、①1997年4月の消費税率引き上げ前まで、②1997年4月の消費税率引き上げからリーマンショック直前(2008年4-6月期)まで、③リーマンショック直後から2014年4月の消費税率引き上げ前まで、④2014年4月の消費税率引き上げ以降、の4つの局面である。


ここで注目すべきは、③のリーマンショックの影響を除く3つの局面をみると、消費税率の引き上げをきっかけに個人消費のトレンドが鈍化している点である。

ここでの個人消費のトレンドは、その期間における消費の平均的な伸び率を示しているので、1994年以降のデフレ環境の下では、消費税率引き上げは、個人消費を一時的ではなく、中長期的に減速させてきたことがわかる。

今回の個人消費の拡大は2014年4月以降の消費のトレンドから若干上振れてはいるものの、トレンド自体を上方シフトさせるか否かはまだ定かではない。また、消費の内訳をみると、「非耐久消費財」だけがこの4-6月期に急に上振れたことが消費拡大につながっており、一時的である可能性がある。

経済政策面では、2019年10月の消費税率引き上げの是非が重要な論点になっているが、今回の消費拡大をもって、消費税率引き上げの条件が整いつつあると判断するのはあまりにも拙速過ぎるのではなかろうか。

デフレ脱却の道半ばでの消費税率引き上げは、さらに消費のトレンドを下方屈折させるリスクがある。もし、どうしても次の消費税率引き上げを実行したいのであれば、この2年でデフレから完全脱却させるような強力なリフレ政策をとるべきであろう。

   賃金は着実に上昇している

さらにもう一つの重要な論点は、賃金動向である。

GDP統計では、「雇用者報酬」という統計が発表されている。他の賃金データ、例えば、厚生労働省が毎月発表している「毎月勤労統計」や総務省が発表している「家計調査」の所得データは、労働者1人当り、及び1世帯当りの数字だが、「雇用者報酬」は、国内全体で支払われた賃金の合計を示すものといえる。

この「雇用者報酬」の推移を示したのが図表3である。

「雇用者報酬」でみると、日本全体の賃金はメディアが作り上げたイメージに反して、意外と上昇している。「アベノミクスでは賃金の上昇が不十分」という話が日々のニュース等ではまことしやかに流れているが、「雇用者報酬」は、名目ベースでも、2006年の水準を超えているし、実質ベースでも着実に伸びている。

さらにいえば、雇用拡大のペースが加速している点、1人当りの賃金の上昇率が緩やかである点、を鑑みれば、「雇用者報酬」の拡大は、ある一定階層の賃金だけが伸びている訳ではなく、雇用確保(もしくはパートタイマーの正社員化の動きなど)を通じて幅広い階層で所得が伸びていることを意味するのではなかろうか。

以上より、現状の日本経済は、デフレ克服へ「再チャレンジ」する素地が整ってきた段階であると考える。

この先、安倍政権がやるべきことは、ここまでのデフレ解消プロセス(特に雇用回復による一般国民の生活レベルの改善)を内心苦々しく思っているデフレ局面で既得権益を享受してきた階層に妥協することではなく、デフレの完全克服に向けて、財政金融両面でリフレーション政策を再加速することではないかと考えるが、支持率低下に苦慮している政権はどう出るのだろうか。

【私の論評】恥知らずの債券村住人の利己主義は排除せよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事の最後のほうで、「デフレ局面で既得権益を享受してきた階層」のうちその最たるものは何かといえば、それは俗に言う「債券村」の人々です。債券村とは、証券会社などの金融機関で債券を扱う人々の集まりです。そうして、これらの人たちは金融機関の中でも少数派なので「債券村」と言われているのです。

債券は、国、地方公共団体、企業、または外国の政府や企業などが一時的に、広く一般の投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するものです。資金調達するために発行するという点では、株式と目的は同じですが、あらかじめ利率や満期日などが決められて発行される点がちがいます。

債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取ることができます。そして、満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取ることができます。


このように債券は、満期日に額面金額が返金されることが約束されていますので、安全性の高い金融商品です。よって利子収入を目的に資産運用をすることができます。

また2年~10年といったようにあらかじめ決めれた満期日までまつことなく、マーケットで売買することも可能です。マーケットにおける債券の価格は、日々変動しています。途中売却することにより、利子収入以外に、購入価格と償還金との差額金を得ることができることもあります。

債券には、さまざまな種類があります。国が発行する国債、地方自治体が発行する地方債、企業が発行する社債、社債を株式に転換できる権利がついているCB、外国の自治体もしくは、外国の通貨、海外の市場のいずれかで発行する外国債券などがあります。債券は、証券会社を通じて購入することができます。

金融機関では、かなり長引いたデフレで本業の貸出が思うように伸びない中、債券部門が金利低下を背景に収益を支えてきました。債券関係者はデフレ下では自分たちの存在価値があったのですが、デフレを脱却すれば本業の貸出部門が盛り返してくることになります。

債券関係者は、その焦りが出て、乱高下や先行き不安を唱えるますが、それはまさしく経済が良い方向に向かっている証しでもあるのです。

デフレでは債券部門が優勢であったのですが、脱デフレでは主役交代になり、金融機関全体としてみれば収益は上がります。しかも、経済全体でみればいい方向なので、国民全体にとっては良いことです。

現状の債券村の人の意見は本当にずれています。ブログ冒頭の記事のように日本はデフレ脱却まで「もうひと押し」のところまで来ているのは事実です、しかしインフレ目標2%もまだなのに、出口戦略がどうのこうのというようなことを口にします。これでは、デフレから脱却しきっていないうちに、金融引締めをせよといっているようなものです。

全く呆れてしまいます。債券村は、デフレで深刻だった時代に稼ぎ頭だった夢が捨てられないのです。債券村ははっきりいえば、ブラック部門なのです。彼らは、デフレでしか生息できない哀れな人達なのです。

にもかかわらず、マスコミは債券村を擁護するかのように、国債の金利を日銀が抑え込んでいることで、「長期金利が経済の体温計としての指標性を失った」などと報じています。

債券村の住人が扱う債券
しかし、これは典型的な「債券村」の内部の事情に関する話です。つまり、金融機関の債券部門の声をマスコミは拾っているだけなのです。

「債券村」の意見は、日本経済を代表するものではありません。「失われた20年」といわれるデフレ期間に、日本は世界でほぼ唯一、名目経済が伸びず、失業率が高止まりしてきました

この間、日本経済は最悪の状態でしたが、金融機関の債券部門は、金利が傾向的に低下する局面で労せずして債券売却益を享受してきました。このため、金融機関内で稼ぎ頭となって発言力を増し、社内ポジションは向上しました。「債券村」にとってはデフレ期こそ「黄金期」だったのです。

ところが、名目金利はほぼゼロになってしまいました。日銀は国債を購入することで量的緩和を行い、名目金利はゼロのままであるのですが、インフレ予測を高めることで実質金利をマイナスにしています。

デフレが継続していれば、名目金利はゼロのままで、いわゆる「流動性の罠」状態となります。日銀の量的緩和は、実質金利をマイナスにすることに意味があるのですが、「債券村」の住民は名目金利にしか注目せず、ゼロ金利になっているのは日銀のせいだと思っているようです。

確かに、日銀の国債購入で名目金利が抑えられたのですが、日銀が国債購入をしなくても流動性の罠状態では名目金利はゼロのままです。ところが、市場に流通する債券の「玉」が少なく、商売あがったりの「債券村」は日銀に八つ当たりするのです。

債券村の人は債券市場が崩壊した等と言いますが、それは彼らが投資で利益を得られなくなったというだけであり、国民生活には良い影響が出ていることを指摘させてもらいたいです。

債券村の住人はデフレを維持することで債権市場から利益を得続けることができるわけですが、経済政策は国民生活のためにあるものであり、一部の業界の利権を維持するためにあるのではありません。これを覆い隠すためにトンデモ論として有名な「デフレ人口減説」まで持ち出してくるとはまったく恥を知るべきでしょう。利己的であるにも程があります。

デフレからの本格的な脱却は生半可な努力ではできません。その意味で、名目ゼロ金利は当分の間、継続するでしょう。世間が失業率の低下により、新卒者を中心として雇用環境が改善されているにもかかわらず、その間、「債券村」の住民は文句を言い続けるのでしょう。

デフレの失われた20年間、世間とは逆に利益を得てきたのですから、ここ数年彼らは日本経済のために我慢すべきではないでしょうか。ましてや、債券村の住人の理不尽な主張に屈して、デフレ脱却を断念するようなことがあってはならないです。

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2016年3月25日金曜日

安倍政権の最重要課題は「デフレ脱却」と再確認せよ! 見当外れな批判と政局予想にダマされてはいけない―【私の論評】10%増税見送りは当然、次の政治課題はマイナス3%の消費税導入によるデフレからの早期完全脱却(゚д゚)!

安倍政権の最重要課題は「デフレ脱却」と再確認せよ! 見当外れな批判と政局予想にダマされてはいけない


1年前から予見していた

来年4月の消費増税先送りと7月衆参ダブル選挙への流れが加速している。「増税先送りでダブル選」予想を繰り返し公言してきた私としては、このテーマは「いまさら感」もある。ここでまた書くのは気が引けるが、政治観察論として見ると面白いので、おさらいしておこう。

私が初めて増税先送りとダブル選予想をメディアで話したのは、昨年8月21日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44837)に書いたように、同7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』である。

テレビだけだと証拠が残らない可能性があるので念のため、当時連載していた同17日発売の『週刊ポスト』コラム「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)にも書いておいた。

昨年7月といえば、安保関連法案をめぐって国会が大荒れで「再来年の増税がどうなるか」などマスコミはまったく注目していなかった時期だ。そんな中、なぜ私が「増税先送りでダブル選」と読んだかと言えば、景気の先行き不透明感が強まる一方、内閣支持率が低下していたからだ。

安倍晋三政権がもっとも注視しているのは、いつも景気動向である。

それは政権が成立して以来、変わらない。安保関連法案を「戦争法案」とレッテル張りしていた野党や左派マスコミは「安倍政権は戦争に夢中になっている」と勝手に思い込んでいるのだろうが、残念ながら、まったく勘違いだ。

当時もいまも変わらず、最優先の政策課題は「戦争」ではなく「デフレ脱却」である。「なんとか景気を良くしてデフレを脱却したい」と願っているのだ。

ここの理解を間違えると、政局の読み筋も間違える。それはそうだ。「首相が何を重視して政権を運営しているか」という出発点の理解がトンチンカンだったら、その先を読めるわけがない。それは当たり前なのに、野党も左派マスコミも大方の政治評論家たちもトンチンカンを続けている。

どうでもいい政局話に拘泥してはいけない

なぜそうなってしまうのか。それは結局、野党や左派マスコミ、政治評論家たち自身が「デフレを脱却しなければならない理由」と「どうしたらデフレを脱却できるか」を理解していないからだ。そもそも政権の出発点にある政治課題を根本から分かっていないのである。

それは彼らの言動を見ていれば分かる。野党や左派マスコミは「景気を良くしたい」と心底から思っていない。彼らが声高に唱えているのは、景気回復ではなく「格差是正」である。

だから安倍政権がどれだけ真剣に景気回復を考えているかを理解できないし、理解しようともしていない。何をしてもケチをつけるだけだ。その結果、野党や左派マスコミが政局見通しを誤っても、それは自分に跳ね返ってくるだけだから、それも良しとしよう。

政治評論家たちに至っては景気も格差是正も時々、思い出したように言葉の端に付け足すくらいで、夢中になって追っかけているのは権力闘争の行方である。

そうは言っても、野党が与党を転落寸前まで追い詰めた局面はないから、首相官邸内で「官房長官がどうした」とか「内輪喧嘩が始まった」とか、どうでもいいようなゴミ話を知ったかぶりして喋っている。そんな調子で大局観をもって政権運営を見通せるわけがない。彼らは見通しを喋るのを商売にしているのだから、罪が深い。

話を戻そう。昨年7月には景気に暗雲が垂れ込めていた。

それは街角のタクシー運転手らに聞いた景気ウオッチャー調査に表れていたし、なんといっても中国・上海の株価暴落が始まっていた。政権支持率の低下に加えて、景気が危ういのに増税で参院選突入となれば、敗北は必至である。だから、増税先送りで政権選択選挙(=ダブル選)に持ち込むシナリオが浮上する(詳細は先のコラム参照)。

実際、翌8月には2015年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報で実質GDPが前期比年率1.6%減のマイナス成長に陥った。この時点で「景気がこの先、大きく落ち込む」ことが確実になった。不動産バブル崩壊に加えて、株価バブルも崩壊した中国が世界経済の足を引っ張るのは、もはや必至だったからだ。

いっそ5%に戻すべき

以来、15年12月4日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/46714)、16年1月15日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/47386)などテレビ、ラジオ番組も含め、私は終始一貫して増税先送りでダブル選見通しを公言してきた。

安倍政権が首相官邸で開いた国際金融経済分析会合でノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ、クルーグマン両教授が唱えたのも、べつに目新しい見方ではない。ようするに「世界経済が大低迷しているから増税は先送りすべきだ」という当たり前の話である。

それは中国経済の様子を見ていれば分かるし、3月4日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48092)で書いたように、先の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結論をみれば、各国が財政出動で景気テコ入れをしなければならない局面であるのは明白だった。

政府も3月の月例経済報告で景気判断を5ヵ月ぶりに下方修正した。

つまり、いまは増税どころか、実は減税が求められる局面という話である。経済記者は「財政出動」と聞くと、すぐ歳出拡大を思い浮かべるが、減税も財政政策の一環だ。それとも記者たちは「財政は歳出だけで、歳入は関係ない」と思っているのだろうか。

たぶん、そう思っているはずだ。私は「減税は税制の話であって、財政出動とは別」と訳知り顔で解説する経済記者に出会ったことがある。こういう記者は経済学の教科書を読んだことがなく、もっぱら財務官僚(それも主計局)の話を聞いて記事を書いているのだ。

記者たちは経済政策に対する理解がトンチンカンだから、補正予算を検討する一方で増税に執着する財務省のトンチンカンぶりが理解できないのである。

安倍首相の経済ブレーンである本田悦朗内閣官房参与は正しく7%への消費減税を唱えているが、私は中途半端な減税ではなく、いっそ5%に戻すべきだと思っている。そういう立場からみると、両教授が増税延期を唱えたのは、実は控えめすぎるくらいである。

相変わらずピンぼけの野党
さて増税先送りとなれば、ダブル選は必至だ。それは「野党がだらしなくて政権側の勝利が確実だから」というような、そこらの政治評論家が言いそうな理由からではない。衆院を解散してもう一度、国民に信を問わねばならない必然性があるからだ。

安倍首相は14年11月の衆院解散に際して「リーマンショック級の異変がない限り、17年4月に消費税を10%に増税する」と国民に約束した。

いま中国のバブル崩壊に端を発した世界経済の低迷はリーマンショックを上回る可能性さえあるから、増税先送りは適切である。ただし、そうだとしても「先送りの判断でいいかどうか」再び国民の声を聞くのは、政治的にまったく正統である。

国民生活に大きな影響を及ぼす増税の是非をめぐって国民の声を聞く。それが衆院解散の大義でなくて、なんなのか。安倍政権は増税断行を強く示唆していたのだから、むしろ解散しなかったら、国民置いてきぼりの政治判断になってしまう。

野党はここへきて増税反対を言っている。野党が反対する増税を、その通り政権が先送りするのだから、増税先送りはもはや与野党の対立軸にならない。すると、ダブル選の与野党対立軸は何になるか。あるとすれば、例の「戦争法反対」くらいだろう。

そうなると、北朝鮮が核とミサイル実験を繰り返し、南シナ海や尖閣諸島で中国の脅威が強まる中「戦争法反対」では、野党のピンぼけぶりが一層、鮮明になるだけだ。

せめてノーベル賞の教授たちが増税延期を言う前に「減税が必要だ!」とでも言っておけば、経済政策で巻き返すチャンスがあったかもしれない。だが、それもいまとなっては手遅れだ。いまから減税を言い出せば「このコラムを読んだから」とバレてしまうに違いない。かくて、安倍政権はダブル選に突き進む。

■長谷川 幸洋

【私の論評】10%増税見送りは当然、次の政治課題はマイナス3%の消費税導入によるデフレからの早期完全脱却(゚д゚)!

10%増税など実施すれば、安倍政権は崩壊します。経済が理解できていない、与野党の政治家は、増税で経済が悪化したのではなく、アベノミクスはそもそも失敗だと思い込むか、政治的駆け引きのための道具にして、与党議員は安倍おろしに奔走し、野党はここぞとばかり、政権交代への橋頭堡をつくるため奔走することになります。

この奔走が激化し、いずれにせよ、安倍政権は崩壊し、安倍政権以外の政権ができあがります。しかし、そうなっても、次の総理大臣が経済を全く理解していなければ、景気の低迷は続きます。

そうして、現在中国の経済は落ち込むのは目に見えていますし、それ以外にも原油価格が落ち込み、産油国である新興国の経済が落ち込んでいます。さらに、世界各地に地政学的リスクが存在し、いつ何がおこり、経済に悪影響を及ぼすかもしれない状況にあります。

最悪の場合、リーマン・ショック級もしくは、それ以上の経済の悪化を招くかもしれません。そうすると、日本は再度失われた20年に突入することになります。

そうなると、また、新たな政権は短期政権で終わります。これを3〜4回繰り返しても、経済を理解しない総理が擁立され続けたら、いずれ民主党への政権交代への麻生政権のようになり、民進党かあるいは、他の政党、もしくは野党を統合した連列政権に、結局政権交代されてしまい、自民党は下野することになります。

実際、リーマンショツクのあった、2008年前後には、短期政権が続きました。以下に歴代の総理大臣の在任期間を含む表を掲載します。


しかし、その後の野党も経済を理解していないので、これも3年続けば良いくらいで、また自民党に政権交代することになります。

しかし、それでも経済を理解しない人間が、総理大臣になれば、また先の繰り返しで、数ヶ月から長くて1年少しくらいのスパンでしかもたない政権が続くことになります、そうして、3年前後で政権交代が続くことになります。

こんなことを20年も繰り返していれば、政治はさらに腐敗し劣化し、経済などを含む国力は地に落ち、すぐに日本が破綻するということはないでしょうが、いずれ日本も先進国から発展途上国にまで落ち込んだ、今日のアルゼンチンのようになることでしょう。

このブログに以前掲載したように、 アルゼンチンと日本に関しては、1971年にノーベル経済学賞を受賞した、アメリカの経済学者・統計学者サイモン・グズネッツーは以下のように語っています。

サイモン・クズネッツ
「世界には4つの国しかない。 先進国と途上国、そして、日本とアルゼンチンである」1900年初頭、アルゼンチンは黄金期を迎えていました。世界を制するのはアメリカかアルゼンチンか。そう言われるほどの国力を誇っていたのです。

実際、その当時の国民1人あたりのGDPは、およそ2750ドル。同じ時期の日本は1130ドルでしたから、日本の2倍以上の経済力があったことになります。

この関係が逆転したのは、1967年のこと。高度経済成長に沸く日本、そして停滞・後退を始めたアルゼンチン。

戦後の混乱から、奇跡的な発展を遂げた日本は、資源がほとんどない小国でありながら先進国の仲間入りを果たしました。一方アルゼンチンは、豊かな資源がありながら、工業化に失敗し、衰退しました。

途上国から先進国になった日本と、先進国から途上国になったアルゼンチン。どちらの事例も非常に稀なことであり、それをもってグズネッツは前述の言葉で世界には4種類の国があると説明したのです。

しかし、日本が先に掲載したように、10%増税などという愚かな政策を実施した場合、日本は数十年後にそれこそ、アルゼンチンのように、先進国から発展途上国に仲間入りすることになりかねません。

日本も、アルゼンチンのようにアルゼンチン・タンゴを踊るようになってしまうかもしれません。

そんなことにならないため、10%増税阻止はもう規定事実であたり、当然のことであるという認識を持つべきです。そうして、安倍総理はそのような認識でいることでしょう。それは、以下の橋本政権と、現在の安倍政権の比較をみても容易に理解できることです。

安倍内閣と橋本内閣の比較

しかし、8%増税でも経済が悪化したわけですから、当然のことながら、消費税を増税前の5%にするという考え方が出てくるのは当然のことです。

今後の政治課題は、10%増税を見送るのは当然のこととして、消費税減税をするかどうかになることでしょう。

消費税を5%に減税するという考え方は、長谷川 幸洋氏のオリジナルのように掲載されていますが、そうではありません。私の知る限りでも、評論家で経済アナリストと自称しておられる、森永卓郎氏も提言していました。

その他、経済学者の田中秀臣氏も、経済アナリストの中野剛志氏もそのように提言していました。

私はさらにもっと過激な提言をしたいと思います。

上のチャートに掲載したように、橋本内閣で日本で初の3%増税が導入されました。チャートにもあるように、橋本内閣は増税の半年後に支持率が急落し、2年半で退陣ということになりました。なぜ、そのようなことになったかといえば、増税後経済が低迷したからです。

そうして、橋本龍太郎氏は後に、3%増税は失敗であったことを認め、国民に謝罪しました。

そもそも、3%増税が失敗だったのです。経済が良くないときに増税して失敗するのは当然でした。橋本内閣は、増税ではなく減税をすれば良かったのです。できれば、3%減税をして、その時に同時に金融緩和を実行すればよかったのです。そうすれば、橋本政権はもっと長期政権になった可能性もあります。いずにせよ、この増税から日本の経済は低迷して、後に失われた20年と呼ばれることとなりました。

さて、ここから、私の提言です。

そもそも、3%増税で橋本政権は失敗して、その後は、5%増税、8%増税がなされて、それがことごとく失敗しています。であれば、消費税そのものをなくしてしまうか、本来橋本政権で実施すべきであった減税を実施するべきです。

そうして、ここからが私の提言です。まずは、消費税そのものを完璧になくすのです。5%どころか、0%にするのです。しかし、これでは、橋本政権がすべきだった減税という政策を実施するには至りません。

そうです。橋本政権が実施すべきだった、減税政策を現在実行するのです。そうです、マイナス金利ならぬ、マイナス消費税を導入するのです。

具体的には、マイナス3%減税を導入するのです。お客様が小売店で、100円の買い物をした場合、マイナス3%の消費税ですから、お客様から商品の代金として、100円を頂いたら、3円をお客様に返却するのです。

ただし、そのようなことは面倒でしょうから、現実的には、正札に100円と書かれている商品を売るなら、最初から97円で売るのです。これで、マイナス3%増税ができます。しかも、何も面倒な手続きがいらず、店頭ですぐにそれができます。

プラスの消費税だと、お店側では、いちいち計算をして、納税するという事務作業が必要です。積極財政にもいろいろあります、たとえば給付金もそうですが、これだと給付金のための役所の手続きが結構煩雑です。

しかし、マイナス金利の場合は、何も煩雑な手続きはいらず、電卓やレジで、3%を代金から引くようにする表示ができれば、すぐに実行可能です。

そうして、その効果は凄まじいものがあると思います。これを実行しつつ、追加金融緩和も実施します。

これだと、かんり短期間に日本経済は、デフレから完全脱却し、また成長軌道に戻り、失われた20年のマイナスを取り戻すことができます。

無論いつまでもこれを続けるわけにはいかないと思います。これを続ければ、当然のことながらインフレが加熱します。そうなった場合は、まずは金融緩和をやめ、次に緩やかな金融引き締めを次に、マイナス消費税のとりやめ、その次にプラス消費税の導入などと段階を踏んで実行すると良いと思います。

そうして、各々の施策を実施するための経済状況の目安を最初から設置しておき、順次実行していくと良いと思います。

【関連記事】

「衆参ダブル選」はもはや“前提”状況 自民幹部の相次ぐ発言…支持率も追い風 ―【私の論評】自民党は、衆参同時選挙の公約に、是が非でも10%増税の見送りを加えよ、でなければ地獄をみることになる(゚д゚)!






【関連図書】

結局のところ、日本の政治は官僚特に財務官僚が主導しているところがまだまだ大きいです。官僚が政治に関与することは一概に悪いことではありませんが、意思決定はその時々の空気に流されることなく政治家、政府が地頭を使って行うべきものです。それすらも、官僚に譲ってしまえば、民主主義は成り立ちません。それを実感していただける三冊の書籍を以下にチョイスさせていただきこました。

総理の実力 官僚の支配 ─教科書には書かれていない「政治のルール」─
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2014年7月15日火曜日

東大生は、今でも絶望的なほど保守的だ 冨山和彦氏に聞く「起業家を増やす処方箋」―【私の論評】現在の日本マスコミはもとより、識者、政治家の中にも、デフレ脳になってしまい、それを前提に物事を考え、思考を積み上げてい人が多すぎ!! 今の日本の最優先課題はデフレ脱却以外にない(゚д゚)!

東大生は、今でも絶望的なほど保守的だ 冨山和彦氏に聞く「起業家を増やす処方箋」

冨山和彦(とやま・かずひこ)●経営競争基盤CEO。東大法学部卒、ボストンコンサルティンググループ入社後、コーポレイトディレクション設立に参画(後に社長)。産業再生機構ではCOOとして活躍した。オムロン社外取締役、ぴあ社外取締役、中日本高速道路社外監査役、みちのりホールディングス取締役のほか、経済同友会副代表幹事なども務める

――「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」が、安倍政権の政策の目玉の1つにかかげられました。成果指標は「新規企業の開業率を現在の5%から10%台に倍増する」というもの。これは実現できるでしょうか。

よく開業率の議論だけをしますが、開業率が高くなるということは、廃業率の上昇とセットの話。どの国でも、どちらかだけが高いわけではない。開業率が低くて廃業率ばかり高かったら、それは滅びていくということ。普通に成長している国では、開業率も廃業率も日本より高い。要するに、日本は老化しているってことなんです。「新陳代謝」がない。だから成長戦略ということでは、開業率と廃業率の両方を高くするしかありません。廃業率が高いということは、じつは廃業しやすくする、すなわち起業で失敗したときのリスクを小さい社会システムにするということです。そうでなければ起業する人は増えません。

――DeNA(ディー・エヌ・エー)やグリーなどが人気と聞いていますけど。

そういうところも、ちょっとは増えてきているけど、大宗においては全然そうではない。だから、いい兆候と、未だにクソっていう兆候が混在しているのが現状でしょう。

――どのあたりがクソなのでしょうか。

文系の就職先トップ3社がメガバンク3社なんですよ。

――なるほど。理系はどこが人気なのでしょうか。

理系は1位が日立。

――日立復権ということですね。

要するに、その程度なんですよ、日本のエリート学生のベンチャースピリットは。だからやっぱり教育ですね。教育が根本的に変わっていない。ひょっとすると東京大学の入学試験のところから問題があるのかもしれない。

この記事「クソ」なので、これ以上は掲載しません。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】現在の日本マスコミはもとより、識者、政治家の中にも、デフレ脳になってしまい、それを前提に物事を考え、思考を積み上げてい人が多すぎ!!今の日本の最優先課題はデフレ脱却以外になし(゚д゚)!

上記の記事に対して、村上尚己氏は以下ようなツイートをしています。
上のツイートで、マクロ環境を普通に戻すとは、デフレから緩やかなインフレにもっていくということに他なりません。

デフレ下で、開業率が減り、廃業率が増えるのは当然のことです。デフレを放置しておいて、起業で失敗したときのリスクを小さい社会システムにしたとしても、何にも変わりません。

まずは、デフレを解消して、開業しやすい環境とし、失敗したときのリスク小さくするというのなら、かなり開業率はあがりますが、社会システムを変えても、デフレであれば、開業率は増えません。

これに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
"従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、ある方が日本のベンチャー企業が発達しない本当の理由を以下のように記述していることを掲載しました。
ベンチャーと大企業との関係でいえば、手塩にかけて作り上げた技術を、ベンチャー企業が大手企業の前でプレゼンテーションするとします。その時に、いつも決まって返ってくる答は「既存技術の価格より安くしてくれないと取引できない」だったのです。大手企業は、技術の価値は認めるものの、それ以上は、踏み込めません。
日本のベンチャー企業は良いモノを作ることはできます。しかし規模が大きくはないため、「安売り競争」には耐えられません。そのために、優秀なベンチャー企業は、幾度も臍(ほぞ)をかんできたのです。
しかし、私はこれに対して、「大手企業の担当者も忸怩(じくじ)たる思いであったと思います。デフレというマクロ環境がすべての企業行動にマイナスの影響を与えていたことを指摘したいだけです」ととして、デフレの最中では、大企業の担当者だって、新たな技術を取り入れるよりは、すでに定評のあるものをより低価格でと考えるのは当然のことであり、問題は大企業のスタンスではなく、デフレであることを強調しました。



その上で、古いタイプの企業から、新興企業への労働力人口の移動の事実にもとづき以下のように掲載しました。

古い企業から新興企業への労働人口の移動があるということは、起業家予備軍も相当いるはずです。今後アベノミクスで、経済がまともになれば、ベンチャー起業も増え、ベンチャキャピタルを活用してくる人も増えてきます。 
そうして、デフレ脱却により、人々の選好がお金からモノに移行するということは、購入する時の判断のウエイトが、モノの値段からモノの機能・価値にシフトするということです。そうなれ ばベンチャー企業が持つ技術力に目が向けられるようになります。彼らは自らの得意分野で「相撲」を取ることができるようになります。 
そうして、デフレ解消は目前です。そうなれば、どんどんベンチャー起業がおこり、ベンチャーもモノの機能・価値を提供しつつ、発展していけるようになります。そんな時代はもう少しで来ます。最近中国の特許件数が伸びているかのような誤った印象操作がありますが、良く調べてみると、中国は特許の出願数が世界一なのであり、特許取得数は未だに日本が世界一です。そんな国日本で、デフレ以外にベンチャー企業が、起業できない、成長できないという理由はないと思います。
ベンチャーの起業が少ないことを大企業が新しい技術を導入しないということを原因とするのは、ミクロ的な見方であり、マクロ的にいえば、大企業がこのような購買傾向になるのは、デフレのせいです。大局的にみれば、大企業の購買傾向を責めても何の解決にもなりません。まずは、デフレを解消しなければなりません。

大企業の購買行動を責めているだけで、デフレを解消しなければ、モグラ叩きに終始するだけで、いつまでたっても、問題は解消されず、閉塞感に苛まされるだけとなります。その果てには、包括的大金融緩和の以前見られた、日本駄目論、日本人駄目論です。

日本がデフレであることを前提として、それが永遠に改善も改革もされないという考えで、物事を考えれば、結論はこうなるしかありません。しかし、それは違うでしょう! 全くの間違えでしょう!"


こんなのは、あたり前のど真ん中であって、あれこれ論じる前に、まずはデフレ脱却でしょう。デフレから脱却しないうちに、社会システムを変更しても、ほとんど意味はないです。

東大生だって、デフレのときには、安定志向になるのは当然のことです。デフレから脱却すれば、東大生の中からも冒険を志す人はでてきます。そうして、若者ももっと明るく、攻撃的になると思います。自殺率が減り、出世率が増え、肉食系男子が増え、若者による車の所有率があがり、雇用も改善し、賃金があがり、年金問題を深刻に考える人も少なくなります。

無論、デフレから解消されたからといって、何もかもがうまくいき、すべてが薔薇色になるというわけではありませんが、デフレのままでは、特に経済が絡むものは、政策的に何をやってもモグラたたきになり、国民の閉塞感は高まるばかりです。

今の日本の不幸は、識者といわれる人までもが、あまりにも長い間デフレが継続ししまったために、デフレをあたかも所与の条件でもあるがごとくに想定して論議を積み上げていくことです。

こういう人たちの思考は、無意識に日本はこのままデフレから脱却できないと考えているのではないかと思います。

しかし、デフレは単なる貨幣現象であり、日本語でいえば、通貨収縮です。通貨の流通量を増やしていけばいずれ必ず解消できます。日本以外の国では実際にこのようにしたからこそ、長期デフレの国はありません。

日本でも、昨年より異次元の包括的金融緩和を実施したため、実際に経済指標は良くなっています。ただし、4月の増税により、5月度はかなり消費が落ち込みました。

景気見通しに関しては、楽観論を言う識者も大勢いますが、このようなことからもまだまだ楽観などできません。できれば、増税などすべきではなかったし、来年10%増税は実施すべきではないと思います。

これからしばらく金融緩和を継続し、来年の消費増税は取りやめ、公共工事の供給制約などがあるため、所得税減税、給付政策などの積極財政を強力に推し進めれば、日本もいずれデフレから脱却できます。

これは、あたり前のど真ん中であり、これを否定する人たちは、マクロ経済を全く理解出来ないのだと思います。

しかし、現在の日本マスコミはもとより、識者、政治家の中にも、デフレ脳になってしまい、それを前提に物事を考え、思考を積み上げてい人が多すぎです。

こんなことでは、いつまでもデフレから脱却できず、あたかもそれがあたり前でもあるかのような状況から抜け出せなくなると思います。

そうであってはなりません。まずは、何が何でもデフレ脱却が今の日本の最優先課題です。

日本は、潜在能力の高い国です、今の日本はデフレ脳におかされた政治家、識者などによって、足踏みをしている状況です。しかし、人は高くジャンプするためには、一時身をかがめて、そこから勢いをつけてジャンプします。そうでないと高くは飛び上がることはできません。今の日本は身をかがめている状況にあるのだと思います。

日本がデフレから脱却した場合、すさまじい勢いでジャンプする(゚д゚)!

デフレから脱却できたときの日本は、今までかかんでいた分を跳ね返しすさまじい勢いで伸びていくと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年4月20日日曜日

函館西部地区 2014春のバル街行ってきました―【私の論評】若者の参加の少ないイベントには先がない! これの解消にはデフレ脱却が最優先課題だ(゚д゚)!

函館西部地区 2014春のバル街行ってきました

今年も盛況だった函館バル街、このレストランははやばやと限定
500食を完売しました

11年目に入った函館西部地区バル街。今回は原点に立ち返り、バル街発足のきっかけになったスペイン料理フォーラムの前夜祭として行うこととなりました。10年前の「2004スペイン料理フォーラムinHAKODATE」から発展した世界料理学会も4回を重ね、函館西部地区バル街は料理にかかわる人たち、街を歩き景観を楽しむ人たち、ドリンクとピンチョスに限りない愛情を抱く多くの人たちが集うお祭りとして続いてきました。

昨年と今年は日本-スペイン交流400周年の年。それを祝って函館市で「函館スペイン週間」が催されます。スペイン大使館からの代表も来函し、スペイン映画祭、巡礼の道の写真パネル展、振る舞いではスペインワインの提供、料理フォーラムのパーティーではフラメンコライブなど、1週間がスペインづけ。第21回バル街はその真ん中で行われます。

東日本大震災と福島第1原子力発電所の爆発による被災・被害からの真の復興を、「隣の」北海道に暮らす市民として願わずにはいられません。 いまここで「祭り」を行える幸せをかみしめながら。今回も青森・弘前や山形の名店が出店します。伝統的な、また記念的な建築物の新たな参加もあります。多くの交流が栄える場としてのバル街。マップを手にして5店の飲み歩き、食べ歩き、そしてまち歩きを楽しみましょう。旧市街の魅力を自分で感じていくよき時間を!!

【私の論評】若者の参加の少ないイベントには先がない! これの解消にはデフレ脱却が最優先課題だ(゚д゚)!

写真では、なかなかバル街の様子など伝わらないとは思いますが、以下に関連の写真を掲載させていただきます。

本日は、バル街の前売り券を購入することができなかったので、「まちづくりセンター」というところに、当日券を購入しにいきました。

購入前には、予め行列ができることが予想されましたので、はやめに行ったところ、まだ行列もできていないし、少しはやめに来すぎたので、周りを散策して写真を撮りました。それが以下のパノラマ写真です。大きな画面でごらんいただくと、パノラマの効果が得られると思いますので、是非ご覧になってください。

パノラマ写真1 クリックすると拡大します

パノラマ写真2 クリックすると拡大します


バル街当日券購入のための行列です
さて当日券を購入して、4時ころにはバル街に行きました。任期レストランでは、もうこんなに行列ができていました。

人気店ははやばやと行列、ここはあきらめました
 人気店はあきらめ次のレストランに。ここでは、屋上の見晴らしの良いところで、ベーコンピザと、ワインをいただきました。

レストランの屋上 ここではベーコンピザと赤ワインをいただきました

最初のレストランから次のレストランへの移動の途中

このレストランも凄い混み方です

このレストランでは函館市内を見下ろしながらジャズの演奏を聴けます

このレストランでのオードブル 八雲産牛の赤ワインには食べてしまって写っていません

このレストランから五島軒までの途中の様子
五島軒ではオードブルとワインをいただきながら
ジャズ・フルバンドのライブを聴きました
フレンチレストラン、ル・コントワールではカウンターで
ワインとオードブルをいただきました。女性が多かったです。

夜9じ前後ですが、まだまだ盛況です

結局4時ころでかけて、帰宅したのは9時過ぎでした。やはり、移動するのに時間がかかるのと、ジャズなどのライブなどひととおり聴くには40分くらいはかかるので、食べ物やを数軒梯子するというような感覚では、まわれません。十分に時間をとるべきです。それから、当日は最高気温が9度でしたので、寒さ対策も十分にしたほうが良いと思います。ただし、秋のバル街は9月なので、あまり寒いということはありません。どちらかというと最近では、温暖化の影響もあるためか、暑いくらいです。

上の写真は、すべて私が撮影しましたが、当日の様子を知っていただくため、他の人の写真も以下に若干掲載しておきます。

アクロス十字街の近辺です 人だかりです

ジャズ・ライブの様子です。

夜のアクロス十字街です

妖艶な女性の踊りもあり・・・。異次元の世界に誘われます。

ジャズ・ライブいろいろなところで演奏されていました
さて、いろいろ掲載してきましたが、当日いろいろ歩いてみて思ったのは、若者の数が少ないということです。ほとんどの人が中年以上でした。最初は、少子高齢化だから仕方ないのかとも思っていましたが、それにしても、実際の人口比率と比較しても、明らかに若者が少なかったです。

どうしてこんなことになるのか、良く考えてみましたが、やはり、デフレが相当影響しているのではないかということです。

今、景気が多少は良くなったなどと言われていますが、それは昨年、一昨年と比較して相対的に良くなっただけであり、未だ日本はデフレのまっただ中にあることには変わりありません。

しかも、今年は4月から増税で、アベノミクスの第一の矢である、包括的な異次元の金融緩和は昨年の4月から行なわれ、景気の指標は相対的には良くなりましたが、それにしても、デフレであることには変わりありません。

デフレの影響で若者は、車を購入しなくなり、外であまりお酒を飲まなくなりました。その影響がバル街などのイベントなどにもでているだと思います。

このバル街に実際に久しぶりに行ってみて、それなりに楽しかったのですが、こんな感想を持ってしまいました。

おそらく、地元の若者も、このイベントに行くくらいなら、家飲みで安くすませたいなどと考えなかなか参加シないのだと思います。

この時期に函館を訪れた若者も、このイベントに行くくらいなら、函館の観光スポットを数多くたずねて、食事は昼はコンビニなどのおにぎりなどを食べて、夜は1件くらい、安い居酒屋さんに行って
すませるなどのことをしているのだと思います。

私は、若者の参加の少ないイベントには先がないと思います。仮にイベント会場に、若者の参加が少なかったにしても、人口比率と比較して、それと同程度であれば、そのイベントはそれなりに成功だと思います。しかし、それ以下であれば、将来は危ういということは、誰でも考えつくことだと思います。

そうして、将来の危ないイベントは、函館バル街の催しものがそうであるように、主催者に大きな問題があるというわけではないと思います。

その真の原因は、デフレです。まずは、デフレが解消しない限り、若者はこのようなイベントになかなか参加しにくい状況が続くと思います。

バル街などのイベントにもっと多く若者が参加するようになったときデフレは解消される

昨年せっかく、日銀は金融緩和に転じて、デフレからの脱却にも目鼻がついたような状況だったのに、なぜかこの金融緩和の腰を折るような増税が今年の4月からなされています。む

もう、増税してしまっのだ、これはもう取り返しがつきません。しかし、平成15年度の増税阻止はまだ間に合います。

本当に10%増税をしてしまえば、ますますデフレから脱却できなくなるのは、明らかです。

現在では、まず10%増税は絶対にしないこと。さらに、このブログにも何度か掲載してきたように、景気対策のための財政政策による公共工事などは、現状では、公共工事の供給制約があるため、あまり大きな期待はできないで、実質減税と同程度の効果のある、所得税減税を行うべきだし、その他効果のある給付を大々的に行うべきと思います。

包括的金融緩和をさら拡大すること、大規模な所得税減税を行うこと、さらに景気回復に効果のある給付を大々的に行うことにより、デフレ回復の可能性はまだまだ、十分にあると思います。

このようなことを大々的に実施すれば、バル街にももっと多数の若者が参加することになると思います。このようなイベントに多数の若者が参加するようになったときこそ、日本はデフレから脱却できていることと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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