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2018年3月20日火曜日

【日本の選択】野党に政権担当能力がない悲劇 弱点の多い安倍政権を支持せざるを得ず―【私の論評】ポスト安倍の自民党も政権担当能力があるとは言えない(゚д゚)!

【日本の選択】野党に政権担当能力がない悲劇 弱点の多い安倍政権を支持せざるを得ず

第3次安倍第3次改造内閣 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 財務官僚による決裁文書の改竄(かいざん)など、脇の甘さが目につく安倍政権だが、この政権を支えているのは、どのような人たちなのだろうか。

 私自身は、極めて消極的な安倍政権の支持者である。安倍晋三首相を熱烈に支持しているわけではないし、自民党以外は一切認めないという自民党原理主義者でもない。しかし、他に選択肢がまったく存在しないから、安倍政権を支持せざるを得ないのである。

 端的に言えば、「野党が政権を担う能力を有していない」との判断から、多くの国民が安倍政権を消極的に支持しているのではないだろうか。

 安倍政権や自民党が完璧だとは思わないが、「野党よりはまし」という判断から安倍政権が支持される結果になっている。安倍政権の最大の応援団は「野党の無能さ」だという、笑うに笑えない冗談のような現実を見ると、眩暈(めまい)がしそうになる。

 立憲民主党をはじめとする野党があまりに不甲斐ないのは周知の通りだが、広く国民に訴えておきたい事実がある。

あまりに不甲斐ない野党の筆頭、立憲民主党、彼らは立憲民主主義とは何を意味するかさえ知らない

 岡田克也元外相率いる「無所属の会」というグループ(衆院会派)がある。「無所属の会」なのだから、無所属の政治家の集まりだろうと思うのが、国民の常識というものだ。

 だが、彼らは国民が想像する無所属の政治家ではない。民進党の政党交付金で政治活動し、民進党の役職に就いている政治家も存在する。具体的には岡田氏は「無所属の会」の代表でありながら、民進党の常任顧問に就いている。

 民進党を離党し、本当の意味で無所属を貫いている鷲尾英一郎衆院議員=新潟2区=は自身のブログで昨年11月17日、「無所属の会」を以下のように批判していた。

 「民進党の政党交付金で政治活動し、民進党の役職を受けているメンバーが会派をつくっているのであれば、会派の名称は『無所属の会』ではなく、まさに『民進党』がふさわしいではないか」

 まことに正論である。鷲尾氏が指摘するように、彼らは正々堂々と「民進党」を名乗るべきなのだ。

無所属とはいえない「無所属の会」の看板かけ

 「無所属の会」について、週刊ポスト(2018年2月16・23日号)が「一人メシ事件」として、次のような記事を掲載していた。

 1月16日夜、都内のホテルで会合が開かれた。十数人の出席者には弁当が用意されておらず、岡田代表だけが会合前にスーパーで購入したサンドイッチを食べ、腹を空かせた議員から「代表だけ食べるのか」と不満がもれたという。

 何があろうとも、現在の野党に政権を担当させるわけにはいかないと考える日本国民は健全だ。常識ある野党が出現しない限り、弱点の多い自民党政権が継続せざるを得ない。日本の悲劇である。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)、『「リベラル」という病』(同)など。

【私の論評】ポスト安倍の自民党も政権担当能力があるとは言えない(゚д゚)!

まずは、最近の最大の政局に関する動画を以下に掲載しておきます。


この動画は、そもそも根拠が明確であり、かなり理解しやすいです。この動画で、上念司氏は、以下のように主張しています。

まずは、財務省は佐川氏の国会での証言にあわせて、文書を書き換えたということ。そのために、元々は政治家は一切関与していないことがはっきりしていたものが、そうではなくなってしまったとしています。

私も、その通りだと思います。財務省が書き換えたとした文書は、財務省のサイトから誰でも閲覧することができます。そのリンク先を以下に掲載します。


  • 決裁文書についての調査の結果(平成30年3月12日)(PDF:150KB)PDF
  • 決裁文書の書き換えの状況(PDF:7612KB)PDF
  • 平成30年3月14日付け資料(PDF:198KB)PDF
  • 平成30年3月19日付け資料(PDF:263KB)PDF
  • これらを、野党やマスコミのように、最初から「政治家の関与あり」という想定など捨てて、虚心坦懐に読むと、上念氏と同じような結論が導き出せるはずです。

    次に、土地価格については、さらに、森友学園の隣の野田中央公園の土地は、元々は14億円だったものただで売却されているという事実があります。さらに、これには補助金が3000万円も支払われています。

    結局のところ、ゴミが埋まっているので、補助金をつけてでも持って行ってくれということです。

    ゴミが埋まっていることを隠して、近畿財務局は篭池氏に8億円値引きで売ったのです。そうして、差し引き1億円程度が国庫に入っているわけです。そのブロセスに問題があったことから、篭池氏はそのことに気づいたのです。

    その時に、篭池氏はありもしない、政治家や安倍総理、昭恵夫人らがバックについているかのようにいろいろ名前を出したということです。天皇陛下が来たなどと、平気で嘘をつくような男のいうことですから、ほとんどでまかせとみるべきでしょう。

    それに対して近畿財務局は、ゼロ回答だったわけです。これが、書き換え前の決済文書には書かれてあったにもかかわらず、その部分が削除されてしまったため、政治家に不利な内容になってしまいました。そうして、誰に有利かといえば、国会で間違った答弁をしてしまった佐川氏に有利なものになっています。

    これらの事実からみると、やはり、財務省(もしくは理財局)が佐川氏の国会答弁にあわせて、近畿財務局に書き換えを指示して、書き換えさせたと考えるのが、最も自然な解釈であると考えられます。

    近畿財務局

    書き換え前、書き換え後の文書が公開されているわけですから、これをしっかり読めば、上記のような解釈しかしようがないわけです。もし、今後佐川氏が国会招致において、政治家家からの指示があったとか、安倍総理や昭恵夫人の関与があったなどといえば、文書と完璧に矛盾することになるため、そのようなことはしないでしょう。

    さすがに、佐川氏も昨年の国会答弁で余計な答弁をしたため、辞任せざるをえなくなったので、再度国会に招致されたときにはかなり慎重になることでしょう。

    考えられる対応は、核心に迫る事柄については、篭池被告人のように「調査中であるので、答弁できません」ということで終わることになると思います。さらに、昭恵夫人を仮に国会に招致したとしても、野党にとって都合の良い答弁をするなどということは全く考えられません。

    このような状況だと、最初は、興味を持って安倍政権対退陣すべしなどと煽られていたワイドショー民も飽きて、それこそあれど有利であると考えられていた希望の党が選挙の最中に勢いを失ったように、野党の主張(野党自身ではありません)も指示を失って、現在の政権の支持率の低下も回復することになります。

    その頃に、野党が別の対策や、新たな政局を見いだせるなら、さらに安倍政権を窮地に追い込むことができるかもしれませんが、そもそも、公開された文書を見ている限りにおいて、結局昨年と同じように、安倍総理はおろか一人の政治家を辞めさせたりすることはできないでしょう。

    今後、野党やマスコミは「アベにくし」のあまり、篭池夫妻という、頭のあまり良さそうとも思えない、詐欺師らに引っ掻き回さたということがはっきりしてくることになります。そうなると、野党の支持率はますます下がることになります。そのことが全く見えていない野党は、政策論争ができないのは無論のこと、政局すらまともに見ることが出来ないということで、国民の信頼をさらに失うことになります。

    篭池夫妻

    ブログ冒頭の記事で、岩田氏は、「私自身は、極めて消極的な安倍政権の支持者である。安倍晋三首相を熱烈に支持しているわけではないし、自民党以外は一切認めないという自民党原理主義者でもない。しかし、他に選択肢がまったく存在しないから、安倍政権を支持せざるを得ないのである」と述べています。

    私自身は、程度の差はあるとは思いますが、もともと政治とは、特に民主的な政治はそのようなものであると思っています。

    もし、何もかも自分にとって満足と思えるような政権がでてきたとすれば、それは独裁政権に違いないと思います。そうして、自分は独裁者になっているか、独裁者の親族などの、独裁者に極めて近い存在になってるかのいずれかであると思います。

    私自身は、安倍政権は金融政策で雇用状況を改善したということで、過去20年間のいずれの政権よりも、パフォーマンスが高いと思います。また、安全保障においても、過去のいずれの政権よりも突っ込んだ議論し、そうして少しずつでも間違いなく前進していると評価しています。

    ただし、自民党ということでみると、金融政策も財政政策も、安倍総理やその側近のごく一部しか理解しておらず、もし安倍政権が崩壊して、他の人が総理大臣になって新たな自民党政権をつくったとしても、またまた日本はデフレスパイラルの底に沈み、とんでもないことになり、誰の政権であったにしても短期政権になり、その後も同じことを繰り返すと思います。

    小泉進次郎氏のような若い自民党の議員こそ、まともにマクロ経済を理解して欲しいと思うのですが、全くそうではありません。

    安全保障についても、自民党には親中派の政治家も多いことですから、安倍内閣が崩壊となれば、これも後退する可能性が大きいです。

    それを思うと、野党に政権を任せられないのは自明の理として、安倍総理以外には、いまのところ総理大臣を任せられる人物は自民党内にはいないと思います。これこそ、本当に目眩がしそうな現実です。

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    2017年4月30日日曜日

    民進党が没落すればするほど、日本経済が「命拾い」する理由―【私の論評】自民党は人の振り見て我が振り直せ(゚д゚)!


    「シロアリ演説」を覚えていますか?

     ひとり、ふたりと辞めていく

    民進党代表である蓮舫氏の求心力の低下が止まらない。

    4月10日に長島昭久元防衛副大臣が離党届を出したのに続き、13日には細野豪志氏が代表代行を辞任する決意を固めた。

    蓮舫氏は7月に控える都議選に向けて、共産党と共闘する姿勢を崩さないが、これに対して長島氏と細野氏は強い反感を抱いたのだ。

    民進党の支持率は今年に入ってひとケタ台で低迷していて、「自民一強」体制はますます色濃くなってきている。

    振り返れば、民主党時代の'12年も消費増税をめぐって党内がバラバラになり、勢力を落とした。今回もまるで同じ様相を呈しているが、民進党は仮にも野党第一党だ。民進党の「没落」は、今後の政局および日本経済にどれほどの影響を与えるのだろうか。

    民主党時代の消費増税騒動のとき、当時の首相は野田佳彦氏であった。

    その野田氏は政権交代選挙となる'09年8月の衆院選の街頭応援演説において、有名な「シロアリ演説」をしている。

    天下り官僚をシロアリにたとえて、「シロアリを退治しないで増税はおかしい」と宣言した。さらにこの演説では、「マニフェストは命がけで実行する。書いてないことはやらない」とも言った。

    野田佳彦氏の有名な「シロアリ演説」 写真はブログ管理人挿入以下同じ
    ところが政権交代後、野田氏はすっかり変わってしまった。

    鳩山由紀夫政権で藤井裕久財務相の下で副大臣になったのだが、実はこのとき、財務省OBである藤井氏が後輩の財務省官僚に対して野田氏を「財務省色に染めろ」と指示。結果、野田氏は完全に財務省の操り人形になり、「シロアリ演説」での意気込みはどこかへ飛んで行ってしまったのだ。

    かくして党内の意見がバラバラになった民主党は政権を手放すことになるが、その「戦犯」の一人は野田氏であり、その野田氏がいま民進党の幹事長を務めていることからも低迷の理由は推して知るべし、である。

     日本経済は命拾い

    もともと民主党が仕込んだ消費増税は、自民党に政権交代したあとに実施された。

    '14年4月、税率は5%から8%になったが、10%への再増税はすんでのところで止まっている状態だ。'14年の増税は、日本経済にとっては爆弾が爆発したようなもので、アベノミクスで上げ調子の兆しがあった景気が一気に停滞した。

    もし再増税という「2発目の爆弾」が立て続けに爆発していたら、日本経済はとっくに沈没していたかもしれない。

    民進党は依然として、財源の確保に増税は不可避であるとの方針を持っているが、いまの蓮舫代表・野田幹事長の体制で民進党が勢いを取り戻したら、2発目の爆弾が炸裂するのは秒読みとなる。

    逆にいえば、民進党の分裂が進むだけ再増税の可能性が減り、日本経済は「命拾い」することになる。

    今後の政局を見るうえで気にかかるのはマスコミの動向である。

    新聞を中心とするマスコミのなかには、消費増税に関して賛成の立場を取るものもある。というのも、増税が達成されれば、新聞への軽減税率が適用されることになるからだ。

    だからマスコミは「野党分裂」の現状よりも「自民一強」を強調することで、消費増税の議論を読者の目につかないようにしているふしがある。マスコミがやたらと野党を持ち上げているような報道が出たときは、一歩引いて見たほうがいい。

    【私の論評】自民党は人の振り見て我が振り直せ(゚д゚)!

    野田佳彦氏の有名な「シロアリ演説」の動画を以下に掲載します。



    この演説素晴らしいです。現在聴いても素晴らしいです。この演説の通りの政策を実行したら、今頃民主党は未だ政権の座についていたかもしれません。そもそも、一部のパヨクを除く多くの一般国民はまずは経済がまともであれば、政府に対してさほど不満はいだきません。多少悪かったにしても、さほどではないならば、許容します。しかし、経済が悪ければ他がどのように良くても、許容しません。

    さらに、野田氏は当時の民進党の中では、保守派とみられた人です。2012年、10月14日に海上自衛隊の観艦式に出席した当時の野田総理大臣は、自衛官に向けた訓示の中で、「一層奮励努力」等の旧日本海軍が第二次世界大戦前に使用した用語を用いていました。観艦式は神奈川県沖の相模湾で行われ、護衛艦「くらま」に乗艦した首相らが、艦艇の洋上パレードや潜水艦の潜航浮上などを観閲しました。

    これは、当時の中国に対しては、かなりの脅威でした。何しろ、この観艦式には実質空母と言っても良いような、「ひゅうが」が参加していました。

    これは、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)と呼ばれる艦です。最大積載機数は11機です。これは、当時というか現在でもまともな「空母」を作ることができない中国にとっては、かなりの脅威でしたし、さらには旧海軍の用語も用いた当時の野田総理の旧帝国海軍の用語を用いた訓示は、中国にとっては日本海軍の復活を想起させ、かなりのプレッシャーを感じていたはずです。

    まさに、この動画の通りの政策をしていたら、野田政権は長期政権になった可能性すらあります。

    しかし、そうはなりませんでした。それは、野田氏がすっかり財務省色に染まり、その結果、野田氏は完全に財務省の操り人形になり、「シロアリ演説」での意気込みがどこかに飛んでしまったからに他なりません。

    デフレの最中に、消費税増税は経済政策として、悪手中の悪手であることは言うまでもありません。これについては、ここでは詳細は説明しません。これについては、以下の記事をご覧になって下さい。
    1000兆円の国債って実はウソ!? スティグリッツ教授の重大提言―【私の論評】野党とメディアは、安保や経済など二の次で安倍内閣打倒しか眼中にない(゚д゚)!
    ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ教授
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではスティグリッツ氏が「国の借金が1000兆円ある」という主張を鵜呑みにしてはいけないと警告していることを掲載しました。

    この記事には、他の記事のリンクも含んでいます。これらの記事も読んでいただければ、日本政府の借金は、政府の資産を考慮に入れ、さらに日銀をも含む連結決算でみれば、今年からは、借金どころか黒字になり財政再建は終了するであろうことが理解できます。

    この状況では全く増税する必要はないばかりか、8%増税を実施した2014年度にもその必要性はなかったことがご理解いただけるものと思います。

    野田氏の財務省色への染まり具合は相当酷いものがあります。その実体を示すような内容もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
    臨時国会も安倍政権VS財務省 民進党の本音は消費増税優先か―【私の論評】元々財務省の使い捨て政党民進党にはその自覚がない(゚д゚)!
    参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を
    聞く安倍晋三首相(左奥右)=昨年9月28日午前
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、いかに野田佳彦氏が財務省色への染まったているかを示す部分のみ以下に引用します。

    "
    民進党と財務省といえば、民進党が民主党だったときの民主党政権の最後の、2012年の野田総理による衆院解散に関して、当時みんなの党の代表であった渡辺喜美氏が会見で興味深い話をしていました。その動画を以下に掲載します。



    この動画の7:30あたりのところから、渡辺氏が記者になぜこのタイミングでの解散になったのか、問われて以下のように話しています。
    「これは、財務省の路線そのものなのであって、とにかく新製権で、予算編成をしたいと・・・。旧政権でつくった予算をグタグタにされるのは困るという財務省の路線が、そっくりそのまま、野田総理を動かしたというだけのことですね。 
    党首会談をやったときに、もう自分は財務省に見放されているということを、はっきりと言っていました。その見放された総理が、最後まで財務省路線に乗っからざるをえないと、まあー、非常に情けない内閣ですね」。
    民主党政権時代には事業仕分けなど実は民主党時代のかなりの政策が、財務省によって計画され実行されたものです。民主党政権時代には、財務省がすすめたものは、何とか前進することができましたが、その他の政策はほとんどが頓挫したため、民主党政権は3年3ヶ月漂流していたようなものだと批判する人も大勢います。

    現在の民進党も、民主党時代のように財務省におんぶに抱っこという姿勢はあまり変わっていないようです。それは、蓮舫代表をはじめとして、党幹部の全員が10%増税に賛成なことでも十分にうかがえます。

    上の高橋洋一氏の記事では、「民進党は依然として、財源の確保に増税は不可避であるとの方針を持っているが、いまの蓮舫代表・野田幹事長の体制で民進党が勢いを取り戻したら、2発目の爆弾が炸裂するのは秒読みとなる」としています。

    現在の民進党でまともな経済観を持っているのは、馬渕議員だけです。実は、もう一人金子洋一氏もまともな経済観をもつているのですが、残念ながら直近の参議院選挙で落選してしまいました。

    自民党ですら、安倍総理と一部の側近とその他のほんの一部の議員だけが、まともな経済観を持っているのですが、その他は民進党の議員とさほど変わりません。だから、こそ安倍総理大臣自信は8%増税には反対だったにもかかわらず、財務省をはじめ与野党の議員のほとんどが8%増税推進派であったばかりか、マスコミから識者まで諸手を挙げて推進しました。

    しかも、彼らは8%増税しても日本経済への影響は軽微であるとしたため、安倍総理は8%増税を決断せざるを得なくなり、実施した結果が大失敗でした。


    2014年4月に行われた8%増税の影響で、日本経済が大打撃を受けてました。1997年の増税時と比較してみると、倍以上も消費が落ち込んだのです。これはかつて無いほどの事態で、リーマンショックや東日本大震災というような外的要因を除けば、戦後史上最悪の値となりました。その後も、個人消費は十分に回復せず、GDPの低迷は続いています。

    これに不信感を抱いた安倍総理は以降、10%増税は絶対にしないという方針で臨んでいます。

    しかし、以上にあげたように現在の自民党の状況は、安倍総理とその側近と一部の議員だけが増税に反対であり、その他の議員は、民進党の愚鈍な議員と同じく増税推進派です。無論、安倍総理が増税反対なので、内心は増税賛成なのですが、安倍総理に従っているだけです。

    このままでは、ポスト安倍とはいっても適切な人材が存在しません。自民党の議員らも、現在の民進党の危機的状況はどうして発生したのか真摯に受け止め、勉強し、まとも経済観を持つか、それができないまでも、こと経済に関しては、予測が当たっていない財務省や官僚の言うことなどは無視して、とにかく過去の経済予測があたっている人の意見を尊重するようにすべきです。

    そうでないと、いつ自民党も民進党と同じく衰退するかわかりません。実際、自民党は民主党に政権交代されているではありませんか。第一次安倍政権の時にも、経済を重視しなかったために、安倍政権は崩壊しました。

    その時のことを真摯に反省した安倍政権は、第二次安倍政権では経済を最優先させています。

    今のまま、安倍総理が辞任したとしてら、たちまち自民党も衰弱します。おそらく、また短期政権が何度か続き、政権交代前の民主党のように、10%増税はしない、官僚を退治することを主張する政党に負け再び下野することになります。

    まさに、今の自民党は人の振り見て我が振り直せという格言を思い出すべきなのです。

    【関連記事】



    2017年3月20日月曜日

    【産経・FNN合同世論調査】内閣支持率57.4% 自民党↑38.0%、民進党↓8.4%― 【私の論評】"やるべきこと・やりたいこと・できること"を峻別できない篭池氏と野党(゚д゚)!

    【産経・FNN合同世論調査】内閣支持率57.4% 自民党↑38.0%、民進党↓8.4% 



     産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が18、19両日に実施した合同世論調査によると、安倍晋三内閣支持率は57.4%で、2月18、19両日の前回調査から1.4ポイント減った。不支持率は30.9%(前回比0.8ポイント増)だった。

     政党支持率は、自民党が前回比1.1ポイント増の38.0%で、民進党は同2.4ポイント減の8.4%だった。その他は、公明党4.5%▽共産党3.8%▽日本維新の会3.6%▽社民党0.4%▽自由党1.1%▽日本のこころ0.2%-だった。「支持する政党はない」とする無党派層が37.9%にのぼった。

     大阪市の学校法人「森友学園」に国有地が評価額より大幅に安い価格で売却された問題で、政治家らの介入はなかったとする政府の説明について「納得していない」とした人が84.7%を占め、「納得している」の10.0%を大幅に上回った。このため、衆参両院で23日に行われる籠池泰典氏の証人喚問だけでなく、土地取引の関係者らも国会で説明を求めるべきだとの声が84.7%に達している。

     また、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報が陸上自衛隊には残っていないと説明していたにもかかわらず、保管されていた問題で、保管の事実を知らなかったとして徹底調査に乗り出した稲田朋美防衛相の対応についての考えも聞いた。「説明責任を果たすべきだ」が55.0%で、「閣僚としての資質に問題があり辞任すべきだ」は35.9%、「これまでの稲田氏の説明に問題はない」は6.5%だった。

     民進党など野党は国会で森友学園をめぐる問題と、南スーダンPKO派遣部隊の日報問題などで、安倍政権への追及を強めている。世論調査では政府へのさらなる説明を求める声が多いが、安倍首相の政権運営が揺らぐほどまでの「支持離れ」は起きていないことがうかがえる。

    【私の論評】"やるべきこと・やりたいこと・できること"を峻別できない篭池氏と野党(゚д゚)!

    冒頭の記事で、民進党などの野党は国会で森友問題や南スーダンのPKO派遣部隊の日報問題などで、安倍政権への追求を強めているものの安倍首相の政権運営が揺らぐほどの「支持離れ」は起きていないことがうかがわれるとしています。

    まさに、そのようです。政党支持率に関しては、自民党が前回比1.1ポイント増の38.0%で、民進党は同2.4ポイント減の8.4%でした。民進党は、国会であれだけ追求していながらも、支持率が下がっています。

    これは、どうみても、国民のことなど二の次で、三の次、四の次で、まともな政治課題などそっちのけで、何でも「政局、政治利用」という民進党をはじめとする野党の姿勢が多くの国民に見透かされているからに他なりません。

    私自身は、最近では国会中継を見るのが苦痛になってきました。野党が何を考えているのか、あまりにもわかりやすく、安直で、まるで低級バラエティー番組でも見ているかのような気分になるからです。

    ここしばらく、本来、予算、安全保証、経済など重要な問題があるにもかかわらず、これらについてはほとんど民進党などの野党はほとんど触れることもなく、日がな一日、森友問題などを国会で質問したりして、与党側まで森友問題に拘泥せざるを得ない状況をつくりだし、まるで馬鹿丸出しか、認知症なのかとでも言いたくなるような茶番劇を繰り返してきました。

    そうして、この茶番劇は最後まで茶番劇のまま終わる可能性が大きくなってきました。

    学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池泰典理事長が爆弾発言した安倍晋三首相(62)の“100万円寄付疑惑”がコントのようなオチで終わる可能性が出てきました。

    昭恵夫人
    現在100万円は2015年に同校で講演した昭恵夫人(54)のギャラの返上分という説が浮上しています。それを籠池氏が寄付と解釈した可能性があるというものです。 

    これを聞いた野党は23日に衆参両院で開く籠池氏の証人喚問を前にトーンダウンしました。結局“籠池氏の一人芝居”だったということになりそうです。。

    「安倍首相から100万円の寄付金をもらった」という“籠池爆弾”が炸裂した16日、永田町は蜂の巣をつついたような騒ぎとなりました。
     
    籠池氏によれば、15年9月5日に昭恵夫人が講演で幼稚園を訪れた際「どうぞこれをお使いください」と100万円を差し出し、 籠池氏が「どなたからですか?」と聞くと、夫人は「主人からです」と返答。領収書については「いや、それは結構です」と断ったというのです。

    一方で、籠池氏が所有する寄付金の帳簿には同日たしかに「100万円」の入金記載はあるのですが、「安倍晋三」の名前はありませんでした。ネット上では「これでは証拠にならない」との指摘が相次いでいました。 

    篭池氏の不可解な言動・・・・・・
    そこでノンフィクション作家の菅野完氏(42)は17日、ネット上で新たな物証を提示。籠池氏が9月7日に100万円を銀行に入金した際に記載した振込票で、依頼人の欄には「(学)森友学園」とあるのですが、その上に「匿名」「安倍晋三」と書いたあとに修正した形跡が残っていました。
    籠池氏は本当は「安倍晋三」の名前で振り込みたかったが止められ、「匿名」でも修正し、最終的に「(学)森友学園」になったといわれています。

    23日には籠池氏の証人喚問が開かれます。 安倍首相は17日、衆院外務委員会で一連の疑惑を完全否定しました。

    いま巷で言われているのは、100万円は昭恵さんの講演のギャラだったという説です。
    籠池氏から講演料100万円を一旦受け取ったあと「どうぞ、これは学校のためにお使いください」と返金。 籠池氏がそれを『寄付』と解釈した可能性があるというものです。

    これは、私も以前から漠然とそうではないかと思っていましたし、複数の人がこれを語っています。たとえば、池田信夫氏もこのような説を唱えています。

    馬鹿な野党議員のなかには、この話を聞き「一旦もらっているのだから、寄付に該当する。これで安倍首相は終わりだ」と小躍りしている者もいるそうですが、世間をバカにしてはいけないです。世間一般常識では、これは寄付とはいいません。

    篭池氏は、事実と自分の頭で考えたこととの区別がつきにくい人物なのかもしれません。巷には、篭池氏に限らず、「やるべきこと・やりたいこと・できること」これらを明確に峻別できない人が結構いるものです。

    これを少し整理すると以下のようなことになるものと思います。

    「やるべきこと(must)=今の環境で自分の果たすべき役割」

    「やりたいこと(want)=理屈ではなく感情的に自分が望む事」

    「できること(can)=いまの自分の経験や能力から実行可能なこと」



    そうして、成長するのは「やるべきこと」を出発点に仕事が出来る人だと思います。「やるべきこと」を出発点として仕事を必死にこなしていると、少しずつ「できること」が
    増えてきます。そうすると、新しく「やりたいこと」が見えてきて、それを実現するための力も「やるべきこと」を通じて身に付いているので、出来るようになっています。

    そうして基礎体力が出来てきた中ではじめて「やりたいこと」に取り組み始めると、その成功に向けて、さらに「やるべきこと」に気づくようになります。そうすると、「やるべきこと」「やりたいこと」「できること」が全て成長し、社会人としての枠が拡がることにになります。

    これらのことを明確に峻別できなければ、人は成長しません。篭池氏もこの部分が徹底的に欠けていて、歪な成長をして、現在では年齢も重ねたため、もう修復不可能なのだと思います。

    現在の民進党の議員なども、篭池氏と似たような傾向があります。民進党の議員らは、「やるべきこと=予算審議などまともな国会審議をすること」「やりたいこと=安倍政権を追い詰めて、民進党が躍進すること」「できること=国会で森友問題で安倍総理を追求」の区別がついていないようで、「できること」ばかりに時間を費やして「やるべきこと」をないがしろにしています。

    これでは、社会人としても、国会議員としても、政党としても失格です。

    【私の論評】


    2016年12月31日土曜日

    【政治デスクノート】自民党に異変 “シルバー政党”化が進む民進党を尻目に若者の支持を獲得―【私の論評】何をさておいても雇用情勢さえ良ければ、良しとせよ(゚д゚)!



    自民党が最近おかしい。産経新聞社は毎月、フジニュースネットワーク(FNN)と合同で世論調査を実施しているが、このところ自民党支持層が若返っているのでは!?と感じる。自民党といえば「高齢」「地方」のはず。支持者を集めた会合などを取材すると“加齢臭”が渦巻いていたのに…。自民党の「1強多弱」と呼ばれる状況は、どうやら若者の支持拡大が背景にありそうだ。

       内閣支持率を若者が牽引

     安倍晋三内閣の支持率を世代別にみると、このところ20代(18、19歳含む)の支持率が高い。特に今年9月は68・6%に達し、その後も60%以上の高支持率をキープ。直近の12月17、18両日実施の調査では、全体の支持率55・6%だったが、20代の支持率は63・6%もあった。

     過去3年間の年ごとの平均をみても、平成26年は53・5%(全体51・7%)で27年が52・1%(47・4%)。今年は58・4%(52・5%)に跳ね上がっている。最近の安倍内閣の支持率は若い世代が牽引しているといっても良さそうだ。

     ただ、20代の支持率は独特な動きをみせる。60代以上の高齢者は比較的安定しているが、20代は1カ月で一気に10ポイント前後の急上昇、急下落をすることが珍しくない。他の世代が軒並み上がっているのに、20代だけが下落しているときもある。

      「期待」と「醜聞」

     20代の支持率が急上昇するのは内閣改造の後が目立つ。新しい顔ぶれとなった内閣への「期待」が支持率につながっているからにほかならない。

     ただ、平成26年10月の調査だけは、9月に内閣改造をしたにもかかわらず、10ポイント近く急落した。このときは、経済産業相だった小渕優子氏の「政治とカネ」の問題と、法相だった松島みどり氏の「うちわ配布」問題などが浮上し、2人とも1カ月半ほどで閣僚辞任を余儀なくされた時期と重なる。

     若者は「期待」が大きい分、スキャンダルに敏感で失望に変わるのも早いようだ。特に「政治とカネ」の問題は「古い政治」体質と映るのか、敬遠する傾向が強い。

     実際、平成27年2月の内閣支持率は、26年12月の衆院選とその後の内閣改造などで政権運営に勢いがつき3調査連続のアップとなったが、20代の支持率だけが失速。農林水産相として初入閣した西川公也氏の政治献金問題が連日報じられていた時期だった。

     また、28年5月の調査でも、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)開催とオバマ米大統領の広島訪問などで内閣支持率が上昇したにもかかわらず、20代だけは下落している。この時期は、自民党が支援した舛添要一東京都知事の公私混同疑惑がメディアを賑わせていた。

      自民党支持層の若返り

     では、自民党支持層も若返っているのか-。

     今年12月の調査では、自民党の支持率は40・7%。支持層の世代構成をみると、60歳以上が41・0%を占め、50代14・0%▽40代14・3%▽30代13・5%▽20代17・2%-だった。平均年齢は53・13歳で、やはり自民党支持層の主軸は60歳以上の高齢者といえる。

     若返りは気のせいだったのか…。ただ、過去3年の傾向を分析すると、どうやらそうでもなさそうだ。

     自民党支持層に占める60代以上の割合は、平成26年が平均42・7%で、27年は42・4%。28年が41・9%となり、わずかだが右肩下がりが続いている。逆に20代の割合は、26年が平均11・8%、27年は11・9%で、28年は14・4%だった。今年1年で2ポイント以上も増えているのだ。

     「期待」「醜聞」で揺れながらも、安倍内閣の若者人気と連動するように、じわじわと高齢者のシェア率が減る一方で、若者の支持が増えている。

       民進党は“シルバー政党”化

     逆に、支持層の高齢化が進んでいるのが民進党だ。今年12月の調査で、民進党支持層の60歳以上の占める割合は、62・0%に達した。共産党の60・5%も上回っている。旧民主党政権時代は50%前後で自民党と大差なかったが、徐々に増加。右肩上がりを続け、最近は60%前後で推移している。

     特に今年は、山尾志桜里前政調会長が事務所経費として多額のタクシー代を支出していた問題や、蓮舫代表の日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」疑惑などが相次ぎ、自民党のお株を奪うほどだ。

     これでは、蓮舫代表が「酉年には大きな政治的な動きがある。29年は衆院解散・総選挙とも言われている」と選挙戦への決意を表明したところで、まだまだ党勢拡大は厳しい。

    【私の論評】何をさておいても雇用情勢さえ良ければ、良しとせよ(゚д゚)!

    上の記事の、分析で決定的に欠如しているのが、なぜ若者が自民党を支持するようになったのかというところです。

    上の記事でも、「期待」によって支持率が伸び、「醜聞」によっては、下がるとしていますが、その「期待」の中身は何なのかについては、触れられていません。

    上の記事では、「期待」は新しい内閣の顔ぶれだとしていますが、顔ぶれが新しくなっても、根本的に何かがなければ、「期待」のしようもありません。

    その根本的何かとは何なのでしょうか。それは、他党と自民党と決定的に違うものでしょう。それは、経済対策ではないかと思います。

    その中でも、財政政策は増税という緊縮財政策をとったために大失敗し現状でもGDPの伸びは低迷し、デフレに戻る一歩手前の状況ですが、金融政策においては、緩和策をとったため雇用状況がかなり改善しています。

    このブログでも何度か強調していますが、雇用と金融政策は、密接に結びついています。日本や米国のくらいの規模の国であれば、物価を数%上昇させただけで、他は一切何をせずとも、一夜にして数百万人の雇用が生まれます。これは、マクロ経済学条の常識です。

    それは、フィリップス曲線を見れば、誰にでも理解できます。フィリップス曲線(フィリップスきょくせん、英: Phillips curve)は、経済学においてインフレーションと失業の関係を示したものです。アルバン・ウィリアム・フィリップスが1958年の論文の中で発表したました。

    縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとったときに、両者の関係は右下がりの曲線となります。フィリップスは、初めて発表した時は縦軸に賃金上昇率を取っていましたが、物価上昇率と密接な関係があるため、縦軸に物価上昇率を用いることが多いです。

    これは、インフレ率が高い状況では失業率が低下し、逆に失業率が高いときはインフレ率が低下することを意味します(インフレーションと失業のトレードオフ関係)。

    このことをしっかり理解して、金融緩和を実施したのが、安倍政権です。これを全く理解できず、金融緩和を評価しないのが民進党です。

    以下にフィリップス曲線の模式図を掲載します。


    さて、実際の日本のフィリップス曲線を以下に掲載します。


    さて、このグラフは、1980年〜2014年までの日本のフィリップス曲線です。デフレ期である1996年〜2013年までの失業率の高さがはっきりと分かります。フィリップス曲線は、

    1997年にフィリップス曲線は、別次元にシフトしましたた。この時に何が起きていたのでしょうか。96年から97年にかけての公共投資の抑制と97年4月の消費税率引き上げという財政面からの引き締めが景気を抑制しています。まさに橋本内閣による構造改革がデフレ日本を切り開いたということです。

    さて、2014年には、この曲線がまた別次元にシフトしました。この時何が起こっていたかとえいば、安倍内閣になって2013年に実施された日銀による包括的金融緩和策が実施されてから1年が経過しています。金融緩和策が功を奏して、インフレ率が上昇し、失業率が低下しています。

    このグラフは、2014年までしか掲載されていませんが、最近のグラフをみると、さらに1980年の時点に近づいていることがわかります。



    そうして、今年の春の就職率はどうだったかといえば、以下のような状況です。

    これをご覧いただければ、なぜ若者が安倍政権を支持するのか良くご理解いただけるものと思います。民主党政権時代は大卒就職内定率57.6%でした。雲泥の差です。

    この数字の違いは、ここ数年実際に就活をした人なら身にしみて理解できるはずです。私は、企業で人事を担当していたこともありますから、この違いは良く理解できます。

    特にデフレのときには、まさに人事としては選び放題という有様でした。そうして、気になったのは、実際に入社してきた新人の様変わりでした。

    国立大学の大学を卒業して、別のこれも国立大学の大学院を卒業した、女性社員は卒業と同時に奨学金で数百万円の借金を背負っていました。その後知ったのですが、このような人は珍しくはありませんでした。

    ある男性社員は、比較的家が裕福なのか、奨学金はもらわず、親の仕送りで学費を賄ったようでしたが、アルバイトはしていました。

    ところが、驚いたのが、大学4年間を札幌で過ごしたにもかかわらず、一度もあの大歓楽街のすすき野に飲みに行ったことがないという話を聞いたときです。飲むのはほとんど、家飲みだったと語っていました。車などとても買うような余裕などなかったようです。

    彼が、学生時代を過ごした時は、民主党政権で、デフレ・スパイラルのまっただ中で、就活も非常に大変な時期でした。デフレは、これほど若者を苦しめているのかと、当時驚嘆したものです。

    このようなことは、自分が経験しなくても、実体験は次々と後輩に受け継がれていくでしょうし、大学や高校の就職担当の先生方にも次々と受け継がれていくことでしょう。それよりも、何よりも内定率とか、就職率という形で情報が学校に残ります。

    だから、若い人たちが、安倍政権を支持するというのは、良く理解できます。これに対して、シルバー層は、これから就職して、長い間努めるということはないので、雇用環境が良くなっても自分たちにはあまり関係ないので、アベノミックスなど眼中にないのでしょう。

    しかし、これは日本の政治に深刻な影を落としています。何しろシルバー層は、若者層より人口が多く、さらに投票率も高いという実体があります。このあたりが、来年早々の衆院解散はないであろうことの、根拠にもなっていると思います。


    今年の参院選から18歳から投票できるようになりましたが、若者の投票率は依然として低いです。若者は、自分たちの意思を政治に反映させるためにも、投票に行くべきです。

    ※単位は万人※18歳19歳の投票率は 今年の参議院選挙の速報値から※その他の年代の投票率は未だ出ていないため、前回の参議院選挙の投票率を適用
    それにしても、私自身は当然若者ではないのですが、会社で人事を担当したり、その後役員になったときも、その時々の雇用状況は、企業経営において重要な要素なので、民主党政権時代よりは、現状のほうがはるかに若者にとって良いであろうことは想像できます。

    シルバー層も、自分たちの子どもや孫、あるいは親戚の子どもや孫が、まともに就職できないような世の中は、決して望まないだろうとは思うのですが、やはり自分に直接関係ないとそうは思えないのかもしれません。

    シルバー層も、長い間続いたデフレによって、多くの人が経済的に余裕がなく、若者にまで気を配る余裕もないのかもしれません。

    経済政策を見る尺度は、いろいろなものがあります。そうして、様々な尺度があり複雑です。しかし、一つだけ言えることがあります。それは、何をさておいても、雇用状況がよけば、良しとしなければならないということです。

    逆に、雇用状況が悪ければ、他の経済指標が良かったにしても、社会は不安定になります。雇用が確保されてこそ、活気ある社会が期待できるのです。

    来年は、安倍政権も、機動的財政政策に着手し、さらに量的金融緩和も実施し、短期間で経済を本格的に建て直し、シルバー層にも支持されるようになっていただきたいものです。

    残念ながら、マクロ経済音痴の民進党には、ほとんど期待していませんが、少なくとも、マクロ経済的知見を身につけて、安倍政権と経済面でまともに渡り合えるように成長していただきたいです。そうして、まともに野党としての役割を担っていただきたいものです。

    今年も、後残りわずかとなりました。本年中は、大変お世話になりました。良いお年をお迎え下さいませ。

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    2016年3月22日火曜日

    ネーミング効果でマクドナルドに負けた「民進党」―【私の論評】自民党の劣化コピーである民主党の本質はさらに劣化して民進党に引き継がれた(゚д゚)!

    ネーミング効果でマクドナルドに負けた「民進党」

    マクドナルドはいろいろ揶揄されながらも、ハンバーガーのネーミング募集を行ったことも効を奏し、全店売上が1月前年比30.9%増、2月24.5%増と結果を出しています。たとえ評価されなくとも、注目を集めることがマクドナルドには必要だったのでしょう。嫌われるよりも忘れてしまわれるほうが怖いということでしょうか。さて民主党と維新の合併による党名変更のプロモーション効果はどうだったのでしょうか。

    マクドナルドのハンバーガーネーミング募集で決定された名前 写真はブログ管理人挿入
    FNNの調査で、民進党に「期待しない」が68.6%と多数を占め、ネガティブな反応だったことは誰もが予測していたことだと思います。それはそうとして、実は民主党も維新も、また両党の合併もまったく注目されず、話題にならなかったはずが、新しい党名を求める維新のゴリ押しを民主党が飲んで、世論調査まで行って決めたことで、マスコミへの露出頻度があがったはずです。

    さて、その効果がどうだったのでしょうか。それは、「期待するか」「期待しないか」ではなく、民主党から民進党に変わって支持率があがったかどうかで見たほうが適切だと思います。それで民主と維新の支持率の変化を見てみました。

    FNNの直近3月の調査では支持率が12.8%といちおう合併、党名変更前よりもわずかですが支持率は上昇しており、いちおうの効果はあったように見えます。しかし、グラフに示したように維新分裂前の、民主と維新の支持率合計にはほど遠く、期待値の低さから見ると、瞬間風速で終わってしまいそうです。



    【本社・FNN合同世論調査】内閣支持率、微減の46・3% 政党支持率は自民36・7%、「民進党」は12・8% 「民進党に期待しない」68・6%(1/2ページ) - 産経ニュース

    この間の動きを見ると、戦術・交渉力としては民主党よりも維新が長けていて、民主党がいいように維新の生き残り策として利用された恰好になっています。いかにも民主党執行部の戦略不全、状況対応力の欠如を象徴しているようです。

    いまは目先の議席数にこだわっても、小選挙区制の下では、一回の選挙で、風の吹きようで数は激変します。それよりは誰を支持層とし、それらの支持層にとって、どのようなビジョンと政策をだせるかどうかを固めるというのが競争戦略としては王道なはずです。

    戦略もなく、戦術を駆使する能力もないとなると、政権交代の可能性による拮抗力どころか、野党として政権をチェックする力も期待できません。議員としてどう延命するのかで策を弄しているとしか見えない状態では、まもなく、民進党の存在意義はなにかが問われてくることは間違いないと思います。

    【私の論評】自民党の劣化コピーである民主党の本質はさらに劣化して民進党に引き継がれた(゚д゚)!

    マクドナルドは、ネーミング募集キャンペーンで成功し、業績が上向いています。このネーミングのハンバーガー私も、食べてみましたが、結構美味しかったです。食べ物ですから、最低限美味しくないと駄目ですね。

    いろいろキャンペーンをやったにしても、ハンバーガー自体が美味しくなければ、実施しても売上は伸ばすことはできないと思います。これは、最低限必要なことで、その上で様々な販売促進策などがうまくいくのです。

    マクドナルドのネーミングキャンペーンでは商品はすでに決まっていて、名前だけがきまっていな
    かった。しかし民進党のネーミングキャンペーンでは商品が決まってないうちから名前を募集した?

    それでは、ハンバーガーの世界では、商品そのものが美味しいということは、政治の世界では何に当てはまるのでしょうか。

    それは、当然のことながら、政党の綱領であり、綱領に基づいて打ち出される政策や、その政策を実現するための法案であり、商品が美味しいということは、綱領や政策が、有権者にとって現実的でありかつ、望ましく希望を持たせるものであるということです。

    では、民進党の綱領とはどのようなものなのでしょうか。さて、それでは民進党の綱領とはどのようなものなのでしょうか。これについては、まだはっきりとは決まってないようです。

    綱領について、はっきりしているのは以下のことくらいです。
    民主党と維新の党は、27日に結成する民進党の綱領について「立憲主義を守る」などと明記することを了承しました。 
    綱領ではこのほか、原発に頼らない社会を目指すことなどを盛り込んでいます。原案での「2030年代原発稼働ゼロを目指す」は盛り込まれませんでした。また、規約では、初代代表の任期を「今年9月末日まで」とすることや、代表のリコール規定について、国会議員と地方議員らの半数が求めた場合、代表を解任できるとしています。
    さらに、党の政策を決める「次の内閣」の閣僚に、国会議員だけでなく民間人を起用できる規定を盛り込みました。再び政権を担う時にスムーズに移行する狙いです。綱領や規約は27日の結党大会で正式決定します。 
    また、民進党の英語名は「The Democratic Party」とし、直訳すると、これまでの民主党と同じ意味にすることを決めました。 
    綱領、規約案は27日の結党大会で正式決定するそうです。
    さて、このことからもわかるように、まだはっきりとは決まっていないということです。具体的には、「立憲主義を守ることと、原発に頼らない社会を目指す」ということです。

    次に、目玉の政策はどのようになるかということも、未だはっきりとは決まっていませんが、どのようなものが出てくるのか、現時点でわかっていることのみ、以下に掲載します。

    民主党と維新の党は選挙を戦うために合流したのでしょうが、果たして政策面で両党は合致しているのでしょうか。

    民主党と維新の党は、安全保障に関してはそれほど大きな政策の違いはありません。

    例えば、安保関連法について、両党は「後方支援はするが、周辺事態法の枠だ」と主張しています。周辺事態法とは、日本周辺の地域で、日本の平和や安全に大きな影響を与える事態が起こった場合、自衛隊が米軍に行える後方支援の内容を定めたものです。

    安倍内閣は周辺事態法を改正しましたが、民主党、維新の党とも「周辺」を外して、安倍政権は地球の裏側まで行けるようにしたと主張しています。しかし、現状では、行けるという可能性は、否定できないだけであり、今の法体系では、それは現実には不可能です。しかし、民主党と維新の党は、どんな場合であっても「周辺」以外には行けないようにすべきであり、それが自民党との大きな違いであるかのように強弁しています。

    さらに、集団的自衛権の行使についても、今のところ、民主・維新は「米艦防護」は認める方向で考えています。朝鮮半島で戦争が起こった場合、参加した米艦が北朝鮮や中国から攻撃されたときに、日本は防護するというものです。これも、法案審議のときとは矛盾しているようです。審議のときは、何が何でも反対としか聞こえませんでした。

    そうして、これが唯一の「集団的自衛権の行使」だと言っています。つまり、ホルムズ海峡での機雷掃海などを含むその他の行使は一切認めないというものです。しかし、これでは、先日も述べたように、もしトランプが大統領になったとしても、あるいは別の候補がなったとしても、集団的自衛権の片務性として、今後アメリカから批判の対象になる可能性が大です。

    昨年決定された安保関連法案

    次に経済対策ですが、これは党内一致をみていないようです。特に民主党内での不一致があります。

    民主党内部にはアベノミクスの失敗したとする一派がいます。そうして、これが貧富の格差を広げたいう意見があります。だから次の選挙では、政策に「経済の成長」ではなく、「格差是正」を入れ込むべきだというのです。

    エコノミストの水野和夫氏は、「もはや日本に成長はない。資本主義は終わりだ」と述べていますが、こうした考えに賛同する勢力は民主党には少なからず存在しています。成長は厳しいのだから、格差是正や資源の分配を重点的に考えるべきだというわけです。

    しかし、一方で同じ民主党内で、「経済の成長」を入れ込むべきだという意見もあります。経済は生き物だから、成長を考えなければ格差是正もできない。さらには、「格差是正」を強調し、「資本主義は終わり」という考え方は、あまりに左翼的過ぎるというものです。

    しかし、現実には、金融緩和はかなり功を奏して、雇用状況は良くなっています。はっきりとそれが、統計数値上に現れています。唯一の失敗は、8%増税です。このことをはっきりと認識している議員は、金子洋一参議院議員などごく少数です。

    安倍政権になってから、金融緩和で雇用状況が良くなっているのは一目瞭然

    このように、民主党内部では「経済政策」という点で完全に二つに割れています。果たしてこの状態で、維新の党と合流した民進党として、まともな経済政策をまとめることができるのでしょうか。

    特に、維新の党の江田憲司は、かつて『財務省のマインドコントロール』という著書を書いたこともある人です。彼は、増税には反対でしょう。増税するしないは、次の選挙で大きな争点になる可能性が大です。

    その他は、目玉政策について、何も見えてきません。

    現状は、このような状況です。

    マクドナルドのハンバーガーとは随分違います。マクドナルドの場合は、すでに商品ができあがっていて、それに名前をつけるというキャンペーンを行いました。

    民進党の名前のつけかたは、マクドナルドであれば、商品がまだほとんど決まっておらず、北の食材を用いる新商品というくらいのことしか決まっていない時期に、ネーミングキャンペーンを行っているようなものです。これでは、新党のキャンペーンもうまくいくはずがありません。

    本来であれば、綱領も骨子は出来上がっていて、それに基づいた、有権者がを惹きつける目玉政策も概要はできあがっていて、それらを公表したその上で、ネーミングを募集すべきでした。

    そうして、綱領や目玉政策も、当然のことながら、美味しいもの、有権者にとって希望が抱けるような内容にすべきでした。

    しかし、これでは全く順番が違います。これでは、上記のようにネーミングの変更をしても、マクドナルドのように、業績を伸ばす、政治でいえば、支持率などが上がるということにつながらないのは当然のことです。

    順番が違うということは、民主党では以前にもこのブログに掲載したことがあります。それは、民主党の公募のポスターです。以下に、その記事のリンクを掲載します。
    <民主党>自民党政権と対決する覚悟ある人公募―【私の論評】キャッチをみれば、民主党の末路が見える(゚д゚)!
    この記事に掲載した、民主党の公募のサイトのキャッチコピーは以下のようなものです。

     

    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で私は民主党のこのキャチコピーに関して掲載しましたが、結論は以下のようなものです。
    結局自分たちは何をしたいのか、日本という国をどのようにしたいのか、全くそれがみえてきません。だから、先にあげた、人材募集においても、あのような到底理解しがたい、まるでブラック企業のようなキャッチ・コピーしか出来ないのだと思います。 
    民主党政権の三年間も酷いものでした、結局何も決められず漂流していただけです。 
    キャッチコピーをつくるのは、おそらく民主党でも、他の党でもその道のプロが作成するのだと思います。そうして、作成するときには、幹部などから民主党をどのようにしたいのかとか、日本をどうしたいのかということをインタビューし、その他要望も聴き出すでしょう。誰が作成するにしても、キャッチコピーをつくるには、この手続きは欠かせません。 
    しかし、民主党には明確なそれがなかったので、キャッチコピーもあのようなものになってしまったのだと思います。 
    もう民主党の行く先は、見えてきたようです。結局、安倍総理個人や、自公政権に対してネガティブ・キャンペーンばかり繰り返し、衰退して過去の社会党のようになるのが関の山です。
    民主党は、今年に入ってから以下の様ポスターも作成しています。


     

    公募のキャンペーンサイトと同じく、これも自虐的です。キャッチコピーでも、ポスターでも、結局自分たちは何をしたいのか、日本という国をどのようにしたいのか、全くそれがみえてきません。

    そのような状態で、コピーやポスターなど作成しても、まともなものができるはずがありません。

    それは、民進党にも引き継がれているようです。そもそも、党名を決めるのに、綱領も目玉政策もはっきり決まってない状態で作成するのですから、一体どうなっているのかと言いたいです。順番が狂っています。

    結局、民進党も単なる選挙互助会に過ぎないのだと思います。そんなことをいうと、自民党もそうなのですが、民主党はもともと自民党のコピーのような政党であり、しかも、コピーした分だけ、劣化していました。この劣化コピーは、さらに劣化コピーされて民進党にも引き継がれたようです。

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    2016年1月2日土曜日

    249人が出馬準備=自民、単独過半数も視野-今夏に参院選―【私の論評】慰安婦問題など当面脇に置け!まずは衆参同時選挙で似非リベラル・左翼を駆逐せよ(゚д゚)!

    249人が出馬準備=自民、単独過半数も視野-今夏に参院選

     第24回参院選が今夏行われる。時事通信の調べでは、121の改選議席に対し、2日現在で249人が立候補を準備。前回2013年に大勝した自民党は27年ぶりの単独過半数も視野に入れるのに対し、民主党は野党共闘を通じて「自民1強」に歯止めをかけたい考え。選挙権年齢引き下げに伴い初めて投票に参加する18、19歳の動向も注目を集めている。

    参院選は、選挙権年齢「18歳以上」を定めた改正公職選挙法が適用可能となる「6月23日公示、7月10日投票」以降の日程となる見通し。今回、定数是正により憲政史上初めて「鳥取・島根」と「徳島・高知」がそれぞれ合区され、選挙区は47から45に減少。宮城、新潟、長野の定数が各1減り、改選数1の「1人区」は前回の31から32に増える。一方、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡は1ずつ増え、「複数区」のうち改選数3以上の選挙区は6から9となる。

    自民党の非改選議席は65で、改選50議席に7上乗せすれば単独過半数(122議席)となる。候補者の擁立作業は順調に進み、唯一、未定の三重も近く内定する見通し。改選数3以上の選挙区のうち、北海道と千葉で2議席獲得を狙い、東京、神奈川でも2人目の擁立を模索している。公明党は選挙区7人、比例代表6人の計13人全員の当選が目標だ。

    前回、結党以来最低の17議席(選挙区10、比例7)だった民主党は、勝敗を左右する1人区で野党候補が競合し、自民党を利するのを避けるのが基本戦略。これまで1人区に民主党系の無所属8人を擁立し、このうち熊本では野党各党が推す「野党統一候補」を実現させた。ただ、全体としては擁立作業は遅れ気味で、1人区は無所属を含めても12が未定だ。

    共産党は、候補を取り下げた熊本を除き、42選挙区で既に公認を決定。野党統一候補の実現に向け、今後も積極的に取り下げに応じる構えだ。

    おおさか維新の会と維新の党は、分裂騒ぎの影響で公認はゼロ。おおさかは年明けに公募を行い、近畿の2府4県とその他の複数区を中心に候補を立てたい考え。維新も複数区への擁立を模索する。社民党は選挙区2人、比例2人の計4人を公認。元気、日本のこころ、生活、改革の野党各党はいずれも公認を決めていない。 

    ◇立候補予定者の内訳(2日現在)
    各党現有議席           立候補予定者
    改選  非改選     計   選挙区  比例代表     計
    自民     50   65   115    46    23    69
    民主     42   17    59    26    20    46
    公明      9   11    20     7     6    13
    共産      3    8    11    42     8    50
    おおさか維新  2    5     7     1     2     3
    維新      4    1     5     1     4     5
    元気      2    3     5     2     1     3
    日本のこころ  1    3     4     1     0     1
    社民      2    1     3     2     2     4
    生活      2    1     3     1     1     2
    改革      1    0     1     0     1     1
    諸派      0    0     0    39     1    40
    無所属     3    6     9    12     0    12
    計     121  121   242   180    69   249

    注=参院会派離脱中の山崎正昭議長、輿石東副議長はそれぞれ自民、民主に含めた。元気に離党届を提出した井上義行氏は受理されていないため、元気とした。(2016/01/02-16:05)

    【私の論評】慰安婦問題など当面脇に置け!まずは衆参同時選挙で似非リベラル・左翼を駆逐せよ(゚д゚)!

    ブログ冒頭の記事では、参院選のことのみをとりあげていますが、このブログでは、昨年より何度か掲載してきたように、今年は参院同時ダブル選挙になる可能性が非常に高いです。

    これに関しては、小沢一郎氏もそのように考えているようです。それについては、本日のニュースでも触れられていました。その記事のリンクを以下に掲載します。
    「選挙のための野党連携で何が悪い!」 民主、維新からも“小沢シンパ”が出席
    新年会で乾杯をする、生活の党と山本太郎となかまたちの
    小沢一郎代表(右)と、山本太郎共同代表ら=1日午後、東京都世田谷区深沢
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、小沢一郎氏の発言として、以下のように締めくくられていました。
    それに付け加えて申し上げますと、最近、この元日にも一部メディアが報じていますけれども、衆参のダブル選挙ということが少しずつ現実味を帯びてきたと思います。私は、今の野党の状況でいけば、ほぼ、ダブル選挙の可能性が強いのではないかなという気が最近してきております。 
    そういう意味で、参院を目指す人だけではなくて、衆院を目指す人も、あと半年ですから、ぜひ全力で。野党協力がどうなんだとか、そんなことを思い煩っていたんでは、もう政治活動できない。どうなろうがこうなろうが、『今のままの政治じゃダメだ』という思いで頑張ってもらわなくてはなりません。 
    野党が団結すれば全くこわくない。むしろ政権交代の最大のチャンスだ。私はそう思っております。ぜひ今年は、私も最後の気力を絞って、体力を絞って、皆さんとともにその目標に向けて頑張りたいと、そう思っております。
    小沢一郎氏は、自民党や民主党などで選挙参謀をやっていたこともある人ですから、選挙の読みについては、定評があります。ただし、読みがあたっていることと、票数を増やすということは別でしょうが、小沢氏に限らず、最近では衆参同時選挙になると予想する人がかなり増えています。

    私も昨年は、このブログに衆参同時選挙になりそうなことを何度が掲載し、さらに衆参両院選挙になった場合の与野党の議席がどうなるかについても掲載したことがあります。

    その記事のURLを掲載します。
    「ダブル選」大予測 自公の圧勝、野党は壊滅…おおさか維新協力なら憲法改正も ―【私の論評】与党圧勝の真の背景はこれだ(゚д゚)!
    安倍首相(左)は、憲政史上3度目の衆参ダブル選挙に踏み切るのか。
    民主党の岡田克也代表(右)は、「一強自民」にどう立ち向かうのか
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に選挙予測に定評のある政治評論家の浅川博忠氏にシミュレーションを掲載します。



    このシミレーションでいくと、衆参両院とも与党が大圧勝ということになります。最近の、安倍政権の支持率の回復率からみると、本当にこれくらい圧勝するかもしれません。

    しかし、昨年の暮れの、慰安婦問題の日韓合意に関して、保守層から怒りの声が上がっています。

    それに関しては、古谷経衡氏が分析を行っています。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
    「慰安婦日韓合意」で保守派激怒の理由と背景
    古谷経衡氏
    私自身は、慰安婦問題に関する古谷氏の見解には全面的には、与するものではありませんが、この記事の最後の以下の部分に関しては、ほぼ賛同します。
    安倍政権への打撃はあるのか? 
    今回の慰安婦日韓合意で、強硬な保守派から向けられた安倍総理への批判や失望は、第一に安倍政権にとっての打撃になるのか。また第二に、安倍総理がこのような強硬な保守派から「見限られる」という事態につながるのだろうか。
    まず第一についてだが、仮に強硬な保守派全部が今回の慰安婦日韓合意を機に「反安倍」に鞍替えしたとしても、政権への影響は「まったくない」という風に評価できる。なぜなら、前述してきたネット右翼を含む強硬な保守派の人数はおおよそ全国で200万人前後で、かれらが議席に与える影響は『日本のこころを大切にする党(旧次世代の党)』の現有議席と趨勢をみれば明らかであるからである。 
    この辺りの実態は、私が拙著『ネット右翼の終わり(晶文社)』やYAHOO!ニュースの別稿等で繰り返し主張してきたとおりで、仮に「ネット右翼を含む強硬な保守派の総離反」が起こったとて、政権への影響は極めて微弱かゼロである。 
    安倍総理は「見限られる」のか?
    そして第二については、そのそもこうした強硬な保守派が「反安倍」に鞍替えすることは、まず考えにくいという事実だ。遡れば、保守派が安倍総理に「深い失望」を表明したのは何も今回だけではない。 
    自民党が2012年12月に政権党に返り咲く前の段階でマニフェストに記載していた「竹島の日式典の政府主催」「尖閣諸島への公務員常駐」への強硬な保守派の期待は相当なものであったが、第二次安倍政権がスタートしてまもなくの2013年2月22日(竹島の日・竹島の日式典)が、政府主催ではなく従来と同じ島根県主催のものであった事実は強硬な保守派を落胆させ、一部の右派活動家らが首相官邸前で抗議活動をするなど事態はエスカレートした。

    その時も今回と同様、「安倍に裏切られた」の怨嗟の声は多数あったが、強硬な保守派の受け皿が自民党しか無いため、結局彼らの多くは安倍支持を継続したという経緯がある。 
    ここには、「社民」「共産」といったリベラル勢力が小さいながらも国政政党を保有し、彼らの政治的主張の受け皿を担っているのに対し、強硬な保守派の政治的受け皿が、ほぼネット空間にしか存在しなかったという歴史的経緯が影響している。唯一、2014年後半に旧次世代の党がその役割を担ったものの、すぐに瓦解してしまった。 
    自らの政治的主張を代弁する国政政党を持たない強硬な保守派は、例え自らの理想とする「真の保守的世界観」から安倍総理が現実主義を採用して遠のいたとしても、安倍総理を支持するしか方策はなく、よって「見限られる」という事態につながるとは考えにくい。 
    強硬な保守派が「一丁目一番地」としてきた慰安婦問題は、大きく動いた。今後、日本大使館前の慰安婦像の撤去(移転)が実現するかどうかが愁眉の問題となるが、これが近い将来実現するとなると、強硬な保守派も一定溜飲を下げることとなり、結局は従前よりも増して強固な安倍支持の特性を色濃く持つだろうと予想される。
     昨日も掲載した、保守言論人の倉山満氏も、本日の自身のブログ「砦」で安倍政権擁護の立場を明確に語っています。

    詳細は、このブログ記事を読んでいただくものとして、以下に結論部分を掲載しておきます。
     では安倍内閣の敵は誰か。 三つに分けて考える。 
    一、日韓合意以前から安倍内閣を敵視していた論者(アンチ)二、日韓合意以前から盲目的な安倍支持を訴えている論者(信者)三、日韓以後に安倍敵視を明確にした論者(裏切り者)  
    まず、アンチ。日韓合意以前から安倍内閣を敵視していた論者に対して。  
     彼らはサヨク(リベラル)だけではない。 保守を標榜する勢力にもいる。この人たちに申しあげたいことは一つ。代わりは誰だ?
     安倍首相を批判するのに代案が無いのでは話にならない。 
     彼らが如何に安倍内閣の非をならそうが、代案が無いのならそれでもしかたがないとしかいいようがない。 
     現状を批判するのに代案が無ければ現状維持しか方策は無いからだ。 
     これは安倍内閣が正しいかどうかではなく、批判者の責任だ。 次に、信者。日韓合意以前から盲目的な安倍支持を訴えている論者に対して。 
     申し訳ないが、この状況で「信じろ」「支持しろ」と言われても無理。 
     韓国以外の国に飛び火し、保守勢力も分裂している。この結果に対し、明確な責任を表明しない限り無理。「いいか悪いかわからないから支持しよう」では、保守の最低半分は納得しない。 
     盲目的な支持を強いる姿勢こそが保守分断に拍車をかける。現に第一次内閣の時がそうだった。第一次内閣でブッシュが日韓妥協を強いた時にデモをした団体を調べてみればよい。前回は産経こそ最後まで安倍支持をしたが、今回は片足を抜いている。 
     楽観できる要素など何もない。特に、総裁選直後に「これで三年は安泰だ」と述べた論者は、なぜそんな強い政権がこんな体たらくになったのかを事実に基づいて述べるべきだ。 
     最後に、裏切り者。日韓合意以後に安倍敵視を明確にした論者。昨日まで「安倍で商売をしていた奴」は論外。単なる卑怯者なので語るに値しない。 
     さらにその上で、総裁選直後に「これで三年は安泰だ」と述べた論者は、なぜそんな強い政権がこんな体たらくになったのかを事実に基づいて述べるべきだ。 
     また、昨日まで自分が支持してきた責任も語ってもらわねばならない。 
     以上の三つの立場を排撃する立場で、それでも私はあえて安倍内閣を応援する。 
     理由は一つ。よりマシな代わる人がいないから。  政治とは理想を求めるものではなく、よりマシな現実を求めて行うもの。だからよりよい代案が無い限り、現状を支持するしかない。ただし支持と言っても、盲目的な支持ではなく、批判すべきはする。 
     失敗は失敗だとはっきり言う。そういう応援の仕方をする。よって、以上の三つのすべての立場と一線を画する言論を行う。アンチとも信者とも裏切り者とも違う、安倍擁護論として。
    倉山氏の主張はもっともなことです。もともと、現実世界では、何から何まで、自分と考え方が同じ他人などというものは存在しないのが当たり前です。

    それがさらに、政治の問題・課題ともなれば、自分と何から何まで、主張が同じ政治家や政党が存在するということはありえません。

    何から何まで、同じとか、何も疑問を感じないというのなら、それは本当は政治的考えなど何もなく、安保法案を「戦争法案」などとして、誰かから扇動されているだけの似非リベラルということかもしれません。はっきりした考えもなく無意味な行動をしているだけかもしれません。

    それに、何から何まで、成功し続ける政治家というのもいません。人間のやることですから、失敗することもあります。そうして、いつも失敗し続ける政治家も滅多にはいないです。

    政治家や政治に期待するときも、企業家の行動を判断するときと同じような尺度で見るべきです。その尺度とは何かといえば、野球でいえば、打率です。

    打率の高いバッターを優秀なバッターとするように、打率の高い政治家や、政党を評価すべきです。自分にとって、相対的に打率の高い政治家や、政党を支持すべきです。

    そうして、今は慰安婦問題の日韓合意で、激怒している保守の方々に言いたいことがあります。

    それは、慰安婦問題など当面どうでも良い!まずは衆参同時選挙に備えよ!ということです。

    考えてみれば、韓国など取るに足らない国です。もともと、韓国経済がまともだったときですら、韓国のGDPは東京都と同じ位の規模です。経済的には、とるに足りない国です。人口も、韓国は4000万人台です。軍事的にも取るに足りない国です。

    日韓が戦争になったとしたらなどの仮定の話を言う人もいますが、韓国が日本に戦争をしかけてくるようなことはありえないでしょう。もし、本当に戦争をしたら、韓国は日本に全く勝ち目はありません。そのことは、韓国政府や軍部自身が良く知っているでしょう。

    このような国を過大に評価して、大騒ぎをする必要などありません。極端なことをいえば、韓国と国交を断絶したとしても、韓国にとっては大事ですが、日本にはほとんど影響などありません。これからも、慰安婦問題の蒸し返しや、非合理的な反日をやるなら、国交を断絶さえすれば、韓国はひっくり返るでしょうが、日本への影響は軽微です。

    まずは、国内の選挙が大事です。今年の選挙は、与党側の大勝利になりそうですが、これは過去の選挙をみてもわかります。これは、ある意味では、もう流れができあがっていて、後は徹底的に野党を完膚なきまでに追い詰める戦いではないかと思います。

    戦争でいえば、もうこれは追撃戦ではないかと思います。戦いで最も楽しいのは追撃戦です。ここで保守の人達は仏心を一切出さず、阿修羅の心でやっつけましょう。こんなときに、韓国風情のために、仲間割などしている場合ではありません。一致団結して、徹底的に追撃し、徹底的に殲滅し、似非リベラル・左翼野党を粉々に粉砕して、1議席でも多く奪い取り、日本でも本当の意味でリベラルそうして、保守の政治風土を醸成できるようにすべきです。

    選挙で大勝利を収めてから、日韓合意の問題について、考えても遅くはありません。

    私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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