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2020年8月24日月曜日

河野防衛相が「女系天皇容認」 「ポスト安倍」問題ありか―【私の論評】安易に「女系天皇」を容認し、経済的には緊縮派の河野氏には、ポスト安倍の資格なし(゚д゚)!

河野防衛相が「女系天皇容認」 「ポスト安倍」問題ありか

河野太郎防衛相

河野太郎防衛相は23日、動画投稿サイト「ユーチューブ」などに番組を配信し、皇位継承のあり方について「1000年以上続く男系が続くなら男系がいい」と断ったうえで、女系天皇の容認も検討すべきだとの考えを示した。河野氏は「ポスト安倍」候補として、外交・安全保障では得点を重ねてきたが、「国体」に関する認識に問題がありそうだ。

 注目の番組で、河野氏は「皇室のメンバーである(天皇、皇后両陛下の長女の敬宮)愛子さまをはじめ内親王のお子さまを素直に次の天皇として受け入れることもあるのではないか」と述べた。

 皇位は、初代の神武天皇から第126代の天皇陛下まで、一度の例外もなく父方を遡(さかのぼ)れば天皇にたどり着く「男系継承」である。

 これを維持するため、「旧宮家の皇室復帰」などが検討されているが、河野氏は番組で慎重論を唱えた。

 明治天皇の玄孫(やしゃご)である作家の竹田恒泰氏は以前、夕刊フジのインタビューで、「『女系天皇』を認めれば、その瞬間、王朝が変わる。男系継承は1ミリも譲ってはダメだ。仮に、男系の血筋を引かない人が天皇になれば、『天皇の血統原理』が失われる」と語っている。

【私の論評】安易に「女系天皇」を容認し、経済的には緊縮派の河野氏には、ポスト安倍の資格なし(゚д゚)!

推古天皇像

皇室は一人の例外もなく、男系で継承されてきました。その男系とは男女差別であるとの誤謬がまかり通っているが、それを言うなら、むしろ男性排除の論理であると何人がわかっているのでしょうか。    

皇室に関して迷った時の根本基準は一つ。先例です。そして、どの先例に従うべきかどうかを考えるために、吉例を探すということになるでしょう。  

確かに、女帝には先例があります。伝説の時代の神功皇后(神功天皇)は数えないので、有史以来、十回あります。推古天皇、皇極天皇(斉明天皇)、持統天皇、元明天皇、元正天皇、孝謙天皇(称徳天皇)、明正天皇、後桜町天皇です。

皇極天皇と孝謙天皇は重祚(ちょうそ)といって返り咲いて天皇に二度おつきになられたので、八方十代です。八方十代。つまり女性皇族が即位された人数は八人であるが、そのうち二人が二度即位されているということです。

これを重祚(ちょうそ)といい、女帝は「中天皇(なかつのすめらみこと)」と呼ばれ、明らかに中継ぎの為に即位されていたことを示します。

しかし三種の神器と共に皇位を継承する事は、大変重いことであり、民を想う祈りの存在であることに変わりありません。女帝は飛鳥時代から奈良時代にかけて集中し、明正・後桜町の二代だけは江戸時代です。   
さて、この八方には共通点がありますす。未亡人か、生涯独身です。  

八方十代
推古、皇極、持統、元明の四方は即位の際に未亡人であり、その後も再婚されませんでした。元正、孝謙、明正、後桜町の四方は、生涯独身を通されました。  

なぜこのようなことになったのでしょうか。それは、女帝の配偶者に権力を握らせないためです。  

推古天皇は、敏達天皇の未亡人です。聖徳太子と蘇我馬子との三人で、飛鳥時代を指導しました。崇峻天皇暗殺という動揺に際して、擁立されました。  

皇極天皇は、舒明天皇の未亡人です。中大兄皇子(天智天皇)の実母でもあります。大化の改新前後の動揺期に、二度も擁立されました。  

持統天皇は、天武天皇の未亡人であす。壬申の乱に勝利した天武天皇の威厳は偉大でした。それだけに後継をめぐる争いは激しく、天皇の候補者が多すぎたので擁立されました。  

元明天皇は、草壁皇子の未亡人です。草壁皇子は、天武天皇と持統天皇の実子です。草壁皇子も、その子・文武天皇も早逝しました。しかし、草壁皇子の系統に皇位を継がせようとの執念が、元明天皇擁立をもたらしたのです。  

以上の四方五代の天皇は、激しすぎる古代の政争のゆえに、擁立されました。繰り返すが、全員が未亡人で再婚していません。  

元正天皇の時代は、皇族どうしの結婚が普通でしたが、それでも遠慮されました。配偶者の皇族が権力を持つのが警戒されたからです。  

称徳天皇は、愛人と噂された道鏡が皇位につこうとし、国を挙げての大騒動になりました。我が国の歴史において、明確に天皇になろうとの意思を示した民間人は、道鏡ただ一人です。ここに、女帝は生涯独身か未亡人の不文法が確立しました。そもそも、江戸時代まで850年間、女帝が絶えます。  

道鏡

明正天皇は、父・後水尾天皇の政治的意思で即位させられました。明正天皇の母は徳川和子、二代将軍・秀忠の娘である。後水尾帝と秀忠は激しく対立し、帝は抗議の意味で明正天皇に譲位されました。

それがなぜ、抗議になるのか。明正天皇は、皇室の先例(不文法)により、生涯独身を余儀なくされるからです。結果、秀忠の曾孫が天皇になることはできなくなります。明正天皇は、わずか五歳で即位し、十九歳で譲位されました。その間、後水尾上皇の院政が敷かれ、女帝にはなんの実権もありませんでした。そして最後は尼となり、七十四歳の生涯を閉じます。政治に翻弄された人生でした。  

後桜町天皇は、宝暦事件などで緊迫していました、朝廷と幕府が絡んだ複雑な政治対立を緩和するためだけに擁立されました。そして後桃園天皇の若すぎる崩御も乗り切り、光格天皇を支え続けました。

なお、光格天皇は現在の皇室の直系の祖先です。そして七十四歳まで静かに暮らされました。後桜町院は、皇室と日本国の繁栄のために女の幸せを自ら捨て、その私心のない姿が国母として尊敬されました。

上で述べてきたことも知らずに、「愛子様が天皇になってほしい」と願うのは勝手です。では、どの先例を、吉例とするのでしょうか。愛子内親王殿下にふさわしい先例とは、ドいずれでしょうか。

過去の女帝は、八方とも苛酷な人生を歩まれたことを知ったうえでも、まだ言うのでしょうか。皇室の先例、不文法に従えば、愛子内親王殿下が御即位されるとあらば、生涯、独身を通さねばならないのです。

 皇室は男系絶対であり、男性排除の論理で成立しているからです。仮に愛子内親王殿下が民間人の男性とご結婚されたとしよう。その民間人が皇族、そして天皇になれば道鏡そのものです。我が国の歴史で一度も存在しなかった事態です。

またその民間人の男性との間に生まれた子供が皇族、そして天皇になっても未曽有の事態です。そんなものが許されるなら、「天皇に娘を嫁がせて、その子供を天皇にする」などというメンドクサイ摂関政治は不要だったはずです。

徳川秀忠だって同じことをしようとしたのですが、皇室の不文法の前に敗れたのです。  男系絶対とは、皇室の血をひかない民間人を排除する原理なのです。ちなみに女性は必ずしも排除されません。今の皇后陛下は正田、皇太子妃殿下は小和田の苗字の民間人でしたたが、いまでは皇族となられています。

古くは、藤原光明子が光明皇后となられた先例に遡ります。だから、女性差別どころか、男性排除なのです。 女系は先例がないので、論外です。絶対に不可です。

 女帝は先例があるので、絶対に反対とまでは言わないですが、無理やり推進する話でもありません。 愛子内親王殿下は過去八方と同じく、男系女子であり、資格はあります。

現在の典範が女帝を禁止しているなら、典範そのものを改正すればよいです。明治につくられたたかが百数十年の歴史しかない典範よりも、皇室の不文法である古代よりの先例が優先するのは当たり前です。 

では、生涯独身で通していただくのでしょうか。 実は、一つだけ方法があります。皇族の男性と結婚されることです。現時点では悠仁親王殿下だけが有資格者です。いとこ婚は生物学的には問題ないですが、無理やり推進する話ではありません。

あるいはダグラス・マッカーサーに無理やり皇族の資格をはく奪された旧宮家の子孫である旧皇族の方々から適切な方を探し出してくるか。 皇族のご結婚は国家の大事なので、非礼不敬を承知で申し上げました。 

しかし、「女帝に賛成か反対か」と問うならば、これは絶対に避けて通れない問題である。 何よりも大事なのは、現在の皇統は、幼き悠仁親王殿下お一人にかかっています。  何よりも肝要なのは、殿下が御即位される際に、帝を支える男性の皇族がどれほどおられるかでしょう。女帝に賛成か反対かなどと、お遊びに興じている暇などないのです。

河野太郎は、以上のことを承知したうえで、女系天皇容認論を述べているのでしょうか。はなはだ疑問です。民間人が天皇になる危険をはらんでいる「女系天皇」と、過去にも存在した、未亡人か一生結婚なされなかった「女性天皇」とは、全く意味が異なります。

安易に「女系天皇」を肯定する人は、物事をあまりに安易に考えすぎていると思われます。

以前このブログにも掲載しましたが、河野氏はカチコチの緊縮派であり、財務省のいいなりの人物です。これと「女系天皇」容認派ということで、石破氏とならび河野太郎氏は時期総理大臣としては、最も不適格であると断言します。

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2020年7月11日土曜日

【ニュースの核心】中国問題が「ポスト安倍」の最大の焦点 親中勢力に“忖度”か批判加速か…候補の正念場が迫っている— 【私の論評】政治の世界は一寸先は闇、解散総選挙はおろか、禅譲できる人材が存在しない今安倍四選もあり得る!(◎_◎;)

【ニュースの核心】中国問題が「ポスト安倍」の最大の焦点 親中勢力に“忖度”か批判加速か…候補の正念場が迫っている

トランプ大統領は、空母「ロナルド・レーガン」を南シナ海に派遣し、習主席率いる中国軍を牽制した

米軍と中国人民解放軍が南シナ海で同時に、軍事演習を展開した。新型コロナウイルスへの対応で、世界各国が手いっぱいな間隙を突いて、中国が存在感を誇示する一方、米国は「思うがままにはさせない」と牽制(けんせい)した形だ。

 米軍は4日から、原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」、駆逐艦などを加えた空母打撃群2つを南シナ海に派遣し、演習を始めた。

 公式には、「いかなる政治や世界の情勢を反映したものではない」と説明している。だが、同じ時期にパラセル(中国名・西沙)諸島付近で、中国海軍が軍事演習をしているのは、もちろん織り込み済みだ。

 米国は北朝鮮情勢が緊張していた2017年11月、空母3隻を同時に日本海へ派遣し、合同演習した。このときはドナルド・トランプ大統領が韓国国会で演説し、「われわれを甘く見るな」と警告した。

 今回は2隻だが、南シナ海の人工島に軍事基地を建設し、わが物顔でふるまう中国に対する警告であるのは明らかだ。マイク・ポンペオ国務長官は3日、ツイッターで中国に対し、「中国による南シナ海の係争海域での演習は非常に挑発的だ」と批判した。

 私は先週のコラムで、沖縄県・尖閣諸島を中国の侵略から守るために、周辺海域での日米合同軍事演習を提案したが、演習が有効な警告ツールになる実例である。

 そんななか、日本の永田町では「ポスト安倍」論議が盛り上がっている。もちろん着地点はまだ見えないが、新型コロナに加えて、香港情勢が緊迫するなか、中国問題が最大の焦点になってきた。

 日本は中国にどう立ち向かうのか。自民党は二階俊博幹事長が「親中派のドン」であるのは、よく知られた通りだ。外務省も中国専門家らが集う「チャイナスクール」を中心に親中派が強い。

 「ポスト安倍」候補は、親中勢力の意向を忖度(そんたく)して、中国批判をためらうのか、それとも批判を加速させるのか。私は中国に甘い態度をとれば、支持を失うとみる。

 なぜかと言えば、いまや一般国民だけではなく、中国をビジネスチャンスとみてきた企業にも、中国への警戒感が高まっているからだ。

 中国が香港に導入した「国家安全維持法」は香港市民だけでなく、外国人や外国企業にも適用される可能性がある(第38条)。加えて、トランプ政権の対決姿勢を見て、「中国ビジネスに深入りするあまり、米国を怒らせて制裁を食らったら元も子もない」と神経をとがらせているのである。

 政治家が中国に甘かったとすれば、最大の理由は支持者や支持企業が「中国とのビジネスを望んだ」、あるいは「働き手として、中国人就学生を必要とした」からだ。だが、その前提が新型コロナと香港問題で崩壊しつつある。

 同盟国である米国は、共和党も民主党も「反中国」だ。11月大統領選の結果にかかわらず、米国は対中対決姿勢を強めるだろう。この潮流を感じ取れないようでは、とてもじゃないが、日本の舵取りは任せられない。「ポスト安倍」候補の正念場が迫っている。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
【私の論評】政治の世界は一寸先は闇、解散総選挙はおろか、禅譲できる人材が存在しない今安倍四選もあり得る!(◎_◎;)

7月に入ってから、永田町では「安倍首相が9月に始まる臨時国会の冒頭で内閣改造をし、同時に解散総選挙に打って出るのではないか」 という飛び交っているそうです。

突然浮上した解散総選挙の噂の震源地は、ネットなどによると、安倍首相の盟友の麻生太郎・副総理兼財務相だそうですが、これは確かめようもありません。そうして、この秋解散がまことしやかにささやかれる理由は、やはり、河井事件だというのです。

無論解散の判断は首相の専権事項ではあります。現在検察が克行容疑者から押収した資料、とくに会計帳簿と使途報告書に何が書かれているのかに注目が集まっています。

つまり、この先、何が飛び出すか分からないのです。検察も黒川問題で失墜した国民の信頼を取り戻そうと本気になっている中、安倍首相の責任問題にまで発展する可能性もあります。

そうした検察の動きを牽制するためにも、安倍総理が解散に打って出る可能性が出てきたというのです。さらに、もう一つの決断材料となりそうなのが「ポスト安倍」をめぐる思惑です。

安倍首相にとって理想的な展開は、自身の影響力を残しつつ、首相の座を禅譲できることです。

 「来年までに衆院選が行われる。自民党、政治の信頼回復のために努力しないと大変なことになる。しっかり努力したい」 2日、岸田文雄政調会長は、岸田派の会合でこうあいさつをしました。

「政治の信頼回復」は言うまでもなく、地元広島で起きた河井夫妻の事件への反省を示す言葉です。岸田氏はポスト安倍候補の一人ではあるが、岸田氏を推す声は世間でも、自民党内でも盛り上がっていません。そもそも岸田氏は政争を仕掛けられても、決して表では派手な喧嘩も立ち回りもしない温厚な人物です。

地元としては昨年は党本部から刺客まで送られているのですから、河井夫妻の辞職に伴う補欠選挙では、人選の段階から岸田氏に主導権を握って欲しいでしょう。ここで力を発揮し、存在感を示さなければ総理総裁の道はありません。

岸田文雄氏


岸田氏とは対照的に、首相の座への野心をむき出しにしているのが石破茂・元防衛相です。河井事件についても積極的にメディアで発言をし、安倍首相ら執行部の説明責任を求めています。

しかし、安倍総理としては、石破氏に総理の座を譲るくらいであれば、4選を目指して次の総裁選に出馬することも辞さないということも十分考えられます。 

安倍首相は、現実問題として現状では残念ながら、党内に総理の座を禅譲する相手がいなというのが現状でしょう。そうなると、かつて郵政解散に打って出た小泉純一郎元首相のように、解散した上でそれなりの成果を残し、任期を全うするという方法があります。

しかし、今の段階で郵政民営化のような奇策があるわけでもなく、コロナの第2波の危機感もあるなか解散のタイミングを見極めるのは非常に難しく、思案のしどころだったと思います。 

実際、相次ぐ首相自身の疑惑に河井夫妻の事件が重なり、安倍内閣の支持率は急降下しました。岸田派の会合が行われる数日前、自民党の党本部で行われた総務会では、村上誠一郎・元行革相が執行部に対し世間の厳しい声をこう訴え、怒号が飛び交う一幕があ理ました。 

ここにきて降って湧いたように、上記のような米国と中国の対立のかつて無いほどの激化です。その最中、石破氏は、とても考えられないような発言をしました。

石破氏は9日の派閥会合で、党外交部会などが中国の習近平国家主席の国賓来日の中止を日本政府に求めたことに苦言を呈したのです。「中国との関係にどういう影響を与えるかよく考えるべきだ」と述べたのです。



「礼儀は礼儀としてきちんと尽くさないといけない。その上で言うべきことは言うことが必要だ」とも語りました。

党外交部会と外交調査会がまとめた決議は中国が香港国家安全維持法を施行したことを非難しました。

このブログでも述べたように、中国は香港国家安全法で、世界中国々を対象として、他国の国家主権を認めないとしています。礼儀のある相手には礼儀は尽くすべきですが、日本はおろか世界中の国々の国家主権を認めない中国が相手であることを本当に理解しているのでしょうか。

この発言は、相当保守派の怒りを買っています。党内でも反発する人もかなり多いです。

上ので、長谷川氏の記事にもあるように、同盟国である米国は、共和党も民主党も「反中国」であり。11月大統領選の結果にかかわらず、米国は対中対決姿勢を今後ますます強めるでしょうし。無論、日本に対しても、中国に対して、厳しい態度をとり、それだけではなく米国の対中国制裁に呼応した動きを求めるでしょう。

そのような時に、日本政府が親中的な行動を取り続けていれば、必ず、米国から制裁されます。さらには、中共なき後、もしくは中共が存在していたとしても、かなり弱体化した後の新世界秩序において、日本は本来なれるはずだった、リーダー的地位からは放逐され、第二次世界大戦後長い間味わってきた、戦後レジームと同じような境遇に甘んじなければならないことになるでしょう。

現在は、まさに天下分け目の米中対立の最中にあり、中国には全く勝ち目がありません。石橋氏は、そのような潮流を認識できないようです。

この潮流を感じ取れないようでは、日本の舵取りなどは絶対に任せられないと、安倍総理自身も思うことでしょう。

検察は、河合事件について、安倍首相の責任問題にまで発展させることはできず、つもりもないでしょう。政治資金規正法や、公職選挙法は元々ざる法と言われている法律です。これらの法律によって、安倍総理を追及するということになれば、検察としては、有無を言わせない程の確実な安倍総理が何らかの犯罪を犯しているか、犯罪に関わっているという物証がないとできません。そ



それは、不可能です。しかし、そうであるにしても、自民党政権にマイナスのイメージがついてしまっことは明らかなので、これを払拭するためにも、安倍総理が解散総選挙に打って出る可能性があります。

また、石破氏や二階氏の相変わらずの親中ぶりや、岸田氏の頼りなさ、他のポスト安倍の、あまりのマクロ経済音痴ぷりには本当に頭が痛いでしょう。今のところ、禅譲できる適当な人材はいません。

であれば、みすみす親中派や、マクロ経済音痴で財務省等と張り合える人材がいない現状では、解散総選挙に打って出て、大勝しその勢いに乗って総裁選に出て、4選を目指すということも十分にあり得ます。

選挙においては、河合問題については有権者に分かり安いように説明をし、減税や、コロナ対策や、対中国政策や、現状や将来の水害などの自然災害対策のため大規模な積極財政並びに大規模な金融緩和策を同時行うことや、そのための財源などは全く何の心配もない(これは、このブログでも何度か解説してきたように、国債を大量発行しても財政負担が増えたり、将来世代への付けにはならないだけの話)ことなどもわかりやすく説明すれば、大勝利することも不可能ではありません。

特に、マグロ経済対策などについては、マスコミや経済学者や似非識者がいくら嘘を喚き散らしても、多くの国民の理解が従来よりはかなり進んでいるので、多くの有権者が理解してくれる可能性は大きいです。

そうして、これで大勝できれば、安倍四選も、あながち夢物語ではなくなります。

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2019年9月14日土曜日

【日本の解き方】安倍首相「最後の戦い」へ動く改造人事! 「お友達人事」と揶揄する勢力の“支離滅裂”ぶり…“ポスト安倍”と「次の次」が浮上?―【私の論評】総理は、経済で思いきった手を打たないと憲法改正は不可能に(゚д゚)!

【日本の解き方】安倍首相「最後の戦い」へ動く改造人事! 「お友達人事」と揶揄する勢力の“支離滅裂”ぶり…“ポスト安倍”と「次の次」が浮上?

安倍改造内閣

安倍晋三首相(自民党総裁)は11日、内閣改造・党役員人事を行った。その顔ぶれから安倍首相の狙いを読み解いてみたい。

 首相は内閣改造について「安定と挑戦」と述べたが、「安定」とは、全19閣僚のうち麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官を留任させたことで、「挑戦」とは残り17閣僚を入れ替えたことだ。初入閣は安倍内閣で最多の13人にのぼる。

 目玉は、小泉進次郎衆院議員の環境相就任だ。38歳での入閣は戦後3番目の若さとなる。妻の滝川クリステル氏も環境に関心があり、夫妻での政策発信力は十分だ。

 ただし、小泉氏の育休発言には賛否両論がある。一般企業では、とても育休をとれる状況でなく、国会議員は「上級国民」だと批判もされるなか、どのように対応するかは、小泉氏の最初の試練になるだろう。

 いずれにしても閣僚のほとんどは安倍首相と近い人で、首相がやりたい人事をやったという印象だ。これを「お友達人事」と揶揄(やゆ)する向きもあるが、考え方が同じ人が組んで仕事をするのは当たり前だ。そうした批判をする人ほど、いざ閣内で意見が割れると「問題だ」と支離滅裂なことを言いがちだ。

 今回の人事で、安倍首相がやりたい憲法改正に弾みをつける狙いだろう。

 党役員は、二階派会長の二階俊博幹事長と岸田派会長の岸田文雄政調会長を留任させ、総務会長に麻生派の鈴木俊一氏、選対委員長に細田派の下村博文氏と、派閥均衡の安定だ。

 ここで見えてきたのが、次期首相と総裁候補だ。先の参院選では、菅官房長官が選挙での強さをみせ、岸田政調会長は後塵(こうじん)を拝した。しかし、安倍首相はあくまで2人を互角で競わせている。憲法改正がポイントとなるだろう。

次期自民党総裁候補とみられる、菅氏(左)と岸田氏(右)

 安倍政権にとって最善のスケジュールは、来年の通常国会で衆参ともに3分の2以上で憲法改正を発議し、東京五輪後、年内に国民投票実施というものだ。そのときには、衆院解散・総選挙とのダブル選となる可能性が高い。

 憲法改正で第1のハードルは参院だ。現状では、発議に必要な3分の2はないので、参院幹事長に回った世耕弘成氏がカギを握っている。

 憲法改正に向けて、より重要な貢献をした人が次期首相・総裁の最有力候補になるだろう。安倍首相が「自民党総裁4選はない」としている中、菅官房長官と岸田政調会長のレースが続くだろう。

 そして、「次の次」の首相・総裁候補もうっすらながら浮かび上がってきた。

次次総裁候補 加藤氏(左)、河野氏(中央)、茂木氏(右)

 厚生労働相で再び起用された加藤勝信氏、防衛相に転じた河野太郎氏、その後任の外相に横滑りした茂木敏充氏が横一線で並んでいる。これらの中から誰が飛び出るのか、それとも他のダークホースが出てくるのか。

 解散を行うほど首相の権力は高まり、改造を行うほど首相の権力は低くなるともいわれる。安倍政権は、憲法改正の国民投票と衆院解散・総選挙という「最後の戦い」に向けて動き出した。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】総理は、経済で思いきった手を打たないと憲法改正は不可能に(゚д゚)!

麻生氏が、変わらず財務大臣であることなどから、経済政策運営はほとんど変わらず、今回の内閣改造が経済や金融市場に及ぼすインパクトはほぼ皆無でしょう。今後、次期首相ポストを意識しながら、閣僚や重要ポストの政治家が競い合いながら成果を出そうとするでしょう。そうした中で、安倍政権のレガシーとして、東京オリンピックの成功、そして憲法改正の実現に重点が置かれそうです。



2013年からの金融・財政政策の転換によって日本経済の安定成長と脱デフレが始まり、それがこれまでの長期政権を支える土台になってきました。ただ私自身は、この土台が揺らぎかねないと危惧しています。

現状、安倍政権は経済成長を最優先させることに力点を置いていないようです。これにより、経済情勢の変化が政権の地盤を揺るがしかねないです。このリスクは、すでに金融市場の価格形成に反映されています。

日本株の日々の値動きは、米国株市場にほぼ連動して動いています。ただ、2018年から米国と比べて日本株は運用成果が下がり、2018年初をピークに日本株(TOPIX、東証株価指数)が緩やかな下落基調にあります。日本の経済政策がうまく作用せず、経済が冴えない状況が続いていることが最大の背景です。

経済最優先を掲げていた安倍政権の政策が2018年からはっきり転換したことの象徴は、今年10月の消費増税を決断し、財政政策が明確に緊縮方向に転じたことです。2%インフレという経済正常化を実現する前に財政政策を逆噴射させるのは、2014年の消費増税と同様で、成長率を押し下げてデフレ圧力を高める政策対応といえます。

無論、消費増税への対応政策として補正予算策定などが検討されています。3兆~5兆円規模の補正予算などの手当てが想定されますが、可処分所得の伸びが極めて低い中で、2兆円を上回る家計に対する正味の増税負担への手当てとして十分な対応はほとんど見当たりません。

このため、2020年にかけて個人消費を中心に成長率は大きく減速するでしょう。

増税する前から、個人消費が落ち込んでいるが、実際に増税するとどうなるのか?

また、安倍首相は新設する検討会議において、「全世代社会保障改革」に全力で取り組む、としています。新たな検討会議での議論は、社会保障制度や税制の将来の姿につながるという意味では重要でしょうが、長期的な政策枠組みの話がメインとなり、予想される景気減速への対応には直結しません。

他国に目を転じると、米国や欧州などほとんどの国で、経済成長の下振れリスクが高まりインフレが停滞する中、経済成長率を押し上げる拡張的な経済政策を行っています。

米国では、ドナルド・トランプ大統領が議会と財政合意にこぎ着け、2020年までの歳出の上限を引き上げました。フランスは4月に減税などを行い、EU離脱を控えた英国ではボリス・ジョンソン首相が政府債務を拡大させる大規模な財政政策を表明しています。そしてドイツでも、景気低迷を受けて、減税などの財政政策についての議論が活発になっています。

マクロ安定化政策が各国の経済成長率を左右し、それが株式市場のパフォーマンスにも影響します。デフレ脱却の途上にあり、各国と比べても成長率を押し上げる経済政策が必要である日本だけが緊縮的な経済政策を行っていることへの、投資家の不信感はかなり大きいと思われます。今後景気が減速する中で、この不信感は強まるでしょう。

緊縮的な経済政策は、財政政策だけではなく、日本銀行の金融政策についても同様です。

現状、米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年7月から利下げに転じる中で、新興国を含めたほとんどの中央銀行が金融緩和を強めています。こうした状況下、インフレ目標の実現が先送りされる中で日銀が金融政策の現状維持を続けていることは、円高を引き起こし、金融引き締め的に作用しています。

2%インフレ目標の達成可能性が低下する中で日銀が同じ政策を続けているのは、安倍政権と足並みをそろえ、経済軽視の政策を行っているからかもしれません。いわゆる「金融緩和の副作用」というのが具体的に何であるのか、全く理解不能ですが、最近はこの副作用という声が小さくなってきたように、みえます。

これからも、マイナス金利政策を続けることで政府による国債発行を増やして、財政政策を拡張することをサポートしているともいえますが、その必要性を政府に強く訴えることはできるでしょう。そして金融政策についても、円高リスクを低下させるために、マイナス金利の深掘りが有力な金融緩和のオプションが必要になるでしょう。さらなる量的緩和もすべきです。

いずれにしても、このまま緊縮財政、引き締め傾向の金融政策を続けることになると、先程述べたように、2020年にかけて個人消費を中心に成長率は大きく減速することは確実です。

冒頭の記事の高橋洋一氏の記事には、「安倍政権にとって最善のスケジュールは、来年の通常国会で衆参ともに3分の2以上で憲法改正を発議し、東京五輪後、年内に国民投票実施というものだ。そのときには、衆院解散・総選挙とのダブル選となる可能性が高い」としています。

現状のままだと、まさに、衆院解散・総選挙とのダブル選挙のときに、経済が悪化しているということになる可能性が非常に高いです。そうなると、衆院でも参院でも、改憲勢力が2/3を割る可能性も十分にあります。

そうなれば、国民投票の実施も困難になる可能性があります。安倍新内閣は、どうすれば、このような事態を防ぐことができるでしょうか。

それは、選挙の公約として、米国や欧州などほとんどの国で、経済成長の下振れリスクが高まりインフレが停滞する中、経済成長率を押し上げる拡張的な経済政策を行っているように、日本もそれを実行することです。

具体的には、減税や給付金による積極財政を行い、日銀は再び、大規模な量的緩和に転じることです。

そうなると、経済が回復するという期待感から、市場は好感し株価も上昇します。国民も、減税や、量的緩和には好感を抱くことでしょう。

それを、選挙の公約として、ダブル選挙を行えば、衆参両院の改憲勢力が2/3以上になる可能性はかなり高くなります。

そうして、その後の内閣改造では、当然のことながら、麻生氏は財務大臣ではなく、他の閣僚になっていなければなりません。

なぜなら、財務省は麻生大臣を要として、各方面に働きかけ、財務省悲願の10%増税を実行を確実なものにしましたが、財務省は減税どころか、さらなる増税と緊縮財政を目指しているからです。

これに失敗すれば、選挙で大勝利したとしても、安倍総理は、減税をすることはできず、憲法改正も難しくなるでしょう。

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2018年3月20日火曜日

【日本の選択】野党に政権担当能力がない悲劇 弱点の多い安倍政権を支持せざるを得ず―【私の論評】ポスト安倍の自民党も政権担当能力があるとは言えない(゚д゚)!

【日本の選択】野党に政権担当能力がない悲劇 弱点の多い安倍政権を支持せざるを得ず

第3次安倍第3次改造内閣 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 財務官僚による決裁文書の改竄(かいざん)など、脇の甘さが目につく安倍政権だが、この政権を支えているのは、どのような人たちなのだろうか。

 私自身は、極めて消極的な安倍政権の支持者である。安倍晋三首相を熱烈に支持しているわけではないし、自民党以外は一切認めないという自民党原理主義者でもない。しかし、他に選択肢がまったく存在しないから、安倍政権を支持せざるを得ないのである。

 端的に言えば、「野党が政権を担う能力を有していない」との判断から、多くの国民が安倍政権を消極的に支持しているのではないだろうか。

 安倍政権や自民党が完璧だとは思わないが、「野党よりはまし」という判断から安倍政権が支持される結果になっている。安倍政権の最大の応援団は「野党の無能さ」だという、笑うに笑えない冗談のような現実を見ると、眩暈(めまい)がしそうになる。

 立憲民主党をはじめとする野党があまりに不甲斐ないのは周知の通りだが、広く国民に訴えておきたい事実がある。

あまりに不甲斐ない野党の筆頭、立憲民主党、彼らは立憲民主主義とは何を意味するかさえ知らない

 岡田克也元外相率いる「無所属の会」というグループ(衆院会派)がある。「無所属の会」なのだから、無所属の政治家の集まりだろうと思うのが、国民の常識というものだ。

 だが、彼らは国民が想像する無所属の政治家ではない。民進党の政党交付金で政治活動し、民進党の役職に就いている政治家も存在する。具体的には岡田氏は「無所属の会」の代表でありながら、民進党の常任顧問に就いている。

 民進党を離党し、本当の意味で無所属を貫いている鷲尾英一郎衆院議員=新潟2区=は自身のブログで昨年11月17日、「無所属の会」を以下のように批判していた。

 「民進党の政党交付金で政治活動し、民進党の役職を受けているメンバーが会派をつくっているのであれば、会派の名称は『無所属の会』ではなく、まさに『民進党』がふさわしいではないか」

 まことに正論である。鷲尾氏が指摘するように、彼らは正々堂々と「民進党」を名乗るべきなのだ。

無所属とはいえない「無所属の会」の看板かけ

 「無所属の会」について、週刊ポスト(2018年2月16・23日号)が「一人メシ事件」として、次のような記事を掲載していた。

 1月16日夜、都内のホテルで会合が開かれた。十数人の出席者には弁当が用意されておらず、岡田代表だけが会合前にスーパーで購入したサンドイッチを食べ、腹を空かせた議員から「代表だけ食べるのか」と不満がもれたという。

 何があろうとも、現在の野党に政権を担当させるわけにはいかないと考える日本国民は健全だ。常識ある野党が出現しない限り、弱点の多い自民党政権が継続せざるを得ない。日本の悲劇である。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)、『「リベラル」という病』(同)など。

【私の論評】ポスト安倍の自民党も政権担当能力があるとは言えない(゚д゚)!

まずは、最近の最大の政局に関する動画を以下に掲載しておきます。


この動画は、そもそも根拠が明確であり、かなり理解しやすいです。この動画で、上念司氏は、以下のように主張しています。

まずは、財務省は佐川氏の国会での証言にあわせて、文書を書き換えたということ。そのために、元々は政治家は一切関与していないことがはっきりしていたものが、そうではなくなってしまったとしています。

私も、その通りだと思います。財務省が書き換えたとした文書は、財務省のサイトから誰でも閲覧することができます。そのリンク先を以下に掲載します。


  • 決裁文書についての調査の結果(平成30年3月12日)(PDF:150KB)PDF
  • 決裁文書の書き換えの状況(PDF:7612KB)PDF
  • 平成30年3月14日付け資料(PDF:198KB)PDF
  • 平成30年3月19日付け資料(PDF:263KB)PDF
  • これらを、野党やマスコミのように、最初から「政治家の関与あり」という想定など捨てて、虚心坦懐に読むと、上念氏と同じような結論が導き出せるはずです。

    次に、土地価格については、さらに、森友学園の隣の野田中央公園の土地は、元々は14億円だったものただで売却されているという事実があります。さらに、これには補助金が3000万円も支払われています。

    結局のところ、ゴミが埋まっているので、補助金をつけてでも持って行ってくれということです。

    ゴミが埋まっていることを隠して、近畿財務局は篭池氏に8億円値引きで売ったのです。そうして、差し引き1億円程度が国庫に入っているわけです。そのブロセスに問題があったことから、篭池氏はそのことに気づいたのです。

    その時に、篭池氏はありもしない、政治家や安倍総理、昭恵夫人らがバックについているかのようにいろいろ名前を出したということです。天皇陛下が来たなどと、平気で嘘をつくような男のいうことですから、ほとんどでまかせとみるべきでしょう。

    それに対して近畿財務局は、ゼロ回答だったわけです。これが、書き換え前の決済文書には書かれてあったにもかかわらず、その部分が削除されてしまったため、政治家に不利な内容になってしまいました。そうして、誰に有利かといえば、国会で間違った答弁をしてしまった佐川氏に有利なものになっています。

    これらの事実からみると、やはり、財務省(もしくは理財局)が佐川氏の国会答弁にあわせて、近畿財務局に書き換えを指示して、書き換えさせたと考えるのが、最も自然な解釈であると考えられます。

    近畿財務局

    書き換え前、書き換え後の文書が公開されているわけですから、これをしっかり読めば、上記のような解釈しかしようがないわけです。もし、今後佐川氏が国会招致において、政治家家からの指示があったとか、安倍総理や昭恵夫人の関与があったなどといえば、文書と完璧に矛盾することになるため、そのようなことはしないでしょう。

    さすがに、佐川氏も昨年の国会答弁で余計な答弁をしたため、辞任せざるをえなくなったので、再度国会に招致されたときにはかなり慎重になることでしょう。

    考えられる対応は、核心に迫る事柄については、篭池被告人のように「調査中であるので、答弁できません」ということで終わることになると思います。さらに、昭恵夫人を仮に国会に招致したとしても、野党にとって都合の良い答弁をするなどということは全く考えられません。

    このような状況だと、最初は、興味を持って安倍政権対退陣すべしなどと煽られていたワイドショー民も飽きて、それこそあれど有利であると考えられていた希望の党が選挙の最中に勢いを失ったように、野党の主張(野党自身ではありません)も指示を失って、現在の政権の支持率の低下も回復することになります。

    その頃に、野党が別の対策や、新たな政局を見いだせるなら、さらに安倍政権を窮地に追い込むことができるかもしれませんが、そもそも、公開された文書を見ている限りにおいて、結局昨年と同じように、安倍総理はおろか一人の政治家を辞めさせたりすることはできないでしょう。

    今後、野党やマスコミは「アベにくし」のあまり、篭池夫妻という、頭のあまり良さそうとも思えない、詐欺師らに引っ掻き回さたということがはっきりしてくることになります。そうなると、野党の支持率はますます下がることになります。そのことが全く見えていない野党は、政策論争ができないのは無論のこと、政局すらまともに見ることが出来ないということで、国民の信頼をさらに失うことになります。

    篭池夫妻

    ブログ冒頭の記事で、岩田氏は、「私自身は、極めて消極的な安倍政権の支持者である。安倍晋三首相を熱烈に支持しているわけではないし、自民党以外は一切認めないという自民党原理主義者でもない。しかし、他に選択肢がまったく存在しないから、安倍政権を支持せざるを得ないのである」と述べています。

    私自身は、程度の差はあるとは思いますが、もともと政治とは、特に民主的な政治はそのようなものであると思っています。

    もし、何もかも自分にとって満足と思えるような政権がでてきたとすれば、それは独裁政権に違いないと思います。そうして、自分は独裁者になっているか、独裁者の親族などの、独裁者に極めて近い存在になってるかのいずれかであると思います。

    私自身は、安倍政権は金融政策で雇用状況を改善したということで、過去20年間のいずれの政権よりも、パフォーマンスが高いと思います。また、安全保障においても、過去のいずれの政権よりも突っ込んだ議論し、そうして少しずつでも間違いなく前進していると評価しています。

    ただし、自民党ということでみると、金融政策も財政政策も、安倍総理やその側近のごく一部しか理解しておらず、もし安倍政権が崩壊して、他の人が総理大臣になって新たな自民党政権をつくったとしても、またまた日本はデフレスパイラルの底に沈み、とんでもないことになり、誰の政権であったにしても短期政権になり、その後も同じことを繰り返すと思います。

    小泉進次郎氏のような若い自民党の議員こそ、まともにマクロ経済を理解して欲しいと思うのですが、全くそうではありません。

    安全保障についても、自民党には親中派の政治家も多いことですから、安倍内閣が崩壊となれば、これも後退する可能性が大きいです。

    それを思うと、野党に政権を任せられないのは自明の理として、安倍総理以外には、いまのところ総理大臣を任せられる人物は自民党内にはいないと思います。これこそ、本当に目眩がしそうな現実です。

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    2017年11月9日木曜日

    未来がなくなった亡国への光景 韓国の若者、楽して暮らせる公務員「最低職位」試験に殺到―【私の論評】ポスト安倍は日本も韓国並に八方塞がりに(゚д゚)!

    未来がなくなった亡国への光景 韓国の若者、楽して暮らせる公務員「最低職位」試験に殺到

    韓国の若者に「公務員志望」が高まっているという(写真と本文は関係ありません)
     韓国で「公務員志望」の熱気がますます高まっている。といって、国を牽引(けんいん)するような大志を抱いて上級職試験を受けるのではない。「一生楽して暮らせるから」と、若者が9級職(=最低職位)の試験合格を懸命に目指す。これは「亡国への光景」だ。

     韓国に「労働者と北朝鮮のための政権」が誕生して半年余。「北朝鮮のため」は、安保主権を中国に委ねるようなコウモリ外交に象徴されるとおり着々と進んでいるが、「労働者のため」は、有効求人倍率が8月の0・68から9月には0・62に落ちるなど思うに任せない。

     最低賃金は2018年から16%アップするが、玉突き型に賃金レベル全体に上がるのは必至だ。それで民間部門からは「人員削減不可避」の声が聞こえてくる。

     そうした中で、韓国の公務員は恵まれすぎている。

     官庁系シンクタンクの分析によると、9級職でいいから公務員になれば、退職までに15億ウォン(約1億5300万円)を超える収入を得られるが、小企業(従業員49人以下)に入ったら生涯賃金は8億ウォン(約8200万円)に届かない。

     中企業よりはしっかりした中堅企業(同300~999人)に入ったところで、生涯賃金は9級合格者より4億8756万ウォン(約4990万円)少ない。

     大企業(同1000人以上)なら、9級職合格者を6875万ウォン(約700万円)上回るが、大手財閥系に入社できる新卒者は2%に届かない。いまをときめく大手財閥とて「財閥キラー政権」が続けば、どうなるか分かったものではない。上級職公務員試験は難し過ぎる。
    それで、国立ソウル大学の卒業者まで、最低職位の公務員試験に殺到するわけだ。2009年の法律改正により、公務員試験の年齢制限が撤廃されてからは、“晩年受験者”も増えている。財閥系に就職したものの「45停」(サオジョン)とも「名誉退職」とも呼ばれる「早期肩たたき」に遭った人々も、9級職公務員を目指す。

     だから、このところの9級職試験の倍率は50倍以上。地方で1人か2人の補充募集があると倍率1000倍といったこともある。

     9級職は、少数の例外はあれ、普通は定年まで勤めても7級までしか出世しない。日本で言えば「主事」だ。

     一昔前の韓国は、会う大学生のほとんどが、李王朝で言えば「両班」(ヤンバン)を目指していた。つまり上級職公務員か大手財閥の社員だ。

     それに比べると、今や韓国の大学生は「そうだ! 中人(チュンイン)を目指そう」に変わった。中人とは両班の下にいた宮廷の吏員だ。中人だって、両班ほどではないにしても、常民(サンミン)、奴婢(ノビ)に対しては威張り散らしていた。アァ、7~9級職公務員とは、官尊民卑が続く現代韓国で、李王朝の中人に値するのだ。

     日本には「どうして1番でなくてはダメなのですか」とわめき散らした政治家がいた。1番を目指したところで1番になれるものではないのに…。若者が初めから「中人」を目指す国に、未来があろうはずはない。

     ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。

    【私の論評】ポスト安倍は日本も韓国並に八方塞がりに(゚д゚)!

    韓国統計庁発表によると、韓国の8月の若年層の失業率は9・4%と、アジア通貨危機後の1999年8月の10・7%に次ぎ、8月の数字としては最悪になりました。ちなみに、韓国の若年層の失業率は「15歳から29歳」の労働市場参加者が対象で、ILO(国際労働機関)やOECDの15歳から24歳よりも定義が広くなっている(=というわけで、若年層失業率ではなく『青年失業率』と呼ぶ)。

    25歳から29歳の若者は、24歳未満よりも働いている可能性が高いです。韓国の若年層の失業率ならぬ青年失業率は、実態よりも低く見えてしまいます。

    OECDの統計によると、2016年の韓国の若年層失業率は10・7%と、2ケタに達していました。ILOやOECDの定義(15-24歳)で見ると、韓国の直近の若年層失業率は12%を上回っている可能性が極めて濃厚です。

    現在の韓国では、失業者の4割を若年層が占めます。しかも、就業経験が全くない若年層が増え続けているわけですから、事態は深刻です。同国では、就業経験を一切持たない失業者の8割超を、若年層が占めています。

    韓国銀行
    なぜ、韓国の若者の雇用機会が減少しているのか。最大の理由は、韓国銀行(韓国の中央銀行、日本の日銀にあたる)が雇用情勢がこれだけ悪化しているにもかかわらず、量的緩和をしないからです。

    実際、本日も以下のようなニュースがありました。
    成長率とインフレ上昇見通しが金融政策の調整を支援=韓国中銀 
    韓国銀行(中央銀行)は9日、半期に一度の金融政策報告を発表し、国内経済が潜在成長率に近づいており、インフレ率も上昇が見込まれることから、金融緩和政策の調整が可能になってきたとの見解を示した。 
    中銀は「経済成長率は潜在成長率に向かって好転している一方、インフレ率は目標水準を目指して上昇すると予想されており、低成長と低インフレに取り組むため緩和的に維持されてきた金融政策の調整が徐々に可能になってきている」と分析している。 
    第3・四半期の韓国国内総生産(GDP)速報値が過去7年余りで最も大幅な伸びを記録したことを受け、市場関係者は中銀が11月30日の金融通貨委員会で6年超ぶりの利上げを実施するとの予想で一致している。 
    中銀は2012年から8回の利下げを実施し、10月19日の委員会では政策金利を過去最低水準の1.25%に据え置いた。 
    金融政策報告はまた、現在の成長モメンタムが持続的かどうかを判断するため、中銀が経済動向を注意深く見守っていくとしている。
    このニュースからうかがえるのは、韓国銀行がまともに機能していないことです。まず第一に「国内経済が潜在成長率に近づいており、インフレ率も上昇が見込まれることから、金融緩和政策の調整が可能になってきた」という韓国銀行の発言です。これは、全くおかしいです。インフレ率の上昇が見込まれるから金融緩和政策の調整が可能になってきたのではなく、そもそも中央銀行の金融緩和策によって、インフレ率が決まるはずです。

    さらに、これだけ雇用が悪化しているにもかかわらず、直近で実施する金融緩和策は、量的緩和ではなく、質的緩和である利上げです。

    これでは、雇用情勢を改善することはできません。どうも韓国の金融政策はおかしいです。

    韓国中央銀行は、国の中央銀行としては珍しく、2004年から4年間、世界唯一の赤字中央銀行となっていました(なお、2015年にはスイス国立銀行が赤字決算となっている)。これは、市場に流通されている通貨量を調節する目的で発行される通貨安定証券の過多発行と、それにもとづく利子負担によるもので、この時期の通貨安定証券の過多発行は、為替の値下がりを防ぐため行われたものとされています。しかし、これも良くわかりません。

    また、1997年のアジア通貨危機当時、韓国銀行は、外貨を国内の市中銀行に貸し出すなどして、公表されていた外貨準備高を確保していなかったことが、アメリカ合衆国・連邦準備理事会のアラン・グリーンスパン議長(当時)の回顧録で明らかとなっています。

    韓国銀行は中央銀行としてどうもまともに機能していないようです。日本でも、日銀が現在の黒田体制になる前の白川体制以前では、日銀はまともに機能していませんでした。

    金融通貨委員会を取りまとめる李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁=11日、ソウル
    特に、日本国の金融政策を決定す審議会のメンバーが、とても金融政策を理解しているとも思えないようなメンバーがほとんどでした。これらのメンバーのほとんどが、なにかといえば金融引締め策を実施したため、本来金融緩和をすべきときにも引き締め策を堅持しました。

    そのため、日本は円高傾向となり、デフレスパイラルのどん底に沈み込み、雇用もかなり悪化しました。韓国では、金融通貨委員会が韓国の金融政策を決定するようですが、この委員会もかつての日銀の審議会のようにまともに機能していないのだと思います。

    韓国では、金融政策を疎かにしているようでは、かつての日本のように雇用が改善されることはありません。一刻もはやく金融緩和すべきです。韓国は、金融緩和すべきといういうと、緩和すればキャピタル・フライトがおこるということを主張する人もいますが、韓国の場合はその心配はないと思います。

    これに関しては以前もこのブログに掲載したことがあります。結論らかいうと、韓国は金融緩和してもキャピタル・フライトは、おきません。かつてキャピタルフライトの起きた国としてアイスランドは有名です。

    その頃アイスランドはGDP比で700%もの外貨建ての借金をしていました。しかし、当時のアイスランドの政府債務対GDP比は29%しかありませんでした。この700%もの債務は一体誰が負っていたのでしょうか。

    アイスランド政府の借金でないのであれば、あとは民間しかありません。この膨大な対外の外貨建て債務は国内の金融機関が負っていた負債でした。

    このような国であれば、当然のことながらキャピタルフライとは起こりえます。そうして、実際アイスランドではそれが起こったのです。

    韓国銀行は2月22日、韓国の対外債権が前年比638億ドル増の7843億ドルとなったのに対し、対外債務は151億ドル減の3809億ドルだったと発表しました。

    対外債務では長期対外債務が160億ドル減少し、短期対外債務は8億ドル増えました。外貨準備高(3711億ドル)に占める短期対外債務(1052億ドル)の割合は28.3%で前年と同じでした。同割合は2013年の32.3%、14年の32.0%、15年の28.3%と年々低下してきました。1997年の通貨危機当時(283.1%)、2008年の金融危機当時(79.3%)に比べるとはるかに低い水準です。

    この程度の対外債務であれば、どう考えても金融緩和したからといって、キャピタルフライトを起こすことはありません。

    にもかかわらず、量的金融緩和をしないのは、やはり、韓国では日本のように、金融政策と雇用が密接に結びついているということを理解しない人が、政治家やマスコミにも多いということだと思います。


    日本では、幸いなことにこれを理解している安倍総理や菅官房長官など政府中枢に存在するので、最近は未だ十分とはいえないまでも、日銀の金融政策はまともになってきました。

    しかし、ポスト安倍ではこの二人も政権では中枢に居続けることはできないでしょう。そうなると、日本も韓国なみに金融政策が機能しなくなり、また雇用がかなり悪化する恐れがあります。雇用の悪化だけではなく、またデフレスパイラルのどん底に沈み、円高に逆戻りです。

    そうなる可能性はかなり高いと思います。ブログ冒頭の記事で、室谷克実(むろたに・かつみ)氏は、韓国の雇用情勢の劣悪さについては詳細に語っていますが、その原因や韓国がすべきことについては何も語っていません。というより、金融政策と雇用政策について室谷氏の頭の中では何の連関性もないのでしょう。

    日本でも、室谷氏のような人のほうが一般的です。雇用の悪さと、中央銀行を結びつけて考える人は多くないです。そうして、無論韓国内でも、そのような人は皆無に近く、何かといえば、構造改革ばかり叫ぶ人が多いです。

    韓国では、金融緩和策が実施されていないことが、様々な歪みを生んでいるのは間違いないです。まずは、雇用の極度の悪化、家計の借金の悪化、ウォン高、その他諸々です。

    私は、韓国政府による反日活動も、これに関係していると思います。そもそも、金融緩和策がまともになされていれば、国民の不満もさほどではないですが、現状ではそうではなく、多くの国民が八方塞がりになっていて、憤怒のマグマがいつ吹き出してもおかしくない状況です。その憤怒のマグマを自分たちに向かせることなく、日本を悪者にしたてて、日本に向けるようにしたのが、韓国の反日でもあります。

    まともな金融緩和策を実行すれば、国民にも余裕でき、政府も極端な反日などしなくてもすむようになります。国民と政府との関係も余裕ができ、今よりはかなり良くなります。現状では、国民の不満が増すばかりで、その不満に乗じて、北の勢力が浸透しやすくなっています。

    しかし、今日の韓国は金融緩和はせず、そうして国民から政府まで皆が八方塞がりに陥っているのです。

    ポスト安倍は今のままでは、金融引締めを繰り返すようになり、現在の韓国のように八方塞がりになる可能性が高いです。

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    2017年9月13日水曜日

    【日本の解き方】右も左も「消費増税派」ばかり… マスコミや学者にも重い責任、ポスト安倍はリスク取れるか―【私の論評】増税一辺倒で自民も万年野党に堕ちる(゚д゚)!

    【日本の解き方】右も左も「消費増税派」ばかり… マスコミや学者にも重い責任、ポスト安倍はリスク取れるか

    岸田文雄政調会長
     自民党の岸田文雄政調会長は報道各社のインタビューで、消費税率10%への予定通りの実施を主張したという。

     「ポスト安倍に名前が挙がる人は増税派ばかりだ」と以前の本コラムにも書いたが、岸田氏の発言の意味を考えてみよう。

     まず一つは、「その考え方を貫く」という見方だ。これは消費増税路線をしっかりやり抜くということなので、岸田氏が後継首相になれば、消費増税は決定的だ。

     もう一つは「今の段階で法律で定められているとおりに話し、無難に対応した」という見方だ。この場合、来年末ごろの実際の決定時期になるまで消費増税するかどうかはわからない。

     現時点で岸田氏の発言の真意は不明だ。ただし、岸田氏が、増税に理解があった宮沢喜一元首相の一族であり、姻戚関係に増税指向の財務省官僚が多いので、消費増税路線の公算が大きいとしておこう。このため、可能性は低いものの後者のようにもし岸田氏が消費増税の方針を撤回したら、大きなサプライズになるだろう。

     いうまでもなく、大半のマスコミ論調は消費増税に偏っている。これは、新聞を軽減税率の対象にするというエサを与えられたので、マスコミ勢力が消費増税になびいている面もあるのだろう。

     世論も多くは消費増税を仕方ないと思っている。そのため、マスコミも反消費増税を主張したところで、多くの購買者を獲得できないと思っているフシもある。

     増税派は世論に対しても手を打っているようだ。「消費増税しないと社会保障が回らない」というロジックだ。これは、本コラムで何回も書いたが、社会保障を保険原理で運営するという世界の流れと逆行している。

     消費税を社会保障目的税とする先進国はないが、それは、保険料を払えない人の分を所得税の累進部分で補填(ほてん)するという保険原理があるからだ。保険原理に徹するには、税と保険料を一緒に徴収する歳入庁の設置が不可欠であるが、財務省は頑として受け付けない。結局、保険原理を無視しているという暴挙について一般国民が知らなさすぎる。

     これは、学者や専門家の責任でもある。消費税を社会保障目的税とする先進国はないという単純な事実すら主張する人がいないのは驚きだ。消費税は社会保障ではなく、本来は地方の税であるという基本原理を、日本維新の会を除く政党がほとんど理解していないのが実情だ。

     こう書いていくと、増税の延期や凍結の障害となりそうな人は数多い。逆にいうと、増税の延期や凍結を主張する政治家は極めて少ない。というか、ポスト安倍政権が消費増税を実施する確率は、今の安倍政権よりかなり高まるだろう。

     安倍首相は口では「予定通り消費増税を実施する」と言っているが、過去に2回も増税をはねつけた過去がある。ポスト安倍はそうしたリスクを取らない確率が高いのが現実だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

    【私の論評】増税一辺倒で自民も万年野党に堕ちる(゚д゚)!

    消費税の社会保障目的税化は、「社会保障を保険方式で運営する」という世界の流れに逆行するもので、これを行っている国は世界では日本以外にありません。

    消費税の社会保障目的税化が間違いは、1990年代までは大蔵省の主張でもありました。ところが、1999年の自自公連立時に、財務省が当時の小沢一郎・自由党党首に話を持ちかけて、消費税を社会保障に使う、と予算総則に書いたのです。なお、平成12年度の税制改正に関する答申(政府税制調査会)の中で、「諸外国においても消費税等を目的税としている例は見当たらない」との記述があるくらいです。

    与党3党会談に臨む(左から)小沢一郎自由党党首、小渕恵三首相、
    神崎武法公明党代表(東京・首相官邸)(2000年04月01日)
    こうした世界標準の論理からすれば、消費税を社会保障目的税にするのではなく、社会保障は保険料で賄うほうが望ましいです。しかし、今の日本では世界で常識になっている税・保険料の徴収インフラができていません。このために、税・保険料の徴収漏れが予想されており、これが不公平感にもつながっています。

    税・保険料の徴収インフラとは、国税庁と年金機構が一体化する歳入庁を創設することです。歳入庁ができれば、国民にとっても一ヵ所で納税と保険料納付が済むし、行政の効率化にもつながります。

    海外では、米国、カナダ、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェーが、歳入庁のもと、税と社会保険料の徴収の一元化を行っています。東ヨーロッパの国々でも傾向は同じで、歳入庁による徴収一元化は世界の潮流です。

    歳入庁の創設は税と保険料の歳入増にもつながります。国税庁が把握している法人数と年金機構(旧社保庁)が把握している法人数は80万件も違うことから、保険料の徴収漏れが12兆円程度との推計もあり、実際に国会でも議論されています(浅尾慶一郎 http://asao.net/blog/report/3592)。
    こうした推計に異論もあるかしれませんが、計算内容について重箱の隅をつつくより、実際に歳入庁を作ることに意味があります。歳入庁は、社会保障を保険方式で行いつつ、同時に不公平も解消する王道だからです。

    しかし、歳入庁の創設は財務省が大反対しています。国税庁は財務省の植民地になっており、国税権力を財務省が手放したくないからです。第一次安倍政権で旧社保庁を解体し、歳入庁を創設のうごきもありましたが、財務省は激しく抵抗しました。民主党は、政権交代時に歳入庁を公約していたのですが、その後撤回しました。

    政権交代した当時の民主党は、過去のしがらみなしで社会保障と消費税を考えられたはずです。もし、まともに考えていれば、民主党の地域主権を主張する立場から消費税は地方に税源移譲すべきでした。

    同時に、社会保障は、とりあえず給付付税額控除の方向で考え、そのための社会インフラとして「歳入庁」を創設すべきでした。そうすれば、持続的な社会保障のために、所得・法人税と保険料のベストミックスを考えることになったはずです。その際、年金の世代間不公平や各種社会保障の縦割りも議論されたはずです。

    民主党はこうした大きな方向性なしで議論し、制度論として必ずしも優れていない自公時代のものをコピーしたものですから、「社会保障と税の一体改革」とは名ばかりの「消費税増税大綱」になってしまいました。民主党がどんなに説明しても、8%の消費税増税は政権交代して歳出が膨らんだのを穴埋めしたにすぎません。

    2014年には、当時の民主党を含む野党各党が、「歳入庁」設置や一括交付金の復活を盛り込んだ行財政改革推進法案を衆院に提出したこともありましたが、民主党の右往左往ぶりは滑稽なものでした。

    政権交代はしたが何もできなかった民主党政権

    さて、そもそも年金の現状は、どのようなものか、年金バランスシートをみてみましょう。データとしては、毎年の政府バランスシートの文中で書かれているモノを利用します。1999年度版(http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/prev_fy2002/bs1309.pdf)と2014年度(http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2014/national/fy2014-gassan.pdf)からのデータで、年金バランスシートを作成すると、以下の通りです。



    保険料について、将来見通しどおりに進むのであれば、年金バランスシートも破綻することはないので、年金の脆弱性を見る場合のポイントは、①過去債務に対する将来保険料部分、②将来の年金給付の水準ということになります。

    ①については、これまで年金給付を約束しているが、その財源はなく将来保険料に依存しないと仕方ない部分なので、これが小さい方が年金は健全といえます。1999年度版と2014年版を比べると、455兆円から680兆円に増加しているが、15年間という期間を考慮すればそれほど深刻ではありません。

    ②については、マクロ経済スライドも導入されているので、将来の年金給付の調整があります。しかも日本の年金給付水準はそれほど高くないので、それほど脆弱ではありません。

    むしろ心配があるのは、きちんと保険料を徴収できていないおそれです。

    これは、消えた年金問題で発覚した旧社会保険庁の体質が、今でも残っているようで心配です。旧社会保険庁は解体されたが、それでも不祥事は絶えないです。

    2010年10月、機構職員と社保庁OBが官製談合で逮捕されました。2013年4月には、過去の記録ミスによる支給漏れを支払う「時効特例給付」が行われておらず、約10億円の未払いが発覚しました。そして、2015年5月に125万件の情報流出問題を起こしました。

    こうしてみると、歳入庁構想に話が戻ってしまう。やはり歳入庁は必要なのです。

    歳入庁構想

    そもそも、消費税は社会保障目的税ではありません。これはどうすべきかというと、消費税は地方税にすべきという結論になります。消費税は一般財源ですが、国が取るか地方が取るかという問題になるが、地方分権が進んだ国では、国でなく地方の税源とみなせることも多いです。

    これは、国と地方の税金について、国は応能税(各人の能力に応じて払う税)、地方は応益税(各人の便益に応じて払う税)という税理論にも合致します。

    ヨーロッパの国は一国の規模が小さく、GDPでみても日本は欧州の国が7つ、8つくらい集まった規模です。ヨーロッパの場合にはサイズが小さく、日本からみれば地方単位であるので、EUを一つの国として、その中に地方があり、それぞれで消費税を導入しているという見方もできます。

    また、地方分権の進んだ国では、オーストラリアのように国のみが消費税を課税し、地方に税収を分与する方式、ドイツ、オーストリアのように国と地方が消費税を共同税として課税し、税収を国と地方で配分する方式、カナダのように国が消費税を課税し、その上に地方が課税する方式、アメリカのように国は消費税を課税せず、地方が消費税を課税する方式があります。

    これらを見ると、世界でも、分権度が高い国ほど、国としての消費税のウエイトが低いことが分かります。

    都道府県と他国のGDPの比較 ヨーロッパ国々のサイズは小さく、日本からみれば地方単位
    いずれにしても、自公民の3党合意に基づく、消費税を社会保障目的税とする社会保障改革は行き詰まっています。社会保障を人質にとり、消費増税を迫るのはいかがなものでしょうか。

    消費税の社会保障目的税を前提とすることは妥当なのでしょうか。世界の先進国で、消費税を社会保障目的税としている国はありません。どこの国も、社会保障は保険料財源が基本で、保険料を払えない人のために、所得税の累進課税で金持ちから賄っています。3党合意や社会保障改革の見直し、消費税をどうすべきか議論するのは急務です。

    このようなことを無視して、消費税の社会保障目的税化を是として、消費税の10%増税につきすすめばとんでもないことになります。

    また、日本はデフレに舞い戻り、その時の政権がどの政権であれ、短命に終わるのは必定です。それこそ、第一次安倍内閣が終焉し、その後麻生政権までのように、短命な政権がいくつか続くことになります。

    そのときに、経済対策がまともな政党がでてきて、消費税の社会保障目的税化はそもそも、根本的に間違いであり、歳入庁を設立し、「消費税増税大綱」ではなく、まともな「社会保障と税の一体改革」を打ち出し、消費税を地方に税源移譲することを公約に打ち出したとしたら、自民党はこの野党にとって変わられるかもしれません。

    そうして、このブログでも述べているように、その党が政権をとった後に、財務省を解体し解体した旧財務省を他省庁の下部組織にして、財務省の息の根をとめることができれば、その政党は長い間与党の地位を独占することになるでしょう。

    このようなことがおこれば、かつての民主党、今の民進党も自分たちが政権の座についていたときに何をすべきだったかわかるようになるかもしれません。ただし、そのときにはそもそも、民進党は存在していないかもしれませんが・・・・・・・・

    そうして、このようなまともな野党が出てきた後には、その後自民党は下野したままで、長年万年野党の地位に甘んじることになることでしょう。そのようなことになりたくなければ、自民党は10%増税は見送りし、財務省が嫌がる歳入庁の設置に早期に踏み切るべきです。

    ポスト安倍には、増税をすることのほうが自民党によほどハイリクスであること、しっかり自覚していただきたいものです。

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    2017年8月1日火曜日

    “裏切り者”石破氏の党内評価急落…「ポスト安倍」争い、岸田氏が逆転リード―【私の論評】トンデモ歴史観・経済論の信奉者石破氏は総理大臣の器にあらず(゚д゚)!

    “裏切り者”石破氏の党内評価急落…「ポスト安倍」争い、岸田氏が逆転リード

    岸田外相 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
     稲田朋美防衛相の辞任に絡み、安倍晋三首相の後継をめぐる「ポスト安倍」争いに異変が生じている。世論調査では、石破茂元幹事長がリードしていたが、党内的には岸田文雄外相の評価が急上昇しているのだ。外相と防衛相を兼務して存在感を高める岸田氏と、過去の「裏切り者」のレッテルが復活しつつある石破氏。8月3日の内閣改造・自民党役員人事をにらみながら、党内序列も激変しそうだ。

     「閣僚(稲田氏)が辞任することについて、国民のみなさまに心からおわび申し上げる。安全保障には一刻の空白も許されない。岸田外相に防衛相を兼務してもらう。北朝鮮の『核・ミサイル』開発が深刻さを増すなか、高度な警戒態勢を維持し、国民の安全を確保するため、万全を期す」

     安倍首相は28日、官邸で記者団にこう語った。

     防衛相辞任という“政治的空白”を突いてきたのか、北朝鮮は同日深夜にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した。

     この奇襲的ミサイル発射に対し、政府の対応は素早かった。安倍首相や菅義偉官房長官らは官邸にすぐに駆けつけ、国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会合を開催し、対応を協議した。

     岸田氏は翌29日未明に官邸から防衛省に移り、自衛隊に対し、米韓と連携しながら情報収集や高度の警戒態勢の維持などを指示した。

     その後、岸田氏は記者団の取材に対し、「首相から『安全保障に一刻の空白もあってはならない』という意向が示され、私は防衛相を兼ねて務めている。(今回の事態に)防衛省、外務省、一体となって全力で取り組んだ。空白があったというようなことはない」と自信満々に語った。

     防衛相兼任初日から、危機管理対応に追われた岸田氏だが、その手腕の確かさを示すことにもなった。

     安倍首相は当初、防衛相の兼務を、麻生太郎副総理兼財務相に打診したが、都合が付かずに断念し、岸田氏を抜擢(ばってき)したとされる。内閣改造までの一時的措置だが、安倍首相の狙いはドンピシャリだった。

     官邸関係者は「通常、外相と防衛相の兼務は考えられない。米国なら、ティラーソン国務長官とマティス国防相の役割を1人でこなすことだ。短期間だが、多大な責任と権限を手にする。これは安倍首相が岸田氏に『絶対的な信頼』を寄せている証拠だ。麻生氏に先に打診したとすれば、当然、麻生氏の『岸田氏でいい』という了解も得ている。今回の兼務は、岸田氏が『ポスト安倍』で大きく先行したことを意味する」と語った。

     これまで、自民党内では「ポスト安倍」について、「岸田氏と石破氏が競い合い、非常時の緊急避難としては麻生氏」(中堅)とみられてきた。だが、「森友・加計学園」問題や、南スーダンPKO(国連平和維持活動)の日報問題を経て、党内の評価は変わった。

     官邸関係者は「政府与党の危機に、岸田氏は『一致結束して安倍政権を支える』と公言している。これに対し、石破氏はメディアに登場して政権批判を繰り返し、後ろから鉄砲を撃っている。石破氏はかつて自民党を離党し、あの小沢一郎氏(現・自由党代表)と行動をともにした。また、『先祖返り』しているのではないか」と語る。

    石破茂
     実際、石破氏の側近である鴨下一郎元環境相は28日のTBS番組収録で、稲田氏をめぐる安倍首相の対応について「かばいすぎのそしりは免れない」と批判した。

     石破氏は、自民党が下野するきっかけになった1993年6月の宮沢喜一内閣に対する内閣不信任案に賛成した。解散総選挙後に成立した細川護煕内閣が、同年11月に提出した小選挙区制の導入などを柱とした「政治改革4法案」にも賛成し、役職停止処分などを受けた。当時の自民党幹事長は森喜朗元首相。その後、自民党を離党し、小沢氏らの新進党の結成に参画した。

     自民党ベテラン秘書は「石破氏は自民党が野党のときに出ていき、与党のときに戻ってきた。つまり『裏切り者』だ。ドイツの哲学者ヘーゲルは『歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は茶番として』と言ったが、安倍首相の苦境、自民党の危機を利用して、けしからぬことを考えている可能性がある。世論調査と正反対で、石破氏の党内評価は急落している。今の動きが『茶番』にならなければよいが…」と分析した。

     「ポスト安倍」を勝ち取るには、岸田氏や石破氏は将来、自民党総裁選で勝利しなければならない。現在、自民党は衆参で約400人いるが、安倍首相の出身派閥・細田派(96人)と、麻生派(59人)、岸田派(45人)を合わせると200人。一方、石破派は19人である。

     政治評論家の伊藤達美氏は「安倍首相は、岸田氏を副総理格で処遇すべきだ」といい、続けた。

     「現在、首相不在の際の臨時代理の順位は、1位が麻生氏、2位が菅義偉官房長官だが、岸田氏を2位にすべきだろう。政治家にとって貸し借りは大事で、岸田氏は今回、安倍首相に大きな貸しを作った。岸田氏率いる宏池会の創設者、池田勇人元首相は、安倍首相の祖父、岸信介元首相の後に総理の座を射止めた。岸田氏は、この事実を冷静に振り返り、安倍首相をしっかり支えて、この難局を乗り越えるべきだろう」

    【私の論評】トンデモ歴史観・経済論の信奉者石破氏は総理大臣の器にあらず(゚д゚)!

    石破氏の党内評価が急落するのは当然だと思います。私自身も、石橋が総理大臣になることには絶対に反対です。それについては、今に始まったことでなく、以前からそう思っていました。それに関しては、以前のこのブログの記事にも掲載しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
    石破氏、ポスト安倍狙う“秘策” 党総裁選改革案は「ゲルマンダー」―【私の論評】安部総裁の本来の勝負は平成15年の自民党総裁選!ここで石破総裁が誕生すれば「戦後体制からの脱却」は遠のき、失われた40年が始まる!(◎_◎;)
    虎視眈々と自民党総裁の椅子をうかがう石破幹事長
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に石破氏が総理大臣には不適任であることを示した部分を掲載します。 
    "
    石破茂氏は、総裁選での安部総理の最大の敵ですが、われわれ国民にとっても、最大の敵かもしれません。少なくとも、彼だけは、総理大臣はおろか防衛大臣にしてもいけない人物だと思います。いや、本来は、国会議員だってまともな国だったらなれないかもしれません。

    その根拠を以下にあげます。その根拠というのは、石破茂氏の歴史観です。石破氏が防衛大臣だったときに、自らの歴史観を披瀝したことがあります。

    この歴史観について、雑誌「2008年WILL6月号」で渡部昇一氏が石破大臣を国賊だと批判していました。

    石破氏の中国の新聞に載せられたインタビュー記事は衝撃的であり、この件について当時政府が何も動かなかったことも驚愕です。中国の情報工作はますます進み、当時の石破大臣も篭絡されたのではないでしょうか?だとすれば、末恐ろしいことです。

    以下にこの渡辺昇一氏の記事の一部を引用します。
    渡辺昇一氏
    石破大臣の国賊行為を叱る
    渡部昇一
    中国共産党の新聞「世界新聞報」(1/29)に駐日記者が石破茂防衛大臣の執務室でインタビューした記事を載せた。 
    【石破防衛相の発言】 
    ●私は防衛庁長官時代にも靖国神社を参拝したことがない。第二次大戦の時に日本の戦争指導者たちは、何も知らない国民を戦線に駆り出し、間違った戦争をした。だから私は靖国神社に参拝しない、あの戦争は間違いだ、多くの国民は被害者だ。 
    ●日本には南京大虐殺を否定する人がいる。30万人も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという。何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だ 
    ●日本には慰安婦についていろいろな見解があるが、日本軍が関与していたことは間違いない。 
    ●日本人が大東亜共栄圏の建設を主張したことは、侵略戦争に対する一種の詭弁だ。 
    ●(中国は日本に対する脅威であるから対中防衛を強化せよという人たちは)何の分析もしないで、中国は日本に対する脅威だと騒いでいる。 
    ●日本は中国に謝罪するべきだ。
    これではまるで稚拙なサヨク学生の言い草ではないか。ギルト・インフォメーションに基づく戦後自虐教育の落とし子そのものである。 
    これが事実だとすれば石破茂防衛大臣に対する認識を改めねばならない。 
    「WILL」編集部が石破茂防衛大臣に確認したところ、事務所から次の回答が来たという。
    問 1月29日付け「世界新聞報」に石破防衛大臣の執務室での独占取材内容が掲載されているが、この取材は実際に受けたものか。 
    答 実際に受けたものです。 
    問 いつの時点で取材を受けたのか。 
    答 平成19年11月21日(水)に取材受けいたしました。 
    問 掲載された内容は、石破防衛大臣が話した事実に即しているのか。 
    答 インタビューを先方が記事にまとめたものですので、事実に即していないと言うほどではありませんが、事実そのままでもありません。 
    問 記事が事実に即していない場合、それに対してなんらかの対処をされたか。 
    答 前の答えの通り、どのマスメディアでも発言を加工することはありますので、特別対処というほどのことはしておりません。 
    いやはや、恬として恥じない石破氏はアッパレ! 
    しかし、この大臣の下で働く自衛隊のみなさんの心情を考えると哀れである。 
    その著書「国防」を当ブログでも紹介し、軍隊でないために行動基準がネガティブリストではないこと、軍法会議がないこと、NTP体制は「核のアパルトヘイト」だという発言を好意的に取り上げたが、所詮は単なる「軍事オタク」で国家観も歴史観も持ち合わせていないことが判明した。 
    ブッシュ(父)大統領がハワイ在住の日系人の式典で「原爆投下を後悔していない
    (I am not sorry)」と発言したことについて、渡部氏はいう。 
    「他国に簡単に謝罪するような人間は、大統領はおろか、閣僚にも絶対になれません。それが諸外国では当たり前です」 
    野党首相の村山富市は言うに及ばず、宮澤喜一、河野洋平、加藤紘一その他の謝罪外交を繰り返した政治家たちは「当たり前」ではないのである。 
    石破茂防衛大臣もその一人として辞任を要求する。
    それにしても、石破茂という人物は、とてもじゃないですが、安部政権の幹事長にはふさわしくない人物であることは、はっきりしています。そもそも、歴史観が駄目ですし、それに、今回増税を当たり前のど真ん中かと思っていることから、マクロ経済学も他の自民党の政治家と同レベルの低水準です。しかし、このような人物を幹事長にせざるを得ない安部総理の自民党内部での孤立無援の状況が良く理解できます。
    "
    渡部昇一先生は、今年の4月にご逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。石破氏が現在ポスト安倍の有力候補であることを知ったら、先生はさぞ残念に思われることでしょう。

    上の引用の、最後のほうにマクロ経済学に関する見識も他の自民党の政治家と同レベルの低水準であることを掲載しました。

    石破氏は完璧なリフレ政策反対論者です。石破氏の反リフレ政策の議論は、マネーのバラマキを継続すればハイパーインフレになるというもので、これは石破氏の年来の主張でもあります。2010年7月のインタビューで、すでに彼は以下のように述べています。
    (みんなの党(当時)が提出したデフレ脱却法案について) 
     わたしはああいう考え方をとらない。マネーのバラマキは効果的かもしれないが、1年限りで終わるものでなく、2年、3年、4年と続ける必要があり、そのときハイパーインフレにならないという自信がない。麻薬を打つと元気になるが中毒になる前に止めるからいい、という話にならないか。(デフレ脱却法案への反対は)党としてまとまっている。うまくいくかもしれないが、ギャンブルではないのだから(政策として採れない)インタビュー:民主代表選の結果次第で首相交代も=自民政調会長(2010.07.16)
    この石破氏の見解が間違いだったことは、もうすでに明らかになっています。日銀の大胆な金融緩和政策が始まってすでに5年目が経過しました。しかし、ハイパーインフレになるどころか、14年の消費増税と世界経済の不安定化によって、いまだに事実上のデフレ状態が続いています。

    もっともこの点についても、単にデフレ状態のままだからという理由で、アベノミクスは否定されるわけではありません。安倍政権になってからの金融緩和政策によって、就業者数の増加などの各種経済指標の大幅改善をみれば、よほどの悪意を持たない限り、誰もが認めるところだろうと思います。

    最近でも石破氏は、消費税を必ず上げることを約束していることが国債の価値を安定化させていることと、またプライマリーバランスの2020年度の黒字化目標を捨てることも「変えたら終わりだ」とマスコミのインタビューに答えています。

    要するに、石破氏の「反アベノミクス」政策とは、①大胆な金融緩和政策は危険なので手じまいが必要、②財政再建のために消費増税を上げることが最優先、というものです。もしこれらの政策を実行すれば、間違いなく日本経済は再び大停滞に陥ることになります。

    安倍首相は、12年秋の自民党総裁選からこのインフレ目標の導入を掲げて総裁選に勝利しました。そして政権の座に就いてからも日銀にインフレ目標の導入を事実上迫り、日銀の人事管理(正副総裁選出)を通じて導入の実現に成功しました。

    13年のインフレ率の改善は目覚ましいものがありました。これはインフレ目標によってそれまでとは違い、マネタリーベースの水準と物価水準の相関がよみがえりつつある状況になったからです。ただし、残念ながら、それを妨害したのが消費増税でした。

    しかし、仮にマネタリーベースの水準と物価水準の相関がよみがえり、マネーを増やせば物価もそれに応じて増加する世界になれば、石破氏の主張するようにハイパーインフレになるでしょうか。それはただのトンデモ理論です。

    過去のハイパーインフレの経験をみると、物価が急速に上昇するまでに1年以上の時間の遅れがあります。その間に金融引き締めを行えば良いということです。金融引締めをする暇もないほど、急速にインフレになるということはないのです。

    そうして、インフレ目標自体が重要になります。インフレ目標は現状では、対前年比2%の物価水準を目指すというものです。2%のインフレ目標の導入自体が、ハイパーインフレを起こさない強力な手段になっていることは論理的にも理解いただけるものと思います。

    一方、都内で開いた岸田派のシンポジウムで、岸田氏は、4年半のアベノミクスの成果を強調する一方、格差の問題点に言及しました。派閥創設者の池田勇人元首相が所得倍増論を進める中で、中小企業や地方対策といった格差是正にも努めた事例を紹介。アベノミクス修正の必要性を指摘しました。

    岸田氏は来場者から政権を取った場合の政策を問われ、「閣僚なので内閣不一致になっちゃいけないと思いつつ覚悟して来た」。言葉を選びつつ、「これだけはやりたいのは何か。成長と分配のバランス」。アベノミクスが成長戦略に偏りがちであることに懸念を持っていることを示唆しました。

    岸田氏は石破氏のように、アベノミクスを根底から否定しているわけではありません。それに、再分配政策に関しては現状の自民党内ではなぜか不人気な政策なのですが、推進すべき政策の一つでもあります。

    しかし、格差の是正をするためにも、まずは経済を良くすること、さらに雇用の面でも、所得をあげるためには、まずは現状の失業率の3%台では、まだ不十分であり、構造的失業率である2%半ばまでもっていかなければ、実施賃金はなかなか上がりません。そのために、物価目標2%が達成させていない現在追加の量的金融緩和は絶対に実施しなければなりません。

    さらには、物価目標を達成するためにも、今こそ積極財政を実施しなければなりません。そのための一番の近道は、消費税減税です。これは5%に戻すべきでしよう。

    中小企業や地方対策を行うにしても、失業率が2%台半ばになっていること、物価目標を達成していなければ、無理です。このこと岸田氏が本当に理解すれば、岸田氏が総理大臣になったとしても、自民党はうまくやっていけるでしょう。

    ただし、岸田氏が景気循環的なマクロ政策の重要性に目覚めず、構造改革などにばかり注力するようであれば、また失われた20年まいもどり、岸田総理大臣が実現しても、短期政権で終わることでしょう。

    一方、石破氏の場合は、到底景気循環的なマクロ経済政策の重要性に目覚めるなどということはあり得ないでしょう。

    トンデモ歴史観・経済論の信奉者石破氏は総理大臣の器にあらずと、声を大にして言いたいです。

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