2020年3月28日土曜日

東京五輪延期の裏で官邸内部に異変…消えた“菅総理”の目、7月に“減税総選挙”か―【私の論評】国民生活のことなど全く考えず省益だけを追求する歪んだ怪物のような財務省(゚д゚)!

東京五輪延期の裏で官邸内部に異変…消えた“菅総理”の目、7月に“減税総選挙”か
文=渡邉哲也/経済評論家

東京五輪の延期を発表する安倍晋三首相

 東京オリンピック・パラリンピックが1年程度延期されることになった。これは、アメリカなど国際社会の要請を受ける形での決定であり、日本にとってはベストな選択といえるだろう。そして、史上初の五輪延期という決定を通して、安倍政権の内部で起きている変化が見えてくる。

 新型コロナウイルスの感染拡大が取り沙汰されていた2月下旬、永田町周辺では飯島勲内閣官房参与の姿が見え隠れし始め、安倍晋三首相と麻生太郎副総理の動きが変化した。2月29日に安倍首相は記者会見を行い、感染拡大防止策をはじめ、学校の一斉休校要請、緊急の経済財政対策、立法措置などについて発表し、自ら指揮を執る形での危機対応に転換した。

 また、3月5日に行われた未来投資会議では、産業界の中国依存の是正や生産拠点の日本回帰などについて述べている。これらの動きは、大規模な政策転換であり、内部政治の大きな変化を意味するものだ。

“菅首相”の可能性が消滅した理由

 安倍首相は2019年9月の内閣改造の際、派閥均衡人事を行い、次のリーダー候補を競わせる形をとった。加藤勝信厚生労働大臣、茂木敏充外務大臣、岸田文雄自民党政務調査会長、河野太郎防衛大臣らが、そうである。

 一方で、二階俊博自民党幹事長をあえて据え置き、菅義偉官房長官も留任させた。菅官房長官は自派閥の創設に有利になる幹事長を希望していたが、そのポストには二階氏を続投させたわけだ。菅氏は官房長官という要職に就いている限り、自派閥を立ち上げることはできない。この人事には、安倍首相の菅官房長官に対する本質的な懸念があったとも言われている。

 代わりに、菅官房長官に近い人物に3つの大臣ポストが与えられた。菅原一秀経済産業大臣、河井克行法務大臣、小泉進次郎環境大臣だ。しかし、菅原・河井の両大臣はスキャンダルで辞任し、初入閣を果たした小泉環境相も株が急落している。これらの現状を見る限り、一時は「ポスト安倍の最有力候補」とも言われた菅氏に次期首相の目はなくなったと言ってもいいだろう。

 また、IR(統合型リゾート)の問題をめぐっても、事実上の旗振り役を務めていた菅官房長官と二階幹事長についてさまざまな噂が飛び交い、実質的に暗礁に乗り上げていることで、カジノ利権による利益は期待できなくなった。さらに、新型コロナウイルスの対応で自民党内からも反発が生まれ、安倍首相がどのような判断を下すかが注目されていたわけだ。

 党内政治は「派閥の論理」と「数合わせ」で決まる。現政権は安倍・麻生の二派閥と二階派による数合わせでできており、それにより党内の圧倒的過半数を維持し、党内運営を潤滑にしてきた。ただし、一方では、二階幹事長の中国寄りの姿勢などが保守層の反発を招いていたわけだ。

首相官邸の内部で起きていた“異変”

 そうした空気を一変させたのが、安倍首相の2月末の会見であった。菅・二階切り――これには党内的なリスクはあるが、そのままでは時間切れになるだけであったため、自派閥に応援を求め、官邸内部にも手を入れた。そして、経済産業省出身の今井尚哉氏首相補佐官、警察庁出身の北村滋国家安全保障局長が主導する体制に切り替えたわけだ。

 同時に、安倍・麻生に東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長を加えた3人体制で、国際社会との連携を強めていった。それは、新型コロナウイルスの対応に関しても、東京五輪の延期においても同様だ。いずれも非常に舵取りが非常に難しい問題であるが、現時点ではベストな方法を選択できている。

 東京五輪の延期に伴い問題は山積しているが、今後はもちろん新型コロナウイルス感染症への対策も加速すべきだ。治療薬の確定と治療ガイドラインの早期確立が実現すれば、季節性インフルエンザの水準までリスクを軽減できるだろう。

 そうなれば、その後は現金給付などの消費喚起策を実施するとともに、消費税減税と憲法改正を争点にして、7月頃に解散総選挙というシナリオを描くこともできる。その場合は、安倍首相の自民党総裁4選とセットで悲願の憲法改正も現実味を帯びてくるだろう。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

【私の論評】国民生活のことなど全く考えず省益だけを追求する歪んだ怪物のような財務省(゚д゚)!

政府の経済対策は、消費減税なしで所得制限現金給付ということに落ち着きそうです。事業費でリーマン超えでも、真水は15兆円程度でしょう。真水で20兆円程度までお終いになる可能性が台大です。これは、せいぜいGDPの4%なので、米国のGDP10%などと比較するとかなりお粗末な対策です。


経済対策には大別すれば(1)公共事業(2)減税・給付金(3)融資・保証-があります。真水としては、(1)のうち用地取得費(事業費の2割程度)を除いた部分と(2)の全額、(3)は含まないことが多いです。

実際の政策としては、(2)でも消費に回らないと短期的にはGDP創出につながらないし、(3)がないと企業倒産につながり雇用の喪失を通じてGDPへ悪影響が出ます。その意味では、全ての政策が相まって重要なのですが、真水の考え方はマクロ経済政策としての有効需要増をGDPに対する比率で表すことができます。

今回のような経済ショックがあると、GDPの一定割合の有効需要が失われ、GDPが低下します。それは、GDPが減少すると失業率が上昇する「オークンの法則」から分かるように、雇用の喪失を意味します。雇用を確保するために、どの程度の経済対策が必要かを検討する際、真水の考え方は好都合です。

「オークンの法則」とは、、一国の産出量と失業の間に経験的に観測される安定的な負の相関関係のことです。いずれの国でも成り立っている法則です。

たとえば、米国では、おおよその傾向はGDPの2%減少が失業率の1%上昇になっています。日本の場合、雇用は比較的安定しているので、さらに大きなGDP減少でないと失業率は1%上昇しません。例えば、最近ではおおむねGDPの8%減少が失業率の1%上昇になっています。

オークンの法則

どの先進国でも、雇用の確保はマクロ経済政策の基本中の基本です。経済ショックが各国のGDPに与える悪影響も均一ではなく、またそれが失業に与える悪影響も同じではありません。しかし、雇用の確保という観点からみれば、経済ショックに対する各国のマクロ政策はおのずと「相場観」が出てきます。そうした議論のためにも真水の考え方で経済対策を見た方が適切だといえます。

日本では、事業費の数字を出し、経済対策を大きく見せる傾向があります。しかし、真水の数字を使ってGDPに対する割合で見たほうが、より適切に日本の世界の中での位置付けが分かりやすくなるはずです。それでみると、日本の経済対策は欧米諸国より一桁違っており、コロナ・ショックを甘く見ていると言わざるを得ないです。

そうして、なぜそうなっているかといえば、省益しか頭にない、愚鈍な財務省が盲目的に増税と緊縮財政をすることのみに固執し、多くの政治家やマスコミがこれに惑わされ、コロナ・ショックや増税10%の悪影響があってもお粗末極まりない経済対策でも、何とかなると思い込まされているからです。

増税の悪影響は凄まじく、このブログでも掲載したように、実質GDP成長率は前期比年率▲7.1%に第1次速報値同▲6.3%から下方修正となっています。

これは、消費税増税への対策としてポイント還元を実施したのですが、これが完璧に失敗したことを示しています。

これに関しては、もしコロナウイルスの問題がなければ、かなり大きな話題になっていた可能性がありますが、現状はコロナウイルスの問題が大きく、その影に隠れてあまり大きな話題にはなっていません。財務省としては、胸をなでおろしていることでしょう。

しかし、この大失敗と、今回のコロナショックで日本経済が未曾有の大ショックに見舞われるのは明らかです。

今回の、減税なしのお粗末な給付金対策等では、景気の悪化を食い止めることはできないでしょう。

安倍総理としても、これについては遅かれ早かれ気づいていると思います。多くの無能ではない政治家達も気づいているか、気づきつつあるものと思います。

これが、今後4月、5月となるにつれて明らかになるでしょう。それでも、愚鈍な財務官僚が考えを変えず、省益に拘泥していれば、それを断ち切るしかありません。

愚鈍で利省的な財務官僚の思い通りさせないため、安倍総理は消費税減税と、他の積極財政を公約に掲げ7月に解散総選挙を実行すべきです。

入省したての頃は善良だったはずの彼らがなぜ歪んだ怪物になるのか?

省益しか頭にない、しかも省益を考えるにしても最悪の悪手しか打とうとしない愚鈍財務省には、最近ではさすがに東大生も就職先としてあまり重視していないようです。さもありなんです。現状の財務省に入省してしまえば、馬鹿になるだけです。正しい判断です。

今のままでは、財務官僚というだけで、マクロ経済を理解しない愚鈍で常識なしであるとか、国民生活のことなど全く考えず省益だけを追求する歪んだ怪物であるとみなされるようになるかもしれません。いや、すでにもうそうなりかけています。

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