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2020年6月10日水曜日

中国に隠ぺい新疑惑! 武漢市で新型コロナ感染“昨夏拡大”か 米ABCニュース「中国がWHOと結託、解明を困難にしている」— 【私の論評】昨年の夏にすでに武漢ウイルスの蔓延の事実があれば、世界の世論は激昂する!(◎_◎;)

中国に隠ぺい新疑惑! 武漢市で新型コロナ感染“昨夏拡大”か 米ABCニュース「中国がWHOと結託、解明を困難にしている」


中国・武漢の病院窓口に並ぶ市民ら。新型コロナウイルスは早くから拡大していたのか=1月31日

 新型コロナウイルスが、中国湖北省武漢市で昨年夏から広がり始めていた可能性があるという研究結果が発表された。米ハーバード大学医学部のチームが、衛星画像とインターネット検索のデータをもとに分析したという。中国政府は7日に公表した新型コロナウイルスの白書に「武漢市で昨年12月27日に『原因不明の肺炎』を確認し、今年1月3日に世界保健機関(WHO)に報告した」と記載しているが、事実はまったく違うのか。ノンフィクション作家の河添恵子氏による緊急寄稿第16弾-。


 「2019年夏、(武漢市で)起きたのかもしれない」

 こう語ったのは、ハーバード大学医学部のジョン・ブラウンスタイン教授である。ボストン小児病院のイノベーション責任者でもあり、医療センターの計算疫学研究所長も務める人物だ。

 注目の調査結果は、米ABCニュースが8日、「衛星データは、コロナウイルスが以前、中国を襲った可能性を示唆している」とのタイトルで報じた。米CNN(日本語版)も9日、「武漢市の新型コロナ、昨夏にすでに感染拡大か」と伝えている。

 ブラウンスタイン氏の研究チームはまず、18年と19年の商業衛星の画像を解析した。昨年夏の終わりから秋にかけて、武漢市にある5カ所の主要な病院周辺で、交通量が大幅に急増していた、という。

 昨年10月、武漢科技大学天祐医院の駐車場の車両数は前年同月と比べて、何と67%も多かった。華中科技大学同済医学院付属の湖北省婦幼保健院の交通量も昨年9月にピークを記録していた。

 さらに同時期、中国の検索エンジン「百度(バイドゥ)」において、「せき」「下痢」などのキーワードで検索する回数が激増していた。「せき」や「下痢」は現在、「武漢肺炎」の典型的な症状として認識されている。

 これらのデータと新型コロナウイルスの関係を直接証明できないが、研究チームは「呼吸器疾患は、地域で特定の行動パターンにつながる」「行動パターンを示す衛星画像は、患者が当時、重大な問題に気づいていなくても、何かが起きていたことを説明するのに役立つ」という視点で調査・分析した。

 ブラウンスタイン教授は「新型コロナウイルス大流行の始まりとされる以前から、明らかに社会的混乱が起きていた」「この研究が、新型コロナウイルスの『起源の謎』の中で、重要かつ新しいデータポイントになった」と総括している。

 実は、日本でも昨秋、医師が「なかなか治らない不可解な肺炎が流行っている」と語っていたのを、筆者も聞いている。また、葬儀関係者が「昨秋から年末にかけて肺炎死が激増した」とオフレコで語ってくれた。

     武漢市には約200社の日本企業が進出しており、人々の行き来は頻繁だった。日本にも同時期、武漢ウイルスが入ってきていた可能性は捨てきれない。

 前出のABCニュースは「世界の一流科学者、専門家が新型コロナウイルスの秘密を明らかにするため競争している。だが、中国当局がWHOと結託し、西側社会との完全なる協力体制を拒否していることが、その解明を困難にしている」と報じていた。

 欧州一の発行部数を誇るドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」最新号では、WHO名誉事務局長のグロ・ハーレム・ブルントラント氏がインタビューに応じ、「中国共産党の報告の遅れが流行拡大の原因」「ヒトへの感染経路は1月1日には明確だったが、中国共産党は1月20日まで公に確認しなかった」と批判した。

習近平
習近平政権の「人命無視」の隠蔽体質を、世界は決して放置しないはずだ。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。

【私の論評】昨年の夏にすでに武漢ウイルスの蔓延の事実があれば、世界の世論は激昂する!(◎_◎;)

私はこのブログで以前米国はウイルスの発生源がどこであるかなどを突き止めることに労力を費やすよりは、武漢の中国人医師らが、ウイルスの存在を突き止めた段階で、中共がこれを隠蔽したことが後にパンデミックを招いたことこそ詳細に調査するべきであると主張しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国が言い張るコロナ「市場起原説」は覆されるのか―【私の論評】中国人医師らが、ウイルスの存在を突き止めた段階で、中共がこれを隠蔽したことが後にパンデミックを招いたことこそ詳細に調査するべき(゚д゚)!

武漢にある中国政府のウイルス研究機関(手前) 
これは、今年4月19日の記事です。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、 この記事から一部を引用します。
中国ウイルスの発生源がいずれであろうと、それが生物兵器であろうとなかろうと、それに米国などが資金援助をしていたかどうかなどとは、別にして、 少なくとも一人、あるいは複数の高名な医師が、十分に世界が、そうして当の中国が、中国ウイルスに対応できる時間がある段階でこのウイルスを突き止めたにもかかわらず、中国政府は対応する措置を取る代わりに情報の隠蔽を試み、そうした声、良識ある声を黙殺し、情報を抑え込んだことは事実です。
米国やフランスも、「中国・武漢の生物研究所から流出」「中国政府による発生源の情報隠蔽」などを追求することも実施できるならすべきですが、中国人医師らが、ウイルスの存在を突き止めた段階で、中国政府がこれを隠蔽、それが後のパンデミックにつながったことこそ、時系列的に整理し、詳細を調査するべきです。
それなしに、他の調査を詳細に行ったところで、それが今後中共がパンデミックスを起こすことを防ぐための端緒にはならないどころか、中国に格好の隠れ蓑を与える結果になってしまいかねません。
そうして、詳細を調査し、さらに具体的な改善点を指摘し、それを中共に実施させるべきです。そうして、実施したか否かを模擬的に試験などをして、調査すべきです。
そうして、もし中国がそうした要請に応じないというのなら、世界の国々は、中国を自分たちの社会から隔離すべきです。これは、厳しい措置にみえるかもしれませんが、曖昧にしたまま、中国を隔離しなければ、次に何か中国発でウイルスとなども含めて、危険なことが発生した場合、また危機が世界に及ぶこと可能性は否定できないどころか、かなりの高い確率で発生しうるからです。
なぜこのような主張をしたかと言えば、発生源を辿ることは学問的に意義があることですが、政治的にはほとんど意味がないどころか、中共に格好の隠蓑を提供することになる懸念があったからです。私は感染学という学問の立場からの研究まで、否定するつもりは毛頭ありません。

米国などが、政治的意図で、発生源が中国国内でないと突き止めた場合は、中国はそれを格好の宣伝材料に用い、今回のパンデミックは、中国も被害者であり、発生源になった国を糾弾すべきとの、プロパガンダを打つことでしょう。

発生源が明らかにならなくても、あるいは中国であることが明らかになっても、中国はこれをプロパガンダに用いる可能性は、十分にあります。米国などが、これを立証できない場合、中共が証拠を捏造し、発生源は中国ではないし、中国は被害者であると主張する可能性が十分あります。

米国などが、発生源にこだわり、学術的な探索ではなく、政治的な目的で、発生源調査をして、それなりの時間をかけてると、中共にこれを利用され、発生源は米国であるとか、日本であるとのでっちあげをされて、数十年後には、「武漢ウィルス」や「美國(中国語で米国の意味)ウィルス」になってしまっているかもしれません。

日本はすでに、そのような被害を受けています。日本軍による南京虐殺30万人などは、その典型です。中共はまともな総力戦を、戦ったことが一度もないので、そのような話をでったあげ、人民に信じ込ませることができました。

30万人を殺すという作業がとてつもない手間と労力であることを彼らは認識していないようです。これと同じように、武漢ウイルスを米国起源とすることなど、彼らは躊躇もなくやってしまう可能性は十分あります。

それが事実であろうが、なかろうが、どうでも良いのです。ただ、中国の人民が信じれば、それで良いのです。それによって、中共の統治の正統性が高まれば、それで良いのです。中国の人民の他に、他国の左翼などがそれを信じこみ、米国を糾弾すれば、さらに自分たちに有利になり、さらに彼らにとっては、良いことです。

南京虐殺記念館 壁に各国の言葉で「犠牲者30万人」と刻まれている

そんなことは絶対に避けるべきなのです。だからこそ、私は、米国が政治的意図を持って、武漢ウイルスの調査をするなら、中国人医師らが、ウイルスの存在を突き止めた段階で、中国政府がこれを隠蔽、それが後のパンデミックにつながったことこそ、時系列的に整理し、詳細を調査するべきと主張したのです。

しかし、うえの新たな情報は、発生源に関するものではなく、「武漢市の新型コロナ、が昨夏にすでに感染拡大していた」可能性を示唆するものです。

これが明らかになれば、習近平政権の「人命無視」の隠蔽体質を露わにし、多くの人命を失った世界、特に先進国はこれを許さないことでしょう。

中国がこれを一切認めず、南シナ海の実行支配を国際司法裁判所の裁定で無効とされた後でも、実効支配を続けたように、被害者面を続け何も改めようとしなかった場合、世界は中国に対処するため、国境封鎖などの厳しい措置に出ることも十分予想されます。

中国はそれでも、南シナ海の実効支配の経験があるので、米国は結局何もできないだろうと、たかを括っているかもしれませんが、今度ばかりはそうはいかないでしょう。

特に甚大な被害を被った米国世論は、激昂するでしょう。

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2020年4月5日日曜日

米国「コロナ爆発的拡大」背景にある政治的事情―【私の論評】日本の「クラスター戦略チーム」は、「FUKUSHIMA50」に匹敵する国難を救う英雄だ、彼らに感謝し支援しよう(゚д゚)!

米国「コロナ爆発的拡大」背景にある政治的事情
両党の認識の齟齬が初動の遅れを招いた

アメリカで新型コロナウイルス対策の初動が遅れた理由は

2月29日、ワシントン州でコロナウイルス(COVID-19)によるアメリカ初の死亡例が公表された。それ以降、このウイルスはアメリカ各州に広がり、感染者21万人以上、死者は5000人近くに上る。

 3月13日には国家非常事態宣言が出され、多数の商店やレストランが閉鎖された。また、さらなるウイルス感染拡大のリスクを最小限にとどめるため、一部の知事や市長は住民に自宅待機を求める「ロックダウン(都市封鎖)」を発令した。

3月初旬には共和党、民主党で認識に大きな違い

 3月のはじめ、アメリカで「あなたの地域におけるコロナウイルスの感染拡大についてどの程度心配しているか」と質問したところ、共和党員の40%以上は「まったく心配していない」と答えたのに対し、民主党員で同じ答えは5%未満と、35%の開きがあった。

 しかし3週間後の3月21日になると、共和党員による同回答は40%から18%にまで急激に減少し、民主党員の回答も5%から2%に下落した。3月はじめにおける共和党員と民主党員の間の35%というこの差は、政党間の分断を反映したものと言える。

 しかしながら、このように3週間で両党の差が35%から16%に縮まったということは、この危機に対し両党の認識が近づいているということなのかもしれない。とは言え、共和党員と民主党員の間で脅威の認識にこのような乖離が生じるのはなぜなのだろうか。

 1つめの理由として、指導者たちが国民に向けて相反するメッセージを発していたということがある。アメリカの情報機関は、1月初めには中国でコロナウイルスの感染が拡大していること、そしてそれが世界的パンデミックにつながりうることをドナルド・トランプ大統領に説明していたが、大統領がその問題を真剣に受け止め、国家非常事態宣言が必要であるとの結論に至るまでには1カ月以上かかった。2月27日になっても、トランプ大統領は「今は15人だが、この15人も数日以内にほぼゼロになるだろう」と力説していたのである。

 同じ頃、国立アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・フォーシは、「来週、あるいは2、3週間のうちに、われわれは地域のあちらこちらで多数の症例を目にすることになるだろう」と警告していた。そしてその後まもなく、民主党の州知事であるカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事やニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事などは、それぞれの州でロックダウンを発令し、不要不急の企業活動の休止や住民の自宅待機を促した。

 2つめの理由として、情報源の二極化がある。調査によると、共和党員のテレビ視聴者に人気のFOXニュースと、民主党員の多くが視聴するMSNBCでは、コロナウイルスについての報道がまったく異なっており、保守陣営の中には、民主党が意図的に「11月の大統領再選にダメージを与えようとコロナウイルスの感染拡大を「でっちあげ」ているのだ」と非難する者すらいる。

 また、共和党のSNSユーザーの多くは、主に保守系情報源を利用し、民主党SNSユーザーの多くが主に進歩系情報源を利用しているために、両者は互いに異なった、ときとして互いに理解不能な世界を作り出しているのである。

地理的な事情も影響した

 3つめの理由として、地理的な政治要因がある。東海岸および西海岸の高人口密度地域(ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル)や、アメリカ中西部の大都市(シカゴ、デトロイト)は、特に感染者が多い場所である。そしてこれらは民主党が強い地域でもある。

 これに対し、感染者数が比較的少ない中西部や南部は共和党の牙城である。従って、共和党員の間でコロナウイルスに対する危機感が弱いのは、彼らの生活圏が大都市に比べて感染拡大による影響が少ない地域だからということも考えられるのである。

 コロナウイルスに対する危機認識は共和党員と民主党員の間で収束しつつあるが、この危機に対するトランプ政権の対応については、依然として党派間で意見が両極端に分かれている。

 3月初め、アメリカで「コロナウイルス発生に対する米国政府の現在の対応にどの程度満足しているか」という調査を行なったところ、共和党員では50%が「完全に満足している」と答え、「全く満足していない」と答えたのはわずか4%であった。

 これに対し、民主党の回答者のうち「全く満足していない」と答えたのは61%、「完全に満足している」と答えたのはわずか3%であった。3月21日の調査では、民主党員は64%が「全く満足していない」と答え、「完全に満足している」と答えたのはわずか2%。共和党員の回答者のうち、「完全に満足している」と答えたのは46%、「全く満足していない」と答えたのは5%だった。

 つまり、共和党員の間で危機認識が高まりはしたものの、トランプ政権のコロナウイルス危機への対応についての評価には、党派間の溝が依然として存在するのである。しかし、こうした党派間の分断にもかかわらず、党派的ないざこざの後、コロナウイルスによる経済的損害の緩和に向けた2兆ドルの法案を、3月25日に上院で可決できたことは心強い。

 おそらくこれは、誤魔化しが効く政治的危機とは対照的に、具体的に死者がでている現実的な危機的状況においては、党派の主義主張よりも事実が勝るということを示しているのではないだろうか。

統一的対応の欠如は中国の存在感を高めることに

 つい最近までは、トランプ大統領が3月24日に「4月12日のイースターまでに経済活動を再開したい」という意向を示したことをめぐり、新たな論争が勃発し始めた。大統領は、「ちょうどいい時期だし、ちょうどいいタイミングだと思った」のだという。

 しかし、公衆衛生の専門家から「その期限はあまりにも時期尚早であり、コロナウイルスの克服という見地から見て悲惨な結末につながる」と非難されたため、3月29日、大統領はこの目標を撤回した。

 世界的パンデミックの中心地はこの2カ月間で中国からイタリアへと移動し、そして今やアメリカがその中心地である。トランプ政権は、「武漢ウイルス」や「チャイナウイルス」などとレッテルを貼り、中国がパンデミックの発生源であると非難しているが、国内における両党派の対立や世界におけるアメリカの統一的な対応の欠如は、最終的には中国の存在感を高めることにつながる可能性が高い。なぜなら、現実はさておき、中国には国内における危機の克服と他国に対する支援の両面で明確な戦略があったからである。

 国内だけでなく、世界においても、党派間の対立を克服し、科学、エビデンス、透明性、そして真実に基づくリーダーシップをアメリカが発揮できるようになることを期待したい。

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【私の論評】日本の「クラスター戦略チーム」は、「FUKUSHIMA50」に匹敵する国難を救う英雄だ、彼らに感謝し支援しよう(゚д゚)!

米国では、経済対策は電光石火のごとく、挙党一致で動き、素早い対応がみられました。

トランプ米大統領は先月27日、中国ウイルスの感染拡大を受けた2兆ドル(約220兆円:GDPの10%)の経済対策法案に署名し、同法は成立しました。トランプ氏はまた、米自動車大手ゼネラル・モーターズに人工呼吸器を製造するよう命令しました。

与野党は1週間に及んだ攻防の末に同法案を支持し、法案は大統領が署名する数時間前に下院で可決されていました。経済対策では平均的な4人家族に最大3400ドル(約37万4000円)を給付します。

トランプ大統領は「民主党議員と共和党議員が協力し、米国を第一に考えてくれたことに感謝したい」と述べました。

トランプ氏はまた、国防生産法を発動し、人工呼吸器の迅速な製造をGMに命じました。人工呼吸器は新型コロナウイルス感染症の重症患者の生命維持に必要ですが、不足しています。

さらに、このブログでも掲載したように、米連邦準備制度理事会(FRB)は先月3日、金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)を定例会合の17、18日を待たずに緊急開催し、政策金利0・5%の引き下げを行いました。

このように、財政・金融政策では、米国は申し分のない対策を行っています。日本も見習うべきです。そのため、上で述べているように、防疫体制に問題があったにしても、一旦武漢ウイルスの蔓延が終息すれば、米国経済は比較的短期に回復する可能性が大きいです。

しかし、防疫体制には問題がありすぎました。

米国では、一月下旬に国内最初の感染者がワシントン州で確認されました。これを受けて、地域の感染症専門家とその研究チームがインフルエンザ検査を転用して、コロナウイルス検査を実施する方法を提言し、何度も連邦政府に協力を求めたが拒否され続けて何週間も経ってしまいました。彼らは二月下旬に入って、これ以上は待てないと政府の承認なしにウイルス検査の実施を敢行しました。

ところが、この研究チームは独自の検査を即時ストップすることを求められたのです。

連邦政府が彼らの要請を拒否し、検査を中止させた理由は、この研究チームの研究対象がインフルエンザであり、それをコロナウイルスに変えての検査の転用は許可できないということと、医療行為に直接関わる許可を得ていないということでした。つまり、研究倫理に関する規制を優先した結果、感染状況を早期に把握することに失敗してしまったのです。

また、ほかの専門家も二月中旬頃から初動の重要性、検査の重要性を訴え続けていたのですが、米国は中国からの入国禁止措置で稼いだ時間を事実上、無駄にしてしまいました。民間の研究機関が独自に検査を開発できるようにしようという声もあったのですが、米国食品医薬品局(FDA)がそれを許可することはありませんでした。

日本では、感染蔓延当初、感染症対策には優れた機関であると見なされていた、CDCに至っては、独自検査の開発にこだわった結果、最初に開発された検査キットが失敗作でした。

米国疾病予防センター(CDC)

現在では、トランプ大統領もCDCも、国内で感染が広がった原因は広範な検査を早期実施することに失敗したせいであるということを認めています。

いかに柔軟に規制を緩和し柔軟に対応できるかが、緊急事態における国家の対応力を左右するといえるでしょう。

日本では、米国に比較すると現状では、感染者も死者も少ない状況です。なぜそうなったかとえば、何と言っても「クラスター戦略」つまり「感染の連鎖を見える形にして、その先への感染を抑え込む」という方法論が成功したためです。

この方法論を主唱して実戦の指揮を事実上取っているのが、東北大学の押谷仁教授と、北海道大学の西浦博教授と言われています。

ここ数週間は、孤発例(こはつれい)つまり感染経路をたどれない陽性患者が多く発見され、特に東京では感染拡大の懸念が高まっています。ですが、こうした状況においても厚生労働省のクラスター対策班は、コツコツとクラスターの「見える化」つまり感染者の濃厚接触者のフォローと、感染経路のさかのぼりといった調査を続けています。

その結果として、例えば中国との往来などを原因とした「第1波」の中では、

▼ダイヤモンド・プリンセス下船者からのクラスター発生の阻止
▼武漢からのチャーター機での帰国者からのクラスター発生の阻止
▼東京の屋形船クラスター
▼愛知のクラスター
▼和歌山のクラスター
▼北海道における北見と札幌のクラスター
▼大阪におけるライブハウスのクラスター

などは、感染経路を「見える化」すると同時に、更に感染の連鎖が続くことをほぼ抑え込んでいます。

一方で、3月中旬以降始まった「第2波」においても、多くのクラスターが続々見つかっています。例えば、京都の大学にしても、東京の繁華街にしても、最初は「孤発例」だったのが、クラスター対策班の努力で連鎖が発見できており、「第1波」と同じように封じ込めを目指した努力がされているのです。

もちろん、このアプローチには限界があります。クラスターをたどれない「孤発例」がどんどん増えていく一方で、全く「見える化」されない形で、大きなクラスターができていき、ある日突然その中から多数の重症者が病院に殺到する、つまり欧米で現在起きているような「感染爆発」が起こる可能性はゼロではありません。

しかしながら、「第2波」についても、何とか追跡ができつつあるという状況だと考えられます。4月1日から2日にかけて明らかとなった、大阪のショーパブにしても、北九州と福岡にしても、まだ油断できない状況ですが、仮にクラスターの全体像が「見える化」できれば感染の連鎖は抑え込むことは可能なはずです。

一方で、「接触の削減」については欧米ほどではないものの、一斉休校や外出自粛などの対策が強化されつつあります。これは、相当数あると思われる「見えない感染者」からの感染拡大を低減するには、必要な対策です。日本でも、一旦「クラスターが追えない」というフェーズに入ってしまうと、欧米のような事態に陥る可能性はゼロではないからです。

反対に、対策の結果として、孤発例が減少していき、「見えないクラスター」の存在する可能性が消えていく、その上で「見える化」されたクラスターを全部「潰す」ことができれば、感染の暫定的な収束に持っていくことは可能です。これが現在の日本の状況だと考えられます。

感染爆発が起こってしまった米国等においては、もうすでに「クラスター戦略」は有効ではありません。だから、米国等の国々が日本のやり方を踏襲することはできません。残念なことです。ただし、感染者数が比較的少ない中西部や南部ではまだ有効かもしれません。

私は、「クラスター戦略」を主唱して実戦の指揮を事実上取っている東北大学の押谷仁教授と、北海道大学の西浦博教授および、彼らをサポートするおそらく、少人数のチームの人々に多くの人々が感謝とともに、協力すべきと思います。以降これらの人々を「クラスター戦略チーム」と呼びます。

この「クラスター戦略チーム」どのくらいの人数なのかは、わかりませんが、おそらく米国のCDCと比較すれば、本当に少ない人数だと思います。

無論私達の大部分は、感染症の専門家ではないので、彼らを直接サポートすることはできません。しかし、彼らに対して協力にサポートすることはできます。

それは、私達自身がなるべく感染しないようにすることです。これから、感染者がどんどん増えていけば、ましてや指数関数的に増えれば、さすがに「クラスター戦略チーム」もクラスターを追跡するのは不可能になります。

そうならないように、少しでも感染を減らして、彼らがクラスターを追跡できるように、時間的な余裕を提供するのです。

私は、彼らの献身的な地味な努力は、人々の目に見えないところで実施されているので、多くの人が意識していないようですが、彼らは、一人でも多くの人々の命を助けたいという使命感に突き動かされているのだと思います。

彼らの努力がなければ、今頃日本は、他国のようにすでに爆発的な感染で多くの人々が亡くなっていたでしょう。

私は、彼らの貢献を見て、歴史上のある言葉を思い出しました。それは、第二次高い大戦中の英国が、ドイツと空の戦い「バトル・オブ・ブリテン」を戦った最中のチャーチルの演説です。
人類の歴史の中で、かくも少ない人が、かくも多数の人を守ったことはない。— イギリス首相ウィンストン・チャーチル、1940年8月20日 下院スピーチ

バトル・オブ・ブリテンの期間中、ドイツ軍は絶え間なく沿岸沿いの飛行場や工場を爆撃した。

日本では、大昔から国難に至ると、必ずといって良いほど、英雄が出てきて国難が回避されてきました。

近いところでは、あの福島原発事故において、我が身の危険も顧みず、原発事故に立ち向かった「FUKUSHIMA50」です。これは、最近映画化されたので、多くの人達が知っていることでしょう。 たった50人があの未曾有の災害に立ち向かったのです。


私は、「クラスター戦略チーム」も日本の国難を救う英雄だと思います。

彼らの努力を無にしないため、各自治体や国の感染症対策への要望や、これから出されるであろう緊急事態宣言により、さらなる要望がでてくると思いますが、私達はそれによる、不自由や不便等は甘んじて受け、「クラスター戦略チーム」を応援しようではありませんか。

そうして、政府としては、せっかく「クラスター戦略チーム」が多くの人々を救ったにしても、その後の経済がなかなか回復しなければ、とんでもないことになりかねないですから、米国に匹敵するような経済対策を実行していただきたいものです。

そうして、忘れてならないのは、現場の医療関係者です。彼らがいなければ、感染者を救うことはできません。彼らも英雄なのです。

現在実施している施策は、第一段として、第二段、第三段と、効果のある経済対策を実施していただきたいです。それでもだめなら、10段でも20段でも実行していただきたいです。それに日銀も、異次元の緩和の姿勢に戻るべきです。

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2020年1月24日金曜日

歴史も証明。中国という国を滅ぼしかねぬ新型肺炎という「疫病」―【私の論評】新型肺炎の感染拡大で、習近平の国賓待遇での日本訪問は難しくなった(゚д゚)!

歴史も証明。中国という国を滅ぼしかねぬ新型肺炎という「疫病」

体温検査を受ける武漢を出て列車で移動する乗客。1月23日、杭州市

中国の武漢市を中心に猛威を振るう新型肺炎。1月25日の春節を含む大型連休には億単位の中国人が移動するとも言われ、パンデミックの可能性も囁かれていますが、過去にも中国から多くの疫病が世界に広がったとするのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、中国の「疫病史」を紹介するとともに、現在も複数存在する「中国発の疫病」が世界に広がる要因を記しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年1月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか

新型肺炎、発症者540人超に拡大 死者は17人

中国湖北省武漢市を中心として広がる新型肺炎の感染が止まりません。ついに死者は17人、発症者540人超にも拡大しました。ついにアメリカでも武漢を訪れていた男性1人の感染者が確認されました。中国以外では、アメリカ、日本、韓国、タイで発症者が出ています。WHO(世界保健機関)が緊急事態宣言を出す可能性も出てきました。

死亡率は現在のところ2%でまだ低いですが、これから上昇していく可能性もあります。ちなみに、SARS(重症急性呼吸器症候群)も中国の広東省を発端として各国に広がりましたが、このときは発症者8,096人のうち774人が死亡しています(致死率9.6%)。

Summary of probable SARS cases with onset of illness from 1 November 2002 to 31 July 2003

また、2012年から中東やヨーロッパで発症例が報告され、2015年には韓国でも流行したMERS(中東呼吸器症候群)は、2,494人が発症し、そのうち死者は858人(致死率34.4%)でした。

Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)

これに比べれば、まだまだ致死率は低いものの、前回のメルマガでも書いたように、これから旧正月によって一気に拡大する可能性があります。

また、かつてユーラシア大陸で流行った疫病は、必ずといっていいほど日本に入ってきています。江戸時代には天然痘(疫病)、麻疹(はしか)、赤痢が見られ、このうち天然痘は18世紀前期に大流行。麻疹も同時期に2~3回大流行し、赤痢は18世紀から19世紀にかけて大流行しました。いうまでもなく、中国からの伝染です。

中国では、1880年に広東と寧波でコレラが大流行。翌81年には北京でも大流行しました。この感染経路は、発源地を広東とする2003年のSARS流行とそっくりです。そして、中国でのコレラ大流行直後の1882年10月~11月の中旬、日本でもコレラが大流行することになります。北里柴三郎や初代内務省衛生局長であった長与専斉によれば、その日本侵入経路の起点は中国で、これがまず長崎に入り、そうして日本全国へ広がったといいます。

日本では、これに対処するため、1885年に函館、新潟、横浜、神戸、下関、長崎の港に常設の消毒所を設置。その後、1899年に「海港検疫法」が公布されるなどして、検疫制度が確立していきます。こうした取り組みが中国からの疫病侵入を防ぐ力となったのは言うまでもありません。しかし、一方の中国は、現在に至るまで根本的な対策は取られないままできているのです。

この日本と中国の衛生観念や防疫意識の違いは、台湾にも如実に見て取れます。日本植民地時代の台湾には、疫病の大々的な流行がほとんど見られませんでした。というのも、総督府は1900年代に入ってすぐに、都市計画に始まって衛生教育に至るまでを徹底して実施。北里柴三郎に依頼して、その一番弟子を台湾に呼んでまで、防疫をはじめとする公衆衛生に取り組んできたからです。

それが終戦で一変しました。日本が台湾から引き上げ、かわりに中国軍が台湾に進駐したとたん、すでに絶滅していたはずのコレラ、天然痘、ペスト、チフス、マラリアといった疫病の大流行が台湾全島を急襲したのです。1946年にはペストとコレラの、翌47年には天然痘の大流行に見舞われています。台湾から見た中国人とは、まさに疫病神以外の何者でもありませんでした。

中国でも日本軍が進出した際、地方の農民が大歓迎するケースも少なくありませんでした。それは、日本軍が通過した地方は、かならず伝染病が消えていき、衛生の問題と課題が消えるからでした。

中国の疫病流行は、すでに史前から甲骨文に刻まれています。現在、その甲骨文から確認できる殷周時代の古代人の疫病は約16~20種類もあります。そして、周初から漢代に至る「大疫」(疫病大流行)の記録では、しきりに「死者万数」「人多死」「士卒多死」「其死亡者三分有─」と、多くの死者を出したことを示す文言が繰り返し出ているのです。

中華帝国以後の中国は二千余年間、周期的、加速的に水害、旱魃等の天災に見舞われてきました。そして、旱魃の後に大飢饉が、水害の後に大疫病が発生するというのが、いわば「定番」になっています。歴代王朝の「正史」には疫病の大流行が数年ごとに、時には連年で記録されていることが、それを証明しています。

中国の歴代王朝は、実際には「大飢」や「大疫」によって滅ぼされた場合が多くあります。「大飢」によって生まれた流民が「大疫」の媒介や運び役となって世界へ拡散していくのです。

たとえば明の滅亡については、政治腐敗と、それに蜂起した農民反乱軍によって滅亡したと語られていますが、実は、それだけが要因ではありません。明末には「大疫」や「大飢」が間断なく襲い、餓死者や疫死者が続出。流民、流賊、流寇もあふれていたのです。これもまた、農民が反乱する要因にもなっていました。

ことに明末の万暦、崇禎年間(1573~1644年)には、華北地方で疫病が猛威をふるい、少なくとも1,000万人の死者が出ました。主にペストや天然痘です。明王朝は、実はこの大疫によって倒れたのであり、清に滅ぼされたわけではないのです。

また、黒死病(ペスト)といえば、中世のヨーロッパを襲った恐るべき流行が、史上でもっとも有名で、1348~51年の3年間で、人口の3分の1を死に至らしめています。その伝染経路については諸説があありますが、もっとも有力なのは中国大陸を発源地とするものです。

下の版画はパウル・フュルスト(Paul Fürst)の『Doktor Schnabel vonRom(ローマの嘴の医者)』(1656年)です。

当時はペストの原因として瘴気(悪性の空気)が考えれており、ハーブやスパイスが詰められた この独特のマスクは、ガスマスクの役割を果たしていました。ちなみに、当時の主な治療法は蛭(ヒル)による瀉血でした。


最初に大流行したのは南宋王朝です。この時、南征中だったモンケ・カーン(チンギス・カーンの孫、フビライ・カーンの兄)が病死していますが、その病気がペストだったとも指摘されています。南宋と戦っている間にモンゴル軍に伝染したのです。

このモンゴル軍の遠征を通じて、ペストは西アジア、クリミア、ベネチア、北アルプスを経て北上し、やがて全ヨーロッパに伝わっていきました。

元末の至正年間(1344~62年)の間には、「大疫」だけでも11回も起こっています。中華帝国の人口は、1200年には1億3,000万人いたとも推定されていますが、ペストの大流行によって、すでに1331年の時点で3分の2が死んでいます。ユーラシア大陸の東西ともにペストに襲われ、人口が大量に減ったのです。

また、それより以前、隋の煬帝末期の610年から唐初の648年の約40年間には、7回も疫病が大流行。隋も瘟疫で倒れています。

その他、インフルエンザ系の疫病はSARSに限らず、その発源地はほとんどが中国です。たとえば、1918年の秋に全世界で猛威を振るったインフルエンザ。感染者は地球人口の20~40%にも及び、感染からわずか4ヵ月で2,000万人が死亡し、その死亡率は約2.5%でした。日本でも2,000万人以上が感染し、死者は約40万人に上っています。

これが「スペイン風邪」と呼ばれるインフルエンザで、名称からスペインが発源地であると誤解する人が多いですが、実は、これも中国が発生源でした。そもそもは、1917年に中国の南方で発生したものが、船便を通じて世界各国へと拡散したのです。

中国で医療衛生が制度化されたのは、なんと20世紀になってからのこと。義和団事件後に変法派官僚によって、やっと天津に衛生総局が設立(1902年)されたのです。それも、中国から世界にペストがばら撒かれることを危惧した列強からの強い要請があって、ようやく重い腰を上げたというのが本当のところです。外国人を排斥する大事件が引き金になって、その外国の圧力によってようやく医療衛生が制度化されるという、皮肉な話です。

一方、儒教の影響が現在も色濃い中国では、医師の社会的地位は非常に低いものです。たとえば日本と台湾では、通常、成績がいい学生が大学の医学部へ進みますが、中華の世界ではまったく逆で、成績の悪い学生が医師になるのです。だから、中国では現在も医者は軽んじられる存在なのです。

たとえば、中国では医者に対する患者の暴力行為が頻発しており、「医閙(イナオ)「医傷」などと呼ばれています。その件数は年間数万件にも及ぶため、中国政府は2018年に、毎年8月19日を「中国医師の日」にすることを定め、医者を尊重するよう呼びかけているほどです。

また、2012年の調査によると、臨床医の初任給は1カ月あたり平均2,339元ですが、中国の新卒の平均的な初任給は1カ月あたり3,051元であり、医師と看護師がもっとも低水準なのです(「中国網」2013年10月8日付)。このような状態であるため、誰も医師になりたがらないし、医療体制も低いままなのです。

また、日本のような医療保険制度がほとんど普及していない中国では、高額な医療費のために、病気になっても医者にかからない人民も多い。そのため、疫病が拡大してしまうのです。

もちろん、中国は言論統制の国であり、また、WHOまでもカネの力で牛耳っているため、事実隠蔽が平然と行われ、そのために被害が大きくなってしまうという点も重要です。

このように、中国発の疫病が世界に広がる要因は複数存在しています。日本人にとって、これからもっとも注意すべきは、パンデミックの流行です。中国への渡航、あるいは中国人観光客が多く集まる場所へ出かけていく場合には、十分に気をつける必要があります。

【私の論評】感染拡大で、習近平の国賓待遇での日本訪問は難しくなった(゚д゚)!

約20年前に流行したSARSは当初、ハクビシンが感染源と疑われましたが、現在はキクガシラコウモリが感染源であると考えられています。今回の新型肺炎の感染源は竹ネズミかアナグマ、蛇と説が分かれています。いずれもジビエ(野生の鳥獣食)として食されており、市場での取引を通じて人間に伝染したとの見方が強いです。

キクガシラコウモリのスープ
無論、他国の食文化を単純に否定するつもりはないですが、こうした食文化にも、病気を蔓延させる原因がある可能性ず大きいです。日本では、欧米では食べないクジラや、魚の刺し身を食すという食習慣がありますが、そもそも海産物であること、さらに細心の注意をはらった調理などにより、それが大規模な感染症の原因になったということは聞いたことがありません。

いくら食文化といっても、それが大規模な感染症を招くというリスクがあるなら、中国としてもそのような食文化は廃するか、それが不可能なら感染症を防ぐ方向で議論をすすめるべきです。


      竹ネズミの調理の動画。このくらいの衛生的な環境で調理されるなら
      問題はないのかもしれないが、劣悪な環境下での調理もあり得る

それに中共政府の対応も悪すぎです。もともと中国では、2019年12月の時点で、武漢で原因不明の肺炎患者が出ているとの情報がSNS上で出回っていました。その後も「海外で患者が出ているのに、国内の他地域にいないわけがない」との声があがっていました。

それから1カ月あまりで情報公開が始まったのは遅きに失した感が否めないです。中国の報道機関「財新メディア」は、現地からの報道として「複数の医師が最終的な感染者は6000人を超える可能性があると推計している」と報じました。財新はかつて当局によるSARS情報隠ぺいをスクープして名を馳せたジャーナリストの胡舒立氏が率いる独立系メディアです。

一方で当局寄りの論調が強い「環球時報」も、「武漢の対応の遅さを教訓とし、その他の地方での対応を急げ」という社説を掲げました。「早くから患者の全面隔離を実施し、伝染の経路をふさぐべきだった」と主張し、武漢当局を厳しく批判する内容ですが、こちらは責任を地方政府に押しつけ、中央への波及を防ぐ算段と見えなくもありません。

中国では24日から、春節に合わせた大型連休が始まりました。延べ約30億人が大移動する見込みで、日本など海外への旅行客も700万人を超える見通しです。

中国共産党機関紙、人民日報(電子版)によると、新型肺炎の発症者は24日朝までに31の省・自治区・直轄市のうち29で確認されており、武漢市だけ封鎖しても、新型肺炎が一気に国内外に拡散する危険性があります。

習近平は「(感染防止の取り組みが)非常に差し迫って重要だ」「(感染に関する情報は)直ちに発表しなければならない」と指示していますが、「社会全体の安定を断固として守らなければならない」とも述べており、パニックを阻止するための情報統制を示唆しました。

今後、日本国内で感染拡大・死者発生という事態になれば、初期の封じ込めに失敗した中国のトップ、習氏を「国賓」として歓迎できるのでしょうか。特に、仮に日本でも多くの人々がなくなることがあった場合、その責任者ともいえる人物を国賓として迎え入れるということは、国民感情が許さないと思います。

習近平

これ以外にも、元々中国は尖閣諸島付近の艦船による示威行動がますます過激になっているということもあります。これらをやめたというなら、国賓として迎えるということも筋が通りますが、そうでなければ、日本政府がいかに、丁寧に説明してもどう考えても無理筋です。

安倍首相は22日、衆院本会議での代表質問で、習氏の「国賓」招聘(しょうへい)について「日本と中国は地域や世界の平和と繁栄に大きな責任を有しており、その責任を果たす意思を内外に示す機会としたい」「同時に、中国との間には懸案が存在している。主張すべきは主張し、中国側の前向きな対応を強く求めていく」と語っています。

新型肺炎の拡大は、習氏の「国賓」来日に直撃するのでしょうか。もしそうなれば、無論習近平は国内の疫病の問題を放置して、来日することは許されないでしょう。やはり、常識的に国内に陣取り、疫病対策の陣頭指揮をとるべきです。

仮に、日本で同じようなことがおこったとして、総理大臣がそれを無視して外遊ということになれば、とんでもないことになります。

日本としても、新型肺炎が蔓延している中、その当事者であり責任者でもある元首を国賓として迎え入れるなどということは、常識的にあり得ないです。

新型肺炎をめぐる中国の情報統制のような対応を見る限り、中国は発生国として国際的責任を果たしているとは思えません。習近平が国賓として来日すれば、天皇陛下も含めて日本全体で歓迎しなければならないですが、これまでの経緯もあり、祝賀ムードで迎えることを国民が許すとは考えにくいです。新型肺炎の感染拡大で、さらに習近平の国賓待遇での日本訪問は難しくなったのではないでしょうか。

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2017年6月5日月曜日

「金正恩暗殺未遂事件」の全貌 ついに北の住民が反旗―【私の論評】クーデターも暗殺も困難な北朝鮮の現実(゚д゚)!

「金正恩暗殺未遂事件」の全貌 ついに北の住民が反旗

新型対空迎撃誘導武器システムの試験射撃を視察した金正恩 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 米中が圧力を強めようと、北朝鮮のミサイル実験に歯止めがきかない。何が、金正恩氏を狂気に駆り立てるのか。ジャーナリスト・城内康伸氏がスクープ入手した内部情報によると、圧政の続く北朝鮮国内に、異変が起こっているという。住民自らの手で、この独裁者を消そうという衝撃計画が報告されていたのだ。同氏がレポートする。

 * * *

 ちょうど一年前の昨年5月。北朝鮮の首都・平壌で6〜9日までの4日間、36年ぶりとなる朝鮮労働党大会の第7回大会が開催された。それまで党第1書記だった最高指導者の金正恩氏は、新設ポストの党委員長に就任、「金正恩時代」の到来を内外に宣言した。

 党大会と同じ時期、北朝鮮中西部・平安南道のある都市では、秘密警察に当たる国家安全保衛部(現国家保衛省)の地方組織が、思想教育を目的とする「講演会」と呼ばれる、秘密の集会を開いていた。

 北朝鮮では、数世帯ごとに相互監視させる、戦前の日本で運用されていた「隣組」に似た「人民班」という制度がある。講演会参加者の中心を占めたのは、地元人民班の班長たちだったとみられる。演壇に立った地元の保衛部幹部が切り出した。

「金正恩同志を党の首位に崇めて、党大会が行われている。しかし、“敵”の目的は、われわれとは違う。どうすれば党大会を破綻させることができるか、これこそ、“敵”の最大の目的だ」

 筆者は北朝鮮関係者を通じ、この秘密集会の詳細な記録を入手した。その衝撃的な内容を紹介しよう。

 ただし、情報源の身辺安全を考慮し、集会の具体的な日時、場所など内容の一部をあえて曖昧に記したことを、ご了解いただきたい。関係者によると、保衛部幹部は講演で、次のように言葉を繋いだ。

「党大会を狙う敵の策動が、陰に陽に極致に達している。大会を前後して敵の策動が起こりうる可能性があるだけに、注意喚起のため、道内で最近、保衛機関が摘発した事例について申し上げる」

 幹部がまず報告したのは「1号列車」と称する正恩氏が乗る専用列車の爆破未遂事件だった。つまり、敵とは、北朝鮮内外の反体制勢力を意味する。

 1号列車をめぐるテロの話としては2004年4月、北朝鮮北西部の平安北道竜川郡にある鉄道平義線竜川駅付近で、150人以上が死亡した列車爆発事故が発生した。当時、同駅を通った故金正日総書記が乗っていた専用列車を狙ったテロとの説が流れた。一方、北朝鮮当局は「事故」と発表していた。だが、今回の計画は国内で一切報じられていない。

 報告によると、大学進学に失敗した男が制度に不満を抱き、「体制を転覆させる。そのためにはまず、首脳部(正恩氏)を除去すべきだ」と考えた。男は、正恩氏が参加する行事の開催場へと繋がる鉄道線路に爆薬をしかけ、「1号列車を爆破させるか、転覆させることを狙った」とされる。

 この男の計画は、道内の炭鉱で働く労働者の品定めから始まった。炭鉱夫ならば、大量の爆薬を運び出せると踏んだのだった。街角で「自転車修理をするふりをして」(報告)、居合わせた6人に声をかけ、接近した。

「魚がたくさん獲れる場所を知っている。爆薬を持って来いよ。獲った魚を山分けしよう」。男はこう言って、炭鉱夫をそそのかした。爆薬を水中に投げ込めば、爆発の衝撃で大量の魚が浮かび上がる、という説明だ。

 食糧不足が深刻な北朝鮮では、住民は常に腹を空かせている。3人の炭鉱夫が男の話に乗り、「爆薬、雷管、導火線を秘密裏に(作業場から)持ち出し、男のところに持って来た」という。

 爆破計画はここまでは順調に進んだ。ところが、計画は保衛部の耳に入るところとなる。残る3人の炭鉱夫が不審に思い、「爆発物を人の手に渡すのは問題だ」として、地元の保衛機関に申告したのだった。

 これとは別に、男が平素から、「首領の偉業継承問題(権力世襲を指すとみられる)」に批判的な発言をするのを聞いていた、近隣住民も通報していた。

閲兵する金正恩
 その結果、爆破計画は未遂に終わり、「われわれの首脳部を狙ったこいつは捕まった」(保衛部幹部)という。

【PROFILE】しろうち・やすのぶ/北朝鮮事情に精通するジャーナリスト。主な著書に『猛牛(ファンソ)と呼ばれた男』『昭和二十五年 最後の戦死者』『朝鮮半島で迎えた敗戦』など。

※SAPIO2017年7月号

【私の論評】クーデターも暗殺も困難な北朝鮮の現実(゚д゚)!

上の記事、結局暗殺は失敗だったということです。金正恩暗殺未遂のニュースはこれまでも、いくつか流れてきていますが、無論そのすべてが失敗しています。

北朝鮮では、金正恩体制に対する不満が高まっていることは間違いないないです。ただし、よく言われているように近いうちにクーデターが起きるとか、暗殺などがあるかと聞かれるとその答えは完璧にノーです。

それには、いくつかの背景がありますが、その筆頭としてあげられるのは、金正恩は、側近を次々に大量に粛清しているという事実があるということです。これでは、反旗を翻すものが出ようもありません。

そうして、二番目の背景としては、北朝鮮国内の5人に3人がインフォーマー(密告者)だからです。少しでも反体制的な動きがあればすぐに金正恩に密告され、抹殺されます。仮に本当に金正恩体制を転覆させようとするならば、誰にも相談せずたった1人で計画し、実行し、そして自らも命を捨てるそんな人物にしかできないはずです。

そうして、最後にあげられるのは、やはり北朝鮮の軍の組織でしょう。

「北朝鮮で軍事クーデターが起きて、金正恩政権が倒れるのでは」と予測する人もいるますが、その可能性はかなり低いです。実は、北朝鮮軍には党に逆らわないための安全装置が付いているのです。

北朝鮮人民軍の組織図
それが「政治委員」による二元指揮制度、2つの命令系統の存在です。一般の軍の将校のほかに、党から派遣された政治委員が各部隊に配置され、軍の将校のみならず、政治委員が命令書にサインしない限り、部隊を動かせないシステムになっているのです(上図参照)。

これは北朝鮮に限らず、旧ソ連や中国など革命で政権を奪取した国の軍隊にはよく見られるクーデター防止システムであり、北朝鮮では朝鮮戦争後に導入され、組織内で粛清を重ねるたびにその権力を増してきました。

たとえクーデターや暗殺で金政権が倒れたとしても、新たな政権が北朝鮮に誕生するだけで、北朝鮮という国家そのものが消滅することはなかなかありえないかもしれません。

そもそも国家は、戦争以外のどんな状況で“崩壊”するのでしょうか。

経済と国家の安定性の関係については、研究者の間でも明確な答えは出ていません。「産業化で急速に経済発展した国では、政権が倒れやすい傾向があった」ということぐらいです。あくまでも「傾向」です。

過去には、目ぼしい産業がなかった国で工業化が進むと、労働人口が農村から都市周辺に大量に移動し、人々の教育水準も上がる。それによって従来の統治体制がうまく機能しなくなり、デモやクーデターが発生して政権の崩壊に至るというパターンが多くみられました。しかし、インドや中国を見れば、経済発展が政権崩壊に直結するわけではないことは明らかです。

「経済が発展すると民主化が進む」と主張する者もいますが、これとて現実には双方が比例関係にあるわけでは決してありません。シンガポールやカタール、UAE、クウェートなど1人当たりGDPが日本より高い国でも、政治制度は必ずしも民主的ではないし、10年以降の「アラブの春」による動乱で民主化したといえる国は、チュニジアのみです。

このように、経済発展の程度と国家の安定性の間には、さしたる因果関係が見当たらないのです。
北朝鮮の少女
いずれにせよ、利害関係が伴う運動家ならばいざ知らず、政治学の研究者の中で「北朝鮮という国家が近い将来、崩壊する」と真剣に考えている者は、そう多くはいません。日本としては当分の間、現体制が継続するという前提で対北朝鮮政策を考えなければなりません。

それは米国とて同じことです。CIAなどが暗躍したとしても、今の北朝鮮の体制であれば、暗殺、クーデターなど容易にできるものではありません。かといって、ピンポイントで金正恩を暗殺したとしても、それで北朝鮮の体制が容易に瓦解することはありません。だから、金正恩斬首作戦にも二の足を踏んでしまうのです。

かといって、米国が武力で北朝鮮を先制攻撃をすれば、局地的な戦争ですむはずもなく、大規模な戦争になってしまうのは、必定です。それに、最近ルトワック氏が新著『戦争にチャンスをあたえよ』で主張しているように、実際に戦争をするなら、50年くらいは北朝鮮に軍隊を駐留させる必要があります。

そのくらい軍隊を駐留させて、民主的な政権ができあがるまで、辛抱強く待つくらいの覚悟がなければ、結局中途半端に終わってしまいます。それについては、米国はイラクでいやというほど学んだことでしょう。中途半端に軍隊をひきあげてしまえば、結局とんでもないことになるのです。北朝鮮を攻めるということになれば、このくらいの覚悟がなければなかなかできるものではありません。

そうして、一度戦争が起きれば、どんな結果になっても朝鮮半島は大混乱に陥ります。仮に統一されるとしても、約2500万人の北朝鮮の人々を、約5000万人の韓国で支えることなどできるわけもありません。多くが難民となって、日本にやってくる可能性もあります。我が国はその脅威をもっと真剣に考えるべきです。

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2013年11月8日金曜日

「脱デフレは困難」不都合な事実に目を背ける御用学者と日経新聞 ―【私の論評】今の日本は、米の第二次大戦戦時体制時ような覚醒のための大ショックが必要!習近平はぐずぐずせず日本再生のために尖閣を手中に収め、沖縄上陸作戦を敢行し自滅せよ!!




 消費税増税でもデフレから脱出できると、政府・日銀、御用学者やメディア主流派は言い続ける。財務官僚は「消費税増税すれば国債相場も株価も安定する」と安倍晋三首相を説き伏せた。

 日銀も黒田東彦(はるひこ)総裁が、増税した場合の景気悪化には「金融政策で対応できる」と約束した。日経新聞は連日のように紙面で景気の好転や上場企業の収益回復を喧伝している。増税を推進、または支持してきた自身の判断を正しいと信じたいという心理が明らかに作用し、不都合な事実には目を背ける傾向がある。

 彼らが最も見たくないのは市場反応である。

 増税決定後、国内外の市場アナリストから聞こえてくるのは、脱デフレの見通し難である。財務省に近い有力エコノミストが10月初旬、米欧の市場関係者の多くから、「増税という緊縮財政によるデフレ懸念」を指摘されて、衝撃を受けていたことは、本欄でも指摘した。

 増税はただちに国内総生産(GDP)の6割を占める家計消費を冷やすが、政府が検討する経済対策ではそのマイナス分を補えそうにない、という至極真っ当な見方である。

 日経新聞のように増税原理主義ではなく、マーケットの声を比較的忠実に拾い上げる米国系通信社のブルームバーグは5日付で、日本国内のエコノミスト34人からの聞き取り調査をもとに「安倍政権の成長戦略に市場が失望感-日銀の物価目標実現の足かせにも」と報じた。

 その論点は、アベノミクス「第3の矢」である成長戦略が極めて不十分、特に規制緩和が小出しに終わっているという批判だ。これでは、日銀が「異次元金融緩和」政策を続けても、脱デフレは困難、というわけである。

 もとより、薬のネット販売や農地の大企業への開放など個別の規制緩和がただちに経済成長に結びつくはずはない。むしろ当面は中小の薬局が経営難に陥りかねないし、大企業が参入しても収益性の高い分野をつまみ食いするだけに終わる可能性がある。

 「規制緩和=成長戦略」という発想は、その恩恵にあずかる特定業種の企業の株価が上がるという、トレーダーが自己利益誘導のために行う「ポジション・トーク」と呼ばれるエゴイズムであって、経済全体の需給関係をよくすることで実現できる脱デフレとはおよそ無縁である。マーケットは一種のいいがかりをつけて、株価を動かすわけであり、この場合は、明らかに日本株売りの口実にしているのである。

 考えてもみよ。「15年デフレ」はすっかり慢性化し、市場はそれを前提に売り買いする。グラフにある通り、日本のデフレは1930年代の米国大恐慌時代よりもはるかに長い。当時、米国は第二次大戦という戦争景気で最終的にデフレから脱したのだが、今の日本にはそんな外部環境もない。デフレ増税を避け、財政と金融政策の両面で、脱デフレ策を地道に積み上げていくしか、方法はない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)


【私の論評】今の日本は、米の第二次大戦戦時体制時ような覚醒のための大ショックが必要!習近平はぐずぐずせず日本再生のために尖閣を手中に収め、沖縄上陸作戦を敢行し自滅せよ(゚д゚)!

アメリカに端を発した世界大恐慌

上の田村氏の記事では、大恐慌時のアメリカと現在の日本のデフレを比較しています。少し残念なのは、ここにさらに大恐慌時(日本国内では昭和恐慌と呼称)の日本との比較もしてほしかったです。大恐慌の原因は発生当初は無論のこと、発生してからしばらくも良くわからず、様々な憶測がなされました。ユダヤ人の陰謀とか、奇妙奇天烈説もありました。しかし、1990年代に恐慌当時の世界各地のデータをもとに分析した結果結論が出ました。そうしてその結論はデフレというものでした。アメリカに端を発した世界規模のデフレというのが世界恐慌の真相です。それ以外の珍説はすべて間違いでした。

日本は当時高橋是清がリフレ政策(金融緩和と積極財政)をしたため、世界で一番早く、もちろん当時のアメリカよりも早くデフレから脱却しました。これに関しては、以前このブログでも掲載したことがあるので、以下にそのURLを掲載します。
ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、日本がいかに昭和恐慌から素早く抜け出したのかその概略を掲載しています。詳細は、書籍などを読んでいただくのが一番ですが、とりあえずはこの記事を読んでいただければ、概要はわかります。以下にこの記事より、当時のGDPの推移を下にコピペさせていただきます。

昭和恐慌前後の日本の経済成長率 (%)
1927       3.4   
1928     6.5   
1929     0.5   
1930     1.1   
1931     0.4  
1932     4.4   
1933    11.4  
1934     8.7
この数字を見ると、落ちても0.4%とか、0.5%のレベルであり今の水準からすれば、落ちていないとか、伸びているときは二桁成長で、あり得ないような数字が並んでいます。しかし、この当時の世界全体の経済規模は、現在から比較すればかなり小さいし、特に日本などは現在のような経済大国でもなく、いわゆる発展途上国ではなかったものの、経済規模はまだまだ小さく、まさに発展途上でした。

日本の昭和恐慌

だから、数字がわずかにプラスであっても、インフラを大々的に拡張したり、軍備を拡張していた時代にあっては、国民生活の実態はデフレであったということです。これは、現在の中国がまだまだ、発展途上であり、GDPが6%をきると雇用が悪化するというのと同じような理屈によるものです。

これを前提に上の数字を眺めると、高橋是清のリフレ政策により、日本は少なくとも1933年あたりには、すっかりデフレ(昭和恐慌)から抜け出ていたことがわかります。そうして、成長しすぎたため、これに対して金融引き締めや、緊緊縮財政などをして、1934には成長率を抑え、インフレ懸念を払拭しています。

同時期のアメリカはどうだったかといえば、上のデフレータでみれば、33年にはどん底、34年でも上向きに転じたという程度であり、まだまだデフレの真っ只中でした。

日本は、戦争に突入する前からデフレが終息していましたが、アメリカは戦争が始まってからしばらくしてからようやっとデフレから脱却しました。戦時経済に突入して、経済優先から軍事優先で、戦争遂行のため国債を乱発し、経済を無視してでも大量の武器を製造して世界中に送り届けなければなりませんでした。これは、戦前のアメリカが結局デフレ政策をとっていたのとは全く正反対の政策でした。

第二次世界大戦中のアメリカのピンナップ・ポスター

しかし、その結果は、リフレ政策と同じ効果を生み出し、戦争中にデフレから脱却することができました。もし、戦争がなければ、世界のデフレは各国政府のデフレ政策によりまだまだ、デフレが続いていたことでしょう。その中で、日本だけが、デフレ政策をやめ、リフレ政策に転じて成功していましたから、たとえ戦争がなくても、いずれ世界は日本の事例を参照して、リフレ政策を実施して恐慌から脱出したかもしれません。

しかし、これは、世界大戦が発生したため、歴史の裏に埋もれて認識されないままに終わりました。戦争は、アメリカに期せずして、恐慌からの脱却を促しましたが、仮に戦争をしなくても、当時の日本と同じようにリフレ政策を行えば、日本と同じように大恐慌から脱出できたことでしょう。

しかし、実際には戦争がなければ、アメリカはなかなか恐慌から脱出できなかったことでしょう。なぜなら、当時のアメリカにとっては、リフレ政策など考えも及ばない危険な政策だったからです。当時のアメリカでは、一国の経済、しかも基軸通貨への地位を高めつつあったドルを運用するするような国の経済をあたかも家計のように考え、景気が悪くなれば、なるべくお金が外に出て行かないように、緊縮財政をするとか、金融引き締めをするというのが常識でした。ケインズの理論も発表されていなかった当時としては、無理もないことだったかもしれません。

大東亜戦争時にフイリピンで日本軍に投降した米軍

アメリカも日本も同じような誤謬を何度となく、繰り返しています。30年ほど前には、アメリカは典型的な誤謬を繰り返しました。貿易収支や、経常収支を家計の赤字と同じように考え、赤字がなくなればアメリカ経済にとって良いことであるという誤った考えで、日本の経常収支が黒であることを短絡的に捉えて、日本をバッシングしました。このバッシングにお茶を濁し続けて何ら具体的な対応をしなかった日本政府により結局日本は円高となり、それが今日の日本のデフレを招いた原因の一つともなってしまいました。

その後も米国は、誤りを犯し続け、最近では債務上限引き上げ問題です。これは、以前にもこのブログで掲載したように、アメリカの政治家の多くが、基軸通貨の発行国であるアメリカの財政をあたかも家計のように考え、借金さえしなけばアメリカにとって良いことであるという誤謬をおかしたために生じたものです。

とてつもない円高に見舞われた日本

日本もアメリカの度重なる誤謬を批判することなどできません。日本は、昭和恐慌を世界でいち早く回避できたという実績を省みることもなく、過去20年間ずっとデフレでした。このデフレを回避するには、高橋是清が実施したリフレ政策をすべきなのに、ずっと金融引き締め、緊縮財政を繰り返してきました。しかしこの誤謬も解消される動きがでてきて、今年の4月から日銀による異次元の包括緩和策が実施されるようになりました。このような誤謬が解消されると喜んでいたら、何と、来年の4月から増税が決まってしまい、また誤謬が繰り返されています。

増税しないで、金融緩和を続け、さらに積極財政を行えば、日本は短くて2年、長くても4年もすればデフレから脱却できたかもしれません。ところが、増税を実施してしまったため、上の記事で田村氏が指摘しているように、この先なかなかその目処はたたなくなってしまいました。



これが間違いであるということは、過去の日本における高橋是清のリフレ政策の成功をみてもわかることですし、過去二回の増税では、税収が減って増税前の水準には戻らなかったことを考えても明らかです。また、イギリスでは、日本と順番が違いますが、大規模な付加価値税(日本の増税)をした直後に、大規模な金融緩和をしても未だ景気が回復せず、税収が増えないことをみても明らかです。しかし、多くの官僚や政治家、多くの識者といわれる人々まで、これを認めず、デフレの原因はやれアジア通貨危機が原因だとか、リーマンショックがどうのこうのとして、結局デフレ政策の大失敗の事実を認めようとしません。

だからこそ、来年4月から増税するなどという暴挙がまかり通ってしまいました。これも、結局は、一国の経済を家計と同次元で考えるという誤謬のなせる業です。

国の経済は、家計とは異なる(゚д゚)!

この誤謬どうしたら解消できるでしょうか。上で戦争前のアメリカ、戦中のアメリカを比較すると、戦時体制という特殊な状態に入ったからこそ、アメリカは戦争国債を乱発して、結果として金融緩和を実施し、兵器の大量製造、大量送り込みを実施して、結果として積極財政を行いました。それまでの経済対策とは全く正反対を実施して、デフレから脱却できました。

であれば、日本も当時のアメリカの戦時体制のような体制になって、戦争遂行のために国債を乱発し結果として金融緩和をし、最新鋭のハイテク兵器を開発したり、配備したり、兵員を増やすことにより、積極財政を行えば、デフレから脱却できるかもしれません。

習近平は日本のデフレに終止符を打てるかもしれない(゚д゚)!

であれば、習近平は日本のデフレ脱却に大きな役割を果たすことができるかもしれません。ご存知のように中国は、尖閣周辺で、艦艇や航空機で、領海ぎりぎりのところを航行したり飛行したり、ときには超えてまで示威行動を繰り返しています。こんな程度に収めるのではなく、尖閣などすぐに手中に収めて、その後沖縄本島への上陸を目指すべきです。本当に上陸するか、本気で上陸するそぶりを見せるため、本格的な準備をするだけでも良いです。

そうなれば、日本は安全保障のため、嫌でも中国と対峙しなければなりません。中国と戦争状態に入れば、日本も第二次世界大戦直前のアメリカのように、戦時体制、戦時経済に突入し、戦争国債を大量に発行し、結果としてさらに大規模な金融緩和を行い、自衛隊の隊員の増加、ハイテク兵器を開発、配備するなどして、結果として大規模な財政出動を行います。

こうして、沖縄の危機をやりすごして、尖閣列島を奪還する頃までには、戦時経済のもの経済は好転して、デフレから脱却することは間違いありません。また、このようなことにならないために、さらに軍備を強化することとなり、さらに良い状況になります。今から比較すれば、現在の日本の経済規模よりもはるかに小さかったアメリカですら、当時そうすることによってデフレを克服しているのですから、今の日本でも同じように克服できるからです。

人民解放軍は自衛隊にとって脅威ではない。あっという間に打ち負かせる(゚д゚)!

これは、十分にあり得るシナリオです。実際にそうなっても、中国人民解放軍は自衛隊の敵ではありません。中国国内まで、追撃戦をするということにでもなれば消耗戦に持ち込まれるかもしれまん。そこまではしないで、あくまで、尖閣から中国を追い払い、さらに、二度と上陸させないということを目標にするのです。であれば、赤子の手をひねるように、日本はこれをやり遂げるでしょう。

一つの核弾頭の複数の核弾道弾を同時に撃墜した実績を持つ、「あたご」型イージス艦

そうなると、核の脅威は当然でてきますが、日本のイージス艦は、アメリカ国内の演習で、複数の核弾頭を同時に迎撃し撃破するという離れ業を一度ではなく、複数回にわたって成功させています。これで、中国の核の脅威もかなり払拭されます。核で攻撃されたら、それでお仕舞などという過去の常識は、非常識になるかもしれません。それに、日本も核武装をしなければ、拉致問題など永遠に解決できません。そうして、今この時、中国の核ミサイルが日本に照準をあせて配置されていることを忘れるべきではありません。本格的に中国と対峙するということなれば、核武装は避けて通ることはできません。

しかし、これを実行するには、日銀による金融緩和、政府による積極財政が不可欠です。戦時体制ということで、無理にでも行わなければなりません。これで、日本は、デフレから決別することができます。これが、現在の日本では、最も早いデフレ解消の道かもしれません。

無論、私は本当は、そうなってほしいわけでも、そうしてほしいと言っているわけでもありません。私は、鳩山氏、河野氏などのように、外患誘致罪に問われるようなことはしたくはありません。しかし、日本が誤謬から立ち直って、デフレを解消するためには、これに近い覚醒のための大ショックが必要だとということを主張しているだけです。そうはいいながら、習近平が尖閣や、沖縄を巡っての冒険を行えば、日本の経済だけではなく、安全保障に対する国民の理解が推進され、これを実現するために、憲法論議も長足の進歩をすることになります。



まさに、一石二鳥と呼べる大変革になるかもしれません。しかし、中国はなかなかそのような冒険はできないでしょう。彼我の軍事力、特にハイテク兵器に関する差異は、途方もなく大きく、まともに闘えば人民解放軍に勝ち目はありません。唯一の勝ち目は、日本の自衛隊を中国本土の奥にまで誘いこみ、持久戦に持ち込むことです。しかし、大東亜戦争で懲りた日本は、そのような挑発にはのらないでしょう。しかしながら、中国の脅威は日本を太平の眠りから覚醒させるためには、確かに役立つかもしれません。

かといって、これを利用してあまりにやりすぎれば、新自由主義者のショック・ドクトリンと何もかわりがなくなってしまいます。本当は、日本の政治家の大部分が自発的に真実に目覚めてほしいです。いつまでも、現実逃避のお花畑に住んでいてもらっては困ります。本当に、これに関しては、忸怩たる思いがいします。すぐにも、現実と対峙していただきたいです。お花畑から出るにしても、ショック・ドクトリンはいただけません。

ショック・ドクトリンについてご存知ない方は、ナオミ・クラインの書籍をご覧になるか、以下の動画をご覧ください。

http://www.youtube.com/playlist?list=PL869A8DB2AA247A98

ナオミ・クライン

これに匹敵するような覚醒のための大ショックについての具体案は、上記の戦争以外にはまだあまり考えていません。しかし、いずれ近いうちに必要なのはいうまでもありません。このままでは、失われた20年が40年になってしまいます。馬鹿な官僚や、政治家を納得させ、正しい道に導くため、今までにない、覚醒のための大ショックが必要不可欠です。これは、直近で考えておかなければならない重要な問題です。私も考えて見ますが、皆さんの中で、思いつかれたかたがいらっしゃったら、是非ともコメントという形で残していっていただけたら幸いです。そのコメントが妥当なものなら、大拡散させていただきます。いずれにせよ、今の日本、覚醒のための大ショックがなければ、「戦後体制からの脱却」は遠のくばかりです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年10月6日土曜日

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁―【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁:


日本銀行の白川方明総裁は2012年10月5日の会見で、デフレ脱却に向けた「1%の物価上昇」目標の早期達成は、欧州の債務危機の影響などで国内景気が停滞していることから、難しいとの見方を示した。これまでは、消費増税が予定されている「2014年度を含めた遠くない時期に1%に達する」としていた。

日銀はまた、この日の金融政策決定会合で金融政策の「現状維持」を決めた。白川総裁は会見で、「9月に景気シナリオを下方修正し、物価も下方修正することになる」と話した。

【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

白川総裁は、全くやる気がないようです。1%のインフレ目処を約束しておきながら、これすらも、実施せず、ただただ、日本国内のデフレと、円高を確実に守る、デフレ円高守護神の立場は絶対崩さないようです。一体どうなっているのでしょうか?現在デフレーターでみても、物価は下がりっぱなしで、とても1%なんて実現できる状態ではありません。ここで、追加緩和措置を打ち切ればとんでもないことになります。


EUの債務危機で、国内需要が停滞していることと、消費税による国内景気が停滞するというのであれば、通常は、金融緩和をするのが当たり前の真ん中です。白川総裁の言うことは、人間でいえば、癌治療をしている最中に、癌が悪化したので、有効な治療薬の投薬を中止しますといっていると同じようななものです。驚天動地の発言です。一体この人の頭の中はどうなっているのでしょうか?全く理解できません。どなたか、この常軌を逸した発言、その真意理解できる人がいたら、説明してください。

これじゃ、ますます、国内景気は落ち込むし、年末にかけて、アメリカ、EUなども大規模な金融緩和を実施するなか、日本が追加金融緩和措置をやめれば、とてつもない円高になるのは目に見えていまます。本当に全く解せない発言です。これは、ひょっとして、先日中国人民銀行総裁の、日銀が大幅に金融緩和をすることについての懸念表明への答えなのでしょうか?日銀が中国からの指令で動いていると揶揄する人たちもいますが、こうなると、この揶揄も、揶揄ではなく真実味・現実味を帯びてきました。

やっぱり、日銀は、海の向こうからの指示で動いているとしか考えられません。まあ、先日も述べたように、いまや中国は、スタグフレーションの領域に入っていますから、いくら日銀が金融引き締めを行ったところで、もう打ち出の小槌にはなりません。それにしても、中国人民銀行総裁の懸念表明にあまりに都合の良い返答ではありませんか。実際、こうしておけば、少なくとも、人民銀行総裁のご機嫌を損ねる心配はありません。しかし、そんなことで、本当に良いのでしょうか?

中国人民銀行総裁
まるで、外国の指示でうごいているかのようなこの発表の直前の日銀政策決定会議に、前原誠司財政相が出席していたはずなのに、前原さんも、この日銀の常軌を逸した暴走に対して何も抗議しなかったのでしょうか?一体何のために参加したのでしょうか?こういうときこそ、普段の番長ぶりを発揮して、徹底的に抗議すべきではなかったですか?その後、日銀の暴走を非難する声明も発表していません。

まるで、子供のお使いのような参加ですね。おそらく、金融政策のことなど何にもわからないで参加しているから、まともな発言ができなかったかもしれません。それとも、日銀の「独立性」を認めているから、思ったことを発言できなかったのかもしれません。日銀さぞや今頃、胸をなでおろしていることでしょう。

そういわれてみれば、Twitterでは、ある方が、「ウィークアップにて前原がデフレの原最大の原因は人口減少だと熱く語ってました。騙されに行ってるのでは…」とツイートしていました。デフレ、インフレとは、純粋に通貨貨幣の流通量の問題であって、人口とは全く関係ありません。全く理解できません。あの勝栄二郎元財務次官も、こんな珍説はさすがに、語っていませんでした。日銀は、この珍説、論文として最近発表したことはこのブログでも紹介しました。


それにしても、デフレの最大の原因は人口減という説は、完璧な間違いであること、すぐに看破できます。ちょっとやってみましょうか?

わかりやすくするため少し乱暴で、物騒ですが、極端に解説します。たとえば、今日本が、中性子爆弾(人間動物だけ殺傷し、他のものは傷つけないとされている)により、日本が攻撃されて、いきなり人口が半分になったとします。お金を含む有形無形の資産は、そのまま残ったとします。そうしたらどうなります?お金などは、そのまま残り人が半分になります。流通しているお金がそれまでの二倍あることになりませんか?そうして、二倍のお金は、生き残った人たちに移転します。また、相続税として国庫にもはいります。

こういうお金がいっぱいある状態を何といいますか?そう!!インフレです。この時点で、デフレ人口減説は完璧に破綻しています。それも、それまでの倍のお金が流通しているわけですから、ハイパーインフレですね。ただし、この場合、日銀は、このインフレをそのままにしておくわけはありえませんから、過剰なお金を回収して、中性子爆弾爆弾で人口が半分になる前から比較すると、半分にすることでしょう。

稀代のトンデモ本!!
いや、違うかな!!日銀の今のスタンスであれば、お金の流通量を半分にするのではなく、半分の7、8割にまで、減らして流通量を減らして、デフレ・円高路線を堅持することになるでしょう。

何しろ、人口が半分になれば、復興のため様々なことをして、人口が半分になっても、人々が豊かに暮らしていけるようにする必要があります。たとえば、必要のない建物を減らすため古い建物を壊したり、人口が半分になったことにより、場所によっては、地方自治体が、機能を失ったところもでてきて、たとえば、いくつかある村や町が維持できなくなり、一つの村に複数の村を併合したり、併合するだけではなく、併合した町のインフラを整備する必要がでてきます。また人口を増やしたりするため、様々ことにとりくまなければならくなります。また、人口が急激に増えてくれば、それなりにインフラ整備をしなければなりません。

そうなると、普通は、インフレになり、景気がかなり上向くかもしれませんが、今の日銀は、そんなことは、絶対にさせません。デフレ、円高路線で、日本が成長をするのをとめることでしょう。そんな馬鹿なと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、でも、それが、現実の現在の日銀のスタンスです。異常です。

さて、皆さんは、どう思われます。こんな日銀の暴走をいつまでも許容してはいけないと思うのは私だけでしょうか?

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