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2020年8月31日月曜日

「破綻国家」一歩手前のレバノンを蝕む政治的腐敗―【私の論評】まず覚醒しないあなたから、レバノンにどうぞ(゚д゚)!

「破綻国家」一歩手前のレバノンを蝕む政治的腐敗

岡崎研究所

 レバノンでは、8月4日に発生したベイルートでの硝酸アンモニウムの大規模爆発を受けてディアブ首相が内閣総辞職に追い込まれるなど、混迷を深めている。レバノンの統治不全は極めて根が深い。8月12日付のフィナンシャル・タイムズ紙社説‘Lebanon needs a credible government of reform’は、レバノンの支配層が彼ら自身の将来が危機に瀕していることを自覚しない限り、レバノンは破綻国家に近づくだろうと述べているが、決して誇張とは言えない。


 レバノンの現状は悲惨である。現地通貨のレバノン・ポンドは2019年秋以降80%減価し、最新で約90%のハイパーインフレとなっている。2020年3月にはディアブ首相が外貨建て国債12億ドルをはじめとする同国の債務の支払い停止、すなわち債務不履行を宣言した。ベイルート首都圏で91万人が食料や生活必需品を十分入手できない状態で、その半数以上を占める子供たちが年内に餓死する可能性があるとのことである。

 このような状況の下、昨年10月政府が増税案を示したことに対し大規模なデモが発生し、その後ベイルートのみならずレバノン中で国民の抗議デモが頻発したが、8月4日ベイルートで起きた硝酸アンモニウムの大爆発で163人が死亡、6000人が負傷する事態を受け、8月8日には数千人規模のデモが起こり、ディアブ首相が内閣総辞職に追い込まれた。

 レバノンの危機の原因は政治の腐敗である。レバノンには18の宗派が存在し、大統領はマロン派、首相はスンニ派、国会議長はシーア派というように各宗派に政治権力が配分され、バランスの確保に意が用いられているが、各勢力が自身の地位に胡坐をかき、利権をむさぼり、腐敗が蔓延したと見られている。このような腐敗した制度が未曽有の経済危機に対処できないでおり、国民の怒りが反政府デモで爆発しているのが現状のようである。

 レバノンの経済危機に対処するためには外からの支援が必要であり、IMFや旧宗主国フランスと協議を行っているが、支援の条件として当然のことながら抜本的な経済改革が要請されており、レバノン政府は要請に応えられていない。レバノンが破綻国家にならないためには、危機の原因である腐敗した制度の改革に取り組まなければならないが、この制度はレバノン特有の事情に根差したものであるだけに、現状の変更はかなり難しい。

 しかし、レバノンを破綻国家から救う道は現状の変更しかない。上記のフィナンシャル・タイムズ社説は、「今回の内閣総辞職は最後のチャンスで、アウン大統領と議会が独立志向の首相の率いる新内閣の成立を急ぐべきである」と述べている。現状を変更するためには支配層が彼ら自身の将来が危機に瀕していることを自覚する必要があるが、果たして支配層がそのような危機感を持つことができるのか定かでない。もし持てなければレバノンが破綻国家となることは現実味を帯びてくる。

【私の論評】まず覚醒しないあなたから、レバノンにどうぞ(゚д゚)!

レバノンというと、あのカルロス・ゴーン被告のことを思い出してしまいます。ゴーンはいまどのような状況なのでしょうか。

カルロス・ゴーン被告

8月4日のレバノン・ベイルート港の化学物質の大爆発で、日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告(66)の妻キャロル容疑者(偽証容疑で逮捕状)がブラジル紙に自宅が損害を受けたと翌日語ったが、6日、フランスの各紙は、自宅が完全に破壊されたと報じました。

レバノンの情報筋によれば、ゴーン被告は首都ベイルートから避難し、郊外に身を寄せているといいます。逃亡後、豪邸で優雅に暮らしていたゴーン被告は、いわばホームレス状態に陥ってしまったのです。 

大爆発は、通貨危機や新型コロナウイルスによって混迷を深めてきたレバノン社会をさらに混乱させるでしょう。今回の爆発事故はレバノン政府の化学物質の管理の怠慢で起きたため、腐敗や無能で反発されてきた政府に対する信頼がいっそう低下したことは否めないです。

レバノン社会が混沌とする中で、高級住宅での生活という特権を失ったゴーン被告は心許ない生活を余儀なくされることでしょう。

あるフランス紙は、ゴーン被告は今回の事故で家を失った30万人のホームレスの1人と形容しています。爆発事故で政府が運営する小麦の倉庫も大損害を受け、レバノンの食料を輸入する能力も著しく低下しました。

ゴーン被告の食卓も寂しいものになっている可能性が高いです。レバノンでは、150万人のシリア難民と27万人のパレスチナ難民も居住しますが、難民の存在もレバノンの食料事情を逼迫させていくでしょう。新型コロナウイルスで手一杯の医療現場は、事故の負傷者たちでさらに膨らむことになり、ゴーン被告は十分な医療サービスも受けられない環境にいます。

レバノンでは対外債務が膨らんだために、現地通貨は昨年10月以来、その価値を80%下げました。レバノン経済は食料を含めて輸入に頼り、債務によって輸入経済を支えてきました。輸入経済に依存することは、レバノンの資本が海外に流れ、現地通貨が価値を下げることになる。 

海外在住のレバノン人企業家たちは、レバノンの銀行にドルで預金し、また湾岸のアラブ諸国も財政支援を行ってレバノン経済を支えてきました。しかし、腐敗など政府の失政や、政府の経済改革への取り組みが消極的なこともあって、海外在住の企業家たちがレバノンの銀行へのドル預金に熱心でなくなり、また欧米諸国の支援も滞っていきました。

こうしてレバノンでは外貨準備が不足し、対外債務が世界最悪とも言える状態になりました。銀行は預金者がドルで引き出せる額を制限したために、現地通貨で暮らす人々の生活をいっそう圧迫し、インフレはうなぎ上りとなりましたが、さらに政府は歳入不足を補うために、タバコやガソリン、さらにはワッツアップのようなSNS通話にも課税しようとしたことが昨年の10月以来連日繰り広げられるデモにつながりました。 

レバノンは18の宗派によって構成される宗派のモザイク社会ですが、1975年から90年まで続いた内戦を終らせるために、各宗派の代表的なファミリーに権力や利権が分配され、それが政治腐敗の要因となりました。イランやサウジアラビアなど外部からの支援もこうした特権層を潤わせ、それも貧しい階層の怒りや反発の背景となっています。 

爆発事故によって、政府への幻滅はいっそう深まり、政府を見捨てて海外在住のレバノン人を頼るなどの手段で大規模な国外移住が予想されるようになりました。海外在住の離散(ディアスポラ)レバノン人は本国の人口(約684万人:2018年)のおよそ3倍いると見積られていますが、国際指名手配を受けているゴーン被告は逮捕の恐れがあるために、この選択肢はありません。

 レバノンが無秩序や、さらに紛争状態になった場合、ゴーン被告のとりあえずの逃亡先は陸続きのトルコ、シリア、イスラエルの3国ぐらいしか考えられません。しかし、イスラエルとレバノンは戦争状態にあり、シリアは戦乱の渦中にあり、またISやアルカイダのような暴力的集団がどのようにゴーン被告を迎えるか定かではありません。

ゴーン被告はクリスチャンで、イスラムに訴える過激な集団から見れば異教徒で、日本で不正を働いたゴーン被告は腐敗のシンボルとも言え、彼らが最も嫌い、否定すべき対象です。さらにトルコはゴーン被告の逃亡を幇助したとして7人を逮捕した国で、ゴーン被告をかくまうことはありえないです。

 レバノンに残れば、混迷が続く政治社会の中で快適な生活は送れそうにもありません。今年終わりまでに1日4ドル以下で暮らす貧困層が50%に膨らむと予想されていますが、ゴーン被告のような不正を働いた特権階層は、彼らにとって憎悪の対象となり、危害が加えられることも否定できません。日本の司法制度から逃亡したゴーン被告は、レバノンで行き詰まり、八方塞がりになっています。

カルロス・ゴーンは今頃、治安が良く経済的にも恵まれた日本のことを思い出しているかもしれません。多くの日本人は、ゴーンのことを愚か者というかもしれません。

しかし、日本人の中には、ゴーンを馬鹿にできない人たちもいると思います。共同通信が同29、30日に行った世論調査 安倍内閣の支持率は55%で、7月の前回調査から12ポイント上がりました。歴代内閣の末期は支持率が低い場合がほとんどですが、安倍内閣は異例の高い支持率で終幕を迎えます。

退陣を決めたリーダーが翌日に20ポイントも支持率が上がるようなことは、日本では無論のこと、世界でも例がない、珍現象です。多分これは「安倍さんごめんね」という意思表示ではないかと思います。


どのような意思表示かといえば、以下のようなものです。

新型コロナウイルス対策では、死者が少なく、対策がうまくいっていると言ってもいいような気もするのだが、テレビのワイドショーなどて多くの人が「安倍さんはだめだ』と言い続けていたので、ついつい自分も「安倍が悪い」と思うようなった。それ以前の「もりかけ桜」でも同じように「安倍さんはだめだ」と思うようになってしまった。

しかし、考えてみれば、未だにテレビのワイドショーなどのコメンテーターは「疑惑」「忖度」など言いつつも結局のところ、ワイドショーのコメンテーターは、未だに決定的な証拠「物証」を挙げられないでいる、

安倍内閣は戦後の最小の長期政権になったのですが、最近では支持率が下がっていって安倍さんは苦しんで病気が再発してしまったと考えたのではないでしょうか。しかし、結果的に安倍さん辞任を表明しました。本当に申し訳なかったと反省し、その意思表示として、支持率上がっていると推察できます。

私自身は、安倍政権に関しては、このブログで以前から言っているように、過去20年では、経済でも安保でも、外交でも、最もパフォーマンスの良い政権だと思います。これは、野党が何を言おうが、ワイドショーのコメンテーターが何を言おうが、事実です。まともに、経済指標を見たり、様々な事実に当たれば、誰もが容易に理解できると思います。

安倍総理辞任表明という大きなショックが、このような人たちを覚醒させたのだと思います。カルロス・ゴーンもレバノンで大爆発事件がおこり、それどころか、食糧不足という大ショックに見舞われ、いくら金を持っていても、現状のレバンでは、それは全く無意味であることにいまさらながら気づき、覚醒したかもしれません。

ごうつくばりで、とにかく金を得るために、不正なことにまで手をつけてしまった自分を呪っていることでしょう。合法的なことで儲けた金で、日本など、多くの人々から尊敬され満ちたりた幸せな生活を送れたかもしれないと、今頃臍を噛んでいるに違いありません。

人間というものは、本当に幸せなときは、自分が幸せの絶頂にいることを意外と認識できなかったりするものです。日本のような国で、まともな政治が行われていると国民はそれが当たり前になってしまうのでしょう。レバノンのようになってしまってから初めてまともな政治の必要性を痛感するようになるのかもしれません。

これは、あくまで、私の推測であり、カルロス・ゴーン本人に聴いていなければ真実はわかりません。しかし、そのように考えるのが普通だと思います。もしそうでなければ、ゴーンはただの頭の悪い大馬鹿者です。

大ショックを受けないと、事実がみえない人たちは、ゴーンに限らず、日本でも大勢いるようです。日本では、ショックを受けて覚醒する人もいる一方、未だワイドショーなどのコメンテータの発言などを真に受けて、未だ覚醒しない人も大勢います。

無責任なワイドショーのコメンテーター
そういう人たちには、是非ともレバノンにいって、そこで1年でも生活していただきたいものです。そうすれば、本当の政治の腐敗とはどのようなものか、日本がいかに素晴らしい国であり、これを守りさらに良くしていくことが、価値あることと理解できるかもしれません。そこまでしても、覚醒しない人もいるかもしれませんが、確実に日本に逃げ帰るでしょう。

私はこのブログでも何度か述べたように、安倍総理の政策を是々非々でみており、そうしたことから、評価できる点は評価し、批判すべき点は批判してきました。そうした過程から、結論できるのは、安倍総理は現時点においては、日本を守りさらに良くしていることの価値を、最も理解する政治家だといえます。そうして、総理を辞した後でも、その道を歩んでいかれる方と確信しています。

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2017年12月9日土曜日

【日本の解き方】日銀の資金供給量鈍化でインフレ目標達成できるのか 国民経済のための金融政策を―【私の論評】年長者こそ、正しい金融政策に目覚めよ(゚д゚)!

【日本の解き方】日銀の資金供給量鈍化でインフレ目標達成できるのか 国民経済のための金融政策を


日銀が市場に供給しているお金の量(マネタリーベース)の増加額が、11月は前年との差が51・7兆円(末残高ベース)と異次元緩和開始以降、事実上最低になったと報じられた。

 日銀は昨年9月から長期金利をゼロ%程度にするように調整しており、その意味では、マネタリーベースの増加額は金利維持のために必要な額となるので、長期金利がゼロ%になっていれば、増加額が低下すること自体はさほど意味があるわけでない。

 12月6日時点の新発10年国債利回りは0・055%であり、ほぼゼロ%金利水準は達成されているといえよう。今年初めからの動きをみても、おおむね0~0・1%の範囲になっているので、日銀の意図した金利ともいえる。

 問題は、それでインフレ目標2%が達成できるかどうかである。もちろん、インフレ目標の達成には、本コラムで述べたように、内閣府が算出するGDP(国内総生産)ギャップでプラス2%程度になる必要があるので、金融緩和と財政出動が必要である。

 過去10年間の10年国債利回りの推移をみると、昨年9月以前はマイナスレンジであったが、日銀がゼロ金利を打ち出してから、若干のプラスレンジになっている。ほぼ同時期に、日銀のマネタリーベースの増加額が減少し始めるが、それは日銀の国債購入額の減少によるものだ。つまり、国債購入額の減少が、長期金利の若干の上昇をもたらしている。

 こういう日銀のオペレーションは、果たしてインフレ目標達成の近道になっているのだろうか。データを見る限り、失業率の低下は足踏み状態だし、インフレ率についても、11月の全品目消費者物価指数対前年同月比は0・2%。生鮮食品を除いてみると0・8%、食料とエネルギーを除くと0・3%であり、インフレ目標2%にはほど遠い状況だ。こうしたデータから、筆者は日銀のオペレーションは短期的には正しい方向には見えない。

 金融政策は、これ以上は下げられない失業率を達成し、無用なインフレを起こさないためのものだ。つまり、経済学でいう「NAIRU(インフレを加速しない失業率)」を達成する最低のインフレ率をインフレ目標とするもので、NAIRUとインフレ目標の最適点を目指すものといえる。

 日本で具体的に言えば、NAIRUは2%台半ばであり、そのために必要なインフレ率は2%であるので、それをインフレ目標としているわけだ。

 現時点では、失業率3%弱、インフレ率0%強という程度で、最適点には民主党時代よりかなり近づいたが、いま一歩のところで足踏みをしている。

 米国は、NAIRU4%程度、インフレ目標2%という「最適点」に到達したので、出口の議論が起こっている。

 日本の出口はまだまだなのに出口議論が盛んなのは、国民経済のための金融政策を、金融業界の利害のために使おうとしているからだろう。それに日銀は加担してはいけない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】年長者こそ、正しい金融政策に
目覚めよ(゚д゚)!
時期合計(平均残高)前年比
2017/10473.9兆円+14.50%
2017/09471.1兆円+15.61%
2017/08466.3兆円+16.28%
2017/07465.1兆円+15.55%
2017/06459.5兆円+17.01%
2017/05456.0兆円+19.43%
2017/04456.2兆円+19.80%
2017/03436.3兆円+20.33%
2017/02431.0兆円+21.41%
2017/01435.2兆円+22.56%
2016/12426.4兆円+23.09%
2016/11417.7兆円+21.53%
2016/10413.9兆円+22.13%
2016/09407.5兆円+22
マネタリーベースの前年同月比増加率の推移

マネタリーベースとは、日銀が発行している紙幣発行残高と日銀当座預金、貨幣流通高(100円玉などの硬貨)の合計金額です。言い換えると、市中に流通している現金(紙幣+貨幣)と日銀当座預金の合計です。

日銀当座預金は、民間金融機関が日銀に預けているお金の合計で、民間金融機関は日銀当座預金を通じて銀行間取引などを行っています。

ちなみに、マネタリーベースに占める貨幣流通高は微々たるものです。したがって、日銀が刷った紙幣残高(貨幣の発行は政府になる)と日銀に預けられた預金残高の合計がマネタリーベースの金額とほぼ一致します。

マネタリーベースは、日銀が金融政策を通じてコントロールしており、景気が加熱しすぎたと思ったらマネタリーベースを減少させ、景気が悪化していると考えれば思い切り増やします。ただし、日銀が黒田総裁よりも前の時代には、このような金融政策をとらずに、何かといえば引き締め政策をしました。

マネタリーベースを増やす金融政策を量的緩和と言い、これは金融機関から主に国債を買い取って、日銀当座預金を増加させる(日銀が民間金融機関から国債を買い取った代金を日銀当座預金に振り込む)政策です。

従来は金利の上げ下げを目的とした金融政策が行われていましたが、近年は先進国で金利を下げる余地がなくなってきたため、お金の量をターゲットにした金融政策を実行する手法が取られています。

マネタリーベースの増加に敏感に反応する指標の1つが株価で、日銀がマネタリーベースを増加させる政策を採用すると株価も上昇トレンドに入ります。

マネタリーベースを拡大させると、金融機関が日銀当座預金に溜まったお金を原資にして貸出を増やしてマネーストック(世の中に出回るお金の総量)が増え、経済が活性化すると期待されるからです。株価は将来の経済環境を先取りして上昇するわけです。

日銀はこれまでにない規模でマネタリーベースを拡大していますが、米国と比較すると、少し遅れて拡大しています。

2008年9月のリーマン・ショックで景気が下振れし、それに伴い米国はマネタリーベースを拡大(金融緩和)していたのですが、日銀は効果的な金融政策を打ちませんでした。2013年に日銀の正副総裁が代わり、ようやく世界標準の金融政策をとるようになりました。

マネタリーベースのコントロールする方針は、日銀の金融政策決定会合で決められます。

以下に、失業率の推移のグラフを掲載します。


最近のニュースを見ていると9月末の都市銀行5行の貸し倒れ引当金は、前年同月比13.4%減の9016億円だと言い、1985年2月以来「32年半ぶり」に1兆円を下回ったと言います。

更に、10月の有効求人倍率は「43年ぶり」の1.55倍だそうです。このように実に、四半世紀以上を経過している現象が、次々に市場を賑わしています。先日の日経平均株価の16連騰は、東証の創設以来の歴史的な現象が生まれたのです。

これらの現象は、やはり2013年から金融緩和を継続してきたからこそ今日このようなことが実現されてきたということです。これは金融緩和を継続するということ自体は、正しいことであることを示しています。

しかし、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏が指摘するように、失業率は未だNAIRUの2%台半ばには達していません。高橋洋一氏は、適正なNAIRUを算定した上で、2%半ばとしているようですが、私自身は日本が本格的にデフレに突入する前には、NAIRUは2.7%くらいであるといわれていたことを根拠にやはり、NAIRUは2.7%くらいであると考えています。

この頃は、失業率が3%台になると、雇用状況が悪化しつつあるといわれていました。しかし、その後日本がデフレに突入してからは、3%台は当たり前どころか、悪くない数値と受け取られる程に日本の雇用は悪化しました。

多くの人(特に50歳以上の人)は、過去の日本では3%を超えると雇用は赤信号であるとされていたことを忘れているようです。これでは、年長者の知識を活かせているとはいえません。

NIRUが達成されてはじめて、経営者の心を動かし、厳寒状態だった「心の壁」の氷を溶かし始め、貯めこんだ現預金残(内部留保)の活用に向かいます。この状況は、産業ごと企業ごとでも違います。たとえば、現状のファナックは、フル操業を続けており、それでも間に合わない状況にあります。

ファナックのロボット製造工場
事前に工場用地を手当てして工場を建設していましたが、積極的なファナックでさえ半年、遅かったと言われています。

一方、シャープは、亀井工場に続き、堺工場の建設が、命取りに繋がりました。

すべての企業が、積極的になるにはまだ十分ではないのです。

NAIRU2%半ばが達成されてはじめて、一部の限界的な産業や企業を除いてほとんどすべての産業や企業で、本格的に人手不足が実感されるようになり、賃金を上げざるを得ない状況に追い込まれ、経営者の心を動かし、厳寒状態だった「心の壁」の氷を溶かし始め、貯めこんだ現預金残(内部留保)の活用に向かい、本格的なイノベーションのため賃金をあげたり、設備投資をしたりして、需要増に応えるようになり、日本経済は本格的に上向くことになるのです。

NAIRUも達成されておらず、物価目標にまだ程遠い日本では、金融緩和の出口には未だ程遠い状況にあるのです。特に年長者こそ、過去の失業率などから、この状況を正しく判断すべきです。多数の若者は、就職率が格段にあがり、もう過去に戻りたくないと考えていますが、実質賃金の上昇などの恩恵にいまだあずかっていない年長者や、年金生活者の年長者はそうは思っていない人が未だ多いようです。

多数の年長者の覚醒と、若者層により金融政策に関するまともな世論が形成されなければ、またまた国民経済のための金融政策を、金融業界の利害のために使われてしまったり、マスコミの無知で無責任な報道により、日本は金融政策は中途半端に終わり、またまたデフレスパイラルのどん底に沈むことになります。そのようなことは絶対に避けるべきです。

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2016年5月13日金曜日

【痛快!テキサス親父】トランプ旋風には理由があるんだぜ 日本では伝えられない米国の危機的事情―【私の論評】たった1割しか保守系メディアが存在しない米国で国民は保守を見直し、覚醒しつつある(゚д゚)!

【痛快!テキサス親父】トランプ旋風には理由があるんだぜ 日本では伝えられない米国の危機的事情

トニー・マラーノ氏
 ハ~イ! みなさん。

 米大統領選の共和党指名争いで、不動産王のドナルド・トランプ氏(69)が指名獲得を確実にしたぜ。日本では、過激な発言ばかりが報道されているようだが、今回は、日本のメディアではきっと分からない、トランプ氏を後押しした米国の危機的な事情について説明したい。

 トランプ氏がカリフォルニア州で集会を開いた際、会場の外で激しい抗議活動が行われた。世界各国のメディアはその現象だけを取り上げて、「トランプ氏に抗議殺到」などと伝えていたが、伝統と規律を重んじる米国民の感覚・感情はまったく違うものだった。

 抗議団の中では、多くのメキシコ国旗が得意げに振られていた。メキシコからの不法移民が多数参加していることは一目瞭然だったぜ。さらに、プラカードに書かれたメッセージなどから、抗議団に社会主義者が入り込んでいることも明らかだった。

 米国は「移民の国」だ。俺の先祖もイタリアから移住してきた。米国の「建国の理念」に賛同する移民たちが、わが国に活力を与え、発展させてきた。ただ、それは合法でなければならない。トランプ氏が「不法移民を強制送還させる」と主張していることは、ある意味当然といえる。

 社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。

 彼らが、トランプ氏を政治的に貶めようとすればするほど、それが逆効果になっている。米国民の多くは「抗議団=米国を3等国に転落させたい連中」とみている。最近、テロリストを支持する集会が開催されたことが、トランプ氏への得票につながったことも、米国民は知っている。
 かつて、カリフォルニア州は米国全体の流れを決めていたが、今や、他の49州の「軽蔑の対象」でしかない。現在のトランプ旋風は「伝統的な米国を守れ」という国民的運動ともいえる。

 俺は、日本でも危機的な事態が起きていることを知っているぜ。不法滞在している連中が日本を壊そうと画策・暗躍しているうえ、一部の政党や教育現場、メディアにも「反日勢力」が浸透している。

 日本は世界屈指の歴史と伝統を持つ国であり、成熟した伝統や文化を大切にしながら、時代に合わせて新しい手法や思考を取り入れてきた。だが、そこに悪意(=日本を壊す)があったらどうするんだ?

親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。俺は、日本は日本らしさを守ってこそ、日本だと思うぜ。

では、また会おう!

 トニー・マラーノ

【私の論評】たった1割しか保守系メディアが存在しない米国で国民は保守を見直し、覚醒しつつある(゚д゚)!

上のテキサス親父の記事では、"社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。"としています。

米国リベラル・メディアの偏向を揶揄するポスター

それでは、米国では、政治的に保守といわれる人々と、そうではない人々の比率はいかほどのものなのでしょうか。

その前に、日本はどうなのかを概観してみます。日本においては、保守と革新(非保守)の割合は、55年体制が築かれた当時では、2:1といわれていました。保守派が圧倒的に多かったわけです。

55年体制(ごじゅうごねんたいせい)とは、日本において、与党第1党は自由民主党が占め政権を維持し、野党第1党は日本社会党が占めていた体制。1955年(昭和30年)に保守が合同し自由民主党を築いた後この構図が成立したためこう呼ばれます。
初出は政治学者の升味準之輔が1964年(昭和39年)に発表した論文「1955年の政治体制」(『思想』1964年4月号)です。

この保守と革新の“2:1”の比率は、保守分裂のため社会党が第1党になった1947年(昭和22年)の総選挙の時点で既に現れていました。

55年体制は、自由民主党から日本社会党への政権交代が実現できない一方、保守政党は国会で憲法改正のための3分の2以上の議席を確保できなかったことから、政権交代と憲法改正のない体制とされています。


戦後しばらくは、いわゆる諸派・ミニ政党がしばしば議席を獲得していました。しかし55年体制成立以降は、参議院で一時的にミニ政党が進出した時期もありますが、衆議院で議席を獲得することはほとんどなくなりました。

とはいいながら、現在の自民党をご覧いただくとわかるように、保守派の議員も大勢いるにはいるのですが、現在の自民党は、それ以外にも、リベラル派や左翼に近いような人たちも混じっています。

政治信条が異なっても、自由民主党という看板の下に集っています。結局、自民党=保守派とは呼べない状況になっています。

そうなると、一見非保守派のほうが優勢のようにもみえますが、一方野党第一党の現在の民進党も、保守派の議員がいます。

結局自民党は、選挙のために政治信条の異なる人々が集う、まるで選挙互助会のような組織です。そうして、民主党(現民進党)も自民党をコピーしたような、選挙互助会組織です。ただし、コピーした分だけ、劣化しています。それを私たちは、民主党が政権与党だった時代に嫌というほどみせつけられました。

このような状況ですから、保守といわれる人々はどの程度なのか、それを特定するのは難しいです。それに、単純に保守といっても、受け取る人によって、その定義が異なります。だから、保守はどのくらいいるのかということは、政治の世界ですら、それを特定するのは難しいです。

ここで、保守の意味を正確に定義します。保守とは、保守主義の立場をとる人たちの集まりということになります。そうして、保守主義(ほしゅしゅぎ、ラテン語: Conservatismus、英: Conservatism)とは、古くからの伝統・習慣・制度・社会組織・考え方などを尊重して、古くからの伝統・習慣・制度・社会組織・考え方を保存したり、維持するために、急激な改革に反対する社会的立場や政治的立場です。

そのような立場を取る者のことも保守(英: Conservative)、あるいは、保守派と呼びます。対義語は革新もしくは進歩主義。一言でまとめると、中庸の徒ということになると思います。

『論語』で中庸について述べている部分

「中庸」という言葉は、『論語』のなかで、「中庸の徳たるや、それ至れるかな」と孔子に賛嘆されたのが文献初出と言われている。それから儒学の伝統的な中心概念として尊重されてきた。だがその論語の後段には、「民に少なくなって久しい」と言われ、この「過不足なく偏りのない」徳は修得者が少ない高度な概念でもあります。

ただし、これは、保守主義の理想であり、ここまで定義を狭めてしまうと、本当の意味での保守などあまり存在しないことになってしまいます。理想は、理想として、無理のない定義としては、「偏りのない」くらいで良いと思います。過不足なくまで定義に盛り込むと、それはもはや超人であり、それにあてはまる人はあまりいなくなることでしょう。

「偏りがない」を中庸として、中庸の徒が保守とするならば、政治の世界でも2〜3割くらいはいそうです。国民の中にも、少なくとも2〜3割くらいはいそうです。これに近い人も含めると、もしかしたら5割もいるかもしれません。

ところがです。米国はとんでもない状況になっています。なんと、いわゆる保守といわれる人々が本当は日本かそれ以上も存在しているにもかかわらず、メディアはリベラル・左派が9割という状況になっています。それは、以下の動画をご覧いただくとおわかりいただけるものと思います。



何と、アメリカでの特にマスコミの保守と非保守の割合は、1:9だというのです。ほとんどが、非保守の左翼、リベラルなのです。アメリカ最近は、いくぶん衰えたといえ、世界一の超大国です。経済的にも、軍事的に世界一ですが、何とマスコミには保守派1割しか存在しないということで、テキサス親父が語る"社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。"と語っていることの意味が良くわかります。

とにかく、アメリカの保守の伝統や、価値観など数十年間でズタズタに引き裂かれ、破壊されてしまったというのが実情だと思います。

政治の世界では、今でもおそらく、マスコミが1:9の比率で保守が圧倒的に少ないということで、保守系の意見はほとんど無視されてしまうのです。そのため、保守派が発言したり、著述をしても、ほとんど取り上げられないというのが実情なのです。それは、教育、映画などの大衆娯楽に及ばず、ありとあらゆる方面でそうなっているのです。

日本はアメリカに比較すればメデイアなども保守が多目なのだと思います。とはいいながら、日本は敗戦国であるため、圧倒的に非保守に牛耳られているアメリカのメディア影響をかなり受けています。だから、保守がアメリカよりも比較的多くても、教育会や司法、マスコミなど多くの分野で非保守が幅を効かせているだと思います。

そうして、メデイアの世界では保守対非保守の比率が米国では、1:9ということで保守は過去のアメリカ社会は非保守が築いてきたのですが、その社会では、アメリカの保守派はリベラル等に負けっぱなしであることに多くの保守系米国民が、憤りを覚えたり、反感を覚えたり、危機感を感じているのです。


そうして、その受け皿になっているのが、トランプ氏なのです。そうして、上の動画でも語られているように、米国はリベラルに乗っ取られるため、トランプに関しては、ネガティブな報道しかせず、それを多くの日本人が鵜呑みにしているのです。

トランプ氏は、このアメリカの現状を何とか変えなければならないということで、大統領になろうとしているのです。そうして、選挙資金を自前で全部用意できるトランプ氏でなければ、このようなことはできません。現在のアメリカは、非保守に牛耳られているため、他の候補者では、選挙資金を非保守に頼らざるを得ません。だからこそ、過去においては非保守の立場は揺るがなかったのです。

しかし、これまでしばらく続いた候補者とは違い、トランプ氏は他者に操られておらず、これからも操られないことでしょう。これが、いずれは米国保守の反転攻勢の一里塚になるかもしれません。

この事実が日本では全く報道されないので、日本ではトランプは色物、際物扱いをされているのです。

トランプ氏が大統領になれば、非保守がアメリカを牛耳ってきた実体が暴かれ、アメリカ国民の多くは保守を見直し、覚醒すると思います。たとえ、トランプ氏が大統領になれなかったにしても、この傾向は続くことでしょう。

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米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?―【私の論評】日本にとって自腹で動くトランプが大統領になるより、中華マネーで動くヒラリーのほうがはるかに危険(゚д゚)!






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2015年6月16日火曜日

民主・長島氏が党批判 労組依存、何でも反対路線…「民主は目を覚まさなければ消えゆくのみ」―【私の論評】橋下氏も三行半をつきつけた民主党というボロ船は、座して沈没を待つだけ(゚д゚)!

民主・長島氏が党批判 労組依存、何でも反対路線…「民主は目を覚まさなければ消えゆくのみ」

長島昭久元防衛副大臣
民主党の長島昭久元防衛副大臣は16日までに民間シンクタンク「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)のホームページに「目を覚ませ、民主党!」と題した寄稿を掲載した。

党の労組依存体質を批判し、安全保障法制の国会審議では「万年野党の『何でも反対』路線がますます先鋭化している」と警鐘をならした。

長島氏は、民主党の現状について「『改革政党』と見なす国民はほとんどいまい」と分析。「改革路線は維新の党にすっかりお株を奪われた」としている。

党内の議論については「民意からかけ離れた組織防衛の論理が跋扈(ばっこ)する低劣なものとなった」と非難した。

その上で、自ら関与している安保法制の国会審議の対応についても批判し、「もはや解党的出直ししか道はない」と指摘した。

具体的な対策として、(1)労組依存体質からの脱却(2)「大きな政府」路線を見直しアベノミクスに変わる経済政策と地方再生戦略の打ち出し(3)現実的な外交・安保政策への回帰-を挙げ、「目を覚ませ、民主党! さもなくば、消えゆくのみ」と締めくくっている。

【私の論評】橋下氏も三行半をつきつけた民主党というボロ船は、座して沈没を待つだけ(゚д゚)!

民主党への批判は、身内の長島昭久氏からのものもありますが、あの大阪都構想の橋下氏も自身のツイッターで以下のようにつぶやいています。
長島氏と橋下氏の民主党に対する批判をまとめると以下のようになります。
(1)労組依存体質からの脱却
(2)「大きな政府」路線を見直しアベノミクスに変わる経済政策と地方再生戦略の打ち出し
(3)現実的な外交・安保政策への回帰
(4)政党の方向性が全く見えない
(5)責任のない立場で現実的合理性を軽視
まさに、現在の民主党の悪い点を凝縮しています。上の批判を一つ一つ解説しようと思います。

(1)労組依存体質からの脱却
労組体質からの脱却などとしていますが、民主党は本当に労組体質となっているのかはなはだ疑問です。そもそも、アベノミクスの第一の矢は欧米では、労働者の雇用の安定に役立つということで、労働組合が推進しようとする政策です。
労組依存体質といいながら、労働者の雇用状況を改善する、金融緩和に大反対する民主党の真意は何なのまったくはかりかねます。 
これについては、このブログで以前解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍政権に奪われた雇用政策 日銀法改正を主張する気概を 民主党代表選 ―【私の論評】日銀の金融政策は雇用と多いに関係あること、中央銀行の独立性とは目標ではなく、手段の独立性であるべきことを理解できない政党・政治家は結局何もできずに破滅するものと心得よ!!
日銀・経団連トップが連合新年会に初参加(2015/01/06)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では金融緩和策は、労働者の雇用の安定に寄与するものであり、民主党はすっかり安倍政権にお株を奪われた形になっているどころか、反対しているありさまであることを批判しました。 
こういうことからしても、本来ならば、民主党は日銀法を改正を提言すべきであるはずなのに、日銀の独立性の本来の意味すら理解せず、日銀政策審議員の人事に、ほとんど意味不明のいちゃもんをつけるに終始しています。 
(2)「大きな政府」路線を見直しアベノミクスに変わる経済政策と地方再生戦略の打ち出し
アベノミクスのうち、金融緩和は自民であろうが、民主であろうが全く関係なく、デフレだった日本では、絶対に実施しなければならない政策でした。にもかかわらず、民主党は反対のための反対を繰り返すのみでした。 
そうして、アベノミクスの腰を折った8%増税に関しても、民主党は増税することにこだわりました。まともにマクロ経済を理解している人なら、誰もがデフレから完璧に立ち直っていない状況で増税せよなどとは言わないはずです。しかし、民主党は安部総理に増税を迫りました。 
その結果は、どうだったかといえば、大失敗です。そうして10%増税に関しても、民主党は大賛成で増税すべきとしました。しかし、これは実施してしまえば、日本経済は完璧に破綻してしまうことはわかりきっているので、安部総理は歴代の総理大臣も含めではじめて、財務省に正面から挑み、昨年末の選挙によって大勝利し、10%増税を退けました。
本来、民主党は10%増税に関しては、何らかの理由をつけて、反対すべきでした。もともと、民主党は政権交代時には、民主党が政権についている間は増税しないという公約を掲げていました。それを反故にしたのが、菅元首相でした。 
それについては、以前このブログにも掲載したことがあります、その記事のリンクを以下に掲載します。
さあ増税、新聞だけ特別扱い?大新聞が「野田歓迎」の理由−【私の論評】確実に滅ぶ民主党政権のご機嫌伺いをしていては、裏目にでる確率のほうが高いかも?
詳細は、この記事をご覧いただくものとて、確かに民主党は政権交代の前から、交代した後でも少しの間は、増税はしばらくしないと明言していました。その査証となるものが、以下の新聞記事です。これは、麻生政権時代の新聞紙面です。 
こういうところからも、本来民主党は、8%増税、10%増税ともに大反対すべきでした。三党合意で決めたことだからなどということは、お払い箱にして、期限つきでも良いから大反対すべきでした。せっかくの良いチャンスにもかかわらず、民主党はここでも10%増税を阻止した安部総理にお株を奪われてしまいました。
(3)現実的な外交・安保政策への回帰
外交・安保政策に関しても、民主党は頓珍漢な反対のための反対をしています。特に安保法制に関しては、個別的な問題で安部総理に反対のための反対をするだけで、結局民主党はどのような安全保障を考えているかということは、一切言いません。しかも、党内で党としての方針が全く定まっていないことが露呈しました。
これについても、このブログで以前掲載したことがありますので、そのリンクを以下に掲載します。 
民主、安保審議で得意の「バラバラ攻撃」 保守・リベラル両派が質問で“党内不一致”を露呈―【私の論評】中国による現実的な脅威を認識して、与野党ともまともな政策論議を(゚д゚)!
衆院平和安全法制特別委員会で質問する民主党の
辻元清美氏=28日午前、国会・衆院第1委員室
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、安保法制に関して民主党内では党としての方針が明確にされておらず、国会でも保守派と、リベラル派が自民党や安部総理を攻撃するにしても、バラバラで統制に欠けていることを掲載しました。
民主党は国会審議でも全く統制に欠けているのですが、バラバラ攻撃をしかけるために、安保法制の論点が国民に非常に理解しにくいものとなっています。今回の安保法制の論点はさほど難しいことではありません。その論点を整理するために、以下に動画を掲載します。


この動画をご覧いただければ、今回の安保法案改正の論点はそんなに難しいことではないことがわかります。今回の改正では、ネガティブリスト方式に変更するというだけではなく、あくまでポジティブリスト方式の中で適用範囲を広げるというものであり、決してこの改正ができたとしても、侵略戦争などがしやすくなるというものではありません。 
むしろ、最近の中国の出方を見ていれば、今のままではかえって、危険だし自衛隊員の生命も脅かされるため、それを是正するという筋合いのものです。
それを民主党が、個別の問題を出してクイズのような質問をしてみたり、挙句の果てに憲法学者の「違憲」という単なる意見を、大仰にさわぎたて、さも違憲が決定されたかのように吹聴しています。そもそも、違憲か合憲かは、司法が決めるものであり、国会で決めるものでも、政府が決めるものでもありません。 
一連の安保法制改正で民主党は酷い勘違いをしています。アンケートをとると、安保法制改正は「違憲」とする人が多いとか、安保法制の論点が理解しにくいという人が多いので、民主党は自民党批判が成功しているように思っているようですが、そうではありません。 
ましてや、民主党の支持が高まっているわけではありません。民主党の頓珍漢でバラバラな論点や、違憲論議で国民の大多数が惑わされて、簡単なことを理解しにくくして混乱させているだけです。だから、これをもって民主党が成功しているとか、国民の支持を得ているというわけではありません。 
(4)政党の方向性が全く見えない
これに関しては、様々な点でそうしたかことがあるのですが、最もわかりやすい事例は、集団的自衛権でしょう。
実は民主党は過去おいては、集団的自衛権を認めるべきだと主張していました。 
2010年8月鳩山内閣でまとめた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書」で集団的自衛権を行使できないとするこれまでの憲法解釈を批判しまた。 
2012年12月野田内閣「国家戦略会議」の報告書で「集団的自衛権の見直しを図るべきだ」と提言していました。 
菅内閣では仙谷官房長官が「内閣が責任を持って憲法解釈変更を国民に提示すべきだ」と発言していました。 
現在の枝野氏は安保法制改正に現在では、大反対していますが、民主党内閣閣僚のときには「内閣法制局の意見は大事だが判断するのは担当大臣の私であり、最終的には閣議だ」と述べています。 
過去の自民党政権で2回。民主党政権で2回。計4回作成された有識者会議の報告書はいずれも政府の憲法解釈変更を提言しています。 
一般には、安保法制改正は、安倍首相が突然言い出したように思われていますが、実は麻生内閣でも民主党内閣でも集団的自衛権は認めるべきだとする方向でした。 
民主党は野党になったとたんに、これまで主張していたことと正反対のことを言い出したのです。
だからこそ、 民主党の長島昭久元防衛副大臣はブログ冒頭の記事にあるように、「現実的な外交・安保政策への回帰」と主張しているのです。
これ一つとっても、民主党は、橋下氏が主張するように、政党の方向性が全く見えません。 
(5)責任のない立場で現実的合理性を軽視
以上述べてきたことでもお分かりでしょうが、民主党は、国家にとって重要である、経済に関しても、安全保障についても、その他の重要案件でも方向性が定まらず、自民党に対して反対のための反対を繰り返すのみで、全く責任のない万年野党の立場で、現実的合理性を軽視し続けています。
このままでは、民主党いうボロ船は、座して沈没を待つだけになってしまいます。そんなことで良いのでしょうか。

民主党というボロ船は沈没するしかないのか?
民主党には、橋下氏がTweetで「もちろん個別メンバーは別」と語っています。私も、個人的にはまともな人もいると思います。民主党幹部は、こうしたまともな人の意見も尊重すべきと思います。

そのような度量がないというのなら、本当に沈没してしまうと思います。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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民主党は、結局のところ自民党のコピーのような政党であり、コピーした分だけ劣化しています。それは、民主党政権によって、白日のもとにさらされたのですが、喉元すぎれば熱さを忘れの格言の通り、そのことが忘れられています。

そのことを思い出していただくための書籍を以下にチョイスしました。
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2013年11月8日金曜日

「脱デフレは困難」不都合な事実に目を背ける御用学者と日経新聞 ―【私の論評】今の日本は、米の第二次大戦戦時体制時ような覚醒のための大ショックが必要!習近平はぐずぐずせず日本再生のために尖閣を手中に収め、沖縄上陸作戦を敢行し自滅せよ!!




 消費税増税でもデフレから脱出できると、政府・日銀、御用学者やメディア主流派は言い続ける。財務官僚は「消費税増税すれば国債相場も株価も安定する」と安倍晋三首相を説き伏せた。

 日銀も黒田東彦(はるひこ)総裁が、増税した場合の景気悪化には「金融政策で対応できる」と約束した。日経新聞は連日のように紙面で景気の好転や上場企業の収益回復を喧伝している。増税を推進、または支持してきた自身の判断を正しいと信じたいという心理が明らかに作用し、不都合な事実には目を背ける傾向がある。

 彼らが最も見たくないのは市場反応である。

 増税決定後、国内外の市場アナリストから聞こえてくるのは、脱デフレの見通し難である。財務省に近い有力エコノミストが10月初旬、米欧の市場関係者の多くから、「増税という緊縮財政によるデフレ懸念」を指摘されて、衝撃を受けていたことは、本欄でも指摘した。

 増税はただちに国内総生産(GDP)の6割を占める家計消費を冷やすが、政府が検討する経済対策ではそのマイナス分を補えそうにない、という至極真っ当な見方である。

 日経新聞のように増税原理主義ではなく、マーケットの声を比較的忠実に拾い上げる米国系通信社のブルームバーグは5日付で、日本国内のエコノミスト34人からの聞き取り調査をもとに「安倍政権の成長戦略に市場が失望感-日銀の物価目標実現の足かせにも」と報じた。

 その論点は、アベノミクス「第3の矢」である成長戦略が極めて不十分、特に規制緩和が小出しに終わっているという批判だ。これでは、日銀が「異次元金融緩和」政策を続けても、脱デフレは困難、というわけである。

 もとより、薬のネット販売や農地の大企業への開放など個別の規制緩和がただちに経済成長に結びつくはずはない。むしろ当面は中小の薬局が経営難に陥りかねないし、大企業が参入しても収益性の高い分野をつまみ食いするだけに終わる可能性がある。

 「規制緩和=成長戦略」という発想は、その恩恵にあずかる特定業種の企業の株価が上がるという、トレーダーが自己利益誘導のために行う「ポジション・トーク」と呼ばれるエゴイズムであって、経済全体の需給関係をよくすることで実現できる脱デフレとはおよそ無縁である。マーケットは一種のいいがかりをつけて、株価を動かすわけであり、この場合は、明らかに日本株売りの口実にしているのである。

 考えてもみよ。「15年デフレ」はすっかり慢性化し、市場はそれを前提に売り買いする。グラフにある通り、日本のデフレは1930年代の米国大恐慌時代よりもはるかに長い。当時、米国は第二次大戦という戦争景気で最終的にデフレから脱したのだが、今の日本にはそんな外部環境もない。デフレ増税を避け、財政と金融政策の両面で、脱デフレ策を地道に積み上げていくしか、方法はない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)


【私の論評】今の日本は、米の第二次大戦戦時体制時ような覚醒のための大ショックが必要!習近平はぐずぐずせず日本再生のために尖閣を手中に収め、沖縄上陸作戦を敢行し自滅せよ(゚д゚)!

アメリカに端を発した世界大恐慌

上の田村氏の記事では、大恐慌時のアメリカと現在の日本のデフレを比較しています。少し残念なのは、ここにさらに大恐慌時(日本国内では昭和恐慌と呼称)の日本との比較もしてほしかったです。大恐慌の原因は発生当初は無論のこと、発生してからしばらくも良くわからず、様々な憶測がなされました。ユダヤ人の陰謀とか、奇妙奇天烈説もありました。しかし、1990年代に恐慌当時の世界各地のデータをもとに分析した結果結論が出ました。そうしてその結論はデフレというものでした。アメリカに端を発した世界規模のデフレというのが世界恐慌の真相です。それ以外の珍説はすべて間違いでした。

日本は当時高橋是清がリフレ政策(金融緩和と積極財政)をしたため、世界で一番早く、もちろん当時のアメリカよりも早くデフレから脱却しました。これに関しては、以前このブログでも掲載したことがあるので、以下にそのURLを掲載します。
ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、日本がいかに昭和恐慌から素早く抜け出したのかその概略を掲載しています。詳細は、書籍などを読んでいただくのが一番ですが、とりあえずはこの記事を読んでいただければ、概要はわかります。以下にこの記事より、当時のGDPの推移を下にコピペさせていただきます。

昭和恐慌前後の日本の経済成長率 (%)
1927       3.4   
1928     6.5   
1929     0.5   
1930     1.1   
1931     0.4  
1932     4.4   
1933    11.4  
1934     8.7
この数字を見ると、落ちても0.4%とか、0.5%のレベルであり今の水準からすれば、落ちていないとか、伸びているときは二桁成長で、あり得ないような数字が並んでいます。しかし、この当時の世界全体の経済規模は、現在から比較すればかなり小さいし、特に日本などは現在のような経済大国でもなく、いわゆる発展途上国ではなかったものの、経済規模はまだまだ小さく、まさに発展途上でした。

日本の昭和恐慌

だから、数字がわずかにプラスであっても、インフラを大々的に拡張したり、軍備を拡張していた時代にあっては、国民生活の実態はデフレであったということです。これは、現在の中国がまだまだ、発展途上であり、GDPが6%をきると雇用が悪化するというのと同じような理屈によるものです。

これを前提に上の数字を眺めると、高橋是清のリフレ政策により、日本は少なくとも1933年あたりには、すっかりデフレ(昭和恐慌)から抜け出ていたことがわかります。そうして、成長しすぎたため、これに対して金融引き締めや、緊緊縮財政などをして、1934には成長率を抑え、インフレ懸念を払拭しています。

同時期のアメリカはどうだったかといえば、上のデフレータでみれば、33年にはどん底、34年でも上向きに転じたという程度であり、まだまだデフレの真っ只中でした。

日本は、戦争に突入する前からデフレが終息していましたが、アメリカは戦争が始まってからしばらくしてからようやっとデフレから脱却しました。戦時経済に突入して、経済優先から軍事優先で、戦争遂行のため国債を乱発し、経済を無視してでも大量の武器を製造して世界中に送り届けなければなりませんでした。これは、戦前のアメリカが結局デフレ政策をとっていたのとは全く正反対の政策でした。

第二次世界大戦中のアメリカのピンナップ・ポスター

しかし、その結果は、リフレ政策と同じ効果を生み出し、戦争中にデフレから脱却することができました。もし、戦争がなければ、世界のデフレは各国政府のデフレ政策によりまだまだ、デフレが続いていたことでしょう。その中で、日本だけが、デフレ政策をやめ、リフレ政策に転じて成功していましたから、たとえ戦争がなくても、いずれ世界は日本の事例を参照して、リフレ政策を実施して恐慌から脱出したかもしれません。

しかし、これは、世界大戦が発生したため、歴史の裏に埋もれて認識されないままに終わりました。戦争は、アメリカに期せずして、恐慌からの脱却を促しましたが、仮に戦争をしなくても、当時の日本と同じようにリフレ政策を行えば、日本と同じように大恐慌から脱出できたことでしょう。

しかし、実際には戦争がなければ、アメリカはなかなか恐慌から脱出できなかったことでしょう。なぜなら、当時のアメリカにとっては、リフレ政策など考えも及ばない危険な政策だったからです。当時のアメリカでは、一国の経済、しかも基軸通貨への地位を高めつつあったドルを運用するするような国の経済をあたかも家計のように考え、景気が悪くなれば、なるべくお金が外に出て行かないように、緊縮財政をするとか、金融引き締めをするというのが常識でした。ケインズの理論も発表されていなかった当時としては、無理もないことだったかもしれません。

大東亜戦争時にフイリピンで日本軍に投降した米軍

アメリカも日本も同じような誤謬を何度となく、繰り返しています。30年ほど前には、アメリカは典型的な誤謬を繰り返しました。貿易収支や、経常収支を家計の赤字と同じように考え、赤字がなくなればアメリカ経済にとって良いことであるという誤った考えで、日本の経常収支が黒であることを短絡的に捉えて、日本をバッシングしました。このバッシングにお茶を濁し続けて何ら具体的な対応をしなかった日本政府により結局日本は円高となり、それが今日の日本のデフレを招いた原因の一つともなってしまいました。

その後も米国は、誤りを犯し続け、最近では債務上限引き上げ問題です。これは、以前にもこのブログで掲載したように、アメリカの政治家の多くが、基軸通貨の発行国であるアメリカの財政をあたかも家計のように考え、借金さえしなけばアメリカにとって良いことであるという誤謬をおかしたために生じたものです。

とてつもない円高に見舞われた日本

日本もアメリカの度重なる誤謬を批判することなどできません。日本は、昭和恐慌を世界でいち早く回避できたという実績を省みることもなく、過去20年間ずっとデフレでした。このデフレを回避するには、高橋是清が実施したリフレ政策をすべきなのに、ずっと金融引き締め、緊縮財政を繰り返してきました。しかしこの誤謬も解消される動きがでてきて、今年の4月から日銀による異次元の包括緩和策が実施されるようになりました。このような誤謬が解消されると喜んでいたら、何と、来年の4月から増税が決まってしまい、また誤謬が繰り返されています。

増税しないで、金融緩和を続け、さらに積極財政を行えば、日本は短くて2年、長くても4年もすればデフレから脱却できたかもしれません。ところが、増税を実施してしまったため、上の記事で田村氏が指摘しているように、この先なかなかその目処はたたなくなってしまいました。



これが間違いであるということは、過去の日本における高橋是清のリフレ政策の成功をみてもわかることですし、過去二回の増税では、税収が減って増税前の水準には戻らなかったことを考えても明らかです。また、イギリスでは、日本と順番が違いますが、大規模な付加価値税(日本の増税)をした直後に、大規模な金融緩和をしても未だ景気が回復せず、税収が増えないことをみても明らかです。しかし、多くの官僚や政治家、多くの識者といわれる人々まで、これを認めず、デフレの原因はやれアジア通貨危機が原因だとか、リーマンショックがどうのこうのとして、結局デフレ政策の大失敗の事実を認めようとしません。

だからこそ、来年4月から増税するなどという暴挙がまかり通ってしまいました。これも、結局は、一国の経済を家計と同次元で考えるという誤謬のなせる業です。

国の経済は、家計とは異なる(゚д゚)!

この誤謬どうしたら解消できるでしょうか。上で戦争前のアメリカ、戦中のアメリカを比較すると、戦時体制という特殊な状態に入ったからこそ、アメリカは戦争国債を乱発して、結果として金融緩和を実施し、兵器の大量製造、大量送り込みを実施して、結果として積極財政を行いました。それまでの経済対策とは全く正反対を実施して、デフレから脱却できました。

であれば、日本も当時のアメリカの戦時体制のような体制になって、戦争遂行のために国債を乱発し結果として金融緩和をし、最新鋭のハイテク兵器を開発したり、配備したり、兵員を増やすことにより、積極財政を行えば、デフレから脱却できるかもしれません。

習近平は日本のデフレに終止符を打てるかもしれない(゚д゚)!

であれば、習近平は日本のデフレ脱却に大きな役割を果たすことができるかもしれません。ご存知のように中国は、尖閣周辺で、艦艇や航空機で、領海ぎりぎりのところを航行したり飛行したり、ときには超えてまで示威行動を繰り返しています。こんな程度に収めるのではなく、尖閣などすぐに手中に収めて、その後沖縄本島への上陸を目指すべきです。本当に上陸するか、本気で上陸するそぶりを見せるため、本格的な準備をするだけでも良いです。

そうなれば、日本は安全保障のため、嫌でも中国と対峙しなければなりません。中国と戦争状態に入れば、日本も第二次世界大戦直前のアメリカのように、戦時体制、戦時経済に突入し、戦争国債を大量に発行し、結果としてさらに大規模な金融緩和を行い、自衛隊の隊員の増加、ハイテク兵器を開発、配備するなどして、結果として大規模な財政出動を行います。

こうして、沖縄の危機をやりすごして、尖閣列島を奪還する頃までには、戦時経済のもの経済は好転して、デフレから脱却することは間違いありません。また、このようなことにならないために、さらに軍備を強化することとなり、さらに良い状況になります。今から比較すれば、現在の日本の経済規模よりもはるかに小さかったアメリカですら、当時そうすることによってデフレを克服しているのですから、今の日本でも同じように克服できるからです。

人民解放軍は自衛隊にとって脅威ではない。あっという間に打ち負かせる(゚д゚)!

これは、十分にあり得るシナリオです。実際にそうなっても、中国人民解放軍は自衛隊の敵ではありません。中国国内まで、追撃戦をするということにでもなれば消耗戦に持ち込まれるかもしれまん。そこまではしないで、あくまで、尖閣から中国を追い払い、さらに、二度と上陸させないということを目標にするのです。であれば、赤子の手をひねるように、日本はこれをやり遂げるでしょう。

一つの核弾頭の複数の核弾道弾を同時に撃墜した実績を持つ、「あたご」型イージス艦

そうなると、核の脅威は当然でてきますが、日本のイージス艦は、アメリカ国内の演習で、複数の核弾頭を同時に迎撃し撃破するという離れ業を一度ではなく、複数回にわたって成功させています。これで、中国の核の脅威もかなり払拭されます。核で攻撃されたら、それでお仕舞などという過去の常識は、非常識になるかもしれません。それに、日本も核武装をしなければ、拉致問題など永遠に解決できません。そうして、今この時、中国の核ミサイルが日本に照準をあせて配置されていることを忘れるべきではありません。本格的に中国と対峙するということなれば、核武装は避けて通ることはできません。

しかし、これを実行するには、日銀による金融緩和、政府による積極財政が不可欠です。戦時体制ということで、無理にでも行わなければなりません。これで、日本は、デフレから決別することができます。これが、現在の日本では、最も早いデフレ解消の道かもしれません。

無論、私は本当は、そうなってほしいわけでも、そうしてほしいと言っているわけでもありません。私は、鳩山氏、河野氏などのように、外患誘致罪に問われるようなことはしたくはありません。しかし、日本が誤謬から立ち直って、デフレを解消するためには、これに近い覚醒のための大ショックが必要だとということを主張しているだけです。そうはいいながら、習近平が尖閣や、沖縄を巡っての冒険を行えば、日本の経済だけではなく、安全保障に対する国民の理解が推進され、これを実現するために、憲法論議も長足の進歩をすることになります。



まさに、一石二鳥と呼べる大変革になるかもしれません。しかし、中国はなかなかそのような冒険はできないでしょう。彼我の軍事力、特にハイテク兵器に関する差異は、途方もなく大きく、まともに闘えば人民解放軍に勝ち目はありません。唯一の勝ち目は、日本の自衛隊を中国本土の奥にまで誘いこみ、持久戦に持ち込むことです。しかし、大東亜戦争で懲りた日本は、そのような挑発にはのらないでしょう。しかしながら、中国の脅威は日本を太平の眠りから覚醒させるためには、確かに役立つかもしれません。

かといって、これを利用してあまりにやりすぎれば、新自由主義者のショック・ドクトリンと何もかわりがなくなってしまいます。本当は、日本の政治家の大部分が自発的に真実に目覚めてほしいです。いつまでも、現実逃避のお花畑に住んでいてもらっては困ります。本当に、これに関しては、忸怩たる思いがいします。すぐにも、現実と対峙していただきたいです。お花畑から出るにしても、ショック・ドクトリンはいただけません。

ショック・ドクトリンについてご存知ない方は、ナオミ・クラインの書籍をご覧になるか、以下の動画をご覧ください。

http://www.youtube.com/playlist?list=PL869A8DB2AA247A98

ナオミ・クライン

これに匹敵するような覚醒のための大ショックについての具体案は、上記の戦争以外にはまだあまり考えていません。しかし、いずれ近いうちに必要なのはいうまでもありません。このままでは、失われた20年が40年になってしまいます。馬鹿な官僚や、政治家を納得させ、正しい道に導くため、今までにない、覚醒のための大ショックが必要不可欠です。これは、直近で考えておかなければならない重要な問題です。私も考えて見ますが、皆さんの中で、思いつかれたかたがいらっしゃったら、是非ともコメントという形で残していっていただけたら幸いです。そのコメントが妥当なものなら、大拡散させていただきます。いずれにせよ、今の日本、覚醒のための大ショックがなければ、「戦後体制からの脱却」は遠のくばかりです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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