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2012年7月4日水曜日

オール電化の家庭に衝撃! 経産省専門委がオール電化割引に廃止要請【話題】―【私の論評】長期のエネルギー政策がなければ、こういうことになる!!これからも!!

オール電化の家庭に衝撃! 経産省専門委がオール電化割引に廃止要請【話題】:


キッチンや風呂のエネルギーも電気でまかなうのが「オール電化」。取り入れている家庭も多いだろう。だが、そんな家庭に衝撃的なニュースが飛び出した。

オール電化の家庭にはいままで料金割引が適応されていたのだが、これの廃止を経済産業省の電気料金審査専門委員会が要請したのだ。

ガスを利用するよりお得だから……という理由でオール電化にしていた家庭も多いのでこの要請に「かなり割高になりそう... 続きを読む

■著者データ
livedoor ニュース
ウェブサイト: http://www.livedoor.com/


【私の論評】長期のエネルギー政策がなければ、こういうことになる!!これからも!!

太陽光パネルも設置されたオール家電住宅
オール電化住宅は、家庭内で用いる全てのエネルギーを電気に統一した住宅です。対義語にはウィズガス住宅があります


利用される電気機器は主に以下のとおりです。この他電力消費を抑える目的で発電用に太陽電池を設置する場合もあります。
・給湯:エコキュートまたは電気温水器
・調理:IH調理器(またはラジエントヒーター)
・冷暖房:エアコン、蓄熱式電気暖房器または床暖房システム(電熱式、PTC式、蓄熱式、またはヒートポンプ温水式)などを組み合わせる。これらの機器は100ボルトの電圧では能力不足であることから、一般に200ボルトを使用する。

1980年代後半からモデルハウスの展示が行われるようになりました。1990年にはそれまでの深夜電力(1964年10月施行)に加え、時間帯別電灯料金制度が導入されました。また、IHクッキングヒーターやエコキュートが登場しました。

オール家電住宅の内部
閉鎖的環境の屋内で高温の燃焼ガスを発生させないという点から、住宅の高気密化が進む昨今においては、ガス・石油を室内で使用しないことが「安全」、「クリーン」、あるいはある面においては「省エネ」であるとして、オール電化設備やオール電化住宅の販売が行われています。

裸火を扱わず火災リスクが少ないメリットから住宅ローンの金利優遇を行う金融機関や、火災保険の特別割引を行う保険会社があります。 また、リフォームの際に一部分のみを電化機器に置き換えるポイント電化を行うケースもあります。

ガス業界は、"住まいの原点は「洞窟と火」"、"火を使わないと、火の怖さ、火傷することすら分からない子供が出てくるとしたら、それも怖い。"などと、安全性を逆手に取ったPR戦略をとっています。

戸建住宅においては、2007年度より、優秀と認められたオール電化住宅を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック」という表彰制度が創設され、オール電化住宅の普及促進に拍車をかけていました(第1回大賞はスウェーデンハウスと一条工務店)。
東京電力管内では2008年以降急速に普及し、3年間で原子力発電プラント2基分にあたる約200万kW分の電力消費が増えた可能性が指摘されています。

以上のような経緯から、オール電化住宅がどんどん推進されてきたわけですが、今日、このオール電化住宅の電力料金割引の廃止が検討されているわけです。


そうして、なぜこのようなことになったのかといえば、昨年の震災と、それに伴う原発事故、さらに、最近の原発の稼働停止により、電力生産の縮小によるものだと考えられます。

そうして、これは、原子力ムラや、自民党時代からの政府による、原子力安全神話によるところが大きいです。安全な原子力で、低価格の電力を供給できるから、安全なオール電化を推進すべきという大前提が大幅に狂ってしまったということです。


にもかかわらず、驚いたことに7月1日、すでにドイツで失敗した「再生エネルギー買い取り」がスタートしています。太陽光や風力、地熱、バイオマスなどで発電した電力を経済産業省が認定し、電力会社が 買い取るもので、原発依存から脱却するために再生エネルギーによる発電の新規参入を 促すのが狙です。

しかし、買い取り制度は、かなりの確率で失敗に終わることでしょう。 経済産業省は、今年度中に認定するのは計250万キロワット超になると試算しており、 原発約2基分にあたります。 

太陽光は1キロワットあたり42円、風力は23円~58円、地熱は27円~42円で、電力会社が 買い取ります。買い取り価格は電気料金に転嫁されるため、結局は消費者の負担となります。 標準家庭の今年度の負担増は平均87円となりますが、今後普及がすすむほど、負担は増えていきます。全量買い取りのため、参入する企業は、再生可能エネルギーで発電するほど、売り上げが立ちます。 



しかし、その売り上げは、すべて家庭の負担となります。しかも、これは、火力発電の燃料コスト増による値上げとは別枠での負担増となります。 要するに、家庭の負担を原資とする補助金を、ソフトバンク、ローソン、ヤマダ電機といった再生エネルギー発電への参入企業にばらまくという話です。


しかし、原発を再稼動させれば、これらの負担は必要ありません。 長期的には、代替エネルギーの普及向けた取り組みは重要ですが、現段階において、供給体制や コストの問題で普及できないでいるものを、家庭の負担を強いる形で、無理やり市場に流通させる必要が どこまであるのでしょうか。 




しかも、この政策は、同様の制度で先行しているドイツでは、すでに破綻しています。 ドイツでは2000年に同様の制度を導入しましたが、消費者負担が増える一方となって、今年2月には全量 
買い取りを断念しています。買い取り価格も段階的に引き下げることが決まっています。クリーンエネルギーの助成の約6割を太陽光につぎ込んできたにもかかわらず、全発電における太陽光の比率は、わずか3%に とどまっています。太陽光発電は、天候に左右される上、実際の発電量は発電容量の3割程度と非効率のため、 結局、高くつく上、普及もしなかったのです。 




 経営として採算が合わないエネルギーを、無理やり補助金で普及させても、最後には破綻するということです。 再生可能エネルギーの研究は必要ではあります。しかし、現段階において普及するには時期尚早です。研究開発への助成なら、話はまだ分かりますが、電力の買い取りは明らかな間違いです。再生可能エネルギーへの 企業参入がブームになれば、それはバブルになる可能性が高いと言えよう。

一方でこのようなことをしながら、他方では、上の記事のように、オール電化の家庭の割引は、停止するということです。これって、何か非常に矛盾しているというか、かなりハチャメチャな話です。

それにしても、地震が発生して、原発事故が発生したのは、昨年の3月です。それから、今年の7月で、随分時間があったはずです。なのに、この体たらくです。本当に困ったものです。

私は、ここにはっきり提言させていいだきますが、この電力買取制度も、今後政権交代があっとして、どの政党が政権の座につこうとも、もともと、無理なものは、無理なので、早晩破綻すると思いす。

やはり、原発があてにできなくなった今日、総合的なエネルギー政策をはっきり策定して運用してく必要があると思います。そう思うのは、私だけでしょうか?





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2012年5月25日金曜日

太陽光発電は全体の3%!? 「脱原発」維持に向けて現実的な方策を模索し始めたドイツの厳しいエネルギー事情―【私の論評】「原子力の取捨云々」以前に、まず、現実的判断に基づくエネルギー論議をすべき!!

太陽光発電は全体の3%!? 「脱原発」維持に向けて現実的な方策を模索し始めたドイツの厳しいエネルギー事情


ドイツの環境大臣が交代した。。独自のエネルギー政策を模索中の日本は、過激で遠大なエネルギー転換に向かって突き進んでいるドイツを、絶対に視野から外せない。ただ、ドイツも暗中模索、いかにスムーズに再生可能エネルギーを伸ばしていくかという方策については、実際は、傍が思っているほど一枚岩ではない。そのジレンマが、環境大臣交代の1つの要因となったことは確かだ。

さてドイツは、脱原発を決めたは良いけれど、再生可能エネルギー計画は激しく滞っている。たとえば、ネックの1つは送電線設置の遅れ。風の吹く北ドイツにいくら風車を作っても、それを電力消費地区である中・南部へ運ぶ高圧送電線網がない。建設計画は山ほどあるが、そのほとんどは、まだ着手されていないどころか、建設許可さえ下りていない。したがって、今ある風車でさえ、風の強い日は容量オーバーになるので、部分的に止めている状態だ。

太陽光電気の買取り価格は、当然のことながら市場価格よりも高い。そうでないと、誰もパネルを付けようという気にならない。太陽光電力を市場価格より高く買い取ってくれるのは、国ではなく、電力会社だ(国にはそんな予算はないので、電力会社に押し付けた)。では、電力会社がどうやってその差額をひねり出すのかというと、いたって簡単、電気代に上乗せするだけ。つまり、私が電気を売って得る収入を、国民全員が負担してくれることになる。つまり、パネルがさらに増えれば、電気代はますます高くなっていく。


ドイツの電気がどれだけ高いかというと、家庭用も大型消費用も、すでにフランスのほぼ2倍近い。家庭なら節電して我慢するという方法があるが、企業のほうはそうもいかない。電気代が高騰すれば、倒産するか、国外に出るしかない。現在、日本が抱えている問題とまるで同じだ。

これだけ問題が山積みなのに、この1年、メディアはそれらを遠慮がちにしか報道しなかった。前環境大臣のロットゲン氏も、CDUであるにもかかわらず、緑の党と見まがうばかりの過激さで、2050年にはドイツの電力の80%を再生可能エネルギーにする、と主張してきた。過去、ドイツのエネルギー問題は、常に環境省と経済技術省の綱引きだったから、経済技術省には、ロットゲンの"頑張り過ぎ"に眉をしかめていた人も多かったに違いない。


しかし、去年の脱原発の決定は、竜巻のように全国民を巻き込み、ものすごい勢いで進んだので、空気は完全に環境省に味方した。メディアも、もろ手を挙げて脱原発を応援したという経緯があるので、未練がましいことは報道しにくかったのかもしれない。

だからこそ、これから"伝家の宝刀"アルトマイヤー氏が、バラ色でない部分を啓蒙するという困難な役回りを背負うのだろうと思っていたら、さっそく23日の夜のニュースで、エネルギー転換の厳しい現状が報道され始めた。すでに潮目は変わっている。

これからは、電力会社や産業界も意見を発信しやすくなるはずだ。環境省と経済技術省も、なるべく一丸となって、現実的、かつ具体的なエネルギー政策を模索していくだろう。今までのように、常に全会一致のような論議は、非現実的で、かえって不健康だった。賛否両論があってこそ、地に足の着いた、よい妥協点が見つけられるに違いない。

ドイツでも日本でも、エネルギー政策は危急の問題だ。国民の生活、産業の発展、そして環境に、直接的に関わってくる。だからこそ、ドイツの新しい環境大臣の舵切りがどのようなものになるのか、とても興味深い。私たちが参考にできることもあるだろう。というわけで、せいぜいドイツのエネルギー・ウォッチに精を出して、今後も耳よりな情報をお届けしたいと思っている。



【私の論評】「原子力の取捨云々」以前に、まず、現実的判断に基づくエネルギー論議をすべき!!


日本では、昨年の原発事故以来、次々と、原発が稼動を停止し、とうとう今月の泊原発で、日本の原発は全部稼動を停止しました。これをもって、脱原発派は、勢いづいています。しかし、今後の電力需給を考えたり、あるいは、現状のデフレ状況を回復するためには、さらなる電力需要の増大が見込まれます。にもかかわらず、政府は明確な方針を示そうとしません。


脱原発にするせよ、原発推進をするにしても、もっと、広範で、奥行きの深い調査と、情報開示と、将来のエネルギー政策をはっきりさせていくことが、重要な課題です。反原発派のように、単純にすべての原子炉を廃炉にせよなどという極端な論議は避けるべきです。


日本で、これを推進していく上で、ドイツの例はかなり参考になります。私は、ドイツ政府の掲げる脱原子力政策は、それが緑の党による急進的なものでなく、社会民主党主導のいくぶん穏やかなものであるとしても、やはり、非常に実現困難なものであるように思われます。


社会民主党サイドの主張するところの「再生可能エネルギーの導入」に異論を唱えるものではありませんが、それと「原子力からの撤退」は表裏一体をなさないと思います。再生可能エネルギーの開発はどの国でも積極的に行っています。日本においても、原子力開発を進めるあまり再生可能エネルギーの開発を阻害するというようなことはなく、各電力会社とメーカーにおいて、地域事情を考慮しながら、再生可能エネルギーの開発とコストダウンに努めています。


原子力の選択肢を捨て去らなくても再生可能エネルギーの開発は可能ですし、その逆もまた可です。結局のところ,ドイツの連立与党が本当に望むところはやはり「原子力利用からの撤退」そのものなのでしょう。しかしこの政策が国民が懸念するところの失業の増大、エネルギー安全保障不安、電力料金の上昇につながり、さらに温室効果ガスの排出規制が今後喫緊の課題となって各国政府に突きつけられてきたとき、やはりドイツといえども原子力の選択肢を捨て去ることはできないのではないかと私は考えます。そうして、上の記事では、原発推進は、否定しているものの、明らかに潮目が変わっていると評しています。


加えて、ドイツの原子力産業は、これまで世界の原子力平和利用の一翼を担い、さまざまな形で原子力平和利用技術とその成果物を供給してきています。今後も各国のユーザーサポーターとして、それらの技術改良、成果物の品質保証を行っていく必要があります。そもそもドイツはユーラトムの一員であり、ドイツ政府が好むと好まざるとに関わらず、現在の世界の原子力平和利用体制の中で重要な役割を負っています。与党内においても、将来の研究開発まで放棄してしまうか否かについては見解が分かれているようですが、世界の原子力平和利用技術の安全性、境適応性向上のために、ドイツには今後も原子力に関する研究開発を継続し、選択肢としての原子力を維持すべきです。


日本人の見るドイツ人像として,「環境(保護)意識が高い」という点が真っ先に挙げられると思います。今回の脱原子力政策もその延長線上に位置づけられ、報道されているようです。これらのドイツの状況に対し、多くは「理想的な社会への憧憬・羨望」を感じ、一部では「非現実的な理想論」と受け止められていることでしよう。しかしながら、実際のドイツ国民の行動は、単なる根拠のないユートピア願望によるものではない極めて冷徹かつ現実的な現状認識と打算の基に選択され、実践されていることに気づくべきです。緑の党主導の拙速な脱原子力政策が支持されていないことがその表れです。この思考・行動様式こそドイツからわれわれ日本人が学ぶべきことだと思います。日本においても是非「原子力の取捨云々」以前に、まず、現実的判断に基づくエネルギー論議をすべきであると思います。


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