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2015年3月11日水曜日

日本と過去:消化されていない歴史―【私の論評】多くの日本人が、虚心坦懐に過去を評価しないから金融政策でも、震災復興でも、歴史問題でも間違いがいつまでも続くのだと心得よ(゚д゚)!


2015.03.11(水) The Economist

(英エコノミスト誌 2015年3月7日号)

昭和天皇が被災地視察 東京大空襲の深川 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 1945(昭和20)年3月18日、昭和天皇が東京大空襲で焼け野原となった深川地域の富岡八幡宮境内などを視察した。10日未明、米爆撃機B29約300機による2時間半にわたる焼夷弾の投下で、江東、墨田、台東の下町地区を中心に約27万戸が焼失し、10万人以上が死亡したとされる。(写真ならびにこの説明文はブログ管理人挿入)
被害者としても侵略者としても、日本はなかなか過去と向き合えずにいる。

東京で眠っていた多くの人は、米国のB29爆撃機の轟音を聞いていなかった。下町に住む早乙女勝元さんが父親に体を揺すって起こされた時には、自宅周辺が炎に包まれていた。

東京大空襲による犠牲者 以下同じ

運河は逃げ場にならなかった。ゼリー状になった爆弾のパラフィンが水を炎に変えていたからだ。一度パラフィンがくっつくと、体が「骨まで」燃え続けたと早乙女さんは言う。

東京大空襲の惨禍


現在83歳の早乙女さんは、1945年の東京大空襲の記念日を迎えようとしていた。3月9日から10日にかけて、一晩で約10万人が亡くなった。多くの男性が(破滅的な方向に向かっていた)戦争で東京を離れていたため、犠牲者の大部分は女性と子供、老人だった。

その夜の犠牲者の数は、1945年8月6日の広島の原爆投下による犠牲者よりはいくぶん少なかったが、その3日後に長崎に落とされた原爆による犠牲者より多かった。

焼夷弾を用いた空襲を受けたのは、東京だけではなかった。1944年11月から1945年8月にかけて、70近い都市が瓦礫と化し、民間人を中心に恐らく30万人が死亡した。一連の空襲は欧州で行われたどんな軍事行動よりもはるかに破壊的なものだった(下表参照)。



横網町公園の一角にある記念館が、数千人の死者の灰が入り混じった納骨堂の隣で犠牲者の証人になっているが、死者を文書に記録する公式な試みは2009年に始まったばかりで、まだ不完全だ(横網町公園は、1923年の関東大震災の犠牲者も追悼している)。

1945年の東京大空襲を題材にした小説を書いたブレット・フィスク氏は、戦争の後、東京には犠牲者を適切に悼む感情的、財政的な余力がなかったと言う。日本には、冷戦下の新たな同盟国になった米国と事を構える意欲もなかった。1990年代には、博物館新設計画が頓挫した。保守派は、戦争犯罪の描写を含むプロジェクトは愛国心に欠け、「自虐的」だと言った。


民間人の苦しみを認めるのが難しいとすれば、日本のナショナリストたちが日本帝国陸軍によってアジアの至るところで行われた残虐行為を受け入れるのはもっと難しい。

注目の戦後70年談話

今では、現職の首相が8月15日の終戦記念日の10年ごとの節目に、戦争に関する談話を発表するのが慣例になっている。1995年には、社会党の村山富市首相が最も踏み込んだ発言をし、日本の「植民地支配と侵略」に対する「痛切な反省」を表明した。戦後ほぼ一貫して日本を支配した自民党の出身で、ナショナリストの小泉純一郎氏は2005年に、村山談話の主要な言い回しをほぼ一字一句繰り返した。
安倍総理 戦後70年談話で何を語るのか注目されている

現首相の安倍晋三氏が70周年記念に際して何を言うかが、目下、多くの憶測を呼ぶ話題になっている。

安倍氏は、村山談話を「全体として」踏襲すると述べている。だが、最近の兆候は、日本と先の戦争に関する極めて重要な表現が変更される可能性があることを示唆している。

安倍氏は間違いなく、平和と繁栄を促進してきた戦後日本の模範的な実績と、それが今後どのように続くかを強調したいと思っている。だが、自民党のあるベテラン議員が先月要請したように、首相が日本の明るい未来を強調する最も確実な方法は、逃げずに、過去に関するこれまでの談話を引き継ぐことだ。

【私の論評】多くの日本人が、虚心坦懐に過去を評価しないから金融政策でも、震災復興でも、歴史問題でも間違いがいつまでも続くのだと心得よ(゚д゚)!

まさしく、日本は逃げずに過去の歴史をしっかりと見直すべきです。

さて、上のエコノミストの記事は、全くイギリスの歴史観からしかものを語っていません。日本の歴史観からすれば、大東亜戦争は、まったく別次元の出来事となります。

下の地図をご覧になって下さい。これは大東亜戦争始まる少し前のアジアの地図です。この地図でみると独立国は、何と日本と、タイ国だけです。この状況からすれば、日本もうかうかしていれば、欧米列挙に飲み込まれるおそれが十分にありました。

大東亜戦争以前(80年前)のアジアの実像ー
ブログの冒頭の記事を掲載したイギリスは、アジアで最大の植民地を運営していたではありませんか。それも、当時の日本の朝鮮や、台湾などの統治と異なり、徹底的に搾取の対象とした植民地経営をしていたではありませんか。ロシアも、フランスも、オランダそうしてアメリカもアジアに広大な植民地を持っていたではありませんか。

これらの国々の植民地支配は苛烈なものでした。日本のように、朝鮮や、台湾に優秀な人材を派遣して、総督府を設立して、学校・病院・郵便制度その他文明化をするなどとは程遠い、全く搾取の対象でした。

日本は、特に当時のロシアの南下に脅威を抱いていたので、まずは日露戦争でロシアを屈服させましたが、その後のロシアの脅威は続き、朝鮮王朝の希望もあったので、朝鮮を併合し、その後満州国を傀儡として独立させ、ロシア南下を阻止することにしました。

とにかくこの時代では、アジアに西欧の列強が次々の侵攻してくるものですから、日本としては、自己防衛のためにこのようなことをせざるを得ませんでした。

これについては、マッカーサーがアメリカに帰国した、マッカーサーが、日本の戦争は防衛戦争だったとして、公聴会で証言しています。

さて、大東亜戦争が終了したときには、日本が満州に傀儡国家である満州国を樹立していました。しかしながら、ここはもともと少数民族の地域であり、国家として成立していてもおかしくはない地域でした。

そうこうするうちに、日本は、ABCD包囲網(米英中蘭)を構築され、ハル・ノートをつきつけられため、日本としては、石油などの資源を求めて、南方に進出せざるを得ない状況に追い込まれました。そうして、日本は南方に侵攻し、アメリカとも戦うことになりました。

そうして、今日大東亜戦争は無謀な戦争だったといわれていますが、これこそ、米国のGHQに植え付けられた全く誤った考えであり、大東亜戦争は十分に勝つ見込みのある戦争でした。それに、欧米列強の植民地政策にあえいでいた植民地の人民の多くは、日本の侵攻をアジアの開放として歓迎しました。

これについては以前このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。

これだけではなく、現在ですと、倉山満氏氏の以下の、書籍をご覧いただけると良くご理解いただけるものと思います。

現状の北朝鮮、韓国、中国などの日本侵略説など、全く後世のつくり話です。しかも、北朝鮮、韓国、中国と日本とは一度も戦争したこともありません。なぜなら、北朝鮮・韓国は、当時日本領であり、当時中国を支配していて、日本と交戦したのは、中華民国であり、現在の中華人未共和国ではないからです。

大東亜戦争終了直後の中国の版図は以下のようなものでした。中華人民共和国設立直後の中国の版図は以下の赤い部分のみでした。そこから、中国は侵略を開始し、満州国、東トルキスタン国、チベット国に対して侵略を開始し、現在の中国の版図にまで拡張しました。



そうして、中国の侵略を除くと、他の多くの国々は、元々あった自国の版図を取り戻しています。それが、以下地図に示したの今日のアジアです。

終戦から70年、現在のアジアの地図

さて、上記が日本側から見た、大東亜戦争のあらましです。このようなことは、世界中の人々が周知していることです。このように歴史を振り返ってみると、英国のエコノミスト紙の記事がいかに偏ったものであるか理解できます。

しかし、そうはいっても、確かに日本人も多くの人びとが、様々な理由からなかなか過去の歴史に向き合うことができていません。

特に、終戦後アメリカのGHQが日本を占領して以来、上で述べたような明らかな日本側からみた、アジアの歴史がないがしろにされ、修正されてきました。

歴史修正の一つとして、バターンの死の行進なるものがあります。大東亜戦争中、フィリピンで、日本軍の捕虜になった7万人のアメリカ兵が、「バターン死の行進」で、大勢死んだことになっています。

ところが、ジャーナリストの笹幸恵(ささゆきえ、もちろん、女性)が、実際に同じ道を同じ季節に歩いたところ、簡単に歩けてしまったそうですそうです。良く考えてみると、わずか80キロです。800kmではありません。

笹幸恵さん
多くの皆さんは、「フィリピンは、さぞ暑いだろう」と思うかもしれませんが、実は東南アジアは、日本の夏より、ずっと、涼しいのです。日本は、湿度がかなり高くて、東南アジアより、体感温度は、ずっと暑いのです。

”日本歩け歩け協会”(私も、一時期、会員でした)の会員は、毎月のように、日本や外国のどこかで、ウォーキングの大会をやっています。

1日~4日くらい(大会によって違う)の期間でやりますが、1日に歩く距離は、20キロ~50キロです。
80キロなら、わずか2日で歩けます。

ねつぞうされたバターン死の行軍

「健脚だからできるんだろう」と言われそうですが、歩いていたら、健脚になるんであって、はじめから、健脚の人はいません。

しかも、この”歩け歩け協会”の会員の方々は、「寝たきりになりたくない!」とがんばっている高齢者(年金生活者)の方が多いです。

平均年齢は、65歳を超えていて、80歳を超えている人もいます。

「日本の高齢者が歩けるのに、アメリカの若者が歩けない」なんてことは、ありえません。「バターン死の行進」は、日本軍を貶(おとし)めるための、でっちあげとしか思えません。

これ以外にも、とんでもない歴史の修正が多数なされています。これは、西欧諸国によるものだけではなく、何と、韓国、北朝鮮、中国などこの時代には歴史に刻まれてもいないような国々の捏造も多数あります。

慰安婦募集のチラシ

韓国は、日本軍は、従軍慰安婦20万を強制的に徴用して死に至らしめたなどというとんでもない歴史修正を行いました。上の写真は、当時の朝鮮での慰安婦募集のチラシです。従軍慰安婦は、強制連行・日本兵による強姦というのは全くの嘘であり、従軍慰安婦は捏造された歴史である何よりの証拠です。

この当時の巡査の初任給が45円だった時代、月収300円というのは現在の価値に換算すると月収133万円以上の高給であり、軍の高級将校の給与に匹敵します。慰安婦の募集内容からして、誰が読んでも 「売春の仕事だ」と分かります。

それに20万ものおびただしい女性が、強制連行されたというのであれば、東京大空襲の犠牲者よりも多いわけですから、各地に写真やその他の証拠がいくつもみつかるはずです。にもかかわらず、韓国が出す証拠は嘘偽りだらけのものばかりです。

中国は、中国で南京虐殺20万などと途方もないことを言い出し、こちらも、当然のことながら史実ではないので、まともなし証拠などあげられた試しはありません。彼らの証拠は、まるで玉ねぎの皮のようなものであり、まともに受けて、真剣に玉ねぎの皮をむくように、むいていくと最後には、何もなくなってしまうような代物ばかりです。

今の世界は、このような偽りの日本の歴史が世界中に満ち満ちています。

日本軍による南京虐殺の証拠写真だといわれた写真 後に捏造であることがはっきりした
このような様々な虚偽の歴史が喧伝され、蔓延していたので、多くの日本人は、過去の出来事、特に大東亜戦争前後の歴史に関して、まるで腫れ物に触るように、避けてきたという面は否めません。

まさに、こういう点では、日本人は過去の歴史に真剣に真正面から取り組んでこなかったという指摘は、正しいです。

そうして、この期間の歴史をあまり振り返らないということが、その後の日本に多くの災いをもたらしました。

それは、今日2つの大きな問題を日本にもたらしています。

まずは、20年にも及ぶ長い、デフレの放置です。いわゆる世界恐慌の原因は今日はっきりしており、それはデフレでした。日本も、大東亜戦争の直前には、深刻なデフレに見舞われて、とんでもない状況に陥っていました。ちなみに、日本のこのデフレを日本では、昭和恐慌と呼んでいました。

しかし、これは当時の大蔵大臣に高橋是清により、今でいうところの、金融緩和策と積極財政により、立ち直ることができました。そうして、これによって日本は世界で最もはやく、世界恐慌から脱却することができました。

こうした輝かしい歴史も、日本人が歴史を真摯に振り返らないという姿勢があったせいか、政治家や、官僚、マスコミでさえも、振り返ることもなく、最近の日本のデフレは、放置され、結果として20年もデフレというとんでもない結果を招いてしまいました。

これなど、高橋是清のデフレ政策を虚心坦懐に振り返っていれば、こんなに長期にわたって、デフレ・円高政策が執拗に繰り返されるというような愚の骨頂のようなことは防げたはずてす。

そうして、もう一つの馬鹿げた珍事もありました。それは、東日本大震災の復興に際して、復興税なるとんでもない代物が出来上がったことです。

これなど、過去の関東大震災の歴史や、戦後の復興などの歴史を振り返っていれば、こんな馬鹿真似はしなかったはずです。復興に増税とは、まったく開いた口がふさがりませんでした。

これについては、高橋洋一は、震災復興当時の記事を以下のようにツイートしています。
古今東西、大規模な自然災害などや戦災の復興に関して、増税するなどという馬鹿真似をした国はありません。あったとしたら、東日本大震災時の復興にあった当時の民主党政権の日本しかありません。これは、事実です。疑問に思われた方は、史実をお調べ下さい。

この馬鹿さ加減については、経済学者の田中秀臣氏も以下のようにツイートで痛罵しています。
とにかく、復興を増税で賄おうなどという発想は、ほとんどあり得ません。東日本大震災のような大災害の復興途上では、日本国全体の経済が悪化しているのが当然ですから、そこで増税などという発想には普通なりません。

しかも、当時の日本はデフレの真っ最中ですから、さらに始末におえません。増税してしまえば、デフレ・スパイラルのどん底に再度突入するのははっきりしていましたし、それに復興のためただでさえ円の需要が増えるにもかかわらず、金融緩和もしないという有り様では、超円高になるのは当たり前のど真ん中でした。

しかし、当時の政権はもとより、その当時は野党であった自民党までが、復興税に賛成して、とんでもない、歴史上の最大の汚点でもある、復興財源としてての増税をしてしまいました。本当にとんでもないです。

もし、この頃にまともな人間が政府内にいて、復興と金融緩和、復興債を大量刷るような政策をとっていたら、日本はかなりはなくデフレから脱却することができました。

以上みてきたように、確かにエコノミスト紙がいうのとは全く別の次元で、日本人はもっと過去の歴史、特に近現代史を真摯に見直すべきです。

なぜなら、欧米諸国に対して、正しい歴史認識をさせ今後の世界で無用な対立を避けるためにも、日本自身のためにも、過去を虚心坦懐に振り返る必要があるからです。

まさに、多くの日本人が、虚心坦懐に過去を評価しないから金融政策でも、震災復興でも、歴史問題でもま間違いがいつまでも続くのです。私達日本人は、過去に遡れば素晴らしい歴史があるわけですから、それを正しく評価して、新たなことに立ち向かえば、たいてのことは正しく判断できるはずです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

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2015年1月7日水曜日

【日本の解き方】インフレ目標2%に黄信号 黒田日銀は審議委員人事でピンチも ―【私の論評】日本国がまともな金融政策ができるようにする立場からすると、いつも薄氷を踏むような人事にハラハラするのはおかしい。やはり、政府が人事権を握るのが当然、そのため日銀法改正を実現すべき(゚д゚)!


消費増税による景気の落ち込みを予測できなかった黒田東彦日銀総裁

日銀が黒田東彦(はるひこ)総裁体制になって4月で2年となる。

黒田総裁は「2%のインフレ目標」を掲げているが、これは達成できそうにない。その理由は、消費増税による景気の落ち込みを予測できなかったからだ。

消費増税前の2014年3月まで、物価は順調に上がっていた。消費者物価指数(生鮮食品除く総合)の対前年同月比でみると、13年3月は0・5%減、6月が0・4%増、9月が0・7%増、12月が1・3%増、そして14年3月は1・3%増だった。

同年4月に消費増税されて形式的には4月が3・2%増と3%を超え、5月には3・4%増となったが、その後は低下し、11月は2・7%まで下がった。

消費増税による物価の押し上げは2%程度なので、それを差し引くと、ピークだった5月の1・4%増はほぼ2%目標の圏内であり、消費増税がなければ、おそらく今頃、2%程度まで上昇していただろう。しかし、黒田総裁は消費増税の影響を見通せなかった。消費増税の押し上げ分を除くと、11月は0・7%増にとどまっている。

現在の経済状況は、GDPギャップ(需要と供給の差)が15兆円程度と、13年1~3月期の状況と似ている。当時は10兆円規模の補正予算と4月からの金融緩和でGDPギャップを急速に縮小させた結果、1年後にはインフレ目標2%の直前までいった。ところが、今回は、補正予算は3・5兆円しかない。昨年10月末に追加緩和があったものの、短期的にGDPギャップを縮めるほどの力強さはない。原油価格の下落は中期的には日本経済に朗報であるが、短期的には物価を押し下げる。この点も考慮すれば、15年中のインフレ目標達成は黄信号だ。

達成したい場合、15年度予算を大型にしなければいけない。本コラムで再三主張しているように、外為特会の含み益10兆円以上を使って、15年度予算の特別枠を設定するのがいい。そこで地方創生などへの重点支出を行うわけだ。さもなければ、15年前半に追加緩和が必要だ。いずれか、または両方がないと、15年中のインフレ目標2%はかなり危ういだろう。

15年の日銀では、人事が注目される。追加緩和に賛成した宮尾龍蔵審議委員は3月に、反対した森本宜久委員は6月に交代する。先の追加緩和決定の際には賛成5対反対4と薄氷を踏む思いだったが、3月に宮尾委員が交代する場合、黒田緩和に反対する人が次期委員になると、追加緩和の可能性がなくなり、黒田日銀はピンチになる。

今の物価動向からみて、15年度のインフレ率見通し1・7%も4月の展望リポートで下方修正に追い込まれる可能性もある。宮尾委員は再任される可能性もあるが、3月の政策決定会合が一つの山場になるだろう。

いずれにしても、3月、6月の審議委員人事で追加緩和賛成派を増やせるかどうかが日銀運営のカギを握る。審議委員の指名では、衆参両院で与党が多数を握っているので、人選の事務を担う財務省がポイントになってくる。財務省のお眼鏡にかない、追加緩和に賛成の人は誰だろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日本国がまともな金融政策ができるようにする立場からすると、いつも薄氷を踏むような人事にハラハラするのはおかしい。やはり、政府が人事権を握るのが当然、そのため日銀法改正を実現すべき(゚д゚)!

確かに、日銀の黒田東彦総裁は、8%増税しても影響なしという発言をしており、増税の悪影響を予測することはできず、昨年の10月末日、かなり経済が落ち込むことがはっきりした後に、ようやっと追加金融緩和を発表しました。全く遅きに失しました。あれは、大失敗でした。本来は、8%増税の前か、少なとも直後に追加金融感を実施すべきでした。

日銀政策決定委員会会合

それにしても、日本国の金融政策の方針を決めるのが、日銀の政策決定委員会であり、その人事権は、衆参両院ということになっていますが、政治化のほとんどが、金融音痴であり、高橋洋一氏が上の記事の最後のほうに掲載しているように、結局人選の事務を担っている財務省の考えが、かなり大きな影響力を持っているというのが現実です。

このようなシステムはもう破綻したことが、はっきりしています。日銀の政策決定委員会は、結局のところ過去20年間もデフレ政策を実行し、日本はデフレ・スパイラルの底に沈んだからです。

このような間違いや、欠陥をマスコミは糾弾することもなく、政治家も是正することもできず、政策決定委員会のメンバーも誰も責任をとらず、無論、日銀の総裁や幹部も誰も責任をとにらず、結果として、失われた20年です。

もう、このような欠陥システムは、是正されてしかるべきです。日銀などもともと、政府の一下部機関にすぎないのですから、日銀の政策決定委員会のメンバーの人事は政府が行うようにすべきです。また、結果として、金融政策が失敗すれば、政策決定委員会の更迭も政府が実行すべきです。

日本国の金融政策の方針は、人銀行政策委員会が決定している

そもそも、日銀の政策決定委員会が日本国の金融政策の方針を決めるのが問題であって、これは政府が定めるべきです。政府が定める、金融政策の方針に従い、日銀の政策決定委員会が、専門家的立場から、その具体的実施方法を選択するという具合にすべきです。

実際、世界標準の中央銀行の独立性は、政府が国の金融政策の方針を定め、中央銀行はその方針に従い、専門家的な立場から、具体的な金融政策の方法を他から独立して、自由に選択し実行できるし、それに失敗すれば、責任をとるというものです。

特に、中央銀行の「目標の独立性(goal independence)と手段の独立性(instrument independence)の違いを認識すべきです。中央銀行が自由に目標を設定できるという目標の独立性を民主主義社会で正当化することはできません。なぜなら、中央銀行のメンバーは全員が官僚であって、国民から選挙で選ばれるわけではないし、国民から信託を受けた人々ではありません。

しかし、中央銀行が干渉を受けずに適切な金融政策を実施できるような手段の独立性は、経済安定のために極めて重要です。手段の独立性は守られるべぎてす。

しかし、現状の日銀法では、「目標の独立性」が保障されているのです。

日本銀行も、このような世界標準の中央銀行の役割を担うようにすべきであって、そのためには、日銀法の改正が必要です。

もう、まともな金融政策を実行したい人々の立場からすれば、現状のように、日銀の政策決定委員会の人事を巡って薄氷を踏みような思いをしなければならない現状のシステムは、変更するのかだ当然です。

現行の政策決定委員会は、1997年の日銀法改悪によって、現在の方式になったものです。

旧法下
図
新制度
図
新制度になった次の年から日本は、本科的にデフレに突入して、そこからずっとデフレで、昨年あたりからようやっとデフレではなくなったというのが日本の現状です。

これは、どう考えも、現行システムがまともだとは思えません。

それにしても、今のマスコミや、民主党等の野党など、日銀の独立性は神聖不可侵のようなものにとらえて、政治家などが批判することも、それを侵しているかのように、考え、その事自体を糾弾するというようなバカ真似を繰り返すのはもうやめにすべきです。

マスコミなど、総理大臣などしょっちゅう批判するし、そもそもわけのわからない愚鈍的な理由で糾弾するのに、日銀は糾弾しないし、糾弾する事自体が日銀の独立性に違反するかのような報道はやめるべきです。

日本の司法も、国会も、政府のどのような立場の人であれ責任があるのはあたり前であり、バカなことをしたり、失敗すれば、批判されるのは当然のことです。

まして、過去20年間も不適当な金融政策を実施して、日本のデフレスパイラルの泥沼に追い込んだ、日銀総裁をはじめとする幹部や、政策決定委員会のメンバーなど、過去においては、徹底的に糾弾されるべきであったし、今でも過去にさかのぼって、糾弾されるべきです。それをしない、マスコミは単なるバカの集まりであると糾弾されても仕方ない思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年4月17日木曜日

「講座:ビジネスに役立つ世界経済」【第42回】 為替レートを大きく左右する金融政策―【私の論評】ゲンナリ・・・・市場関係者って実は本当は馬鹿なんすか?金融政策が、為替レートに大きく左右するなんてことは小学生にだってわかる理屈じゃないですか(゚д゚)!

「講座:ビジネスに役立つ世界経済」【第42回】 為替レートを大きく左右する金融政策


デフレ人口減説は真っ赤な嘘、人口の減っている国は
他にもあるのになぜ日本だけが長期デフレなの?

全くマインドが変わらない市場関係者

市場関係者、及び、それに近い経済学者の間では、「量的・質的緩和」に対する評判はすこぶる悪い。彼らの多くが、アベノミクスの効果は、財政政策(公共投資の拡大)であって、金融政策(量的緩和の拡大)ではない、というのがコンセンサスになっている。

今回の金融緩和は、「金融政策のレジーム転換(簡単に言えば、『デフレは金融現象ではなく、人口減少という構造問題が解決できない日本においては、もはや金融緩和ではどうすることもできない』という考えから『デフレは金融現象であり、デフレ脱却のための強い意志を明確にして大胆な金融緩和を実施すれば、デフレ脱却は可能である」との発想の転換)』が大きな鍵を握っている。

しかし、アベノミクスを快く思っていない論者は、市場関係者を対象とした調査で将来のインフレ率がそれほど改善していないことをもって、「インフレ予想には大きな改善はなく、従って、金融政策のレジーム転換は実現していない」と批判している。

だが、日銀短観の企業の「販売価格判断DI」の動きや、新たに導入された「企業の物価見通し」の結果を見る限り、企業部門のインフレ予想は明らかに変化しており、デフレマインドは払拭されつつある、という結果となっている。

全くマインドが変わっていないのは市場関係者のみであることが明らかになった訳であり、市場(マーケット)は経済動向を見る上での先行指標になるどころか、ほとんど情報価値がないものになっている。

この記事の続きはこちらから(゚д゚)!

【私の論評】ゲンナリ・・・・市場関係者って実は本当は馬鹿なんすか?金融政策が、為替レートに大きく左右するなんてことは小学生にだってわかる理屈じゃないですか(゚д゚)!

なにやら、上の記事読んでいるとげっそりと疲れてきます。無論、上の記事を書いた方が悪いわけではありません。上の方のように厳密に説明して、グラフまでつけて詳細に解説しないと、市場関係者なる人々が、為替レートを大きく左右する金融政策のことがわからないということに、本当にゲンナリしてくるのです。

それに、デフレ人口減に関しては、以前にもこのブログにも掲載していますが、これも全くの出鱈目です。デフレ、インフレは、純粋な貨幣減少であり、デフレは日本語では、通貨減少、インフレは、日本語では通貨膨張といいます。本当に言葉の通りで、それ以上でも以下でもありません。これに関しては、過去に何度かこのブログで解説したので、ここでは詳細は、述べません。興味のある方は、以下の【関連記事】に掲載しますので、それをご覧になって下さい。

これは、市場関係者でなくても、政治家や官僚でも良くわかっていない人もいるようです。本当に困ったものです。

ドル札がこれだけあって、円札がこの世にこの1/100しかないとすれば、
そうして、それらが交換できたとすれば、どうなりますか?

簡単に説明します。為替レートにはいろいろな要因がからんでいるので、いつも正確に予知などできませんが、日本銀行の金融政策によって大きく影響されるのは、はっきりしすぎるくらいしています。

金融緩和をすれば、円安になります。金融引締めをすれば、円高になります。これって、当たり前のど真ん中ではありませんか?何も、難しいことではないのではありませんか?これは二つのことを考えてみればすぐに小学生にだって理解できます。わざわざ、講座で学ぶほどのことではないと思いますが?

一つ目は、解りやすくするために、話を極端にします。たとえば、日銀が明日からとてつもない大金融緩和をやったとします。それこそ、お札を今までの100倍刷ったとします。他の国の中央銀行は何もしなかったとします。そうなれば、どう考えたって円安になりますよね。

1万円札が、これだけあって、ドルがこの1/100しかこの世に
なかったとして、円とドルが交換できたとしたらどうなりますか?

だって、円が今までの100倍になったとすれば、円の価値はおちるわけですから、どう考えたって円安になります。日本の円だけが、100倍になって、他国は今までと同じなんですかから!!だって、他国の通貨は普通なのに、日本の円だけが、100倍になっているわけですから(゚д゚)!

この説明、これ以上簡単に出来ないので、これでもわからない人は、はっきりいいます。もう、諦めて下さい。あなたには金融の話は、永遠にわかりません。

二つ目に、次に逆の場合をいきます。今度は、金融引締めです。今度は、日銀が明日からとてつもない大金融引締めをしたとします。話を判りやすくするために、これも極端に、日銀がいきなり、明日から、日本の円の流通量を1/100にしたとします。できるできないは別にして、ありとあらゆる手段を講じて、とにかく市中銀行のお金をとりあげて、日銀の金庫に入れて、とにかく1/100の貨幣流通量にしたとします。

そうして、他国は何もせず、同じにしていたとします。そうなると、円が極端に減ったので、円の価値はあがります。そうです。円高になります。だって、他国の通貨に比較して、円だけが極端に少ないんですから(゚д゚)!

これも、これ以上簡単に説明できないので、これを理解できない人は、はっきりいいます。もう、諦めて下さい。あなたには金融の話は永遠にわかりません。

ポンド、ドル、ユーロなどがたくさんあって円が、それぞれの通貨の1/100
しかなかったとしたらどうなりますか?無論、超円高ですね。私何か間違ってます?


上記のような極端なことは、日銀はしたことはありませんが、似たよう状況は過去にもありました。

それはリーマン・ショックの時です。アメリカ、EU,中国など世界の中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日銀はしませんでした。結果としては、上の極端な引き締めをしたのと似たような状況になりました。日本は、デフレ・スパイラルのどん底に沈み、円高になりました。

もし、日銀が他国と同じように金融緩和をやっていれば、日本でのリーマン・ショックの影響は微々たるものになったことでしょう。

さらに、似たような状況があります。それは、あの2011年3月の大震災です。大震災がおこれば、復興のためなどに、円の需要がかなり高まります。しかし、このときも、日銀は金融緩和をしませんでした。円の需要が高まったのに、金融緩和をしなければ、どういうことになるのか?

はっきりしています。金融引締めしたのと同じ効果を生み出します。その結果どうなりました?

そうです、急激な円高を招いてしまいました。

こうして考えていくと、為替レートと、金融政策は大きな関係があることがわかります。

無論、その時々で為替レートを正確に予想するには、様々な要因があって、難しいことです。しかし、上記の極端な例から、金融引締めをすれば、円高傾向になること、金融緩和をすれば、円安傾向になることは小学生にも理解できる簡単な事実ではありませんか?

もし、こんな簡単なことも理解できない人がアベノミックスがどうのこうのと言ってみたとしても、全く見当違いでそもそも批判なんてできないと思います。こんな理屈がわからない人は、金融を語るな(゚д゚)!

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年4月2日火曜日

【日本の解き方】アベノミクスでバレた“10の嘘”金融政策の効果「論より証拠」―【私の論評】アベノミクスに関してはすでに、議論は終わり、残るは政治課題だけというのに、いまどき疑義を抱く馬鹿議員これいかに?

【日本の解き方】アベノミクスでバレた“10の嘘”金融政策の効果「論より証拠」:


 4月1日といえばエープリルフール。この日はたわいないウソは許される。しかし、日本経済に関して、これまで流されてきた数々のウソについては、それらを信じてきた人も多く、罪も大きい。

もっとも、金融政策を使うアベノミクスによってこうした言説の多くがウソだったことがバレてしまった。もしくは、これからバレることになるだろう。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】アベノミクスに関してはすでに、議論は終わり、残るは政治課題だけというのに、いまどき疑義を抱く馬鹿議員これいかに?

さて、上の記事で高橋洋一氏がいう、アベノミクスでバレた10の嘘を掲載します。

◆金融政策は効かないという嘘
(1)インフレ目標でデフレ脱却はできない
(2)デフレは中国やグローバル化が原因
(3)デフレは人口減が原因
(4)日銀は十分金融緩和している
(5)金融緩和でインフレ目標2%達成はできない
◆金融政策マイナス効果のほうが大きいという嘘
(6)インフレ目標は悪魔的手法
(7)金融緩和で金利が急上昇する
(8)金融緩和で円の信認が失墜しキャピタルフライト(資本逃避)が起こる
(9)アベノミクスで儲かるのは富裕層と資産家だけ
(10)給料は上がらず格差が拡大する
◆番外編問題外の嘘>
金利を上げると景気がよくなる
これらは、全く嘘ですから。これらの嘘の中には、単純に合理的に考えただけで、すぐにわかるもの((2)、(3)、(4)、(7)、番外編)それから、古今東西の例をみて嘘だと判るものもありますが、全部嘘であることに変わりはありません。もし、皆さんの中でどれか一つでも信じ込んでいるものがあれば、上の高橋洋一氏の説明をご覧になって下さい。

ちなみに、上の高橋陽一氏の記事の中で、今にわかる方式で書かれているものは、古今東西の先例があります。もしも、疑問に思われるならそれを探してみれば、かならず答えはあります。

私の過去のブログては、このような嘘が掲載してある場合、いちいちその内容を引用してどこが嘘であるのかを説明してきました。しかし、最近ではこういうことを書くのも疲れてきたので、また何かで嘘を暴いたりするときには、上の高橋洋一氏の記事を引用するか、コピペすることにしようと思っています。さすがに、金融を実務でやってきた人だけあって、私なんぞの素人よりも余程嘘の種類も知っているし、その嘘を暴くのもうまいものです。

皆さんも、そのように活用されたら良いと思い、掲載させていただきました。

私の中ではというより、識者の中ではアベノミクスの是非についての論議はもうすでに完璧に終了しています。そうして、残るは政治課題だけです。


要するに、アベノミクスが正しいとか、間違いという論議は不毛なのです。そもそも、アベノミクスなどと日本では、珍奇な扱いをしていますが、アメリカやイギリス、その他の先進国でも、いわゆるアベノミクスのような政策は、当たり前のど真ん中であり、 誰も疑問を抱いたりはしません。すでに、何回も試みられてることで、珍しくも何ともありません。

こんな議論は、急性盲腸炎になった場合、手術をするという医療に関して、手術は正しいか間違いかと議論しているようなもので、不毛以外の何ものでもありません。手術をするのは決まりなのです。どのように手術をするかが問題なのです。

もう、アベノミクスなど当たり前のど真ん中であって、それ自体を論議する重要性もなく、必要性もないのです。そこから、一歩踏み入って、金融緩和をするにしても、どのタイミングで、どの手法を使うのか、財政政策をするにしても、するしないなどのことではなく、やるという前提にたって、どのタイミングでどの手法を使うのかということが課題であり、積極財政をするしないの論議は必要ありません。

それに成長戦略だって、当たり前のことです。やるやらないの議論は必要ないです。やるんです。ただし、どのタイミングで、何をやるかが課題なのです。

ただし、成長戦略については誤解があります。多くの人の中には、日本が金融政策や、財政政策をしても、経済発展しないから、成長戦略をするのだという嘘を語る人もいます。これは、真っ赤な嘘です。日本のような先進国では、金融政策、財政政策をまともにやれば、それだけで、民間が活気づき政府が何もしなくても成長します。


何もしなくても、普通にしていれば、最低でも2%くらいは成長します。それこそ、ギリシャやイタリアのように緩くしていても、成長します。特に、日本はそうです。そんなことは、常識的に考えれば、わかることです。今は、入社シーズンですが、会社に入ったばかりの新人など、それこそ、最初は何もできませんが、1年もたてば、相当いろいろなことができるようになっているではありませんか?これが、経済にも反映するわけです。このように、黙っていても、経済は成長しているのに、この成長分を考慮にいれず、貨幣を増やさなかったことがデフレの真の原因です。

だから、成長戦略は黙っていても、成長する日本経済をさらに発展させるためにするのです。

これが、アベノミクスの真相です。しかし、これを無視して、未だにアベノミクスに疑義を唱える連中がいます。本日もそういう愚か者が存在しました。

衆議院予算委員会で山本幸三議員が質問していました。

 
これは、後に続く前原氏の質問対する布石です。

山本議員の発言ポイントをあげておきます。

金融政策だけでデフレを脱却できないのであれば、日銀が発行済みの国債を全額購入してもインフレが起きないことになります。そうなれば、無税国家の誕生ということになります。

金融緩和すると金利が上昇するなどということはない。財務省は金利が上がると言い続けているが、私が知る限り国債金利は昔7%、今0.55%です(麻生財務相)。きちんと金融政策をやっていれば金利は上がりません。

以下の動画は、山本幸三議員の質問に続く前原氏の質問です。


もう、哀れというほかありません。アベノミクスという名前はついているものの、当たり前のど真ん中のオーソドックスな政策についいてあれこと言っても不毛なだけです。前原さんもう終わりました!!

そんなことを議論するよりは、このオーソドックスな政策をどのタイミングて何をやるかということに焦点は移っているのです。

このことに気付かない民主党、もうおしまいです。完璧に世の中の動きに乗り遅れて、有名無実な政党になることは目に見えています。私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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2013年2月8日金曜日

デフレは貨幣現象、金融政策で変えられる=安倍首相 ―【私の論評】政治家の無知と知ったかぶり炸裂!!これが所詮政治家のスタンダードなのか?だとしたら・・・・・・・・!!

デフレは貨幣現象、金融政策で変えられる=安倍首相

安倍総理と麻生財務大臣予算委員会で

[東京 7日 ロイター] 安倍晋三首相は7日午前の衆議院予算委員会で、デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられるとの認識を示した。民主党の前原誠司委員の質問に答えた。

人口が減少するなかで、構造問題を解決しないとデフレは脱却できないのではないかとの質問に、安倍首相は「人口減少とデフレを結びつける考え方を私はとらない。デフレは貨幣現象10+ 件であり、金融政策で変えられる。人口が減少している国はあるが、デフレになっている国はほとんどない」と答えた。

・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・

自身が日銀法改正に言及してきたことに関しては「日本以外の多くの国が採用している中銀と政府、国民との関係に戻す必要があるのではないかという問題意識があった。一つはインフレターゲット、もう一つは雇用に対しても責任を持つということだ」とした上で、「今の段階で日銀がそういう認識を持ち始めたことは良かったと思っている」と語った。

【私の論評】政治家の無知と知ったかぶり炸裂!!これが所詮政治家のスタンダードなのか?だとしたら・・・・・・・・!!

前原氏は、あいかわらず、金融のことは良くわかってはいないようです。これに関しては、以前このブログの記事にも掲載しましたので、ここでは詳細は解説しません。以下の記事をご覧になってください。

前原氏「慎重だった日銀に何が…」 2%目標検討に皮肉―【私の論評】でてきたでてきた、自民党公約違反をしろと勧める民主党の有害無比な主張!!そんなことより、今は反省が必要なのでは?
さて、こんな様子に水を差すような前原誠司の発言がありました。それが、上の記事です。でも、これって何かおかしくありませんか?そう、どう考えてもおかしいです。 前原といえば、デフレの原因は、人口減のせいだとしたり、過去には、日銀の政策決定会議に参加しても、まるで子供のお使いのようなことしかできませんでした。本当に、日本をデフレから脱却させてたいというのなら、日銀に対して、安倍総裁のように2%以上のインフレ目標を守るべきと、はっきり主張すべきだったでしょう。
予算委員会で質問する前原氏、見当外れで哀れみさえ感じてしまう!!
前原氏、デフレの原因は人口減などの構造的なものであると信じて疑っていないようです。だからこのような答弁になるのだと思います。デフレは、純然たる貨幣現象であり、人口の増減などまったく関係ありません。これは、前にもこのブログに掲載したことですが、これと関係ないことは、子どもでもすぐにわかります。

中性子爆弾(人動物を殺傷するが、物は破壊しないといわれている。よってお金は破壊されない)が日本に投下され、貨幣は破壊されずに、人だけが半分に減ったとします。そうなるどういうことになるでしょう?

人口は半分に減って、貨幣はそのままということになれば、これはもう大インフレですね。これを考えれば、人口減とデフレは、まったく関係ないことがすぐにわかります。金融政策で、デフレを解消できるという安部総裁の考えの正しさもすぐに理解できるというものです。

こんな突飛な話でなくても、地震などの自然災害で突然多くの人がなくなり、お金はそのまま残ったとすれば、インフレになりますね。日本は、急速な少子高齢化でどんどん人口が減っていますが、であればインフレになるはずですね。なぜいくぶんとも、インフレにならないかといえば、日銀の金融政策に根本的な問題があったということです。でも、現実にはデフレですね。 前原氏は、このような矛盾に気が付かないのでしょうか?本当にお粗末です。

それにしても、前原氏の人口減デフレ説など、いったいどこから出てくるのでしょうか?おそらく、下の写真の本でも読んだのか、この本のようなことを誰がに吹きこまれてたのでしょう。いずれにせよ、誰か、それも日本国を弱体化しようとする連中から吹き込まれて信じ込んてしまったという以外に考えられません。やせても、かれても元閣僚だった人が、こんな虚妄を信じてはいけません。結局前原氏の無知ということです。無知がこのような恥ずかしい、国会予算委員会での発言の源です。


この本を書いた人とか、この本を推薦している池上○○とか、山田□□なんて人たちは、偽装転向コミンテルンなんでしょうか?小難しい経済理論などわからなくても、中学生でもわかるような、事実の確認ができないということなどあり得ないです。本当に怪しいです。

それにしても、民主党議員の質問酷すぎです。昨日は、たまたま休みだったので、テレビて国会中継をしていたので、少しみましたがあまりにバカバカしいので、すぐにチャンネルをかえてしまいました。だから、上の前原氏の酷い質問も、サイトで知りました。

サイトで目についたのは、民主党原口氏の質問です。

日本の艦船の位置は「Google Earthで見れば分かる」? 原口元総務相の発言

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、問題となる発言は以下のようなものです。
「運用がどうのこうの場所がどうのこうのとおっしゃっていますが、しかし相手に場所は分かってるじゃないですか。だってレーダー照射までしてるわけです。Google Earthかなんかでみれば分かりますよ、どこに日本の艦船がいたかどうか。隠さなくていいことまで隠し、出さなきゃいけないことまで出さない」

原口氏の発言は以下の動画で視聴できます(昨日5時間42分ごろ)。


発言の趣旨は、常識的にどうみても「どこに日本の艦船がいたのか、Google Earthなどでみればわかる」という以外にとりようがありません。いい間違いだったにしても、間違いは間違いです。

この発言が単に言い間違いだったにしても、これは酷すぎです。今のところ、誤りの訂正もないようですから、始末に終えません。やはり、知ったぶりが災いしたということだと思います。

これらの、無知、知ったぶりなどをみていると、あのサラペイリンさんの発言を思い出しました。何とペイリンさんも、この種の発言をしていたことがありました。何と「アフリカ」を「アフリカ国」と議会で発言していました。ペイリンさんは、「アフリカ国」という国があると思っていたのです。


上の例は、たまたま民主党の議員の例ですが、このような事例は他の政党の政治家にもいます。無知、知ったかぶり、思い上がりなど誰にも多少はあるものです。しかし、少なくとも、政治家が国会の場での答弁や質問にこのようなことがあって良いはずがありません。きちんと調べるなり、誰かから聴くなり、受け取り間違いがないように、きちんと説明を考えるなり、それから答弁や質問をしていただきたいと思います。それが、最低限の政治家の態度であり、モラルだと思います。それができないというのなら、議員はやめるべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


それから、デフレについて知りたくて本を読むなら上の『デフレの正体』なんて、読んじゃいけませんよ!!頭が悪くなるか、コミンテルンに洗脳されるだけです。読みたければ、下の書籍をおすすめします。これなら、まともです。


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原口大臣、閣僚懇を途中退席しバラエティー番組に(10/08/28)―教養のない?原口さんにはやはりこの程度の認識しかないのか?


2012年12月18日火曜日

安倍自民の勝因は争点を金融政策にしたこと。3月の日銀人事までにインフレ目標・金融緩和が効果をあげないと国会運営は厳しくなる―【私の論評】安倍総裁の日銀に対する決戦の火蓋は切って落とされた!!

安倍自民の勝因は争点を金融政策にしたこと。3月の日銀人事までにインフレ目標・金融緩和が効果をあげないと国会運営は厳しくなる:

2012年12月17日(月)

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[ 高橋洋一「ニュースの深層」 ]
安倍自民の勝因は争点を金融政策にしたこと。3月の日銀人事までにインフレ目標・金融緩和が効果をあげないと国会運営は厳しくなる 

[高橋 洋一]

自民大勝の原因について、マスコミでは、民主党の体たらく(普天間問題や原発事故対策の迷走、マニフェストに書いていない消費税増税の強行など)があった中で、第三極が一本化できなかったので、消去法として自民党に流れたという解説が多いだろう。



【私の論評】安倍総裁の日銀に対する決戦の火蓋は切って落とされた!!

安倍、白川両総裁の決戦の火蓋は切って落とされた!!


上の記事、わかりやすい図表だけでも、読む価値があります。そのため、図表とともにコビペさせていただきました。高橋洋一氏は、デフレ脱却と金融緩和の関係についてわかりやすく説明しています。このような、解説選挙前に実施していただければ、有権者の方々も金融緩和策について、わかりやすかったのではないか思い少し残念です。

これらの図表を見ながら、さらに、お金は天下の周りものであるということを考えると、マクロ経済が見えてきます。政府が巨額の財政出動して、公共工事などを行った場合、そのお金はどうなりますか?この世の中から消えてしまいますか?野田総理や、安住元財務大臣は、ひょっとしたらそう考えていたかもしれません。そんなことは、ありません。



そのお金は、公共工事を請け負った会社にわたり、他の会社に渡ったり、また、賃金として家計に入ります。うまく公共工事等をやれば、企業が頑張り、さらに付加価値がつき、政府が財政支出をしたよりも多いお金が、税金として国に戻ってきます。日本銀行は、日本国の貨幣を市中銀行などを通じて、お金の量を調整します。政府も、家計も同じように考えてしまっては、お金消えちゃう論を信じてしまうことになります。お金消えちゃう論では、政府のお金も一般家庭のお金も同じで、政府がお金を使ったら、この世の中からお金が消えてしまうと考えます。だから、お金消えちゃう論を信奉する人たちは、煮ても焼いても食えないのです。お金消えちゃう論を信奉する人は、永久にマクロ経済を理解することはできません。

政府が公共投資などを行い、日銀が日本国内のお金の量の調節し、このバランスが崩れず、お金が適当に回っていれば、景気は良くも悪くもならず、維持されることになります。しかし、このバランスが崩れると、デフレやインフレになります。デフレは、市場にで回るお金が少ない状態で、インフレは市場に出回るお金が多い状態です。景気の良い、悪いは、人々の心理も関係してくることなので、政府や日銀がこのバランスが崩れたからといって、治すことはなかなかできません。できることは、急激に景気が落ち込んだり、加熱したりすることを防いで、軟着陸ができるようにすることぐらいです。



そうはいいながら、この20年間日本は、ずっとデフレであり、これは異常です。インフレの場合は、放置しておくと、物価が数日で200%になるなど、誰の目からみても、異常な状態になるので、すぐに、政府や中央銀行が介入しますが、デフレの場合、物価が数日で、-200%になったりすることなく、年で2%くらづつくらいまでにしかならないので、徐々に蝕まれていくという感じで、インフレのように目立つことはありません。

だから、たちが悪いのです。インフレが、突発的な急性の病気であるとする、デフレは、緩慢に進む慢性病のようなものです。だから、素人目には、1年、2年では気づかないことも多いです。過去の政府・日銀は、これへの対応があまりにも遅れたというか、放置状態でした。だからこそ、20年もデフレ基調が続いてしまったのです。

このようなことは、もう継続させるわけにはいきません。政府も日銀も、一日もはやくデフレを収束させなければなりません。だからこそ、安部総裁は、デフレを収束させることを公約し、特に日銀に金融緩和をさせることを強調したのです。



さて、本日は以下のようニュースが舞い込んできました。
安倍氏、物価目標2%を提案 日銀総裁に、1月にも結論
自民党の安倍晋三総裁は18日、日銀の白川方明総裁と東京都内の自民党本部で会談し、日銀の金融政策に2%の物価上昇率目標を設定するよう提案した。物価目標を柱に政府と本格的な政策協定を結びたいとの意向を伝えた。 
 日銀は安倍氏が率いることになる新政権に協力していく方針。19~20日に開く金融政策決定会合でも、安倍氏が求める物価目標などを議論する。来年1月21~22日に開く金融政策決定会合をめどに、自民党の政策を反映させた形での金融緩和強化策を取りまとめる見通しだ。 
 安倍氏は政府と日銀が連携を強化して金融緩和政策を推進、デフレ脱却を早期実現する考え。
安倍総裁は、これからの日銀との戦いの決戦の火蓋を切って落としたわけです。さて、安部総裁と、白川総裁の金融緩和を巡っての認識の違いを朝日新聞は、以下のようにまとめています。


安倍総裁と、白川総裁との間には、金融緩和をめぐって、上の表のような違いがあります。水と油といっても良いくらいです。ただし、この表は、人民日報(あっ!間違えた、朝日新聞)が公表したものであり、安倍総裁の主張に間違いがあります。゜

さて、この表の一番上から両者の言い分を検討してみましょう。それと、の故意による、安倍総裁の主張の歪曲を訂正します。

1.日銀法
ドイツでは、第一次世界大戦後に、中央銀行の独立性があまりに強力であり、政府がほとんど干渉できなかったため、超ハイパーインフレになったという歴史的事実があります。この歴史的事実を踏まえ、欧米では、中央銀行に第一次世界大戦後のドイツのような、強力な独立性を確保はしていません。また、世界の常識では、中央銀行の独立性とは、政府の定めた金融政策に従い、中央銀行が専門家的な立場から、手段を選ぶことができるというもので、第一次世界大戦中のドイツの中央銀行のように、政府すら干渉もできないような強力な権限を持つことは意味していません。
2.物価目標
他国の共通認識としては、本来は(CPI)4(%)が良いと言われています、4%という目標を掲げると、日本では、インフレを嫌う人々も多く、2%から3%として抵抗なく受け入れてもらえるようにし、これを上回った場合には直ちに日本銀行がインフレ是正を目指して金融引き締めを行う。政府が緊縮財政を行うという方向に持っていくのが望ましいです。3%は全く現実的であり、問題ありません。むしろ、日銀のインフレ目処1%は、あまりに低く効果が疑問視されます。
3.緩和の程度
安倍総裁は、ただ無制限にお札を刷りまくるなどなどのことは主張していません。安倍総裁が主張しているのは、目標インフレ率が目標に達するまで金融緩和をするということを意味しています。永遠に輪転機を回し続けてどこまでも無制限にお札を刷れと言っているわけではありません。アメリカのバーナンキFRB議長も、無制限緩和という表現をつかっていますが、これも、無制限にやり続けるというわけではなく、雇用目標が達成するまで緩和をし続けるという意味です。 
なぜここで、無制限という言葉をわざわざ使うかといえば、過去の金融緩和では、アメリカはもとより、特に日本では、たとえば、50兆円の金融緩和といった場合、目標が達成されないうちに金融緩和をやめてしまうということがおうおうにあり、結局中途半端で終わってしまうことがあったので、そのようなやり方はせずに、目標が達成されるまでやり続けるという意味です。
4.国債の引き受け
建設国債は、全部日銀に買ってもらうという表現は、安倍総裁があたかも、建設国債の日銀直接引き受けを主張しているように報道されましたが、これは全くの誤りです。日銀の直接引き受けとは、政府が発行した建設国債を市場を介することなく、直接引き受けることをいいます。しかし、あくまで安倍総裁は、日銀に買いオペをやってもらうことを主張したのです。買いオペ(オペレーションとは、市中銀行の保有している国債を日銀が買い取るという意味です。これは、普通に行われていることです。
5.金利
普通の市中銀行が、企業などにお金を貸し出すときに、ゼロ金利とか、マイナス金利などということはあり得ません。なぜなら、企業が銀行からお金を借りるとき、金利がゼロということは、利子がないということです。利子がマイナスということは、企業が銀行からお金を借りたら、利子としてそれにプラスしてさらにお金をもらうということです。こんなことは、銀行も営利企業ですから、あり得ないことです。しかし、中央銀行は、国の機関であり、お金を刷り増すこともできます。だから、国策としてならできることです。それに、デフレのときなら、金融緩和として有効な手段でもあります。 
6.日銀の使命
他国の特に先進国では、雇用の調整は、中央銀行の主要な任務であるとされています。実際、フィリップス曲線とよばれるグラフからは、雇用と物価上昇の間に明らかな相関関係があることが明白であり、日本でも、2~3%の物価上昇があれば、即座に数百万の雇用が発生することを認識することができます。 
厚生労働省などの役割は、雇用のミスマッチを防止することであり、雇用枠の調整ではありません。雇用枠の調整の責任はあくまで、日銀にあります。アメリカ、イギリスでも、雇用の悪化を改善するために、本年金融緩和を無制限に実施している最中にあります。日銀の使命として雇用枠の調整を含むことは当然のことです。
さて、以上安倍総裁の主張も正しく直して、両者の言い分を比較すれば、安倍総裁の主張していることが正論中の正論であることが良くわかると思います。

安倍総裁をマスコミから守れ!!

これから、反日マスコミは、日銀の独立性を盾にとり、どこまでも、安倍総裁の金融緩和を妨げる方向で、大同団結して、徹底的に安倍総裁個人を叩くのみでなく、自民党内部を分裂させ、安倍総裁を早期退陣に追い込むべく虎視眈々と狙っています。そんなことをさせず、金融緩和を実現させるべく、おかしげな論調を見かけたら、即座に反撃してください。反撃するためには、理論武装が必要です。簡単なことなら、上に掲げた内容で反撃してください。難しいことなら、私にお知らせください。自分で考えて答えられることなら、答えますし、答えられなくても、私の親しい人の中には、著名経済学者の方もいます。それらの方々に、反撃方法を聴けば、快くこたえていただけます。

もう馬鹿な半日マスコミに、いつまでも、日本弱体化を思うがままにやらせておくわけにはいきませ。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?





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