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2018年10月5日金曜日

米議会で人気コメディアンなど数百人逮捕 キャバノー最高裁判事候補に抗議―【私の論評】この世界は、個人中傷キャンペーン等の嘘もすぐに見破られるところとなった(゚д゚)!

米議会で人気コメディアンなど数百人逮捕 キャバノー最高裁判事候補に抗議

BBC
After the FBI report's release, activists have gathered in the Senate office building to protest Judge Kavanaugh's nominationImage copyrightREUTERS
Image captionキャバノー判事の米最高裁判事承認に抗議して大勢が上院議員会館に集まった。赤い幕には「すべての生存者を信じる」と書かれている(4日、ワシントン)
性的暴行疑惑で揺れる米最高裁判事候補の承認手続きをめぐり4日、数千人が連邦議会などで抗議し、人気コメディアンのエイミー・シューマー氏など数百人が逮捕された。保守派のブレット・キャバノー高裁判事(53)を最高裁判事に推す与党・共和党は、連邦捜査局(FBI)の捜査の結果、性的暴行の疑いは晴らされたと表明。野党・民主党は反発している。
女性を中心とした数千人のデモ隊は4日、キャバノー判事が現在勤めるコロンビア特別区控訴裁判所を出発点に、市内を行進した。連邦議会議事堂や最高裁の前で集会を開き、「キャバノーは辞めさせなくては!」と繰り返した。さらには、上院のハート議員会館で座り込み、警察に退去を命じられるも拒否。警察によると、302人が逮捕された。その中には、シューマー氏やモデルのエミリー・ラタコウスキ氏も含まれていたという。
抗議する人たちは、「(性的暴行の)すべての生存者を信じる」と書かれた横断幕や、「女性の声を聞かなくては」、「務める資格なし」、「最高裁を救え」、「キャバ・ノー」などと書かれたプラカードを掲げて、承認に抗議した。
連邦議会警察は、廊下を歩く議員たちと抗議する人たちの間に柵を設置した。
ニューヨークのトランプ・タワー前でも抗議集会があった。
Comedian Amy Schumer (C) joins a protest on Capitol HillImage copyrightGETTY IMAGES
Image caption人気コメディアンのエイミー・シューマー氏(中央)も上院での抗議に参加し、逮捕された

承認の見通しは

上院本会議で過半数が承認に賛成すれば、キャバノー判事は終身の最高裁判事となる。
現在の最高裁判事はすでに保守派5人、リベラル4人で、保守派が優勢な構成。終身の最高裁判事たちの政治的傾向が圧倒的に保守寄りになった場合、その判決はトランプ氏の任期満了後も長く米社会に影響を及ぼすことになる。
現在の上院は、共和党が51対49で多数党だが、僅差だけに数人の穏健派議員が造反すれば承認は否決される。
しかし、上院司法委員会でその穏健派共和党議員の1人、ジェフ・フレーク議員(アリゾナ州選出)が求めた連邦捜査局(FBI)の捜査の結果、フレーク議員を含め穏健派議員2人が4日、性的暴行疑惑は裏づけられなかったなどと発言。キャバノー判事承認の公算が強まったとみられている。
上院共和党は5日午前10時半(日本時間同日午後11時半)に「討論終結」の議決を予定している。最終的な承認採決は6日午後5時半(日本時間7日午前6時半)ごろになる見通し。

Protesters outside court holding signs, one saying: SUSAN COLLINS DON'T BETRAY WOMEN, VOTE NO.Image copyrightREUTERS
Image caption連邦最高裁の前で、キャバノー判事の承認に反対する人たち。手前左のプラカードは共和党穏健派の1人、スーザン・コリンズ上院議員に「女性を裏切らないで、反対して」と呼びかけている

FBI報告書を評価

カリフォルニア州パロアルト大学で心理学を教えるクリスティーン・ブラジー・フォード教授は、お互いが10代のころにキャバノー氏に性的暴行を受けたと9月末に上院司法委員会で証言したキャバノー判事は同じ公聴会で、疑惑をすべて否定した。
フレーク議員が、フォード教授の証言内容をFBIが捜査しない限り自分は本会議で承認に反対すると表明したのを受け、ドナルド・トランプ大統領はFBIに捜査を指示。FBIは捜査報告書を4日までにホワイトハウスに提出し、ホワイトハウスが上院に提示した。
上院議員たちによるとFBIは、フォード教授の証言に関連する証人5人に事情聴取したほか、イェール大学でキャバノー氏に露出した性器を突きつけられたと名乗り出たデボラ・ラミレス氏の主張についても4人から事情を聞いた。キャバノー判事はいずれの告発内容も否定している。
上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)は、「捜査の結果、問題行動があった様子はいっさい伺えなかった」と明を発表した
一方で、同委員会の民主党筆頭委員、ダイアン・ファインスタイン議員は、FBIの報告書は「不完全な捜査の産物」で、事実関係を裏づけられる複数の重要証人が捜査協力を申し出たにもかかわらず、FBIはあえて事情を聞かなかったと非難した。司法委に所属する民主党のリチャード・ブルーメンソール議員は記者団に「ごまかしだ」と述べた。
これに対して、フレーク議員は「裏づけとなる追加情報はなかった」と発言。同じく共和党穏健派のスーザン・コリンズ上院議員(メイン州)も、「とても綿密な捜査だった」と評価した。
同様に造反の可能性があるとみられていた共和党のリーサ・ムルコウスキ上院議員(アラスカ州)は4日、事務所で性的暴行の生存者と面会したと言われている。
一方で、承認に賛成を検討していたとされる民主党のハイディ・ハイトキャンプ上院議員(ノースダコタ州)は、キャバノー判事の「過去の行状に関する懸念」を理由に、承認に反対することにしたと発表した。
民主党側でもう1人、賛否を明らかにしていないジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)は、5日の午前中にFBIの報告を読み終えるつもりだと話した。
ホワイトハウスのラージ・シャー報道官は、「(キャバノー判事を)批判する側は、高校生の飲酒について果てしない調査を求めている」と批判した。
一方で、共和党穏健派のジョーン・コーニン上院議員は同僚議員たちに、「これは自分たちがアティカス・フィンチかどうかが問われている」と発言し、周りを驚かせた。アティカス・フィンチとはハーパー・リー作の小説「アラバマ物語」に登場する弁護士で、人種差別の激しい1930年代のアラバマ州で白人女性を強姦したと無実の罪に問われた黒人男性を弁護する。
私は無実だ」 キャバノー判事と共和党、激しく反撃

この間、上院公聴会での激しい口調や、民主党議員に向かって飲酒で記憶をなくしたことはあるのかなど繰り返し問いただした攻撃的な態度、自分に対する性的疑惑は民主党やビル・クリントン夫妻による政治的工作だなどと批判した政治的偏向ぶりなどを非難されているキャバノー判事は、米紙ウォールストリート・ジャーナルに論説を寄稿し、「自分の口調がきつかったことは承知している。言うべきでないこともいくつか言ってしまった」と書いた。
米政界では11月6日に、連邦議会などの中間選挙が行われる。民主党が下院の過半数を奪還する可能性があるだけに、共和党は中間選挙の前に保守派判事を最高裁に送り込みたい構えだ。

【私の論評】この世界は、個人中傷キャンペーン等の嘘もすぐに見破られるところとなった(゚д゚)!

ドナルド・トランプ米大統領は今年の7月、連邦最高裁判事の引退に伴い、その後任として、保守派で熱心なカトリック教徒でもあるブレット・キャバノー判事(53)を指名しました。

トランプ政権による判事の指名は2人目です。今後、上院の承認手続きを経て就任となる見通しでした。 前任のアンソニー・ケネディ判事(81)は、保守派ではあるものの、同性結婚合法化や人工中絶などを支持することもあり、リベラル寄りでした。

一方、後任のキャバノー氏は人工中絶に反対の立場を取るなど、典型的な保守です。

 これにより、長官を含む計9人の最高裁メンバーのうち、「保守派5人・リベラル派4人」の構図が明確になると指摘されていました。 

オバマ政権下の2016年6月、最高裁は、テキサス州の州法である人工中絶の制限を無効とするリベラル的な判断を下しました。州法は、人工中絶を行う病院に対し、廊下の幅や空調などに厳しい規制を課していました。

 最高裁は、5対3で同州法が無効と判断 (保守派判事の急死により、1人欠員していた)。このリベラル的な判決を決定づけたのが、今回引退するケネディ判事による投票でした。

もしケネディ判事が州法を有効と判断していれば、4対4の可否同数となっていました。 新たにキャバノー氏が就任することで、最高裁の判断が保守的になると期待されています。最高裁判事は、引退や弾劾、死亡した場合を除いて終身制です。

トランプ政権後も、司法に「保守の遺伝子」が残り続けることになるでしょう。 司法の保守回帰への期待に加えて、米メディアで興味深い論点が報じられていました。

7月9日付FOXニュースに、このような題の寄稿記事が掲載されました。 

「トランプが指名した最高裁判事ブレット・キャバノーは、私たちの最も聖なる権利である信教の自由を守ると信頼できる」 

寄稿したのは、「ファースト・リバティ・インスティチュート(First Liberty Institute)」という組織のCEOを務める、ケリー・シャックルフォード氏。同組織は、アメリカ国民の信教の自由を守ることを目的とした、国内最大の非営利団体です。

ケリー・シャックルフォード氏

 シャックルフォード氏は、全国民に信教の自由を保障する「合衆国憲法修正第一条」に関するキャバノー氏の実績などから、こう述べています。 

「彼(キャバノー氏)の意見は、政府が神から与えられた人間の権利を守るために存在し、憲法は、権利を守ることを信託された政府が、権利を侵害することがないよう存在するという原則に、一貫して忠実だ」

 注目すべきは、最高裁判事を選ぶ際に、信教の自由をどのように扱ってきたかという実績が問われているということです。信教の自由が、あらゆる権利の根幹を成すという考えが現れていると言えます。

日本ではあまり見られない事象です。 トランプ氏の最高裁判事の指名からは、司法の方向性と、信教の自由の重要性をうかがい知れます。

リベラル・左派としてはこの信仰の自由というのが気に食わないのでしょう。信仰の自由は守られるべきことですが、リベラル・左派にとっては、ピューリタン的な考えかたが世の中で息を吹き返すことは我慢ならないのだと思います。

しかし、それは彼らの考え方であって、米国の人口の少なくとも、およそ半分は存在するとみられる保守層は、ピューリタン的考え方を自らの信条としたり、信条とまではいかなくてもかなり親和的です。

ただし、米国の大手新聞はすべてが、リベラルであり、大手テレビ局はFOXTVを除いてすべてが、リベラルであるため、この保守派の考えなど長年無視されてきました。

しかし、トランプ大統領誕生により、米国には保守層が厳然として存在することが誰の眼にも明らかになりました。

ブレット・キャバノー氏の無罪は、はっきりしているようです。それは国際政治学者の藤井厳喜氏は以下の動画で断言しています。



この動画にあるように、被害を受けた女性のとされる人の証言が全くあやふやであることと、米国では司法関係者も政治職についたりするので、キャバーノ氏は過去24年にわたり6回もFBIの身辺調査を受けて、何もでてきていなかったと言う事実もあります。

これは、10月の中間選挙に向けて民主党はかなり追い詰められていることから、選挙キャンペーの一環として、このようなバカ真似した可能性が高いです。

このようなことは日本でもあったことです。たとえば「もりかけ」騒動です。あれだけマスコミや野党政治家などが騒いで、国会で時間を費やしたにもかかわらす、何にもでてきませんでした。

米国でも、トランプ氏個人に対する中傷も酷いものがありました。しかし、このようなキャバノー氏、トランプ氏、安倍氏に対する推定有罪的な中傷キャンペーンはあまり効果がないようです。

今やネットで様々な情報が得られる時代です。情報源がほとんどテレビや新聞という年配者は別にして、70歳未満の人だと自分の意志でいくらでも、多くの情報源にあたることができます。

そんな時代に、いくら中傷キャンペーンをやっても世界のどこの国でもすぐに見破られてしまうことでしょう。中国や北朝鮮などの例外を除けは世界は変わったのです。

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2018年3月25日日曜日

震災7年でも徴収される「復興増税」のおかしさに気づいてますか―【私の論評】公文書書き換え以前にも、復興税、消費税の目的税化で嘘をついていた財務省(゚д゚)!

震災7年でも徴収される「復興増税」のおかしさに気づいてますか

ちゃんと被災地に還元されているのか

ドクターZ

毎年1000円の増税

東日本大震災から7年が経過した。震災の傷は決して忘れてはいけないものだが、もうひとつ忘れてはいけないものがある。それは震災後に決定し、現在も続いている復興増税についてだ。

復興特別税は所得税や住民税に上乗せする形で徴収されていて、たとえば個人住民税は2014年から10年間にわたって毎年1000円上乗せされている。増税当初はニュースになったので国民の関心もあったが、いまではこの増税の存在を忘れている人も多いかもしれない。

今でも徴収されている復興税

復興のために予算がかかるのは仕方のないことだが、果たしてこの増税はきちんと被災地に還元されているのか。

復興庁のウェブサイトを見ると、復興施策の工程表が出ている。'16年のものには各分野において詳細な工程表が出ていたが、いまは道路修繕と福島12市町村における公共インフラ復旧の簡単な工程表などが掲載されているだけになった。

2年前の工程表にはほとんどの項目に「2018年度以降完了予定」と書いてあったが、今後どのようなスケジュールで進んでいくかは明らかになっていない。ウェブサイトには復興施策や進捗状況が書かれているが、期待される効果や達成すべき目標については明らかになっておらず、客観的な検証もほとんど行われていない。

そもそも、国民が知りたいのはこれまで政府が挙げてきた成果よりも、これからの復興計画にどれほどの時間と予算が費やされるかである。

当初、復興予算は、'11~'20年度において32兆円投入される予定だったが、はじめの5年間で25・5兆円が使われた。予算としては十分な金額だが、原発事故の影響なども考えればこのままでは'20年度までに復興を達成することはきわめて難しい。

そう考えると、本格復興に向けた長期的なスキームで予算を組みなおしていく必要がある。だがそれにもかかわらず、いま組まれている復興財源フレームは奇妙だ。

なにが奇妙かといえば、復興予算の財源確保が増税ありきで進んでしまったことだ。というのも、大災害における復興財源は、増税ではなく国債によってまかなうというのが経済学のセオリーである。

経済理論では、数百年に一度レベルの震災に際しては、たとえば100年など超長期の復興債を発行すれば、経済に対する悪影響を最小限に抑えることができる。この手法を取らなかった日本経済は、大災害と増税というダブルパンチを受けてきたといえる。

古今東西、災害後に増税をしたなどという話は聞いたことがない。いまからでも遅くないから、復興増税をやめて、長期国債を発行するべきだと筆者は考えている。特に、いまは長期国債の金利がほぼゼロで調達できるので、復興予算もそのメリットを享受するべきだ。もっと言えば、これまでの復興増税が帳消しになるように、その分の減税をしてもいいくらいだ。

なぜこのような復興増税がまかり通ってしまったのかといえば、ほかでもない財務省の差し金だろう。震災時に政権を担っていたのは民主党だが、復興対応に動揺する政権に財務省は増税を仕掛けたのだ。これは「火事場泥棒」と揶揄されても仕方ないレベルの話なのだ。

【私の論評】公文書書き換え以前にも、復興税、消費税の目的税化で嘘をついていた財務省(゚д゚)!

復興税に関しては、一般のサラリーマンの場合は、自分で税金の計算をしないので、今でも徴収されているということを気づかない人も多いようですが、自営業者などの場合は今月15日締め切りだった確定申告のため、自分で計算するので、徴収されているということに気づいているというか、毎年この時期になると、その事実を今更ながらいやでも思い知らされることになります。

改めて、復興税増税とはどういうものだったのか、以下に纏めた表を掲載します。


復興増税の法人税に関してはもうすでに徴収されていません。にもかかわらず、所得税や住民税では未だに復興税増税がなされているということです。

住民税は+1000円×10年間と決まっていますが、所得税の方はと言うと、大多数の一般サラリーマン家庭で2000〜4000円の増税年収1000万円世帯で約2万円の増税です。これが25年間です。しかも、税金ですから、一部控除される人もいるとはいいながら、被災地の人も課税されます。

この復興税の使い道に関しては以前から疑義が提示されていました。たとえば、三陸に送られた義援金が「チャグチャグ馬コ観光誘致」という名目の「公務員限定海外旅行」に全部使われたなどと言う話もありました。

三陸に送られた義援金が盛岡で集約され、なぜか「チャグチャグ馬コを国際的に広めて観光誘致」という名目の「海外旅行」にすべてつぎ込まれたのです。

チャグチャグ馬コ
しかも、その参加者が(チャグチャグ関係者除くと)、盛岡市職員とその家族・友人でほとんどを占められていたというのです。

要するに、盛岡市職員の慰安旅行に義援金が使われたということなのです。 これは当時オンブズマンが抗議しましたが、結局盛岡市は謝罪も返金もしませんでした。

その他、野田政権のときなどは、復興税が他の目的のため使わていたことなどが、報道されていました。2011年度には復興予算が6兆円余り、1兆円が復興特別会計へくりいれていました。

この特別会計からなんと、武器購入、被災地と関係のない東京都清瀬市の日本社会事業大学の改装費用や沖縄の教育振興費に拠出されていました。この頃からすでに復興予算にシロアリがたかっていたのです。

最近ではこのようなこともほとんど報道されなくなりました。それをいいことに、財務省は何をしてもやりたい放題でした。

だからこそ、ブログ冒頭の記事では、「本格復興に向けた長期的なスキームで予算を組みなおしていく必要がある。だがそれにもかかわらず、いま組まれている復興財源フレームは奇妙だ」と疑問が提示されているのです。

それよりも何よりも、復興税に関しては上の記事にも述べられているように「経済理論では、数百年に一度レベルの震災に際しては、たとえば100年など超長期の復興債を発行すれば、経済に対する悪影響を最小限に抑えることができる。この手法を取らなかった日本経済は、大災害と増税というダブルパンチを受けてきたといえる」ということになるのは、最初からわかりきっているのに、導入され、しかもそれが未だに続いているということです。

そもそも、地震などの大災害では、「ガレキなどの処分」とか「すぐに必要な仮設」とかの費用と、「学校や橋、水道・電気など何十年も使うインフラ」の費用がかかりますが、これらのうちほとんどは、被災した世代だけではなく、その後の世代も使いその便益を享受ものです。

だから、復興を税で賄うなどのことをしてしまえば、被災した世代だけが負担をすることになってしまい、世代間で不公平が生じてしまいます。

だからこそ、100年など超長期の復興債を発行したり、60年などの建設国債などを発行して、世代間の不公平をなくすのです。

しかし、なぜか現在では、国債を発行することは将来世代につけをまわすことなどとされてしまい、国債を発行することが悪いことのように言われています。これは、全く逆の話です。そのようなことを言う人は、そもそも国債がなんのためにあるのか、全く理解していません。

特に東日本大震災のような規模の大きな災害の場合は、古今東西どこでも復興を税で賄うなどという話は聴いたことがありません。日本の過去の関東大震災のときもそうですし、諸外国でも全く例がありません。日本の復興税だけが、全く例をみない特異な事例です。

上の記事では、「震災時に政権を担っていたのは民主党だが、復興対応に動揺する政権に財務省は増税を仕掛けたのだ。これは「火事場泥棒」と揶揄されても仕方ないレベルの話なのだ」と締めくくっています。

これは、全くその通りです。大規模災害に直接対応した経験を持たない当時の民主党政権は復興対応に動揺していたため、財務省にそこを付け込まれたのです。財務省はとにかく、何でも増税をしたがります。それによって、予算の配賦権を強化し、省益を拡張したいというのが彼ら魂胆です。

その当時の自民党も増税派が大勢を占めていたので、復興税に反対するどころか、賛成しました。彼らにとっては、復興税はその後の消費税増税の露払いとなるとの考えで、導入に賛成したのでしょう。

2014年4月からの消費税増税

復興税に成功した財務省は、その後8%増税にも成功しました。消費税率が4年前の2014年4月1日、5%から8%に上がりました。税率の引き上げは17年ぶりのことでした。

財務省にいわせると、高齢化で増え続ける年金や医療などの社会保障費を賄う狙いがあるされました。国民負担は年間で約8兆円重くなりました。第一生命経済研究所によると、年収500万~550万円の4人世帯の場合、年間の負担額が7万1千円増えることになりました。

多くの識者らは、8%増税による日本経済に対する影響は軽微としていましたが、そうではありませんでした。復興税と消費税によるダブルパンチで、個人消費が落ち込み、GDPの60%以上を個人消費が占めている日本経済への悪影響は甚大でした。

この消費税増税でも、財務省は嘘をつきました。そもそも、その根拠となった税と社会保障の一体改革として、消費税を目的税化することは、古今東西いずれでも実行されてはいません。日本のそれが、全く例をみない特異な事例です。

 社会保障の観点から見ると、その財源は社会保険方式なので保険料が基本です。税方式は少なく、しかも社会保険料方式から税方式に移行した国はありません。

そもそも、消費税に限らず、税の目的税化ということ自体が不可能です。公共財については、 代 金を支払った人だけがそのものを消費するようなこと はできません。 例えば、 自衛隊が税金を支払わない人 を守らないなどというということはできません。こんな初歩的な常識ですら、財務省はとんでもない理論でくつがえしているのです。

財務省は、最近では文書書き換えで嘘をついていたことが暴露されましたが、それ以前に復興税で嘘をつき、消費税の目的税化で嘘をついていたのです。

私自身は、決裁文書の書き換えなどというとんでもないことをしでかした背景には、復興税や消費税の目的税化で明らかに嘘であるとんでも理論をぶちあげても、政治家やマスコミのほとんどが誰も反対しないどころか、財務省を後押しする様をみて、もともと財務省最強という意識があったものが、さらに助長され根拠のない全能感を抱いたことがあると思います。

文書を書き換えても、政治家やマスコミはそれに反対するどころか、自分たちを後押しをするだろうし、結局何をやっても自分たちは許されるのだという誤った認識をもってしまったと思います。

そうして、実際、そのような政治家やマスコミも現れつつあります。しかし、今回は復興税や、消費税の目的税化のときのように、財務省にされるがままになっているべきではありません。やはり、財務省は完全解体すべきです。すぐに解体できないにしても、国民は厳しい目で財務省や財務省を擁護する政治家やマスコミを監視していくべきです。

そうして、まずは復興税は即刻中止すべきです。国会では、文書書き換えだけではなく、このような論議もなされるべきです。

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2016年8月23日火曜日

慰安婦“捏造”吉田氏の長男が真相激白「父は誤った歴史を作り出した」―【私の論評】吉田を裏で操っていた人物や組織が白日の下に晒されるか?


「新潮45」9月号の表紙

慰安婦問題で、衝撃的なリポートが発表された。朝日新聞は、「慰安婦を強制連行した」という吉田清治氏の虚偽証言を30年以上も放置し、日本と日本人の名誉と尊厳を傷付けたが、ジャーナリストの大高未貴氏が、月刊誌「新潮45」9月号で、吉田氏の長男のインタビューに成功したのだ。「父は大変誤った歴史を作り出した」「世界中の慰安婦像をクレーン車で撤去したい」などと激白する長男と、某国組織の関与が疑われる吉田氏の背景とは。大高氏が、渾身リポートの一部を披露した。

私は十数年前から、日本軍による強制連行説を世界に広めた「吉田清治」という人物に興味を持っていた。吉田証言については、現代史家の秦郁彦氏が、吉田氏が慰安婦狩りの舞台になったと証言した韓国・済州(チェジュ)島で現地調査を行い、1992年に産経新聞でその「虚偽性」を指摘している。吉田氏も96年に週刊新潮の取材に「創作話」であったことを認めている。

安倍晋三首相も、自民党青年局長時代の97年5月27日、衆院決算委員会第二分科会で「そもそも、この『従軍慰安婦』につきましては、吉田清治なる詐欺師に近い人物が~」と指摘し、首相就任後の2007年3月5日、参院予算委員会でも「(吉田)証言はまったく、後にでっち上げだったことが分かったわけでございます」と答弁している。

一連の批判に耐えきれず、朝日新聞は14年になって、ようやく吉田証言を虚偽と判断し、16本の記事を撤回した。

本来ならここで終わる話だ。ところが、奇妙なことに吉田証言は生き続け、世界各国に次々と設置される慰安婦像の説明文に憑依して、国際社会で現在もなお増殖しているのだ。

吉田証言を重要な証拠として採用し、国連人権委員会で日本への非難勧告を行ったクマラスワミ報告も、外務省の申し入れにも関わらず、いまだに撤回されていない。

誤解を恐れずに言えば、吉田証言はプロパガンダとしては大成功だったのではなかろうか。

だが、このプロパガンダを行った「吉田清治」という人物の来歴は、謎に包まれたままだった。生年も出生地も定かではなく、学歴も経歴も不明だ。そして、名前はいくつもある。さほど年齢も違わない朝鮮人を、何故か養子にもしている。一体、「吉田清治」とは何者だったのか?
大高未貴氏
 私は、その謎を解明したい衝動にかられ、吉田氏の長男を訪ねた。長男は関東北部の県で、質素な一人暮らしをしていた。最初の取材で、重たい口から発せられた言葉は、以下のようなものだった。

「父が犯した慰安婦強制連行の捏造について、吉田家の長男として、日本の皆様に本当に申し訳なく思っております。できることなら、クレーン車で世界中の慰安婦像を撤去したい…」

「父の責任は重大ですが、一方で、あれだけの創作話を父1人でできるはずがありません。慰安婦問題を既成事実化したい人々の何らかの関与があったはずです」

それから、私は何度も長男のもとに取材に通った。そして、過去の記憶をたどるうちに、驚愕の事実が続々と明らかになってきた。

「父は済州島なんか行っていません。家で地図を見ながら原稿を書いていました」「謝罪行脚のため訪韓した際、父のパスポートに入国スタンプは押されていませんでした。なぜなら…」

朝日新聞は、吉田氏の戦後の経歴を「サラリーマン」などと報じていたが、吉田氏は人生の大半は定職につかず、その生活費は息子たちが賄っていたという。著作、講演活動を繰り広げながら満足にお金を得ることもなく、生活は常に困窮していた。吉田氏は一体、誰のために、何のために活動してきたというのか?

その謎を解くカギの1つは、吉田家と家族ぐるみで長期にわたって付き合いがあった、神奈川県警の元刑事A氏から教えてもらった。

吉田氏は「朝鮮半島のある組織にお金を借りていた」というのだ。吉田氏の韓国謝罪行脚をテレビで見ていたA氏は「正直なところ、可哀そうだなと思いました。(略)痩せちゃっているし、おびえている姿そのものでしたよ…」と当時の印象を語っている。

誰よりも吉田氏を知る長男の告白は、ジワジワと慰安婦問題の虚構の化けの皮を剥がしてゆくこととなろう。

大高未貴(おおたか・みき

【私の論評】吉田を裏で操っていた人物や組織が白日の下に晒されるか?


吉田清治氏は、本当に不可解な人物です。ブログ冒頭の記事にもあるように、さほど年齢も違わない朝鮮人を、何故か養子にもしています。その養子の実名は李貞郁です。このこと一つとっても、本当に不可解と言わざるを得ません。

この不思議に満ちた、吉田清治の謎について、現在までネットで流布されているもののうち、書籍などの資料の裏付けのあるものについて以下にまとめて掲載します。

平成4年。NHK山口放送局は、吉田清治の“証言”に基づいた番組を企画、数十人を取材したのですが、ウラを取ることはできませんでした。その際、吉田本の出版先は、こうNHK側に説明したのです。

「あれは小説ですよ」

非常にシンプルな結論でした。吉田清治のデビュー作『朝鮮人慰安婦と日本人』(新人物往来社昭和52年刊)も、第二作『私の戦争犯罪』(三一書房昭和57年刊)も、ノンフィクションではなく、架空戦記だったのです。



小説が何故、ドキュメント作品と扱われたのでしょうか。それは、著者の吉田清治自身が自ノンフィクションだと言い張っていたからに他ありません。出版社側も表向き否定することはありませんでした。

しかし、実録作品にしては最初から奇妙でした。吉田清治とはペンネームで、本名は吉田雄兎というのです。個人体験を基にしたノンフィクション作品で無名の新人が筆名を使うケースはかなり珍しいことです。

加えて、吉田のこれらの書籍の最大のセールスポイントは、戦後30年以上を経て当事者が初めて告発したことでした。登場人物の仮名表記は有り得るのですが、「勇気ある告発者」が本名を隠すのはかなり不自然です。

他にも吉田は「東司「栄司」といった筆名を使い、本名を明かすことはありませんでした。歴史家が作品中の「史実」に違和感を覚えても、実名が判らない以上、追跡は困難です。これが吉田本の仕掛けの一つでもあったのです。

吉田の小説に登場する「私」は吉田が創出した架空の人物です。そうして、作者もまた架空の存在に近い正体不明の人物だったのです。

「何が目的でこんな作り話を書くんでしょうか」(『昭和史の謎を追う・下』文春文庫498頁)

済州島の地元紙『済民新聞』の文化部長は92年3月、訪ねてきた日本人にそう聞き返しました。現地を訪れたのは、歴史家の秦郁彦氏でした。地元メディアの素朴な疑問に対し、秦氏は答えに窮したといいます。

昭和史の謎を追う〈下〉 (文春文庫)

この時の現地調査で、吉田清治の嘘は完全に暴かれました。ストーリーに登場する逸話の裏付けが何一つ発見されなかったのです。物語のハイライトである「慰安婦狩り」そのものが創作だと判明した瞬間でした。

「著書は小説だったという声明を出したらどうか?」

秦氏は電話で直接、吉田清治にそう勧めました。現地調査の結果が産経新聞や『正論』で大きく取り上げられてから既に数年後のことでした。しかし、吉田清治は突っぱねました。

「私にもプライドはあるし、八十五歳にもなって今さら…このままにしておきましょう」(『慰安婦と戦場の性』新潮選書246頁)

慰安婦と戦場の性 (新潮選書)

秦郁彦氏
吉田清治に“訂正”を求めたのは、歴史真実派だけではありませんでした。捏造派の生き残り、吉見義明も吉田に「誇張部分の訂正」と原資料だと主張する「妻の日記」の公開を要請したのですが、同様に拒まれました。

「私どもも吉田清治証言が正しいというふうには言っていないわけですね。私の書きました本『従軍慰安婦』でも吉田証言は一切取り上げておりません」(『歴史教科書への疑問』展転社224頁)

歴史教科書への疑問―若手国会議員による歴史教科書問題の総括

吉見義明氏
吉見善明氏は、吉田の小説を著作に引用しなかったことを自負しています。吉田本がフィクション作品であることを暴いた決定打は、秦氏の現地調査ですが、それ以前に吉見らは疑いを抱いていました。

吉田清治が済州島に乗り込んで「慰安婦狩り」を行なったという記述が、デビュー作では「昭和19年4月」なのに対し、2作目では「昭和18年5月」と異なります。単純な設定ミスがあったのです。

そして、小説内で披瀝される経歴も嘘と虚飾に満ちていました。

吉田清治はデビュー作で「本籍地は山口県」と記しているのですが、実際は福岡県芦屋町西浜。そして上京して都内の大学に通ったといいます。朝日新聞は吉田の学歴を法政大卒と報道したが、明らかな詐称でした。

また吉田は、秦郁彦氏に対しては自分は、法政大中退と説明していたのですが、同大学には在籍記録が存在しません。

学歴さえもこの有様ですから、職歴はさらに謎です。昭和14年から約1年間、吉田は日系キャリアの中華航空上海支店で営業所主任を務めていたと自己紹介しています。しかし、元中華航空の関係者で吉田を記憶していた者は皆無でしたた。吉田は当時自らを中華航空の主任だとしているのですが、その主任を誰も覚えていないのです。

秦氏が精緻に経歴を追って事実確認が出来たのは、戦中に吉田清治が労務報国会という半官半民の組織で働いていたことだけでした。そうして、これが慰安婦狩りの実行部隊」として小説に登場する組織です。

過去には、清治について「元日本軍人」と解説されるケースが多く見られました。ウィキペディアでも誤った説明が長い間訂正されず、そのまま残っていました。現在では、訂正されています。吉田雄兎が所属していた労務報国会は、軍とは一切関係のない団体です。

労務報国会は、日雇い労働者の適正配置を促進する目的で昭和17年に設立されました。荒っぽい沖仲士などの労務者と供給・斡旋する業者らの特殊な組織です。そこで吉田は下関支部の動員部長だった自称しています。

秦氏の調査で、当時の吉田を知る人物が複数確認されました。組織にいたことは事実です。同時に、吉田の自称ノンフィクションに最初の疑問が呈されたのも、この組織でした。

「慰安婦狩の命令は西部軍→山口県知事→下関警察署長→吉田のラインで来たとしているが、関係者はこのような命令系統はありえないと否定する」(『昭和史の謎を追う・下』文春文庫498頁)

西部軍とは中国・四国・九州を管轄する帝国陸軍の大組織です。その司令官からの命令書を吉田が受け取ったというのです。プロット段階で話が荒唐無稽すぎます。そうしても゜焦点の慰安婦狩りシーンは当然のことながら全て創作です。



史実どころか自分史をも嘘で塗り固めた吉田清治。その人生で最も不可解なかたちで登場したのが、吉田の息子です。

金永達(キム・ヨンダル)という息子が吉田清治のデビュー作『朝鮮人慰安婦と日本人』で紹介されています。もちろん日本人ではなく、朝鮮人です。そして、この名前もまた仮名です。

実名は、李貞郁(リ・ジョンウク)。秦氏への説明によると、吉田は昭和12年4月に、この李貞郁を養子に迎え入れたといいます。なんと、不自然で唐突すぎる縁組みでしょう。

この時、大正2年生まれの吉田雄兎は24歳。設定では大学卒業直後の独身者です。一方の李貞郁は、大正6年生まれの20歳でしたた。4歳年下の朝鮮人を養子として入籍させたとうのです。

吉田の小説では、息子は同じ昭和12年に満州に渡って日本人教師と結婚。そして陸軍に入隊し日支事変で戦死したことになっています。しかし、現実は違います。

「養子にした李貞郁は、戦後は日本人として生活していたので、差別を避けるため金永達の仮名を用い、戦死していたことにしておいた」(『慰安婦と戦場の性』244頁)

嘘が暴かれてから4年後の平成8年、吉田は秦氏にそう明かしました。悲劇的な息子の戦死シーンは完全な創作だったのです。それでも吉田清治は、著作がフィクションであることを認めようとしませんでした。

秦氏の質問に対し、吉田の息子・李貞郁は昭和17年に妻帯し、58年に死亡したと答えています。また生前の職業は、労働組合の幹部だったといいます。

奇妙なストーリーです。朝鮮人を養子に迎えるには、相応の背景なり理由があるはずですが、吉田は何も語っていません。24歳の独身男が朝鮮青年を養子にするという異常事態に親兄弟ら縁者らは反対しなかったのでしょうか。

吉田清治とは一体何者なのでしょうか。プロフィールを調査していた秦郁彦氏は、学歴を辿る過程で、衝撃的な事実に出くわしまし。吉田雄兎は、戦前に死亡していたのです。

昭和初頭、吉田雄兎は地元福岡の門司市立商業高等学校に入学しました。同校は大正7年創立の伝統校で、現在は福岡県立門司大翔館高校へ名称を変更しています。

その門司市立商高の昭和6年度卒業生名簿には、吉田雄兎「死亡」と記されていたのです。何らかのミスがあったようには思えません。

我が国の戸籍制度は戦前から厳格で、軽々に市民を死亡扱いとすることはありません。公的な資料とも言える公立校の卒業名簿で死亡者になっていたことを覆すことはかなり困難なことです。

福岡は吉田の出身地です。親兄弟・親類縁者が身近に居れば、卒業名簿で「死亡」と誤表記される事態になることはあり得ません。非常に不自然です。実際の戸籍上では、どのような扱いなのか興味が尽きないところです。

そして、高校での死亡扱いから40年余り、吉田雄兎の本名を持つ、異形の架空戦記作家が世に現れたのです。果たして、吉田清治の筆名を名乗る男と卒業名簿で死亡扱いだった吉田雄兎は同一人物なのでしょうか。

吉田本には、両親や他の家族にまつわるエピソードが殆ど登場しません。偽りの個人史の片隅に出てくるのは、唐突に養子にした“息子”李貞郁と昭和19年5月に結婚した妻のフサエです。

吉田清治こと吉田雄兎(読売)
ドキュメントを偽装するにしても、小説として、少年時代や家族の逸話をバッサリ削ることは構成的に不自然です。

いったい、吉田清治こと吉田雄兎は何処から来て、何処に消えたのでしょうか。

平成28年の現在でも、吉田清治は生きています。この現代社会で生きていることになっているのです。正確に言えば、死亡が確認されていないのです。

吉田清治こと吉田雄兎の生年月日は、大正2年(1913年)10月15日。実に100歳を超えている。現在なら、かろうじて生きていても決して不思議ではない年齢ではあります。

しかし、今世紀に入ってぷっつりと音沙汰が途絶えています。秦郁彦氏が自白を引き出したのが、最新の発言になるかも知れません。これは、18年前のことです。当時、吉田雄兎は85歳と話していました。その頃の写真をみても、かなり老けています。

もし、今も生きているなら吉田雄兎は、どこに居るのでしょうか。養護施設で暮らしている可能性もあるでしょうが、それを示唆する情報も皆無です。稀代のダークヒーローとして盛んに取り上げた反日メディアも、吉田の消息について一切触れていません。

我が国では年間に約1000人程が行旅死亡人として埋葬されます。行旅死亡人とは、行き倒れ人など身元不明の死亡者のことです。ドヤ街を転々とし、身寄りもIDカードも持たず、ひっそり他界する者も少なくありません。

しかし、吉田は住所不定の労務者とは違います。著作権所有者は、個人情報満載の「著作権台帳」を活用すれば追跡が容易いです。そして、著作権切れを判定する必要から、死亡年月日の確認は重要です。

それでも出版元を介した情報もありません。ミステリーです。特定の狭い専門分野でもあるにせよ、吉田清治は国連リポートにも名を刻む著名人です。クマラスワミ報告書にも、引用された書籍を書いた人物です。そして反日陣営が頼る、唯一の加害側証言者です。

この吉田が、捏造慰安婦騒ぎが拡大し続ける中、現代の日本社会で十数年も隠棲することが可能なのでしょうか。まるで闇に消えてしまったかのようです。

生まれも育ちも末期までも、その人生すべてが曖昧です。正体不明の詐欺師・吉田清治こと吉田雄兎。ハッキリと残っているのは、この男の捏造話で我が国が受けた大きな傷跡だけです。

以上の事実は、別に新しい発見でもなんでもなく、様々な書物などに断片的に書かれていたものを掲載しただけのものです。

しかしながら、今回ブログ冒頭の記事にある通り、吉田清治の長男とされる人物が現れただけではなく、大高氏がインタビューしているというのです。

これで、少なくとも吉田清治が生きているのか、死んでいるのか、なぜあのような小説を書き、それをフィクションと偽ったのか、明るみに出るかもしれません。

これをきっかけとして、元々は、吉田清治のせいで修正された過去の誤った歴史が、正しいものに完璧に改められることを期待します。そうして、なぜ歴史が修正されてしまったのか、吉田清治の息子へのインタビューでとどまることなく、その真実に迫っていただきたいものです。

家族が見つかったのですから、そこから多くの人脈に、多くの人があたれば、さらに多くの事実が明かされるはずです。どんどん明らかにしてほしいものです。

また、長男とされる人も、勇気を持って様々なことを明らかにしていただきたいものです。何よりも、吉田清治とされる人物を裏で操っていた人物や組織を白日の下にさらしていただきたいものです。

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歴史教科書への疑問―若手国会議員による歴史教科書問題の総括

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2016年5月24日火曜日

やはり嘘だった財務省の「増税の影響は軽微」 衆参ダブル選再燃も―【私の論評】政府は私が中学の時に味わった、鮮烈なアハ体験を国民に味合わせるべきだ(゚д゚)!

やはり嘘だった財務省の「増税の影響は軽微」 衆参ダブル選再燃も


 1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0・4%増、年率換算で1・7%増と2四半期ぶりのプラス成長となった。

その中身で注目されるのは消費と設備投資だ。民間最終家計消費は0・5%増、寄与度は0・3%となっている。民間企業設備は1・4%減、寄与度はマイナス0・2%である。

まず消費から見ていこう。GDP統計での消費は総務省の「家計調査」などから推計している。ただし、この統計は、うるう年の影響を基本的に考慮していない。このため、今期の数字はうるう年のためにかさ上げされている可能性がある。

それをある程度裏付けるのが、日銀が新たに公表した「消費活動指数」だ。それでみると、3月は前月比0・5%低下となっている。

日銀の消費活動指数は、総務省の家計調査だけでなく経済産業省の商業動態統計なども加味して作られた統計で、家計調査の種々の欠点を補っている。いずれにしても、各方面からいろいろな統計が出るのは統計分析家の筆者としては大歓迎である。

こうした事情もあるので、菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で、個人消費の伸びが0・5%増だったことに関し、「全体として弱含みだ。消費税(2014年4月の5%から8%への引き上げ)の影響がまだ残っている」との見解を示した。

ちなみに、対前年同期比では、うるう年効果にもかかわらず消費はほとんど横ばいである。うるう年効果を除くとマイナスという見方もできる。

もともと消費増税の悪影響は2年程度あっても当然だ。財務省やエコノミストらは増税前に「消費増税の影響は軽微」「実際に悪影響が出てもせいぜい3、4カ月」と、トンデモない説明をしていたことになる。

次に設備投資をみてみよう。設備投資は、実質金利と将来の需要動向によって決まる。実質金利はマイナス金利の導入などによって下がったが、今までの消費動向がさえないので、将来不安が増大して、設備投資はマイナスの伸びと芳しくなかった。

日銀の追加金融緩和とともに、消費を立て直すために、給付金や減税などの追加財政措置が必要な事態だ。

菅官房長官は、今回の速報値が来年4月の消費税率10%への引き上げの判断材料になるかとの質問に対し、「ならない」と答えている。少なくとも、増税を実施する決め手になるとはみていないだろう。逆にこれで増税延期や凍結とみるのも早計で、増税の是非に関しては「『適時適切に判断する』という安倍晋三首相の答弁に尽きる」としている。

民進・共産・生活・社民の野党4党の党首は、今国会に内閣不信任案を提出するようだ。こうなると、熊本地震で一度は消えた7月10日の衆参ダブル選挙が行われる可能性が再び出てきたといえるのではないか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】政府は私が中学の時に味わった、鮮烈なアハ体験を国民に味合わせるべきだ(゚д゚)!

まずは、最近のGDPの推移を振り返っておきます。以下の表をご覧ください。1〜3月の水準は、昨年7〜9月とあまり変わりありません。うるうるう年効果を考慮に入れると、若干悪いと言っていいくらいです。


ブログ冒頭の記事にもでてきたような、うるう年効果について見てみます。下の表をご覧ください。



百貨店の今年2月度売上高は前年同月比で0.2%増。2カ月ぶりのプラスですが、実質は「0.2-3.6」でマイナス3.4%となります。スーパーは春物コートが好調で3.4%増だそうですが、実質は0.2%減でした。

経産省の商業動態統計調査で、小売業は0.5%増ですが、うるう年効果が剥げ落ちると3.1%減となります(上表参照)。

好景気の時は、それほど気にする必要もないでしょうが、現状のように本当はマイナスなのに、うるう年効果でプラスになってしまうのは問題です。ゲタを履かせた数値がメディアで躍ると、不景気にもかかわらず、景気は回復基調にあると勘違いしてしまいそうです。

複数の民間シンクタンクが、今年の3月に2月の家計調査結果を分析して、5月半ばに公表される1~3月期のGDP成長率は、うるう年効果を見込んで、0.3ポイント、年率換算で1.2ポイント押し下げて見ておいたほうが良いとしていました。

私は、このシンクタンクの見方は正しいと思います。そこで、修正をいれたGDPを見ることにします。1月 〜3月期の修正値は、0.1、年率換算では0.5ということになります。

これでは、かろうじてマイナスにならなかったというだけです。景気が低迷していたことを考えると良い数字ではありません。マクロ経済学では2期続いてマイナスが続くと、リセッション入(景気後退局面入)とみなしますが、かろうじてリセッション入を免れたということがいえます。

この状況では、増税なんて全く考えられません。それに日銀が追加金融緩和をしなかったことも解せません。

なぜ、このような状況のときに、増税すべきなどと言い出す人がいるのか全く理解に苦しみます。

私が中学生だった頃、社会の教科書には、景気が悪いときには、政府は積極財政をして、日銀は金融緩和をする、景気が良い時には、政府は緊縮財政をして、日銀は金融引き締めをすると掲載されていたのを記憶しています。

そうして、実際に積極財政の方法としては、公共工事を増やす、減税する、給付金を増やすなどの方法があると学びました。金融緩和の方法としては、公開市場操作で、買いオペがあると学びました。今考えると、当たり前のことなのですが、その頃はこれを本当に理解するのは結構難しかったです。しかし、最後にはとうとう理解することができました。

以下に公開市場操作(オープン・マーケット・オペレへーション)の仕組みの図を掲載します。この仕組みが本当にわかったときの喜びは、今でも忘れていません。

このようなカラクリを知った当時中二病だった私は、有頂天になって、自分は日本の経済は何とでもできる、自分が日銀総裁になったり、政治家になったら日本経済は永遠に成長し続けることができるなどと思ってしまい全能感に包まれました。今から考えると、本当に愚かだったと思います。

しかし、金融政策や財政政策の基本中の基本を初めて知ったときのなんというか、アハ体験はそれほど鮮烈なものでした。



さすがに、中二病からは立ち直り、なぜか高校では、中学で味わったほどのアハ体験をすることもなく、大学はたまたま数学や物理が好きだったので理系に進学し、しかしこのアハ体験を引きづったまま社会人になったのですが、そのアハ体験もいつの間にか忘れてしまい、気づくと日本はこれまたいつの間にか万年デフレのどん底に沈んでいました。

そうして、これは何かおかしいと感じて、よく調べてみると、あの中学の時のアハ体験で体感した景気が悪いときには、日銀は金融緩和策を政府積極財政をすべきということがなされず、長い間逆のことをやっていることがわかりました。

そうして、サイトなどを調べてみると、私のように不況のときには、金融緩和や積極財政をすべきと主張する人々は、リフレ派と呼ばれ、少数派であることを知りました。

そこで、あのアハ体験をした私は、不審に思ってマクロ経済学の本を買ってきて読んでみました。すると、私のあのアハ体験で体験したことは、間違いでもなんでもなく、マクロ経済学では当然とされていることを知りました。

この時の私の驚き、憤りは大変なものでした。しかし、それからしばらくして、いわゆるリフレ派の考え方も普及して、安倍自民党内閣が誕生して、さっそく金融緩和策がとられるようになり、景気はどんどよくなっていきました。特に、雇用はものすごい勢いで回復していきました。ただし、なぜか積極財政のほうはおざなりになっていました。

そうしたところに、いつの間にか8%増税です。あのアハ体験で体感したこととは、真逆の緊縮財政をするわけですから、私としても、このブログて大反対しました。

しかし、8%増税が実行されて、その結果は予想どおりのものでした。

最近では、10%増税を実施すべきという人もいて、中には10%増税をして、大型景気対策をすべきだと主張する人も現れています。

しかし、今一度あのアハ体験で体感した、原点にもどってみても、現在の公民の教科書ですら、景気の悪いときには増税して大型景気対策をすべきなどととは一言も掲載されていません。

それに標準的なマクロ経済学の本を読み返してみても、そのようなことは一言も書かれていません。書かれているのは、日銀は金融緩和を、政府は積極財政をすべきということだけです。

そうして、積極財政とは、増税の真逆の減税をすること、公共工事を増やすこと、給付金政策を拡充することなどです。

ただしこれは、後で知ったことですが、公共工事は現状では公共工事の供給制約があって、なかなか難しいです。最近は、この制約も緩んできてはいるようですが、それにしても、建築業者のほうは将来どうなるのか心配しているようで、設備投資もあまり進んでいません。しかし、減税は財源がなくてもできる最も簡単な方策です。であれば、本来なら増税ではなく真っ先に減税をすべきでした。

公共工事の供給制約を示すグラフ

それにしても、こんな時期に増税すべきなどという人は、一体どうなってしまったのでしょう。

そのようなことを言い出す人たちは、それこそ、私が中学生の頃罹患していた、中二病なのではないでしょうか。

中二病の症状としては以下のようなものがあります。
  1. 急に親に冷たい振りをする(母親をおふくろやおかん呼び・プライバシーを尊重してくれなど)
  2. 愛想が無くなり孤独を好むようになる(いわゆる“孤高”)
  3. 突然ブラックコーヒーを飲みだす
  4. 急にロックや洋楽を聴き始める
  5. ロングコートやマントに憧れ銃やナイフを携帯したくなる
  6. 学校が武装集団に占領されて自分1人で戦う事を妄想する
  7. やれば何でもできるかのような万能感を感じるが、実際に行動に移すことは少ない
  8. メディアやインターネットで仕入れた知識を自分の考えであるかのように語る(『アメリカって汚いよな』など)
  9. 上記に付随し、見た・聞いた知識を経験として語る。売上で優劣を付け人気作品を人気が出る前から知っていたなど
  10. 様々なものを批判しはじめる一方、ある種カルト的なものを崇拝する
この中で、特に7.や8.が当てはまるように思います。

7.に関しては、やれば何でもてきるような万能感とは、マクロ経済の理論に背いても、増税しても、日本経済への影響は軽微と勝手に考えこみ、増税を支持する。そうして、中学生の中二病よりたちが悪いのは、実際に自分の立場など利用して、増税賛成の世論を盛り上げるなどのことを行ってしまうのです。

8.に関しては、メディアや財務省などから仕入れた知識を自分の考えであるかのように語り、増税の正当性、ありもしない財政破たんの危機を煽るのです。

10.も当てはまるかもしれません。リフレ派を徹底的に批判し、まるでカルトのような、景気が悪いときでも増税しても経済に悪影響はあまりでないという妄想を信じ込みます。

そうして、大人の中二病は、中学生の中二病より始末が悪いです。中学生の中二病は、まだ親の保護観察下にあるので、他に及ぼす影響は少ないですし、それに一時の、大人になるための通過儀礼のようなものであり、いずれ治ります。だから、中二病はあまり深刻なものではありません。

しかし、大人の中二病は始末に悪いです。特に社会的地位の高い大人の中二病は、国民全体に影響を与えます。実際、これらの人たちの中二病は8%増税で、多くの国民の消費意欲を減退させ、今日の事態を招いてしまいました。そうして、こういう大人は満足にアハ体験もしていないのではないでしょうか。だから、簡単に大人の中二病に罹患してしまうのかもしれません。

アハ体験ができる動画。大きな画面で見たほうが発見しやすいです。

国民のうち、40歳未満くらいの人だと社会人になってから、ただの一度も景気が良かったことがないというとんでもない状況を招いてしまいました。

その他の人たちだって、長い間デフレが続き、もう景気の良かった時代などはるか昔のことで、もう永遠に景気は良くならないと思い込んでいるようです。

こんなことは、なしにしましょう。政府は、私が中学生のときに味わったようなアハ体験を国民全員に味わってもらえるように努力すべきです。

そのためには、私がアハ体験で理解した、追加金融緩和と積極財政の両方を実行して、早期にデフレから脱却して、国民にデフレでない世の中を体感してもらうべきです。デフレでない、緩やかなインフレの時代を創りだすべきです。それ自体が、アハ体験になりますし、インフレの時代はデフレの時代に比較して、ずっと多くのアハ体験ができると思います。そうして、その結果として、消費が拡大し、景気は良くなります。

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