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2019年1月17日木曜日

レーダー照射問題 韓国軍、日本の武官を呼び抗議―【私の論評】今年は、米国が韓国から本格的に北朝鮮に軸足を移していく年となる(゚д゚)!

レーダー照射問題 韓国軍、日本の武官を呼び抗議


レーダー照射問題 韓国軍、日本の武官を呼び抗議

韓国国防部は17日、日韓のレーダー照射問題に対して日本が一方的な主張だけを続けていると判断しこの日、国防武官を呼んで抗議した。

これは昨年12月21日、日韓のレーダー照射問題が起きて以来、韓国側で約1か月ぶりに行う駐韓日本国防武官に対する初めての措置だ。

双方はテレビでの実務者会議(12月27日)と将官級が参加する対面実務会議(シンガポール、1月14日)など2度にわたり協議を行ったが、立場の違いを確認しただけで、これといった解決策は用意できなかった。

国防部によると、イ・ウォンイク国際政策官はこの日午前、日本海上自衛隊の武官をソウル・国防部庁舎に呼び、1時間ほど最近の事態への懸念と共に抗議の意を伝えた。

国防部は「昨日、日本防衛省が韓国の武官を呼び、(14日の実務会議関連)報道官会見に対して抗議したことと関連し、きょう駐韓日本武官を呼んで関連内容に対する事実関係を明白にし、厳重に抗議した」と伝えた。

また「報道官会見の際に言及した実務会議内容の言及は、正確な事実であることを強調した」とし、「日本メディアが両国間の会議終了前には報道しないとする事前合意を破り、関連内容を報道したことに対して防衛省へ厳重に抗議し、再発防止を促した」と付け加えた。

【私の論評】今年は、米国が韓国から本格的に北朝鮮に軸足を移していく年となる(゚д゚)!

レーダー照射に関して、韓国軍が日本の韓国駐在武官を呼びつけ、抗議をしたというのですから、本当にあきれてしまいます。韓国は、この問題で日本に謝罪するつもりもないですし、よほどのことがない限りこれからもそうすることはないでしょう。

さて、このようなことがあっても、日米韓の同盟を大事にしろとか、韓国は中国・北朝鮮の緩衝地帯であるから、日韓関係を良くしなければならないなどとする人もいるようですが、これが根本的に間違いであることを本日は掲載したいと思います。

韓国というかその当時の朝鮮半島を「緩衝地帯」と明確に位置づけたのは、他ならぬロシアの南下を見据えた明治日本でした。ロシアはすでに1860年の時点で清から沿海州(外満州)を割譲させており、その最終目的地が朝鮮半島であることは当時の国際常識でした。



そのため、「日本の朝鮮侵略は1875年の江華島事件から始まっていた」等いう説は史実に反します。当時は大陸進出どころか、いかにロシアの南下に備えるか、という受身の戦略で精一杯でした。

その国家安全保障政策こそ、「清の属国から朝鮮を切り離し、近代的な独立国家に仕立て上げることで、日露間に緩衝地帯を設ける」というものだったのです。

その戦略を忠実に実行したのが1894年の日清戦争です。その後の下関条約で、日本はわざわざ朝鮮に独立を与え、お節介にも内政干渉してまで近代化を支援したのです。

ところが、この戦略は失敗に終わりました。というのも、「独立させれば朝鮮人とてロシアから自国を守ろうとするはずだ」という予測が外れたからです。

いや、「常識」が通用しなかったと言うべきか。国王を中心とする朝鮮支配層は、日本主導の近代化改革で制限された己の特権を取り戻すべく、ロシアの軍事力をバックにクーデターで日本派内閣を打倒してしまったのです。その直後から凄まじい勢いで国の権益をロシアに切り売りし、自ら属国へと傾斜していきました。

もともと当時の朝鮮は、日本が三国干渉に屈したのを見て、「清に代わる次の宗主国はロシアだ」と確信しようです。彼らには最初から独立の気概も願望もなかったのです。

こうして、朝鮮を緩衝地帯に仕立てるという日本の対ロ戦略は頓挫しました。それどころか、朝鮮は進んでロシアの手先になり、その軍事力を引き込み始めたのです。

結局、日本は己一人でロシアを迎え撃つ羽目になってしまったのです。

そうして次は、第二次大戦後の事例です。

朝鮮戦争は北朝鮮による南侵で始まりました。だから一般に「共産主義陣営と自由主義陣営の戦い」とされています。今でも「怒涛のごとく攻め込んできた中朝軍に対して、米軍を中心とした国連軍が必死で持ちこたえた」というイメージが強いです。ゆえに「韓国が緩衝地帯の役割を果たした」と漠然と信じられ、またこの事例が同説の最大の根拠となっています。

ところが、これですら「韓国緩衝地帯神話」に当てはまらないのです。なぜなら、日本に侵略したのは「南」のほうだからです。李承晩は独裁者に就任した直後から「北侵」による統一を何度も訴え、一方で「対馬奪還」を宣言し、軍を南部に集めました。

こうして、狂気の独裁者は、北朝鮮を散々挑発し、日本を侵略しようとして、自ら南侵を誘発したのです。むしろ、期せずして結果的に北が日本を助ける格好になっています。

朝鮮戦争時、日本は機雷対策や兵站などで国連軍を支援しました。日本という後方基地があったからこそ国連軍は機能したのです。また、大量の避難民も受け入れました。

それに対して礼を言うどころか、1952年、李承晩は一方的に「李承晩ライン」を敷き、竹島を強奪したのです。そして越境を理由に日本人を殺傷し、海上保安庁巡視船16隻を攻撃し、日本漁船を拿捕して約四千名を拉致抑留し、外交交渉の人質としました。



つまり、朝鮮戦争中(休戦は53年)に韓国は、日本を侵略したのです。しかも、完全に恩を仇で返す格好ですから、二重に悪質といえます。今でも韓国人は、「日本は朝鮮戦争で儲けた」とか「朝鮮戦争を引き起こした」などと、逆に因縁をつけてくる始末です。

日本が温かく受け入れた避難民をルーツとする在日コリアンですらそうです。「自分たちは強制連行されてきた」などと嘘八百を吹聴し、恩を仇で返し続けています。

以上、李氏朝鮮・戦後韓国の2つの事例を見てきました。

これらの歴史的事実からすると、韓国が大陸に対する「防波堤」や「緩衝地帯」であるとする見方は、とんでもないジョークであることが分かります。

むしろ、自ら侵略の拠点となるか、でなければ進んで大陸の手先をやってきたというのが事実です。バッファーどころか、韓国こそが常に対日侵略の震源地だったのです。

戦後においては、北朝鮮と韓国に別れましたが、韓国のほうが昔の朝鮮の気質をうけついでいるようです。北朝鮮も韓国も元々は一つでしたが、北朝鮮は中国とソ連と国境を接していて、これらと国境を接しておらず、しかも終戦直後は最強の米国軍が駐留したいない韓国とは、安全保障に対する考え方が全く異なります。

現状では、北朝鮮のほうが独立心は強く、韓国のほうは、従来の朝鮮のまま、独立の気概も願望もないようです。

この事実をみれば、ここ何日か私がこのブログで、以下のように掲載してきたことをご理解いただけるものと思います。
中国からの朝鮮半島の中国からの独立を守っているのは北朝鮮の核であり、韓国ではない。 
韓国は歴史的に中国や日本、米国の支配下に置かれてきた経緯からみても自国の防衛や独立に関心がない。中国に抵抗しようという気もない。 
韓国は中国の覇権に対抗するための国際連携の一員に加わることはできない。 
韓国が自らの独立に関心があるのであれば、在日米軍基地がある日本に安全保障を全面的に依存しているのに、日本といさかいを起こしたりしないはずだ。 
韓国が反日であるということは、韓国が本質的な外交政策に関心がないことを意味する。 
文在寅政権はこれまで米国に保護されていたのを中国に保護してもらうよう、打算的に移行しているにすぎない。
そうであるとしても、確かに北朝鮮の核は日米にとって脅威であることには変わりないですし、北朝鮮国内の人権侵害に関しては許容できません。

ただし、安全保障のみを考えると、上記のようなことは正しいです。

米国としては、当面の中国との対決を最優先するでしょうから、北朝鮮の中国からの独立の気概や願望を最大限に利用することになると思います。まさに、米国にとって、朝鮮半島が南北に分断され、北朝鮮が核を保有している現状が中国をにらみ望みうる最善の状態です。

韓国に関しては、もうすでに特にトランプ大統領は関心がなくなっているようです。

そうして当の韓国ですが、習近平主席が今年韓国を訪問するようです。

ノ・ヨンミン韓国大統領秘書室長は11日、習主席が来る4月の北朝鮮訪問に続き、5月に訪韓する可能性を認めたそうです。

ノ室長はこの日、国会で「共に民主党」のイ・へチャン代表を表敬訪問した直後、記者らに「確定した日程ではない」としながらも、「韓中間の疎通をしているが、まだ具体的安日程が出たわけではない。(しかし)いつからいつまでは出ている」と伝えました。

ノ室長は「上半期に訪問するのか」という記者の質問に「そうなる可能性が高い」と答えました。

先立って、イ・へチャン代表はノ室長との会談で「中国の習近平国家主席が4月に北朝鮮を訪問することが予定されているようで、5月には韓国に来る可能性が高そうだ」とし「中朝首脳会談が開かれ、米朝会談、南北首脳会談が開かれれば、朝鮮半島をめぐる北東アジアの平和ムードがかなり良くなると考える」と述べました。

文在寅と習近平

これによって、ますます文在寅政権は、中国に傾倒していくでしょう。ただし、文在寅の誤解は、北朝鮮が文氏が思っているよりはるかに、中国からの独立を希求しており、どちらかというと反中もしくは嫌中であるということです。金正恩は、文在寅を都合の良いように利用しているだけなのです。

以上から、ここしばらく、ますます中国に接近する韓国、中国からの独立する北朝鮮の独立の気概や願望を利用しようとする米国という図式で、朝鮮半島情勢が推移していくと見るべきです。

今年は、米国が韓国から本格的に北朝鮮に軸足を移していく年となるでしょぅ。無論、これは北朝鮮が米国の対中国冷戦に対して協力するか、あるいは許容するかを条件とすると思います。無論、中国の脅威がなくなった場合の北の核の廃棄も条件とすると思います。ただし、北への制裁はさらに継続し、北が人権問題に取り組む姿勢をみせ、米国に協調する姿勢を見せれば、少しずつ緩和する可能性はあると思います。

金正恩は、北朝鮮の中国からの独立、金王朝の存続を希求しています。北の核兵器の真の目的は、日米を脅すことではなく、中国からの完全独立です。米国は、中国の体制を変えるか、経済的に潰すことを希求しています。両者とも中国が敵であることは確かなので、両者が協調することは十分に考えられます。

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2018年10月5日金曜日

米議会で人気コメディアンなど数百人逮捕 キャバノー最高裁判事候補に抗議―【私の論評】この世界は、個人中傷キャンペーン等の嘘もすぐに見破られるところとなった(゚д゚)!

米議会で人気コメディアンなど数百人逮捕 キャバノー最高裁判事候補に抗議

BBC
After the FBI report's release, activists have gathered in the Senate office building to protest Judge Kavanaugh's nominationImage copyrightREUTERS
Image captionキャバノー判事の米最高裁判事承認に抗議して大勢が上院議員会館に集まった。赤い幕には「すべての生存者を信じる」と書かれている(4日、ワシントン)
性的暴行疑惑で揺れる米最高裁判事候補の承認手続きをめぐり4日、数千人が連邦議会などで抗議し、人気コメディアンのエイミー・シューマー氏など数百人が逮捕された。保守派のブレット・キャバノー高裁判事(53)を最高裁判事に推す与党・共和党は、連邦捜査局(FBI)の捜査の結果、性的暴行の疑いは晴らされたと表明。野党・民主党は反発している。
女性を中心とした数千人のデモ隊は4日、キャバノー判事が現在勤めるコロンビア特別区控訴裁判所を出発点に、市内を行進した。連邦議会議事堂や最高裁の前で集会を開き、「キャバノーは辞めさせなくては!」と繰り返した。さらには、上院のハート議員会館で座り込み、警察に退去を命じられるも拒否。警察によると、302人が逮捕された。その中には、シューマー氏やモデルのエミリー・ラタコウスキ氏も含まれていたという。
抗議する人たちは、「(性的暴行の)すべての生存者を信じる」と書かれた横断幕や、「女性の声を聞かなくては」、「務める資格なし」、「最高裁を救え」、「キャバ・ノー」などと書かれたプラカードを掲げて、承認に抗議した。
連邦議会警察は、廊下を歩く議員たちと抗議する人たちの間に柵を設置した。
ニューヨークのトランプ・タワー前でも抗議集会があった。
Comedian Amy Schumer (C) joins a protest on Capitol HillImage copyrightGETTY IMAGES
Image caption人気コメディアンのエイミー・シューマー氏(中央)も上院での抗議に参加し、逮捕された

承認の見通しは

上院本会議で過半数が承認に賛成すれば、キャバノー判事は終身の最高裁判事となる。
現在の最高裁判事はすでに保守派5人、リベラル4人で、保守派が優勢な構成。終身の最高裁判事たちの政治的傾向が圧倒的に保守寄りになった場合、その判決はトランプ氏の任期満了後も長く米社会に影響を及ぼすことになる。
現在の上院は、共和党が51対49で多数党だが、僅差だけに数人の穏健派議員が造反すれば承認は否決される。
しかし、上院司法委員会でその穏健派共和党議員の1人、ジェフ・フレーク議員(アリゾナ州選出)が求めた連邦捜査局(FBI)の捜査の結果、フレーク議員を含め穏健派議員2人が4日、性的暴行疑惑は裏づけられなかったなどと発言。キャバノー判事承認の公算が強まったとみられている。
上院共和党は5日午前10時半(日本時間同日午後11時半)に「討論終結」の議決を予定している。最終的な承認採決は6日午後5時半(日本時間7日午前6時半)ごろになる見通し。

Protesters outside court holding signs, one saying: SUSAN COLLINS DON'T BETRAY WOMEN, VOTE NO.Image copyrightREUTERS
Image caption連邦最高裁の前で、キャバノー判事の承認に反対する人たち。手前左のプラカードは共和党穏健派の1人、スーザン・コリンズ上院議員に「女性を裏切らないで、反対して」と呼びかけている

FBI報告書を評価

カリフォルニア州パロアルト大学で心理学を教えるクリスティーン・ブラジー・フォード教授は、お互いが10代のころにキャバノー氏に性的暴行を受けたと9月末に上院司法委員会で証言したキャバノー判事は同じ公聴会で、疑惑をすべて否定した。
フレーク議員が、フォード教授の証言内容をFBIが捜査しない限り自分は本会議で承認に反対すると表明したのを受け、ドナルド・トランプ大統領はFBIに捜査を指示。FBIは捜査報告書を4日までにホワイトハウスに提出し、ホワイトハウスが上院に提示した。
上院議員たちによるとFBIは、フォード教授の証言に関連する証人5人に事情聴取したほか、イェール大学でキャバノー氏に露出した性器を突きつけられたと名乗り出たデボラ・ラミレス氏の主張についても4人から事情を聞いた。キャバノー判事はいずれの告発内容も否定している。
上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)は、「捜査の結果、問題行動があった様子はいっさい伺えなかった」と明を発表した
一方で、同委員会の民主党筆頭委員、ダイアン・ファインスタイン議員は、FBIの報告書は「不完全な捜査の産物」で、事実関係を裏づけられる複数の重要証人が捜査協力を申し出たにもかかわらず、FBIはあえて事情を聞かなかったと非難した。司法委に所属する民主党のリチャード・ブルーメンソール議員は記者団に「ごまかしだ」と述べた。
これに対して、フレーク議員は「裏づけとなる追加情報はなかった」と発言。同じく共和党穏健派のスーザン・コリンズ上院議員(メイン州)も、「とても綿密な捜査だった」と評価した。
同様に造反の可能性があるとみられていた共和党のリーサ・ムルコウスキ上院議員(アラスカ州)は4日、事務所で性的暴行の生存者と面会したと言われている。
一方で、承認に賛成を検討していたとされる民主党のハイディ・ハイトキャンプ上院議員(ノースダコタ州)は、キャバノー判事の「過去の行状に関する懸念」を理由に、承認に反対することにしたと発表した。
民主党側でもう1人、賛否を明らかにしていないジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)は、5日の午前中にFBIの報告を読み終えるつもりだと話した。
ホワイトハウスのラージ・シャー報道官は、「(キャバノー判事を)批判する側は、高校生の飲酒について果てしない調査を求めている」と批判した。
一方で、共和党穏健派のジョーン・コーニン上院議員は同僚議員たちに、「これは自分たちがアティカス・フィンチかどうかが問われている」と発言し、周りを驚かせた。アティカス・フィンチとはハーパー・リー作の小説「アラバマ物語」に登場する弁護士で、人種差別の激しい1930年代のアラバマ州で白人女性を強姦したと無実の罪に問われた黒人男性を弁護する。
私は無実だ」 キャバノー判事と共和党、激しく反撃

この間、上院公聴会での激しい口調や、民主党議員に向かって飲酒で記憶をなくしたことはあるのかなど繰り返し問いただした攻撃的な態度、自分に対する性的疑惑は民主党やビル・クリントン夫妻による政治的工作だなどと批判した政治的偏向ぶりなどを非難されているキャバノー判事は、米紙ウォールストリート・ジャーナルに論説を寄稿し、「自分の口調がきつかったことは承知している。言うべきでないこともいくつか言ってしまった」と書いた。
米政界では11月6日に、連邦議会などの中間選挙が行われる。民主党が下院の過半数を奪還する可能性があるだけに、共和党は中間選挙の前に保守派判事を最高裁に送り込みたい構えだ。

【私の論評】この世界は、個人中傷キャンペーン等の嘘もすぐに見破られるところとなった(゚д゚)!

ドナルド・トランプ米大統領は今年の7月、連邦最高裁判事の引退に伴い、その後任として、保守派で熱心なカトリック教徒でもあるブレット・キャバノー判事(53)を指名しました。

トランプ政権による判事の指名は2人目です。今後、上院の承認手続きを経て就任となる見通しでした。 前任のアンソニー・ケネディ判事(81)は、保守派ではあるものの、同性結婚合法化や人工中絶などを支持することもあり、リベラル寄りでした。

一方、後任のキャバノー氏は人工中絶に反対の立場を取るなど、典型的な保守です。

 これにより、長官を含む計9人の最高裁メンバーのうち、「保守派5人・リベラル派4人」の構図が明確になると指摘されていました。 

オバマ政権下の2016年6月、最高裁は、テキサス州の州法である人工中絶の制限を無効とするリベラル的な判断を下しました。州法は、人工中絶を行う病院に対し、廊下の幅や空調などに厳しい規制を課していました。

 最高裁は、5対3で同州法が無効と判断 (保守派判事の急死により、1人欠員していた)。このリベラル的な判決を決定づけたのが、今回引退するケネディ判事による投票でした。

もしケネディ判事が州法を有効と判断していれば、4対4の可否同数となっていました。 新たにキャバノー氏が就任することで、最高裁の判断が保守的になると期待されています。最高裁判事は、引退や弾劾、死亡した場合を除いて終身制です。

トランプ政権後も、司法に「保守の遺伝子」が残り続けることになるでしょう。 司法の保守回帰への期待に加えて、米メディアで興味深い論点が報じられていました。

7月9日付FOXニュースに、このような題の寄稿記事が掲載されました。 

「トランプが指名した最高裁判事ブレット・キャバノーは、私たちの最も聖なる権利である信教の自由を守ると信頼できる」 

寄稿したのは、「ファースト・リバティ・インスティチュート(First Liberty Institute)」という組織のCEOを務める、ケリー・シャックルフォード氏。同組織は、アメリカ国民の信教の自由を守ることを目的とした、国内最大の非営利団体です。

ケリー・シャックルフォード氏

 シャックルフォード氏は、全国民に信教の自由を保障する「合衆国憲法修正第一条」に関するキャバノー氏の実績などから、こう述べています。 

「彼(キャバノー氏)の意見は、政府が神から与えられた人間の権利を守るために存在し、憲法は、権利を守ることを信託された政府が、権利を侵害することがないよう存在するという原則に、一貫して忠実だ」

 注目すべきは、最高裁判事を選ぶ際に、信教の自由をどのように扱ってきたかという実績が問われているということです。信教の自由が、あらゆる権利の根幹を成すという考えが現れていると言えます。

日本ではあまり見られない事象です。 トランプ氏の最高裁判事の指名からは、司法の方向性と、信教の自由の重要性をうかがい知れます。

リベラル・左派としてはこの信仰の自由というのが気に食わないのでしょう。信仰の自由は守られるべきことですが、リベラル・左派にとっては、ピューリタン的な考えかたが世の中で息を吹き返すことは我慢ならないのだと思います。

しかし、それは彼らの考え方であって、米国の人口の少なくとも、およそ半分は存在するとみられる保守層は、ピューリタン的考え方を自らの信条としたり、信条とまではいかなくてもかなり親和的です。

ただし、米国の大手新聞はすべてが、リベラルであり、大手テレビ局はFOXTVを除いてすべてが、リベラルであるため、この保守派の考えなど長年無視されてきました。

しかし、トランプ大統領誕生により、米国には保守層が厳然として存在することが誰の眼にも明らかになりました。

ブレット・キャバノー氏の無罪は、はっきりしているようです。それは国際政治学者の藤井厳喜氏は以下の動画で断言しています。



この動画にあるように、被害を受けた女性のとされる人の証言が全くあやふやであることと、米国では司法関係者も政治職についたりするので、キャバーノ氏は過去24年にわたり6回もFBIの身辺調査を受けて、何もでてきていなかったと言う事実もあります。

これは、10月の中間選挙に向けて民主党はかなり追い詰められていることから、選挙キャンペーの一環として、このようなバカ真似した可能性が高いです。

このようなことは日本でもあったことです。たとえば「もりかけ」騒動です。あれだけマスコミや野党政治家などが騒いで、国会で時間を費やしたにもかかわらす、何にもでてきませんでした。

米国でも、トランプ氏個人に対する中傷も酷いものがありました。しかし、このようなキャバノー氏、トランプ氏、安倍氏に対する推定有罪的な中傷キャンペーンはあまり効果がないようです。

今やネットで様々な情報が得られる時代です。情報源がほとんどテレビや新聞という年配者は別にして、70歳未満の人だと自分の意志でいくらでも、多くの情報源にあたることができます。

そんな時代に、いくら中傷キャンペーンをやっても世界のどこの国でもすぐに見破られてしまうことでしょう。中国や北朝鮮などの例外を除けは世界は変わったのです。

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2016年12月20日火曜日

中国が抗議…空自「妨害弾」の真実 オスプレイ報道も疑問 ジャーナリスト・桜林美佐氏が迫る―【私の論評】日本のマスコミ、翁長知事、民進党は中国スパイでなくて馬鹿であって欲しい(゚д゚)!


那覇基地からスクランブル発進する、航空自衛隊のF15戦闘機
 

中国軍機6機が10日、沖縄本島と宮古島の間を通過した際、航空自衛隊のF-15戦闘機がスクランブル(緊急発進)した。当然の防衛行動だが、中国国防省は「空自機が『妨害弾』を発射して安全を脅かした」と発表し、日本政府は「事実と異なる」と反論・抗議した。日本に迫る危機について、ジャーナリストの桜林美佐氏が迫った。

「クリーピング・エクスパンション」とは、ほふく前進でいつの間にか敵の陣地を奪うことをいう。中国がまた歩を進めてきた。

沖縄での件について、中国が主張する「妨害弾」が、何を指すかは不明だ。仮にミサイルを欺瞞(ぎまん)するフレアが発射されたとしても、それは危険回避のための措置であり「防御弾」と言った方がいいだろう。

防衛省はフレア使用を明白にしていない。ハッキリしているのは、現場空域で、中国機がかなり危険なことを仕掛けてきていることと、あらぬ言い掛かりをつけてきていることだ。

気になるのは「戦闘機にはパイロットが乗っている」という当たり前のことを、国民が忘れているのではないかということだ。危険にさらされているのは鉄の塊ではなく、生身の人間なのだ。

連日のように、中国軍などによる恫喝(どうかつ)を受けて、命のやり取りをしているのだとしたら、どのような精神状態だろうか。案じる理由は、日本独特のいびつな状況にある。

防衛ジャーナリストになる以前の桜林美佐氏
元戦闘機パイロットで、航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将は「万が一、沖縄県・尖閣諸島上空で、『領空侵犯事態』が起きた場合、どうすべきかが問題です」という。

今回のスクランブルを「領空侵犯機」への対応と捉えるような記事の見出しが散見されるが、正確ではない。自衛隊はあくまでも「領空侵犯を阻むための措置」をしているのである。

しかし、一線を越えられてしまっても、法的には撃墜はできないことになっている。安全保障法制論議でも忌避された法的不備を、政治はどうするつもりなのか。

佐藤氏は「毅然として、列国空軍と同様の対応を取ることが必要です。中国の戦闘機が反抗してきたなら撃墜することです。必ず撃墜しなければ相手がつけ上がるばかりです」という。

そのための法的根拠がなければ、国の意志が示されないことは言うまでもない。責任まで現場に丸投げは許されない。

さらに、ひどいのは一部マスコミだ。

まさに一触即発の防空がなされている最中、空自基地で情報管理のために通話記録を任意で集めたとして、批判的記事が出ていたのには驚いた。

沖縄で不時着したオスプレイ
 沖縄でのオスプレイ事故も、米軍パイロットは乗員の命を守り、沖縄県民も被害に遭わせない、ギリギリの操縦をした。熊本地震の救援にも駆け付けた人物という。報道は批判一色で、同盟国の軍人に対する、お見舞いの言葉も見られない。中国には数日後にやっと抗議したのに、米軍にはすぐに苦言を呈した。

一体、日本の置かれた状況を分かっているのだろうか?

【私の論評】日本のマスコミ、翁長知事、民進党は中国スパイでなくて馬鹿であって欲しい(゚д゚)!

現在の日本の対応は、領空侵犯前に所属不明機等が防空識別圏に侵入した場合は戦闘機が緊急発進し、所属不明機に張り付きます。同時に、無線と戦闘機による警告が実施され領空侵犯が確実と場合は警告射撃を行い、強制着陸をさせます。

実例として、1987年12月9日に発生した対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件があります。この時は領空侵犯機がTu-16J型機でしたが、堂々と沖縄上空を飛翔しています。

領空侵犯の時点で迎撃に上がった航空自衛隊第302飛行隊所属のF-4EJ戦闘機2機の内1機が警告射撃を実施していますが効果はなく、悠々と空域を離脱したそうです。

このようときのロシアのTu-16Jように警告に従わず、領空を侵犯する所属不明機を撃墜するような規定は日本にはありません。

ただし、攻撃されは場合は、その限りにはありません。たとえば、国籍不明機が武装して1直線に原子力発電所に向かっている状況があれば防衛大臣は総理大臣に報告して決断を迫ることになるでしょう。

総理大臣が、防衛出動を命じて撃墜と同時に解除してしまえば国会承認は必要ありません。自衛隊法では防衛庁が政府に出動の承認は求める必要性はあるものの、出動の可否は求めていません。

中国機が明らかに日本のいずれかの場所に攻撃を加えることが明らかな場合は、内閣総理大臣の責任において、無論反撃することは可能ではあります。

緊急事態に決断力のない総理大臣を筆頭とする軟弱な内閣が現れない事を祈るしかありません。いずれにせよ、おそらく、映画「シンゴジラ」での官邸でのやりとりのような事が行われてからようやっと動くということになると思います。


この映画を観ていたとき、官邸の頓珍漢な動きに、周りで視聴していた多くの人から笑い声が巻き起こりました。シンゴジラへの対応を決定する意思決定がもどかしいので、それをおかしく感じたのでしょう。

しかし、あの対応はもしほんとうにシンゴジラのような生物が存在し日本に上陸した場合、あのような対応にならざるをえないというが実情です。

一番恐ろしいのは、上の記事で桜林さんは、直接指摘はしていませんでしたが、中国が明らかな意図をもって、自衛隊の航空機に攻撃を加えようとしたり、日本のどこかを爆撃しようとした場合、その対応するのに、それこそシンゴジラへの対応のように、すぐに意思決定ができない場合、失わなくても良かったはずの、最前線の戦闘機のパイロットの命は、最前線の基地などの自衛隊員の命が奪われてしまうことです。

失う必要もなかった、自衛隊員の命が奪われてからはじめて、今のままでは、反撃に移るという愚かなことが起こってしまうこともあり得るのです。

このような危機については、マスコミや野党などもほとんど取り上げません。

しかし、オスプレイの不時着となると、マスコミや沖縄県など全く筋違いの批判を繰り返したりします。

オスプレイが墜落したというのなら、まだしも、不時着したことをあそこまでセンセーショナルに伝える必要性など全くありません。

米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行再開を受け、民進党など野党や沖縄県側は19日、「拙速な飛行再開は沖縄県民の気持ちに寄り添っていない」(大串博志民進党政調会長)などと、飛行再開に理解を示す政権への攻撃材料とする構えを見せました。ですが「拙速」と判断する根拠は弱く、「オスプレイは危険」というイメージばかりが先行しています。

そもそもオスプレイが24年10月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された際、同機の安全性を強調したのはほかならぬ民主党政権でした。オスプレイの10万時間当たりの事故率は昨年9月時点で2・64で、他の海兵隊機も含めた平均値と変わりがありません。

今回の事故は、空中給油訓練中のMC130特殊作戦機の給油ホースと接触したオスプレイのプロペラが損傷し、飛行困難となったことが原因です。米軍は「搭載システム、機械系統、機体構造を原因とするものではない」と説明しています。


翁長氏らは、今回の事故が「不時着」ではなく「墜落」だと主張し、重大な事故と印象づけようともしているようです。ですが、自衛隊のあるヘリコプターパイロットは「残骸は1カ所に固まっており、狙ったところに着陸した証拠だ。『墜落』ならバラバラになる」と証言しています。これは、オスプレイの不時着現場をみれば、誰でも容易に理解できるのではないでしょうか。

下の写真は、ノルウェーのヘリコプターが墜落したところの現場写真です。この事故では、13人が死亡しています。機体はバラバラになってあちらこちらに散乱している状態です。


写真に写っているのは、ローターの一部だと思われます。

オスプレイというと、中国にとってはまさに「悪魔のヘリコプター」です。なぜなら、航続距離が異常に長いからです。沖縄のオスプレイは、給油をしながら、ネパール震災のとき沖縄からネパールに直接飛行して、現地入りしました。

普通のヘリコプターだと航続距離が短いため、給油をしてでさえ沖縄からネパールまで直接飛行することは不可能です。ヘリコプターを遠いところに運ぶ際には、分解をして船や、車両に載せて現地まで運び、それをまた現地で組み立てるということになります。しかし、そんなことをしていては、被災地の支援には間に合いません。

しかし、オスプレイは給油しながらであれば、沖縄からネパールまで直接飛行することができます。これは、他のヘリコプターにはできない芸当です。

この意味するところは、給油さえすれば、オスプレイで中国全土のどこへでも、兵員をピンポイントで輸送できることを意味します。

中国側からみれば、習近平氏個人をオスプレイを使って、拉致することも可能であるということです。あるいは、中国に対して軍事作戦をする際に、本当に中国の軍事上の拠点で、弱点となるところに、ピンポイントで兵員を輸送できることを意味します。

これは、日米にとっては、安全保証上の優位です。まさに、日米にとっては「天使のヘリコプター」です。

しかし、日本のマスコミや野党、翁長知事などは、まるでオスプレイを「悪魔のヘリコプター」呼ばわりしています。これでは、彼らのことを、中国スパイか余程の馬鹿であると断ずる以外に理解のしようがありません。

私としては、彼らが馬鹿であって欲しいと思います。なぜなら、馬鹿はかなり難しいかもしれませんが、心を入れ替えたり、本気で物事を知るように努めれば、まだ治る見込みもあるからです。しかし、中国スパイであれば、治りようがありません。一度スパイを働いたものは、もう元には戻しようがありません。日本国、日本国民の敵です。
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2016年7月21日木曜日

中国人、KFCにお門違いの抗議 中国紙は「間違い」とたしなめる―【私の論評】中共は、これを放置すれば、苛烈な反政府運動になることを反日で学習した(゚д゚)!

中国人、KFCにお門違いの抗議 中国紙は「間違い」とたしなめる

中国のマクドナルド(左)とKFC(右)
中国各紙は19日、各地の米系ファストフード、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店舗などで中国の主権を否定した仲裁裁判所の判断への抗議活動が相次いだことについて「(こうした行為は)間違いだ」と非難する記事や社説を掲載した。

習近平指導部は仲裁判断を受け入れない意向だが、国内ではナショナリズムの高まりを強く警戒しており、不満を抑え込む狙いとみられる。

共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「KFCへの抗議は明らかに間違っている」と主張。中国紙、新京報も社説で「KFCは中国で税金を納めており、妨害行為は同胞を傷つける」と訴えた。

中国メディアによると、抗議活動は中国全土の10カ所以上で発生。参加者はKFCの店舗でKFCでの食事は「先祖の面汚し」と騒ぐなどした。

【私の論評】中共は、これを放置すれば、苛烈な反政府運動になることを反日で学習した(゚д゚)!

  • 日本人にはなかなか理解できないかもしれませんが、中国人にとってはKFCはかなり身近な存在です。実際中国ではKFCはかなり普及しています。中国では、マクドナルドよりも圧倒的に、KFCの店が多いです。

  • 日本では、総店舗数(FC含む)においてマクドナルド3000店:ケンタッキー1000店、連結売上高(FC除く)においてマクドナルド2500億円:ケンタッキー800億円と(このところのマクドナルドは不振にせよ)マクドナルドの圧勝ですが、中国においては、マクドナルド2100店:ケンタッキー4600店とその立場は逆転しています。

    紹興のような地方都市では、マクドナルド5店舗:ケンタッキー25店舗、どこにでもあるケンタッキー、探さないと見つからないマクドナルド(2014年)。マクドナルド密度はスターバックスと同程度というのが実感です。

  • 以前ある中国出身のコンサルタントの林 剛氏が書いた「なぜ中国ではマクドナルドよりケンタッキーのほうが多いのか」という記事では、マクドナルドよりケンタッキーが多い理由を、「マクドナルドはアメリカ式の味を堅持」したのに対し、「ケンタッキーは中国風のファストフードの開発、提供」を行ったところにあると論じています。
しかし、私はそれだけが原因だとはとても思えません。というより、もっと根本的な原因があると思います。それは、何かといえば、結論から言うと、中国人にはケンタッキーのような鶏肉の骨付き肉は昔から食べており、中国の食文化ともなっているのですが、ハンバーガーには馴染みがないということです。

中華料理の「白切鶏」とか「口水鶏」といった鶏料理も骨付き鶏を丸ごと使っています。レストランで中国女子が鶏の足(モミジ)をうれしそうにほおばる姿は、食文化の違いを感じさせます。

マクドナルドにしろケンタッキーしろ、その価格は中国の物価からは割高な部類に入ります。進出当初~2000年代は特にそうでしょう。それにも関わらず、骨付きのフライドチキンがちょっと高価なごちそうとして受けとめられ、受け入れられたことには、「中国人は骨付き鶏肉(まるごと鶏肉)が大好き」という素地があったからです。

マクドナルドが、もし同じように味を現地化したとしても、ハンバーガーは「ごちそう」という意味で骨付き鶏肉には勝ち目はないのかもしれません。おそらく、ハンバーガーは子どもや若者の食べるもの、と受け止められていると思います。いずれにしても、ケンタッキーのほうが幅広い年齢層に受け入れられているのです。

日本で、人口10万人あたりのケンタッキーフライドチキンの店舗数1位の県をご存知でしょうか。それは沖縄県で、人口10万人あたりの店舗数は、最下位の県の4倍、全国平均の1.5倍あります。ご存知、沖縄県は日本文化圏と中国文化圏との交差点にあって、伝統的肉食文化を持っています。沖縄の肉食といえば「豚」ですが、てびち(豚足)、三枚肉(皮付バラ肉)、ソーキ(骨付きあばら)など骨や皮が付いたままの料理が多いのも特徴です。

沖縄のあぐーソーキ
骨・皮の付いたフライドチキンも口に合うのでしょう。沖縄ではおじい、おばあもケンタッキーが好き(客層が広い)です。沖縄の例は、ファーストフードといえども、伝統的食文化を無視できないという実証ともいえます。

さて、話を本題に戻します。このように、多くの中国人にとって、身近な米国というと、金融機関でも、アップルでもなく、KFCということになるのだと思います。

だからこそ、KFCの店に対して、中国の主権を否定した仲裁裁判所の判断への抗議活動が相次いだということなのだと思います。

これを、政府は押さえ込もうとしているようです。そうして、政府はナショナリズムの高まりを強く警戒しており、不満を抑え込もうとしているようです。

しかし、ブログ冒頭の記事では、その真の背景について解説していません。その真の理由が何であったかを理解するには、過去にあった中国の反日デモが2012年には、ピークを迎えて2013年あたりからすっかり影を潜めたその理由を知るとかなり理解しやすいです。

中国では、かつていわゆる反日サイトが結構存在していました。反日的な内容が、次々と書き込まれていたのですが、その書き込みにいつの間に、反政府コメントが書き込まれるようになり、さらにエスカレートして、炎上するサイトが増えたため、政府は2010年あたりから、これを閉鎖すようになり、2011年頃には、姿を消しました。

反日デモも似たような傾向をたどり、中国から影を潜めました。反日デモには、2012年の頭くらいまでは、「愛国無罪」として政府は黙認するどころか、官製デモを意図的に起こして、中国内のあらゆる都市で、反日デモが吹き荒れるようになりました。

かつて頻繁に行われていた中国の反日デモ
ところが、この反日デモのほとんどが、いつの間にか反政府デモにすり替わるといことが頻繁におこりました。それには、人民が反日デモすると届け出た場合、政府も黙認していたのですが、それがいつの間にか反政府デモにすり替わったり、元々反政府デモをすることを目的なのにもかかわらず、反日デモを装ってデモをするということが頻々と発生するようになりました。

そのため、政府は官製反日でもは取りやめるのは無論のこと、市民団体などが反日デモをすることも禁止するようになりました。そのため、2013年あたりから、反日デモは姿を消しました。

今日のKFCへの抗議活動も同じことです。これを放置しておき、かなり頻繁になされるようになれば、かつての反日デモが、いつの間にか反政府運動になったのと同じように、反米デモでもKFCの抗議活動が、いつの間にか反政府運動になってしまうことを恐れてのことです。
中国で日々発生する暴動
そもそも、中国ではもともと暴動が多い国です。建国以来毎年平均2万件の暴動が発生していました。ところが、2010年あたりからは、毎年10万件を超えるようになりました。その頃から、中国政府は暴動の発性件数を発表するのをやめました。

現在でも、10万件を超えているでしょう。中国の人口は、日本の10倍ですから、日本だと毎年1万件程度起こっているような状況です。日本でも1万件というと、毎日必ずいくつかの暴動が発生している計算になります。

それだけ、中国の人民の憤怒マグマは、全国いたるところで、大爆発の寸前にあるということです。この状況は、日本でいえば、内乱状態のようなものだと思います。

中国では、こうした暴動を城官(都市管理のため行政的な法律の執行、即ち各種の法的取り締まりを行う機関)、公安警察(日本の公安とは異なります。日本でいうところの警察)、人民解放軍が徹底的に取り締まり、弾圧して、鎮圧しています。そのため、何とか治安が維持されているという状況です。

2016年4月12日、中国広東省広州市花都区のマクドナルド店前にあったドナルドが城官(中国警察都市
管理局員)に連行された。理由はドナルドが人々の通行の妨げになっていたからなのだそうだが・・・
中国共産党は、この人民の憤怒のマグマを何とかして、自分たちに振りかかることを避けようと、日本を悪者に仕立てて、日本に人民の憤怒のマグマを向けさせようとして、官製デモなどを実行したわけですが、それがいつの間にか反政府デモにすり替わってしまうということを学習したわけです。

その学習の成果が、今回のKFCに対する抗議への政府による批判だというわけです。もし、この抗議活動がさらに先鋭化するようなことがあれば、中国政府はさっそく、これを鎮圧することでしょう。

それにしても、この人民の憤怒のマグマ、これを放置しておくと、とんでもないことになるし、南シナ海では完璧手詰まり状態になりました。これを解消するために、中国共産党は、東シナ海あたりで何かをやらかすかもしれません。もう、その兆候は見えています。

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2013年12月28日土曜日

沖縄県庁に千人なだれ込む 辺野古埋め立て承認反対で―【私の論評】10人から2000人へ?マスコミ報道のギャップから読み取る、沖縄の真実!デモ参加者も潜在意識の中では「屈支那異」(くっしない)(゚д゚)!


2013年12月27日(金)13時21分配信

名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認に抗議し、沖縄
県庁内で気勢を上げる人たち=27日午後、那覇市
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に向け、名護市辺野古沿岸部の埋め立てを仲井真弘多知事が承認した27日、県民の間では行政のトップが下した決断に激しい怒りや困惑が広がった一方、評価する声もあった。県庁1階ロビーには反対派の市民約千人がなだれ込み、座り込みを続けるなど混乱も見られた。

県庁前の広場では抗議集会が開かれ県民ら約2千人(主催者発表)が集結。手には「不承認」と書いた赤いプラカードを掲げ「知事に辞めてもらう」「埋め立てを許さない」と次々にシュプレヒコールを上げた。

【私の論評】10人から2000人へ?マスコミ報道のギャップから読み取る、沖縄の真実!デモ参加者も潜在意識の中では「屈支那異」(くっしない)(゚д゚)!

さて、この日と同じ日に、産経では同じ内容につき、以下のような報道をしていました。

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾=ぎのわん=市)の名護市辺野古への移設に反対するグループ約10人は27日午前、 沖縄県庁の1階ロビーで反対演説を行った。ただ、通行人が足を止めることもなく、反対運動は盛り上がっていない。
反対派グループは拡声器を使って「知事は辞めろ」「県民を裏切りる行為だ」などと仲井真氏を批判。 政府による辺野古埋め立て申請の承認撤回を呼びかけ、メディアの注目は集めた。  
ソース 産経ビス
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/131227/mca1312271119015-n1.htm 
画像 沖縄県庁(左奥)前に集まった名護市辺野古の埋め立てに反対する人たち=27日午前
http://www.sankeibiz.jp/images/news/131227/mca1312271119015-p1.jpg
同じようなニュースなのに、片方では参加者10人としており、もう一方では1000人としていて、このあまりの違いは一体どうしてなのだろうと思ったのですが、良くみてみると、上の記事はネタもとが、共同通信であり、27日午前のものです。もう一方の記事は、ネタ元は、産経ビズであり、27日の午後ということで、午前と午後の違いということです。できたら、両方とも時間を掲載していただきたいものです。

要するに、産経は午前中の事実を伝え、共同通信は午後の事実を伝えたわけです。同じ事実でも、午前と午後の違いです。それにしても、午前中にはほとんど人が集まっておらず、午後にはおそらく、数百人程度は集まったというのが事実だと思います。おそらく、午後の集合時刻にデモ参加の人たちの大半が、集まったのだと思われます。

集合時間に大半が集まるとは、これは、自主的ではなく、背後に何らかの団体、組織があるのだと思います。自主的に反対するなら発表前の午前中から反対運動をするはずです。もっと大人数が集まっていても良いはずだと思います。

しかし、産経がはっきりと発表したように、10人というのは、いかに午後の運動が作為的に行われたかを象徴しているようです。

これに関しては、以下のようなツイートがあります。
これについて、真偽は定かではありませんが、それにしてもありそうな話です。いずれにしても、完全に情報戦の様相を呈してきたようです。沖縄で敗北すれば中国共産党はね後がないので必死でなのだと思います。いずれにしても、動員された数百人が沖縄全体の声を代弁していると考えるのは全くの間違いです。

主催者側の発表では、2000人が集まったといいますが、この中には、どこの何人だかわからない、はっきりいえば、中国人も多数動員されているのではないかと思います。それに、2000人はオーバーです。おそらく、数百人でしょう。

それにしても、今回はデモ参加者の中にも、これがかなり重要なこととは認識できていなかったのだと思います。だから、午前中の10人の参加者という結果になったのだと思います。ただし、中国はかなり焦燥感を抱いているのだと思います。

米軍が沖縄から軍隊を引き上げるということは、暗に尖閣問題・沖縄問題に米軍はかかわらないことを示すことになります。そうなれば、中国としては、まずは尖閣、次には沖縄と、領土的野心を満足させる機会が増えることになります。民主党時代に、県外移設に傾いていたことは、中国にとっては、まさに願ったりかなったりというところだったと思います。

今回の埋め立てを認めれば、鳩山さんが総理大臣のときに勉強に勉強を重ねた結果ようやっとわかったように、沖縄に駐屯する米海兵隊の戦略的重要性はますます増している中、中国に対峙す世界最強の軍隊がここに恒久的にとどまることになるわけです。日本の自衛隊だけでも、中国としてはかなりやっかいな存在なのに、ここにアメリカの海兵隊がとどまるということは、中国の太平洋への出口を塞がれているのと同じです。

そりゃ、中国としては必死です。それに、沖縄の海兵隊はやっかいなことに、中国の大嫌いなオスプレイまで配備しています。あんな怪物みたいな、航続距離の長いものを多数配備されては、沖縄から中国本土の一部までカバーされしまい、中国が尖閣や沖縄のどこかに上陸してもすぐに発見されて、海兵隊を派遣されて、あっという間に勝負がついてしまいます。ゲリラ戦で挑んでも、無駄です。

こんなことは、少し考えれば誰にでもわかることです。きっと、上記のデモに参加した人たちも、なんとなく、潜在意識の中ではそのことがわかっていて、一部の中国人や、新左翼系の熱心な人間は、別にして、大部分の人は消極的で、だからこそ、午前中には10人しか集まらないなどということがおこったのだと思います。


今回の抗議活動では、「屈しない」という赤いバナーのようなものを参加者の多数が手にしていますが、私はこの文字が「屈支那異」(意味としては、支那のおかしさに屈しないくらいの意味か?)と見えてきました!!あまり、語呂合わせは得意ではないので、少し苦しいですが、どなたかもっと面白い語呂合わせを考えられた方いらっしゃったら、コメントにでも残していただければ幸いです。

日本人の大多数は、鳩山さんよりは頭がまともだと思いますので、いくらこのようなデモを挙行しても、これは沖縄の声ではなく、たんなる虚構にすぎないことを多くの人が学習したと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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