ラベル 共産党 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 共産党 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年6月23日火曜日

日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOと言えない―【私の論評】民主党が今更異議を唱えるのはまったく奇異であるこれだけの理由(゚д゚)!

日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOと言えない

2015.06.22 16:00

長谷川幸洋氏

安全保障法制の見直しをめぐる論議はなぜ迷走しているのか。憲法学者が違憲と断じたと言っても、それは安倍晋三政権が昨年7月に安保法制見直しの閣議決定をしたときから出ていた話だ。国民から見たら、同じ話の蒸し返しでまったくつまらない。

そこで、今回はもっと根本的な話を書く。日本は集団的自衛権を認めてこなかったのか。そんなことはない。実はとっくの昔から認めていた。どういうことかといえば、そもそも日米安保条約は集団的自衛権を前提にしているのだ。最初に結ばれた1951年の条約前文にこうある。

「日本は主権国として集団的安全保障取極を締結する権利を有し、国連憲章はすべての国が個別的および集団的自衛の固有の権利を有することを承認している。これらの権利の行使として、日本は日本国内に米国が軍隊を維持することを希望する(要約)」

1960年に改定された現在の条約も同様に前文で、日米両国が「個別的および集団的自衛の固有の権利」を確認したうえで、日本が米国の基地使用を認めている。

つまり、日本は米国に基地を使わせることで国を守ってもらっている。これは集団的自衛の構造そのものだ。条約を改定した岸信介元首相は国会で「他国に基地を貸して自国のそれと協同して自国を守るようなことは従来、集団的自衛権として解釈されており、日本として持っている」と述べている。

それどころか、米国は日本だけでなく極東(韓国、台湾、フィリピン)も守っている。朝鮮半島危機が起きれば、米軍は韓国防衛のために沖縄や横田の基地から出撃する。けっして遠いハワイやグアムからではない。

そのとき日本は米国と事前協議するが、あくまで建前にすぎない。2010年に暴露された外務省の密約文書によれば、米国は日本と事前協議しなくても韓国に出撃できる約束になっていた。当時は民主党政権(*注)だったから、民主党は事情を知っているはずだ。

【*注:鳩山内閣が設置した「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」が2010年3月に調査報告書を公表した。それまで公然の秘密だった「日米密約」の存在を政府が認めた】

もしも「米国が日本防衛に集団的自衛権を発動するのは勝手だが、日本の集団的自衛権行使は違憲だから、極東防衛に日本の基地は使わせない」と日本が言ったら、どうなるか。

それだと安保条約は成立しなかった。沖縄だって日本に戻ってこなかった。いま、それを言い出したらどうなるか。極東防衛を書き込んだ条約第6条が違憲であり間違い、という話になる。

同盟破棄を唱える日本共産党はともかく、民主党は「安保条約は間違いだから改定すべきだ」と言うつもりなのか。それは言えないだろう。

民主党だって、実は米軍への基地提供によって日本と極東を守る集団的自衛体制に同意しているからだ。自らそういう事情は説明しないだろうが。そんな論点を詰めていったら、党が分裂してしまう。

以上が集団的自衛権の核心である。野党は米軍基地と集団的自衛権の本質をめぐる議論から逃げ、政府与党も説明を避けてきた。深入りすると、野党は集団的自衛権を容認せざるをえず対案を提示できない。一方、政府与党も国会紛糾を避けたいからだ。

結局、いまの混乱は政治家が集団的自衛権を前提にした日米同盟の本質を語らず、その場しのぎに終始してきたツケが回ってきたようなものだ。それでもまだ憲法がどうのこうの、と憲法学者に責任を押し付けている。

まったくばかばかしい。中国、北朝鮮の脅威が現実になる中、平和ボケをいつまで続けるつもりなのか。

■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)

【私の論評】民主党が今更異議を唱えるのはまったく奇異であるこれだけの理由(゚д゚)!

上の記事で、長谷川氏が指摘している日米安保条約は集団的自衛権を前提としているのは周知の事実です。だからこそ、長谷川氏は、日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOとは言えないとしているのです。

さらに長谷川氏は、「2010年に暴露された外務省の密約文書によれば、米国は日本と事前協議しなくても韓国に出撃できる約束になっていた。当時は民主党政権(*注)だったから、民主党は事情を知っているはずだ」とも述べています。

しかし、民主党が集団的自衛権にNOと言えないはずであるとの論拠は他にもあります。これについては、枝野氏が二年前に放った発言が物議を醸しています。

その動画を以下に掲載します。


これは、平成27年6月22日 平和安全特別委員会の動画です。西修氏が証言をしています。

詳細は、この動画をご覧いただくものとして、以下に、動画の発言の内容を一部掲載します。
1:45~
https://www.youtube.com/watch?v=_Jev3GbdbkY 西修(参考人、憲法学者)
「(略)4、集団的自衛権は個別的自衛権と共に主権国家の持つ固有の権利、即ち自然権である点。国連憲章51条であります。不可分であります。 
そこで、枝野幸男、現在民主党幹事長は次のように仰っておられます。 
『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』 
私はもう個別的自衛権とか集団的自衛権とか区別して論ずるのはもうお止めになっていただきたい。 
枝野幹事長のこの言葉、非常に強く重く感じるわけであります。 
敢えてこれについて言うならば、岡田党首は党首討論において最後に『私たちは個別的自衛権はやります!集団的自衛権はいりません!』確かそんな風に仰っていらしたと思います。 
どうしてこれ分けるんでしょうか。どうやって分けるんでしょうか。またやることにどんな意味があるんでしょうか。 
私はあの言葉を聞いてこの枝野幹事長の言葉を思い出した次第であります。この点を是非ご議論頂きたい。こんな風に思うわけであります。(略)」

0:13~
https://www.youtube.com/watch?v=F148WOYQoX8 平沢勝栄
「(略)西先生にちょっとお聞きしたいんですけど、西先生、枝野民主党幹事長のご発言に言及されました。 
資料を読ませていただきますと、枝野幹事長は『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』と。 
なかなか立派なこと言っておられるなと思いましたけども、そこで西先生、参考人にお伺いいたしたいと思いますけど、これは文藝春秋の一昨年のやつに出たということ、でしょうね。ですからつい最近のお話ですよね? 
ということを確認させていただきたいというのと、もう一つはこういったお考えについて先生はどうお考えになられたか。それをちょっとお聞きさせてください。」

(続く)
枝野氏がこのようなことを語っていたというのですから、民主党の集団的自衛権反対というのは無理があります。しかし、それだけではありません。民主党は過去に、集団的自衛権を認める発言をしていました。

それについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
民主・長島氏が党批判 労組依存、何でも反対路線…「民主は目を覚まさなければ消えゆくのみ」―【私の論評】橋下氏も三行半をつきつけた民主党というボロ船は、座して沈没を待つだけ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、過去に民主党が集団的自衛権に関して、認めていたと判断できる部分のみを引用します。
実は民主党は過去おいては、集団的自衛権を認めるべきだと主張していました。

2010年8月鳩山内閣でまとめた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書」で集団的自衛権を行使できないとするこれまでの憲法解釈を批判しまた。

2012年12月野田内閣「国家戦略会議」の報告書で「集団的自衛権の見直しを図るべきだ」と提言していました。 
菅内閣では仙谷官房長官が「内閣が責任を持って憲法解釈変更を国民に提示すべきだ」と発言していました。 
現在の枝野氏は安保法制改正に現在では、大反対していますが、民主党内閣閣僚のときには「内閣法制局の意見は大事だが判断するのは担当大臣の私であり、最終的には閣議だ」と述べています。 
過去の自民党政権で2回。民主党政権で2回。計4回作成された有識者会議の報告書はいずれも政府の憲法解釈変更を提言しています。 
一般には、安保法制改正は、安倍首相が突然言い出したように思われていますが、実は麻生内閣でも民主党内閣でも集団的自衛権は認めるべきだとする方向でした。 
民主党は野党になったとたんに、これまで主張していたことと正反対のことを言い出したのです。
こんなことからも、 民主党が今更集団的自衛権に関して、異議を唱えるのはまったく奇異としかいいようがありません。

記憶喪失になったのか、反対のための反対を繰り返しているだけとしか思えません。


上の写真は、イスラエルのビーチの写真です。イスラエルでは、ビーチでも武器を携帯して歩く女兵士は珍しくはありません。ビーチでも何かあれば、即応できるようにしているのです。

無論、武器を使うようなことはないにこしたことはありません。しかし、そのような危険の可能性もありえるとすれば、このようなこともするのです。

日本ではあまりにも長い間平和だったので、平和ボケしてしまい、国会でも安全保障に関するまともな議論がされておらず、野党は集団的自衛権に異議を唱えるばかりで国民を混乱させるばかりです。マスコミもこの問題に関しては、政府がHPなどで詳しく説明しているのにもかかわらず、ほとんどその内容は無視して、的外れの報道を繰り返すばかりです。

安保法制審議のために、国会は今まで例をみないほどに延長されることが決まったようです。この機会に、野党側もただ反対しているだけではなく、野党側としては、安全保障をどのように考えているのか、国民の前に明示すべきと思います。自らは、ほとんど考えを示さず、単に安倍政権を非難するために、重箱の隅をつつくような個別具体的な質問をくりかえしたり、合憲だ違憲だなどと本来司法が下すべき判断を国会で繰り返しても意味がありません。反対するなら、自らの党の安全保障の基本的な考え方を示した上で反対してもらいたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

民主・長島氏が党批判 労組依存、何でも反対路線…「民主は目を覚まさなければ消えゆくのみ」―【私の論評】橋下氏も三行半をつきつけた民主党というボロ船は、座して沈没を待つだけ(゚д゚)!





 【関連図書】

民主党は、結局のところ自民党のコピーのような政党であり、コピーした分だけ劣化しています。それは、民主党政権によって、白日のもとにさらされたのですが、喉元すぎれば熱さを忘れの格言の通り、そのことが忘れられています。

そのことを思い出していただくための書籍を以下にチョイスしました。

破壊外交-民主党政権の3年間で日本は何を失ったか-完全まとめ
阿比留瑠比
産経新聞出版
売り上げランキング: 170,017


決定版 民主党と日教組
決定版 民主党と日教組
posted with amazlet at 15.06.13
阿比留瑠比
産経新聞出版
売り上げランキング: 185,731

2015年5月25日月曜日

安倍首相はポツダム宣言を読んでいた!? 理解不能だったのは党首討論での集団的自衛権めぐる共産党の主張だ―【私の論評】野党は奇妙奇天烈な言論でドヤ顔をするのではなく、まともな議論をせよ(゚д゚)!

安倍首相はポツダム宣言を読んでいた!? 理解不能だったのは党首討論での集団的自衛権めぐる共産党の主張だ

党首討論で安部総理に質問をなげかける志位委員長

久々に国会で党首討論があった。ガチンコの国会討論なので、筆者は楽しみなのだが、最近、党首討論が少なく、寂しい。20日に行われた党首討論は昨年6月以来だった。

その中で、志位和夫共産党委員長との討論はちょっと見応えがあった。といっても、他のものがさえなかったので、相対的に面白かったという意味だ。

安倍首相は「ポツダム宣言」を読んでいた!?

志位委員長は、「戦後の日本は1945年8月にポツダム宣言を受諾して始まった。ポツダム宣言は日本の戦争について間違った戦争だという認識を示している。この認識を認めないのか」と質した。

これに対して、安倍首相は「ポツダム宣言を受諾し、敗戦となった。その部分をつまびらかに読んでいないので直ちに論評することは差し控えたい。いずれにせよ、まさに先の大戦の痛切な反省によって、今日の歩みがある」と答えた。

このやりとりについて、一部では、安倍首相はポツダム宣言を知らなかったと揶揄する向きもあるが、それは誤りだろう。調べてみればわかるが、国会外ではよく発言している。

しかも、つまびらかでないというのは「その部分」といっており、これを報じた新聞では「その部分」を省いており、適切な報道ではない。

このやりとりは、事前にこまかな質問通告をしないで党首討論が行われることを理解していないと、真相にはたどり着けない。

志位委員長の通告では、ポツダム宣言と書かれていなかったのではないか。その上で、志位委員長は、知らないと知らないことだけで総理として失格、かといって志位委員長の答えに乗ると、政治的に失格という、絶妙なポツダム宣言を持ち出したのだろう。

おそらく、志位委員長は、党首討論のやり方をしっていたので、細かな事前通告をせずに、「引っかけ質問」を作ったのだろう。これはなかなか策士である。

「引っかけ質問」にかからなかった安倍首相

もしポツダム宣言第6条「日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する」を認めるかどうかの質問であることが事前にわかっていれば、「その部分」について、安倍首相は「つまびらかに読んでいない」という必要もなかったはずだ。

筆者であれば、天皇の終戦の詔勅中の「他國ノ主權ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス」を引用して、「ポツダム宣言を全体としては受諾したが、日本の意図は侵略ではなかったと、連合国の理解とは必ずしも同じでなかった」、という答弁を書いたかも知れない。

実際、安倍首相も「私もつまびらかに承知をしているわけではございませんが、ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたということ、と(志位委員長は)ご紹介になられました」と答弁している。安倍首相は、質問通告になかったと思われるポツダム宣言について、かなり正確に理解していると思う。

その結果、安倍首相は、志位委員長の「引っかけ質問」にもかからなかったといえる。

ここまでの志位委員長の「引っかけ質問」は、筆者としても楽しめたが、その次にでてくる「日本を海外で戦争する国に作り変える」という主張はまったく理解不可能だ。
事実上集団的自衛権を行使していると日本は見られている

今国家で争点になっている安保法制は、集団的自衛権の限定行使を可能にすることを主な内容としている。集団的自衛権の限定行使以外にも、グレーゾーン事態への対応、周辺事態法等の改正、国際平和支援法の新規立法などもある。

本コラムでは、これまで安全保障について書いてきた(2014年5月19日「「飼い主を守る猫」でも行使する「集団的自衛権」に反対するマスコミの国際感覚の欠如」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39296 2014年4月28日「韓国やフィリピンの憲法にも戦争放棄の規定がある!各国憲法との比較から「集団的自衛権」を考える」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39129 )。

それらをおさらいすると、自衛権を「個別的」、「集団的」と分け「個別的」はいいが、「集団的」はダメというロジックは国際社会ではないこと、海外において自衛権が、どこの国でも刑法にある「正当防衛」とのアナロジーで語られていて、言葉としてはともに同じ言葉(self-defense)ということ。さらに、日本の第9条のような規定を持っている憲法は、世界では珍しくなく、そうした国では集団的自衛権の行使は当然の前提であることだ。

海外から見れば、日本が集団的自衛権の行使は事実上すでに行っているとみられても仕方ない。実際、米軍に日本国内の基地を提供していること自体が、同盟関係で、集団的自衛権の行使はしないというこれまでの議論は日本の国内向けであり、国際的にはまったく無意味だ。

日米安保条約を知っている外国人だったら、それが日本だけでなく、極東の安全に既に寄与していることを指摘して、日本も同盟国として一定の軍事貢献もしているといってくる。極東のところは、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」(安保条約6条)にある。
共産党の言い方は間違い

日本に米軍が存在しているのは、国民はみんな知っているが、実は国連軍もいる。米軍の横田基地に、国連軍後方司令部(United Nations Command-Rear)があり、日本は、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランド、フィリピン、タイ、トルコ、アメリカ、イギリスの8ヵ国と国連軍地位協定(日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定)を締結している。米軍の横田基地には、日本とアメリカの国旗とともに、国連旗がたっている。

在日米軍基地のうちキャンプ座間、横田空軍基地、横須賀海軍基地、佐世保海軍基地、嘉手納空軍基地、ホワイト・ビーチ地区、普天間海兵隊基地が国連軍施設に指定されている。

国連軍司令部のほうは韓国にある。こうした国連軍の体制は、1953年7月に朝鮮戦争が休戦となり、休戦協定が発効した翌54年2月以来である。朝鮮戦争は今でも休戦状態であり、終戦ではない。

これだけ、国連にビルトインされている日本が、国連憲章で認め、日米安全保障条約でも明記されている集団的自衛権の権利だけで、行使しないという論法が、国際社会で通用するはずない。

今国会で提出されている安保法制は、そうした国際社会の理解への国内法制のキャッチアップの過程でしかない。これをもって、戦争のための法案というのは、あまりに現状を知らなすぎる議論だ。今の自衛隊の戦力では、海外に部隊を派遣し作戦を行う戦力投射(power projection)能力はなく、侵略戦争を絶対にできない。

これだけで、「日本を海外で戦争する国に作り変える」という共産党の言い方は間違いである。
侵略された例は南ベトナムしかない

集団的自衛権について、日本のマスコミは、戦争に巻き込まれるという考え方がある。筆者が留学で学んだ国際関係論では、集団的自衛権のほうが、防衛コストが安上がりになり、戦争にまきこまれないということだ。

コストの点から言えば、現在米軍の日本への防衛をすべて日本だけでの自主防衛で受ければ膨大なコストになることは明らかだ。いろいろな試算があるが、20兆円以上も必要という。
マスコミの論調は、第二次世界大戦後に起きた紛争や軍事介入の多くは、集団的自衛権行使を口実に使われることが多いというものだ。
そうした介入のケースではなく、侵略されたケースでみれば、アメリカとすでに同盟条約を結んでいた国が第三国から侵略された例は、南ベトナムしかない。しかも、侵略は北ベトナムであり、これが第三国とはいいがたい。集団的自衛権は抑止力があるので、自ら仕掛けていかないのであれば、戦争に巻き込まれる可能性が低いのが、国際常識だ。

むしろ歴史を振り返ると、集団的自衛権は多数国の判断で行使することが多いが、個別的自衛権は一国のみで判断して行使するので、より危険であるとされている。このため、戦後、西ドイツは個別的自衛権が認められずに、NATOの下での集団的自衛権しか認められなかった歴史がある。

先のベトナムの例は、いろいろと示唆に富む。

なぜ中国は南沙諸島を埋め立てられたのか

中国が南シナ海で進める埋め立て問題で米中が対立している。南沙諸島は、南シナ海南部に位置する島、岩礁・砂州からなる地域だ。島といっても、きわめて小さく、一般に人が居住できる環境ではない。しかし、この場所は海洋資源のほか、軍事的な要衝にもなっているので、中国、台湾、ベトナム、フィリッピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張している。

中国は、この地域に後発で入ってきた。今、問題になっているのは、南沙諸島のファイアリー・クロス礁である。ここは、1988年に中国がベトナムから武力奪取した。今や3000メートル級の滑走路や水深の深い港を建設中であり、既に南沙諸島で最大級の面積となっている。

また、南沙諸島のミスチーフ礁は1995年から中国が占拠しているが、これは、1992年からアメリカ軍がフィリッピンから撤退していたのを見計らって奪取し、建築物を構築して実効支配に及んだものだ。中国は、自国の漁師の保護を建前としている。

いずれも、アメリカとの安全保障がない、または事実上機能していない状況から、中国の進出を許している。国際社会はパワーのぶつかり合いであり、どこかが引くとかならず争いが生じるが、その典型である。

ファイアリー・クロス礁における中国の埋立スピードは急ピッチで凄い。昨年8月には、ほとんど何もなかった岩礁であるが、今年3月には長さ3000メートル、幅200~300メートルの人口島がほぼ完成している。
なぜ、ファイアリー・クロス礁なのかといえば、ベトナムから奪ったところで、今は、アメリカとベトナムの間には安全保障条約はない。だから、アメリカは手を出せないと踏んだのだろう。
集団的自衛権は、防衛コストが低い

この建設費は1兆4000億円といわれている。単純な比較はできないが、ほぼ同じ規模の関空第一期工事の建設費は1兆5000億円だった。関空の場合、沖合5キロで水深が深くきわめて高コストで海外からはクレージーと言われたが、岩礁の埋立という比較的コストがかからないにもかかわらず、異常に高いコストをかけて、中国はファイアリー・クロス礁の埋立をすすめている。

そこで、中国がここに軍事拠点を作るのではないかという懸念を国際社会でもたれている。

ただし、アメリカも黙っていない。「岩礁に砂をいくら積み上げても、領有権は築けない」というのが、アメリカ政府の見解である。

20日、海軍の哨戒機P8AにCNN記者を同乗させ、ファイアリー・クロス礁の映像を放映させた。その中で、中国当局との交信模様。例えば中国側からの「You go(出て行け)」という発信も伝えた。

今のところ、アメリカは、中国に対して領有権を認めず、公海上の航行は自由というスタンスを強調している。今は中国が領有権を主張するところには入らないが、そのうち進入するだろう。もしアメリカとベトナムとの間で安全保障条約があれば、もっと早くに強い態度であっただろう。

アメリカはフィリッピンとの間で、日米安保条約と類似した米比相互防衛条約を締結している。同条約は、フィリピンのみならず太平洋地域をもカバーしている。太平洋地域には南シナ海も含まれるので、アメリカの今後の活動は、米比相互防衛条約での集団的自衛権行使を背景とするものとなろう。

こうして、歴史や近隣の事例をみれば、集団的自衛権は、防衛コストが低く、戦争に巻き込まれる可能性が低く、さらに戦争を仕掛けにくい体制であることがわかる。

(高橋洋一)
【私の論評】野党は奇妙奇天烈な言論でドヤ顔をするのではなく、まともな議論をせよ(゚д゚)!

上の記事、かなり重要だと思いますので、そのまま全部引用させていただきました。

以下に、上の記事にも掲載されている、国会の党首討論における志位委員の質問と、安部総理の答弁の動画を掲載します。



上の高橋洋一氏の記事、今回の共産党志位委員長の国会での質問に関する、安部総理の対応を余すところ無く伝えています。まさに、安部総理は「ポツダム宣言」の内容を熟知しており、熟知した上で、あのような答弁をしたことが良く理解できます。

しかし、志位委員長は、党首討論について以下のようなTweetをしています。
このTweetを見ている限り、志位委員長は、安部総理が「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいない」ので質問に答えられないと理解しているようです。あるいは、そのように印象操作をしています。これは、全くの勘違いか間違いです。そうではなくて、「間違った戦争」という部分に関して、「つまびらかに読んでいない」と答えているのです。

ちなみに、「間違った戦争」だったのかという問いに関する模範解答は「すべての戦争は間違っている」となると思います。それに、ポツダム前言には、「間違った戦争」とか「正しい戦争」などという文言は一切ありません。

それに当時はまだまだ情報があまりなかったのですが、戦後70年を経て様々な情報が手に入るようになった現在、あの戦争を「正しい戦争」か「間違った戦争」かと問われれば、賛否両論があるものと思います。

私としては、あの戦争は、正しいとまではいいませんが、西欧列強のアジアにおける植民地支配からの開放という意味で、「止む終えない戦争」であったと思いますし、本当は日米は全く戦う必然性などなかったと思っています。

ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事でもお分かりになるように、今回の党首討論で矛盾点をさらけ出したのは安倍首相ではなく、共産党の志位委員長のほうであったと言わざるを得ません。

志位委員長は過去には、明らかにポツダム宣言に矛盾する主張を述べていました。

日本共産党は北方領土の問題に関して、以下のようなスタンスであることを党の機関紙やホームページ上で明らかにしています。
ロシア側は、日本が連合国への降伏文書に署名した9月2日を「第2次大戦終結の日」(事実上の対日戦勝記念日)に制定し、千島は「第2次世界大戦の結果、ロシア連邦の領土になった」とし、その変更は許さないとの姿勢を示してきた。これらの一連の行動は、日本の歴史的領土である千島列島と歯舞、色丹の不当な領有を将来にわたって固定化しようとするものであって、絶対に容認できない。
これは、志位委員長の署名があるため、党の公式見解といって良いものと思います。しかし、この意見は『ポツダム宣言』の内容と大きく乖離する点があります。

共産党の主張は「日本の歴史的領土である北方領土はすべて日本のものである」というものだ。ところが、ポツダム宣言内で領土に触れられている項目は共産党の主張と明らかに矛盾する内容となっています。
八 、 カイロ宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ
日本の主権が及ぶエリアは本州/北海道/九州および四国と我々(=連合国)が決める島々に限定されるべきと記載されています。

つまり、北方領土が歴史的に日本の領土であろうがなかろうが、連合国が日本の国境沿いに位置する島々の帰属権を決定すると宣言しています。「ポツダム宣言という歴史的文書を読んでいなくて首相が務まるのか」と志位委員長は気勢をあげていますが、ポツダム宣言を「正義」として扱うのであれば、共産党は明らかに「悪」となることを理解した上で議論していたのか非常に疑問です。

現実には戦後70年を経た今日、当時の戦勝国の定めたポツダム宣言などはもはや重要な意味を持つものではありません。

1945年8月14日、日本のポツダム宣言受諾を発表するトルーマン
ポツダム宣言には、「日本国国民を欺瞞して世界征服の暴挙に出る過ちを犯させた者の権力と勢力は永久に除去する」という文言があるが、これそのもががもはや有名無実となっています。

そもそも、当時の戦勝国などとはいっても、ソ連は崩壊していますし、フランスははっきりいえば、戦勝国ではなく、ドイツに負けた敗戦国です。現代の中華人民共和国は日本と戦争すらしていません。日本と戦争をしたことのないアジアの国が戦勝国などというのは、笑止千万です。アメリカは、オバマ大統領がレイムダック化していて、とてもじゃないですが、「戦後体制」の守護者と呼べるような状況ではありません。他の、戦勝国も、当時から比較すれば、軍事力も経済力もかなり落ちています。

70年という時間は、あまりに長いです。過去に戦争に勝った国が、いつまでも勝ったということをたてに利権を貪ることなど許されるものではありません。負けた国がいつまでも、敵国として遇されることも全くの間違いです。

重要なことはポツダム宣言後のサンフランシスコ講和条約であり、そちらをベースに建設的な議論を行うことだと思います。70年以上も昔のことを引っ張りだすことが現在何の役に立つというのでしょうか。

『戦争法案』などという下らないレッテルを貼り、国会でくだらないクイズのような質問をしている暇があるのであれば日本よりも多額の軍事予算を費やす、それも毎年増やし続ける中国からの脅威に対してどのように具体的に対応するかを議論すべきです。

しかし、日本の野党などこのことに全く無頓着です。特に、安全保障法制をめぐる野党の質問は酷いものばかりです。これは、危機管理に関わることであるにもかかわらず、延々と平時の手続き論ばかりしているという有り様です。

東日本大震災における民主党の危機管理は最悪でした。しかし、彼らは未だ何も反省してないようです。そうして、共産党の志位委員長は、ポツダム宣言などというカビの生えたような、古い話を持ち出し、国会で全く実りのない主張をして、ドヤ顔で悦に入っている始末です。

こんなことでは、これから野党はますます存在感が薄くなっていくのではないかと思います。私は、議会制民死主義においては、健全な野党は絶対に必要だと思います。野党の皆様がたには、本当に実りのあるまともな議論をしていただけるようにしてほしいものだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

【日本共産党 しんぶん赤旗】きょうの潮流―【私の論評】何を血迷っているのかさっぱり理解できないこの潮流?!!ネット上ではお笑いネタに過ぎない、この感性?

[高木桂一の『ここだけ』の話]真夏の“怪”!? 共産党「躍進」なのに『赤旗』は大幅減―【私の論評】結局国民に対する気遣いのできない政党は凋落するのみ!それは、自民党も例外ではない!平成15年に総裁選で安倍総裁以外の総裁が擁立されれば、自民党もそうなる!!

【イスラム国殺害脅迫】「安倍政権こそ言語道断」ツイートの池内氏、共産党女性議員の2枚看板にするつもりが…党見解から暴走―【私の論評】宗教や合理主義の悪い面に拘泥して、深みにはまってしまった人々が混沌世界から脱出するため、今こそ霊性の精神世界を目指すルネッサンスが必要だ(゚д゚)!


【関連図書】

日本共産党と中韓 - 左から右へ大転換してわかったこと - (ワニブックスPLUS新書)
筆坂 秀世
ワニブックス
売り上げランキング: 162,106

日本共産党 (新潮新書)
日本共産党 (新潮新書)
posted with amazlet at 15.05.25
筆坂 秀世
新潮社
売り上げランキング: 30,491

共産主義とは犯罪思想である
(2014-11-26)
売り上げランキング: 120,547

2014年8月25日月曜日

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 ―【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 


日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で、消費税率を予定通り2015年10月に10%に引き上げることに関して「反対」が63%で「賛成」の30%を上回った。7月の前回調査より賛成は6ポイント下がり、反対は4ポイント上昇した。内閣支持率は7月の前回調査より1ポイント上昇の49%で、ほぼ横ばいだった。



4月の消費税率の8%への引き上げによる影響で、4~6月の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で6.8%減少した。安倍晋三首相は7~9月の景気動向をみて判断する考え。今後は景気の下支え策が必要になる可能性がある。

安倍政権の経済政策を「評価する」は47%で前月より3ポイント上昇した。「評価しない」は34%で3ポイント下がった。経済政策を評価する人のうち、52%は予定通りの消費増税に反対と答えた。

15年10月の消費増税に反対と答えた人にどうすべきかを聞くと「引き上げるべきでない」が50%で最も多かった。「時期を遅らせるべきだ」が25%、「引き上げ幅を見直すべきだ」は21%だった。

内閣を支持する理由(複数回答)は「安定感がある」が35%で最も多い。支持しない理由(同)は「政策が悪い」が4ポイント上昇して39%で最多になった。

この記事の詳細は、こちらか(゚д゚)!

【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

安倍内閣の支持率と、増税には密接な関係がある。それは、そうだろう。まずは、有権者は例外をのぞいて、まずは経済的安定ほ望み、その後で天下国家を論じるというのが普通です。

まずは、日々の生活が安定してこそ、天下国家に目を向けます。

これについて、古谷経衡氏は以下のようなツイートをしています。
古屋氏のツイートにもある、産経新聞の記事のそのさわりだけを以下に掲載します。
安倍政権の「暴走」に感謝?! 共産が空前の党勢拡大産経新聞8月24日(日)13時35分 
 日本共産党が党勢拡大に向けて全党に号令をかけた党創立92周年をめぐる「躍進月間」(5月15日〜7月31日)で、「空前の前進」(党関係者)を果たした。集団的自衛権の行使容認はじめ安倍政権の政策をことごとく「反動的暴走」と決めつけ、それにブレーキをかけようと喧伝(けんでん)するキャンペーンが奏効したとみられる。しかし裏を返せば、党勢拡大を続けるには同党がいう「暴走」を安倍政権に続けてもらわなければ困るわけだ。
党勢拡大で大感激の志位委員長


集団的自衛権の容認、特定秘密保護法の導入など確かに、現在の我が国にとって、必要不可欠のものであり、私自身は反対はしません。多くの、保守系の人々でこれに異議を唱える人はいないでしょう。また、政治的に左でも右てもない人々は、これを頭から反対する人々はいないてじょう。

安倍総理が、2012年に総裁になった直後に行なわれた衆議院議員選挙や、昨年夏の参議院議員選挙で、安倍自民党は大勝利を収めました。

そうして、これらの二回の選挙で安部総理は、二回とも、集団的自衛権の容認や特定秘密保護法の導入などについて、選挙公約ではっきり明言しました。

だから、これらを実行しないということは、公約違反です。だから、実行すのは当然のことと思います。これについて、マスコミや野党は、国民への説明が不十分などとしています。

しかし、これらについては、安部総理は第一次安倍内閣のときもその必要性を主張してきましたし、上で述べてきたように二回の選挙でも主張してきました。そうして、安部総理になったのですから、もしこれを実行しないというのであれば、その自体が非難の対象となります。

それこそ、結局何もできなかった民主党政権のように、マニフェストをほとんど何も実行せずに、ただただ、3年間漂流して、国民から大避難を浴びたようになってしまいます。

しかし、現実的に考えれば、天下国家論を論ずるためには、先ほども述べたようにまずは、経済が安定していなければなりません。

だから、本来は、経済を悪化させる懸念のある増税などすべきではなかったのです。

このことを査証するものとして、以下の2つをあげておきます。

まず一つ目は、上でも述べたように、2012年年末の衆議院議員選挙において、安倍自民党は大勝利しました。

その原因は、はっきりしています。それまで、日銀は、ずっと金融引き締め政策をしてきましたが、安部総理は金融緩和をすると明言しました。

この明言を市場は好感して、まずは株価があがりました。その後、実際に4月から異次元の包括的金融緩和をしました。これに対して、野党や、マスコミ等一斉にこれを批判しましたが、にもかかわらず、経済指標はのきなみ良くなりました。

一時、株価は少し下がりましたが、それも落ち着き、安定した後に、参議院銀選挙が行なわれ、これでも安部自民党は、大勝利でした。

そうなんです。市場関係者はもとより、国民の多数もやはり、実体経済を良くする政党を指示するのです。

第2は、過去の池田勇人総理大臣による、所得倍増計画です。

国会で演説する池田隼人氏


所得倍増計画(しょとくばいぞうけいかく)とは1960年池田内閣の下で策定された長期経済計画です。閣議決定された際の名称は国民所得倍増計画(こくみんしょとくばいぞうけいかく)といいます。この計画では翌1961年からの10年間に名目国民所得国民総生産)を26兆円に倍増させることを目標に掲げましたが、その後日本経済は計画以上の成長に至りました。立案は経済学者の下村治氏です。

この所得倍増計画は、大成功し、10年を待たずして、本当に国民の所得は倍増しました。

この過程で何が起こったかといば、終戦直後より当時のソビエトは、戦前から日本国内にいわゆるコミンテルンというスパイを送り込み、日本国内で暗躍させ、日本国内の様々な勢力がソビエトにとって都合良く動くように様々な工作をおこなっていましたが、これが全く無力になってしまったのです。

1960年より前の時点では、国民の大多数が貧乏であり、ソビエトのコミンテルンに扇動ざれる人も大勢いましたが、経済が発展するにおよび、国民のほとんどはコミンテルンの工作にものらなくなり、やがて、日本国内におけるソビエトの力も地に落ちました。

やはり、経済がよくなって、明日への希望が生まれてしまうと、これを実現した政府に対して、反対して、わざわざコミンテルンの甘言に乗る必要もなくなってしまってのです。

この2つの事柄を思えば、やはり国内の経済対策はかなり重要です。経済か良くなれば、時の政権は安定して、様々政策を実行しやすくなるのです。

これを考えた場合、やはり、4月からの増税は大失敗でした。だからこそ、共産党のそうして、さらに来年の10%増税を決めてしまえば、かなり支持率は低下します。

私自身は、古屋氏の主張である、「保守派が天下国家論ばかりを取り上げ、格差や労働問題をなおざりにしてきたことが、共産党を利する結果になった」ということには、全面的に賛成ではありません。

私は、どちらかというと、「格差や労働問題」をなおざりにしてきたことが、その主な原因であると思います。そうして、格差、労働問題というと多くの人は、経済に目を向けず、なにやら、この問題は厚生労働省管轄の問題であると考えがちですが、そうではありません。

いくら厚生労働省が頑張ったとしても、できることは、雇用のミスマッチを是正することだけで、それ以上のことはできません。特に、雇用自体を増やすことはできません。

そうして、雇用を改善するのは、なぜか日本ではほとんどに認識されていませんが、まずは第一に日銀による、金融政策によって達成することができます。

デフレでは、雇用状況が悪化するのは当然のことです。緩やかなインフレにすることができれば、雇用は黙っていても増えます。ほんの数パーセント、インフレ率があがっただけで、日本のような国では、数百万の雇用が生まれます。

これは、事実てず。そうして、第二は、政府による積極財政です。これは、公共工事を増やすとか、減税するとか、給付金を支給するとか、いくつかの方法があります。

この二本柱が、経済を良くして、それによって、格差や労働問題はかなり改善されます。ただし、いくら経済が良くなっても、様々な社会システムの不備などがあれば、格差・労働問題は完璧には解決されず、そこで、厚生労働省の出番となるわけです。

無論、これには、民間の努力も必要ではあります。厚生労働書だけではなかなかできることではありません。しかし、厚生労働省としては、規制緩和をしたり、新たなシステムを構築したり、新たな法律を制定したりして、民間の力も借りながら実行していけばかなり良くなります。

ただし、デフレのときに日銀や、財務省抜きで、厚生労働省だけが何かを実行したとしてしても、そもそも、雇用がないわけですから、どうしようもないわけで、「格差や労働問題」を解消することはできません。何かやっても、必ず他の何かが悪くなり、結局モグラたたきにおわります。

これを考えると、やはり、増税は完璧な間違いでした。今後このままだと、8%増税の悪影響が来年
3月まで続きます。そうなると、安倍政権の支持率は確実に落ちていきます。

東京オリンピック招致を決めた安部総理


そうして、来年の10%増税を実行したとしたら、安倍政権の支持率は坂道を転がり落ちるように低下していきます。それでも、何もしないとか、対処療法的な対策をしなければ、さらに景気は落ち込み、かなり落ち込み、挙句の果ては、安倍おろしがはじまり、第一位安倍内閣が崩壊したときと同じような状況に見舞われることになります。

このようなことを防ぐには、まずは、10%増税は絶対にやめること。そうして、8%増税の悪影響をなくするために、積極財政を実行することです。

積極財政とはいっても、現状では、公共工事を増やそうにも、人手不足などにより、公共工事の供給制限があるので、これは今のところ、経済対策に大きく寄与することはありません。

であれば、特に多くの人々を集めて工事をする必要のない、所得税減税や、給付金対策を行えば、かなり効果があります。

さて、共産党が党勢拡大をしたからといって、共産党が次の政権を担うことはないでしょうし、そこまでいかなくとも、大きな影響力を持つには至らないでしう。

しかし、かつてないほどの、党勢拡大ができたのは、やはり無党派層などの一部が取り込まれているとみるべぎてす。そうして、これ自体が安倍政権に致命傷を与えることはありませんが、それにしても、これはある意味、安倍政権への警鐘であると受け止めるべきであると思います。

私は、そう思います。

皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】






【関連図書】

増税と政局・暗闘50年史 (イースト新書)
倉山満
イースト・プレス
売り上げランキング: 36,950

政治家の覚悟―官僚を動かせ
菅 義偉
文藝春秋企画出版部
売り上げランキング: 89,325

政治の急所
政治の急所
posted with amazlet at 14.08.22
文藝春秋 (2014-03-28)
売り上げランキング: 25,897

2013年11月10日日曜日

[高木桂一の『ここだけ』の話]真夏の“怪”!? 共産党「躍進」なのに『赤旗』は大幅減―【私の論評】結局国民に対する気遣いのできない政党は凋落するのみ!それは、自民党も例外ではない!平成15年に総裁選で安倍総裁以外の総裁が擁立されれば、自民党もそうなる!!


7月の参院選で当選し、臨時国会に初登院した8人の共産党議員たち=8月2日

7月の参院選で12年ぶりに選挙区で議席を獲得するなど「躍進」を果たした日本共産党だが、党勢拡大の基盤たる機関紙「しんぶん赤旗」の購読部数は同月、大幅に減少していた。参院選の結果について、共産党指導部は「従来の支持層以外からも幅広く支持を得た」と胸を張っている。ならば機関紙の部数は増えてよさそうだが、選挙真っ只中での「赤旗」の後退は「やはり…」ということらしい。

共産党関係者によると、7月の「赤旗」購読部数は6月比、日刊紙(月額3400円)が5411部、日曜版(同800円)が2万2204部それぞれ減らし、トータルで2万8000部近く落ち込んだ。

とりわけ党の財政基盤となる「赤旗」日刊紙の購読者数はこの10年余の間に36万人から24万人余に後退していたが、ついに「23万部割れ」となった。3日付「赤旗」日刊紙で岩井鐵也党建設委員会責任者は「日刊紙は23万を割るという事態にあり、この打開が緊急課題だ」と危機感を示し、8月の巻き返しを党内に呼びかけた。

共産党はこれまでも、国政選挙前の数カ月に「赤旗」購読者数拡大への「大号令」を全党にかけ、部数を瞬間風速的に増やしながら、選挙中にそれを減らすのが“通常”だった。同党幹部はその理由をこう打ち明ける。

「『選挙まで赤旗をとってほしい』と知人に期限付きで購読を無理強い頼み込み、部数を増やしてきたケースが多いからだ。また選挙期間中は党員も選挙運動に専念せざるを得ず、赤旗の部数拡大まで手が回らない事情もある」

この続きはこちらから!

【私の論評】結局国民に対する気遣いのできない政党は凋落するのみ!それは自民党も例外ではない!平成15年に総裁選で安倍総裁以外の総裁が擁立されれば、自民党もそうなる!!

他紙とは対照的に赤旗だけが、消費税増税に最後まで反対

政党の機関紙なるもの、何も共産党機関紙だけではなく、他党のものも減っています。新聞購読そのもが減っている現在何も共産党機関紙だけが減っているわけではないと思います。

これについては、たまたま2006年の東奥日報の記事がありましたので、以下にそのURLと内容を掲載させていただきま
す。
コンサートでも機関紙配布/部数減に悩む各党 

政党機関紙の部数減に悩む各党が、読者拡大に知恵を絞っている。自民、民主の二大政党は無党派層を狙ったPRを展開、共産、社民両党は従来の支持者から周辺にじわじわと拡大する戦略だ。(部数は各党による) 
 ▽高齢者向け特別号
今月二日、東京の日本武道館。グループサウンズ「ザ・ワイルドワンズ」の結成四十年記念コンサートで、自民党の機関紙「自由民主」が配られた。リーダーの加瀬邦彦(かせ・くにひこ)さんと中川秀直自民党幹事長の対談を掲載した特別号だった。 
 自由民主の発行部数は六十八万部。担当者は「機関紙の存在を知らない人と触れ合う機会をつくりたかった」と話す。プロ野球OBによるマスターズリーグの会場では、四年前から「高齢者を元気に」とのコンセプトでつくった増刊号を配布している。 
 民主党は、昨年九月の衆院選惨敗を機に広報戦略を見直し、ニュース発信の重点をホームページ(HP)に移した。機関紙「プレス民主」(七万部)の発行は月二回から一回に減らしたが「サラリーマンが電車の中で広げられる機関紙」を掲げて紙面を刷新。サイズをタブロイド判からA4判に縮小し、写真をふんだんに使ったビジュアル路線に転換した。HPとの違いを出すため、独自に小沢一郎代表のコメントを掲載するなど工夫しているという。 
 ▽老舗ブランド
政党機関紙の老舗は、共産党の「しんぶん赤旗」(百六十四万部、日曜版含む)と公明党の「公明新聞」(八十万部)だ。特に赤旗は党収入の八割以上を支える大黒柱。担当者は「テレビ討論でも一般紙でも、共産党の主張が公平に扱われないことが多い」と指摘、機関紙の意義を強調する。 
 ピーク時には三百五十五万部(一九八〇年)を発行していただけに「党外に一人でも多くの読者を獲得したい」と意欲をみせ、市民参加型の韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」の研究も進めている。 
 公明新聞は「法案や政策の解説の分かりやすさが売り」と担当者。全国約三千二百人の議員が先頭に立ち、主に首長や自治体関係者を対象に部数拡大を目指すという。 
 社民党の「社会新報」も、前身の社会党結党以来の歴史を持つが、発行部数は最盛期の五十六万部から十五万部まで落ち込んでいる。 
 共産党と同様、党員が配布や集金を受け持つが、高齢化で要員を確保しにくくなっているのが悩みの種。今後は写真を増やして読みやすい紙面をつくり、党員の友人や知人に読者を広げる考え。来年の参院選後をめどに、抜本的にリニューアルする方針だ。
このようなことを知ってから、上の記事をみると、なにやら作為的であることが理解できます。上の記事本当は、他党の機関紙と比較の上で論じるべき筋のものだと思います。これは、たとえ共産党が夏の参議院議員選挙で議員数が増えたからといって、共産党そのものの支持が増えたわけではないことを言いたいのか、あるいはそのように誘導しているようにも見えます。

それを主張したければ、やはり、客観的にするために他党の機関紙との比較だけは掲載すべきでした。

ただし、私は共産党の支持者でもなく、高木桂一氏の結論に反対しているわけでもありません。しかし、やはり、上のやり方はフェアではありませんし、科学的でもないです。エビデンスを出すなら、より客観的にすべぎてす。自らの憶測であるというのなら、それはそれで紛らわしいことをせず、はっきりと主張すべきと思います。

私自身は、様々なことから判断して、確かに参議院議員選挙で共産党議員の数が増えたからといってこれは、共産党に対する支持が増えたというよりは、どの党も支持しない無党派層の人が、誰に入れて良いかわからないので、特に入れたとしてしも大きく変わるということはあり得ない、共産党にたまたま入れたというのが真相だと思います。

会見で笑顔を見せる共産党の志位和夫委員長(右)と市田忠義書記局長 昨年の衆院選挙

たまたま、選挙のときに、それが正しいかどうかは別にして、なんとなく良さそうなことを候補者が語っていると感じたくらいのことで、積極的に支持するということもなく、入れてしまったということであり、次の選挙でまた共産党の候補者に入れるという確証はほとんどないと思います。ましてや、次の選挙共産党がさらに得票数を伸ばすということはあり得ないと思います。共産党が現在議員数が増えたということで、ぬか喜びをしていれば、次の選挙では手痛いしっぺ返しをくらうと思います。

それにしても、最近の共産党は、つまらないことで話題が多いです。その例をあげておきます。

まず第一が、伊豆大島(東京都大島町)の川島理史(まさふみ)町長が、台風が接近した今月15日夜に出張先の島根県隠岐の島町で飲酒していたという問題です。

川島理史(まさふみ)町長

川島氏は、町議を4期務めた後、平成23年4月の町長選に共産党推薦で出馬し、防災対策などを訴えて初当選しました。10年に1度と言われた大型台風が接近する中での出張や飲酒という危機意識の低さに共産党もかばいようはないのでしょう「赤旗」にはこれに関する記事は全く出していません。本来ならばいくら身内とはいえ、少なくとも他紙なみには批判・非難をすべきだったでしょう。それに、新聞ではなくても、共産党で呼び出すなどして、内部で徹底的に叱責すべきだったと思います。

次に、共産党は普段から、その背景もわからずブラック企業を批判しているのですが、その共産党自身がブラック企業的な振る舞いをしていたというものです。

ブラック企業が多くなったのその根本原因はデフレである

これに関して、産経新聞のサイトに短い記事が掲載されていましたので、以下にそれを掲載します。
共産党こそ“ブラック企業”? 
 共産党の穀田恵二国対委員長が7日の衆院本会議で特定秘密保護法案の質疑を行った際、当日の午前3時半まで質問内容を政府側に伝えず、答弁作成にあたる内閣官房など関係省庁職員が明け方まで待機していたことが8日、分かった。 
 国会では政府側に対する質問の事前通告を、原則として前々日正午までに行う申し合わせはあるが、実際は前日夜となるケースが多い。自民党や日本維新の会など他の政党は前日の6日午後8時過ぎまでに質問を通告したのに対し、7分間の質問時間が割り当てられていた共産党だけが遅れ、担当職員が徹夜作業を余儀なくされた。 
 穀田氏の事務所は「故意ではない。質問することが急に決まったので通告が遅くなった」と釈明するが、関係省庁幹部は「過酷な労働を強いるブラック企業を批判する共産党だからこそ、配慮してほしかった」と不快感を示している。
共産党、身内のことをかばい、国会で質問するにしても関係省庁の職員が徹夜することがわかっていながら、事前通告を遅らせています。

なにやら、これに似たようなことは、以前どこかで聴いたようなことがあります。なにやら、身内の不祥事には甘く、天皇陛下に対する配慮も欠いた人たちの集まりがありました。そうです。あの民主党です。

民主党は、身内の不祥事にはかなり甘かったです。それに、政権与党時代には、陛下という日本の最高権威に対する気遣いすらできないおかしな集団でした。

陛下に対する気遣いのなさについては、このブログにも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
天皇陛下「夜のご執務」相次ぐ 書類が来ない…―器の小さい民主党
この記事は、民主党政権時代に、民主党では「閣議」が夕方に開催されることが多くなり、結果として陛下の夜の執務が増えたことを掲載して、民主党の配慮のなさを指摘して、批判しました。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下にそれに関連する部分のみをコピペさせていただきます。
天皇陛下の夜間のご執務が相次いでいる。御体調不良を訴えあそばされた2日も、静養中の皇居・御所で、午後9時ごろまで書類の決裁をされた。通常国会が開会した1月18日以降、内閣が意思決定する「閣議」が夕方に開かれるケースがみられるようになり、皇居に書類が届く時間が遅くなっていることが原因だ。陛下が平成20年12月に体調を崩されあそばされて以降、宮内庁はご負担軽減策を検討しており、夜間のお務めの常態化を懸念する声も出ている。
閣議などきちんと準備をしておけば、夕方にするなどの必要性など全くありません。しかも、あの何もしないで、漂流していた民主党の閣議など、ほとんど無意味なものだったと思います。そんな無意味な閣議の決定事項など、わざわざ、その日に御所にお伝えするのではなく、次の日でも良かったはずです。民主党の配慮のなさは、これだけではありません、この以前にももっと酷いことがありました。
中国・習近平副主席と天皇陛下の会見が各所で波紋を呼ぶ-国難が迫ったときには必ず天皇制が表に出てくる!!
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、民主党政権時代の話です。実際には、現在は二人とも民主党に在籍していない、鳩山氏、小沢氏の民主党時代の所業について掲載してあります。一部分だけ、以下に抜粋してコピペさせていただきます。
自民党・谷垣総裁は13日、14日に来日する中国・習近平副主席と天皇陛下の会見を鳩山首相が特例的に指示したことについて強く批判した。 
 谷垣総裁は「権力行使の抑制とか、そういう感覚をこの政権が持っているかどうか、最もデリケートな部分に対して権力をどう行使していくか、方向感がめちゃくちゃだと思います」と述べ、「鳩山政権がこういう行動を取ったことが日本の政治を悪くした始まりだったということにならないか、強く危惧(きぐ)している」と懸念を示した。 
 鳩山首相の指示については、天皇陛下と外国要人との会見は1か月前までに申請するという政府内の取り決めが守られなかったことに対し、政府・与党内からも「二度とあってはならない」などと批判の声が出ている。
民主党が身内の不祥事についてはかなり甘かったということに関しては、あまりにたくさん事例がありすぎるので個別の事項は掲載しませんでしたが、自民党時代であれば、すぐにも辞任したような閣僚が、民主党では人員不足のためか、すぐには辞任せずにしばらく在籍していて、結局辞任したということがあまりに多すぎでした。一番お粗末なのは、本来答弁すべきときに予算委員会を「中座」して、国会食堂でコーヒーを飲んで15分居なかったことで「辞任」を迫られ、結局辞任したた田中直紀元防衛大臣です。




それに、天皇陛下に対する気遣いのなさも酷いもので、先に掲載した二つの記事のようなことは他にも数多くありました。陛下に対して気遣いかできないのですから、あの当時から一般の人に対しても気遣いなどできなかったのは当然のことです。

もっとも、酷いのは、彼らのいうところの政治主導です。できもしない、官僚を無視して、自分たちだけで政治活動をするということで、役人全体を敵にまわしてしまいました。役人側からすれば、何でも自分たちでやるというなら、"やってみろ"という感覚になるのは当たり前です。こんな馬鹿なことをしてしまったので、結局民主党政権は、何も決められないまま、漂流していたというのが実体です。天皇陛下も、官僚に対する気遣いもない民主党は、結局国民に対する気遣いも全くかけており、それが、昨年の選挙での民主党の大敗に結びついたのは、間違いありません。

民主党の政治主導は象徴である事業仕分けは単なるパフォーマンスに過ぎなかった

今の共産党も似たり寄ったりです。国民対す気遣いが徹底的に欠けています。それに、身内が不祥事を起こせば、外の人間以上に厳しく処断するのが当たり前という感覚もありません。こんな党では、たまたま議員数が増えたとしても、それはたまたまであって、本当は支持されてはいないとみるべきです。

今の自民党を見ていると、安倍総理と一部の関係者を除いては、民主党とあまり変りありません。民主党の最大の罪は、本当は似たり寄ったりなのに、自民党が民主党よりは少しはましということを多くの国民に信じ込ませてしまったことかもしれません。

とにかく、国民対する気遣いができない政党は、結局国民の支持を失うのです。そういった、意味では、共産党も民主党もこれからさき細るばかりであり、万年野党の地位から這い上がることは永遠に無理です。

自民党は第一次安倍内閣の崩壊の悪夢を繰り返すのか?

それに、自民党だって、今は良いですが、安倍総理大臣の方針のもとで一致団結して頑張れば政権与党の地位をしばらく維持できますが、安倍長期政権を樹立できずに、安倍おろしを強行したり、平成15年の段階で安倍以外の総裁が誕生したとしたら、先はないでしょう。現実は安倍総理とこれに近い人々だけが国民の支持を受けているのであって、自民党が支持を受けているわけではありません。もし今回安倍総裁が実現しなかった場合の自民党はこれだけの支持を受けることができたでしょうか?おそらく、出来なかったことでしょう。

安倍総理が支持される理由としては、日本国内には残念ながら他には「戦後体制からの脱却」をまともに考えている人がいないということが主な理由です。現在の世界において、混迷するアジア情勢に対処できる人は彼しかいないからです。これを、勘違いする自民党議員がそれを改めない限りいずれ凋落するでしょう。そうならないためにも、自民党は安倍政権を守りぬくべきです。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

【日本共産党 しんぶん赤旗】きょうの潮流―【私の論評】何を血迷っているのかさっぱり理解できないこの潮流?!!ネット上ではお笑いネタに過ぎない、この感性?

東大自治会が全学連脱退 「共産党、不当支配」 - MSN産経ニュース―【私の論評】誠に慶賀に堪えない、素晴らしきこと哉!!

【高木桂一の『ここだけ』の話】国賊か!? 「赤旗」で“日本叩き”に加勢の自民党元重鎮―【私の論評】とうとう出た真性偽装転向コミンテルン!!




新・日本共産党101問
新・日本共産党101問
posted with amazlet at 13.11.10
治安問題研究会
立花書房
売り上げランキング: 310,140




2012年6月18日月曜日

東大自治会が全学連脱退 「共産党、不当支配」 - MSN産経ニュース―【私の論評】誠に慶賀に堪えない、素晴らしきこと哉!!

東大自治会が全学連脱退 「共産党、不当支配」 - MSN産経ニュース:


戦後の学生運動の象徴だった全学連(全日本学生自治会総連合)に所属する東京大学教養学部学生自治会が、全学連と都学連(東京都学生自治会連合)から脱退することを代議員大会で決定した。同自治会は理由について「日本共産党による全学連と都学連を通じた不当な支配から脱却するため」としている。同自治会は全学連の中核的存在。関係者は「全学連にとって存続に関わる問題で共産党勢力の凋落(ちょうらく)を裏付ける動き」と指摘している。 全学連は現在、5つの党派が独自に名乗っているが、同自治会が所属していたのは最大組織とされる共産・・・・・・・・・・・・

この記事の続きはは、以下のURLをご覧ください。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120617/edc12061722550001-n1.htm

【私の論評】誠に慶賀に堪えない、素晴らしきこと哉!!

この流れ、当然といえば、当然であり、未だに東京大学の自治会が、共産党の傘下にあったこと自体が驚きです。もう、学生運動など絶えて久しく、その系譜である、組織が生きながらえていること自体が不思議です。だから、本日のタイトルは、旧文語調にしてみました(笑)。



同じ内容の別の記事が、Yahooにも掲載されており、それに関しては、詳細は、以下のサイトをご覧ください。

東大自治会が全学連脱退 元信奉者・中国人学生主導

以下に要約のみ掲載させていただきます。

かつての東大学生運動の中心的存在だった教養学部学生自治会が全学連から脱退した。運動が下火になった後も40年以上続いた「共産党支配」に終止符を打ったのは、皮肉にも党に心酔して一時は党の“手先”となった中国人学生だった。

「彼ら(共産党幹部)は学生自治会を自分たちの従属物としか思っていない。それが許せなかった」

こう憤る教養学部3年で同自治会前委員長の何●(かろく)さん(20)は、全学連脱退を主導した仕掛け人だが、実は高校時代から共産党の機関紙を愛読していた共産党信奉者だった。

何さんは山口県で育ったが、中国籍のため党員にはなれなかったものの、入学直後から党活動に加え、同自治会の活動にも積極的に参加し、平成22年12月に委員長に就任した。

しかし、翌年の12月には党と決別。党の狡猾(こうかつ)な手口による学生自治会支配に嫌気がさしたからだった。

何さんによると、手口の基本は、執行部内の党員に党の方針を指示し、ほかの執行部員の賛同が得られるよう主張させることだという。そのために行うのが、党員を正副委員長に就任させるという工作だ。

党の支部会議で次期正副委員長候補を勝手に決定。現職委員長に指示して、この候補に活動方針の提案など、役割を多く与え、存在感を高めて自然と委員長に選ばれるように画策する。

以下に全学連の五つのサイトのURLを掲載します。五つもあるということが驚きです。

外部リンク

さて、昔の学生運動は、過激なものが多かったようです。最近の田母神さんなども加わったもののように、平穏な形で行うデモは問題ありませんが、届け出ていないデモは道路交通法違反、さらに暴徒化すれば騒乱罪や公務執行妨害、暴行、傷害、器物損壊罪等に該当します。政治目的で政府転覆はかれば内乱罪等にもなります。




過去の学生運動では大学占拠したり火炎瓶投げたりしていましたから犯罪です。ただ参加者多く全員裁くのは時間と労力かかる上、大半は付和雷同者なので首謀者と悪質な者だけ裁判にかけ他は拘束、取り調べ後注意して釈放しました。今同じようなことをすれば、人数に関係なく逮捕され処罰の対象となることでしょう。私か大学に入学したころといっても随分前ですが、それでも学生運動もほとんどなく、それらしきものをみたのは、学生生活の中でも、一度のみで、革マル派の連中が、たった、10数人で、隊列を組んで、行進していたのを見ただけです。



学生の頃、母校の北海道大学の構内を歩いていると、その隊列が前から近づいてくるのが、見えました。随分近づいてきてから、その隊列の一番先頭の一人がいきなり、前に小走りででてきて、私の直前で、くるりと踵をかえして、何をするのかと、注目していたら、いきなり、カメラを取り出し、隊列の写真撮影をしはじめました。撮影が終ると、また、隊列の先頭にもどり、行進を続けました。

とは、いいなが、そのデモを見ている人は、誰もいなく、私自身たまたま自分のすぐ前に隊列があったので、何事なのかくらいの感覚で見ていただけです。

ちなみに、私のすぐ横に女子学生の数人がいて、ヘルメット姿の集団がなんなのか、理解できず、隊列がまだ遠くにあったときに、一人の女の子が、隊列を指先し「何あれ? ばっかみたいー」と言っているのが聞こえてきました。

東大女子学生
私は、過去の日本の学生運動に関しては、全否定です。一片の利も認めるものではありません。彼らの行動は、壊すことだけで、結局何ら創造的ではなかったものと評価しています。単なる時代の徒花だったと思います。日本で、学生運動が盛んだった頃、それは、全世界的な潮流となっていました。


これに関して、あの経営学の大家ドラッカーはいずれかの著書で、全世界的な学生運動の盛り上がりは、結局その世代の層の人口がかつてないほど、増加したためだけと看破していました。それこそ、戦前から、このような擾乱どころか、もっと酷くで過激なねものをみてきたドラッカーだからこそ、このようなことが言えるのだと思います。私なんぞが言い出したあかつきには、その正当性などなかなか納得させられないと思います。だからこそ、ここに、ドラッカーの言葉を掲載しました。私もそう思います。その程度のものが、いままで、温存されてきたこと自体が驚きです。

その当時、学生運動をしていた人間は、もうすでに、60歳を超す団塊の世代です。いくから、数が多いからといって、この世代の一部の人間の価値観がいつまでも、生き続けられるわけがありません。私は、この世代の人たちのいうことは、全く学生運動にかかわっていなかったとか、当時右翼であったとか、最低限右派というなら聞きますが、それ以外の人の言うことは、まずは疑ってかかるようにしています。新左翼などは、当時「30歳以上の大人を信用するな」をキャッチフレーズとしていましたが、そのようなもので、まずは、ほとんど信用しません。そうして、こうしておくことにより、正しい判断ができました。当然のこととして、新左翼の巣窟民主党のいうことなど、はなから全く信用していませんでした。正しい判断だったと思います。

それに、この学生運動が最高潮達していた頃の日本は、今とは、比較できないほど異なる時代いであり、その時代に今にも共産主義革命が始まるなど考えることは、今から考えると、非常奇異なことでした。それに関しては、以前このブログにも掲載したことがありますので、以下にそれをコピペしておきます。
1991年に旧ソビエトが崩壊する少し前に、当時のソビエトである経済学者が論文を発表しました。その内容の冒頭の要旨だけあげておきます。 
「我々の共産主義は、結局失敗した。我々の共産主義は、現状のソビエトのような体制をつくりあげることを目指したわけではない。我々の理想は結局実現されなかったが、世界の中には理想を実現した国もあるはずだ。私は、その国をいろいろ探し求めてみた。そうして、とうとう、ある国が我々が目指した理想の共産主義に近いものを実現していることを発見した」。 
では、この学者の言う、理想の共産主義を実現した国とは一体どの国でしょうか?なんと、それは、「日本」です。このようなことを掲載すると、多くの方が、日本が共産主義なんてそんな馬鹿なと思われるかもしれません。しかし、日本は、特に、いわゆる、金融ビッグバンが行われる前の日本は、まさに、共産主義と呼んでよいような社会でした。 
ちなみに、金融ビッグバンとは、1996(平成8)年11月に第2次橋本内閣が提唱した、金融制度改革のことをいいます。英国のビッグバンと区別する意味で、日本版ビッグバンとも呼ばれています。金融ビッグバンは、2001(平成13)年には東京市場をニューヨークやロンドンのような国際市場にする、ということを目的に行われた改革です。
かつてソ連のゴルバチョフ大統領が"日本は世界で一番成功した社会主義国だ"と発言しました。確かに日本は表向きは従来から資本主義国家であり、冷戦下では、自由主義陣営に属していましたが、社会の体制は、社会主義的もしくは、共産主義といっても良いくらいのものでした。 
ゴルバチョフ氏
たしかに、今から振り返れば、1990年代の初頭までは、日本は、共産主義国家と呼んでもさしつかえないほどの体制でした。税金の累進性は欧米より強く高額所得者は税金をたくさんとられます。貧困層は福祉や公的補助、医療制度など優遇され高額所得者から巻き上げた税金が還元されます。サラリーマンは年功序列で能力で関係なく昇給しました。当時は、経済格差は‘悪‘と公言する政治家までいました。そのため、当時の日本は、所得格差もかなり少なく、実質上世界一といっても良いくらいの平等な社会を実現していました。 
この時代には、多数の人が、自分は経済的にも社会的にも真ん中くらいに位置しているという意識が強く、「一億総中流」などという言葉もあったくらいです。現在とは、かなり異なると思います。
こんな時代に、革命を信じて、学生運動をするなど、今の時代のように情報が豊富ではなかったとはいえ、ドラッカーなどからみれば「数の論理」としか、見られなかったのは当然のことです。


多くの人間が主張すれば、正しくないことでも、正しいと信じこむ、思い込むことの典型例だと思います。ただし、今の私たちも、この時代の若者の愚行を笑ってばかりいられません。ごく最近であれば、マスコミが目一杯日々、報道したり、おかしげな人が、トンデモ理論を日々叫びまくると、「デフレの最中における、増税は、百害あって一利なし」ということは、明々白々なのに、「増税やむなし」と思ってしまう人も大勢います。

消費税を復興税とする企みは、失敗した
じゃあ、それが、いったい何故なのかと問えば、おそらく自分の頭で判断しているのではなく、「新聞に書いてあったから」とか、「大勢言っているから」、「テレビで見たから」とうのが関の山です。しかし、考えてみれば、こいつは、学生運動が盛んだった頃の、学生より始末に悪いかもしれません。なぜなら、その当時は、情報は今に比較すれば、入手しにくかったからです。今なら、各省庁の情報など、簡単にインターネットで、参照できるし、質問も可能ですし、さらには、関係情報などかなり入手できます。


いずれにせよ、どの時代でも、多くのマインドコントロールや、誘惑などがあるのが、当たり前です。つい最近では、オウム真理教の逃走犯である、菊池が逮捕されました。何かの信条を持つとか、思想を持つあるいは、自分にとって重要だと思うことを判断するというのなら、他者にコントロールされることなく、自分で情報を集め、とことん自分で考えてからにすべきです。これは、いつの時代にも変わらない真実だと思います。しかしながら、そうはいっても、今回の出来事「誠に慶賀に堪えない、素晴らしきこと哉!!」です。




【関連記事】


「誰よりも悪人」逃走犯らに強い憤り 高橋シズヱさん会見 ―【私の論評】マインドコントロールは、オウムだけではない!!近衛内閣末期症状と同じ今の政治を考えると今は、書いても書いても書き足りぬ?!



元日本赤軍:ダッカ事件被告、2審も無期懲役 東京高裁 -かつて日本は共産主義国家だった!!







比、中国との合意否定 「大統領承認せず無効」―【私の論評】国家間の密約 - 歴史的事例と外交上の難しさ

比、中国との合意否定 「大統領承認せず無効」 まとめ フィリピンと中国の間で、南シナ海のアユンギン礁をめぐる密約の存在をめぐって対立が深まっている。 中国側は密約の存在を主張、フィリピン側は否定。真相は不明確で、両国の関係悪化が懸念されてる フイリピン マルコス大統領  フィリピ...